説明

画像形成装置

【課題】
複数枚の原稿を自動で給送する自動原稿給送装置によって給送された原稿の画像を読み取り、当該読み取った1以上の枚数の画像1枚分に集約した集約画像を形成する場合に、画像形成に伴う生産性を向上させた画像形成装置を提供することを課題とする。
【解決手段】
画像制御CPU73は、集約数毎に不揮発メモリ74に記憶されている回転処理の有無の情報に基づき、ユーザが選択した複数集約画像形成モードについて、回転IC71bによる回転処理が必要か否かを判定し、集約画像データの回転処理が必要でないと判定した場合には、集約画像データの回転処理が必要であると判定した場合より給紙カセット17に載置されたシートP2のプリンタ部7の転写ニップ部への搬送タイミングを早く設定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、原稿の画像をシートに印刷して出力する画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、複数枚の原稿を自動で給送する自動原稿給送装置によって給送された原稿の画像を読み取り、当該読み取った1以上の枚数の画像(以下、読取画像)を、1枚分に集約した集約画像として順次シート上に形成する画像形成装置が存在する。このような画像形成装置は、一つの読取画像を等倍で集約した集約画像としての等倍画像を、1枚のシート上に順次形成する機能(以下、等倍画像形成機能)と、複数の読取画像を集約した集約画像を、1枚のシート上に形成する機能(以下、複数集約画像形成機能)とを備えている。
【0003】
このような画像形成装置においては、等倍画像形成機能を用いてシート上に画像を形成する場合と、複数集約画像形成機能を用いてシート上に画像を形成する場合とで、それぞれ、
図11および図12に示すように、シートへの画像形成に際してシートを収容するシート収容部からシートが搬送されるタイミング(以下、搬送タイミング)が、設定されていた。
【0004】
より具体的には、従来の画像形成装置においては、等倍画像形成機能を用いてシート上に画像を形成する場合には、図11に示すように、原稿の読み取りが完了した後に、シートの搬送タイミングが設定されていた。一方、複数集約画像形成機能を用いてシート上に例えば、2つの読取画像を集約した画像を形成する場合には、図12に示すように、2つの読取画像の生成が完了し、さらに、読取画像の回転処理を完了した後に、シートの搬送タイミングが設定されていた。
【0005】
このように、複数集約画像形成機能を用いてシート上に集約画像を形成する場合には、集約される全ての読取画像の生成が完了した後に読取画像の回転処理を行う必要があり、当該回転処理後に、シートの搬送タイミングが設定されるため、画像形成に伴う生産性が悪いという問題があった。
【0006】
シートの搬送タイミングの設定について、例えば、特許文献1には、自動原稿給送装置からの原稿の給紙タイミングに関し、読取画像の画像処理に伴うエラーの発生を考慮して、給紙タイミングを制御する画像形成装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開平11-46280号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、特許文献1の画像形成装置は、シート収容部からのシートの搬送タイミングの設定に関するものではなく、また、集約画像を形成する場合において、画像形成に伴う生産性を向上できるものではない。
【0009】
本願発明は、上記のような問題点を解決するためになされたものであり、シート上に集約画像を形成する場合に、画像形成に伴う生産性を向上させた画像形成装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するための、本願発明の画像形成装置の一態様では、載置された原稿を自動で搬送する自動原稿給送装置によって搬送された前記原稿を読み取り、該原稿に対応する画像データを生成する画像読取部と、前記画像データの回転処理を行う画像データ回転部と、前記画像データを集約することで、集約画像データを生成する画像データ処理部と、シートが載置されるシート収容部と、前記シート収容部に載置された前記シートを搬送するシート搬送部と、前記シート搬送部により搬送された前記シートに、前記集約画像データに基づく可視像を形成可能な画像形成部と、前記シート搬送部が前記シート収容部から前記画像形成部への前記シートの搬送を開始するタイミングである搬送タイミングを設定する搬送制御部と、前記集約画像データとして集約される前記原稿の数に基づいて、前記画像データ回転部による前記画像データの回転処理が必要か否かを判定する判定部と、を備える画像形成装置であって、前記搬送制御部は、前記判定部が前記画像データの回転処理が必要でないと判定した場合には、前記画像データの回転処理が必要であると判定した場合より前記搬送タイミングを早く設定する。
【0011】
さらに、上記画像形成装置において、前記搬送制御部は、前記判定部が前記画像データの回転処理が必要でないと判定した場合には、集約される画像のうち最後の画像の読み取り完了より前に、前記シートの搬送を開始するように前記搬送タイミングを設定し、前記判定部が前記画像データの回転処理が必要であると判定した場合には、集約される画像のうち最後の画像の読み取り完了後に、前記シートの搬送を開始するように前記搬送タイミングを設定する。
【0012】
さらに、上記画像形成装置において、前記搬送制御部は、前記判定部が前記画像データの回転処理が必要でないと判定した場合には、集約される画像のうち最後の画像の読み取りを開始した時と略同時に、前記シートの搬送を開始するように前記搬送タイミングを設定し、前記判定部が前記画像データの回転処理が必要であると判定した場合には、集約される画像のうち最後の画像の読み取り完了後に、前記シートの搬送を開始するように前記搬送タイミングを設定する。
【0013】
さらに、上記画像形成装置において、前記自動原稿給送装置に載置される原稿および前記シート収容部に載置されるシートのうち、一方が、長辺が搬送方向を向くように載置され、他方が、短辺が搬送方向を向くように載置され、前記判定部は、集約される画像データの数が2である場合に、前記画像データの回転処理が必要でないと判定する。
