説明

画像形成装置

【課題】像担持体の表面に対向して接触して配置されると共に像担持体の表面を帯電させる帯電部を有する画像形成装置において、像担持体の表面を適正に帯電させることができる画像形成装置を提供すること。
【解決手段】感光体ドラム2の表面に対向して接触して配置される帯電ローラ10と、帯電ローラ10の表面に対向して配置される付着物検出センサ102を有し、帯電ローラ10の表面に付着する所定領域における付着物値を算出する測定部100と、測定部100により算出された付着物値に基づいて、帯電ローラ10の表面における付着物平均値を算出すると共に、付着物平均値を基準として付着物値が所定範囲を超えた領域があるか否かを検出する検出部116と、検出部116の検出結果により、帯電ローラ10に印加するバイアス電圧における交流電圧を大きくするよう交流電圧印加部105Bを制御する電圧制御部120と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プリンタ、コピー機、ファクシミリ又はこれらの複合機などの画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、用紙に画像を形成(印刷)するための装置として、プリンタ、コピー機、ファクシミリ又はこれらの複合機などの画像形成装置が知られている。画像形成装置においては、像担持体としての感光体ドラムの表面を帯電させる帯電工程、帯電した感光体ドラムにレーザ光を照射して感光体ドラムの表面に静電潜像を形成する露光工程、感光体ドラムの表面に形成された静電潜像にトナーを付着させて現像を行う現像工程、感光体ドラムの表面に付着したトナーから形成されるトナー画像を用紙へ転写する転写工程、及び用紙に転写されたトナー画像を用紙に定着させる定着工程の各工程が順次行われることによって、用紙に画像が形成される。
【0003】
上記の各工程のうち、帯電工程では、感光体ドラムの表面は、帯電部にバイアス電圧を印加することにより、一様に負(マイナス極性)又は正(プラス極性)に帯電される。
感光体ドラムの表面を帯電させる帯電方式として、帯電部を感光体ドラムの表面に接触させて感光体ドラムの表面を帯電させる接触帯電方式が知られている。特に、帯電部として帯電ローラを用いた場合、帯電ローラの表面は、安定した状態で感光体ドラムの表面に接触する。そのため、帯電ローラは、感光体ドラムの表面を一様に帯電させることが可能である。
【0004】
ところで、上記露光工程及び上記現像工程を経た後の転写工程では、感光体ドラムの表面に形成されたトナー画像が用紙へ転写される。転写工程により用紙にトナー画像が転写された後の感光体ドラムの表面には、用紙へ転写しきれないトナーが残留する可能性がある。また、感光体ドラムの表面には、転写工程における転写の際に感光体ドラムの表面が用紙に接触するため、用紙の紙粉が付着する可能性がある。そのため、感光体ドラムの表面に残留するトナーや紙粉は、転写工程の後に、ドラムクリーニング部によりクリーニングされる。
【0005】
しかしながら、感光体ドラムの表面に残留するトナーや紙粉は、ドラムクリーニング部で完全に除去することは困難である。そのため、ドラムクリーニング部によりクリーニングされた感光体ドラムの表面には、トナーや紙粉が残留する可能性がある。
【0006】
感光体ドラムの表面にトナーや紙粉が残留している場合、帯電部が感光体ドラムの表面に接触する接触帯電方式においては、感光体ドラムの表面に残留するトナーや紙粉は、感光体ドラムから帯電部の表面に移行し、汚れ(付着物)として付着するおそれがある。
【0007】
帯電部の表面のトナーや紙粉等の付着物が付着した部分は、電気的に抵抗値が高くなる。そのため、帯電部の表面は、抵抗値においてムラが生じる。これにより、付着物が付着した帯電部は、感光体ドラムの表面を一様に帯電させることができない可能性がある。そこで、感光体ドラムの表面を一様に帯電させることができる画像形成装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1に記載されている画像形成装置は、帯電部から感光体ドラムに流れる交流電流値を検出し、この交流電流値が適正な画像の形成に必要な値となるように、帯電部に印加するバイアス電圧の電圧値を制御している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2003−302814号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、特許文献1に記載されている画像形成装置は、感光体ドラムの全体に流れる交流電流の平均値を検出し、その平均値に基づいてバイアス電圧を制御している。そのため、特許文献1に記載されている画像形成装置は、帯電部の表面における全体の抵抗値の変化に対応することはできるが、帯電部の表面の電気的な抵抗値のムラが生じた場合には、帯電部の全体の抵抗値に変化がなく、バイアス電圧の電圧値を制御できない可能性がある。従って、帯電部は、感光体ドラムの表面を適正に帯電させることができない可能性がある。
【0010】
本発明は、像担持体の表面に対向して接触して配置されると共に像担持体の表面を帯電させる帯電部を有する画像形成装置において、像担持体の表面を適正に帯電させることができる画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は、1又は複数の像担持体と、前記1又は複数の像担持体の表面に対向して接触して配置され、前記1又は複数の像担持体の表面それぞれを帯電させる1又は複数の帯電部と、前記1又は複数の帯電部それぞれにより帯電された前記1又は複数の像担持体の表面それぞれに静電潜像を形成する1又は複数の露光部と、前記1又は複数の露光部それぞれにより形成された静電潜像にトナー画像を現像する1又は複数の現像器と、前記1又は複数の現像器それぞれにより前記1又は複数の像担持体の表面それぞれに形成されたトナー画像を直接的又は間接的にシート状の被転写材に転写する転写部と、前記1又は複数の帯電部の表面それぞれに対向して配置される1又は複数のセンサを有し、前記1又は複数の帯電部の表面それぞれに付着する所定領域における付着物の量の値である付着物値を算出する測定部と、前記測定部により算出された前記付着物値に基づいて、前記1又は複数の帯電部の表面それぞれにおける前記付着物値の平均値である付着物平均値を算出すると共に、前記付着物平均値それぞれを基準として前記1又は複数の帯電部それぞれにおいて前記付着物値が所定範囲を超えた領域があるか否かを検出する検出部と、前記1又は複数の帯電部に直流電圧に対して交流電圧を重畳したバイアス電圧を印加する電圧印加部と、前記検出部により前記付着物値が前記付着物平均値を基準として前記所定範囲を超えた領域が検出された場合、前記所定範囲を超えた領域が検出された前記帯電部に印加する前記バイアス電圧における前記交流電圧を大きくするよう前記電圧印加部を制御する電圧制御部と、を備える画像形成装置に関する。
【0012】
また、前記1又は複数の帯電部の表面に付着する前記付着物は、トナーを含むことが好ましい。
【0013】
また、前記1又は複数の像担持体それぞれは、1又は複数の第1回転軸それぞれを中心に回転可能であり、前記1又は複数の帯電部それぞれは、前記1又は複数の第1回転軸に平行な1又は複数の第2回転軸それぞれを中心に回転可能であり、前記1又は複数のセンサそれぞれを前記1又は複数の第2回転軸に平行な方向に沿って移動させるセンサ駆動部を更に備えることが好ましい。
【0014】
また、前記電圧制御部は、通常モードにおいては、前記バイアス電圧における前記交流電圧を第1電圧とするよう前記電圧印加部を制御し、前記検出部により前記付着物値が前記付着物平均値を基準として前記所定範囲を超えた領域があると検出される汚染モードにおいては、前記バイアス電圧における前記交流電圧を前記第1電圧よりも大きい第2電圧とするよう前記電圧印加部を制御することが好ましい。
【0015】
