説明

画像形成装置

【課題】LEDヘッドの露光面とは反対側からプロセスカートリッジを挿入する構成において、プロセスカートリッジの装着を容易にすることを目的とする。
【解決手段】画像形成装置(カラープリンタ1)は、感光体ドラム42Aと現像器42Bを有するプロセスカートリッジ42と、感光体ドラム42Aに静電潜像を形成する露光部材(LEDユニット41)と、露光部材を支持するとともに、プロセスカートリッジ42を着脱可能に支持する一対の支持部材(ドロワ60の側壁61)とを備える。各支持部材には、プロセスカートリッジ42を軸支する軸支部611Aが設けられ、プロセスカートリッジ42は、支持部材に装着されるときに、軸支部611Aを中心として回動することで、感光体ドラム42Aが露光部材の露光面411Aに対向する位置に回り込むように構成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プロセスカートリッジを備える画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、感光体ドラムを有するプロセスカートリッジを着脱可能に支持する筐体と、筐体の上部に形成される開口部を開閉するトップカバーと、トップカバーに支持されるとともに感光体ドラムを露光するLEDヘッドとを備える画像形成装置が知られている(特許文献1参照)。この画像形成装置では、トップカバーを開放することで、プロセスカートリッジからLEDヘッドを退避させることができるので、この状態で、プロセスカートリッジを容易に交換可能となっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007−65125号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、本願発明者は、LEDヘッドをトップカバーに設けずに筐体に支持させたままの状態で、上方からプロセスカートリッジが交換可能となるような構造を検討している。しかしながら、この場合、LEDヘッドの露光面とは反対側(上方)からプロセスカートリッジを挿入していき、感光体ドラムを露光面の下方に回し込まなければならず、装着が難しくなるおそれがあった。
【0005】
そこで、本発明は、LEDヘッド(露光部材)の露光面とは反対側からプロセスカートリッジを挿入する構成において、プロセスカートリッジの装着を容易にすることができる画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記課題を解決する本発明は、静電潜像が形成される感光体ドラムと、前記感光体ドラムに現像剤を供給する現像器とを有するプロセスカートリッジと、前記感光体ドラムに対向する露光面を有し、当該感光体ドラムに静電潜像を形成する露光部材と、前記露光部材を支持するとともに、前記プロセスカートリッジを着脱可能に支持する一対の支持部材と、を備え、前記支持部材に対して前記露光部材の前記露光面とは反対側から前記プロセスカートリッジが装着可能な画像形成装置であって、前記各支持部材には、前記プロセスカートリッジを軸支する軸支部が設けられ、前記プロセスカートリッジは、前記支持部材に装着されるときに、前記軸支部を中心として回動することで、前記感光体ドラムが前記露光部材の露光面に対向する位置に回り込むように構成されていることを特徴とする。
【0007】
ここで、「軸支」とは、軸を軸受で支持すること、もしくは、軸受を軸で支持することを意味する。
【0008】
本発明によれば、プロセスカートリッジが軸支部を中心にスムーズに回動して、感光体ドラムが露光面に対向する位置に回り込むので、プロセスカートリッジの装着を容易にすることができる。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、露光部材の露光面とは反対側からプロセスカートリッジを挿入する構成において、プロセスカートリッジの装着を容易にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の実施形態に係る画像形成装置の一例としてのカラープリンタを示す図である。
【図2】LEDユニットと感光体ドラムを示す断面図である。
【図3】装置本体からドロワを引き出した状態を示す図である。
【図4】感光体ドラムの回転軸を逃げ溝に挿入した状態を示す図(a)と、プロセスカートリッジの回動軸を軸受部に挿入した状態を示す図(b)と、プロセスカートリッジを露光位置まで回動させた状態を示す図(c)である。
【図5】プロセスカートリッジをドロワに装着したときのプロセスカートリッジとLEDユニットを示す斜視図である。
【図6】プロセスカートリッジおよびドロワの変形例を示す図である。
