画像形成装置
【課題】現像装置4Yのケーシング側面の表面うねりに起因する同ケーシング側面と冷却装置の受熱部との密着不良を抑える。
【解決手段】現像装置4Yのケーシング側面に密着させる受熱部として、同ケーシング側面における互いに異なる箇所に密着させるように構成した複数の分割受熱部(82Y,83Y,84Y)を設けるとともに、それら複数の分割受熱部に対し、冷却液を送受するための管部材89として、可撓性を有するものを接続した。
【解決手段】現像装置4Yのケーシング側面に密着させる受熱部として、同ケーシング側面における互いに異なる箇所に密着させるように構成した複数の分割受熱部(82Y,83Y,84Y)を設けるとともに、それら複数の分割受熱部に対し、冷却液を送受するための管部材89として、可撓性を有するものを接続した。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、被冷却体を冷却する冷却手段とを備える複写機、ファクシミリ、プリンタ等の画像形成装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
この種の画像形成装置としては、特許文献1に記載のものが知られている。この画像形成装置は、電子写真方式によって画像を形成するものである。潜像担持体たる感光体の表面に担持した静電潜像に対して、現像装置によってトナーを付着させることで静電潜像を現像する。そして、現像によって得たトナー像を、転写装置によって感光体から中間転写ベルトを経て記録紙の表面に転写する。このようにしてトナー像を形成した記録紙は、定着装置内でトナー転写面が加熱及び加熱されることで、トナー像がトナー転写面に定着せしめられる。現像装置においては、定着装置から発せられる熱によって装置が昇温せしめられることで、内部のトナーを溶融させて現像性能に悪影響を及ぼしてしまうおそれがある。そこで、現像装置に対しては、冷却装置の受熱部を密着させている。この冷却装置は、受熱部と放熱部との間で冷却媒体としての冷却液を循環搬送しながら、受熱部によって現像装置から奪い取って冷却液に伝達した熱を、放熱部で冷却液から放出する。このような液冷方式によって現像装置を冷却することで、筺体内の空気をファンによって外部に排出して機内温度の上昇を抑えるだけの簡素な構成の画像形成装置に比べて、現像装置内でのトナー溶融の発生を抑えることができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、現像装置のケーシングとして、低コスト化の観点から、一般的な成型法(例えば押し出し成型)によるものを用いる場合には、成型精度の限界により、どうしてもケーシング表面に微妙な波状の湾曲(以下、表面うねりと言う)を発生させてしまう。このようなケーシングに対し、冷却装置の受熱部の平面を密着させても、ケーシング表面の全領域のうち、表面うねりの山部に相当する領域だけにしか受熱部を良好に密着させることができず、表面うねりの谷部に相当する領域では受熱部の密着不良が起こる。これにより、現像装置を良好に冷却することが困難になるおそれがある。
【0004】
特許文献1に記載の画像形成装置では、被冷却体として現像装置を冷却する構成になっているが、現像装置とは異なる被冷却体を冷却する場合にも、同様にして、被冷却体の表面うねりに起因する受熱部の密着不良を引き起こすおそれがある。
【0005】
本発明は、以上の背景に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、被冷却体の表面うねりに起因する被冷却体と受熱部との密着不良を抑えることができる画像形成装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、請求項1の発明は、記録部材に画像を形成する画像形成手段と、被冷却体を冷却する冷却手段とを備えるとともに、前記被冷却体に密着して前記被冷却体の熱を受ける受熱部と、熱を放出する放熱部と、前記受熱部の内部と前記放熱部の内部とを循環搬送される冷却媒体と、冷却媒体搬送のために前記受熱部と前記放熱部とを繋ぐ管部材とを前記冷却手段に具備する画像形成装置において、前記受熱部として、前記被冷却体における互いに異なる箇所に密着させるように構成した複数のものを設けるとともに、それら複数の受熱部に対し、前記冷却媒体を送受するための前記管部材として、可撓性を有するものを用いたことを特徴とするものである。
また、請求項2の発明は、請求項1の画像形成装置において、複数の前記受熱部の間で前記冷却媒体の送受を行うようにそれら受熱部を、可撓性の前記管部材で連結したことを特徴とするものである。
また、請求項3の発明は、請求項2の画像形成装置において、複数の前記受熱部に対してそれぞれ、可撓性の前記管部材を、他の受熱部との非対向面に接続したことを特徴とするものである。
また、請求項4の発明は、請求項1乃至3の何れかの画像形成装置において、複数の前記受熱部をそれぞれ前記被冷却体に向けて個別に付勢して密着させる複数の付勢手段を設けたことを特徴とするものである。
また、請求項5の発明は、請求項4の画像形成装置において、複数の前記付勢手段として、それぞれコイルバネを用いたことを特徴とするものである。
また、請求項6の発明は、請求項1乃至5の何れかの画像形成装置において、前記画像形成手段として、潜像を担持する潜像担持体と、これの表面に担持された潜像をトナーによって現像する現像手段と、現像によって得られたトナー像を前記潜像担持体から記録部材に転写する転写手段とを具備するものを用いるとともに、複数の前記受熱部を、前記被冷却体としての前記現像手段内におけるトナー搬送方向に沿って並べて配設し、前記現像手段におけるトナー搬送方向の互いに異なる箇所をそれら受熱部によって冷却するようにしたことを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0007】
これらの発明においては、冷却手段の複数の受熱部を、被冷却体の表面の互いに異なる箇所に密着させる。そして、次に説明する理由により、それら複数の受熱部のいくつかを、被冷却体の表面うねりの谷部に対して従来よりも良好に密着させる。即ち、一般的な成型法によって得られた被冷却体の無垢の表面に発生する表面うねりは、山部から谷部にかけての長さが例えば数cm〜十数cmといった比較的大きなものとなる。本発明では、かかる表面うねりの山部と谷部とに対して、互いに異なる受熱部を対向させて個別に冷却を図ることが可能になる。このような冷却において、複数の受熱部のうち、表面うねりの谷部に対向している受熱部を、山部に密着している受熱部よりも被冷却体に近づけることができれば、表面うねりの谷部に良好に密着させることが可能になるが、そのためには、前者の受熱部を後者の受熱部から切り離して移動させる必要がある。そこで、本発明においては、複数の受熱部に対して、それぞれ冷却媒体を送受するための管部材として、従来のような変形不能な高剛性のものではなく、変形可能な可撓性を有するものを接続している。かかる構成では、被冷却体の表面うねりの谷部に対向している受熱部を、山部に密着している受熱部から切り離して移動させて、谷部に良好に密着させることができるので、従来に比べて、被冷却体と受熱部との密着不良を抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】実施形態に係る複写機を示す概略構成図。
【図2】同複写機におけるプリンタ部の内部構成の一部を拡大して示す部分拡大構成図。
【図3】同プリンタ部のY用のプロセスユニットを示す拡大構成図。
【図4】同複写機の冷却装置と、被冷却体たる各色の現像装置とを示す構成図。
【図5】同複写機におけるY用の現像装置とその周囲構成とを示す拡大構成図。
【図6】同現像装置とY用の受熱ユニットとを示す拡大平断面図。
【図7】同現像装置と同受熱ユニットとを示す拡大側面図。
【図8】実施例に係る複写機におけるY用の現像装置と、Y用の受熱ユニットとを示す拡大側面図。
【図9】同複写機の変形例におけるY用の現像装置と、Y用の受熱ユニットとを示す拡大側面図。
【図10】従来の画像形成装置における冷却装置の一例を示す概略構成図。
【図11】同画像形成装置におけるプロセスユニットと同冷却装置の受熱部とを示す斜視図。
【図12】同プロセスユニットの現像装置と同受熱部とを示す拡大平断面図。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明を適用した画像形成装置として、電子写真方式によって画像を形成する複写機の実施形態について説明する。
まず、実施形態に係る複写機の基本的な構成について説明する。図1は、実施形態に係る複写機を示す概略構成図である。この複写機は、プリンタ部1と、白紙供給装置100と、原稿搬送読取ユニット150とを備えている。原稿搬送読取ユニット150は、プリンタ部1の上に固定された原稿読取装置たるスキャナ160と、これに支持される原稿搬送装置たるADF170とを有している。
【0010】
白紙供給装置100は、ペーパーバンク101内に多段に配設された2つの給紙カセット102,103、2組の分離ローラ対104,105、給紙路106、複数の搬送ローラ対107等を有している。2つの給紙カセット102,103は、それぞれ、図示しない記録紙を複数枚重ねた紙束の状態で内部に収容している。そして、プリンタ部1からの制御信号に基づいて、送出ローラ102a,103aを回転駆動させて、紙束における一番上の記録紙を給紙路106に向けて送り出す。送り出された記録紙は、分離ローラ対104,105によって1枚に分離されてから、給紙路106内に至る。そして、給紙路106内に設けられた複数の搬送ローラ対107の搬送ニップを経由して、プリンタ部1の第1受入分岐路30に送られる。
【0011】
プリンタ部1は、イエロー(Y),マゼンタ(M),シアン(C),ブラック(K)のトナー像を形成するための4つのプロセスユニット2Y,M,C,Kを備えている。また、第1受入分岐路30、受入搬送ローラ対31、手差しトレイ32、手差し分離ローラ対33、第2受入分岐路34、手差し搬送ローラ対35、転写前搬送路36、レジストローラ対37、搬送ベルトユニット39、定着ユニット43、スイッチバック装置46、排紙ローラ対47、排紙トレイ48、切換爪49、光書込ユニット50、転写ユニット60等も備えている。なお、プロセスユニット2Y,M,C,Kは、所定のピッチで並ぶ潜像担持体たるドラム状の感光体3Y,M,C,Kを有している。
【0012】
後述する2次転写ニップの直前で記録紙を搬送するための転写前搬送路36は、紙搬送方向の上流側で第1受入分岐路30と第2受入分岐路34とに分岐している。白紙供給装置100の給紙路106から送り出された記録紙は、第1受入分岐路30に受け入れられた後、第1受入分岐路30内に配設された受入搬送ローラ対31の搬送ニップを経由して転写前搬送路36に送られる。
【0013】
プリンタ部1の筺体における側面には、手差しトレイ32が筺体に対して開閉可能に配設されており、筺体に対して開いた状態でトレイ上面に紙束が手差しされる。手差しされた紙束における一番上の記録紙は、手差しトレイ32の送出ローラ32aによって第2受入分岐路34に向けて送り出される。そして、手差し分離ローラ対33によって1枚に分離されてから第2受入分岐路34に送られた後、第2受入分岐路34内に配設された手差し搬送ローラ対35の搬送ニップを経由して、転写前搬送路36に送られる。
【0014】
光書込ユニット50は、図示しないレーザーダイオード、ポリゴンミラー、各種レンズなどを有しており、後述するスキャナ160によって読み取られた画像情報や、外部のパーソナルコンピュータから送られている画像情報に基づいて、レーザーダイオードを駆動する。そして、プロセスユニット2Y,M,C,Kの感光体3Y,M,C,Kを光走査する。具体的には、プロセスユニット2Y,M,C,Kの感光体3Y,M,C,Kは、図示しない駆動手段によってそれぞれ図中反時計回り方向に回転駆動せしめられる。光書込ユニット50は、駆動中の感光体3Y,M,C,Kに対して、レーザー光をそれぞれ回転軸線方向に偏向せしめながら照射することで、光走査処理を行う。これにより、感光体3Y,M,C,Kには、Y,M,C,K画像情報に基づいた静電潜像が形成される。
【0015】
