説明

画像形成装置

【課題】マルチビュー液晶を表示部に採用し、表示部の正面および正面以外に位置するユーザに有用な情報を同時に提供する画像形成装置を提案する。
【解決手段】MFP100の表示部30にはマルチビュー液晶が採用され、正面および左右に対して異なる画面を同時に表示することができる。MFP100では、正面の方向に正面画面として操作用の画面を表示し、左右の画面に確認用の画面を表示する。したがって、表示部30の正面に位置する操作者と表示部30の左右に位置するジョブを確認したいユーザとは、各々、同時に、操作用の画面と、確認用の画面とを視認することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は画像形成装置に関し、特に、マルチビュー表示装置を備えた画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
プリンタや複写機やそれらの複合機であるMFP(Multi Function Peripheral)などの画像形成装置は、ネットワークに接続された環境で用いられることがある。その場合、画像形成装置は、備えられるタッチパネル等の操作部で直接操作する用いられ方や、接続されたPCから操作信号を送信する用いられ方等、さまざまな用いられ方がなされる。また、複数のユーザから各々ジョブが発行される場合がある。
【特許文献1】特開2001−333233号公報
【特許文献2】特開2002−344683号公報
【特許文献3】特開2005−164681号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、通常、画像形成装置の表示部はタッチパネル等の操作手段を兼ねているため、画像形成装置の操作部で操作中のユーザや、表示部で現在表示を確認中のユーザがある場合、たとえば先に発行したジョブの進行状況を確認したい他のユーザ等の、操作中以外のユーザは、所望する表示を見ることができないという問題がある。
【0004】
この問題を解消する方法として、たとえば特開2001−333233号公報(以下、特許文献1)が開示しているように、表示画面を複数領域に分割し、その一部にたとえば先に発行されたジョブの進行状況等を表示するなどの表示部の使い方も考えられる。しかしながら、通常、表示部は画像形成装置の正面に設けられ、表示可能な面積には制約がある。したがって、上述のように表示画面を複数領域に分割すると1つの画面の面積が小さくなるため、各ユーザにとって表示内容が認識し難くなるという問題がある。
【0005】
またたとえば、特開2002−344683号公報(以下、特許文献2)が開示しているように、画像形成装置に複数の表示部を設けて、進行状況に応じて各表示部の表示を切り替える方法も考えられる。しかしながらこのようにするためには、画像形成装置に複数の表示部を設ける必要があり、表示を制御するための処理が複雑になったり、製造コストがアップしたりなどの問題がある。
【0006】
またたとえば、特開2005−164681号公報(以下、特許文献3)が開示しているように、ユーザ操作に従って表示部での表示方向を切り替える方法も考えられる。しかしながら、操作中のユーザ以外のユーザは、通常、その横等、表示部に対して操作中のユーザとは異なる位置にある場合が多い。そのため、操作中のユーザとジョブの進行状況を確認したい他のユーザとが同時に存在する場合にはこれらユーザの位置関係によっては、一方のユーザに見やすい方向に表示方向を切り替えると他方のユーザにとっては見難くなる場合がある、という問題がある。
【0007】
本発明はこのような問題に鑑みてなされたものであって、マルチビュー液晶を表示部に採用し、表示部の正面に位置するユーザに対する表示の視認性を妨げることなく、正面以外に位置するユーザに対して、同時に、有用な情報を提供することで、いずれのユーザにとっても使い勝手のよい画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、本発明のある局面に従うと、画像形成装置は、ジョブを取得する取得手段と、ジョブに対して画像形成処理を行なう画像形成手段と、画像形成処理に対する操作設定を行なう第1操作手段と、第1操作手段と画像形成処理に関する情報とを表示する表示手段とを備え、表示手段は、表示手段と視点との角度である視野角に90度を含む第1の方向に対して第1の画面と、視野角に90度を含まない第2の方向に対して第2の画面とを同時に表示し、第1の画面として第1操作手段を含む画面を表示し、第2の画面として画像形成処理に関する情報を含む画面を表示する。
【0009】
好ましくは、画像形成処理に関する情報にはジョブに対する操作を行なうための第2操作手段が含まれ、第1の画面に表示される第1操作手段と第2の画面に表示される第2操作手段とは、表示手段において異なる座標位置に表示される。
【0010】
好ましくは、画像形成装置は、表示手段における第2の画面の表示を制御する表示制御手段と、第2の方向に存在するユーザを検出する検出手段とをさらに備え、表示制御手段は、検出手段において第2の方向に存在するユーザを検出した場合に、第2の画面として画像形成処理に関する情報を含む画面を表示する。
【0011】
より好ましくは、表示制御手段は、検出手段において第2の方向にユーザが検出されない場合に、第2の画面として第1の画面と同じ画面を表示する。
【0012】
好ましくは、画像形成装置は表示手段における第2の画面の表示を制御する表示制御手段をさらに備え、表示制御手段は、画像形成手段で処理するジョブが存在する場合に、第2の画面として画像形成処理に関する情報を含む画面を表示する。
【0013】
より好ましくは、画像形成装置は当該画像形成装置から所定範囲内にある記録媒体からユーザの識別情報を読取る読取手段をさらに備え、表示制御手段は、画像形成手段で処理するジョブが存在する場合であって、ジョブ内に、読取られた識別情報に関連付けられているジョブが存在する場合に、第2の画面として、読取られた識別情報に関連付けられているジョブに関する画像形成処理に関する情報を含む画面を表示する。
【0014】
好ましくは、表示制御手段は、予め規定されたモードが選択された場合に、第2の画面として第1の画面とは異なる画面を表示する。
