説明

画像形成装置

【課題】転写ベルトユニットを画像形成装置本体に対し安全且つ容易に着脱可能にした落下防止機構を備えた画像形成装置を提供する。
【解決手段】落下防止機構は、前扉42が閉じているとき、案内兼支持レール49の外側端部にヒンジ51により一端を連結され、他端を上に向けて立設する第1の棒状部材52と、第1の棒状部材52の他端に、ヒンジ53により上端を連結され、下端を前扉42の側部近傍にヒンジ54により連結された第2の棒状部材55とを備える。前扉42が水平に開くと第1の棒状部材52が案内兼支持レール49の延長方向に水平に倒れて案内兼支持レール49の延長部を形成し、第2の棒状部材55は下端を前扉42の側部近傍に支持されるとともに上端により第1の棒状部材52の前端部を支持する。現像装置9y、9m等が並んだ上方に位置する転写ベルトユニットが下面両端を第1の棒状部材52に案内されて着脱される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、転写ベルトユニットを画像形成装置本体に対し安全且つ容易に着脱可能にした落下防止機構を備えた画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、トナーを用いて電子写真方式でトナー像を像担持体上に形成し、このトナー像を用紙に転写し、この転写トナー像を定着器で用紙に定着して画像を形成する画像形成装置が知られている。
【0003】
このような画像形成装置は、例えば、転写ベルトユニット、画像形成ユニット、定着ユニット等の複数の内部装置を着脱自在に備えている。これらの内部装置の保守作業時には、内部装置を画像形成装置本体の装着部から脱抜して取り外し、修理または新品と交換して装着部に再装着する。
【0004】
その際、内部装置には重量のあるものが多いので、内部装置を装着部から抜脱して取り出す際には、確実にロックを解除してから取り出さないと、重量のある例えば定着ユニットなどでは、引っ掛かり等の内部装置との異常な係合部を形成して内部装置を破損するおそれがある。
【0005】
そのような不具合が生じないように、例えば定着ユニットを装置本体外に取り出す際には定着ユニットを載せて引き出した受け台が傾斜して、外部に取り出し易くしたとする構成が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0006】
また、タンデム式のカラー画像形成装置の現像ユニットにおいて、トナーカーリッジの他に容量可変のリザーブタンクを備え、トナーカートリッジのトナーを完全に使い切った上で、トナーカートリッジの交換を行うことができ、印刷中においてもトナーカートリッジの交換を行うことが可能な画像形成装置が提案されている、(例えば、特許文献2参照。)
【0007】
また、画像形成装置には上述したように種々の内部ユニットが配設されているが、それらの中で転写ベルトユニットは、重量があるばかりでなく、寸法的にも最大のユニットである。したがって、この転写ベルトユニットを装着部から抜脱して取り出す際には細心の注意を持って取扱わなければならない。
【0008】
このような転写ベルトユニットとしては、画像形成装置から着脱可能に取付けられる一次転写ベルトユニットについて記載されたものがある。(例えば、特許文献3参照。)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2005−266157号公報
【特許文献2】特開2008−276034号公報
【特許文献3】特開2007−094251号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかし、特許文献3の技術は、一次転写ベルトユニットが画像形成装置に着脱可能に取付けられるとはいっているものの、一次転写ベルトユニットを小型化することについて主眼が置かれている。
【0011】
一般に転写ベルトユニットは、上述したように寸法的に最大のユニットであるので、その取り扱いには細心の注意を要する。転写ベルトユニットを取り出す際、ベルトの長手方向の両端部は駆動ローラと従動ローラに掛け渡されている部分なので手で持つことが出来ない。
【0012】
つまり、転写ベルトユニットには、ベルトフレームのベルト幅方向の部分しか手で持つ部分がないので、画像形成装置本体から取り出す際は、取り扱いが非常に不安定になる。具体的には、ベルトフレームの前部分は手に持つことはできるが、後方部分は、外部に引き出される寸前まで手に持つことが出来ない。
