説明

画像形成装置

【課題】両面搬送ユニットの合流ガイドの撓み変形を防いで高質の両面画像を安定的に得ることができる画像形成装置を提供すること。
【解決手段】用紙収納部と、画像形成部と、排紙手段と、反転手段と、用紙収納部から画像形成部に至る第1搬送経路と、画像形成部から排紙手段に至る第2搬送経路と、該第2搬送経路の途中から分岐して反転手段に至る第3搬送路と、反転手段から延びて第1搬送経路に合流する第4搬送経路L4と、第4搬送路L4の第1搬送路の合流部に設けられた合流ガイド44と反転手段及び第4搬送経路L4を有する両面搬送ユニット8を備え、該両面搬送ユニット8を装置本体側に設けられたスライダ45に沿ってスライド可能に支持して成る画像形成装置において、両面搬送ユニット8の枠体の一部を構成する取付部材47をスライダ45に固定し、合流ガイド44のガイド端44aを前記取付部材47に固定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、用紙の両面に画像を形成することができる画像形成装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
電子写真方式によって用紙に画像を形成する複写機やプリンタ、ファクシミリ或はそれらの複合機等の画像形成装置には、用紙の両面に画像を形成することができるものがある。
【0003】
斯かる画像形成装置は、用紙を収納する用紙収納部と、該用紙収納部から給紙された用紙に画像を形成する画像形成部と、該画像形成部によって片面又は両面に画像が形成された用紙を機外に排出する排紙手段と、前記画像形成部によって片面に画像が形成された用紙の表裏を反転する反転手段と、前記用紙収納部から前記画像形成部に至る第1搬送経路と、前記画像形成部から前記排紙手段に至る第2搬送経路と、該第2搬送経路の途中から分岐して前記反転手段に至る第3搬送路と、前記反転手段から延びて前記第1搬送経路に合流する第4搬送経路と、前記第4搬送路の前記第1搬送路の合流部に設けられた合流ガイドと前記反転手段及び前記第4搬送経路を有する両面搬送ユニットを備えている。
【0004】
ところで、上記両面搬送ユニットは、装置本体側に設けられたスライダに沿ってスライド可能に支持されており、例えばジャム処理等のメンテナンスの必要が生じた場合には、該両面搬送ユニットをスライダに沿ってスライドさせて手前側に引き出すことができるよう構成されている。
【0005】
上記構成を有する画像形成装置において用紙の両面に画像を形成する場合には、用紙収納部から給紙された用紙が第1搬送経路を通って画像形成部へと供給され、画像形成部によってその片面(第1面)に画像が形成される。このように片面に画像が形成された用紙は、第2搬送経路から第3搬送経路を通って反転手段へと導入されて表裏が反転された後に両面搬送ユニットの第4搬送経路を通って第1搬送経路へと戻される。このように表裏が反転されて第1搬送経路へと戻された用紙は、画像形成部へと再度供給されて反対面(第1回目に画像が形成された側とは反対側の第2面)に画像が形成され、両面に画像が形成された用紙は、排紙手段によって第2搬送経路から機外へと排出される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平10−026857号公報
【特許文献2】特開2005−315920号公報
【特許文献3】特開2007−217126号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、両面搬送ユニットの第4搬送経路が第1搬送経路に合流する部分には、第4搬送経路を搬送される用紙をガイドして第1搬送経路へと導くための合流ガイドが設けられているが、この合流ガイドのガイド端はフリーで何ら固定されていなかったため、腰の強い(剛性の高い)用紙が搬送される場合、この用紙が合流ガイドのガイド端に衝突して該合流ガイドが撓み変形するために第4搬送経路が変化してしまい、用紙の第2面への画像形成時に光軸がずれて画像不良が発生するという問題が発生する。
