説明

画像形成装置

【課題】簡単な構成で処理ユニットの着脱が容易な画像形成装置を提供する。
【解決手段】画像形成装置10は、装置本体11内に着脱可能に設けられた処理ユニットTと、装置本体11に対して開閉可能に取り付けられた外装カバー16と、装置本体11に回動可能に支持された回動部材20と、処理ユニットTが装置本体11内における所定の装着位置に装着されるとき、処理ユニットTを装着位置に向けてガイドすると共に、処理ユニットTが装置本体11から取り外されるとき、処理ユニットTを装着位置から装置本体11外にガイドするガイド通路Gとを含み、回動部材20は、外装カバー16の開動作に連動して第1方向に回動したとき、ガイド通路Gを開放する第1姿勢を取り、一方、外装カバー16の閉動作に連動して第2方向に回動したとき、ガイド通路Gを閉塞する第2姿勢を取る。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、用紙に対して画像形成処理を行う処理ユニットを有し、その処理ユニットが着脱可能に構成されている画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
複写機、プリンタ、ファクシミリ等の電子写真方式を利用した画像形成装置は、用紙に対して所定の画像形成処理を行うために複数の処理ユニットを内蔵している。処理ユニットとして、例えばトナー像が形成される感光体ドラムユニットや、感光体ドラムにトナーを供給して感光体ドラム上にトナー像を形成する現像ユニットが挙げられる。また、画像形成装置がタンデム式の場合、カラーのトナー像が転写される中間転写ベルトを有する中間転写ユニットが挙げられる。
【0003】
上記の処理ユニットは、メンテナンスや交換等のために画像形成装置の装置本体に対して着脱が容易であることが求められている。特許文献1の画像形成装置では、画像形成プロセスユニット(処理ユニット)の着脱が次のように行われている。
【0004】
すなわち、特許文献1の画像形成装置は、画像形成プロセスユニットの着脱の際に開閉される開閉カバーを有し、開閉カバーにおける回動支点側の辺縁に複数のガイドリブが形成されている。画像形成プロセスユニットは、該画像形成プロセスユニットを装置本体内の所定の設置位置に固定するためのロック爪部材を有する。ロック爪部材は、画像形成プロセスユニットの装着方向から見て画像形成プロセスユニットの後端部に、上下方向に移動可能に設けられている。
【0005】
画像形成プロセスユニットを装置本体内に装着するとき、ロック爪部材は、ガイドリブによって装置本体内にガイドされるので、開閉カバーと装置本体との間の隙間に引っ掛からない。これにより、画像形成プロセスユニットが装置本体内に円滑にガイドされる。また、画像形成プロセスユニットが所定の設置位置にガイドされると、ロック爪部材は、所定の設置位置に形成されたロック溝に嵌まり込む。これにより、画像形成プロセスユニットの抜け止めが図られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2008−129151号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献1の画像形成装置では、画像形成プロセスユニットを装置本体から取り外す際、作業者は、まずロック爪部材を持ち上げてロック爪部材とロック溝との係合を解除する必要があり、その後、画像形成プロセスユニットを装置本体内から引き出すことになる。このように、画像形成プロセスユニットの取り外し作業は面倒である。また、ロック爪部材は画像形成プロセスユニットとは別部材であるため、その分、コストが嵩張る。
【0008】
