説明

画像形成装置

【課題】表示面に画像を表示することにより、省電力化を図ることのできる画像形成装置を提供すること。
【解決手段】画像形成装置1は、表示面91に形成された描画領域911に、光を走査することにより画像を表示するよう構成されたプロジェクター2と、検知領域S1内に人間が存在するが否かを検知する人感センサ7と、人感センサ7の検知結果に基づいて、プロジェクター2の駆動を制御する制御手段8とを有する。制御手段8は、人感センサ7が検知領域S内に人間の存在を検知した場合には、描画領域911に画像を表示させ、人感センサ7が検知領域S内に人間の存在を検知しない場合には、描画領域911に画像を表示しないように、プロジェクター2の駆動を制御する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
スクリーン等の対象物の表面に光を投影し、スクリーンの投影面に所望の画像を表示させる器具としてプロジェクターが用いられている。また、このようなプロジェクターとして、光を1次元または2次元に走査することのできる光スキャナーを用いたものが広く知られている(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1に記載のプロジェクターでは、互いに直交するx軸およびy軸を設定した時に、光反射部を有する可動板がx軸周りに回動する第1の光スキャナーと、光反射部を有する可動板がy軸まわりに回動する第2の光スキャナーと、レーザーなどの光を出射する光源装置とを有している。このようなプロジェクターにおいては、光源装置から出射された光を第1の光スキャナーによって走査し、走査した光をさらに第2の光スキャナーにより走査することにより2次元的に光を走査し、スクリーンに所望の画像を表示させるように構成されている。
【0003】
ここで、近年、例えば人通り、駅の構内やビル、ホテル等のロビー等にスクリーンを設置し、このスクリーンに上述のようなプロジェクターを用いて所望の画像(プロモーション映像、CM等の映像)を表示することにより、スクリーン周囲の人間に宣伝・広告を行うといったことが行われている。
しかしながら、特許文献1に記載のプロジェクターでは、スクリーンに画像を表示させることができても、スクリーンを眺める人間の存在(スクリーンの周囲にいる人間の存在)を把握することができない。そのため、例えば、スクリーンを眺める人間がいないにも関わらず、スクリーンに画像が表示され続ける場合がある。すなわち、特許文献1のプロジェクターでは、無駄な駆動(例えば、宣伝・広告効果がほとんど得られないような状態での駆動)時間が多く、省電力化(低消費電力化)を図ることができない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008−116668号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、必要な時に、描画領域に画像を表示することにより、省電力化を図ることのできる画像形成装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
このような目的は、下記の本発明により達成される。
本発明の画像形成装置は、表示面に形成された描画領域に、光を走査することにより画像を表示するよう構成されたプロジェクターと、
検知領域内に人間が存在するか否かを検知する人感センサと、
前記人感センサの検知結果に基づいて、前記プロジェクターの駆動を制御する制御手段とを有することを特徴とする。
これにより、必要な時に、描画領域に画像を表示することがきるため、省電力化を図ることができる。
【0007】
本発明の画像形成装置では、前記制御手段は、前記人感センサが前記検知領域内に人間の存在を検知した場合には、前記描画領域に前記画像を表示させ、前記人感センサが前記検知領域内に人間の存在を検知しない場合には、前記描画領域に前記画像を表示しないように、前記プロジェクターの駆動を制御することが好ましい。
これにより、描画領域の周囲に人間が位置する場合のみプロジェクターを駆動させることができるため、画像形成装置の省電力化を図ることができる。また、例えば、検知領域内に侵入した人間を検知して、描画領域に画像が表示されると、検知領域内に侵入した人間は、急に描画領域に表示された画像に関心を持ち、描画領域に表示された画像を凝視することもある。このようなことから、描画領域付近を通過する人間に、描画領域に表示された画像に対して関心および興味を持たせることができ、例えば、画像がコマーシャル、プロモーションビデオ等の宣伝であった場合には、すぐれた広告宣伝効果を発揮することができる。
【0008】
本発明の画像形成装置では、前記プロジェクターは、光を出射する光出射部と、
前記光出射部から出射された光を反射する光反射部を備えた可動板が少なくとも一方向または互いに直交する二方向へ回動可能に設けられ、当該回動によって前記光反射部で反射した光を前記描画領域に走査する光スキャナーとを有していることが好ましい。
これにより、プロジェクターの構成が比較的簡単となる。
【0009】
本発明の画像形成装置では、前記制御手段は、前記人感センサが前記検知領域内に人間の存在を検知しない場合には、前記光出射部からのレーザーの出射を停止することが好ましい。
これにより、より画像形成装置の省電力化を図ることができる。
本発明の画像形成装置では、前記描画領域は、前記プロジェクターの近傍に設けられており、前記プロジェクターは、近接投射により、前記描画領域に画像を表示することが好ましい。
これにより、プロジェクターから出射される光の光路長を短くすることができるため、より確実に描画領域の所望の位置に光を走査することができる。また、プロジェクターから出射された光が、例えば歩行者等に遮られるのを防止することができるため、周囲の環境(人口密度等)に影響されずに、描画領域に所望の画像を表示することができる。
【0010】
本発明の画像形成装置では、前記プロジェクターは、前記検知領域の前記描画領域から最も遠位な位置からでも前記検知領域内の人間が認識可能な画像を前記描画領域に表示することが好ましい。
これにより、検知領域内に位置する全ての人間が、描画領域に表示された画像の内容を認識することができる。
【0011】
本発明の画像形成装置では、前記描画領域は、前記検知領域内に設定されていることが好ましい。
これにより、描画領域付近の人間の存在を、見逃すことなく確実に検知することができる。
本発明の画像形成装置では、前記プロジェクターは、前記描画領域に表示される画像の歪みを補正する歪み補正手段を有することが好ましい。
これにより、描画領域に歪みが補正された画像を表示することができる。
【0012】
本発明の画像形成装置では、前記プロジェクターは、前記描画領域に対して鉛直方向下側に設けられていることが好ましい。
これにより、描画領域に照射される外光の量を調節し易くなる。
本発明の画像形成装置では、前記表示面は、壁の表面であり、
前記描画領域は、前記壁の表面に形成されていることが好ましい。
これにより、画像形成装置の利便性が向上する。
【0013】
本発明の画像形成装置では、前記表示面は、床の表面または天井の表面であり、
前記描画領域は、前記床の表面または前記天井の表面に形成されていることが好ましい。
これにより、画像形成装置の利便性が向上する。
本発明の画像形成装置では、前記表示面は、壁の表面および床の表面であり、
前記描画領域は、前記壁の表面と前記床の表面とに跨って形成されていることが好ましい。
これにより、画像形成装置の利便性が向上する。
【0014】
本発明の画像形成装置では、前記表示面は、壁の表面および天井の表面であり、
前記描画領域は、前記壁の表面と前記天井の表面とに跨って形成されていることが好ましい。
これにより、画像形成装置の利便性が向上する。
本発明の画像形成装置では、前記表示面は、スクリーンの表面であり、
前記描画領域は、前記スクリーンの表面に形成されているのが好ましい。
これにより、画像の視認性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の画像形成装置の第1実施形態を示す図である。
【図2】図1に示す画像形成装置のブロック図である。
【図3】図2に示すプロジェクターの構成図である。
【図4】図3に示す光スキャナーの部分断面斜視図である。
【図5】図4に示す光スキャナーの駆動を説明する断面図である。
【図6】図3に示すプロジェクターの歪み補正手段、光走査部および光源ユニットを示すブロック図である。
【図7】図3に示すプロジェクターの動作を説明するための図(aは、側面図、bは、正面図)である。
【図8】図3に示すプロジェクターの作動中の光スキャナー(水平走査用の光スキャナー)の可動板の振れ角(振れ角の経時的変化)を示すグラフである。
【図9】図3に示すプロジェクターの作動中の光スキャナー(垂直走査用の光スキャナー)の可動板の角度(角度の経時的変化)を示すグラフである。
【図10】図3に示すプロジェクターの変形例およびその動作を示す図(aは、側面図、bは、正面図)である。
【図11】図2に示す人感センサの検知領域を示す図である。
【図12】本発明の画像形成装置の第2実施形態を示す図である。
【図13】本発明の画像形成装置の第3実施形態を示す図である。
【図14】本発明の画像形成装置の第3実施形態の変形例を示す図である。
【図15】本発明の画像形成装置の第4実施形態を示す図である。
【図16】本発明の画像形成装置の第4実施形態の変形例を示す図である。
【図17】本発明の画像形成装置の第5実施形態を示す図である。
【図18】本発明の画像形成装置の第5実施形態の変形例を示す図である。
【図19】本発明の画像形成装置の第6実施形態を示す図である。
【図20】本発明の画像形成装置の第6実施形態の変形例を示す図である。
【図21】本発明の第2実施形態に係る画像形成装置が備えるプロジェクターが有する光スキャナーを示す模式的平面である。
【図22】図21中のB−B線断面図である。
【図23】図21に示す光スキャナーが備える駆動手段の電圧印加手段を示すブロック図である。
【図24】図23に示す第1の電圧発生部および第2の電圧発生部で発生する電圧の一例を示す図である。
【図25】本発明の第7実施形態に係る画像形成装置が備えるプロジェクターの動作を説明するための図(aは、側面図、bは、正面図)である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の画像形成装置の好適な実施形態について、添付図面を参照しつつ説明する。
<第1実施形態>
