説明

画像形成装置

【課題】装置本体を形成する筐体の強度低下を抑制できる画像形成装置を提供する。
【解決手段】像担持体1上のトナー像が転写される、複数の張架部材に張架されたベルト部材10と、像担持体からベルト部材にトナー像を転写する転写手段11と、ベルト部材を介し像担持体に接触する位置と離間する位置との間で転写手段を変位させる変位手段701とからなるベルトユニット51とを有し、装置本体の筐体の開口部から張架部材軸方向に対し直交する方向でベルトユニットが着脱可能な画像形成装置において、変位手段の係合部702と自身の被係合部409とが張架部材軸方向で係脱可能に筐体の外側側面に設けられ、予め設定された第1の位置と第2の位置との間で変位可能であり、自身が第1の位置に位置した際に転写手段が接触する位置に到達し、自身が第2の位置に位置した際に転写手段が離間する位置に到達するように変位手段を操作する操作レバーを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プリンタ、ファクシミリ、複写機などの画像形成装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
この種の画像形成装置においては、感光体や複数の張架部材によって張架された中間転写ベルトを有する中間転写ユニットなどを、感光体の回転軸方向及び中間転写ユニットの張架部材軸方向(中間転写ベルト幅方向)の装置前側から着脱する構成が一般的となっている。感光体及び中間転写ユニットを装置前側から着脱する構成にする理由の一つとしては、感光体や中間転写ベルトなどが寿命に達しユーザーが感光体や中間転写ユニットなどの交換作業を行う場合に、交換作業の作業性を向上させることができるためである。
【0003】
このような、感光体及び中間転写ユニットを装置前側から着脱する構成においては、装置本体を形成する筐体の装置前側部分である前側筐体部に感光体を通過させるための開口部と中間転写ユニットを通過させる開口部とを形成する必要がある。ところが、このように感光体を通過させるための開口部と中間転写ユニットを通過させる開口部とが前側筐体部に形成されることで、前側筐体部の強度が大きく低下していた。
【0004】
昨今、中間転写ベルトの長寿命化が可能となってきており、画像形成装置が寿命に達するまでの間に中間転写ベルトの寿命到達に伴う中間転写ユニットの交換作業をユーザーによって行わないように構成した画像形成装置成装置が見受けられる。このような装置においては、中間転写ユニットに不具合等が発生した際にサービス者によって中間転写ユニットの修理や交換作業などが実施されるのみとなる。よって、ユーザーが中間転写ユニットの脱着作業を行う必要性の無い装置においては、感光体の脱着方向と中間転写体の脱着方向とを同一方向にする必要性は少なく、感光体を装置前側から着脱し中間転写ユニットを上記張架部材軸方向に直交する方向である装置横側から着脱するように構成した画像形成装置などもある。このように、感光体を装置前側から着脱し中間転写ユニットを装置横側から着脱するように構成することで、前側筐体部に中間転写ユニットを通過させる開口部を形成する必要が無く、その分、前側筐体部の強度低下を抑えることができる。
【0005】
また、画像形成装置本体に対する感光体や中間転写ユニットなどの着脱操作が、中間転写ベルトを感光体と一次転写ローラとで挾持されたままで行われると、感光体の表面と中間転写ベルトの表面とが互いに摺擦し合う。このように感光体の表面と中間転写ベルトの表面とが互いに摺擦し合うと、感光体の表面や中間転写ベルトの表面などが損傷し、感光体や中間転写ベルトなどの劣化を早めてしまうことになるになるので好ましくない。
【0006】
そのため、特許文献1に記載の画像形成装置のように、中間転写ベルトを介して感光体の表面に対し一次転写ローラを接離させる接離機構と、その接離機構をユーザーが手動で操作する操作レバーとを中間転写ユニットに設けたものがある。このような構成の画像形成装置においては、操作レバーによって接離機構を操作し感光体の表面と一次転写ローラとを離間させることで、これに伴い感光体の表面と中間転写ベルトの表面とが非接触となる。よって、感光体や中間転写ユニットなどを装置本体に対して着脱する際に、感光体の表面と中間転写ベルトの表面とを互いに摺擦し合わなくさせることが可能となり、感光体の表面や中間転写ベルトの表面などの損傷を抑制することができる。
【0007】
【特許文献1】特許第3886882号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
通常、中間転写ユニットを装置前側から着脱するような構成においては、ユーザーが操作レバーを操作しやすいように前側筐体部にあけられた中間転写ユニットを通過させるための開口部から前側筐体部よりも張架部材軸方向で外側に出っ張って操作レバーが中間転写ユニットに設けられている。中間転写ユニットを装置前側から着脱する構成では、中間転写ユニット着脱時に中間転写ユニットを通過させる前側筐体部に形成した開口部を、操作レバーが前側筐体部よりも張架部材軸方向で外側に出っ張ることができる場所として兼用していた。
しかしながら、このような中間転写ユニットを装置横側から着脱する構成、言い換えれば、張架部材軸方向に直交する方向で着脱する構成にした際には、中間転写ユニットに対して張架部材軸方向にある前側筐体部に中間転写ユニットを通過させるための開口部が形成されていない。そのため、中間転写ユニットを装置本体内に装着した際に、操作レバーの一部が前側筐体部よりも張架部材軸方向で外側に出っ張れるような開口部を前側筐体部に形成する必要がある。さらに、その開口部から一部が出っ張った操作レバーと前側筐体部とが中間転写ユニットを装置横側から着脱する際に干渉し合わないよう、上記開口部を中間転写ユニット着脱時の操作レバー移動軌道上にわたって前側筐体部に形成する必要がある。よって、このような開口部が前側筐体部に形成される分、前側筐体部の強度が低下してしまうといった問題が生じる。
【0009】
また、中間転写ユニットを装置上方から着脱する構成であっても、中間転写ユニットに対して張架部材軸方向にある前側筐体部または後側筐体部に中間転写ユニットを通過させるための開口部が形成されないため、上述したような問題が生じる。
【0010】
また、像担持体からトナー像が直接転写される転写材を搬送する、複数の張架部材によって張架された転写搬送ベルトを有する転写搬送ユニットを、装置本体に対して張架部材軸方向に直交する方向で着脱可能に構成した画像形成装置であっても上述したような問題が生じる。
【0011】
本発明は以上の問題点に鑑みなされたものであり、その目的は、装置本体を形成する筐体の強度低下を抑制できる画像形成装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記目的を達成するために、請求項1の発明は、像担持体と、該像担持体上にトナー像を形成するトナー像形成手段と、ループ状のベルト部材と、該ベルト部材を回転可能に張架する複数の張架部材と、該ベルト部材のループ内側で変位可能に設けられ該像担持体上に形成されたトナー像を該ベルト部材上または該ベルト部材上に担持された記録材上に転写する転写手段と、該ベルト部材のループ内側に設けられ該ベルト部材を介して該像担持体の表面に接触する位置と該接触する位置から退避して該像担持体の表面と離間する位置との間で該転写手段を変位させる変位手段と、からなるベルトユニットとを有し、該像担持体及び該ベルトユニットそれぞれが装置本体を形成する筐体に形成された開口部を介して装置本体に対して着脱可能であり、該ベルトユニットの着脱方向が張架部材軸方向に対して直交する方向となるように構成した画像形成装置において、該変位手段が有する係合部と自身が有する被係合部とが張架部材軸方向で係脱可能に前記筐体の装置本体外側側面に設けられ、予め設定された第1の位置と該第1の位置とは異なる第2の位置との間で変位可能であり、自身が該第1の位置に位置した際に前記転写手段が前記接触する位置に到達し、自身が該第2の位置に位置した際に該転写手段が前記離間する位置に到達するように前記変位手段を操作する操作レバーを有することを特徴とするものである。