【0013】
そこで、手に持つ前にベルトフレームの後方部分が案内レールから外れて落下するという不具合がしばしば発生する。しかし、特許文献3には、一次転写ベルトユニットの具体的な着脱方法についての記載が見られない。
【0014】
本発明は、上記従来の課題を解決するものであって、転写ベルトユニットを画像形成装置本体に対し安全且つ容易に着脱可能にした落下防止機構を備えた画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0015】
上記課題を解決するために、本発明の画像形成装置は、内部ユニットをメンテナンスするに際し、内部保護用の開閉部材を開成して上記内部ユニットの両側端部を案内兼支持レールに摺接させながら上記内部ユニットを外部に引き出すように構成された画像形成装置において、上記案内兼支持レールの外側端部にヒンジにて一端を連結され上記開閉部材が閉成しているとき他端を上に向けて立設する第1の棒状部材と、該第1の棒状部材の上記他端にヒンジにて上端を連結され、下端を上記開閉部材の側部近傍にヒンジにて連結された第2の棒状部材と、を有し、上記開閉部材が開成したとき、上記第1の棒状部材は、上記案内兼支持レールの延長方向に水平に倒れて、上記案内兼支持レールの延長部を形成し、上記第2の棒状部材は、上記下端を上記開閉部材の側部近傍に支持されるとともに、上記上端にて上記第1の棒状部材の水平に倒れているときの前端部となる上記他端を支持する、ように構成される。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、装置本体に対し安全且つ容易に着脱可能に構成された転写ベルトユニットを備えた画像形成装置を提供することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の実施例1に係るフルカラーの画像形成装置(プリンタ)の内部構成を説明する断面図である。
【図2】(a)は実施例1に係るプリンタの外観斜視図、(b) はプリンタの画像形成部の現像装置及びトナー供給部のリザーブタンクとトナーカートリッジを分かりやすくそれぞれ1個のみ取り上げて転写ベルトと共に模式的に示す斜視図である。
【図3】(a),(b)は実施例1に係るプリンタの転写ベルトユニット取り出し時における落下防止機構を取り付ける前の構造を示す図である。
【図4】(a),(b)は実施例1に係るプリンタの転写ベルトユニットの取り出し時における落下防止機構とその動作状態を示す図、(c)は(b)の部分拡大斜視図である。
【図5】(a)は図4(c)の状態における全体図、(b)は落下防止機構を使用して転写ベルトユニットを取り出す状態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。尚、以下の実施例では、トナーとキャリアから成る二成分現像剤が使用されるが、以下の説明では二成分現像剤を単に現像剤又はトナーという。
【実施例1】
【0019】
図1は、本発明の実施例1に係るフルカラーの画像形成装置(以下、単にプリンタという)の内部構成を説明する断面図である。
【0020】
図1に示すプリンタ1は、電子写真式で二次転写方式のタンデム型のカラー画像形成装置であり、画像形成部2、転写ベルトユニット3、トナー供給部4、給紙部5、ベルト式定着ユニット6、及び両面印刷用搬送ユニット7で構成されている。
【0021】
上記画像形成部2は、転写ベルトユニット3の転写ベルト8の下部走行部表面8aに接して同図の右から左へ4個の現像装置9(9k、9c、9m、9y)を多段式に並設した構成からなる。この画像形成部2は、図1に示す印刷実行時位置から、それより下方の保守位置に、昇降可能にプリンタ1本体のフレームに保持されている。
【0022】
上記4個の現像装置9のうち上流側(図の左側)の3個の現像装置9c、9m及び9yは、それぞれ減法混色の三原色であるシアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)の色トナーによるモノカラー画像を形成し、現像装置9kは、主として文字や画像の暗黒部分等に用いられるブラック(K)トナーによるモノクロ画像を形成する。
【0023】
上記の各現像装置9は、画像を現像するトナーの色を除き全て同じ構成である。したがって、以下イエロー(Y)のトナー用の現像装置9yを例にしてその構成を説明する。
