説明

画像形成装置

【課題】第1操作部を第2操作部と連携させることで入力操作性が向上する画像形成装置を提供する。
【解決手段】画像形成装置100は、タッチすることにより文字入力が可能なソフトキーボード133またはタッチすることにより文字入力が可能な1以上の文字で構成されるショートカットキー132を表示する表示部131を有する第1操作部130、表示部131に対して文字入力が可能なキーボード142を有し、外部に露出する露出位置と内部に収納する収納位置との間で変位可能な第2操作部140、第2操作部140が露出位置に位置したことを検出する露出検知センサ181、キーボード142が接続されたことを検出する接続検知センサ182、ショートカットキー132を記憶するメモリー161ならびにソフトキーボード133およびショートカットキー132の表示部131への表示を制御するCPU160を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、キーボードを有する操作部を備える画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
通常の画像形成装置では、画像形成装置本体を制御するための入力キーを含む第1操作部が、操作性向上のために画像形成装置本体の上部に配置されることが多い。また、近年、画像形成装置の多機能化に伴う入力キー数の増加および操作性向上のための入力キーの大型化の要求が高く、操作部を大型化する必要が生じている。
【0003】
そこで、キーボードを有する第2操作部を備えて入力キーの大型化に対応した画像形成装置であって、通常時には装置内に第2操作部が格納されており、使用時には装置内から手前側へ第2操作部を引き出す画像形成装置が開示されている(例えば、特許文献1参照。)。
【特許文献1】特開2004−279692号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に示すように、画像形成装置にキーボードを備えることにより、画像形成装置に対する入力操作性が向上した。
【0005】
しかし、画像形成装置に付設された第1操作部に代わってキーボードを用いるに際し、第1操作部においてキーボードの入力操作を支援するための工夫はなされていない。
【0006】
したがって、キーボードの入力操作に不慣れなユーザにとっては、必ずしも入力操作性が向上したとはいえない。また、複雑な文字列(例えば、電子メールアドレス)には定型文(例えば、@sharp.co.jp)が含まれていることが多く、キーボードを用いるとしてもその入力を毎回行う必要がある。よって、画像形成装置に対する入力操作性が向上したといっても、まだ改善する必要がある。
【0007】
そこで本発明の目的は、上記課題に鑑み、第1操作部を第2操作部と連携させることで入力操作性が向上する画像形成装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の画像形成装置は、タッチすることにより文字入力が可能なソフトキーボードまたはタッチすることにより文字入力が可能な1以上の文字で構成されるショートカットキーを表示する表示部を有する第1操作部と、前記表示部に対して文字入力が可能なキーボードを有し、外部に露出する露出位置と内部に収納する収納位置との間で変位可能な第2操作部と、前記第2操作部が前記露出位置に位置したことを検出する検出部と、前記ショートカットキーを記憶する第1記憶部と、前記ソフトキーボードおよび前記ショートカットキーの前記表示部への表示を制御する制御部と、を備える。
【0009】
前記制御部は、前記検出部が非検出状態のときには前記ソフトキーボードを表示するように、前記検出部が検出状態のときには前記ソフトキーボードを表示せずに前記ショートカットキーを表示するように制御する。
【0010】
本発明における画像形成装置に対する入力操作は、キーボードを使用しないときにはソフトキーボードにて行い、キーボードを使用するときにはキーボードおよびショートカットキーにて行う。従来のように、文字入力をソフトキーボードまたはキーボードで行うこととすると、どちらのキーもキーボード配列となっているため、キーボードの入力操作に不慣れなユーザにとっては入力操作性が悪いものである。また、キーボードを使用するときにもソフトキーボードが表示部に表示されるため、表示部の有効活用ができない。
【0011】