また、請求項2の発明は、請求項1の画像形成装置において、上記ベルト部材は中間転写ベルトであり、該中間転写ベルトを介して上記像担持体上に形成されたトナー像を記録材上に転写することを特徴とするものである。
また、請求項3の発明は、請求項1の画像形成装置において、上記ベルト部材は記録材を担持搬送する記録材搬送ベルトであることを特徴とするものである。
また、請求項4の発明は、請求項1、2または3の画像形成装置において、上記操作レバーが上記第1の位置にあるとき、上記像担持体及び上記ベルトユニットそれぞれの着脱方向への移動を規制し、該操作レバーが上記第2の位置にあるとき、該像担持体及び該ベルトユニットそれぞれの着脱方向への移動が解除され、装置本体に対して該像担持体及び該中間転写ユニットの着脱が可能となるような規制手段を有することを特徴とするものである。
また、請求項5の発明は、請求項4の画像形成装置において、上記操作レバーが上記第1の位置にない場合には、装置本体の画像形成動作が行えないように構成したことを特徴とするものである。
また、請求項6の発明は、請求項4または5の画像形成装置において、上記像担持体を装置本体内の装着した際に、該像担持体が装置本体内の所定の位置に装着されていないと、上記操作レバーを上記第2の位置から上記第1の位置に向かって変位させたときに該像担持体と上記規制手段とが干渉し合い、上記操作レバーを上記第2の位置から上記第1の位置に変位させることができないように構成したことを特徴とするものである。
また、請求項7の発明は、請求項4、5または6の画像形成装置において、上記ベルトユニットを装置本体内の装着した際に、該ベルトユニットが装置本体内の所定の位置に装着されていないと、上記操作レバーを上記第2の位置に向かって変位させたときに該ベルトユニットと上記規制手段とが干渉し合い、上記操作レバーを上記第2の位置から上記第1の位置に変位させることができないように構成したことを特徴とするものである。
【0013】
本発明においては、操作レバーをベルトユニットにではなく、張架部材軸方向で変位手段と係脱可能なように装置本体を形成する筐体の装置本体外側側面に設けている。装置本体からベルトユニットを取り出す際には、操作レバーと変位手段との係合を解除してから行う。これにより、ベルトユニットが装置本体に装着された際に操作レバーと変位手段とが係合できるような大きさの開口部を上記筐体に設ければよく、ベルトユニットを装置本体から取り出す際の操作レバー移動軌道上にわたって開口部を上記筐体に形成する必要はない。よって、従来のように装置本体からベルトユニット着脱時の操作レバーと上記筐体との干渉を防ぐために操作レバー移動軌道上にわたって開口部を上記筐体に形成した場合よりも、操作レバー移動軌道上にわたって開口部を上記筐体に形成しない分、上記筐体の強度低下を抑えることができる。
【発明の効果】
【0014】
以上、本発明によれば、装置本体を形成する筐体の強度低下を抑制できるという優れた効果がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、本発明を、画像形成装置である電子写真方式のタンデム型のカラープリンタ(以下、単に「プリンタ」という。)に適用した一実施形態について説明する。
図2は、本実施形態に係るプリンタの概略構成図である。
【0016】
本実施形態のプリンタは、装置中央に中間転写ユニット51を装置本体に対して脱着可能に備えている。中間転写ユニット51は、二次転写対向ローラでもある駆動ローラ12、テンションローラ13、2本の張架ローラ14,15を備え、これらのローラで像担持体である中間転写ベルト10を張架している。なお、本実施形態では、駆動ローラ12は図示しない駆動モータによって駆動されており、プロセス速度が150[mm/s]となるように調整されている。
【0017】
中間転写ベルト10は、後述する感光体1からのトナー像を転写可能とする抵抗値を有している。詳しく説明すると、中間転写ベルト10はPVDF(フッ化ビニルデン)、ETFE(エチレン−四フッ化エチレン共重合体)、PI(ポリイミド)、PC(ポリカーボネート)等を単層または複数層に構成し、カーボンブラック等の導電性材料を分散させ、その体積抵抗率を10[Ω・cm]〜1012[Ω・cm]、且つ、表面抵抗率を10[Ω・cm]〜1013[Ω・cm]の範囲となるように調整されている。
【0018】
なお、必要に応じ中間転写ベルト10の表面に離型層をコートしても良い。コートに用いる材料としては、ETFE(エチレン−四フッ化エチレン共重合体)、PTFE(ポリ四フッ化エチレン)、PVDF(フッ化ビニルデン)、PEA(パ−フルオロアルコキシフッ素樹脂)、FEP(四フッ化エチレン−六フッ化プロピレン共重合体)、PVF(フッ化ビニル)等のフッ素樹脂が使用できるが、これに限定されるものではない。
【0019】
中間転写ベルト10の製造方法は注型法、遠心成形法等があり、必要に応じてその表面を研磨しても良い。
【0020】
中間転写ベルト10の体積抵抗率が上述した範囲を超えると、転写に必要なバイアスが高くなるため、電源コストの増大を招くため好ましくない。また、転写工程、転写紙剥離工程などで中間転写ベルト10の帯電電位が高くなり、且つ、自己放電が困難になるため除電手段を設ける必要が生じる。また、体積抵抗率及び表面抵抗率が上記範囲を下回ると、帯電電位の減衰が早くなるため自己放電による除電には有利となるが、転写時の電流が面方向に流れるためトナー飛び散りが発生してしまう。したがって、本実施形態における中間転写ベルト10の体積抵抗率及び表面抵抗率は上記範囲内となるようにしている。
【0021】
なお、体積抵抗率及び表面抵抗率の測定は、高抵抗抵抗率計(三菱化学社製:ハイレスタIP)にHRSプローブ(内側電極直径5.9[mm]、リング電極内径11[mm])を接続し、中間転写ベルト10の表裏に100[V](表面抵抗率は500[V])の電圧を印加して10秒後の測定値を用いた。
【0022】
本実施形態のプリンタは、この中間転写ベルト10の下方の移動領域に沿って4つの画像形成ユニット120を備えている。各画像形成ユニット120は、潜像担持体としての感光体1、感光体表面をクリーニングブレード3でクリーニングするクリーニング手段としてのクリーニング装置2、帯電手段としての帯電装置4、現像手段としての現像装置9などを備えている。なお、図中符号5は、図示を省略した装置下部に配置されている、感光体1上に潜像を形成する潜像形成手段を構成する光書込装置からの書込光を示す。
【0023】
また、このプリンタは、中間転写ユニット51の各感光体1と対向するベルト部分の裏面に付勢バネ17によって付勢された転写バイアスローラである一次転写ローラ11が当接している。この一次転写ローラ11には電源100と電源101とにより所定の転写バイアスが印加されており、本実施形態においては、+1800[V]が印加されるように設定されている。
【0024】
なお、一次転写ローラ11は、図3に示すように、中間転写ユニット51に設けられ中間転写ベルト10の内側で各色に対応した一次転写ローラ11をそれぞれ各色の感光体ドラム(図示せず)と対向する位置で、一次転写ローラ11Yがブラック用サブフレーム35によって、一次転写ローラ11Y,11M,11Cがフルカラー用サブフレーム36によって保持されている。
【0025】
ブラック用サブフレーム35やフルカラー用サブフレーム36などは、一次転写ローラ11の接離機構の簡素化を図る目的で中間転写ユニット51に設けられたものである。より詳しくは、モノクロプリントを行う場合には、4本の一次転写ローラ11のうち、フルカラー用サブフレーム36に保持される一次転写ローラ11Y,11M,11Cの3本は、モノクロプリントを行う場合などフルカラープリントを行わない場合には使用する必要がない。そこで、フルカラープリントを行うとき以外では、図示しない駆動手段からの駆動力によるフルカラー用サブフレーム36の動作によって前述の3本の一次転写ローラ11Y,11M,11Cを一括して中間転写ベルト10から離間させている。また、フルカラープリントを行う場合には、図示しない駆動手段からの駆動力によるフルカラー用サブフレーム36の動作によって一次転写ローラ11Y,11M,11Cの3本の転写ローラ37を一括して中間転写ベルト10に接触させ、フルカラープリントが終わるとフルカラー用サブフレーム36の動作によって前述の3本の一次転写ローラ11Y,11M,11Cを一括して中間転写ベルト10から離間させる。このようにして3本の一次転写ローラ11Y,11M,11Cを中間転写ベルト10に対して一括して接離させることで、別々に接離させる場合に比べて接離機構の簡素化を図ることができる。