図2は、プリンタ部1の内部構成の一部を拡大して示す部分拡大構成図である。各色のプロセスユニット3K,Y,M,Cは、それぞれ、潜像担持体たる感光体と、その周囲に配設される各種装置とを1つのユニットとして共通の支持体に支持するものであり、プリンタ部本体に対して着脱可能になっている。そして、互いに使用するトナーの色が異なる点の他が同様の構成になっている。Y用のプロセスユニット2Yを例にすると、これは、潜像担持体たる感光体3Yの他、これの表面に形成された静電潜像をYトナー像に現像するための現像装置4Yを有している。また、後述するY用の1次転写ニップを通過した後の感光体3Y表面に付着している転写残トナーをクリーニングするドラムクリーニング装置18Yなども有している。本複写機では、4つのプロセスユニット2Y,M,C,Kを、後述する中間転写ベルト61に対してその無端移動方向に沿って並べたいわゆるタンデム型の構成になっている。
【0016】
図3は、Y用のプロセスユニット2Yを示す拡大構成図である。同図に示すように、プロセスユニット2Yは、感光体3Yの周りに、現像装置4Y、ドラムクリーニング装置18Y、除電ランプ17Y、帯電ローラ16Y等を有している。
【0017】
感光体3Yとしては、アルミニウム等の素管に、感光性を有する有機感光材の塗布による感光層を形成したドラム状のものを用いている。但し、無端ベルト状のものを用いても良い。
【0018】
現像装置4Yは、図示しない磁性キャリアと非磁性のYトナーとを含有する二成分現像剤(以下、単に現像剤という)を用いて潜像を現像するようになっている。そして、内部に収容している現像剤を攪拌しながら搬送する攪拌部5Yと、感光体3Y上の静電潜像を現像する現像部9Yとを有している。なお、現像装置4Yとして、二成分現像剤の代わりに、磁性キャリアを含まない一成分現像剤によって現像を行うタイプのものを使用していもよい。
【0019】
攪拌部5Yは、現像部9Yよりも低い位置に設けられており、互いに平行配設された第1搬送スクリュウ6Y及び第2搬送スクリュウ7Y、これらスクリュウの間に設けられた仕切り板、ケーシングの底面に設けられたトナー濃度センサ8Yなどを有している。
【0020】
現像部9Yは、ケーシングの開口を通して感光体3Yに対向する現像ロール10Y、これに対して自らの先端を近接させるドクターブレード13Yなどを備えている。そして、現像ロール10Yは、非磁性材料からなる筒状の現像スリーブ11Yと、これの内部に回転不能に設けられたマグネットローラ12Yとを有している。このマグネットローラ12Yは、周方向に並ぶ複数の磁極を有している。これら磁極は、それぞれスリーブ上の現像剤に対して回転方向の所定位置で磁力を作用させる。これにより、攪拌部5Yから送られてくる現像剤を現像スリーブ11Y表面に引き寄せて担持させるとともに、磁力線に沿った磁気ブラシをスリーブ表面上に形成する。
【0021】
磁気ブラシは、現像スリーブ11Yの回転に伴ってドクターブレード13Yとの対向位置を通過する際に適正な層厚に規制されてから、感光体3Yに対向する現像領域に搬送される。そして、現像スリーブ11Yに印加される現像バイアスと、感光体3Yの静電潜像との電位差によってYトナーを静電潜像上に転移させて現像に寄与する。更に、現像スリーブ11Yの回転に伴って再び現像部9Y内に戻り、マグネットローラ12Yの磁極間に形成される反発磁界の影響によってスリーブ表面から離脱した後、攪拌部5Y内に戻される。攪拌部5Y内には、トナー濃度センサ8Yによる検知結果に基づいて、現像剤に適量のトナーが補給される。
【0022】
ドラムクリーニング装置18Yとしては、ポリウレタンゴム製のクリーニングブレード20Yを感光体3Yに押し当てる方式のものを用いているが、他の方式のものを用いてもよい。クリーニング性を高める目的で、本複写機では、外周面を感光体3Yに接触させるファーブラシ19Yを、図中矢印方向に回転自在に有する方式のものを採用している。このファーブラシ19Yは、図示しない固形潤滑剤から潤滑剤を掻き取って微粉末にしながら感光体3Y表面に塗布する役割も兼ねている。
【0023】
ファーブラシ19Yに付着したトナーは、ファーブラシ19Yに対してカウンタ方向に接触して回転しながらバイアスが印加される電界ローラ21Yに転位する。そして、スクレーパ22Yによって電界ローラ21Yから掻き取られた後、回収スクリュウ23Y上に落下する。
【0024】
回収スクリュウ23Yは、回収トナーをドラムクリーニング装置18Yにおける図紙面と直交する方向の端部に向けて搬送して、外部のリサイクル搬送装置に受け渡す。図示しないリサイクル搬送装置は、受け渡されたトナーを現像装置4Yに送ってリサイクルする。
【0025】
除電ランプ17Yは、光照射によって感光体3Yを除電する。除電された感光体3Yの表面は、帯電ローラ16Yによって一様に帯電せしめられた後、上述した光書込ユニットによる光走査が施される。なお、帯電ローラ16Yは、図示しない電源から帯電バイアスの供給を受けながら回転駆動するものである。かかる帯電ローラ16Yを用いる帯電方式に代えて、感光体3Yに対して非接触で帯電処理を行うスコロトロンチャージャ方式を採用してもよい。
【0026】
先に示した図2において、4つのプロセスユニット2Y,M,C,Kの感光体3Y,M,C,Kの表面には、これまで説明してきたプロセスによってY,M,C,Kトナー像が形成される。
【0027】
4つのプロセスユニット2Y,M,C,Kの下方には、転写手段としての転写ユニット60が配設されている。この転写ユニット60は、複数のローラによって張架している像担持体たる中間転写ベルトを、感光体3Y,M,C,Kに当接させながら、何れか1つのローラの回転駆動によって図中時計回り方向に無端移動させる。これにより、感光体3Y,M,C,Kと中間転写ベルト61とが当接するY,M,C,K用の1次転写ニップが形成されている。
【0028】
Y,M,C,K用の1次転写ニップの近傍では、ベルトループ内側に配設された1次転写ローラ62Y,M,C,Kによって中間転写ベルト61を感光体3Y,M,C,Kに向けて押圧している。これら1次転写ローラ62Y,M,C,Kには、それぞれ図示しない電源によって1次転写バイアスが印加されている。これにより、Y,M,C,K用の1次転写ニップには、感光体3Y,M,C,K上のトナー像を中間転写ベルト61に向けて静電移動させる1次転写電界が形成されている。
【0029】
図中時計回り方向の無端移動に伴ってY,M,C,K用の1次転写ニップを順次通過していく中間転写ベルト61のおもて面には、各1次転写ニップでトナー像が順次重ね合わせて1次転写される。この重ね合わせの1次転写により、中間転写ベルト61のおもて面には4色重ね合わせトナー像(以下、4色トナー像という)が形成される。
【0030】
中間転写ベルト61の図中下方には、当接部材としての2次転写対向ローラ72が配設されており、これは中間転写ベルト61における2次転写ローラ68に対する掛け回し箇所にベルトおもて面から当接して2次転写ニップを形成している。これにより、中間転写ベルト61のおもて面と、2次転写対向ローラ72とが当接する2次転写ニップが形成されている。
【0031】
中間転写ベルト61のループ内において、転写バイアス部材としての2次転写ローラ68には、図示しない2次転写電源回路により、トナーの正規帯電極性と同極性(本例では負極性)の2次転写バイアスが印加されている。一方、ベルトのおもて面に当接しながら2次転写ニップを形成している2次転写対向ローラ72は、接地されている。これにより、2次転写ニップ内には、負極性のトナーをベルト側から2次転写対向ローラ72側に向けて静電移動させる2次転写電界が形成されている。
【0032】
2次転写ニップの図中右側方には、図示しない上述のレジストローラ対が配設されており、ローラ間に挟み込んだ記録紙を中間転写ベルト61上の4色トナー像に同期させ得るタイミングで2次転写ニップに送り出す。2次転写ニップ内では、中間転写ベルト61上の4色トナー像が2次転写電界やニップ圧の影響によって記録紙に一括2次転写され、記録紙の白色と相まってフルカラー画像となる。
【0033】
2次転写ニップを通過した中間転写ベルト61のおもて面には、2次転写ニップで記録紙に転写されなかった転写残トナーが付着している。この転写残トナーは、中間転写ベルト61に当接するベルトクリーニング装置75によってクリーニングされる。
【0034】
先に示した図1において、2次転写ニップを通過した記録紙は、中間転写ベルト61から離間して、搬送ベルトユニット39に受け渡される。この搬送ベルトユニット39は、無端状の搬送ベルト40を駆動ローラ41と従動ローラ42とによって張架しながら、駆動ローラ41の回転駆動によって図中反時計回り方向に無端移動せしめる。そして、2次転写ニップから受け渡された記録紙をベルト上部張架面に保持しながら、ベルトの無端移動に伴って搬送して定着ユニット43に受け渡す。
【0035】
定着ユニット43は、駆動ローラと、発熱源を内包する加熱ローラとによって張架した定着ベルトを駆動ローラの回転駆動に伴って図中時計回り方向に無端移動せしめている。そして、定着ベルトの下方に配設された加圧ローラ45を定着ベルトの下部張架面に当接させて定着ニップを形成している。定着ユニット43に受け入れられた記録紙は、この定着ニップ内で加圧されたり加熱されたりすることで、表面上のフルカラー画像が定着せしめられる。そして、定着ユニット43内から切換爪49に向けて送り出される。
【0036】
切換爪49は、図示しないソレノイドによって揺動するようになっており、その揺動に伴って、記録紙の搬送路を排紙路と反転路とで切り換える。切換爪49によって排紙路が選択されていると、定着ユニット43内から送り出された記録紙は、排紙路と排紙ローラ対47とを経由した後、機外に排出されて排紙トレイ48上にスタックされる。
【0037】
定着ユニット43や搬送ベルトユニット39の下方には、スイッチバック装置46が配設されている。切換爪49によってスイッチバック路が選択されていると、定着ユニット43内から送り出された記録紙は、反転路を経由して上下反転せしめられた後、スイッチバック装置46に送られる。そして、再び2次転写転写ニップに進入して、もう片面にも画像の2次転写処理と定着処理とが施される。
【0038】
プリンタ部1の上に固定されたスキャナ160は、図示しない原稿の画像を読み取るための読取手段として、固定読取部161と、移動読取部162とを有している。光源、反射ミラー、CCD等の画像読取センサなどを有する固定読取部161は、原稿に接触するようにスキャナ160のケーシング上壁に固定された図示しない第1コンタクトガラスの直下に配設されている。そして、ADF170によって搬送される原稿が第1コンタクトガラス上を通過する際に、光源から発した光を原稿面で順次反射させながら、複数の反射ミラーを経由させて画像読取センサで受光する。これにより、光源や反射ミラー等からなる光学系を移動させることなく、原稿を走査する。
【0039】
一方、移動読取部162は、原稿に接触するようにスキャナ160のケーシング上壁に固定された図示しない第2コンタクトガラスの直下に配設されており、光源や、反射ミラーなどからなる光学系を図中左右方向に移動させることができる。そして、光学系を図中左側から右側に移動させていく過程で、光源から発した光を第2コンタクトガラス上に載置された図示しない原稿で反射させた後、複数の反射ミラーを経由させて、スキャナ本体に固定された画像読取センサで受光する。これにより、光学系を移動させながら、原稿を走査する。
【0040】
先に示した図3において、現像装置4Yの攪拌部5Y内では、現像剤が搬送スクリュウ(6Y,7Y)によって撹拌搬送される際に、搬送スクリュウとの摩擦や、磁性キャリア同士の摩擦によって昇温する。このような昇温が起こると、現像剤中のトナーの帯電量が低下して現像能力を低下させてしまう。また、トナーが溶融して、現像能力を低下させたり、各種の部材に固着して現像性に悪影響を及ぼしたりすることもある。近年、定着エネルギーを小さくする狙いから、トナーのガラス転移点を低下させた低融点トナーを採用する傾向が高くなっており、現像装置内の昇温によるトナーの溶融を引き起こし易くなっている。
【0041】
