説明

画像形成装置

【課題】感光ドラムユニットを構成するユニットの一部を分離して配置させることにより、感光ドラムユニットを小型化させるとともに、各ユニットを露光や現像、転写といったプロセスにとって適した位置に配置させることにより、画質を向上させる。
【解決手段】感光体ドラム14と、感光体ドラム14に残留した廃トナーを除去する清掃器20と、清掃器20との間に間隙15を確保して配置されるとともに、感光体ドラム14を帯電させる帯電器40と、を有し、画像形成装置本体12に着脱自在に装着される感光ドラムユニット13と、画像形成装置本体12に配置され、間隙15を通して感光体ドラム14に対して除電光を照射する除電器30と、を備えた画像形成装置11とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置の技術に関し、更に詳しくは、プリンタプロセスに関連するユニットの配置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、コピー機、ファクシミリ及びプリンタ等の画像形成装置においては、卓上化、省スペース化等の点から、より一層の小型化が求められており、このため、画像形成装置本体に着脱自在に装着される感光ドラムユニットについても小型化が図られている。例えば特許文献1には、除電装置の幅を縮小することにより、感光体ドラムを小径化する技術が開示されている。また、例えば特許文献2には、清掃用部材を帯電器内に予め設けないようにして画像形成装置を小型化する技術が開示されている。
【特許文献1】特開平11−84966号公報
【特許文献2】特開平11−143179号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
図5に示す感光ドラムユニット113は、感光体ドラム114、清掃器120、除電器130、帯電器140、及び、現像器160が一体となった構造である。このような感光ドラムユニット113を備えた画像形成装置では、感光ドラムユニット113内において、感光体ドラム114のクリーニング、除電、帯電等のプリンタプロセスの各プロセスが行われる。
【0004】
しかしながら、上記従来の感光ドラムユニット113では、感光ドラムユニット113内に多くのユニットを配置させなければならず、どうしても感光ドラムユニット113内のスペースが不足してしまい、感光ドラムユニット113の小型化が困難になるという問題がある。
【0005】
また、感光体ドラム114の周囲に多くのユニットを配置させるため、各ユニットの配置に無理が生じ、各ユニットにとって最適な位置に配置させることは困難となる。そして、各ユニットを最適な位置からズレた位置に配置せざるを得なくなるため、露光や現像、転写といったプロセスにとって不利な状況となり、画質低下につながるという問題もある。
【0006】
本発明は、かかる問題を解決すべくなされたものであり、感光ドラムユニットを構成するユニットの一部を分離して配置させることにより、感光ドラムユニットを小型化させるとともに、各ユニットを露光や現像、転写といったプロセスにとって適した位置に配置させることにより、画質を向上させることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段を説明する。
【0008】
即ち、第1の発明に係る画像形成装置は、感光体ドラムと、前記感光体ドラムに残留した廃トナーを除去する清掃器と、前記清掃器との間に間隙を確保して配置されるとともに、前記感光体ドラムを帯電させる帯電器と、を有し、画像形成装置本体に着脱自在に装着される感光ドラムユニットと、
前記画像形成装置本体に配置され、前記間隙を通して前記感光体ドラムに対して除電光を照射する除電器と、
を備えたことを特徴とする画像形成装置である。
【0009】
第2の発明に係る画像形成装置は、第1の発明に係る画像形成装置において、前記帯電器は、チャージケースを有し、前記チャージケースは、前記除電器からの除電光を除電領域に案内するとともに、前記感光体ドラムの帯電領域を前記除電光から遮蔽することを特徴とする画像形成装置である。
【0010】
第3の発明に係る画像形成装置は、第1又は第2の発明に係る画像形成装置において、前記除電器は、画像形成装置本体のダクト内に設けられた除電器支持部に配置されていることを特徴とする画像形成装置である。