【0026】
また、駆動ローラ12に巻き付くベルト部分の表面に対向して二次転写ローラ21が設けられており、電源102によって所定の2次転写バイアスが印加される。駆動ローラ12に巻き付いた中間転写ベルト10のベルト部分と二次転写ローラ21との間が二次転写部となる。
【0027】
二次転写ローラ21はSUS鋼等の金属製芯金上に、導電性材料によって10[Ω]〜1010[Ω]の抵抗値に調整されたウレタン等の弾性体を被覆することで構成されている。
【0028】
ここで、二次転写ローラ21の抵抗値が上記範囲を超えると電流が流れ難くなるため、必要な転写性を得る為にはより高電圧を印加しなければならなくなり、電源コストの増大を招く。また、高電圧を印加するため転写部ニップ前後の空隙にて放電が起こる為、ハーフトーン画像上に放電による白ポチ抜けが発生する。逆に、二次転写ローラ21の抵抗値が上記範囲を下回ると同一画像上に存在する複数色画像部分(例えば3色重ね像)と単色画像部分との転写性が両立できなくなる。これは、二次転写ローラ21の抵抗値が低い為、比較的低電圧で単色画像部分を転写するのに十分な電流が流れるが、複数色画像部分を転写するには単色画像部分に最適な電圧よりも高い電圧値が必要となるため、複数色画像部分を転写できる電圧に設定すると単色画像部分では転写電流過剰となり転写効率の低減を招くからである。
【0029】
なお、二次転写ローラ21の抵抗値測定は、導電性の金属製板に二次転写ローラ21を設置し、芯金両端部に片側4.9[N](両側で合計9.8[N])の荷重を掛けた状態にて、芯金と前記金属製板との間に1000[V]の電圧を印加した時に流れる電流値から算出した。
【0030】
また、二次転写ローラ21は図示しない駆動ギヤによって駆動力が与えられており、その周速は中間転写ベルト10の周速に対して、略同一となるよう調整されている。
【0031】
プリンタには、ストックされている記録材としての転写紙25を給紙する給紙ローラ26、搬送ローラ対27、レジストローラ28、定着手段としての定着装置30、排紙ローラ対32なども設けられている。
【0032】
プリンタでは、各画像形成ユニット120における各感光体1上に図示しない光書込装置によって形成された潜像を各現像装置9により現像し、それぞれ、ブラック(Bk)、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)の各色トナー像が形成される。そして、これらのトナー像は各感光体1上か中間転写ベルト10上へ順次重ね合わさせて転写され、中間転写ベルト10上にフルカラートナー像が形成される。
【0033】
また、転写紙25が給紙ローラ26、搬送ローラ対27、レジストローラ28によって、中間転写ベルト10上のフルカラートナー像の先端部が二次転写位置に到達するタイミングに合わせて給紙されており、中間転写ベルト10上のフルカラートナー像は二次転写ローラ21により転写紙25に転写される。なお、本実施形態では、二次転写バイアスは定電流で制御されており、その設定値を+30[μA]とした。フルカラートナー像が転写された転写紙25は、図示しない除電手段によって除電された後に定着装置30へ搬送され、定着装置30によりフルカラートナー像が転写紙25に定着される。その後、転写紙25は排紙ローラ対32で装置上部のスタック部に排紙される。
【0034】
また、プリンタ内で紙詰まり(ジャム)が生じた場合、プリンタに設けられた、CPUやメモリーなどから構成される図示しない制御装置によって、転写紙25の搬送にかかる各ローラの回転トルクの変動などが検知され、その検知結果に基づいてプリンタに設けた図示しない表示部に紙詰まりが生じた旨のメッセージを表示する。ユーザは、プリンタに設けられた開閉扉を開けることで、プリンタ内に設けられた転写紙25の搬送路にアクセスすることができ、プリンタ内で詰まった転写紙25を取り除く作業を行うことができる。この作業が終了した後に開閉扉を閉じることで、通常の画像形成動作を行うことが可能となる。
【0035】
例えば、図4に示されたプリンタの一側端部にある開閉扉としての外部カバー45を、プリンタ本体の筐体に設けれた揺動軸40を中心にして揺動し、プリンタ本体に対し外部カバー45を開けることで、給紙路、2次転写ニップ、転写後搬送路などが外部に露出する。これにより、給紙路、2次転写ニップ及び転写後搬送路内のジャム紙を容易に取り除くことができる。
【0036】
次に、ベルトクリーニングユニット19について説明する。プリンタには、中間転写ベルト10の表面に付着したトナーなどの粉体をクリーニングするベルトクリーニングユニット19が設けられている。図5に、ベルトクリーニングユニット19周辺の拡大図を示す。ベルトクリーニングユニット19には、ウレタンゴムよりなるクリーニングブレード20が、金属部材からなるブレードホルダ22に保持されて配置されいる。また、クリーニングブレード20近傍の中間転写ベルト10とベルトクリーニングユニット19との対向箇所には開口部が設けられており、クリーニングブレード20を中間転写ベルト10に押し当てて、トナーを堰き止めて中間転写ベルト10上から除去したトナーを上記開口部からベルトクリーニングユニット19内に落下させて廃トナータンクに収容する構成となっている。
【0037】
ブレードホルダ22は、クリーニングブレード20により除去された残留トナーが堆積しないよう、ブレードホルダ22のクリーニングブレード20と中間転写ベルト10とが当接する側の端部がテーパ形状となっている。言い換えれば、上記端部の端面を斜面形状にしている。これにより、クリーニングブレード20によって除去され落下してくる廃トナーがブレードホルダ22の斜面を滑り落ちていく。よって、ブレードホルダ22の端部に廃トナーが堆積し難くなる。したがって、経時でブレードホルダ22にトナーが堆積し、ブレードホルダ22とベルトクリーニングユニット本体内壁との間でトナーが架橋して落下経路を塞いでしまい、クリーニングブレード20によって中間転写ベルト10から除去されたトナーがベルトクリーニングユニット19内から溢れ出してしまうのを抑制することができる。
【0038】
また、クリーニングブレード20の端部をテーパ形状にしても、トナーは帯電しているため、ブレードホルダ22にトナーが電気的に引き寄せられ、斜面を残留トナーが滑り落ちず堆積し易くなる。そのため、本実施形態においては、金属製のブレードホルダ22に電圧印加装置103から所定の電圧が印加されるように構成しており、ブレードホルダ22に電圧を印加することで静電的な反発力によりブレードホルダ22に付着した廃トナーを積極的にブレードホルダ22から落下させる。本実施形態では、電圧印加装置103によってブレードホルダ22に+1000[V]及び−1000[V]の電圧を印加するように設定されている。
【0039】
ベルトクリーニングユニット19には、クリーニングブレード20によって中間転写ベルト10をクリーニングし易くするために、潤滑剤塗布部材152により中間転写ベルト10の表面へ塗布される固形潤滑剤155が設けられている。
【0040】
潤滑剤には、直鎖状の炭化水素構造を持つ、脂肪酸金属塩を用いる。脂肪酸金属塩としては、ステアリン酸、パルミチン酸、ミリスチン酸、オレイン酸から選択される少なくとも1種以上の脂肪酸を含有し、亜鉛、アルミニウム、カルシウム、マグネシウム、リチウムから選択される少なくとも1種以上の金属を含有する脂肪酸金属塩が挙げられる。とりわけその中でもステアリン酸亜鉛は、工業的規模で生産されかつ多方面での使用実績があることから、コスト、品質安定性及び信頼性で、最も好ましい材料である。ただし、一般に工業的に使われている高級脂肪酸金属塩は、その名称の化合物単体組成ではなく、多かれ少なかれ類似の他の脂肪酸金属塩、金属酸化物及び遊離脂肪酸を含むものであり、本実施形態での脂肪酸金属塩もその例外ではない。
【0041】