そこで、キーボードを使用するときに第1操作部の表示部にソフトキーボードを表示せず1以上の文字で構成されるショートカットキーを表示することにより、画面いっぱいにショートカットキーを表示でき、複雑な文字入力を要する場合に容易に文字入力が可能となるため、画像形成装置に対する入力操作性が向上する。
【0012】
本発明の画像形成装置は、前記ショートカットキーの編集が可能な編集部を備えると好ましい。
【0013】
この構成では、使用頻度の高い文字列をショートカットキーとして編集登録しておくことにより、ワンタッチでその文字列が入力できるため、画像形成装置に対する入力操作性が向上する。
【0014】
本発明の画像形成装置は、ユーザごとの設定内容を保持するアカウントを管理するアカウント管理部と、前記ユーザを認証する認証部と、を備えると好ましい。また、前記編集部は、前記アカウントごとに前記ショートカットキーを編集でき、前記第1記憶部は、前記編集部で編集された前記ショートカットキーを前記アカウントごとに記憶し、前記制御部は、前記認証部が前記ユーザを認証すると、前記第1記憶部に記憶されている前記ユーザに対応する前記ショートカットキーを前記表示部に表示させると好ましい。
【0015】
この構成では、画像形成装置においてユーザごとにアカウントを設定しておくことで、各ユーザが編集部で自分に合ったショートカットキーを編集でき、認証部において認証すると各ユーザに対応するショートカットキーが使用できるため、画像形成装置に対する入力操作性が向上する。
【0016】
本発明の画像形成装置は、外部機器へ画像データを送信する画像送信部と、前記画像送信部から送信された前記画像データの送信先のアドレスを記憶する第2記憶部と、を備えると好ましい。また、前記制御部は、前記第2記憶部に記憶されている前記アドレスを前記ショートカットキーとして前記表示部に表示させると好ましい。
【0017】
画像データを送信する際には、電子メールアドレス等の送信先のアドレスの入力が必要となる。一般的に電子メールアドレスは複雑な文字列で構成されているため、電子メールアドレスの入力操作には煩雑さが伴う。そこで、過去に画像データを送信した送信先の電子メールアドレスをショートカットキーとして表示することにより、容易にアドレスの入力ができるため、画像形成装置に対する入力操作性が向上する。
【0018】
本発明の画像形成装置は、前記ショートカットキーの使用頻度を記憶する第3記憶部を備えると好ましい。また、前記制御部は、前記第3記憶部に記憶されている使用頻度の高い前記ショートカットキーを優先的に前記表示部に表示させると好ましい。
【0019】
ショートカットキーの中でも、よく使用するショートカットキーと、あまり使用しないショートカットキーとがある。そこで、よく使用するショートカットキーを優先的に表示することにより、画像形成装置に対する入力操作性が向上する。
【0020】
前記制御部は、前記ショートカットキーとして定型文を前記表示部に表示させると好ましい。
【0021】
この構成では、よく入力される定型文をショートカットキーとして表示することにより、容易に文字入力が可能となるため、画像形成装置に対する入力操作性が向上する。
【発明の効果】
【0022】
本発明における画像形成装置は、第1操作部を第2操作部と連携させることで入力操作性が向上する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
以下、本発明の最良の実施形態に係る画像形成装置を、図面を参照にしつつ詳細に説明する。
【0024】
図1は、本発明の第1実施形態に係る画像形成装置の構成を示す図である。
【0025】
画像形成装置100は、外部から伝達された画像データに応じて、所定のシート(記録用紙)に対して多色および単色の画像を形成するもので、装置本体110と、自動原稿処理装置120とで構成されている。装置本体110は、露光ユニット1、現像器2、感光体ドラム3、クリーナユニット4、帯電器5、中間転写ベルトユニット6、定着ユニット7、給紙カセット81および排紙トレイ91を有して構成されている。
【0026】
装置本体110の上部には、画像読取装置に該当するものであり、原稿が載置される透明ガラスで構成される原稿載置台92が設けられ、原稿載置台92の上側には自動原稿処理装置120が取り付けられている。自動原稿処理装置120は、原稿載置台92の上に自動で原稿を搬送する。また、自動原稿処理装置120は、矢印M方向に回動自在に構成され、原稿載置台92の上を開放することにより原稿を手置きで置くことができるようになっている。
【0027】