図1は、本発明の画像形成装置の第1実施形態を示す図、図2は、図1に示す画像形成装置のブロック図、図3は、図2に示すプロジェクターの構成図、図4は、図3に示す光スキャナーの部分断面斜視図、図5は、図4に示す光スキャナーの駆動を説明する断面図、図6は、図3に示すプロジェクターの歪み補正手段、光走査部および光源ユニットを示すブロック図、図7は、図3に示すプロジェクターの動作を説明するための図(aは、側面図、bは、正面図)、図8は、図3に示すプロジェクターの作動中の光スキャナー(水平走査用の光スキャナー)の可動板の振れ角(振れ角の経時的変化)を示すグラフ、図9は、図3に示すプロジェクターの作動中の光スキャナー(垂直走査用の光スキャナー)の可動板の角度(角度の経時的変化)を示すグラフ、図10は、図3に示すプロジェクターの変形例およびその動作を示す図(aは、側面図、bは、正面図)、図11は、図2に示す人感センサの検知領域を示す図である。なお、以下では、説明の都合上、図4、図5、図7、図10中の上側を「上」、下側を「下」、右側を「右」、左側を「左」と言う。
【0017】
図1に示す画像形成装置1は、例えば駅構内やビル、ホテル等の建物の壁Wに設置されたスクリーン9の表面(表示面)91に形成された描画領域911に、必要時に、静止画や動画(特に、コマーシャル、プロモーションビデオ)等の所定の画像を表示する装置である。必要な時にだけ、描画領域911に画像を表示することにより、画像形成装置1の省電力化を図ることができる。
【0018】
このように本実施形態では、前記画像をスクリーン9の表示面91に形成された描画領域911に表示するため、画像の視認性が向上する。スクリーン9の構成材料としては、特に限定されず、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、ポリアミド、アクリル系樹脂、ABS樹脂、フッ素系樹脂、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、またはこれらを主とする共重合体、ブレンド体、ポリマーアロイ等が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0019】
図2に示すように、画像形成装置1は、描画領域911に光を走査し画像を描画するプロジェクター2と、スクリーン9付近の人間の存在の有無を検知する人感センサ7と、人感センサ7の検知結果に基づいてプロジェクター2の駆動を制御する制御手段8とで構成されている。また、画像形成装置1は、筐体11を有しており、この筐体11内に、プロジェクター2、人感センサ7および制御手段8が収容されている。このような画像形成装置1は、スクリーン9付近に人間が存在する場合にのみ描画領域911に画像を表示するように構成されている。
【0020】
図3に示すように、プロジェクター2は、光を出射する光源ユニット(光出射部)3と、描画領域911に対して光源ユニット3から出射した光を走査する光走査部4と、描画領域911に表示される画像の歪みを補正(台形補正)する歪み補正手段(作動制御装置)5とを有している。
図3に示すように、光源ユニット3は、各色のレーザー光源31r、31g、31bと、各色のレーザー光源31r、31g、31bに対応して設けられたコリメーターレンズ32r、32g、32bおよびダイクロイックミラー33r、33g、33bとを備えている。
【0021】
また、図6に示すように、各色のレーザー光源31r、31g、31bは、それぞれ、駆動回路310r、310g、310bと、赤色の光源320r、緑色の光源320g、青色の光源320bとを有しており、図3に示すように、赤色、緑色および青色のレーザー光RR、GG、BBを出射する。レーザー光RR、GG、BBは、それぞれ、歪み補正手段5の後述する光源変調部54から送信される駆動信号に対応して変調された状態で出射され、コリメート光学素子であるコリメーターレンズ32r、32g、32bによって平行化されて細いビームとされる。
ダイクロイックミラー33r、33g、33bは、それぞれ、赤色レーザー光RR、緑色レーザー光GG、青色レーザー光BBを反射する特性を有し、各色のレーザー光RR、GG、BBを結合して1つのレーザー光(光)LLを出射する。
【0022】
なお、コリメーターレンズ32r、32g、32bに代えてコリメーターミラーを用いることができ、この場合も、平行光束の細いビームを形成することができる。また、各色のレーザー光源31r、31g、31bから平行光束が出射される場合、コリメーターレンズ32r、32g、32bは、省略することができる。さらに、レーザー光源31r、31g、31bについては、同様の光束を発生する発光ダイオード等の光源に置換することができる。また、図3の各色のレーザー光源31r、31g、31b、コリメーターレンズ32r、32g、32b、及びダイクロイックミラー33r、33g、33bの順番はあくまで1例であり、各色の組み合わせ(赤色はレーザー光源31r、コリメーターレンズ32r、ダイクロイックミラー33r、緑色はレーザー光源31g、コリメーターレンズ32g、ダイクロイックミラー33g、青色はレーザー光源31b、コリメーターレンズ32b、ダイクロイックミラー33b)を保持したままその順序は自由に設定できる。例えば、光走査部4に近い順に、青色、赤色、緑色という組み合わせも可能である。
【0023】
次に、光走査部4について説明する。
光走査部4は、光源ユニット3から出射したレーザー光LLを描画領域911に対し、水平方向(第1の方向)に走査(水平走査:主走査)すると共に、水平方向の走査速度よりも遅い走査速度で垂直方向(第1の方向に直交する第2の方向)に走査(垂直走査:副走査)することで2次元的に走査するものである。
【0024】
この光走査部4は、光源ユニット3から出射したレーザー光LLを描画領域911に対し、水平方向に走査する水平走査用ミラーである光スキャナー(第1の方向走査部)41と、光スキャナー41の後述する可動板411aの角度(挙動)を検出する角度検出手段(挙動検出手段)43と、光源ユニット3から出射したレーザー光LLを描画領域911に対し、垂直方向に走査する垂直走査用ミラーである光スキャナー(第2の方向走査部)42と、光スキャナー42の後述する可動板421aの角度(挙動)を検出する角度検出手段(挙動検出手段)44とを有している。
【0025】
以下、光スキャナー41、42の構成について説明するが、光スキャナー41、42は、互いに同様の構成であるため、以下では光スキャナー41について代表して説明し、光スキャナー42については、その説明を省略する。
図4に示すように、光スキャナー41は、いわゆる1自由度振動系のものであり、基体411と、基体411の下面に対向するよう設けられた対向基板413と、基体411と対向基板413との間に設けられたスペーサー部材412とを有している。
【0026】
基体411は、可動板411aと、可動板411aを回動可能に支持する支持部411bと、可動板411aと支持部411bとを連結する1対の連結部411c、411dとを有している。
可動板411aは、その平面視にて、略長方形状をなしている。このような可動板411aの上面には、光反射性を有する光反射部(ミラー)411eが設けられている。光反射部411eの表面(上面)は、光を反射する反射面を構成している。光反射部411eは、例えば、Al、Ni等の金属膜で構成されている。また、可動板411aの下面には、永久磁石414が設けられている。
【0027】
支持部411bは、可動板411aの平面視にて、可動板411aの外周を囲むように設けられている。すなわち、支持部411bは、枠状をなしていて、その内側に可動板411aが位置している。
連結部411cは、可動板411aの左側にて、可動板411aと支持部411bとを連結し、連結部411dは、可動板411aの右側にて、可動板411aと支持部411bとを連結している。
【0028】
連結部411c、411dは、それぞれ、長手形状をなしている。また、連結部411c、411dは、それぞれ、弾性変形可能である。このような1対の連結部411c、411dは、互いに同軸的に設けられており、この軸(以下「回動中心軸J1」と言う)を中心として、可動板411aが支持部411bに対して回動する。
このような基体411は、例えば、シリコンを主材料として構成されていて、可動板411aと支持部411bと連結部411c、411dとが一体的に形成されている。このように、シリコンを主材料とすることにより、優れた回動特性を実現できるとともに、優れた耐久性を発揮することができる。また、微細な処理(加工)が可能であり、光スキャナー41の小型化を図ることができる。
【0029】
スペーサー部材412は、枠状をなしていて、その上面が基体411の下面と接合している。また、スペーサー部材412は、可動板411aの平面視にて、支持部411bの形状とほぼ等しくなっている。このようなスペーサー部材412は、例えば、各種ガラス、各種セラミックス、シリコン、SiOなどで構成されている。
なお、スペーサー部材412と基体411との接合方法としては、特に限定されず、例えば、接着剤等の別部材を介して接合してもよいし、スペーサー部材412の構成材料などによっては陽極接合などを用いてもよい。
【0030】
対向基板413は、スペーサー部材412と同様に、例えば、各種ガラス、シリコン、SiOなどで構成されている。このような対向基板413の上面であって、可動板411aと対向する部位には、コイル415が設けられている。
永久磁石414は、板棒状をなしていて、可動板411aの下面に沿って設けられている。このような永久磁石414は、可動板411aの平面視にて、回動中心軸J1に対して直交する方向に磁化(着磁)されている。すなわち、永久磁石414は、両極(S極、N極)を結んだ線分が、回動中心軸J1に対して直交するよう設けられている。
【0031】
このような永久磁石414としては、特に限定されず、例えば、ネオジウム磁石、フェライト磁石、サマリウムコバルト磁石、アルニコ磁石などを用いることができる。
コイル415は、可動板411aの平面視にて、永久磁石414の外周を囲むように設けられている。
また、光スキャナー41は、コイル415に電圧を印加する電圧印加手段416を有している。電圧印加手段416は、印加する電圧の電圧値や周波数等の各条件を調整(変更)し得るように構成されている。電圧印加手段416、コイル415および永久磁石414により、可動板411aを回動させる駆動手段417が構成される。
【0032】
コイル415には、歪み補正手段5の制御により、電圧印加手段416から所定の電圧が印加され、所定の電流が流れる。
例えば、歪み補正手段5の制御により、電圧印加手段416からコイル415に交番電圧を印加すると、それに応じて電流が流れ、可動板411aの厚さ方向(図4中上下方向)の磁界が発生し、かつ、その磁界の向きが周期的に切り換わる。すなわち、コイル415の上側付近がS極、下側付近がN極となる状態Aと、コイル415の上側付近がN極、下側付近がS極となる状態Bとが交互に切り換わる。