これらの潤滑剤は微量ずつ、粉体の形態で供給されるのであるが、その具体的な方法としては、ブラシなどの潤滑剤塗布部材152によりブロック状に固形成形された潤滑剤を削り取って塗布する方法や、トナーに外添して供給する方法等がある。ただし、トナーに外添して潤滑剤を供給する場合、その供給量が出力する画像面積に依存し、常にベルト表面全面に供給することはできない。そのため、簡易な装置構成で、且つ、ベルト表面全面に安定に潤滑剤を供給しようとした場合、本実施形態のように固形潤滑剤155をブラシ状の潤滑剤塗布部材152で削り取って塗布する方法が良い。
【0042】
本実施形態では、固形潤滑剤155を潤滑剤塗布部材152で削り取るために、スプリングのような弾性体である潤滑剤加圧手段153により固形潤滑剤155を1[N]〜4[N]の力で潤滑剤塗布部材152に圧接する。
【0043】
固形潤滑剤155の幅は、画像幅よりも広く設定する必要があるため、304[mm]以上とする。潤滑剤塗布部材152の幅は、固形潤滑剤155を均一に削り取る為に、固形潤滑剤155の幅よりも大きくとる必要がある。
【0044】
なお、本実施形態に用いたトナーは重合法によって生成された重合トナーである。更に本実施形態に用いるトナーの形状係数SF−1は100〜180、形状係数SF−2は100〜180の範囲にあることが好ましい。図6は形状係数SF−1を説明するために、図7は形状係数SF−2を説明するために、トナーの形状を模式的に表した図である。
【0045】
形状係数SF−1は、トナー形状の丸さの割合を示すものであり数1で表され、トナーを2次元平面に投影してできる形状の最大長MXLNGの二乗を図形面積AREAで除して、100π/4を乗じた値である。SF−1の値が100の場合トナーの形状は真球となり、SF−1の値が大きくなるほど不定形になる。
【数1】

【0046】
また、形状係数SF−2は、トナー形状の凹凸の割合を示すものであり数2で表され、トナーを2次元平面に投影してできる図形の周長PERIの二乗を図形面積AREAで除して、100/4πを乗じた値である。SF−2の値が100の場合トナー表面に凹凸が存在しなくなり、SF−2の値が大きくなるほどトナー表面の凹凸が顕著になる。
【数2】

【0047】
なお、形状係数の測定は、走査型電子顕微鏡(S−800:日立製作所製)でトナーの写真を撮り、これを画像解析装置(LUSEX3:ニレコ社製)に導入して解析して計算した。
【0048】
トナーの形状が球形に近くなると、トナーとトナーあるいはトナーと感光体、との接触状態が点接触になるために、トナー同士の吸着力は弱くなる。したがって流動性が高くなり、また、トナーと感光体との吸着力も弱くなって、転写率が高くなる。なお、形状係数SF−1と形状係数SF−2とのいずれかが180を超えると、転写率が低下するとともに転写手段に付着した場合のクリーニング性も低下するため好ましくない。
【0049】
また、トナー粒径は体積平均粒径で4[μm]〜10[μm]の範囲であることが望ましい。これよりも小粒径の場合には現像時に地汚れの原因となったり、流動性が悪化し、さらに凝集しやすくなるので中抜けが発生しやすくなる。逆に、これよりも大粒径の場合にはトナー飛び散りや解像度悪化により、高精細な画像を得ることができない。本実施形態では、トナー粒径の体積平均粒径が6.5[μm]のものを用いた。
【0050】
本実施形態においては、図1に示すように、画像形成ユニット120Bk,120M,120C,120Yが装置前側から着脱可能に構成されており、前側筐体部300の画像形成ユニット120Bk,120M,120C,120Yと対向する位置に、着脱時に画像形成ユニット120を通過させるための開口部が形成されている。また、本実施形態では、装置本体に対して上述した外部カバーを開けた状態で装置横側(装置本体に対し外部カバーが開けられて装置本体内が露出された側)から中間転写ユニット51(図示しない)が着脱可能に構成されている。この中間転写ユニット51の着脱動作が行われる装置横側の図示しない横側筐体部には、従来からジャム処理用などに開口部が形成されており、本実施形態では、その開口部を中間転写ユニット51の着脱時の通過口として兼用できるように形成している。そして、中間転写ユニット51を装置本体から取り外す際には、図1に示した矢印A方向に中間転写ユニット51を引き出す。逆に、装置本体に中間転写ユニット51を装着する際には、矢印A方向とは逆方向に中間転写ユニット51を押し込む。
【0051】
ここで、図8に中間転写ユニット251を装置前側から着脱する従来の構成の一例を示す。このように、従来から中間転写ユニット251の脱着に関しては画像形成ユニット220の脱着方向と同一方向に脱着をする構成が一般的となっている。
【0052】
ところが、画像形成ユニット220や中間転写ユニット251などを同一方向、例えば、装置前側から着脱する構成においては、図8に示すように前側筐体部320の画像形成ユニット220よりも上部に、中間転写ユニット251を通過させる大きな開口部が必要となる。このように、装置本体に対して画像形成ユニット220と中間転写ユニット251との着脱方向が同一方向(装置前後方向)であり、装置前側から画像形成ユニット220や中間転写ユニット251などを着脱する構成においては、前側筐体部320に画像形成ユニット220を通過させるための開口部と中間転写ユニット251を通過させる大きな開口部とが形成されているので、前側筐体部320の強度が大きく低下してしまっている。
【0053】
そのため、中間転写ユニット251を装置前側から着脱するのではなく、本実施形態のように中間転写ユニット51を装置横側から着脱するように構成すれば、図1で示すように前側筐体部320に中間転写ユニット51を通過させる大きな開口部を形成する必要が無いので、その分、前側筐体部320の強度低下を抑えることができる。
【0054】
また、装置本体に対する画像形成ユニット(感光体)や中間転写ユニットなどの着脱が、中間転写ベルトを感光体と一次転写ローラとで挾持されたままで行われると、感光体の表面と中間転写ベルトの表面とが互いに摺擦し合う。このように感光体の表面と中間転写ベルトの表面とが互いに摺擦し合うと、感光体の表面や中間転写ベルト面などが損傷し、感光体や中間転写ベルトなどの劣化を早めてしまうことになるになるので好ましくない。そのため、従来から中間転写ユニットに操作レバー装置が設けられ、装置本体に対して中間転写ユニットを着脱する際にその操作レバー装置を操作して一次転写ローラを感光体に対して離間させる構成を採用したものがある。このような構成の画像形成装置においては、感光体の表面と一次転写ローラとを離間させることで、これに伴い感光体の表面と中間転写ベルトの表面とが非接触となる。よって、画像形成ユニット(感光体)や中間転写ユニットなどを装置本体に対して着脱する際に、感光体の表面と中間転写ベルトの表面とを互いに摺擦し合わなり、感光体の表面や中間転写ベルトの表面などの損傷を抑制することができる。
【0055】
通常、図8に示すように操作レバー装置420は中間転写ユニット251の張架ローラ軸方向端部に設けられている。よって、中間転写ユニット251を装置前側から着脱する構成においては、中間転写ユニット251に張架ローラ軸方向で対向する前側筐体部320に形成された開口部を通過させて中間転写ユニット251の着脱が行われるので、中間転写ユニット251の張架ローラ軸方向端部に操作レバー装置420が設けられていても特に不具合はない。しかしながら、本実施形態のように、中間転写ユニット51を装置横側から着脱する構成にした際には、中間転写ユニット着脱時に中間転写ユニット51を通過させる開口部が前側筐体部300に形成されていない。そのため、図9に示すように前側筐体部320の中間転写ユニット着脱時の操作レバー装置420の移動軌道上の破線部820内にある前側筐体部320と操作レバー装置420とが干渉しないように、前側筐体部300の破線部820を開口形状とすると、その開口形状が形成される分、前側筐体部の強度が低下してしまう。
【0056】
なお、装置本体を形成する筐体の強度に関しては、本実施形態のプリンタのようにフルカラー画像を形成可能な画像形成装置において、正常に色重ねを行うための重要な要因であり、特に中間転写ユニット51の位置精度は色重ねに大きく寄与するため筐体の強度をできるだけ強く保つことが重要である。
【0057】