【0024】
現像装置9は、最上部に感光体ドラム10を備えている。この感光体ドラム10は、その周面が例えば有機光導電性材料で構成されている。この感光体ドラム10の周面近傍を取り巻いて、クリーナ11、帯電ローラ12、光書込ヘッド13、及び現像器14の現像ローラ15が配置されている。
【0025】
現像器14は、外部を覆う筐体16、内部に設けられた隔壁17、現像ローラ15、第1の攪拌搬送スクリュー18、及び第2の攪拌搬送スクリュー19を備えている。第1及び第2の攪拌搬送スクリュー18及び19は、特には図示しないが、スクリュー軸と、このスクリュー軸と一体に構成されて回転するフィンから成る。
【0026】
この現像器14には、トナー供給部4のリザーブタンク27(27k、27c、27m、27y)から、同図にはK、C、M、Yで示すようにブラック(K)、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)のいずれかのトナーが供給される。
【0027】
転写ベルトユニット3は、本体装置のほぼ中央で図の左右方向に扁平なループ状になって延在する無端状の上述した転写ベルト8と、この転写ベルト8を掛け渡されて転写ベルト8を図の矢印aで示す反時計回り方向に循環移動させる駆動ローラ21と従動ローラ22を備えている。
【0028】
上記の転写ベルト8には、一次転写ローラ20がユニットと一体に組み込まれている。一次転写ローラ20は転写ベルト8を介して感光体ドラム10に圧接し、下方を循環移動するベルト表面にトナー像を直接転写(一次転写)する。転写ベルト8は、そのトナー像を更に用紙に転写(二次転写)すべく用紙への二次転写部23まで搬送する。
【0029】
転写ベルト8には、ベルトクリーナ24が配置されている。ベルトクリーナ24は、転写ベルト8の駆動ローラ21に掛け渡されている表面に当接するクリーニングブレード25を備えている。また、ベルトクリーナ24の下方には廃トナー回収容器26が着脱自在に配置されている。
【0030】
ベルトクリーナ24は、クリーニングブレード25により転写ベルト8の表面に残留する廃トナーを擦り取って除去し、その廃トナーを搬送スクリューにより下方の廃トナー回収容器26に送り込んでいる。
【0031】
トナー供給部4は、転写ベルト8の上部走行部の上方に配置されている4個のリザーブタンク27(27k、27c、27m、27y)と、これらのリザーブタンク27の上にそれぞれ着脱自在に配置されたトナー補充用のトナーカートリッジ28(28k、28c、28m、28y)で構成される。
【0032】
4個のトナーカートリッジ28k、28c、28m、28yは、それぞれブラック(K)、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)のトナーを収容し、4個のリザーブタンク27(27k、27c、27m、27y)は、それぞれ上に装着されているトナーカートリッジ28からトナーを補充される。
【0033】
これら4個のリザーブタンク27は、図1では転写ベルトユニット3の向う側に隠れて見えないが、それぞれトナー供給路により対応する現像装置9の現像器14と連結されている。
【0034】
このトナー供給部4は、特には図示しないが、図1に示す印刷実行時位置から、それより上方の保守位置に、昇降可能にプリンタ1本体のフレームに保持されている。
【0035】
このトナー供給部4の左方には、ベルトクリーナ24の左方から駆動ローラ21の上方にかけて2つの電装部30が配設されている。電装部30には、複数の電子部品からなる制御装置が搭載された回路基盤を備えている。
【0036】
給紙部5は、上下2段に配置された2個の給紙カセット29(29a、29b)を備えている。2個の給紙カセット29の給紙口(図の右方)近傍には、それぞれ用紙取出ローラ31、給送ローラ32、捌きローラ33、待機搬送ローラ対34が配置されている。
【0037】
待機搬送ローラ対34の用紙搬送方向(図の鉛直上方向)には、転写ベルト8を介して従動ローラ22に圧接する二次転写ローラ35が配設されて、前述した用紙への二次転写部23を形成している。
【0038】
この二次転写部の下流(図では上方)側にはベルト式熱定着ユニット6が配置されている。ベルト式熱定着ユニット6の更に下流側には、定着後の用紙をベルト式熱定着ユニット6から搬出する搬出ローラ対36、及びその搬出される用紙を装置上面に形成されている排紙トレー37に排紙する排紙ローラ対38が配設されている。