【0033】
状態Aでは、図5(a)に示すように、永久磁石414の右側が、コイル415への通電により発生する磁界との反発力により上側へ変位するとともに、永久磁石414の左側が、前記磁界との吸引力により下側へ変位する。これにより、可動板411aが反時計回りに回動して傾斜する。
反対に、状態Bでは、図5(b)に示すように、永久磁石414の右側が下側へ変位するとともに、永久磁石414の左側が上側へ変位する。これにより、可動板411aが時計回りに回動して傾斜する。
【0034】
このような状態Aと状態Bとを交互に繰り返すことにより、連結部411c、411dを捩り変形させながら、可動板411aが回動中心軸J1まわりに回動(振動)する。
また、歪み補正手段5の制御により、電圧印加手段416からコイル415に印加する電圧を調整することにより、流れる電流を調整することができ、これにより、可動板411a(光反射部411eの反射面)の回動中心軸J1を中心とする振れ角(振幅)を調整することができる。
なお、このような光スキャナー41の構成としては、可動板411aを回動させることができれば、特に限定されず、例えば、駆動方式については、コイル415と永久磁石414とを用いた電磁駆動に代えて、例えば、圧電素子を用いた圧電駆動や静電引力を用いた静電駆動としてもよい。
【0035】
図3に示すように、上述のような構成の光スキャナー41、42は、互いの回動中心軸J1、J2が直交するように設けられている。光スキャナー41、42をこのように設けることにより、描画領域911に対し、光源ユニット3から出射したレーザー光LLを2次元的に(互いに直交する2方向に)走査することができる。これにより、比較的簡単な構成で、描画領域911に2次元画像を描画することができる。
【0036】
具体的に説明すれば、光源ユニット3から出射した光は、光スキャナー41の光反射部411eの反射面で反射し、次いで、光スキャナー42の光反射部421eの反射面で反射し、スクリーン9の描画領域911に投射(照射)される。そして、光スキャナー41の光反射部411eを回動させるとともに、その角速度(速度)よりも遅い角速度で光スキャナー42の光反射部421eを回動させることにより、光源ユニット3から出射したレーザー光LLは、描画領域911に対し、水平方向に走査されるとともに、その水平方向の走査速度よりも遅い走査速度で垂直方向に走査される。これにより、光源ユニット3から出射したレーザー光LLは、描画領域911に対し、2次元的に走査され、描画領域911に画像が描画される。
【0037】
ここで、光スキャナー41の光反射部411eの角速度よりも遅い角速度で光スキャナー42の光反射部421eを回動させるために、例えば、光スキャナー41を共振を利用した共振駆動とし、光スキャナー42を共振を利用しない非共振駆動とするのが好ましい。
なお、光源ユニット3から出射した光が、先に、光スキャナー42の光反射部421eで反射し、次に、光スキャナー41の光反射部411eで反射するようになっていてもよい。すなわち、先に、垂直走査がなされ、次に、水平走査がなされるように構成されていてもよい。
【0038】
次に、光スキャナー41の可動板411aの角度を検出する角度検出手段43について説明する。なお、光スキャナー42の可動板421aの角度を検出する角度検出手段44は、角度検出手段43と同様の構成であるため、その説明を省略する。
図4に示すように、角度検出手段43は、光スキャナー41の連結部411c上に設けられた圧電素子431と、圧電素子431から発生する起電力を検出する起電力検出部432と、起電力検出部432の検出結果に基づいて可動板411aの角度を求める(挙動を検知する)角度検知部433とを有している。
【0039】
圧電素子431は、可動板411aの回動に伴って連結部411cが捩り変形すると、それに伴って変形する。圧電素子431は、外力が付与されていない自然状態から変形すると、その変形量に応じた大きさの起電力を発生する性質を有しているため、角度検知部433は、起電力検出部432で検出された起電力の大きさに基づいて、連結部411cの捩れの程度を求め、さらに、その捩れの程度から可動板411a(光反射部411eの反射面)の角度を求める。また、角度検知部433は、可動板411aの回動中心軸J1を中心とする振れ角を求める。この可動板411aの角度および振れ角の情報を含む信号は、角度検知部433から歪み補正手段5に送信される。
【0040】
なお、前記検出する可動板411aの角度は、光スキャナー41のいずれの状態のときを基準(角度が0°)としたときの角度に設定してもよく、例えば、光スキャナー41の初期状態(コイル415に電圧が印加されていない状態)のときを基準(角度が0°)としたときの角度に設定することができる。
また、前記可動板411aの角度の検出は、リアルタイムで(連続的に)行ってもよく、また、間欠的に行ってもよい。また、角度検出手段43としては、可動板411aの角度を検出することができれば、本実施形態のような圧電素子を用いたものに限定されない。
【0041】
次に、歪み補正手段5について説明する。
プロジェクター2では、前述のような1対の光スキャナー41、42を用いて描画領域911に画像を表示(描画)する際、描画領域911までの光路差に起因する歪み、例えば、描画領域911に表示された画像の上側と下側とで、横方向(水平方向)の長さが異なる「台形歪み」と呼ばれる歪みが発生する。歪み補正手段5は、このような画像の歪みを補正する機能を有している。
【0042】
図6に示すように、歪み補正手段5は、画像を描画する際に用いられる映像データ(画像データ)を記憶する映像データ記憶部(映像データ記憶手段)51と、映像データ演算部52と、描画タイミング生成部53と、光源変調部(光変調部)54と、振れ角演算部(振幅演算部)55と、角度指示部56と、検量線を記憶する検量線記憶部(検量線記憶手段)57とを有している。
【0043】
プロジェクター2は、垂直方向の走査(以下、単に「垂直走査」とも言う)を往路および復路のそれぞれで行い、その垂直走査の往路および復路のそれぞれにおいて、水平方向の走査(以下、単に「水平走査」とも言う)を往路および復路のそれぞれで行うことにより描画領域911に画像を描画する。
また、プロジェクター2は、水平走査を行うに際し、光源ユニット3からレーザー光LLを出射した光出射状態(以下、単に「光出射状態」とも言う)で描画領域911上でのレーザー光LLの水平方向の振れ幅(以下、単に「レーザー光(光)LLの振れ幅」とも言う)が、可動板411aの回動中心軸J1を中心とする振れ角(以下、単に「可動板411aの振れ角」とも言う)の調整(調整手段による調整)を行わない場合に比べて、垂直方向に沿って揃うように、可動板411aの振れ角を調整するよう構成されている。特に、光出射状態でレーザー光LLの振れ幅が垂直方向に沿って一定になるように、可動板411aの振れ角を調整するよう構成されているのが好ましい。これにより、時間開口率を高くしつつ、画像の台形歪みを防止することができる。本実施形態では、代表的に、前記振れ幅が垂直方向に沿って一定になるように調整する場合について説明する。
【0044】
なお、前記振れ幅とは、光出射状態で、可動板411aが時計回り(所定方向)に最大角度まで回動したときの描画領域911と同一平面上でのレーザー光LLの位置と、それに続いて可動板411aが反時計回り(前記と逆方向)に最大角度まで回動したときの描画領域911と同一平面上でのレーザー光LLの位置との水平方向の距離(間隔)、すなわち、図7に示すように、光出射状態でそのレーザー光LLを描画領域911上に2次元的に走査したときの、描画領域911上でのレーザー光LLの軌跡である複数の描画ライン(走査ライン)Lのそれぞれの水平方向の長さである。
【0045】
図7に示すように、前記複数の描画ラインLは、ジグザグに配置される。各描画ラインLのうち、左側の端部および右側端部は、それぞれ、光スキャナー41の光反射部411eの角速度(速度)が小さく、描画に適さない。このため、その左側端部および右側端部を除いて描画領域911を設定する。なお、描画領域911は、例えば、長方形(正方形を含む)をなすように設定される。
【0046】
光スキャナー41の可動板411aの振れ角が一定の場合は、光出射状態でのレーザー光LLの振れ幅は、光スキャナー42の可動板421aの角度に応じて変化し、レーザー光LLが走査される描画領域911上の垂直方向の位置(描画ラインLの垂直方向の位置)がプロジェクター2から遠いほど長くなる。そこで、プロジェクター2では、可動板421aの角度に応じて可動板411aの振れ角を調整する。すなわち、レーザー光LLが走査される描画領域911上の垂直方向の位置(描画ラインLの垂直方向の位置)がプロジェクター2から遠いほど、可動板411aの振れ角を小さくすることにより、光出射状態でのレーザー光LLの振れ幅を垂直方向に沿って一定にする。
【0047】
検量線記憶部57には、光出射状態でレーザー光LLの振れ幅が垂直方向に沿って一定になる、描画領域911に走査するレーザー光LLの描画領域911上の垂直方向の位置(描画ラインLの垂直方向の位置)と、可動板411aの振れ角との関係を示すテーブルや演算式(関数)等の検量線が記憶(格納)される。画像を描画する際は、その検量線を用い、描画領域911に走査するレーザー光LLの描画領域911上の垂直方向の位置に基づいて、前記振れ角の目標値(目標振れ角)を求める。なお、検量線は、計算で求めることができ、予め、検量線記憶部57に記憶される。
【0048】
また、このプロジェクター2では、描画領域911において、上側から奇数番目の各描画ラインLについて、隣り合う描画ラインL同士の垂直方向の間隔が一定になり、同様に、上側から偶数番目の各描画ラインLについて、隣り合う描画ラインL同士の垂直方向の間隔が一定になるように、可動板421aの角度や角速度を調整するのが好ましい。これにより、画像の垂直方向の歪みを防止することができる。
【0049】
本実施形態では、例えば、各描画ラインLの描画開始の際における描画領域911の左側の端部および右側の端部において、それぞれ、隣り合う描画ラインLの垂直方向の間隔が一定になるように可動板421aの角度を調整し、可動板421aの角速度を所定の値に設定する。すなわち、各描画ラインLについて、隣り合う描画開始点の垂直方向の間隔が一定になるように可動板421aの角度を調整し、可動板421aの角速度は、描画ラインL毎に一定の値に設定する。なお、描画ラインLの垂直方向の位置がプロジェクター2から遠いほど、可動板421aの角速度は、小さく設定される。これにより、比較的簡単な制御で、画像の垂直方向の歪みを防止することができる。