そこで、本実施形態では、図1で示したように、装置本体に対して中間転写ユニット51を着脱するときに感光体1に対して一次転写ローラ11を接離させる操作を行う操作レバー装置400を、前側筐体部300に設けている。なお、本実施形態のプリンタにおいては、イエロー、マゼンタ、シアンの3色にかかる一次転写ローラ11Y,11M,11Cがフルカラー用サブフレーム36によって自動的に感光体に対して接離可能に構成されている。そのため、本実施形態では、ブラックにかかる一次転写ローラ11Bkを感光体1に対して接離させるようにブラック用サブフレーム35を動作させる手段として操作レバー装置400が設けられている。このように、操作レバー装置400を中間転写ユニット51にではなく前側筐体部300に設けることで、中間転写ユニット51を装置横側から着脱する構成であっても、中間転写ユニット51に操作レバー装置400を設けた構成のような操作レバー装置400と前側筐体部300とが干渉する虞がなく、前側筐体部300に上記干渉を防ぐための開口部を形成する必要が無いので前側筐体部300の強度低下を抑えることができる。
【0058】
ここで、操作レバー装置400により中間転写ベルト10を介して一次転写ローラ11が感光体1の表面に対し接離可能な構成であっても、ユーザーが感光体1の表面と一次転写ローラ11とを離間させずに画像形成ユニット120(感光体1)や中間転写ユニット51などの着脱を行ってしまう虞がある。そのため、単に感光体1の表面に対して一次転写ローラ11を接離可能に構成にしただけでは、感光体1と一次転写ローラ11とで中間転写ベルト10を挾持したまま上記着脱操作が行われてしまし、感光体1の表面や中間転写ベルト10の表面などの損傷を低減させることができないといった問題が生じ得る。
【0059】
図10は、操作レバー装置400の構成の1例を示した図である。操作レバー装置400は、操作レバー401、シャッター402、保持ブラケット403及びレバー軸受404から構成されている。操作レバー401は、図10中に示す矢印D方向に回転可能であり、操作レバー401が回転すると、その回転に連動してシャッター402も同時に図10中に示す矢印E方向に回転可能に構成されている。
【0060】
本実施形態では、図1にて示しているように、操作レバー401が図中に示す位置(操作レバー401の回転中心とは反対方向の端部である後述する先端部が装置下方に向いている位置)にあるときに、一次転写ローラ11と感光体1とが接触状態となっている。そして、一次転写ローラ11と感光体1とが接触している状態では、図1に示すように、シャッター402が画像形成ユニット120の着脱方向の経路上で画像形成ユニット120の一部を覆い、画像形成ユニット120を装置本体から取り外そうとしてもシャッター402と画像形成ユニット120の前側側壁とが図1中の矢印Bで指し示す箇所で接触しシャッター402によって画像形成ユニット120の着脱方向の移動が規制される。すなわち、一次転写ローラ11と感光体1とが接触状態では、装置本体に対する画像形成ユニット120の抜き差しがシャッター402によって不可能となるように構成されている。
【0061】
また、図1において操作レバー401を図10中に示した矢印D方向に回転させて一次転写ローラ11と感光体1とを離間状態にした際には、シャッター402も図10中に示した矢印E方向に回転移動し、シャッター402が画像形成ユニット120の着脱方向の経路上で画像形成ユニット120の前側側壁を覆わなくなる。これにより、一次転写ローラ11と感光体1とが離間状態では、シャッター402による画像形成ユニット120の着脱方向の移動の規制が行われなくなり、装置本体に対する画像形成ユニット120の抜き差しが可能となる。
【0062】
図11は中間転写ユニット51と操作レバー401の係合に関して示した図である。図11の中間転写ユニット51においては、一次転写ローラ11が感光体1と離間した位置にある状態であり、操作レバー401も一次転写ローラ11と感光体1とが離間状態のときの位置にある状態である。中間転写ユニット51には、操作レバー401と係合し、操作レバー401の回転移動に連動させてブラック用サブフレーム35を介し一次転写ローラ11を感光体1と接触する位置及び感光体1と離間する位置との間で移動させる図示しない接離機構の一部である接離カム701が設けられている。なお、図11では接離カム701と操作レバー401とが係合していない状態である。
【0063】
一次転写ローラ11と感光体1とを接触状態にする際には、操作レバー401の係合部409を図11中に示す張架ローラ軸方向の矢印F方向に移動させて、中間転写ユニット51に設けた接離カム701の係合用穴702に係合部409を挿入する。接離カム701と係合部409とが係合した後、操作レバー401を反時計回り(図10中矢印D方向とは逆方向)に回転することで、接離カム701も図11中に示す矢印G方向に回転し、中間転写ベルト10を介して一次転写ローラ11と感光体1とが接触する。このように、一次転写ローラ11と感光体1とが接触状態であるときには、操作レバー401の係合部409が中間転写ユニット51の接離カム701の係合用穴702に係合しているので、操作レバー401の係合部409によって中間転写ユニット51の着脱方向の移動が規制され装置本体に対し中間転写ユニット51の取り外しが不可能となる。
【0064】
図12に、側方から見た操作レバー装置400の概略構成を示す。操作レバー401が図10中に示した矢印D方向に回転し一次転写ローラ11と感光体1とが離間状態になった際、操作レバー401は図12に示すように操作レバーバネ407によって付勢され図12中に示す矢印H方向(装置前側方向)へ移動する。このように操作レバー401が矢印H方向へ移動することで、操作レバー401の中間転写ユニット51と係合する係合部409が中間転写ユニット51から外れ、中間転写ユニット51の着脱が可能となる。つまり、本実施形態においては、一次転写ローラ11と感光体1とが離間状態となったときに初めて、装置本体から中間転写ユニット51の取り外しが可能となる。
【0065】
また、中間転写ユニット51が取り外された状態から装置本体へ取り付ける際にも操作レバー401が一次転写ローラ11の接触状態の位置に移動されていると、操作レバー401の係合部409が図12中に示した矢印H方向とは逆方向に移動し、中間転写ユニット51の着脱経路内に操作レバー401の係合部409がある状態となっている。そのため、装置本体に中間転写ユニット51を装着しようとしても操作レバー401の係合部409と中間転写ユニット51とが上記着脱経路内で干渉し操作レバー401の係合部409によって中間転写ユニット51の着脱方向の移動が規制されるので、中間転写ユニット51を装置本体に取り付けることができない。
【0066】
このように、操作レバー装置400の操作レバー401やシャッター402などによって、装置本体に対する画像形成ユニット120や中間転写ユニット51などの着脱を規制することで、一次転写ローラ11と感光体1とが接触状態のまま、装置本体に対して画像形成ユニット120や中間転写ユニット51などが着脱されることで感光体1の表面や中間転写体の表面などに傷が付いてしまうのを抑制することができる。
【0067】
図13においては、操作レバー装置400によって、画像形成ユニット120及び中間転写ユニット51の着脱方向の移動が規制されておらず、装置本体に対して画像形成ユニット120や中間転写ユニット51などが着脱可能な状態となっている。このように、画像形成ユニット120や中間転写ユニット51などが装置本体に対して着脱可能となる位置、言い換えれば、一次転写ローラ11と感光体1とが離間状態となる位置に操作レバー401が位置していると、前カバー310を矢印I方向に回動させて装置本体に対して閉じようとしても、前カバー310に設けられた突起部802が操作レバー401の先端部801と干渉して、前カバー310が装置本体に対して完全に閉まらない構成となっている。そして、本実施形態では、前カバー310が装置本体に対して完全に閉まらないと、前カバー310が装置本体に対して完全に閉じたのを検知する図示しないインターロックスイッチがONとならないため、電気的な回路が動作不可能な状態となり装置全体の動作が行えないようになっている。したがって、一次転写ローラ11と感光体1とが離間状態で装置を動作させてしまうといった誤動作を操作レバー装置400によって防止することが可能となる。
