画像形成装置
【課題】初期充填時にメインタンクからサブタンクへのインク供給と供給停止が繰り返されて時間がかかる。
【解決手段】メインタンク91と、内容積が変化するパック83を含むサブタンク81と、パック83内の液体量を検出する上限センサ183と、メインタンク91からサブタンク81にインクを供給するときに、上限センサ183の検出結果に応じてメインタンク91からサブタンク81に対する供給量を制御する制御手段とを備え、制御手段は、初期充填動作を行なうとき、上限センサ183の検出結果を使用しないでメインタンク91からサブタンク81に対するインク供給を制御する。
【解決手段】メインタンク91と、内容積が変化するパック83を含むサブタンク81と、パック83内の液体量を検出する上限センサ183と、メインタンク91からサブタンク81にインクを供給するときに、上限センサ183の検出結果に応じてメインタンク91からサブタンク81に対する供給量を制御する制御手段とを備え、制御手段は、初期充填動作を行なうとき、上限センサ183の検出結果を使用しないでメインタンク91からサブタンク81に対するインク供給を制御する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は画像形成装置に関し、特に液滴を吐出する液体吐出ヘッドを備える画像形成装置における初期充填動作に関する。
【背景技術】
【0002】
プリンタ、ファクシミリ、複写装置、プロッタ、これらの複合機等の画像形成装置として、例えばインク液滴を吐出する液体吐出ヘッド(液滴吐出ヘッド)からなる記録ヘッドを用いた液体吐出記録方式の画像形成装置としてインクジェット記録装置などが知られている。この液体吐出記録方式の画像形成装置は、記録ヘッドからインク滴を、搬送される用紙(紙に限定するものではなく、OHPなどを含み、インク滴、その他の液体などが付着可能なものの意味であり、被記録媒体あるいは記録媒体、記録紙、記録用紙などとも称される。)に対して吐出して、画像形成(記録、印字、印写、印刷も同義語で使用する。)を行なうものであり、記録ヘッドが主走査方向に移動しながら液滴を吐出して画像を形成するシリアル型画像形成装置と、記録ヘッドが移動しない状態で液滴を吐出して画像を形成するライン型ヘッドを用いるライン型画像形成装置がある。
【0003】
なお、本願において、液体吐出記録方式の「画像形成装置」は、紙、糸、繊維、布帛、皮革、金属、プラスチック、ガラス、木材、セラミックス等の媒体に液体を吐出して画像形成を行う装置を意味し、また、「画像形成」とは、文字や図形等の意味を持つ画像を媒体に対して付与することだけでなく、パターン等の意味を持たない画像を媒体に付与すること(単に液滴を媒体に着弾させること)をも意味する。また、「インク」とは、インクと称されるものに限らず、記録液、定着処理液、液体などと称されるものなど、画像形成を行うことができるすべての液体の総称として用い、例えば、DNA試料、レジスト、パターン材料、樹脂なども含まれる。また、「画像」とは平面的なものに限らず、立体的に形成されたものに付与された画像、また立体自体を3次元的に造形して形成された像も含まれる。
【0004】
このような、画像形成装置として用いられるインクジェット記録装置におけるインク供給方式として、記録ヘッド側にサブタンク(バッファタンク、ヘッドタンクなども同義とする。)を、装置本体側にメインタンクを配置して、メインタンクからサブタンクにインクを補充供給し、サブタンクから記録ヘッドにインクを供給する方式が知られている。
【0005】
このようなインク供給系において、インク供給経路にインクを初期充填する初期充填に関して、例えば、特許文献1には、インクを貯留されているメインインクタンクと、配管を開閉する開閉手段と、インクを一時的に貯留する袋状のサブインクタンクと、記録ヘッドとを有し、開閉手段とサブインクタンクを押しつぶす動作を用いて流路内を負圧にさせて充填し、最初の負圧作用で記録ヘッドからサブインクタンクを経て開閉手段までの間の流路にある空気を排出し、次の負圧作用で開閉手段からメインインクタンクまでの間の流路にある空気を排出することが開示されている。
【0006】
また、特許文献2には、メインタンクから容積変化可能な袋状のサブタンクにインクを送液する送液工程と、第一インク管路の下流端を閉塞した後、インクジェットヘッドのインクノズルからサブタンク内の空気及びインクを吸引する吸引工程と、第一インク管路の閉塞を解いた後、メインタンクからインクを送液しながらインクノズルからインクを吸引して、インク流路に所定量のインクを充填する充填工程を行なうことが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特許第4009821号公報
【特許文献2】特開2003−170607号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
ところで、サブタンクに可撓性を有するインク袋などの内容積が変化する液体収容部材を備える場合、メインタンクからサブタンクに対するインク供給量を制御するために、液体収容部材のインク量を検出する検出手段を備える必要がある。
【0009】
そのため、メインタンクからヘッドまでの供給経路をインクで満たすための初期充填動作を行なうとき、サブタンクのインク容量が満タンになるとメインタンクからサブタンクへのインク供給が停止され、サブタンクから下流側へのインク供給が行なわれてサブタンクのインク容量が減少するとメインタンクからサブタンクへのインク供給が再開されるというように、メインタンクからサブタンクへのインク供給・停止を頻繁に繰り返すことになる。
【0010】
そのため、初期充填動作に要する時間が長くなるという課題が生じる。
【0011】
本発明は上記の課題に鑑みてなされたものであり、初期充填動作の時間を短縮することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記の課題を解決するために、本発明に係る画像形成装置は、
液滴を吐出する液体吐出ヘッドと、
前記液体吐出ヘッドに供給する液体を収容するメインタンクと、
前記メインタンクから供給される液体を収容する内容積が変化する液体収容部材と、前記液体収容部材内の液体量を検出する検出手段とを有し、前記液体収容部材から前記液体吐出ヘッド側に前記液体を供給するサブタンクと、
前記メインタンクから前記サブタンクに液体を供給するときに、前記検出手段の検出結果に応じて前記メインタンクから前記サブタンクに対する液体供給量を制御する制御手段と、を備え
前記制御手段は、初期充填動作を行なうとき、前記検出手段の検出結果を使用しないで前記メインタンクから前記サブタンクに対する液体を供給する制御を行なう
構成とした。
【0013】
ここで、前記メインタンクの液体を加圧して前記サブタンクに供給する構成とできる。
【0014】
また、複数の前記液体吐出ヘッドと、各液体吐出ヘッドに液体を分配する分配手段と、前記液体吐出ヘッドと前記分配手段との間で液体を循環する循環経路と、前記液体吐出ヘッドから前記分配手段に向かう方向に液体を送液する循環ポンプと、を備え、初期充填動作を行なうときに液体を循環させる構成とできる。
【発明の効果】
【0015】
本発明に係る液体吐出ヘッドユニットによれば、初期充填動作を行なうとき、サブタンクの液体量を検出する検出手段の検出結果を使用しないでメインタンクからサブタンクに対する液体を供給する制御を行なう構成としたので、メインタンクからサブタンクへの液体の供給、停止が繰り返される回数が少なくなり、初期充填に要する時間を短縮できる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明に係る画像形成装置の一例の全体構成を説明する正面概略説明図である。
【図2】同じく要部平面説明図である。
【図3】同装置のインク供給系の説明に供する説明図である。
【図4】同装置のサブタンクの側面説明図である。
【図5】同サブタンクの斜視説明図である。
【図6】同装置の制御部の概要を説明するブロック説明図である。
【図7】同制御部による初期充填シーケンス制御処理の説明に供するフロー図である。
【図8】同じく図7に続く処理の説明に供するフロー図である。
【図9】同じくタイミングチャートである。
【図10】同じく状態遷移図である。
【図11】同じく状態遷移図である。
【図12】同じく状態遷移図である。
【図13】同じく状態遷移図である。
【図14】メインタンク定圧制御処理の説明に供するフロー図である。
【図15】サブタンクインク補給制御処理の説明に供するフロー図である。
【図16】ディストリビュータ内エアー排出制御処理の説明に供するフロー図である。
【図17】同じく図16に続く処理の説明に供するフロー図である。
【図18】本発明の他の実施形態の説明に供するインク供給系の説明図である。
【図19】ジョイント部材を切り離した状態の要部説明図である。
【図20】ジョイント部材の概略説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の実施の形態について添付図面を参照して説明する。まず、本発明に係る液体吐出ヘッドユニットを備える画像形成装置の一例について図1及び図2を参照して説明する。なお、図1は同画像形成装置の全体構成を説明する概略構成図、図2は同装置の模式的平面説明図である。
【0018】
この画像形成装置はライン型画像形成装置であり、装置本体1と、用紙Pを積載し給紙する給紙トレイ2と、印刷された用紙Pを排紙積載する排紙トレイ3と、用紙Pを給紙トレイ2から排紙トレイ3まで搬送する搬送ユニット4と、搬送ユニット4によって搬送される用紙Pに液滴を吐出し印字する記録ヘッドを構成するヘッドモジュール51を含む画像形成ユニット5と、印刷終了後又は所要のタイミングで画像形成ユニット5の各ヘッドの維持回復を行う維持回復機構であるヘッドクリーニング装置6と、ヘッドクリーニング装置6を開閉する搬送ガイド部7と、画像形成ユニット5のヘッドモジュール51にインクを供給するサブタンクで構成されるインクタンクユニット8と、インクタンクユニット8にインクを供給するメインタンクユニット9とを備えている。
