画像形成装置
【課題】第1排出部の開放面の少なくとも一部を閉鎖する閉鎖位置に操作パネルが位置する状態で、画像形成処理後の用紙を第1排出部に排出する場合であっても、第1排出部から用紙を取り出し易くすることができる画像形成装置を提供する。
【解決手段】制御部は、コピーの開始指示を受け付けると(S11:YES)、操作装置が閉鎖位置に位置し(S12:YES)、且つ用紙の排出先が胴内排出部に設定されているので(S13:YES)、変位受付画面を操作装置のタッチパネルに表示する(S14)。制御部は、変位受付画面で、操作装置の自動回転をユーザが選択した場合に(S15:YES)、モータを駆動して、操作装置を開放位置へ変位させる(S16)。制御部は、画像形成処理後の用紙を胴内排出部へ排出する(S17)。
【解決手段】制御部は、コピーの開始指示を受け付けると(S11:YES)、操作装置が閉鎖位置に位置し(S12:YES)、且つ用紙の排出先が胴内排出部に設定されているので(S13:YES)、変位受付画面を操作装置のタッチパネルに表示する(S14)。制御部は、変位受付画面で、操作装置の自動回転をユーザが選択した場合に(S15:YES)、モータを駆動して、操作装置を開放位置へ変位させる(S16)。制御部は、画像形成処理後の用紙を胴内排出部へ排出する(S17)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
胴内排出トレイ及びチルト機構を有する操作パネルを備える画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
画像形成装置には、上部に画像読取部を備え、下部に画像形成部及び給紙部を備え、上部と下部との間に胴内排出部を備えるものがある。また、画像形成装置は、操作子を配置した操作パネルを更に備えており、チルト機構を用いて操作パネルの角度を変更可能にしているものがある(特許文献1参照)。
【0003】
特許文献1に記載の画像形成装置は、上下方向に操作可能なスイッチを備えており、スイッチの押下量に応じて操作パネルの角度を変更している。画像形成装置は、スイッチが上方向に押下されると、操作パネルの表面が上方向を向くまで操作パネルを上方向に回転させ、スイッチが下方向に押下されると、操作パネルの表面が側面外方向を向くまで操作パネルを下方向に回転させている。
【0004】
画像形成装置は、操作パネルの表面が上方向を向いた状態で、健常者に利用され、操作パネルの表面が側面外方向を向いた状態で、子供や車いす利用者等の背が低い人に利用される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2007−81248号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
画像形成装置は、操作パネルの表面が側面外方向を向いた状態で、胴内排出部の一側面の少なくとも一部が操作パネルにより塞がれる。このため、画像形成装置は、操作パネルの表面が側面外方向を向いた状態で、画像形成処理後の用紙が胴内排出部に排出されると、操作パネルが邪魔になり、用紙の取り出しを妨げる。
【0007】
そこで、この発明は、操作パネルの表面が側面外方向を向いた状態で、用紙に対して画像形成を行っても、排出された用紙の取り出しを妨げない画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この発明の画像形成装置は、第1排出部と、第2排出部と、操作パネルと、制御手段と、を備える。第1排出部は、少なくとも一側面に開放面が形成され、画像形成処理後の用紙が排出される。第2排出部は、第1排出部とは別の排出先であり、用紙が排出される。操作パネルは、開放面の少なくとも一部を閉鎖する閉鎖位置と開放面を開放する開放位置とを含む所定の範囲内で変位可能に、装置本体に取り付けられている。制御手段は、用紙の排出先を第1排出部又は第2排出部に設定する設定手段を有し、用紙の排出先が第1排出部に設定され且つ操作パネルが閉鎖位置に位置する状態で、用紙が排出される場合に、画像形成処理後の用紙を第2排出部に排出する制御処理を行う。
【0009】
この構成では、第1排出部は、例えば胴内排出部であり、少なくとも一側面に開放面が形成されている。第2排出部は、例えば外部排紙トレイや、後処理装置が有する排紙トレイである。画像形成処理後の用紙は、第1排出部又は第2排出部の何れかに設定されている。操作パネルは、装置本体に取り付けられており、第1排出部の開放面の少なくとも一部を閉鎖する閉鎖位置と、第1排出部の開放面を開放する開放位置との間で変位可能である。制御手段は、用紙の排出先が第1排出部に設定され且つ操作パネルが閉鎖位置に位置した状態で、用紙が排出される場合に、第2排出部に用紙を排出する制御処理を行う。
【0010】
少なくとも閉鎖位置から開放位置へ操作パネルを変位させる変位手段を更に備える構成であることが好ましい。この場合、制御処理は、画像形成処理後の用紙を第2排出部に排出するか、操作パネルを開放位置へ変位手段に変位させる処理である。
【0011】
この構成では、制御手段は、用紙の排出先が第1排出部に設定され且つ操作パネルが閉鎖位置に位置した状態で、用紙が排出される場合に、第2排出部に用紙を排出するか、操作パネルを開放位置へ変位させて第1排出部に用紙を排出する制御処理を行う。
【0012】
これにより、画像形成装置は、用紙の排出先が第1排出部に設定され且つ操作パネルが閉鎖位置に位置する状態であっても、第2排出部に用紙を排出するか、操作パネルを開放位置へ変位させて第1排出部に用紙を排出することで、画像形成処理後の用紙を取り出し易くすることができる。
【0013】
外部装置から画像データを受信する受信手段を更に備え、操作パネルが画像形成処理の開始指示を受け付ける受付手段を有する構成であることが好ましい。この場合、制御手段は、用紙の排出先が第1排出部に設定され且つ操作パネルが閉鎖位置に位置する状態で、受信手段が画像データを受信するか、受付手段が画像形成処理の開始指示を受け付けると、制御処理を行う。
【0014】
この構成では、制御手段は、用紙の排出先が第1排出部に設定され且つ操作パネルが閉鎖位置に位置した状態で、外部装置であるパーソナルコンピュータやFAX装置から画像データを受信するか、コピーの開始指示や記憶しているデータの印刷処理を含む画像形成処理の開始指示を受け付けると、制御処理を行う。
【0015】
これにより、画像形成装置は、用紙を排出する前に、第2排出部に用紙を排出するか、操作パネルを開放位置へ変位することができる。操作パネルを開放位置へ変位させる場合、操作パネルが開放位置に変位してから、用紙の取り出しを行うことになる。
【0016】
操作パネルは、画像形成処理の開始指示と、用紙の排出先を変更するか否か又は操作パネルを変位させるか否かを示す指示情報の選択操作と、を受け付ける受付手段を有する構成であることが好ましい。この場合、受付手段は、用紙の排出先が第1排出部に設定され且つ操作パネルが閉鎖位置に位置する状態で、画像形成処理の開始指示を受け付けてから用紙が排出されるまでの間に、指示情報の選択操作を受け付ける。制御手段は、指示情報に基づいて、制御処理を行うか否かを制御する。
【0017】
この構成では、操作パネルは、例えば、コピーの開始指示や記憶しているデータの印刷処理を含む画像形成処理の開始指示と、用紙の排出先を第2排出部へ変更するか否か又は操作パネルを開放位置へ変位させるか否かを示す指示情報の選択操作と、を受け付ける。操作パネルは、まず、コピーの開始指示を受け付ける。操作パネルは、用紙の排出先が第1排出部に設定され且つ操作パネルが閉鎖位置に位置する状態の時に、指示情報の選択操作を受け付ける。制御手段は、指示情報に基づいて、第2排出部に用紙を排出するか否か、又は操作パネルを開放位置へ変位させて第1排出部に用紙を排出するか否かを判断する。
【0018】
これにより、画像形成装置は、操作パネルを所望の傾斜位置に位置させてコピーを連続して行い、画像形成処理後の用紙を第1排出部から取り出す前に、用紙を第2排出部へ排出するか、操作パネルを開放位置へ変位させることができ、利便性を向上させることができる。また、画像形成装置は、コピー毎に異なる第2排出部へ排出することができ、利便性を向上させることもできる。
【0019】
給紙部と、画像読取部と、画像形成部と、を更に備える構成であることが好ましい。給紙部は、装置本体の下部に配置され、画像形成処理前の用紙を格納する。画像読取部は、装置本体の上部に配置され、原稿の画像を読み取る。画像形成部は、給紙部の上部に配置され、画像形成処理前の用紙に対して画像形成処理を行う。第1排出部は、画像読取部と画像形成部との間に形成された空間に配設される。
