説明

画像形成装置

【課題】プリンタ本体を、例えば給紙ユニット上に装着する際に電気的接続用のコネクタが損傷することを抑制することが可能な画像形成装置を提供する。
【解決手段】画像形成装置1は、第1本体200に設けられた電気的接続用の第1コネクタ25と、第2本体130に設けられ、第1コネクタ25に接続可能な第2コネクタ26と、第1コネクタ25と第2コネクタ26とを接続させる接続機構30とを含む。接続機構30は、第1コネクタ25の位置を、第1本体200に設けられた第1位置決め部24と、第2本体130に設けられた第2位置決め部22とが係合していないときに第1コネクタ25を第1本体200の内部に格納した状態に維持する格納位置と、第1位置決め部24と第2位置決め部22とが係合したときに第1コネクタ25を第1本体200から突出させて第2コネクタ26に接続させる接続位置との間で切り換えることが可能に構成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子写真方式の画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の電子写真方式の画像形成装置は、用紙に画像を形成するにあたり所定の画像形成処理を行う装置本体と、画像が形成される用紙を貯留すると共に、その用紙を装置本体に給紙する給紙ユニットとを含む。
【0003】
装置本体は、通常給紙ユニット上に装着される。給紙ユニットの上面には、例えば位置決めピンが設けられ、装置本体の下面には、位置決めピンが係合可能な例えば位置決め孔が形成されている。装置本体を給紙ユニット上に装着する際、位置決め孔に位置決めピンを係合させることで装置本体を給紙ユニット上に正確に装着することができる。
【0004】
また、装置本体の下面には、該装置本体と給紙ユニットとを電気的に接続するための装置本体側コネクタが設けられ、給紙ユニットの上面には、装置本体側コネクタと接続可能なユニット側コネクタが設けられている。装置本体側コネクタとユニット側コネクタとは、位置決めピンが位置決め孔に係合して装置本体が給紙ユニット上に装着されたときに互いに接続されるように構成されている。
【0005】
上記構成の画像形成装置では、装置本体を給紙ユニット上に装着するために、位置決めピンを位置決め孔に係合させようとするときに、突起物である位置決めピンが装置本体側コネクタに接触して、装置本体側コネクタが損傷してしまう場合がある。
【0006】
そのようなコネクタの損傷を抑制するための技術として、例えば特許文献1のものが知られている。特許文献1の画像形成装置では、給紙ユニットの側面に、該側面に沿って延びる薄板状のガイド部材が取り付けられている。装置本体を給紙ユニット上に装着する際には、装置本体の側面をそのガイド部材に沿わせつつ、位置決め用ピンを位置決め孔に係合させることで、位置決め用ピンが装置本体側コネクタに接触することを抑制している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2005−91521号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
特許文献1の画像形成装置では、装置本体を給紙ユニット上に装着する際の作業者の目線は、位置決めピンよりもかなり高い位置にあるため、作業者はある程度勘に頼って位置決めピンを位置決め孔に係合させざるを得ない。そのため、ガイド部材を設けているものの、位置決めピンが装置本体側コネクタに接触しないように装置本体を給紙ユニット上に装着することは難しい。
【0009】