【0015】
好ましくは、画像形成装置は、画像形成手段によって画像形成された用紙を排出する排出手段をさらに含み、第2の方向は、視野角が0度を境界として、排出手段によって用紙が排出される方向を含む第3の方向と、排出される方向を含まない第4の方向とを含み、表示制御手段は、取得手段でジョブを取得すると、第3の方向に、排出手段によって用紙が排出されたジョブに関する情報を含む画面を表示し、第4の方向に、排出手段によって未だ用紙が排出されていないジョブに関する情報を含む画面を表示する。
【発明の効果】
【0016】
本発明によると、マルチビュー液晶を操作および表示用パネルに採用した画像形成装置において、当該パネルを使用して操作中の、当該パネルの正面に位置するユーザに対してと同時に、上記ユーザ以外の、当該パネルの左右に位置するユーザに対しても、上記操作中のユーザに情報を提供するための画面を小さくしたり表示時間を制約したりすることなく、当該パネルを用いて有用な情報を視認しやすく提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下に、図面を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明する。以下の説明では、同一の部品および構成要素には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同じである。
【0018】
図1は、本発明にかかる画像形成装置としての、実施の形態にかかるMFP(Multi Function Peripheral)100の概観の具体例を示す図である。なお、本発明にかかる画像形成装置はMFPに限定されず、プリンタや複写機等の他の装置であっても同様である。
【0019】
図1を参照して、MFP100は、大きくは、原稿を読取って画像データを得るスキャナ部10と、画像データを処理する処理部20とを含み、その正面に操作を受付ける手段と表示手段とを兼ねる表示パネルで構成される表示部30が設けられる。さらに、表示部30の近傍(図1では表示部30)に、プッシュ音等の操作に関連した音声を出力するスピーカ314と、操作を受付ける手段である押しボタン315とが設けられる。
【0020】
図2は、MFP100の構成の具体例を示すブロック図である。
図2を参照して、MFP100は、表示部30を含んで構成され、操作や設定を受付け、また各種情報を表示する操作表示部102と、スキャナ部10を含んで構成され、スキャナ部10にセットされた原稿を読取って電子データ化した画像データを生成する画像読取部105と、画像データに対して各種処理を行なう画像処理部106と、処理後の画像データからプリントするための画像を形成する画像形成部107と、処理後の画像データなどの各種データを記憶するデータ記憶部108と、ネットワーク111を介して他の装置等とデータの送受信等を行なう通信部109と、後述するセンサを含み、当該MFP100の周囲に位置するユーザを識別する識別部110と、画像読取部105、画像処理部106、および画像形成部107でのジョブのステータスを管理するステータス管理部112と、CPU(Central Processing Unit)を含んで構成され、上記各部を制御する制御部101と、制御部101で実行されるプログラムを記憶したり、制御部101での処理や画像処理部106での処理の際の作業領域とされたりする記憶装置であるROM(Read Only Memory)103やRAM(Random Access Memory)104とを含んで構成される。
【0021】
図3は、表示部30での表示原理を説明するための図である。表示部30は、見る角度、つまり表示部30における正面位置とユーザの視点位置との角度(視野角)によって異なる画面を表示し得るマルチビュー液晶を採用している。本実施の形態では、横方向(画面の左右方向)における視野角の違いによって異なる画面を表示することが可能であるものとする。
【0022】
図3を参照して、表示部30は、MFP100からユーザ側に向かって、バックライト313と、表示内容の異なる数種類(図3においては2種類)の映像を照射する液晶パネル300と、縦方向のスリットの設けられた視差バリア301と、タッチパネル312とがこの順に配置される。
【0023】
液晶パネル300は制御部101に接続され、制御部101からの制御によって、液晶パネル300上に、表示画面の横方向を等分割した各表示内容が、表示画面ごとに横に交互に並んで配置される。ここで、画面Aと画面Bとを視野角に応じて表示する図3の例の場合、液晶パネル300には、横方向を表示部30のサイズに応じて等分割した画面Aの表示内容と、横方向を表示部30のサイズに応じて等分割した画面Bの表示内容とが、交互に、横方向に並んで配置される。
【0024】
視差バリア301は、液晶パネル300から発せられる光の進路を左右方向に分離するフィルタとして機能する。図3の例の場合、視差バリア301は、液晶パネル300上の画面Aの表示内容が配置された位置からの照射を左方向に通過させ右方向には通過させない。同様に、画面Bの表示内容が配置された位置からの照射を右方向に通過させ左方向には通過させない。視差バリア301はフィルタとして予め設置されているものであってもよいし、制御部101に接続され、制御部101からの制御信号に従って上記スリットが構成あるいは非構成させる仕組みの液晶パネルなどであってもよい。
【0025】
タッチパネル312は、たとえば静電式のものが挙げられ、ユーザの指が所定距離内に入る(あるいはタッチパネル312に触れる)ことによる静電容量の変化を検出する。または、その他の方法でユーザの指が所定距離内に入ったことを検出するようにしてもよい。タッチパネル312は制御部101に接続され、検出信号を制御部101に対して出力する。
【0026】
