説明

画像形成装置

【課題】記憶部で一旦記憶した画像データの属性変更に合わせて画像データを編集し直すことができるようにする。
【解決手段】画像ファイル31は、複数頁の原稿からなる文書単位の画像データを所定時間記憶する。CPU11は、操作パネル15を介して、連続する複数頁の原稿の画像を記録媒体に形成させるための属性情報、Nアップ印刷や両面印刷等の変更を受付ける。変更を受付けた属性情報に基づいて、画像ファイル31に記憶された画像データを、画像編集部18を利用して変換する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コピー機能の他にプリント機能やファクシミリ機能などを備えた複合型の複写機いわゆる複合機や、プリンタ等の画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、画像形成要求のあった文書単位の画像データを画像形成することなく記憶部で記憶し、この記憶部にて所定時間記憶された複数の文書単位の画像データを1つの画像形成単位としてまとめて画像形成するようにした画像形成装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
この種の画像形成装置は、画像形成処理時と待機時との切替回数が低減されるので、省電力効率を高める効果を奏し得る。
【0004】
ところで近年、記録媒体として使用される資源の有効利用の観点から、連続する複数頁の原稿の画像を記録媒体の第1の面とその反対側である第2の面とに交互に形成する、いわゆる両面印刷や、連続する複数頁の原稿の画像を縮小し、例えば2分割や4分割に区分された記録媒体の一面に集約して形成する、いわゆるNアップ印刷の活用が奨められている。
【0005】
一般に、両面印刷やNアップ印刷を行うか否かは、画像データの作成前に設定され、その設定にしたがって画像データが作成される。つまり、両面印刷が設定された場合には、連続する複数頁の原稿の画像が、記録媒体の第1の面と第2の面とに交互に形成されるように画像データが作成される。Nアップ印刷が設定された場合には、連続する複数頁の原稿の画像が縮小されて記録媒体の一面に集約して形成されるように画像データが作成される。
【0006】
画像形成装置においては、画像形成要求のあった複数頁分の画像データに対して両面印刷が設定されていた場合には、頁順に画像データを読み出して、記録媒体の第1の面と第2の面とに交互に画像を形成する。一方、Nアップ印刷については、設定されているか否かに係らず、頁順に画像データを読み出して、記録媒体の一面に画像を形成する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
従来の画像形成装置は、画像データを記憶部で所定時間記憶することはできたものの、一旦記憶した画像データを、例えば片面印刷対応のデータから両面印刷対応のデータに変換したり、標準倍率対応のデータからNアップ印刷対応のデータに変換したりすることができなかった。
【0008】
このため、両面印刷やNアップ印刷を設定し忘れて画像形成要求をしてしまった場合、ユーザはこの画像形成要求を一旦キャンセルし、再度、両面印刷対応やNアップ印刷対応の画像データで画像形成要求を行わなければならなかった。
【0009】
本発明はこのような事情に基づいてなされたもので、その目的とするところは、記憶部で一旦記憶した画像データを属性の変更に合わせて編集し直すことができ、使い勝手を向上させることができる画像形成装置を提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、複数頁の原稿からなる文書単位の画像データを記憶する記憶部を備え、この記憶部に所定時間記憶された画像データを読み出し、この画像データに基づく画像を記録媒体に形成する画像形成装置において、連続する複数頁の原稿の画像を記録媒体に形成させるための属性情報の変更を受付ける属性変更受付手段と、この属性変更受付手段により変更を受付けた属性情報に基づいて記憶部に記憶された画像データを変換するデータ変換手段とを備えたものである。
【発明の効果】
【0011】
かかる手段を講じた本発明によれば、記憶部で一旦記憶した画像データを属性の変更に合わせて編集し直すことができ、使い勝手を向上させることができる画像形成装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の一実施形態である複合機の要部構成を示すブロック図。