この種のトナーの溶融を抑える狙いから、現像装置を液冷方式で冷却する冷却装置を設けた画像形成装置が知られている。図10は、従来の冷却装置の一例を示す概略構成図である。同図において、冷却装置500は、受熱部501、リザーブタンク502、循環ポンプ503、放熱部504、冷却ファン505、管部材506などを有している。受熱部501と、リザーブタンク502と、循環ポンプ503と、放熱部504とは、管部材506によって順次連結されている。また、放熱部504と受熱部501との間も管部材506によって繋がれている。それらの内部には、冷却媒体としての冷却液が満たされている。循環ポンプ503が作動すると、循環ポンプ503内の冷却液は、放熱部504、受熱部501、リザーブタンク502を順次経由して、循環ポンプ503内に戻ってくる。
【0042】
受熱部501は、コイルバネ508によって現像装置510に向けて付勢されることで、現像装置510のケーシング側面に密着せしめられている。受熱部501の筺体は、アルミ等の熱伝導率の高い金属材料からなり、現像装置510から自らに熱を伝導させることで、現像装置510を冷却する。この冷却に伴って、受熱部501の筺体が昇温するが、この熱は受熱部501内を通過する冷却液に速やかに奪われる。このため、受熱部501の筺体の温度は一定温度以下に維持される。受熱部501を通過する際に昇温した冷却液は、リザーブタンク502と循環ポンプ503とを経由した後、放熱部504内に至る。
【0043】
受熱部501は、図11に示すように、現像装置510や感光体などを1つのユニットとして一体化したプロセスユニット509における現像装置ケーシングの側面に密着せしめられている。
【0044】
先に示した図10において、放熱部504の筺体も、受熱部501と同様に、アルミ等の熱伝導率の高い金属材料からなる。また、放熱部504の筺体の一部には、金属材料からなる複数の放熱板が立設せしめられており、これによって放熱部504の表面積の増大が図られている。循環ポンプ503内を通って放熱部504内に至った冷却液は、放熱部504の筺体に熱を奪われる。これにより、冷却液が冷却されるとともに、放熱部504の筺体が昇温する。冷却液から放熱部504の筺体に伝わった熱は、前述した複数の放熱板から外気へと速やかに放出される。この放出を促進するために、冷却ファン505が前述の複数の放熱板に向けて送風している。
【0045】
かかる構成の冷却装置500においては、定積熱容量が空気よりも遙かに大きい冷却液を冷却媒体として、現像装置510から奪った熱を効率良く放熱部504に送ることで、現像装置510を良好に冷却することが可能である。なお、冷却液として水を用いた場合、その定積熱容量は空気の3000倍以上である。
【0046】
ところが、現像装置510のケーシングとしては、低コスト化を図る目的から一般的な成型法によって成型しただけのものを用いることが一般的である。このようなケーシングは、成形後に切削加工などによって平滑処理が施されたものに比べて表面平滑性に劣り、数cm〜十数cm程度の波長の波状の表面うねりを発生させてしまう。表面うねりの谷部と山部との高低差は1[mm]程度である。このような高低差があると、図12に示すように、現像装置510のケーシングの表面うねりにおける谷部と受熱部501との間にギャップが生じてしまい、両者を良好に密着させることができなくなる。図示の例では、ある程度のギャップを吸収するための高熱伝導率シート507を、現像装置510のケーシング表面と、受熱部501との間に介在させているが、シートの厚みよりも前述した1[mm]程度の高低差の方が大きいことから、それでもなおギャップが発生している。シートの厚みを数[mm]程度まで大きくすれば、ギャップを吸収させることは可能であるが、そうすると、ケーシングから受熱部501に対して熱を良好に伝搬することが困難になってしまう。
【0047】
次に、実施形態に係る複写機の特徴的な構成について説明する。
図4は、実施形態に係る複写機の冷却装置80と、被冷却体たる各色の現像装置4Y,M,C,Kとを示す、構成図である。この冷却装置80は、Y,M,C,K用の現像装置4Y,M,C,Kのケーシング側面にそれぞれ個別に密着してケーシング側面の熱を受ける受熱部としての受熱ユニット81Y,M,C,Kを有している。また、リザーブタンク85、循環ポンプ86、放熱部87、冷却ファン88、管部材89なども有している。各色の受熱ユニット81Y,M,C,Kと、リザーブタンク85と、循環ポンプ86と、放熱部87とは、管部材89によって順次連結されている。また、放熱部87とY用の受熱ユニット81Yとの間も管部材89によって繋がれている。各部材や循環ポンプ86の内部には、図示しない冷却媒体が満たされている。循環ポンプ86が作動すると、循環ポンプ86内の冷却媒体は、放熱部87、各色の受熱ユニット81Y,M,C,K、リザーブタンク85を順次経由して、循環ポンプ86内に戻ってくる。
【0048】
各色の現像装置4Y,M,C,Kのケーシングは、熱伝導率の高いアルミから構成されている。溶融アルミを型に流して成型して得られたものであり、その側面は成型後の無垢の表面のままとなっており、切削等による表面平滑加工は行われていない。
【0049】
冷却装置80における各色の受熱ユニット81Y,M,C,Kは、アルミ等の熱伝導率の高い金属材料からなり、現像装置4Y,M,C,Kから自らに熱を伝導させることで、現像装置4Y,M,C,Kを冷却する。この冷却に伴って、受熱ユニット81が昇温するが、この熱は受熱ユニット内を通過する冷却媒体に速やかに奪われる。このため、受熱ユニット81Y,M,C,Kの温度は一定温度以下に維持される。受熱ユニット81Y,M,C,K内を通過する際に昇温した冷却媒体は、リザーブタンク85と循環ポンプ86とを経由した後、放熱部87内に至る。
【0050】
放熱部87の筺体も、受熱ユニット81Y,M,C,Kと同様に、アルミ等の熱伝導率の高い金属材料からなる。また、放熱部87の筺体の一部には、金属材料からなる複数の放熱板が立設せしめられており、これによって放熱部87の表面積の増大が図られている。循環ポンプ86内を通って放熱部87内に至った冷却媒体は、放熱部87の筺体に熱を奪われる。これにより、冷却媒体が冷却されるとともに、放熱部87の筺体が昇温する。冷却媒体から放熱部87の筺体に伝わった熱は、前述した複数の放熱板から外気へと速やかに放出される。この放出を促進するために、冷却ファン88が前述の複数の放熱板に向けて送風している。
【0051】
冷却媒体としては、液状の冷却媒体、ゲル状の冷却媒体、気体状の冷却媒体を例示することができる。中でも、液状の冷却媒体は、熱伝導性、流動性、搬送性の点で優れている。液状の冷却媒体としては、水を主成分とし、凍結温度を下げるためにプロピレングリコールやエチレングリコールなどを添加したり、金属の構成部品の錆を防ぐために防錆剤(例えば、リン酸塩系物質:リン酸カリ塩、無機カリ塩等)を添加したりしたものを例示することができる。
【0052】
各色の受熱ユニット81Y,M,C,Kは、それぞれ3つの分割受熱部を具備している。Y用の受熱ユニット81Yを例にすると、これは、第1分割受熱部82Yと、第2分割受熱部83Yと、第3分割受熱部84Yとを具備している。これらの分割受熱部は、現像装置4Yのケーシング側面に対し、現像剤搬送方向(図4中の紙面上下方向=ユニット長手方向)に並んでいる。他色の受熱ユニット81M,C,Kも、同様の、第1分割受熱部82M,C,Kと、第2分割受熱部83M,C,Kと、第3分割受熱部84M,C,Kとを具備している。
【0053】
図5は、実施形態の複写機におけるY用の現像装置4Yとその周囲構成とを示す拡大構成図である。同図において、冷却装置のY用の第1分割受熱部82YにおけるY用の現像装置4Yとの対向面には、熱伝導シート91が貼付されている。そして、この第1分割受熱部82Yは、複写機本体筺体に固定された支持板93に支持される付勢手段としてのコイルバネ92により、Y用の現像装置4Yのケーシング側面に向けて付勢されている。これにより、熱伝導シート91を介してケーシング側面に密着している。同図においては、Y用の受熱ユニット(81Y)における3つの分割受熱部のうち、第1分割受熱部82Yのみを示しているが、第2分割受熱部(83Y)や第3分割受熱部(84Y)も、それぞれ専用のコイルバネによって現像装置4Yに向けて付勢されている。また、他色の受熱ユニット(81M,C,K)も同様に、3つの分割受熱部がそれぞれ専用のコイルバネによって現像装置(4M,C,K)に向けて付勢されている。
【0054】
図6は、Y用の現像装置4Yと、Y用の受熱ユニット81Yとを示す拡大平断面図である。図示のように、現像装置4Yのケーシング側面には、図12に示した従来の現像装置510と全く同じ波長及び高低差の表面うねりが発生している。図12に示した従来構成では、既に述べたように、横長に形成された受熱部と、この表面うねりの谷部と間にギャップが発生してしまう。一方、実施形態に係る複写機では、図6に示すように、現像装置4Yのケーシング側面における表面うねりの山部と谷部とに対して、互いに異なる分割受熱部を対向させている。具体的には、現像装置4Yのケーシング側面には、図中左側から右側に向けて、山部、谷部、山部を順次出現させる表面うねりが発生している。そして、表面うねりにおける図中左側の山部に対しては、3つの分割受熱部のうち、第1分割受熱部82Yを対向させている。また、表面うねりにおける谷部に対しては、第2分割受熱部83Yを対向させている。また、表面うねりにおける図中左側の山部に対しては、第3分割受熱部84Yを対向させている。これら3つの分割受熱部のうち、表面うねりの谷部に対向している第2分割受熱部83Yを、山部に密着している第1分割受熱部82Yや第3分割受熱部84Yよりも現像装置4Yのケーシング側面に近づけることができれば、表面うねりの谷部に良好に密着させることが可能になる。そこで、実施形態に係る複写機においては、3つの分割受熱部に対して、それぞれ冷却媒体を送受するための管部材89として、従来のような変形不能な高剛性のものではなく、変形可能な可撓性を有するフレキシブルチューブからなるものを接続している。かかる構成では、管部材89を各分割受熱部の位置に応じて自在に撓ませることで、現像装置4Yのケーシング側面における表面うねりの谷部に対向している第2分割受熱部83Yを、山部に密着している第1分割受熱部82Yや第3分割受熱部84Yから切り離して移動させて、谷部に良好に密着させることができる。よって、図12との比較から明らかなように、従来に比べて、現像装置4Yのケーシング側面と、熱伝導シート91を介した受熱ユニット81との密着不良を抑えることができる。
【0055】
Y用の受熱ユニット81Yと、Y用の現像装置4Yのケーシング側面との密着性について説明したが、他色の受熱ユニット81M,C,Kと、現像装置4M,C,Kのケーシング側面との密着性も同様にして、従来よりも向上が図られている。
【0056】
なお、1つの横長の受熱部にするのではなく、3つの分割受熱部にしたことで、図6に示したような比較的波長の長い表面うねりには対応することが可能であるが、数μm〜数mmといった微小な凹凸に対しては対応することができない。そこで、そのような微少な凹凸については、ケーシング側面と分割受熱部との間に介在させた熱伝導シート91を凹凸パターンに従って変形させることで、ギャップの形成を回避している。
【0057】
また、実施形態においては、冷却装置80に用いる管部材89の長手方向全領域を、フレキシブルチューブからなる可撓性のもので構成しているが、長手方向全領域を可撓性のものにする必要は必ずしもない。各分割受熱部をそれぞれ数mmの単位で付勢方向に独立させて移動させることができれば、一部については高剛性のものであってもよい。また、フレキシブルチューブとしては、ゴム製や樹脂製のものを例示することができる。
【0058】
また、プロセスユニットを交換する際には、受熱ユニットの各分割受熱部を付勢しているコイルバネ92による付勢を解除してから、そのプロセスユニットを取り外す。そして、新たなプロセスユニットを装着した後、再びコイルバネ92による付勢を行って、各分割受熱部を新たなプロセスユニットの現像装置に密着させる。
【0059】
図7は、Y用の現像装置4Yと、Y用の受熱ユニット81Yとを示す拡大側面図である。Y用の受熱ユニット81Yにおける3つの分割受熱部(82Y,83Y,84Y)は、それぞれ内部が空洞になっており、その空洞は、鉛直方向において上部空間と下部空間とに仕切られている。第1分割受熱部82Yの上部空間に対しては、図中左側から可撓性の管部材89が接続されている。また、第1分割受熱部82Yの上部空間と、第2分割受熱部83Yの上部空間とは、両空間の間に配設された可撓性の管部材89によって連結されている。更に、第2分割受熱部83Yの上部空間と、第3分割受熱部84Yの上部空間とは、両空間の間に配設された可撓性の管部材89によって連結されている。以上のような連結により、第1分割受熱部82Yの上部空間と、第2分割受熱部83Yの上部空間と、第3分割受熱部84Yの上部空間とがその順で連通している。そして、第1分割受熱部82Yの上部空間に送り込まれた冷却媒体が、第2分割受熱部83Yの上部空間と、第3分割受熱部84Yの上部空間とを順に経由し、それぞれの内部で分割受熱部から熱を奪う。