【0019】
装置本体1は、図示しない前後側板及びステーなどで構成されており、給紙トレイ2上に積載されている用紙Pは、分離ローラ21及び給紙ローラ22によって1枚ずつ搬送ユニット4に給紙される。
【0020】
搬送ユニット4は、搬送駆動ローラ41Aと搬送従動ローラ41Bと、これらのローラ41A、41B間に掛け回された無端状の搬送ベルト43とを備えている。この搬送ベルト43の表面には複数の図示しない吸引孔が形成されており、搬送ベルト43の下部には用紙Pを吸引する吸引ファン44が配置されている。また、搬送駆動ローラ41A、搬送従動ローラ41B上部には、それぞれ搬送ガイドローラ42A、42Bが図示しないガイドに保持されて、自重にてベルト43に当接している。
【0021】
搬送ベルト43は、搬送駆動ローラ41Aが図示しないモータにより回転されることで周回移動し、用紙Pは搬送ベルト43上に吸引ファン44により吸い付けられ、搬送ベルト43の周回移動によって搬送される。なお、搬送従動ローラ41B、搬送ガイドローラ42A、42Bは搬送ベルト43に従動して回転する。また、搬送ベルト43の下側には空吐出で搬送ベルト43に付着した空吐出滴を除去する空吐出クリーニング装置45が配置されている。
【0022】
搬送ユニット4の上部には用紙Pに印字する液滴を吐出する複数のヘッドモジュール51で構成される画像形成ユニット5が矢示A方向(及び逆方向)に移動可能に配置されている。この画像形成ユニット5は、維持回復動作時(クリーニング時)にはクリーニング装置6上方まで移動され、画像形成時には図1の位置に戻される。
【0023】
画像形成ユニット5は、液滴を吐出する複数のヘッド及びヘッドタンクを一体化した本発明に係る液体吐出ヘッドユニット(以下「ヘッドユニット」という。)101とを一列に配列したヘッドモジュール(記録ヘッドユニット)51A、51B、51C、51Dが、用紙搬送方向に沿って並べてラインベース部材52に取付けられて配置されている。
【0024】
ここでは、ヘッドモジュール51A、51Bの2つのノズル列の一方でイエロー(Y)の液滴を、他方でマゼンタ(M)の液滴を吐出し、また、ヘッドモジュール51C、51Dの2つのノズル列の一方でシアン(C)の液滴を、他方でブラック(K)の液滴を吐出する。つまり、この画像形成ユニット5は、同じ色の液滴を吐出する2つのヘッドモジュール51が用紙搬送方向に並べて配置され、2つのヘッドモジュール51で用紙幅相当の1列分のノズル列が構成されている構成としている。
【0025】
そして、ヘッドモジュール51の上側にはインクをそれぞれのヘッドユニット101に供給する分配手段としての分配タンク(以下「ディストリビュータ」という。)54がヘッドモジュール51ごとに配列され、ディストリビュータ54とヘッドユニット101とはチューブ55にて接続されている。ディストリビュータ54の上流側にはサブタンク81が配置されて供給チューブ82を介して接続されている。サブタンク81には上流側には、インクを貯蔵するメインタンク91が配置され、メインタンク91とサブタンク81とは供給チューブ92による供給経路にて接続されている。
【0026】
搬送ユニット4の下流側には用紙Pを排紙トレイ3に排紙する搬送ガイド部7が設けられている。搬送ガイド部7にて案内されて搬送される用紙Pは排紙トレイ3に排紙される。排紙トレイ3は、用紙Pの幅方向を規制する対のサイドフェンス31と用紙Pの先端を規制するエンドフェンス32を備えている。
【0027】
維持回復機構(ヘッドクリーニング装置)6は、画像形成ユニット5の各ヘッドモジュール51に対応して、4列分のクリーニング手段61A〜61Dが配置され、1つのクリーニング手段61は、ヘッドモジュール51の各ヘッド101に対応してノズル面をキャッピングするキャップ部材62及びノズル面を払拭するワイピング部材(ワイパ部材)64などで構成されている。なお、各クリーニング手段61のキャップ部材62は各列毎に独立して上下動させることができる構成としている。さらに、クリーニング手段61の下方には、キャップ部材62でヘッドユニット101のノズル面をキャッピングした状態でノズルからインクを吸引するための吸引手段である吸引ポンプ63A〜63Dが配置されている。
【0028】
また、この画像形成装置においては、印刷終了後、液滴を吐出するヘッドモジュール51の各ヘッドユニット101のノズル面をクリーニング手段61でキャッピングした状態でノズルからインクを吸引する場合、あるいは、ヘッドモジュール51の各ヘッドユニット101のノズル面に付着したインクをワイピング部材で清掃する場合は、図1にも示すように、印刷停止後、搬送ユニット4全体が搬送従動ローラ41Bを支点に矢印B方向に回動し、画像形成ユニット5との間の空間を画像形成時よりも大きくすることで、画像形成ユニット5の移動スペースを確保するようにしている。このとき、ヘッドクリーニング装置6上部に配置されている搬送ガイド部7の搬送ガイド板71も支点72にて矢印C方向上方に回動され、ヘッドクリーニング装置6の上方が開放される。
【0029】
そして、搬送ユニット4と搬送ガイド部7がそれぞれ解放(解除)された後に、画像形成ユニット5が用紙通紙方向(矢示A方向)に移動し、ヘッドクリーニング装置6上方で停止され、クリーニング手段61が上昇して各ヘッドモジュール51のクリーニング動作(維持回復動作)に移行する。
【0030】
次に、この画像形成装置のインク供給系の詳細について図3及び図4を参照し手説明する。
この画像形成装置のインク供給系は、主にメインタンク91と、サブタンク81と、ディストリビュータ54と、ヘッドユニット101とで構成されている。メインタンク91のインクは、供給チューブ92を介してサブタンク81に供給され、サブタンク81から供給チューブ82を介してディストリビュータ54に供給され、ディストリビュータ54から供給チューブ55を介して各ヘッドタンク101に分配供給される。サブタンク81とヘッドユニット101のノズル面との水頭差(−20〜−70mmAq)によって、ヘッドユニット101のノズルのメニスカスを保持するのに適切な負圧を発生させている。ヘッドユニット101は、液滴を吐出するヘッド201と、ヘッド201にインクを供給するヘッドタンク202とで構成されている。
【0031】
メインタンク91は、加圧ポンプ94(P1)によってエアー加圧され、圧力センサ95(S1)が所定圧力になるように制御される。このエアー加圧により内部のインクをサブタンク81側に押し出す。また、メインタンク91には大気開放用の電磁弁95(S1)と、圧力センサ96(S1)とが設けられ、所定以上の圧力になったときには大気開放を行なう。
【0032】
このメインタンク91からサブタンク81の供給経路には電磁弁(インク供給弁)93(V1)が介在され、電磁弁93を開閉することで供給及び停止を制御することができる。
【0033】
サブタンク81は、パック式のサブタンクで構成している。すなわち、サブタンク81は、インクを収容する可とう性を有する容積変化が可能なパック(インク袋)83を密閉ケース84内に収納してなる。パック式サブタンクは、インクと大気を直接触れさせないようにして、インクの水分蒸発による粘度上昇を防ぎ、また、インク中の溶存酸素量を一定に保ち、ヘッドユニット101内に気泡が溜まるのを防ぐことができる。
【0034】
そして、サブタンク81には、パック83とケース84との間の空間81Aを加圧する加圧ポンプ85がチャンバ86を介して接続されている(チューブポンプで連結されている)。また、空間81Aとチャンバとの間には経路を開閉する電磁弁87(V2)が設けられ、またチャンバ86には大気開放用の電磁弁88(Va2)と圧力センサ89(S2)が設けられている。
【0035】
さらに、サブタンク81内には、パック83内の液体量を検出するため、パック83に追従して変位するフィラ(変位部材、検知部材)181が設けられ、ケース84の外側に、フィラ181が下限位置にあることを検知する下限センサ182と、フィラ181が上限位置にあることを検知する上限センサ183(Sf2)とが設けられている。下限センサ182がフィラ181を検知したときにインク供給弁93を開いてインクを供給し、上限センサ183がフィラ181を検知したときにインク供給弁93を閉じてインク供給を停止する制御を行なって、メインタンク91からサブタンク81へのインク供給を制御する。
【0036】
また、上述した加圧ポンプ85、電磁弁88、圧力センサ89は、ディストリビュータ54内に溜まった気泡を排気口(大気開放路)155から排出するとき、ヘッドユニット101のノズルの維持回復を加圧方式で行うときに使用する。例えば、ディストリビュータ54に溜まった気泡を排出する場合、検知針(液面検知センサ)157(S3)にて内部の液面を検知しており,液面が下がったときは気泡混入と判断して気泡排出動作を行う。このとき、サブタンク81の加圧ポンプ85で加圧すると同時に気泡排出弁(電磁弁)156(V3)を開放して排気口155から気泡を押し出す。
【0037】
また、ヘッドユニット101のノズル維持回復の加圧の場合には、チャンバ86内を加圧ポンプ85で所定圧力に高めた後に、電磁弁87(V2)を開いてサブタンク81の空間81Aに圧力を一気に与えることで、パック83に急激にエアー圧力が加わりインクがヘッドユニット101側に押し出される。
【0038】
ヘッドユニット101のヘッドタンク202にはディストリビュータ54との間にインク供給用の供給チューブ55が接続されている。また、各ヘッドユニット101のヘッドタンク202にはインク排出用の排出チューブ56が接続され、各排出チューブ56は循環経路(循環用マニホールド)57で1つにまとめられて、循環ポンプ58を介してディストリビュータ54に接続されている。