【図2】同複合機の操作パネルを示す平面図。
【図3】同複合機のジョブ管理テーブルに記憶されるジョブ管理データの構造を示す模式図。
【図4】同複合機のCPUが実行するジョブ確認処理の要部処理手順を示す流れ図。
【図5】ジョブ一覧画面の一表示例を示す図。
【図6】ジョブ設定変更両面の一表示例を示す図。
【図7】2アップ変更処理を実行した際の画像データの変遷図。
【図8】両面印刷変更処理を実行した際の画像データの変遷図。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の一実施形態を、図面を用いて説明する。なお、この実施形態は、本発明に係る画像形成装置を複合機に適用した場合である。
【0014】
図1は、複合機1の要部構成を示すブロック図である。複合機1は、制御部本体を構成するCPU(Central Processing Unit)11、プログラム等の固定的データが格納されたROM(Read Only Memory)12の他、RAM(Random Access Memory)13、HDD(Hard Disk Drive)14、操作パネル15、画像読取部16、画像形成部17、画像編集部18及びネットワークインターフェース19を備え、各部をアドレスバス,データバス等のバスラインで接続している。
【0015】
操作パネル15は、図2に示すように、タッチパネル式の表示部21及びテンキー22の他、ジョブ確認ボタン23、メニューボタン24、クリアボタン25、スタートボタン26等の各種ファンクションボタンを備えたもので、複合機1の本体上面に設けられている。
【0016】
画像読取部16は、スキャナを備え、原稿台に置かれた原稿の画像を光学的にスキャニングして読み取り、画像信号に変換して出力する。出力された画像信号は、画像データとして、HDD14の画像ファイル31に保存する。
【0017】
画像形成部17は、電子写真方式により画像を形成する。すなわち、画像ファイル31に保存された画像データに基づき、紙等の記録媒体にトナーで画像を形成し、さらに熱定着器を利用してトナー画像を記録媒体に定着させて、画像形成を行う。
【0018】
画像編集部18は、CPU11の制御により、画像ファイル31に保存された画像データを編集する部位で、画像回転部41と画像変倍部42とを有する。画像回転部41は、画像データを例えば右90度、左90度及び180度のいずれかの角度で回転させる。画像変倍部42は、画像データを所定の倍率で拡大又は縮小する。
【0019】
ネットワークインターフェース19は、LAN(Local Area Network)等のネットワーク2を介して接続される複数の利用者端末3との間のデータ通信を制御する。
【0020】
利用者端末3は、文書ファイルの作成、編集等の機能を有するコンピュータ機器、例えばパーソナルコンピュータである。利用者端末3において、ユーザにより文書ファイルの印刷が指令されると、利用者端末3は、文書ファイルのデータから1乃至複数頁の原稿からなる文書単位の画像データを形成する。そして、この画像データを含む印刷ジョブコマンドを生成し、ネットワーク2を介して複合機1に送信する。
【0021】
印刷ジョブコマンドを受信した複合機1は、そのコマンドに含まれる画像データをHDD14の画像ファイル31に保存する。また、コマンドのデータに基づいてジョブ管理データを編集し、RAM13のジョブ管理テーブル32に格納する。ジョブ管理データは、図3に示すように、ジョブ番号、ユーザ情報、保存時間、優先度、状態情報、原稿サイズ、出力サイズ、部数、頁数、両面印刷モード及び頁別の画像ファイル名で構成される。ジョブ管理データは、対応する画像データの画像形成が終了すると、ジョブ管理テーブル32からクリアされる。
【0022】
ジョブ番号は、印刷ジョブコマンドからジョブ管理データが作成される毎にそのデータに対して割り当てられる固有の番号である。ユーザ情報は、印刷ジョブコマンドの送信元である利用者端末3のユーザ名である。保存時間は、ジョブ管理データによって管理される画像データの画像ファイル31での保存時間である。優先度は、例えば1〜4の4段階有り、優先度1は、直ぐに出力(最優先で出力)を示し、優先度2は、任意時間Aに出力(一番近い次の出力設定時間)を示し、優先度3は、任意時間Bに出力(任意時間Aから一定時間後の出力設定時間)、優先度4は、任意時間Cに出力(次の日の朝一番での出力)を示している。状態情報は、“0”は未処理を示し、“1”は処理済を示している。
