説明

画像形成装置

【課題】 画像データに対する出力条件を、迅速かつ容易に設定することが可能な画像形成装置を提供する。
【解決手段】画像形成装置22において、USB I/F65は、持ち運び可能なUSBメモリ67を着脱可能に装着し、出力部は、画像データの出力を行なう。USBメモリ67は、出力部によって画像データを出力する際に設定される出力条件であるジョブ設定データを記憶するとともに、画像データを記憶可能である。画像形成装置22において、操作パネル54は、USB I/F65に対して装着されたUSBメモリ67に記憶される画像データ及びジョブ設定データに基づいて、出力対象の画像データ及び出力対象のジョブ設定データを選択し、出力部は、選択されたジョブ設定データを適用して、選択された画像データを出力する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置に関し、特には、外部記憶媒体に記憶される画像データを出力する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、USBメモリ等の持ち運び可能な外部記憶媒体を着脱可能な画像形成装置が知られている。このような画像形成装置では、外部記憶媒体に記憶される画像データを読込み、読込んだ画像データに対し、ファクシミリ(以下「FAX」と記す場合がある。)送信処理及び印刷処理を実行することができる。
【0003】
例えば、後掲の特許文献1には、印刷データ及び印刷データに関するプロパティを記述したプロパティファイルが記憶されているPCカードを着脱可能な入出力装置が開示されている。この入出力装置にPCカードがセットされ、ユーザによって所望の印刷データが指定されると、入出力装置は、PCカードから指定された印刷データ及び対応する印刷条件を読出し、読出した印刷条件に基づいて指定された印刷データに基づく画像を印刷する。
【0004】
また、後掲の特許文献2には、USBメモリを着脱可能な複合機が開示されている。この複合機は、FAX送信又は印刷を行なう際に、設定された出力条件と、画像データを格納した画像格納ファイルとをUSBメモリに記憶させる。そして、FAX再送信又は再印刷を行なう際に、USBメモリに記憶される画像格納ファイル及び出力条件を読込み、画像格納ファイルから取出した画像データを、出力条件に従って、FAX再送信又は再印刷を行なう。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2001−150745号公報
【特許文献2】特開2009−60234号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1及び特許文献2に開示される技術では、外部記憶媒体には、画像データと出力条件とがそれぞれ対応付けて記憶されている。したがって、記憶される出力条件を変更したり、新たに異なる出力条件を設定したりする場合には、操作パネル等に対する入力操作によって、選択可能な全ての出力条件の中から所望の条件を選択して設定しなければならず、手間と時間がかかる。
【0007】
本発明の目的は、画像データに対する出力条件を、迅速かつ容易に設定することが可能な画像形成装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明のある局面に係る画像形成装置は、持ち運び可能な外部記憶媒体を着脱可能に装着する装着手段と、画像データを出力する出力手段と、を含む画像形成装置である。外部記憶媒体は、出力手段によって画像データを出力する際に設定される出力条件を記憶するとともに、画像データを記憶可能である。画像形成装置はさらに、装着手段に対して装着された外部記憶媒体に記憶される画像データに基づいて、出力対象の画像データを選択するための第1の選択手段と、装着手段に対して装着された外部記憶媒体に記憶される出力条件に基づいて、出力対象の出力条件を選択するための第2の選択手段と、を含み、出力手段は、選択された出力条件を適用して、選択された画像データを出力する。
【0009】
このように、外部記憶媒体に記憶される画像データ及び出力条件に基づいて、出力対象の画像データ及び出力対象の出力条件をそれぞれ選択することができるので、画像データと出力条件との組合せを、適宜選択することができる。これによって、出力条件を迅速に設定することが可能になる。また、上記構成を有する画像形成装置であれば、同一の機能に対する設定方法が異なるいずれの画像形成装置を使用した場合であっても、容易に出力条件を設定することが可能になる。
【0010】
好ましくは、第1の選択手段及び第2の選択手段は、表示手段及び表示手段に対して重ねて構成されるタッチパネルを含み、表示手段は、装着手段に対して装着された外部記憶媒体に記憶される画像データ及び出力条件の内容を表示し、第1の選択手段及び第2の選択手段は、タッチパネルに対するユーザのタッチ操作を検出することによって、出力対象の画像データ及び出力対象の出力条件を選択する。これによって、ユーザは、表示手段に表示される情報を確認した後に、タッチパネルに対するタッチ操作によって出力対象の画像データ及び出力対象の出力条件を選択することができる。したがって、出力対象の画像データ及び出力対象の出力条件をより一層容易に選択することができるようになり、ユーザの利便性が向上する。
【0011】
より好ましくは、第1の選択手段によって、出力対象の画像データが複数選択された場合に、出力手段は、選択された複数の画像データに対し、選択された同一の出力条件を適用して、選択された複数の画像データを出力する。これによって、複数の画像データに対して同一の出力条件を適用させたい場合(例えば、複数の画像データを、同一の通信相手先にファクシミリ送信したい場合、及び、1枚の記録用紙に集約(N−up)印刷したい場合等)に、画像データ毎に出力条件を設定する手間を省くことができる。したがって、ユーザの利便性を向上させることができる。
【0012】
さらに好ましくは、第2の選択手段によって、出力対象の出力条件が複数選択された場合に、出力手段は、選択された同一の画像データに対し、選択された複数の出力条件を適用して、選択された画像データを出力する。これによって、同一の画像データに対して複数の出力条件を適用させたい場合(例えば、同一の画像データに対し、集約(N−up)印刷、及び、ステープル処理を行ないたい場合等)に、出力条件の組合せを容易に選択することができる。したがって、ユーザの利便性を向上させることができる。
【0013】