【図7】図6のプロセスカートリッジを退避位置まで回動させた状態を示す図である。
【図8】図7のプロセスカートリッジをドロワから外した状態を示す図である。
【図9】プロセスカートリッジと軸支部の間に揺動部材を設けた変形例を示す図である。
【図10】図9のプロセスカートリッジを退避位置まで回動させた状態を示す図である。
【図11】図10のプロセスカートリッジを揺動部材から外した状態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
次に、本発明の実施形態について、適宜図面を参照しながら詳細に説明する。なお、以下の説明では、まず、本実施形態に係る画像形成装置(カラープリンタ1)の概略構成について説明した後、本発明の特徴部分について説明する。
【0012】
また、以下の説明において、方向は、カラープリンタ1を使用するユーザを基準にした方向で説明する。すなわち、図1における左側を「前(手前)」、右側を「後(奥)」とし、手前側を「右」、奥側を「左」とする。また、図1における上下方向を「上下」とする。
【0013】
<カラープリンタの概略構成>
図1に示すように、画像形成装置の一例としてのカラープリンタ1は、装置本体2内に、給紙部3と、画像形成部4と、排出部5とを主に備えている。
【0014】
給紙部3は、装置本体2内の下部に設けられ、給紙トレイ31と、用紙押圧板32と、給紙機構33とを主に備えている。給紙トレイ31に収容された用紙Sは、用紙押圧板32によって上方に寄せられ、給紙機構33によって画像形成部4に供給される。詳しくは、給紙トレイ31に積載された用紙は、Uターンした後に、装置本体2の前側から後側に向かって画像形成部4に搬送される。
【0015】
画像形成部4は、露光部材の一例としての4つのLEDユニット41と、4つのプロセスカートリッジ42と、転写ユニット43と、定着器44とを主に備えている。なお、4つのLEDユニット41と4つのプロセスカートリッジ42は、後で詳述する感光体ドラム保持体の一例としてのドロワ60に支持されている。
【0016】
LEDユニット41は、図2に示すように、複数のLEDを有するLEDヘッド411と、LEDヘッド411を支持する支持フレーム412と、支持フレーム412をコイルバネ413を介して支持する基部414とを備えている。LEDヘッド411は、感光体ドラム42Aに対向する露光面411Aを有し、コイルバネ413によって支持フレーム412を介して感光体ドラム42A側に付勢されている。
【0017】
詳しく述べると、支持フレーム412は、図1に示すように左右方向から見たときは、前後方向の長さよりも、上下方向の方が長い略長方形で構成されている。また、支持フレーム412は、図1及び図2に示すように、前後方向の長さよりも左右方向の長さの方が長くなるように構成されている。また、基部414及びLEDヘッド411も、左右方向に長手方向を持つ形状になっている。
【0018】
支持フレーム412の左右下端部には、ガイドローラ412Aが回転可能に設けられており、このガイドローラ412Aは、コイルバネ413の付勢力によって感光体ドラム42Aに接触している。これにより、LEDヘッド411の露光面411Aと感光体ドラム42Aとの間隔が所定の間隔に保持されている。
【0019】
プロセスカートリッジ42は、前後方向に並んで配置され、感光体ドラム42Aと、感光体ドラム42Aに現像剤の一例としてのトナーを供給する現像器42Bとを備えている。現像器42Bは、現像ローラB1と、供給ローラB2と、層厚規制ブレードB3と、トナーを収容するトナー収容部B4とを備えている。各プロセスカートリッジ42は、トナー収容部B4内に収容されるトナーの色が相違するのみであり、構成は略同一である。
【0020】
詳しく述べると、プロセスカートリッジ42のトナー収容部B4は、LEDユニット41と水平方向に重なる位置において、LEDユニット41の前側に配置されており、上下方向において、LEDユニット41よりも高い位置まで設けられている。また、トナー収容部B4の下方には、供給ローラB2が設けられ、供給ローラB2よりも下方、かつ後方に現像ローラB1が配置され、さらに、その現像ローラB1よりも下方、かつ後方に感光体ドラム42Aが配置されている。プロセスカートリッジ42の前側の形状は、トナー収容部B4、現像ローラB1、供給ローラB2及び感光ドラム42Aに沿うように、前側から後側に向かってカーブするような形状になっている。詳しくは、プロセスカートリッジ42の前側の形状は、上方から下方に向かうに従って、曲率が大きくなるような湾曲形状で構成されている。
【0021】