図4は、上述のマルチビュー液晶を採用した表示部30を備えるMFP100での表示画面の見え方を説明するための図である。本実施の形態においては、表示部30は、視野角に応じた画面として、MFP100に向かって左側に位置する視点(ユーザ)と表示部30との視野角に応じた第1の画面と、正面に位置する視点と表示部30との視野角に応じた第2の画面と、右側に位置する視点と表示部30との視野角に応じた第3の画面とを表示するものとする。以降の説明において、図4に示されるように、上記第1の画面を「左画面」、第2の画面を「正面画面」、および第3の画面を「右画面」と称する。なお、ここで「正面」とは、視野角に0度を含む方向を指し、「左側」および「右側」とは、視野角に0度を含まない方向を指す。なお、本発明においてマルチビュー液晶を採用した表示部より表示される画面の方向は上述の3方向に限定されず、4方向以上であってもよいし、2方向であってもよい。また、表示方向は、横方向に視野角によって異なる画面を表示するものに限定されず、縦方向に視野角によって異なる画面を表示するものであってもよい。しかしながら、好ましくは、操作者であるユーザに対して操作画面等の有用な情報を視認しやすく提供するために、少なくとも上記正面画面である、視野角に0度を含む方向に対して画面表示を行なう。また、図4の例では、説明のため、紙面に対して左側を「左側」、右側を「右側」としている。
【0027】
[第1の実施の形態]
図5は、MFP100において表示部30での表示を制御するための機能構成の具体例を示すブロック図である。図5に示される各機能は、MFP100の制御部101に含まれるCPUがROM103等に記憶されているプログラムを読み出して実行することで、主に制御部101に形成される機能であり、図2に示される構成で形成される機能が含まれてもよい。
【0028】
図5を参照して、MFP100の上記機能は、スピーカ314での音声出力を制御するための音声制御部303と、押しボタン315が押されたことを検出し検出信号を入力する等の押しボタン315の操作に関連した制御を行なうための押しボタン制御部304と、液晶パネル300のうち上述の左画面の内容を配置する領域である左画面表示部309、正面画面の内容を配置する領域である正面画面表示部310、および右画面の内容を配置する領域である右画面表示部311での表示や表示の切替え等を制御する表示制御部305と、表示する画像データを記憶するメモリ306と、タッチパネル312を制御するタッチパネル制御部307と、バックライト313を制御するバックライト制御部308とを含んで構成される。さらに、メモリ306には、左画面表示部309に表示するための画像データを記憶する領域である左画面メモリ3061と、正面画面表示部310に表示するための画像データを記憶する領域である正面画面メモリ3062と、右画面表示部311に表示するための画像データを記憶する領域である右画面メモリ3063とが含まれる。
【0029】
表示制御部305は、予め規定される操作用の画面の画像データを記憶している。また、ステータス管理部112から各ジョブのステータスを取得し、各ジョブのステータスに応じた確認用の画面の画像データを生成する。ステータス管理部112はジョブのステータスとして、ジョブが印刷中であること、および今後印刷を行なうために待機中であることを管理する。さらに、所定時間、印刷が終了したジョブについても履歴を管理するものとする。表示制御部305はステータス管理部112からの情報より、ステータス管理部112が管理しているジョブの有無と、各ジョブのステータスを得ることができる。
【0030】
表示制御部305は、これらの画像データを規定に沿って左画面メモリ3061、正面画面メモリ3062、および/または右画面メモリ3063に記憶させる。さらに、表示制御部305は、メモリ306の左画面メモリ3061に記憶されている画像データを読み出して左画面表示部309で表示させ、正面画面メモリ3062に記憶されている画像データを読み出して正面画面表示部310で表示させ、右画面メモリ3063に記憶されている画像データを読み出して右画面表示部311で表示させるための制御を行なう。
【0031】
ここで、MFP100の表示部30の正面に位置するユーザは、一般的にコピー等の設定操作を行なうユーザであるため、正面画面表示部310には正面画面として操作用の画面を表示することが好ましい。表示部30の左右に位置するユーザは、一般的に、印刷が終了して排出される印刷物を待つユーザであるため、左画面表示部309および右画面表示部311には、左右画面としてジョブの状態(ステータス)を表示することが好ましい。そこで、上記規定として、予め、正面画面メモリ3062には操作用の画面の画像データを記憶するものとし、左画面メモリ3061および右画面メモリ3063には、確認用の画面の画像データを記憶するものと規定されているものとする。これにより、表示制御部305は生成した確認用の画面の画像データを左画面メモリ3061および右画面メモリ3063に記憶させ、記憶している操作用の画面の画像データを正面画面メモリ3062に記憶させ、図6に示されるような正面画面および左右の画面を表示させるものとする。すなわち、図6に示されるように、表示制御部305は、正面画面として操作用の画面を表示させ、左画面および右画面として確認用の画面を表示させる。これにより、MFP100に対して各位置にいるユーザは、その位置に応じて必要な情報を、その位置で表示部30から得ることができて、使い勝手が向上する。特に、表示部30の左右に存在するユーザに対して、表示部30の正面に位置している操作中のユーザが視認している操作用の画面を分割したり表示時間を制約したりすることなく、同時に有用な情報を表示させることができる。なお、MFP100にジョブが存在しない場合等、表示制御部305がステータス管理部112からの情報よりジョブの情報を抽出しない場合には、表示制御部305は左画面用の画像データおよび右画面用の画像データを生成しないことが好ましい。このとき、左画面メモリ3061および右画面メモリ3063には画像データが記憶されていないため、表示制御部305は、正面画面メモリ3062に記憶されている正面画面表示部310に表示するための画像データを読出し、左画面表示部309および右画面表示部311に正面画面表示部310の表示と同じ表示画面を表示させることが好ましい。つまり、第1の実施の形態において、表示制御部305は、ステータス管理部112からの情報にジョブの情報が存在する場合に、正面画面とは異なる画面を左画面および右画面として表示させるものとする。このため、左右画面に確認用の画面を表示しない場合には、すべての方向に正面画面と同じ画面が表示され、操作を行なうユーザがいずれの場所にいても表示が視認しやすくなる。