【発明の効果】
【0011】
本発明の効果として、以下に示すような効果を奏する。
【0012】
第1の発明によれば、清掃器と帯電器との間の間隙を通して感光体ドラムに対して除電光を照射する除電器を、画像形成装置本体に配置したため、除電器を感光ドラムユニットから分離して配置することができ、感光ドラムユニットに除電器を設ける必要がないため、感光ドラムユニットを小型化することができる。また、感光ドラムユニットに除電器を設ける必要がないため、感光ドラムユニットに設ける各ユニットの配置に余裕が生じ、各ユニットを露光や現像、転写といったプロセスにとって最適の位置に近づけて配置させることができるため、画質を向上させることができる。
【0013】
第2の発明によれば、帯電器のチャージケースは、除電器からの除電光を除電領域に案内するとともに、帯電領域を除電光から遮蔽するため、帯電領域に除電光が漏洩することによる、帯電不良を発生させることがない。
【0014】
第3の発明によれば、除電器は、画像形成装置本体のダクト内に設けられた除電器支持部に配置されているため、ダクト内の空間を用いて除電器を設置することができ、除電器を設けるための空間を別途確保する必要が無く、画像形成装置を小型化することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
本発明の実施形態に係る画像形成装置11について図面に基づいて説明する。以下に示す画像形成装置11は、電子写真方式に構成されており、例えば、コピー機、プリンタ及びファクシミリ等に用いられるものである。
【0016】
まず、画像形成装置11の全体構成について、以下に説明する。図1に示すように、画像形成装置11は、画像形成装置本体12と、画像形成装置本体12に着脱自在に装着される感光ドラムユニット13等から構成されている。感光ドラムユニット13は、記録紙97を格納するための給紙カセット90の上方であって、搬送経路92に沿って配置されている。また、搬送経路92に沿って、給紙カセット90内の記録紙97を搬送経路92に繰り出すピックアップローラ93、ピックアップローラ93の下流側に配置されたレジストローラ94、感光体ドラム14に当接する転写ローラ71、搬送経路92の最下流部に配置され記録紙97を排紙トレイ91へ排出する排紙ローラ96等が配置されている。
【0017】
給紙カセット90内の記録紙97は、ピックアップローラ93で1枚ずつ取り出されて搬送経路92へ繰り込まれ、記録紙97は、レジストローラ94対に突き当たって撓むことで搬送中に生じた斜行が是正される。そして、レジストローラ94対が回転することで、感光体ドラム14における画像情報を顕像化したトナー画像の形成にタイミングを合わせて転写ニップ位置72に送り込まれる。転写ローラ71がトナー画像とは逆極性の電圧を記録紙97に対して印加することで、感光体ドラム14のトナー画像は記録紙97に転写される。定着器95に搬送された記録紙97は、加熱・加圧されることでトナー画像が定着され、その後、排紙ローラ96により、画像形成装置11の上部に設けられる排紙トレイ91へと排出される。
【0018】
次に、感光ドラムユニット13、及び、画像形成装置本体12について説明する。図2に示すように、感光ドラムユニット13には、感光体ドラム14、清掃器20、帯電器40、現像器60、などのプリンタプロセスに関係するユニットが配置されている。感光ドラムユニット13は、画像形成装置本体12の前後方向であって搬送経路92に対して略直角方向から着脱自在に装着される構成となっている。一方、画像形成装置本体12にも、除電器30、露光器50、及び転写器70等のプリンタプロセスに関係するユニットが配置されている。感光ドラムユニット13が画像形成装置本体12に装着されることで、感光ドラムユニット13と画像形成装置本体12とにそれぞれ配置されたユニットが組み合わされることとなり、プリンタプロセスの各プロセスが行われることとなる。つまり、感光体ドラム14の外周面の各部位は、感光体ドラム14が回転することにより、清掃器20、除電器30、帯電器40、露光器50、現像器60、転写器70に順次対向しながら、プリンタプロセスの各プロセスが行われることとなる。以下の説明では、図3に示すように、例えば清掃器20に対向して清掃が行われる感光体ドラム14の外周面の領域について、「清掃領域20a」と表現し、他の領域についても同様とする。従って、感光体ドラム14の外周面の各部位は、清掃領域20a、除電領域30a、帯電領域40a、露光領域50a、現像領域60a、転写領域70aに順次移行していくこととなる。