また、プロセスカートリッジ42を支持するドロワ60(詳しくは後述する支持部材の一例としての側壁61)には、感光体ドラム42Aを帯電させる帯電器60Aと、感光体ドラム42Aに接触して当該感光体ドラム42A上の異物(トナーや紙粉等)を除去するクリーニング部材の一例としてのクリーニングローラ60Bが設けられている。
【0022】
詳しく述べると、帯電器60A及びクリーニングローラ60Bは、感光体ドラム42Aを介して、現像ローラB1及び供給ローラB2等と反対側に設けられている。つまり、感光体ドラム42Aの転写ポイントTP(詳しくは後述する)よりも下流側において、感光ドラム42Aの回転方向上流側から順に、クリーニングローラ60B、帯電器60A、さらに、LEDユニット41の順で配置されている。
【0023】
転写ユニット43は、給紙トレイ31とプロセスカートリッジ42の間に設けられ、駆動ローラ43Aと従動ローラ43Bの間で張設された無端状の搬送ベルト43Cと、4つの転写ローラ43Dとを主に備えている。搬送ベルト43Cは、外側の面が各感光体ドラム42Aに接しており、その内側には各転写ローラ43Dが各感光体ドラム42Aとの間で搬送ベルト43Cを挟持するように配置されている。
【0024】
定着器44は、トナー像が転写された用紙Sを加熱定着する装置であり、プロセスカートリッジ42の後方に設けられている。この定着器44は、円筒状の加熱ローラ44Aと、加熱ローラ44Aと対向配置されて加熱ローラ44Aを押圧する加圧ローラ44Bと、加熱ローラ44Aの内部に配置されて加熱ローラ44Aを加熱するヒータHとを主に備えている。
【0025】
画像形成部4では、感光体ドラム42Aの表面が、帯電器60Aにより一様に帯電された後、LEDユニット41で露光されることで、感光体ドラム42A上に画像データに基づく静電潜像が形成される。また、トナー収容部B4内のトナーは、供給ローラB2を介して現像ローラB1に供給され、現像ローラB1と層厚規制ブレードB3の間に進入して一定厚さの薄層として現像ローラB1上に担持される。
【0026】
そして、現像ローラB1上に担持されたトナーが、静電潜像が形成された感光体ドラム42Aに供給されることで、静電潜像が可視像化され、感光体ドラム42A上にトナー像が形成される。その後、給紙部3から供給された用紙Sが、感光体ドラム42Aと搬送ベルト43C(転写ローラ43D)の間を搬送されることで、各感光体ドラム42A上に形成されたトナー像が用紙S上に順次重ね合わせて転写される。
【0027】
トナー像が転写された用紙Sは、加熱ローラ44Aと加圧ローラ44Bの間を搬送されることでトナー像が加熱定着される。以上のようにして、用紙S上に画像を形成することができる。画像が形成された用紙Sは、搬出ローラ45によって定着器44(画像形成部4)から排出経路51に搬出される。
【0028】
排出部5は、排出経路51と、排出ローラ52とを主に備えている。トナー像が転写され、加熱定着された用紙Sは、排出経路51を通った後、排出ローラ52によって、装置本体2の後側から前側に向かって、装置本体2外の排紙トレイ22上に載置される。また、一方の面に画像が形成された用紙Sの他方の面に画像を形成する場合には、用紙Sの全体が装置本体2の外部に完全に排出される前に排出ローラ52が逆回転することで、用紙Sは再度装置本体2内に引き戻され、図に破線で示すように、装置本体2の下側を通って再び画像形成部4に搬送される。
【0029】
<プロセスカートリッジ42およびドロワ60の詳細構造>
次に、プロセスカートリッジ42およびドロワ60の構造を詳細に説明する。
図3に示すように、プロセスカートリッジ42は、上側が開放された略直方体形状のドロワ60に着脱可能に支持されており、ドロワ60に対して上側(LEDユニット41の露光面411Aとは反対側)から装着可能となっている。言い換えると、LEDユニット41は、プロセスカートリッジ42の着脱方向から露光面411Aが見えないように、当該露光面411Aを下に向けて配置されている。そして、プロセスカートリッジ42の後側上部には、左右方向外側にそれぞれ突出する回動軸421が設けられている。
【0030】
ドロワ60は、装置本体2に前後方向に移動可能に支持されており、装置本体2の前側に設けられたフロントカバー23を開放することによって形成される開口部24を通して外側に引き出すことが可能となっている。ドロワ60は、一対の支持部材の一例としての左右一対の側壁61と、側壁61の前後を繋ぐ前後壁(符号略)とを備え、一対の側壁61の間で、プロセスカートリッジ42を着脱可能に支持するとともに、LEDユニット41(基部414)を支持している。なお、図3において、ドロワ60は装置本体2から離間しているが、装置本体2から離間しない構成でもよい。
【0031】