【0039】
ヘッド201及びヘッドタンク202内のインクと気泡を吸い出すときには、循環ポンプ58にてインクと気泡を吸引してディストリビュータ54に戻し、ディストリビュータ54内で気泡とインクを分離して気泡のみをエアー排出口155から排出させる。
【0040】
また、ヘッドクリーニング装置6(Mi)のヘッドユニット101のノズル面をキャッピングするキャップ部材62と吸引ポンプ63との間には吸引を行なうキャップ部材62を切り替えるための電磁弁65(Vi)が設けられている。
【0041】
次に、サブタンクの詳細について図4及び図5を参照して説明する。なお、図4は同サブタンクの側面説明図、図5は同じく斜視説明図である。
サブタンク81は、パック83を縦置きにした状態で、フィラ181の回転中心181aを下側に、フィラ181の先端部の変位量を検知するための上限センサ183と下限センサ182をケース84外側で上側に配置している。
【0042】
ここで、フィラ181は、パック83が実線図示のインク満杯の状態になったこと、破線図示のインク空の状態になったことを検出できるように、パック83面に接したフィラ接触部181bがパック83の外面の変位に追従して、実線図示の位置と破線図示の位置に変位する。また、フィラ181の先端部181cは、上限センサ183と下限センサ182によって検知しやすいように広い面状に形成されており、確実にフィラ181が検知されるようにしている。
【0043】
この場合、フィラ181の回転中心181aに対してフィラ181の重心はフィラ接触部181bの位置にあり、フィラ接触部181bは回転中心181aの垂直線に対してパック83の方向(この例では図で左側)に位置しており、フィラ181はパック83の方向に倒れ込む構成とされ、フィラ接触部181bがパック83の外面に常時接している。
【0044】
パック83内にインクが入っているときのパック83の膨らみは、パック83の上下方向における中心線184よりも下側となるため、この部分にフィラ接触部181bが接触するような位置関係としている。
【0045】
また、フィラ181の回転中心181aとフィラ接触部181bとフィラ先端部181cの位置関係は、フィラ接触部183bがフィラ回転中心181aに近く、フィラ先端部181cから遠くなる位置になるように形成しており、パック83の変位量をフィラ先端部181cで大きな変位量として得られるようにしている。
【0046】
また、フィラ接触部181bは、図5に示すように、フィラ181の他の部分より面積を広くし、安定してパック83の外面に接触するようにしている。
【0047】
パック83の上部にはメインタンク91から送液されるインクが供給されるインク補給口185と、ディストリビュータ54(ヘッドユニット側)にインクを供給するインク供給口186とを設けている。パック83の上部にインク供給口186を設けることで、メインタンク91側からエアーが混入してパック83内に侵入した場合でも、エアーがインク供給口186からディストリビュータ54側に抜け易くなる。
【0048】
次に、この画像形成装置における制御部の概要について図6のブロック説明図を参照して説明する。
この制御部500は、この画像形成装置全体の制御を司る本発明における初期充填動作を制御する制御手段を兼ねるマイクロコンピュータ、画像メモリ、通信インタフェースなどで構成した主制御部(システムコントローラ)501を備えている。主制御部501は、外部の情報処理装置(ホスト側)などから転送される画像データ及び各種コマンド情報に基づいて用紙に画像を形成するために、印刷制御部502に印刷用データを送出する。
【0049】
印刷制御部502は、主制御部501からの受領する印刷データ信号に基づいて、記録ヘッドユニット101の各ヘッド201から液滴を吐出させるための圧力発生手段を駆動するためのデータを生成し、このデータの転送及び転送の確定などに必要な各種信号などをヘッドドライバ503に転送するとともに、駆動波形データ格納手段である記憶部、駆動波形のデータをD/A変換するD/A変換器及び電圧増幅器や電流増幅器等で構成される駆動波形生成部、ヘッドドライバ503に与える駆動波形を選択する選択手段を含み、1の駆動パルス(駆動信号)或いは複数の駆動パルス(駆動信号)で構成される駆動波形を生成してヘッドドライバ503に出力して、各ヘッド201を駆動制御する。
【0050】
また、主制御部501は、モータドライバ504を介して、搬送ベルト43を周回移動させる用紙送りモータ505を駆動制御する。
【0051】
また、主制御部501は、ドライバ505を介して電磁弁群506を駆動(開閉)制御し、ドライバ507を介してポンプ群508を駆動制御する。電磁弁群506には、前述した電磁弁58、93、95,87、88、65、155などが含まれ、ポンプ群508には、前述したポンプ94、85、63などが含まれる。
【0052】
また、主制御部501には各種センサからなるセンサ群509からの検出信号が入力される。センサ群509には、前述したセンサ96、89、182、183、157などが含まれる。また、操作部510との間で各種情報の入出力及び表示情報のやり取りを行う。
【0053】
次に、このように構成した画像形成装置における初期充填動作について図7及び図8のフロー図、図9のタイミングチャート、図10ないし図13の状態遷移図を参照して説明する。
〈初期状態〉(図9の丸付き数字1の期間)
まず、初期充填動作を行う前は、図3に示すようにメインタンク91からヘッドタンク202の上流までの供給流路にはインクが充填されていない状態である。この例ではヘッドユニット101のヘッドタンク202とヘッド201の流路内には充填液601が充填されている。
【0054】
〈サブタンク、ディストリビュータ、ヘッドタンクのインク充填〉(図9の丸付き数字2〜4の期間)
そこで、メインタンク91が装置本体にセットされたとき初期充填動作に入り、図7を参照して、メインタンク91の大気開放弁95(V1a)を閉じ、メインタンク91の加圧ポンプ94(P1)をONして、圧力センサ96(S1)が所定圧力になるまで加圧するメインタンク定圧制御(後述する)を行なう。
【0055】
そして、ディストリビュータ54の大気開放弁156(V3)を開き、インク供給弁93(V1)を開いて、メインタンク91からインク600をサブタンク81にインクを供給する。
【0056】
このとき、サブタンク81の上限センサ183(Sf2)がオン状態になってパック83がインクで満杯状態になったことが検出(図9の上限センサ182(Sf2)がON)されても、当該上限センサ183(Sf2)の検出結果を使用しないで(検出結果を無視して)、インク600を送液し続ける。この場合、パック83はケース84の内面又はフィラ181によって膨らみを規制されるので、満杯検知後送液してもパック83が損傷することはない。
【0057】
このようにしてサブタンク81へインク600を送液すると、インク600は、サブタンク81からディストリビュータ84にインクが供給される。そして、ディストリビュータ54内のインク液面が液面検知センサ157(S3)で検知された(センサS3 ON)ときに、メインタンク91からのインク供給弁93(V1)を閉じるとともに、ディストリビュータ54の大気開放弁156(V3)を閉じる。
【0058】
この段階では、ディストリビュータ54から下流の供給流路を形成するチューブ55として内径の細いチューブを用いているため、ディストリビュータ54から下流側にはインク600が送られない(図10参照)。
【0059】
次いで、メインタンク91からのインク供給弁93(V1)を開き、ディストリビュータ54、ヘッドタンク202、ヘッド201にインク600を加圧供給する。このとき、ヘッド201のノズルから内部に充填されていた充填液601がキャップ部材62に垂れ落ちるので、これを吸引するために吸引ポンプ63(Pi)をONする。なお、このとき、キャップ部材62とヘッド201のノズル面は離れた状態である。
【0060】
また、インクの加圧供給と同時に循環ポンプ58(P3)をONし、ヘッドタンク202内に残っているエアーとインクを吸い出してディストリビュータ54内に戻す。
【0061】
加圧によるインク供給を所定時間行った後、インク供給弁93(V1)を閉じ、その後所定時間経過後、吸引ポンプ63(Pi)を停止する。
【0062】
この段階で、ヘッドタンク201内部の充填液601が略インク600と置換される(図11の状態)。
【0063】
〈ヘッドタンク、ディストリビュータのエアー抜き〉(図9の丸付き数字5〜7の期間)
その後、メインタンク91からのインク供給弁93(V1)を開き、吸引ポンプ63(Pi)をONし、ディストリビュータ54の循環ポンプP3をONする。そして、所定時間経過後にインク供給弁93(V1)を閉じ、循環ポンプP3をOFFし、更に所定時間経過後吸引ポンプ63(Pi)をOFFする。これにより、ディストリビュータ54内にエアーが集められる。
【0064】
次いで、図8を参照して、ディストリビュータ54上部の大気開放弁156(V3)を開ける。同時に、インク供給弁93(V1)を開けてインク加圧供給する。また、吸引ポンプ63(Pi)をオンする。そして、ディストリビュータ54の液面検知センサ157(S3)がONした(液面を検知した)ときに、大気開放弁156(V3)を閉じて、所定時間経過後にインク供給弁93(V1)も閉じてインク供給を停止し、更に所定時間経過後に吸引ポンプ63(Pi)をOFFする。
【0065】
