画像形成装置
【課題】濃度調整用のトナーパターン検知手段を利用して、記録媒体や画像面積率等の影響なく、中間転写体の使用状態を常に正確に判定できるようにする。
【解決手段】中間転写べルト10の表面上における、最大幅の用紙PMと接触可能な領域より外側の幅W1の領域又は二次転写ローラ18と接触しない幅W2の領域に濃度調整用のトナーパターン100を形成するようにし、その領域に対向して、トナーパターン100を光学的に検知するトナーパターン検知手段としてフォトサンサ7を配設する。そのフォトサンサ7によるトナーパターン100の光学的検知結果に基づいてトナー濃度を調整する。また、そのフォトサンサ7によって、中間転写ベルト10の表面の幅W1又はW2の領域の表面状態を光学的に検知させ、その検知結果に基づいて中間転写ベルト10の使用状態を判定する。
【解決手段】中間転写べルト10の表面上における、最大幅の用紙PMと接触可能な領域より外側の幅W1の領域又は二次転写ローラ18と接触しない幅W2の領域に濃度調整用のトナーパターン100を形成するようにし、その領域に対向して、トナーパターン100を光学的に検知するトナーパターン検知手段としてフォトサンサ7を配設する。そのフォトサンサ7によるトナーパターン100の光学的検知結果に基づいてトナー濃度を調整する。また、そのフォトサンサ7によって、中間転写ベルト10の表面の幅W1又はW2の領域の表面状態を光学的に検知させ、その検知結果に基づいて中間転写ベルト10の使用状態を判定する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、電子写真方式の複写機、プリンタ、印刷装置、ファクシミリ装置、これらの複数の機能を備えた複合機等の画像形成装置に関し、特に中間転写ベルトや中間転写ドラム等の中間転写体を用いてカラー画像を形成する中間転写方式の画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
このような従来の中間転写方式の画像形成装置は、感光体上に形成される互いに異なる色(例えば、イエロー、シアン、マゼンタ、ブラック)のトナー像を、順次中間転写体の表面上に重ね合わせて一次転写し、その中間転写体上に一次転写されたトナー像を、用紙(転写紙)等の記録媒体上に二次転写してカラー画像を形成する。
【0003】
例えば、静電潜像に応じたトナー像が形成される感光体ドラムと、その感光体ドラム上のトナー像が中間的に転写される中間転写ベルトと、その中間転写ベルトに対して感光体ドラム上のトナー像を転写させる一次転写装置と、中間転写ベルト上に転写されたトナー像を用紙に一括して二次転写させる二次転写装置とを備えた、カラー画像形成装置が知られている。
その中間転写ベルトは多層構造となっており、ベース層を例えば伸びの少ないフッ素樹脂やPVDFシートあるいはポリイミド系樹脂等で作製し、その表面をフッ素系樹脂等の平滑性のよいコート層で被覆している。
【0004】
このような中間転写ベルトを使用する画像形成装置は、一般にタンデム型と称され、中間転写ベルトの表面の移動方向に沿って、所定の間隔で順次各色のトナー像を形成するための感光体ドラムを含む作像ユニットを配設しており、その各感光体ドラム上に順次形成されるトナー像を移動する中間転写ベルトの表面に順次重ねて一次転写した後、そのフルカラーのトナー像を用紙等の記録媒体上に一括して二次転写して、カラー画像を形成する。
【0005】
中間転写体として中間転写ドラムを使用した画像形成装置もある。その場合は、一般に感光体を1個だけ備え、その表面に順次形成される各色用の静電潜像を、現像ユニットが各色のトナーによる現像部を順次切り換えて現像し、その各色毎に現像されたトナー像を中間転写ドラムの表面に順次重ねて一次転写した後、そのフルカラーのトナー像を用紙等の記録媒体上に一括して二次転写して、カラー画像を形成する。
【0006】
このような中間転写方式の画像形成装置においては、画像安定性を確保するために、電源投入時や所定枚数印刷する毎にトナー画像濃度調整を行う必要がある。そのために、中間転写体上に濃度調整用のトナーパターンを形成し、フォトセンサによってその反射光を読み取ることによってトナー濃度を検知し、その検知結果に応じて作像ユニットにおける帯電バイアスや現像バイアスを補正して、トナー濃度を調整する方法が広く行なわれている。
【0007】
このようなトナー濃度調整は、画像出力がない非画像形成時に行なうのが一般的であるが、連続通紙中の濃度変動を検出するために、画像形成時における紙間の期間に濃度調整用のトナーパターンを作成して、トナー濃度調整を行なう方法も知られている。
【0008】
また、中間転写体は使用により表面の経時フィルミングや傷付き等によって劣化するため、その寿命は画像形成装置本体の寿命の数分の一程度である。そのため、画像形成装置本体が寿命に達するまでに、中間転写体を数回交換する必要がある。
そこで、中間転写体の交換時期をユーザに知らせたり、新品に交換された場合には所要のリセットや初期設定などを行えるように、中間転写体の劣化状態や新品交換を自動的に判断できるようにするのが望ましい。
【0009】
そのため、中間転写ベルトの表面が、経時フィルミングや傷付き等によって光沢度が変化することを利用して、トナー濃度検知手段を、中間転写体の使用状態の検知や新品に交換されたか否かの判定に利用する技術が開発されている。例えば、特許文献1や特許文献2、特許文献3等にそのような技術が開示されている。
【0010】
このような技術を採用すれば、中間転写体に、新旧を区別するためのヒューズや寿命情報を記憶させたメモリ等を搭載する必要がなくなる。また、新品検知が困難な中間転写ベルト単独での交換の場合にも対応可能になる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
しかしながら、このような技術を採用した従来の画像形成装置は、中間転写ベルトや中間転写ドラムのような中間転写体の表面上における記録媒体(用紙等)と接触可能な領域、すなわち最大通紙幅内の印刷用の画像形成領域に、濃度調整用のトナーパターンを形成し、それをフォトセンサ等のトナーパターン(トナー濃度)検知手段で検知し、その検知結果に応じてトナー濃度を調整していた。そして、そのトナーパターンを形成する領域の中間転写体の表面の光沢度を同じトナーパターン検知手段で検知して、中間転写体の使用状態や新品か否かの判定を行なっていた。
【0012】
ところが、トナーパターン検知手段の検知結果に影響を与える要因は、様々なものが有り個々の要因を切り分けることが出来ない。例えば、残留トナーが中間転写体の表面にフィルム状に付着して容易に除去できなくなるフィルミング現象が発生する。その要因としても、トナーの種類や画像面積率、記録媒体による紙粉の量や種類、二次転写ローラからのブリードによる染み出し等様々なものがある。それらの各要因が中間転写体の表面の光沢度を増加させたり、減少させたりするため、使用条件によって光沢度変化の推移は異なっており、中間転写体の使用状態(使用枚数)を、一定の光沢度の閾値で正確に判断することは不可能であった。
【0013】
この発明は上記の問題を解決するためになされたものであり、濃度調整用のトナーパターン検知手段を利用しても、記録媒体による紙粉の量や種類の影響や画像面積率の影響などを排除して、中間転写体の使用状態を常に一定の閾値(判定基準値)によって正確に判定できるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
この発明による画像形成装置は、感光体と中間転写体を備え、その感光体上に形成される互いに異なる色のトナー像を、順次上記中間転写体の表面上に重ね合わせて一次転写し、その中間転写体上に一次転写されたトナー像を、二次転写手段によって記録媒体上に二次転写してカラー画像を形成する画像形成装置である。
そして、上記の目的を達成するため、上記中間転写体の表面上における記録媒体と接触可能な領域より外側の領域に濃度調整用のトナーパターンを形成するトナーパターン形成手段と、上記中間転写体の表面の上記外側の領域に対向して設けられ、上記トナーパターンを光学的に検知するトナーパターン検知手段と、そのトナーパターン検知手段によるトナーパターンの光学的検知結果に基づいてトナー濃度を調整するトナー濃度調整手段と、上記トナーパターン検知手段により、上記中間転写体の表面の上記外側の領域の表面状態を光学的に検知させ、その検知結果に基づいて上記中間転写体の使用状態を判定する中間転写体使用状態判定手段とを備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
この発明による画像形成装置は、中間転写体の表面上における記録媒体と接触可能な領域より外側の領域に濃度調整用トナーパターンを形成し、それを光学的に検知するトナーパターン検知手段を兼用して、中間転写体の表面の上記外側の領域の表面状態を光学的に検知させ、その検知結果に基づいて中間転写体の使用状態を判定する。
そのため、記録媒体による紙粉の量や種類の影響を排除でき、また濃度調整用トナーパターンは一定のパターンであるから、画像面積率の影響なども排除できる。したがって、中間転写体の使用状態を常に一定の閾値によって正確に判定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】この発明による画像形成装置の一実施形態の全体構成を示す概略図である。
【図2】同じくその要部の拡大図である。
【図3】同じくその中間転写ベルト上のトナーパターン形成位置とそのトナーパターンを検知するフォトセンサの配設位置を示す要部斜視図である。
【図4】同じくその模式的な平面図である。
【図5】この発明の実施例と従来例とにおける記録媒体の通紙枚数と中間転写ベルトの表面光沢度との関係を示す線図である。
【図6】この発明の実施例と従来例とにおける記録媒体の通紙枚数とフォトセンサから一定の検知信号を得るための発光制御電流との関係を示す線図である。
【0017】
【図7】図2に示した制御部におけるこの発明に係わる機能構成を示すブロック図である。
【図8】図7に示す制御部による中間転写ベルトの使用状態判定処理のフロー図である。
【図9】同じく中間転写体判別処理のフロー図である。
【図10】この発明の実施形態における脱着検知手段の一例を説明するための中間転写ベルトユニットが画像形成装置本体に完全に装着された状態を示す模式的な平面図である。
【図11】同じくその中間転写ベルトユニットが画像形成装置本体から引き出される途中の状態を示す模式的な平面図である。
【図12】中間転写ベルトユニット脱着時におけるフォトセンサの発光制御電流の変化を示す線図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、この発明を実施するための形態を図面に基づいて具体的に説明する。
図1は、この発明による画像形成装置の一実施形態の全体構成を示す概略図であり、タンデム型中間転写方式のカラー画像形成装置(カラープリンタ)である。図2はその要部の拡大図である。
【0019】
図1に示す画像形成装置本体(以下「装置本体」と略称する)1内には、中央部に、中間転写体である無端ベルト状の中間転写ベルト10を略水平方向に設けている。この中間転写ベルト10は多層構造となっており、ベース層は例えば伸びの少ないフッ素樹脂やPVDFシートあるいはポリイミド系樹脂で作られ、その表面がフッ素系樹脂等の平滑性のよいコート層で被覆されている。なお、この中間転写ベルト10を単層のポリイミド系樹脂で構成してもよい。
【0020】
そして、その中間転写ベルト10は支持ローラ11,12,13とテンションローラ14に掛け回されて、図中の矢印Aで示すように反時計回りに回動される。支持ローラ11は、図示しないモータによって駆動されて回転し、中間転写ベルト10を回動させるための駆動ローラである。支持ローラ12,13とテンションローラ14は従動ローラであるが、支持ローラ13はスプリング15によって付勢され、テンションローラ14と共に中間転写ベルト10に一定の張力を与えている。支持ローラ11は後述する二次転写ローラ18と対向する二次転写対向ローラも兼ねている。