【0032】
さらに、MFP100に対して左右に位置するユーザも、印刷中のジョブまたは待機中のジョブに対してスクロール操作や取り消し操作等の、ジョブに対する操作を行なう場合がある。そのため、確認用の画面には操作ボタンが表示されることが好ましい。その際、図6に示されるように、表示部30に操作用の画面である正面画面と確認用の画面である左右の画面とが同時に表示されるため、表示制御部305は、図7に示されるように、正面画面である操作用の画面に設けられる操作ボタンの表示位置(図7(B)参照)と、左右の画面である確認用の画面に設けられる操作ボタンの表示位置(図7(A),(C)参照)とが重ならないように、つまり表示部30において異なる座標で操作用および確認用の画面の画像データを生成することが好ましい。なお、以降の具体例においても、同様に画面構成とすることが好ましい。
【0033】
なお、図6では、左画面と右画面とが同じ確認用の画面であることを表わしているものとしている。しかしながら、左画面と右画面とは異なる確認用の画面であってもよい。なぜなら、MFP100に対して左側と右側との一方は印刷後の用紙が排紙される側であり、他方が印刷用に給紙される側であることが多い。そのため、排紙側には印刷された用紙を取りにきたユーザが位置し、給紙側には印刷を待つユーザが位置する可能性がある。そこで、表示制御部305はステータス管理部112からの情報に基づいて、印刷中および印刷後のジョブを確認するための画面の画像データと、印刷中および待機中のジョブを確認するための画面の画像データとを各々生成し、規定に沿って、該当する側のメモリに記憶させることが好ましい。
【0034】
図8および図9は、この場合の表示制御部305での処理の流れの具体例を示すフローチャートである。ここでは、具体的に図8のフローチャートは給紙側の画面(ここでは右画面とする)表示を行なうための処理の流れを示し、図9のフローチャートは排紙側の画面(ここでは左画面とする)表示を行なうための処理の流れを示している。
【0035】
初めに図8を参照して、表示制御部305は、初期表示として該当する右画面表示部311に対して正面画面表示部310と同じ表示をさせる(ステップS100)。
【0036】
ここで、制御部101においてスキャナ部10でのスキャナ動作や他の装置からの印刷指示の受信などのジョブを受信したことが検出されると(ステップS101でY)、表示制御部305はステータス管理部112からの情報に基づいて、実行中、つまり印刷中のジョブを含むジョブリストを表示する画面の画像データを生成し、右画面メモリ3063に記憶させることで右画面表示部311に表示させる(ステップS102)。ここでは、現在印刷中のジョブの状態(たとえば受信したジョブの印刷枚数、印刷中のジョブのページ数等)と、待機中のジョブが表示される。上記ステップS102の処理は、待機ジョブが存在し、画像形成部107での処理が行なわれている間は繰り返される。
【0037】
制御部101において、画像形成部107での処理が終了し(ステップS103でY)、ステータス管理部112からの情報に基づいて待機中のジョブがなくなったことが検出されると(ステップS104でN)、表示制御部305はステータス管理部112からの情報に基づいて、印刷が終了したジョブの履歴を表示する画面の画像データを生成し、右画面メモリ3063に記憶させることで右画面表示部311に履歴画面を表示させる(ステップS105)。表示制御部305はステップS105での履歴画面の表示からの時間経過を監視し、その間に新たにジョブを受信することなく上記表示が行なわれてから所定時間の経過を検出すると(ステップS106でN、かつS107でY)、右画面を履歴画面の表示から初期表示に戻す。所定時間経過前に新たにジョブを受信した場合(ステップS106でY)、処理がステップS102に戻り、表示制御部305は、再度、実行中のジョブリストを右画面として表示するための処理を行なう。
【0038】
次に、図9を参照して、表示制御部305で排紙側の画面(ここでは左画面)表示を行なう際には、上記ステップS103において制御部101が画像形成部107でステップS101で受信したジョブの処理が終了したことを検出すると(ステップS103でY)、上記ステップS104の処理は行なわれずに、表示制御部305はステータス管理部112からの情報に基づいて、印刷が終了したジョブの履歴を表示する画面の画像データを生成し、左画面メモリ3061に記憶させることで左画面表示部309に履歴画面を表示させる(ステップS105)。表示制御部305はステップS105での履歴画面の表示からの時間経過を監視する。排紙側の画面表示を行なう際には、表示制御部305は、所定時間の経過内に新たにジョブを受信したとしても(ステップS106でY)、給紙側の画面表示を行なう処理とは異なって実行中のジョブを表示することなく、上記ステップS105での履歴画面の表示を行なわせ、所定時間の経過を検出すると(ステップS106でN、かつS107でY)、左画面を履歴画面の表示から初期表示に戻す。
【0039】
表示制御部305が上述の処理を行なうことで、左側が排紙側、右側が給紙側とした場合に、排紙側から視認される左画面には印刷中のジョブよりも印刷が終了したジョブの履歴が優先して表示される。排紙側には印刷された用紙を取りにきたユーザが位置する可能性が高いため、そのようなユーザにとって有用な情報が表示される。また、給紙側から視認される右画面には、逆に、印刷が終了したジョブの履歴よりも印刷中のジョブが優先して表示される。給紙側には印刷を待つユーザが位置する可能性が高いため、そのようなユーザにとって有用な情報が表示される。このようにすることで、特に左右に位置しているユーザは、その位置に応じてより必要な情報を、表示部30から得ることができて、使い勝手がより向上する。
【0040】
[第2の実施の形態]
第2の実施の形態において、表示制御部305は、表示部30の左右のユーザが検出されたタイミングで左画面および右画面を表示させるものとする。