その後、サブタンク81の加圧ポンプ85(P2)をONし、大気弁(電磁弁)88(V2a)を閉じ、電磁弁87(V2)を閉じる。そして、サブタンク81の圧力センサ89(S2)が所定圧力を検出したとき、電磁弁87(V2)を開き、吸引ポンプ63(Pi)をONする。つまり、圧力センサ89(S2)が所定圧力になるまでサブタンク81内を加圧し、所定圧力になったときに、電磁弁87(V2)を開いてエアーを一気にサブタンク81のケース84内に送って加圧する。このときもヘッド201のノズルからはインクが垂れ落ちるため、吸引ポンプ63(Pi)をONしてキャップ部材62内のインクを吸引する。
【0066】
その後、上限センサ182(Sf2)が上限を検出した(所定出力値になった)ときに、加圧ポンプ85(P2)をOFFし、大気弁(電磁弁)88(Va2)を開く。そして、所定時間経過後吸引ポンプ63(Pi)をOFFする。
【0067】
サブタンクのフィラー(60)をインク量上限センサ(53)が検出した時点、又は所定時間後にサブタンクの大気開放弁(V2a)を開放して加圧を停止する。
【0068】
このようにして、ヘッドタンク202のフィルタ部材204より上流側、ディストリビュータ54上部のエアーを抜き、フィルタ部材204下流側とヘッド101内のインク抜きを行い、初期充填動作を終了する(図12の状態)。
【0069】
〈メインタンク加圧停止〉(図9の丸付き数字8の期間)
その後、吸引ポンプ63(Pi)をON(逆回転)した後、吸引ポンプ63(Pi)をOFFする。また、メインタンク91内を加圧する加圧ポンプ94(P1)を停止し、大気開放弁95(V1a)を開く(図13参照)。
【0070】
次に、メインタンク定圧制御処理について図14のフロー図を参照して説明する。
まず、メインタンク91の大気弁95(電磁弁)(V1a)を開き、圧力センサ96(S1)が所定圧力の下限値以下を検出したときには、加圧ポンプ94(P1)をONしてメインタンク91を加圧し、圧力センサ96(S1)が所定圧力の上限値以上を検出したときには、加圧ポンプ94(P1)をOFFしてメインタンク91の加圧を停止する。この処理をメインタンク91の定圧制御終了が指示されるまで繰り返し、定圧制御終了にするときには大気弁(電磁弁)95(Va1)を開いて大気開放した後、定圧制御処理を終了する。
【0071】
次に、サブタンクへのインク補給制御処理について図15のフロー図を参照して説明する。
まず、サブタンク81の下限センサ182(Sf2)が所定出力下限値以下(インク量が下限値以下)になったときには、電磁弁93(V1)を開いてメインタンク91からサブタンク81へインクを供給し、上限センサ183(Sf2)が所定出力上限値以上(インク量が上限値以上)になったときには、電磁弁93(V1)を閉じてメインタンク91からサブタンク81へインク供給を停止する。この処理をインク補給制御終了まで繰り返す。
【0072】
次に、ディストリビュータ内エアー排出処理について図16及び図17のフロー図を参照して説明する。
まず、図16を参照して、排出制御を開始したとき、液面センサ157(S3)がOFFであるときには、サブタンク81の大気弁(電磁弁)88(Va2)を閉じ、加圧ポンプ85(P2)をONし、ディストリビュータ54の電磁弁156(V3)を開き、吸引ポンプ63(Pi)をONする。これにより、サブタンク81からディストリビュータ54にインクが供給されるので、液面センサ157(S3)がONしたか否かを判別する。
【0073】
ここで、液面センサ157(S3)がONでなければ、サブタンク81の下限センサ182(Sf2)が所定出力下限値以下(インク量が下限値以下)であるか否かを判別し、下限センサ182(Sf2)が所定出力下限値以下であるときには、サブタンク81の大気弁(電磁弁)88(Va2)を開き、加圧ポンプ85(P2)をOFFし、ディストリビュータ54の電磁弁156(V3)を閉じ、インク供給弁93(V1)を開いてメインタンク91からサブタンク81へインクを供給する。
【0074】
そして、下限センサ182(Sf2)が所定出力上限値以上になれば、インク供給弁93(V1)を閉じてメインタンク91からサブタンク81へのインク供給を停止する。その後、サブタンク81の大気弁(電磁弁)88(Va2)を閉じ、加圧ポンプ85(P2)をONし、ディストリビュータ54の電磁弁156(V3)を開いてサブタンク81からディストリビュータ54へインクを供給する。
【0075】
これに対し、液面センサ157(S3)がONであれば、図17に示す処理に移行して、サブタンク81の大気弁(電磁弁)88(Va2)を開き、加圧ポンプ85(P2)をOFFし、ディストリビュータ54の電磁弁156(V3)を閉じた後、吸引ポンプ63(Pi)をOFFする。
【0076】
そして、メインタンク定圧制御終了になるまで上述した処理を繰り返す。
【0077】
次に、本発明の第2実施形態について図18の模式的説明図を参照して説明する。
ここでは、初期充填の終了を廃液タンクのインク量で管理している。すなわち、前記第1実施形態では、初期充填が終了した情報を所定の時間で管理しているのに対して、ホン実施形態の構成においては、ヘッド201のノズルから垂れ落ちたインクの量で管理する。
【0078】
ヘッド201のノズルからキャップ部材82に垂れ落ちたインクは、吸引ポンプ63(Pi)によって廃液タンク67に送りこまれる。廃液タンク67には、内部のインク量(廃液量)を検知するため、初期充填インク量検知センサ68と、廃液タンク満杯検知センサ69がそれぞれの高さ位置に設けられている。
【0079】
初期充填インク量検知センサ68は、廃液タンク67の下面近傍に位置しており、初期充填時に機械に搭載された全ヘッド201内を通過した総インク量を廃液タンク67に排出された量でおおよそ把握できる。ヘッド201を通過したインクが所定量以上であれば全てのヘッド201のノズル内にはインクが充填されているという確認を予めしておけば、廃液タンク67のインク量で初期充填が終了したか否かを判別することができる。
【0080】
なお、廃液タンク満杯検知センサ69が廃液を検知した場合には、廃液タンク67が廃液(廃インク)で一杯であることから、廃液タンク交換を促す情報(例えばサービスマンコール)を操作パネルなどに表示させる。
【0081】
次に、ヘッド交換について図19及び図20をも参照して説明する。図19はジョイント部材を切り離した状態の要部説明図、図20はジョイント部材の概略説明図である。
上述した画像形成装置においては、ディストリビュータ54とヘッドユニット101のヘッドタンク202とをつなぐ供給チューブ55、排出チューブ56はジョイント部材110で接続及ぶ分離できる構成としている。これにより、ヘッドユニット101を交換するときには、ジョイント部材110から供給流路及び排出流路を切り離して、ヘッドユニット101を新品のヘッドユニット101と交換する。ジョイント部材110を介在させることで、流路内にインクが入った状態においてもヘッドユニット101の交換を行なうことができる。
【0082】
そして、ヘッドユニット101の交換を行なった場合、交換作業によって供給流路内に僅かにエアーが入り込んでしまうため、初期充填と同じようにインクをヘッド201から排出する動作が必要となる。
【0083】
このときにも前述した初期充填動作を行って、サブタンク81のインク量検知制御を無視したインク供給動作を行うことが可能である。これにより、ヘッド201にインクを送るときの時間が短縮できるため、結果としてヘッド交換に要する作業時間を短縮できる。つまり、本発明における「初期充填動作」とはヘッド内にインク(液体)を充填する動作を意味する。
【0084】
なお、ジョイント部材110は、図20に示すように、主に供給針191を備えた構成部品とゴム栓195を備えた構成部品とからなる。供給針191をゴム栓195に突き刺すことで供給針191先端に設けた孔192によってディストリビュータ54とヘッドユニット101間が連通する(図20(b))。
【0085】
また、供給針191をゴム栓195から抜いた場合には、供給針191の孔192からインクが漏れないようにカバー部材193がスプリング198の付勢の力によって押されて孔192を封止する(図20(a))。
【0086】
なお、上記実施形態ではライン型画像形成装置に適用した例で説明しているが、シリアル型画像形成装置にも同様に適用することができる。
【符号の説明】
【0087】
1 装置本体
4 搬送ユニット(搬送部)
5 画像形成ユニット
6 クリーニング装置(維持回復機構)
7 搬送ガイド部
8 インクタンクユニット(サブタンクユニット)
9 メインタンクユニット
51 ヘッドモジュール(記録ヘッドユニット)
54 分配タンク(分配部材)
81 サブタンク
91 メインタンク(インクカートリッジ)
101 ヘッドユニット
201 ヘッド
202 ヘッドタンク
【技術分野】
【0001】
本発明は画像形成装置に関し、特に液滴を吐出する液体吐出ヘッドを備える画像形成装置における初期充填動作に関する。
【背景技術】
【0002】
プリンタ、ファクシミリ、複写装置、プロッタ、これらの複合機等の画像形成装置として、例えばインク液滴を吐出する液体吐出ヘッド(液滴吐出ヘッド)からなる記録ヘッドを用いた液体吐出記録方式の画像形成装置としてインクジェット記録装置などが知られている。この液体吐出記録方式の画像形成装置は、記録ヘッドからインク滴を、搬送される用紙(紙に限定するものではなく、OHPなどを含み、インク滴、その他の液体などが付着可能なものの意味であり、被記録媒体あるいは記録媒体、記録紙、記録用紙などとも称される。)に対して吐出して、画像形成(記録、印字、印写、印刷も同義語で使用する。)を行なうものであり、記録ヘッドが主走査方向に移動しながら液滴を吐出して画像を形成するシリアル型画像形成装置と、記録ヘッドが移動しない状態で液滴を吐出して画像を形成するライン型ヘッドを用いるライン型画像形成装置がある。
【0003】