さらに好ましくは、画像形成装置はさらに、画像データを入力するための入力手段を含み、出力手段は、外部記憶媒体が出力条件のみを記憶する場合に、選択された出力条件を適用して、入力手段によって入力される画像データを出力する。これによって、外部記憶装置に記憶されていない画像データに対しても、外部記憶装置に記憶される出力条件を適用することができる。したがって、頻繁に使用する出力条件を、画像データの出力を行なう毎に入力する手間を省くことができる。
【0014】
さらに好ましくは、画像形成装置はさらに、出力条件を設定するための設定手段を含み、外部記憶媒体に記憶される出力条件は、設定手段によって頻繁に設定される条件である。これによって、例えば、集約(N−up)印刷、及び、ステープル処理等の、ユーザが頻繁に使用する出力条件を、画像データの出力を行なう毎に入力する手間を省くことができる。したがって、ユーザの利便性をより一層向上させることができる。
【0015】
さらに好ましくは、出力手段は、画像データに対し、ファクシミリ送信処理を実行するファクシミリ送信手段を含み、出力条件は、通信相手先のファクシミリ番号又は電子メールアドレスである。これによって、頻繁に使用する通信相手先のファクシミリ番号又は電子メールアドレスを、ファクシミリ送信処理を行なう毎に入力する手間を省くことができる。また、個人情報である通信相手先のファクシミリ番号又は電子メールアドレスを外部記憶媒体に記憶するので、個人情報の漏洩を防ぐことができ、セキュリティを向上させることができる。
【0016】
さらに好ましくは、外部記憶装置はさらに、ユーザを識別するための認証データを記憶し、画像形成装置はさらに、装着手段に対して装着された外部記憶媒体に記憶される認証データに基づいて、外部記憶媒体を所有するユーザが、当該画像形成装置の使用を許可された正規のユーザであるか否かを判定する認証手段を含む。これによって、画像形成装置が正規のユーザではない第三者によって利用されることを防ぐことができるので、セキュリティをさらに向上させることができる。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、外部記憶媒体に記憶される画像データ及び出力条件に基づいて、出力対象の画像データ及び出力対象の出力条件をそれぞれ選択することができるので、画像データと出力条件との組合せを、適宜選択することができる。これによって、出力条件を迅速に設定することが可能になる。また、上記構成を有する画像形成装置であれば、同一の機能に対する設定方法が異なるいずれの画像形成装置を使用した場合であっても、容易に出力条件を設定することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の一実施の形態に係る画像形成装置の構成を示すブロック図である。
【図2】FAX送信/印刷処理を実現するためのコンピュータプログラムの制御構造をフローチャート形式で示す図である。
【図3】FAX送信/印刷処理を実現するためのコンピュータプログラムの制御構造をフローチャート形式で示す図である。
【図4】FAX送信/印刷処理を実現するためのコンピュータプログラムの制御構造をフローチャート形式で示す図である。
【図5】画像データ選択画面の一例を示す図である。
【図6】ジョブ設定データ選択画面の一例を示す図である。
【図7】確認画面の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下の説明及び図面においては、同一の部品には同一の参照符号及び名称を付してある。それらの機能も同様である。したがって、それらについての詳細な説明は繰返さない。
【0020】
〈ハードウェア構成〉
[画像形成装置22]
図1を参照して、画像形成装置22は、コピー機能、スキャナ機能、ファクシミリ(FAX)機能、インターネットFAX機能、及び、プリンタ機能等を備えるMFP(Multifunction Printer)である。
【0021】
画像形成装置22は、制御部50、HDD(Hard Disk Drive)52、操作パネル54、スキャナ部56、画像処理部58、排紙処理部59、画像メモリ60、印字部61、回線制御部62、モデム63、CI(Calling Indicator)検出部64、USB(Universal Serial Bus)インターフェイス(以下「USB I/F」と記す。)65、及び、ネットワークインターフェイス(以下「ネットワークI/F」と記す。)66、を含む。
【0022】
制御部50は、実質的にコンピュータであって、CPU(Central Processing Unit)70、ROM(Read−Only Memory)72、及び、RAM(Random Access Memory)74を含む。CPU70には、バスライン76が接続されており、このバスライン76には、ROM72及びRAM74が電気的に接続される。
【0023】
CPU70は、操作パネル54等からの指示に応じて各種コンピュータプログラムを実行することによって、画像形成装置22の各構成部の動作及び外部装置との通信等の所望の処理を実行する。上記の各種コンピュータプログラムは、予めROM72又はHDD52に記憶されており、所望の処理の実行時において、当該ROM72又はHDD52から読出されてRAM74に転送される。CPU70は、CPU70内の図示しないプログラムカウンタと呼ばれるレジスタに格納された値によって指定される、RAM74内のアドレスからプログラムの命令を読出し、解釈する。CPU70はまた、読出された命令によって指定されるアドレスから演算に必要なデータを読出し、そのデータに対し命令に対応する演算を実行する。実行の結果も、RAM74、HDD52及びCPU70内のレジスタ等の、命令によって指定されるアドレスに格納される。
【0024】
バスライン76には、さらに、HDD52、操作パネル54、スキャナ部56、画像処理部58、排紙処理部59、画像メモリ60、印字部61、回線制御部62、モデム63、CI検出部64、USB I/F65、及び、ネットワークI/F66が電気的に接続される。
【0025】
HDD52は、磁気記憶媒体を含み、各種コンピュータプログラム、各種設定値、及び画像データ等を格納する記憶領域を提供する。
【0026】