以下の感光ドラムユニット13、及び画像形成装置本体12の説明では、感光ドラムユニット13が画像形成装置本体12に装着された状態にあるものとして説明する。
【0019】
図2に示すように、感光ドラムユニット13には、中段部に感光体ドラム14が配置されている。感光体ドラム14は、両端が開放された略円柱ドラム状をなすもので、外周面に光導電膜が形成されており、感光ドラムユニット13を構成するフレームの前後方向の両側壁によって回転自在に軸支されている。感光体ドラム14の周囲には、感光体ドラム14の回転方向に沿って清掃器20、帯電器40、現像器60が順次配置されており、感光体ドラム14の上方には清掃器20、及び帯電器40が配設され、感光体ドラム14の下方に現像器60が配設されている。
【0020】
感光体ドラム14は、現像器60と清掃器20との間において、長手方向に外周部が露出するように配置されており、感光ドラムユニット13が画像形成装置本体12に装着された状態では、この露出した外周部分に画像形成装置本体12に設けられた転写器70の転写ローラ71が当接して、感光体ドラム14の外周面から記録紙97へのトナー画像の転写が行われる。すなわち、この露出した外周部分は転写領域70aとなる(図3参照。)。また、清掃器20と帯電器40は間隙15を確保して配置されており、この間隙15において、感光体ドラム14は長手方向に外周部を露出させており、感光ドラムユニット13が画像形成装置本体12に装着された状態では、この露出した外周部分に対して、画像形成装置本体12に設けられた除電器30から除電光が照射される。すなわち、清掃器20と帯電器40の間隙15によって露出した外周部分は、除電領域30aとなる(図3参照。)。清掃器20と帯電器40の配置、及び、除電器30の配置について後に詳述する。
【0021】
図2、図3に示すように、清掃器20は、感光体ドラム14の転写領域70aの下流側において、感光体ドラム14の長手方向に沿うように配置されており、転写プロセスにて記録紙97に転写されずに感光体ドラム14に残留した廃トナー及び紙粉等(以下、「廃トナー等」という)を除去するユニットである。清掃器20は感光ドラムユニット13に設けられており、清掃器20に対向する感光体ドラム14の外周面は、清掃領域20aとなる。清掃器20は、クリーニングブレード21と、ブレードホルダ22と、廃トナー搬送部25と、を備えている。クリーニングブレード21は、感光体ドラム14の長手方向の寸法より若干長く形成された板状の部材であり、ブレードホルダ22によって廃トナー搬送部25に装着されている。クリーニングブレード21は、クリーニングブレード21の長手方向が感光体ドラム14の長手方向に沿うように、かつ、クリーニングブレード21の短手方向が感光体ドラム14の接線方向に略沿うように配置されており、先端部分が感光体ドラム14の外周面に対して所定の角度で当接するように配置されている。クリーニングブレード21は、転写後の感光体ドラム14の外周面を研磨することにより、感光体ドラム14に残留した廃トナー等を除去する。
【0022】
廃トナー搬送部25の内部には、感光体ドラム14の長手方向に沿って、廃トナー搬送路26と搬送スクリュー27とが設けられている。廃トナー搬送部25の下面には、感光体ドラム14の長手方向に沿って、廃トナー回収口28が形成されており、廃トナー搬送路26と連通されている。廃トナー回収口28は、クリーニングブレード21によって感光体ドラム14の外周面の廃トナー等が除去され蓄積される領域に接近させている。クリーニングブレード21によって除去された廃トナー等は、廃トナー回収口28から廃トナー搬送路26に入り、搬送スクリュー27によって廃トナーボックス(図示せず)に搬送され、回収される。
【0023】