【0014】
さらに、上記画像形成装置は、前記自動原稿給送装置を備える。
【発明の効果】
【0015】
本願発明の画像形成装置によれば、集約される原稿の集約数と、原稿P1の向きとシートP2の向きとの関係に基づいて、最適な搬送タイミングが設定されるため、画像形成の生産性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本願発明の実施の形態1に係る画像形成装置1の一例を示す概略構成図である。
【図2】本願発明の実施の形態1に係る画像形成装置1の給紙カセットの一例を示す概略構成図である。
【図3】本願発明の実施の形態1に係る画像形成装置1の原稿トレイの一例を示す概略構成図である。
【図4】本願発明の実施の形態1に係る画像形成装置1の制御系の構成例を示すブロック図である。
【図5】本願発明の実施の形態1に係る画像形成装置1の制御系の詳細構成例を示すブロック図である。
【図6】本願発明の実施の形態1に係る画像形成装置1の動作モードを用いてシート上に形成される集約画像の一例を示す概略図である。
【図7】本願発明の実施の形態1に係る画像形成装置1の非回転画像形成動作時の原稿とシートの関係を示す概略図である。
【図8】本願発明の実施の形態1に係る画像形成装置1の回転画像形成動作時の原稿とシートの関係を示す概略図である。
【図9】本願発明の実施の形態1に係る画像形成装置1の非回転画像形成動作の一例を示すフローチャートである。
【図10】本願発明の実施の形態1に係る画像形成装置1の2in1モードを用いた画像形成時の原稿とシートの関係を示す概略図である。
【図11】従来の画像形成装置において等倍画像形成機能を用いた画像形成時の原稿とシートの関係を示す概略図である。
【図12】従来の画像形成装置において複数集約画像形成機能を用いた画像形成時の原稿とシートの関係を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下に、図面を参照しながら本願発明の実施形態を説明する。
【0018】
(1)実施の形態1
<画像形成装置1>
図1は、本願発明の一例である実施の形態1に係る画像形成装置(以下、「画像形成装置1」という)を示す概略構成図である。画像形成装置1は、装置本体2と自動原稿給送装置3とを備えている。以下、図1を参照して、画像形成装置1について説明する。
【0019】
装置本体2は、原稿の画像を画像読取位置において読み取り画像データを生成する画像読取部としてのスキャナ部5と、シートP2を収納および搬送するシート収容部としての給紙部6と、給紙部6から搬送されたシートP2にスキャナ部5で生成された画像データに基づき電子写真方式により画像を形成する画像形成部としてのプリンタ部7と、プリンタ部7よりシート搬送方向下流側に位置する定着部8と、定着部8を経たシートP2を装置本体2の外部へ排出する排紙部9と、片面に画像が定着されたシートP2を表裏反転する反転ユニット10と、装置本体2内においてシートP2を搬送するための搬送部11と、を備えている。
【0020】
また、装置本体2は、画像形成等の各工程を制御する制御部43と、画像形成に際してユーザが各種の設定を行う操作部44とを備えている。制御部43は、詳細は後述するが、スキャナ部5で生成された画像データが入力され、入力された画像データに対して所定の処理を施しプリンタ部7に画像信号として出力する。
【0021】
スキャナ部5は、原稿が載置される原稿ガラス12と、画像読取位置の下部に配置されるスリットガラス13と、レンズ及び撮像素子を有しており画像信号を生成するイメージセンサ14と、原稿を照明するランプ15と、このランプ15の反射光をイメージセンサ14へ導くミラー群16等から構成されている。
【0022】
原稿ガラス12は、原稿P1を載置可能な所定のサイズの長方形のガラスであり、スリットガラス13は、主走査方向に延在する細長いガラスである。ランプ15およびミラー群16は、駆動機構(不図示)により副走査方向に移動可能に配置されている。
【0023】
スキャナ部5は、原稿の読み取りに際し、原稿ガラス12上に載せられた原稿P1の全面に光を照射して、その反射光をイメージセンサ14で読み込むことができる。また、ランプ15およびミラー群16をスリットガラス13の下面に位置させることで、自動原稿給送装置3によって画像読取位置に搬送される原稿P1に光を照射し、その反射光をイメージセンサ14で読み込むことができる。詳細は後述するが、イメージセンサ14からの信号は、画像データとして制御部43に入力される。
【0024】
また、スキャナ部5は、自動原稿給送装置3において搬送される原稿を読み取るモードと、原稿ガラス12に載置された原稿を読み取るモードとで動作可能である。
【0025】
給紙部6は、シートP2を収納するための給紙カセット17と、給紙カセット17からシートP2を順次給紙する送り出しローラ、および送り出しローラから給紙されたシートP2をプリンタ部7へ搬送する搬送ローラを有する搬送機構18と、を備えており、所定のサイズのシートP2をプリンタ部7に供給することができる。
【0026】
搬送機構18は、装置本体2内においてシートP2を搬送するための搬送部11の一部である。
【0027】
給紙カセット17は、図2に示されるように、収容可能な最大サイズのシートP2としてA4の用紙を収容することができる。なお、ここで、A4サイズの用紙は、用紙の長手方向が用紙の搬送方向に向くように、給紙カセット17に載置されている。すなわち、給紙カセット17は、いわゆるA4横(A4Y)サイズの用紙を供給する。また、給紙カセット17のシートP2の搬送方向下流側の位置には、装置本体2の電源ユニットDYが配置されている。
【0028】
このように、給紙カセット17に収容可能なシートP2の最大サイズを所定の規格に限定し、給紙カセット17のシートP2の搬送方向下流側の位置に電源ユニットDYなどの大型部品を配置することで装置本体2の小型化を実現し、ひいては、画像形成装置1の小型化を実現している。
【0029】