本実施の形態において、HDD52には、画像形成装置22の一般的な動作を実現するためのコンピュータプログラムとともに、後述するFAX送信/印刷処理を実現するためのコンピュータプログラムが記憶される。このコンピュータプログラムは、ネットワークI/F66を介して外部装置から提供される。なお、このコンピュータプログラムは、そのコンピュータプログラムが記録された、例えばDVD(Digital Versatile Disc)等の記録媒体によって提供されてもよい。すなわち、コンピュータプログラムの記録媒体としてのDVDが、画像形成装置22内に内蔵されるDVDドライブ(図示せず。)に装着され、そのDVDからコンピュータプログラムが読出されてHDD52にインストールされてもよい。このコンピュータプログラムにおける、FAX送信/印刷処理を実現するためのプログラム構造については後述する。
【0027】
操作パネル54は、タッチパネル等からなる入力装置と、液晶ディスプレイ等からなる表示装置と、を重ねて構成される。操作パネル54は、ユーザに対して対話的な操作インターフェイスを提供する。操作パネル54は、入力装置から画像形成装置22全体の動作に対するユーザの指示を受付けて、その指示の内容を表示装置に表示するとともに、その指示に応じた制御信号を制御部50又は画像処理部58のMPU(Micro Processing Unit、図示せず)に対して出力する。
【0028】
ユーザは、操作パネル54に対する入力操作によって、送信条件及び印刷条件等に関する各種設定を行なうことができる。上記した送信条件とは、FAX機能及びインターネットFAX機能によって実現されるFAX送信処理を実行する際に設定される条件のことである。送信条件としては、例えば、通信相手先のファクシミリ番号又は電子メールアドレス、並びに、送信画質及び親展送信等に関する設定がある。上記した印刷条件とは、プリンタ機能及びコピー機能によって実現される印刷処理を実行する際に設定される条件のことである。印刷条件としては、ページ集約、ステープル処理、サドルステッチ処理、印刷画質、及び、記録用紙のサイズ等に関する設定がある。以下、送信条件及び印刷条件を総称して、出力条件と記す場合がある。
【0029】
スキャナ部56は、光源を含む原稿走査ユニット、反射ミラー、光学レンズ及びCCD(Charge−Coupled Device)ラインセンサ(以上いずれも図示せず。)を含む。原稿走査ユニットは、ユーザによって手動で、又は、自動原稿搬送装置(図示せず。)によって、原稿載置台(図示せず。)上に載置された原稿の画像表面に対し光源から光を照射することによって反射光像を得る。反射ミラー及び光学レンズは、得られる反射光像をCCDラインセンサ上に結像させる。CCDラインセンサは、結像された反射光像を順次光電変換して画像データとして画像処理部58に対して出力する。
【0030】
画像処理部58は、MPU(図示せず。)を含む。画像処理部58は、スキャナ部56又は外部装置等から入力される画像データに対して、例えば、色補正処理等の所定の画像処理を施して所定の階調の画像データを作成し、画像メモリ60に対して出力する。
【0031】
画像メモリ60は、RAMを含み、画像処理部58から入力される画像データ等の画像データをページ単位で一時的に記憶する。画像メモリ60に一時的に記憶された画像データは、制御部50からの指示に応じて、各転送先に転送される。すなわち、印刷を行なう場合には印字部61に転送され、外部装置に送信する場合(例えば、インターネットFAX送信を行なう場合)にはネットワーク I/F66に転送され、FAX送信を行なう場合には回線制御部62に転送される。
【0032】
印字部61は、感光体、帯電装置、レーザ走査ユニット(LSU(Laser Scanning Unit))、現像装置、転写ユニット、クリーニング装置、及び、定着装置(以上いずれも図示せず。)を含む。印字部61はさらに、画像形成装置22に着脱自在に装着される、手差し給紙トレイ、第1給紙トレイ及び第2給紙トレイ(以上いずれも図示せず。)を含む。これらの給紙トレイは、この順で上下に並ぶように設置され、記録用紙を保持し、記録用紙を搬送するための用紙搬送部(図示せず。)に記録用紙を送給する。手差し給紙トレイは、ユーザが手動により所望の記録用紙を設置するためのトレイであり、第1給紙トレイ及び第2給紙トレイは、異なる大きさの記録用紙を保持するためのトレイである。印字部61は、制御部50等からの指示に応じて、上記給紙トレイのいずれかから用紙搬送部を介して搬送される記録用紙上に、画像メモリ60から送信される画像データに基づいて画像を形成する。
【0033】
排紙処理部59は、複数部の印刷物を作成する場合に、各排紙トレイ98に印刷物の一部ずつが割当てられるように、記録用紙を各排紙トレイ(図示せず。)に仕分けして排出する仕分け機構を含む。排紙処理部59はさらに、排紙トレイ上の記録用紙にパンチング処理を施すパンチング機構、排紙トレイ上の記録用紙にステープル処理を施すステープル機構、及び、排紙トレイ上の記録用紙にサドルステッチ処理を施すサドルステッチ機構を含む。
【0034】
回線制御部62は、アナログ回線である公衆電話回線網30とインターフェイスをとるハードウェア回路である。公衆電話回線網30には、画像形成装置22とのFAX通信が可能なファクシミリ装置等の複数の外部装置が接続されている。回線制御部62は、制御部50からの指示に応じて、公衆電話回線網30の閉結及び開放を制御する回線制御を行なうとともに、必要に応じてモデム63と公衆電話回線網30とを接続する。回線制御部62はさらに、公衆電話回線網30に接続される通信相手先の外部装置を呼出すために、通信相手先のファクシミリ番号に応じたダイヤル信号を通信相手に対して送出する。
【0035】
モデム63は、FAX通信が可能なファクシミリモデムを含み、回線制御部62を介して公衆電話回線網30と接続される。モデム63は、通信相手に対して送信するためのデジタルデータをアナログデータに変換して回線制御部62を介して公衆電話回線網30に送出する。モデム63はさらに、通信相手から回線制御部62を介して受信したアナログデータをデジタルデータに変換して復調する。復調された画像データは、符号化/復号化部(図示せず。)によって復号化された後、画像メモリ60に対して出力される。
【0036】
CI検出部64は、公衆電話回線網30に接続される外部装置からの呼出信号(CI信号)を検出し、その検出結果を制御部50に通知する。制御部50は、CI信号を所定時間検出したと判断すると、モデム63を通じて公衆電話回線網30を捕捉するために、回線制御部62に対し、公衆電話回線網30を閉結するように指示する。公衆電話回線網30が捕捉されると、モデム63によってファクシミリ通信が行なわれる。
【0037】