画像形成装置100において扱われる画像データは、ブラック(K)、シアン(C)、マゼンタ(M)およびイエロー(Y)の各色を用いたカラー画像に応じたものである。したがって、現像器2、感光体ドラム3、帯電器5およびクリーナユニット4は、各色に応じた4種類の潜像を形成するようにそれぞれ4個ずつ設けられ、それぞれブラック、シアン、マゼンタ、イエローに設定され、これらによって4つの画像ステーションが構成されている。
【0028】
帯電器5は、感光体ドラム3の表面を所定の電位に均一に帯電させるための帯電手段であり、図1に示すようなチャージャ型の他、接触型のローラ型やブラシ型の帯電器が用いられることもある。
【0029】
露光ユニット1は、レーザ射出部および反射ミラー等を備えたレーザスキャニングユニット(LSU)として構成される。露光ユニット1は、レーザビームを走査するポリゴンミラーと、ポリゴンミラーによって反射されたレーザ光を感光体ドラム3に導くためのレンズやミラー等の光学要素が配置されている。露光ユニット1としては、この他発光素子をアレイ状に並べた例えばELやLED書き込みヘッドを用いる手法も採用できる。
【0030】
露光ユニット1は、帯電された感光体ドラム3を入力された画像データに応じて露光することにより、その表面に、画像データに応じた静電潜像を形成する機能を有する。現像器2は、それぞれの感光体ドラム3上に形成された静電潜像を4色(YMCK)のトナーにより顕像化するものである。また、クリーナユニット4は、現像・画像転写後における感光体ドラム3上の表面に残留したトナーを除去・回収する。
【0031】
感光体ドラム3の上方に配置されている中間転写ベルトユニット6は、中間転写ベルト61、中間転写ベルト駆動ローラ62、中間転写ベルト従動ローラ63、中間転写ローラ64および中間転写ベルトクリーニングユニット65を備えている。中間転写ローラ64は、YMCK用の各色に対応して4本設けられている。
【0032】
中間転写ベルト駆動ローラ62、中間転写ベルト従動ローラ63および中間転写ローラ64は、中間転写ベルト61を張架して回転駆動させる。また、各中間転写ローラ64は、感光体ドラム3のトナー像を、中間転写ベルト61上に転写するための転写バイアスを与える。
【0033】
中間転写ベルト61は、各感光体ドラム3に接触するように設けられている。そして、感光体ドラム3に形成された各色のトナー像を中間転写ベルト61に順次的に重ねて転写することによって、中間転写ベルト61上にカラーのトナー像(多色トナー像)を形成する機能を有している。中間転写ベルト61は、例えば厚さ100μm〜150μm程度のフィルムを用いて無端状に形成されている。
【0034】
感光体ドラム3から中間転写ベルト61へのトナー像の転写は、中間転写ベルト61の裏側に接触している中間転写ローラ64によって行われる。中間転写ローラ64には、トナー像を転写するために高電圧の転写バイアス(トナーの帯電極性(−)とは逆極性(+)の高電圧)が印加されている。中間転写ローラ64は、直径8mm〜10mmの金属(例えばステンレス)軸をベースとし、その表面が導電性の弾性材(例えばEPDM、発泡ウレタン等)により覆われているローラである。この導電性の弾性材により、中間転写ベルト61に対して均一に高電圧を印加することができる。本実施形態では転写電極としてローラ形状を使用しているが、それ以外にブラシなども用いることが可能である。
【0035】
上述のように各感光体ドラム3上で各色相に応じて顕像化された静電像は中間転写ベルト61で積層される。このように、積層された画像情報は中間転写ベルト61の回転によって、用紙と中間転写ベルト61との接触位置に配置される転写ローラ10によって用紙上に転写される。
【0036】
このとき、中間転写ベルト61と転写ローラ10は所定ニップで圧接されるとともに、転写ローラ10にはトナーを用紙に転写させるための電圧が印加される(トナーの帯電極性(−)とは逆極性(+)の高電圧)。さらに、転写ローラ10は上記ニップを定常的に得るために、転写ローラ10もしくは中間転写ベルト駆動ローラ62のいずれか一方を硬質材料(金属等)とし、他方を弾性ローラ等の軟質材料(弾性ゴムローラまたは発泡性樹脂ローラ等)としている。
【0037】
また、上記のように、感光体ドラム3に接触することにより中間転写ベルト61に付着したトナーもしくは転写ローラ10によって用紙上に転写が行われず中間転写ベルト61上に残存したトナーは、次工程でトナーの混色を発生させる原因となるため、中間転写ベルトクリーニングユニット65によって除去・回収されるように設定されている。中間転写ベルトクリーニングユニット65には、中間転写ベルト61に接触する例えばクリーニング部材としてクリーニングブレードが備えられており、クリーニングブレードが接触する中間転写ベルト61は、裏側から中間転写ベルト従動ローラ63で支持されている。