【0060】
第3分割受熱部84Yの図中左側に配設された管部材89は、第3分割受熱部84Yの上部空間と、第3分割受熱部84Yの下部空間とを連結している。これにより、第3分割受熱部84Yの上部空間を通過した冷却媒体が、第3分割受熱部84Yの下部空間に進入する。
【0061】
第3分割受熱部84Yの下部空間と、第2分割受熱部83Yの下部空間とは、両空間の間に配設された可撓性の管部材89によって連結されている。更に、第2分割受熱部83Yの下部空間と、第1分割受熱部82Yの下部空間とは、両空間の間に配設された可撓性の管部材89によって連結されている。以上のような連結により、第3分割受熱部84Yの下部空間と、第2分割受熱部83Yの下部空間と、第1分割受熱部82Yの下部空間とがその順で連通している。そして、第3分割受熱部84Yの下部空間に送り込まれた冷却媒体が、第2分割受熱部83Yの下部空間と、第1分割受熱部82Yの下部空間とを順に経由し、それぞれの内部で分割受熱部から熱を奪う。
【0062】
以上のようにしてY用の現像装置4Yの冷却に携わった冷却媒体は、第1分割受熱部82Yの下部空間から出た後、図4に示したように、M用の受熱ユニット81Mに進入する。そして、M用の受熱ユニット81Mにおいて、Y用の受熱ユニット81Yと同様に、第1分割受熱部82Mの上部空間と、第2分割受熱部83Mの上部空間と、第3分割受熱部84Mの上部空間と、第3分割受熱部84Mの下部空間と、第2分割受熱部83Mの下部空間と、第1分割受熱部82Mの下部空間とを順に経由する。その後、C用の受熱ユニット81CやK用の受熱ユニット81Kで順次同様の経路を辿った後、リザーブタンク85に至る。
【0063】
実施形態に係る複写機においては、1つの現像装置のケーシング側面に対して、3つの分割受熱部をそれぞれ個別に密着させるようにしたが、分割受熱部の数は3つに限られるものではない。分割受熱部の数については、ケーシング寸法や成型精度などに基づいて予測される表面うねりの波長に応じて適宜決定することが望ましい。
【0064】
次に、実施形態に係る複写機に、より特徴的な構成を付加した実施例について説明する。図8は、実施例に係る複写機におけるY用の現像装置4Yと、Y用の受熱ユニット81Yとを示す拡大側面図である。Y用の受熱ユニット81Yにおける3つの分割受熱部(82Y,83Y,84Y)の内部空間は、水平方向において左空間と右空間とに仕切られている。何れの空間に対しても、可撓性の管部材89が鉛直方向の下側から、及び上側からそれぞれ接続されている。
【0065】
3つの分割受熱部(82Y,83Y,84Y)において、互いに水平方向に並んでいるため、それぞれにおける鉛直方向上側の側面や下側の側面は、分割受熱部同士が対向しない非対向面となっている。このように、実施例に係る複写機においては、3つの分割受熱部に対してそれぞれ、可撓性の管部材89を、他の分割受熱部との非対向面に接続している。かかる構成では、各分割受熱部の間に、管部材89を介在させることなく、各分割受熱部に対して管部材89を接続することが可能である。これにより、実施形態の態様である図7との比較からわかるように、分割受熱部間の間隙を大幅に小さくして、その分、分割受熱部の大型化を図ることで、冷却性能をより高めることができる。
【0066】
受熱ユニット81Yに対しては、3つの分割受熱部のうち、まず第1分割受熱部82Yの左空間に対して冷却媒体が供給される。この供給は、同左空間に対して鉛直方向下側から接続された管部材89によって行われる。同左空間に供給された冷却媒体は、同左空間に対して鉛直方向上側から接続された管部材89によって同左空間から排出された後、第2分割受熱部83Yの右空間に対して鉛直方向上側から進入する。そして、同右空間から鉛直方向下側に向けて排出された後、第3分割受熱部84Yの左空間に対して鉛直方向下側から進入する。その後、同左空間から鉛直方向上側に向けて排出された後、第3分割受熱部84Yの右空間に対して鉛直方向上側から進入する。次いで、同右空間から鉛直方向下側に向けて排出された後、第2分割受熱部83Yの左空間に対して鉛直方向下側から進入する。更に、同左空間から鉛直方向上側に向けて排出された後、第1分割受熱部82Yの右空間に対して鉛直方向上側から進入する。その後、同右空間から鉛直方向下側に向けて排出されて、受熱ユニット81Yの全ての空間を経由する。
【0067】
図9は、実施例に係る複写機の変形例におけるY用の現像装置4Yと、Y用の受熱ユニット81Yとを示す拡大側面図である。この受熱ユニット81Yにおいても、実施例と同様に、各分割受熱部に対してそれぞれ、他の分割受熱部との非対向面である鉛直方向上側に側面や下側の側面に可撓性の管部材89を接続している。但し、管部材89の這い回し方が、実施例と異なっている。具体的には、変形例においては、第1分割受熱部82Yの左空間→右空間→第2分割受熱部83Yの左空間→右空間→第3分割受熱部84Yの左空間→右空間というように、横並びになっている6つの空間に対し、図中左側から右側に向けて順に冷却媒体を進入させていくような管部材89の這い回しになっている。実施例に比べて、管部材89の接続態様が単純であるため、這い回し作業を簡素化することができる。
【0068】
これまで、本発明に係る冷却装置80によって被冷却体としての現像装置を冷却するようにした例について説明したが、現像装置とは異なる被冷却体を冷却する態様にも、本発明の適用が可能である。また、電子写真方式の画像形成装置に限らず、インクジェット方式など、他の方式による画像形成装置にも本発明を適用することができる。
【0069】
以上、実施形態に係る複写機においては、各色のプロセスユニット2Y,M,C,K、光書込ユニット50、転写ユニット60などにより、記録部材たる記録紙Pに画像を形成する画像形成手段を構成している。そして、被冷却体たる各色の現像装置4Y,M,C,Kに密着して熱を受ける受熱部と、熱を放出する放熱部87と、受熱部の内部と放熱部87の内部とを循環搬送される冷却媒体と、冷却媒体搬送のために受熱部と放熱部87とを繋ぐ管部材89とを具備する冷却手段としての冷却装置80に、次のような特徴的な構成を採用している。即ち、受熱部として、現像装置4Y,M,C,Kについてそれぞれ、互いに異なる箇所に密着させるように構成した第1分割受熱部と第2分割受熱部と第3分割受熱部とを設けるとともに、それらの分割受熱部に対し、冷却媒体を送受するための管部材89として、可撓性を有するものを用いている。かかる構成では、既に説明したように、従来に比べて、現像装置4Y,M,C,Kと、受熱部との密着不良を抑えることができる。
【0070】
また、実施形態に係る複写機においては、各色についてそれぞれ、第1、第2及び第3の3つの分割受熱部の間で冷却媒体の送受を行うように、それら分割受熱部を可撓性の管部材89で連結している。かかる構成では、3つの分割受熱部を順次通過させた後の冷却媒体を、1つの放熱部87に送って冷却することが可能になるので、3つの分割受熱部にそれぞれ個別に対応させてそれぞれに専用の放熱部を設ける場合に比べて、構成の簡素化、小型化及び低コスト化を図ることができる。
【0071】
また、実施例や変形例に係る複写機においては、第1、第2、第3の分割受熱部に対してそれぞれ、可撓性の管部材89を、他の分割受熱部との非対向面に接続している。かかる構成では、既に説明したように、対向面に接続する場合に比べて、各分割受熱部間の間隙を大幅に小さくして、その分、分割受熱部の大型化を図ることで、冷却性能をより高めることができる。
【0072】
また、実施形態に係る複写機においては、第1、第2、第3の分割受熱部をそれぞれ現像装置のケーシング側面に向けて個別に付勢して密着させる複数の付勢手段たるコイルバネ92を設けている。かかる構成では、必要に応じて付勢手段による付勢を解除したり、付勢を再開したりすることで、現像装置を搭載したプロセスユニットを、冷却装置80から独立させて本体に着脱することができる。
【0073】
また、実施形態に係る複写機においては、各分割受熱部をそれぞれ個別に付勢する複数の付勢手段として、それぞれコイルバネ92を用いている。かかる構成では、分割受熱部が現像装置のケーシング側面の湾曲形状に追従して傾いた姿勢をとっても、それに追従してコイルバネ92が座屈することで、湾曲面に対しても分割受熱部を良好に押し付けることができる。
【0074】
また、実施形態に係る複写機においては、画像形成手段として、潜像を担持する潜像担持体たる感光体と、これの表面に担持された潜像をトナーによって現像する現像手段たる現像装置と、現像によって得られたトナー像を感光体から記録紙に転写する転写手段たる転写ユニット60とを具備するものを用いるとともに、複数の分割受熱部を、現像装置内におけるトナー搬送方向に沿って並べて配設し、現像装置におけるトナー搬送方向の互いに異なる箇所をそれら分割受熱部によって冷却するようにしている。かかる構成では、搬送に伴う摺擦によって昇温するトナーを、その搬送方向に沿って並べた複数の分割受熱部によって良好に冷却することができる。
【符号の説明】
【0075】
P:記録紙(記録部材)
2Y,M,C,K:プロセスユニット(画像形成手段の一部)
3Y,M,C,K:感光体(潜像担持体)
4Y,M,C,K:現像装置(現像手段)
50:光書込ユニット(画像形成手段の一部)
60:転写ユニット(画像形成手段の一部)
80:冷却装置(冷却手段)
81Y,M,C,K:受熱ユニット
82Y,M,C,K:第1分割受熱部(複数の受熱部の1つ)
83Y,M,C,K:第2分割受熱部(複数の受熱部の1つ)
84Y,M,C,K:第3分割受熱部(複数の受熱部の1つ)
87:放熱部
89:管部材
92:コイルバネ
【先行技術文献】
【特許文献】
【0076】
【特許文献1】特開2005−164927号公報
【技術分野】
【0001】
本発明は、被冷却体を冷却する冷却手段とを備える複写機、ファクシミリ、プリンタ等の画像形成装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
この種の画像形成装置としては、特許文献1に記載のものが知られている。この画像形成装置は、電子写真方式によって画像を形成するものである。潜像担持体たる感光体の表面に担持した静電潜像に対して、現像装置によってトナーを付着させることで静電潜像を現像する。そして、現像によって得たトナー像を、転写装置によって感光体から中間転写ベルトを経て記録紙の表面に転写する。このようにしてトナー像を形成した記録紙は、定着装置内でトナー転写面が加熱及び加熱されることで、トナー像がトナー転写面に定着せしめられる。現像装置においては、定着装置から発せられる熱によって装置が昇温せしめられることで、内部のトナーを溶融させて現像性能に悪影響を及ぼしてしまうおそれがある。そこで、現像装置に対しては、冷却装置の受熱部を密着させている。この冷却装置は、受熱部と放熱部との間で冷却媒体としての冷却液を循環搬送しながら、受熱部によって現像装置から奪い取って冷却液に伝達した熱を、放熱部で冷却液から放出する。このような液冷方式によって現像装置を冷却することで、筺体内の空気をファンによって外部に排出して機内温度の上昇を抑えるだけの簡素な構成の画像形成装置に比べて、現像装置内でのトナー溶融の発生を抑えることができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、現像装置のケーシングとして、低コスト化の観点から、一般的な成型法(例えば押し出し成型)によるものを用いる場合には、成型精度の限界により、どうしてもケーシング表面に微妙な波状の湾曲(以下、表面うねりと言う)を発生させてしまう。このようなケーシングに対し、冷却装置の受熱部の平面を密着させても、ケーシング表面の全領域のうち、表面うねりの山部に相当する領域だけにしか受熱部を良好に密着させることができず、表面うねりの谷部に相当する領域では受熱部の密着不良が起こる。これにより、現像装置を良好に冷却することが困難になるおそれがある。