そこで、本発明は、上記事情に鑑み、装置本体を、例えば給紙ユニット上に装着する際に電気的接続用のコネクタが損傷することを抑制することが可能な画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するために、本発明に係る画像形成装置は、用紙に画像を形成するにあたり所定の画像形成処理を行う第1本体と、前記第1本体に対して着脱される第2本体と、前記第1本体に設けられた第1位置決め部と、前記第2本体に設けられ、前記第1位置決め部に係合可能な第2位置決め部と、前記第1本体に設けられた電気的接続用の第1コネクタと、前記第2本体に設けられ、前記第1コネクタに接続可能な第2コネクタと、前記第1コネクタと前記第2コネクタとを接続させる接続機構とを含む。前記接続機構は、前記第1コネクタの位置を、前記第1位置決め部と前記第2位置決め部とが係合していないときに前記第1コネクタを前記第1本体の内部に格納した状態に維持する格納位置と、前記第1位置決め部と前記第2位置決め部とが係合したときに前記第1コネクタを前記第1本体から突出させて前記第2コネクタに接続させる接続位置との間で切り換えることが可能に構成されている。
【0011】
本発明に係る画像形成装置によれば、第1位置決め部と第2位置決め部とを係合させて第1本体を第2本体上に装着する際、第1位置決め部と第2位置決め部とが係合していないときは、第1コネクタは、接続機構によって第1本体の内部に格納された格納位置に設定されているので、言い換えれば、第1本体の外部に露出していないので、かつ、第1位置決め部と第2位置決め部とが係合したときに初めて接続機構によって第1本体の内部から突出して第2コネクタに接続される接続位置に設定されるので、第1位置決め部と第2位置決め部とを係合させる位置決め作業によって第1コネクタが損傷することを抑制することができる。このように、本発明に係る画像形成装置によれば、第1コネクタと第2コネクタとを安全に接続させることができる。
【0012】
本発明の好ましい実施形態では、請求項1に記載の画像形成装置において、前記第1位置決め部は、前記第1本体の下面に形成された位置決め孔であり、前記第2位置決め部は、前記第2本体の上面に設けられ、前記位置決め孔と係合可能な位置決めピンである。そして、前記接続機構は、前記位置決めピンが前記位置決め孔に係合したときに前記位置決めピンによって移動すると共に、第1ラックを有する第1移動部材と、前記第1移動部材に対向配置され、第2ラックを有する第2移動部材と、前記第1ラックおよび前記第2ラック間に配置されたピニオンとを含み、前記第1移動部材と前記第2移動部材とが前記第1ラック、前記第2ラックおよび前記ピニオンを介して互いに連動する。前記第1コネクタは前記第2移動部材に設けられている。
【0013】
本発明の他の好ましい実施形態では、前記接続機構は、前記第1コネクタを前記格納位置と前記接続位置との間で移動させる駆動部と、前記第1位置決め部と前記第2位置決め部とが係合したことを検知するセンサ部と、前記センサ部からの信号に基づいて前記駆動部を制御して、前記第1コネクタを前記接続位置に移動させる制御部とを含む。
【0014】
本発明のさらに他の好ましい実施形態では、前記第1位置決め部は、前記第1本体の下面に形成された位置決め孔であり、前記第2位置決め部は、前記第2本体の上面に設けられ、前記位置決め孔に係合可能な位置決めピンである。そして、前記センサ部は、光を放射する発光素子および前記光を受光する受光素子を有する光センサと、前記位置決めピンが前記位置決め孔に係合したとき、前記位置決めピンによって前記発光素子と前記受光素子との間に移動して前記光を遮光するように構成された遮光部材とを含む。前記制御部は、前記遮光部材によって前記光が遮光されたときに前記駆動部を制御して、前記第1コネクタを前記接続位置に移動させる。
【0015】
本発明に係る画像形成装置は、第1ラック、第2ラックおよびピニオンという一般的な部材を用いる簡単な構成、または光センサおよび遮光部材という一般的な部材を用いる簡単な構成により、第1コネクタと第2コネクタとを安全に接続させることが可能である。
【0016】
本発明のさらに他の好ましい実施形態では、前記第2本体は、前記用紙を貯留すると共に、該用紙を前記第1本体に給紙する給紙ユニットである。
【発明の効果】
【0017】
本発明に係る画像形成装置によれば、接続機構によって第1コネクタの位置を、格納位置と接続位置とに切り換えることができるので、第1コネクタの第1位置決め部と第2位置決め部とを係合させる位置決め作業によって第1コネクタが損傷することを抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の実施形態に係る画像形成装置の内部構造を示す断面図である。