また、前記像担持体の表面と接触して、前記像担持体の表面からトナーを除去するクリーニング部材と、前記1又は複数の像担持体を回転させる回転駆動部と、前記1又は複数の像担持体それぞれに前記1又は複数の現像器それぞれから実質的にトナーが供給されない状態で前記像担持体を所定時間回転させるエージング状態において、前記転写部により前記トナー画像が形成された前記被転写材の枚数に対応する前記エージング状態における前記像担持体の回転時間情報を記憶する回転時間記憶部と、前記電圧制御部が前記バイアス電圧における交流電圧を前記第2電圧とするよう前記電圧印加部を制御した場合に、前記転写部により所定枚数の前記被転写材に前記トナー画像を形成した後に、前記回転時間記憶部に記憶された前記回転時間情報に基づいて、前記エージング状態になるよう前記回転駆動部を制御する回転駆動制御部と、を備えることが好ましい。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、像担持体の表面に対向して接触して配置されると共に像担持体の表面を帯電させる帯電部を有する画像形成装置において、像担持体の表面を適正に帯電させることができる画像形成装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本実施形態のプリンタ1における各構成要素の配置を説明するための図である。
【図2】プリンタ1における帯電ローラ10及び感光体ドラム2を含む主要部分の構成を示す図である。
【図3】プリンタ1における機能ブロック図である。
【図4】本実施形態のプリンタ1の動作を示すフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、図面を参照して本発明の画像形成装置の実施形態を説明する。
【0019】
図1により、本実施形態における画像形成装置としてのプリンタ1の全体構造を説明する。図1は、本実施形態のプリンタ1における各構成要素の配置を説明するための図である。
【0020】
図1に示すように、画像形成装置としてのプリンタ1は、装置本体Mと、所定の画像情報に基づいてシート状の被転写材としての用紙Tに所定のトナー画像を形成する画像形成部GKと、用紙Tを画像形成部GKに給紙すると共にトナー画像が形成された用紙Tを排紙する給排紙部KHとを有する。
装置本体Mの外形は、筐体としてのケース体BDにより構成される。
【0021】
図1に示すように、画像形成部GKは、像担持体(感光体)としての感光体ドラム2と、帯電部としての帯電ローラ10と、帯電クリーニングブラシ101と、センサとしての付着物検出センサ102と、露光部としてのレーザスキャナユニット4と、現像器16と、トナーカートリッジ5と、トナー供給部6と、ドラムクリーニング部11と、除電器12と、転写部としての転写ローラ8と、定着部9とを備える。
【0022】
図1に示すように、給排紙部KHは、給紙カセット52と、手差し給紙部64と、用紙Tの搬送路Lと、レジストローラ対80と、排紙部50とを備える。
以下、画像形成部GK及び給排紙部KHの各構成について詳細に説明する。
まず、画像形成部GKについて説明する。
画像形成部GKにおいては、感光体ドラム2の表面に沿って順に、上流側から下流側に順に、帯電部10による帯電、レーザスキャナユニット4による露光、現像器16による現像、転写ローラ8による転写、除電器12による除電、及びドラムクリーニング部11によるクリーニングが行われる。
【0023】
感光体ドラム2は、例えば、表面にアモルファスシリコンの半導体層を形成した円筒形状の部材からなり、感光体又は像担持体として機能する。感光体ドラム2は、搬送路Lにおける用紙Tの搬送方向と直交する方向に延びる第1回転軸J1(図2参照)としての機軸を中心に、矢印の方向に回転可能に配置される。感光体ドラム2の表面には、静電潜像が形成され得る。
【0024】
帯電ローラ10は、感光体ドラム2の表面に対向して配置される。帯電ローラ10は、感光体ドラム2の第1回転軸J1に平行な第2回転軸J2(図2参照)としての機軸を中心に回転可能に配置される。帯電ローラ10は、感光体ドラム2の表面を一様に負(マイナス極性)又は正(プラス極性)に帯電させる。
帯電ローラ10の詳細については後に詳述する。
【0025】
帯電クリーニングブラシ101は、帯電ローラ10の表面に対向して該表面に接触して配置される。帯電クリーニングブラシ101は、感光体ドラム2を帯電させた後の帯電ローラ10の表面をクリーニングする。
帯電クリーニングブラシ101の詳細については後に詳述する。
【0026】
付着物検出センサ102は、帯電ローラ10の表面に対向して配置される。付着物検出センサ102は、帯電ローラ10の表面に光を照射し、帯電ローラ10の表面に付着した付着物により反射された光の量(光量)を検出する。
付着物検出センサ102の詳細については後に詳述する。
【0027】
レーザスキャナユニット4は、露光ユニットとして機能するものであり、感光体ドラム2の表面から離間して配置される。レーザスキャナユニット4は、不図示のレーザ光源、ポリゴンミラー、ポリゴンミラー駆動用モータ等を有して構成される。
【0028】
レーザスキャナユニット4は、PC(パーソナルコンピュータ)等の外部機器から入力された画像情報に基づいて、感光体ドラム2の表面を走査露光する。レーザスキャナユニット4により走査露光されることで、感光体ドラム2の表面の露光された部分の電荷が除去される。これにより、感光体ドラム2の表面に静電潜像が形成される。
【0029】
現像器16は、感光体ドラム2に対応して設けられ、感光体ドラム2の表面に対向して配置される。現像器16は、感光体ドラム2に形成された静電潜像に単色(通常はブラック)のトナーを付着させて、単色のトナー画像を感光体ドラム2の表面に形成する。現像器16は、感光体ドラム2の表面に対向配置された現像ローラ17、トナー攪拌用の攪拌ローラ18等を有して構成される。
【0030】
トナーカートリッジ5は、現像器16に対応して設けられており、現像器16に対して供給されるトナーを収容する。
【0031】
トナー供給部6は、トナーカートリッジ5及び現像器16に対応して設けられており、トナーカートリッジ5に収容されたトナーを現像器16に対して供給する。トナー供給部6と現像器16とは、不図示のトナー供給路により結ばれている。
【0032】
転写ローラ8は、感光体ドラム2の表面に現像されたトナー画像を用紙Tに転写させる。転写ローラ8には、不図示の転写バイアス印加部により、感光体ドラム2に形成されたトナー画像を用紙Tに転写させるための転写バイアスが印加される。
【0033】
転写ローラ8は、感光体ドラム2に対して当接したり離間したりする。具体的には、転写ローラ8は、感光体ドラム2に当接される当接位置と、感光体ドラム2から離間する離間位置とに移動可能に構成される。詳細には、転写ローラ8は、感光体ドラム2に現像されたトナー画像を用紙Tに転写させる場合には当接位置に配置され、他の場合には離間位置に配置される。
【0034】
感光体ドラム2と転写ローラ8との間で、搬送路Lを搬送される用紙Tが挟み込まれる。挟み込まれた用紙Tは、感光体ドラム2の表面に押し当てられる。感光体ドラム2と転写ローラ8との間で、転写ニップNが形成される。転写ニップNにおいて、感光体ドラム2に現像されたトナー画像が用紙Tに転写される。
【0035】
除電器12は、感光体ドラム2の表面に対向して配置される。除電器12は、感光体ドラム2の表面に光を照射することにより、転写が行われた後の感光体ドラム2の表面を除電する(電荷を除去する)。
【0036】
ドラムクリーニング部11は、感光体ドラム2の表面に対向して配置される。ドラムクリーニング部11は、感光体ドラム2の表面に残存したトナーや紙粉等の付着物を除去すると共に、除去された付着物を所定の回収機構へ搬送して、回収させる。
ドラムクリーニング部11の詳細については後に詳述する。
【0037】