【0038】
給紙カセット81は、画像形成に使用するシート(記録用紙)を蓄積しておくためのトレイであり、装置本体110の露光ユニット1の下側に設けられている。また、手差し給紙カセット82にも画像形成に使用するシートを置くことができる。さらに、装置本体110の上方に設けられている排紙トレイ91は、印刷済みのシートをフェイスダウンで集積するためのトレイである。
【0039】
装置本体110には、給紙カセット81および手差し給紙カセット82のシートを転写ローラ10や定着ユニット7を経由させて排紙トレイ91に送るための、略垂直形状の用紙搬送路Sが設けられている。給紙カセット81ないし手差し給紙カセット82から排紙トレイ91までの用紙搬送路Sの近傍には、ピックアップローラ11a,11b、複数の搬送ローラ12a〜12d,レジストローラ13、転写ローラ10および定着ユニット7が配置されている。
【0040】
搬送ローラ12a〜12dは、シートの搬送を促進・補助するための小型のローラであり、用紙搬送路Sに沿って複数設けられている。ピックアップローラ11aは、給紙カセット81の端部近傍に備えられ、給紙カセット81からシートを1枚ずつピックアップして用紙搬送路Sに供給する。同様にピックアップローラ11bは、手差し給紙カセット82の端部近傍に設けられ、手差し給紙カセット82からシートを1枚ずつピックアップして用紙搬送路Sに供給する。
【0041】
図2は、本発明の第1実施形態に係る画像形成装置の斜視図である。
【0042】
画像形成装置100は、タッチパネルで構成される表示部131およびスタートキーやクリアキーなどの複数のキー134を有する第1操作部130ならびに表示部131に対して文字入力が可能なキーボード142を有する第2操作部140を備える。
【0043】
表示部131には、画像形成装置100の状態と処理内容とが表示される。また、画像形成装置100は、画像形成装置100で読み取ったデータを保存するためのUSBメモリー150が着脱可能となっている。
【0044】
第1操作部130は、画像形成装置100の上面に固定的に配置されている。第2操作部140は、軸X方向において画像形成装置100の外部に露出する露出位置と画像形成装置100の内部に収納する収納位置との間で変位可能である。第2操作部140は、第1操作部130に設けられた開閉スイッチ180が押下されることによって自動的に変位する。図2では、第2操作部140が露出位置に位置する様子を示している。
【0045】
第2操作部140は、露出位置において表示部131の下部に位置する。したがって、入力した文字列を表示部131で確認しながらキーボード142で文字を入力することができるため、容易に文字入力ができる。
【0046】
また、第2操作部140は、キーボード142が着脱自在となっている。キーボード142が取り外されている状態において表示部131に文字入力を行うときには、表示部131にソフトキーボードが表示され、ソフトキーボードを使って文字入力を行うことができる。
【0047】
図3は、本発明の第1実施形態に係る画像形成装置の操作部を示す図である。
【0048】
図3(A)は、第2操作部140を上面から見た図で、図3(B)は、第2操作部140を水平方向から見た図である。
【0049】
キーボード142は、樹脂製あるいは板金のキーボードトレイ141に着脱自在に装着されている。キーボードトレイ141は、その両端が画像形成装置100に設けられたスライドレールに固定され、スライドレールの伸縮によりキーボード142を含むキーボードトレイ141が変位可能となる。
【0050】
キーボードトレイ141の変位方向における幅方向の一端には、ラックギア145が設けられている。ラックギア145は、画像形成装置100に設けられた駆動モータ143の回転軸に嵌挿されたピニオンギア144と噛合している。駆動モータ143は、正逆両回転が可能である。したがって、キーボードトレイ141は、ラックピニオン駆動方式で可動し、キーボード142は、露出位置と収納位置との間で変位する。
【0051】
キーボードトレイ141の変位方向における幅方向の他端には、軸受部148A,148Bが設けられている。軸受部148A,148Bは、キーボードトレイ141の変位方向と平行に孔が開いており、画像形成装置100に固定配置された軸146がその孔を貫通して係合している。
【0052】