【0041】
第2の実施の形態において、MFP100は赤外線や音波等を利用して対象物の有無を検出するためのセンサ113を備え、表示部30の左右のユーザの有無を検出する。
【0042】
センサの位置は表示部30の左右のユーザの有無が検出される位置であれば具体的には限定されないが、たとえば、図10に示されるように、表示部30の左右に、左側のユーザの有無を検出するためのセンサ113a、および右側のユーザの有無を検出するためのセンサ113bを備える。センサ113aおよびセンサ113bは制御部101に接続され、検出信号を制御部101に対して出力する。
【0043】
第2の実施の形態にかかるMFP100において表示部30での表示を制御するための機能構成は、図5を参照して、上述の構成に加えて、センサ113などから構成される検出部317をさらに含む。検出部317は、センサ113での検出に応じて検出信号を表示制御部305に入力する。
【0044】
図11は、第2の実施の形態での、表示制御部305での処理の流れの具体例を示すフローチャートである。図11を参照して、第2の実施の形態において、表示制御部305は、検出部317からの検出信号の入力を監視し、センサ113aおよびセンサ113bのうちの少なくとも一方から検出信号が入力されると(ステップS300でY)、その入力された側に応じた画面表示を行なわれる。つまり、センサ113bから検出信号が入力された場合には(S301で右)、表示制御部305はステータス管理部112からの情報に基づいて印刷中のジョブや印刷が終了したジョブの履歴などを表示する確認用の画面の画像データを生成して右画面メモリ3063に記憶させ、右画面表示部311に確認用の画面を表示させる(ステップS302)。センサ113aから検出信号が入力された場合には(S301で左)、表示制御部305はステータス管理部112からの情報に基づいて確認用の画面の画像データを生成して左画面メモリ3061に記憶させ、左画面表示部309に確認用の画面を表示させる(ステップS303)。
【0045】
表示制御部305が上述の処理を行なうことで、表示部30の左右にユーザの存在を検出すると、その視野角に応じた方向に向けて画面を表示させることができる。さらに、表示部30の左右にユーザの存在が検出されない場合には、先述のように、表示制御部305は左画面用の画像データおよび右画面用の画像データを生成しないことが好ましい。このようにすることで、ユーザが表示部30の左右に存在するときには、表示部30の正面に位置している操作中のユーザが視認している操作用の画面を分割したり表示時間を制約したりすることなく、左右に存在するユーザに対して同時に有用な情報を表示させ、表示部30の左右にユーザが存在しないときには、表示部30の正面で操作するユーザに対して見やすく有用な情報を表示させることができる。
【0046】
[第3の実施の形態]
第3の実施の形態において、表示制御部305は、印刷中のジョブまたは待機中のジョブがあることが検出された場合に左画面および右画面を表示させるものとする。
【0047】
図12は、第3の実施の形態での、表示制御部305での処理の流れの具体例を示すフローチャートである。図12を参照して、第3の実施の形態において、表示制御部305は、ステータス管理部112からの情報に基づいて印刷中のジョブや待機中のジョブがあることが検出されると(ステップS501で有)、表示制御部305はその情報に基づいてそれらジョブを表示する確認用の画面の画像データを生成して左画面メモリ3061および右画面メモリ3063に記憶させ、左画面表示部309および右画面表示部311に上記画面を表示させる(ステップS513)。印刷中のジョブや待機中のジョブがあることが検出されない場合には(ステップS501で無)、表示制御部305は左画面表示部309および右画面表示部311の表示を変更することなくそのままとする(ステップS510)。
【0048】
表示制御部305が上述の処理を行なうことで、印刷中のジョブや待機中のジョブがある場合に、左右の画面に確認用の画面を表示させることができる。このようにすることで、ユーザが印刷中のジョブや待機中のジョブを確認するために表示部30の左右に存在する場合に、表示部30の正面に位置している操作中のユーザが視認している操作用の画面を分割したり表示時間を制約したりすることなく、左右に存在するユーザに対しても同時に有用な情報を表示させることができる。なお、上に説明された処理と、第2の実施の形態にかかる処理とを組み合わせてもよい。
【0049】
[第4の実施の形態]
第4の実施の形態の前提として、ユーザには当該ユーザを識別する情報であるIDが割り当てられ、ユーザは、当該ユーザのIDを記録させたIC(Integrated Circuit)カードなどの記録媒体を携帯しているものとする。通信部109は無線通信を行ない、通信可能な範囲内にある上記ICカードからIDを読取る。通信部109は制御部101に接続され、読取ったIDを制御部101に対して出力する。
【0050】
第4の実施の形態にかかるMFP100において表示部30での表示を制御するための機能構成は、図5を参照して、上述の構成に加えて、通信部109などから構成されるID取得部318をさらに含む。ID取得部318は、通信部109においてICカードとの通信で得られたIDを表示制御部305に入力する。
【0051】
図13は、第4の実施の形態での、表示制御部305での処理の流れの具体例を示すフローチャートである。図13を参照して、第4の実施の形態において、表示制御部305はID取得部318からの、MFP100の付近に存在するユーザの携帯したICカードより読取られたIDの入力を監視し、IDの入力を検出すると(ステップS500でY)、さらにステータス管理部112からの情報に基づいて、現在印刷中のジョブまたは待機中のジョブの有無を確認する(ステップS501)。その結果、該当するジョブが存在する場合(ステップS501で有)、表示制御部305はさらに、そのジョブに属性情報として付加されるなどして当該ジョブと関連付けられているIDと、ステップS500で入力されたIDとを比較する(ステップS503)。
【0052】