【0050】
次に、スクリーン9の描画領域911に画像を描画する際のプロジェクター2の動作(作用)について説明する。
まず、プロジェクター2に映像データが入力される。入力された映像データは、映像データ記憶部51に一時的に記憶され、その映像データ記憶部51から読み出され、その映像データを用いて画像の描画が行われる。この場合、映像データのすべてが映像データ記憶部51に記憶された後に、画像の描画を開始してもよく、また、映像データの一部が映像データ記憶部51に記憶された後に、画像の描画を開始し、その画像の描画と並行して続きの映像データを映像データ記憶部51に記憶するようにしてもよい。
【0051】
映像データの一部が映像データ記憶部51に記憶された後に画像の描画を開始する場合は、初めに、少なくとも1フレーム分、好ましくは、2フレーム分以上(例えば、2フレーム分)の映像データを映像データ記憶部51に記憶し、その後に画像の描画を開始する。その理由は、このプロジェクター2では、垂直走査の往路および復路のそれぞれにおいて水平走査を行って画像を描画(以下、単に「垂直方向で往復描画」とも言う)し、後述するように、垂直走査の往路において画像を描画する際と、垂直走査の復路において画像を描画する際とで、映像データ記憶部51からの映像データの読み出し順序を逆にするので、垂直走査の復路において画像の描画を開始する際、映像データを反対側から読み出すためには、少なくともその復路における画像の描画に用いる1フレーム分の映像データが映像データ記憶部51に記憶されている必要があるためである。
【0052】
描画タイミング生成部53では、描画タイミング情報および描画ライン情報がそれぞれ生成される。描画タイミング情報は、映像データ演算部52に送出され、描画ライン情報は、振れ角演算部55に送出される。
描画タイミング情報には、描画を行うタイミングの情報等が含まれる。また、描画ライン情報には、描画を行う描画ラインLの垂直方向の位置(可動板421aの角度)の情報等が含まれる。なお、描画ラインLのいずれの部位の位置を前記描画ラインLの垂直方向の位置として設定してもよいが、例えば、左側の先端、右側の先端、中央等が挙げられる。
【0053】
映像データ演算部52は、描画タイミング生成部53から入力された描画タイミング情報に基づいて、映像データ記憶部51から描画する画素に対応する映像データを読み出し、各種の補正演算等を行った後、各色の輝度データを光源変調部54に送出する。
光源変調部54は、映像データ演算部52から入力された各色の輝度データに基づいて、各駆動回路310r、310g、310bを介して各光源320r、320g、320bの変調を行う。すなわち、各光源320r、320g、320bのオン/オフや、出力の調整(増減)等を行う。
【0054】
光スキャナー41側の角度検出手段43は、その可動板411aの角度および振れ角を検出し、その角度および振れ角の情報(可動板411aの角度情報)を歪み補正手段5の描画タイミング生成部53および振れ角演算部55に送出する。また、光スキャナー42側の角度検出手段44は、その可動板421aの角度を検出し、その角度の情報(可動板421aの角度情報)を歪み補正手段5の角度指示部56に送出する。
【0055】
描画タイミング生成部53は、現在の描画ラインLの描画が終了し、角度検出手段43から可動板411aの振れ角の情報が入力されると、それに同期して、角度指示部56に、次に描画を行う描画ラインLの描画開始点にレーザー光LLが照射されるときの可動板421aの目標角度を示す目標角度情報(角度指示)を送出する。その可動板421aの目標角度は、隣り合う描画開始点の垂直方向の間隔が一定になるように設定される。角度指示部56は、角度検出手段44で検出された可動板421aの角度と、前記可動板421aの目標角度とを比較して、その差が0になるような補正を行い、光スキャナー42の駆動手段427に駆動データを送出する。
【0056】
駆動手段427は、前記駆動データに基づいて、光スキャナー42を駆動する(コイルに電圧を印加する)。これにより、描画開始点にレーザー光LLが照射されたとき、可動板421aの角度は、前記目標角度になる。
なお、本実施形態では、各描画ラインLにおいて、描画開始点から描画終了点まで、可動板421aの角速度を一定とし、レーザー光LLの垂直方向の走査速度を一定としてもよく、また、可動板421aの角速度を徐々に変化させ、レーザー光LLの垂直方向の走査速度を徐々に変化さてもよい。
【0057】
また、描画タイミング生成部53は、振れ角演算部55に、描画ライン情報、すなわち、次に描画を行う描画ラインLの垂直方向の位置の情報を送出する。
振れ角演算部55では、検量線記憶部57から読み出された検量線を用い、描画タイミング生成部53から入力された次に描画を行う描画ラインLの垂直方向の位置の情報に基づいて、次に描画を行う描画ラインLにおける可動板411aの目標振れ角を求める。そして、角度検出手段43から入力された可動板411aの振れ角の情報と、前記可動板411aの目標振れ角とに基づいて、可動板411aの振れ角が目標振れ角となるように、光スキャナー41の駆動手段417に駆動データを送出する。
【0058】
駆動手段417は、前記駆動データに基づいて、コイル415に、光スキャナー41の共振周波数と同じ周波数の実効電圧を印加して電流を流し、所定の磁界を発生させ、実効電流の大きさや光スキャナー41と駆動波形との位相差を変化させる事で、光スキャナー41にエネルギーを供給したり、逆に、光スキャナー41からエネルギーを奪ったりする。これにより、共振運動している可動板411aの振れ角は、前記目標振れ角になる。このようにして、角度検出手段43により検出された可動板411aの振れ角の情報(検出結果)と、前記目標振れ角(目標値)とに基づいて、可動板411aの振れ角が目標振れ角になるようにその可動板411aの振れ角を調整しつつ、描画領域911の各描画ラインL上に、順次、レーザー光LLを走査し、画像を描画してゆく。
【0059】
また、描画タイミング生成部53では、描画を行うフレームが、奇数フレーム(奇数番目のフレーム)と偶数フレーム(偶数番目のフレーム)とのいずれであるかの管理を行い、それにより、可動板421aの回動方向(移動方向)と、映像データ記憶部51からの映像データの読み出し順序を決定している。すなわち、奇数フレーム(垂直方向の走査の往路)において画像を描画する際と、偶数フレーム(垂直方向の走査の復路)において画像を描画する際とで、映像データの読み出し順序を逆にする。
【0060】
また、奇数フレームと偶数フレームとで、描画領域911の同じライン上にレーザー光LLを走査する。すなわち、奇数フレームの各描画ラインLと偶数フレームの各描画ラインLとが一致するように、レーザー光LLを走査する。
具体的には、例えば、図8に示すように、1番目のフレーム(奇数番目のフレーム)については、左上から描画を開始し、ジグザグに右下まで描画し、2番目のフレーム(偶数番目のフレーム)については、可動板421aの回動方向を前記と逆にし、前記と逆に右下から左上まで描画を行う。以降、同様にして、奇数番目のフレームについては、左上から右下まで描画し、偶数番目のフレームについては、右下から左上まで描画を行う。
【0061】
なお、本実施形態では、垂直方向の走査の往路を奇数フレームとし、垂直方向の走査の復路を偶数フレームとしているが、これに限らず、垂直方向の走査の復路を奇数フレームとし、垂直方向の走査の往路を偶数フレームとしてもよい。
また、本実施形態では、1番目のフレームについて描画を開始する位置は、左上であるが、これに限らず、例えば、右上、左下、右下等であってもよい。
【0062】
また、奇数フレームと偶数フレームとで、描画領域911の異なるライン上にレーザー光LLを走査してもよい。
ここで、前記画像の描画の際の可動板411aの振れ角の経時的変化および可動板421aの振れ角の経時的変化は、下記の通りである。
水平走査では、図8に示すように、可動板411aの振れ角は、最小振れ角から徐々に増大し、最大振れ角に到達した後、徐々に減少し、最小振れ角に到達した後、再び、徐々に増大し、以降、同様に、前記動作を繰り返す。このように、プロジェクター2では、可動板411aの振れ角が急激に変化しないので、容易かつ確実に、共振を利用して動作させる形態の光スキャナー41の可動板411aの振れ角を調整することができる。
【0063】
また、垂直走査では、図9に示すように、可動板421aの振れ角は、最小振れ角から徐々に増大し、最大振れ角に到達した後、徐々に減少し、最小振れ角に到達した後、再び、徐々に増大し、以降、同様に、前記動作を繰り返す。このように、プロジェクター2では、可動板421aの振れ角が急激に変化しないので、容易かつ確実に、光スキャナー42の可動板421aの振れ角を調整することができる。また、奇数フレーム(垂直方向の走査の往路)において画像の描画を行う表示期間(描画期間)と、偶数フレーム(垂直方向の走査の復路)において画像の描画を行う表示期間との間に、画像の描画を行わない非表示期間(非描画期間)が設けられている。この表示期間において、次のフレームの描画を開始するタイミング等の各タイミングを調整することができる。
【0064】
そして、垂直方向の走査の往路および復路、すなわち、可動板421aを所定方向に回動させる際と、前記と逆方向に回動させる際との両方で、画像の描画を行うので、従来のような垂直帰線期間が不要になり、前記非表示期間を短くすることができる。これにより、時間開口率(画像の描画を行う期間の割合)を高くすることができる。
すなわち、1フレーム中の垂直方向の非表示期間を往復描画することで短くすることができ、これにより、垂直時間開口率が高くなり、垂直走査の往路のみで水平走査を行って画像を描画する場合と可動板411aの角速度(速度)が同じときは、その往路のみで画像を描画する場合に比べ、単位時間当たりのフレーム数(コマ数)を多くすることができる。これによって、動画における早い動きにも容易に対応することができる。逆に言えば、垂直走査の往路のみで水平走査を行って画像を描画する場合と単位時間当たりのフレーム数が同じときは、その往路のみで画像を描画する場合に比べ、可動板411aの角速度を小さくすることができ、これによって、安定的に画像を描画することができる。また、上記の場合で、可動板411aの角速度を変化させない時には、より垂直解像度の高い描画が可能となる。
【0065】
ここで、実際には、例えば、光スキャナー41、42の可動板411a、421aの慣性(慣性モーメントが)が大きく、可動板411a、421aが瞬時には追従しない場合がある。このような場合は、例えば、光スキャナー41、42の駆動電流をゼロにするか、または光スキャナー41、42を逆相(制動)で駆動する場合もある。