各側壁61には、プロセスカートリッジ42の回動軸421を軸支する軸受溝611と、感光体ドラム42Aの回転軸A1の移動を許容するための逃げ溝612とが形成されている。
【0032】
軸受溝611は、側壁61の上端からLEDユニット41の上側まで延びるU字上の溝であり、その上部が上方に向かうにつれて徐々に広がるように形成されることで、プロセスカートリッジ42の回動軸421が軸受溝611の下端部にある軸支部611Aに案内されるようになっている。そして、軸支部611Aは、半円状に形成されており、回動軸421を回動可能に支持する。
【0033】
プロセスカートリッジ42の回動軸421は、現像器42のトナー収容部B4と水平方向に重なる位置において、トナー収容部B4よりも後側寄りに配置されており、上下方向において、現像器42の高さ範囲内に配置されている。
【0034】
逃げ溝612は、感光体ドラム42Aの回転軸A1の直径よりも大きな幅を有する溝であり、側壁61の上端から下端付近まで延びた後、後方に折れ曲がる略J字状に形成されている。そして、逃げ溝612の後方に折れ曲がる部分(以下、円弧状部分612Aともいう。)は、軸支部611Aを中心とする円弧状に形成され、その後端部612Bが回転軸A1の直径よりも僅かに小さい幅に形成されている。
【0035】
これにより、プロセスカートリッジ42を各側壁61に装着する場合において、図4(a),(b)に示すように、回転軸A1と回動軸421を逃げ溝612と軸受溝611に挿入していくと、回動軸421が軸支部611Aに当接したときに、回転軸A1が逃げ溝612の円弧状部分612Aの上端付近で止まる。この位置でプロセスカートリッジ42を回動軸421を中心として反時計周りに回動させると、図4(c)に示すように、感光体ドラム42AがLEDユニット41の露光面411Aに対向する位置に回り込む。そして、感光体ドラム42AがLEDユニット41の露光面411Aに対向する位置に回り込んだ際には、回転軸A1が逃げ溝612の幅狭の後端部612Bで挟まれることで感光体ドラム42Aが側壁61に対して位置決めされるようになっている。
【0036】
言い換えると、プロセスカートリッジ42は、感光体ドラム42AがLEDユニット41で露光される露光位置(後端部612Bで挟持される位置)と、感光体ドラム42AがLEDユニット41から退避する退避位置(円弧状部分612Aの上端の位置)との間で回動可能となっている。
【0037】
また、軸支部611Aは、LEDユニット41から出射する光の光軸L1上に配置されている。これにより、LEDユニット41の露光面411Aに対して略平行に感光体ドラム42Aを移動させることができるので、露光面411Aと感光体ドラム42Aとの干渉を効果的に抑えることが可能となっている。
【0038】
なお、軸支部611Aは、光軸L1上に限らず、LEDユニット41を挟んで感光体ドラム42Aとは反対側の位置であって、光軸L1と、感光体ドラム42Aの中心CPと当該感光体ドラム42Aの転写ポイントTPを通る直線L2との間に設けられていてもよい。この場合でも、露光面411Aに対して略平行に感光体ドラム42Aを移動させることができるので、露光面411Aと感光体ドラム42Aとの干渉を抑えることができる。
【0039】
ここで、「転写ポイント」とは、感光体ドラムから転写媒体(記録シートまたは中間転写ベルトなど)にトナー像を転写するポイントであり、具体的には感光体ドラムと転写媒体との接点をいう。なお、本実施形態では、転写ポイントTPは、感光体ドラム42Aと用紙Sとの接点(言い換えると用紙Sを搬送する搬送ベルト43Cとの接点)をいう。
【0040】
また、プロセスカートリッジ42には、図5に示すように、LEDユニット41の支持フレーム412に当接することで、装着時に、LEDユニット41を感光体ドラム42Aから離すように押し上げる押圧突起422が形成されている。これにより、軸支部611Aを中心にしてプロセスカートリッジ42を回動させたときに、押圧突起422でLEDユニット41が上方に押されて、露光面411Aが感光体ドラム42Aから退避するので、露光面411Aと感光体ドラム42Aとの干渉をより抑えることが可能となっている。
【0041】
以上によれば、本実施形態において以下のような効果を得ることができる。
プロセスカートリッジ42が軸支部611Aを中心にスムーズに回動するので、プロセスカートリッジ42が装着時にガタつくのを抑え、プロセスカートリッジ42の装着を容易にすることができる。
【0042】