【0020】
この構成では、装置本体の内部且つ画像読取部と画像形成装置との間の空間に、第1排出部が配設される。
【0021】
これにより、第1排出部が胴内排出部であるため、装置本体を小型化することができる。
【0022】
操作パネルは、開放面側で且つ用紙の排出方向における用紙の先端側に取り付けられる構成であることが好ましい。
【0023】
この構成では、操作パネルは、用紙の排出箇所から離れた位置、すなわち用紙の排出箇所を視認する際に邪魔にならない位置に取り付けられている。
【0024】
これにより、画像形成装置は、第1排出部へ用紙が排出されるか否かを容易に視認させることができる。
【発明の効果】
【0025】
この発明の画像形成装置は、画像形成処理後の用紙の排出先が第1排出部に設定され且つ操作パネルが第1排出部の開放面の少なくとも一部を閉鎖する閉鎖位置に位置する状態で、画像形成処理後の用紙を第2排出部に排出することで、画像形成処理後の用紙を取り出し易くすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】この発明の画像形成装置の概略構成を示す構成図である。
【図2】この発明の画像形成装置の外観を示す斜視図である。
【図3】操作装置が開放位置に位置する状態での画像形成装置の外観の概略図である。
【図4】操作装置が所望の傾斜位置に位置する状態での画像形成装置の外観の概略図である。
【図5】操作装置の簡略な機構を示す図である。
【図6】画像形成装置の機能構成を示すブロック図である。
【図7】外部排紙トレイを有する画像形成装置の外観を示す図である。
【図8】操作装置の表示部の一例である。
【図9】コピー操作時における制御部の処理の流れを示すフローチャートである。
【図10】変位受付画面の一例を示す図である。
【図11】プリント操作時におけるPCの制御部の処理の流れを示すフローチャートである。
【図12】プリント操作時における制御部の処理の流れを示すフローチャートである。
【図13】実施例2に係るコピー操作時における制御部の処理の流れを示すフローチャートである。
【図14】指定受付画面の一例を示す図である。
【図15】操作装置の開放位置及び閉鎖位置の他の例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下に、この発明を実施するための形態について、図面に基づいて説明する。
【実施例1】
【0028】
図1に示すように、画像形成装置100は、装置本体110と自動原稿処理装置120とにより構成されている。装置本体110は、画像読取部20、画像形成部30、及び給紙部40を備え、いわゆる胴内排紙形状を呈している。
【0029】
画像読取部20は、装置本体110の上部に配置され、スキャナユニット90、原稿載置台92を備えており、上部に自動原稿処理装置120が取り付けられている。原稿載置台92は、硬質板ガラスで構成され、装置本体110の上部に配置されている。自動原稿処理装置120は、原稿載置台92の上に自動で原稿を搬送する。また原稿送り装置120は矢印M方向に回動自在に構成され、原稿載置台92の上を開放することにより原稿を手置きで置くことができるようになっている。スキャナユニット90は、原稿載置台92の上面に載置された原稿の画像、及び自動原稿処理装置120により搬送される原稿の画像を読み取る。
【0030】
給紙部40は、装置本体110の下部に配置され、給紙カセット81、差し給紙カセット82を備える。給紙カセット81は、画像形成に使用する用紙を蓄積しておくためのトレイであり、装置本体110の露光ユニット1の下側に設けられている。また手差し給紙カセット82にも画像形成に使用する用紙を置くことができる。
【0031】
画像形成部30は、露光ユニット1、現像器2、感光体ドラム3、クリーナユニット4、帯電器5、中間転写ベルトユニット6、及び定着ユニット7を備えている。
【0032】
画像形成部30は、画像読取部20の下部で且つ給紙部40の上部に配置される。画像形成部30は、ブラック(K)、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)の各色を用いたカラー画像に応じた画像データを扱う。従って、現像器2、感光体ドラム3、クリーナユニット4、帯電器5は、各色に応じた4種類の潜像を形成するようにそれぞれ4個ずつ設けられ、それぞれブラック、シアン、マゼンタ、イエローに設定される。
【0033】
帯電器5は、感光体ドラム3の表面を所定の電位に均一に帯電させる。
【0034】
露光ユニット1は、帯電された感光体ドラム3を画像データに応じて露光することにより、その表面に、画像データに応じた静電潜像を形成する。現像器2はそれぞれの感光体ドラム3上に形成された静電潜像を4色(YMCK)のトナーにより顕像化してトナー像へ変換する。またクリーナユニット4は、現像・画像転写後における感光体ドラム3上の表面に残留したトナーを、除去・回収する。
【0035】
感光体ドラム3の上方に配置されている中間転写ベルトユニット6は、中間転写ベルト61、駆動ローラ62、従動ローラ63、中間転写ローラ64、及びクリーニングユニット65を備えている。中間転写ローラ64は、YMCK用の各色に対応して4本設けられている。駆動ローラ62、従動ローラ63、及び中間転写ローラ64は、中間転写ベルト61を張架して回転駆動させる。また、各中間転写ローラ64は、感光体ドラム3のトナー像を中間転写ベルト61に順次的に重ねて転写して、中間転写ベルト61上にカラーのトナー像(多色トナー像)を形成する。この多色トナー像は、用紙と中間転写ベルト61の接触位置に配置される転写ローラ10によって用紙上に転写される。定着ユニット7は、多色トナー像が転写された用紙を加熱及び加圧し、用紙に多色トナー像を定着させる。
【0036】
また、中間転写ベルト61上に残存したトナーは、次工程でトナーの混色を発生させる原因となるために、クリーニングユニット65によって除去・回収される。
【0037】
図2、図3(A)及び図3(B)に示すように、画像形成処理後の用紙は、胴内排出部(この発明の第1排出部に相当する。)50へ排出される。なお、図2、図3(A)及び図3(B)では、自動原稿処理装置120、及び外部排紙トレイ(この発明の第2排出部に相当する。)70の記載が省略されている。図4(A)及び図4(B)においても自動原稿処理装置120、及び外部排紙トレイ70の記載が省略されている。
【0038】
胴内排出部50は、画像読取部20と画像形成部30との間に形成される空間部であり、定着ユニット7の近傍且つ上方に配置されている。胴内排出部50は、前面(この発明の開放面に相当する。)と左側面の一部とが開放した直方体形状を呈している。胴内排出部50の底面には、画像形成処理後の用紙をフェイスダウンで集積する排紙トレイ91が設けられている。胴内排出部50の右側面には、装置本体110の幅方向Xにおける第1端部に設けられた用紙排紙部51を有する。
【0039】
画像形成装置100は、更に操作装置(この発明の操作パネルに相当する。)130を装置本体110の前面に備えている。操作装置130は、画像読取部20の前面で、且つ幅方向Xにおいて用紙排紙部51が配置された第1端部の反対側の端部に取り付けられている。操作装置130は、幅方向Xにおいて、用紙排紙部51と離間しており、用紙排紙部51から排出される用紙の視認を妨げない。
【0040】
また、操作装置130は画像読取部20の前面に取り付けられ、画像読取部20の前面のうち操作装置130の配置箇所を除く部分には、画像読取部20の操作台32が設けられている。操作台32は、画像読取部20の上面に連続する面を形成し、装置本体110の幅方向Xに直交する前後方向Yにおいて操作装置130の一部と重複している。
【0041】
操作装置130は、図3(A)、図3(B)及び図5(B)に示す画像読取部20の上面に略平行で、傾斜されていない非傾斜位置と、図5(C)に示す前面側への所定の最大傾斜角で傾斜された最大傾斜位置と、の間でチルト機構(この発明の変位手段に相当する。)を介して回動自在に構成されている。
【0042】
図5(A)に示すように、チルト機構は、画像読取部20に設けられた支軸(不図示)、ギア71、操作装置130に設けられたギア72から構成される。支軸は、画像読取部20の前面に設けられ、操作装置130を回動自在に支持する。ギア71は、支軸の先端に取り付けられ、ギア72と噛合する。操作装置130は、ギア71、ギア72が噛合した状態で、非傾斜位置、最大傾斜位置、並びに非傾斜位置と最大傾斜位置との間の1又は複数の所定の位置から選択された図4(A)及び図4(B)に一例を示す所望の傾斜位置で、傾斜姿勢を保持するように構成されている。