なお、本願において、液体吐出記録方式の「画像形成装置」は、紙、糸、繊維、布帛、皮革、金属、プラスチック、ガラス、木材、セラミックス等の媒体に液体を吐出して画像形成を行う装置を意味し、また、「画像形成」とは、文字や図形等の意味を持つ画像を媒体に対して付与することだけでなく、パターン等の意味を持たない画像を媒体に付与すること(単に液滴を媒体に着弾させること)をも意味する。また、「インク」とは、インクと称されるものに限らず、記録液、定着処理液、液体などと称されるものなど、画像形成を行うことができるすべての液体の総称として用い、例えば、DNA試料、レジスト、パターン材料、樹脂なども含まれる。また、「画像」とは平面的なものに限らず、立体的に形成されたものに付与された画像、また立体自体を3次元的に造形して形成された像も含まれる。
【0004】
このような、画像形成装置として用いられるインクジェット記録装置におけるインク供給方式として、記録ヘッド側にサブタンク(バッファタンク、ヘッドタンクなども同義とする。)を、装置本体側にメインタンクを配置して、メインタンクからサブタンクにインクを補充供給し、サブタンクから記録ヘッドにインクを供給する方式が知られている。
【0005】
このようなインク供給系において、インク供給経路にインクを初期充填する初期充填に関して、例えば、特許文献1には、インクを貯留されているメインインクタンクと、配管を開閉する開閉手段と、インクを一時的に貯留する袋状のサブインクタンクと、記録ヘッドとを有し、開閉手段とサブインクタンクを押しつぶす動作を用いて流路内を負圧にさせて充填し、最初の負圧作用で記録ヘッドからサブインクタンクを経て開閉手段までの間の流路にある空気を排出し、次の負圧作用で開閉手段からメインインクタンクまでの間の流路にある空気を排出することが開示されている。
【0006】
また、特許文献2には、メインタンクから容積変化可能な袋状のサブタンクにインクを送液する送液工程と、第一インク管路の下流端を閉塞した後、インクジェットヘッドのインクノズルからサブタンク内の空気及びインクを吸引する吸引工程と、第一インク管路の閉塞を解いた後、メインタンクからインクを送液しながらインクノズルからインクを吸引して、インク流路に所定量のインクを充填する充填工程を行なうことが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特許第4009821号公報
【特許文献2】特開2003−170607号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
ところで、サブタンクに可撓性を有するインク袋などの内容積が変化する液体収容部材を備える場合、メインタンクからサブタンクに対するインク供給量を制御するために、液体収容部材のインク量を検出する検出手段を備える必要がある。
【0009】
そのため、メインタンクからヘッドまでの供給経路をインクで満たすための初期充填動作を行なうとき、サブタンクのインク容量が満タンになるとメインタンクからサブタンクへのインク供給が停止され、サブタンクから下流側へのインク供給が行なわれてサブタンクのインク容量が減少するとメインタンクからサブタンクへのインク供給が再開されるというように、メインタンクからサブタンクへのインク供給・停止を頻繁に繰り返すことになる。
【0010】
そのため、初期充填動作に要する時間が長くなるという課題が生じる。
【0011】
本発明は上記の課題に鑑みてなされたものであり、初期充填動作の時間を短縮することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記の課題を解決するために、本発明に係る画像形成装置は、
液滴を吐出する液体吐出ヘッドと、
前記液体吐出ヘッドに供給する液体を収容するメインタンクと、
前記メインタンクから供給される液体を収容する内容積が変化する液体収容部材と、前記液体収容部材内の液体量を検出する検出手段とを有し、前記液体収容部材から前記液体吐出ヘッド側に前記液体を供給するサブタンクと、
前記メインタンクから前記サブタンクに液体を供給するときに、前記検出手段の検出結果に応じて前記メインタンクから前記サブタンクに対する液体供給量を制御する制御手段と、を備え
前記制御手段は、初期充填動作を行なうとき、前記検出手段の検出結果を使用しないで前記メインタンクから前記サブタンクに対する液体を供給する制御を行なう
構成とした。
【0013】
ここで、前記メインタンクの液体を加圧して前記サブタンクに供給する構成とできる。
【0014】
また、複数の前記液体吐出ヘッドと、各液体吐出ヘッドに液体を分配する分配手段と、前記液体吐出ヘッドと前記分配手段との間で液体を循環する循環経路と、前記液体吐出ヘッドから前記分配手段に向かう方向に液体を送液する循環ポンプと、を備え、初期充填動作を行なうときに液体を循環させる構成とできる。
【発明の効果】
【0015】
本発明に係る液体吐出ヘッドユニットによれば、初期充填動作を行なうとき、サブタンクの液体量を検出する検出手段の検出結果を使用しないでメインタンクからサブタンクに対する液体を供給する制御を行なう構成としたので、メインタンクからサブタンクへの液体の供給、停止が繰り返される回数が少なくなり、初期充填に要する時間を短縮できる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明に係る画像形成装置の一例の全体構成を説明する正面概略説明図である。
【図2】同じく要部平面説明図である。
【図3】同装置のインク供給系の説明に供する説明図である。
【図4】同装置のサブタンクの側面説明図である。
【図5】同サブタンクの斜視説明図である。
【図6】同装置の制御部の概要を説明するブロック説明図である。
【図7】同制御部による初期充填シーケンス制御処理の説明に供するフロー図である。
【図8】同じく図7に続く処理の説明に供するフロー図である。
【図9】同じくタイミングチャートである。
【図10】同じく状態遷移図である。
【図11】同じく状態遷移図である。
【図12】同じく状態遷移図である。
【図13】同じく状態遷移図である。
【図14】メインタンク定圧制御処理の説明に供するフロー図である。
【図15】サブタンクインク補給制御処理の説明に供するフロー図である。
【図16】ディストリビュータ内エアー排出制御処理の説明に供するフロー図である。
【図17】同じく図16に続く処理の説明に供するフロー図である。
【図18】本発明の他の実施形態の説明に供するインク供給系の説明図である。
【図19】ジョイント部材を切り離した状態の要部説明図である。
【図20】ジョイント部材の概略説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の実施の形態について添付図面を参照して説明する。まず、本発明に係る液体吐出ヘッドユニットを備える画像形成装置の一例について図1及び図2を参照して説明する。なお、図1は同画像形成装置の全体構成を説明する概略構成図、図2は同装置の模式的平面説明図である。
【0018】
この画像形成装置はライン型画像形成装置であり、装置本体1と、用紙Pを積載し給紙する給紙トレイ2と、印刷された用紙Pを排紙積載する排紙トレイ3と、用紙Pを給紙トレイ2から排紙トレイ3まで搬送する搬送ユニット4と、搬送ユニット4によって搬送される用紙Pに液滴を吐出し印字する記録ヘッドを構成するヘッドモジュール51を含む画像形成ユニット5と、印刷終了後又は所要のタイミングで画像形成ユニット5の各ヘッドの維持回復を行う維持回復機構であるヘッドクリーニング装置6と、ヘッドクリーニング装置6を開閉する搬送ガイド部7と、画像形成ユニット5のヘッドモジュール51にインクを供給するサブタンクで構成されるインクタンクユニット8と、インクタンクユニット8にインクを供給するメインタンクユニット9とを備えている。
【0019】
装置本体1は、図示しない前後側板及びステーなどで構成されており、給紙トレイ2上に積載されている用紙Pは、分離ローラ21及び給紙ローラ22によって1枚ずつ搬送ユニット4に給紙される。
【0020】
搬送ユニット4は、搬送駆動ローラ41Aと搬送従動ローラ41Bと、これらのローラ41A、41B間に掛け回された無端状の搬送ベルト43とを備えている。この搬送ベルト43の表面には複数の図示しない吸引孔が形成されており、搬送ベルト43の下部には用紙Pを吸引する吸引ファン44が配置されている。また、搬送駆動ローラ41A、搬送従動ローラ41B上部には、それぞれ搬送ガイドローラ42A、42Bが図示しないガイドに保持されて、自重にてベルト43に当接している。
【0021】
搬送ベルト43は、搬送駆動ローラ41Aが図示しないモータにより回転されることで周回移動し、用紙Pは搬送ベルト43上に吸引ファン44により吸い付けられ、搬送ベルト43の周回移動によって搬送される。なお、搬送従動ローラ41B、搬送ガイドローラ42A、42Bは搬送ベルト43に従動して回転する。また、搬送ベルト43の下側には空吐出で搬送ベルト43に付着した空吐出滴を除去する空吐出クリーニング装置45が配置されている。
【0022】
搬送ユニット4の上部には用紙Pに印字する液滴を吐出する複数のヘッドモジュール51で構成される画像形成ユニット5が矢示A方向(及び逆方向)に移動可能に配置されている。この画像形成ユニット5は、維持回復動作時(クリーニング時)にはクリーニング装置6上方まで移動され、画像形成時には図1の位置に戻される。
【0023】
画像形成ユニット5は、液滴を吐出する複数のヘッド及びヘッドタンクを一体化した本発明に係る液体吐出ヘッドユニット(以下「ヘッドユニット」という。)101とを一列に配列したヘッドモジュール(記録ヘッドユニット)51A、51B、51C、51Dが、用紙搬送方向に沿って並べてラインベース部材52に取付けられて配置されている。
【0024】
ここでは、ヘッドモジュール51A、51Bの2つのノズル列の一方でイエロー(Y)の液滴を、他方でマゼンタ(M)の液滴を吐出し、また、ヘッドモジュール51C、51Dの2つのノズル列の一方でシアン(C)の液滴を、他方でブラック(K)の液滴を吐出する。つまり、この画像形成ユニット5は、同じ色の液滴を吐出する2つのヘッドモジュール51が用紙搬送方向に並べて配置され、2つのヘッドモジュール51で用紙幅相当の1列分のノズル列が構成されている構成としている。