【0008】
本発明は上記問題に鑑みてなされたもので、その目的とする処は、両面搬送ユニットの合流ガイドの撓み変形を防いで高質の両面画像を安定的に得ることができる画像形成装置を提供擦ることにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するため、請求項1記載の発明は、用紙を収納する用紙収納部と、該用紙収納部から給紙された用紙に画像を形成する画像形成部と、該画像形成部によって片面又は両面に画像が形成された用紙を機外に排出する排紙手段と、前記画像形成部によって片面に画像が形成された用紙の表裏を反転する反転手段と、前記用紙収納部から前記画像形成部に至る第1搬送経路と、前記画像形成部から前記排紙手段に至る第2搬送経路と、該第2搬送経路の途中から分岐して前記反転手段に至る第3搬送路と、前記反転手段から延びて前記第1搬送経路に合流する第4搬送経路と、前記第4搬送路の前記第1搬送路の合流部に設けられた合流ガイドと前記反転手段及び前記第4搬送経路を有する両面搬送ユニットを備え、該両面搬送ユニットを装置本体側に設けられたスライダに沿ってスライド可能に支持して成る画像形成装置において、前記両面搬送ユニットの枠体の一部を構成する取付部材を前記スライダに固定し、前記合流ガイドのガイド端を前記取付部材に固定したことを特徴とする。
【0010】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明において、前記第4搬送路を略直線状に形成し、前記合流ガイドは搬送方向に沿って前記第4搬送路の延長線上に延びる直線部と、前記直線部の下流側に隣接して前記第1搬送路の搬送方向に近づく方向に湾曲する湾曲部を有する形状であることを特徴とする。
【0011】
請求項3記載の発明は、請求項2記載の発明において、前記合流ガイドの上流側に隣接して直線状に延びる前記第4搬送路を、対向して設けられた搬送ガイドにより構成し、各搬送ガイドは所定の間隔で対向するガイド面と用紙を搬送する搬送ローラ対の一方のローラを有するとともに、前記両面搬送ユニットを前記装置本体から引き出した状態において一方の前記搬送ガイドは他方の前記搬送ガイドから離れる方向に移動して前記第4搬送路を開放する構成であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
請求項1記載の発明によれば、両面搬送ユニットの枠体の一部を構成する取付部材を装置本体側に設けられたスライダに固定し、この取付部材に合流ガイドのガイド端を固定したため、腰の強い(剛性の高い)用紙が合流ガイドに衝突しても該合流ガイドが撓み変形することがなく、該合流ガイドにガイドされて用紙が第1搬送経路へとスムーズ且つ高精度に搬送され、その第2面への画像形成時に光軸がばらつくことがなく、高質の両面画像が安定的に得られる。
【0013】
請求項2記載の発明によれば、第4搬送路が直線状であるために用紙が第4搬送路をスムーズに且つ高精度に搬送される。又、第4搬送路の下流側の延長線上に延びるように直線部が合流ガイドに設けられているため、用紙はスムーズに合流ガイドに搬送される。更に、合流ガイドには該直線部の下流側において、第1搬送路の搬送方向に近付く方向に湾曲する湾曲部が設けられており、腰の強い用紙も第1搬送路へスムーズに且つ高精度に搬送される。
【0014】
請求項3記載の発明によれば、合流ガイドの上流側で直線状に延びる第4搬送路を構成する対向しても設けられた搬送ガイドの一方が、両面搬送ユニットを装置本体から引き出した状態において、用紙を搬送する搬送ローラ対の一方のローラと共に他方の搬送ガイドから離れる方向に移動可能であるため、合流ガイド部にて用紙が紙詰まりした場合に容易にその用紙を取り除くことが可能である。又、合流ガイドが撓み変形することがなく、移動可能な該搬送ガイドには大きな力が作用しない構成であるため、該搬送ガイドを大きくしても撓み変形することがなく、合流ガイド部以外で紙詰まりした用紙を取り除く作業も容易になる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明に係る画像形成装置(複合機)の断面図である。
