説明

画像形成装置

【課題】引き出し部材が装置本体から離脱されているときに、感光体を保護することができる画像形成装置を提供すること。
【解決手段】
4つの感光ドラム15を収容し、本体ケーシング2に対してスライド自在に着脱されるプロセスユニット10に、ギヤ部49を一体的に備えるシャッタ32、ギヤ部49に噛合するラック杆37を備え、プロセスユニット10を本体ケーシング2に装着する動作により、本体ケーシング2内の当接板55に、ラック杆37を当接させ、ラック杆37をスライドさせることにより、シャッタ32を、感光ドラム15を被覆する閉位置と、感光ドラム15を露出する開位置とに移動させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子写真方式のカラープリンタなどの画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
電子写真方式のカラープリンタとして、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの4色のトナーに対応して、4つの感光ドラムを備えるタンデム型カラーレーザプリンタが知られている。
このようなタンデム型カラーレーザプリンタとして、たとえば、複数の感光ドラムと、各感光ドラムに対して着脱自在に設けられる複数の現像カートリッジとを備えるドラムユニットが、本体ケーシングに対して着脱自在に装着されているカラーレーザプリンタが提案されている(たとえば、特許文献1参照。)。
【特許文献1】特開2007−178657号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかるに、特許文献1に記載の構成では、感光ドラムを保護するための部材を備えていないので、ドラムユニットが本体ケーシングから引き出されたときには、感光ドラムが、常時、露出している。
そのため、ドラムユニットが離脱されているときには、露出している感光ドラムが周辺の物品と接触して、破損してしまうというおそれがある。
【0004】
そこで、本発明の目的は、引き出し部材が装置本体から離脱されているときに、感光体を保護することができる画像形成装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明は、画像形成装置であり、装置本体、間隔を隔てて並列配置される複数の感光体を収容し、前記装置本体に対してスライド自在に着脱される引き出し部材、前記感光体を被覆する閉位置と、前記感光体を露出する開位置とに移動するシャッタ部材、前記シャッタ部材に連結され、前記シャッタ部材を前記開位置または前記閉位置に移動させる被作用部材、前記引き出し部材に前記並列方向に沿ってスライド自在に設けられ、スライドすることにより前記被作用部材に作用する作用部材、および、前記装置本体の内部に設けられ、前記引き出し部材の装着時において前記作用部材と当接し、前記作用部材をスライドさせる当接部材を備えることを特徴としている。
【0006】
また、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記作用部材を、前記引き出し部材の装着時における前記当接部材の前記作用部材に対する当接方向と反対方向に、付勢する第1付勢部材を備えることを特徴としている。
また、請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載の発明において、前記装置本体の内部において、前記感光体と接触するエンドレスベルトを備え、前記引き出し部材は、前記当接部材と前記作用部材とが当接する当接位置と、前記装置本体への装着が完了する装着位置とに移動可能であり、前記当接部材と前記作用部材とが当接した状態で前記当接位置から前記装着位置へ移動し、前記シャッタ部材は、前記エンドレスベルトと干渉しないように、前記引き出し部材が前記当接位置から前記装着位置へ移動する間に、前記開位置に移動されることを特徴としている。
【0007】
また、請求項4に記載の発明は、請求項1ないし3のいずれかに記載の発明において、前記引き出し部材の装着方向最上流側の前記シャッタ部材は、画像が形成される被画像形成部材を、前記感光体と前記エンドレスベルトとの間に案内するガイド部材を兼ねることを特徴としている。
また、請求項5に記載の発明は、請求項1ないし4のいずれかに記載の発明において、前記引き出し部材は、各前記感光体を回転可能に支持し、前記被作用部材および前記シャッタ部材を備えていることを特徴としている。
【0008】
また、請求項6に記載の発明は、請求項5に記載の発明において、前記被作用部材は、正回転および逆回転可能な歯車を備え、前記作用部材は、前記歯車と噛合するラック部を備え、前記歯車は、正回転または逆回転することにより、前記シャッタ部材を前記開位置または前記閉位置に移動させることを特徴としている。
また、請求項7に記載の発明は、請求項5または6に記載の発明において、前記歯車および前記ラック部は、前記感光体の長手方向一方側に設けられていることを特徴としている。
【0009】
また、請求項8に記載の発明は、請求項5に記載の発明において、前記作用部材は、前記並列方向にスライド自在な往復移動部材を備え、前記被作用部材は、前記シャッタ部材を支持するアーム部材を備え、前記往復移動部材には、第1位置と第2位置とを含む嵌合穴が形成され、前記アーム部材は、一端部において前記引き出し部材に揺動自在に支持され、他端部において前記シャッタ部材に連結され、前記一端部と前記他端部との間において、前記嵌合穴に嵌合される嵌合部を備え、前記往復移動部材は、前記嵌合部を前記第1位置に配置させることにより、前記シャッタ部材を前記開位置に移動させ、前記嵌合部を前記第2位置に配置させることにより、前記シャッタ部材を前記閉位置に移動させることを特徴としている。
【0010】
また、請求項9に記載の発明は、請求項8に記載の発明において、前記嵌合部は、前記嵌合穴に遊嵌されていることを特徴としている。
また、請求項10に記載の発明は、請求項8または9に記載の発明において、前記アーム部材を、常には、前記シャッタ部材を前記閉位置に配置するように、付勢する第2付勢部材と、前記シャッタ部材を、常には、前記閉位置において前記感光体に向かうように、付勢する第3付勢部材とを備えることを特徴としている。
【0011】
また、請求項11に記載の発明は、請求項8ないし10のいずれかに記載の発明において、前記引き出し部材は、前記シャッタ部材が前記閉位置に配置されているときに、前記アーム部材の前記他端部を保持する保持部を備えていることを特徴としている。
また、請求項12に記載の発明は、請求項8ないし11のいずれかに記載の発明において、前記アーム部材は、前記感光体の長手方向において、前記シャッタ部材の両端部を支持していることを特徴としている。
【0012】
また、請求項13に記載の発明は、請求項8ないし12のいずれかに記載の発明において、前記シャッタ部材は、前記アーム部材と連結される端部と反対側の端部において、ストッパ部を備え、前記ストッパ部は、前記シャッタ部材が閉位置に配置されているときには、前記引き出し部材に当接し、前記シャッタ部材を前記感光体と間隔を隔てて対向させることを特徴としている。
【0013】
また、請求項14に記載の発明は、請求項1ないし4のいずれかに記載の発明において、前記引き出し部材は、前記感光体を備えるプロセスカートリッジを着脱自在に備え、前記プロセスカートリッジは、前記被作用部材および前記シャッタ部材を備えることを特徴としている。
また、請求項15に記載の発明は、請求項14に記載の発明において、前記作用部材は、第1係合部を備え、前記被作用部材は、前記第1係合部と係合する第2係合部を備え、前記第1係合部と前記第2係合部とは、前記プロセスカートリッジが前記引き出し部材に装着されたときに係合することを特徴としている。
【発明の効果】
【0014】
請求項1に記載の発明によれば、引き出し部材が装置本体から離脱されているときにシャッタ部材を閉位置に配置しておけば、引き出し部材を装置本体に装着するときに、引き出し部材を装置本体に対してスライドさせると、引き出し部材に設けられる作用部材が、装置本体の内部に設けられる当接部材と当接し、スライドして、被作用部材に作用する。これにより、シャッタ部材を開位置に移動させることができる。
【0015】
そのため、引き出し部材が装置本体から離脱されているときにシャッタ部材を閉位置に配置し、引き出し部材を装置本体に装着する動作で、シャッタ部材を開位置に移動させることができる。
その結果、引き出し部材が装置本体から離脱されているときに、感光体を保護することができる。
【0016】
また、請求項2に記載の発明によれば、第1付勢部材の付勢力により、作用部材を、引き出し部材の装着時における当接部材の作用部材に対する当接方向と反対方向にスライドさせることができる。
そのため、引き出し部材が装置本体から離脱され、作用部材と当接部材との当接が解除されると、シャッタ部材を、自動的に閉位置に移動させることができる。
【0017】
その結果、引き出し部材が装置本体から離脱されているときに、確実に感光体を保護することができる。