存在するジョブ中に、IDが一致するジョブが含まれない場合には(ステップS505で「不一致」)、表示制御部305はいずれの画面についても表示を変更させない。つまり、左画面表示部309および右画面表示部311の表示を正面画面表示部310の表示と同じ画面表示とする。一方、IDが一致するジョブが含まれている場合には(ステップS505で「一致」)、表示制御部305はそのジョブに関する情報を表示する画面の画像データを生成して左画面メモリ3061および右画面メモリ3063に記憶させ、左画面表示部309および右画面表示部311に表示させる(ステップS513)。
【0053】
表示制御部305が上述の処理を行なうことで、表示部30の付近(左右)にユーザの存在を検出すると、そのユーザに関連したジョブに関する情報を、表示部30の正面に位置している操作中のユーザが視認している操作用の画面を分割したり表示時間を制約したりすることなく、同時に左右の画面に表示させることができる。このようにすることで、ユーザが表示部30の左右に存在するときには特にそのユーザに対して、正面のユーザに対する情報の表示と同時に、有用な情報を表示させることができる。
【0054】
さらに、上述の処理に第2の実施の形態での処理を組み合わせてもよい。すなわち、図14を参照して、表示制御部305は図13に示されたステップS500〜S505の処理を行なって、ステータス管理部112からの情報に含まれるジョブに、属性情報として付加されているIDがステップS500で入力されたIDと一致するジョブが含まれている場合に(ステップS505で「一致」)、表示制御部305はステップS500で入力されたIDが表示部30より右側または左側に存在するICカードから読取られたものであるのか否か、つまり、ユーザが表示部30の左右に存在するか否かを判断する(ステップS507)。ステップS507では、第2の実施の形態で説明されたようにMFP100にセンサ113aおよびセンサ113bが備えられ、表示制御部305がそれらからの検出信号に基づいて判断してもよいし、通信部109がセンサ113と同様にMFP100の右側と通信する通信部と左側と通信する通信部とを含んで、表示制御部305がこれら通信部とICカードとの通信強度を比較することで判断してもよい。また、その他の方法で判断してもよい。また、ステップS507では、IDを読取ったICカードが表示部30の左右に位置するのか、正面に位置するのかを判断すると共に、前者であると判断された場合に、さらに左側に存在するか右側に存在するかを判断するものとする。
【0055】
その結果、IDを読取ったICカードが表示部30の左右に位置しない場合(ステップS507でN)、つまり正面に存在する場合、表示制御部305は、左右の表示部に正面表示部310と同じ画面表示をさせる(ステップS517)。IDを読取ったICカードが表示部30の左側または右側に存在する場合(ステップS507でY)、さらに表示制御部305はステータス管理部112からの情報に基づいて上記ステップS505で一致すると判断されたジョブについてその状態を確認する(ステップS509)。その結果、該当するジョブがすべて印刷済みである場合には(ステップS509でY)、表示制御部305は該当する、印刷が終了したジョブの履歴を表示する画面の画像データを生成して、IDを読取ったICカードの存在する方向に該当する左画面メモリ3061または右画面メモリ3063に記憶し、左画面表示部309または右画面表示部311にジョブの履歴を表示する画面を表示させる(ステップS515)。該当するジョブの中に現在印刷中のジョブまたは待機中のジョブが含まれる場合には(ステップS509でN)、表示制御部305はこれらのジョブの状態を示すリストおよび印刷が終了したジョブの履歴を表示する画面の画像データを生成して、IDを読取ったICカードの存在する方向に該当する左画面メモリ3061または右画面メモリ3063に記憶し、左画面表示部309または右画面表示部311に上記画面を表示させる(ステップS513’)。
【0056】
本処理は以上で終了されてもよいが、好ましくは、以降の処理をさらに実行させる。すなわち、上記ステップS515またはS513’で左画面表示部309または右画面表示部311に上記画面を表示させた後、表示制御部305は、引き続き、上記ステップS507と同様にして、IDを読取ったICカードが表示部30の左側または右側に存在するか否かを判断する(ステップS514またはS516)。その結果、IDを読取ったICカードが表示部30の左側または右側に存在しなくなって所定時間が経過したことが検出されると(ステップS514でN、またはS516でN)、表示制御部305は、左右の表示部に正面表示部310と同じ画面表示をさせる(ステップS517)。
【0057】
なお、上記ステップS500では、IDの入力を検出すると共に、図示しない認証手段において当該IDを用いて認証処理が行なわれてもよい。そして、その認証に成功した場合にのみ、表示制御部305は、ステップS501以下の処理を実行するようにしてもよい。
【0058】
表示制御部305が上述の処理を行なうことで、表示部30の付近(左右)にユーザの存在を検出すると、そのユーザに関連したジョブに関する情報を、表示部30の正面に位置している操作中のユーザが視認している操作用の画面を分割したり表示時間を制約したりすることなく、同時にユーザの存在する方向の画面に表示させることができる。さらに、当該ユーザがMFP100近傍に存在しなくなると、左画面および右画面を正面画面と同じとすることができる。このようにすることで、ユーザが表示部30の左右に存在するときには特にそのユーザに対して有用な情報を表示させることができる。
【0059】
[第5の実施の形態]
第5の実施の形態では、所定の操作を行なう際に表示制御部305は左画面表示部309および右画面表示部311に正面画面表示部310とは異なる画面表示をさせるものとする。上記所定の操作とは、たとえばユーザ認証操作やメンテナンスを行なうユーザ(以下、サービスマン)が各種設定を行なう操作などが挙げられ、その際のパスワード入力画面や設定画面等が操作者以外の第三者から視認されることを避けたい操作が該当する。
【0060】