定着部9は、用紙Tに転写されたトナー画像を構成するトナーを溶融及び加圧して、用紙Tに定着させる。定着部9は、ヒータにより加熱される加熱回転体9aと、加熱回転体9aに圧接される加圧回転体9bとを備える。加熱回転体9aと加圧回転体9bとは、トナー画像が転写された用紙Tを挟み込んで加熱加圧すると共に搬送する。加熱回転体9aと加圧回転体9bとの間に挟み込まれた状態で用紙Tが搬送されることで、用紙Tに転写されたトナーは、溶融及び加圧され、用紙Tに定着される。
【0038】
次に、給排紙部KHについて説明する。
図1に示すように、装置本体Mの下部には、用紙Tを収容する1個の給紙カセット52が配置される。給紙カセット52は、装置本体Mの右側(図1における右側)から水平方向に引き出し可能に構成される。給紙カセット52には、用紙Tが載置される載置板60が配置される。給紙カセット52には、用紙Tが載置板60の上に積層された状態で収容される。載置板60に載置された用紙Tは、給紙カセット52における用紙送り出し側の端部(図1において右側の端部)に配置されるカセット給紙部51により搬送路Lに送り出される。カセット給紙部51は、載置板60上の用紙Tを取り出すための前送りコロ61と、用紙Tを1枚ずつ搬送路Lに送り出すための給紙ローラ対63とからなる重送防止機構を備える。
【0039】
装置本体Mの右側(図1において右側)には、手差し給紙部64が設けられる。手差し給紙部64は、給紙カセット52にセットされる用紙Tとは異なる大きさや種類の用紙Tを装置本体Mに供給することを主目的として設けられる。手差し給紙部64は、閉状態において装置本体Mの前面の一部を構成する手差しトレイ65と、給紙コロ66とを備える。手差しトレイ65は、その下端が給紙コロ66の近傍に回動自在(開閉自在)に取り付けられる。開状態の手差しトレイ65には、用紙Tが載置される。給紙コロ66は、開状態の手差しトレイ65に載置された用紙Tを手差し搬送路Laに給紙する。
【0040】
装置本体Mにおける上方側には、排紙部50が設けられる。排紙部50は、第3ローラ対53により用紙Tを装置本体Mの外部に排紙する。排紙部50の詳細については後述する。
【0041】
用紙Tを搬送する搬送路Lは、カセット給紙部51から転写ニップNまでの第1搬送路L1と、転写ニップNから定着部9までの第2搬送路L2と、定着部9から排紙部50までの第3搬送路L3と、手差し給紙部64から供給される用紙を第1搬送路L1に合流させる手差し搬送路Laと、第3搬送路L3を下流側から上流側へ搬送される用紙Tを、表裏反転させて第1搬送路L1に戻す戻り搬送路Lbとを備える。
【0042】
また、第1搬送路L1の途中には、第1合流部P1及び第2合流部P2が設けられている。第3搬送路L3の途中には、第1分岐部Q1が設けられている。
第1合流部P1は、手差し搬送路Laが第1搬送路L1に合流する合流部である。第2合流部P2は、戻り搬送路Lbが第1搬送路L1に合流する合流部である。
第1分岐部Q1は、戻り搬送路Lbが第3搬送路L3から分岐する分岐部で、第1ローラ対54a及び第2ローラ対54bを有する。第1ローラ対54aの一方のローラと第2ローラ対54bの一方のローラとは兼用される。
【0043】
第1搬送路L1の途中(詳細には、第2合流部P2と転写ローラ8との間)には、用紙Tを検出するための用紙検出センサ103と、用紙Tのスキュー(斜め給紙)補正や画像形成部GKにおけるトナー画像の形成のタイミングを合わせるためのレジストローラ対80とが配置される。用紙検出センサ103は、用紙Tの搬送方向におけるレジストローラ対80の直前(搬送方向における上流側)に配置される。レジストローラ対80は、用紙検出センサ103からの検出信号情報に基づいてスキュー補正やタイミング調整をして用紙Tを搬送する。
【0044】
戻し搬送路Lbは、用紙Tに両面印刷を行う際に、既に印刷されている面とは反対面(未印刷面)を感光体ドラム2に対向させるために設けられる搬送路である。
【0045】
戻し搬送路Lbによれば、第1分岐部Q1から第1ローラ対54aにより排紙部50側に搬送された用紙Tを表裏反転させて第2ローラ対54bにより第1搬送路L1に戻して、転写ローラ8の上流側に配置されたレジストローラ対80の上流側に搬送させることができる。戻し搬送路Lbにより表裏反転された用紙Tには、転写ニップNにおいて未印刷面に対して所定のトナー画像が転写される。
【0046】
第3搬送路L3における端部には、排紙部50が形成される。排紙部50は、装置本体Mにおける上方側に配置される。排紙部50は、装置本体Mの右側(図1において右側、手差し給紙部64側)に向けて開口している。排紙部50は、第3搬送路L3を搬送される用紙Tを第3ローラ対53により装置本体Mの外部に排紙する。
【0047】
排紙部50における開口側には、排紙集積部M1が形成される。排紙集積部M1は、装置本体Mにおける上面(外面)に形成される。排紙集積部M1は、装置本体Mにおける上面が下方に窪んで形成された部分である。排紙集積部M1の底面は、装置本体Mにおける上面の一部を構成する。排紙集積部M1には、所定のトナー画像が形成され排紙部50から排紙された用紙Tが積層して集積される。
なお、各搬送路の所定位置には用紙検出用の不図示のセンサが配置される。
【0048】
以下、図面を参照して、本実施形態のプリンタ1における特徴部分である帯電ローラ10及び感光体ドラム2に関連する構成について説明する。図2は、プリンタ1における帯電ローラ10及び感光体ドラム2を含む主要部分の構成を示す図である。
【0049】
図2に示すように、本実施形態のプリンタ1は、感光体ドラム2と、帯電ローラ10と、測定部100と、ドラムクリーニング部11と、帯電クリーニングブラシ101とを備える。
感光体ドラム2には、回転駆動部104が接続される。感光体ドラム2は、回転駆動部104により第1回転軸J1を中心に回転駆動される。
【0050】
帯電ローラ10は、感光体ドラム2の表面(外周面)に接触して配置される。帯電ローラ10は、感光体ドラム2の表面に接触することで、感光体ドラム2の回転駆動により従動して回転駆動される。帯電ローラ10には、電圧印加部105が接続される。具体的には、帯電ローラ10には、直流電圧印加部105Aにより印加される直流電圧成分に対して、交流電圧印加部105B交流電圧成分が重畳されたバイアス電圧が印加される。
【0051】
測定部100は、付着物検出センサ102と、センサ駆動部107とを有する。
付着物検出センサ102は、第2回転軸J2方向における所定の位置に、帯電ローラ10の表面に対向して配置される非接触のセンサである。付着物検出センサ102は、第2回転軸J2方向に延びる不図示の軸部材に支持され、第2回転軸J2方向に沿って移動可能に構成される。付着物検出センサ102は、検出された付着物を後述する第1制御部110の付着物値算出部115に出力する。付着物検出センサ102としては、例えば、発光部と受光部とを有すると共に、帯電ローラ10の表面に光を照射し、帯電ローラ10により反射された光の量(光量)を検出する光学式のセンサ、フォトマルチプライア、CCD(Charge−Coupled Device)などを用いることができる。
【0052】
付着物検出センサ102には、センサ駆動部107が接続される。付着物検出センサ102は、センサ駆動部107の駆動により第2回転軸J2方向に沿って移動される。付着物検出センサ102は、帯電ローラ10の表面に対向しながら第2回転軸J2方向に沿って移動されることにより、帯電ローラ10の表面に照射した光により反射された光量を検出する。これにより、付着物検出センサ102は、帯電ローラ10の表面に照射した光により反射された光量を帯電ローラ10の表面の全域において検出する。センサ駆動部107は、後述するセンサ駆動制御部114により第2回転軸J2方向への移動が制御される。
【0053】
ドラムクリーニング部11は、ハウジング150と、クリーニングローラ151と、クリーニングブレード152とを有する。ハウジング150は、クリーニングローラ151及びクリーニングブレード152を収納する。
【0054】