また、請求項3に記載の発明によれば、引き出し部材は、当接位置において、当接部材と作用部材とが当接した後、その当接を維持しながら当接位置から装着位置へ移動し、装置本体に装着される。
【0018】
そして、そのとき、シャッタ部材は、エンドレスベルトと干渉しないように、引き出し部材が当接位置から装着位置へ移動する間に、開位置に移動される。
そのため、シャッタ部材を、引き出し部材が当接位置に配置されるまで閉位置に配置し、引き出し部材が当接位置から装着位置へ移動するタイミングで開位置に移動させることができる。
【0019】
その結果、引き出し部材が装置本体から離脱されているときから、感光体とエンドレスベルトとが接触する直前まで、感光体を保護することができる。
また、シャッタ部材は、エンドレスベルトと干渉しないように、開位置に移動される。
そのため、シャッタ部材とエンドレスベルトとの干渉により、エンドレスベルトが損傷することを防止することができる。
【0020】
また、請求項4に記載の発明によれば、引き出し部材の装着方向最上流側のシャッタ部材が、被画像形成部材を感光体とエンドレスベルトとの間に案内するガイド部材を兼ねる。
そのため、別途ガイド部材を設ける必要が無く、部品点数を低減することができる。
また、請求項5に記載の発明によれば、各感光体が引き出し部材に支持され、その引き出し部材に被作用部材およびシャッタ部材が備えられている。
【0021】
そのため、各感光体が引き出し部材に支持される構成において、各感光体を保護することができる。
また、請求項6に記載の発明によれば、引き出し部材の着脱時に作用部材がスライドすると、作用部材のラック部が被作用部材の歯車に作用し、歯車を正回転または逆回転させる。これにより、シャッタ部材を開位置または閉位置に移動させることができる。
【0022】
そのため、簡易な構成により、引き出し部材の装置本体に対する着脱に連動して、シャッタ部材を開位置または閉位置へ移動させることができる。
また、請求項7に記載の発明によれば、歯車およびラック部は、感光体の長手方向一方側に設けられている。
そのため、感光体の長手方向他方側に歯車およびラック部を設ける必要が無く、部品点数を低減することができる。
【0023】
また、請求項8に記載の発明によれば、往復移動部材に第1位置と第2位置とを含む嵌合穴が形成され、引き出し部材に揺動自在に支持されるアーム部材に嵌合部が備えられ、嵌合部が嵌合穴に嵌合されている。
そして、往復移動部材は、引き出し部材の着脱時にスライドすることにより、嵌合部を介してアーム部材に作用し、アーム部材を揺動させる。嵌合部が第1位置に配置されるようにアーム部材が揺動されると、シャッタ部材が開位置に移動し、嵌合部が第2位置に配置されるようにアーム部材が揺動されると、シャッタ部材が閉位置に移動する。
【0024】
そのため、簡易な構成により、引き出し部材の装置本体に対する着脱に連動して、シャッタ部材を開位置または閉位置へ移動させることができる。
また、請求項9に記載の発明によれば、嵌合部と嵌合穴とが遊嵌されているので、嵌合部は、第1位置と第2位置との間を移動するときに、嵌合穴の遊びの部分に適宜退避しながら移動することができる。
【0025】
そのため、アーム部材を円滑に揺動させることができ、シャッタ部材を開位置または閉位置へ円滑に移動させることができる。
また、請求項10に記載の発明によれば、第2付勢部材の付勢力により、アーム部材は、常には、シャッタ部材が閉位置に配置されるように揺動する。また、第3付勢部材の付勢力により、シャッタ部材は、閉位置において、常には、感光体に向かう。
【0026】
そのため、引き出し部材が装置本体から離脱され、作用部材と当接部材との当接が解除されると、シャッタ部材を、自動的に閉位置に移動させることができる。しかも、閉位置においては、感光体とシャッタ部材とを対向させることができる。
その結果、引き出し部材が装置本体から離脱されているときに、確実に感光体を保護することができる。
【0027】
また、請求項11に記載の発明によれば、シャッタ部材が閉位置に配置されているときには、アーム部材の他端部は、引き出し部材の保持部に保持されている。
そのため、シャッタ部材が閉位置に配置される位置において、アーム部材の揺動を規制することができる。
その結果、シャッタ部材を確実に閉位置に配置することができる。
【0028】
また、請求項12に記載の発明によれば、アーム部材は、感光体の長手方向において、シャッタ部材の両端部を支持している。
そのため、感光体の長手方向において、シャッタ部材を確実に支持することができる。
また、請求項13に記載の発明によれば、シャッタ部材は、閉位置において、アーム部材と連結される端部と反対側の端部に備えられるストッパ部が引き出し部材に当接することにより、感光体と間隔を隔てて対向させられる。
【0029】
そのため、シャッタ部材が閉位置に配置されるときに、シャッタ部材が感光体に干渉することを防止することができる。
また、請求項14に記載の発明によれば、引き出し部材は、感光体を備えるプロセスカートリッジを着脱自在に備えており、プロセスカートリッジが被作用部材およびシャッタ部材を備えている。
【0030】
そのため、感光体がプロセスカートリッジに備えられている構成において、感光体を保護することができる。
また、請求項15に記載の発明によれば、プロセスカートリッジが引き出し部材に装着されたときに、作用部材に備えられる第1係合部と被作用部材に備えられる第2係合部とが係合する。
【0031】
これにより、プロセスカートリッジが引き出し部材に装着され、その引き出し部材が装置本体に装着されるときには、作用部材が、第1係合部を介して、被作用部材の第2係合部に作用する。
そのため、プロセスカートリッジが引き出し部材から離脱されているとき、および、引き出し部材が装置本体から離脱されているときに、シャッタ部材を閉位置に配置し、引き出し部材を装置本体に装着する動作で、シャッタ部材を開位置に移動させることができる。
【0032】
その結果、プロセスカートリッジが引き出し部材から離脱されているとき、および、引き出し部材が装置本体から離脱されているときに、感光体を保護することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0033】
1.カラーレーザプリンタの全体構成
図1は、本発明の画像形成装置の一例としてのカラーレーザプリンタの第一実施形態を示す側断面図である。
このカラーレーザプリンタ1は、横置きタイプのタンデム型カラーレーザプリンタであって、装置本体の一例としての本体ケーシング2内に、被画像形成部材の一例としての用紙Pを給紙するための給紙部3と、給紙された用紙Pに画像を形成するための画像形成部4とを備えている。
(1)本体ケーシング
本体ケーシング2は、画像形成部4を収容する側面視略矩形状のボックス状に形成されており、その一方側壁には、後述するプロセスユニット10を着脱させるためのフロントカバー5が設けられている。
【0034】
なお、以下の説明において、フロントカバー5が設けられる側(図1における左側)を前側とし、その反対側(図1における右側)を後側とする。また、カラーレーザプリンタ1を前側から見たときを左右の基準とする。すなわち、図1の紙面手前側が右側であり、紙面奥側が左側である。
(2)給紙部
給紙部3は、用紙Pを収容する給紙トレイ6を備えている。給紙トレイ6は、本体ケーシング2内の底部に着脱自在に装着されている。給紙トレイ6の前端部上方には、給紙ローラ7と、Uターンパスからなる給紙パス8とが配置されている。
【0035】
給紙ローラ7の回転により、給紙トレイ6に収容されている用紙Pが給紙パス8に向けて1枚ずつ給紙される。その後、用紙Pは、給紙パス8から、画像形成部4(感光ドラム15(後述)と搬送ベルト20(後述)との間)に向けて搬送される。
(3)画像形成部
画像形成部4は、スキャナユニット9、引き出し部材の一例としてのプロセスユニット10、転写ユニット11、および定着ユニット12を備えている。
(3−1)スキャナユニット
スキャナユニット9は、本体ケーシング2の上部に配置されている。スキャナユニット9は、鎖線で示すように、4つの感光ドラム15(後述)に向けて、画像データに基づくレーザビームをそれぞれ出射し、感光ドラム15(後述)を露光する。
(3−2)プロセスユニット
(3−2−1)プロセスユニットの構成
プロセスユニット10は、スキャナユニット9の下方であって、給紙部3の上方に配置されており、1つのプロセスフレーム13と、各色に対応する4つの現像ユニット14とを備えている。
【0036】
プロセスフレーム13は、本体ケーシング2に対して、前後方向に沿ってスライド可能であり、着脱自在に設けられ、感光体の一例としての感光ドラム15、および帯電ローラ16を収容している。
感光ドラム15は、左右方向に沿うように、前後方向に間隔を隔てて、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの各色に対応して、4つ、並列配置されている。
【0037】
帯電ローラ16は、感光ドラム15の後側において、感光ドラム15に対して隣接配置されている。