【図2】プリンタ本体および給紙ユニットの外観斜視図であり、プリンタ本体が給紙ユニットに載置される前の状態を示している。
【図3】図2のA−A線およびB−B線に沿って切断した模式的な断面図であり、第1コネクタが格納位置にある状態を示している。
【図4】第1コネクタが第2コネクタに接続された接続位置にある状態を示す図である。
【図5】図4の一部拡大図であり、第1コネクタを第2コネクタに接続させる接続機構を示す。
【図6】接続機構の他の形態の模式図であり、第1コネクタが格納位置にある状態を示している。
【図7】第1コネクタが第2コネクタに接続された接続位置にある状態を示す図である。
【図8】図7の一部拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明に係る実施形態を図面に基づき詳述する。
【0020】
図1は、本発明の実施形態に係る画像形成装置の内部構造を示す断面図である。本実施形態では、画像形成装置の一例としてカラープリンタ1を例示する。カラープリンタ1は、パーソナルコンピュータ(図示せず)等に直接またはLAN経由で接続されるプリンタ本体200(第1本体)と、プリンタ本体200の下方に設けられ、各種サイズの用紙を当該サイズに合わせてそれぞれ収納可能に構成された用紙供給部100とを備えている。なお、カラープリンタ1は、該カラープリンタ1の動作を制御する制御回路など、一般的なカラープリンタに設けられた他の構成要素も有している。
【0021】
プリンタ本体200は、トナーコンテナ900Y、900M、900C、900K、中間転写ユニット92、画像形成ユニット93、露光ユニット94、定着ユニット97、排紙ユニット96、装置本体の筐体90、トップカバー911及びフロントカバー912を備えている。
【0022】
画像形成ユニット93は、イエロー用トナーコンテナ900Y、マゼンタ用トナーコンテナ900M、シアン用トナーコンテナ900C、ブラック用トナーコンテナ900Kと、その下方に配置され、YMCK各色に対応する現像装置10Y、10M、10C、10Kとを有している。
【0023】
画像形成ユニット93には、それぞれの色のトナー像を担持する感光体ドラム17が各々備えられている。感光体ドラム17としては、アモルファスシリコン(a−Si)系材料を用いた感光体ドラムを用いることができる。各感光体ドラム17には、対応したトナーコンテナ900Y、900M、900C、900Kからそれぞれイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックのトナーが供給される。なお、本実施形態の画像形成ユニット93は、上記のようにフルカラー画像を形成することができる構成であるが、これに限定されることはなく、白黒画像やフルカラーではないカラー画像を形成する構成のものであってもよい。
【0024】
感光体ドラム17の周囲には、帯電器16、現像装置10(10Y、10M、10C、10K)、転写ローラ19及びクリーニング装置18等が配置されている。帯電器16は、感光体ドラム17の表面を均一に帯電する。帯電後の感光体ドラム17の表面は、露光ユニット94によって露光され、静電潜像が形成される。現像装置10Y、10M、10C、10Kは、それぞれトナーコンテナ900Y、900M、900C、900Kから供給される各色のトナーを用いて、各々の感光体ドラム17上に形成された静電潜像を現像(可視像化)する。転写ローラ19は、中間転写ベルト921を挟んで感光体ドラム17とニップ部を形成し、感光体ドラム17上のトナー像を中間転写ベルト921上に一次転写する。クリーニング装置18は、トナー像転写後の感光体ドラム17の周面を清掃する。
【0025】
各現像装置10Y、10M、10C、10Kは、筐体20を備え、この筐体20の内部には、磁性キャリアとトナーとを有する2成分現像剤が収納されている。また、筐体20内には、筐体底部近傍に長手方向を軸方向として並列に2本の攪拌ローラ11、12が回転可能に配置されている。