【0004】
特許文献1に記載の画像形成装置では、被冷却体として現像装置を冷却する構成になっているが、現像装置とは異なる被冷却体を冷却する場合にも、同様にして、被冷却体の表面うねりに起因する受熱部の密着不良を引き起こすおそれがある。
【0005】
本発明は、以上の背景に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、被冷却体の表面うねりに起因する被冷却体と受熱部との密着不良を抑えることができる画像形成装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、請求項1の発明は、記録部材に画像を形成する画像形成手段と、被冷却体を冷却する冷却手段とを備えるとともに、前記被冷却体に密着して前記被冷却体の熱を受ける受熱部と、熱を放出する放熱部と、前記受熱部の内部と前記放熱部の内部とを循環搬送される冷却媒体と、冷却媒体搬送のために前記受熱部と前記放熱部とを繋ぐ管部材とを前記冷却手段に具備する画像形成装置において、前記受熱部として、前記被冷却体における互いに異なる箇所に密着させるように構成した複数のものを設けるとともに、それら複数の受熱部に対し、前記冷却媒体を送受するための前記管部材として、可撓性を有するものを用いたことを特徴とするものである。
また、請求項2の発明は、請求項1の画像形成装置において、複数の前記受熱部の間で前記冷却媒体の送受を行うようにそれら受熱部を、可撓性の前記管部材で連結したことを特徴とするものである。
また、請求項3の発明は、請求項2の画像形成装置において、複数の前記受熱部に対してそれぞれ、可撓性の前記管部材を、他の受熱部との非対向面に接続したことを特徴とするものである。
また、請求項4の発明は、請求項1乃至3の何れかの画像形成装置において、複数の前記受熱部をそれぞれ前記被冷却体に向けて個別に付勢して密着させる複数の付勢手段を設けたことを特徴とするものである。
また、請求項5の発明は、請求項4の画像形成装置において、複数の前記付勢手段として、それぞれコイルバネを用いたことを特徴とするものである。
また、請求項6の発明は、請求項1乃至5の何れかの画像形成装置において、前記画像形成手段として、潜像を担持する潜像担持体と、これの表面に担持された潜像をトナーによって現像する現像手段と、現像によって得られたトナー像を前記潜像担持体から記録部材に転写する転写手段とを具備するものを用いるとともに、複数の前記受熱部を、前記被冷却体としての前記現像手段内におけるトナー搬送方向に沿って並べて配設し、前記現像手段におけるトナー搬送方向の互いに異なる箇所をそれら受熱部によって冷却するようにしたことを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0007】
これらの発明においては、冷却手段の複数の受熱部を、被冷却体の表面の互いに異なる箇所に密着させる。そして、次に説明する理由により、それら複数の受熱部のいくつかを、被冷却体の表面うねりの谷部に対して従来よりも良好に密着させる。即ち、一般的な成型法によって得られた被冷却体の無垢の表面に発生する表面うねりは、山部から谷部にかけての長さが例えば数cm〜十数cmといった比較的大きなものとなる。本発明では、かかる表面うねりの山部と谷部とに対して、互いに異なる受熱部を対向させて個別に冷却を図ることが可能になる。このような冷却において、複数の受熱部のうち、表面うねりの谷部に対向している受熱部を、山部に密着している受熱部よりも被冷却体に近づけることができれば、表面うねりの谷部に良好に密着させることが可能になるが、そのためには、前者の受熱部を後者の受熱部から切り離して移動させる必要がある。そこで、本発明においては、複数の受熱部に対して、それぞれ冷却媒体を送受するための管部材として、従来のような変形不能な高剛性のものではなく、変形可能な可撓性を有するものを接続している。かかる構成では、被冷却体の表面うねりの谷部に対向している受熱部を、山部に密着している受熱部から切り離して移動させて、谷部に良好に密着させることができるので、従来に比べて、被冷却体と受熱部との密着不良を抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】実施形態に係る複写機を示す概略構成図。
【図2】同複写機におけるプリンタ部の内部構成の一部を拡大して示す部分拡大構成図。
【図3】同プリンタ部のY用のプロセスユニットを示す拡大構成図。
【図4】同複写機の冷却装置と、被冷却体たる各色の現像装置とを示す構成図。
【図5】同複写機におけるY用の現像装置とその周囲構成とを示す拡大構成図。
【図6】同現像装置とY用の受熱ユニットとを示す拡大平断面図。
【図7】同現像装置と同受熱ユニットとを示す拡大側面図。
【図8】実施例に係る複写機におけるY用の現像装置と、Y用の受熱ユニットとを示す拡大側面図。
【図9】同複写機の変形例におけるY用の現像装置と、Y用の受熱ユニットとを示す拡大側面図。
【図10】従来の画像形成装置における冷却装置の一例を示す概略構成図。
【図11】同画像形成装置におけるプロセスユニットと同冷却装置の受熱部とを示す斜視図。
【図12】同プロセスユニットの現像装置と同受熱部とを示す拡大平断面図。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明を適用した画像形成装置として、電子写真方式によって画像を形成する複写機の実施形態について説明する。
まず、実施形態に係る複写機の基本的な構成について説明する。図1は、実施形態に係る複写機を示す概略構成図である。この複写機は、プリンタ部1と、白紙供給装置100と、原稿搬送読取ユニット150とを備えている。原稿搬送読取ユニット150は、プリンタ部1の上に固定された原稿読取装置たるスキャナ160と、これに支持される原稿搬送装置たるADF170とを有している。
【0010】
白紙供給装置100は、ペーパーバンク101内に多段に配設された2つの給紙カセット102,103、2組の分離ローラ対104,105、給紙路106、複数の搬送ローラ対107等を有している。2つの給紙カセット102,103は、それぞれ、図示しない記録紙を複数枚重ねた紙束の状態で内部に収容している。そして、プリンタ部1からの制御信号に基づいて、送出ローラ102a,103aを回転駆動させて、紙束における一番上の記録紙を給紙路106に向けて送り出す。送り出された記録紙は、分離ローラ対104,105によって1枚に分離されてから、給紙路106内に至る。そして、給紙路106内に設けられた複数の搬送ローラ対107の搬送ニップを経由して、プリンタ部1の第1受入分岐路30に送られる。
【0011】
プリンタ部1は、イエロー(Y),マゼンタ(M),シアン(C),ブラック(K)のトナー像を形成するための4つのプロセスユニット2Y,M,C,Kを備えている。また、第1受入分岐路30、受入搬送ローラ対31、手差しトレイ32、手差し分離ローラ対33、第2受入分岐路34、手差し搬送ローラ対35、転写前搬送路36、レジストローラ対37、搬送ベルトユニット39、定着ユニット43、スイッチバック装置46、排紙ローラ対47、排紙トレイ48、切換爪49、光書込ユニット50、転写ユニット60等も備えている。なお、プロセスユニット2Y,M,C,Kは、所定のピッチで並ぶ潜像担持体たるドラム状の感光体3Y,M,C,Kを有している。
【0012】
後述する2次転写ニップの直前で記録紙を搬送するための転写前搬送路36は、紙搬送方向の上流側で第1受入分岐路30と第2受入分岐路34とに分岐している。白紙供給装置100の給紙路106から送り出された記録紙は、第1受入分岐路30に受け入れられた後、第1受入分岐路30内に配設された受入搬送ローラ対31の搬送ニップを経由して転写前搬送路36に送られる。
【0013】
プリンタ部1の筺体における側面には、手差しトレイ32が筺体に対して開閉可能に配設されており、筺体に対して開いた状態でトレイ上面に紙束が手差しされる。手差しされた紙束における一番上の記録紙は、手差しトレイ32の送出ローラ32aによって第2受入分岐路34に向けて送り出される。そして、手差し分離ローラ対33によって1枚に分離されてから第2受入分岐路34に送られた後、第2受入分岐路34内に配設された手差し搬送ローラ対35の搬送ニップを経由して、転写前搬送路36に送られる。
【0014】
光書込ユニット50は、図示しないレーザーダイオード、ポリゴンミラー、各種レンズなどを有しており、後述するスキャナ160によって読み取られた画像情報や、外部のパーソナルコンピュータから送られている画像情報に基づいて、レーザーダイオードを駆動する。そして、プロセスユニット2Y,M,C,Kの感光体3Y,M,C,Kを光走査する。具体的には、プロセスユニット2Y,M,C,Kの感光体3Y,M,C,Kは、図示しない駆動手段によってそれぞれ図中反時計回り方向に回転駆動せしめられる。光書込ユニット50は、駆動中の感光体3Y,M,C,Kに対して、レーザー光をそれぞれ回転軸線方向に偏向せしめながら照射することで、光走査処理を行う。これにより、感光体3Y,M,C,Kには、Y,M,C,K画像情報に基づいた静電潜像が形成される。
【0015】
図2は、プリンタ部1の内部構成の一部を拡大して示す部分拡大構成図である。各色のプロセスユニット3K,Y,M,Cは、それぞれ、潜像担持体たる感光体と、その周囲に配設される各種装置とを1つのユニットとして共通の支持体に支持するものであり、プリンタ部本体に対して着脱可能になっている。そして、互いに使用するトナーの色が異なる点の他が同様の構成になっている。Y用のプロセスユニット2Yを例にすると、これは、潜像担持体たる感光体3Yの他、これの表面に形成された静電潜像をYトナー像に現像するための現像装置4Yを有している。また、後述するY用の1次転写ニップを通過した後の感光体3Y表面に付着している転写残トナーをクリーニングするドラムクリーニング装置18Yなども有している。本複写機では、4つのプロセスユニット2Y,M,C,Kを、後述する中間転写ベルト61に対してその無端移動方向に沿って並べたいわゆるタンデム型の構成になっている。
【0016】
図3は、Y用のプロセスユニット2Yを示す拡大構成図である。同図に示すように、プロセスユニット2Yは、感光体3Yの周りに、現像装置4Y、ドラムクリーニング装置18Y、除電ランプ17Y、帯電ローラ16Y等を有している。
【0017】
感光体3Yとしては、アルミニウム等の素管に、感光性を有する有機感光材の塗布による感光層を形成したドラム状のものを用いている。但し、無端ベルト状のものを用いても良い。
【0018】
現像装置4Yは、図示しない磁性キャリアと非磁性のYトナーとを含有する二成分現像剤(以下、単に現像剤という)を用いて潜像を現像するようになっている。そして、内部に収容している現像剤を攪拌しながら搬送する攪拌部5Yと、感光体3Y上の静電潜像を現像する現像部9Yとを有している。なお、現像装置4Yとして、二成分現像剤の代わりに、磁性キャリアを含まない一成分現像剤によって現像を行うタイプのものを使用していもよい。
【0019】
攪拌部5Yは、現像部9Yよりも低い位置に設けられており、互いに平行配設された第1搬送スクリュウ6Y及び第2搬送スクリュウ7Y、これらスクリュウの間に設けられた仕切り板、ケーシングの底面に設けられたトナー濃度センサ8Yなどを有している。
【0020】
現像部9Yは、ケーシングの開口を通して感光体3Yに対向する現像ロール10Y、これに対して自らの先端を近接させるドクターブレード13Yなどを備えている。そして、現像ロール10Yは、非磁性材料からなる筒状の現像スリーブ11Yと、これの内部に回転不能に設けられたマグネットローラ12Yとを有している。このマグネットローラ12Yは、周方向に並ぶ複数の磁極を有している。これら磁極は、それぞれスリーブ上の現像剤に対して回転方向の所定位置で磁力を作用させる。これにより、攪拌部5Yから送られてくる現像剤を現像スリーブ11Y表面に引き寄せて担持させるとともに、磁力線に沿った磁気ブラシをスリーブ表面上に形成する。
【0021】