現像ユニット14は、感光ドラム15の上側に配置され、現像ローラ17を備えている。
現像ローラ17は、現像ユニット14の下端から露出するように、現像ユニット14に回転自在に支持されており、感光ドラム15に対して上側から接触するように配置されている。
【0038】
なお、図示しないが、現像ユニット14は、現像ローラ17にトナーを供給する供給ローラ、現像ローラ17に供給されたトナーの厚みを規制する層厚規制ブレードを備え、それらの上方の空間には、各色に対応するトナーが収容されている。
(3−2−2)プロセスユニットでの現像動作
現像ユニット14内のトナーは、供給ローラ(図示せず)に供給され、さらに、現像ローラ17に供給され、供給ローラ(図示せず)と現像ローラ17との間で正極性に摩擦帯電される。
【0039】
現像ローラ17に供給されたトナーは、現像ローラ17の回転に伴って、層厚規制ブレード(図示せず)によって厚さが規制され、一定厚さの薄層として現像ローラ17の表面に担持される。
一方、感光ドラム15の表面は、感光ドラム15の回転に伴って、帯電ローラ16により一様に正帯電された後、スキャナユニット9からのレーザビーム(図1破線参照。)の高速走査により露光される。これにより、用紙Pに形成すべき画像に対応した静電潜像が感光ドラム15の表面に形成される。
【0040】
感光ドラム15がさらに回転すると、現像ローラ17の表面に担持され、かつ、正帯電されているトナーが、感光ドラム15の表面に形成されている静電潜像に供給される。これにより、感光ドラム15の静電潜像は可視像化され、感光ドラム15の表面には、反転現像によるトナー像が担持される。
(3−3)転写ユニット
転写ユニット11は、本体ケーシング2内において、給紙部3の上方であって、プロセスユニット10の下方において、前後方向に沿って配置されている。この転写ユニット11は、駆動ローラ18、従動ローラ19、各感光ドラム15と接触する搬送ベルト20、および転写ローラ21を備えている。
【0041】
駆動ローラ18および従動ローラ19は、前後方向に間隔を隔てて対向配置されており、それらの周りに搬送ベルト20が巻回されている。
転写ローラ21は、各感光ドラム15と、搬送ベルト20を挟んで対向するように、それぞれ設けられている。
そして、給紙部3から給紙された用紙Pは、搬送ベルト20によって、前側から後側に向かって、各感光ドラム15と各転写ローラ21とが対向する転写位置を順次通過するように搬送される。その搬送中に、各感光ドラム15に担持されている各色のトナー像が、用紙Pに順次転写され、カラー画像が形成される。
(3−4)定着ユニット
定着ユニット12は、転写ユニット11の後方に配置され、加熱ローラ22、および加熱ローラ22に対向する加圧ローラ23を備えている。転写ユニット11において、用紙Pに転写されたカラー画像は、用紙Pが加熱ローラ22と加圧ローラ23との間を通過する間に、加熱および加圧されることによって用紙Pに熱定着される。
(4)排紙
トナー像が定着した用紙Pは、Uターンパスからなる排紙パス(図示せず)を通過して、排紙ローラ24に向けて搬送され、排紙ローラ24によって、本体ケーシング2の上面に形成された排紙トレイ25上に排紙される。
2.プロセスユニットの詳細
図2は、図1におけるプロセスユニットを説明するための説明図である。
【0042】
プロセスユニット10は、上述し、図2に示すように、プロセスフレーム13、感光ドラム15および現像ユニット14を備えている。
プロセスフレーム13は、間隔を隔てて対向配置される左右1対の側板33と、両側板33間に架設されるフロントビーム35、リヤビーム34および仕切板36と、作用部材の一例としてのラック杆37とを備えている。
【0043】
両側板33(以下、両側板33の左右方向に言及する時には、左側の側板33を左側側板33Lとし、右側の側板33を右側側板33Rとする。なお、図2において、右側側板33Rは切欠かれている。)は、側面視略矩形状に形成されている。
また、両側板33は、突条63と、第1ガイドボス39とを備えている。
突条63は、両側板33の上端縁から連続して、左右方向外側に突出するように、前後方向ほぼ全てにわたって形成されている。また、突条63の前端部の下端縁は、前方に向かうに従って上方に傾斜している。
【0044】
第1ガイドボス39は、両側板33の後端部上方において、突条63の下側に配置され、両側板33の左右方向外面から左右方向外側に向かって突出する円柱形状に形成されている。
また、左側側板33Lには、感光ドラム15のカップリング部(図示せず)を支持するためのドラムカップリング嵌合穴(図示せず)、および、現像カップリング部52(後述)を支持するための現像カップリング嵌合穴38が、形成されている。
【0045】
また、右側側板33Rには、現像ガイド溝42、ラック杆支持部43およびドラム軸挿通穴60(図6参照)が形成されている。
現像ガイド溝42は、右側側板33Rの左面において、上側が拡がるように開放された側面視略Y字形状をなし、現像ガイドボス51(後述)を受け入れ可能に形成されている。
【0046】
ラック杆支持部43は、右側側板33Rの左面の下端部において、左方に突出する突条であり、前後方向ほぼ全てにわたって形成されている。ラック杆支持部43は、ラック杆37を下方から支持する。
ドラム軸挿通穴60は、右側側板33Rの下端部において、各感光ドラム15に対応するように、前後方向に間隔を隔てて並列配置されている(図6参照)。また、各ドラム軸挿通穴60は、各感光ドラム15のドラム軸46(後述)を受け入れ可能なように、ドラム軸46(後述)の直径よりもやや大径な側面視略円形状に形成されている。
【0047】
フロントビーム35は、両側板33の前端部間に架設され、前側が開放された側断面視略コ字形状に形成されている。また、フロントビーム35の右端部下側は、ラック杆37の上端縁を受け入れ可能に切欠かれている。
リヤビーム34は、両側板33の後端部間に架設され、下側が開放された側断面視略V字形状に形成されている。また、リヤビーム34の右端部下側は、ラック杆37および圧縮ばね50(後述)を受け入れ可能に切欠かれている。
【0048】
また、リヤビーム34は、基準軸嵌合部40、当接ガイド板58および後側把持部57を備えている。
基準軸嵌合部40は、リヤビーム34の上端部において、左右方向両端部にそれぞれ1つずつ配置されている。また、基準軸嵌合部40は、リヤビーム34の後端縁から後方に向かって突出し、下側が開放された側面視略鉤形状に形成されている。
【0049】
当接ガイド板58は、リヤビーム34の右端部下側において、右側側板33Rと間隔を隔てて対向配置され、下端部が前方に向かって突出する側面視略直角三角形状に形成されている。当接ガイド板58は、ラック杆37の前後方向へのスライドをガイドする。
後側把持部57は、左右方向略中央に配置されており、プロセスユニット10の着脱時に把持される。
【0050】
仕切板36は、下側が開放された側断面視略V字形状に形成されており、フロントビーム35とリヤビーム34との間において、前後方向に間隔を隔てて3つ並列配置されている。これにより、フロントビーム35、リヤビーム34および両側板33に囲まれる空間は、3枚の仕切板36により、前後方向に略4等分されている。また、仕切板36の右端部下側は、ラック杆37の上端縁を受け入れ可能に切欠かれている。
【0051】
ラック杆37は、当接ガイド板58の後端部から最前方の感光ドラム15の前方にわたる長さで、前後方向に沿って延びる角杆であり、ラック部44および当接部45を一体的に備えている。また、ラック杆37は、当接部45が当接ガイド板58と右側側板33Rとの間に配置されるように、右側側板33Rのラック杆支持部43に、前後方向に沿ってスライド自在に支持されている。
【0052】
ラック部44は、ラック杆37の上端縁において、前後方向に間隔を隔てて4つ形成されている。ラック部44は、各感光ドラム15に対応して配置されている。ラック部44は、シャッタ32(後述)のギヤ部49(後述)に対応する歯数で、ギヤ部49(後述)に噛合するように形成されている。
当接部45は、ラック杆37の後端部に配置されており、下端部が後方に突出する側面視略直角三角形状に形成されている。また、当接部45の上端縁は、ラック杆37の上端縁よりも上方に突出するように形成されている。また、当接部45は、後方に向かうに従って下方に傾斜する当接面61を備えている。
【0053】
各感光ドラム15には、ドラム軸46が相対回転自在に挿通されている。また、各感光ドラム15には、シャッタ部材の一例としてのシャッタ32が装着されている。
ドラム軸46は、感光ドラム15と中心軸線を共有するように、感光ドラム15内部に左右方向に沿って配置されている。
なお、ドラム軸46の左端部には、感光ドラム15に駆動を伝達するカップリング部(図示せず)が、ドラム軸46に対して相対回転可能に連結されている。
【0054】
そして、感光ドラム15のカップリング部(図示せず)は、左側側板33Lのドラムカップリング嵌合穴(図示せず)に回転自在に嵌合されている。また、ドラム軸46の右端部は、右側側板33Rのドラム軸挿通穴60に嵌合されている。これにより、感光ドラム15は、プロセスフレーム13に回転自在に支持されている。