そこで、本発明は、上記事情に鑑み、簡単な構成で処理ユニットの着脱が容易な画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するために、本発明に係る画像形成装置は、装置本体と、前記装置本体内に着脱可能に設けられ、用紙に対して画像形成処理を行う処理ユニットと、前記装置本体に対して開閉可能に取り付けられ、前記処理ユニットが着脱される際に開状態とされる外装カバーと、前記装置本体に回動可能に支持され、前記外装カバーの開動作に連動して第1方向に回動すると共に、前記外装カバーの閉動作に連動して前記第1方向とは反対の第2方向に回動する回動部材と、前記処理ユニットが前記装置本体内における所定の装着位置に装着されるとき、前記処理ユニットを前記装着位置に向けてガイドすると共に、前記処理ユニットが前記装置本体から取り外されるとき、前記処理ユニットを前記装着位置から前記装置本体外にガイドするガイド通路とを含み、前記回動部材は、前記外装カバーの開動作に連動して前記第1方向に回動したとき、前記ガイド通路を開放する第1姿勢を取り、一方、前記外装カバーの閉動作に連動して前記第2方向に回動したとき、前記ガイド通路を閉塞する第2姿勢を取る。
【0010】
本発明に係る画像形成装置によれば、外装カバーが開状態とされると、回動部材はガイド通路を開放する第1姿勢を取るので、作業者は処理ユニットの着脱をガイド通路に従って行うだけでよい。また、処理ユニットが装着されて外装カバーが閉状態とされると、回動部材はガイド通路を閉塞する第2姿勢を取るので、処理ユニットが装着位置から抜け出ることが防止される。このように、本発明に係る画像形成装置では、外装カバーを開閉するだけで、処理ユニットを装置本体に対して容易に着脱することができる。
【0011】
本発明の好ましい実施形態では、前記ガイド通路は、前記装置本体に形成された第1対向面と、前記回動部材に形成され、前記第1対向面に対向する第2対向面との間に画定されており、前記回動部材が前記第1姿勢にあるとき、前記第2対向面は、前記第1対向面から所定の距離だけ離間して、前記処理ユニットが前記ガイド通路を通ることを許容する一方、前記回動部材が前記第2姿勢にあるとき、前記第2対向面は、前記第1対向面に近接して、前記処理ユニットが前記ガイド通路を通ることを許容しない。
【0012】
この構成によれば、ガイド通路は装置本体に形成された第1対向面と回動部材に形成された第2対向面とから形成されているので、回動部材とは異なる別部材を用いてガイド通路を形成する構成と比較して部品点数が増加しない。
【0013】
本発明の他の好ましい実施形態では、前記回動部材は、前記外装カバーを開閉可能に支持する。この構成によれば、外装カバーの開閉動作と回動部材とを連動させる機構を別途用いる構成と比較して、外装カバーの開閉動作に連動して回動部材に第1姿勢および第2姿勢を取らせることが容易となる。
【0014】
本発明のさらに他の好ましい実施形態では、並列に配置され、トナー像が形成される複数の感光体ドラムをさらに含み、前記処理ユニットは、各感光体ドラムの周面に接触しつつ、周回する無端の転写ベルトと、前記転写ベルトが巻回された駆動ローラおよび従動ローラと、前記転写ベルトを各感光体ドラムの周面に押し付ける転写ローラとを含む中間転写ユニットである。
【0015】
この構成によれば、消耗品である中間転写ユニットを装置本体に対して容易に着脱することができる。
【発明の効果】
【0016】
本発明に係る画像形成装置によれば、外装カバーを開閉するという簡単な構成で処理ユニットを装置本体に対して容易に着脱することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の本実施形態に係る画像形成装置の外観斜視図である。
【図2】図1の画像形成装置の内部構造を概略的に示す。
【図3】中間転写ユニットの斜視図である。
【図4】図3の中間転写ユニットの一部拡大斜視図である。
【図5】上部カバーの閉状態の斜視図である。
【図6】上部カバーの開状態の斜視図であり、中間転写ユニットが装着されている状態を示す。
【図7】図5に示す状態において上部カバーを省略した斜視図であり、中間転写ユニットが装着されている状態を示す。
【図8】回動部材の斜視図である。
【図9】図8とは異なる方向から見た回動部材の斜視図である。
【図10】回動部材が板金フレームに支持された状態を示す斜視図である。
【図11】回動部材が板金フレームに支持された状態を示す斜視図である。
【図12】上部カバーの側面図である。