クリーニングローラ151は、感光体ドラム2の表面に対向して配置される。クリーニングローラ151は、トナー画像が転写ローラ8に転写された後の感光体ドラム2の表面に接触するように配置される。クリーニングローラ151は、感光体ドラム2の第1回転軸J1方向の長さとほぼ同じ長さを有する。クリーニングローラ151は、感光体ドラム2の表面を研磨して感光体ドラム2の表面に残留したトナーや用紙Tの紙粉や放電生成物等の付着物を除去する。
【0055】
ここで、放電生成物とは、帯電ローラ10の表面と感光体ドラム2の表面とが接触する位置の近傍において、帯電ローラ10が感光体ドラム2に放電することにより生成される物質である。生成された放電生成物は、感光体ドラム2の表面に付着する。例えば、放電生成物としては、窒素酸化物などがある。
【0056】
クリーニングブレード152は、感光体ドラム2の表面に対向して配置される。クリーニングブレード152は、クリーニングローラ151における回転方向の下流側に先端部が接触して配置される。クリーニングブレード152は、感光体ドラム2の第1回転軸J1方向の長さとほぼ同じ長さを有する。クリーニングブレード152は、感光体ドラム2の表面に残留したトナーや用紙Tの紙粉等の付着物を掻き落とす。
【0057】
帯電クリーニングブラシ101は、帯電ローラ10の第2回転軸J2方向に延びるように形成される。帯電クリーニングブラシ101は、帯電ローラ10の第2回転軸J2方向を中心に回転可能に構成される。帯電クリーニングブラシ101は、帯電ローラ30の表面に接触した状態で帯電ローラ30の回転と周速差を有して回転する。これにより、帯電クリーニングブラシ101は、帯電ローラ30の表面をブラッシングによりクリーニングする。
【0058】
次に、本実施形態のプリンタ1における特徴部分に係る機能ブロックについて説明する。図3は、プリンタ1における機能ブロック図である。
【0059】
図3に示すように、プリンタ1は、測定部100における第1制御部110と、第2制御部111と、記憶部112と、受け付け部113とを備える。
【0060】
第1制御部110は、測定部100におけるセンサ駆動部107及び付着物検出センサ102の制御を行う。第1制御部110は、センサ駆動制御部114と、付着物値算出部115とを有する。センサ駆動制御部114は、付着物検出センサ102が帯電ローラ10の第2回転軸J2方向に移動するようにセンサ駆動部107を制御する。
【0061】
付着物値算出部115は、付着物検出センサ102が検出した帯電ローラ10から反射された光量に基づいて、帯電ローラ10の表面に付着した所定領域におけるトナーや紙粉等の付着物の量の値である付着物値を算出する。また、付着物値算出部115は、複数の所定領域それぞれにおける付着物値を帯電ローラ10の表面の全域において算出する。付着物値とは、例えば、帯電ローラ10の表面に付着したトナーの量の値である。
【0062】
第2制御部111は、検出部116、通紙領域判定部117、モード設定部118、電圧制御部120及びエージング制御部122の制御を行う。第2制御部111は、検出部116と、通紙領域判定部117と、モード設定部118と、電圧制御部120と、エージング制御部122とを有する。
【0063】
検出部116は、第1制御部110の付着物値算出部115により算出された所定領域それぞれの付着物値に基づいて、帯電ローラ10の表面における付着物値の平均値である付着物平均値を算出する。また、検出部116は、算出した付着物平均値と、付着物値算出部115が算出した所定領域それぞれの付着物値とを比較し、付着物平均値を基準として、帯電ローラ10において付着物値が所定範囲を超えた領域があるか否かを検出する。
【0064】
ここで、本実施形態においては、帯電ローラ10の表面における付着物値が所定範囲を超えた領域を「汚染領域」ともいう。また、帯電ローラ10において汚染領域がある場合には、帯電ローラ10の表面における付着物値においてムラがある状態であるため、帯電ローラ10の表面に汚染領域がある状態を「汚染状態」又は「汚染ムラ」ともいう。
【0065】
付着物値の所定範囲は、付着物値が付着物平均値から付着物平均値よりも所定割合だけ大きい範囲と、付着物値が付着物平均値から付着物値平均値よりも所定割合だけ小さい範囲との双方を含むように設定することもできる。
【0066】
例えば、付着物値の所定範囲は、付着物平均値を1.0とした場合、付着物平均値(1.0)から付着物平均値(1.0)よりも所定割合(2割)だけ大きい1.2までの範囲と、付着物平均値(1.0)から付着物値平均値(1.0)よりも所定割合(2割)だけ小さい0.8までの範囲との双方を含むように設定してもよい。この場合、例えば、付着物平均値を1.0とした場合、1.2よりも高い領域を汚染領域における「高汚染領域」ともいう。また、付着物平均値を1.0とした場合、0.8よりも低い領域を、付着物値としては小さい値であるが汚染ムラの要因となるため、汚染領域における「低汚染領域」ともいう。
【0067】
また、検出部116は、帯電ローラ10において汚染領域がある場合には、帯電ローラ10における第2回転軸J2方向の汚染領域の位置を検出する。検出部116は、検出された汚染領域があるか否かの情報及び汚染領域の位置の情報を後述する通紙領域判定部117及びモード設定部118に出力する。
【0068】
通紙領域判定部117は、検出部116により汚染領域が検出された場合、検出部116に出力される汚染領域の位置の情報及び後述する受け付け部113より受け付けられる用紙Tのサイズ情報に基づいて、汚染領域が帯電ローラ10における第2回転軸J2方向における通紙領域内にあるか否かを判定する。
ここで、通紙領域とは、感光体ドラム2及び転写ローラ8間で挟持され転写ニップNを搬送される用紙Tの幅方向(用紙Tの搬送方向と直交する方向)の内側の領域であり、トナー画像が形成される領域である。なお、通紙領域判定部117は、搬送路Lに配置される不図示のセンサから取得した用紙Tの幅方向における長さの情報等に基づいて汚染領域が通紙領域内にあるか否かを判定してもよい。
【0069】
モード設定部118は、検出部116による汚染領域の有無の検出結果及び通紙領域判定部117による判定結果に基づいて、プリンタ1のモードを、通常モードとするか、汚染モードとするかの設定を行う。
通常モードとは、帯電ローラ10の表面が汚染状態にないものとして処理するモードである。通常モードは、付着物値が付着物平均値を基準とする所定範囲内にある場合、あるいは、付着物値が付着物平均値を基準とする所定範囲を超えた領域(汚染領域)が通紙領域の外側(通紙領域外)である場合に設定される。
汚染モードとは、帯電ローラ10の表面が汚染状態にあるとして処理するモードである。汚染モードは、付着物値が付着物平均値を基準とする所定範囲を超えた領域(汚染領域)が通紙領域の内側(通紙領域内)にある場合に設定される。
【0070】
電圧制御部120は、帯電ローラ10に印加するバイアス電圧が所定のバイアス電圧となるように電圧印加部105を制御する。具体的には、電圧制御部120は、直流電圧を帯電ローラ10に印加するように電圧印加部105における直流電圧印加部105Aを制御する。また、電圧制御部120は、帯電ローラ10に印加される直流電圧に対して、交流電圧成分を重畳するように電圧印加部105における交流電圧印加部105Bを制御する。
【0071】
詳細には、電圧制御部120は、バイアス電圧における直流電圧が所定の適正な直流電圧になるように直流電圧印加部105Aを制御する。ここで、所定の適正な直流電圧とは、感光体ドラム2の表面を適正に帯電させることができる直流電圧である。
【0072】
また、電圧制御部120は、モード設定部118により通常モードに設定された場合に、バイアス電圧における交流電圧が第1電圧(ピーク間電圧)V1PPとなるように電圧印加部105における交流電圧印加部105Bを制御する。電圧制御部120は、モード設定部118により汚染モードが設定された場合に、バイアス電圧における交流電圧が第2電圧(ピーク間電圧)V2PPとなるように電圧印加部105における交流電圧印加部105Bを制御する。
【0073】