【0021】
また、支持ローラ13に近接する位置の下側に、画像転写後に中間転写ベルト10上の残留トナーを除去する中間転写ベルトクリーニング装置17を設けている。
さらに、中間転写ベルト10のテンションローラ14と支持ローラ12との間に張り渡された部分の下面の移動方向に沿って、ブラック、イエロー、マゼンタ、シアンの4つの作像部2K,2Y,2M,2Cを配置して、タンデム型中間転写方式のカラー画像形成部を構成している。
【0022】
各作像部2K,2Y,2M,2Cには、それぞれ像担持体である感光体としての感光体ドラム21と、その周囲に感光体ドラム21の矢印で示す回転方向に沿って、帯電器22、現像器23、クリーニングブレード24、及び除電ランプ25が順次配置されている。
図1においては、作像部2Cの感光体ドラム21の周囲の上記各部にのみ符号22〜25を付しているが、図2に示すように、他の作像部2K,2Y,2Mの感光体ドラム21の周囲にも同じものが設けられている。但し、クリーニングブレード24と除電ランプ25の符号は、図2においても図示の都合上作像部2Cのものにみ付している。
【0023】
作像部2K,2Y,2M,2Cの各現像器23は、それぞれブラック、イエロー、マゼンタ、シアンの各色のトナーで現像する。
各作像部2K,2Y,2M,2Cごとに、これらの各部材を全て、あるいは少なくとも感光体ドラム21と現像器23とを一体に構成して、装置本体1に対して着脱可能なプロセスカートリッジとして構成してもよい。
【0024】
この作像部2K,2Y,2M,2Cの下側には、レーザ光源とポリゴンミラーと多数のミラー及びfθレンズ等を備えた露光装置3が設けられており、そこから射出される4本のレーザ光が、それぞれ作像部2K,2Y,2M,2Cの各感光体ドラム21の表面における帯電器22と現像器23の間の位置を露光するようになっている。
その各感光体ドラム21と中間転写ベルト10を挟んで対向する位置に、それぞれ一次転写ローラ26を設けている。図1では作像部2Cの一次転写ローラ26のみに符号を付しているが、図2では全ての作像部の一次転写ローラ26に符号を付している。
【0025】
また、二次転写対向ローラを兼ねた支持ローラ11に対向して、中間転写ベルト10を挟んで外側に二次転写手段として、スプリング19によって付勢された二次転写ローラ18を設けている。
一方、露光装置3の下方の位置に、給紙部4の用紙カセット41,42が2段に配置され、その各用紙カセット41,42には、それぞれ記録媒体として異なるサイズ又は向きの用紙Pが積載して収納される。
【0026】
その各用紙カセット41,42の一端上部に、それぞれ給紙ローラ43,44を設けている。さらに、その給紙ローラ43,44によって送り出される用紙を二次転写部に向かってガイドする給紙路45と、その途中で給紙タイミングをとるためのレジストローラ対46も設けている。
【0027】
二次転写ローラ18の上方には、定着装置5とそれに続く排出路53及び排出ローラ54を設け、装置本体1のケース上面に排紙トレイ40を形成している。また、装置本体1内の上部にはボトル収容器6を配置している。このボトル収容器6内には、各作像部2K,2Y,2M,2Cの現像器23の各色のトナーを補給するための各色のトナーを詰めた4本のトナーボトルが収容される。
さらに、中間転写ベルト10の支持ローラ12から少し下流側の上面の幅方向(紙面に垂直な方向)の両端部付近に対向して、トナーパターン検知手段として一対のフォトセンサ7を配設している。
【0028】
この装置本体1内にはさらに、図2に示すように制御部(コントローラ)8を備え、外部から見易い位置に液晶表示器等による表示部9を設けている。制御部8は上述した各部を制御して、次に述べる画像形成処理を実行するとともに、この発明による中間転写体使用状態判定手段や中間転写体判別手段などの機能も果す。表示部9はこの画像形成装置の状態等を表示し、後述する中間転写体の交換要求も表示する。
【0029】
この画像形成装置において、画像形成が指示されると、図示していない駆動モータによって支持ローラ11を回転駆動して他の3つの支持ローラ11,12,13とテンションローラ14を従動回転させながら、中間転写ベルト10が矢示A方向に回転する。
【0030】
そして、各作像部2K,2Y,2M,2Cにおいて各感光体ドラム21をそれぞれ矢印方向に回転させ、その感光体ドラム21の表面を帯電器22によって一様に帯電させた後、露光装置3からのレーザ光によって主走査方向(感光体ドラム21の軸線方向)に走査しながら露光して、各色の画像データに応じた静電潜像を形成する。
その各静電潜像を各現像器23により各色のトナーによって現像して、各感光体ドラム21の表面に、それぞれブラック、イエロー、マゼンタ、およびシアンの単色のトナー像を形成する。
【0031】
このようにして、各作像部2K,2Y,2M,2Cによって順次感光体ドラム21の表面に形成される各色のトナー像を、各一次転写ローラ26に順次転写バイアス電圧を印加して、中間転写ベルト10の表面(図では下面)に順次重ねて転写し、合成カラー画像(トナー画像)を形成する。
その後、各感光体ドラム21上の残留トナーをクリーニングブレード24で除去し、残留電荷を除電ランプ25の光照射によって除去して、次の画像形成に備える。
また、中間転写ベルト10上の残留トナーは、中間転写ベルトクリーニング装置17によって除去され、次の一次転写に備える。
【0032】
一方、給紙部4は選択された用紙サイズ又は給紙方向にしたがって、給紙ローラ43又は44のいずれかを選択して回転させ、用紙カセット41,42の一方から用紙Pを繰り出し、図示していない分離ローラとの間で1枚ずつに分離して給紙路45へ送り出す。そして図示していない搬送ローラによってさらに搬送し、レジストローラ対46に突き当てて止める。
【0033】
その後、中間転写ベルト10上の合成カラー画像にタイミングを合わせてレジストローラ対46を回転させ、中間転写ベルト10と二次転写ローラ18とのニップ部に用紙Pを送り込む。そして、二次転写ローラ18によって中間転写ベルト10上の合成カラー画像を用紙上に転写する。その合成カラー画像転写後の用紙は定着装置5へ送り込まれ、その定着装置5で、定着ローラ51と加圧ローラ52によって熱と圧力とを加えられ、合成カラー画像が定着されながら搬送される。そして、その用紙は排出路53を通して、排出ローラ54によって排紙トレイ40上に排出され、そこにスタックされる。
【0034】
なお、二次次転写手段として、二次転写ローラ18に代えて、複数本の支持ローラに掛け渡されて回動する二次転写ベルトを用いることもできる。
【0035】
次に、この実施例における濃度調整用トナーパターン形成位置及びトナーパターン検知手段であるフォトセンサの配設位置について、図3及び図4によって説明する。
図3は、図1及び図2に示した実施例における、中間転写ベルト上のトナーパターン形成位置と、そのトナーパターンを検知するフォトセンサの配設位置を示す要部斜視図である。図3において矢示Aは中間転写ベルト10に回動方向を、矢示Bは用紙Pの搬送方向を示している。図4は同じくその模式的な平面図であり、図示の都合上フォトセンサ7を中間転写ベルト10の表面に平行な状態に倒して示している。
【0036】
この画像形成装置においては、図3及び図4に示すように、中間転写ベルト10の表面上における記録媒体である用紙Pと接触可能な領域より外側の領域に濃度調整用のトナーパターン100を形成し、その領域に対向してトナーパターン検知手段である一対のフォトセンサ7を配設している。各フォトセンサ7は、発光ダイオード等の発光素子71とフォトトランジスタ等の受光素子72とを、その両光軸が中間転写ベルト10の表面に相当する位置で交わるように向けて設けた反射型フォトセンサである。
【0037】
中間転写ベルト10の表面上における用紙Pと接触可能な領域とは、図4に示すように、この画像形成装置で使用できる最大幅WMの用紙PMが、中間転写ベルト10と二次転写ローラ18とのニップ部を通過する際に中間転写ベルト10の表面と接触する幅WMの領域である。この幅WMの領域内に図3に斜線を施して示す画像パターン90が形成される。
【0038】
この幅WMの領域より外側(中間転写ベルト10の両側端10a,10b側)の幅W1の領域が、それぞれ外側の領域である。この幅W1の領域内に濃度調整用のトナーパターン100を形成する。
さらに好ましくは、二次転写ローラ18の中間転写ベルト10の表面と接触するローラ部18aの軸方向の長さがW18であるとき、この二次転写ローラ18と接触しない中間転写ベルト10の両側端10a,10b側の幅W2の領域内に、濃度調整用のトナーパターン100を形成するとよい。
【0039】
一対のフォトセンサ7は、中間転写ベルト10の表面の上記外側の領域に形成された濃度調整用のトナーパターン100に、発光素子71によって光を照射し、その反射光を受光素子72によって受光する。そして、その受光量すなわちトナーパターン100の濃度に応じた信号を出力する。また、中間転写ベルト10の表面状態を検知する際には、中間転写ベルト10の表面の幅W1又はW2の領域内の反射率(後述する表面光沢度に相当する)に応じた信号を出力する。
【0040】
ここで、上述したこの発明の実施例の効果について、図5及び図6によって説明する。
図5は、この発明の実施例と従来例とにおける記録媒体の通紙枚数と中間転写ベルトの表面光沢度(以下「ベルト表面光沢度」という)との関係を示す線図である。「ベルト表面光沢度(20度)」とは、ベルト表面に対する光の入射角及び反射角が20度の状態で測定されるベルト表面光沢度である。
そして、初期の光沢度を100として、通紙枚数50K枚(5万枚)ごとのベルト光沢度推移を示している。□は従来例におけるベルト表面光沢度の初期値および通紙枚数が50K枚増加するごとの各値、×はこの発明の実施例におけるベルト表面光沢度の同様な各値である。
【0041】
通常、通紙につれてベルト表面がフィルミングするため、ベルト表面光沢度が低下する傾向にある。しかし、中間転写ベルトの表面の用紙と接触する領域内でその光沢度を検知する従来例の場合には、画像面積率(単位枚数あたりのトナー使用量)が画像の内容によって変動するため、その影響を受け、ベルト表面光沢度は通紙枚数に対して必ずしも直線的に低下する訳ではない。
【0042】
例えば、図5において従来例では、a点に至るまではベルト表面光沢度が急激に低下している。これは、高画像面積率の画像が多く出力され、中間転写ベルトの表面がトナーによって急速にフィルミングされたことが原因と考えられる。b点において、ベルト表面光沢度は一度上昇しているが、これは低画像面積の通紙が行なわれ、トナーのフィルミングよりも二次転写ローラからの析出物でベルトがフィルミングされたためと考えられる。
【0043】
二次転写ローラは通常ゴム等で作られているため、バイアス電圧の印加により内部がブリードして、中間転写ベルトの表面に付着することにより一時的に光沢度が上昇する。その他に、用紙の種類の違いによる紙粉の量によっても影響を受けるため、ベルト表面光沢度は図5に線Jで示すように変化し、これに基づいて通紙枚数を判定することは難しかった。
【0044】
一方、この発明の実施例では、前述したように、中間転写ベルト10の表面上における用紙Pと接触可能な領域より外側の領域に濃度調整用のトナーパターン100を形成し、その領域に対向して配設したトナーパターン検知用のフォトセンサ7を兼用して、中間転写ベルト10の表面を検知している。
中間転写ベルト10の表面のその外側の領域(図4に幅W1で示した領域)は、トナー濃度検知用のトナーパターンのみが形成され、そのパターン形状は毎回同じであるから使用するトナー量も一定である。そのトナーによってのみ表面がフィルミングされるため、画像面積率の変化や用紙の種類等によって光沢度低下割合が変化することが無い。
【0045】
さらに、二次転写ローラ18とも接触しない図4に幅W2で示した領域で、中間転写ベルト10の表面を検知するようにすれば、二次転写ローラ18からのブリードの影響も排除でき、トナーによるフィルミングと二次転写ローラによるフィルミングとによってベルト表面光沢度が上下に変動するのを防止できる。