【図13】上部カバーが回動部材によって支持された状態を示す斜視図である。
【図14】中間転写ユニットをガイド通路に通す手順を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明に係る実施形態について、図面を参照しながら説明する。
【0019】
図1は、本実施形態に係る画像形成装置の外観斜視図である。画像形成装置10は、例えばタンデム式のカラープリンタであり、箱形を呈する装置本体11を含む。装置本体11は、画像形成装置10の外観を形成する正面カバー8、背面カバー9、右側面カバー7および左側面カバー6を有する。装置本体11の上部には、用紙が排出される用紙排出部15が設けられている。また、左側面カバー6には、手差しトレイ141が開閉自在に設けられている。
【0020】
図2は、図1の画像形成装置の内部構造を概略的に示す。装置本体11は、用紙Pに対して画像形成処理を行う複数の処理ユニットを内部に含む。具体的には、装置本体11は、コンピュータ等の外部機器から伝送された画像情報に基づき画像を形成する画像形成部12と、画像形成部12によって形成され、用紙Pに転写された画像に定着処理を施す定着ユニット13等を含む。また、装置本体11は用紙Pを貯留する用紙貯留部14を含む。
【0021】
画像形成部12は、用紙貯留部14から給紙された用紙Pにトナー画像を形成するものであって、本実施形態では、上流側から下流側へ向けて順次配設された、マゼンタ色のトナーを用いるマゼンタ用ユニット12Mと、シアン色のトナーを用いるシアン用ユニット12Cと、イエロー色のトナーを用いるイエロー用ユニット12Yと、ブラック色のトナーを用いるブラック用ユニット12Kとを含む。
【0022】
各ユニット12M,12C,12Y,12Kは、感光体ドラム121および現像装置122を含む。感光体ドラム121は、周面に静電潜像およびこの静電潜像に沿ったトナー像(可視像)を形成するものであって、図2において反時計方向に回転しつつ対応する現像装置122からトナーの供給を受ける。ユニット12M,12C,12Y,12Kの感光体ドラム121は並列に配置されている。各現像装置122は図略のトナーコンテナからトナーの補給を受ける。
【0023】
各感光体ドラム121の直下位置には、帯電装置123が設けられていると共に、各帯電装置123の下方位置には露光装置124が設けられている。各感光体ドラム121は、帯電装置123によって周面が一様に帯電され、コンピュータ等から入力された画像データに基づく各色に対応したレーザー光が露光装置124から帯電後の感光体ドラム121の周面に照射される。これにより、各感光体ドラム121の周面に静電潜像が形成される。そして、静電潜像に現像装置122からトナーが供給されると、感光体ドラム121の周面にトナー像が形成される。
【0024】
感光体ドラム121の上方には、駆動ローラ125aと従動ローラ125bとの間で巻回された転写ベルト125が配設されている。転写ベルト125は、各感光体ドラム121に対応して設けられた転写ローラ126によって感光体ドラム121の周面に押し付けられた状態で、各感光体ドラム121と同期しながら駆動ローラ125aと従動ローラ125bとの間を周回する。
【0025】
駆動ローラ125aと従動ローラ125bとの間であって、従動ローラ125b側へ寄った位置にテンションローラ125cが設けられている。テンションローラ125cは、転写ベルト125に張力を与えるものであり、図略の付勢部材の付勢力で上方に付勢されている。本実施形態では、転写ベルト125、駆動ローラ125a、従動ローラ125b、転写ローラ126、テンションローラ125c等によって中間転写ユニットT(図3)が構成されている。中間転写ユニットTは、後述するように装置本体11内に着脱可能に設けられている。
【0026】
転写ベルト125の周回と共に、転写ベルト125の表面に対して、まず、マゼンタ用ユニット12Mの感光体ドラム121によるマゼンタのトナー像の一次転写が行なわれる。ついで、転写ベルト125におけるマゼンタトナー像の転写位置に、シアン用ユニット12Cの感光体ドラム121によるシアンのトナー像の転写が重ね塗り状態で行なわれる。以下同様にして、イエロー用ユニット12Yによるイエローのトナー像の転写、およびブラック用ユニット12Kによるブラックのトナー像の転写が重ね塗り状態で行なわれる。これにより、転写ベルト125の表面にカラーのトナー像が形成される。