USB I/F65は、USBポートを備えるインターフェイスである。USB I/F65にはUSBメモリ67が着脱可能に接続される。本実施の形態において、ユーザは、USBメモリ67に対し、所望の画像データ及びジョブ設定データを記憶することができる。ここで、ジョブ設定データとは、送信条件及び印刷条件(出力条件)の設定内容を示すデータのことである。
【0038】
ネットワークI/F66は、ネットワーク20とインターフェイスをとる。ネットワーク20には、画像形成装置22とのデータ通信が可能なパーソナルコンピュータ、及び、インターネットFAX装置等の外部装置が接続されている。画像形成装置22は、ネットワークI/F66を介して、電子メールデータの通信及びインターネットFAX通信を行なうことができる。
【0039】
画像形成装置22の各構成部には電源(図示せず。)が接続され、この電源から電力が供給されることで、画像形成装置22の各構成部の動作が実現される。
【0040】
画像形成装置22は、上記した各構成部を動作させることによって、操作パネル54に対するユーザの入力操作に基づく指示に応じて、原稿画像を読取り記録用紙に印刷するコピーモード、外部装置等から送信される画像データを受信して記録用紙に印刷するプリンタモード、原稿画像を読取り外部装置等に送信するスキャナモード、及び、外部装置であるFAX装置又はインターネットFAX装置と、FAX通信又はインターネットFAX通信を行なうFAXモード等の各種のモードのいずれかを実行することができる。
【0041】
〈ソフトウェア構成〉
(FAX送信/印刷処理)
上記したように、HDD52に記憶されるコンピュータプログラムは、FAX送信/印刷処理を実行するようにプログラミングされている。このFAX送信/印刷処理を実現するためのプログラムは、画像形成装置22の電源が投入されることによって起動され、電源が切られることによって終了する。
【0042】
図2を参照して、このプログラムは、USB I/F65に対し、USBメモリ67が接続されるまで待機するステップ(以下単に「S」と記す。)100と、S100にて、USBメモリ67が接続されたと判定された場合(YESの場合)に実行され、USBメモリ67に画像データが記憶されているか否かを判定するS101と、S101にて、画像データが記憶されていると判定された場合(YESの場合)に実行され、記憶されている画像データを読込むS102と、を含む。
【0043】
このプログラムはさらに、全ての画像データの読込みを完了したか否かを判定するS103と、S101にて、画像データが記憶されていないと判定された場合(NOの場合)、又は、S103にて、全ての画像データの読込みが完了したと判定された場合(YESの場合)に実行され、USBメモリ67にジョブ設定データが記憶されているか否かを判定するS104と、を含む。S103にて、完了していないと判定された場合(NOの場合)には、制御はS102に戻る。
【0044】
図3を参照して、このプログラムはさらに、S104にて、ジョブ設定データが記憶されていると判定された場合(YESの場合)に実行され、記憶されているジョブ設定データを読込むS105と、全てのジョブ設定データの読込みを完了したか否かを判定するS106と、を含む。S106にて、全てのジョブ設定データの読込みが完了していないと判定された場合(NOの場合)には、制御はS105に戻る。
【0045】
このプログラムはさらに、S104にて、ジョブ設定データが記憶されていないと判定された場合(NOの場合)、又は、S106にて、全てのジョブ設定データの読込みが完了したと判定された場合(YESの場合)に実行され、読込まれた画像データがあるか否かを判定するS107と、S107にて、読込まれた画像データがあると判定された場合(YESの場合)に実行され、読込まれた画像データが複数あるか否かを判定するS108と、S108にて、読込まれた画像データが複数あると判定された場合(YESの場合)に実行され、操作パネル54に対し、出力対象の画像データを選択するための画像データ選択画面を表示させるS109と、を含む。
【0046】
このプログラムはさらに、画像データ選択画面に対するユーザの入力操作によって、所望の画像データが選択されるまで待機するS110と、S108にて、読込まれた画像データは複数ではないと判定された場合(NOの場合)、又は、S110にて、所望の画像データが選択されたと判定された場合(YESの場合)に実行され、出力対象の画像データを決定するS111と、を含む。S111において、読込まれた画像データが複数ある場合には、選択された画像データが出力対象の画像データとして決定される。一方、読込まれた画像データが複数でない場合、すなわち1つである場合には、読込まれた画像データがそのまま出力対象の画像データとして決定される。
【0047】
このプログラムはさらに、S107にて、読込まれた画像データがないと判定された場合(NOの場合)、又は、S111の処理後に実行され、読込まれたジョブ設定データがあるか否かを判定するS112と、S112にて、読込まれたジョブ設定データがあると判定された場合(YESの場合)に実行され、読込まれたジョブ設定データが複数あるか否かを判定するS113と、S113にて、読込まれたジョブ設定データが複数あると判定された場合(YESの場合)に実行され、操作パネル54に対し、出力対象のジョブ設定データを選択するためのジョブ設定データ選択画面を表示させるS114と、を含む。
【0048】
このプログラムはさらに、ジョブ設定データ選択画面に対するユーザの入力操作によって、ジョブ設定データが選択されるまで待機するS115と、S113にて、読込まれたジョブ設定データは複数ではないと判定された場合(NOの場合)、又は、S115にて、ジョブ設定データが選択されたと判定された場合(YESの場合)に実行され、出力対象のジョブ設定データを決定するS116と、を含む。S116において、読込まれたジョブ設定データが複数ある場合には、選択されたジョブ設定データが出力対象のジョブ設定データとして決定される。一方、読込まれたジョブ設定データが複数ではない場合、すなわち1つである場合には、読込まれたジョブ設定データがそのまま出力対象のジョブ設定データとして決定される。
【0049】
図4を参照して、このプログラムはさらに、S112にて、読込まれたジョブ設定データがないと判定された場合(NOの場合)、又は、S116の処理後に実行され、操作パネル54に対し、選択された画像データ及びジョブ設定データの内容を確認するための確認画面を表示させるS117を含む。
【0050】