ここで、第1電圧V1PPは、帯電ローラ10の表面が汚染状態でない場合に、感光体ドラム2を適正に帯電させることのできる交流電圧である。第2電圧V2PPは、帯電ローラ10の表面が汚染状態である場合に、帯電ローラ10の表面が汚染状態であることの影響を受けることなく感光体ドラム2の表面を適正に帯電させることのできる交流電圧である。
【0074】
第2電圧(ピーク間電圧)V2PPは、第1電圧(ピーク間電圧)V1PPよりも大きい交流電圧に設定される。
これは、帯電ローラ10の表面が汚染状態にある場合に、直流電流に重畳される交流電圧を第1電圧V1PPとすると、感光体ドラム2における汚染された領域の抵抗値が高いことにより、感光体ドラム2の表面を適正に帯電させることができない場合があるためである。この場合、感光体ドラム2の表面を適正に帯電させるためには、第2電圧V2PPは、通常モードにおける第1電圧V1PPよりも大きい電圧値に設定される必要がある。
【0075】
そのため、第2電圧V2PPは、帯電ローラ10の表面の汚染ムラにより生じるバイアス電圧における直流電圧に重畳される交流電圧の不足分を補うため、通常モードにおける第1電圧V1PPの2倍から3倍程度(第1電圧V1PPを200Vと設定した場合、例えば、400Vから600V程度)の電圧値に設定される。例えば、本実施形態においては、第2電圧V2PPは、通常モードにおける第1電圧V1PPを200Vと設定した場合、第1電圧V1PPよりも200Vだけ大きい400Vに設定される。
【0076】
エージング制御部122は、回転駆動制御部123と、印刷枚数カウント部124とを有する。回転駆動制御部123は、印刷終了後において、感光体ドラム2の表面の状態を安定化させるためのエージング状態になるように回転駆動部104を制御する。エージング状態においては、感光体ドラム2は、現像器16からトナーが実質的に供給されない状態で、一定時間だけ回転駆動される。具体的には、帯電ローラ10に印加されるバイアス電圧及び現像器16に印加されるバイアス電圧は、現像器16から感光体ドラム2にトナーが実質的に供給されないように調整される。
【0077】
感光体ドラム2が回転することにより、感光体ドラム2の表面に接触したドラムクリーニング部11のクリーニングローラ151は、感光体ドラム2の表面を研磨する。また、感光体ドラム2の表面に接触したドラムクリーニング部11のクリーニングブレード152は、感光体ドラム2の表面に付着したトナー等を掻き落とす。
【0078】
詳細には、感光体ドラム2の表面には、帯電ローラ10にバイアス電圧が印加されることにより放電生成物が生成されて付着する。感光体ドラム2は、表面に放電生成物が多く堆積された場合、表面の摩擦係数が上昇した状態となる。
【0079】
感光体ドラム2の表面の摩擦係数が上昇すると、感光体ドラム2の表面に残留したトナーが、ドラムクリーニング部11のクリーニングローラ151によって押し付けられ、これが微小な流れ星状に付着した、いわゆる、ダッシュマークとなり、トナーが用紙Tに転写された際に、黒点として現れてしまう可能性がある。また、ドラムクリーニング部11のクリーニングブレード152は、感光体ドラム2の表面との摩擦により、捲れたり欠落したりする可能性がある。
【0080】
クリーニングローラ151は、感光体ドラム2が回転駆動された状態で、感光体ドラム2の表面の研磨を行う。そのため、クリーニングローラ151は、感光体ドラム2の表面に付着した放電生成物を除去することにより、感光体ドラム2の表面を適正な状態にする。これにより、クリーニングローラ151は、放電生成物の付着による感光体ドラム2の表面の摩擦係数の上昇を抑制することができる。
【0081】
回転駆動制御部123は、モード設定部118により設定されたモード情報及び後述する印刷枚数カウント部124によりカウントされた印刷枚数の情報に基づいて、後述する記憶部112の回転時間記憶部としてのエージング回転時間情報記憶部127に記憶されるエージング状態における回転時間に関する情報を参照して、感光体ドラム2を所定時間だけ回転させるように回転駆動部104を制御する。
印刷枚数カウント部124は、第1搬送路L1に配置された用紙検出センサ103の用紙Tの検出信号又は後述する受け付け部113により受け付けられる用紙Tの印刷枚数に関する枚数情報に基づいて、用紙Tの印刷枚数をカウントする。
【0082】
記憶部112は、モード情報記憶部125と、エージング回転時間情報記憶部127とを有する。モード情報記憶部125は、モード設定部118で設定された通常モードにおけるバイアス電圧として、直流電圧と、直流電圧に重畳される交流電圧としての第1電圧V1PPとを記憶する。モード情報記憶部125は、モード設定部118で設定された汚染モードにおけるバイアス電圧として、直流電圧と、直流電圧に重畳される交流電圧としての第2電圧V2PPとを記憶する。モード情報記憶部125は、例えば、通常モードにおける第1電圧V1PPを200Vと記憶する。また、汚染モードにおける第2電圧V2PPを、第1電圧V1PPよりも200Vだけ大きい400Vと記憶する。
【0083】
エージング回転時間情報記憶部127は、エージング状態における感光体ドラム2の回転時間に関する情報を記憶する。また、エージング回転時間情報記憶部127には、エージング処理における印刷枚数とエージング回転時間との関係を示すテーブルが記憶されている。エージング回転時間情報記憶部127に記憶されているテーブルの例を下記〔表1〕に示す。
【0084】
【表1】

【0085】
表1に示すように、エージング回転時間情報記憶部127は、汚染モードにおける交流電圧が調整された後の用紙Tの印刷枚数に対応するエージング状態における回転時間に関する情報が記憶された記憶テーブルを有する。表1において、交流電圧が調整された後の印刷枚数は、汚染モードにおいて、調整された交流電圧成分である第2電圧V2PPを帯電ローラ10に印加した状態での印刷開始から印刷終了までの用紙Tの印刷枚数である。また、エージング回転時間における通常時間は、帯電ローラ10の表面が汚染状態にない通常モードにおける感光体ドラム2の回転時間である。エージング状態における感光体ドラム2の回転時間は、汚染モードにおける用紙Tの印刷枚数が多くなるにしたがって帯電ローラ10の表面に放電生成物が多く蓄積されるため、汚染モードでの印刷枚数が多くなるにしたがって長くなるように設定される。
【0086】
受け付け部113は、画像が形成される用紙Tの印刷枚数に関する枚数情報と、用紙Tの種類に関する種類情報とを含む画像形成指示情報を受け付け可能である。受け付け部113は、受け付けた画像形成指示情報を第2制御部111に出力する。
【0087】
画像形成指示情報における用紙Tに関する枚数情報には、プリンタ1の操作部(図示せず)により受け付けられた用紙Tに関する枚数情報や、PC(パーソナルコンピュータ)等の外部機器から受け付けられた用紙Tに関する枚数情報が含まれる。
【0088】
また、画像形成指示情報における用紙Tの種類に関する種類情報には、用紙Tの種類に関するサイズの規格(縦方向の長さ及び横方向の長さ)や、用紙Tの搬送方向(縦方向又は横方向)に関する情報が含まれる。
【0089】
次に、図1を参照して、第1実施形態のプリンタ1の動作について、簡単に説明する。
まず、給紙カセット52に収容された用紙Tに片面印刷を行う場合について説明する。
給紙カセット52に収容された用紙Tは、前送りコロ61及び給紙ローラ対63によって第1搬送路L1に送り出され、その後、第1合流部P1及び第1搬送路L1を介してレジストローラ対80に搬送される。
レジストローラ対80においては、用紙Tのスキュー補正や、トナー画像とのタイミング調整が行われる。
【0090】
レジストローラ対80から排出された用紙Tは、第1搬送路L1を介して感光体ドラム2と転写ローラ8との間(転写ニップN)に導入される。
【0091】
感光体ドラム2と転写ローラ8との間に導入された用紙Tには、感光体ドラム2と転写ローラ8との間において、感光体ドラム2からトナー画像が転写される。
【0092】
