説明

画像形成装置

【課題】接合端部どうしの間でエア漏れを発生し難くすることが可能な画像形成装置を提供する。
【解決手段】画像形成装置本体に対して現像器1が取付けられることに伴って、現像器側に設けた現像器側ダクトと画像形成装置本体側に設けた画像形成装置本体側ダクト8、9とが接合される画像形成装置において、現像器側ダクトの接合端部7aと画像形成装置本体側ダクト8の接合端部8a、現像器側ダクトの接合端部7bと画像形成装置本体側ダクト9の接合端部9aが、現像器1に備わった現像ローラ4の軸方向とほぼ直交する方向Aであって、かつ互いに対向する方向に向けて設けられている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、現像器側に設けた現像器側ダクトと画像形成装置本体側に設けた画像形成装置本体側ダクトとが接合される画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
画像形成装置として、画像形成装置本体に内蔵された現像器に対し、その現像ローラの軸方向に向けたダクトから冷却用エアを吹き付けて現像器を冷却する構成のものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
このような現像器の冷却に関して、図5(側面図)および図6(図5のVI−VI線による断面図)に示すように現像ローラ101の軸方向に延びたダクト102を現像器100の内部に設け、一方現像ローラ101の軸を支持する画像形成装置本体110の側にもダクト111、112を設け、画像形成装置本体110に現像器100を取付けることで、現像器側ダクト102の接合端部102aと画像形成装置本体側ダクト111の接合端部111a、現像器側ダクト102の接合端部102bと画像形成装置本体側ダクト112の接合端部112aをそれぞれ接合させる。そして、図7に示すように画像形成装置本体側ダクトの一方(接合端部111a)から他方(接合端部112a)に向けて冷却用エアを通流させることにより、接合端部102aと接合端部102bとの間、つまり現像器100内の現像器側ダクトを冷却用エアが通ることにより現像器100をその内部から冷却することが考えられる。なお、図6中の120は感光体ドラムである。
【特許文献1】特開2006−145727号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、前述したように画像形成装置本体110に現像器100を取付けることで、現像器側ダクト102の接合端部102a、102bと画像形成装置本体側ダクト111、112の接合端部111a、112aとを接合させる場合には、現像器側ダクト102の接合端部102aと画像形成装置本体側ダクト111の接合端部111aとの間、現像器側ダクト102の接合端部102bと画像形成装置本体側ダクト112の接合端部112aとの間には殆ど隙間が無く、しかも現像器100の両側には内部フレーム113、114が配設されているので(図5参照)、図7および図8に示すように画像形成装置本体110に現像器100を現像ローラ101の軸方向とほぼ直交する方向Aから接近させて取付ける必要があり、殆ど隙間が無い接合端部111a、102aどうし、或いは接合端部112a、102bどうしが接触して変形したり、各接合端部に貼着したシール部材(図示せず)がめくれたりして、接合端部どうしの間でエア漏れが発生し易くなるという不都合があった。
【0005】
本発明は、このような従来技術の課題を解決するためになされたもので、接合端部どうしの間でエア漏れを発生し難くすることが可能な画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の請求項1に係る画像形成装置は、画像形成装置本体に対して現像器が取付けられることに伴って、現像器側に設けた現像器側ダクトと画像形成装置本体側に設けた画像形成装置本体側ダクトとが接合される画像形成装置において、現像器側ダクトの接合端部と画像形成装置本体側ダクトの接合端部とが、前記現像器に備わった現像ローラの軸方向とほぼ直交する方向であって、かつ互いに対向する方向に向けて設けられていることを特徴とする。
【0007】
請求項2に係る画像形成装置は、請求項1に記載の画像形成装置において、前記現像器側ダクトの接合端部および前記画像形成装置本体側ダクトの接合端部のうちの少なくとも片方に、弾性変形部が設けられていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明にあっては、現像器側ダクトの接合端部と画像形成装置本体側ダクトの接合端部とが、現像器に備わった現像ローラの軸方向とほぼ直交する方向であって、かつ互いに対向する方向に向けて設けられている。よって、画像形成装置本体に現像器を現像ローラの軸方向とほぼ直交する方向から取付けるとき、現像器側ダクトの接合端部と画像形成装置本体側ダクトの接合端部とが互いに対向した状態で接近して当接するので、接合端部どうしの変形や、各接合端部に貼着したシール部材のめくれ等が発生し難くなる。これにより、接合端部どうしの間でエア漏れを発生し難くすることが可能になる。
【0009】