シャッタ32は、被覆部47、支持部48および被作用部材の一例としてのギヤ部49を一体的に備えている。シャッタ32は、後で詳述するが、感光ドラム15を下方から被覆する閉位置(図3参照。)と、感光ドラム15の前方に配置され、感光ドラム15の下面を露出する開位置(図5参照。)とに移動するように設けられている。
【0055】
被覆部47は、左右方向に沿って延びる板状をなし、感光ドラム15の外周面に沿う断面円弧形状に形成されている。
支持部48は、被覆部47の左右方向両端縁から連続して感光ドラム15のドラム軸46に向かって延びている。
ギヤ部49は、右側の支持部48の右端縁から右方に突出する略円柱形状に形成されている。また、ギヤ部49には、シャッタ32が閉位置に配置されているときに、側面視において、下方から後方に向かうように、約2/3周、ギヤ歯が形成されている。なお、ギヤ部49は、歯車の一例としても機能する。
【0056】
また、シャッタ32には、感光ドラム15のドラム軸46を受け入れ可能な貫通穴62が、ギヤ部49と中心軸線を共有し、ギヤ部49および支持部48を左右方向に貫通するように、形成されている。
貫通穴62には、感光ドラム15のドラム軸46が、左右方向内側から回転自在に挿通されている。これにより、シャッタ32は、感光ドラム15に揺動自在に支持されている。
【0057】
また、ラック杆37の当接部45と、リヤビーム34との間には、第1付勢部材の一例としての圧縮ばね50が配置されている。
圧縮ばね50は、その前端部がリヤビーム34に連結され、その後端部がラック杆37に連結されている。これにより、ラック杆37は、常には、プロセスフレーム13に対して後方に向かって付勢されている。
【0058】
そして、ラック杆37が、最後方(左右方向に投影したときに、その後端部が当接ガイド板58の後端部と重なる位置)に配置されているときには、シャッタ32が、閉位置に配置される。シャッタ32が閉位置に配置されると、各ギヤ部49は、それぞれ、対応するラック部44の前端部と噛合し、各被覆部47は、対応する感光ドラム15の下側に配置される。これにより、感光ドラム15は、下側が被覆される。
【0059】
一方、ラック杆37が圧縮ばね50の付勢力に抗して前方にスライドされると、ラック部44と噛合するギヤ部49が正回転(右側面視時計回り)し、シャッタ32は、ギヤ部49の回転に応じて右側面視時計回りに回転して、開位置に配置される(図5参照)。
シャッタ32が開位置に配置されると、ギヤ部49は、ラック部44の後端部と噛合し、被覆部47は、感光ドラム15の前側に配置される。これにより、感光ドラム15は、下側が露出される。
【0060】
そして、ラック杆37が圧縮ばね50の付勢力により後方にスライドされると、ラック部44と噛合するギヤ部49が逆回転(右側面視反時計回り)し、シャッタ32は、ギヤ部49の回転に応じて右側面視反時計回りに回転して、閉位置に配置される(図3参照)。
また、プロセスフレーム13の前端部には、ガイド軸41が左右方向にわたって貫通されている。
【0061】
ガイド軸41は、その両端部が両側板33から左右方向外側に突出している。また、ガイド軸41の左右方向略中央には、前側把持部56が揺動自在に設けられている。
前側把持部56は、常には、重力により、ガイド軸41の下方にぶら下がっている。そして、プロセスユニット10の着脱時には、ガイド軸41を支点として右側面視時計回りに揺動させて、把持される。
【0062】
現像ユニット14は、現像ガイドボス51および現像カップリング部52を備えている。
現像ガイドボス51は、現像ユニット14の左端面から右方に向かって突出する円柱形状に形成されている。また、現像ガイドボス51は、現像ユニット14の上端部および下端部に、それぞれ1つずつ、互いに上下方向に間隔を隔てて並列配置されている。
【0063】
現像カップリング部52は、現像ユニット14の左端部に設けられ、現像ユニット14に駆動力を伝達する。
現像ユニット14は、現像カップリング部52が左側側板33Lの現像カップリング嵌合穴38に嵌合され、各現像ガイドボス51が現像ガイド溝42に嵌合されるように、現像ローラ17を下側にして、プロセスフレーム13に上方から装着される。また、現像ユニット14は、上方に向かって引き抜かれることにより、プロセスフレーム13から離脱される。
3.本体ケーシングの詳細
図3は、本体ケーシングへのプロセスユニットの装着を説明するための説明図であって、本体ケーシングにプロセスユニットの後端部を挿入した状態を示す。
【0064】
本体ケーシング2は、図3に示すように、レール53、基準軸54を備えている。
レール53は、本体ケーシング2の左右方向両側壁に設けられ、前後方向に沿って延び、プロセスユニット10の第1ガイドボス39に下方から当接するように形成されている。レール53は、プロセスユニット10の本体ケーシング2への装着を案内する。
また、レール53の後端部は、後方に向かうに従って下方に傾斜するように屈曲している。
【0065】
また、レール53の前端部には、レール53の上方において、突条63に下方から当接する第2ガイドボス64が設けられ、レール53の下方において、ガイド軸41を受け入れ可能なガイド軸収容部65が形成されている(図5参照)。
第2ガイドボス64は、本体ケーシング2の左右方向両側壁から左右方向内方に向かって突出する円柱形状に形成されている(図5参照)。
【0066】
ガイド軸収容部65は、本体ケーシング2の左右方向両側壁から左右方向内方に向かって突出する突条により、側面視略矩形状に区画されている(図5参照)。
基準軸54は、左右方向に延びる棒状に形成され、レール53の後端部に連続するように配置され、本体ケーシング2の左右両側壁間に架設されている。
また、定着ユニット12は、当接部材の一例としての当接板55を備えている。
【0067】
当接板55は、定着ユニット12の右端部上側に配置され、側面視略矩形状に形成されている。また、当接板55は、プロセスユニット10の当接部45と当接するように、定着ユニット12の前端縁から後方に向かって突出している。また、当接板55の下端部には、後方に向かうに従って下方に向かう傾斜面66が形成されている。
4.プロセスユニットの本体ケーシングへの装着
図4および図5は、本体ケーシングへのプロセスユニットの装着を説明するための説明図であって、図4は、プロセスユニットが当接位置に配置された状態、図5は、プロセスユニットが装着位置に配置された状態を示す。図6は、図3に対応した状態におけるプロセスユニットの右側面図を示す。図7は、図5に対応した状態におけるプロセスユニットの右側面図を示す。
【0068】
プロセスユニット10を本体ケーシング2に装着するには、図6に示すように、前側把持部56および後側把持部57を把持して、第1ガイドボス39が第2ガイドボス64を乗り越えるように、プロセスユニット10の後端部を本体ケーシング2内に挿入する。
このとき、第1ガイドボス39は、第2ガイドボス64の後側に配置されており、レール53に上側から当接されている。また、第2ガイドボス64は、突条63に下側から当接されている。また、図3に示すように、シャッタ32は、閉位置に配置され、ラック杆37は、後方に進出している。
【0069】
次いで、前側把持部56を把持して、本体ケーシング2に対して、後方に向かってプロセスユニット10を押し込む。
すると、図4に示すように、ラック杆37の当接部45が、定着ユニット12の当接板55に、前側から当接し、プロセスユニット10が当接位置に配置される。これにより、ラック杆37は、当接板55から前方に向かう反作用を受け、圧縮ばね50の付勢力に抗して前方にスライドする。
【0070】
すると、シャッタ32は、ラック部44と噛合するギヤ部49が正回転(右側面視時計回り)することにより、右側面視時計回りに回転し、開位置に配置される。これにより、感光ドラム15は、下側が露出される。
次いで、前側把持部56を把持して、さらに後方に向かってプロセスユニット10を押し込む。
【0071】
すると、図7に示すように、第1ガイドボス39が、レール53の傾斜に沿って前方斜め下方に向かうとともに、突条63の後端部が、第2ガイドボス64と当接しながら前方斜め下方に向かい、第2ガイドボス64から外れる。そして、基準軸54が基準軸嵌合部40に嵌合されると、プロセスユニット10が装着位置に配置される。
また、このとき、図5に示すように、当接部45の当接面61は、当接板55の傾斜面66と当接しながら、前方斜め下方に向かう。これにより、プロセスユニット10は、当接板55とラック杆37とが当接した状態、すなわち、ラック杆37が前方にスライドしたままの状態で、当接位置から装着位置に移動される。そのため、シャッタ32は、プロセスユニット10が当接位置から装着位置に移動される間、開位置に配置されており、搬送ベルト20と干渉しない。
【0072】
そして、プロセスユニット10が装着位置に配置されると、各感光ドラム15が搬送ベルト20に上方から当接され、プロセスユニット10の本体ケーシング2への装着が完了される。