磁気ブラシは、現像スリーブ11Yの回転に伴ってドクターブレード13Yとの対向位置を通過する際に適正な層厚に規制されてから、感光体3Yに対向する現像領域に搬送される。そして、現像スリーブ11Yに印加される現像バイアスと、感光体3Yの静電潜像との電位差によってYトナーを静電潜像上に転移させて現像に寄与する。更に、現像スリーブ11Yの回転に伴って再び現像部9Y内に戻り、マグネットローラ12Yの磁極間に形成される反発磁界の影響によってスリーブ表面から離脱した後、攪拌部5Y内に戻される。攪拌部5Y内には、トナー濃度センサ8Yによる検知結果に基づいて、現像剤に適量のトナーが補給される。
【0022】
ドラムクリーニング装置18Yとしては、ポリウレタンゴム製のクリーニングブレード20Yを感光体3Yに押し当てる方式のものを用いているが、他の方式のものを用いてもよい。クリーニング性を高める目的で、本複写機では、外周面を感光体3Yに接触させるファーブラシ19Yを、図中矢印方向に回転自在に有する方式のものを採用している。このファーブラシ19Yは、図示しない固形潤滑剤から潤滑剤を掻き取って微粉末にしながら感光体3Y表面に塗布する役割も兼ねている。
【0023】
ファーブラシ19Yに付着したトナーは、ファーブラシ19Yに対してカウンタ方向に接触して回転しながらバイアスが印加される電界ローラ21Yに転位する。そして、スクレーパ22Yによって電界ローラ21Yから掻き取られた後、回収スクリュウ23Y上に落下する。
【0024】
回収スクリュウ23Yは、回収トナーをドラムクリーニング装置18Yにおける図紙面と直交する方向の端部に向けて搬送して、外部のリサイクル搬送装置に受け渡す。図示しないリサイクル搬送装置は、受け渡されたトナーを現像装置4Yに送ってリサイクルする。
【0025】
除電ランプ17Yは、光照射によって感光体3Yを除電する。除電された感光体3Yの表面は、帯電ローラ16Yによって一様に帯電せしめられた後、上述した光書込ユニットによる光走査が施される。なお、帯電ローラ16Yは、図示しない電源から帯電バイアスの供給を受けながら回転駆動するものである。かかる帯電ローラ16Yを用いる帯電方式に代えて、感光体3Yに対して非接触で帯電処理を行うスコロトロンチャージャ方式を採用してもよい。
【0026】
先に示した図2において、4つのプロセスユニット2Y,M,C,Kの感光体3Y,M,C,Kの表面には、これまで説明してきたプロセスによってY,M,C,Kトナー像が形成される。
【0027】
4つのプロセスユニット2Y,M,C,Kの下方には、転写手段としての転写ユニット60が配設されている。この転写ユニット60は、複数のローラによって張架している像担持体たる中間転写ベルトを、感光体3Y,M,C,Kに当接させながら、何れか1つのローラの回転駆動によって図中時計回り方向に無端移動させる。これにより、感光体3Y,M,C,Kと中間転写ベルト61とが当接するY,M,C,K用の1次転写ニップが形成されている。
【0028】
Y,M,C,K用の1次転写ニップの近傍では、ベルトループ内側に配設された1次転写ローラ62Y,M,C,Kによって中間転写ベルト61を感光体3Y,M,C,Kに向けて押圧している。これら1次転写ローラ62Y,M,C,Kには、それぞれ図示しない電源によって1次転写バイアスが印加されている。これにより、Y,M,C,K用の1次転写ニップには、感光体3Y,M,C,K上のトナー像を中間転写ベルト61に向けて静電移動させる1次転写電界が形成されている。
【0029】
図中時計回り方向の無端移動に伴ってY,M,C,K用の1次転写ニップを順次通過していく中間転写ベルト61のおもて面には、各1次転写ニップでトナー像が順次重ね合わせて1次転写される。この重ね合わせの1次転写により、中間転写ベルト61のおもて面には4色重ね合わせトナー像(以下、4色トナー像という)が形成される。
【0030】
中間転写ベルト61の図中下方には、当接部材としての2次転写対向ローラ72が配設されており、これは中間転写ベルト61における2次転写ローラ68に対する掛け回し箇所にベルトおもて面から当接して2次転写ニップを形成している。これにより、中間転写ベルト61のおもて面と、2次転写対向ローラ72とが当接する2次転写ニップが形成されている。
【0031】
中間転写ベルト61のループ内において、転写バイアス部材としての2次転写ローラ68には、図示しない2次転写電源回路により、トナーの正規帯電極性と同極性(本例では負極性)の2次転写バイアスが印加されている。一方、ベルトのおもて面に当接しながら2次転写ニップを形成している2次転写対向ローラ72は、接地されている。これにより、2次転写ニップ内には、負極性のトナーをベルト側から2次転写対向ローラ72側に向けて静電移動させる2次転写電界が形成されている。
【0032】
2次転写ニップの図中右側方には、図示しない上述のレジストローラ対が配設されており、ローラ間に挟み込んだ記録紙を中間転写ベルト61上の4色トナー像に同期させ得るタイミングで2次転写ニップに送り出す。2次転写ニップ内では、中間転写ベルト61上の4色トナー像が2次転写電界やニップ圧の影響によって記録紙に一括2次転写され、記録紙の白色と相まってフルカラー画像となる。
【0033】
2次転写ニップを通過した中間転写ベルト61のおもて面には、2次転写ニップで記録紙に転写されなかった転写残トナーが付着している。この転写残トナーは、中間転写ベルト61に当接するベルトクリーニング装置75によってクリーニングされる。
【0034】
先に示した図1において、2次転写ニップを通過した記録紙は、中間転写ベルト61から離間して、搬送ベルトユニット39に受け渡される。この搬送ベルトユニット39は、無端状の搬送ベルト40を駆動ローラ41と従動ローラ42とによって張架しながら、駆動ローラ41の回転駆動によって図中反時計回り方向に無端移動せしめる。そして、2次転写ニップから受け渡された記録紙をベルト上部張架面に保持しながら、ベルトの無端移動に伴って搬送して定着ユニット43に受け渡す。
【0035】
定着ユニット43は、駆動ローラと、発熱源を内包する加熱ローラとによって張架した定着ベルトを駆動ローラの回転駆動に伴って図中時計回り方向に無端移動せしめている。そして、定着ベルトの下方に配設された加圧ローラ45を定着ベルトの下部張架面に当接させて定着ニップを形成している。定着ユニット43に受け入れられた記録紙は、この定着ニップ内で加圧されたり加熱されたりすることで、表面上のフルカラー画像が定着せしめられる。そして、定着ユニット43内から切換爪49に向けて送り出される。
【0036】
切換爪49は、図示しないソレノイドによって揺動するようになっており、その揺動に伴って、記録紙の搬送路を排紙路と反転路とで切り換える。切換爪49によって排紙路が選択されていると、定着ユニット43内から送り出された記録紙は、排紙路と排紙ローラ対47とを経由した後、機外に排出されて排紙トレイ48上にスタックされる。
【0037】
定着ユニット43や搬送ベルトユニット39の下方には、スイッチバック装置46が配設されている。切換爪49によってスイッチバック路が選択されていると、定着ユニット43内から送り出された記録紙は、反転路を経由して上下反転せしめられた後、スイッチバック装置46に送られる。そして、再び2次転写転写ニップに進入して、もう片面にも画像の2次転写処理と定着処理とが施される。
【0038】
プリンタ部1の上に固定されたスキャナ160は、図示しない原稿の画像を読み取るための読取手段として、固定読取部161と、移動読取部162とを有している。光源、反射ミラー、CCD等の画像読取センサなどを有する固定読取部161は、原稿に接触するようにスキャナ160のケーシング上壁に固定された図示しない第1コンタクトガラスの直下に配設されている。そして、ADF170によって搬送される原稿が第1コンタクトガラス上を通過する際に、光源から発した光を原稿面で順次反射させながら、複数の反射ミラーを経由させて画像読取センサで受光する。これにより、光源や反射ミラー等からなる光学系を移動させることなく、原稿を走査する。
【0039】
一方、移動読取部162は、原稿に接触するようにスキャナ160のケーシング上壁に固定された図示しない第2コンタクトガラスの直下に配設されており、光源や、反射ミラーなどからなる光学系を図中左右方向に移動させることができる。そして、光学系を図中左側から右側に移動させていく過程で、光源から発した光を第2コンタクトガラス上に載置された図示しない原稿で反射させた後、複数の反射ミラーを経由させて、スキャナ本体に固定された画像読取センサで受光する。これにより、光学系を移動させながら、原稿を走査する。
【0040】
先に示した図3において、現像装置4Yの攪拌部5Y内では、現像剤が搬送スクリュウ(6Y,7Y)によって撹拌搬送される際に、搬送スクリュウとの摩擦や、磁性キャリア同士の摩擦によって昇温する。このような昇温が起こると、現像剤中のトナーの帯電量が低下して現像能力を低下させてしまう。また、トナーが溶融して、現像能力を低下させたり、各種の部材に固着して現像性に悪影響を及ぼしたりすることもある。近年、定着エネルギーを小さくする狙いから、トナーのガラス転移点を低下させた低融点トナーを採用する傾向が高くなっており、現像装置内の昇温によるトナーの溶融を引き起こし易くなっている。
【0041】
この種のトナーの溶融を抑える狙いから、現像装置を液冷方式で冷却する冷却装置を設けた画像形成装置が知られている。図10は、従来の冷却装置の一例を示す概略構成図である。同図において、冷却装置500は、受熱部501、リザーブタンク502、循環ポンプ503、放熱部504、冷却ファン505、管部材506などを有している。受熱部501と、リザーブタンク502と、循環ポンプ503と、放熱部504とは、管部材506によって順次連結されている。また、放熱部504と受熱部501との間も管部材506によって繋がれている。それらの内部には、冷却媒体としての冷却液が満たされている。循環ポンプ503が作動すると、循環ポンプ503内の冷却液は、放熱部504、受熱部501、リザーブタンク502を順次経由して、循環ポンプ503内に戻ってくる。
【0042】
受熱部501は、コイルバネ508によって現像装置510に向けて付勢されることで、現像装置510のケーシング側面に密着せしめられている。受熱部501の筺体は、アルミ等の熱伝導率の高い金属材料からなり、現像装置510から自らに熱を伝導させることで、現像装置510を冷却する。この冷却に伴って、受熱部501の筺体が昇温するが、この熱は受熱部501内を通過する冷却液に速やかに奪われる。このため、受熱部501の筺体の温度は一定温度以下に維持される。受熱部501を通過する際に昇温した冷却液は、リザーブタンク502と循環ポンプ503とを経由した後、放熱部504内に至る。
【0043】
受熱部501は、図11に示すように、現像装置510や感光体などを1つのユニットとして一体化したプロセスユニット509における現像装置ケーシングの側面に密着せしめられている。
【0044】
先に示した図10において、放熱部504の筺体も、受熱部501と同様に、アルミ等の熱伝導率の高い金属材料からなる。また、放熱部504の筺体の一部には、金属材料からなる複数の放熱板が立設せしめられており、これによって放熱部504の表面積の増大が図られている。循環ポンプ503内を通って放熱部504内に至った冷却液は、放熱部504の筺体に熱を奪われる。これにより、冷却液が冷却されるとともに、放熱部504の筺体が昇温する。冷却液から放熱部504の筺体に伝わった熱は、前述した複数の放熱板から外気へと速やかに放出される。この放出を促進するために、冷却ファン505が前述の複数の放熱板に向けて送風している。
【0045】
かかる構成の冷却装置500においては、定積熱容量が空気よりも遙かに大きい冷却液を冷却媒体として、現像装置510から奪った熱を効率良く放熱部504に送ることで、現像装置510を良好に冷却することが可能である。なお、冷却液として水を用いた場合、その定積熱容量は空気の3000倍以上である。
【0046】
ところが、現像装置510のケーシングとしては、低コスト化を図る目的から一般的な成型法によって成型しただけのものを用いることが一般的である。このようなケーシングは、成形後に切削加工などによって平滑処理が施されたものに比べて表面平滑性に劣り、数cm〜十数cm程度の波長の波状の表面うねりを発生させてしまう。表面うねりの谷部と山部との高低差は1[mm]程度である。このような高低差があると、図12に示すように、現像装置510のケーシングの表面うねりにおける谷部と受熱部501との間にギャップが生じてしまい、両者を良好に密着させることができなくなる。図示の例では、ある程度のギャップを吸収するための高熱伝導率シート507を、現像装置510のケーシング表面と、受熱部501との間に介在させているが、シートの厚みよりも前述した1[mm]程度の高低差の方が大きいことから、それでもなおギャップが発生している。シートの厚みを数[mm]程度まで大きくすれば、ギャップを吸収させることは可能であるが、そうすると、ケーシングから受熱部501に対して熱を良好に伝搬することが困難になってしまう。