【0027】
各感光体ドラム121の回転方向から見て現像装置122よりも下流側の位置には、感光体ドラム121の周面上の残留トナーを除去して清浄化するドラムクリーニング装置127が設けられている。ドラムクリーニング装置127によって清浄化処理された感光体ドラム121の周面は、新たな帯電処理のために帯電装置123へ向かう。ドラムクリーニング装置127で感光体ドラム121の周面から取り除かれた廃トナーは、所定の経路を通って図略のトナー回収ボトルに回収される。
【0028】
画像形成部12の側方位置には、上下方向に延びる用紙搬送路111が形成されている。用紙搬送路111には、適所に搬送ローラ対112が設けられており、用紙貯留部14からの用紙Pは、搬送ローラ対112の駆動で転写ベルト125へ向けて搬送される。また、用紙搬送路111には、駆動ローラ125aと対向した位置で転写ベルト125の表面と当接した二次転写ローラ113が設けられている。二次転写ローラ113は転写ベルト125の表面との間で転写ニップ部を形成する。用紙Pは、転写ニップ部において転写ベルト125と二次転写ローラ113とに押圧挟持され、これにより、転写ベルト125上のトナー像が用紙Pに二次転写される。
【0029】
用紙貯留部14は、手差しトレイ141と、装置本体11内における露光装置124より下方位置に挿脱可能に装着された用紙トレイ142とを含む。用紙トレイ142には複数枚の用紙Pが積層されてなる用紙束P1が貯留される。用紙トレイ142は、上方に開口した箱体で構成され、用紙束P1が貯留可能になっている。用紙トレイ142に貯留された用紙束P1の最上位の用紙Pは、ピックアップローラ143の駆動で用紙搬送路111へ向けて1枚ずつ繰り出される。用紙トレイ142から繰り出された用紙Pは、搬送ローラ対112の駆動で用紙搬送路111を通って前記転写ニップ部へ向けて搬送される。
【0030】
定着ユニット13は、二次転写された用紙P上のトナー像に対して定着処理を施す。定着ユニット13は、内部に加熱源である通電発熱体を有する加熱ローラ131と、加熱ローラ131と対向配置された定着ローラ132と、定着ローラ132および加熱ローラ131間に張設された定着ベルト133と、定着ベルト133を介して定着ローラ132と対向配置された加圧ローラ134とを含む。定着ユニット13へ供給された用紙Pは、加圧ローラ134と高温の定着ベルト133との間を通過しながら定着ベルト133からの熱を得て定着処理が施される。定着処理の完了したカラー印刷済みの用紙Pは、定着ユニット13の上部から延設された排紙搬送路114を通って用紙排出部15の排紙受け面151へ向けて排出される。
【0031】
排紙受け面151は、図1に示すように上部カバー16(外装カバー)の上面によって構成されている。上部カバー16は、装置本体11に対して開閉自在に取り付けられており、用紙Pの排紙方向における上流側に回動支点を有する。
【0032】
本実施形態では、上部カバー16を開状態とすることで、中間転写ユニットTを装置本体11に対して着脱している。中間転写ユニットTは、図3に示すように、転写ベルト125の長手方向に延びるハウジング128を有する。ハウジング128は、図2を参照して説明した転写ベルト125、駆動ローラ125a、従動ローラ125b、転写ローラ126、テンションローラ125c等を支持する。駆動ローラ125aはハウジング128の外部に露出して配置され、二次転写ローラ113(図2)に対向している。転写ベルト125における駆動ローラ125aを通過する部位は、上述したように二次転写ローラ113との間で転写ニップ部を形成している。
【0033】
ハウジング128は、図3および図4に示すように、駆動ローラ125aの近傍部位において転写ベルト125の幅方向に突出する一対のガイド突起129を有する。また、ハウジング128は、その上面において、トナーコンテナを固定するための受け座144、145、146を有する。なお、各トナーコンテナは図の明確化のために省略している。