【0043】
操作装置130は、非傾斜位置に位置する状態で、胴内排出部50の前面が開放され、非傾斜位置を除く他の位置に位置する状態では、胴内排出部50の前面の少なくとも一部が閉鎖される。以下、非傾斜位置を開放位置と称し、非傾斜位置を除く他の位置を閉鎖位置と称する。
【0044】
また、画像読取部20は、モータ73を備えている。モータ73は、ギア71に駆動力を供給する。操作装置130は、ギア71にモータ73から駆動力が供給されると、閉鎖位置から開放位置へ変位する。
【0045】
次に、画像形成装置100の機能、構成について図6〜8を参照して説明する。図6に示すように、装置本体110は、上述した画像読取部20、画像形成部30、給紙部40及び胴内排出部50の他に、外部排紙トレイ70、及び記憶部300を備えている。
【0046】
画像読取部20は、上述したモータ73の他にセンサ74を有する。センサ74は、操作装置130が開放位置に位置することを検知して、検知信号を出力する。
【0047】
外部排紙トレイ70は、図7(A)に示すように、画像形成部30の一側面から突出しており、画像形成処理後の用紙を収容する。なお、外部排紙トレイ70は、図7(B)に示すように、後処理装置700が有する排紙トレイ70A、70B、70Cであってもよい。後処理装置700が有する排紙トレイ70A〜70Cの数は3個に限らない。
【0048】
記憶部300は、画像形成処理後の用紙を排出する用紙の排紙先を記憶している。排紙先は、操作装置130からの操作指示に基づいて更新される。デフォルトでは、排紙先が胴内排出部50に設定されている。
【0049】
操作装置130は、一例として図8に示すタッチパネル131を上面に備える。操作装置130は、白黒コピーの開始指示ボタン131A、及びカラーコピーの開始指示ボタン131Bを備え、白黒コピー及びカラーコピーの開始指示を受け付ける。また、操作装置130は、コピーに関する各種操作等を受け付ける。
【0050】
制御部200は、各機能部及び操作装置130を制御する。次に、コピー操作を受け付けた場合における制御部200の処理の流れについて、図9,10を参照して説明する。
【0051】
図9に示すように、制御部200は、操作装置130が白黒コピーの開始指示ボタン131A、又はカラーコピーの開始指示ボタン131Bの押下を検出するまで待つ(S11:NO)。制御部200は、操作装置130が白黒コピーの開始指示ボタン131A、又はカラーコピーの開始指示ボタン131Bの押下を検出すると(S11:YES)、操作装置130が閉鎖位置に位置するか否かを検出する(S12)。制御部200は、センサ74が検知信号を出力していれば、操作装置130が開放位置に位置するので(S12:NO)、記憶部300を参照して画像形成処理後の用紙を用紙の排出先へ排出する(S18)。
【0052】
また、制御部200は、センサ74が検知信号を出力していなければ、操作装置130が閉鎖位置に位置するので(S12:YES)、記憶部300を参照して用紙の排出先が胴内排出部50に設定されているか否かを判断する(S13)。制御部200は、用紙の排出先が胴内排出部50に設定されているので(S13:YES)、一例として図10に示す変位受付画面133を操作装置130のタッチパネル131に表示する(S14)。変位受付画面133では、操作装置130を開放位置へ変位させるか否かの選択操作を受け付ける。
【0053】
制御部200は、変位受付画面133で、YESボタン132Aの押下を検出した場合、すなわち、操作装置130の自動回転をユーザが選択した場合に(S15:YES)、モータ73を駆動して、操作装置130を開放位置へ変位させる(S16)。制御部200は、画像形成処理後の用紙を胴内排出部50へ排出する(S17)。また、制御部200は、変位受付画面133で、NOボタン132Bの押下を検出した場合、すなわち、操作装置130の自動回転をユーザが選択しなかった場合に(S15:NO)、S17の処理を行う。
【0054】
また、制御部200は、操作装置130が閉鎖位置に位置し(S12:YES)、用紙の排出先が外部排紙トレイ70に設定されており、胴内排出部50に設定されていない場合は(S13:NO)、画像形成処理後の用紙を外部排紙トレイ70へ排出する(S18)。
【0055】
以上のように、制御部200は、用紙の排出先が胴内排出部50に設定され且つ操作装置130が閉鎖位置に位置する時に、操作装置130を開放位置へ変位させることで、画像形成処理後の用紙を胴内排出部50から取り出し易くすることができる。また、制御部200は、画像形成処理後の用紙を胴内排出部50へ排出する前に、操作装置130を開放位置へ変位させているため、画像形成処理後の用紙の取り出し中に、変位中の操作装置130がユーザに当たることで生じる怪我を防ぐことができる。
【0056】
また、制御部200は、コピーの都度、操作装置130を開放位置へ変位させるか否かを確認している。この結果、制御部200は、操作装置130を所望の傾斜位置に位置させてコピーを連続して行い、画像形成処理後の用紙を胴内排出部50から取り出すタイミングで操作装置130を開放位置へ変位させることができ、利便性を向上させることができる。
【0057】
次に、画像形成装置100に接続された情報処理装置(以下、PCと称する。)がプリント操作を受け付けた場合におけるPCの制御部及び制御部200の処理の流れについて、図11,12を参照して説明する。
【0058】
図11に示すように、PCの制御部は、プリントの開始指示を受け付けるまで待って(S21:NO)、受け付けると(S21:YES)、印刷対象となる画像データを画像形成装置100へ送信する(S22)。
【0059】
図12に示すように、画像形成装置100の制御部200は、画像データを受信するまで待つ(S31:NO)。制御部200は、画像データを受信すると(S31:YES)、操作装置130が閉鎖位置に位置し(S12:YES)、記憶部300を参照して用紙の排出先が胴内排出部50に設定されている場合に(S13:YES)、操作装置130の変位を受け付けるよう指示する変位受付指示をPCへ送信する(S34)。
【0060】
図11に示すように、PCの制御部は、変位受付指示を受信するまで待って(S23:NO)、受信すると(S23:YES)、操作装置130を開放位置へ変位させるか否かの選択操作を受け付ける変位受付画面を表示する(S24)。制御部は、操作装置130の開放位置への変位を受け付けると(S25:YES)、操作装置130を開放位置へ変位させる旨を画像形成装置100へ送信する(S26)。また、制御部は、操作装置130の開放位置への変位を受け付けない場合に(S25:NO)、操作装置130を開放位置へ変位させない旨を画像形成装置100へ送信する(S26)。
【0061】
図12に示すように、画像形成装置100の制御部200は、操作装置130の変位の有無を受信するまで待つ(S35:NO)。制御部200は、操作装置130の変位の有無を受信すると(S35:YES)、操作装置130を開放位置へ変位させる場合に(S36:YES)、S16、S17の処理を行い、操作装置130を開放位置へ変位させない場合に(S36:NO)、S17の処理を行う。
【0062】
また、制御部200は、操作装置130が開放位置に位置する場合(S12:NO)や、操作装置130が閉鎖位置に位置しても(S12:YES)、記憶部300に記憶されている用紙の排出先が外部排紙トレイ70に設定されている場合(S13:NO)には、記憶部300に記憶されている用紙の排出先へ画像形成処理後の用紙を排出する(S18)。
【0063】
以上のように、制御部200は、PCから受信した画像データを印刷する際にも、用紙の排出先が胴内排出部50に設定され且つ操作装置130が閉鎖位置に位置する時に、操作装置130を開放位置へ変位させることで、画像形成処理後の用紙を胴内排出部50から取り出し易くすることができる。また、制御部200は、画像形成処理後の用紙を胴内排出部50へ排出する前に、操作装置130を開放位置へ変位させているため、画像形成処理後の用紙の取り出し中に、変位中の操作装置130がユーザに当たることで生じる怪我を防ぐことができる。
【0064】
また、制御部200は、操作装置130の変位の有無をPCから受信することで、プリント操作後にすぐに画像形成処理後の用紙を胴内排出部50から取り出す場合にのみ、操作装置130を開放位置へ変位させることができ、利便性を向上させることができる。
【実施例2】
【0065】