【0047】
次に、実施形態に係る複写機の特徴的な構成について説明する。
図4は、実施形態に係る複写機の冷却装置80と、被冷却体たる各色の現像装置4Y,M,C,Kとを示す、構成図である。この冷却装置80は、Y,M,C,K用の現像装置4Y,M,C,Kのケーシング側面にそれぞれ個別に密着してケーシング側面の熱を受ける受熱部としての受熱ユニット81Y,M,C,Kを有している。また、リザーブタンク85、循環ポンプ86、放熱部87、冷却ファン88、管部材89なども有している。各色の受熱ユニット81Y,M,C,Kと、リザーブタンク85と、循環ポンプ86と、放熱部87とは、管部材89によって順次連結されている。また、放熱部87とY用の受熱ユニット81Yとの間も管部材89によって繋がれている。各部材や循環ポンプ86の内部には、図示しない冷却媒体が満たされている。循環ポンプ86が作動すると、循環ポンプ86内の冷却媒体は、放熱部87、各色の受熱ユニット81Y,M,C,K、リザーブタンク85を順次経由して、循環ポンプ86内に戻ってくる。
【0048】
各色の現像装置4Y,M,C,Kのケーシングは、熱伝導率の高いアルミから構成されている。溶融アルミを型に流して成型して得られたものであり、その側面は成型後の無垢の表面のままとなっており、切削等による表面平滑加工は行われていない。
【0049】
冷却装置80における各色の受熱ユニット81Y,M,C,Kは、アルミ等の熱伝導率の高い金属材料からなり、現像装置4Y,M,C,Kから自らに熱を伝導させることで、現像装置4Y,M,C,Kを冷却する。この冷却に伴って、受熱ユニット81が昇温するが、この熱は受熱ユニット内を通過する冷却媒体に速やかに奪われる。このため、受熱ユニット81Y,M,C,Kの温度は一定温度以下に維持される。受熱ユニット81Y,M,C,K内を通過する際に昇温した冷却媒体は、リザーブタンク85と循環ポンプ86とを経由した後、放熱部87内に至る。
【0050】
放熱部87の筺体も、受熱ユニット81Y,M,C,Kと同様に、アルミ等の熱伝導率の高い金属材料からなる。また、放熱部87の筺体の一部には、金属材料からなる複数の放熱板が立設せしめられており、これによって放熱部87の表面積の増大が図られている。循環ポンプ86内を通って放熱部87内に至った冷却媒体は、放熱部87の筺体に熱を奪われる。これにより、冷却媒体が冷却されるとともに、放熱部87の筺体が昇温する。冷却媒体から放熱部87の筺体に伝わった熱は、前述した複数の放熱板から外気へと速やかに放出される。この放出を促進するために、冷却ファン88が前述の複数の放熱板に向けて送風している。
【0051】
冷却媒体としては、液状の冷却媒体、ゲル状の冷却媒体、気体状の冷却媒体を例示することができる。中でも、液状の冷却媒体は、熱伝導性、流動性、搬送性の点で優れている。液状の冷却媒体としては、水を主成分とし、凍結温度を下げるためにプロピレングリコールやエチレングリコールなどを添加したり、金属の構成部品の錆を防ぐために防錆剤(例えば、リン酸塩系物質:リン酸カリ塩、無機カリ塩等)を添加したりしたものを例示することができる。
【0052】
各色の受熱ユニット81Y,M,C,Kは、それぞれ3つの分割受熱部を具備している。Y用の受熱ユニット81Yを例にすると、これは、第1分割受熱部82Yと、第2分割受熱部83Yと、第3分割受熱部84Yとを具備している。これらの分割受熱部は、現像装置4Yのケーシング側面に対し、現像剤搬送方向(図4中の紙面上下方向=ユニット長手方向)に並んでいる。他色の受熱ユニット81M,C,Kも、同様の、第1分割受熱部82M,C,Kと、第2分割受熱部83M,C,Kと、第3分割受熱部84M,C,Kとを具備している。
【0053】
図5は、実施形態の複写機におけるY用の現像装置4Yとその周囲構成とを示す拡大構成図である。同図において、冷却装置のY用の第1分割受熱部82YにおけるY用の現像装置4Yとの対向面には、熱伝導シート91が貼付されている。そして、この第1分割受熱部82Yは、複写機本体筺体に固定された支持板93に支持される付勢手段としてのコイルバネ92により、Y用の現像装置4Yのケーシング側面に向けて付勢されている。これにより、熱伝導シート91を介してケーシング側面に密着している。同図においては、Y用の受熱ユニット(81Y)における3つの分割受熱部のうち、第1分割受熱部82Yのみを示しているが、第2分割受熱部(83Y)や第3分割受熱部(84Y)も、それぞれ専用のコイルバネによって現像装置4Yに向けて付勢されている。また、他色の受熱ユニット(81M,C,K)も同様に、3つの分割受熱部がそれぞれ専用のコイルバネによって現像装置(4M,C,K)に向けて付勢されている。
【0054】
図6は、Y用の現像装置4Yと、Y用の受熱ユニット81Yとを示す拡大平断面図である。図示のように、現像装置4Yのケーシング側面には、図12に示した従来の現像装置510と全く同じ波長及び高低差の表面うねりが発生している。図12に示した従来構成では、既に述べたように、横長に形成された受熱部と、この表面うねりの谷部と間にギャップが発生してしまう。一方、実施形態に係る複写機では、図6に示すように、現像装置4Yのケーシング側面における表面うねりの山部と谷部とに対して、互いに異なる分割受熱部を対向させている。具体的には、現像装置4Yのケーシング側面には、図中左側から右側に向けて、山部、谷部、山部を順次出現させる表面うねりが発生している。そして、表面うねりにおける図中左側の山部に対しては、3つの分割受熱部のうち、第1分割受熱部82Yを対向させている。また、表面うねりにおける谷部に対しては、第2分割受熱部83Yを対向させている。また、表面うねりにおける図中左側の山部に対しては、第3分割受熱部84Yを対向させている。これら3つの分割受熱部のうち、表面うねりの谷部に対向している第2分割受熱部83Yを、山部に密着している第1分割受熱部82Yや第3分割受熱部84Yよりも現像装置4Yのケーシング側面に近づけることができれば、表面うねりの谷部に良好に密着させることが可能になる。そこで、実施形態に係る複写機においては、3つの分割受熱部に対して、それぞれ冷却媒体を送受するための管部材89として、従来のような変形不能な高剛性のものではなく、変形可能な可撓性を有するフレキシブルチューブからなるものを接続している。かかる構成では、管部材89を各分割受熱部の位置に応じて自在に撓ませることで、現像装置4Yのケーシング側面における表面うねりの谷部に対向している第2分割受熱部83Yを、山部に密着している第1分割受熱部82Yや第3分割受熱部84Yから切り離して移動させて、谷部に良好に密着させることができる。よって、図12との比較から明らかなように、従来に比べて、現像装置4Yのケーシング側面と、熱伝導シート91を介した受熱ユニット81との密着不良を抑えることができる。
【0055】
Y用の受熱ユニット81Yと、Y用の現像装置4Yのケーシング側面との密着性について説明したが、他色の受熱ユニット81M,C,Kと、現像装置4M,C,Kのケーシング側面との密着性も同様にして、従来よりも向上が図られている。
【0056】
なお、1つの横長の受熱部にするのではなく、3つの分割受熱部にしたことで、図6に示したような比較的波長の長い表面うねりには対応することが可能であるが、数μm〜数mmといった微小な凹凸に対しては対応することができない。そこで、そのような微少な凹凸については、ケーシング側面と分割受熱部との間に介在させた熱伝導シート91を凹凸パターンに従って変形させることで、ギャップの形成を回避している。
【0057】
また、実施形態においては、冷却装置80に用いる管部材89の長手方向全領域を、フレキシブルチューブからなる可撓性のもので構成しているが、長手方向全領域を可撓性のものにする必要は必ずしもない。各分割受熱部をそれぞれ数mmの単位で付勢方向に独立させて移動させることができれば、一部については高剛性のものであってもよい。また、フレキシブルチューブとしては、ゴム製や樹脂製のものを例示することができる。
【0058】
また、プロセスユニットを交換する際には、受熱ユニットの各分割受熱部を付勢しているコイルバネ92による付勢を解除してから、そのプロセスユニットを取り外す。そして、新たなプロセスユニットを装着した後、再びコイルバネ92による付勢を行って、各分割受熱部を新たなプロセスユニットの現像装置に密着させる。
【0059】
図7は、Y用の現像装置4Yと、Y用の受熱ユニット81Yとを示す拡大側面図である。Y用の受熱ユニット81Yにおける3つの分割受熱部(82Y,83Y,84Y)は、それぞれ内部が空洞になっており、その空洞は、鉛直方向において上部空間と下部空間とに仕切られている。第1分割受熱部82Yの上部空間に対しては、図中左側から可撓性の管部材89が接続されている。また、第1分割受熱部82Yの上部空間と、第2分割受熱部83Yの上部空間とは、両空間の間に配設された可撓性の管部材89によって連結されている。更に、第2分割受熱部83Yの上部空間と、第3分割受熱部84Yの上部空間とは、両空間の間に配設された可撓性の管部材89によって連結されている。以上のような連結により、第1分割受熱部82Yの上部空間と、第2分割受熱部83Yの上部空間と、第3分割受熱部84Yの上部空間とがその順で連通している。そして、第1分割受熱部82Yの上部空間に送り込まれた冷却媒体が、第2分割受熱部83Yの上部空間と、第3分割受熱部84Yの上部空間とを順に経由し、それぞれの内部で分割受熱部から熱を奪う。
【0060】
第3分割受熱部84Yの図中左側に配設された管部材89は、第3分割受熱部84Yの上部空間と、第3分割受熱部84Yの下部空間とを連結している。これにより、第3分割受熱部84Yの上部空間を通過した冷却媒体が、第3分割受熱部84Yの下部空間に進入する。
【0061】
第3分割受熱部84Yの下部空間と、第2分割受熱部83Yの下部空間とは、両空間の間に配設された可撓性の管部材89によって連結されている。更に、第2分割受熱部83Yの下部空間と、第1分割受熱部82Yの下部空間とは、両空間の間に配設された可撓性の管部材89によって連結されている。以上のような連結により、第3分割受熱部84Yの下部空間と、第2分割受熱部83Yの下部空間と、第1分割受熱部82Yの下部空間とがその順で連通している。そして、第3分割受熱部84Yの下部空間に送り込まれた冷却媒体が、第2分割受熱部83Yの下部空間と、第1分割受熱部82Yの下部空間とを順に経由し、それぞれの内部で分割受熱部から熱を奪う。
【0062】
以上のようにしてY用の現像装置4Yの冷却に携わった冷却媒体は、第1分割受熱部82Yの下部空間から出た後、図4に示したように、M用の受熱ユニット81Mに進入する。そして、M用の受熱ユニット81Mにおいて、Y用の受熱ユニット81Yと同様に、第1分割受熱部82Mの上部空間と、第2分割受熱部83Mの上部空間と、第3分割受熱部84Mの上部空間と、第3分割受熱部84Mの下部空間と、第2分割受熱部83Mの下部空間と、第1分割受熱部82Mの下部空間とを順に経由する。その後、C用の受熱ユニット81CやK用の受熱ユニット81Kで順次同様の経路を辿った後、リザーブタンク85に至る。
【0063】
実施形態に係る複写機においては、1つの現像装置のケーシング側面に対して、3つの分割受熱部をそれぞれ個別に密着させるようにしたが、分割受熱部の数は3つに限られるものではない。分割受熱部の数については、ケーシング寸法や成型精度などに基づいて予測される表面うねりの波長に応じて適宜決定することが望ましい。
【0064】
次に、実施形態に係る複写機に、より特徴的な構成を付加した実施例について説明する。図8は、実施例に係る複写機におけるY用の現像装置4Yと、Y用の受熱ユニット81Yとを示す拡大側面図である。Y用の受熱ユニット81Yにおける3つの分割受熱部(82Y,83Y,84Y)の内部空間は、水平方向において左空間と右空間とに仕切られている。何れの空間に対しても、可撓性の管部材89が鉛直方向の下側から、及び上側からそれぞれ接続されている。