軸146の一端にはストッパ147Aが、他端にはストッパ147Bが設けられている。ストッパ147A,147Bは、キーボードトレイ141の可動範囲を規制するための部材である。軸受部148A,148Bは、軸146を摺動するが、キーボード142の露出方向においては軸受部148Aがストッパ147Aに当接するまで、キーボード142の収納方向においては軸受部148Bがストッパ147Bに当接するまでの範囲でキーボードトレイ141が可動する。
【0053】
また、ストッパ147Aには露出検知センサ181が設けられている。露出検知センサ181は、本発明の検出部に相当する。露出検知センサ181は、第2操作部140が露出位置に位置したときに軸受部148Aに接触する。露出検知センサ181の詳細な働きについては、図4および図5において説明する。
【0054】
図3(A)に示すように、キーボード142は、ユーザから見て露出位置において表示部131の手前側に位置する。したがって、入力した文字列を表示部131で確認しながら文字を入力することができるため、容易に文字入力ができる。
【0055】
図4は、本発明の第1実施形態に係る画像形成装置の主要な構成を示すブロック図である。
【0056】
CPU160は、第1操作部130、駆動モータ143、メモリー161、HDD162、LCDコントローラ163、露出検知センサ181、接続検知センサ182、編集部191、認証部192およびアカウント管理部196と接続し、各部を総括的に制御する。CPU160は、本発明の制御部に相当する。メモリー161は、本発明の第1記憶部に相当する。
【0057】
メモリー161は、CPU160による画像形成装置100の制御に必要なデータを記憶している。また、メモリー161は、タッチすることにより文字入力が可能な1以上の文字で構成されるショートカットキー132を記憶している。具体的には、ショートカットキー132を構成する文字内容を記憶する。CPU160は、タッチすることにより文字入力が可能なソフトキーボード133またはメモリー161に記憶されているショートカットキー132を表示部131に表示させる。画像形成装置100によって読み取られた画像等のデータは、一旦HDD162に格納される。CPU160は、必要に応じてHDD162に格納されたデータを読み出して画像形成装置100の制御を行う。
【0058】
第1操作部130には、画像形成装置100の状態等を表示する表示部131、各種操作をするためのキー134および第2操作部140を自動で変位させる開閉スイッチ180が設けられている。
【0059】
第2操作部140が収納位置に位置している場合に開閉スイッチ180が押下されると、CPU160は、駆動モータ143を駆動させて第2操作部140を収納位置から露出位置へと変位させる。するとユーザは、キーボード142を使って文字入力をすることが可能となる。キーボード142で入力された文字は、LCDコントローラ163を介して表示部131に表示される。文字入力が終わって開閉スイッチ180が押下されると、CPU160は、駆動モータ143を駆動させて第2操作部140を露出位置から収納位置へと変位させる。文字入力が必要なときにだけ第2操作部140を露出させ、文字入力が終わると第2操作部140を収納させることにより、文字入力を快適に行うことができ、かつ、文字入力後に第2操作部140がユーザの邪魔になることがない。
【0060】
本実施形態では、ショートカットキー132の編集が可能な編集部191、ユーザごとの設定内容を保持するアカウントを管理するアカウント管理部196およびユーザを認証する認証部192を備える。ユーザは、画像形成装置100において自身のアカウントを作成し、アカウント管理部196に登録する。そして、そのアカウントにおいて編集部191で自身がよく使う定型文等を編集部191で編集登録する。編集部191で編集登録されたショートカットキー132は、メモリー161に記憶される。
【0061】
こうすることで、画像形成装置100に文字入力を行う際に認証部192で認証すれば、以前編集したショートカットキー132が表示部131に表示され、ショートカットキー132を使用することにより容易に文字入力が可能となる。
【0062】
露出検知センサ181は、接触検知型のセンサであり、軸受部148Aが接触する状態で第2操作部140が露出位置に位置していることをCPU160に伝達する。なお、本実施形態において露出検知センサ181を接触検知型のセンサとしているが、これに限るものではない。
【0063】