次に、この発明の実施例2に係る画像形成装置100’について、実施例1に係る画像形成装置100との相違点のみを説明する。実施例2に係る画像形成装置100’では、制御部200の処理が異なる。コピー操作を受け付けた場合における制御部200の処理の流れについて、図13,14を参照して説明する。なお、S11〜S13、S18の処理は、図9に示す実施例1の処理と同じである。また、外部排紙トレイ70は、図7(B)に示すように、後処理装置700が有する排紙トレイ70A、70B、70Cであるとして説明する。
【0066】
図13に示すように、制御部200は、操作装置130が閉鎖位置に位置し(S12:YES)、用紙の排出先が胴内排出部50に設定されているので(S13:YES)、一例として図14に示す指定受付画面133を操作装置130のタッチパネル131に表示する(S44)。
【0067】
指定受付画面133は、用紙の排出先の選択操作を受け付ける。指定受付画面133は、排紙トレイ設定ボタン133A、133B,133Cの何れかの押下が検出された後に、実行ボタン133Dの押下が検出されると、押下された排紙トレイ設定ボタン133A、133B,133Cに対応する排紙トレイ70A,70B,70Cを用紙の排出先として受け付ける。また、指定受付画面133は、排紙トレイ設定ボタン133A、133B,133Cの押下が検出されずに、実行ボタン133Dの押下が検出されると、用紙の排出先がデフォルトである排紙トレイ70Aを用紙の排出先として受け付ける。
【0068】
制御部200は、指定受付画面133で、排紙トレイ設定ボタン133Bの押下を検出した後に、実行ボタン133Dの押下を検出した場合、すなわち、用紙の排出先を排紙トレイ70Bにユーザが指定した場合に(S45:YES)、画像形成処理後の用紙を排紙トレイ70Bへ排出する(S47)。また、制御部200は、指定受付画面133で、実行ボタン133Dの押下のみを検出した場合、すなわち、用紙の排出先がユーザにより指定されなかった場合に(S45:NO)、画像形成処理後の用紙をデフォルトの排紙トレイ70Aへ排出する(S46)。
【0069】
以上のように、制御部200は、用紙の排出先が胴内排出部50に設定され且つ操作装置130が閉鎖位置に位置する時に、画像形成処理後の用紙を外部排紙トレイ70へ排出することで、画像形成処理後の用紙を取り出し易くすることができる。
【0070】
また、制御部200は、コピーの都度、用紙の排出先の選択操作を受け付けることで、コピー毎に異なる排紙トレイ70A〜70Cへ排出することができ、利便性を向上させることができる。
【0071】
なお、画像形成装置100に接続されたPCがプリントの開始指示を受け付けた場合には、制御部200は、用紙の排出先が胴内排出部50に設定され且つ操作装置130が閉鎖位置に位置する時に、用紙の排出先の設定を指示する設定受付指示をPCへ送信する。そして、制御部200は、用紙の排出先として排紙トレイ70A〜70Cの何れか1つをPCから受信すればよい。
【0072】
このようにすることで、制御部200は、PCから受信した画像データを印刷する際にも、用紙の排出先が胴内排出部50に設定され且つ操作装置130が閉鎖位置に位置する時に、画像形成処理後の用紙を外部排紙トレイ70へ排出することができる。この結果、制御部200は、画像形成処理後の用紙を取り出し易くすることができる。
【0073】
また、制御部200は、用紙の排出先として排紙トレイ70A〜70Cの何れかをPCから受信することで、プリント操作後すぐに画像形成処理後の用紙を取りに行かない場合でも、画像形成処理後の用紙が外部排紙トレイ70へ排出されているため、画像形成処理後の用紙を取り出しやすくすることができる。この結果、制御部200は、利便性を向上させることができる。
【0074】
なお、制御部200は、コピー操作を受け付けた場合に上述の実施例1,2に示す処理を行ったが、画像形成装置100内のデータの印刷操作を受け付けた場合も、上述の実施例1,2に示す処理を行う。
【0075】
なお、制御部200は、FAX機能を備える場合、FAX装置からFAXデータを受信した場合にも、上述の実施例1,2に示す処理を行う。
【0076】
なお、上述の実施例では、非傾斜位置を開放位置とし、非傾斜位置を除く他の位置を閉鎖位置とした。しかし、図15(A)に示すように、開放位置を区間αの位置とし、閉鎖位置を区間βの位置としてもよい。区間αは、非傾斜位置から最大傾斜位置に向かって所定量だけ変位した位置までを示し、区間βは、区間αの終端の位置から最大傾斜位置までを示す。
【0077】
また、図15(B)に示すように、開放位置を区間αの位置とし、閉鎖位置を区間βの位置としてもよい。区間αは、非傾斜位置から最大傾斜位置に向かって所定量だけ変位した位置までを示し、区間βは、最大傾斜位置から非傾斜位置に向かって所定量だけ変位した位置から最大傾斜位置までの位置までを示す。この時、例えば、実施例1において、操作装置130が区間βに位置する時は、操作装置130を区間α内の位置へ変位させる。操作装置130が区間αと区間βの間、及び区間αに位置する時は、操作装置130を変位させない。また、この場合、センサを2つ設け、各センサを用いて最大傾斜位置から非傾斜位置に向かって所定量だけ変位した位置を通過したこと、及び最大傾斜位置から非傾斜位置に向かって所定量だけ変位した位置を通過したことを検知すればよい。
【0078】
上述の実施形態の説明は、すべての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上述の実施形態ではなく、特許請求の範囲によって示される。更に、本発明の範囲には、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0079】
20…画像読取部
30…画像形成部
40…給紙部
50…胴内排出部
70…外部排紙トレイ
70A,70B,70C…排紙トレイ
100…画像形成装置
110…装置本体
130…操作装置
132…変位受付画面
133…指定受付画面
200…制御部
【技術分野】
【0001】
胴内排出トレイ及びチルト機構を有する操作パネルを備える画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
画像形成装置には、上部に画像読取部を備え、下部に画像形成部及び給紙部を備え、上部と下部との間に胴内排出部を備えるものがある。また、画像形成装置は、操作子を配置した操作パネルを更に備えており、チルト機構を用いて操作パネルの角度を変更可能にしているものがある(特許文献1参照)。
【0003】
特許文献1に記載の画像形成装置は、上下方向に操作可能なスイッチを備えており、スイッチの押下量に応じて操作パネルの角度を変更している。画像形成装置は、スイッチが上方向に押下されると、操作パネルの表面が上方向を向くまで操作パネルを上方向に回転させ、スイッチが下方向に押下されると、操作パネルの表面が側面外方向を向くまで操作パネルを下方向に回転させている。
【0004】
画像形成装置は、操作パネルの表面が上方向を向いた状態で、健常者に利用され、操作パネルの表面が側面外方向を向いた状態で、子供や車いす利用者等の背が低い人に利用される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2007−81248号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
画像形成装置は、操作パネルの表面が側面外方向を向いた状態で、胴内排出部の一側面の少なくとも一部が操作パネルにより塞がれる。このため、画像形成装置は、操作パネルの表面が側面外方向を向いた状態で、画像形成処理後の用紙が胴内排出部に排出されると、操作パネルが邪魔になり、用紙の取り出しを妨げる。
【0007】
そこで、この発明は、操作パネルの表面が側面外方向を向いた状態で、用紙に対して画像形成を行っても、排出された用紙の取り出しを妨げない画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この発明の画像形成装置は、第1排出部と、第2排出部と、操作パネルと、制御手段と、を備える。第1排出部は、少なくとも一側面に開放面が形成され、画像形成処理後の用紙が排出される。第2排出部は、第1排出部とは別の排出先であり、用紙が排出される。操作パネルは、開放面の少なくとも一部を閉鎖する閉鎖位置と開放面を開放する開放位置とを含む所定の範囲内で変位可能に、装置本体に取り付けられている。制御手段は、用紙の排出先を第1排出部又は第2排出部に設定する設定手段を有し、用紙の排出先が第1排出部に設定され且つ操作パネルが閉鎖位置に位置する状態で、用紙が排出される場合に、画像形成処理後の用紙を第2排出部に排出する制御処理を行う。
【0009】