以上説明したように、このプロジェクター2によれば、時間開口率を高くしつつ、可動板411a、421aの振れ角を急激に変化させることなく、歪み補正手段5によって、画像の台形歪みを防止することができる。
また、垂直走査の往路および復路のそれぞれにおいて、水平走査を行って画像を描画するので、垂直走査において往路から復路に切り替わる際や、復路から往路に切り替わる際に、可動板421aの振れ角を急激に変化させる必要がなくなり、これにより、容易かつ確実に、可動板421aの振れ角を調整することができる。
【0066】
次に、図10に基づいて、変形例を説明する。
図10に示すプロジェクター2では、光出射状態でレーザー光LLの振れ幅は、垂直方向に沿って一定になっていないが、光出射状態でレーザー光LLの振れ幅が、可動板411aの振れ角の調整を行わない場合に比べて、垂直方向に沿って揃うように、可動板411aの振れ角を調整するよう構成されている。これにより、画像を描画することが可能な描画可能領域912の上側の幅が減少し、描画可能領域912の形状は、長方形(正方形を含む)に近づき、非描画領域を小さくすることができる。
【0067】
このプロジェクター2では、表示面91上、すなわち、描画可能領域912内に長方形の描画領域911を形成し、光源ユニット3から出射したレーザー光LLがその描画領域911内に投射(照射)されるように光源ユニット3の駆動を制御する。これにより、画像の台形歪みを防止することができる。
以上、プロジェクター2の構成について説明した。本実施形態の用に、光スキャナー41、42を用いることにより、プロジェクター2の構成が比較的簡単となる。
【0068】
このようなプロジェクター2は、スクリーン9の近傍に設けられており、近接投射により、描画領域911に画像を表示(描画)する。これにより、プロジェクター2から出射されるレーザー光LLの光路長を短くすることができるため、より確実に描画領域911の所望の位置にレーザー光LLを走査することができるとともに、より密な画像(高画素な画像)を表示することができる。また、プロジェクター2から出射されたレーザー光LLが、例えば歩行者等に遮られるのを防止することができるため、周囲の環境(人口密度等)に影響されずに、描画領域911に所望の画像を表示することができる。なお、プロジェクター2の配置は、特に限定されず、例えば、スクリーン9から遠位な位置に配置されていてもよい(すなわち、近接投射でなくてもよい)。
【0069】
また、本実施形態では、プロジェクター2は、スクリーン9の鉛直方向下側に設けられており、上方に向けてレーザー光LLを走査することで、描画領域911に画像を描画するように構成されている。このように、プロジェクター2をスクリーン9の下側に配置することにより、スクリーン9の描画領域911に照射される外光の量を調節し易くなる。なお、プロジェクターの配置は、これに限定されず、例えば、スクリーン9の上方に設けられていてもよいし、スクリーンの横に設けられていてもよいし、スクリーン9の後ろ(背面側)に設けられていてもよい。
【0070】
次いで、人感センサ7について説明する。
図2に示すように、人感センサ7は、センサ部71と、記憶部72と、判断部73とで構成されている。このような人感センサ7は、後述する検知領域S1内に人間が存在するか否かを検知する機能を有している。このような人感センサ7は、筐体11内に収容されており(ただし、センサ部71は、その機能を発揮できるように、例えばその一部が筐体11から露出していてもよい)、スクリーン9の近傍に設けられている。なお、本実施形態では、人感センサ7は、筐体11に収容されているが、これに限定されず、人感センサ7を筐体11と別体として設けてもよい。
【0071】
センサ部71は、センサ部71付近の人間の存在の有無を検知することができ、さらに、センサ部71と検知した人間との離間距離を計測できるようになっている。このセンサ部71としては、上述した機能を発揮することができれば特に限定されず、例えば赤外線を利用した赤外線型センサや、超音波を利用した超音波型センサを用いることができる。さらには、赤外線型センサと超音波型センサとを組み合わせたセンサを用いることもできる。
【0072】
赤外線センサは、雰囲気温度と温度差のある物体(人間)が感知エリア内で移動したときに、その温度変化を赤外線を利用して検知することにより、センサ部71付近の人間の存在の有無や、人間までの距離を検知するセンサである。一方の超音波センサは、送波器により超音波を発信し、反射波を受波器で受信し、発信から受信までに要した時間と音速との関係を演算することにより、センサ部71付近の人間の有無や、人間までの距離を検出するセンサである。
【0073】
記憶部72には、人間の存在の有無を判断する領域である検知領域S1が設定されている。図11に示すように、検知領域S1は、鉛直線方向から見たときに、スクリーン9(描画領域911)を含むように設定されている。このように、検知領域S1をスクリーン9を含むように設定することにより、スクリーン9付近の人間の存在を、見逃すことなく確実に検知することができる。
【0074】
また、検知領域S1は、鉛直方向から見たときに、スクリーン9の描画領域911の中央部を中心とする半円をなしている。これにより、描画領域911の中央部を起点とする放射方向のいずれの方向においても検知領域S1の縁までの距離をほぼ等しくすることができる。そのため、スクリーン9付近の人間の存在を、見逃すことなく確実に検知することができる。なお、検知領域S1の形状としては、特に限定されず、例えば、長方形、正方向等の多角形であってもよく、スクリーン9の描画領域911の中央部を中心とする円形、扇型であってもよい。
【0075】
このような検知領域S1の大きさ(半径)は、描画領域911の大きさ(サイズ)によっても異なるが、検知領域S1のスクリーン9から最も遠位な位置にいる人間からでも、描画領域911に表示された画像内容を認識(識別)できる程度の大きさであることが好ましい。これにより、検知領域S1内に位置する全ての人間が、描画領域911に表示された画像の内容を認識することができることとなる。ここで、「識別できる程度」とは、例えば、描画領域911に表示された画像が人間の顔であった場合には、性別、おおよその年齢等を判別できたり、描画領域911に表示された画像が文字であった場合には、その文字が認識できたりすればよいことを意味している。
【0076】
判断部73は、センサ部71が人間を検知した場合に、前記人間との離間距離(以下、単に「離間距離D」とも言う)に基づいて、前記人間が記憶部72に記憶された検知領域S1内に位置しているか否かを判断する。そして、判断部73は、この判断結果を制御手段8に送信する。このような判断部73による判断は、リアルタイムで(連続的に)行ってもよく、また、間欠的に行ってもよい。
【0077】
具体的には、記憶部72には、検知領域S1の半径RS1が記憶されており、この半径RS1に基づいて、離間距離Dが半径RS1よりも小さければ、前記人間が第1の検知領域S1に位置していると判断し、離間距離Dが半径RS1よりも大きければ、前記人間が検知領域S1外に位置していると判断する。なお、本実施形態では、センサ部71は、スクリーン9の近傍に設けられているため、離間距離Dをスクリーン9(描画領域911の中心)と前記人間との離間距離とみなすことができる。そのため、上記のような判断方法によれば、より正確に、前記人間が検知領域S1に位置しているか否かを正確に判断することができる。
【0078】
以上、人感センサ7について説明したが、人感センサ7の構成としては、上記の構成に限定さない。例えば、センサ部71として、検知した人間との離間距離を測定することができないセンサを用いてもよい。この場合には、例えば1つのセンサを用意し、当該センサの有効検知領域を検知領域S1とする。そして、前記センサが人間を検知した場合には、検知領域S1に前記人間が位置していると判断すればよい。この場合には、記憶部72を省略することができる。
【0079】
また、例えば、センサ部71として、検知領域S1の床下に設置された1つまたは複数の圧力センサを用いてもよい。この場合には、圧力センサが反応すれば、検知領域S1に人間が位置していると判断すればよい。この場合にも、記憶部72を省略することができる。
また、センサ部71の数としては、本実施形態のような1つに限定されず、2以上のセンサ部71を配置してもよい。1つのセンサ部71では、第1の検知領域S1の全域をカバーできない場合などに有利である。
【0080】
次いで、制御手段8について説明する。
制御手段8は、人感センサ7の検知結果に基づいてプロジェクター2の駆動を制御する機能を有する。具体的には、制御手段8は、人感センサ7が検知領域S1内の人間の存在を検知した場合には、描画領域911に画像を表示させ、人感センサ7が検知領域S1内の人間の存在を検知しない場合には、描画領域911に画像を表示させないように、プロジェクター2の駆動を制御する。このような制御により、描画領域911に表示される画像を認識する可能性がある人間が存在しないにも関わらず、描画領域911に画像を表示するといったプロジェクター2の無駄な駆動を防止することができる。すなわち、画像形成装置1の省電力駆動を図ることができるとともに、プロジェクター2の無駄な駆動をなくすことにより、プロジェクター2の長寿命化を図ることができる。
【0081】
また、例えば、検知領域S1内に侵入した人間を検知して、描画領域911に画像が表示されると、前記人間は、描画領域911に急に表示された画像に関心(興味)を持ち、描画領域911に表示された画像を凝視する可能性もある。このようなことから、上述のような制御を行うことにより、スクリーン9付近を通過する人間に、描画領域911に表示された画像に対して関心(興味)を持たせることができ、例えば、画像がコマーシャル、プロモーションビデオ等の宣伝であった場合には、すぐれた広告宣伝効果を発揮することができる。
【0082】
本実施形態では、制御手段8は、人感センサ7が検知領域S1内の人間の存在を検知しない場合には、プロジェクター2が有する駆動回路310r、310g、310bの駆動を停止することにより、描画領域911に画像を表示させないようにする。これにより、確実に、描画領域911への画像を表示が停止される。また、これによれば、光源320r、光源320gおよび光源320bからレーザー光RR、GG、BBが出射されないため、プロジェクター2の省電力駆動を図ることができる。
【0083】
<第2実施形態>
次に、本発明の画像形成装置の第2実施形態について説明する。
図12は、本発明の画像形成装置の第2実施形態を示す図である。