清掃器20のブレードホルダ22について更に詳しく説明する。図3に示すように、ブレードホルダ22は、クリーニングブレード21を廃トナー搬送部25に装着させるための部材であるとともに、後述する除電器30からの除電光を案内する部材でもある。ブレードホルダ22は、クリーニングブレード21と同程度か、それよりも長く形成された、断面L字状の板状の部材であり、第1ホルダ部23と第2ホルダ部24を備えている。第1ホルダ部23の長手側部の一方に、第2ホルダ部24が設けられており、第1ホルダ部23の長手側部の他方には、クリーニングブレード21が装着されている。第1ホルダ部23は、除電器30からの除電光を案内するため、感光体ドラム14の回転方向に対して下流側、すなわち、除電領域30a側に向けられるように廃トナー搬送部25に装着されている。また、更に詳しくは、第1ホルダ部23の短手方向が、後述する除電器30の光源である発光ダイオード(LED31)の方向に向かうように装着されている。このため、第1ホルダ部23及び第1ホルダに装着されるクリーニングブレード21は、除電器30の除電光を清掃領域20aより下流側に案内する。そして、ブレードホルダ22は、第1ホルダ部23と第2ホルダ部24とで廃トナー搬送部25の角部を覆うように廃トナー搬送部25に装着されている。
【0024】
図2、図3に示すように、帯電器40は、感光体ドラム14の清掃領域20a、及び、除電領域30aの下流側において、清掃器20との間に間隙15を確保して配置されるとともに、感光体ドラム14の外周面を帯電させるユニットである。帯電器40は、感光体ドラム14の長手方向の寸法より若干長く形成され、感光体ドラム14の長手方向に沿うように配置されている。帯電器40は感光ドラムユニット13に設けられており、帯電器40に対向する感光体ドラム14の外周面は、帯電領域40aとなる。帯電器40は、筐体であるチャージケース41と、チャージケース41内に張設される帯電ワイヤ42を備えている。除電器30からの除電光を通すために形成される、帯電器40と清掃器20との間の間隙15は、詳しくは、チャージケース41と、清掃器20のブレードホルダ22及びクリーニングブレード21との間に確保されている。
【0025】
チャージケース41の感光体ドラム14に近接する側壁である第1側壁43aには、チャージケース41の長手方向に開口する帯電用開口部44が形成されている。帯電ワイヤ42は、感光体ドラム14の外周面に対して一定距離だけ離して張設されており、高電圧が印加されると帯電用開口部44を介してコロナ放電し、感光体ドラム14の外周面に均一に負の電荷を付与する。チャージケース41の第4側壁43dには、長手方向長さが帯電用開口部44と略同一となるように清掃部材用開口部45が形成されている。清掃部材用開口部45には、帯電ワイヤ42等を清掃するための清掃部材46が摺動可能に配設され、レバー部材(図示せず)によって、清掃部材46が感光ドラムユニット13の前後方向に摺動されるように構成されている。
【0026】
また、帯電ワイヤ42がコロナ放電することにより、オゾンが発生する。オゾンがチャージケース41内に滞留すると、感光体ドラム14の劣化が進行するため、チャージケース41からオゾンを排出するためのオゾン排出口が必要であり、清掃部材用開口部45がオゾン排出口を兼ねている。オゾン排出口としての清掃部材用開口部45から排出されたオゾンは、感光ドラムユニット13の上方であって、画像形成装置本体12に設けられるダクト80に導かれ、オゾンフィルター(図示せず)にて吸収される。オゾンフィルターの下流側には吸引ファン(図示せず)が設けられており、チャージケース41内で発生したオゾンを効率良くオゾンフィルターに吸収させることができる。尚、チャージケース41は、除電器30からの除電光を除電領域30aに案内するとともに、帯電領域40aを除電光から遮蔽するものでもあり、チャージケース41の更に詳しい説明については後述する。
【0027】
次に、画像形成装置本体12に設けられる除電器30について説明する。図2、図3に示すように、除電器30は、感光体ドラム14の長手方向に平行に配置されており、帯電器40と清掃器20との間の間隙15、すなわち、帯電器40のチャージケース41と、清掃器20のブレードホルダ22及びクリーニングブレード21との間の間隙15を通して、感光体ドラム14に対して除電光を照射するユニットである。除電器30に対向する感光体ドラム14の外周面は、除電領域30aとなる。除電器30は、除電光を照射する光源として、複数の発光ダイオード(LED31)を備えており、LED31は、感光体ドラム14の長手方向の寸法と略同寸法のERS基板32に実装されている。各LED31の照射範囲は、頂角が約140度の略円錐形状の範囲であり、複数のLED31によって除電領域30a全体に除電光を照射することができるように、LED31の個数とERS基板32上の配置が設定されている。ERS基板32と画像形成装置本体12の電源とは、ハーネス(図示せず)によって電気的に接続されている。除電器30は画像形成装置本体12に対して着脱自在ではないため、電気的にも接離自在とする必要がない。