【0026】
筐体20の内部底面には、現像剤の循環経路が設定されており、攪拌ローラ11、12は前記循環経路内に配設されている。攪拌ローラ11、12の間の軸方向には、筐体底部から立設された仕切り壁201が設けられている。この仕切り壁201は、前記循環経路を区画するもので、仕切り壁201の周囲を周回するように前記循環経路が形成されている。2成分現像剤は、この循環経路を攪拌ローラ11及び12によって攪拌、搬送されながら帯電される。
【0027】
2成分現像剤は、攪拌ローラ11及び12によって攪拌されつつ筐体20内を循環用紙ナーが帯電されると共に、攪拌ローラ11上の2成分現像剤が上側に位置する磁気ローラ14に吸引されて搬送される。吸引された2成分現像剤は磁気ローラ14上に磁気ブラシ(図示せず)を形成し、その磁気ブラシがドクターブレード13によって層厚規制され、磁気ローラ14と現像ローラ15との間の電位差で現像ローラ15上にトナー層を形成する。そして、現像ローラ15上のトナー層によって感光体ドラム17上の静電潜像が現像される。
【0028】
露光ユニット94は、光源やポリゴンミラー、反射ミラー、偏向ミラーなどの各種の光学系機器を有し、画像形成ユニット93の各々に設けられた感光体ドラム17の周面に、画像データに基づく光を照射して、静電潜像を形成する。
【0029】
中間転写ユニット92は、中間転写ベルト921、駆動ローラ922、及び従動ローラ923を備えている。中間転写ベルト921は、複数の感光体ドラム17からトナー像が重ね塗り状態で一次転写される。このトナー像は、用紙供給部100から供給される用紙に、二次転写部98において二次転写される。駆動ローラ922及び従動ローラ923は、中間転写ベルト921を周回駆動させる。駆動ローラ922及び従動ローラ923は、図略の筐体で回転自在に支持されている。
【0030】
定着ユニット97は、トナー像が二次転写された用紙上のトナー像に対し、定着処理を施すものであり、熱源が内蔵された定着ローラと、該定着ローラと定着ニップ部を形成する加圧ローラとを含む。定着処理が完了した用紙は、装置本体200の上部に形成された排出ユニット96へ向けて搬送される。
【0031】
排紙ユニット96は、定着ユニット97から搬送された用紙を、排紙トレイとしてのトップカバー911上に排出する。
【0032】
用紙供給部100は、プリンタ本体200の筐体90に対して着脱自在に装着された複数段(図1では3段)の給紙ユニット130(第2本体)と、各給紙ユニット130に貯留されている用紙を画像形成部93へ向けて搬送するための給紙搬送路133とを含む。給紙ユニット130は、画像形成される複数の用紙からなる用紙束を収納する。各段の給紙ユニット130には、異なるサイズの用紙束がそれぞれ貯留されており、選択された給紙ユニット130では、当該給紙ユニット130に設けられた図略のピックアップローラの駆動により、用紙束の最上層の用紙が1枚ずつ取り出されて給紙搬送路133へと繰り出され、画像形成部93へ導入される。
【0033】
各給紙ユニット130は、プリンタ本体200の下部に複数積み重ねて後付装着可能な搬送機構を具備しており、所望の段数の給紙ユニット130を、いつでも後付でプリンタ本体200に装着できる。すなわち、プリンタ本体200の下部に各給紙ユニット130を複数積み重ねることにより、各給紙ユニット130が有する搬送機構が互いに結合されて、プリンタ本体200へと延びる一本の給紙搬送路133が形成される。これにより、給紙ユニット130の複数積み重ね後付装着を可能としている。
【0034】
図2は、プリンタ本体200および給紙ユニット130の外観斜視図であり、プリンタ本体200が給紙ユニット130に装着される前の状態を示している。なお、図2では、給紙ユニット130が4段の場合を示している。最上段の給紙ユニット130の上面21には、給紙ユニット130の幅方向に離間し、上方に突出する一対の位置決めピン22(第2位置決め部)が形成されている。プリンタ本体200の筐体90の下面23には、一対の位置決めピン22が係合可能な形状の位置決め孔24(第1位置決め部)が一対形成されている。プリンタ本体200は、位置決めピン22を矢印で示すように位置決め孔24に係合させることにより、給紙ユニット130に対して位置決めされて給紙ユニット130の上面21上に正確に装着される。