プリンタ部7は、回転されるドラム状の感光体よりなる像担持体20と、像担持体20を帯電させる帯電装置19と、制御部43から出力される画像信号に基づき像担持体20を露光する露光装置21と、トナーとキャリアを含む現像剤により像担持体20上に画像を形成する現像部22と、給紙カセット17から搬送されたシートP2に像担持体20上の画像を転写する転写部としての転写ローラ23と、を備えている。像担持体20の外周面に対して、各々、像担持体20の回転方向に沿って、帯電装置19、露光装置21、現像部22及び転写ローラ23がこの順に並ぶよう配設されている。さらに、転写ローラ23の下流の位置には、像担持体クリーニングブレードを備えた像担持体クリーニング手段25が設けられている。
【0030】
像担持体20は、ドラム状金属基体の外周面に有機光導電体を含有させた樹脂よりなる感光層を有するものである。像担持体20は、不図示の駆動機構によって回転可能に設けられ、図1において、回転軸が紙面に垂直な方向に配設されている。
【0031】
帯電装置19は、例えば、グリッド電極と放電電極とを有するスコロトロン帯電器であって、像担持体20の表面を帯電させる。
【0032】
露光装置21は、画像読取位置において読み取られた原稿の画像信号に基づいてレーザビームを出射するレーザ照射装置と、レーザ照射装置から出射されたレーザビームを反射し、像担持体20の表面に照射するポリゴンミラー21aと、を有している。なお、詳細は後述するが、原稿の画像信号は、制御部43に入力された画像データに基づいて、制御部43から出力される。
【0033】
ポリゴンミラー21aは、一定回転数で回転しており、このポリゴンミラー21aの回転によりレーザビームの主走査が行われる。また、像担持体20の回転によりレーザビームの副走査が行われる。これにより、像担持体20の表面に静電潜像が形成される。この像担持体20に形成された静電潜像は、現像部22により顕像化される。
【0034】
ここで、帯電装置19と露光装置21とは、像担持体20上に静電潜像を形成する静電潜像形成手段を構成する。
【0035】
現像部22は、マグネットを内蔵し現像剤を保持して回転する現像スリーブ22aと、収納しているトナーを攪拌および供給する機構等を備えている。現像スリーブ22aは、画像形成時に、不図示の電圧印加手段から直流および/または交流バイアス電圧が印加され、像担持体20へトナーを供給し、像担持体20上の静電潜像にトナーを付着させて、トナー像を形成する。像担持体20上のトナー像は、 転写ローラ23により像担持体20からシートP2に転写され、トナー像が転写されたシートP2は、定着部8に送られる。
【0036】
転写ローラ23は、定電流電源よりなる転写電流供給装置(図示せず)が接続され、像担持体20の表面に対向し転写領域としての転写ニップ部を形成するように設けられている。転写ローラ23は、転写電流供給装置(図示せず)によって転写電流が供給されることにより、転写ニップ部において像担持体20上に形成されたトナー像をシートP2上に転写し、可視像化する。
【0037】
像担持体クリーニング手段25は、例えば、像担持体クリーニングブレードを有する。像担持体クリーニングブレードは、例えば、ウレタンゴムなどの弾性体よりなり、その基端部分が支持部材によって支持されると共に、先端部分が像担持体20の表面に当接されるよう設けられている。像担持体クリーニングブレードの基端側から伸びる方向は、当接箇所における像担持体20の回転による移動方向と反対方向である、いわゆるカウンター方向とすることができる。像担持体クリーニングブレードは、シートP2へ転写されず像担持体20の表面に付着したトナー等を掻き落として収容する。
【0038】
定着装置8は、例えば、加熱ローラ、加圧ローラ、定着ローラを備えており、シートP2上に転写されたトナー画像を加圧、加熱して定着させる。定着装置8を通過したシートP2は、搬送経路に沿って排紙部9へ搬送される。
【0039】
排出部9は、定着部8を経たシートP2をトレイ41へ搬送することで装置本体2の外部へ排出する排紙ローラ対を有している。
【0040】
反転ユニット(ADU)10は、定着部8を経たシートP2を表裏反転してプリンタ部7へ搬送する反転搬送路27と、定着部8を通過したシートP2の搬送方向を、排紙部9へ向かう方向および反転搬送路27へ向かう方向の間で切り替える搬送切替ゲート28と、を有している。
【0041】
搬送切替ゲート28は、定着部8を通過したシートP2を搬送する搬送切替ローラを有しており、動作モードに応じて、シートP2を排出部9あるいは反転ユニット10へ搬送することができる。
【0042】
搬送部11は、上述した搬送機構18や反転搬送路27を含む搬送路から構成され、装置本体2内においてシートP2を搬送することができる。また、搬送部11は、シートP2の搬送状態を検知するセンサ群を備えており、例えば、反転搬送路27におけるシートP2の有無を検知するシート検知センサ29を備えることができる。
【0043】
制御部43と操作部44の詳細については後述する。なお、操作部44は、液晶ディスプレイを有しており、画像形成に際してユーザが操作する設定画面等の操作画面(不図示)を表示することができる。
【0044】
次に、自動原稿給送装置(ADF)3の構成について説明する。
【0045】
自動原稿給送装置3は、原稿が積載される原稿トレイ30と、排紙された原稿が積載される排紙トレイ31と、両面読取において原稿が一時的に通過する反転部32と、原稿トレイ30に載置された原稿を給送するための給送機構33と、を備える。なお、自動原稿給送装置3は、複数枚の原稿を自動で給送する自動原稿給送手段の一例であり、例えば、装置本体2の一部として自動原稿給送手段を設けてもよい。
【0046】
給送機構33は、スリットガラス13に対向するフィードローラ34と、原稿トレイ30に載置された原稿P1を1枚ずつ順次給送する給紙ローラ35と、給紙ローラにより送り出された原稿P1を給送する給送ローラ等のローラ群を備える。
【0047】
また、自動原稿給送装置3には、原稿P1の搬送状態を検知するセンサ群47が備えられている。例えば、図1に示されるように、原稿トレイ30における原稿P1の有無を検知する原稿検知センサ36と、給紙の終了を検知する原稿通過検知センサ37aと、画像読取位置において原稿P1の読み取りの開始を検知する原稿読取検知センサ37bとが設けられている。なお、原稿検知センサ36は、給紙ローラ35によって給送可能な状態で、原稿トレイ30に原稿P1が載置されているか否かを検知するものである。