【0023】
原稿サイズは、原稿1頁分の画像データの用紙サイズである。出力サイズは、画像形成を行なう記録媒体の用紙サイズである。部数は、印刷部数である。頁数は、画像データを構成する原稿の頁数である。両面印刷モードは、“0”は片面印刷を示し、“1”は両面印刷を示している。頁別画像ファイル名は、対応する頁の原稿画像データに対して割り当てられたファイル名である。
【0024】
かかる構成の複合機1は、画像ファイル31に記憶される文書単位の画像データにそれぞれ対応するジョブ管理データの優先度に基づいて、まとめて画像形成する複数の文書単位の画像データを判断し、この判断された、まとめて画像形成する複数の文書単位の画像データを画像ファイル31から順次読み出して、画像形成部17により記録媒体に画像形成する機能を有している。この機能については、本願と出願人が同一の特開2001−026163号公報に詳しく記載されているので、ここでの説明は省略する。
【0025】
また、当該複合機1は、本発明に係る特有の機能として、ジョブ確認機能を有している。この機能は、例えばROM12に記憶されたジョブ確認プログラムにしたがって、CPU11が図4の流れ図に示す手順のジョブ確認処理を実行することによって実現される。
【0026】
すなわちCPU11は、ジョブ確認ボタン23が操作入力されたことを検知すると、このジョブ確認処理を開始する。先ず、ST(ステップ)1としてジョブ管理テーブル32に格納されたジョブ管理データに基づきジョブ一覧画面50を作成して、表示部21に表示させる。
【0027】
ジョブ一覧画面50の一例を図5に示す。図示するように、ジョブ一覧画面50には、ジョブ管理テーブル32に格納されているジョブ管理データのジョブ番号、ユーザ情報(ユーザ名)及び状態情報(状態)と、その印刷ジョブの進捗状況とを1行として、ジョブ管理データの数だけ整列させたジョブ管理リスト51が表示される。また、終了ボタン52と、設定変更ボタン53の各画像が表示される。なお、ジョブ管理リスト51の状態表示において、項目「待機中」は、対応するジョブ番号で管理される画像データの画像形成を実行しておらずその画像データを画像ファイル31で保存中であることを示し、その場合、進捗表示は、「0/頁数」で示す。また、項目「印刷中」は、対応するジョブ番号で管理される画像データの画像形成を実行中であることを示し、その場合、進捗表示は、「画像形成完了頁数/頁数」で示す。
【0028】
ジョブ一覧画面50を表示させた後、CPU11は、ST2としてその画面上の終了ボタン52が入力されるか、ST3として設定変更ボタン53が入力されるのを待機する。ジョブ一覧画面50の終了ボタン表示領域がタッチ操作されたことを検知すると、CPU11は、終了ボタン52が入力されたと判断する(ST2のYES)。この場合、CPU11は、ST4としてジョブ一覧画面50を消去して、今回のジョブ確認処理を終了する。
【0029】
ジョブ一覧画面50の設定変更ボタン表示領域がタッチ操作されたことを検知すると、CPU11は、設定変更ボタン53が入力されたと判断する(ST3のYES)。この場合、CPU11は、ST5として設定変更対象の印刷ジョブが選択されているか否かを判断する。
【0030】
ジョブ一覧画面50の設定変更ボタン表示領域がタッチ操作される前に、ジョブ管理リスト51のいずれかの行内がタッチ操作されている場合には、その行に表示されているジョブ番号の印刷ジョブが設定変更対象として選択されているものと判断する(ST5のYES)。それ以外の場合は、設定変更対象の印刷ジョブが選択されていないと判断する(ST5のNO)。設定変更対象の印刷ジョブが選択されていない場合、CPU11は、終了ボタン52または設定変更ボタン53の入力待機状態に戻る。
【0031】
設定変更対象の印刷ジョブが選択されていた場合には、CPU11は、ST6としてこの選択された印刷ジョブの状態が待機中であるか否かを判断する。待機中でない場合(ST6のNO)、CPU11は、今回のジョブ確認処理をエラーとして終了する。
【0032】