【0046】
また、トナー濃度調整は、一定の通紙枚数毎に実行されるのが一般的である。そのため、一定通枚数毎すなわち所定の作像回数毎に所定のトナーパターンが形成されることによって、一定量のトナーが中間転写ベルト10の表面の上記外側の領域に付着され、それによって一定の割合でトナーフィルミングされる。
そのため、この発明の実施例では、図5に×で示す各値を結ぶ線Kのように、ベルト表面光沢度が通紙枚数に対して直線的に低下していく。したがって、ベルト表面光沢度の変化に基づいて通紙枚数を判定することが容易になる。
【0047】
図6は、この発明の実施例と従来例とにおける通紙枚数とフォトセンサから一定の検知信号を得るための発光制御電流との関係を示す、図5に対応する線図である。□は従来例における初期および通紙枚数が50K枚増加するごとの発光制御電流の各値、×はこの発明の実施例における発光制御電流の同様な各値である。
【0048】
この場合は、中間転写ベルトの表面を発光素子と受光素子からなる反射フォトセンサによって検知し、その受光素子から常に一定の検出信号が出力されるように、すなわちフォトセンサの受光量が常に一定になるように、発光素子の発光量を変化させるべく発光素子に流す発光制御電流を制御する。
【0049】
したがって、中間転写ベルトの表面の光沢度(ベルト表面光沢度)が低くなって反射率が低下すると、発光素子の発光光量を増加するために発光制御電流値が増加する。
そのため、通紙枚数に対してベルト表面光沢度が図5に示したように推移した場合、発光制御電流は図6に示すように推移する。
【0050】
この図6から判るように、中間転写ベルトの表面の用紙と接触する領域内でその光沢度を検知する従来例の場合には、通紙枚数に対する発光制御電流の変化が□の点を結ぶ線Jで示すように不規則に変動し、この発光制御電流の変化によっては通紙枚数を判定することは困難であった。
一方、この発明の実施例では、通紙枚数に対して発光制御電流が図6で×の点を結ぶ線Kで示すように直線的に増加する。したがって、この発光制御電流の変化によって通紙枚数を判定することは容易である。
【0051】
そこで、この発光制御電流によって中間転写ベルトの状態を判定して転写バイアスや現像バイアス等を制御することが可能である。また、例えば発光制御電流が20mAになった時点で、中間転写ベルトは250K枚(25万枚)通紙された状態であることが判り、この時点で中間転写ベルトが交換時期であると判定することも可能である。
【0052】
また、中間転写ベルト10の装置本体1に対する脱着を検出する脱着検知手段を設ければ、その脱着検知手段によって中間転写ベルト10の脱着が検出された後、装着された中間転写ベルト10に対して、フォトセンサ7によってその表面上の外側の領域の表面状態を光学的に検知させ、その検知結果である上記発光制御電流の値に基づいて新品か否かを判別することもできる。
【0053】
次に、上述した実施例の画像形成装置における図2に示した制御部(コントローラ)8における、この発明に関わる機能構成とその動作を、図7〜図9によって説明する。
図7は、図2に示した制御部におけるこの発明に係わる機能構成を示すブロック図である。
【0054】
この制御部8には、発光制御部81、受光出力値検出部82、濃度調整用トナーパターン形成制御部83、トナー濃度調整部84、中間転写体使用状態判定手段85、脱着検知手段86、及び中間転写体判別手段87を有している。その他に通常の画像形成処理等を実行する機能も当然備えているが、ここでは説明を省略する。
この制御部8は、ハード的にはCPU,ROM,RAM、不揮発性メモリ等からなるマイクロコンピュータを中心に構成されている。
【0055】
発光制御部81は、トナーパターン検知手段であるフォトセンサ7の発光素子71に発光制御電流を流して発光させ、受光出力値検出部82はフォトセンサ7の受光素子72の受光量に応じた受光出力信号を検出する。
濃度調整用トナーパターン形成制御部83は、所定の作像回数(例えば200回)毎のトナー濃度調整時に、図1に示した各作像部2K,2Y,2M,2C、露光装置3、及び中間転写ベルト10等を動作させて、中間転写ベルト10の用紙と接触可能な領域より外側の領域に、図3及び図4に示した濃度調整用のトナーパターン100を形成する。したがって、これらによってトナーパターン形成手段を構成している。
【0056】
この濃度調整用トナーパターン形成制御部83が、中間転写ベルト10の上記領域に各色ごとのトナーパターンを形成すると、発光制御部81を動作させ、フォトセンサ7の発光素子71に所定の発光制御電流を流して発光させ、各トナーパターンを検知したときの受光素子72の受光量に応じた受光出力値を、受光出力値検出部82によって検出する。
【0057】
トナーパターンのトナー付着量が増加すると、受光素子72の受光量が減少して受光出力値が低下する。トナーパターンのトナー付着量が減少すると、受光素子72の受光量が増加して受光出力値が上昇する。そこで、トナー濃度調整部84が、受光出力値検出部82による検出結果(トナーパターンの光学的検知結果)に応じて、適正なトナー濃度が得られるように、各作像部2K,2Y,2M,2Cの現像バイアス又は帯電バイアスの少なくとも一方を制御する。
【0058】
この実施例では、トナーパターン検知手段としてフォトセンサ7を中間転写ベルト10の幅方向の両側部に一対設けているので、その2個のフォトセンサ7の受光素子72による受光出力値を平均してトナーパターンの光学的検知結果とする。
【0059】
中間転写体使用状態判定手段85は、トナーパターン検知手段であるフォトセンサ7によって中間転写体である中間転写ベルト10の表面の上記外側の領域の表面状態を光学的に検知させ、その検知結果に基づいて中間転写ベルト10の使用状態を判定する。
その中間転写体使用状態判定手段85等による使用状態判定処理を、図8のフロー図によって説明する。この処理は実際には、制御部8を構成するマイクロコンピュータによって実行される。
【0060】
この使用状態判定処理は、装置の電源投入時やその後所定の時間間隔で、トナー濃度調整時以外のときに実行される。
この処理を開始すると、まずステップS1で発光制御部81を動作させてフォトセンサ7の発光素子71を発光させる。発光制御部81は前回の発光制御電流の値を記憶しており、このときはその前回の記憶値による発光制御電流Isで発光素子71を発光させる。
【0061】
そして、ステップS2で、フォトセンサ7の受光素子72の受光出力値を受光出力値検出部82で検出させ、ステップS3で、発光制御部81にその受光出力値が予め設定した規定値以上か否かを判断させる。その結果規定値以上でない場合はステップS4で発光制御電流Isを1ステップ増加させる。すなわち、発光素子71の発光量を増加させる。
【0062】
その後再び、ステップS2で、フォトセンサ7の受光素子72の受光出力値を受光出力値検出部82で検出させ、ステップS3で、発光制御部81にその受光出力値が予め設定した規定値以上か否かを判断させる。受光出力値が規定値以上になるまでは、ステップS4で発光制御電流Isを1ステップずつ増加させるが、受光出力値が規定値以上になると、ステップS5へ進んで、その時の発光制御電流Isの値を不揮発性メモリに記憶する。この場合、前回の記憶値に上書きすることになる。
【0063】
そして、ステップS6で、その発光制御電流Isの値が20mA以上(Is≧20mA)か否かを判定し、20mA以上でなければ何もせずに処理を終了するが、20mA以上であれば、中間転写体(この実施例では中間転写ベルト)が使用限度状態であると判定して、ステップS7で交換要求を表示部9に表示した後、処理を終了する。
【0064】
この例では、通紙枚数250K枚のときに発光制御電流Isの値が20mAになるものとして、この状態を中間転写ベルトの使用限度状態としている。発光制御電流Isがこれよりも幾分小さい例えば18mA以上になったときも判定して、中間転写ベルトの交換時期が近いことを予告表示することもできる。これらの閾値は実際の画像形成装置に応じて適宜設定することができる。
【0065】
なお、この実施例では前述のように、フォトセンサ7が一対設けられているので、その各フォトセンサ7の発光素子71を発光させ、各受光素子72の受光出力値が規定値以上になったときの各発光素子71の発光制御電流Isの平均値を記憶して、その値が20mA以上か否かを判定する。
次回の使用状態判定処理のステップS1では、その記憶している発光制御電流Isで、各フォトセンサ7の発光素子71を発光させる。
【0066】
図7における脱着検知手段86は、中間転写体である中間転写ベルトの脱着、すなわち中間転写ベルトが装置本体から取り出された後装着されたことを検知する手段である。それは、後述する例のように発光制御部81における発光制御電流の変化によって、中間転写ベルトの脱着を検出することができる。
【0067】
しかし、中間転写ベルトとその複数の支持ローラ及びそれらを支持する支持側板等をユニット化し、その中間転写ベルトユニットが装置本体から引き出されたときと、装置本体に正しく装着されたときとで、ON/OFF状態が反転するスイッチ又はセンサ等を設け、そのON/OFF状態の変化によって中間転写ベルトの脱着を検知することもできる。
【0068】
中間転写体判別手段87は、脱着検知手段86によって中間転写ベルトの脱着が検出された後、装着された中間転写ベルトに対して、トナーパターン検知手段であるフォトセンサ7によって、中間転写ベルトの表面の前述した外側の領域の表面状態を光学的に検知させ、その検知結果に基づいて新品か否かを判別する。
【0069】
その中間転写体判別手段87等による中間転写体判別処理を、図9のフロー図によって説明する。この処理も実際には、制御部8を構成するマイクロコンピュータによって実行される。この中間転写体判別処理は、脱着検知手段86が中間転写ベルトの脱着(中間転写ベルトが装置本体から取り出された後装着されたこと)を検出すると、実行される。
【0070】
この処理を開始すると、まずステップS11で発光制御部81を動作させてフォトセンサ7の発光素子71を発光させる。この場合は、発光制御部81は初期発光制御電流(一番小さい値で例えば10mA)で、まず発光素子71を発光させる。
そして、ステップS12で、フォトセンサ7の受光素子72の受光出力値を受光出力値検出部82で検出させ、ステップS13で、発光制御部81にその受光出力値が予め設定した規定値以上か否かを判断させる。その結果規定値以上でない場合はステップS14で発光制御電流Isを1ステップ増加させる。すなわち、発光素子71の発光量を増加させる。
【0071】
その後再び、ステップS12で、フォトセンサ7の受光素子72の受光出力値を受光出力値検出部82で検出させ、ステップS13で、発光制御部81にその受光出力値が予め設定した規定値以上か否かを判断させる。受光出力値が規定値以上になるまでは、ステップS14で発光制御電流Isを1ステップずつ増加させるが、受光出力値が規定値以上になると、ステップS15へ進んで、その時の発光制御電流Isの値を不揮発性メモリに記憶する。
【0072】
そして、ステップS16で、その発光制御電流Isの値が閾値とする12mA以下(Is≦12mA)か否かを判定し、12mA以下であればステップS17で、装着された中間転写ベルトが新品であると判別して、中間転写ベルトに関する各種の設定値をリセット又は初期設定したり、通紙枚数のカウンタをリセットしたりした後、処理を終了する。
12mA以下でなければステップS18で、使用済品が再び装着されたか中古品が装着されたと判別して、何もせずに処理を終了する。
【0073】
ステップS16で発光制御電流Isの値と比較する閾値は、図6で説明したように新品の中間転写ベルトに対する初期発光制御電流が10mAであった場合、それより若干大きい値に設定するのがよい。この例ではそれを12mAとしたが、これに限るものではない。
また、この実施例では前述のように、フォトセンサ7が一対設けられているので、その各フォトセンサ7の発光素子71を発光させ、各受光素子の受光出力値が規定値以上になったときの各発光素子71の発光制御電流Isの平均値を記憶して、その値が閾値(12mA)以下か否かを判定する。