【0048】
また、原稿トレイ30は、図3に示されるように、載置可能な最大サイズの原稿P1としてA4の原稿P1を積載することができる。なお、ここで、A4サイズの原稿P1は、短手方向が給送方向に向くように、原稿トレイ30に載置されている。すなわち、自動原稿給送装置3は、いわゆるA4縦(A4T) サイズの原稿P1を供給する。
【0049】
このように、原稿トレイ30に、載置可能な原稿P1の最大サイズをA4Tに限定することで、自動原稿給送装置3の小型化を実現し、ひいては、画像形成装置1の小型化を実現している。
【0050】
ここで、制御部43と操作部44について、図4を参照して説明する。図4は、制御部43を中心とした画像形成装置1における情報の流れを示すものであり、図中の矢印が出ている箇所から出力された情報が、矢印の向かう先の箇所に入力される。
【0051】
制御部43は、図4に示されるように、操作部44、スキャナ部5、プリンタ部7に接続されており、搬送部11の駆動部46およびシート検知センサ29等のセンサ群45と接続されている。
【0052】
制御部43は、操作部44から出力されたユーザの操作内容、およびセンサ群45から出力された検知結果等に応じて、スキャナ部5、プリンタ部7、搬送部11を制御することで画像形成における各工程を制御することができる。また、制御部43は、ユーザの操作内容等に応じて操作部44に情報を出力することで、操作部44の液晶ディスプレイに設定画面等の操作画面(不図示)を表示することができる。
【0053】
また、制御部43は、自動原稿給送装置3について、原稿検知センサ36、原稿通過検知センサ37a、原稿読取検知センサ37b等のセンサ群47、および給紙駆動部48と接続されている。
【0054】
制御部43は、操作部44から入力されたユーザの操作内容、およびセンサ群47から出力された検知結果に応じて、給紙駆動部48を制御することで、画像形成に際して自動原稿給送装置3の原稿P1の給送を制御することができる。
【0055】
次に、画像形成装置1における原稿P1の読み取りおよびシートP2への画像形成について説明する。
【0056】
まず、自動原稿給送装置3の原稿トレイ30に載置された原稿P1の読み取りから説明する。なお、自動原稿給送装置3は、動作モードとして、原稿P1の片面の画像のみを読み取る片面読取モードと原稿P1の両面の画像を読み取る両面読取モードで動作可能である。
【0057】
ここでは、原稿P1の読み取りに際して、ユーザが操作部44を操作することで自動原稿給送装置3の動作モードが設定され、設定された動作モードに基づいて、制御部34が自動原稿給送装置3による原稿P1の読み取りを制御する。
【0058】
自動原稿給送装置3の原稿トレイ30に載置された複数枚の原稿P1は、給送機構33の給紙ローラ35により1枚ずつ繰り出され、フィードローラ34によりスリットガラス13上の画像読取位置に搬送される。原稿P1の給送方向の端部が画像読取位置に到達すると、ランプ15により原稿P1に光が照射され、その反射光がイメージセンサ14で読み込まれる。原稿P1が画像読取位置を通過することで、原稿P1の全面の画像を読み込むことができる。
【0059】
制御部43は、原稿読取検知センサ37bから出力された検知情報に基づいて、読み取りが開始された原稿の枚数をカウントする。なお、原稿読取検知センサ37bは、画像読取位置の近傍に設けられている。
【0060】
なお、給紙ローラ35は、給送駆動部48に接続されており、給送駆動部48は制御部43からの制御信号に基づいて、給紙ローラ35を回転駆動する。原稿トレイ30に載置された原稿P1は、画像読取位置に向けて給送される。
【0061】
制御部43は、画像形成に際して、給送駆動部48が給紙ローラ35を回転駆動するように制御することで、原稿トレイ30に載置された原稿P1の画像読取位置への給送を、所定の給送タイミングで行うことができる。
【0062】
スリットガラス13の上方の画像読取位置を通過した原稿P1は、片面読取モードに設定されている場合には、排紙トレイ31に排紙され、両面読取モードに設定されている場合には、反転部32を経て、再度フィードローラ34に搬送される。これにより、原稿P1は表裏反転してスリットガラス13上の画像読取位置に送り込まれ、原稿P1の表裏両面を読み込むことができる。
【0063】
次に、装置本体2の給紙カセット17に収容されたシートP2への画像形成について説明する。なお、装置本体2は、動作モードとして、シートP2の片面のみに印刷を行う片面印刷モードとシートP2の両面に印刷を行う両面印刷モードで動作可能である。
【0064】
ここでは、シートP2の印刷に際して、ユーザが操作部44を操作することで装置本体2の動作モードが設定され、設定された動作モードに基づいて、制御部34が装置本体2によるシートP2への画像形成を制御する。なお、ユーザが操作部44を操作し装置本体2の動作モードを選択することで、装置本体2の動作モードに応じて予め設定された自動原稿給送装置3の動作モードを自動的に決定してもよい。
【0065】
給紙カセット17に載置されたシートP2は、搬送機構18の送り出しローラにより1枚ずつ順次繰り出され、搬送機構18の搬送ローラによりプリンタ部7の転写ニップ部に搬送される。
【0066】
なお、搬送機構18の送り出しローラおよび搬送ローラは、駆動部46に接続されており、駆動部46は、制御部43からの制御信号に基づいて、搬送機構18の送り出しローラおよび搬送ローラを回転駆動する。
【0067】
制御部43は、画像形成に際して、駆動部46が搬送機構18の送り出しローラ、および搬送ローラを回転駆動するように制御することで、給紙カセット17に載置されたシートP2のプリンタ部7の転写ニップ部への搬送を、所定の搬送タイミングで行うことができる。
【0068】
転写ニップ部にて画像データに基づく可視像が転写されてシートP2は、搬送部11によって定着部8に搬送される。定着部8を経たシートP2は、片面印刷モードに設定されている場合には、排紙部9を経てトレイ41に排出され、両面印刷モードに設定されている場合には、反転搬送路27に送られ、表裏反転されて再度プリンタ部7に搬送される。
【0069】