【0068】
図14においては、装置本体に対して画像形成ユニット120が正常なセット状態には無く、図14中に示した矢印J方向にこれ以上移動させることができず所定の装着位置に画像形成ユニット120を装着できないため、画像形成ユニット120を前側筐体部300にネジなどによって締結できていない状態となっている。この状態で一次転写ローラ11と感光体1とを接触状態にするために操作レバー401を反時計回り(図10中矢印D方向とは逆方向)に回転させると、シャッター402が図14中に示す矢印K方向に少しは回転するが、シャッター402が回転途中で画像形成ユニット120と干渉し、シャッター402を画像形成ユニット120と干渉した位置よりもさらに矢印K方向へ回転させることができなくなり、その結果、操作レバー401もそれ以上反時計回り方向へ回転させることができなくなる。このように、操作レバー401が回転できなくなることで、作業者は画像形成ユニット120が正常に装置本体にセットされていないことに気付くことができ、画像形成ユニット120が装置本体に正常に装着されていない状態で装置を動作させてしまうといった誤動作を防止することが可能となる。
【0069】
また、万が一、画像形成ユニット120が装置本体に対して正常にセットされていないことに作業者が気付かなかったり、正常にセットされていないのを忘れてしまったりして、そのままの状態で装置を動作させようとしたとしても、上述したような前カバー310の突起部802などの装置本体に設けられた部品と操作レバー装置400とが干渉することで、画像形成ユニット120が装置本体に正常に装着されていない状態で装置を動作させてしまうといった誤動作を防止することができ、誤動作防止の安全性をより向上させることができる。
【0070】
また、図15に示すように、中間転写ユニット51が装置本体に対して正常な位置にセットされていないと、操作レバー401の係合部409と接離カム701の係合用穴702との互いの位置関係が同軸上にならず、操作レバー401と接離カム701とが係合できない状態となる。このように操作レバー401の係合部409と接離カム701の係合用穴702とが係合できないと、操作レバー401を図15中に示した矢印L方向へ押し込めなくなる。ここで、操作レバー401は係合部409が接離カム701の係合用穴702に係合する位置まで図15中に示した矢印L方向に移動しないと、回転動作を行えないように構成されている。そのため、操作レバー401の回転動作ができないことから、装置本体に対して中間転写ユニット51が正常にセットされていないことを作業者に気付かせることが可能となる。これにより、中間転写ユニット51が装置本体に正常にセットされていない状態で装置を動作させてしまうといった誤動作を防止することが可能となる。
【0071】
また、万が一、中間転写ユニット51が装置本体に対して正常にセットされていないことに作業者が気付かなかったり、正常にセットされていないのを忘れてしまったりして、そのままの状態で装置を動作させようとしたとしても、上述したような前カバー310の突起部802などの装置本体に設けられた部品と操作レバー装置400とが干渉することで、中間転写ユニット51が装置本体に正常にセットされていない状態で装置を動作させてしまうといった誤動作を防止することができ、誤動作防止の安全性をより向上させることができる。
【0072】
[実施形態2]
以下、本発明を電子写真プロセスを用いて画像形成を行うタンデム型のカラー画像形成装置に適用した第2の実施形態について説明する。
図16は本実施形態に係るカラー画像形成装置の概略図である。このカラー画像形成装置は、転写材としての転写紙225を収納する給紙装置202と、図示しない排紙部とを連絡する通紙経路203が設けられている。この通紙経路203の周囲には、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロ(Y)、ブラック(K)の4色に対応した感光体ユニット204C、204M、204Y、204K、及び、複数の張架ローラ222,223,224に張架された転写材搬送部材としての転写搬送ベルト201により構成された転写紙搬送装置200が設けられている。転写搬送ベルト201としては、中程度の体積抵抗率(10[Ω・cm]〜1012[Ω・cm])を有するものを用いている。また、通紙経路203の通紙方向上流側には、転写搬送ベルト201に静電吸着用の電荷を付与する電荷付与手段を構成する転写紙吸着ローラ215が、転写搬送ベルト201及び通紙経路203を介して張架ローラ222と対向するように配置されている。更に、通紙経路203の通紙方向下流側には定着装置205が配置されている。
【0073】
上記複数の感光体ユニット204C,204M、204Yおよび204Kは、色の違いを除いて、機構および動作は同じである。以下、図17を用いて、シアン(C)に対応する感光体ユニット204Cについて、その機構および動作を説明する。感光体ユニット204Cは、像担持体としての感光体206Cを主体として構成されている。この感光体206Cの周囲には、帯電装置207C、現像装置208C、転写ローラ209C、およびクリーニング装置210Cが順に配設されている。そして、感光体ドラム表面の帯電装置207Cと現像装置208Cとの間が露光位置EXとなり、この露光位置EXに、露光装置211の図示しないLEDアレイヘッドを対向配置させている。このLEDアレイヘッドの各LED発光素子の発光により、感光体206Cが露光される。
【0074】
上記構成の感光体ユニット204Cでは、帯電装置207Cによる帯電によって感光体206Cを所定の極性に一様に帯電する。この帯電された感光体206Cは、露光位置EXにおいて、上記LEDアレイヘッドの各LED発光素子からの光が選択的に照射される。この光照射により、感光体206Cにおける一様帯電された電位レベルに電位差が生じて、静電潜像が形成される。この静電潜像に対して、現像装置208Cで所定の電荷を有するトナーを付着させることで、トナー像として顕像化する。現像装置208Cには、必要に応じてトナー容器212Cからトナーが補給される。転写ローラ209Cは、上記感光体206Cに形成されたトナー像を上記電位差によって吸引し、そのトナー像を、転写搬送ベルト201で担持・搬送されてきた転写紙225に転写する。クリーニング装置210Cは、転写ローラ209Cにおいて感光体206Cから転写紙225へトナー像を転写した後に、感光体206Cに残留するトナーを掻き落す等の方法でクリーニングする装置であり、次の画像形成のために、感光体206Cからトナーを除去するものである。
【0075】
各感光体ユニット204C,204M、204Y、204Kからトナー像が転写された転写紙225は、転写搬送ベルト201により定着装置205へと搬送される。定着装置205では、転写紙225に転写された未定着トナーを加熱・加圧作用によって転写紙225へ定着させる。
【0076】
また、ユーザは、図18に示されたプリンタの一側端部にある開閉扉としての外部カバー245をプリンタ本体の筐体に設けられた揺動軸240を中心にして揺動させて開けることで、プリンタ内に設けられた転写紙225の搬送路にアクセスすることができ、プリンタ内で詰まった転写紙を取り除く作業を行うことができる。この作業が終了した後に外部カバー245を閉じることで、通常の画像形成動作を行うことが可能となる。
【0077】
本実施形態においては、図19に示すように、感光体ユニット204C,204M、204Y、204Kが装置前側から着脱可能に構成されており、前側筐体部330の感光体ユニット204C,204M、204Y、204Kと対向する位置に、着脱時に感光体ユニット204を通過させるための開口部が形成されている。また、本実施形態では、図18に示した装置本体に対して上述した外部カバー245を開けた状態で装置横側(装置本体に対し外部カバー245が開けられて装置本体内が露出された側)から転写紙搬送装置200が着脱可能に構成されている。
【0078】