そして、用紙Tは、感光体ドラム2と転写ローラ8との間から排出され、第2搬送路L2を介して、定着部9における加熱回転体9aと加圧回転体9bとの間の定着ニップに導入される。そして、定着ニップにおいてトナーが溶融し、トナーが用紙Tに定着される。
次いで、用紙Tは、第1ローラ対54aにより第3搬送路L3を通して排紙部50に搬送され、第3ローラ対53により排紙部50から排紙集積部M1に排出される。
このようにして、給紙カセット52に収容された用紙Tの片面印刷が完了する。
【0093】
手差しトレイ65に載置された用紙Tに片面印刷を行う場合には、手差しトレイ65に載置された用紙Tは、給紙コロ66によって手差し搬送路Laに送り出され、その後、第1合流部P1及び第1搬送路L1を介して、レジストローラ対80に搬送される。それ以降の動作は、前述した、給紙カセット52に収容された用紙Tの片面印刷の動作と同様であり、説明を省略する。
【0094】
次に、両面印刷を行う場合のプリンタ1の動作について説明する。
片面印刷の場合には、前述した通り、片面印刷がされた用紙Tが、排紙部50から排紙集積部M1に排出されて印刷動作が完了する。
これに対し、両面印刷を行う場合には、片面印刷がされた用紙Tが、戻し搬送路Lbを介して、片面印刷時とは表裏反転して、レジストローラ対80に再度搬送されることにより、用紙Tに両面印刷が施される。
【0095】
詳述すると、片面印刷がされた用紙Tが第3ローラ対53により排紙部50から排出されるまでは、前述した片面印刷の動作と同様である。而して、両面印刷の場合には、片面印刷がされた用紙Tが第3ローラ対53により保持されている状態において、第3ローラ対53の回転を停止させ、逆方向に回転させる。このように第3ローラ対53を逆方向に回転させると、第3ローラ対53に保持されている用紙Tは、第3搬送路L3を逆方向(排紙部50から第1分岐部Q1に向かう方向)に搬送される。
【0096】
前述したように、用紙Tが、第3搬送路L3を逆方向に搬送されると、(第1ローラ対54aではなく、)第2ローラ対54bに導入される。そして、用紙Tは、戻し搬送路Lb及び第2合流部P2を介して、第1搬送路L1に合流する。ここで、用紙Tは、片面印刷時とは表裏反転している。
【0097】
更に、用紙Tは、レジストローラ対80により前記スキュー補正又は前記タイミング調整が行われ、第1搬送路L1を介して、感光体ドラム2と転写ローラ8との間に導入される。用紙Tは、戻し搬送路Lbを経由することにより、未印刷面が感光体ドラム2に対向するので、未印刷面にトナー画像が転写され、その結果、両面印刷が施される。
【0098】
次に、図3及び図4により、本実施形態のプリンタ1の特徴部分である画像形成部GKの動作について詳細に説明する。図4は、本実施形態のプリンタ1の動作を示すフロー図である。
【0099】
ステップST1において、受け付け部113は、トナー画像を印刷する用紙Tの用紙サイズ及び印刷枚数を含む画像形成指示情報を受け付ける。受け付けられた画像形成指示情報は、受け付け部113から第2制御部111に出力される。
【0100】
ステップST2において、測定部100は、帯電ローラ10の表面の汚染状態の測定動作を開始する。具体的には、測定部100における第1制御部110のセンサ駆動制御部114は、帯電ローラ10が回転している状態において、付着物検出センサ102が帯電ローラ10の第2回転軸J2方向と平行に移動して走査するようにセンサ駆動部107を制御する。付着物検出センサ102は、帯電ローラ10の表面に光を照射し、照射された光の反射光を受光して走査された位置の所定領域それぞれにおける反射される光量を検出する。この結果、付着物検出センサ102は、帯電ローラ10の表面における全域において、所定領域それぞれにおける反射される光量を検出する。
【0101】
付着物値算出部115は、付着物検出センサ102によって検出された反射された光量に基づいて、帯電ローラ10の表面に付着したトナーや紙粉等の付着物の量の値を、帯電ローラ10の所定領域における付着物値として算出する。
次に、第2制御部111の検出部116は、付着物値算出部115により算出された所定領域それぞれの付着物値に基づいて、帯電ローラ10の表面における付着物平均値を算出する。
【0102】
ステップST3において、検出部116により算出された付着物平均値と、付着物値算出部115により算出された所定領域における付着物値とを比較し、付着物平均値を基準として、付着物値が所定範囲を超えた汚染領域があるか否かを検出する。
【0103】
付着物平均値を基準とする付着物値が所定範囲を超えた汚染領域がない場合(ST3:NO)には、帯電ローラ10の表面に汚染ムラがない(帯電ローラ10の表面が汚染状態にない)と判定することができるため、ステップST4に進む。また、付着物平均値を基準とする付着物値が所定範囲を超えた汚染領域がある場合(ST3:YES)には、帯電ローラ10の表面に汚染ムラがある(帯電ローラ10の表面が汚染状態にある)と判定することができるため、ステップST10に進む。
【0104】
まず、ステップST3において、帯電ローラ10の表面に汚染ムラがないと判定された場合について説明する。
第2制御部111のモード設定部118は、検出部116が帯電ローラ10に汚染ムラがないことを検出したとき(ST3:NO)、ステップST4において、帯電ローラ10に通常の適正電圧をバイアス電圧として印加する通常モードを設定する。
【0105】
ステップST5において、直流電圧印加部105Aは、適正なバイアス電圧の直流電圧成分である直流電圧を帯電ローラ10に印加する。また、電圧制御部120は、モード設定部118に設定された通常モードの情報に基づいて、記憶部112のモード情報記憶部125に記憶される情報を参照して、バイアス電圧における直流電圧に重畳される交流電圧を通常モードにおける適正な交流電圧成分である第1電圧V1PPとするように交流電圧印加部105Bを制御する。
【0106】
これにより、直流電圧印加部105Aは、適正なバイアス電圧の直流電圧成分である直流電圧を帯電ローラ10に印加する。また、交流電圧印加部105Bは、通常モードにおける適正なバイアス電圧の交流電圧成分である第1電圧V1PPを帯電ローラ10に印加する。
【0107】
ステップST6において、通常モードにおけるバイアス電圧が印加された帯電ローラ10は、感光体ドラム2の表面を一様に帯電させる。その後、コピー機1は、用紙Tの印刷を開始する。通常モードにおける印刷時において、帯電ローラ10の放電により、感光体ドラム2の表面には、放電生成物が生成されて付着する。
【0108】
ステップST7において、所定枚数の印刷が終了した後、ステップST8において、通常モードにおける印刷後のエージング動作を行う。エージング制御部122の回転駆動制御部123は、エージング回転時間情報記憶部127に記憶されている通常モードにおけるエージング回転時間の情報に基づいて、感光体ドラム2を所定時間回転するように回転駆動部104を回転駆動させる。
感光体ドラム2の回転に伴い、感光体ドラム2の表面は、ドラムクリーニング部11のクリーニングローラ151により研磨される。これにより、感光体ドラム2の表面に付着した放電生成物や感光体ドラム2の表面に付着したトナー等は、除去される。また、クリーニングローラ151に研磨された後の感光体ドラム2の表面に付着したトナー等は、クリーニングブレード152により掻き落とされる。
【0109】
エージング動作が終了した後、電圧制御部120は、ステップST9において、交流電圧印加部105Bに印加する交流電圧成分を第1電圧V1PPに維持する。この状態で、受け付け部113は、次の印刷の指示を待機する。
【0110】
次に、ステップST3において、帯電ローラ10の表面に汚染ムラがあると判定された場合について説明する。