なお、フロントカバー5には、ガイド軸41と嵌合するように、ロック部材26が設けられており、フロントカバー5を閉鎖すると、ロック部材26がガイド軸41と嵌合して、プロセスフレーム13の前端部が位置決めされる。
5.作用効果
(1)このカラーレーザプリンタ1によれば、図3および図5に示すように、プロセスユニット10が本体ケーシング2から離脱されているときには、シャッタ32が閉位置に配置されているので、プロセスユニット10を本体ケーシング2に装着するときに、プロセスユニット10を本体ケーシング2に対してスライドさせると、プロセスユニット10に設けられるラック杆37が、本体ケーシング2内部の定着ユニット12に設けられる当接板55に前方から当接し、当接板55からの反作用により前方にスライドして、シャッタ32のギヤ部49を正回転させる。これにより、シャッタ32を開位置に移動させることができる。
【0073】
そのため、プロセスユニット10が本体ケーシング2から離脱されているときにシャッタ32を閉位置に配置し、プロセスユニット10を本体ケーシング2に装着する動作で、シャッタ32を開位置に移動させることができる。
その結果、プロセスユニット10が本体ケーシング2から離脱されているときに、感光ドラム15を保護することができる。
(2)また、このカラーレーザプリンタ1によれば、圧縮ばね50の付勢力により、ラック杆37を、常には、後方にスライドさせている。
【0074】
そのため、プロセスユニット10が本体ケーシング2から離脱され、ラック杆37と当接板55との当接が解除されると、シャッタ32を、自動的に閉位置に移動させることができる。
その結果、プロセスユニット10が本体ケーシング2から離脱されているときに、確実に感光ドラム15を保護することができる。
(3)また、このカラーレーザプリンタ1によれば、図4および図5に示すように、プロセスユニット10は、当接位置において、当接板55とラック杆37とが当接した後、その当接を維持しながら当接位置から装着位置へ移動し、本体ケーシング2に装着される。
【0075】
そして、そのとき、シャッタ32は、搬送ベルト20と干渉しないように、プロセスユニット10が当接位置から装着位置へ移動する間、開位置に配置される。
そのため、シャッタ32を、プロセスユニット10が当接位置に配置されるまで閉位置に配置し、プロセスユニット10が当接位置に配置されたときに開位置に移動させ、開位置に配置させたまま、プロセスユニット10を当接位置から装着位置へ移動させることができる。
【0076】
その結果、プロセスユニット10が本体ケーシング2から離脱されているときから、感光ドラム15と搬送ベルト20とが接触する直前まで(プロセスユニット10が当接位置に配置されるまで)、感光ドラム15を保護することができる。
また、シャッタ32は、搬送ベルト20と干渉しないように、開位置に移動される。
そのため、シャッタ32と搬送ベルト20との干渉により、搬送ベルト20が損傷することを防止することができる。
(4)また、このカラーレーザプリンタ1によれば、図2に示すように、各感光体ドラム15に、ギヤ部49を備えたシャッタ32がそれぞれ装着され、各感光ドラム15がプロセスフレーム13に支持されている。
【0077】
そのため、各感光ドラム15がプロセスフレーム13に支持される構成において、各感光ドラム15を保護することができる。
(5)また、このカラーレーザプリンタ1によれば、プロセスユニット10の着脱時にラック杆37が前後方向にスライドすると、ラック杆37のラック部44がギヤ部49に作用し、ギヤ部49を右側面視時計回り(正回転)または右側面視反時計回り(逆回転)させる。これにより、シャッタ32を開位置または閉位置に移動させることができる。
【0078】
そのため、簡易な構成により、プロセスユニット10の本体ケーシング2に対する着脱に連動して、シャッタ32を開位置または閉位置へ移動させることができる。
(6)また、このカラーレーザプリンタ1によれば、図2に示すように、ギヤ部49およびラック部44は、右側に設けられている。
そのため、左側にギヤ部49およびラック部44を設ける必要が無く、部品点数を低減することができる。
6.第2実施形態
図8は、第2実施形態におけるプロセスユニットを説明するための説明図である。
【0079】
図9〜図11は、第2実施形態における本体ケーシングへのプロセスユニットの装着を説明するための説明図であって、図9は、本体ケーシングにプロセスユニットの後端部が挿入された状態、図10は、プロセスユニットが当接位置に配置された状態、図11は、プロセスユニットが装着位置に配置された状態を示す。
図12は、図9に対応した状態におけるプロセスユニットの右側面図を示す。図13は、図11に対応した状態におけるプロセスユニットの右側面図を示す。
【0080】
なお、図8〜図13において、第1実施形態と同様の部材には、第1実施形態と同一の符号を付し、その説明を省略する。
第1実施形態では、プロセスフレーム13に感光ドラム15および帯電ローラ16が支持され、現像ユニット14がプロセスフレーム13に対して着脱自在に設けられている(図2参照)。
【0081】
しかし、図8に示すように、現像ユニット14、感光ドラム15および帯電ローラ16を一体的に備えるプロセスカートリッジ71を、プロセスフレーム13に対して着脱自在に設けることもできる。
すなわち、プロセスユニット70は、4つのプロセスカートリッジ71と、各プロセスカートリッジ71を収容するプロセスフレーム13とを備えている。
【0082】
プロセスカートリッジ71は、プロセス筐体72と、プロセス筐体72に一体的に支持される現像ユニット14、感光ドラム15および帯電ローラ16とを備えている。
プロセス筐体72は、左右方向に延びる略ボックス形状の上側部分と、上側部分から下方に向かって延びる下側部分とを備えている。下側部分は、左右方向に間隔を隔てて対向配置される1対のプロセス側板73を備えている。また、上側部分の右端部には、プロセスガイドボス74が形成されている。
【0083】
両プロセス側板73は、後方に向かって膨出する側面視略アーム形状に形成されている(図9参照)。
プロセスガイドボス74は、現像ユニット14の右端面から右方に向かって突出する円柱形状に形成されている。プロセスガイドボス74は、感光ドラム15のドラム軸46の上側に配置されている。
【0084】
現像ユニット14は、プロセス筐体72の上側部分であり、第1実施形態と同様に、現像ローラ17を備えている。
感光ドラム15は、現像ユニット14の下方において、現像ユニット14に隣接配置され、両プロセス側板73間に支持されている。また、感光ドラム15には、第1実施形態と同様に、シャッタ32が設けられており、シャッタ32のギヤ部49は、第2係合部の一例として機能する。
【0085】
帯電ローラ16は、感光ドラム15の後方において、両プロセス側板73間に支持されている。
プロセスフレーム13は、第1実施形態と同様に、間隔を隔てて対向配置される左右1対の側板33と、両側板33間に架設されるフロントビーム35、リヤビーム34および仕切板36と、前後方向にスライド自在なラック杆37とを備えている。ラック杆37のラック部44は、第1係合部の一例として機能する。また、右側側板33Rには、プロセスガイド溝75が形成されている。
【0086】
プロセスガイド溝75は、右側側板33Rの上端縁から下方に向かって、上方が開放された側面視略Y字形状に切り欠かれている(図12参照)。プロセスガイド溝75は、感光ドラム15のドラム軸46およびプロセスガイドボス74を受け入れて、プロセスカートリッジ71のプロセスフレーム13への装着を案内する。
プロセスカートリッジ71は、感光ドラム15のドラム軸46およびプロセスガイドボス74がプロセスガイド溝75に嵌合されるように、感光ドラム15を下側にして、プロセスフレーム13に上方から装着される。
【0087】
プロセスカートリッジ71がプロセスフレーム13に装着されると、ギヤ部49がラック部44に噛合する。
また、プロセスカートリッジ71は、上方に向かって引き抜かれることにより、プロセスフレーム13から離脱される。
そして、プロセスユニット70を本体ケーシング2に装着するには、第1実施形態と同様にして、装着することができる。
【0088】
詳しくは、図12に示すように、プロセスユニット70の後端部を本体ケーシング2内に挿入する。
このとき、図9に示すように、シャッタ32は、閉位置に配置され、ラック杆37は、後方に進出している。
次いで、前側把持部56を把持して、本体ケーシング2に対して、後方に向かってプロセスユニット70を押し込む。
【0089】
すると、図10に示すように、プロセスユニット70が当接位置に配置され、ラック杆37の当接部45が、定着ユニット12の当接板55に、前側から当接する。これにより、ラック杆37は、当接板55から前方に向かう反作用を受け、圧縮ばね50の付勢力に抗して前方にスライドする。
すると、シャッタ32は、ラック部44と噛合するギヤ部49が正回転(右側面視時計回り)することにより、右側面視時計回りに回転し、開位置に配置される。
【0090】