そして、本実施形態においても実施形態1と同じように、装置本体に対して転写紙搬送装置200を着脱するときに感光体206に対して転写ローラ209を接離させる操作を行う操作レバー装置430を、前側筐体部330に設けることで、転写紙搬送装置200を装置横側(張架ローラ軸方向に対して直交する方向)から着脱する構成であっても、前側筐体部330に操作レバー装置430と前側筐体部とが干渉するのを防ぐための開口部を形成する必要が無いので前側筐体部330の強度低下を抑えることができる。なお、本実施形態で用いる操作レバー装置430の構成は、実施形態1で用いた操作レバー装置400と同様であり、実施形態1で操作レバー装置400を前側筐体部300に取り付けている姿勢から180度回転させた姿勢で操作レバー装置430を前側筐体部330に取り付けているだけなので、操作レバー装置430の構成の説明や転写ローラ209を感光体206に対して接離させる際などにおける操作レバー装置430の操作レバー431やシャッター432などの動作の説明は省略する。
【0079】
また、操作レバー装置430や転写紙搬送装置に設けられ転写ローラ209を感光体206に対して接離させる接離機構に含まれる図示しない接離カムなどの、感光体206に対して転写ローラ209を接離させる際にかかる各種手段を実施形態1と同様に構成することで、操作レバー装置430の操作レバー431やシャッター432などによって、装置本体に対する感光体ユニット204や転写紙搬送装置200などの着脱を規制することができる。よって、転写搬送ベルト201を介して感光体206と転写ローラ209とが接触状態のまま、装置本体に対して感光体ユニット204や転写紙搬送装置200などが着脱されることで感光体206の表面や転写搬送ベルト201の表面などに傷が付いてしまうのを抑制することができる。
【0080】
さらに、実施形態1のプリンタと同様に、感光体ユニット204や転写紙搬送装置200が装置本体に対して正常にセットされていないことを、操作レバー装置430が正常に動かせないことで作業者が気付かせたり、感光体ユニット204や転写紙搬送装置200が正常にセットされていない状態のままで装置を動作させてしまうといった誤動作を防止することも可能となる。
【0081】
以上、実施形態1によれば、像担持体である感光体1と、感光体1上にトナー像を形成する現像装置9などのトナー像形成手段と、ループ状のベルト部材である中間転写ベルト10と、中間転写ベルト10を回転可能に張架する複数の張架ローラなどと、中間転写ベルト10のループ内側で変位可能に設けられ感光体上に形成されたトナー像を中間転写ベルト10上に転写する転写手段である一次転写ローラ11と、中間転写ベルト10のループ内側に設けられ中間転写ベルト10を介して感光体1の表面に接触する位置と上記接触する位置から退避して感光体1の表面と離間する位置との間で一次転写ローラ11を変位させる変位手段である接離カム701などと、からなるベルトユニットである中間転写ユニット51とを有し、感光体1及び中間転写ユニット51それぞれが装置本体を形成する筐体に形成された開口部を介して装置本体に対して着脱可能であり、中間転写ユニット51の着脱方向が張架ローラ軸方向に対して直交する方向となるように構成した画像形成装置であるプリンタにおいて、接離カム701が有する係合部である係合用穴702と自身が有する被係合部である係合部409とが張架ローラ軸方向で係脱可能に前記筐体の装置本体外側側面に設けられ、予め設定された第1の位置と該第1の位置とは異なる第2の位置との間で変位可能であり、自身が上記第1の位置に位置した際に一次転写ローラ11が前記接触する位置に到達し、自身が上記第2の位置に位置した際に一次転写ローラ11が前記離間する位置に到達するように接離カム701などを操作する操作レバー401を備えた操作レバー装置400を有する。これにより、従来の操作レバーを張架部材軸方向で中間転写ユニットに設け装置本体に対し張架部材軸方向に直交する方向で中間転写ユニットを着脱する構成の場合のように、装置本体を形成する筐体と操作レバーとの干渉防止用の開口部を上記筐体に形成する必要がない。よって、従来のように上記筐体部に上記干渉を防ぐための開口部を形成した場合よりも上記筐体の強度低下を抑えることができる。
また、実施形態2によれば、像担持体である感光体206と、感光体206上にトナー像を形成する現像装置208などのトナー像形成手段と、ループ状のベルト部材である転写搬送ベルト201と、転写搬送ベルト201を回転可能に張架する複数の張架ローラ222などと、転写搬送ベルト201のループ内側で変位可能に設けられ感光体206上に形成されたトナー像を転写搬送ベルト201上に担持された記録材である転写紙225上に転写する転写手段である転写ローラ209と、転写搬送ベルト201のループ内側に設けられ転写搬送ベルト201を介して感光体206の表面に接触する位置と上記接触する位置から退避して感光体206の表面と離間する位置との間で転写ローラ209を変位させる変位手段である接離機構の接離カムなどと、からなるベルトユニットである転写紙搬送装置200とを有し、感光体206及び転写紙搬送装置200それぞれが装置本体を形成する筐体に形成された開口部を介して装置本体に対して着脱可能であり、転写紙搬送装置200の着脱方向が張架ローラ軸方向に対して直交する方向となるように構成した画像形成装置であるプリンタにおいて、上記接離カムが有する係合部と自身が有する被係合部である操作レバー431の係合部とが張架ローラ軸方向で係脱可能に前記筐体の装置本体外側側面に設けられ、予め設定された第1の位置と該第1の位置とは異なる第2の位置との間で変位可能であり、自身が上記第1の位置に位置した際に転写ローラ209が前記接触する位置に到達し、自身が上記第2の位置に位置した際に転写ローラ209が前記離間する位置に到達するように上記接離カムなどを操作する操作レバー431を備えた操作レバー装置430を有する。これにより、装置本体を形成する筐体と操作レバー431との干渉防止用の開口部を上記筐体に形成する必要がない。よって、従来のように上記筐体部に上記干渉を防ぐための開口部を形成した場合よりも上記筐体の強度低下を抑えることができる。
また、各実施形態によれば、操作レバー401,431が上記第1の位置にあるとき、感光体1,206や中間転写ユニット51または転写紙搬送装置200などの着脱方向への移動をそれぞれ規制し、操作レバー装置400,430の操作レバー401,431が上記第2の位置にあるとき、感光体1,206や中間転写ユニット51または転写紙搬送装置200など着脱方向へのそれぞれの移動が解除され、装置本体に対して感光体1,206や中間転写ユニット51または転写紙搬送装置200などの着脱が可能となるような規制手段であるシャッター402,432や操作レバー401,431の係合部409などを有する。これにより、上述したように感光体1,206や中間転写ユニット51または転写紙搬送装置200などを着脱する際に、感光体1の表面や中間転写ベルト10の表面または転写搬送ベルト201の表面などが損傷するのを抑制することができる。
また、各実施形態によれば、操作レバー401,431が上記第1の位置にない場合には、装置本体の画像形成動作が行えないように構成したことで、上述したように、感光体1,206や中間転写ユニット51または転写紙搬送装置200などが装置本体に正常に装着されていない状態で画像形成動作が行われてしまうような誤動作を防ぐことが可能となる。
また、各実施形態によれば、感光体1,206を装置本体内の装着した際に、感光体1,206が装置本体内の所定の位置に装着されていないと、操作レバー401,431を上記第2の位置から上記第1の位置に向かって変位させたときに感光体1,206とシャッター402,432とが干渉し合い、操作レバー401,431を上記第2の位置から上記第1の位置に変位させることができないように構成したことで、装置本体に対して感光体1,206が正常にセットされていないことを作業者に気付かせることが可能となる。これにより、感光体1,206が装置本体に正常にセットされていない状態で装置を動作させてしまうといった誤動作を防止することが可能となる。