この構成では、第1排出部は、例えば胴内排出部であり、少なくとも一側面に開放面が形成されている。第2排出部は、例えば外部排紙トレイや、後処理装置が有する排紙トレイである。画像形成処理後の用紙は、第1排出部又は第2排出部の何れかに設定されている。操作パネルは、装置本体に取り付けられており、第1排出部の開放面の少なくとも一部を閉鎖する閉鎖位置と、第1排出部の開放面を開放する開放位置との間で変位可能である。制御手段は、用紙の排出先が第1排出部に設定され且つ操作パネルが閉鎖位置に位置した状態で、用紙が排出される場合に、第2排出部に用紙を排出する制御処理を行う。
【0010】
少なくとも閉鎖位置から開放位置へ操作パネルを変位させる変位手段を更に備える構成であることが好ましい。この場合、制御処理は、画像形成処理後の用紙を第2排出部に排出するか、操作パネルを開放位置へ変位手段に変位させる処理である。
【0011】
この構成では、制御手段は、用紙の排出先が第1排出部に設定され且つ操作パネルが閉鎖位置に位置した状態で、用紙が排出される場合に、第2排出部に用紙を排出するか、操作パネルを開放位置へ変位させて第1排出部に用紙を排出する制御処理を行う。
【0012】
これにより、画像形成装置は、用紙の排出先が第1排出部に設定され且つ操作パネルが閉鎖位置に位置する状態であっても、第2排出部に用紙を排出するか、操作パネルを開放位置へ変位させて第1排出部に用紙を排出することで、画像形成処理後の用紙を取り出し易くすることができる。
【0013】
外部装置から画像データを受信する受信手段を更に備え、操作パネルが画像形成処理の開始指示を受け付ける受付手段を有する構成であることが好ましい。この場合、制御手段は、用紙の排出先が第1排出部に設定され且つ操作パネルが閉鎖位置に位置する状態で、受信手段が画像データを受信するか、受付手段が画像形成処理の開始指示を受け付けると、制御処理を行う。
【0014】
この構成では、制御手段は、用紙の排出先が第1排出部に設定され且つ操作パネルが閉鎖位置に位置した状態で、外部装置であるパーソナルコンピュータやFAX装置から画像データを受信するか、コピーの開始指示や記憶しているデータの印刷処理を含む画像形成処理の開始指示を受け付けると、制御処理を行う。
【0015】
これにより、画像形成装置は、用紙を排出する前に、第2排出部に用紙を排出するか、操作パネルを開放位置へ変位することができる。操作パネルを開放位置へ変位させる場合、操作パネルが開放位置に変位してから、用紙の取り出しを行うことになる。
【0016】
操作パネルは、画像形成処理の開始指示と、用紙の排出先を変更するか否か又は操作パネルを変位させるか否かを示す指示情報の選択操作と、を受け付ける受付手段を有する構成であることが好ましい。この場合、受付手段は、用紙の排出先が第1排出部に設定され且つ操作パネルが閉鎖位置に位置する状態で、画像形成処理の開始指示を受け付けてから用紙が排出されるまでの間に、指示情報の選択操作を受け付ける。制御手段は、指示情報に基づいて、制御処理を行うか否かを制御する。
【0017】
この構成では、操作パネルは、例えば、コピーの開始指示や記憶しているデータの印刷処理を含む画像形成処理の開始指示と、用紙の排出先を第2排出部へ変更するか否か又は操作パネルを開放位置へ変位させるか否かを示す指示情報の選択操作と、を受け付ける。操作パネルは、まず、コピーの開始指示を受け付ける。操作パネルは、用紙の排出先が第1排出部に設定され且つ操作パネルが閉鎖位置に位置する状態の時に、指示情報の選択操作を受け付ける。制御手段は、指示情報に基づいて、第2排出部に用紙を排出するか否か、又は操作パネルを開放位置へ変位させて第1排出部に用紙を排出するか否かを判断する。
【0018】
これにより、画像形成装置は、操作パネルを所望の傾斜位置に位置させてコピーを連続して行い、画像形成処理後の用紙を第1排出部から取り出す前に、用紙を第2排出部へ排出するか、操作パネルを開放位置へ変位させることができ、利便性を向上させることができる。また、画像形成装置は、コピー毎に異なる第2排出部へ排出することができ、利便性を向上させることもできる。
【0019】
給紙部と、画像読取部と、画像形成部と、を更に備える構成であることが好ましい。給紙部は、装置本体の下部に配置され、画像形成処理前の用紙を格納する。画像読取部は、装置本体の上部に配置され、原稿の画像を読み取る。画像形成部は、給紙部の上部に配置され、画像形成処理前の用紙に対して画像形成処理を行う。第1排出部は、画像読取部と画像形成部との間に形成された空間に配設される。
【0020】
この構成では、装置本体の内部且つ画像読取部と画像形成装置との間の空間に、第1排出部が配設される。
【0021】
これにより、第1排出部が胴内排出部であるため、装置本体を小型化することができる。
【0022】
操作パネルは、開放面側で且つ用紙の排出方向における用紙の先端側に取り付けられる構成であることが好ましい。
【0023】
この構成では、操作パネルは、用紙の排出箇所から離れた位置、すなわち用紙の排出箇所を視認する際に邪魔にならない位置に取り付けられている。
【0024】
これにより、画像形成装置は、第1排出部へ用紙が排出されるか否かを容易に視認させることができる。
【発明の効果】
【0025】
この発明の画像形成装置は、画像形成処理後の用紙の排出先が第1排出部に設定され且つ操作パネルが第1排出部の開放面の少なくとも一部を閉鎖する閉鎖位置に位置する状態で、画像形成処理後の用紙を第2排出部に排出することで、画像形成処理後の用紙を取り出し易くすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】この発明の画像形成装置の概略構成を示す構成図である。
【図2】この発明の画像形成装置の外観を示す斜視図である。
【図3】操作装置が開放位置に位置する状態での画像形成装置の外観の概略図である。
【図4】操作装置が所望の傾斜位置に位置する状態での画像形成装置の外観の概略図である。
【図5】操作装置の簡略な機構を示す図である。
【図6】画像形成装置の機能構成を示すブロック図である。
【図7】外部排紙トレイを有する画像形成装置の外観を示す図である。
【図8】操作装置の表示部の一例である。
【図9】コピー操作時における制御部の処理の流れを示すフローチャートである。
【図10】変位受付画面の一例を示す図である。
【図11】プリント操作時におけるPCの制御部の処理の流れを示すフローチャートである。
【図12】プリント操作時における制御部の処理の流れを示すフローチャートである。
【図13】実施例2に係るコピー操作時における制御部の処理の流れを示すフローチャートである。
【図14】指定受付画面の一例を示す図である。
【図15】操作装置の開放位置及び閉鎖位置の他の例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下に、この発明を実施するための形態について、図面に基づいて説明する。
【実施例1】
【0028】
図1に示すように、画像形成装置100は、装置本体110と自動原稿処理装置120とにより構成されている。装置本体110は、画像読取部20、画像形成部30、及び給紙部40を備え、いわゆる胴内排紙形状を呈している。
【0029】
画像読取部20は、装置本体110の上部に配置され、スキャナユニット90、原稿載置台92を備えており、上部に自動原稿処理装置120が取り付けられている。原稿載置台92は、硬質板ガラスで構成され、装置本体110の上部に配置されている。自動原稿処理装置120は、原稿載置台92の上に自動で原稿を搬送する。また原稿送り装置120は矢印M方向に回動自在に構成され、原稿載置台92の上を開放することにより原稿を手置きで置くことができるようになっている。スキャナユニット90は、原稿載置台92の上面に載置された原稿の画像、及び自動原稿処理装置120により搬送される原稿の画像を読み取る。
【0030】
給紙部40は、装置本体110の下部に配置され、給紙カセット81、差し給紙カセット82を備える。給紙カセット81は、画像形成に使用する用紙を蓄積しておくためのトレイであり、装置本体110の露光ユニット1の下側に設けられている。また手差し給紙カセット82にも画像形成に使用する用紙を置くことができる。
【0031】
画像形成部30は、露光ユニット1、現像器2、感光体ドラム3、クリーナユニット4、帯電器5、中間転写ベルトユニット6、及び定着ユニット7を備えている。
【0032】
画像形成部30は、画像読取部20の下部で且つ給紙部40の上部に配置される。画像形成部30は、ブラック(K)、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)の各色を用いたカラー画像に応じた画像データを扱う。従って、現像器2、感光体ドラム3、クリーナユニット4、帯電器5は、各色に応じた4種類の潜像を形成するようにそれぞれ4個ずつ設けられ、それぞれブラック、シアン、マゼンタ、イエローに設定される。