【0039】
両面印刷用搬送ユニット7は、外面(図の右方外側面)がプリンタ1の内部を側面から外部に開放又は遮蔽する開閉部材を兼ねている。
【0040】
この両面印刷用搬送ユニット7は、排紙ローラ対38の直前から図の右横方向に分岐する開始返送路39a、それから下方に曲がる中間返送路39b、更に上記とは反対の左横方向に曲がって最終的に返送用紙を反転させる終端返送路39cから成る返送路39を備えている。
【0041】
また、返送路39の途中には、5組の返送ローラ対41(41a、41b、41c、41d、41e)が配置されている。上記終端返送路39cの出口は、給紙部5の下方の給紙カセット29bに対応する待機搬送ローラ対34への搬送路に合流している。
【0042】
図2(a)は、上記のプリンタ1の外観斜視図、図2(b)は画像形成部2の現像装置9及びトナー供給部4のリザーブタンク27とトナーカートリッジ28を、分かりやすくそれぞれ1個のみ取り上げ、転写ベルト8と共に模式的に示す斜視図である。尚、図2(a),(b) には図1と同一の構成部分には図1と同一の番号を付与して示している。
【0043】
図2(a) に示すように、プリンタ1には、前方に前扉42が備えられ、右側面には上部に取っ手43が付いている開閉部材44が備えられている。開閉部材44には図1に示した両面印刷用搬送ユニット7が一体化されている。
【0044】
このプリンタ1は、図1に示したように、用紙に直接トナー像を転写する方式ではなく、待機搬送ローラ対34により二次転写部まで鉛直方向に搬送される用紙に転写ベルト8を介してトナー像を転写する方式となっている。
【0045】
したがって、用紙ジャム等の不具合はキット類の配設部では発生しないので、図1の左側に集中するキット類などの消耗品の着脱の操作は、図2(a)に示す前扉42を開いて、キット類を長手方向(前扉方向)に入れ替え操作するように構成されている。
【0046】
また、このプリンタ1は、同様に二次転写部まで鉛直方向に搬送される用紙に転写ベルト8を介してトナー像を転写し、更に鉛直方向に用紙を搬送して転写トナー像を用紙に定着する方式となっている。
【0047】
したがって、用紙の搬送路に発生する用紙ジャム等の不具合を回復するメンテナンス処理時には、図2(a)に示すように、右側の開閉部材44を開放するのみで対処できるようになっている。
【0048】
図2(b)に示すトナーカートリッジ28は、同図(a)に示すプリンタ1本体に対し前面方向に、すなわち図2(b)の両方向矢印bで示すように、リザーブタンク27に対して着脱自在である。転写ベルトユニット3も同様にプリンタ1本体に対し前面方向に着脱自在である。
【0049】
トナーカートリッジ28とリザーブタンク27の間には、図2(b)では陰になって見えないが、トナーカートリッジ28がリザーブタンク27に装着されたとき、リザーブタンク27と連通して、リザーブタンク27にトナーを補充するためのトナー補充口が形成されている。
【0050】
また、トナーカートリッジ28のスクリュー軸には、外部からカートリッジモータ45が係合し、リザーブタンク27のスクリュー軸には、外部からリザーブタンクモータ46が係合している。トナーカートリッジ28のスクリュー軸とフィンからなるトナー補給機構は、内部のトナーを上記のトナー補充口まで搬送する。
【0051】
リザーブタンク27のスクリュー軸とフィンからなるトナー補給機構は、トナーカートリッジ28からトナー補充口を介して補充されるトナーをリザーブタンク27と現像器14を連結するトナー補給路47の上端開口部まで搬送する。トナー補給路47は、転写ベルトユニット3の後方に回り込んで配置され、現像器14に連結されている。
【0052】
図3(a),(b)は、実施例1に係るプリンタの転写ベルトユニット取り出し時における落下防止機構を取り付けた後の構成と比較するために、落下防止機構取り付け前の構造を示す図である。尚、図3(a),(b) には図1と同一の構成部分には図1と同一の番号を付与して示している。
【0053】
図3(a)に示すように、前扉42を画像形成装置本体40(以下、単に装置本体40という)から開くと、前扉42は水平に開いて位置固定される。転写ベルトユニット3の上方には、4個のトナーカートリッジ28k、28c、28m、28yが交換可能に配置され、その右方にはベルト式定着ユニット6が配置されている。