接続検知センサ182は、キーボード142が画像形成装置100に接続されたことをCPU160に伝達する。なお、キーボード142は、有線タイプでも無線タイプでもよい。
【0064】
図5は、本発明の第1実施形態に係る画像形成装置の制御部の制御内容を示すフローチャートである。
【0065】
画像形成装置100において文字入力をする場合は複数あるが、本明細書では電子メールアドレスを入力する場合について説明する。
【0066】
画像形成装置100で読み取った原稿データを外部機器に送信するために電子メールアドレスを入力する際にアドレス入力キーが押されると(S10)、CPU160は、露出検知センサ181および接続検知センサ182が検出状態であるかを確認する(S12)。アドレス入力キーは、図6に示す。S12でYesならば、CPU160は、キーボード142が使用可能であると判断する。CPU160は、表示部131を認証画面に遷移させ、認証部192を通じてユーザに認証するように求める(S14)。認証画面は、図7に示す。認証部192においてユーザ認証されると、CPU160は、表示部131にショートカットキー132を表示する(S16)。
【0067】
S12で露出検知センサ181および接続検知センサ182の少なくとも一方が非検出状態のときには、CPU160は、表示部131にソフトキーボード133を表示する。また、S14でユーザがアカウントを所持していない場合は、いわゆるゲストアカウントにログインさせ、表示部131にはデフォルトのショートカットキー132が表示される。
【0068】
すなわち、画像形成装置100においてキーボード142が使用可能でない場合には、表示部131にソフトキーボード133を表示して表示部131の操作のみでアドレス入力ができる。また、キーボード142が使用可能である場合には、表示部131にソフトキーボード133を表示しないことにより、他の情報を表示して有効活用することができる。
【0069】
図6〜図9は、本発明の第1実施形態に係る画像形成装置における表示部の表示内容を示す図である。
【0070】
図6は、画像形成装置100において原稿データを読み取った後の表示部131の表示画面を示す。ここで、露出検知センサ181および接続検知センサ182が検出状態のときにユーザがアドレス入力キーを押すと、図7に示すように、表示部131の表示画面は認証画面に遷移する。この認証画面で、ユーザのアカウントに対応するIDを入力すれば、図8に示すように、そのユーザに対応するショートカットキー132が表示部131に表示される。ショートカットキー132は、入力操作の複雑な文字(例えば、Shift+キーで表示される文字)、定型文および単語等で構成される。したがって、そのユーザのよく使用する文字(文字列)がショートカットキー132として表示部131に表示されるため、画像形成装置100に対する入力操作性が向上する。
【0071】
図6において露出検知センサ181および接続検知センサ182の少なくとも一方が非検出状態のときにユーザがアドレス入力キーを押すと、図9に示すように、表示部131の表示画面はソフトキーボード133を表示する。ユーザは、ソフトキーボード133を使用してアドレス入力をすることができる。
【0072】
また、図9に示すようにソフトキーボード133が表示されている状態で露出検知センサ181および接続検知センサ182が検出状態となれば、図7に示すように表示部131は認証画面に遷移し、ユーザのアカウントに対応するIDを入力することで、図8に示すように、そのユーザに対応するショートカットキー132が表示部131に表示される。
【0073】
ショートカットキー132の表示サイズは、編集部191において変更可能である。ショートカットキー132を表示部131において多く表示させるためにショートカットキー132の表示サイズを小さくしてもよいし、ショートカットキー132を押しやすくするためにショートカットキー132の表示サイズを大きくしてもよい。
【0074】
また、ショートカットキー132をキーボード142の例えばF1〜F12のファンクションに割り当てが可能である。こうすることで、ユーザがキーボード142を使って文字入力をする際にショートカットキー132を使う場合にもそのままキーボード142のファンクションキーを押せばよいので、画像形成装置100に対する入力操作性が向上する。
【0075】
さらに、ショートカットキー132の個数が多くて一画面で表示できない場合は、次頁キーを押すことで、次の画面にも表示させることができる。
【0076】