ここで、画像形成装置1は、自動原稿給送装置3によって給送された原稿の画像を読み取り、当該読み取った一つの画像を集約した集約画像としての等倍画像を1枚のシート上に順次形成する等倍画像形成機能と、当該読み取った画像を複数枚集約した集約画像を、1枚のシート上に形成する複数集約画像形成機能とを備えている。また、画像形成装置1は、動作モードとして、等倍画像形成機能を用いて画像形成を行う等倍画像形成モードと複数集約画像形成機能を用いて画像形成を行う複数集約画像形成モードを備えている。なお、本願における集約画像は、集約数が1である場合を含む概念である。
【0070】
制御部43は、ユーザが操作部44を操作することで設定した画像形成装置1の動作モード、並びに自動原稿給送装置3の動作モードおよび装置本体2の動作モードに応じて、シートP2への画像形成を行う。また、制御部43は、ユーザが操作部44の操作画面に表示されたスタートボタンを押下した場合に、シートP2への画像形成をスタートする。
【0071】
以下に、図5を参照して、画像形成装置1における画像データを処理する構成について、より具体的に説明する。
【0072】
操作部44は、図5に示されるように、タッチパネルが設けられた液晶ディスプレイ(LCD:liquid crystal display)65と、操作部44の操作画面の表示等を制御する操作制御部66とを備えている。
【0073】
スキャナ部5は、イメージセンサ14を構成するCCD(charge coupled device)61とスキャナ制御部62とを備えている。
【0074】
プリンタ部7は、露光装置21のレーザ照射装置に備えられるレーザダイオード(LD:laser diode)63と、プリンタ制御部64とを備えている。
【0075】
また、制御部43は、CCD61から出力される画像データのアナログ−デジタル変換等の処理を行う読取処理部67と、読取処理部67で処理された画像データを所定の形態で圧縮する圧縮IC(integrated circuit)68と、DRAM(dynamic random access memory)を有する第1画像メモリ70と、第1画像メモリ70への画像データの書込みおよび読み出しを行うDRAM制御IC69と、圧縮された画像データを伸長する伸長IC71aと、圧縮および/または伸長された画像データを90度回転する回転IC71bと、を備えている。
【0076】
さらに、制御部43は、伸長IC71aおよび回転IC71bを経た画像データのデジタル−アナログ変換等の処理を行いレーザダイオード63に出力する書込処理部72と、スキャナ制御部62およびプリンタ制御部64を制御して画像データの取得および印刷を行う画像制御CPU(central processing unit)73と、画像制御CPU73で実行されるプログラム等を記憶する不揮発メモリ74とを備えている。
【0077】
第1画像メモリ70は、圧縮された画像データ等を記憶する圧縮メモリ70aと所定単位で画像データを記憶するページメモリ70bを備えている。
【0078】
また、制御部43は、装置本体2を外部機器と接続するための画像処理部( プリント・スキャナコントローラ)75を備えている。
【0079】
画像処理部75は、DRAMを有する第2画像メモリ77と、第2画像メモリ77 への画像データの書込みおよび読み出しを行うDRAM 制御IC76と、外部ネットワーク(不図示)と画像形成装置1を接続するLAN(local area network)I/F78と、外部ネットワークに接続されたパーソナルコンピュータ等(不図示)と画像形成装置1の間で画像データの送受を行うコントローラ制御CPU79と、を備えている。
【0080】
ここで、原稿P1の画像を読み取り当該画像の画像データを可視像としてシートP2にプリントする場合における各制御系の動作ついて説明する。
【0081】
画像読取位置にてCCD61に読み込まれた画像の画像データは読取処理部67で処理され、圧縮IC68で圧縮され、DRAM 制御IC69により第1画像メモリ70の圧縮メモリ70aに記憶される。
【0082】
圧縮メモリ70aに記憶された画像データは、DRAM制御IC69により読み出され、必要に応じて伸長IC71aで伸長され回転IC71bで回転された後、書込処理部72からレーザダイオード63に送信される。
【0083】
露光装置21のレーザ照射装置は、レーザダイオード63に送信された画像信号に基づいて、像担持体20の表面に向けてレーザビームを出射する。そして、上述した通り、像担持体20の表面に静電潜像が形成され、シートP2上に当該静電潜像の可視像がプリントされる。
【0084】
また、画像制御CPU73は、操作制御部66を制御することで、画像形成に際してユーザが操作する設定画面等の操作画面を液晶ディスプレイ65に表示することができる。ユーザは、液晶ディスプレイ65の操作画面に表示された各種の設定表示を押下することで、原稿P1の画像のシートP2へのプリントに際して、画像形成装置1等の動作モードに関する情報を制御部43に入力することで、動作モードを設定することができる。
【0085】
画像制御CPU73は、液晶ディスプレイ65の操作画面に、ユーザが、画像形成装置1の動作モードと、自動原稿給送装置3の動作モードと、装置本体2の動作モードと、を選択し、設定するためのモード選択画面を表示することができる。
【0086】
より具体的には、画像制御CPU73は、液晶ディスプレイ65の操作画面に、画像形成装置1の動作モードとして、等倍画像形成モードと複数集約画像形成モードとを選択可能に表示し、自動原稿給送装置3の動作モードとして、片面読取モードと両面読取モードとを選択可能に表示する。また、画像制御CPU73は、装置本体2の動作モードとして、片面印刷モードと両面印刷モードとを選択可能に表示する。
【0087】
制御部43は、ユーザが液晶ディスプレイ65のモード選択画面を操作することで設定した各動作モードに応じて、シートP2上に可視像を形成することができる。
【0088】
また、画像制御CPU73は、複数集約画像形成モードが設定された場合には、液晶ディスプレイ65の操作画面に、複数集約画像形成モードにおいて集約する原稿P1の画像の数を選択するための集約数設定画面を表示する。なお、複数集約画像形成モードの詳細については後述する。