【0028】
除電器30のERS基板32は、画像形成装置本体12のダクト80内に設けられた除電器支持部33に設置されている。除電器支持部33は、感光体ドラム14の長手方向に平行に配置されており、ダクト80内の側壁に設けられている。ダクト80には、オゾンを吸引するための導入口81が設けられており、除電器支持部33は、LED31からの除電光が、導入口81を通り、且つ、帯電器40と清掃器20との間の間隙15を通って感光体ドラム14の外周面の除電領域30aを照射できるようにERS基板32を位置決めし、支持している。
【0029】
尚、除電器30の除電光が、除電領域30aの下流側である帯電領域40aに漏洩すると、帯電不良が発生する。しかしながら、帯電器40を構成するチャージケース41が、帯電領域40aを除電光から遮蔽するため、帯電領域40aに除電光が漏洩することによる帯電不良を発生させることがない。次に、チャージケース41が、除電器30からの除電光を除電領域30aに案内するとともに、帯電領域40aを除電光から遮蔽する構造について詳しく説明する。
【0030】
図3、図4に示すように、チャージケース41は、感光体ドラム14の長手方向の寸法より若干長く形成された、断面多角形の略筒状の部材であり、長手方向に形成された、第1側壁43a、第2側壁43b、第3側壁43c、第4側壁43d、及び、第5側壁43eを備えている。第1側壁43aは、感光体ドラム14の外周面に接近させ、対向させるように形成された側壁であり、除電光が第1側壁43aと感光体ドラム14との間から帯電領域40aに漏洩することを防止する。第1側壁43aの長手方向には、帯電用開口部44が形成されている。
【0031】
第2側壁43bは、除電器30からの除電光を案内するため、感光体ドラム14の回転方向に対して上流側、すなわち、除電領域30a側に向けられるように形成されている。また、更に詳しくは、短手方向が除電器30の光源であるLED31の方向に向かうように装着されている。このため、第2側壁43bは、除電器30の除電光を帯電領域40aより上流側、すなわち、除電領域30aに案内する。また、第2側壁43bは、清掃器20との間に間隙15を確保して形成される側壁であり、特に、清掃器20のブレードホルダ22の第1ホルダ部23との間に間隙15を確保して形成される側壁である。
【0032】
更に、第2側壁43bは、感光体ドラム14の外周面に近接した位置から、除電器30に近接した位置まで形成されており、除電器30に近接した位置に第3側壁43cが形成されている。第2側壁43bの短手方向の寸法を長くして、第3側壁43cを除電器30に接近させることにより、除電光が第3側壁43cより下流側(帯電領域40a側、あるいは露光領域50a側)に漏洩することを防止している。尚、図4に示すように、第3側壁43cの位置、及び短手方向の寸法は、除電光が第3側壁43cの短手方向の略中央位置より下流側(帯電領域40a側、あるいは露光領域50a側)を照射することがないように設定されている。
【0033】
図3、図4に示すように、第4側壁43dは第3側壁43cと第5側壁43eとの間に形成されている側壁であり、第4側壁43dは、第3側壁43cと第5側壁43eの双方に交差するように形成され、感光体ドラム14の回転方向に対して下流側、すなわち、露光領域50a側に向けて形成されている側壁である。第4側壁43dは、清掃部材用開口部45が形成されている側壁である。清掃部材用開口部45からチャージケース41の内部に除電光が侵入すると、除電光が帯電領域40aに漏洩してしまうが、第4側壁43dは、露光領域50a側に向けて形成されている側壁であるため、清掃部材用開口部45からチャージケース41の内部に除電光が侵入することはない。また、前述のように、除電光が第3側壁43cの短手方向の略中央位置より下流側(帯電領域40a側、あるいは露光領域50a側)を照射することがないように、第2側壁43b、及び第3側壁43cの寸法等が設定されているため、除電光が第4側壁43dを照射することはなく、清掃部材用開口部45からチャージケース41の内部に除電光が侵入することはない(図4参照。)。