【0034】
図5〜図7は、上部カバー16の開閉状態を示す図である。具体的には、図5は、上部カバー16の閉状態の斜視図であり、図6は、上部カバー16の開状態の斜視図であり、中間転写ユニットTが装着されている状態を示し、図7は、図5に示す状態において上部カバー16を省略した斜視図であり、中間転写ユニットTが装着されている状態を示す。
【0035】
本実施形態では、中間転写ユニットTを装置本体11に対して円滑に着脱させるためにガイド通路Gを設けている。ガイド通路Gは、中間転写ユニットTが装置本体11内における所定の装着位置に装着されるとき、中間転写ユニットTを装着位置に向けてガイドすると共に、中間転写ユニットTが装置本体11から取り外されるとき、中間転写ユニットTを装着位置から装置本体11外にガイドするものである。
【0036】
ガイド通路Gは、保持側板42と、回動部材20とによって画定される通路であって、回動部材20の回動姿勢によって開放もしくは閉塞される通路である。
【0037】
保持側板42は、トナーコンテナを中間転写ユニットTのハウジング128に対して位置決めして保持するための部材であって、正面カバー8および背面カバー9の裏面に位置する板金フレーム40に固定されている。なお、図6および図7では、正面カバー8側の保持側板42は図示されていない。各保持側板42は、トナーコンテナの端部を位置決めして保持するための複数の保持溝部46を有する。また、保持側板42は、板金フレーム40に対して略垂直方向に、かつ装着された状態の中間転写ユニットTの長手方向に沿って延びる側板上面48を有する。
【0038】
側板上面48は、装着された状態の中間転写ユニットTの駆動ローラ125a側に向かうにつれて下方に傾斜しており、駆動ローラ125aの近傍位置において回動部材20と対向している。側板上面48における回動部材20と対向している部位が第1対向面43とされている。第1対向面43は、ガイド通路Gの一部を構成するものであり、第1傾斜面44と第2傾斜面45とを有する。第2傾斜面45は、保持側板42に形成された、中間転写ユニットTのガイド突起129の受入孔47(図10)に連続している。
【0039】
次に、回動部材20について、図8〜図11を参照しながら説明する。図8は、回動部材20の斜視図である。図9は、図8とは異なる方向から見た回動部材20の斜視図である。図10および図11は、回動部材20が板金フレーム40に支持された状態を示す斜視図である。回動部材20は、回動支点部21と、カバー保持部23と、回動支点部21とカバー保持部23とを連結する円弧部26とを一体に有する。なお、回動部材20は、背面カバー9側の保持側板42および正面カバー8側の保持側板42に対応して一対配置されている。
【0040】
回動支点部21は、回動部材20を回動可能に構成するものであって、板金フレーム40のフレーム面に対して略垂直方向に延びる回動軸22を有する。板金フレーム40には、回動軸22が回転可能に挿入される挿入孔41が形成されている。回動軸22が挿入孔41に挿入されることで、回動部材20は、板金フレーム40、つまり装置本体11に対して回動可能に支持される。回動軸22は、回動部材20の回動方向と直交する方向において回動支点部21の両側面から突出しており、一方の突出部が挿入孔41に挿入されている。
【0041】
カバー保持部23は、上部カバー16を保持させるために備えられ、一対の第1挟持板部24および第2挟持板部25を有する。第1挟持板部24と第2挟持板部25との間には、挟持空間Sが画定されている。上部カバー16は、図12に示すように、長手方向の一端部において、該一端部から突出するフック状のヒンジ部18を有する。ヒンジ部18は、上部カバー16の幅方向において一対設けられており、各ヒンジ部18の先端部には、ヒンジ孔19が形成されている。また、上部カバー16の前記一端部は、その幅方向の両端部におけるヒンジ部18よりも外方の位置に、かつ排紙受け面151よりも下方の位置に一対の突出片17aを有する。各突出片17aはヒンジ部18に向かって突出している。