【0025】
そして、ヘッドモジュール51の上側にはインクをそれぞれのヘッドユニット101に供給する分配手段としての分配タンク(以下「ディストリビュータ」という。)54がヘッドモジュール51ごとに配列され、ディストリビュータ54とヘッドユニット101とはチューブ55にて接続されている。ディストリビュータ54の上流側にはサブタンク81が配置されて供給チューブ82を介して接続されている。サブタンク81には上流側には、インクを貯蔵するメインタンク91が配置され、メインタンク91とサブタンク81とは供給チューブ92による供給経路にて接続されている。
【0026】
搬送ユニット4の下流側には用紙Pを排紙トレイ3に排紙する搬送ガイド部7が設けられている。搬送ガイド部7にて案内されて搬送される用紙Pは排紙トレイ3に排紙される。排紙トレイ3は、用紙Pの幅方向を規制する対のサイドフェンス31と用紙Pの先端を規制するエンドフェンス32を備えている。
【0027】
維持回復機構(ヘッドクリーニング装置)6は、画像形成ユニット5の各ヘッドモジュール51に対応して、4列分のクリーニング手段61A〜61Dが配置され、1つのクリーニング手段61は、ヘッドモジュール51の各ヘッド101に対応してノズル面をキャッピングするキャップ部材62及びノズル面を払拭するワイピング部材(ワイパ部材)64などで構成されている。なお、各クリーニング手段61のキャップ部材62は各列毎に独立して上下動させることができる構成としている。さらに、クリーニング手段61の下方には、キャップ部材62でヘッドユニット101のノズル面をキャッピングした状態でノズルからインクを吸引するための吸引手段である吸引ポンプ63A〜63Dが配置されている。
【0028】
また、この画像形成装置においては、印刷終了後、液滴を吐出するヘッドモジュール51の各ヘッドユニット101のノズル面をクリーニング手段61でキャッピングした状態でノズルからインクを吸引する場合、あるいは、ヘッドモジュール51の各ヘッドユニット101のノズル面に付着したインクをワイピング部材で清掃する場合は、図1にも示すように、印刷停止後、搬送ユニット4全体が搬送従動ローラ41Bを支点に矢印B方向に回動し、画像形成ユニット5との間の空間を画像形成時よりも大きくすることで、画像形成ユニット5の移動スペースを確保するようにしている。このとき、ヘッドクリーニング装置6上部に配置されている搬送ガイド部7の搬送ガイド板71も支点72にて矢印C方向上方に回動され、ヘッドクリーニング装置6の上方が開放される。
【0029】
そして、搬送ユニット4と搬送ガイド部7がそれぞれ解放(解除)された後に、画像形成ユニット5が用紙通紙方向(矢示A方向)に移動し、ヘッドクリーニング装置6上方で停止され、クリーニング手段61が上昇して各ヘッドモジュール51のクリーニング動作(維持回復動作)に移行する。
【0030】
次に、この画像形成装置のインク供給系の詳細について図3及び図4を参照し手説明する。
この画像形成装置のインク供給系は、主にメインタンク91と、サブタンク81と、ディストリビュータ54と、ヘッドユニット101とで構成されている。メインタンク91のインクは、供給チューブ92を介してサブタンク81に供給され、サブタンク81から供給チューブ82を介してディストリビュータ54に供給され、ディストリビュータ54から供給チューブ55を介して各ヘッドタンク101に分配供給される。サブタンク81とヘッドユニット101のノズル面との水頭差(−20〜−70mmAq)によって、ヘッドユニット101のノズルのメニスカスを保持するのに適切な負圧を発生させている。ヘッドユニット101は、液滴を吐出するヘッド201と、ヘッド201にインクを供給するヘッドタンク202とで構成されている。
【0031】
メインタンク91は、加圧ポンプ94(P1)によってエアー加圧され、圧力センサ95(S1)が所定圧力になるように制御される。このエアー加圧により内部のインクをサブタンク81側に押し出す。また、メインタンク91には大気開放用の電磁弁95(S1)と、圧力センサ96(S1)とが設けられ、所定以上の圧力になったときには大気開放を行なう。
【0032】
このメインタンク91からサブタンク81の供給経路には電磁弁(インク供給弁)93(V1)が介在され、電磁弁93を開閉することで供給及び停止を制御することができる。
【0033】
サブタンク81は、パック式のサブタンクで構成している。すなわち、サブタンク81は、インクを収容する可とう性を有する容積変化が可能なパック(インク袋)83を密閉ケース84内に収納してなる。パック式サブタンクは、インクと大気を直接触れさせないようにして、インクの水分蒸発による粘度上昇を防ぎ、また、インク中の溶存酸素量を一定に保ち、ヘッドユニット101内に気泡が溜まるのを防ぐことができる。
【0034】
そして、サブタンク81には、パック83とケース84との間の空間81Aを加圧する加圧ポンプ85がチャンバ86を介して接続されている(チューブポンプで連結されている)。また、空間81Aとチャンバとの間には経路を開閉する電磁弁87(V2)が設けられ、またチャンバ86には大気開放用の電磁弁88(Va2)と圧力センサ89(S2)が設けられている。
【0035】
さらに、サブタンク81内には、パック83内の液体量を検出するため、パック83に追従して変位するフィラ(変位部材、検知部材)181が設けられ、ケース84の外側に、フィラ181が下限位置にあることを検知する下限センサ182と、フィラ181が上限位置にあることを検知する上限センサ183(Sf2)とが設けられている。下限センサ182がフィラ181を検知したときにインク供給弁93を開いてインクを供給し、上限センサ183がフィラ181を検知したときにインク供給弁93を閉じてインク供給を停止する制御を行なって、メインタンク91からサブタンク81へのインク供給を制御する。
【0036】
また、上述した加圧ポンプ85、電磁弁88、圧力センサ89は、ディストリビュータ54内に溜まった気泡を排気口(大気開放路)155から排出するとき、ヘッドユニット101のノズルの維持回復を加圧方式で行うときに使用する。例えば、ディストリビュータ54に溜まった気泡を排出する場合、検知針(液面検知センサ)157(S3)にて内部の液面を検知しており,液面が下がったときは気泡混入と判断して気泡排出動作を行う。このとき、サブタンク81の加圧ポンプ85で加圧すると同時に気泡排出弁(電磁弁)156(V3)を開放して排気口155から気泡を押し出す。
【0037】
また、ヘッドユニット101のノズル維持回復の加圧の場合には、チャンバ86内を加圧ポンプ85で所定圧力に高めた後に、電磁弁87(V2)を開いてサブタンク81の空間81Aに圧力を一気に与えることで、パック83に急激にエアー圧力が加わりインクがヘッドユニット101側に押し出される。
【0038】
ヘッドユニット101のヘッドタンク202にはディストリビュータ54との間にインク供給用の供給チューブ55が接続されている。また、各ヘッドユニット101のヘッドタンク202にはインク排出用の排出チューブ56が接続され、各排出チューブ56は循環経路(循環用マニホールド)57で1つにまとめられて、循環ポンプ58を介してディストリビュータ54に接続されている。
【0039】
ヘッド201及びヘッドタンク202内のインクと気泡を吸い出すときには、循環ポンプ58にてインクと気泡を吸引してディストリビュータ54に戻し、ディストリビュータ54内で気泡とインクを分離して気泡のみをエアー排出口155から排出させる。
【0040】
また、ヘッドクリーニング装置6(Mi)のヘッドユニット101のノズル面をキャッピングするキャップ部材62と吸引ポンプ63との間には吸引を行なうキャップ部材62を切り替えるための電磁弁65(Vi)が設けられている。
【0041】
次に、サブタンクの詳細について図4及び図5を参照して説明する。なお、図4は同サブタンクの側面説明図、図5は同じく斜視説明図である。
サブタンク81は、パック83を縦置きにした状態で、フィラ181の回転中心181aを下側に、フィラ181の先端部の変位量を検知するための上限センサ183と下限センサ182をケース84外側で上側に配置している。
【0042】
ここで、フィラ181は、パック83が実線図示のインク満杯の状態になったこと、破線図示のインク空の状態になったことを検出できるように、パック83面に接したフィラ接触部181bがパック83の外面の変位に追従して、実線図示の位置と破線図示の位置に変位する。また、フィラ181の先端部181cは、上限センサ183と下限センサ182によって検知しやすいように広い面状に形成されており、確実にフィラ181が検知されるようにしている。
【0043】
この場合、フィラ181の回転中心181aに対してフィラ181の重心はフィラ接触部181bの位置にあり、フィラ接触部181bは回転中心181aの垂直線に対してパック83の方向(この例では図で左側)に位置しており、フィラ181はパック83の方向に倒れ込む構成とされ、フィラ接触部181bがパック83の外面に常時接している。
【0044】
パック83内にインクが入っているときのパック83の膨らみは、パック83の上下方向における中心線184よりも下側となるため、この部分にフィラ接触部181bが接触するような位置関係としている。
【0045】
また、フィラ181の回転中心181aとフィラ接触部181bとフィラ先端部181cの位置関係は、フィラ接触部183bがフィラ回転中心181aに近く、フィラ先端部181cから遠くなる位置になるように形成しており、パック83の変位量をフィラ先端部181cで大きな変位量として得られるようにしている。