【図2】本発明に係る画像形成装置の両面搬送ユニットの斜視図である。
【図3】本発明に係る画像形成装置の両面搬送ユニットを引き出した状態を示す部分斜視図である。
【図4】両面搬送ユニットの合流ガイド部の破断斜視図である。
【図5】スライダの斜視図である。
【図6】合流ガイドの固定構造を示す部分断面斜視図である。
【図7】合流ガイドの固定構造を示す部分断面斜視図である。
【図8】合流ガイドの取付部材への固定構造を示す正面図である。
【図9】本発明に係る画像形成装置の両面搬送ユニットを斜め下方から見た斜視図である。
【図10】両面搬送ユニットの搬送ガイドを斜め上方から見た斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下に本発明の実施の形態を添付図面に基づいて説明する。
【0017】
図1は本発明に係る画像形成装置の断面図であり、図示の画像形成装置1は、複写機能とプリンタ機能及びファクシミリ機能を兼備した複合機であって、用紙の両面に画像を形成することができる装置である。この画像形成装置は、装置本体2とその上部に配された自動原稿搬送装置3及び原稿読取装置4を備えており、装置本体2の内部上方には、画像形成部5が配され、装置本体2内の下半部には用紙収納部6が配されている。又、装置本体2内の画像形成部5と用紙収納部6の間には転写搬送ユニット7と両面搬送ユニット8が配されており、転写搬送ユニット7には反転手段を構成する反転ローラ36と反転コロ37が備えられている。
【0018】
上記画像形成部5は、電子写真方式によって画像を形成するものであって、回転可能に配された像担持体としての感光ドラム9と、その周囲に配された帯電器10、現像装置11、転写ローラ12及びクリーニング装置13の他、現像装置11に現像剤であるトナーを補給するためのトナーホッパー14を備えている。尚、画像形成部5の横には、走査光学手段であるレーザースキャナユニット(LSU)15が配置されている。
【0019】
前記用紙収納部6は、複数枚の用紙が積層収容された着脱可能な4つの給紙カセット16,17,18,19を備えており、各給紙カセット16〜19の近傍には、各給紙カセット16〜19内の用紙を1枚ずつ取り出すピックローラ20と、取り出された用紙を1枚ずつ分離して送り出すフィードローラ21とリタードローラ22がそれぞれ配設されている。又、バイパストレイ23の近傍には、バイパス搬送手段としてのピックローラ20、フィードローラ21、リタードローラ22及び搬送ローラ24が設けられている。尚、図1において25,26,27は搬送ローラである。
【0020】
前記転写搬送ユニット7は、用紙収納部6から送り出された用紙を適当なタイミングで画像形成部5へと搬送するとともに、画像形成部5において画像が形成された用紙を不図示の排紙トレイへと排出するものであって、用紙収納部6から画像形成部5に至る第1搬送経路L1に配置されたレジストローラ28、前記転写ローラ12、画像形成部5から排紙手段としての後述の排紙ローラ31に至る第2搬送経路に設けられた定着装置29と搬送ローラ30及び排紙ローラ31を備えている。ここて、定着装置29は、圧接状態で互いに回転する定着ローラ29aと加圧ローラ29bを備えている。
【0021】
又、転写搬送ユニット7は画像形成装置本体2に対して着脱可能であって、該転写搬送ユニット7には、第2搬送経路L2から分岐して両面搬送ユニット8の反転ローラ36と反転コロ37に至る横U字状の第3搬送経路L3が設けられており、その途中には搬送ローラ32が設けられている。又、転写搬送ユニット7には前記第3搬送経路L3とは別に反転搬送経路L3’が第2搬送経路L2から分岐して下方に延びており、その途中には搬送ローラ33が設けられている。そして、第2搬送経路L2と第3搬送経路L3との分岐部には、用紙の搬送方向を切り換えるためのフラッパ34が回動可能に設けられている。