【0035】
図3は、図2のA−A線およびB−B線に沿って切断した模式的な断面図である。同図に示すように、プリンタ本体200の筐体90の内部には、プリンタ本体200と給紙ユニット130との間の電気的接続を行うための第1コネクタ25が設けられており、給紙ユニット130には、第1コネクタ25に接続可能な第2コネクタ26が設けられている。第1コネクタ25および第2コネクタ26は、例えばドロワーコネクタである。
【0036】
プリンタ本体200の筐体90の下面23には、第1コネクタ25および後述する第2移動部材32が通過可能な程度の開口27が形成されている。開口27の近傍には、位置決め孔24が位置している。第1コネクタ25は開口27を介してユニット本体の下方に臨んでいる。第2コネクタ26は、開口27、つまり第1コネクタ25に対応した位置で、給紙ユニット130の上面21と略面一の状態で該上面21に埋設されている。第2コネクタ26の近傍には、位置決めピン22が位置している。
【0037】
本実施形態では、第1コネクタ25と第2コネクタ26との接続は、接続機構30によって行われる。以下、接続機構30について説明する。
【0038】
接続機構30は、プリンタ本体200の筐体90の内部において位置決め孔24の直上位置に配置された第1移動部材31と、筐体90の内部において開口27の直上位置に配置されると共に、第1移動部材31に対向配置された第2移動部材32とを含む。
【0039】
第1移動部材31は、所定の方向(図3では上下方向)に移動可能に筐体90に支持されている。第2移動部材32も所定の方向(図3では上下方向)に移動可能に筐体90に支持されている。第1コネクタ25は、第2移動部材32における開口27側に向く面35(図3では下面)上に支持されている。
【0040】
第1移動部材31の側面(図3では左面)には、上下方向に延びる第1ラック36が設けられ、第2移動部材32の側面(図3では右面)には、上下方向に延びる第2ラック37が設けられている。そして、第1ラック36と第2ラック37との間には、第1ラック36および第2ラック37と噛合するピニオン33が配設されている。これにより、第1移動部材31と第2移動部材32とは、第1ラック36、第2ラック37およびピニオン33を介して互いに連動する。つまり、第1移動部材31が上方向に移動して第1ラック36によってピニオン33が反時計回りに回転すると、第2移動部材32は第2ラック37を介して下方向に移動し、また、第1移動部材31が下方向に移動して第1ラック36によってピニオン33が時計回りに回転すると、第2移動部材32は第2ラック37を介して上方向に移動する。
【0041】
上記構成の接続機構30は、第1コネクタ25の位置を、第1コネクタ25が筐体90の内部に格納された状態を維持する格納位置(図3)と、第1コネクタ25が筐体90から突出して第2コネクタ26と接続する接続位置(図4)との間で切り換えることができる。
【0042】
第2移動部材32における下面35とは反対側の上面34には、第2移動部材32を常時上方に引っ張るばね部材38の一端が取り付けられている。ばね部材38の他端は、筐体90の所定箇所に取り付けられている。プリンタ本体200を給紙ユニット130上に装着する前は、第2移動部材32は、ばね部材38の作用により、第1コネクタ25が開口27と略面一の状態となるように、つまり第1コネクタ25が筐体90の内部に位置するように第1コネクタ25を支持している。これにより、第1コネクタ25は格納位置に維持される。第1コネクタ25が格納位置にあるときは、第1移動部材31および第2移動部材32のいずれもが静止した状態である。
【0043】