【0074】
このように、この実施例では、フォトセンサ7の受光素子72の受光出力値が一定の規定値を保持するように発光素子71を発光させる発光制御電流を徐々に増加させて、その発光制御電流によって、中間転写ベルトの交換時期や装着された中間転写ベルトが新品か否かの判断をしている。
しかし、フォトセンサ7の発光素子71を常に一定の発光制御電流で発光させるようにし、受光素子72の受光出力値の低下によって、中間転写ベルトの交換時期や装着された中間転写ベルトが新品か否かの判断をすることもできる。
【0075】
図5に示したように、通紙毎数の増加に伴って中間転写ベルトの表面光沢度が低下するため、受光素子72の受光量が減少して受光出力値が低下する。したがって、その受光出力値を予め設定した閾値と比較することによって、中間転写ベルトの交換時期や装着された中間転写ベルトが新品か否かの判断をすることができる。
【0076】
次に、図7における脱着検知手段86の一例として、トナーパターン検知手段であるフォトセンサ7を利用した実施例を、図10〜図12によって説明する。
図10は、その実施例の中間転写ベルトユニットがフォトセンサを備えた画像形成装置本体に完全に装着された状態を、図11はその中間転写ベルトユニットが画像形成装置本体から引き出される途中の状態を、それぞれ示す模式的な平面図である。これらの図において、図1〜図4の各部と対応する部分には同一の符号を付している。
【0077】
しかし、フォトセンサ7は、図1〜図4では中間転写ベルト10の支持ローラ11寄りの上部に対向して、両側部に一対設けられているが、図10及び図11では、その機能を分り易く説明するために、中間転写ベルト10の支持ローラ13側の側部に対向して1個だけ設けている。また、脱着検知手段に関係しない部分は図示を省略して簡略化している。
【0078】
この実施例においては、中間転写ベルト10と、それを支持して張り渡す支持ローラ11〜13及びテンションローラ14と、その各ローラの軸の両端部を軸受を介して支持する一対の側板111,112とによって中間転写ベルトユニット110を構成している。
そして、中間転写ベルト10をこの中間転写ベルトユニット110ごと、装置本体1に対して脱着できるようにしている。
【0079】
フォトセンサ7は、中間転写ベルト10の支持ローラ13側の側部に対向する位置に、装置本体1内に固定して設けられている。そのフォトセンサ7は、その検知部位、すなわち発光素子71からの光が射出し、中間転写ベルト10の表面からの反射光が受光素子72に入射する前面7aを、中間転写ベルト10の表面のトナーパターンを形成する領域に対向させている。
【0080】
そのフォトセンサ7の検知部位である前面7aと中間転写ベルト10に表面との間に、遮蔽手段として遮蔽部75aと窓孔75bを有する遮蔽板75を、中間転写ベルト10の幅方向(支持ローラ13の軸方向)にスライド可能に設けている。その遮蔽板75の直角に曲がって側方に延びた折曲部75cと、装置本体2に固設された固定片76との間に、圧縮コイルスプリング77をその両端を折曲部75cと固定片76とに固定して設けている。そのため、遮蔽板75は、圧縮コイルスプリング77の復元力によって、常時図10において左方へ移動する力を与えられている。
【0081】
しかし、中間転写ベルトユニット110が装置本体1内に完全に装着された状態では、図10に示すようになる。すなわち、中間転写ベルトユニット110における側版111の延設部111aが、遮蔽板75の折曲部75cに当って、それを圧縮コイルスプリング77の力に打ち勝って押し込む。
そのため、遮蔽板75が左方へ移動して図10に示す位置になり、窓孔75bがフォトセンサ7の前面7aに対応する位置になる。したがって、フォトセンサ7は遮蔽板75の窓孔75bを通して中間転写ベルト10の表面の光沢度を検出することができる。
【0082】
ところが、図11に示すように中間転写ベルトユニット110が装置本体1から引き出されると、側版111の延設部111aが遮蔽板75の折曲部75cから離れるため、遮蔽板75は圧縮コイルスプリング77の復元力によって左方へ移動される。それによって、遮蔽部75aがフォトセンサ7の前面7aを遮蔽する位置になる。そのため、フォトセンサ7の発光素子71から射出された光が中間転写ベルト10の表面に到達せず、遮蔽板75の遮蔽部75aで反射される光も受光素子72には殆ど受光されなくなる。
【0083】
そこで、前述したように、図7に示した受光出力値検出部82でフォトセンサ7の受光素子72から常に一定の受光出力値が検出されるように、発光制御部81が発光素子71に流す発光制御電流を制御すると、中間転写ベルトユニット110の脱着によって、発光制御電流の値が図12に示すように変化する。
【0084】
すなわち、図10に示すように、中間転写ベルトユニット110が装置本体1内に装着されている状態では、その中間転写ベルト10が交換時期になっていると、発光制御電流が20mA程度になっている。その中間転写ベルトユニット110が、図11に示すように引き出されて装置本体1から離脱されると、フォトセンサ7の検知部位である前面7aが遮蔽板75によって遮蔽される。その後中間転写ベルトユニット110が装着されるまでその状態が続く。したがって、その間は発光制御電流が大幅に増加し、遮蔽手段による遮蔽状態を検知した状態になる。
【0085】
装置本体1内に再び中間転写ベルトユニット110が装着されると、フォトセンサ7の検知部位である前面7aが遮蔽板75の窓孔75bによって開放されるため、発光制御電流が10〜20mA程度になる。この発光制御電流の変化によって中間転写ベルト10の脱着を検出することができる。
【0086】
その脱着を検出後、装着された中間転写ベルト10の使用状態を判定した結果、発光制御電流が図12に実線で示すように10mA程度になり、閾値(例えば12mA)以下であれば、新品の中間転写ベルト(中間転写ベルトユニット)が装着されたと判別できる。
しかし、発光制御電流が図12に破線で示すように20mA程度で、閾値(例えば12mA)を越えていれば、使用済の中間転写ベルト(中間転写ベルトユニット)が再び装着されたと判別できる。
【0087】
この場合、中間転写ベルトユニット110が装着された後の発光制御電流の値が、離脱される前の値と略同じであれば、使用済の同じ中間転写ベルトユニット110が再び装着されたと判別し、離脱される前の値と異なっていれば、別の使用された中間転写ベルトユニット110が装着されたと判別することもできる。
【0088】
この実施例によれば、中間転写ベルトの脱着をトナーパターン検知手段であるフォトセンサ7を利用して検知できるため、中間転写ベルトの脱着検知専用のスイッチやセンサ等を設置する必要がないので、コスト的に有利である。但し、この実施例の場合には、フォトセンサ7と制御部8が常時動作状態でなければならない。そのため、中間転写ベルトユニット110を脱着する際に装置本体1の図示していないカバーが開放されるとメイン電源がOFFになる装置では、その際も図7に示した少なくとも制御部8の電源はONにしておく必要がある。
【0089】
上述した実施例は、中間転写体として中間転写ベルトを使用するタンデム型のカラー画像形成装置にこの発明を適用した例で説明したが、この発明は中間転写体として中間転写ドラムを使用した画像形成装置(背景技術の項で簡単に説明した)も同様に適用できる。
【0090】
その場合も、中間転写ドラムの表面上における用紙等の記録媒体と接触可能な領域より外側(この場合は軸方向の外側)の領域に濃度調整用のトナーパターンを形成するようにし、その領域に対向してトナーパターンを光学的に検知するフォトセンサ等のトナーパターン検知手段を設ける。そして、そのトナーパターン検知手段によって中間転写ドラムの表面の上記外側の領域の表面状態を光学的に検知させ、その検知結果に基づいて中間転写ドラムの使用状態を判定する。
【0091】
また、中間転写ドラムの脱着を検出する脱着検知手段を設け、それによって中間転写ドラムの脱着が検出された後、装着された中間転写ドラムに対して、トナーパターン検知手段によって中間転写ドラムの表面の上記外側の領域の表面状態を光学的に検知させ、その検知結果に基づいて新品か否かを判別することもできる。
【0092】
この発明は上述した各実施例に限るものではなく、特許請求の範囲に規定した範囲を逸脱しない範囲で、適宜追加又は省略したり、変更することができることは勿論である。
【符号の説明】
【0093】
1:画像形成装置本体 2K,2Y,2M,2C:作像部 3:露光装置
4:給紙部 5:定着装置 6:ボトル収容器
7:フォトセンサ(トナーパターン検知手段)
7a:フォトセンサの前面(検知部位) 8:制御部 9:表示部
10:中間転写ベルト 11,12,13:支持ローラ 14:テンションローラ
15:スプリング 17:中間転写ベルトクリーニング装置 18:二次転写ローラ
19:スプリング 21:感光体ドラム 22:帯電器 23:現像器
24:クリーニングブレード 25:除電ランプ 40:排紙トレイ
41,42:用紙カセット 43,44:給紙ローラ 45:給紙路
46:レジストローラ対 51:定着ローラ 52:加圧ローラ
【0094】
53:排出路 54:排出ローラ 71:発光素子 72:受光素子
75:遮蔽板 75a:遮蔽部 75b:窓孔 75c:折曲部
76:固定片 77:圧縮コイルスプリング 81:発光制御部
82:受光出力値検出部 83:濃度調整用トナーパターン形成制御部
84:トナー濃度調整部 85:中間転写体使用状態判定手段
86:脱着検知手段 87:中間転写体判別手段 90:画像パターン
100:濃度調整用のトナーパターン 110:中間転写ベルトユニット
111,112:側板 111a:延設部
【先行技術文献】
【特許文献】
【0095】
【特許文献1】特開2002−351269号公報
【特許文献2】特開2005−181974号公報
【特許文献3】特開平11−84959号公報
【技術分野】
【0001】
この発明は、電子写真方式の複写機、プリンタ、印刷装置、ファクシミリ装置、これらの複数の機能を備えた複合機等の画像形成装置に関し、特に中間転写ベルトや中間転写ドラム等の中間転写体を用いてカラー画像を形成する中間転写方式の画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
このような従来の中間転写方式の画像形成装置は、感光体上に形成される互いに異なる色(例えば、イエロー、シアン、マゼンタ、ブラック)のトナー像を、順次中間転写体の表面上に重ね合わせて一次転写し、その中間転写体上に一次転写されたトナー像を、用紙(転写紙)等の記録媒体上に二次転写してカラー画像を形成する。
【0003】
例えば、静電潜像に応じたトナー像が形成される感光体ドラムと、その感光体ドラム上のトナー像が中間的に転写される中間転写ベルトと、その中間転写ベルトに対して感光体ドラム上のトナー像を転写させる一次転写装置と、中間転写ベルト上に転写されたトナー像を用紙に一括して二次転写させる二次転写装置とを備えた、カラー画像形成装置が知られている。
その中間転写ベルトは多層構造となっており、ベース層を例えば伸びの少ないフッ素樹脂やPVDFシートあるいはポリイミド系樹脂等で作製し、その表面をフッ素系樹脂等の平滑性のよいコート層で被覆している。
【0004】
このような中間転写ベルトを使用する画像形成装置は、一般にタンデム型と称され、中間転写ベルトの表面の移動方向に沿って、所定の間隔で順次各色のトナー像を形成するための感光体ドラムを含む作像ユニットを配設しており、その各感光体ドラム上に順次形成されるトナー像を移動する中間転写ベルトの表面に順次重ねて一次転写した後、そのフルカラーのトナー像を用紙等の記録媒体上に一括して二次転写して、カラー画像を形成する。
【0005】
中間転写体として中間転写ドラムを使用した画像形成装置もある。その場合は、一般に感光体を1個だけ備え、その表面に順次形成される各色用の静電潜像を、現像ユニットが各色のトナーによる現像部を順次切り換えて現像し、その各色毎に現像されたトナー像を中間転写ドラムの表面に順次重ねて一次転写した後、そのフルカラーのトナー像を用紙等の記録媒体上に一括して二次転写して、カラー画像を形成する。