【0042】
上部カバー16は、図13に示すように回動部材20によって支持されている。すなわち、上部カバー16の各ヒンジ部18のヒンジ孔19に、対応する回動軸22の他方の突出部が挿通されていると共に、突出片17aが回動部材20の挟持空間S内に挿入されて第1挟持板部24と第2挟持板部25との間に挟持されている。これにより、上部カバー16は、回動部材20に保持され、装置本体11に対して開閉可能となっている。したがって、回動部材20は、上部カバー16が図5に示す状態から開動作を行うと、それに連動して時計回り(第1方向)に回動すると共に、上部カバー16が図6に示す状態から閉動作を行うと、それに連動して反時計回り(第1方向とは反対の第2方向)に回動する。
【0043】
回動部材20は、さらに、第2挟持板部25から回動支点部21側に斜め下方に延びる第1面部28と、第1面部28から第2挟持板部25に略平行に延びる第2面部29とを有する。第1面部28および第2面部29は、保持側板42の第1対向面43(第1傾斜面44および第2傾斜面45)に対向する第2対向面を構成しており、第1対向面43と第2対向面との間にガイド通路Gが画定されている。
【0044】
そして、本実施形態では、回動部材20は、中間転写ユニットTの装置本体11に対する着脱の際、上部カバー16の開動作に連動して第1方向に回動したとき、ガイド通路Gを開放する第1姿勢を取り、一方、上部カバー16の閉動作に連動して第2方向に回動したとき、ガイド通路Gを閉塞する第2姿勢を取る。
【0045】
具体的には、図5および図7に示すように、中間転写ユニットTが装置本体11内における装着位置に装着され、上部カバー16が閉状態とされているとき、回動部材20は第2姿勢を取っている、すなわち、回動部材20の第1面部28は、第1対向面43の第1傾斜面44に対向した状態で近接しており、第2面部29は、第1対向面43の第2傾斜面45に所定の距離だけ離間して対向している。
【0046】
そして、中間転写ユニットTを装置本体11から取り外すために上部カバー16を図5に示す閉状態から図6に示す開状態にすると、回動部材20は、上部カバー16の開動作に連動して第1方向(図6では時計回り)に回動して第1姿勢を取る。このとき、第1面部28は回動部材20の第1方向への回動に伴って第1傾斜面44から離間し、第2面部29が第1傾斜面44に所定の距離だけ離間して対向する。これにより、第1面部28によって閉塞されていたガイド通路Gが解放され、中間転写ユニットTの装着が許容される。
【0047】
作業者は、図14に示すように、第1面部28に設けられた矢印31に従って中間転写ユニットTのハウジング128のガイド突起129を、解放されたガイド通路Gに挿入し、第1傾斜面44および第2傾斜面45に沿って移動させると、ガイド突起129は受入孔47(図10)に受け入れられる。これにより、中間転写ユニットTは所定の装着位置で装着された状態となる。なお、図14では、図の明確化のために上部カバー16を省略している。
【0048】
中間転写ユニットTを装着した後、上部カバー16を図6に示す開状態から図5に示す閉状態にすると、回動部材20は、上部カバー16の閉動作に連動して第2方向に回動して第2姿勢を取る。このとき、第1面部28は、回動部材20の第2方向への回動に伴って第1傾斜面44に対向かつ近接した状態となり、第2面部29は第2傾斜面45に対向した状態となる。これにより、解放されていたガイド通路Gが第1面部28によって閉塞される。そのため、ガイド突起129が受入孔47から抜け出ること、ひいては中間転写ユニットTが装着位置から抜け出ることが防止される。第1面部28の第1傾斜面44に対する近接の度合いは、ガイド突起129がガイド通路Gを通ることを許容しない程度に適宜設定される。
【0049】