このプログラムはさらに、確認画面に対するユーザの入力操作によって、ジョブ実行指示がなされたか否かを判定するS118と、S118にて、ジョブ実行指示がなされたと判定された場合(YESの場合)に実行され、画像形成装置22の各部に対し、ジョブ設定データに従って、画像データのFAX送信処理又は印刷処理を実行させるS119と、を含む。S118にて、ジョブ実行指示がなされないと判定された場合(NOの場合)又は、S119の処理後には、制御はS100に戻る。
【0051】
[画像データ選択画面400]
図5を参照して、画像データ選択画面400は、出力対象の画像データを選択するための選択ボタン402A〜402Gと、画像データの選択が終了したことを制御部50に対して通知するための選択終了ボタン404と、を含む。選択ボタン402A〜402Gにはそれぞれ、ファイル名又はフォルダ名を示す文字列が表示されている。
【0052】
ユーザは、所望のファイル名又はフォルダ名が表示される少なくとも1つの選択ボタン402を押下することで、選択された選択ボタン402に示されるファイル名に対応する画像データ、又は、選択された選択ボタン402に示されるフォルダ名が付されたフォルダ内の画像データを選択することができる。ユーザは、所望の画像データを少なくとも1つ選択した後、選択終了ボタン404を押下することで、出力対象の画像データを決定することができる。
【0053】
[ジョブ設定データ選択画面500]
図6を参照して、ジョブ設定データ選択画面500は、出力対象のジョブ設定データを選択するための選択ボタン502A〜502Fと、ジョブ設定データの選択が終了したことを制御部50に対して通知するための選択終了ボタン504と、を含む。選択ボタン502A〜502Fにはそれぞれ、送信条件及び印刷条件(出力条件)の設定内容を示す文字列が表示されている。
【0054】
ユーザは、所望の設定内容が表示される少なくとも1つの選択ボタン502を押下することで、所望のジョブ設定データを選択することができる。ユーザは、所望のジョブ設定データを少なくとも1つ選択した後、選択終了ボタン504を押下することで、出力対象のジョブ設定データを決定することができる。
【0055】
[確認画面600]
図7を参照して、確認画面600は、選択された画像データ及び選択されたジョブ設定データの内容を示すメッセージ602と、ジョブ実行指示を出すためのOKボタン604と、ジョブの実行をキャンセルする指示を出すためのキャンセルボタン606と、を含む。
【0056】
〈動作〉
図1〜図7を参照して、本実施の形態に係る画像形成装置22は、FAX送信/印刷処理時において、以下のように動作する。なお、以下の動作を除く、画像形成装置22の一般的な機能を実現するための動作は、従来の画像形成装置の動作と同じである。以下の動作において、画像形成装置22は電源が投入された状態であるものとする。
【0057】
(USBメモリ67に、画像データ及びジョブ設定データが記憶されている場合)
ユーザは、USBメモリ67に対し、所望の複数の画像データ及び所望の複数のジョブ設定データを、予め記憶させているものとする。
【0058】
ユーザは、USB I/F65に対し、USBメモリ67を接続する。USBメモリ67が接続されると(S100にてYES)、制御部50は、USBメモリ67に画像データが記憶されているか否かを判定する(S101)。制御部50は、画像データが記憶されていると判定し(S101にてYES)、記憶されている画像データを読込む(S102)。
【0059】
制御部50は、全ての画像データの読込みが完了すると(S103にてYES)、USBメモリ67にジョブ設定データが記憶されているか否かを判定する(S104)。制御部50は、ジョブ設定データが記憶されていると判定し(S104にてYES)、記憶されているジョブ設定データを読込む(S105)。
【0060】
制御部50は、全てのジョブ設定データの読込みが完了すると(S106にてYES)、読込まれた画像データがあるか否かを判定する(S107)。制御部50は、読込まれた画像データがあると判定し(S107にてYES)、読込まれた画像データが複数あるか否かを判定する(S108)。
【0061】
制御部50によって、読込まれた画像データが複数あると判定されると(S108にてYES)、操作パネル54は、画像データ選択画面400(図5参照)を表示する(S109)。画像データ選択画面400を確認したユーザは、所望のファイル名又はフォルダ名が表示される選択ボタン402を押下する。ここでは、「File1.tiff」というファイル名が表示される選択ボタン402Bが選択されるものとする。ユーザは、所望の選択ボタン402Bを選択した後、選択終了ボタン404を押下する。
【0062】
選択終了ボタン404が押下されると、制御部50は、画像データ選択画面400に対するユーザの入力操作によって、所望の画像データが選択されたと判定し(S110にてYES)、選択されたファイル名に対応する画像データを、出力対象の画像データとして決定する(S111)。
【0063】
出力対象の画像データの決定後、制御部50は、読込まれたジョブ設定データがあるか否かを判定する(S112)。制御部50は、読込まれたジョブ設定データがあると判定し(S112にてYES)、読込まれたジョブ設定データが複数あるか否かを判定する(S113)。
【0064】
制御部50によって、読込まれたジョブ設定データが複数あると判定されると(S113にてYES)、操作パネル54は、ジョブ設定データ選択画面500(図6参照)を表示する(S114)。ジョブ設定データ選択画面500を確認したユーザは、所望の設定内容を示す文字列が表示される選択ボタン502を押下する。ここでは、「Aさん宛のFAX番号」という文字列が表示される選択ボタン502Bが選択される。ユーザは、所望の選択ボタン502Bを選択した後、選択終了ボタン504を押下する。
【0065】
選択終了ボタン504が押下されると、制御部50は、ジョブ設定データ選択画面500に対するユーザの入力操作によって、所望のジョブ設定データが選択されたと判定し(S115にてYES)、選択された設定内容に対応するジョブ設定データを、出力対象のジョブ設定データとして決定する(S116)。
【0066】
出力対象のジョブ設定データの決定後、操作パネル54は、確認画面600(図7参照)を表示する(S117)。確認画面600には、「『File1.tiff』の画像データを、『Aさん宛のFAX番号』のジョブ設定データでジョブを実行しますか?」というメッセージ602が表示される。メッセージ602を確認したユーザは、OKボタン604を押下する。