【0006】
このような中間転写方式の画像形成装置においては、画像安定性を確保するために、電源投入時や所定枚数印刷する毎にトナー画像濃度調整を行う必要がある。そのために、中間転写体上に濃度調整用のトナーパターンを形成し、フォトセンサによってその反射光を読み取ることによってトナー濃度を検知し、その検知結果に応じて作像ユニットにおける帯電バイアスや現像バイアスを補正して、トナー濃度を調整する方法が広く行なわれている。
【0007】
このようなトナー濃度調整は、画像出力がない非画像形成時に行なうのが一般的であるが、連続通紙中の濃度変動を検出するために、画像形成時における紙間の期間に濃度調整用のトナーパターンを作成して、トナー濃度調整を行なう方法も知られている。
【0008】
また、中間転写体は使用により表面の経時フィルミングや傷付き等によって劣化するため、その寿命は画像形成装置本体の寿命の数分の一程度である。そのため、画像形成装置本体が寿命に達するまでに、中間転写体を数回交換する必要がある。
そこで、中間転写体の交換時期をユーザに知らせたり、新品に交換された場合には所要のリセットや初期設定などを行えるように、中間転写体の劣化状態や新品交換を自動的に判断できるようにするのが望ましい。
【0009】
そのため、中間転写ベルトの表面が、経時フィルミングや傷付き等によって光沢度が変化することを利用して、トナー濃度検知手段を、中間転写体の使用状態の検知や新品に交換されたか否かの判定に利用する技術が開発されている。例えば、特許文献1や特許文献2、特許文献3等にそのような技術が開示されている。
【0010】
このような技術を採用すれば、中間転写体に、新旧を区別するためのヒューズや寿命情報を記憶させたメモリ等を搭載する必要がなくなる。また、新品検知が困難な中間転写ベルト単独での交換の場合にも対応可能になる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
しかしながら、このような技術を採用した従来の画像形成装置は、中間転写ベルトや中間転写ドラムのような中間転写体の表面上における記録媒体(用紙等)と接触可能な領域、すなわち最大通紙幅内の印刷用の画像形成領域に、濃度調整用のトナーパターンを形成し、それをフォトセンサ等のトナーパターン(トナー濃度)検知手段で検知し、その検知結果に応じてトナー濃度を調整していた。そして、そのトナーパターンを形成する領域の中間転写体の表面の光沢度を同じトナーパターン検知手段で検知して、中間転写体の使用状態や新品か否かの判定を行なっていた。
【0012】
ところが、トナーパターン検知手段の検知結果に影響を与える要因は、様々なものが有り個々の要因を切り分けることが出来ない。例えば、残留トナーが中間転写体の表面にフィルム状に付着して容易に除去できなくなるフィルミング現象が発生する。その要因としても、トナーの種類や画像面積率、記録媒体による紙粉の量や種類、二次転写ローラからのブリードによる染み出し等様々なものがある。それらの各要因が中間転写体の表面の光沢度を増加させたり、減少させたりするため、使用条件によって光沢度変化の推移は異なっており、中間転写体の使用状態(使用枚数)を、一定の光沢度の閾値で正確に判断することは不可能であった。
【0013】
この発明は上記の問題を解決するためになされたものであり、濃度調整用のトナーパターン検知手段を利用しても、記録媒体による紙粉の量や種類の影響や画像面積率の影響などを排除して、中間転写体の使用状態を常に一定の閾値(判定基準値)によって正確に判定できるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
この発明による画像形成装置は、感光体と中間転写体を備え、その感光体上に形成される互いに異なる色のトナー像を、順次上記中間転写体の表面上に重ね合わせて一次転写し、その中間転写体上に一次転写されたトナー像を、二次転写手段によって記録媒体上に二次転写してカラー画像を形成する画像形成装置である。
そして、上記の目的を達成するため、上記中間転写体の表面上における記録媒体と接触可能な領域より外側の領域に濃度調整用のトナーパターンを形成するトナーパターン形成手段と、上記中間転写体の表面の上記外側の領域に対向して設けられ、上記トナーパターンを光学的に検知するトナーパターン検知手段と、そのトナーパターン検知手段によるトナーパターンの光学的検知結果に基づいてトナー濃度を調整するトナー濃度調整手段と、上記トナーパターン検知手段により、上記中間転写体の表面の上記外側の領域の表面状態を光学的に検知させ、その検知結果に基づいて上記中間転写体の使用状態を判定する中間転写体使用状態判定手段とを備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
この発明による画像形成装置は、中間転写体の表面上における記録媒体と接触可能な領域より外側の領域に濃度調整用トナーパターンを形成し、それを光学的に検知するトナーパターン検知手段を兼用して、中間転写体の表面の上記外側の領域の表面状態を光学的に検知させ、その検知結果に基づいて中間転写体の使用状態を判定する。
そのため、記録媒体による紙粉の量や種類の影響を排除でき、また濃度調整用トナーパターンは一定のパターンであるから、画像面積率の影響なども排除できる。したがって、中間転写体の使用状態を常に一定の閾値によって正確に判定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】この発明による画像形成装置の一実施形態の全体構成を示す概略図である。
【図2】同じくその要部の拡大図である。
【図3】同じくその中間転写ベルト上のトナーパターン形成位置とそのトナーパターンを検知するフォトセンサの配設位置を示す要部斜視図である。
【図4】同じくその模式的な平面図である。
【図5】この発明の実施例と従来例とにおける記録媒体の通紙枚数と中間転写ベルトの表面光沢度との関係を示す線図である。
【図6】この発明の実施例と従来例とにおける記録媒体の通紙枚数とフォトセンサから一定の検知信号を得るための発光制御電流との関係を示す線図である。
【0017】
【図7】図2に示した制御部におけるこの発明に係わる機能構成を示すブロック図である。
【図8】図7に示す制御部による中間転写ベルトの使用状態判定処理のフロー図である。
【図9】同じく中間転写体判別処理のフロー図である。
【図10】この発明の実施形態における脱着検知手段の一例を説明するための中間転写ベルトユニットが画像形成装置本体に完全に装着された状態を示す模式的な平面図である。
【図11】同じくその中間転写ベルトユニットが画像形成装置本体から引き出される途中の状態を示す模式的な平面図である。
【図12】中間転写ベルトユニット脱着時におけるフォトセンサの発光制御電流の変化を示す線図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、この発明を実施するための形態を図面に基づいて具体的に説明する。
図1は、この発明による画像形成装置の一実施形態の全体構成を示す概略図であり、タンデム型中間転写方式のカラー画像形成装置(カラープリンタ)である。図2はその要部の拡大図である。
【0019】
図1に示す画像形成装置本体(以下「装置本体」と略称する)1内には、中央部に、中間転写体である無端ベルト状の中間転写ベルト10を略水平方向に設けている。この中間転写ベルト10は多層構造となっており、ベース層は例えば伸びの少ないフッ素樹脂やPVDFシートあるいはポリイミド系樹脂で作られ、その表面がフッ素系樹脂等の平滑性のよいコート層で被覆されている。なお、この中間転写ベルト10を単層のポリイミド系樹脂で構成してもよい。
【0020】
そして、その中間転写ベルト10は支持ローラ11,12,13とテンションローラ14に掛け回されて、図中の矢印Aで示すように反時計回りに回動される。支持ローラ11は、図示しないモータによって駆動されて回転し、中間転写ベルト10を回動させるための駆動ローラである。支持ローラ12,13とテンションローラ14は従動ローラであるが、支持ローラ13はスプリング15によって付勢され、テンションローラ14と共に中間転写ベルト10に一定の張力を与えている。支持ローラ11は後述する二次転写ローラ18と対向する二次転写対向ローラも兼ねている。
【0021】
また、支持ローラ13に近接する位置の下側に、画像転写後に中間転写ベルト10上の残留トナーを除去する中間転写ベルトクリーニング装置17を設けている。
さらに、中間転写ベルト10のテンションローラ14と支持ローラ12との間に張り渡された部分の下面の移動方向に沿って、ブラック、イエロー、マゼンタ、シアンの4つの作像部2K,2Y,2M,2Cを配置して、タンデム型中間転写方式のカラー画像形成部を構成している。
【0022】
各作像部2K,2Y,2M,2Cには、それぞれ像担持体である感光体としての感光体ドラム21と、その周囲に感光体ドラム21の矢印で示す回転方向に沿って、帯電器22、現像器23、クリーニングブレード24、及び除電ランプ25が順次配置されている。
図1においては、作像部2Cの感光体ドラム21の周囲の上記各部にのみ符号22〜25を付しているが、図2に示すように、他の作像部2K,2Y,2Mの感光体ドラム21の周囲にも同じものが設けられている。但し、クリーニングブレード24と除電ランプ25の符号は、図2においても図示の都合上作像部2Cのものにみ付している。
【0023】
作像部2K,2Y,2M,2Cの各現像器23は、それぞれブラック、イエロー、マゼンタ、シアンの各色のトナーで現像する。
各作像部2K,2Y,2M,2Cごとに、これらの各部材を全て、あるいは少なくとも感光体ドラム21と現像器23とを一体に構成して、装置本体1に対して着脱可能なプロセスカートリッジとして構成してもよい。
【0024】
この作像部2K,2Y,2M,2Cの下側には、レーザ光源とポリゴンミラーと多数のミラー及びfθレンズ等を備えた露光装置3が設けられており、そこから射出される4本のレーザ光が、それぞれ作像部2K,2Y,2M,2Cの各感光体ドラム21の表面における帯電器22と現像器23の間の位置を露光するようになっている。
その各感光体ドラム21と中間転写ベルト10を挟んで対向する位置に、それぞれ一次転写ローラ26を設けている。図1では作像部2Cの一次転写ローラ26のみに符号を付しているが、図2では全ての作像部の一次転写ローラ26に符号を付している。
【0025】
また、二次転写対向ローラを兼ねた支持ローラ11に対向して、中間転写ベルト10を挟んで外側に二次転写手段として、スプリング19によって付勢された二次転写ローラ18を設けている。
一方、露光装置3の下方の位置に、給紙部4の用紙カセット41,42が2段に配置され、その各用紙カセット41,42には、それぞれ記録媒体として異なるサイズ又は向きの用紙Pが積載して収納される。
【0026】
その各用紙カセット41,42の一端上部に、それぞれ給紙ローラ43,44を設けている。さらに、その給紙ローラ43,44によって送り出される用紙を二次転写部に向かってガイドする給紙路45と、その途中で給紙タイミングをとるためのレジストローラ対46も設けている。
【0027】
二次転写ローラ18の上方には、定着装置5とそれに続く排出路53及び排出ローラ54を設け、装置本体1のケース上面に排紙トレイ40を形成している。また、装置本体1内の上部にはボトル収容器6を配置している。このボトル収容器6内には、各作像部2K,2Y,2M,2Cの現像器23の各色のトナーを補給するための各色のトナーを詰めた4本のトナーボトルが収容される。
さらに、中間転写ベルト10の支持ローラ12から少し下流側の上面の幅方向(紙面に垂直な方向)の両端部付近に対向して、トナーパターン検知手段として一対のフォトセンサ7を配設している。
【0028】
この装置本体1内にはさらに、図2に示すように制御部(コントローラ)8を備え、外部から見易い位置に液晶表示器等による表示部9を設けている。制御部8は上述した各部を制御して、次に述べる画像形成処理を実行するとともに、この発明による中間転写体使用状態判定手段や中間転写体判別手段などの機能も果す。表示部9はこの画像形成装置の状態等を表示し、後述する中間転写体の交換要求も表示する。