【0022】
前記両面搬送ユニット8は、画像形成部5において画像が形成された用紙の表裏を反転させるものであって、前記第3搬送経路L3と反転搬送経路L3’に連なる中間トレイ35とその下方に配された第4搬送経路L4を備えており、中間トレイ35には、正逆転可能な反転ローラ36と、該反転ローラ36に対して圧接/離間する反転コロ37が設けられている。
【0023】
又、両面搬送ユニット8には大径の再給紙ローラ38が回転可能に設けられており、この再給紙ローラ38の外周には小径のローラ39,40が回転可能に当接している。尚、再給紙ローラ38には不図示の一方向クラッチが設けられている。そして、反転手段を構成する前記反転ローラ36と反転コロ37からは第1搬送経路L4が延びており、この第4搬送経路L4は前記第1搬送経路L1に合流している。
【0024】
上記第4搬送経路L4には、互いに当接する搬送ローラ42と搬送コロ41が用紙搬送方向に沿って3組設けられている。又、再給紙ローラ38の近傍には、中間トレイ35に一旦引き込まれた用紙の搬送方向を切り換えるためのフラッパ43が回動可能に設けられている。尚、本実施の形態では、両面搬送ユニット8の第4搬送経路L4には、2枚以上の用紙を保留可能な2つ以上の用紙保留位置が備えられている。
【0025】
次に、以上の構成を有する画像形成装置1の画像形成動作について説明する。
【0026】
例えば、自動原稿搬送装置3の原稿トレイ3aにセットされた原稿が原稿読取部であるコンタクトガラス4a上に自動的に搬送され、その原稿の画像が原稿読取装置4によって光学的に読み取られると、画像形成部5においては、感光ドラム9が不図示の駆動手段によって図1の矢印方向(時計方向)に回転駆動され、その表面が帯電器10によって所定の電位に一様に帯電される。そして、原稿読取装置4から送信される画像データに基づくレーザー光がレーザースキャナユニット15から出力されて感光ドラム9上に照射されると、該感光ドラム9上に静電潜像が形成される。そして、この感光ドラム9上に形成された静電潜像は、現像装置11によってトナーを用いて現像されてトナー像として可視像化される。
【0027】
ところで、カセット給紙を行う場合、用紙収納部6の例えば給紙カセット16内に収容された用紙は、ピックローラ20によって最上位のものから1枚ずつピックアップされ、フィードローラ21とリタードローラ22によって1枚ずつ分離されて搬送ローラ25,26によって第1搬送経路路L1をレジストローラ28へと搬送される。そして、レジストローラ28においては、用紙は、一時待機状態とされた後、感光ドラム9上のトナー像に同期する所定のタイミングで画像形成部5へと供給される。
【0028】
画像形成部5においては、感光ドラム9と転写ローラ12との間の転写ニップへと供給された用紙は、転写ローラ12によって感光ドラム9に押し付けられながら搬送されることによって、その表面(第1面)に感光ドラム9上のトナー像が転写される。そして、トナー像が転写された用紙は、定着装置29へと搬送され、この定着装置29の定着ローラ29aと加圧ローラ29b間の定着ニップを通過する過程で加熱及び加圧されてトナー像の定着を受ける。尚、用紙へのトナー像の転写後に感光ドラム9の表面に残留するトナー(転写残トナー)はクリーニング装置13によって除去される。
【0029】
而して、定着装置29にて表面にトナー像が定着された用紙は、フェースアップ排紙(FU排紙)が選択されている場合には、フラッパ34によってその搬送方向が決定され、用紙は第2搬送経路L2をそのまま排紙ローラ31に向かって搬送され、排紙ローラ31によって画像面を上にして不図示の排紙トレイへと排出される。
【0030】
一方、フェースダウン排紙(FD排紙)又は両面画像モードが選択された場合には、フラッパ34が動作して用紙の搬送方向が切り換えられ、定着装置29を通過した用紙は横U字状の第3搬送経路L3を通って両面搬送ユニット8へと搬送される。