【0067】
OKボタン604が押下されると、制御部50は、確認画面600に対するユーザの入力操作によって、ジョブ実行指示がなされたと判定し(S118にてYES)、画像形成装置22の画像メモリ60、回線制御部62、及びモデム63に対し、ジョブ設定データに従って、画像データのFAX送信処理を実行させる(S119)。
【0068】
なお、確認画面600においてキャンセルボタン606が押下された場合には、確認画面600の表示は終了され、制御部50は、USB I/F65に対し、USBメモリ67が再度接続されるまで待機する。
【0069】
(USBメモリ67に、画像データのみが記憶されている場合)
ユーザは、USBメモリ67に対し、所望の1つの画像データを、予め記憶させているものとする。
【0070】
ユーザは、USB I/F65に対し、USBメモリ67を接続する。USBメモリ67が接続されると(S100にてYES)、制御部50は、USBメモリ67に画像データが記憶されているか否かを判定する(S101)。制御部50は、画像データが記憶されていると判定し(S101にてYES)、記憶されている画像データを読込む(S102)。
【0071】
制御部50は、全ての画像データの読込みが完了すると(S103にてYES)、USBメモリ67にジョブ設定データが記憶されているか否かを判定する(S104)。制御部50は、ジョブ設定データが記憶されていないと判定し(S104にてNO)、読込まれた画像データがあるか否かを判定する(S107)。制御部50は、読込まれた画像データがあると判定し(S107にてYES)、読込まれた画像データが複数あるか否かを判定する(S108)。
【0072】
制御部50は、読込まれた画像データは1つであると判定し(S108にてNO)、画像データ選択画面400の表示を行なわず、読込まれた画像データをそのまま出力対象の画像データとして決定する(S111)。なお、設定された画像データは、「Folder0」という名称が付されたフォルダ内に格納されているものとする。
【0073】
出力対象の画像データの決定後、制御部50は、読込まれたジョブ設定データがあるか否かを判定する(S112)。制御部50によって、読込まれたジョブ設定データがないと判定されると(S112にてNO)、操作パネル54は、確認画面600を表示する(S117)。確認画面600には、「『Folder0』内の画像データでジョブを実行しますか?」というメッセージ602(図示せず。)が表示される。メッセージ602を確認したユーザは、操作パネル54に対する入力操作によって、FAX送信処理を実行する際に必要となる送信条件(通信相手先のメールアドレス等)を設定した後、OKボタン604を押下する。
【0074】
OKボタン604が押下されると、制御部50は、確認画面600に対するユーザの入力操作によって、ジョブ実行指示がなされたと判定し(S118にてYES)、画像形成装置22の画像メモリ60、及びネットワークI/F66に対し、設定された送信条件に従って、画像データのインターネットFAX送信処理を実行させる(S119)。
【0075】
(USBメモリ67に、ジョブ設定データのみが記憶されている場合)
ユーザは、USBメモリ67に対し、所望の1つのジョブ設定データを、予め記憶させているものとする。
【0076】
ユーザは、USB I/F65に対し、USBメモリ67を接続する。USBメモリ67が接続されると(S100にてYES)、制御部50は、USBメモリ67に画像データが記憶されているか否かを判定する(S101)。制御部50は、画像データが記憶されていないと判定し(S101にてNO)、USBメモリ67にジョブ設定データが記憶されているか否かを判定する(S104)。制御部50は、ジョブ設定データが記憶されていると判定し(S104にてYES)、記憶されているジョブ設定データを読込む(S105)。
【0077】
制御部50は、全てのジョブ設定データの読込みが完了すると(S106にてYES)、読込まれた画像データがあるか否かを判定する(S107)。制御部50は、読込まれた画像データがないと判定し(S107にてNO)、読込まれたジョブ設定データがあるか否かを判定する(S112)。制御部50は、読込まれたジョブ設定データがあると判定し(S112にてYES)、読込まれたジョブ設定データが複数あるか否かを判定する(S113)。
【0078】
制御部50は、読込まれたジョブ設定データは1つであると判定し(S113にてNO)、ジョブ設定データ選択画面500の表示を行なわず、読込まれたジョブ設定データをそのまま出力対象のジョブ設定データとして決定する(S116)。決定されたジョブ設定データの内容は、「ページ集約機能(4in1)」であるものとする。
【0079】
出力対象のジョブ設定データの決定後、操作パネル54は、確認画面600を表示する(S117)。確認画面600には、「『ページ集約機能(4in1)』のジョブ設定データでジョブを実行しますか?」というメッセージ602(図示せず。)が表示される。メッセージ602を確認したユーザは、スキャナ部56の原稿載置台(図示せず。)に原稿をセットするとともに、操作パネル54に対する入力操作によって、コピー処理を実行する際に必要となる他の印刷条件を設定した後、OKボタン604を押下する。
【0080】
OKボタン604が押下されると、制御部50は、確認画面600に対するユーザの入力操作によって、ジョブ実行指示がなされたと判定し(S118にてYES)、画像形成装置22のスキャナ部56、画像処理部58、画像メモリ60、及び印字部61に対し、ジョブ設定データ及び設定された他の印刷条件に従って、画像データのコピー処理を実行させる(S119)。
【0081】
(USBメモリ67に、何も記憶されていない場合)
ユーザは、USB I/F65に対し、何も記憶されていない状態のUSBメモリ67を接続する。USBメモリ67が接続されると(S100にてYES)、制御部50は、USBメモリ67に画像データが記憶されているか否かを判定する(S101)。制御部50は、画像データが記憶されていないと判定し(S101にてNO)、USBメモリ67にジョブ設定データが記憶されているか否かを判定する(S104)。制御部50は、ジョブ設定データが記憶されていないと判定し(S104にてNO)、読込まれた画像データがあるか否かを判定する(S107)。制御部50は、読込まれた画像データがないと判定し(S107にてNO)、読込まれたジョブ設定データがあるか否かを判定する(S112)。制御部50によって、読込まれたジョブ設定データがないと判定されると(S112にてNO)、操作パネル54は、確認画面600を表示する(S117)。