第2制御部111の通紙領域判定部117は、検出部116が帯電ローラ10に汚染ムラのあることを検出した場合(ST3:YES)には、ステップST10において、検出部116に出力される検出結果の情報及び受け付け部113により受け付けられた画像形成情報における用紙Tのサイズに関するサイズ情報に基づいて、検出された帯電ローラ10の表面における汚染ムラのある汚染領域が、印刷する用紙サイズの通紙領域の範囲内であるか否かの判定を行う。汚染ムラのある汚染領域が用紙Tの通紙領域の範囲内でない場合(ST10:NO)には、汚染ムラが画像に影響を与えることはないため、ステップST4に移行して、通常モードでの処理を行う。
【0111】
一方、汚染ムラのある汚染領域が用紙Tの通紙領域の範囲内にある場合(ST10:YES)には、モード設定部118は、ステップST11において、交流電圧成分を調整したバイアス電圧を帯電ローラ10に印加する汚染モードを設定する。
【0112】
ステップST12において、直流電圧印加部105Aは、適正なバイアス電圧の直流電圧成分である直流電圧を帯電ローラ10に印加する。また、電圧制御部120は、モード設定部118に設定された汚染モードの情報に基づいて、記憶部112のモード情報記憶部125に記憶される情報を参照して、バイアス電圧における直流電圧に重畳される交流電圧を通常モードの第1電圧V1PPよりも大きい交流電圧成分である第2電圧V2PPとするように交流電圧印加部105Bを制御する。
【0113】
これにより、直流電圧印加部105Aは、適正なバイアス電圧の直流電圧成分である直流電圧を帯電ローラ10に印加する。また、交流電圧印加部105Bは、汚染モードにおける適正なバイアス電圧の交流電圧成分である第2電圧V2PPを帯電ローラ10に印加する。
【0114】
ステップST13において、汚染モードにおける調整されたバイアス電圧が印加された帯電ローラ10は、感光体ドラム2の表面を一様に帯電させる。その後、コピー機1は、用紙Tの印刷を開始する。汚染モードにおける印刷時において、帯電ローラ10の放電により、感光体ドラム2の表面には、通常モードにおける印刷時よりも多い放電生成物が生成されて付着する。
【0115】
ステップST14において、所定枚数の印刷が終了した後、ステップST15において、汚染モードにおける印刷後のエージング動作を行う。エージング制御部122の回転駆動制御部123は、印刷枚数カウント部124によりカウントされた用紙Tの印刷枚数の情報に基づいて、エージング回転時間情報記憶部127に記憶されているエージング回転時間に関する記憶テーブル(表1参照)を参照する。
【0116】
エージング制御部122の回転駆動制御部123は、エージング回転時間情報記憶部127に記憶されている汚染モードにおけるエージング回転時間の情報に基づいて、感光体ドラム2を所定回転時間だけ回転駆動するように回転駆動部104を制御する。感光体ドラム2の回転に伴い、感光体ドラム2の表面は、ドラムクリーニング部11のクリーニングローラ151により研磨される。これにより、感光体ドラム2の表面に付着した放電生成物や感光体ドラム2の表面に付着したトナー等は、除去される。また、クリーニングローラ151に研磨された後の感光体ドラム2の表面に付着したトナー等は、クリーニングブレード152により掻き落とされる。
【0117】
ここで、汚染モードにおいては、帯電ローラ10に印加されるバイアス電圧において、通常モードにおけるバイアス電圧の交流電圧(第1電圧V1PP)よりも大きい交流電圧(第2電圧V2PP)が印加されている。そのため、感光体ドラム2の表面には、汚染モードにおいて所定枚数の印刷後においては、通常モードの場合よりも放電生成物が多く付着する。これにより、感光体ドラム2の表面の摩擦係数は、上昇する。感光体ドラム2の表面の摩擦係数が上昇すると、ダッシュマークとなり、トナーが用紙Tに転写された際に、黒点として現れてしまう可能性がある。また、ドラムクリーニング部11のクリーニングブレード152は、感光体ドラム2の表面との摩擦により、捲れたり欠落したりする可能性がある。
【0118】
特に、汚染モードにおいて連続的に印刷を行う用紙Tの枚数が増加すると、感光体ドラム2の表面に付着する放電生成物が堆積することにより、感光体ドラム2の表面における摩擦係数は、一層上昇する。
【0119】
本実施形態では、エージング状態における感光体ドラム2の回転時間は、印刷枚数を考慮して通常モードの場合よりも長く設定される。具体的には、エージング状態における感光体ドラム2のエージング回転時間は、用紙Tの印刷枚数が多くなるにしたがって長く設定される。これにより、次の印刷開始時における感光体ドラム2の表面の摩擦係数は、一定値以下、例えば、0.5以下に維持される。この結果、ダッシュマークや、クリーニングブレード152からの異音の発生(クリーニングブレードなき)や、クリーニングブレード152の捲れや欠落や、用紙Tに形成されるトナー画像の流れ等の不具合の発生が抑制される。
【0120】
エージング動作が終了した後、電圧制御部120は、ステップST9において、交流電圧印加部105Bに印加する交流電圧成分を第1電圧V1PPにするように変更する。この状態で、受け付け部113は、次の印刷の指示を待機する。
【0121】
本実施形態のプリンタ1によれば、例えば、次のような効果が奏される。
本実施形態のプリンタ1においては、感光体ドラム2と、感光体ドラム2の表面に対向して接触して配置され、感光体ドラム2の表面を帯電させる帯電ローラ10と、帯電ローラ10の表面に対向して配置される付着物検出センサ102を有し、帯電ローラ10の表面に付着する所定領域における付着物の量の値である付着物値を算出する測定部100と、測定部100により算出された付着物値に基づいて、帯電ローラ10の表面における付着物値の平均値である付着物平均値を算出すると共に、付着物平均値を基準として帯電ローラ10において付着物値が所定範囲を超えた領域があるか否かを検出する検出部116と、帯電ローラ10に直流電圧に対して交流電圧を重畳したバイアス電圧を印加する直流電圧印加部105A及び交流電圧印加部105Bと、検出部116により付着物値が付着物平均値を基準として所定範囲を超えた領域が検出された場合、所定範囲を超えた領域が検出された帯電ローラ10に印加するバイアス電圧における交流電圧を大きくするよう交流電圧印加部105Bを制御する電圧制御部120と、を備える。
【0122】
そのため、付着物平均値を基準として所定領域の付着物値が所定範囲を超えたとき、帯電ローラ10の表面に汚染ムラがある(帯電ローラ10の表面が汚染状態にある)と判定することにより、バイアス電圧における交流電圧を調整することができる。
これにより、帯電ローラ10の表面における汚染ムラ(汚染状態)を検出することにより、感光体ドラム2の表面を適正に帯電させることができる。その結果、プリンタ1は、ムラのない良好なトナー画像を用紙Tに形成することができる。
【0123】
本実施形態のプリンタ1においては、帯電部10の表面に付着する付着物は、トナーを含む。そのため、帯電ローラ10の表面におけるトナーによる汚染ムラ(汚染状態)を検出することにより、バイアス電圧における交流電圧を調整することができる。
【0124】
本実施形態のプリンタ1においては、感光体ドラム2は、第1回転軸J1を中心に回転可能であり、帯電ローラ10は、第1回転軸J1に平行な第2回転軸J2を中心に回転可能であり、付着物検出センサ102を第2回転軸J2に平行な方向に沿って移動させるセンサ駆動部107を更に備える。そのため、付着物検出センサ102は、帯電ローラ10の表面の全域において、所定領域それぞれの付着物を検出することができる。例えば、付着物検出センサ102は、帯電ローラ10の表面に光を照射することで、帯電ローラ10の表面に付着した付着物により反射された光量を帯電ローラ10の表面の全域において検出することができる。これにより、測定部100は、帯電ローラ10の表面の全域において付着物値を算出することができる。その結果、帯電ローラ10の表面の全域において、帯電ローラ10の表面における汚染ムラ(汚染状態)を検出することができる。
【0125】
本実施形態のプリンタ1においては、電圧制御部120は、通常モードにおいて、バイアス電圧における交流電圧成分を第1電圧V1PPとするよう電圧印加部105を制御し、検出部116により付着物値が付着物平均値を基準として所定範囲を超えた領域があると検出される汚染モードにおいて、バイアス電圧における交流電圧成分を第1電圧V1PPよりも大きい第2電圧V2PPとするよう電圧印加部105を制御する。