【0054】
また、転写ベルトユニット3の下方には、4個の現像装置9k、9c、9m、9yがメンテナンスのときには脱抜可能なように配置されている。転写ベルトユニット3のフレーム前部には取っ手48が形成されている。
【0055】
図3(b)は、転写ベルトユニット3の取っ手48に手を掛けて、転写ベルトユニット3の下面両側端部を案内兼支持レール49に摺接させて手前に引き出した状態を示している。取っ手は転写ベルトユニット3の後端にもあるが、転写ベルトユニット3を本体装置前面ぎりぎりまで引き出してから、僅かの隙間から手を差し入れないと手に持つことが出来ない。
【0056】
このままでは、転写ベルトユニット3の取り扱いが極めて不安定であり、往々にして、後端部が案内兼支持レール49から外れて前扉42の後方に落下して、前扉42のヒンジや、転写ベルトユニット3そのものが破損する。
【0057】
図4(a),(b)は、実施例1に係るプリンタ1の転写ベルトユニット3の取り出し時における落下防止機構とその動作状態を示す図、(c)は(b)の拡大斜視図である。尚、図4(a),(b),(c)には、図3(a),(b)と同一の構成部分には図3(a),(b)と同一の番号を付与して示している。
【0058】
図4(a)に示すように、本例の落下防止機構では、先ず、内部保護用の開閉部材としての前扉42が閉じているとき、案内兼支持レール49の外側端部にヒンジ51により一端を連結され、他端を上に向けて立設する第1の棒状部材52が設けられる。
【0059】
そして、第1の棒状部材52の他端に、ヒンジ53により上端を連結され、下端を前扉42の側部近傍にヒンジ54により連結された第2の棒状部材55が設けられている。
【0060】
尚、図4(a)には、案内兼支持レール49及びこれに連結されるヒンジや棒状部材を実線で示しているが、実際には装置本体40や前扉42の側壁内側に在って目には見えない。したがって、本来は仮想線で透視的に示すべきところ、判りにくいので実線で示している。
【0061】
この構成において、図4(b)に示すように、前扉42が、図3(a),(b)のときと同様に水平に開かれると、第1の棒状部材52は、案内兼支持レール49の延長方向に水平に倒れて、案内兼支持レール49の延長部を形成する。
【0062】
そして、第2の棒状部材55は、下端を前扉42の側部近傍に支持されるとともに、上端により第1の棒状部材52の水平に倒れているときの前端部となる他端を支持するように態様を変化させる。
【0063】
尚、図4(c)の部分拡大斜視図には、案内兼支持レール49と第1の棒状部材52との連結状態を明示するために、転写ベルトユニット3の図示を省略している。
【0064】
図5(a)は、図4(c)の部分斜視図を全体斜視図として示したものである。図5(a)も案内兼支持レール49と第1の棒状部材52との連結状態を明示するために、転写ベルトユニット3の図示を省略している。図5(b)は転写ベルトユニット3を引き出した状態を示す図である。
【0065】
このように、内部ユニットとしての転写ベルトユニット3をメンテナンスするに際し、開閉部材としての前扉42を開成し、転写ベルトユニット3の両側端部を案内兼支持レール49に摺接させながら、転写ベルトユニット3を外部に引き出すようにする。
【0066】
この落下防止機構の構成により、転写ベルトユニット3を後端部が外部に出てもユニット両側端部が案内兼支持レール49の延長部としての第1の棒状部材52上に載っているので、転写ベルトユニット3を後端部が落下することがない。
【0067】
これにより、取っ手48を掴んで転写ベルトユニット3を十分に手前に引き出すことができ、余裕を持って転写ベルトユニット3の後端部の取っ手を掴むことができるので、プリンタ1本体への転写ベルトユニット3の着脱を、安全且つ容易に行うことができるようになる。
【0068】
以上、本発明の実施形態を説明したが、本発明は特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。以下に、本願出願の当初の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
[付記1]
【0069】
内部ユニットをメンテナンスするに際し、内部保護用の開閉部材を開成して前記内部ユニットの両側端部を支持レールに摺接させながら前記内部ユニットを外部に引き出すように構成された画像形成装置において、