請求項2の発明による場合には、接合端部どうしが当接するとき、弾性変形部が当接の際の衝撃を吸収するので、現像器に無理な力を作用させることがない。また、画像形成装置本体の現像器取付位置と現像器との間での位置ずれ、現像器側ダクトの接合端部と画像形成装置本体側ダクトの接合端部との間での位置ずれが存在していても、弾性変形部を変形させることにより両位置ずれを解消することが可能になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下に、本発明の一実施形態に係る画像形成装置を具体的に説明する。
【0011】
図1は、本発明に係る画像形成装置の一例を示す正面図である。
【0012】
この画像形成装置10は、例えばプリンタであって、箱状をした画像形成装置本体11の内部に、像担持体として表面がアモルファスシリコンからなる、概略円柱状の感光体ドラム12を有し、その感光体ドラム12の周囲に、帯電器13、現像器1、転写体の一例としての転写ローラ15、クリーニングユニット16および除電器17が感光体ドラム12の回転方向(図1では時計回り方向)に沿って配置されている。クリーニングユニット16は、感光体ドラム12の回転方向上流側に設けた研磨ローラ16aと、その下流側に設けたクリーニングブレード16bとを有する。
【0013】
この画像形成装置10による画像形成処理は、以下のように行われる。帯電器13によって感光体ドラム12の表面を均一に帯電した後、感光体ドラム12の表面に、露光装置18により画像データに応じてレーザ光19を照射することによる露光を行い、これにより感光体ドラム12上に静電潜像が形成される。その後、現像器1によって感光体ドラム12上の静電潜像が現像されてトナー像とされ、感光体ドラム12上のトナー像は、転写ローラ15によって転写材、例えば記録用紙Pに転写される。この転写の際、感光体ドラム12と転写ローラ15との間に転写バイアス電位を印加し、帯電したトナーの記録用紙Pへの移動をスムーズに行わせるようにしている。
【0014】
転写の後、感光体ドラム12上に残留したトナーは、研磨ローラ16aによる感光体ドラム12の研磨にて研磨ローラ16aに付着し、その後にクリーニングブレード16bによって回収される。その後、感光体ドラム12上の残留電位が除電器17によって消去される。その後、再び帯電器13によって帯電されて、以上の画像形成処理が繰返される。
【0015】
一方、記録用紙Pは、後述する用紙供給装置30により給紙カセット20から繰り出されて搬送ライン22に沿って搬送され、感光体ドラム12と転写ローラ15との間に送られ、ここで転写ローラ15によって感光体ドラム12上のトナー像が転写され、その後定着ユニット23を経て排紙トレイ24に排紙される。なお、搬送ライン22の転写ローラ15よりも上流側にはレジストセンサ(図示せず)が設けられていて、このレジストセンサのオンオフに基づき記録用紙Pの搬送方向両端の検出が行われ、感光体ドラム12上のトナー像と記録用紙Pとの位置合わせなどが行われる。
【0016】
このように構成された画像形成装置10の下部には、上記給紙カセット20が出し入れされる収容部25が設けられ、その収容部25の近傍であって給紙カセット20の上側に紙供給装置30が設けられている。
【0017】
図2は本実施形態に係る画像形成装置における現像器の取付け状態を示す側面図、図3は図2におけるIII−III線による断面図であり、図4は現像器側ダクトの接合端部と画像形成装置本体側ダクトの接合端部との接合に関する説明図(斜視図)である。
【0018】
現像器1は、画像形成装置本体11の前側の外部フレーム11aと後側の外部フレーム11bとの間に設けられた前側内部フレーム11cと後側内部フレーム11dとの間に挟まれた現像器取付位置Dに配設されている。
【0019】
この現像器1は、現像剤2を攪拌しつつ貯留する現像剤貯留部3と、感光体ドラム12にトナー像を形成させるための現像ローラ4と、現像ローラ4へトナーを供給する磁気ブラシローラ5bと、現像剤貯留部3から磁気ブラシローラ5bへ供給される現像剤量を規制する現像剤規制ブレード5cと、磁気ブラシローラ5b、現像剤規制ブレード5c及び現像剤貯留部3を包囲する現像容器6とを有する。
【0020】
上記現像剤貯留部3には2つの攪拌用のスクリュウフィーダー3a、3bが設けられており、この現像剤貯留部3の下側には、ダクト7が配設されている。ダクト7は、現像ローラ4の軸方向に沿って長く、両端の接合端部7a、7bは各開口を下向きにして設けられている。つまり、各接合端部7a、7bの開口は現像ローラ4の軸方向とほぼ直交する方向に向けられている。また、接合端部7aと接合端部7bの中心間の離隔距離は、所定値Lに設定されている。
【0021】
一方、画像形成装置本体11側においては、前記現像器取付位置Dの下方に2つの画像形成装置本体側ダクト8、9が前後方向で離隔して設けられている。この現像器取付位置Dには、現像器1が現像ローラ4の軸方向を前後方向にして取付けられ、前側の画像形成装置本体側ダクト8の接合端部8aと後側の画像形成装置本体側ダクト9の接合端部9aとは、前後方向に分離して配されている。そして、接合端部8aと接合端部9aとの中心間の離隔距離は、所定値Lに設定されていて、現像器1側における接合端部7aと接合端部7bの中心間の離隔距離Lと一致している。なお、前側の画像形成装置本体側ダクト8の接合端部8aとは反対側の端部には吸引用ファン8cが取付けられ、後側の画像形成装置本体側ダクト9の接合端部9aとは反対側の端部は、後側の外部フレーム11bに設けた排気口11b−1に連通する状態に取付けられている。