以下、第2実施形態の画像形成装置について、前述した第1実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項については、その説明を省略する。
第2実施形態の画像形成装置は、表示対象物をスクリーンに代えて壁面としたこと以外は、第1実施形態とほぼ同様である。なお、図12にて、前述した実施形態と同様の構成には、同一符号を付してある。
【0084】
図12に示すように、本実施形態では、壁Wの壁面(表面)W1の画像形成装置1の上方に、描画領域W11が形成されている。画像形成装置1(プロジェクター2)は、この描画領域W11にレーザー光LLを走査することにより、描画領域W11に、所望の画像を表示(描画)するように構成されている。このように、壁面W1に直接、画像を表示することにより、前述した第1実施形態のようなスクリーンを配置する必要がなくなる。言い換えれば、壁面であれば、どこにでも画像を表示することができるため、画像形成装置1の利便性が向上する。
【0085】
このような第2実施形態によっても、第1実施形態と同様の効果を発揮することができる。
なお、本実施形態の「壁W」には、例えば、ディスプレイ品と観察者とを隔てるように設けられたガラス製のウィンドウ(ガラス板)等、建物の強度を保証する機能を実質的に有していないものも含まれる。前記ガラス板の表面にディスプレイ品に関する宣伝広告画像を描画すれば、優れた宣伝広告効果を得ることができる。
【0086】
<第3実施形態>
次に、本発明の画像形成装置の第3実施形態について説明する。
図13は、本発明の画像形成装置の第3実施形態を示す図、図14は、本発明の画像形成装置の第3実施形態の変形例を示す図である。
以下、第3実施形態の画像形成装置について、前述した第1実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項については、その説明を省略する。
【0087】
第3実施形態の画像形成装置は、スクリーンの配置が異なる以外は、第1実施形態とほぼ同様である。なお、図13および図14にて、前述した実施形態と同様の構成には、同一符号を付してある。
図13に示すように、本実施形態では、スクリーン9は、床Fに設けられている。一方、画像形成装置1は、壁Wに設けられている。画像形成装置1(プロジェクター2)は、このスクリーン9の描画領域911に光を走査することにより、描画領域911に、所望の画像を表示(描画)するように構成されている。ここで、例えば歩行者は下(前方斜め下)を向いて歩くことが多いため、床Fに設けられた描画領域911に画像を表示することにより、歩行者の注意を引くことができる。
【0088】
なお、本実施形態では、画像形成装置1を壁Wに設置しているが、画像形成装置1の設置位置は、特に限定されず、床Fに設置してもよい。また、画像形成装置1を壁Wに埋め込むようにして配置してもよい。
また、本実施形態の変形例として、図14に示すように、スクリーン9を省略し、床Fの床面F1に形成された描画領域F11に画像を表示してもよい。これによっても、上述した効果を発揮することができる。さらに、床面F1に直接、画像を表示することにより、画像形成装置1の利便性が向上する。
このような第3実施形態によっても、第1実施形態と同様の効果を発揮することができる。
【0089】
<第4実施形態>
次に、本発明の画像形成装置の第4実施形態について説明する。
図15は、本発明の画像形成装置の第4実施形態を示す図、図16は、本発明の画像形成装置の第4実施形態の変形例を示す図である。
以下、第4実施形態の画像形成装置について、前述した第1実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項については、その説明を省略する。
【0090】
第4実施形態の画像形成装置は、スクリーンの配置が異なる以外は、第1実施形態とほぼ同様である。なお、図15および図16にて、前述した実施形態と同様の構成には、同一符号を付してある。
図15に示すように、本実施形態では、スクリーン9は、壁Wおよび床Fに跨って、屈曲して設けられている。一方、画像形成装置1は、壁Wに設けられている。画像形成装置1(プロジェクター2)は、このスクリーン9の描画領域911に光を走査することにより、描画領域911に、所望の画像を表示(描画)するように構成されている。ここで、通常、スクリーンは、平面的に設けられるものであるため、本実施形態のように屈曲した形状のスクリーン9の描画領域911に画像を表示することにより、スクリーン9付近の人間(歩行者等)の注意を引くことができる。
【0091】
なお、本実施形態では、画像形成装置1を壁Wに設置しているが、画像形成装置1の設置位置は、特に限定されず、床Fに設置してもよい。
また、本実施形態の変形例として、図16に示すように、スクリーン9を省略し、壁Wの壁面W1および床Fの床面F1に跨って形成された描画領域WF11に画像を表示してもよい。これによっても、上述した効果を発揮することができる。さらに、壁面W1および床面F1に直接、画像を表示することにより、画像形成装置1の利便性が向上する。
このような第4実施形態によっても、第1実施形態と同様の効果を発揮することができる。
【0092】
<第5実施形態>
次に、本発明の画像形成装置の第5実施形態について説明する。
図17は、本発明の画像形成装置の第5実施形態を示す図、図18は、本発明の画像形成装置の第5実施形態の変形例を示す図である。
以下、第5実施形態の画像形成装置について、前述した第1実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項については、その説明を省略する。
【0093】
第5実施形態の画像形成装置は、画像形成装置およびスクリーンの配置が異なる以外は、第1実施形態とほぼ同様である。なお、図17および図18にて、前述した実施形態と同様の構成には、同一符号を付してある。
図17に示すように、本実施形態では、スクリーン9は、天井Cに設けられている。画像形成装置1も、天井Cに設けられている。画像形成装置1(プロジェクター2)は、このスクリーン9の描画領域911にレーザー光LLを走査することにより、描画領域911に、所望の画像を表示(描画)するように構成されている。このように、スクリーン9を天井に設けることにより、スクリーン9の位置を高くすることができるため、描画領域911に表示される画像により注目を集めることができる。
【0094】
なお、本実施形態では、画像形成装置1を天井Cに設置しているが、画像形成装置1の設置位置は、特に限定されず、壁Wに設置してもよい。
また、本実施形態の変形例として、図18に示すように、スクリーン9を省略し、天井Cの天井面C1に形成された描画領域C11に画像を表示してもよい。これによっても、上述した効果を発揮することができる。さらに、天井面C1に直接、画像を表示することにより、画像形成装置1の利便性が向上する。
このような第5実施形態によっても、第1実施形態と同様の効果を発揮することができる。
【0095】
<第6実施形態>
次に、本発明の画像形成装置の第6実施形態について説明する。
図19は、本発明の画像形成装置の第6実施形態を示す図、図20は、本発明の画像形成装置の第6実施形態の変形例を示す図である。
以下、第6実施形態の画像形成装置について、前述した第1実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項については、その説明を省略する。
【0096】
第6実施形態の画像形成装置は、画像形成装置およびスクリーンの配置が異なる以外は、第1実施形態とほぼ同様である。なお、図19および図20にて、前述した実施形態と同様の構成には、同一符号を付してある。
図19に示すように、本実施形態では、スクリーン9は、壁Wおよび天井Cに跨って、屈曲して設けられている。一方、画像形成装置1は、天井Cに設けられている。画像形成装置1(プロジェクター2)は、このスクリーン9の描画領域911にレーザー光LLを走査することにより、描画領域911に、所望の画像を表示(描画)するように構成されている。ここで、通常、スクリーンは、平面的に設けられるものであるため、本実施形態のように屈曲した形状のスクリーン9の描画領域911に画像を表示することにより、スクリーン9付近の人間(歩行者等)の注意を引くことができる。
【0097】
なお、本実施形態では、画像形成装置1を天井Cに設置しているが、画像形成装置1の設置位置は、特に限定されず、壁Wに設置してもよい。
また、本実施形態の変形例として、図20に示すように、スクリーン9を省略し、壁Wの壁面W1および天井Cの天井面C1に跨って形成された描画領域WC11に画像を表示してもよい。これによっても、上述した効果を発揮することができる。さらに、壁面W1および天井面C1に直接、画像を表示することにより、画像形成装置1の利便性が向上する。
このような第6実施形態によっても、第1実施形態と同様の効果を発揮することができる。
【0098】
<第7実施形態>
次に、本発明の画像形成装置の第7実施形態について説明する。
図21は、本発明の第2実施形態に係る画像形成装置が備えるプロジェクターが有する光スキャナーを示す模式的平面図、図22は、図21中のB−B線断面図、図23は、図21に示す光スキャナーが備える駆動手段の電圧印加手段を示すブロック図、図24は、図23に示す第1の電圧発生部および第2の電圧発生部で発生する電圧の一例を示す図、図25は、本発明の第7実施形態に係る画像形成装置が備えるプロジェクターの動作を説明するための図(aは、側面図、bは、正面図)である。なお、以下では、説明の便宜上、図21中の紙面手前側を「上」、紙面奥側を「下」、右側を「右」、左側を「左」と言い、図22中の上側を「上」、下側を「下」、右側を「右」、左側を「左」と言う。
【0099】
以下、第7実施形態の画像形成装置について、前述した第1実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項については、その説明を省略する。
第7実施形態の画像形成装置は、プロジェクターが備える光スキャナーの構成が異なる点、および描画領域911上の第1の方向の走査(水平走査)の軌跡が直線でない事以外は、第1実施形態とほぼ同様である。なお、図23および図25にて、前述した実施形態と同様の構成には、同一符号を付してある。
【0100】
光走査部4は、いわゆる2自由度振動系の1つの光スキャナー45を有している。
光スキャナー45は、図21に示すような第1の振動系46aと第2の振動系46bと支持部46cとを備える基体46と、基体46と対向配置された対向基板47と、基体46と対向基板47との間に設けられたスペーサー部材48と、永久磁石491と、コイル492とを備えている。
【0101】