前記支持レールの外側端部にヒンジにて一端を連結され前記開閉部材が閉成しているとき他端を上に向けて立設する第1の棒状部材と、
該第1の棒状部材の前記他端にヒンジにて上端を連結され、下端を前記開閉部材の側部近傍にヒンジにて連結された第2の棒状部材と、
を有し、
前記開閉部材が開成したとき、
前記第1の棒状部材は、前記支持レールの延長方向に水平に倒れて、前記支持レールの延長部を形成し、
前記第2の棒状部材は、前記下端を前記開閉部材の側部近傍に支持されるとともに、前記上端にて前記第1の棒状部材の水平に倒れているときの前端部となる前記他端を支持する、
ことを特徴とする画像形成装置。
[付記2]
【0070】
前記開閉部材は前扉であり、前記内部ユニットは転写ベルトユニットである、ことを特徴とする付記1記載の画像形成装置。
【産業上の利用可能性】
【0071】
本発明は、転写ベルトユニットを画像形成装置本体に対し安全且つ容易に着脱可能にした落下防止機構を備えた画像形成装置に利用することができる。
【符号の説明】
【0072】
1 フルカラー画像形成装置(プリンタ)
2 画像形成部
3 転写ベルトユニット
4 トナー供給部
5 給紙部
6 ベルト式定着ユニット
7 両面印刷用搬送ユニット
8 転写ベルト
8a 下部走行部表面
9(9m、9c、9y、9k) 現像装置
9r、9r−1、9r−2 特殊トナー用予備現像装置
10 感光体ドラム
11 クリーナ
12 帯電ローラ
13 光書込ヘッド
14 現像器
15 現像ローラ
16 筐体
17 隔壁
15 現像ローラ
18 第1の攪拌搬送スクリュー
19 第2の攪拌搬送スクリュー
20 一次転写ローラ
21 駆動ローラ
22 従動ローラ
23 二次転写部
24 ベルトクリーナ
25 クリーニングブレード
26 廃トナー回収容器
27(27m、27c、27y、27k) リザーブタンク
28(28m、28c、28y、28k) トナーカートリッジ
29(29a、29b) 給紙カセット
30 電装部
31 用紙取出ローラ
32 給送ローラ
33 捌きローラ
34 待機搬送ローラ対
35 二次転写ローラ
36 搬出ローラ対
37 排紙トレー
38 排紙ローラ対
39 返送路
39a 開始返送路
39b 中間返送路
39c 終端返送路
40 画像形成装置本体(装置本体)
41(41a、41b、41c、41d、41e) 返送ローラ対
42 前扉
43 取っ手
44 開閉部材
45 カートリッジモータ
46 リザーブタンクモータ
47 トナー補給路
48 取っ手
49 案内兼支持レール

【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部ユニットをメンテナンスするに際し、内部保護用の開閉部材を開成して前記内部ユニットの両側端部を案内兼支持レールに摺接させながら前記内部ユニットを外部に引き出すように構成された画像形成装置において、
前記案内兼支持レールの外側端部にヒンジにて一端を連結され、前記開閉部材が閉成しているとき、他端を上に向けて立設する第1の棒状部材と、
該第1の棒状部材の前記他端にヒンジにて上端を連結され、下端を前記開閉部材の側部近傍にヒンジにて連結された第2の棒状部材と、
を有し、
前記開閉部材が開成したとき、
前記第1の棒状部材は、前記案内兼支持レールの延長方向に水平に倒れて、前記案内兼支持レールの延長部を形成し、
前記第2の棒状部材は、前記下端を前記開閉部材の側部近傍に支持されるとともに、前記上端にて前記第1の棒状部材の水平に倒れているときの前端部となる前記他端を支持する、
ことを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記開閉部材は前扉であり、前記内部ユニットは転写ベルトユニットである、ことを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2012−185192(P2012−185192A)
【公開日】平成24年9月27日(2012.9.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−46143(P2011−46143)
【出願日】平成23年3月3日(2011.3.3)
【出願人】(000104124)カシオ電子工業株式会社 (601)
【出願人】(000001443)カシオ計算機株式会社 (8,748)
【Fターム(参考)】