ここで、ユーザがアカウントを所持していない場合は、図7の認証画面において空白または任意の英数字を入力してOKキーを押せば、CPU160は、ゲストアカウントにログインさせ、予め設定されたデフォルトのショートカットキー132が表示部131に表示される。
【0077】
また、ユーザは、自身のアカウントのショートカットキー132だけではなく、ゲストアカウントのショートカットキー132も編集できる。
【0078】
図10は、本発明の第2実施形態に係る画像形成装置の主要な構成を示すブロック図である。
【0079】
本実施形態の構成と第1実施形態の構成とは一部の構成のみが異なっているため、同じ構成要素の説明は割愛する。本実施形態以降の実施形態においても同様とする。
【0080】
CPU160は、外部機器へ画像データを送信する画像送信部193および画像送信部193から送信された画像データの送信先のアドレスを記憶するメモリー194と接続し、これらを総括的に制御する。ここで、外部機器とは、例えばPCのことである。メモリー194は、本発明の第2記憶部に相当する。
【0081】
なお、本実施形態では、メモリー161とメモリー194とを別々の部材としたが、これに限るものではない。例えば、メモリー161がメモリー194の役割を担ってもよい。この場合、メモリー161内のあるエリアは第1記憶部、他のエリアは第2記憶部とする。
【0082】
図11は、本発明の第2実施形態に係る画像形成装置における表示部の表示内容を示す図である。
【0083】
図6で露出検知センサ181および接続検知センサ182が検出状態のときにアドレス入力キーが押されると、図11に示すように、過去に外部機器へ画像データを送信したときの送信先のアドレスがショートカットキー132として表示部131に表示される。したがって、過去に送信したことのある送信先に画像データを送信する場合に、ショートカットキー132をワンタッチするだけでアドレスの入力ができるため、画像形成装置100に対する入力操作性が向上する。
【0084】
図12は、本発明の第3実施形態に係る画像形成装置の主要な構成を示すブロック図である。
【0085】
CPU160は、ショートカットキー132の使用頻度を記憶するメモリー195と接続し、これを制御する。メモリー195は、本発明の第3記憶部に相当する。
【0086】
なお、本実施形態では、メモリー161とメモリー195とを別々の部材としたが、これに限るものではない。例えば、メモリー161がメモリー195の役割を担ってもよい。この場合、メモリー161内のあるエリアは第1記憶部、他のエリアは第3記憶部とする。
【0087】
図13は、本発明の第3実施形態に係る画像形成装置における表示部の表示内容を示す図である。
【0088】
図6で露出検知センサ181および接続検知センサ182が検出状態のときにアドレス入力キーが押されると、図13に示すように、ユーザによって使用されてきたショートカットキー132の中で、使用頻度の高いショートカットキー132が優先的に表示部131に表示される。例えば、使用頻度の高い順に1ページ目の上段から下段へ、さらに2ページ目の上段から下段へ、と表示する。したがって、よく使用するショートカットキー132が容易に押すことができる位置に表示されるため、画像形成装置100に対する入力操作性が向上する。
【0089】
なお、明細書中では、本発明の実施形態を第1実施形態から第3実施形態にわけて記載したが、これらを任意に組み合わせても本発明の効果を奏することができる。
【0090】
また、第1実施形態から第3実施形態において、キーボード142が画像形成装置100に対して着脱可能である例を示したが、これに限るものではない。キーボード142が第2操作部140に固定的に配置されて画像形成装置100と常に接続している画像形成装置100においても本発明が適用できる。
【0091】
最後に、上述の実施形態の説明は、すべての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上述の実施形態ではなく、特許請求の範囲によって示される。さらに、本発明の範囲には、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【図面の簡単な説明】
【0092】
【図1】本発明の第1実施形態に係る画像形成装置の構成を示す図である。
【図2】本発明の第1実施形態に係る画像形成装置の斜視図である。
【図3】本発明の第1実施形態に係る画像形成装置の操作部を示す図である。
【図4】本発明の第1実施形態に係る画像形成装置の主要な構成を示すブロック図である。