【0031】
両面搬送ユニット8においては、反転コロ37は反転ローラ36から離間した状態で待機しており、用紙が両面搬送ユニット8に或る一定以上送られると、反転コロ37は反転ローラ36に圧接される。このように反転コロ37が反転ローラ36に圧接されると、反転ローラ36が正転されて用紙が送られてきた方向に引き込まれ、用紙が或る一定以上引き込まれると反転ローラ36が逆転されて用紙がスイッチバックされて反転搬送経路L3’又は第4搬送経路L4へと送られる。
【0032】
即ち、フェースダウン排紙が選択されている場合には、フラッパ43によって用紙の搬送方向が反転搬送経路L3’へと切り換えられ、用紙は画像面を下にした状態で排紙ローラ31によって不図示の排紙トレイへと排出される。
【0033】
又、両面画像モードが選択されている場合には、フラッパ43によって用紙の搬送方向が第4面搬送経路L4の方向に切り換えられ、用紙は、再給紙ローラ38と反転コロ41及び搬送ローラ42によって第4搬送経路L4を画像面を上にして搬送され、第4搬送経路L4から第1搬送経路L1へと受け渡されることによって表裏が反転されて画像面を下にした状態でレジストローラ28へと送られる。そして、以後は前述と同様のプロセスを経て用紙の反対面(第2面)にトナー像が形成され、このトナー像が形成された用紙は、定着装置29によってトナー像の定着を受けた後に排紙ローラ対31によって不図示の排紙トレイへと排出され、該用紙の両面に画像が形成される。
【0034】
尚、以上はカセット給紙を行う場合について説明したが、手差し給紙を行う場合には、バイパストレイ23上にセットされた用紙は、ピックローラ20によって最上位のものから1枚ずつピックアップされ、フィードローラ21とリタードローラ22によって1枚ずつ分離されて搬送ローラ24によって第1搬送経路L1をレジストローラ28へと搬送され、以後は前記と同様のプロセスを経て該用紙に画像が形成される。
【0035】
次に、両面搬送ユニット8についての詳細を図2〜図10に基づいて説明する。
【0036】
図2は両面搬送ユニットの斜視図、図3は同両面搬送ユニットを引き出した状態を示す部分斜視図、図4は同両面搬送ユニットの合流ガイド部の破断斜視図、図5はスライダの斜視図、図6及び図7は合流ガイドの固定構造を示す部分断面斜視図、図8は合流ガイドの取付部材への固定構造を示す正面図、図9は両面搬送ユニットを斜め下方から見た斜視図、図10は両面搬送ユニット8の下搬送ガイドを斜め下方から見た斜視図である。
【0037】
図4に示すように、両面搬送ユニット8には、上搬送ガイド8Aと下搬送ガイド8Bの間に両面搬送経路である前記第4搬送経路L4が形成されている。具体的には、上搬送ガイド8Aの下面を構成する板金製のガイド板8aと下搬送ガイド8Bの上面を構成する板金製のガイド板8bによって第4搬送経路L4が形成されており、ガイド板8bの下流端の前記第1搬送経路L1に合流する合流部には、上方に向かって円弧状に曲げられた合流ガイド44が形成されており、該合流ガイド44のガイド端(後端)44aは垂直下方に折り曲げられている。合流ガイド44のガイド面は、直線ガイド部44bと湾曲ガイド部44cから構成されている。直線ガイド部44bは下搬送ガイド8Bの下流端に隣接して、第4搬送路L4の搬送方向の延長線上に延びるように構成されている。湾曲ガイド部44cは直接部44bから下流側に連続して上方に湾曲しながら延び、用紙の搬送方向を第1搬送路L1の搬送方向に近づけるように案内している。よって、合流ガイド44の直線ガイド部44bと湾曲ガイド部44cでは、用紙が通過する際に用紙の剛性によって押圧力が作用する。
【0038】