印刷ジョブの状態が待機中である場合には(ST6のYES)、CPU11は、ST7としてその設定変更対象として選択された印刷ジョブのジョブ管理データをジョブ管理テーブル32から取得する。そして、CPU11は、ST8として取得したジョブ管理データに基づいて、表示部21に、その管理データによって管理される画像データの属性である出力サイズ、両面印刷モード及びNアップ印刷モードの設定変更が可能なジョブ設定変更画面60を表示させる(属性変更受付手段)。
【0033】
ジョブ設定変更画面60の一例を図6に示す。図示するように、ジョブ設定変更画面60には、出力サイズの選択ボックス61、両面印刷モードの選択ボックス62、及びNアップ印刷モードの選択ボックス63が表示される。また、終了ボタン64の画像が表示される。出力サイズの選択ボックス61には、デフォルト値としてジョブ管理データの出力サイズが表示される。両面印刷モードの選択ボックス62には、デフォルト値としてジョブ管理データの両面印刷モードの情報(「しない」または「する」)が表示される。Nアップ印刷モードの選択ボックス63には、デフォルト値として「しない」が表示される。
【0034】
ここで、出力サイズ選択ボックス61のマーク“▽”がタッチ入力されると、選択可能な出力サイズの項目をプルダウンメニューとして表示させる。そして、このプルダウンメニューの中からいずれかの項目がタッチ入力されると、その項目を選択ボックス61に表示させる。両面印刷モード選択ボックス62及びNアップ印刷モードの選択ボックス63についても同様である。
【0035】
ジョブ設定変更画面60を表示させたCPU11は、ST9としてその画面上の終了ボタン64が入力されるのを待機する。ジョブ設定変更画面60の終了ボタン表示領域がタッチ操作されたことを検知すると、CPU11は、終了ボタン64が入力されたと判断する(ST9のYES)。この場合、CPU11は、ST10としてジョブ設定変更画面60の出力サイズ、両面印刷モード及びNアップ印刷モードについて、ST8の状態から設定変更があったか否かを判断する。設定変更がなかった場合(ST10のNO)、CPU11は、ST17の処理に進み、ジョブ設定変更画面60を消去して、今回のジョブ確認処理を終了する。
【0036】
設定変更があった場合には(ST10のYES)、CPU11は、ST11として出力サイズの設定に関して変更があったか否かを判断する。変更があった場合(ST11のYES)、CPU11は、ST12として前記取得したジョブ管理データの出力サイズを、出力サイズ選択ボックス61に表示されている項目の出力サイズ情報に書き換える。
【0037】
ST12の処理を終了した後、または出力サイズの設定に関して変更がなかった場合には(ST11のNO)、CPU11は、ST13としてNアップ印刷モードの設定に関して変更があったか否かを判断する。変更があった場合(ST13のYES)、CPU11は、ST14として前記取得したジョブ管理データによって管理される印刷ジョブの画像データを、変更後のNアップ印刷モードに基づいて変換する(データ変換手段)。
【0038】
ST14の処理を終了した後、またはNアップ印刷モードの設定に関して変更がなかった場合には(ST13のNO)、CPU11は、ST15として両面印刷モードの設定に関して変更があったか否かを判断する。変更があった場合(ST15のYES)、CPU11は、ST16としてジョブ管理テーブル32から取得したジョブ管理データによって管理される印刷ジョブの画像データを、変更後の両面印刷モードに基づいて変換する(データ変換手段)。
【0039】
ST16の処理を終了した後、または両面印刷モードの設定に関して変更がなかった場合には(ST15のNO)、CPU11は、ST17としてジョブ設定変更画面60を消去して、今回のジョブ確認処理を終了する。
【0040】
このように、本実施形態の複合機1においては、複数頁の原稿からなる文書単位の画像データを記憶する記憶部として画像ファイル31を備えている。そして、この画像ファイル31に所定時間記憶された複数の文書単位の画像データを読み出し、1つの印刷単位としてまとめて、これらの画像データに基づく画像を記録媒体に形成するようにしている。したがって、印刷処理時と待機時との切替回数が低減されるので、省電力効率を高める効果を奏し得る。
【0041】