次いで、前側把持部56を把持して、さらに後方に向かってプロセスユニット70を押し込む。
すると、図13に示すように、第1ガイドボス39が、レール53の傾斜に沿って前方斜め下方に向かうとともに、突条63の後端部が、第2ガイドボス64と当接しながら前方斜め下方に向かい、第2ガイドボス64から外れる。そして、基準軸54が基準軸嵌合部40に嵌合されると、プロセスユニット70が装着位置に配置される。
【0091】
また、このとき、図11に示すように、プロセスユニット70は、当接板55とラック杆37とが当接した状態、すなわち、ラック杆37が前方にスライドし、シャッタ32が開位置に配置されたままの状態で、当接位置から装着位置に移動される。
そして、プロセスユニット70が装着位置に配置されると、各感光ドラム15が搬送ベルト20に上方から当接され、プロセスユニット70の本体ケーシング2への装着が完了される。
【0092】
このカラーレーザプリンタ1によれば、図8に示すように、プロセスユニット70は、感光ドラム15を備えるプロセスカートリッジ71を着脱自在に備えており、プロセスカートリッジ71がギヤ部49およびシャッタ32を備えている。
そのため、感光ドラム15がプロセスカートリッジ71に備えられている構成において、感光ドラム15を保護することができる。
【0093】
また、このカラーレーザプリンタ1によれば、プロセスカートリッジ71がプロセスユニット70に装着されたときに、ラック杆37に備えられるラック部44とギヤ部49とが噛合する。
これにより、プロセスカートリッジ71がプロセスユニット70に装着され、そのプロセスユニット70が本体ケーシング2に装着されるときには、ラック杆37が、ラック部44を介して、ギヤ部49に作用する。
【0094】
そのため、プロセスカートリッジ71がプロセスユニット70から離脱されているとき、および、プロセスユニット70が本体ケーシング2から離脱されているときに、シャッタ32を閉位置に配置し、プロセスユニット70を本体ケーシング2に装着する動作で、シャッタ32を開位置に移動させることができる。
その結果、プロセスカートリッジ71がプロセスユニット70から離脱されているとき、および、プロセスユニット70が本体ケーシング2から離脱されているときに、感光ドラム15を保護することができる。
7.第3実施形態
図14は、第3実施形態におけるプロセスユニットを説明するための説明図であって、(a)はシャッタが閉位置に配置された状態、(b)はシャッタが開位置に配置された状態を示す。
【0095】
図15は、(a)が、図14(a)に対応する側面図、(b)が、図14(b)に対応する側面図を示す。
図16〜図18は、第3実施形態における本体ケーシングへのプロセスユニットの装着を説明するための説明図であって、図16は、本体ケーシングにプロセスユニットの後端部が挿入された状態、図17は、プロセスユニットが当接位置に配置された状態、図18は、プロセスユニットが装着位置に配置された状態を示す。
【0096】
図19は、図16に対応した状態におけるプロセスユニットの左側面図を示す。図20は、図18に対応した状態におけるプロセスユニットの左側面図を示す。
なお、図14〜図20において、第1実施形態と同様の部材には、第1実施形態と同一の符号を付し、その説明を省略する。
第1実施形態では、プロセスユニット10は、作用部材の一例としてラック杆37を備え、被作用部材の一例としてギヤ部49を備える(図2参照)。
【0097】
しかし、図14に示すように、プロセスユニット80は、作用部材の一例として直動カム82を備え、被作用部材の一例としてアーム83を備えることもできる。
プロセスユニット80は、図14(a)および図14(b)に示すように、第1実施形態と同様に、現像ユニット14および感光ドラム15と、プロセスフレーム81とを備えている。
【0098】
各感光ドラム15には、その左端部において、感光ドラム15に駆動を伝達するドラムカップリング96が、感光ドラム15に対する相対回転が規制され、感光ドラム15と共回りするように、連結されている。
プロセスフレーム81は、往復移動部材の一例としての直動カム82と、被作用部材の一例としての左右1対のアーム83と、シャッタ部材の一例としてのシャッタ84とを備えている。
【0099】
両側板33は、図14(a)および図14(b)に示すように、それぞれ、直動カムガイド85およびアーム支持ボス86を備えている。
直動カムガイド85は、前後方向に沿って延びる側面視略矩形状の平板をなし、上下方向において、現像ユニット14と感光ドラム15との間に配置されている。また、直動カムガイド85の上下方向中央部には、左右方向外側に向かって延びる突条によって区画され、前後方向に沿って延びるガイド溝97が形成されている。また、ガイド溝97の上端部には、感光ドラム15の前端部の上側において、半円形状のアーム支持部98が形成されている。
【0100】
アーム支持ボス86は、左右方向外側に突出する円筒形状に形成され、アーム支持部98内に配置されている。
また、左側側板33Lには、感光ドラム15のドラムカップリング96(後述)を支持するためのドラムカップリングカバー87が形成されている。
ドラムカップリングカバー87には、保持部の一例としての位置決め部88が形成されている(図14(b)参照)。位置決め部88は、ドラムカップリングカバー87の前側斜め下側に配置され、側面視円弧形状に形成されている。
【0101】
直動カム82は、図15(a)および図15(b)に示すように、前後方向に沿って延びる平板であり、各感光ドラム15に対応するように、前後方向に間隔を隔てて4つ、下方に向かって膨出する膨出部99を備えている。そして、膨出部99には、嵌合穴89が形成されている。
嵌合穴89は、側面視略逆L字形状に形成されている。詳しくは、嵌合穴89は、前後方向に延び、その前端部において下方に90度屈曲している。また、嵌合穴89には、後端部上側の第1位置と、前端部下側の第2位置とが含まれており、第1位置と第2位置との間において、嵌合穴89の下端縁には、上方に向かうに従って後方に傾斜する傾斜部100が形成されている。
【0102】
各アーム83は、上下方向に延びる棒状をなし、上下方向両端部は、ともに側面視円弧形状に形成されている。また、アーム83には、上端部において第1挿通穴90が形成され、下端部において第2挿通穴91が形成され、第1挿通穴90と第2挿通穴91との間においてアーム揺動ボス92が形成されている。
第1挿通穴90は、アーム支持ボス86を受け入れ可能なように、アーム支持ボス86の外径よりもやや大径に形成されている。
【0103】
第2挿通穴91は、第1挿通穴90とほぼ同径に形成されている。
アーム揺動ボス92は、円筒形状に形成され、左右方向外側に突出している。
シャッタ84は、図14(a)および図14(b)に示すように、被覆部101、左右1対のシャッタ揺動ボス93、およびストッパ部94(図15(a)参照)を一体的に備えている。また、シャッタ84は、後で詳述するが、感光ドラム15を下方から被覆する閉位置(図14(a)参照。)と、感光ドラム15の前方に配置され、感光ドラム15の下面を露出する開位置(図14(b)参照。)とに移動するように設けられている。
【0104】
また、最前方のシャッタ84には、被覆部101の下面において、用紙ガイド95が形成されている。
被覆部101は、左右方向に沿って延びる板状をなし、感光ドラム15の外周面に沿う断面円弧形状に形成されている。
各シャッタ揺動ボス93は、円筒形状をなし、被覆部101の前端部の左右方向両端部から左右方向外側に突出するように形成されている。
【0105】
ストッパ部94は、被覆部101の後端部において、左右方向全てにわたって形成される突条であり、被覆部101の上面から上側に向かって突出している(図15(a)参照)。
用紙ガイド95は、前後方向に沿って延びる突条であり、その下端縁は側面視略矩形状に形成されている。そして、用紙ガイド95は、左右方向に間隔を隔てて複数並列配置されており(図14(a)参照。)、被覆部101の下面において、全面に形成されている。用紙ガイド95は、プロセスユニット80が本体ケーシング2に装着され画像形成するときには、用紙Pを感光ドラム15と搬送ベルト20との間に案内する。すなわち、最前方のシャッタ84は、ガイド部材を兼ねる。
【0106】
そして、図15(a)および図15(b)に示すように、アーム支持ボス86は、第1挿通穴90に左右方向内側から回転自在に嵌合されている。これにより、各アーム83は、プロセスフレーム81に対して揺動自在に設けられる。また、シャッタ揺動ボス93は、第2挿通穴91に左右方向内側から揺動自在に嵌合されている。これにより、シャッタ84は、両アーム83間に揺動自在に支持される。
【0107】
また、プロセスフレーム81は、第2付勢部材の一例としての第1コイルバネ102を備えている。
第1コイルバネ102は、アーム支持ボス86に巻回されており、一端がアーム83に係止され、他端がプロセスフレーム81に係止されている。これにより、アーム83は、常には、第1コイルバネ102の付勢力によって、アーム支持ボス86を支点として、左側面視時計回りに付勢されている。すなわち、アーム83は、常には、第1コイルバネ102の付勢力によって、シャッタ84が閉位置に配置するように付勢されている。