ところで、図2に示す両面搬送ユニット8は、その上流端と下流端(合流端)が装置本体2側に設けられてスライダ45(図には一方のみ図示)によって幅方向(用紙搬送方向に直交する方向)にスライド可能に支持されており、必要な場合には該両面搬送ユニット8を図3に示すようにスライダ45に沿ってスライダさせて手前側に引き出すことができる。ここで、スライダ45は、図5に示すように、ブラケット46を介して装置本体2の枠体2Aに取り付けられた横断面C状の固定ガイド45aと、両面搬送ユニット8に取り付けられた断面C状の可動ガイド45b及びこれらの固定ガイド45aと可動ガイド45bに不図示のボールを介してスライド可能に保持されたガイドレール45cによって構成されている。
【0039】
而して、本実施の形態においては、図4、図6及び図7に示すように、スライダ45の可動ガイド45bには、両面搬送ユニット8の枠体の一部を構成する横断面Z状の取付部材47が複数のネジ48(図6及び図7には1つのみ図示)によって固定されている。そして、この取付部材47の上面に垂直に立設されたフランジ部47aは前記合流ガイド44の垂直なガイド端44aの内側に重なるように配されており、合流ガイド44の垂直なガイド端44aは、図7及び図8に示すように、その幅方向両端と中央部の3箇所がネジ49によって取付部材47のフランジ部47aに固定されている。
【0040】
以上のように、本実施の形態では、両面搬送ユニット8の枠体の一部を構成する取付部材47を装置本体2側に設けられたスライダ45の可動ガイド45bにネジ48によって固定し、この取付部材47に合流ガイド44のガイド端44aをネジ49によって固定したため、腰の強い(剛性の高い)用紙が合流ガイド44に衝突しても該合流ガイド44が撓み変形することがない。このため、第4搬送経路L4を第1搬送経路L1に向かって搬送される用紙は、合流ガイド44にガイドされて第1搬送経路L1へとスムーズ且つ高精度に送り込まれ、その第2面への画像形成時に光軸がばらつくことがなく、高質の両面画像が安定的に得られる。
【0041】
更に、両面搬送ユニット8の下搬送ガイド8Bについて詳しく説明する。図2に示すように、第4搬送経路L4は、再給紙ローラ38の下流側出口から合流ガイド44までの間を直線状にやや上方に傾斜して延びており、その間の搬送経路の下面側は先に説明したように下搬送ガイド8Bで構成されている。図9及び図10に示すように、下搬送ガイド8Bは矩形状の板金部材から成るガイド板8bを有し、ガイド板8bの幅方向中央には搬送方向に対して左右一対の搬送コロ41が用紙搬送方向に沿って適当な間隔で3組設けられている。ガイド板8bの底面の搬送コロ41が設けられた左右2箇所は、用紙搬送方向に沿って平行に配された左右2枚の第1の補強板50によって補強されている。又、用紙搬送方向に対して直交する方向に平行に配された前後2枚の第2の補強板51が設けられており、それぞれの補強板51の奥側端部には開閉支点51aが、手前側端部には開閉フック51bがそれぞれ形成されている。又、手前側端部には2つの開閉フック51bの間において前方に突出するハンドル52が設けられている。
【0042】
下搬送ガイド8Bは、開閉支点51aを中心として回動可能に取付けられており、ハンドル52を押し下げることによって第4搬送経路L4を開放することができる。用紙の搬送異常が発生した際には、両面搬送ユニット8を装置本体の前方に引き出し、下搬送ガイド8Bを押し下げれば第4搬送路L4の大部分が開放されるため、合流ガイド44や再給紙ローラ38の位置で紙詰まりしている用紙も容易に取り除くことが可能である。又、下搬送ガイド8BはA4サイズの用紙2枚分よりも大きな面積の平板状であるが、第1の補強板50及び第2の補強板51により補強されており、用紙はストレートに搬送されるために搬送中に大きな押圧力が作用することもない。よって、下搬送ガイド8Bは撓むことなく用紙を適切に搬送することが可能である。
【0043】
尚、本実施の形態では、本発明を複合機に対して適用した例について説明したが、本発明は、単体としての複写機、プリンタ、ファクシミリ等に対しても同様に適用可能であることは勿論である。
【符号の説明】
【0044】
1 画像形成装置
2 画像形成装置本体
2A 画像形成装置の枠体
3 自動原稿搬送装置