このとき、表示制御部305は予め該当する操作を記憶しておくものとする。つまり、表示制御部305は、上述の第三者から視認されることを避けたい画面が表示されるタイミングや操作を予め記憶しておくものとする。上記タイミングや操作によって切り替わるモードを、ここでは所定モードと称するものとする。所定モードは、所定の操作を行なうことで新たに登録したり、変更したりすることが可能であってもよい。
【0061】
第5の実施の形態では、表示制御部305は押しボタン制御部304、およびタッチパネル制御部307に接続され、これらから、操作に伴う操作信号の入力を受付ける。そして、表示制御部305は、操作信号に基づいて、上記所定モードが選択されたか否かを判断する。また、表示制御部305は、ID取得部318から入力されたIDが予め記憶されているIDであることを検出することで上記所定モードが選択されたか否かを判断してもよい。
【0062】
図15は、第5の実施の形態での、表示制御部305での処理の流れの具体例を示すフローチャートである。図15を参照して、表示制御部305は押しボタン制御部304、およびタッチパネル制御部307からの操作信号やID取得部318から入力されたIDに基づいて、所定のモードが選択された否かを判断する(ステップS700)。その結果、所定のモードが選択されたと判断されなかった場合には(ステップS700でN)、表示制御部305はいずれの画面表示部での表示も変化させずにそのままとする。所定のモードが選択されたと判断された場合には(ステップS700でY)、表示制御部305は左画面表示部309および右画面表示部311に、正面画面表示部310とは異なる画面を表示させる(ステップS701)。ここでは、正面画面表示部310に表示されている画面が操作者以外の、左右に存在するユーザから視認されないようにすることを目的としているため、左右の画面としては、正面画面とは異なる画面であればどのような画面であってもよく、たとえばMFP100の販売者のロゴ等、予め画面表示のための画像データが左画面メモリ3061および右画面メモリ3063に記憶されていて、表示制御部305がその画像データを読み出して表示させるようにするとよい。
【0063】
表示制御部305は、その後、さらに押しボタン制御部304、およびタッチパネル制御部307からの操作信号やID取得部318から入力されたIDを監視し、これらより、ステップS700で選択された所定モードを終了またはキャンセルする選択がなされたか否かを判断する(ステップS703)。ここでは、たとえば操作信号に基づいて終了またはキャンセルの指示がなされたか否か、または所定時間操作がなされていないことを検出することで判断されてもよいし、所定のユーザを示すIDの入力の有無を検出することで判断されてもよい。そして、ステップS700で選択された所定モードを終了またはキャンセルする選択がなされたと判断されると(ステップS703でY)、表示制御部305は正面画面メモリ3062に記憶されている正面画面の画像データを読み出して左画面メモリ3061および右画面メモリ3063に記憶し、左画面表示部309および右画面表示部311に正面画面表示部310と同じ画面表示をさせる(ステップS704)。
【0064】
表制御部305が以上の処理を行なうことで、たとえばサービスマンが操作を行なう場合など、図16に示されるように、サービスマンのIDがID取得部318で取得されたタイミング、またはタッチパネル制御部307からサービスマンが操作を行なうための所定の操作に従う操作信号が入力されたタイミングで、正面画面がそのための画面に切り替わると共に、左右の画面表示部に正面画面とは異なる画面を表示させることができる。このようにすることで、正面画面表示部310に表示される画面を操作者以外の左右に存在する第三者から視認されることを効果的に防止することができる。
【0065】
さらに、上述の表制御部305での処理をコンピュータに実行させるプログラムを提供することもできる。このようなプログラムは、コンピュータに付属するフレキシブルディスク、CD−ROM(Compact Disk-Read Only Memory)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)およびメモリカードなどのコンピュータ読取り可能な記録媒体にて記録させて、プログラム製品として提供することもできる。あるいは、コンピュータに内蔵するハードディスクなどの記録媒体にて記録させて、プログラムを提供することもできる。また、ネットワークを介したダウンロードによって、プログラムを提供することもできる。
【0066】
なお、本発明にかかるプログラムは、コンピュータのオペレーティングシステム(OS)の一部として提供されるプログラムモジュールのうち、必要なモジュールを所定の配列で所定のタイミングで呼出して処理を実行させるものであってもよい。その場合、プログラム自体には上記モジュールが含まれずOSと協働して処理が実行される。このようなモジュールを含まないプログラムも、本発明にかかるプログラムに含まれ得る。
【0067】
また、本発明にかかるプログラムは他のプログラムの一部に組込まれて提供されるものであってもよい。その場合にも、プログラム自体には上記他のプログラムに含まれるモジュールが含まれず、他のプログラムと協働して処理が実行される。このような他のプログラムに組込まれたプログラムも、本発明にかかるプログラムに含まれ得る。
【0068】
提供されるプログラム製品は、ハードディスクなどのプログラム格納部にインストールされて実行される。なお、プログラム製品は、プログラム自体と、プログラムが記録された記録媒体とを含む。
【0069】
また、開示された各実施の形態は、適宜、2またはそれ以上、組み合わされてもよい。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【図面の簡単な説明】
【0070】
【図1】実施の形態にかかるMFPの概観の具体例を示す図である。
【図2】実施の形態にかかるMFPの構成の具体例を示すブロック図である。
【図3】実施の形態にかかるMFPの表示部での表示原理を説明するための図である。
【図4】マルチビュー液晶を採用した表示部を備えるMFPでの表示画面の見え方を説明するための図である。