【0089】
ここで、画像形成装置1は、パーソナルコンピュータ等の端末から電子化された画像データを読み込み、当該画像データをシートP2にプリントすることもできる。
パーソナルコンピュータ等の端末から外部ネットワークを介して入力された画像データは、まず、画像処理部75の第2画像メモリ77に記憶される。
【0090】
第2画像メモリ77に記憶された画像データは、画像処理部75のDRAM制御IC76によって読み出され、PCIバス80で装置本体2に送信され、DRAM制御IC69により第1画像メモリ70のページメモリ70b に記憶される。
【0091】
ページメモリ70b に記憶された画像データは、DRAM 制御IC69によって読み出され、圧縮IC68で圧縮された後、DRAM 制御IC69により第1画像メモリ70の圧縮メモリ70aに記憶される。
【0092】
圧縮メモリ70aに記憶された画像データは、DRAM制御IC69により読み出され、必要に応じて伸長IC71aで変倍され、回転IC71bで回転された後、書込処理部72でレーザダイオード63に送信される。なお、詳細は後述するが、複数集約画像形成モードが設定された場合には、集約する原稿P1の画像の数に応じて、回転IC71bによる回転処理を伴わない非回転画像形成動作を開始することができる。
【0093】
露光装置21のレーザ照射装置は、レーザダイオード63に送信された画像信号に基づいて、像担持体20の表面に向けてレーザビームを出射する。そして、上述した通り、像担持体20の表面に静電潜像が形成され、シートP2上に当該静電潜像の可視像がプリントされる。
【0094】
次に、画像形成装置1における回転画像形成動作および非回転画像形成動作について説明する。
【0095】
複数集約画像形成モードにおいて、伸長IC71aは、画像読取位置にてCCD61に読み込まれ、圧縮メモリ70aに記憶された画像データを、縮小し集約することで集約画像データを生成する。集約画像データは、書込処理部72によりレーザダイオード63に送信され、当該集約画像データに基づいてシートP2上に可視像が形成される。なお、集約画像データの生成については、伸長IC71aが生成することに限られず、例えば、回転IC71bが画像データを縮小し集約する処理を行ってもよい。
【0096】
ここで、集約される画像データの数(集約数)は、特定の自然数の値として予め設定されており,不揮発メモリ74に記憶されている。
【0097】
制御部43は、ユーザが液晶ディスプレイ65のモード選択画面を操作することで、画像形成装置1の動作モードとして、複数集約画像形成モードを選択した場合には、不揮発メモリ74に記憶された集約数に関する情報を取得し、制御信号として操作部44に出力する。そして、制御部43は、液晶ディスプレイ65に集約数設定画面を表示することで、集約数に応じた複数集約画像形成モードを選択可能に表示する。例えば、集約数は、2、4、6とすることができ、それぞれ、2in1モード、4in1モード、6in1モードとして集約数設定画面に表示し、何れかの集約数の選択を受け付けることができる。なお、集約数が1の場合については、上述した等倍画像形成モードとして液晶ディスプレイ65のモード選択画面上に表示される。
【0098】
ここで、集約画像は、設定された集約数の各頁の画像が縦横比を維持しつつ共通の倍率で変倍され、かつ設定された集約数の各頁の画像が最大の大きさとなるように、各画像の向き及び位置を配置した画像である。
【0099】
なお、集約画像データの生成に際して、集約される各頁の画像データは、当該集約画像データに基づく画像が形成されるシートP2のサイズに基づいて、変倍され、配置される。
【0100】
このような集約画像データを生成した後に、当該集約画像データに基づく画像が形成されるシートP2の向きに合わせるために、回転IC71bが(伸長IC71aによって集約された)集約画像データについて、必要に応じて回転処理を行う。より具体的には、図6に示されるように、回転IC71bは、集約数として、1又は4が選択された場合に、回転処理を行う。
【0101】
画像制御CPU73は、集約数として、1又は4が選択された場合に、回転IC71bによる回転処理を伴う回転画像形成動作を開始することができ、集約数として、2又は6が選択された場合には、回転IC71bによる回転処理を伴う非回転画像形成動作を開始することができる。このように、集約数と、原稿P1の向きとシートP2の向きとの関係に応じて、回転IC71bによる回転処理の有無が予め設定されており,不揮発メモリ74に記憶されている。
【0102】
画像制御CPU73は、集約数毎に不揮発メモリ74に記憶されている回転処理の有無の情報に基づき、ユーザが選択した複数集約画像形成モードについて、回転IC71bによる回転処理が必要か否かを判定し、集約画像データの回転処理が必要でないと判定した場合には、集約画像データの回転処理が必要であると判定した場合より給紙カセット17に載置されたシートP2のプリンタ部7の転写ニップ部への搬送タイミングを早く設定する。
【0103】
また、画像制御CPU73は、原稿読取検知センサ37bから出力された検知情報に基づいて、読み取りを開始した原稿P1の数をカウントする原稿カウント部を有している。原稿カウント部は、集約数設定画面において設定された集約する原稿P1の画像の集約数毎に、読み取りが開始された原稿の累計枚数をカウントするものである。
【0104】
画像制御CPU73は、原稿カウント部のカウント値が更新された場合に、更新される前のカウント値に相当する原稿P1の読み取りが完了したと判定する。また、集約数設定画面において設定された集約する原稿P1の画像の数だけ、原稿カウント部がカウントした場合には、原稿カウント部のカウント値を初期化する。具体的には、集約数が2である場合に、原稿カウント部のカウント値が1から2に更新された場合には、制御部43は、一枚目の原稿P1の読み取りが完了したと判定する。そしてカウント値が2の状態で、原稿カウント部のカウント値が更新された場合には、制御部43は、二枚目の原稿P1の読み取りが完了したと判定し、原稿カウント部のカウント値を初期化する。すなわち、原稿カウント部のカウント値は1となる。
【0105】