確認画面600には、「画像データ及びジョブ設定データが記憶されていません。」というメッセージ602(図示せず。)が表示される。メッセージ602を確認したユーザは、OKボタン604を押下する。
【0082】
OKボタン604が押下されると、制御部50は、確認画面600に対するユーザの入力操作によって、ジョブ実行指示がなされたと判定し(S118にてYES)、画像形成装置22の各部を、FAX送信処理及び印刷処理を実行可能な待機状態にする(S119)。OKボタン604の押下後、ユーザは、通常のFAX送信処理又は印刷処理を実行する。
【0083】
〈作用・効果〉
上記実施の形態によれば、画像形成装置22において、USB I/F65は、持ち運び可能なUSBメモリ67を着脱可能に装着し、画像メモリ60、印字部61、回線制御部62、モデム63、及びネットワークI/F66(以下、総称して「出力部」と記す場合がある。)は、画像データの出力(印刷処理及びFAX送信処理)を行なう。USBメモリ67は、出力部によって画像データを出力する際に設定される出力条件であるジョブ設定データを記憶するとともに、画像データを記憶可能である。画像形成装置22において、操作パネル54は、USB I/F65に対して装着されたUSBメモリ67に記憶される画像データ及びジョブ設定データに基づいて、出力対象の画像データ及び出力対象のジョブ設定データを選択し、出力部は、選択されたジョブ設定データを適用して、選択された画像データを出力する。
【0084】
このように、USBメモリ67に記憶される画像データ及びジョブ設定データに基づいて、出力対象の画像データ及び出力対象のジョブ設定データをそれぞれ選択することができるので、画像データとジョブ設定データとの組合せを、適宜選択することができる。これによって、出力条件を迅速に設定することが可能になる。また、上記構成を有する画像形成装置22であれば、同一の機能に対する設定方法が異なるいずれの画像形成装置22を使用した場合であっても、容易に出力条件を設定することが可能になる。
【0085】
また上記実施の形態によれば、操作パネル54は、表示装置及び表示装置に対して重ねて構成されるタッチパネルを含む。表示装置は、USB I/F65に対して装着されたUSBメモリ67に記憶される画像データ及びジョブ設定データの内容を表示し、操作パネル54は、タッチパネルに対するユーザのタッチ操作を検出することによって、出力対象の画像データ及び出力対象のジョブ設定データを選択する。これによって、ユーザは、表示装置に表示される情報を確認した後に、タッチパネルに対するタッチ操作によって出力対象の画像データ及び出力対象のジョブ設定データを選択することができる。したがって、出力対象の画像データ及び出力対象のジョブ設定データをより一層容易に選択することができるようになり、ユーザの利便性が向上する。
【0086】
また上記実施の形態によれば、画像形成装置22において、スキャナ部56は、画像データを入力し、出力部は、USBメモリ67がジョブ設定データのみを記憶する場合に、選択されたジョブ設定データを適用して、スキャナ部56によって入力される画像データを出力する。これによって、USBメモリ67に記憶されていない画像データに対しても、USBメモリ67に記憶されるジョブ設定データを適用することができる。したがって、頻繁に使用する出力条件を、画像データの出力を行なう毎に入力する手間を省くことができる。
【0087】
また上記実施の形態によれば、画像形成装置22において、操作パネル54は、出力条件を設定し、USBメモリ67に記憶されるジョブ設定データは、操作パネル54によって頻繁に設定される出力条件である。これによって、例えば、集約(N−up)印刷、及び、ステープル処理等の、ユーザが頻繁に使用する出力条件を、画像データの出力を行なう毎に入力する手間を省くことができる。したがって、ユーザの利便性をより一層向上させることができる。
【0088】
また上記実施の形態によれば、出力部において、画像メモリ60、回線制御部62、モデム63、及びネットワークI/F66は、画像データに対し、FAX送信処理を実行し、ジョブ設定データは、通信相手先のファクシミリ番号又は電子メールアドレスである。これによって、頻繁に使用する通信相手先のファクシミリ番号又は電子メールアドレスを、FAX送信処理を行なう毎に入力する手間を省くことができる。また、個人情報である通信相手先のファクシミリ番号又は電子メールアドレスをUSBメモリ67に記憶するので、個人情報の漏洩を防ぐことができ、セキュリティを向上させることができる。
【0089】
〈変形例〉
なお、上記実施の形態では、出力対象の画像データ及び出力対象のジョブ設定データはそれぞれ1つ選択されたが、本発明はそのような実施の形態に限定されない。例えば、操作パネル54によって、出力対象の画像データが複数選択され、出力対象のジョブ設定データが1つ選択されてもよい。この場合、出力部は、選択された複数の画像データに対し、選択された同一のジョブ設定データを適用して、選択された複数の画像データを出力する。これによって、複数の画像データに対して同一のジョブ設定データを適用させたい場合(例えば、複数の画像データを、同一の通信相手先にファクシミリ送信したい場合、及び、1枚の記録用紙に集約(N−up)印刷したい場合等)に、画像データ毎にジョブ設定データを設定する手間を省くことができる。したがって、ユーザの利便性を向上させることができる。
【0090】
また、操作パネル54によって、出力対象の画像データが1つ選択され、出力対象のジョブ設定データが複数選択されてもよい。この場合、出力部は、選択された同一の画像データに対し、選択された複数のジョブ設定データを適用して、出力対象の画像データを出力する。これによって、同一の画像データに対して複数のジョブ設定データを適用させたい場合(例えば、同一の画像データに対し、集約(N−up)印刷、及び、ステープル処理を行ないたい場合等)に、ジョブ設定データの組合せを容易に選択することができる。したがって、ユーザの利便性を向上させることができる。
【0091】