【0033】
帯電器5は、感光体ドラム3の表面を所定の電位に均一に帯電させる。
【0034】
露光ユニット1は、帯電された感光体ドラム3を画像データに応じて露光することにより、その表面に、画像データに応じた静電潜像を形成する。現像器2はそれぞれの感光体ドラム3上に形成された静電潜像を4色(YMCK)のトナーにより顕像化してトナー像へ変換する。またクリーナユニット4は、現像・画像転写後における感光体ドラム3上の表面に残留したトナーを、除去・回収する。
【0035】
感光体ドラム3の上方に配置されている中間転写ベルトユニット6は、中間転写ベルト61、駆動ローラ62、従動ローラ63、中間転写ローラ64、及びクリーニングユニット65を備えている。中間転写ローラ64は、YMCK用の各色に対応して4本設けられている。駆動ローラ62、従動ローラ63、及び中間転写ローラ64は、中間転写ベルト61を張架して回転駆動させる。また、各中間転写ローラ64は、感光体ドラム3のトナー像を中間転写ベルト61に順次的に重ねて転写して、中間転写ベルト61上にカラーのトナー像(多色トナー像)を形成する。この多色トナー像は、用紙と中間転写ベルト61の接触位置に配置される転写ローラ10によって用紙上に転写される。定着ユニット7は、多色トナー像が転写された用紙を加熱及び加圧し、用紙に多色トナー像を定着させる。
【0036】
また、中間転写ベルト61上に残存したトナーは、次工程でトナーの混色を発生させる原因となるために、クリーニングユニット65によって除去・回収される。
【0037】
図2、図3(A)及び図3(B)に示すように、画像形成処理後の用紙は、胴内排出部(この発明の第1排出部に相当する。)50へ排出される。なお、図2、図3(A)及び図3(B)では、自動原稿処理装置120、及び外部排紙トレイ(この発明の第2排出部に相当する。)70の記載が省略されている。図4(A)及び図4(B)においても自動原稿処理装置120、及び外部排紙トレイ70の記載が省略されている。
【0038】
胴内排出部50は、画像読取部20と画像形成部30との間に形成される空間部であり、定着ユニット7の近傍且つ上方に配置されている。胴内排出部50は、前面(この発明の開放面に相当する。)と左側面の一部とが開放した直方体形状を呈している。胴内排出部50の底面には、画像形成処理後の用紙をフェイスダウンで集積する排紙トレイ91が設けられている。胴内排出部50の右側面には、装置本体110の幅方向Xにおける第1端部に設けられた用紙排紙部51を有する。
【0039】
画像形成装置100は、更に操作装置(この発明の操作パネルに相当する。)130を装置本体110の前面に備えている。操作装置130は、画像読取部20の前面で、且つ幅方向Xにおいて用紙排紙部51が配置された第1端部の反対側の端部に取り付けられている。操作装置130は、幅方向Xにおいて、用紙排紙部51と離間しており、用紙排紙部51から排出される用紙の視認を妨げない。
【0040】
また、操作装置130は画像読取部20の前面に取り付けられ、画像読取部20の前面のうち操作装置130の配置箇所を除く部分には、画像読取部20の操作台32が設けられている。操作台32は、画像読取部20の上面に連続する面を形成し、装置本体110の幅方向Xに直交する前後方向Yにおいて操作装置130の一部と重複している。
【0041】
操作装置130は、図3(A)、図3(B)及び図5(B)に示す画像読取部20の上面に略平行で、傾斜されていない非傾斜位置と、図5(C)に示す前面側への所定の最大傾斜角で傾斜された最大傾斜位置と、の間でチルト機構(この発明の変位手段に相当する。)を介して回動自在に構成されている。
【0042】
図5(A)に示すように、チルト機構は、画像読取部20に設けられた支軸(不図示)、ギア71、操作装置130に設けられたギア72から構成される。支軸は、画像読取部20の前面に設けられ、操作装置130を回動自在に支持する。ギア71は、支軸の先端に取り付けられ、ギア72と噛合する。操作装置130は、ギア71、ギア72が噛合した状態で、非傾斜位置、最大傾斜位置、並びに非傾斜位置と最大傾斜位置との間の1又は複数の所定の位置から選択された図4(A)及び図4(B)に一例を示す所望の傾斜位置で、傾斜姿勢を保持するように構成されている。
【0043】
操作装置130は、非傾斜位置に位置する状態で、胴内排出部50の前面が開放され、非傾斜位置を除く他の位置に位置する状態では、胴内排出部50の前面の少なくとも一部が閉鎖される。以下、非傾斜位置を開放位置と称し、非傾斜位置を除く他の位置を閉鎖位置と称する。
【0044】
また、画像読取部20は、モータ73を備えている。モータ73は、ギア71に駆動力を供給する。操作装置130は、ギア71にモータ73から駆動力が供給されると、閉鎖位置から開放位置へ変位する。
【0045】
次に、画像形成装置100の機能、構成について図6〜8を参照して説明する。図6に示すように、装置本体110は、上述した画像読取部20、画像形成部30、給紙部40及び胴内排出部50の他に、外部排紙トレイ70、及び記憶部300を備えている。
【0046】
画像読取部20は、上述したモータ73の他にセンサ74を有する。センサ74は、操作装置130が開放位置に位置することを検知して、検知信号を出力する。
【0047】
外部排紙トレイ70は、図7(A)に示すように、画像形成部30の一側面から突出しており、画像形成処理後の用紙を収容する。なお、外部排紙トレイ70は、図7(B)に示すように、後処理装置700が有する排紙トレイ70A、70B、70Cであってもよい。後処理装置700が有する排紙トレイ70A〜70Cの数は3個に限らない。
【0048】
記憶部300は、画像形成処理後の用紙を排出する用紙の排紙先を記憶している。排紙先は、操作装置130からの操作指示に基づいて更新される。デフォルトでは、排紙先が胴内排出部50に設定されている。
【0049】
操作装置130は、一例として図8に示すタッチパネル131を上面に備える。操作装置130は、白黒コピーの開始指示ボタン131A、及びカラーコピーの開始指示ボタン131Bを備え、白黒コピー及びカラーコピーの開始指示を受け付ける。また、操作装置130は、コピーに関する各種操作等を受け付ける。
【0050】
制御部200は、各機能部及び操作装置130を制御する。次に、コピー操作を受け付けた場合における制御部200の処理の流れについて、図9,10を参照して説明する。
【0051】
図9に示すように、制御部200は、操作装置130が白黒コピーの開始指示ボタン131A、又はカラーコピーの開始指示ボタン131Bの押下を検出するまで待つ(S11:NO)。制御部200は、操作装置130が白黒コピーの開始指示ボタン131A、又はカラーコピーの開始指示ボタン131Bの押下を検出すると(S11:YES)、操作装置130が閉鎖位置に位置するか否かを検出する(S12)。制御部200は、センサ74が検知信号を出力していれば、操作装置130が開放位置に位置するので(S12:NO)、記憶部300を参照して画像形成処理後の用紙を用紙の排出先へ排出する(S18)。
【0052】
また、制御部200は、センサ74が検知信号を出力していなければ、操作装置130が閉鎖位置に位置するので(S12:YES)、記憶部300を参照して用紙の排出先が胴内排出部50に設定されているか否かを判断する(S13)。制御部200は、用紙の排出先が胴内排出部50に設定されているので(S13:YES)、一例として図10に示す変位受付画面133を操作装置130のタッチパネル131に表示する(S14)。変位受付画面133では、操作装置130を開放位置へ変位させるか否かの選択操作を受け付ける。
【0053】
制御部200は、変位受付画面133で、YESボタン132Aの押下を検出した場合、すなわち、操作装置130の自動回転をユーザが選択した場合に(S15:YES)、モータ73を駆動して、操作装置130を開放位置へ変位させる(S16)。制御部200は、画像形成処理後の用紙を胴内排出部50へ排出する(S17)。また、制御部200は、変位受付画面133で、NOボタン132Bの押下を検出した場合、すなわち、操作装置130の自動回転をユーザが選択しなかった場合に(S15:NO)、S17の処理を行う。
【0054】
また、制御部200は、操作装置130が閉鎖位置に位置し(S12:YES)、用紙の排出先が外部排紙トレイ70に設定されており、胴内排出部50に設定されていない場合は(S13:NO)、画像形成処理後の用紙を外部排紙トレイ70へ排出する(S18)。
【0055】