【0029】
この画像形成装置において、画像形成が指示されると、図示していない駆動モータによって支持ローラ11を回転駆動して他の3つの支持ローラ11,12,13とテンションローラ14を従動回転させながら、中間転写ベルト10が矢示A方向に回転する。
【0030】
そして、各作像部2K,2Y,2M,2Cにおいて各感光体ドラム21をそれぞれ矢印方向に回転させ、その感光体ドラム21の表面を帯電器22によって一様に帯電させた後、露光装置3からのレーザ光によって主走査方向(感光体ドラム21の軸線方向)に走査しながら露光して、各色の画像データに応じた静電潜像を形成する。
その各静電潜像を各現像器23により各色のトナーによって現像して、各感光体ドラム21の表面に、それぞれブラック、イエロー、マゼンタ、およびシアンの単色のトナー像を形成する。
【0031】
このようにして、各作像部2K,2Y,2M,2Cによって順次感光体ドラム21の表面に形成される各色のトナー像を、各一次転写ローラ26に順次転写バイアス電圧を印加して、中間転写ベルト10の表面(図では下面)に順次重ねて転写し、合成カラー画像(トナー画像)を形成する。
その後、各感光体ドラム21上の残留トナーをクリーニングブレード24で除去し、残留電荷を除電ランプ25の光照射によって除去して、次の画像形成に備える。
また、中間転写ベルト10上の残留トナーは、中間転写ベルトクリーニング装置17によって除去され、次の一次転写に備える。
【0032】
一方、給紙部4は選択された用紙サイズ又は給紙方向にしたがって、給紙ローラ43又は44のいずれかを選択して回転させ、用紙カセット41,42の一方から用紙Pを繰り出し、図示していない分離ローラとの間で1枚ずつに分離して給紙路45へ送り出す。そして図示していない搬送ローラによってさらに搬送し、レジストローラ対46に突き当てて止める。
【0033】
その後、中間転写ベルト10上の合成カラー画像にタイミングを合わせてレジストローラ対46を回転させ、中間転写ベルト10と二次転写ローラ18とのニップ部に用紙Pを送り込む。そして、二次転写ローラ18によって中間転写ベルト10上の合成カラー画像を用紙上に転写する。その合成カラー画像転写後の用紙は定着装置5へ送り込まれ、その定着装置5で、定着ローラ51と加圧ローラ52によって熱と圧力とを加えられ、合成カラー画像が定着されながら搬送される。そして、その用紙は排出路53を通して、排出ローラ54によって排紙トレイ40上に排出され、そこにスタックされる。
【0034】
なお、二次次転写手段として、二次転写ローラ18に代えて、複数本の支持ローラに掛け渡されて回動する二次転写ベルトを用いることもできる。
【0035】
次に、この実施例における濃度調整用トナーパターン形成位置及びトナーパターン検知手段であるフォトセンサの配設位置について、図3及び図4によって説明する。
図3は、図1及び図2に示した実施例における、中間転写ベルト上のトナーパターン形成位置と、そのトナーパターンを検知するフォトセンサの配設位置を示す要部斜視図である。図3において矢示Aは中間転写ベルト10に回動方向を、矢示Bは用紙Pの搬送方向を示している。図4は同じくその模式的な平面図であり、図示の都合上フォトセンサ7を中間転写ベルト10の表面に平行な状態に倒して示している。
【0036】
この画像形成装置においては、図3及び図4に示すように、中間転写ベルト10の表面上における記録媒体である用紙Pと接触可能な領域より外側の領域に濃度調整用のトナーパターン100を形成し、その領域に対向してトナーパターン検知手段である一対のフォトセンサ7を配設している。各フォトセンサ7は、発光ダイオード等の発光素子71とフォトトランジスタ等の受光素子72とを、その両光軸が中間転写ベルト10の表面に相当する位置で交わるように向けて設けた反射型フォトセンサである。
【0037】
中間転写ベルト10の表面上における用紙Pと接触可能な領域とは、図4に示すように、この画像形成装置で使用できる最大幅WMの用紙PMが、中間転写ベルト10と二次転写ローラ18とのニップ部を通過する際に中間転写ベルト10の表面と接触する幅WMの領域である。この幅WMの領域内に図3に斜線を施して示す画像パターン90が形成される。
【0038】
この幅WMの領域より外側(中間転写ベルト10の両側端10a,10b側)の幅W1の領域が、それぞれ外側の領域である。この幅W1の領域内に濃度調整用のトナーパターン100を形成する。
さらに好ましくは、二次転写ローラ18の中間転写ベルト10の表面と接触するローラ部18aの軸方向の長さがW18であるとき、この二次転写ローラ18と接触しない中間転写ベルト10の両側端10a,10b側の幅W2の領域内に、濃度調整用のトナーパターン100を形成するとよい。
【0039】
一対のフォトセンサ7は、中間転写ベルト10の表面の上記外側の領域に形成された濃度調整用のトナーパターン100に、発光素子71によって光を照射し、その反射光を受光素子72によって受光する。そして、その受光量すなわちトナーパターン100の濃度に応じた信号を出力する。また、中間転写ベルト10の表面状態を検知する際には、中間転写ベルト10の表面の幅W1又はW2の領域内の反射率(後述する表面光沢度に相当する)に応じた信号を出力する。
【0040】
ここで、上述したこの発明の実施例の効果について、図5及び図6によって説明する。
図5は、この発明の実施例と従来例とにおける記録媒体の通紙枚数と中間転写ベルトの表面光沢度(以下「ベルト表面光沢度」という)との関係を示す線図である。「ベルト表面光沢度(20度)」とは、ベルト表面に対する光の入射角及び反射角が20度の状態で測定されるベルト表面光沢度である。
そして、初期の光沢度を100として、通紙枚数50K枚(5万枚)ごとのベルト光沢度推移を示している。□は従来例におけるベルト表面光沢度の初期値および通紙枚数が50K枚増加するごとの各値、×はこの発明の実施例におけるベルト表面光沢度の同様な各値である。
【0041】
通常、通紙につれてベルト表面がフィルミングするため、ベルト表面光沢度が低下する傾向にある。しかし、中間転写ベルトの表面の用紙と接触する領域内でその光沢度を検知する従来例の場合には、画像面積率(単位枚数あたりのトナー使用量)が画像の内容によって変動するため、その影響を受け、ベルト表面光沢度は通紙枚数に対して必ずしも直線的に低下する訳ではない。
【0042】
例えば、図5において従来例では、a点に至るまではベルト表面光沢度が急激に低下している。これは、高画像面積率の画像が多く出力され、中間転写ベルトの表面がトナーによって急速にフィルミングされたことが原因と考えられる。b点において、ベルト表面光沢度は一度上昇しているが、これは低画像面積の通紙が行なわれ、トナーのフィルミングよりも二次転写ローラからの析出物でベルトがフィルミングされたためと考えられる。
【0043】
二次転写ローラは通常ゴム等で作られているため、バイアス電圧の印加により内部がブリードして、中間転写ベルトの表面に付着することにより一時的に光沢度が上昇する。その他に、用紙の種類の違いによる紙粉の量によっても影響を受けるため、ベルト表面光沢度は図5に線Jで示すように変化し、これに基づいて通紙枚数を判定することは難しかった。
【0044】
一方、この発明の実施例では、前述したように、中間転写ベルト10の表面上における用紙Pと接触可能な領域より外側の領域に濃度調整用のトナーパターン100を形成し、その領域に対向して配設したトナーパターン検知用のフォトセンサ7を兼用して、中間転写ベルト10の表面を検知している。
中間転写ベルト10の表面のその外側の領域(図4に幅W1で示した領域)は、トナー濃度検知用のトナーパターンのみが形成され、そのパターン形状は毎回同じであるから使用するトナー量も一定である。そのトナーによってのみ表面がフィルミングされるため、画像面積率の変化や用紙の種類等によって光沢度低下割合が変化することが無い。
【0045】
さらに、二次転写ローラ18とも接触しない図4に幅W2で示した領域で、中間転写ベルト10の表面を検知するようにすれば、二次転写ローラ18からのブリードの影響も排除でき、トナーによるフィルミングと二次転写ローラによるフィルミングとによってベルト表面光沢度が上下に変動するのを防止できる。
【0046】
また、トナー濃度調整は、一定の通紙枚数毎に実行されるのが一般的である。そのため、一定通枚数毎すなわち所定の作像回数毎に所定のトナーパターンが形成されることによって、一定量のトナーが中間転写ベルト10の表面の上記外側の領域に付着され、それによって一定の割合でトナーフィルミングされる。
そのため、この発明の実施例では、図5に×で示す各値を結ぶ線Kのように、ベルト表面光沢度が通紙枚数に対して直線的に低下していく。したがって、ベルト表面光沢度の変化に基づいて通紙枚数を判定することが容易になる。
【0047】
図6は、この発明の実施例と従来例とにおける通紙枚数とフォトセンサから一定の検知信号を得るための発光制御電流との関係を示す、図5に対応する線図である。□は従来例における初期および通紙枚数が50K枚増加するごとの発光制御電流の各値、×はこの発明の実施例における発光制御電流の同様な各値である。
【0048】
この場合は、中間転写ベルトの表面を発光素子と受光素子からなる反射フォトセンサによって検知し、その受光素子から常に一定の検出信号が出力されるように、すなわちフォトセンサの受光量が常に一定になるように、発光素子の発光量を変化させるべく発光素子に流す発光制御電流を制御する。
【0049】
したがって、中間転写ベルトの表面の光沢度(ベルト表面光沢度)が低くなって反射率が低下すると、発光素子の発光光量を増加するために発光制御電流値が増加する。
そのため、通紙枚数に対してベルト表面光沢度が図5に示したように推移した場合、発光制御電流は図6に示すように推移する。
【0050】
この図6から判るように、中間転写ベルトの表面の用紙と接触する領域内でその光沢度を検知する従来例の場合には、通紙枚数に対する発光制御電流の変化が□の点を結ぶ線Jで示すように不規則に変動し、この発光制御電流の変化によっては通紙枚数を判定することは困難であった。
一方、この発明の実施例では、通紙枚数に対して発光制御電流が図6で×の点を結ぶ線Kで示すように直線的に増加する。したがって、この発光制御電流の変化によって通紙枚数を判定することは容易である。
【0051】
そこで、この発光制御電流によって中間転写ベルトの状態を判定して転写バイアスや現像バイアス等を制御することが可能である。また、例えば発光制御電流が20mAになった時点で、中間転写ベルトは250K枚(25万枚)通紙された状態であることが判り、この時点で中間転写ベルトが交換時期であると判定することも可能である。
【0052】
また、中間転写ベルト10の装置本体1に対する脱着を検出する脱着検知手段を設ければ、その脱着検知手段によって中間転写ベルト10の脱着が検出された後、装着された中間転写ベルト10に対して、フォトセンサ7によってその表面上の外側の領域の表面状態を光学的に検知させ、その検知結果である上記発光制御電流の値に基づいて新品か否かを判別することもできる。
【0053】
次に、上述した実施例の画像形成装置における図2に示した制御部(コントローラ)8における、この発明に関わる機能構成とその動作を、図7〜図9によって説明する。
図7は、図2に示した制御部におけるこの発明に係わる機能構成を示すブロック図である。
【0054】
この制御部8には、発光制御部81、受光出力値検出部82、濃度調整用トナーパターン形成制御部83、トナー濃度調整部84、中間転写体使用状態判定手段85、脱着検知手段86、及び中間転写体判別手段87を有している。その他に通常の画像形成処理等を実行する機能も当然備えているが、ここでは説明を省略する。
この制御部8は、ハード的にはCPU,ROM,RAM、不揮発性メモリ等からなるマイクロコンピュータを中心に構成されている。
【0055】