3a 原稿トレイ
4 原稿読取装置
4a コンタクトガラス
5 画像形成部
6 用紙収納部
7 転写搬送ユニット
8 両面搬送ユニット
8A 両面搬送ユニットの上搬送ガイド
8B 両面搬送ユニットの下搬送ガイド
8a 上搬送ガイドのガイド板
8b 下搬送ガイドのガイド板
9 感光ドラム
10 帯電器
11 現像装置
12 転写ローラ
13 クリーニング装置
14 トナーホッパー
15 レーザースキャナユニット(LSU)
16〜19 給紙カセット
20 ピックローラ
21 フィードローラ
22 リタードローラ
23 バイパストレイ
24〜27 搬送ローラ
28 レジストローラ
29 定着装置
29a 定着ローラ
29b 加圧ローラ
30 搬送ローラ
31 排紙ローラ
32,33 搬送ローラ
34 フラッパ
35 中間トレイ
36 反転ローラ
37 反転コロ
38 再給紙ローラ
39,40 ローラ
41 搬送コロ
42 搬送ローラ
43 フラッパ
44 合流ガイド
44a 合流ガイドのガイド端
45 スライダ
45a スライダの固定ガイド
45b スライダの可動ガイド
45c スライダのガイドレール
46 ブラケット
47 取付部材
47a 取付部材のフランジ部
48,49 ネジ
50 第1の補強版
51 第2の補強版
51a 開閉支点
51b 開閉フック
52 ハンドル
L1 第1搬送経路
L2 第2搬送経路
L3 第3搬送経路
L3’ 反転搬送経路
L4 第4搬送経路


【特許請求の範囲】
【請求項1】
用紙を収納する用紙収納部と、該用紙収納部から給紙された用紙に画像を形成する画像形成部と、該画像形成部によって片面又は両面に画像が形成された用紙を機外に排出する排紙手段と、前記画像形成部によって片面に画像が形成された用紙の表裏を反転する反転手段と、前記用紙収納部から前記画像形成部に至る第1搬送経路と、前記画像形成部から前記排紙手段に至る第2搬送経路と、該第2搬送経路の途中から分岐して前記反転手段に至る第3搬送路と、前記反転手段から延びて前記第1搬送経路に合流する第4搬送経路と、前記第4搬送路の前記第1搬送路の合流部に設けられた合流ガイドと前記反転手段及び前記第4搬送経路を有する両面搬送ユニットを備え、該両面搬送ユニットを装置本体側に設けられたスライダに沿ってスライド可能に支持して成る画像形成装置において、
前記両面搬送ユニットの枠体の一部を構成する取付部材を前記スライダに固定し、前記合流ガイドのガイド端を前記取付部材に固定したことを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記第4搬送路は略直線状に形成され、前記合流ガイドは搬送方向に沿って前記第4搬送路の延長線上に延びる直線部と、前記直線部の下流側に隣接して前記第1搬送路の搬送方向に近づく方向に湾曲する湾曲部を有していることを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記合流ガイドの上流側に隣接して直線状に延びる前記第4搬送路は、対向して設けられた搬送ガイドにより構成され、各搬送ガイドは所定の間隔で対向するガイド面と用紙を搬送するローラ対の一方のローラを有するとともに、前記両面搬送ユニットを前記装置本体から引き出した状態において一方の前記搬送ガイドは他方の前記搬送ガイドから離れる方向に移動して前記第4搬送路を開放する構成であることを特徴とする請求項2記載の画像形成装置。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2010−173811(P2010−173811A)
【公開日】平成22年8月12日(2010.8.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−18984(P2009−18984)
【出願日】平成21年1月30日(2009.1.30)
【出願人】(000006150)京セラミタ株式会社 (13,173)
【Fターム(参考)】