以上のように、制御部200は、用紙の排出先が胴内排出部50に設定され且つ操作装置130が閉鎖位置に位置する時に、操作装置130を開放位置へ変位させることで、画像形成処理後の用紙を胴内排出部50から取り出し易くすることができる。また、制御部200は、画像形成処理後の用紙を胴内排出部50へ排出する前に、操作装置130を開放位置へ変位させているため、画像形成処理後の用紙の取り出し中に、変位中の操作装置130がユーザに当たることで生じる怪我を防ぐことができる。
【0056】
また、制御部200は、コピーの都度、操作装置130を開放位置へ変位させるか否かを確認している。この結果、制御部200は、操作装置130を所望の傾斜位置に位置させてコピーを連続して行い、画像形成処理後の用紙を胴内排出部50から取り出すタイミングで操作装置130を開放位置へ変位させることができ、利便性を向上させることができる。
【0057】
次に、画像形成装置100に接続された情報処理装置(以下、PCと称する。)がプリント操作を受け付けた場合におけるPCの制御部及び制御部200の処理の流れについて、図11,12を参照して説明する。
【0058】
図11に示すように、PCの制御部は、プリントの開始指示を受け付けるまで待って(S21:NO)、受け付けると(S21:YES)、印刷対象となる画像データを画像形成装置100へ送信する(S22)。
【0059】
図12に示すように、画像形成装置100の制御部200は、画像データを受信するまで待つ(S31:NO)。制御部200は、画像データを受信すると(S31:YES)、操作装置130が閉鎖位置に位置し(S12:YES)、記憶部300を参照して用紙の排出先が胴内排出部50に設定されている場合に(S13:YES)、操作装置130の変位を受け付けるよう指示する変位受付指示をPCへ送信する(S34)。
【0060】
図11に示すように、PCの制御部は、変位受付指示を受信するまで待って(S23:NO)、受信すると(S23:YES)、操作装置130を開放位置へ変位させるか否かの選択操作を受け付ける変位受付画面を表示する(S24)。制御部は、操作装置130の開放位置への変位を受け付けると(S25:YES)、操作装置130を開放位置へ変位させる旨を画像形成装置100へ送信する(S26)。また、制御部は、操作装置130の開放位置への変位を受け付けない場合に(S25:NO)、操作装置130を開放位置へ変位させない旨を画像形成装置100へ送信する(S26)。
【0061】
図12に示すように、画像形成装置100の制御部200は、操作装置130の変位の有無を受信するまで待つ(S35:NO)。制御部200は、操作装置130の変位の有無を受信すると(S35:YES)、操作装置130を開放位置へ変位させる場合に(S36:YES)、S16、S17の処理を行い、操作装置130を開放位置へ変位させない場合に(S36:NO)、S17の処理を行う。
【0062】
また、制御部200は、操作装置130が開放位置に位置する場合(S12:NO)や、操作装置130が閉鎖位置に位置しても(S12:YES)、記憶部300に記憶されている用紙の排出先が外部排紙トレイ70に設定されている場合(S13:NO)には、記憶部300に記憶されている用紙の排出先へ画像形成処理後の用紙を排出する(S18)。
【0063】
以上のように、制御部200は、PCから受信した画像データを印刷する際にも、用紙の排出先が胴内排出部50に設定され且つ操作装置130が閉鎖位置に位置する時に、操作装置130を開放位置へ変位させることで、画像形成処理後の用紙を胴内排出部50から取り出し易くすることができる。また、制御部200は、画像形成処理後の用紙を胴内排出部50へ排出する前に、操作装置130を開放位置へ変位させているため、画像形成処理後の用紙の取り出し中に、変位中の操作装置130がユーザに当たることで生じる怪我を防ぐことができる。
【0064】
また、制御部200は、操作装置130の変位の有無をPCから受信することで、プリント操作後にすぐに画像形成処理後の用紙を胴内排出部50から取り出す場合にのみ、操作装置130を開放位置へ変位させることができ、利便性を向上させることができる。
【実施例2】
【0065】
次に、この発明の実施例2に係る画像形成装置100’について、実施例1に係る画像形成装置100との相違点のみを説明する。実施例2に係る画像形成装置100’では、制御部200の処理が異なる。コピー操作を受け付けた場合における制御部200の処理の流れについて、図13,14を参照して説明する。なお、S11〜S13、S18の処理は、図9に示す実施例1の処理と同じである。また、外部排紙トレイ70は、図7(B)に示すように、後処理装置700が有する排紙トレイ70A、70B、70Cであるとして説明する。
【0066】
図13に示すように、制御部200は、操作装置130が閉鎖位置に位置し(S12:YES)、用紙の排出先が胴内排出部50に設定されているので(S13:YES)、一例として図14に示す指定受付画面133を操作装置130のタッチパネル131に表示する(S44)。
【0067】
指定受付画面133は、用紙の排出先の選択操作を受け付ける。指定受付画面133は、排紙トレイ設定ボタン133A、133B,133Cの何れかの押下が検出された後に、実行ボタン133Dの押下が検出されると、押下された排紙トレイ設定ボタン133A、133B,133Cに対応する排紙トレイ70A,70B,70Cを用紙の排出先として受け付ける。また、指定受付画面133は、排紙トレイ設定ボタン133A、133B,133Cの押下が検出されずに、実行ボタン133Dの押下が検出されると、用紙の排出先がデフォルトである排紙トレイ70Aを用紙の排出先として受け付ける。
【0068】
制御部200は、指定受付画面133で、排紙トレイ設定ボタン133Bの押下を検出した後に、実行ボタン133Dの押下を検出した場合、すなわち、用紙の排出先を排紙トレイ70Bにユーザが指定した場合に(S45:YES)、画像形成処理後の用紙を排紙トレイ70Bへ排出する(S47)。また、制御部200は、指定受付画面133で、実行ボタン133Dの押下のみを検出した場合、すなわち、用紙の排出先がユーザにより指定されなかった場合に(S45:NO)、画像形成処理後の用紙をデフォルトの排紙トレイ70Aへ排出する(S46)。
【0069】
以上のように、制御部200は、用紙の排出先が胴内排出部50に設定され且つ操作装置130が閉鎖位置に位置する時に、画像形成処理後の用紙を外部排紙トレイ70へ排出することで、画像形成処理後の用紙を取り出し易くすることができる。
【0070】
また、制御部200は、コピーの都度、用紙の排出先の選択操作を受け付けることで、コピー毎に異なる排紙トレイ70A〜70Cへ排出することができ、利便性を向上させることができる。
【0071】
なお、画像形成装置100に接続されたPCがプリントの開始指示を受け付けた場合には、制御部200は、用紙の排出先が胴内排出部50に設定され且つ操作装置130が閉鎖位置に位置する時に、用紙の排出先の設定を指示する設定受付指示をPCへ送信する。そして、制御部200は、用紙の排出先として排紙トレイ70A〜70Cの何れか1つをPCから受信すればよい。
【0072】
このようにすることで、制御部200は、PCから受信した画像データを印刷する際にも、用紙の排出先が胴内排出部50に設定され且つ操作装置130が閉鎖位置に位置する時に、画像形成処理後の用紙を外部排紙トレイ70へ排出することができる。この結果、制御部200は、画像形成処理後の用紙を取り出し易くすることができる。
【0073】
また、制御部200は、用紙の排出先として排紙トレイ70A〜70Cの何れかをPCから受信することで、プリント操作後すぐに画像形成処理後の用紙を取りに行かない場合でも、画像形成処理後の用紙が外部排紙トレイ70へ排出されているため、画像形成処理後の用紙を取り出しやすくすることができる。この結果、制御部200は、利便性を向上させることができる。
【0074】
なお、制御部200は、コピー操作を受け付けた場合に上述の実施例1,2に示す処理を行ったが、画像形成装置100内のデータの印刷操作を受け付けた場合も、上述の実施例1,2に示す処理を行う。
【0075】
なお、制御部200は、FAX機能を備える場合、FAX装置からFAXデータを受信した場合にも、上述の実施例1,2に示す処理を行う。
【0076】
なお、上述の実施例では、非傾斜位置を開放位置とし、非傾斜位置を除く他の位置を閉鎖位置とした。しかし、図15(A)に示すように、開放位置を区間αの位置とし、閉鎖位置を区間βの位置としてもよい。区間αは、非傾斜位置から最大傾斜位置に向かって所定量だけ変位した位置までを示し、区間βは、区間αの終端の位置から最大傾斜位置までを示す。