【0126】
そのため、帯電ローラ10の表面が汚染状態にない場合と汚染状態にある場合とで、帯電ローラ10に印加するバイアス電圧を適宜切り替えることにより、汚染モードが不必要に継続されることがなく、電力の無駄な消費を抑えることができる。
【0127】
本実施形態のプリンタ1においては、感光体ドラム2の表面と接触して、感光体ドラム2の表面からトナーを除去するクリーニングローラ151と、感光体ドラム2を回転させる回転駆動部104と、感光体ドラム2に現像器16から実質的にトナーが供給されない状態で感光体ドラム2を所定時間回転させるエージング状態において、転写ローラ8によりトナー画像が形成された用紙Tの枚数に対応する感光体ドラム2のエージング回転時間情報を記憶するエージング回転時間情報記憶部127と、電圧制御部120がバイアス電圧における交流電圧を第2電圧V2PPとするよう電圧印加部105を制御した場合に、転写ローラ8により所定枚数の用紙Tにトナー画像を形成した後に、エージング回転時間情報記憶部127に記憶されたエージング回転時間情報に基づいて、エージング状態になるよう回転駆動部104を制御する回転駆動制御部123と、を備える。
【0128】
そのため、汚染モードにおいて所定枚数印刷後に適切なエージング動作を行うことにより、感光体ドラム2の表面における摩擦係数の上昇は、抑制される。これにより、ダッシュマークや、クリーニングブレード152からの異音の発生(クリーニングブレードなき)や、クリーニングブレード152の捲れや欠落や、用紙Tに形成されるトナー画像の流れ等の不具合の発生が抑制される。
【0129】
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は、前述した実施形態に限定されることなく、種々の形態で実施することができる。
例えば、上述した実施形態では、付着物検出センサ102は、回転駆動される帯電ローラ10の第2回転軸J2方向に沿って移動されるように構成したが、これに制限されない。付着物検出センサ102は、例えば、帯電ローラ10の第2回転軸J2方向に多数の光電変換部を有した長尺な一次元センサで構成することにより、付着物検出センサ102を移動して走査させることなく、帯電ローラ10の第2回転軸J2方向の汚染状態を所定領域それぞれにおいて検出する構成であってもよい。
【0130】
また、上述した実施形態では、画像形成装置を単色のトナー画像を形成するプリンタ1として説明したが、これに制限されず、カラーのトナー画像を形成するカラープリンタであってもよい。
本発明の画像形成装置の種類は、特に限定がなく、コピー機、プリンタ、ファクシミリ、又はこれらの複合機などであってもよい。
シート状の被転写材は、用紙に制限されず、例えば、フィルムシートであってもよい。
【符号の説明】
【0131】
1……プリンタ(画像形成装置)、2……感光体ドラム(像担持体)、4……レーザスキャナユニット(露光部)、8……転写ローラ(転写部)、10……帯電ローラ(帯電部)、16……現像器、100……測定部、102……付着物検出センサ(センサ)、104……回転駆動部、105……電圧印加部、105A……直流電圧印加部、105B……交流電圧印加部、107……センサ駆動部、116……検出部、120……電圧制御部、123……回転駆動制御部、127……エージング回転時間情報記憶部(回転時間記憶部)、151……クリーニングローラ(クリーニング部材)、T……用紙(被転写材)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
1又は複数の像担持体と、
前記1又は複数の像担持体の表面に対向して接触して配置され、前記1又は複数の像担持体の表面それぞれを帯電させる1又は複数の帯電部と、
前記1又は複数の帯電部それぞれにより帯電された前記1又は複数の像担持体の表面それぞれに静電潜像を形成する1又は複数の露光部と、
前記1又は複数の露光部それぞれにより形成された静電潜像にトナー画像を現像する1又は複数の現像器と、
前記1又は複数の現像器それぞれにより前記1又は複数の像担持体の表面それぞれに形成されたトナー画像を直接的又は間接的にシート状の被転写材に転写する転写部と、
前記1又は複数の帯電部の表面それぞれに対向して配置される1又は複数のセンサを有し、前記1又は複数の帯電部の表面それぞれに付着する所定領域における付着物の量の値である付着物値を算出する測定部と、
前記測定部により算出された前記付着物値に基づいて、前記1又は複数の帯電部の表面それぞれにおける前記付着物値の平均値である付着物平均値を算出すると共に、前記付着物平均値それぞれを基準として前記1又は複数の帯電部それぞれにおいて前記付着物値が所定範囲を超えた領域があるか否かを検出する検出部と、
前記1又は複数の帯電部に直流電圧に対して交流電圧を重畳したバイアス電圧を印加する電圧印加部と、
前記検出部により前記付着物値が前記付着物平均値を基準として前記所定範囲を超えた領域が検出された場合、前記所定範囲を超えた領域が検出された前記帯電部に印加する前記バイアス電圧における前記交流電圧を大きくするよう前記電圧印加部を制御する電圧制御部と、を備える
画像形成装置。
【請求項2】
前記1又は複数の帯電部の表面に付着する前記付着物は、トナーを含む
請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記1又は複数の像担持体それぞれは、1又は複数の第1回転軸それぞれを中心に回転可能であり、
前記1又は複数の帯電部それぞれは、前記1又は複数の第1回転軸に平行な1又は複数の第2回転軸それぞれを中心に回転可能であり、
前記1又は複数のセンサそれぞれを前記1又は複数の第2回転軸に平行な方向に沿って移動させるセンサ駆動部を更に備える
請求項1又は2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記電圧制御部は、
通常モードにおいては、前記バイアス電圧における前記交流電圧を第1電圧とするよう前記電圧印加部を制御し、
前記検出部により前記付着物値が前記付着物平均値を基準として前記所定範囲を超えた領域があると検出される汚染モードにおいては、前記バイアス電圧における前記交流電圧を前記第1電圧よりも大きい第2電圧とするよう前記電圧印加部を制御する
請求項1から3のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記像担持体の表面と接触して、前記像担持体の表面からトナーを除去するクリーニング部材と、
前記1又は複数の像担持体を回転させる回転駆動部と、
前記1又は複数の像担持体それぞれに前記1又は複数の現像器それぞれから実質的にトナーが供給されない状態で前記像担持体を所定時間回転させるエージング状態において、前記転写部により前記トナー画像が形成された前記被転写材の枚数に対応する前記エージング状態における前記像担持体の回転時間情報を記憶する回転時間記憶部と、
前記電圧制御部が前記バイアス電圧における交流電圧を前記第2電圧とするよう前記電圧印加部を制御した場合に、前記転写部により所定枚数の前記被転写材に前記トナー画像を形成した後に、前記回転時間記憶部に記憶された前記回転時間情報に基づいて、前記エージング状態になるよう前記回転駆動部を制御する回転駆動制御部と、を備える
請求項4に記載の画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2011−112959(P2011−112959A)
【公開日】平成23年6月9日(2011.6.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−270569(P2009−270569)
【出願日】平成21年11月27日(2009.11.27)
【出願人】(000006150)京セラミタ株式会社 (13,173)
【Fターム(参考)】