このような特徴を有する複合機1において、さらに本実施形態では、ユーザがジョブ確認ボタン23を操作入力すると、画像ファイル31に記憶されている各画像データにそれぞれ対応するジョブ管理データに基づいて、表示部21にジョブ一覧画面50が表示される。この画面50から待機中の印刷ジョブを選択して設定変更ボタン53をタッチ入力すると、表示部21の画面が当該印刷ジョブの設定変更画面60に切り換わる。
【0042】
ここで、今、ユーザがNアップ印刷モードの選択ボックス63を操作して、2アップ印刷モードを選択したとする。そうすると、当該印刷ジョブの画像データに対し、2アップ変更処理が実行される。この2アップ変更処理について、図7を用いて具体的に説明する。
【0043】
2アップ変更処理が開始されると、CPU11は、先ず、該当するジョブ管理データから1頁目の画像ファイル名を取得し、画像ファイル31から当該ファイル名の画像データ71を取得する。また、同ジョブ管理データから2頁目の画像ファイル名を取得し、画像ファイル31から当該ファイル名の画像データ72を取得する。
【0044】
次に、CPU11は、画像データ71及び画像データ72を画像編集部18に与え、画像変倍部42を動作させて、画像データ71,72をそれぞれ1/2の倍率で縮小する。縮小後の画像データをそれぞれ符号73,74で示す。
【0045】
次に、CPU11は、さらに画像回転部41を動作させて、1/2に縮小した画像データ73,74をそれぞれ右に90度だけ回転させる。回転後の画像データを符号75,76で示す。
【0046】
しかる後、CPU11は、右90度回転させた1/2縮小画像データ75,76を、出力サイズの原稿の一面に集約して形成されるように結合する。結合した画像データを符号76で示す。CPU11は、結合した画像データ77を、当該印刷ジョブの1頁目画像データとして画像ファイル31に上書き保存する。
【0047】
以後、CPU11は、上記と同様にして、連続する2頁の画像データをそれぞれ1/2縮小するとともに右90度回転させて結合し、1頁分の画像データとして画像ファイル31に順次上書き保存する。
【0048】
このように画像データを変換することによって、当該印刷ジョブが実行されると、その画像データは、連続する2頁の原稿の画像が縮小されて記録媒体の一面に集約して形成される。
【0049】
次に、ユーザが両面印刷モードの選択ボックス62を操作して、「両面印刷しない」から「両面印刷する」に変更したとする。そうすると、当該印刷ジョブの画像データに対し、両面印刷変更処理が実行される。この両面印刷変更処理について、図8を用いて具体的に説明する。なお、本実施形態の複合機1は、記録媒体の第1の面に画像を形成した後、この記録媒体を反転させて第1の面の反対側である第2の面に画像を形成するものとする。
【0050】
両面印刷変更処理が開始されると、CPU11は、該当するジョブ管理データから2頁目の画像ファイル名を取得し、画像ファイル31から当該ファイル名の画像データ82を取得する。なお、図8において、符号81は、1頁目の画像データ示す。
【0051】
次に、CPU11は、画像データ82を画像編集部18に与え、画像回転部41を動作させて、2頁目画像データ81を180度回転させる。回転後の画像データを符号83で示す。
【0052】
しかる後、CPU11は、180度回転させた2頁画像データ83を、当該印刷ジョブの2頁目画像データとして画像ファイル31に上書き保存する。
【0053】
以後、CPU11は、上記と同様にして、連続する2頁の画像テータのうち偶数頁の画像データをそれぞれ180度回転させ、同一頁の画像データとして上書き保存する。
【0054】
このように画像データを変換することによって、当該印刷ジョブが実行されると、その画像データは、連続する2頁の原稿の画像が記録媒体の一方の面とその反対側の他方の面とに交互に形成される。
【0055】
なお、「両面印刷する」から「両面印刷しない」への変更が指示された場合も、上記と同様に偶数頁目を180度回転させるように画像データを変換することによって対応することができる。
【0056】
このように本実施形態によれば、画像ファイル31で一旦記憶した画像データの属性変更、例えばNアップ印刷モードの変更や両面印刷モードの変更に合わせて画像データを編集し直すことができるので、両面印刷やNアップ印刷を設定し忘れて画像形成要求をしてしまった場合でも、ユーザはこの画像形成要求をキャンセルすることなく対応することができ、使い勝手のよいものとなる。