【0034】
チャージケース41は以上のように構成されており、チャージケース41は、除電器30からの除電光を除電領域30aに案内するとともに、帯電領域40aを除電光から遮蔽するため、帯電領域40aに除電光が漏洩することによる、帯電不良を発生させることがない。また、チャージケース41によって、帯電領域40aを除電光から遮蔽することができるため、帯電領域40aを除電光から遮蔽するための遮蔽部材を別途設ける必要が無く、遮蔽部材を設けるスペースが不要になるため、画像形成装置本体12、あるいは、感光ドラムユニット13における、各ユニットの配置に余裕を生じさせることができる。
【0035】
また、第4側壁43dに形成された清掃部材用開口部45からチャージケース41の内部に除電光が侵入しないように構成されているため、オゾン排出口を兼ねている清掃部材用開口部45を、ダクト80の導入口81に近接して設けることができる。このため、チャージケース41内で発生したオゾンを効率良くダクト80に排出させることができる。
【0036】
次に、図2、図3に示すように、露光器50は、感光体ドラム14の帯電領域40aの下流側において、感光体ドラム14の長手方向に沿うように配置されており、帯電器40によって帯電された感光体ドラム14に静電潜像を形成するユニットである。露光器50は画像形成装置本体12に設けられており、露光器50に対向する感光体ドラム14の外周面は、露光領域50aとなる。露光器50は、本実施例においてはLEDを用いた固定走査型のものである。露光器50としてライン状に発光点が配置されている露光ヘッド51が、そのレンズ面を感光体ドラム14の外周面に対向させている。露光ヘッド51が、帯電器40によって帯電された感光体ドラム14の外周面にデジタル化された画像情報に基づいて像露光することによって、感光体ドラム14上の照射部分の負電荷が除去され、静電潜像が形成される。
【0037】
現像器60は、感光体ドラム14の露光領域50aの下流側において、感光体ドラム14の長手方向に沿うように配置されており、露光器50によって静電潜像が形成された感光体ドラム14にトナーを供給するユニットである。現像器60は感光ドラムユニット13に設けられており、現像器60に対向する感光体ドラム14の外周面は、現像領域60aとなる。現像器60は、供給ローラ61と、現像ローラ62等とから構成されている。現像器60は、トナーカートリッジ(図示せず)からトナーの供給を受け、供給ローラ61は、トナーを収容するトナーケース63からトナーを負に帯電させつつこれを現像ローラ62に供給する。現像ローラ62は、静電潜像が形成された感光体ドラム14にトナーを供給し、かかるトナーは、静電気によって感光体ドラム14上の負電荷が除去されている部分にのみ付着される。
【0038】
転写器70は、感光体ドラム14の現像領域60aの下流側において、感光体ドラム14の長手方向に沿うように配置されており、現像器60によって形成されたトナー画像を記録紙97に転写するユニットである。転写器70は画像形成装置本体12に設けられており、転写器70に対向する感光体ドラム14の外周面は、転写領域70aとなる。現像器60を通過した記録紙97は、感光体ドラム14の外周面と接触するように搬送経路92を挟んで配設された転写器70の転写ローラ71と感光体ドラム14との転写ニップ位置72に送り込まれる。そして、感光体ドラム14に密着された記録紙97の裏側の転写ローラ71にバイアス電圧が印加されると、負に帯電しているトナーが感光体ドラム14から記録紙97へと転写される。トナー画像が転写された記録紙97は、搬送経路92の下流の定着器95に送られる。
【0039】
以上のように、本発明の実施形態に係る画像形成装置11によれば、清掃器20と帯電器40との間の間隙15を通して感光体ドラム14に対して除電光を照射する除電器30を、画像形成装置本体12に配置したため、除電器30を感光ドラムユニット13から分離して配置することができ、感光ドラムユニット13に除電器30を設ける必要がないため、感光ドラムユニット13を小型化することができる。
【0040】