第1の振動系46aは、枠状の支持部46cの内側に設けられた枠状の駆動部461aと、駆動部461aを支持部46cに両持ち支持する1対の第1の連結部462a、463aとで構成されている。
第2の振動系46bは、駆動部461aの内側に設けられた可動板461bと、可動板461bを駆動部461aに両持ち支持する1対の第2の連結部462b、463bとで構成されている。
駆動部461aは、図21の平面視にて、円環状をなしている。なお、駆動部461aの形状は、枠状をなしていれば特に限定されず、例えば、図21の平面視にて、四角環状をなしていてもよい。このような駆動部461aの下面には、永久磁石491が接合されている。
【0102】
第1の連結部462a、463aは、それぞれ、長手形状をなしており、弾性変形可能である。第1の連結部462a、463aは、それぞれ、駆動部461aを支持部46cに対して回動可能とするように、駆動部461aと支持部46cとを連結している。このような、第1の連結部462a、463aは、互いに同軸的に設けられており、この軸(以下、「回動中心軸J3」という)を中心として、駆動部461aが支持部46cに対して回動するように構成されている。
【0103】
第1の連結部462aには、駆動部461aの角度(回動中心軸J3まわりの回動角)(挙動)を検出するための圧電素子465aが設けられている。
可動板461bは、図21の平面視にて、円形状をなしている。なお、可動板461bの形状は、駆動部461aの内側に形成することができれば特に限定されず、例えば、図21の平面視にて、楕円形状をなしていてもよいし、四角形状をなしていてもよい。このような可動板461bの上面には、光反射性を有する光反射部464bが形成されている。
【0104】
第2の連結部462b、463bは、それぞれ、長手形状をなしており、弾性変形可能である。第2の連結部462b、463bは、それぞれ、可動板461bを駆動部461aに対して回動可能とするように、可動板461bと駆動部461aとを連結している。このような第2の連結部462b、463bは、互いに同軸的に設けられており、この軸(以下、「回動中心軸J4」という)を中心として、可動板461bが駆動部461aに対して回動するように構成されている。
第2の連結部462bには、可動板461bの角度(回動中心軸J4まわりの回動角)(挙動)を検出するための圧電素子465bが設けられている。
【0105】
図21に示すように、回動中心軸J3と回動中心軸J4とは、互いに直交している。また、駆動部461aおよび可動板461bの中心は、それぞれ、図21の平面視にて、回動中心軸J3と回動中心軸J4との交点上に位置している。なお、以下、説明の便宜上、回動中心軸J3と回動中心軸J4との交点を「交点G」ともいう。
図22に示すように、以上のような基体46は、スペーサー部材48を介して対向基板47と接合している。対向基板47の上面には、永久磁石491に作用する磁界を発生させるコイル492が設けられている。
【0106】
永久磁石491は、図21の平面視にて、交点Gを通り、回動中心軸J3および回動中心軸J4のそれぞれの軸に対して傾斜した線分(この線分を「線分M」とも言う)に沿って設けられている。このような永久磁石491は、交点Gに対して長手方向の一方側がS極、他方側がN極となっている。図22では、永久磁石491の長手方向の左側がS極、右側がN極となっている。
【0107】
図21の平面視にて、線分Mの回動中心軸J3に対する傾斜角θは、30〜60度であるのが好ましく、40〜50度であるのがより好ましく、ほぼ45度であるのがさらに好ましい。このように永久磁石491を設けることで、円滑に、可動板461bを回動中心軸J3および回動中心軸J4のそれぞれの軸まわりに回動させることができる。本実施形態では、線分Mは、回動中心軸J3および回動中心軸J4のそれぞれの軸に対して約45度傾斜している。
【0108】
また、図22に示すように、永久磁石491の上面には、凹部491aが形成されている。この凹部491aは、永久磁石491と可動板461bとの接触を防止するための逃げ部である。このような凹部491aを形成することにより、可動板461bが回動中心軸J3まわりに回動する際、永久磁石491と接触してしまうことを防止することができる。
【0109】
コイル492は、図21の平面視にて、駆動部461aの外周を囲むように形成されている。これにより、光スキャナー45の駆動の際、駆動部461aとコイル492との接触を確実に防止することができる。その結果、コイル492と永久磁石491との離間距離を比較的短くすることができ、コイル492から発生する磁界を効率的に永久磁石491に作用させることができる。
コイル492は、電圧印加手段493と電気的に接続されていて、電圧印加手段493によりコイル492に電圧が印加されると、コイル492から回動中心軸J3および回動中心軸J4のそれぞれの軸に直交する軸方向の磁界が発生する。
【0110】
図23に示すように、電圧印加手段493は、可動板461bを回動中心軸J3まわりに回動させるための第1の電圧V1を発生させる第1の電圧発生部493aと、可動板461bを回動中心軸J4まわりに回動させるための第2の電圧V2を発生させる第2の電圧発生部493bと、第1の電圧V1と第2の電圧V2とを重畳し、その電圧をコイル492に印加する電圧重畳部493cとを備えている。
【0111】
第1の電圧発生部493aは、第1実施形態の図9と同様、図24(a)に示すように、フレーム周波数の倍の周期T1で周期的に変化する第1の電圧V1(垂直走査用電圧)を発生させるものである。
第1の電圧V1は、三角波のような波形をなしている。そのため、光スキャナー45は、効果的に光を垂直往復走査(副走査)することができる。なお、第1の電圧V1の波形は、これに限定されない。ここで、第1の電圧V1の周波数(1/T1)は、垂直走査に適した周波数であれば、特に限定されないが、15〜40Hz(30Hz程度)であるのが好ましい。
【0112】
本実施形態では、第1の電圧V1の周波数は、駆動部461aと1対の第1の連結部462a、463aとで構成された第1の振動系46aのねじり共振周波数と異なる周波数となるように調整されている。
一方、第2の電圧発生部493bは、図24(b)に示すように、周期T1と異なる周期T2で周期的に変化する第2の電圧V2(水平走査用電圧)を発生させるものである。
【0113】
第2の電圧V2は、正弦波のような波形をなしている。そのため、光スキャナー45は、効果的に光を主走査することができる。なお、第2の電圧V2の波形は、これに限定されない。
また、第2の電圧V2の周波数は、第1の電圧V1の周波数より高く、かつ、水平走査に適した周波数であれば、特に限定されないが、10〜40kHzであるのが好ましい。このように、第2の電圧V2の周波数を10〜40kHzとし、前述したように第1の電圧V1の周波数を30Hz程度とすることで、スクリーンでの描画に適した周波数で、可動板461bを回動中心軸J3および回動中心軸J4のそれぞれの軸まわりに回動させることができる。ただし、可動板461bを回動中心軸J3および回動中心軸J4のそれぞれの軸まわりに回動させることができれば、第1の電圧V1の周波数と第2の電圧V2の周波数との組み合わせなどは、特に限定されない。
【0114】
本実施形態では、第2の電圧V2の周波数は、可動板461bと1対の第2の連結部462b、463bとで構成された第2の振動系46bのねじり共振周波数と等しくなるように調整されている。これにより、可動板461bの回動中心軸J3まわりの回動角を大きくすることができる。
また、第1の振動系46aの共振周波数をf[Hz]とし、第2の振動系46bの共振周波数をf[Hz]としたとき、fとfとが、f>fの関係を満たすことが好ましく、f≧10fの関係を満たすことがより好ましい。これにより、より円滑に、可動板461bを回動中心軸J3まわりに第1の電圧V1の周波数で回動させつつ、回動中心軸J4まわりに第2の電圧V2の周波数で回動させることができる。
【0115】
第1の電圧発生部493aおよび第2の電圧発生部493bは、それぞれ、歪み補正手段5に接続され、この歪み補正手段5からの信号に基づき駆動する。このような第1の電圧発生部493aおよび第2の電圧発生部493bには、電圧重畳部493cが接続されている。
電圧重畳部493cは、コイル492に電圧を印加するための加算器493dを備えている。加算器493dは、第1の電圧発生部493aから第1の電圧V1を受けるとともに、第2の電圧発生部493bから第2の電圧V2を受け、これらの電圧を重畳しコイル492に印加するようになっている。
【0116】
以上のような構成の光スキャナー45は、次のようにして駆動する。
例えば、図24(a)に示すような第1の電圧V1と、図24(b)に示すような第2の電圧V2とを電圧重畳部493cにて重畳し、重畳した電圧をコイル492に印加する(この重畳された電圧を「電圧V3」ともいう)。
すると、電圧V3中の第1の電圧V1に対応する電圧によって、永久磁石491のS極側をコイル492に引き付けようとするとともに、N極側をコイル492から離間させようとする磁界と、永久磁石491のS極側をコイル492から離間させようとするとともに、N極側をコイル492に引き付けようとする磁界とが交互に切り換わる。これにより、第1の連結部462a、463aを捩れ変形させつつ、駆動部461aが可動板461bとともに、第1の電圧V1の周波数で回動中心軸J3まわりに回動する。
【0117】
なお、第1の電圧V1の周波数は、第2の電圧V2の周波数に比べて極めて低く設定されており、また、第1の振動系46aの共振周波数は、第2の振動系46bの共振周波数よりも低く設計されている。そのため、第1の振動系46aは、第2の振動系46bよりも振動しやすくなっており、第1の電圧V1によって、可動板461bが回動中心軸J4まわりに回動してしまうことを防止することができる。
【0118】
一方、電圧V3中の第2の電圧V2に対応する電圧によって、永久磁石491のS極側をコイル492に引き付けようとするとともに、N極側をコイル492から離間させようとする磁界と、永久磁石491のS極側をコイル492から離間させようとするとともに、N極側をコイル492に引き付けようとする磁界とが交互に切り換わる。これにより、第2の連結部462b、463bを捩れ変形させつつ、可動板461bが第2の電圧V2の周波数で回動中心軸J4まわりに回動する。
なお、第2の電圧V2の周波数が第2の振動系46bのねじり共振周波数と等しいため、第2の電圧V2によって、支配的に、可動板461bを回動中心軸J4まわりに回動させることができる。そのため、第2の電圧V2によって、可動板461bが駆動部461aとともに回動中心軸J3まわりに回動してしまうことを防止することができる。
【0119】