【0057】
なお、この発明は前記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。
【0058】
例えば、前記実施形態では、本発明を電子写真方式の画像形成部17を有する複合機に適用した場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、レーザプリンタ、インクジェットプリンタ等の画像形成装置であっても、複数頁の原稿からなる文書単位の画像データを記憶する記憶部を備えているものであれば適用できるものである。
【0059】
また、前記実施形態では、連続する複数頁の原稿の画像を記録媒体に形成させるための属性情報として、Nアップ印刷の情報と両面印刷の情報とを示したが、属性情報はこれに限定されるものではない。
【0060】
この他、前記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組合せにより種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態に亘る構成要素を組合わせてもよい。
【符号の説明】
【0061】
1…複合機、11…CPU、12…ROM、13…RAM、14…HDD、15…操作パネル、16…画像読取部、17…画像形成部、18…画像編集部、19…ネットワークインターフェース、21…表示部、23…ジョブ確認ボタン、31…画像ファイル、32…ジョブ管理テーブル、41…画像回転部、42…画像変倍部。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0062】
【特許文献1】特開2001−026163号公報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数頁の原稿からなる文書単位の画像データを記憶する記憶部を備え、この記憶部に所定時間記憶された画像データを読み出し、この画像データに基づく画像を記録媒体に形成する画像形成装置において、
連続する複数頁の原稿の画像を前記記録媒体に形成させるための属性情報の変更を受付ける属性変更受付手段と、
この属性変更受付手段により変更を受付けた属性情報に基づいて前記記憶部に記憶された画像データを変換するデータ変換手段と、
を具備したことを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記属性変更受付手段が受付ける属性情報は、連続する複数頁の原稿の画像を縮小して前記記録媒体の一面に集約して形成させるための情報であり、
前記データ変換手段は、連続する複数頁の原稿の画像が縮小されて前記記録媒体の一面に集約して形成されるように前記画像データを変換することを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記属性変更受付手段が受付ける属性情報は、連続する複数頁の原稿の画像を前記記録媒体の第1の面とその反対側の第2の面とに交互に形成させるための情報であり、
前記データ変換手段は、連続する複数頁の原稿の画像が前記記録媒体の第1の面と第2の面とに交互に形成されるように前記画像データを変換することを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記属性変更受付手段は、前記記憶部に記憶された複数の文書単位の画像データの中から選択された画像データに対する属性情報の変更を受付ける手段であり、
前記データ変換手段は、前記記憶部に記憶された複数の文書単位の画像データの中から選択された画像データに対して変換を行うことを特徴とする請求項1乃至3のうちいずれか1記載の画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2011−30087(P2011−30087A)
【公開日】平成23年2月10日(2011.2.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−175566(P2009−175566)
【出願日】平成21年7月28日(2009.7.28)
【出願人】(000003562)東芝テック株式会社 (5,631)
【Fターム(参考)】