【0108】
また、シャッタ84は、第3付勢部材の一例としての第2コイルバネ103を備えている。
第2コイルバネ103は、シャッタ揺動ボス93に巻回されており、一端がアーム83に係止され、他端が被覆板101に係止されている。これにより、シャッタ84は、常には、第1コイルバネ102の付勢力によって、シャッタ揺動ボス93を支点として、左側面視時計回りに付勢されている。すなわち、シャッタ84は、常には、第1コイルバネ102の付勢力によって、閉位置において感光ドラム15に向かうように付勢されている。
【0109】
また、直動カム82は、アーム83よりも左右方向外側において、嵌合穴89にアーム揺動ボス92が左右方向内側から遊嵌されるように、ガイド溝97にスライド自在に嵌合されている。
また、ガイド溝97には、直動カム82の前側において、第1付勢部材の一例としての圧縮ばね104が配置されている。
【0110】
圧縮ばね104は、その前端部が直動カムガイド85に連結され、その後端部が直動カム82に連結されている。これにより、直動カム82は、常には、プロセスフレーム81に対して後方に向かって付勢されている。
そして、直動カム82が圧縮ばね104の付勢力に抗して前方にスライドされると、アーム揺動ボス92が嵌合穴89の傾斜部100に押圧されて、アーム83が前方に揺動する。すると、アーム揺動ボス92は、傾斜部100に沿って第2位置から第1位置に配置される。これにより、シャッタ84は、アーム83の揺動に応じて前方に退避し、開位置に配置される(図15(b)参照)。
【0111】
シャッタ84が開位置に配置されると、感光ドラム15は、下側が露出される。
そして、直動カム82が圧縮ばね104の付勢力によって後方にスライドされると、第1コイルバネ102の付勢力によって、アーム83が後方に揺動する。すると、アーム揺動ボス92は、傾斜部100に沿って第1位置から第2位置に配置される。これにより、シャッタ84は、アーム83の揺動に応じて後方に退避し、閉位置に配置される(図15(b)参照)。
【0112】
このとき、アーム83の下端部は、位置決め部88に保持される。これにより、アーム83の揺動が規制される。また、ストッパ部94は、ドラムカップリングカバー87と当接している。これにより、シャッタ84は、感光ドラム15と間隔を隔てて対向配置されている。
なお、直動カム82およびアーム83がプロセスフレーム81に装着された後、直動カムガイド85には、直動カムカバー105が左右方向外側から外嵌される(図19参照)。直動カムカバー105により、直動カム82およびアーム83は、プロセスフレーム81に対して、左右方向において固定される。
【0113】
そして、プロセスユニット80を本体ケーシング2に装着するには、第1実施形態と同様にして、装着することができる。
詳しくは、図19に示すように、プロセスユニット80の後端部を本体ケーシング2内に挿入する。
このとき、図16に示すように、シャッタ84は、閉位置に配置され、直動カム82は、後方に進出している。
【0114】
次いで、前側把持部56を把持して、本体ケーシング2に対して、後方に向かってプロセスユニット80を押し込む。
すると、図17に示すように、直動カム82の後端部が、定着ユニット12の当接板55に、前側から当接し、プロセスユニット80が当接位置に配置される。これにより、直動カム82は、当接板55から前方に向かう反作用を受け、圧縮ばね104の付勢力に抗して前方にスライドする。
【0115】
このとき、アーム揺動ボス92が嵌合穴89の傾斜部100に押圧されて、アーム83が前方に揺動する。すると、アーム揺動ボス92は、傾斜部100に沿って第2位置から第1位置に配置される。これにより、シャッタ84は、アーム83の揺動に応じて前方に退避し、開位置に配置される。これにより、感光ドラム15は、下側が露出される。
次いで、前側把持部56を把持して、さらに後方に向かってプロセスユニット80を押し込む。
【0116】
すると、図20に示すように、第1ガイドボス39が、レール53の傾斜に沿って前方斜め下方に向かうとともに、突条63の後端部が、その傾斜において、第2ガイドボス64と当接しながら前方斜め下方に向かい、第2ガイドボス64から外れる。そして、基準軸54が基準軸嵌合部40に嵌合されると、プロセスユニット80が装着位置に配置される。
【0117】
また、このとき、図18に示すように、直動カム82の後端部は、当接板55の傾斜面66と当接しながら、前方斜め下方に向かう。これにより、プロセスユニット80は、当接板55と直動カム82とが当接した状態、すなわち、直動カム82が前方にスライドしたままの状態で、当接位置から装着位置に移動される。そのため、シャッタ84は、プロセスユニット80が当接位置から装着位置に移動される間、開位置に配置されており、搬送ベルト20と干渉しない。
【0118】
そして、プロセスユニット80が装着位置に配置されると、各感光ドラム15が搬送ベルト20に上方から当接され、プロセスユニット80の本体ケーシング2への装着が完了される。
このカラーレーザプリンタ1によれば、図18に示すように、最前方のシャッタ84が、用紙Pを感光ドラム15と搬送ベルト20との間に案内するガイド部材を兼ねる。
【0119】
そのため、別途ガイド部材を設ける必要が無く、部品点数を低減することができる。
また、このカラーレーザプリンタ1によれば、図16、図17および図18に示すように、直動カム82に第1位置と第2位置とを含む嵌合穴89が形成され、プロセスユニット80に揺動自在に支持されるアーム83にアーム揺動ボス92が設けられ、アーム揺動ボス92が嵌合穴89に嵌合されている。
【0120】
そして、直動カム82は、プロセスユニット80の着脱時にスライドすることにより、アーム揺動ボス92を介してアーム83に作用し、アーム83を揺動させる。アーム揺動ボス92が第1位置に配置されるようにアーム83が揺動されると、シャッタ84が開位置に移動し、アーム揺動ボス92が第2位置に配置されるようにアーム83が揺動されると、シャッタ84が閉位置に移動する。
【0121】
そのため、簡易な構成により、プロセスユニット80の本体ケーシング2に対する着脱に連動して、シャッタ84を開位置または閉位置へ移動させることができる。
また、このカラーレーザプリンタ1によれば、図15(a)に示すように、アーム揺動ボス92と嵌合穴89とが遊嵌されているので、アーム揺動ボス92は、第1位置と第2位置との間を移動するときに、嵌合穴89の遊びの部分に適宜退避しながら移動することができる。
【0122】
そのため、アーム83を円滑に揺動させることができ、シャッタ84を開位置または閉位置へ円滑に移動させることができる。
また、このカラーレーザプリンタ1によれば、図15(a)および図15(b)に示すように、第1コイルバネ102の付勢力により、アーム83は、常には、シャッタ84が閉位置に配置されるように揺動する。また、第2コイルバネ103の付勢力により、シャッタ84は、閉位置において、常には、感光ドラム15に向かう。
【0123】
そのため、プロセスユニット80が本体ケーシング2から離脱され、直動カム82と当接板55との当接が解除されると、シャッタ84を、自動的に閉位置に移動させることができる。しかも、閉位置においては、感光ドラム15とシャッタ84とを対向させることができる。
その結果、プロセスユニット80が本体ケーシング2から離脱されているときに、確実に感光ドラム15を保護することができる。
【0124】
また、このカラーレーザプリンタ1によれば、図15(b)に示すように、シャッタ84が閉位置に配置されているときには、アーム83の下端部は、位置決め部88に保持されている。
そのため、シャッタ84が閉位置に配置される位置において、アーム83の揺動を規制することができる。
【0125】
その結果、シャッタ84を確実に閉位置に配置することができる。
また、このカラーレーザプリンタ1によれば、図14(a)に示すように、アーム83は、感光ドラム15の長手方向において、シャッタ84の両端部を支持している。
そのため、感光ドラム15の長手方向において、シャッタ84を確実に支持することができる。
【0126】
また、このカラーレーザプリンタ1によれば、シャッタ84は、閉位置において、アーム83と連結される端部と反対側の端部に備えられるストッパ部94が、プロセスユニット80のドラムカップリングカバー87に当接することにより、感光ドラム15と間隔を隔てて対向させられる。
そのため、シャッタ84が閉位置に配置されるときに、シャッタ84が感光ドラム15に干渉することを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0127】
【図1】本発明の画像形成装置の一例としてのカラーレーザプリンタの第一実施形態を示す側断面図である。
【図2】図1におけるプロセスユニットを説明するための説明図である。
【図3】本体ケーシングへのプロセスユニットの装着を説明するための説明図であって、本体ケーシングにプロセスユニットの後端部を挿入した状態を示す。