以上説明した本実施形態に係る画像形成装置10では、上部カバー16を開状態にするだけで、回動部材20によってガイド通路Gが解放され、作業者はガイド通路Gに従って中間転写ユニットTを装置本体11に対して装着することができる。また、中間転写ユニットTを装着した後、上部カバー16を閉状態にするだけで、回動部材20によってガイド通路Gが閉塞され、中間転写ユニットTが装着位置から抜け出ることが防止されている。このように、本実施形態に係る画像形成装置10では、上部カバー16の開閉のみで消耗品である中間転写ユニットTを装置本体11に対して容易に着脱することができる。
【0050】
また、ガイド通路Gは、保持側板42に形成された第1対向面43と回動部材20に形成された第2対向面(第1面部28および第2面部29)とから形成されているので、回動部材20とは異なる別部材を用いてガイド通路Gを形成する構成と比較して部品点数が増加しない。
【0051】
さらに、回動部材20は上部カバー16を開閉可能に支持しているので、上部カバー16の開閉動作と回動部材20とを連動させる機構を別途用いる構成と比較して、上部カバー16の開閉動作に連動して回動部材20に第1姿勢および第2姿勢を取らせることが容易となる。
【符号の説明】
【0052】
10 画像形成装置
11 装置本体
16 上部カバー(外装カバー)
20 回動部材
21 回動支点部
22 回動軸
23 カバー保持部
28 第1面部
29 第2面部
43 第1対向面
44 第1傾斜面
45 第2傾斜面
G ガイド通路
T 中間転写ユニット

【特許請求の範囲】
【請求項1】
装置本体と、
前記装置本体内に着脱可能に設けられ、用紙に対して画像形成処理を行う処理ユニットと、
前記装置本体に対して開閉可能に取り付けられ、前記処理ユニットが着脱される際に開状態とされる外装カバーと、
前記装置本体に回動可能に支持され、前記外装カバーの開動作に連動して第1方向に回動すると共に、前記外装カバーの閉動作に連動して前記第1方向とは反対の第2方向に回動する回動部材と、
前記処理ユニットが前記装置本体内における所定の装着位置に装着されるとき、前記処理ユニットを前記装着位置に向けてガイドすると共に、前記処理ユニットが前記装置本体から取り外されるとき、前記処理ユニットを前記装着位置から前記装置本体外にガイドするガイド通路と、
を備え、
前記回動部材は、前記外装カバーの開動作に連動して前記第1方向に回動したとき、前記ガイド通路を開放する第1姿勢を取り、一方、前記外装カバーの閉動作に連動して前記第2方向に回動したとき、前記ガイド通路を閉塞する第2姿勢を取る画像形成装置。
【請求項2】
請求項1に記載の画像形成装置において、
前記ガイド通路は、前記装置本体に形成された第1対向面と、前記回動部材に形成され、前記第1対向面に対向する第2対向面との間に画定されており、
前記回動部材が前記第1姿勢にあるとき、前記第2対向面は、前記第1対向面から所定の距離だけ離間して、前記処理ユニットが前記ガイド通路を通ることを許容する一方、前記回動部材が前記第2姿勢にあるとき、前記第2対向面は、前記第1対向面に近接して、前記処理ユニットが前記ガイド通路を通ることを許容しない画像形成装置。
【請求項3】
請求項1または2に記載の画像形成装置において、
前記回動部材は、前記外装カバーを開閉可能に支持する画像形成装置。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか一項に記載の画像形成装置において、
並列に配置され、トナー像が形成される複数の感光体ドラムをさらに備え、
前記処理ユニットは、各感光体ドラムの周面に接触しつつ、周回する無端の転写ベルトと、前記転写ベルトが巻回された駆動ローラおよび従動ローラと、前記転写ベルトを各感光体ドラムの周面に押し付ける転写ローラとを含む中間転写ユニットである画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2011−248182(P2011−248182A)
【公開日】平成23年12月8日(2011.12.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−122581(P2010−122581)
【出願日】平成22年5月28日(2010.5.28)
【出願人】(000006150)京セラミタ株式会社 (13,173)
【Fターム(参考)】