以上のような光スキャナー45によれば、1つのアクチュエーターで2次元的にレーザー光(光)を走査でき、光走査部4の省スペース化を図ることができる。また、例えば、第1実施形態のように1対の光スキャナーを用いる場合には、これら光スキャナーの相対的位置関係を高精度に設定しなければならないが、本実施形態ではその必要がないため、製造の容易化を図ることができる。
【0120】
また、本実施形態では、第1実施形態の図7とは異なり、図25に示すように光源ユニット3からレーザー光(光)LLを出射した光出射状態でそのレーザー光LLを描画領域911上に2次元的に走査したときの、描画領域911上でのレーザー光LLの軌跡である複数の描画ライン(走査ライン)Lは、ジグザグにかつ歪曲して配置される。
また、走査ラインが歪曲しているため、映像データ演算部52は、これから走査するライン上に描画すべき画素データに相当するデータ算出しながら、映像データ記憶部51から読み出し、描画タイミング生成部53から入力された描画タイミング情報に基づいて、各種の補正演算等を行った後、各色の輝度データを光源変調部54に送出する。
上記以外の処理に関しては、第1実施形態と同様の処理を行う。
このような第7実施形態によっても、第1実施形態と同様の効果を発揮することができる。
【0121】
以上、本発明の画像形成装置を、図示の実施形態に基づいて説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、各部の構成は、同様の機能を有する任意の構成のものに置換することができる。また、本発明に、他の任意の構成物が付加されていてもよい。また、本発明は、前記各実施形態のうちの、任意の2以上の構成(特徴)を組み合わせたものであってもよい。
【0122】
また、前記実施形態では、画像形成装置として、スクリーン上に画像を描画するや、壁、床、天井などに画像を描画するものについて説明したが、これに限定されず、例えば、光拡散板等を用いて、透過・拡散光を反対側から見てもよい。
また、前記実施形態では、スクリーン、壁、床、天井等(以下、単に「対象物」という)の表面に描画領域が形成されている形態について説明したが、これに限定されず、例えば、対象物が、一対のガラス基板とこれらに挟み込まれたスクリーンとを有する場合、対象物の内側に位置するスクリーンの表面に描画領域が形成されていてもよいし、ガラス基板の表面およびスクリーンの表面にそれぞれ描画領域が形成されていてもよい。すなわち、描画領域は、対象物の表面に形成されていなくてもよい。
【0123】
また、前記第1実施形態では、光走査部として、1対の光スキャナーを用いたが、これに限定されず、例えば光スキャナーと、ガルバノミラーとを用いてもよい。この場合には、ガルバノミラーを垂直走査用とするのが好ましい。
また、本実施形態では、第1の方向を「水平方向」、第2の方向を「垂直方向」としたが、本発明では、これに限らず、例えば、第1の方向を「垂直方向」、第2の方向を「水平方向」としてもよい。
【0124】
また、前記実施形態では、3つのダイクロイックミラーを用いて、赤色レーザー光、緑色レーザー光、青色レーザー光を結合して1つのレーザー光(光)を出射しているが、ダイクロイックプリズム等を用いて結合しても良い。
また、前述した実施形態では、光源ユニット54が、赤色のレーザーを出射するレーザー光源と、青色のレーザーを出射するレーザー光源と、緑色のレーザーを出射するレーザー光源とを有する構成について説明したが、これに限定されず、例えば、赤色のレーザーを出射するレーザー光源と、青色のレーザーを出射するレーザー光源と、紫外のレーザーを出射するレーザー光源とを備えていてもよい。この場合、スクリーンに、紫外レーザーが照射されることにより緑色の蛍光を発生する蛍光体を含んでおく。これにより、表示面にフルカラーの画像を表示することができる。
【符号の説明】
【0125】
1……画像形成装置 11……筐体 2……プロジェクター 3……光源ユニット 31r、31g、31b……レーザー光源 310r、310g、310b……駆動回路 320r、320g、320b……光源 32r、32g、32b……コリメーターレンズ 33r、33g、33b……ダイクロイックミラー 4……光走査部 41……光スキャナー 411……基体 411a……可動板 411b……支持部 411c、411d……連結部 411e……光反射部 412……スペーサー部材 413……対向基板 414……永久磁石 415……コイル 416……電圧印加手段 417……駆動手段 42……光スキャナー 421a……可動板 421e……光反射部 427……駆動手段 43……角度検出手段 431……圧電素子 432……起電力検出部 433……角度検知部 44……角度検出手段 45……光スキャナー 46……基体 46a……第1の振動系 46b……第2の振動系 46c……支持部 461a……駆動部 461b……可動板 462a、462b、463a、463b……連結部 464b……光反射部 465a、465b……圧電素子 47……対向基板 48……スペーサー部材 491……永久磁石 491a……凹部 492……コイル 493……電圧印加手段 493a……第1の電圧発生部 493b……第2の電圧発生部 493c……電圧重畳部 493d……加算器 5……歪み補正手段 51……映像データ記憶部 52……映像データ演算部 53……描画タイミング生成部 54……光源変調部 55……角演算部 56……角度指示部 57……検量線記憶部 7……人感センサ 71……センサ部 72……記憶部 73……判断部 8……制御手段 9……スクリーン 91……表示面 911、W11、F11、WF11、C11、WC11……描画領域 912……描画可能領域 G……交点 J1、J2、J3、J4……回動中心軸 L……描画ライン M……線分 S1……検知領域 W……壁 W1……壁面 F……床 F1……床面 C……天井 C1……天井面

【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示面に形成された描画領域に、光を走査することにより画像を表示するよう構成されたプロジェクターと、
検知領域内に人間が存在するか否かを検知する人感センサと、
前記人感センサの検知結果に基づいて、前記プロジェクターの駆動を制御する制御手段とを有することを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記制御手段は、前記人感センサが前記検知領域内に人間の存在を検知した場合には、前記描画領域に前記画像を表示させ、前記人感センサが前記検知領域内に人間の存在を検知しない場合には、前記描画領域に前記画像を表示しないように、前記プロジェクターの駆動を制御する請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記プロジェクターは、光を出射する光出射部と、
前記光出射部から出射された光を反射する光反射部を備えた可動板が少なくとも一方向または互いに直交する二方向へ回動可能に設けられ、当該回動によって前記光反射部で反射した光を前記描画領域に走査する光スキャナーとを有している請求項1または2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記制御手段は、前記人感センサが前記検知領域内に人間の存在を検知しない場合には、前記光出射部からのレーザーの出射を停止する請求項3に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記描画領域は、前記プロジェクターの近傍に設けられており、前記プロジェクターは、近接投射により、前記描画領域に画像を表示する請求項1ないし4のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記プロジェクターは、前記検知領域の前記描画領域から最も遠位な位置からでも前記検知領域内の人間が認識可能な画像を前記描画領域に表示する請求項1ないし5のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記描画領域は、前記検知領域内に設定されている請求項1ないし6のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項8】
前記プロジェクターは、前記描画領域に表示される画像の歪みを補正する歪み補正手段を有する請求項1ないし7のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項9】
前記プロジェクターは、前記描画領域に対して鉛直方向下側に設けられている請求項1ないし8のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項10】
前記表示面は、壁の表面であり、
前記描画領域は、前記壁の表面に形成されている請求項1ないし9のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項11】
前記表示面は、床の表面または天井の表面であり、
前記描画領域は、前記床の表面または前記天井の表面に形成されている請求項1ないし9のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項12】
前記表示面は、壁の表面および床の表面であり、
前記描画領域は、前記壁の表面と前記床の表面とに跨って形成されている請求項1ないし9のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項13】
前記表示面は、壁の表面および天井の表面であり、
前記描画領域は、前記壁の表面と前記天井の表面とに跨って形成されている請求項1ないし9のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項14】
前記表示面は、スクリーンの表面であり、
前記描画領域は、前記スクリーンの表面に形成されている請求項1ないし9のいずれかに記載の画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【公開番号】特開2011−102845(P2011−102845A)
【公開日】平成23年5月26日(2011.5.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−257048(P2009−257048)
【出願日】平成21年11月10日(2009.11.10)
【公序良俗違反の表示】
特許法第64条第2項第4号の規定により図面の一部または全部を不掲載とする。
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】