【図5】実施の形態にかかるMFPにおいて表示部での表示を制御するための機能構成の具体例を示すブロック図である。
【図6】表示画面の具体例を示す図である。
【図7】表示画面の具体例を示す図である。
【図8】表示制御部305での処理の流れの具体例を示すフローチャートである。
【図9】表示制御部305での処理の流れの具体例を示すフローチャートである。
【図10】表示部の左右に設けられるセンサを説明する図である。
【図11】第2の実施の形態での、表示制御部305での処理の流れの具体例を示すフローチャートである。
【図12】第3の実施の形態での、表示制御部305での処理の流れの具体例を示すフローチャートである。
【図13】第4の実施の形態での、表示制御部305での処理の流れの具体例を示すフローチャートである。
【図14】第4の実施の形態での、表示制御部305での処理の流れの具体例を示すフローチャートである。
【図15】第5の実施の形態での、表示制御部305での処理の流れの具体例を示すフローチャートである。
【図16】表示画面の具体例を示す図である。
【符号の説明】
【0071】
10 スキャナ部、20 処理部、30 表示部、100 MFP、101 制御部、102 操作表示部、103 ROM、104 RAM、105 画像読取部、106 画像処理部、107 画像形成部、108 データ記憶部、109 通信部、110 識別部、111 ネットワーク、112 ステータス管理部、113,113a,113b センサ、300 液晶パネル、301 視差バリア、303 音声制御部、304 押しボタン制御部、305 表示制御部、306 メモリ、307 タッチパネル制御部、308 バックライト制御部、309 左画面表示部、310 正面画面表示部、311 右画面表示部、312 タッチパネル、313 バックライト、314 スピーカ、315 ボタン、317 検出部、318 ID取得部、3061 左画面メモリ、3062 正面画面メモリ、3063 右画面メモリ。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ジョブを取得する取得手段と、
前記ジョブに対して画像形成処理を行なう画像形成手段と、
前記画像形成処理に対する操作設定を行なう第1操作手段と、
前記第1操作手段と前記画像形成処理に関する情報とを表示する表示手段とを備え、
前記表示手段は、前記表示手段と視点との角度である視野角に0度を含む第1の方向に対して第1の画面と、前記視野角に0度を含まない第2の方向に対して第2の画面とを同時に表示し、前記第1の画面として前記第1操作手段を含む画面を表示し、前記第2の画面として前記画像形成処理に関する情報を含む画面を表示する、画像形成装置。
【請求項2】
前記画像形成処理に関する情報には前記ジョブに対する操作を行なうための第2操作手段が含まれ、
前記第1の画面に表示される前記第1操作手段と前記第2の画面に表示される前記第2操作手段とは、前記表示手段において異なる座標位置に表示される、請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記表示手段における前記第2の画面の表示を制御する表示制御手段と、
前記第2の方向に存在するユーザを検出する検出手段とをさらに備え、
前記表示制御手段は、前記検出手段において前記第2の方向に存在するユーザを検出した場合に、前記第2の画面として前記画像形成処理に関する情報を含む画面を表示する、請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記表示制御手段は、前記検出手段において前記第2の方向にユーザが検出されない場合に、前記第2の画面として前記第1の画面と同じ画面を表示する、請求項3に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記表示手段における前記第2の画面の表示を制御する表示制御手段をさらに備え、
前記表示制御手段は、前記画像形成手段で処理するジョブが存在する場合に、前記第2の画面として前記画像形成処理に関する情報を含む画面を表示する、請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項6】
当該画像形成装置から所定範囲内にある記録媒体からユーザの識別情報を読取る読取手段をさらに備え、
前記表示制御手段は、前記画像形成手段で処理するジョブが存在する場合であって、前記ジョブ内に、前記識別情報に関連付けられているジョブが存在する場合に、前記第2の画面として、前記識別情報に関連付けられているジョブに関する前記画像形成処理に関する情報を含む画面を表示する、請求項4に記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記表示制御手段は、予め規定されたモードが選択された場合に、前記第2の画面として前記第1の画面とは異なる画面を表示する、請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項8】
前記画像形成手段によって画像形成された用紙を排出する排出手段をさらに含み、
前記第2の方向は、前記視野角が0度を境界として、前記排出手段によって用紙が排出される方向を含む第3の方向と、排出される方向を含まない第4の方向とを含み、
前記表示制御手段は、前記取得手段でジョブを取得すると、前記第3の方向に、前記排出手段によって用紙が排出されたジョブに関する情報を含む画面を表示し、前記第4の方向に、前記排出手段によって未だ用紙が排出されていないジョブに関する情報を含む画面を表示する、請求項1に記載の画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2009−186588(P2009−186588A)
【公開日】平成21年8月20日(2009.8.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−24130(P2008−24130)
【出願日】平成20年2月4日(2008.2.4)
【出願人】(303000372)コニカミノルタビジネステクノロジーズ株式会社 (12,802)
【Fターム(参考)】