一方、プリンタ本体200を給紙ユニット130上に装着するために、位置決めピン22を位置決め孔24に挿通させて係合させると、位置決めピン22は、図5に示すように、第1移動部材31に下方から当接して該第1移動部材31を上方向に移動させる。第1移動部材31の上方向への移動に伴い、ピニオン33は第1ラック36を介して反時計回りに回転し、第2移動部材32は、ピニオン33の反時計回りの回転を受けた第2ラック37により下方向に移動して、第1コネクタ25を開口27を越えて筐体90の外部に突出させる。これにより、第1コネクタ25が第2コネクタ26に接続される(接続位置)。
【0044】
なお、プリンタ本体200や給紙ユニット130のメンテナンス等のために、プリンタ本体200を給紙ユニット130から取り外すと、つまり位置決めピン22が位置決め孔24から抜けると、ばね部材38の引張力により、第2移動部材32が上方向に移動して第1コネクタ25が筐体90の内部に再び格納される。第2移動部材32の上方向への移動に伴い、第1移動部材31は、第2ラック37、ピニオン33および第1ラック36の作用によって下方向に移動する。これにより、第1コネクタ25が格納位置に維持される。
【0045】
以上説明した本実施形態に係る画像形成装置によれば、位置決めピン22と位置決め孔24とを係合させてプリンタ本体200を給紙ユニット130上に装着する際、位置決めピン22と位置決め孔24とが係合していないときは、第1コネクタ25は、接続機構30によってプリンタ本体200の筐体90の内部に格納された格納位置に設定され、言い換えれば、筐体90の外部に露出しておらず、かつ、位置決めピン22と位置決め孔24とが係合したときに初めて接続機構30によって筐体90の内部から突出して第2コネクタ26に接続される接続位置に設定される。したがって、位置決めピン22と位置決め孔24とを係合させる位置決め作業によって、具体的には、突起物である位置決めピン22によって第1コネクタ25が損傷することを抑制することができる。このように、接続機構30によれば、第1コネクタ25と第2コネクタ26とを安全に接続させることができる。また、本実施形態に係る画像形成装置は、第1ラック36、第2ラック37およびピニオン33という一般的な部材を用いる簡単な構成により、第1コネクタ25と第2コネクタ26とを安全に接続させることが可能である。
【0046】
以下、図6〜図8を参照して、他の形態に係る接続機構50について説明する。図6に示す接続機構50は、筐体90の内部において開口27の直上位置に配置された移動部材51と、第1コネクタ25を格納位置と接続位置との間で移動させる駆動部52と、位置決めピン22と位置決め孔24とが係合したことを検知するセンサ部53と、センサ部53からの信号に基づいて駆動部52を制御して、第1コネクタ25を格納位置および接続位置のうちの一方に移動させる制御部とを含む。
【0047】
移動部材51は、図3〜図5に示す第2移動部材32と同一構成の部材であり、接続機構50においても、移動部材51の右面には、上下方向に延びるラック56が設けられている。駆動部52は、例えばモータである。モータ52の駆動軸57には、ギア58が外嵌されており、ギア58はラック56に噛み合っている。駆動軸57のギア58とラック56との間に所定のギア列を介在させてもよい。駆動軸57が反時計回りに回転すると、移動部材51はラック56を介して下方向に移動し、駆動軸57が時計回りに回転すると、移動部材51はラック56を介して上方向に移動する。
【0048】
センサ部53は、光を放射する発光素子61およびその光を受光する受光素子62を有する光センサ60と、位置決め孔24を塞ぐようにその直上位置に配置された遮光部材63とを含む。遮光部材63には、該遮光部材63を位置決め孔24の直上位置に付勢する図略のばね部材の一端が取り付けられている。前記ばね部材の他端は筐体90の所定箇所に取り付けられている。遮光部材63は、後述するように、位置決めピン22の位置決め孔24への係合に伴い、発光素子61と受光素子62との間に移動して光を遮光することが可能に構成されている。
【0049】