画像制御CPU73は、回転IC71bによる回転処理が不要であると判定し、非回転画像形成動作を開始すると決定した場合には、集約数設定画面において設定された集約する原稿P1の画像の数に相当する数の原稿P1の読み取りを開始した時に、すなわち、集約する画像のうち最後の画像の読み取りを開始した時に、給紙カセット17からのシートP2の搬送を開始する。なお、集約する画像のうち最後の画像の読み取りを開始した時とは、集約する画像のうち最後の画像の読み取りを開始した時と略同時を含む概念である。
【0106】
一方、画像制御CPU73は、回転IC71bによる回転処理が必要であると判定し、回転画像形成動作を開始すると決定した場合には、集約数設定画面において設定された集約する原稿P1の画像の数に相当する数の原稿P1の読み取りを完了した後に、すなわち、集約する画像のうち最後の画像の読み取り完了後に、給紙カセット17からのシートP2の搬送を開始する。このように、非回転画像形成動作が行われる場合には、回転画像形成動作が行われる場合と比較して、回転処理に伴う時間分だけ給紙カセット17からのシートP2の搬送タイミングが早く設定される。したがって、画像形成の生産性を向上させることができる。
【0107】
以下に、2枚の原稿P1の画像を集約画像として集約する複数集約画像形成モード(以下、2in1モード)を例に、非回転画像形成動作について、図7〜図10を参照してより具体的に説明する。
【0108】
2in1モードにおいては、画像読取位置にてCCD61に読み込まれ、圧縮メモリ70aに記憶された画像データについて、回転IC71bにおける回転処理が行われない。これは、原稿P1の短手方向(短辺)が原稿P1の給送方向(搬送方向)に向くように、原稿P1が原稿トレイ30に載置され、且つシートP2の長手方向(長辺)がシートP2の搬送方向に向くように、シートP2が給紙カセット17に載置されることによる。言い換えると、自動原稿給送装置3によって給送される原稿P1の向きと、給紙カセット17の搬送機構18によって搬送されるシートP2の向きとが、それぞれ異なることによる。これにより、図7に示されるように、画像形成に際して、画像読取位置における原稿P1の読み取り方向と転写ニップ部におけるシートP2への可視像の形成方向とがそれぞれ同一方向となり、回転IC71bにおいて回転処理を行う必要がない。つまり、2in1モードにおいては、非回転画像形成動作が行われる。
【0109】
なお、画像形成装置1の等倍画像形成モードにおいては、図8に示されるように、画像読取位置にてCCD61に読み込まれ、圧縮メモリ70aに記憶された画像データについて、回転IC71bにより回転処理が行われる。すなわち、回転画像形成動作が行われる。
【0110】
伸長IC71aは、等倍画像形成モードでは、集約数1の集約画像データを生成する。集約画像データは、書込処理部72によりレーザダイオード63に送信され、当該等倍画像データに基づいてシートP2上に可視像が形成される。なお、画像制御CPU73は、等倍画像形成モードでは、集約数設定画面において集約する原稿P1の画像の数が1と設定されたものとみなして、回転画像形成動作を行う。
【0111】
画像制御CPU73は、ユーザにより複数集約画像形成モードが設定された場合であって、自動原稿給送装置3への原稿P1の載置の完了を検知した場合であり、かつ回転IC71bによる回転処理が必要でない場合に、非回転画像形成動作を開始する。
【0112】
画像制御CPU73は、図9に示されるように、非回転画像形成動作に際し、給送駆動部48を制御することで給送ローラ35に原稿P1の給送を開始させ、スキャナ部5に画像読取位置における原稿P1の読み取りを開始させる(ステップS101)。
【0113】
そして、画像制御CPU73は、1枚のシートP2に集約される最後の原稿P1の読み取りを開始したか否かを判定する。つまり、集約数が2の場合には、1枚のシートP2に集約される画像のうち2枚目の画像に対応する原稿P1の読み取りを開始したか否かを判定する。(ステップS103)。
【0114】
画像制御CPU73は、1枚のシートP2に集約される最後の原稿P1の読み取りを開始したと判定した場合には(ステップS103でYES)、駆動部46を制御することで搬送機構18に給紙カセット17からのシートP2の搬送を開始させ(ステップS104)、原稿読取検知センサ37bから出力された検知信号に基づいて、原稿トレイ30に載置された原稿P1の全ての読み取りが完了したか否かを判定する(ステップS105)。一方、1枚のシートP2に集約される最後の原稿P1の読み取りを開始していないと判定した場合には(ステップS103でNO)、画像制御CPU73は、スキャナ部5に画像読取位置における原稿P1の読み取りを継続させる(ステップS102)。
【0115】
画像制御CPU73は、原稿トレイ30に載置された原稿P1の全ての読み取りが完了していないと判定した場合には(ステップS105でNO)、スキャナ部5に画像読取位置における原稿P1の読み取りを継続させる(ステップS102)。一方、原稿トレイ30に載置された原稿P1の全ての読み取りが完了したと判定した場合には(ステップS105でYES)、プリンタ部7に原稿トレイ30に載置された全ての原稿P1に対応する可視像を少なくとも1枚以上のシートP2に形成させ、非回転画像形成動作を終了する。
【0116】
以上のような回転画像形成動作および非回転画像形成動作を行える画像形成装置1によれば、前記集約画像データとして集約される前記原稿の数に基づいて、自動的に、回転IC71bにおいて回転処理を行うか否かが判定され、当該判定結果に基づいて、例えば、図10に示されるように、最適な搬送タイミングが設定されるため、画像形成の生産性を向上させることができる。
【0117】
また、画像形成装置1は、単なる例示にすぎず、本願発明を何ら限定するものではない。したがって本願発明は当然に、その要旨を逸脱しない範囲内で種々の改良、変形が可能である。例えば、本願発明は、タンデム方式等のカラーの複写機、モノクロの複写機、プリンタ、FAX、及びこれらの複合機等にも適用可能である。
【0118】