発光制御部81は、トナーパターン検知手段であるフォトセンサ7の発光素子71に発光制御電流を流して発光させ、受光出力値検出部82はフォトセンサ7の受光素子72の受光量に応じた受光出力信号を検出する。
濃度調整用トナーパターン形成制御部83は、所定の作像回数(例えば200回)毎のトナー濃度調整時に、図1に示した各作像部2K,2Y,2M,2C、露光装置3、及び中間転写ベルト10等を動作させて、中間転写ベルト10の用紙と接触可能な領域より外側の領域に、図3及び図4に示した濃度調整用のトナーパターン100を形成する。したがって、これらによってトナーパターン形成手段を構成している。
【0056】
この濃度調整用トナーパターン形成制御部83が、中間転写ベルト10の上記領域に各色ごとのトナーパターンを形成すると、発光制御部81を動作させ、フォトセンサ7の発光素子71に所定の発光制御電流を流して発光させ、各トナーパターンを検知したときの受光素子72の受光量に応じた受光出力値を、受光出力値検出部82によって検出する。
【0057】
トナーパターンのトナー付着量が増加すると、受光素子72の受光量が減少して受光出力値が低下する。トナーパターンのトナー付着量が減少すると、受光素子72の受光量が増加して受光出力値が上昇する。そこで、トナー濃度調整部84が、受光出力値検出部82による検出結果(トナーパターンの光学的検知結果)に応じて、適正なトナー濃度が得られるように、各作像部2K,2Y,2M,2Cの現像バイアス又は帯電バイアスの少なくとも一方を制御する。
【0058】
この実施例では、トナーパターン検知手段としてフォトセンサ7を中間転写ベルト10の幅方向の両側部に一対設けているので、その2個のフォトセンサ7の受光素子72による受光出力値を平均してトナーパターンの光学的検知結果とする。
【0059】
中間転写体使用状態判定手段85は、トナーパターン検知手段であるフォトセンサ7によって中間転写体である中間転写ベルト10の表面の上記外側の領域の表面状態を光学的に検知させ、その検知結果に基づいて中間転写ベルト10の使用状態を判定する。
その中間転写体使用状態判定手段85等による使用状態判定処理を、図8のフロー図によって説明する。この処理は実際には、制御部8を構成するマイクロコンピュータによって実行される。
【0060】
この使用状態判定処理は、装置の電源投入時やその後所定の時間間隔で、トナー濃度調整時以外のときに実行される。
この処理を開始すると、まずステップS1で発光制御部81を動作させてフォトセンサ7の発光素子71を発光させる。発光制御部81は前回の発光制御電流の値を記憶しており、このときはその前回の記憶値による発光制御電流Isで発光素子71を発光させる。
【0061】
そして、ステップS2で、フォトセンサ7の受光素子72の受光出力値を受光出力値検出部82で検出させ、ステップS3で、発光制御部81にその受光出力値が予め設定した規定値以上か否かを判断させる。その結果規定値以上でない場合はステップS4で発光制御電流Isを1ステップ増加させる。すなわち、発光素子71の発光量を増加させる。
【0062】
その後再び、ステップS2で、フォトセンサ7の受光素子72の受光出力値を受光出力値検出部82で検出させ、ステップS3で、発光制御部81にその受光出力値が予め設定した規定値以上か否かを判断させる。受光出力値が規定値以上になるまでは、ステップS4で発光制御電流Isを1ステップずつ増加させるが、受光出力値が規定値以上になると、ステップS5へ進んで、その時の発光制御電流Isの値を不揮発性メモリに記憶する。この場合、前回の記憶値に上書きすることになる。
【0063】
そして、ステップS6で、その発光制御電流Isの値が20mA以上(Is≧20mA)か否かを判定し、20mA以上でなければ何もせずに処理を終了するが、20mA以上であれば、中間転写体(この実施例では中間転写ベルト)が使用限度状態であると判定して、ステップS7で交換要求を表示部9に表示した後、処理を終了する。
【0064】
この例では、通紙枚数250K枚のときに発光制御電流Isの値が20mAになるものとして、この状態を中間転写ベルトの使用限度状態としている。発光制御電流Isがこれよりも幾分小さい例えば18mA以上になったときも判定して、中間転写ベルトの交換時期が近いことを予告表示することもできる。これらの閾値は実際の画像形成装置に応じて適宜設定することができる。
【0065】
なお、この実施例では前述のように、フォトセンサ7が一対設けられているので、その各フォトセンサ7の発光素子71を発光させ、各受光素子72の受光出力値が規定値以上になったときの各発光素子71の発光制御電流Isの平均値を記憶して、その値が20mA以上か否かを判定する。
次回の使用状態判定処理のステップS1では、その記憶している発光制御電流Isで、各フォトセンサ7の発光素子71を発光させる。
【0066】
図7における脱着検知手段86は、中間転写体である中間転写ベルトの脱着、すなわち中間転写ベルトが装置本体から取り出された後装着されたことを検知する手段である。それは、後述する例のように発光制御部81における発光制御電流の変化によって、中間転写ベルトの脱着を検出することができる。
【0067】
しかし、中間転写ベルトとその複数の支持ローラ及びそれらを支持する支持側板等をユニット化し、その中間転写ベルトユニットが装置本体から引き出されたときと、装置本体に正しく装着されたときとで、ON/OFF状態が反転するスイッチ又はセンサ等を設け、そのON/OFF状態の変化によって中間転写ベルトの脱着を検知することもできる。
【0068】
中間転写体判別手段87は、脱着検知手段86によって中間転写ベルトの脱着が検出された後、装着された中間転写ベルトに対して、トナーパターン検知手段であるフォトセンサ7によって、中間転写ベルトの表面の前述した外側の領域の表面状態を光学的に検知させ、その検知結果に基づいて新品か否かを判別する。
【0069】
その中間転写体判別手段87等による中間転写体判別処理を、図9のフロー図によって説明する。この処理も実際には、制御部8を構成するマイクロコンピュータによって実行される。この中間転写体判別処理は、脱着検知手段86が中間転写ベルトの脱着(中間転写ベルトが装置本体から取り出された後装着されたこと)を検出すると、実行される。
【0070】
この処理を開始すると、まずステップS11で発光制御部81を動作させてフォトセンサ7の発光素子71を発光させる。この場合は、発光制御部81は初期発光制御電流(一番小さい値で例えば10mA)で、まず発光素子71を発光させる。
そして、ステップS12で、フォトセンサ7の受光素子72の受光出力値を受光出力値検出部82で検出させ、ステップS13で、発光制御部81にその受光出力値が予め設定した規定値以上か否かを判断させる。その結果規定値以上でない場合はステップS14で発光制御電流Isを1ステップ増加させる。すなわち、発光素子71の発光量を増加させる。
【0071】
その後再び、ステップS12で、フォトセンサ7の受光素子72の受光出力値を受光出力値検出部82で検出させ、ステップS13で、発光制御部81にその受光出力値が予め設定した規定値以上か否かを判断させる。受光出力値が規定値以上になるまでは、ステップS14で発光制御電流Isを1ステップずつ増加させるが、受光出力値が規定値以上になると、ステップS15へ進んで、その時の発光制御電流Isの値を不揮発性メモリに記憶する。
【0072】
そして、ステップS16で、その発光制御電流Isの値が閾値とする12mA以下(Is≦12mA)か否かを判定し、12mA以下であればステップS17で、装着された中間転写ベルトが新品であると判別して、中間転写ベルトに関する各種の設定値をリセット又は初期設定したり、通紙枚数のカウンタをリセットしたりした後、処理を終了する。
12mA以下でなければステップS18で、使用済品が再び装着されたか中古品が装着されたと判別して、何もせずに処理を終了する。
【0073】
ステップS16で発光制御電流Isの値と比較する閾値は、図6で説明したように新品の中間転写ベルトに対する初期発光制御電流が10mAであった場合、それより若干大きい値に設定するのがよい。この例ではそれを12mAとしたが、これに限るものではない。
また、この実施例では前述のように、フォトセンサ7が一対設けられているので、その各フォトセンサ7の発光素子71を発光させ、各受光素子の受光出力値が規定値以上になったときの各発光素子71の発光制御電流Isの平均値を記憶して、その値が閾値(12mA)以下か否かを判定する。
【0074】
このように、この実施例では、フォトセンサ7の受光素子72の受光出力値が一定の規定値を保持するように発光素子71を発光させる発光制御電流を徐々に増加させて、その発光制御電流によって、中間転写ベルトの交換時期や装着された中間転写ベルトが新品か否かの判断をしている。
しかし、フォトセンサ7の発光素子71を常に一定の発光制御電流で発光させるようにし、受光素子72の受光出力値の低下によって、中間転写ベルトの交換時期や装着された中間転写ベルトが新品か否かの判断をすることもできる。
【0075】
図5に示したように、通紙毎数の増加に伴って中間転写ベルトの表面光沢度が低下するため、受光素子72の受光量が減少して受光出力値が低下する。したがって、その受光出力値を予め設定した閾値と比較することによって、中間転写ベルトの交換時期や装着された中間転写ベルトが新品か否かの判断をすることができる。
【0076】
次に、図7における脱着検知手段86の一例として、トナーパターン検知手段であるフォトセンサ7を利用した実施例を、図10〜図12によって説明する。
図10は、その実施例の中間転写ベルトユニットがフォトセンサを備えた画像形成装置本体に完全に装着された状態を、図11はその中間転写ベルトユニットが画像形成装置本体から引き出される途中の状態を、それぞれ示す模式的な平面図である。これらの図において、図1〜図4の各部と対応する部分には同一の符号を付している。
【0077】
しかし、フォトセンサ7は、図1〜図4では中間転写ベルト10の支持ローラ11寄りの上部に対向して、両側部に一対設けられているが、図10及び図11では、その機能を分り易く説明するために、中間転写ベルト10の支持ローラ13側の側部に対向して1個だけ設けている。また、脱着検知手段に関係しない部分は図示を省略して簡略化している。
【0078】
この実施例においては、中間転写ベルト10と、それを支持して張り渡す支持ローラ11〜13及びテンションローラ14と、その各ローラの軸の両端部を軸受を介して支持する一対の側板111,112とによって中間転写ベルトユニット110を構成している。
そして、中間転写ベルト10をこの中間転写ベルトユニット110ごと、装置本体1に対して脱着できるようにしている。
【0079】
フォトセンサ7は、中間転写ベルト10の支持ローラ13側の側部に対向する位置に、装置本体1内に固定して設けられている。そのフォトセンサ7は、その検知部位、すなわち発光素子71からの光が射出し、中間転写ベルト10の表面からの反射光が受光素子72に入射する前面7aを、中間転写ベルト10の表面のトナーパターンを形成する領域に対向させている。
【0080】
そのフォトセンサ7の検知部位である前面7aと中間転写ベルト10に表面との間に、遮蔽手段として遮蔽部75aと窓孔75bを有する遮蔽板75を、中間転写ベルト10の幅方向(支持ローラ13の軸方向)にスライド可能に設けている。その遮蔽板75の直角に曲がって側方に延びた折曲部75cと、装置本体2に固設された固定片76との間に、圧縮コイルスプリング77をその両端を折曲部75cと固定片76とに固定して設けている。そのため、遮蔽板75は、圧縮コイルスプリング77の復元力によって、常時図10において左方へ移動する力を与えられている。
【0081】
しかし、中間転写ベルトユニット110が装置本体1内に完全に装着された状態では、図10に示すようになる。すなわち、中間転写ベルトユニット110における側版111の延設部111aが、遮蔽板75の折曲部75cに当って、それを圧縮コイルスプリング77の力に打ち勝って押し込む。
そのため、遮蔽板75が左方へ移動して図10に示す位置になり、窓孔75bがフォトセンサ7の前面7aに対応する位置になる。したがって、フォトセンサ7は遮蔽板75の窓孔75bを通して中間転写ベルト10の表面の光沢度を検出することができる。