また、感光ドラムユニット13に除電器30を設ける必要がないため、感光ドラムユニット13に設ける各ユニットの配置に余裕が生じ、各ユニットを露光や現像、転写といったプロセスにとって最適の位置に近づけて配置させることができるため、画質を向上させることができる。
【0041】
また、除電器30は、画像形成装置本体12のダクト80内に設けられた除電器支持部33に配置されているため、ダクト80内の空間を用いて除電器30を設置することができ、除電器30を設けるための空間を別途確保する必要が無く、画像形成装置11を小型化することができる。
【0042】
また、帯電器40のチャージケース41は、除電器30からの除電光を除電領域30aに案内するとともに、帯電領域40aを除電光から遮蔽するため、帯電領域40aに除電光が漏洩することによる、帯電不良を発生させることがない。
【0043】
以上説明した本発明の技術的範囲は、上記の実施例に限定されるものではなく、上記実施例の形状に限定されない。本発明の技術的範囲は、本明細書及び図面に記載した事項から明らかになる本発明が真に意図する技術的思想の範囲全体に、広く及ぶものである。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【図1】本発明の実施形態に係る画像形成装置11の概略図。
【図2】画像形成装置本体12に装着された感光ドラムユニット13及びその付近の概略図。
【図3】感光体ドラム14、及びその付近の拡大概略図。
【図4】清掃器20、除電器30、帯電器40の配置を示す拡大概略図。
【図5】従来の感光ドラムユニット113の概略図。
【符号の説明】
【0045】
11 画像形成装置
12 画像形成装置本体
13 感光ドラムユニット
14 感光体ドラム
15 間隙
20 清掃器
20a 清掃領域
21 クリーニングブレード
22 ブレードホルダ
23 第1ホルダ部
24 第2ホルダ部
25 廃トナー搬送部
26 廃トナー搬送路
27 搬送スクリュー
28 廃トナー回収口
30 除電器
30a 除電領域
31 LED
32 ERS基板
33 除電器支持部
40 帯電器
40a 帯電領域
41 チャージケース
42 帯電ワイヤ
43a 第1側壁
43b 第2側壁
43c 第3側壁
43d 第4側壁
43e 第5側壁
44 帯電用開口部
45 清掃部材用開口部(オゾン排出口)
46 清掃部材
50 露光器
50a 露光領域
51 露光ヘッド
60 現像器
60a 現像領域
61 供給ローラ
62 現像ローラ
63 トナーケース
70 転写器
70a 転写領域
71 転写ローラ
72 転写ニップ位置
80 ダクト
81 導入口
90 給紙カセット
91 排紙トレイ
92 搬送経路
93 ピックアップローラ
94 レジストローラ
95 定着器
96 排紙ローラ
97 記録紙

【特許請求の範囲】
【請求項1】
感光体ドラムと、前記感光体ドラムに残留した廃トナーを除去する清掃器と、前記清掃器との間に間隙を確保して配置されるとともに、前記感光体ドラムを帯電させる帯電器と、を有し、画像形成装置本体に着脱自在に装着される感光ドラムユニットと、
前記画像形成装置本体に配置され、前記間隙を通して前記感光体ドラムに対して除電光を照射する除電器と、
を備えたことを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記帯電器は、チャージケースを有し、前記チャージケースは、前記除電器からの除電光を除電領域に案内するとともに、前記感光体ドラムの帯電領域を前記除電光から遮蔽することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記除電器は、画像形成装置本体のダクト内に設けられた除電器支持部に配置されていることを特徴とする請求項1又は2のいずれか1項に記載の画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2009−276563(P2009−276563A)
【公開日】平成21年11月26日(2009.11.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−127596(P2008−127596)
【出願日】平成20年5月14日(2008.5.14)
【出願人】(000006297)村田機械株式会社 (4,916)
【Fターム(参考)】