【0077】
また、図15(B)に示すように、開放位置を区間αの位置とし、閉鎖位置を区間βの位置としてもよい。区間αは、非傾斜位置から最大傾斜位置に向かって所定量だけ変位した位置までを示し、区間βは、最大傾斜位置から非傾斜位置に向かって所定量だけ変位した位置から最大傾斜位置までの位置までを示す。この時、例えば、実施例1において、操作装置130が区間βに位置する時は、操作装置130を区間α内の位置へ変位させる。操作装置130が区間αと区間βの間、及び区間αに位置する時は、操作装置130を変位させない。また、この場合、センサを2つ設け、各センサを用いて最大傾斜位置から非傾斜位置に向かって所定量だけ変位した位置を通過したこと、及び最大傾斜位置から非傾斜位置に向かって所定量だけ変位した位置を通過したことを検知すればよい。
【0078】
上述の実施形態の説明は、すべての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上述の実施形態ではなく、特許請求の範囲によって示される。更に、本発明の範囲には、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0079】
20…画像読取部
30…画像形成部
40…給紙部
50…胴内排出部
70…外部排紙トレイ
70A,70B,70C…排紙トレイ
100…画像形成装置
110…装置本体
130…操作装置
132…変位受付画面
133…指定受付画面
200…制御部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも一側面に開放面が形成され、画像形成処理後の用紙が排出される第1排出部と、
前記第1排出部とは別の排出先である第2排出部であって、前記用紙が排出される第2排出部と、
前記第1排出部の開放面の少なくとも一部を閉鎖する閉鎖位置と前記開放面を開放する開放位置とを含む所定の範囲内で変位可能に、装置本体に取り付けられている操作パネルと、
前記用紙の排出先を前記第1排出部又は前記第2排出部に設定する設定手段を有し、前記用紙の排出先が前記第1排出部に設定され且つ前記操作パネルが前記閉鎖位置に位置する状態で、前記用紙が排出される場合に、前記画像形成処理後の用紙を前記第2排出部に排出する制御処理を行う制御手段と、を備える画像形成装置。
【請求項2】
少なくとも前記閉鎖位置から前記開放位置へ前記操作パネルを変位させる変位手段を更に備え、
前記制御処理は、前記画像形成処理後の用紙を前記第2排出部に排出するか、前記操作パネルを前記開放位置へ前記変位手段に変位させる処理である請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
外部装置から画像データを受信する受信手段を更に備え、
前記操作パネルは、画像形成処理の開始指示を受け付ける受付手段を有し、
前記制御手段は、前記用紙の排出先が前記第1排出部に設定され且つ前記操作パネルが前記閉鎖位置に位置する状態で、前記受信手段が画像データを受信するか、前記受付手段が画像形成処理の開始指示を受け付けると、前記制御処理を行う請求項1又は2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記操作パネルは、画像形成処理の開始指示と、前記用紙の排出先を変更するか否か又は前記操作パネルを変位させるか否かを示す指示情報の選択操作と、を受け付ける受付手段を有し、
前記受付手段は、前記用紙の排出先が前記第1排出部に設定され且つ前記操作パネルが前記閉鎖位置に位置する状態で、前記画像形成処理の開始指示を受け付けてから前記用紙が排出されるまでの間に、前記指示情報の選択操作を受け付け、
前記制御手段は、前記指示情報に基づいて、前記制御処理を行うか否かを制御する請求項1又は2に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記装置本体の上部に配置され、原稿の画像を読み取る画像読取部と、
前記装置本体の下部に配置され、画像形成処理前の用紙を格納する給紙部と、
前記給紙部の上部に配置され、前記画像形成処理前の用紙に対して画像形成処理を行う画像形成部と、を更に備え、
前記画像読取部と前記画像形成部との間に形成された空間に前記第1排出部が配置される請求項1〜4の何れかに記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記操作パネルは、前記第1排出部の開放面側で且つ前記用紙の排出方向における用紙の先端側に取り付けられる請求項1〜5の何れかに記載の画像形成装置。
【請求項1】
少なくとも一側面に開放面が形成され、画像形成処理後の用紙が排出される第1排出部と、
前記第1排出部とは別の排出先である第2排出部であって、前記用紙が排出される第2排出部と、
前記第1排出部の開放面の少なくとも一部を閉鎖する閉鎖位置と前記開放面を開放する開放位置とを含む所定の範囲内で変位可能に、装置本体に取り付けられている操作パネルと、
前記用紙の排出先を前記第1排出部又は前記第2排出部に設定する設定手段を有し、前記用紙の排出先が前記第1排出部に設定され且つ前記操作パネルが前記閉鎖位置に位置する状態で、前記用紙が排出される場合に、前記画像形成処理後の用紙を前記第2排出部に排出する制御処理を行う制御手段と、を備える画像形成装置。
【請求項2】
少なくとも前記閉鎖位置から前記開放位置へ前記操作パネルを変位させる変位手段を更に備え、
前記制御処理は、前記画像形成処理後の用紙を前記第2排出部に排出するか、前記操作パネルを前記開放位置へ前記変位手段に変位させる処理である請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
外部装置から画像データを受信する受信手段を更に備え、
前記操作パネルは、画像形成処理の開始指示を受け付ける受付手段を有し、
前記制御手段は、前記用紙の排出先が前記第1排出部に設定され且つ前記操作パネルが前記閉鎖位置に位置する状態で、前記受信手段が画像データを受信するか、前記受付手段が画像形成処理の開始指示を受け付けると、前記制御処理を行う請求項1又は2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記操作パネルは、画像形成処理の開始指示と、前記用紙の排出先を変更するか否か又は前記操作パネルを変位させるか否かを示す指示情報の選択操作と、を受け付ける受付手段を有し、
前記受付手段は、前記用紙の排出先が前記第1排出部に設定され且つ前記操作パネルが前記閉鎖位置に位置する状態で、前記画像形成処理の開始指示を受け付けてから前記用紙が排出されるまでの間に、前記指示情報の選択操作を受け付け、
前記制御手段は、前記指示情報に基づいて、前記制御処理を行うか否かを制御する請求項1又は2に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記装置本体の上部に配置され、原稿の画像を読み取る画像読取部と、
前記装置本体の下部に配置され、画像形成処理前の用紙を格納する給紙部と、
前記給紙部の上部に配置され、前記画像形成処理前の用紙に対して画像形成処理を行う画像形成部と、を更に備え、
前記画像読取部と前記画像形成部との間に形成された空間に前記第1排出部が配置される請求項1〜4の何れかに記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記操作パネルは、前記第1排出部の開放面側で且つ前記用紙の排出方向における用紙の先端側に取り付けられる請求項1〜5の何れかに記載の画像形成装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【公開番号】特開2012−83587(P2012−83587A)
【公開日】平成24年4月26日(2012.4.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−230294(P2010−230294)
【出願日】平成22年10月13日(2010.10.13)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年4月26日(2012.4.26)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年10月13日(2010.10.13)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】
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