また、例えば、画像制御CPU73は、回転IC71bによる回転処理が不要であると判定し、非回転画像形成動作を開始すると決定した場合には、集約する画像のうち最後の画像の読み取りを開始した時に、すなわち、原稿カウント部がユーザが設定した集約する原稿P1の画像の数分カウントした場合に、搬送機構18に給紙カセット17からのシートP2の搬送を開始させるとともに、給送駆動部48が給紙ローラ35を回転駆動するように制御することで、原稿トレイ30に載置された原稿P1の画像読取位置への給送を開始するように制御してもよい。
【0119】
つまり、画像制御CPU73は、非回転画像形成動作が行われる場合には、回転画像形成動作が行われる場合と比較して、回転処理に伴う時間分だけ給紙カセット17からのシートP2の搬送タイミングを早く設定するとともに、回転処理に伴う時間分だけ原稿トレイ30に載置された原稿P1の画像読取位置への給送タイミングを早く設定してもよい。
【0120】
これにより、原稿P1が搬送される毎に、回転処理に伴う時間分だけ生産性を向上させることができるので、特に多量の原稿P1の画像をシートP2に形成する場合に、画像形成の生産性をより一層向上させることができる。
【符号の説明】
【0121】
1 画像形成装置
2 装置本体
3 自動原稿給送装置(ADF)
4 フィニッシャ
5 スキャナ部
6 給紙部
7 プリンタ部
8 定着部
9 排紙部
10 反転ユニット(ADU)
11 搬送部
12 原稿ガラス
13 スリットガラス
14 イメージセンサ
15 ランプ
16 ミラー群
17 給紙カセット
18 搬送機構
19 帯電装置
20 像担持体
21 露光装置
21a ポリゴンミラー
22 現像部
22a 現像スリーブ
23 転写ローラ
25 像担持体クリーニング手段
27 反転搬送路
28 搬送切替ゲート
29 シート検知センサ
30 原稿トレイ
31 排紙トレイ
32 反転部
33 給送機構
34 フィードローラ
35 給紙ローラ
36 原稿検知センサ
37a 原稿通過検知センサ
37b 原稿読取検知センサ
38 集積部
41 トレイ
42 シート検知センサ
43 制御部
44 操作部
47 センサ群
48 給送駆動部
51 キー入力部
52 表示部
55 設定画面
56a 出力形態選択部
56b 両面選択部__
61 CCD
62 スキャナ制御部
63 レーザダイオード(LD)
64 プリンタ制御部
65 液晶ディスプレイ(LCD)
66 操作制御部
67 読取処理部
68 圧縮IC
69 DRAM制御IC
70 第1画像メモリ
70a 圧縮メモリ
70b ページメモリ
71a 伸長IC
71b 回転IC
72 書込処理部
73 画像制御CPU
74 不揮発メモリ
75 画像処理部(プリンタ・スキャナコントローラ)
76 DRAM制御IC
77 第2画像メモリ
78 LAN(local area network)I/F
79 コントローラ制御CPU
P2 シート
P1 原稿
DY 電源ユニット

【特許請求の範囲】
【請求項1】
載置された原稿を自動で搬送する自動原稿給送装置によって搬送された前記原稿を読み取り、該原稿に対応する画像データを生成する画像読取部と、
前記画像データの回転処理を行う画像データ回転部と、
前記画像データを集約することで、集約画像データを生成する画像データ処理部と、
シートが載置されるシート収容部と、
前記シート収容部に載置された前記シートを搬送するシート搬送部と、
前記シート搬送部により搬送された前記シートに、前記集約画像データに基づく可視像を形成可能な画像形成部と、
前記シート搬送部が前記シート収容部から前記画像形成部への前記シートの搬送を開始するタイミングである搬送タイミングを設定する搬送制御部と、
前記集約画像データとして集約される前記原稿の数に基づいて、前記画像データ回転部による前記画像データの回転処理が必要か否かを判定する判定部と、を備える画像形成装置であって、
前記搬送制御部は、
前記判定部が前記画像データの回転処理が必要でないと判定した場合には、前記画像データの回転処理が必要であると判定した場合より前記搬送タイミングを早く設定することを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記搬送制御部は、
前記判定部が前記画像データの回転処理が必要でないと判定した場合には、集約される画像のうち最後の画像の読み取り完了より前に、前記シートの搬送を開始するように前記搬送タイミングを設定し、
前記判定部が前記画像データの回転処理が必要であると判定した場合には、集約される画像のうち最後の画像の読み取り完了後に、前記シートの搬送を開始するように前記搬送タイミングを設定することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記搬送制御部は、
前記判定部が前記画像データの回転処理が必要でないと判定した場合には、集約される画像のうち最後の画像の読み取りを開始した時と略同時に、前記シートの搬送を開始するように前記搬送タイミングを設定し、
前記判定部が前記画像データの回転処理が必要であると判定した場合には、集約される画像のうち最後の画像の読み取り完了後に、前記シートの搬送を開始するように前記搬送タイミングを設定することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記自動原稿給送装置に載置される原稿および前記シート収容部に載置されるシートのうち、一方が、長辺が搬送方向を向くように載置され、他方が、短辺が搬送方向を向くように載置され、
前記判定部は、集約される画像データの数が2である場合に、
前記画像データの回転処理が必要でないと判定することを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記自動原稿給送装置を備えることを特徴とする請求項1乃至4の何れか1項に記載の画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2012−138862(P2012−138862A)
【公開日】平成24年7月19日(2012.7.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−291431(P2010−291431)
【出願日】平成22年12月28日(2010.12.28)
【出願人】(303000372)コニカミノルタビジネステクノロジーズ株式会社 (12,802)
【Fターム(参考)】