また上記実施の形態では、USBメモリ67には、画像データ及びジョブ設定データのみが記憶されたが、本発明はそのような実施の形態に限定されない。例えば、USBメモリ67には、画像データ及びジョブ設定データに加えて、ユーザを識別するための認証データ(例えば、ユーザID)が記憶されてもよい。この場合、制御部50は、USB I/F65に対して装着されたUSBメモリ67に記憶される認証データに基づいて、USBメモリ67を所有するユーザが、当該画像形成装置22の使用を許可された正規のユーザであるか否かを判定する。そして、正規のユーザであると判定した場合のみ、上記したFAX送信/印刷処理を実行する。これによって、画像形成装置22が正規のユーザではない第三者によって利用されることを防ぐことができるので、セキュリティをさらに向上させることができる。
【0092】
また上記実施の形態では、画像データ選択画面400,ジョブ設定データ選択画面500において、選択された選択ボタン402,502の表示態様は変化しなかったが、本発明はそのような実施の形態に限定されない。例えば、選択された選択ボタン402,502は、白黒反転表示されてもよい。
【0093】
また上記実施の形態では、全ての画像データ及び全てのジョブ設定データの読込みが完了した後に、画像データ及びジョブ設定データの選択が行なわれたが、本発明はそのような実施の形態に限定されない。例えば、画像データ及びジョブ設定データに対し、予めインデックスデータを付しておく。そして、画像データ及びジョブ設定データを選択する際に、全てのインデックスデータのみを読込み、読込んだインデックスデータに基づいて画像データ及びジョブ設定データの選択を行なわせた後、選択された画像データ及び選択されたジョブ設定データのみを読込んでもよい。
【0094】
また上記実施の形態では、外部記憶媒体としてUSBメモリを用いたが、本発明はそのような実施の形態に限定されない。例えば、USBメモリに代えて、メモリカード及びMO(Magneto−Optical disc)等を用いてもよい。
【0095】
今回開示された実施の形態は単に例示であって、この発明が上記した実施の形態のみに制限されるわけではない。この発明の範囲は、発明の詳細な説明の記載を参酌した上で、特許請求の範囲の各請求項によって示され、そこに記載された文言と均等の意味及び範囲内での全ての変更を含む。
【符号の説明】
【0096】
22 画像形成装置
54 操作パネル
56 スキャナ部
60 画像メモリ
61 印字部
62 回線制御部
63 モデム
65 USB I/F
66 ネットワークI/F
67 USBメモリ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
持ち運び可能な外部記憶媒体を着脱可能に装着する装着手段と、画像データを出力する出力手段と、を含む画像形成装置であって、
前記外部記憶媒体は、前記出力手段によって画像データを出力する際に設定される出力条件を記憶するとともに、画像データを記憶可能であり、
前記画像形成装置はさらに、
前記装着手段に対して装着された前記外部記憶媒体に記憶される画像データに基づいて、出力対象の画像データを選択するための第1の選択手段と、
前記装着手段に対して装着された前記外部記憶媒体に記憶される前記出力条件に基づいて、出力対象の出力条件を選択するための第2の選択手段と、を含み、
前記出力手段は、前記選択された出力条件を適用して、前記選択された画像データを出力する、画像形成装置。
【請求項2】
前記第1の選択手段及び前記第2の選択手段は、表示手段及び表示手段に対して重ねて構成されるタッチパネルを含み、
前記表示手段は、前記装着手段に対して装着された前記外部記憶媒体に記憶される画像データ及び出力条件の内容を表示し、
前記第1の選択手段及び前記第2の選択手段は、前記タッチパネルに対するユーザのタッチ操作を検出することによって、出力対象の画像データ及び出力対象の出力条件を選択する、請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記第1の選択手段によって、前記出力対象の画像データが複数選択された場合に、前記出力手段は、前記選択された複数の画像データに対し、前記選択された同一の出力条件を適用して、前記選択された複数の画像データを出力する、請求項1又は請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記第2の選択手段によって、前記出力対象の出力条件が複数選択された場合に、前記出力手段は、前記選択された同一の画像データに対し、前記選択された複数の出力条件を適用して、前記選択された画像データを出力する、請求項1又は請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記画像形成装置はさらに、
画像データを入力するための入力手段を含み、
前記出力手段は、前記外部記憶媒体が前記出力条件のみを記憶する場合に、前記選択された出力条件を適用して、前記入力手段によって入力される画像データを出力する、請求項1〜請求項4のいずれか1つに記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記画像形成装置はさらに、前記出力条件を設定するための設定手段を含み、
前記外部記憶媒体に記憶される出力条件は、前記設定手段によって頻繁に設定される条件である、請求項1〜請求項5のいずれか1つに記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記出力手段は、画像データに対し、ファクシミリ送信処理を実行するファクシミリ送信手段を含み、
前記出力条件は、通信相手先のファクシミリ番号又は電子メールアドレスである、請求項1〜請求項6のいずれか1つに記載の画像形成装置。
【請求項8】
前記外部記憶装置はさらに、ユーザを識別するための認証データを記憶し、
前記画像形成装置はさらに、
前記装着手段に対して装着された前記外部記憶媒体に記憶される認証データに基づいて、前記外部記憶媒体を所有するユーザが、当該画像形成装置の使用を許可された正規のユーザであるか否かを判定する認証手段を含む、請求項1〜請求項7のいずれかに記載の画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−5016(P2012−5016A)
【公開日】平成24年1月5日(2012.1.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−140357(P2010−140357)
【出願日】平成22年6月21日(2010.6.21)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】