【0046】
また、フィラ接触部181bは、図5に示すように、フィラ181の他の部分より面積を広くし、安定してパック83の外面に接触するようにしている。
【0047】
パック83の上部にはメインタンク91から送液されるインクが供給されるインク補給口185と、ディストリビュータ54(ヘッドユニット側)にインクを供給するインク供給口186とを設けている。パック83の上部にインク供給口186を設けることで、メインタンク91側からエアーが混入してパック83内に侵入した場合でも、エアーがインク供給口186からディストリビュータ54側に抜け易くなる。
【0048】
次に、この画像形成装置における制御部の概要について図6のブロック説明図を参照して説明する。
この制御部500は、この画像形成装置全体の制御を司る本発明における初期充填動作を制御する制御手段を兼ねるマイクロコンピュータ、画像メモリ、通信インタフェースなどで構成した主制御部(システムコントローラ)501を備えている。主制御部501は、外部の情報処理装置(ホスト側)などから転送される画像データ及び各種コマンド情報に基づいて用紙に画像を形成するために、印刷制御部502に印刷用データを送出する。
【0049】
印刷制御部502は、主制御部501からの受領する印刷データ信号に基づいて、記録ヘッドユニット101の各ヘッド201から液滴を吐出させるための圧力発生手段を駆動するためのデータを生成し、このデータの転送及び転送の確定などに必要な各種信号などをヘッドドライバ503に転送するとともに、駆動波形データ格納手段である記憶部、駆動波形のデータをD/A変換するD/A変換器及び電圧増幅器や電流増幅器等で構成される駆動波形生成部、ヘッドドライバ503に与える駆動波形を選択する選択手段を含み、1の駆動パルス(駆動信号)或いは複数の駆動パルス(駆動信号)で構成される駆動波形を生成してヘッドドライバ503に出力して、各ヘッド201を駆動制御する。
【0050】
また、主制御部501は、モータドライバ504を介して、搬送ベルト43を周回移動させる用紙送りモータ505を駆動制御する。
【0051】
また、主制御部501は、ドライバ505を介して電磁弁群506を駆動(開閉)制御し、ドライバ507を介してポンプ群508を駆動制御する。電磁弁群506には、前述した電磁弁58、93、95,87、88、65、155などが含まれ、ポンプ群508には、前述したポンプ94、85、63などが含まれる。
【0052】
また、主制御部501には各種センサからなるセンサ群509からの検出信号が入力される。センサ群509には、前述したセンサ96、89、182、183、157などが含まれる。また、操作部510との間で各種情報の入出力及び表示情報のやり取りを行う。
【0053】
次に、このように構成した画像形成装置における初期充填動作について図7及び図8のフロー図、図9のタイミングチャート、図10ないし図13の状態遷移図を参照して説明する。
〈初期状態〉(図9の丸付き数字1の期間)
まず、初期充填動作を行う前は、図3に示すようにメインタンク91からヘッドタンク202の上流までの供給流路にはインクが充填されていない状態である。この例ではヘッドユニット101のヘッドタンク202とヘッド201の流路内には充填液601が充填されている。
【0054】
〈サブタンク、ディストリビュータ、ヘッドタンクのインク充填〉(図9の丸付き数字2〜4の期間)
そこで、メインタンク91が装置本体にセットされたとき初期充填動作に入り、図7を参照して、メインタンク91の大気開放弁95(V1a)を閉じ、メインタンク91の加圧ポンプ94(P1)をONして、圧力センサ96(S1)が所定圧力になるまで加圧するメインタンク定圧制御(後述する)を行なう。
【0055】
そして、ディストリビュータ54の大気開放弁156(V3)を開き、インク供給弁93(V1)を開いて、メインタンク91からインク600をサブタンク81にインクを供給する。
【0056】
このとき、サブタンク81の上限センサ183(Sf2)がオン状態になってパック83がインクで満杯状態になったことが検出(図9の上限センサ182(Sf2)がON)されても、当該上限センサ183(Sf2)の検出結果を使用しないで(検出結果を無視して)、インク600を送液し続ける。この場合、パック83はケース84の内面又はフィラ181によって膨らみを規制されるので、満杯検知後送液してもパック83が損傷することはない。
【0057】
このようにしてサブタンク81へインク600を送液すると、インク600は、サブタンク81からディストリビュータ84にインクが供給される。そして、ディストリビュータ54内のインク液面が液面検知センサ157(S3)で検知された(センサS3 ON)ときに、メインタンク91からのインク供給弁93(V1)を閉じるとともに、ディストリビュータ54の大気開放弁156(V3)を閉じる。
【0058】
この段階では、ディストリビュータ54から下流の供給流路を形成するチューブ55として内径の細いチューブを用いているため、ディストリビュータ54から下流側にはインク600が送られない(図10参照)。
【0059】
次いで、メインタンク91からのインク供給弁93(V1)を開き、ディストリビュータ54、ヘッドタンク202、ヘッド201にインク600を加圧供給する。このとき、ヘッド201のノズルから内部に充填されていた充填液601がキャップ部材62に垂れ落ちるので、これを吸引するために吸引ポンプ63(Pi)をONする。なお、このとき、キャップ部材62とヘッド201のノズル面は離れた状態である。
【0060】
また、インクの加圧供給と同時に循環ポンプ58(P3)をONし、ヘッドタンク202内に残っているエアーとインクを吸い出してディストリビュータ54内に戻す。
【0061】
加圧によるインク供給を所定時間行った後、インク供給弁93(V1)を閉じ、その後所定時間経過後、吸引ポンプ63(Pi)を停止する。
【0062】
この段階で、ヘッドタンク201内部の充填液601が略インク600と置換される(図11の状態)。
【0063】
〈ヘッドタンク、ディストリビュータのエアー抜き〉(図9の丸付き数字5〜7の期間)
その後、メインタンク91からのインク供給弁93(V1)を開き、吸引ポンプ63(Pi)をONし、ディストリビュータ54の循環ポンプP3をONする。そして、所定時間経過後にインク供給弁93(V1)を閉じ、循環ポンプP3をOFFし、更に所定時間経過後吸引ポンプ63(Pi)をOFFする。これにより、ディストリビュータ54内にエアーが集められる。
【0064】
次いで、図8を参照して、ディストリビュータ54上部の大気開放弁156(V3)を開ける。同時に、インク供給弁93(V1)を開けてインク加圧供給する。また、吸引ポンプ63(Pi)をオンする。そして、ディストリビュータ54の液面検知センサ157(S3)がONした(液面を検知した)ときに、大気開放弁156(V3)を閉じて、所定時間経過後にインク供給弁93(V1)も閉じてインク供給を停止し、更に所定時間経過後に吸引ポンプ63(Pi)をOFFする。
【0065】
その後、サブタンク81の加圧ポンプ85(P2)をONし、大気弁(電磁弁)88(V2a)を閉じ、電磁弁87(V2)を閉じる。そして、サブタンク81の圧力センサ89(S2)が所定圧力を検出したとき、電磁弁87(V2)を開き、吸引ポンプ63(Pi)をONする。つまり、圧力センサ89(S2)が所定圧力になるまでサブタンク81内を加圧し、所定圧力になったときに、電磁弁87(V2)を開いてエアーを一気にサブタンク81のケース84内に送って加圧する。このときもヘッド201のノズルからはインクが垂れ落ちるため、吸引ポンプ63(Pi)をONしてキャップ部材62内のインクを吸引する。
【0066】
その後、上限センサ182(Sf2)が上限を検出した(所定出力値になった)ときに、加圧ポンプ85(P2)をOFFし、大気弁(電磁弁)88(Va2)を開く。そして、所定時間経過後吸引ポンプ63(Pi)をOFFする。
【0067】
サブタンクのフィラー(60)をインク量上限センサ(53)が検出した時点、又は所定時間後にサブタンクの大気開放弁(V2a)を開放して加圧を停止する。
【0068】
このようにして、ヘッドタンク202のフィルタ部材204より上流側、ディストリビュータ54上部のエアーを抜き、フィルタ部材204下流側とヘッド101内のインク抜きを行い、初期充填動作を終了する(図12の状態)。
【0069】
〈メインタンク加圧停止〉(図9の丸付き数字8の期間)
その後、吸引ポンプ63(Pi)をON(逆回転)した後、吸引ポンプ63(Pi)をOFFする。また、メインタンク91内を加圧する加圧ポンプ94(P1)を停止し、大気開放弁95(V1a)を開く(図13参照)。
【0070】
次に、メインタンク定圧制御処理について図14のフロー図を参照して説明する。
まず、メインタンク91の大気弁95(電磁弁)(V1a)を開き、圧力センサ96(S1)が所定圧力の下限値以下を検出したときには、加圧ポンプ94(P1)をONしてメインタンク91を加圧し、圧力センサ96(S1)が所定圧力の上限値以上を検出したときには、加圧ポンプ94(P1)をOFFしてメインタンク91の加圧を停止する。この処理をメインタンク91の定圧制御終了が指示されるまで繰り返し、定圧制御終了にするときには大気弁(電磁弁)95(Va1)を開いて大気開放した後、定圧制御処理を終了する。
【0071】
次に、サブタンクへのインク補給制御処理について図15のフロー図を参照して説明する。
まず、サブタンク81の下限センサ182(Sf2)が所定出力下限値以下(インク量が下限値以下)になったときには、電磁弁93(V1)を開いてメインタンク91からサブタンク81へインクを供給し、上限センサ183(Sf2)が所定出力上限値以上(インク量が上限値以上)になったときには、電磁弁93(V1)を閉じてメインタンク91からサブタンク81へインク供給を停止する。この処理をインク補給制御終了まで繰り返す。