【0022】
また、画像形成装置本体側ダクト8の接合端部8aの近傍には、弾性変形部としての蛇腹8bが設けられ、画像形成装置本体側ダクト9の接合端部9aの近傍にも、弾性変形部としての蛇腹9bが設けられている。画像形成装置本体側ダクト8、9の材質については、蛇腹8b、9bの部分のみをゴム製とし、他の部分を樹脂製とした構成であっても、ダクト8、9の全体をゴム製としたものであってもよい。
【0023】
したがって、このように構成された本実施形態に係る画像形成装置10においては、現像器側ダクト7の接合端部7aと画像形成装置本体側ダクト8の接合端部8a、および現像器側ダクト7の接合端部7bと画像形成装置本体側ダクト9の接合端部9aが、現像ローラ4の軸方向とほぼ直交する方向であって、かつ互いに対向する方向に向けて設けられている。よって、画像形成装置本体11に現像器1を現像ローラ4の軸方向とほぼ直交する方向Aから取付けるとき、現像器側ダクト7の接合端部7aと画像形成装置本体側ダクト8の接合端部8a、および現像器側ダクト7の接合端部7bと画像形成装置本体側ダクト9の接合端部9aが互いに対向した状態で接近して当接するので、接合端部7a等どうしの変形や、各接合端部7a等にシール部材を貼着した場合のシール部材のめくれ等が発生し難くなる。これにより、接合端部7a等どうしの間でエア漏れを発生し難くすることが可能になる。
【0024】
また、接合端部7a等どうしが当接するとき、弾性変形部としての蛇腹8b、9bが当接の際の衝撃を吸収するので、現像器1に無理な力を作用させることがない。また、画像形成装置本体11の現像器取付位置Dと現像器1との間での位置ずれ、現像器側ダクト7の接合端部7aと画像形成装置本体側ダクト8の接合端部8a、現像器側ダクト7の接合端部7aと画像形成装置本体側ダクト9の接合端部9aの間での位置ずれが存在していても、蛇腹(弾性変形部)8b、9bを変形させることにより両位置ずれを解消することが可能になる。
【0025】
なお、上述した実施形態では現像器における現像剤貯留部3の下側にダクト7を1つ配設した例を挙げているが、本発明はこれに限らず、現像器に2以上のダクトを配設した場合にも適用することができる。この場合において、現像器に2以上のダクトを設けても各ダクト毎に接合端部7a、7bを1つずつ配した構成(ダクトが2個のとき接合端部が4個)、或いは、現像器に2以上のダクトを設けても、各1つの接合端部7a、7bからそれぞれのダクトへ分岐した構成としてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】本発明に係る画像形成装置の一例を示す正面図である。
【図2】本発明の一実施形態に係る画像形成装置における現像器の取付け状態を示す側面図である。
【図3】図2におけるIII−III線による断面図である。
【図4】現像器側ダクトの接合端部と画像形成装置本体側ダクトの接合端部との接合に関する説明図(斜視図)である。
【図5】従来の現像器の取付け状態を示す側面図である。
【図6】図5のVI−VI線による断面図である。
【図7】従来の現像器の取付け状態を示す分解斜視図である。
【図8】従来の現像器の取付けに際して発生する問題点の説明図である。
【符号の説明】
【0027】
1 現像器
4 現像ローラ
7 現像器側ダクト
7a、7b 接合端部
8、9 画像形成装置本体側ダクト
8a、9a 接合端部
8b、9b 蛇腹(弾性変形部)
11 画像形成装置本体
A 現像ローラの軸方向とほぼ直交する方向

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像形成装置本体に対して現像器が取付けられることに伴って、現像器側に設けた現像器側ダクトと画像形成装置本体側に設けた画像形成装置本体側ダクトとが接合される画像形成装置において、
現像器側ダクトの接合端部と画像形成装置本体側ダクトの接合端部とが、前記現像器に備わった現像ローラの軸方向とほぼ直交する方向であって、かつ互いに対向する方向に向けて設けられていることを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
請求項1に記載の画像形成装置において、
前記現像器側ダクトの接合端部および前記画像形成装置本体側ダクトの接合端部のうちの少なくとも片方に、弾性変形部が設けられていることを特徴とする画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2009−244306(P2009−244306A)
【公開日】平成21年10月22日(2009.10.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−87315(P2008−87315)
【出願日】平成20年3月28日(2008.3.28)
【出願人】(000006150)京セラミタ株式会社 (13,173)
【Fターム(参考)】