【0082】
ところが、図11に示すように中間転写ベルトユニット110が装置本体1から引き出されると、側版111の延設部111aが遮蔽板75の折曲部75cから離れるため、遮蔽板75は圧縮コイルスプリング77の復元力によって左方へ移動される。それによって、遮蔽部75aがフォトセンサ7の前面7aを遮蔽する位置になる。そのため、フォトセンサ7の発光素子71から射出された光が中間転写ベルト10の表面に到達せず、遮蔽板75の遮蔽部75aで反射される光も受光素子72には殆ど受光されなくなる。
【0083】
そこで、前述したように、図7に示した受光出力値検出部82でフォトセンサ7の受光素子72から常に一定の受光出力値が検出されるように、発光制御部81が発光素子71に流す発光制御電流を制御すると、中間転写ベルトユニット110の脱着によって、発光制御電流の値が図12に示すように変化する。
【0084】
すなわち、図10に示すように、中間転写ベルトユニット110が装置本体1内に装着されている状態では、その中間転写ベルト10が交換時期になっていると、発光制御電流が20mA程度になっている。その中間転写ベルトユニット110が、図11に示すように引き出されて装置本体1から離脱されると、フォトセンサ7の検知部位である前面7aが遮蔽板75によって遮蔽される。その後中間転写ベルトユニット110が装着されるまでその状態が続く。したがって、その間は発光制御電流が大幅に増加し、遮蔽手段による遮蔽状態を検知した状態になる。
【0085】
装置本体1内に再び中間転写ベルトユニット110が装着されると、フォトセンサ7の検知部位である前面7aが遮蔽板75の窓孔75bによって開放されるため、発光制御電流が10〜20mA程度になる。この発光制御電流の変化によって中間転写ベルト10の脱着を検出することができる。
【0086】
その脱着を検出後、装着された中間転写ベルト10の使用状態を判定した結果、発光制御電流が図12に実線で示すように10mA程度になり、閾値(例えば12mA)以下であれば、新品の中間転写ベルト(中間転写ベルトユニット)が装着されたと判別できる。
しかし、発光制御電流が図12に破線で示すように20mA程度で、閾値(例えば12mA)を越えていれば、使用済の中間転写ベルト(中間転写ベルトユニット)が再び装着されたと判別できる。
【0087】
この場合、中間転写ベルトユニット110が装着された後の発光制御電流の値が、離脱される前の値と略同じであれば、使用済の同じ中間転写ベルトユニット110が再び装着されたと判別し、離脱される前の値と異なっていれば、別の使用された中間転写ベルトユニット110が装着されたと判別することもできる。
【0088】
この実施例によれば、中間転写ベルトの脱着をトナーパターン検知手段であるフォトセンサ7を利用して検知できるため、中間転写ベルトの脱着検知専用のスイッチやセンサ等を設置する必要がないので、コスト的に有利である。但し、この実施例の場合には、フォトセンサ7と制御部8が常時動作状態でなければならない。そのため、中間転写ベルトユニット110を脱着する際に装置本体1の図示していないカバーが開放されるとメイン電源がOFFになる装置では、その際も図7に示した少なくとも制御部8の電源はONにしておく必要がある。
【0089】
上述した実施例は、中間転写体として中間転写ベルトを使用するタンデム型のカラー画像形成装置にこの発明を適用した例で説明したが、この発明は中間転写体として中間転写ドラムを使用した画像形成装置(背景技術の項で簡単に説明した)も同様に適用できる。
【0090】
その場合も、中間転写ドラムの表面上における用紙等の記録媒体と接触可能な領域より外側(この場合は軸方向の外側)の領域に濃度調整用のトナーパターンを形成するようにし、その領域に対向してトナーパターンを光学的に検知するフォトセンサ等のトナーパターン検知手段を設ける。そして、そのトナーパターン検知手段によって中間転写ドラムの表面の上記外側の領域の表面状態を光学的に検知させ、その検知結果に基づいて中間転写ドラムの使用状態を判定する。
【0091】
また、中間転写ドラムの脱着を検出する脱着検知手段を設け、それによって中間転写ドラムの脱着が検出された後、装着された中間転写ドラムに対して、トナーパターン検知手段によって中間転写ドラムの表面の上記外側の領域の表面状態を光学的に検知させ、その検知結果に基づいて新品か否かを判別することもできる。
【0092】
この発明は上述した各実施例に限るものではなく、特許請求の範囲に規定した範囲を逸脱しない範囲で、適宜追加又は省略したり、変更することができることは勿論である。
【符号の説明】
【0093】
1:画像形成装置本体 2K,2Y,2M,2C:作像部 3:露光装置
4:給紙部 5:定着装置 6:ボトル収容器
7:フォトセンサ(トナーパターン検知手段)
7a:フォトセンサの前面(検知部位) 8:制御部 9:表示部
10:中間転写ベルト 11,12,13:支持ローラ 14:テンションローラ
15:スプリング 17:中間転写ベルトクリーニング装置 18:二次転写ローラ
19:スプリング 21:感光体ドラム 22:帯電器 23:現像器
24:クリーニングブレード 25:除電ランプ 40:排紙トレイ
41,42:用紙カセット 43,44:給紙ローラ 45:給紙路
46:レジストローラ対 51:定着ローラ 52:加圧ローラ
【0094】
53:排出路 54:排出ローラ 71:発光素子 72:受光素子
75:遮蔽板 75a:遮蔽部 75b:窓孔 75c:折曲部
76:固定片 77:圧縮コイルスプリング 81:発光制御部
82:受光出力値検出部 83:濃度調整用トナーパターン形成制御部
84:トナー濃度調整部 85:中間転写体使用状態判定手段
86:脱着検知手段 87:中間転写体判別手段 90:画像パターン
100:濃度調整用のトナーパターン 110:中間転写ベルトユニット
111,112:側板 111a:延設部
【先行技術文献】
【特許文献】
【0095】
【特許文献1】特開2002−351269号公報
【特許文献2】特開2005−181974号公報
【特許文献3】特開平11−84959号公報
【特許請求の範囲】
【請求項1】
感光体と中間転写体を備え、前記感光体上に形成される互いに異なる色のトナー像を、順次前記中間転写体の表面上に重ね合わせて一次転写し、該中間転写体上に一次転写されたトナー像を、二次転写手段によって記録媒体上に二次転写してカラー画像を形成する画像形成装置であって、
前記中間転写体の表面上における前記記録媒体と接触可能な領域より外側の領域に濃度調整用のトナーパターンを形成するトナーパターン形成手段と、
前記中間転写体の表面の前記外側の領域に対向して設けられ、前記トナーパターンを光学的に検知するトナーパターン検知手段と、
該トナーパターン検知手段による前記トナーパターンの光学的検知結果に基づいてトナー濃度を調整するトナー濃度調整手段と、
前記トナーパターン検知手段によって前記中間転写体の表面の前記外側の領域の表面状態を光学的に検知させ、その検知結果に基づいて前記中間転写体の使用状態を判定する中間転写体使用状態判定手段
とを備えたことを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記トナーパターン形成手段は、前記中間転写体の表面上における前記記録媒体と接触可能な領域より外側で、且つ前記二次転写手段と接触しない領域に前記濃度調整用のトナーパターンを形成する手段であり、
前記トナーパターン検知手段は、前記中間転写体の表面の前記外側の領域で且つ前記二次転写手段と接触しない領域に対向して設けられていることを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記トナーパターン形成手段は、所定の作像回数毎に前記トナーパターンを形成することを特徴とする請求項1又は2記載の画像形成装置。
【請求項4】
請求項1から3のいずれか一項に記載の画像形成装置において、
前記中間転写体の脱着を検出する脱着検知手段と、
該脱着検知手段によって中間転写体の脱着が検出された後、装着された中間転写体に対して、前記トナーパターン検知手段によって前記中間転写体の表面の前記外側の領域の表面状態を光学的に検知させ、その検知結果に基づいて新品か否かを判別する中間転写体判別手段と
を設けたことを特徴とする画像形成装置。
【請求項5】
前記脱着検知手段は、中間転写体が離脱された状態において前記トナーパターン検知手段の検知部位を遮蔽する遮蔽手段を有し、前記トナーパターン検知手段が前記遮蔽手段による遮蔽状態を検出することによって、中間転写体の脱着を検出する手段であることを特徴とする請求項4に記載の画像形成装置。
【請求項1】
感光体と中間転写体を備え、前記感光体上に形成される互いに異なる色のトナー像を、順次前記中間転写体の表面上に重ね合わせて一次転写し、該中間転写体上に一次転写されたトナー像を、二次転写手段によって記録媒体上に二次転写してカラー画像を形成する画像形成装置であって、
前記中間転写体の表面上における前記記録媒体と接触可能な領域より外側の領域に濃度調整用のトナーパターンを形成するトナーパターン形成手段と、
前記中間転写体の表面の前記外側の領域に対向して設けられ、前記トナーパターンを光学的に検知するトナーパターン検知手段と、
該トナーパターン検知手段による前記トナーパターンの光学的検知結果に基づいてトナー濃度を調整するトナー濃度調整手段と、
前記トナーパターン検知手段によって前記中間転写体の表面の前記外側の領域の表面状態を光学的に検知させ、その検知結果に基づいて前記中間転写体の使用状態を判定する中間転写体使用状態判定手段
とを備えたことを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記トナーパターン形成手段は、前記中間転写体の表面上における前記記録媒体と接触可能な領域より外側で、且つ前記二次転写手段と接触しない領域に前記濃度調整用のトナーパターンを形成する手段であり、
前記トナーパターン検知手段は、前記中間転写体の表面の前記外側の領域で且つ前記二次転写手段と接触しない領域に対向して設けられていることを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記トナーパターン形成手段は、所定の作像回数毎に前記トナーパターンを形成することを特徴とする請求項1又は2記載の画像形成装置。
【請求項4】
請求項1から3のいずれか一項に記載の画像形成装置において、
前記中間転写体の脱着を検出する脱着検知手段と、
該脱着検知手段によって中間転写体の脱着が検出された後、装着された中間転写体に対して、前記トナーパターン検知手段によって前記中間転写体の表面の前記外側の領域の表面状態を光学的に検知させ、その検知結果に基づいて新品か否かを判別する中間転写体判別手段と
を設けたことを特徴とする画像形成装置。
【請求項5】
前記脱着検知手段は、中間転写体が離脱された状態において前記トナーパターン検知手段の検知部位を遮蔽する遮蔽手段を有し、前記トナーパターン検知手段が前記遮蔽手段による遮蔽状態を検出することによって、中間転写体の脱着を検出する手段であることを特徴とする請求項4に記載の画像形成装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2012−247627(P2012−247627A)
【公開日】平成24年12月13日(2012.12.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−119281(P2011−119281)
【出願日】平成23年5月27日(2011.5.27)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年12月13日(2012.12.13)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年5月27日(2011.5.27)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]