【0072】
次に、ディストリビュータ内エアー排出処理について図16及び図17のフロー図を参照して説明する。
まず、図16を参照して、排出制御を開始したとき、液面センサ157(S3)がOFFであるときには、サブタンク81の大気弁(電磁弁)88(Va2)を閉じ、加圧ポンプ85(P2)をONし、ディストリビュータ54の電磁弁156(V3)を開き、吸引ポンプ63(Pi)をONする。これにより、サブタンク81からディストリビュータ54にインクが供給されるので、液面センサ157(S3)がONしたか否かを判別する。
【0073】
ここで、液面センサ157(S3)がONでなければ、サブタンク81の下限センサ182(Sf2)が所定出力下限値以下(インク量が下限値以下)であるか否かを判別し、下限センサ182(Sf2)が所定出力下限値以下であるときには、サブタンク81の大気弁(電磁弁)88(Va2)を開き、加圧ポンプ85(P2)をOFFし、ディストリビュータ54の電磁弁156(V3)を閉じ、インク供給弁93(V1)を開いてメインタンク91からサブタンク81へインクを供給する。
【0074】
そして、下限センサ182(Sf2)が所定出力上限値以上になれば、インク供給弁93(V1)を閉じてメインタンク91からサブタンク81へのインク供給を停止する。その後、サブタンク81の大気弁(電磁弁)88(Va2)を閉じ、加圧ポンプ85(P2)をONし、ディストリビュータ54の電磁弁156(V3)を開いてサブタンク81からディストリビュータ54へインクを供給する。
【0075】
これに対し、液面センサ157(S3)がONであれば、図17に示す処理に移行して、サブタンク81の大気弁(電磁弁)88(Va2)を開き、加圧ポンプ85(P2)をOFFし、ディストリビュータ54の電磁弁156(V3)を閉じた後、吸引ポンプ63(Pi)をOFFする。
【0076】
そして、メインタンク定圧制御終了になるまで上述した処理を繰り返す。
【0077】
次に、本発明の第2実施形態について図18の模式的説明図を参照して説明する。
ここでは、初期充填の終了を廃液タンクのインク量で管理している。すなわち、前記第1実施形態では、初期充填が終了した情報を所定の時間で管理しているのに対して、ホン実施形態の構成においては、ヘッド201のノズルから垂れ落ちたインクの量で管理する。
【0078】
ヘッド201のノズルからキャップ部材82に垂れ落ちたインクは、吸引ポンプ63(Pi)によって廃液タンク67に送りこまれる。廃液タンク67には、内部のインク量(廃液量)を検知するため、初期充填インク量検知センサ68と、廃液タンク満杯検知センサ69がそれぞれの高さ位置に設けられている。
【0079】
初期充填インク量検知センサ68は、廃液タンク67の下面近傍に位置しており、初期充填時に機械に搭載された全ヘッド201内を通過した総インク量を廃液タンク67に排出された量でおおよそ把握できる。ヘッド201を通過したインクが所定量以上であれば全てのヘッド201のノズル内にはインクが充填されているという確認を予めしておけば、廃液タンク67のインク量で初期充填が終了したか否かを判別することができる。
【0080】
なお、廃液タンク満杯検知センサ69が廃液を検知した場合には、廃液タンク67が廃液(廃インク)で一杯であることから、廃液タンク交換を促す情報(例えばサービスマンコール)を操作パネルなどに表示させる。
【0081】
次に、ヘッド交換について図19及び図20をも参照して説明する。図19はジョイント部材を切り離した状態の要部説明図、図20はジョイント部材の概略説明図である。
上述した画像形成装置においては、ディストリビュータ54とヘッドユニット101のヘッドタンク202とをつなぐ供給チューブ55、排出チューブ56はジョイント部材110で接続及ぶ分離できる構成としている。これにより、ヘッドユニット101を交換するときには、ジョイント部材110から供給流路及び排出流路を切り離して、ヘッドユニット101を新品のヘッドユニット101と交換する。ジョイント部材110を介在させることで、流路内にインクが入った状態においてもヘッドユニット101の交換を行なうことができる。
【0082】
そして、ヘッドユニット101の交換を行なった場合、交換作業によって供給流路内に僅かにエアーが入り込んでしまうため、初期充填と同じようにインクをヘッド201から排出する動作が必要となる。
【0083】
このときにも前述した初期充填動作を行って、サブタンク81のインク量検知制御を無視したインク供給動作を行うことが可能である。これにより、ヘッド201にインクを送るときの時間が短縮できるため、結果としてヘッド交換に要する作業時間を短縮できる。つまり、本発明における「初期充填動作」とはヘッド内にインク(液体)を充填する動作を意味する。
【0084】
なお、ジョイント部材110は、図20に示すように、主に供給針191を備えた構成部品とゴム栓195を備えた構成部品とからなる。供給針191をゴム栓195に突き刺すことで供給針191先端に設けた孔192によってディストリビュータ54とヘッドユニット101間が連通する(図20(b))。
【0085】
また、供給針191をゴム栓195から抜いた場合には、供給針191の孔192からインクが漏れないようにカバー部材193がスプリング198の付勢の力によって押されて孔192を封止する(図20(a))。
【0086】
なお、上記実施形態ではライン型画像形成装置に適用した例で説明しているが、シリアル型画像形成装置にも同様に適用することができる。
【符号の説明】
【0087】
1 装置本体
4 搬送ユニット(搬送部)
5 画像形成ユニット
6 クリーニング装置(維持回復機構)
7 搬送ガイド部
8 インクタンクユニット(サブタンクユニット)
9 メインタンクユニット
51 ヘッドモジュール(記録ヘッドユニット)
54 分配タンク(分配部材)
81 サブタンク
91 メインタンク(インクカートリッジ)
101 ヘッドユニット
201 ヘッド
202 ヘッドタンク
【特許請求の範囲】
【請求項1】
液滴を吐出する液体吐出ヘッドと、
前記液体吐出ヘッドに供給する液体を収容するメインタンクと、
前記メインタンクから供給される液体を収容する内容積が変化する液体収容部材と、前記液体収容部材内の液体量を検出する検出手段とを有し、前記液体収容部材から前記液体吐出ヘッド側に前記液体を供給するサブタンクと、
前記メインタンクから前記サブタンクに液体を供給するときに、前記検出手段の検出結果に応じて前記メインタンクから前記サブタンクに対する液体供給量を制御する制御手段と、を備え
前記制御手段は、初期充填動作を行なうとき、前記検出手段の検出結果を使用しないで前記メインタンクから前記サブタンクに対する液体を供給する制御を行なう
ことを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記メインタンクの液体を加圧して前記サブタンクに供給することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
複数の前記液体吐出ヘッドと、各液体吐出ヘッドに液体を分配する分配手段と、前記液体吐出ヘッドと前記分配手段との間で液体を循環する循環経路と、前記液体吐出ヘッドから前記分配手段に向かう方向に液体を送液する循環ポンプと、を備え、初期充填動作を行なうときに液体を循環させることを特徴とする請求項1又は2に記載の画像形成装置。
【請求項1】
液滴を吐出する液体吐出ヘッドと、
前記液体吐出ヘッドに供給する液体を収容するメインタンクと、
前記メインタンクから供給される液体を収容する内容積が変化する液体収容部材と、前記液体収容部材内の液体量を検出する検出手段とを有し、前記液体収容部材から前記液体吐出ヘッド側に前記液体を供給するサブタンクと、
前記メインタンクから前記サブタンクに液体を供給するときに、前記検出手段の検出結果に応じて前記メインタンクから前記サブタンクに対する液体供給量を制御する制御手段と、を備え
前記制御手段は、初期充填動作を行なうとき、前記検出手段の検出結果を使用しないで前記メインタンクから前記サブタンクに対する液体を供給する制御を行なう
ことを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記メインタンクの液体を加圧して前記サブタンクに供給することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
複数の前記液体吐出ヘッドと、各液体吐出ヘッドに液体を分配する分配手段と、前記液体吐出ヘッドと前記分配手段との間で液体を循環する循環経路と、前記液体吐出ヘッドから前記分配手段に向かう方向に液体を送液する循環ポンプと、を備え、初期充填動作を行なうときに液体を循環させることを特徴とする請求項1又は2に記載の画像形成装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【公開番号】特開2011−143614(P2011−143614A)
【公開日】平成23年7月28日(2011.7.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−5958(P2010−5958)
【出願日】平成22年1月14日(2010.1.14)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年7月28日(2011.7.28)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年1月14日(2010.1.14)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】
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