【図4】本体ケーシングへのプロセスユニットの装着を説明するための説明図であって、プロセスユニットが当接位置に配置された状態を示す。
【図5】本体ケーシングへのプロセスユニットの装着を説明するための説明図であって、プロセスユニットが装着位置に配置された状態を示す。
【図6】図3に対応した状態におけるプロセスユニットの右側面図を示す。
【図7】図5に対応した状態におけるプロセスユニットの右側面図を示す。
【図8】第2実施形態におけるプロセスユニットを説明するための説明図である。
【図9】第2実施形態における本体ケーシングへのプロセスユニットの装着を説明するための説明図であって、本体ケーシングにプロセスユニットの後端部が挿入された状態を示す。
【図10】第2実施形態における本体ケーシングへのプロセスユニットの装着を説明するための説明図であって、プロセスユニットが当接位置に配置された状態を示す。
【図11】第2実施形態における本体ケーシングへのプロセスユニットの装着を説明するための説明図であって、プロセスユニットが装着位置に配置された状態を示す。
【図12】図9に対応した状態におけるプロセスユニットの右側面図を示す。
【図13】図11に対応した状態におけるプロセスユニットの右側面図を示す。
【図14】第3実施形態におけるプロセスユニットを説明するための説明図であって、(a)はシャッタが閉位置に配置された状態、(b)はシャッタが開位置に配置された状態を示す。
【図15】(a)は、図14(a)に対応する側面図、(b)は、図14(b)に対応する側面図を示す。
【図16】第3実施形態における本体ケーシングへのプロセスユニットの装着を説明するための説明図であって、本体ケーシングにプロセスユニットの後端部が挿入された状態を示す。
【図17】第3実施形態における本体ケーシングへのプロセスユニットの装着を説明するための説明図であって、プロセスユニットが当接位置に配置された状態を示す。
【図18】第3実施形態における本体ケーシングへのプロセスユニットの装着を説明するための説明図であって、プロセスユニットが装着位置に配置された状態を示す。
【図19】図16に対応した状態におけるプロセスユニットの左側面図を示す。
【図20】図18に対応した状態におけるプロセスユニットの左側面図を示す。
【符号の説明】
【0128】
1 カラーレーザプリンタ
2 本体ケーシング
10 プロセスユニット
15 感光ドラム
20 搬送ベルト
32 シャッタ
37 ラック杆
44 ラック部
45 当接部
46 ギヤ部
50 圧縮ばね
55 当接板
70 プロセスユニット
71 プロセスカートリッジ
80 プロセスユニット
82 直動カム
83 アーム
84 シャッタ
88 位置決め部
89 嵌合穴
92 アーム揺動ボス
94 ストッパ部
102 第1コイルバネ
103 第2コイルバネ
104 圧縮ばね

【特許請求の範囲】
【請求項1】
装置本体、
間隔を隔てて並列配置される複数の感光体を収容し、前記装置本体に対してスライド自在に着脱される引き出し部材、
前記感光体を被覆する閉位置と、前記感光体を露出する開位置とに移動するシャッタ部材、
前記シャッタ部材に連結され、前記シャッタ部材を前記開位置または前記閉位置に移動させる被作用部材、
前記引き出し部材に前記並列方向に沿ってスライド自在に設けられ、スライドすることにより前記被作用部材に作用する作用部材、および、
前記装置本体の内部に設けられ、前記引き出し部材の装着時において前記作用部材と当接し、前記作用部材をスライドさせる当接部材を備えることを特徴とする、画像形成装置。
【請求項2】
前記作用部材を、前記引き出し部材の装着時における前記当接部材の前記作用部材に対する当接方向と反対方向に、付勢する第1付勢部材を備えることを特徴とする、請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記装置本体の内部において、前記感光体と接触するエンドレスベルトを備え、
前記引き出し部材は、
前記当接部材と前記作用部材とが当接する当接位置と、
前記装置本体への装着が完了する装着位置とに移動可能であり、
前記当接部材と前記作用部材とが当接した状態で前記当接位置から前記装着位置へ移動し、
前記シャッタ部材は、前記エンドレスベルトと干渉しないように、前記引き出し部材が前記当接位置から前記装着位置へ移動する間に、前記開位置に移動されることを特徴とする、請求項1または2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記引き出し部材の装着方向最上流側の前記シャッタ部材は、画像が形成される被画像形成部材を、前記感光体と前記エンドレスベルトとの間に案内するガイド部材を兼ねることを特徴とする、請求項1ないし3のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記引き出し部材は、
各前記感光体を回転可能に支持し、
前記被作用部材および前記シャッタ部材を備えていることを特徴とする、請求項1ないし4のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記被作用部材は、正回転および逆回転可能な歯車を備え、
前記作用部材は、前記歯車と噛合するラック部を備え、
前記歯車は、正回転または逆回転することにより、前記シャッタ部材を前記開位置または前記閉位置に移動させることを特徴とする、請求項5に記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記歯車および前記ラック部は、前記感光体の長手方向一方側に設けられていることを特徴とする、請求項5または6に記載の画像形成装置。
【請求項8】
前記作用部材は、前記並列方向にスライド自在な往復移動部材を備え、
前記被作用部材は、前記シャッタ部材を支持するアーム部材を備え、
前記往復移動部材には、第1位置と第2位置とを含む嵌合穴が形成され、
前記アーム部材は、
一端部において前記引き出し部材に揺動自在に支持され、
他端部において前記シャッタ部材に連結され、
前記一端部と前記他端部との間において、前記嵌合穴に嵌合される嵌合部を備え、
前記往復移動部材は、
前記嵌合部を前記第1位置に配置させることにより、前記シャッタ部材を前記開位置に移動させ、
前記嵌合部を前記第2位置に配置させることにより、前記シャッタ部材を前記閉位置に移動させることを特徴とする、請求項5に記載の画像形成装置。
【請求項9】
前記嵌合部は、前記嵌合穴に遊嵌されていることを特徴とする、請求項8に記載の画像形成装置。
【請求項10】
前記アーム部材を、常には、前記シャッタ部材を前記閉位置に配置するように、付勢する第2付勢部材と、
前記シャッタ部材を、常には、前記閉位置において前記感光体に向かうように、付勢する第3付勢部材とを備えることを特徴とする、請求項8または9に記載の画像形成装置。
【請求項11】
前記引き出し部材は、前記シャッタ部材が前記閉位置に配置されているときに、前記アーム部材の前記他端部を保持する保持部を備えていることを特徴とする、請求項8ないし10のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項12】
前記アーム部材は、前記感光体の長手方向において、前記シャッタ部材の両端部を支持していることを特徴とする、請求項8ないし11のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項13】
前記シャッタ部材は、前記アーム部材と連結される端部と反対側の端部において、ストッパ部を備え、
前記ストッパ部は、前記シャッタ部材が閉位置に配置されているときには、前記引き出し部材に当接し、前記シャッタ部材を前記感光体と間隔を隔てて対向させることを特徴とする、請求項8ないし12のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項14】
前記引き出し部材は、前記感光体を備えるプロセスカートリッジを着脱自在に備え、
前記プロセスカートリッジは、前記被作用部材および前記シャッタ部材を備えることを特徴とする、請求項1ないし4のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項15】
前記作用部材は、第1係合部を備え、
前記被作用部材は、前記第1係合部と係合する第2係合部を備え、
前記第1係合部と前記第2係合部とは、前記プロセスカートリッジが前記引き出し部材に装着されたときに係合することを特徴とする、請求項14に記載の画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【公開番号】特開2010−151952(P2010−151952A)
【公開日】平成22年7月8日(2010.7.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−327922(P2008−327922)
【出願日】平成20年12月24日(2008.12.24)
【出願人】(000005267)ブラザー工業株式会社 (13,856)
【Fターム(参考)】