制御部は、光センサ60からの信号に基づき、発光素子61からの光が遮光部材63によって遮光されたか否かを判定する。制御部は、前記光が遮光部材63によって遮光されていないと判定した場合、第1コネクタ25の位置を、第1コネクタ25が筐体90の内部に格納された格納位置(図6)に維持する。一方、制御部は、前記光が遮光部材63によって遮光されている(遮光部材63が発光素子61と受光素子62との間に移動している)と判定した場合、第1コネクタ25の位置を、第1コネクタ25が筐体90から突出して第2コネクタ26と接続する接続位置(図7)に切り換える。
【0050】
具体的には、プリンタ本体200を給紙ユニット130上に装着する前は、つまり、位置決めピン22を位置決め孔24に係合する前は、遮光部材63は、前記ばね部材の作用によって位置決め孔24の直上位置に位置しているので、発光素子61が放射する光は遮光部材63によって遮光されない。したがって、制御部は、前記光が遮光部材63によって遮光されていないと判定して駆動部52を駆動しないので、移動部材51は、第1コネクタ25が開口27と略面一の状態となるように、つまり第1コネクタ25が筐体90の内部に位置するように第1コネクタ25を支持している。これにより、第1コネクタ25は格納位置に維持される。
【0051】
一方、プリンタ本体200を給紙ユニット130上に装着するために、位置決めピン22を位置決め孔24に挿通させて係合させると、位置決めピン22は、図8に示すように、遮光部材63に下方から当接して該遮光部材63を上方向に移動させる。遮光部材63が位置決めピン22によって上方向に移動して、光センサ60の発光素子61と受光素子62との間に位置すると、発光素子61からの光は遮光部材63に遮光される。このとき、制御部は、光センサ60から信号を受け取って、前記光が遮光部材63によって遮光されていると判定すると、駆動部52を制御して駆動軸57を反時計回りに回転させる。駆動軸57の反時計回りの回転に伴い、移動部材51は、ラック56を介して下方向に移動して、第1コネクタ25を開口27を越えて筐体90の外部に突出させる。これにより、第1コネクタ25が第2コネクタ26に接続される(接続位置)。
【0052】
なお、プリンタ本体200や給紙ユニット130のメンテナンス等のために、プリンタ本体200を給紙ユニット130から取り外すと、つまり位置決めピン22が位置決め孔24から抜けると、遮光部材63は、前記ばね部材の引張力によって下方向に移動して、位置決め孔24を塞ぐように該位置決め孔24の直上位置に戻る。このとき、制御部は、発光素子61からの光が遮光部材63によって遮光されていないと判定し、駆動部52を制御して駆動軸57を時計回りに回転させる。これにより、移動部材51がラック56を介して上方向に移動するので、第1コネクタ25は第2コネクタ26から外れて筐体90の内部に再び格納される(格納位置)。
【0053】
上記説明した他の形態に係る接続機構50によっても、位置決めピン22と位置決め孔24とを係合させてプリンタ本体200を給紙ユニット130上に装着する際、位置決めピン22と位置決め孔24とが係合していないときは、第1コネクタ25は、プリンタ本体200の筐体90の内部に格納された格納位置に設定され、言い換えれば、筐体90の外部に露出しておらず、かつ、位置決めピン22と位置決め孔24とが係合したときに初めて筐体90の内部から突出して第2コネクタ26に接続される接続位置に設定される。したがって、位置決めピン22と位置決め孔24とを係合させる位置決め作業によって、具体的には、突起物である位置決めピン22によって第1コネクタ25が損傷することを抑制することができる。このように、他の形態に係る接続機構50によっても、第1コネクタ25と第2コネクタ26とを安全に接続させることができる。また、本実施形態に係る画像形成装置は、光センサ60および遮光部材63という一般的な部材を用いる簡単な構成により、第1コネクタ25と第2コネクタ26とを安全に接続させることが可能である。
【符号の説明】
【0054】
1 画像形成装置
22 位置決めピン(第2位置決め部)