【図5】本発明の第1実施形態に係る画像形成装置の制御部の制御内容を示すフローチャートである。
【図6】本発明の第1実施形態に係る画像形成装置における表示部の表示内容を示す図である。
【図7】本発明の第1実施形態に係る画像形成装置における表示部の表示内容を示す図である。
【図8】本発明の第1実施形態に係る画像形成装置における表示部の表示内容を示す図である。
【図9】本発明の第1実施形態に係る画像形成装置における表示部の表示内容を示す図である。
【図10】本発明の第2実施形態に係る画像形成装置の主要な構成を示すブロック図である。
【図11】本発明の第2実施形態に係る画像形成装置における表示部の表示内容を示す図である。
【図12】本発明の第3実施形態に係る画像形成装置の主要な構成を示すブロック図である。
【図13】本発明の第3実施形態に係る画像形成装置における表示部の表示内容を示す図である。
【符号の説明】
【0093】
100−画像形成装置
130−第1操作部
131−表示部
132−ショートカットキー
133−ソフトキーボード
140−第2操作部
142−キーボード
160−CPU
161−メモリー
181−露出検知センサ
182−接続検知センサ
191−編集部
192−認証部
193−画像送信部
194−メモリー
195−メモリー
196−アカウント管理部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
タッチすることにより文字入力が可能なソフトキーボードまたはタッチすることにより文字入力が可能な1以上の文字で構成されるショートカットキーを表示する表示部を有する第1操作部と、
前記表示部に対して文字入力が可能なキーボードを有し、外部に露出する露出位置と内部に収納する収納位置との間で変位可能な第2操作部と、
前記第2操作部が前記露出位置に位置したことを検出する検出部と、
前記ショートカットキーを記憶する第1記憶部と、
前記ソフトキーボードおよび前記ショートカットキーの前記表示部への表示を制御する制御部と、
を備え、
前記制御部は、前記検出部が非検出状態のときには前記ソフトキーボードを表示するように、前記検出部が検出状態のときには前記ソフトキーボードを表示せずに前記ショートカットキーを表示するように制御する画像形成装置。
【請求項2】
前記ショートカットキーの編集が可能な編集部を備える請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
ユーザごとの設定内容を保持するアカウントを管理するアカウント管理部と、
前記ユーザを認証する認証部と、
を備え、
前記編集部は、前記アカウントごとに前記ショートカットキーを編集でき、
前記第1記憶部は、前記編集部で編集された前記ショートカットキーを前記アカウントごとに記憶し、
前記制御部は、前記認証部が前記ユーザを認証すると、前記第1記憶部に記憶されている前記ユーザに対応する前記ショートカットキーを前記表示部に表示させる請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
外部機器へ画像データを送信する画像送信部と、
前記画像送信部から送信された前記画像データの送信先のアドレスを記憶する第2記憶部と、
を備え、
前記制御部は、前記第2記憶部に記憶されている前記アドレスを前記ショートカットキーとして前記表示部に表示させる請求項1〜3のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記ショートカットキーの使用頻度を記憶する第3記憶部を備え、
前記制御部は、前記第3記憶部に記憶されている使用頻度の高い前記ショートカットキーを優先的に前記表示部に表示させる請求項1〜4のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記制御部は、前記ショートカットキーとして定型文を前記表示部に表示させる請求項1〜5のいずれか1項に記載の画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2010−118720(P2010−118720A)
【公開日】平成22年5月27日(2010.5.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−288380(P2008−288380)
【出願日】平成20年11月11日(2008.11.11)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】