また、各実施形態によれば、中間転写ユニット51または転写紙搬送装置200を装置本体内の装着した際に、中間転写ユニット51または転写紙搬送装置200が装置本体内の所定の位置に装着されていないと、操作レバー401,431を上記第2の位置から上記第1の位置に向かって変位させたときに中間転写ユニット51または転写紙搬送装置200と操作レバー401,431の係合部409などとが干渉し合い、操作レバー401,431を上記第2の位置から上記第1の位置に変位させることができないように構成したことで、装置本体に対して中間転写ユニット51または転写紙搬送装置200が正常にセットされていないことを作業者に気付かせることが可能となる。これにより、中間転写ユニット51または転写紙搬送装置200が装置本体に正常にセットされていない状態で装置を動作させてしまうといった誤動作を防止することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0082】
【図1】実施形態1に係るプリンタを装置前側から見た場合の前側筐体部、画像形成ユニット及び操作レバー装置の模式図。
【図2】本実施形態に係るプリンタの概略構成図。
【図3】ブラック用サブフレームとフルカラー用サブフレームとを示した中間転写ユニットの概略構成図。
【図4】装置本体に対して外部カバーを開いた状態のプリンタの概略構成図。
【図5】ベルトクリーニングユニット近傍の拡大図。
【図6】形状係数SF−1を説明するためにトナー形状を模式的に表した模式図。
【図7】形状係数SF−2を説明するためにトナー形状を模式的に表した模式図。
【図8】画像形成ユニット及び中間転写ユニットを装置前側から着脱可能に構成した画像形成装置を装置前側から見た場合の模式図。
【図9】前側筐体部と操作レバー装置とが干渉しないような開口形状を前側筐体部に形成した場合の模式図。
【図10】操作レバー装置の概略構成図。
【図11】中間転写ユニットと操作レバー装置との係合に関する説明に用いる図。
【図12】側方から見た操作レバー装置の概略構成図。
【図13】装置レバー装置による装置誤動作防止の構成の一例を示した図。
【図14】装置レバー装置による画像形成ユニットの装着不良が検知可能な構成の一例を示した図。
【図15】装置レバー装置による中間転写ユニットの装着不良が検知可能な構成の一例を示した図。
【図16】実施形態2に係るプリンタの概略構成図。
【図17】感光体ユニットの概略構成図。
【図18】装置本体に対して外部カバーを開いた状態のプリンタの概略構成図。
【図19】実施形態2に係るプリンタを装置前側から見た場合の前側筐体部、画像形成ユニット及び操作レバー装置の模式図。
【符号の説明】
【0083】
1 感光体
2 クリーニング装置
3 クリーニングブレード
4 帯電装置
9 現像装置
10 中間転写ベルト
11 一次転写ローラ
12 駆動ローラ
13 テンションローラ
14 張架ローラ
15 張架ローラ
17 付勢バネ
19 ベルトクリーニングユニット
20 クリーニングブレード
21 二次転写ローラ
22 ブレードホルダ
25 転写紙
26 給紙ローラ
27 搬送ローラ対
28 レジストローラ
30 定着装置
32 排紙ローラ対
35 ブラック用サブフレーム
36 フルカラー用サブフレーム
37 転写ローラ
40 揺動軸
45 外部カバー
51 中間転写ユニット
100 電源
101 電源
102 電源
103 電圧印加装置
120 画像形成ユニット
152 潤滑剤塗布部材
153 潤滑剤加圧手段
155 固形潤滑剤
200 転写紙搬送装置
201 転写搬送ベルト
202 給紙装置
203 通紙経路
204 感光体ユニット
205 定着装置
206 感光体
207 帯電装置
208 現像装置
209 転写ローラ
210 クリーニング装置
211 露光装置
212 トナー容器
215 転写紙吸着ローラ
220 画像形成ユニット
222 張架ローラ
223 張架ローラ
224 張架ローラ
225 転写紙
240 揺動軸
245 外部カバー
251 中間転写ユニット
300 前側筐体部
310 前カバー
320 前側筐体部
330 前側筐体部
400 操作レバー装置
401 操作レバー
402 シャッター
403 保持ブラケット
404 レバー軸受
407 操作レバーバネ
409 係合部
420 操作レバー装置
430 操作レバー装置
431 操作レバー
432 シャッター
701 接離カム
702 係合用穴
801 先端部
802 突起部
820 破線部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
像担持体と、
該像担持体上にトナー像を形成するトナー像形成手段と、
ループ状のベルト部材と、該ベルト部材を回転可能に張架する複数の張架部材と、該ベルト部材のループ内側で変位可能に設けられ該像担持体上に形成されたトナー像を該ベルト部材上または該ベルト部材上に担持された記録材上に転写する転写手段と、該ベルト部材のループ内側に設けられ該ベルト部材を介して該像担持体の表面に接触する位置と該接触する位置から退避して該像担持体の表面と離間する位置との間で該転写手段を変位させる変位手段と、からなるベルトユニットとを有し、
該像担持体及び該ベルトユニットそれぞれが装置本体を形成する筐体に形成された開口部を介して装置本体に対して着脱可能であり、該ベルトユニットの着脱方向が張架部材軸方向に対して直交する方向となるように構成した画像形成装置において、
該変位手段が有する係合部と自身が有する被係合部とが張架部材軸方向で係脱可能に前記筐体の装置本体外側側面に設けられ、予め設定された第1の位置と該第1の位置とは異なる第2の位置との間で変位可能であり、自身が該第1の位置に位置した際に前記転写手段が前記接触する位置に到達し、自身が該第2の位置に位置した際に該転写手段が前記離間する位置に到達するように前記変位手段を操作する操作レバーを有することを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
請求項1の画像形成装置において、
上記ベルト部材は中間転写ベルトであり、該中間転写ベルトを介して上記像担持体上に形成されたトナー像を記録材上に転写することを特徴とする画像形成装置。
【請求項3】
請求項1の画像形成装置において、
上記ベルト部材は記録材を担持搬送する記録材搬送ベルトであることを特徴とする画像形成装置。
【請求項4】
請求項1、2または3の画像形成装置において、
上記操作レバーが上記第1の位置にあるとき、上記像担持体及び上記ベルトユニットそれぞれの着脱方向への移動を規制し、
該操作レバーが上記第2の位置にあるとき、該像担持体及び該ベルトユニットそれぞれの着脱方向への移動が解除され、装置本体に対して該像担持体及び該中間転写ユニットの着脱が可能となるような規制手段を有することを特徴とする画像形成装置。
【請求項5】
請求項4の画像形成装置において、
上記操作レバーが上記第1の位置にない場合には、装置本体の画像形成動作が行えないように構成したことを特徴とする画像形成装置。
【請求項6】
請求項4または5の画像形成装置において、
上記像担持体を装置本体内の装着した際に、該像担持体が装置本体内の所定の位置に装着されていないと、上記操作レバーを上記第2の位置から上記第1の位置に向かって変位させたときに該像担持体と上記規制手段とが干渉し合い、上記操作レバーを上記第2の位置から上記第1の位置に変位させることができないように構成したことを特徴とする画像形成装置。
【請求項7】
請求項4、5または6の画像形成装置において、
上記ベルトユニットを装置本体内の装着した際に、該ベルトユニットが装置本体内の所定の位置に装着されていないと、上記操作レバーを上記第2の位置に向かって変位させたときに該ベルトユニットと上記規制手段とが干渉し合い、上記操作レバーを上記第2の位置から上記第1の位置に変位させることができないように構成したことを特徴とする画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【公開番号】特開2010−85593(P2010−85593A)
【公開日】平成22年4月15日(2010.4.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−253025(P2008−253025)
【出願日】平成20年9月30日(2008.9.30)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】