なお、LEDユニット41の露光面411Aとは反対側からプロセスカートリッジ42を装着する他の構成としては、例えばプロセスカートリッジから左右方向外側に突出した軸を、筐体の左右の側壁に設けた長い円弧状のガイド溝に沿って移動させることで、感光体ドラムを露光面の下方に回し込ませる構造などが考えられる。しかしながら、この構造では、左右のガイド溝にプロセスカートリッジの軸を左右均等に入れていく(左右に傾かずに入れていく)のが難しく、プロセスカートリッジがガタついて途中で引っ掛かる可能性がある。このような構造に対して、本実施形態のような構造であると、プロセスカートリッジ42が軸支部611Aを中心にスムーズに回動するので、プロセスカートリッジ42が途中で引っ掛かることがなく、装着を容易にすることができる。
【0043】
軸支部611Aが、LEDユニット41を挟んで感光体ドラム42Aとは反対側であって、光軸L1と直線L2との間に設けられることで、露光面411Aに対して略平行に感光体ドラム42Aを移動させることができるので、露光面411Aと感光体ドラム42Aとの干渉を抑えることができる。
【0044】
さらに、プロセスカートリッジ42の装着時において、感光ドラム42Aに対して、ガイドローラ412Aが左右同時に当接するので、ガイドローラ42の破損を防止することが可能となる。
【0045】
特に、本実施形態では、軸支部611Aが光軸L1上に配置されることで、露光面411Aに対して感光体ドラム42Aをより平行に移動させることができるので、露光面411Aと感光体ドラム42Aとの干渉をより抑えることができる。
【0046】
寿命が長い帯電器60Aおよびクリーニングローラ60Bをプロセスカートリッジ42に設けずにドロワ60に設けたので、帯電器60Aやクリーニングローラ60Bを無駄に交換するのを防止することができるとともに、プロセスカートリッジ42を軽量化することができる。
【0047】
装置本体2に対して移動可能なドロワ60にプロセスカートリッジ42とLEDユニット41を設けることで、装置本体2外にドロワ60を引き出した状態でプロセスカートリッジ42を交換することができる。そのため、プロセスカートリッジ42を軸支部611Aを中心にして回動させながら着脱する場合に、プロセスカートリッジ42と搬送ベルト43Cとの干渉を確実に防止することができる。
【0048】
なお、本発明は前記実施形態に限定されることなく、以下に例示するように様々な形態で利用できる。以下の説明においては、前記実施形態と略同様の構造となる部材には同一の符号を付し、その説明は省略する。
【0049】
前記実施形態では、プロセスカートリッジ42の回動軸421を軸支部611Aに案内するための溝(軸受溝611)や感光体ドラム42Aの回転軸A1の移動を許容するための逃げ溝612を形成したが、本発明はこれに限定されず、図6〜図8に示すように、軸支部63のみをドロワ60に設けてもよい。この場合には、前記実施形態のように溝に沿ってプロセスカートリッジ42を下方に挿入していく必要がなく、単に回動軸421を軸支部63に当接させるだけで安定した回動軌跡でプロセスカートリッジ42を装着することができるので、プロセスカートリッジ42の着脱作業をより容易にすることができる。
【0050】
なお、図では、軸支部63をLEDユニット41に形成しているが、LEDユニットとは別の部材として軸支部を設けてもよい。
【0051】
前記実施形態では、軸支部611Aで支持される回動軸421をプロセスカートリッジ42に設けたが、本発明はこれに限定されず、プロセスカートリッジが軸支部を中心として回動可能となっていればよい。例えば、図9〜図11に示すように、ドロワ60の側壁61に形成した孔状の軸支部64によって、プロセスカートリッジ42とは別の揺動部材70(詳しくは揺動部材70に設けた回動軸71)を軸支し、この揺動部材70に対してプロセスカートリッジ42が着脱可能となっていてもよい。
【0052】
この場合であっても、軸支部64が、揺動部材70を介してプロセスカートリッジ42を回動可能に軸支するので、プロセスカートリッジ42を軸支部64を中心としてスムーズに回動させることができる。
【0053】
前記実施形態では、支持部材としてドロワ60の側壁61を例示したが、本発明はこれに限定されず、例えば装置本体の側壁を支持部材としてもよい。すなわち、図1に示すドロワ60をなくして、装置本体2の左右の側壁で各プロセスカートリッジ42を着脱可能に支持してもよい。なお、この場合には、回動するプロセスカートリッジ42が搬送ベルト43Cに干渉するおそれがあるが、軸支部611Aを光軸L1と直線L2との間に配置することで、プロセスカートリッジ42と搬送ベルト43Cとの干渉を抑えることができる。
【0054】