24 位置決め孔(第1位置決め部)
25 第1コネクタ
26 第2コネクタ
27 開口
30 接続機構
31 第1移動部材
32 第2移動部材
33 ピニオン
36 第1ラック
37 第2ラック
38 ばね部材
90 筐体
130 給紙ユニット(第2本体)
200 プリンタ本体(第1本体)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
用紙に画像を形成するにあたり所定の画像形成処理を行う第1本体と、
前記第1本体に対して着脱される第2本体と、
前記第1本体に設けられた第1位置決め部と、
前記第2本体に設けられ、前記第1位置決め部に係合可能な第2位置決め部と、
前記第1本体に設けられた電気的接続用の第1コネクタと、
前記第2本体に設けられ、前記第1コネクタに接続可能な第2コネクタと、
前記第1コネクタと前記第2コネクタとを接続させる接続機構と、
を備え、
前記接続機構は、
前記第1コネクタの位置を、前記第1位置決め部と前記第2位置決め部とが係合していないときに前記第1コネクタを前記第1本体の内部に格納した状態に維持する格納位置と、前記第1位置決め部と前記第2位置決め部とが係合したときに前記第1コネクタを前記第1本体から突出させて前記第2コネクタに接続させる接続位置との間で切り換えることが可能に構成されている画像形成装置。
【請求項2】
請求項1に記載の画像形成装置において、前記第1位置決め部は、前記第1本体の下面に形成された位置決め孔であり、
前記第2位置決め部は、前記第2本体の上面に設けられ、前記位置決め孔と係合可能な位置決めピンであり、
前記接続機構は、前記位置決めピンが前記位置決め孔に係合したときに前記位置決めピンによって移動すると共に、第1ラックを有する第1移動部材と、前記第1移動部材に対向配置され、第2ラックを有する第2移動部材と、前記第1ラックおよび前記第2ラック間に配置されたピニオンとを含み、前記第1移動部材と前記第2移動部材とが前記第1ラック、前記第2ラックおよび前記ピニオンを介して互いに連動し、
前記第1コネクタは、前記第2移動部材に設けられている画像形成装置。
【請求項3】
請求項1に記載の画像形成装置において、前記接続機構は、前記第1コネクタを前記格納位置と前記接続位置との間で移動させる駆動部と、前記第1位置決め部と前記第2位置決め部とが係合したことを検知するセンサ部と、前記センサ部からの信号に基づいて前記駆動部を制御して、前記第1コネクタを前記接続位置に移動させる制御部とを含む画像形成装置。
【請求項4】
請求項3に記載の画像形成装置において、前記第1位置決め部は、前記第1本体の下面に形成された位置決め孔であり、
前記第2位置決め部は、前記第2本体の上面に設けられ、前記位置決め孔に係合可能な位置決めピンであり、
前記センサ部は、光を放射する発光素子および前記光を受光する受光素子を有する光センサと、前記位置決めピンが前記位置決め孔に係合したとき、前記位置決めピンによって前記発光素子と前記受光素子との間に移動して前記光を遮光するように構成された遮光部材とを含み、
前記制御部は、前記遮光部材によって前記光が遮光されたときに前記駆動部を制御して、前記第1コネクタを前記接続位置に移動させる画像形成装置。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれか一項に記載の画像形成装置において、前記第2本体は、前記用紙を貯留すると共に、該用紙を前記第1本体に給紙する給紙ユニットである画像形成装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate


【公開番号】特開2011−75747(P2011−75747A)
【公開日】平成23年4月14日(2011.4.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−226034(P2009−226034)
【出願日】平成21年9月30日(2009.9.30)
【出願人】(000006150)京セラミタ株式会社 (13,173)
【Fターム(参考)】