【0065】
3つの分割受熱部(82Y,83Y,84Y)において、互いに水平方向に並んでいるため、それぞれにおける鉛直方向上側の側面や下側の側面は、分割受熱部同士が対向しない非対向面となっている。このように、実施例に係る複写機においては、3つの分割受熱部に対してそれぞれ、可撓性の管部材89を、他の分割受熱部との非対向面に接続している。かかる構成では、各分割受熱部の間に、管部材89を介在させることなく、各分割受熱部に対して管部材89を接続することが可能である。これにより、実施形態の態様である図7との比較からわかるように、分割受熱部間の間隙を大幅に小さくして、その分、分割受熱部の大型化を図ることで、冷却性能をより高めることができる。
【0066】
受熱ユニット81Yに対しては、3つの分割受熱部のうち、まず第1分割受熱部82Yの左空間に対して冷却媒体が供給される。この供給は、同左空間に対して鉛直方向下側から接続された管部材89によって行われる。同左空間に供給された冷却媒体は、同左空間に対して鉛直方向上側から接続された管部材89によって同左空間から排出された後、第2分割受熱部83Yの右空間に対して鉛直方向上側から進入する。そして、同右空間から鉛直方向下側に向けて排出された後、第3分割受熱部84Yの左空間に対して鉛直方向下側から進入する。その後、同左空間から鉛直方向上側に向けて排出された後、第3分割受熱部84Yの右空間に対して鉛直方向上側から進入する。次いで、同右空間から鉛直方向下側に向けて排出された後、第2分割受熱部83Yの左空間に対して鉛直方向下側から進入する。更に、同左空間から鉛直方向上側に向けて排出された後、第1分割受熱部82Yの右空間に対して鉛直方向上側から進入する。その後、同右空間から鉛直方向下側に向けて排出されて、受熱ユニット81Yの全ての空間を経由する。
【0067】
図9は、実施例に係る複写機の変形例におけるY用の現像装置4Yと、Y用の受熱ユニット81Yとを示す拡大側面図である。この受熱ユニット81Yにおいても、実施例と同様に、各分割受熱部に対してそれぞれ、他の分割受熱部との非対向面である鉛直方向上側に側面や下側の側面に可撓性の管部材89を接続している。但し、管部材89の這い回し方が、実施例と異なっている。具体的には、変形例においては、第1分割受熱部82Yの左空間→右空間→第2分割受熱部83Yの左空間→右空間→第3分割受熱部84Yの左空間→右空間というように、横並びになっている6つの空間に対し、図中左側から右側に向けて順に冷却媒体を進入させていくような管部材89の這い回しになっている。実施例に比べて、管部材89の接続態様が単純であるため、這い回し作業を簡素化することができる。
【0068】
これまで、本発明に係る冷却装置80によって被冷却体としての現像装置を冷却するようにした例について説明したが、現像装置とは異なる被冷却体を冷却する態様にも、本発明の適用が可能である。また、電子写真方式の画像形成装置に限らず、インクジェット方式など、他の方式による画像形成装置にも本発明を適用することができる。
【0069】
以上、実施形態に係る複写機においては、各色のプロセスユニット2Y,M,C,K、光書込ユニット50、転写ユニット60などにより、記録部材たる記録紙Pに画像を形成する画像形成手段を構成している。そして、被冷却体たる各色の現像装置4Y,M,C,Kに密着して熱を受ける受熱部と、熱を放出する放熱部87と、受熱部の内部と放熱部87の内部とを循環搬送される冷却媒体と、冷却媒体搬送のために受熱部と放熱部87とを繋ぐ管部材89とを具備する冷却手段としての冷却装置80に、次のような特徴的な構成を採用している。即ち、受熱部として、現像装置4Y,M,C,Kについてそれぞれ、互いに異なる箇所に密着させるように構成した第1分割受熱部と第2分割受熱部と第3分割受熱部とを設けるとともに、それらの分割受熱部に対し、冷却媒体を送受するための管部材89として、可撓性を有するものを用いている。かかる構成では、既に説明したように、従来に比べて、現像装置4Y,M,C,Kと、受熱部との密着不良を抑えることができる。
【0070】
また、実施形態に係る複写機においては、各色についてそれぞれ、第1、第2及び第3の3つの分割受熱部の間で冷却媒体の送受を行うように、それら分割受熱部を可撓性の管部材89で連結している。かかる構成では、3つの分割受熱部を順次通過させた後の冷却媒体を、1つの放熱部87に送って冷却することが可能になるので、3つの分割受熱部にそれぞれ個別に対応させてそれぞれに専用の放熱部を設ける場合に比べて、構成の簡素化、小型化及び低コスト化を図ることができる。
【0071】
また、実施例や変形例に係る複写機においては、第1、第2、第3の分割受熱部に対してそれぞれ、可撓性の管部材89を、他の分割受熱部との非対向面に接続している。かかる構成では、既に説明したように、対向面に接続する場合に比べて、各分割受熱部間の間隙を大幅に小さくして、その分、分割受熱部の大型化を図ることで、冷却性能をより高めることができる。
【0072】
また、実施形態に係る複写機においては、第1、第2、第3の分割受熱部をそれぞれ現像装置のケーシング側面に向けて個別に付勢して密着させる複数の付勢手段たるコイルバネ92を設けている。かかる構成では、必要に応じて付勢手段による付勢を解除したり、付勢を再開したりすることで、現像装置を搭載したプロセスユニットを、冷却装置80から独立させて本体に着脱することができる。
【0073】
また、実施形態に係る複写機においては、各分割受熱部をそれぞれ個別に付勢する複数の付勢手段として、それぞれコイルバネ92を用いている。かかる構成では、分割受熱部が現像装置のケーシング側面の湾曲形状に追従して傾いた姿勢をとっても、それに追従してコイルバネ92が座屈することで、湾曲面に対しても分割受熱部を良好に押し付けることができる。
【0074】
また、実施形態に係る複写機においては、画像形成手段として、潜像を担持する潜像担持体たる感光体と、これの表面に担持された潜像をトナーによって現像する現像手段たる現像装置と、現像によって得られたトナー像を感光体から記録紙に転写する転写手段たる転写ユニット60とを具備するものを用いるとともに、複数の分割受熱部を、現像装置内におけるトナー搬送方向に沿って並べて配設し、現像装置におけるトナー搬送方向の互いに異なる箇所をそれら分割受熱部によって冷却するようにしている。かかる構成では、搬送に伴う摺擦によって昇温するトナーを、その搬送方向に沿って並べた複数の分割受熱部によって良好に冷却することができる。
【符号の説明】
【0075】
P:記録紙(記録部材)
2Y,M,C,K:プロセスユニット(画像形成手段の一部)
3Y,M,C,K:感光体(潜像担持体)
4Y,M,C,K:現像装置(現像手段)
50:光書込ユニット(画像形成手段の一部)
60:転写ユニット(画像形成手段の一部)
80:冷却装置(冷却手段)
81Y,M,C,K:受熱ユニット
82Y,M,C,K:第1分割受熱部(複数の受熱部の1つ)
83Y,M,C,K:第2分割受熱部(複数の受熱部の1つ)
84Y,M,C,K:第3分割受熱部(複数の受熱部の1つ)
87:放熱部
89:管部材
92:コイルバネ
【先行技術文献】
【特許文献】
【0076】
【特許文献1】特開2005−164927号公報
【特許請求の範囲】
【請求項1】
記録部材に画像を形成する画像形成手段と、被冷却体を冷却する冷却手段とを備えるとともに、前記被冷却体に密着して前記被冷却体の熱を受ける受熱部と、熱を放出する放熱部と、前記受熱部の内部と前記放熱部の内部とを循環搬送される冷却媒体と、冷却媒体搬送のために前記受熱部と前記放熱部とを繋ぐ管部材とを前記冷却手段に具備する画像形成装置において、
前記受熱部として、前記被冷却体における互いに異なる箇所に密着させるように構成した複数のものを設けるとともに、それら複数の受熱部に対し、前記冷却媒体を送受するための前記管部材として、可撓性を有するものを用いたことを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
請求項1の画像形成装置において、
複数の前記受熱部の間で前記冷却媒体の送受を行うようにそれら受熱部を、可撓性の前記管部材で連結したことを特徴とする画像形成装置。
【請求項3】
請求項2の画像形成装置において、
複数の前記受熱部に対してそれぞれ、可撓性の前記管部材を、他の受熱部との非対向面に接続したことを特徴とする画像形成装置。
【請求項4】
請求項1乃至3の何れかの画像形成装置において、
複数の前記受熱部をそれぞれ前記被冷却体に向けて個別に付勢して密着させる複数の付勢手段を設けたことを特徴とする画像形成装置。
【請求項5】
請求項4の画像形成装置において、
複数の前記付勢手段として、それぞれコイルバネを用いたことを特徴とする画像形成装置。
【請求項6】
請求項1乃至5の何れかの画像形成装置において、
前記画像形成手段として、潜像を担持する潜像担持体と、これの表面に担持された潜像をトナーによって現像する現像手段と、現像によって得られたトナー像を前記潜像担持体から記録部材に転写する転写手段とを具備するものを用いるとともに、
複数の前記受熱部を、前記被冷却体としての前記現像手段内におけるトナー搬送方向に沿って並べて配設し、前記現像手段におけるトナー搬送方向の互いに異なる箇所をそれら受熱部によって冷却するようにしたことを特徴とする画像形成装置。
【請求項1】
記録部材に画像を形成する画像形成手段と、被冷却体を冷却する冷却手段とを備えるとともに、前記被冷却体に密着して前記被冷却体の熱を受ける受熱部と、熱を放出する放熱部と、前記受熱部の内部と前記放熱部の内部とを循環搬送される冷却媒体と、冷却媒体搬送のために前記受熱部と前記放熱部とを繋ぐ管部材とを前記冷却手段に具備する画像形成装置において、
前記受熱部として、前記被冷却体における互いに異なる箇所に密着させるように構成した複数のものを設けるとともに、それら複数の受熱部に対し、前記冷却媒体を送受するための前記管部材として、可撓性を有するものを用いたことを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
請求項1の画像形成装置において、
複数の前記受熱部の間で前記冷却媒体の送受を行うようにそれら受熱部を、可撓性の前記管部材で連結したことを特徴とする画像形成装置。
【請求項3】
請求項2の画像形成装置において、
複数の前記受熱部に対してそれぞれ、可撓性の前記管部材を、他の受熱部との非対向面に接続したことを特徴とする画像形成装置。
【請求項4】
請求項1乃至3の何れかの画像形成装置において、
複数の前記受熱部をそれぞれ前記被冷却体に向けて個別に付勢して密着させる複数の付勢手段を設けたことを特徴とする画像形成装置。
【請求項5】
請求項4の画像形成装置において、
複数の前記付勢手段として、それぞれコイルバネを用いたことを特徴とする画像形成装置。
【請求項6】
請求項1乃至5の何れかの画像形成装置において、
前記画像形成手段として、潜像を担持する潜像担持体と、これの表面に担持された潜像をトナーによって現像する現像手段と、現像によって得られたトナー像を前記潜像担持体から記録部材に転写する転写手段とを具備するものを用いるとともに、
複数の前記受熱部を、前記被冷却体としての前記現像手段内におけるトナー搬送方向に沿って並べて配設し、前記現像手段におけるトナー搬送方向の互いに異なる箇所をそれら受熱部によって冷却するようにしたことを特徴とする画像形成装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2011−154195(P2011−154195A)
【公開日】平成23年8月11日(2011.8.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−15732(P2010−15732)
【出願日】平成22年1月27日(2010.1.27)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年8月11日(2011.8.11)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年1月27日(2010.1.27)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】
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