前記実施形態では、露光部材としてLEDユニット41を例示したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、EL(エレクトロ・ルミネッセンス)素子、蛍光体などの発光素子を多数配列し、これら発光素子を画像データに応じて選択的に発光させるものであってもよい。あるいは、1つの光源に対して、液晶素子、PLZTなどからなる光シャッタを多数配列し、これら光シャッタの開閉時間を画像データに応じて選択的に制御することにより、光源からの光を制御するものなどを採用してもよい。
【0055】
前記実施形態では、クリーニング部材としてクリーニングローラ60Bを例示したが、本発明はこれに限定されず、例えば感光体ドラムに接触する板状のクリーニングブレードであってもよい。
【0056】
前記実施形態では、カラープリンタ1に本発明を適用したが、本発明はこれに限定されず、その他の画像形成装置、例えば複写機や複合機などに本発明を適用してもよい。
前記実施形態では、記録シートの一例として、厚紙、はがき、薄紙などの用紙Sを採用したが、本発明はこれに限定されず、例えばOHPシートであってもよい。
【0057】
前記実施形態では、ドロワ60に、帯電器60A及びクリーニングローラ60Bが設けられているが、本発明はこれに限らず、例えば、帯電器60A及びクリーニングローラ60Bはプロセスカートリッジ42に設けられていてもよい。
【符号の説明】
【0058】
1 カラープリンタ
2 装置本体
41 LEDユニット
42 プロセスカートリッジ
42A 感光体ドラム
42B 現像器
60 ドロワ
61 側壁
411 LEDヘッド
411A 露光面
421 回動軸
611 軸受溝
611A 軸支部


【特許請求の範囲】
【請求項1】
静電潜像が形成される感光体ドラムと、前記感光体ドラムに現像剤を供給する現像器とを有するプロセスカートリッジと、
前記感光体ドラムに対向する露光面を有し、当該感光体ドラムに静電潜像を形成する露光部材と、
前記露光部材を支持するとともに、前記プロセスカートリッジを着脱可能に支持する一対の支持部材と、を備え、
前記支持部材に対して前記露光部材の前記露光面とは反対側から前記プロセスカートリッジが装着可能な画像形成装置であって、
前記各支持部材には、前記プロセスカートリッジを軸支する軸支部が設けられ、
前記プロセスカートリッジは、前記支持部材に装着されるときに、前記軸支部を中心として回動することで、前記感光体ドラムが前記露光部材の露光面に対向する位置に回り込むように構成されていることを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記軸支部は、
前記露光部材を挟んで前記感光体ドラムとは反対側の位置であって、
前記露光部材から出射する光の光軸と、前記感光体ドラムの中心と当該感光体ドラムの転写ポイントを通る直線との間に設けられていることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記軸支部は、前記光軸上に配置されていることを特徴とする請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記支持部材には、前記感光体ドラムを帯電させる帯電器が設けられていることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記支持部材には、前記感光体ドラムに接触して当該感光体ドラム上の異物を除去するクリーニング部材が設けられていることを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記プロセスカートリッジおよび前記露光部材は、複数設けられ、
前記支持部材は、前記複数のプロセスカートリッジおよび前記露光部材を支持し、かつ、装置本体に対して移動可能な感光体ドラム保持体であることを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記支持部材には、前記プロセスカートリッジを着脱可能に支持し、かつ、前記軸支部によって軸支される揺動部材が設けられ、
前記軸支部が、前記揺動部材を介して前記プロセスカートリッジを回動可能に軸支することを特徴とする請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載の画像形成装置。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2012−208362(P2012−208362A)
【公開日】平成24年10月25日(2012.10.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−74672(P2011−74672)
【出願日】平成23年3月30日(2011.3.30)
【出願人】(000005267)ブラザー工業株式会社 (13,856)
【Fターム(参考)】