説明

画像形成装置

【課題】基板に設けられた外部接続端子を装置本体の開口部に差し込んでから当該基板を装着部へ装着する際の操作性を向上させる。
【解決手段】前記制御基板の外面に設けられた第1接続端子と、前記装置本体における前記制御基板の外面側に設けられた装着部と、一方の面が前記制御基板の外面に対向するように前記装着部に対して前記制御基板の板厚方向へ装着可能な基板と、前記基板の前記一方の面に設けられ前記基板の前記装着部への装着動作に伴って前記第1接続端子に接続される第2接続端子と、前記基板の他方の面に設けられ前記基板の面内方向一端側に配置された把持部と、前記基板の面内方向他端側へ突出するように前記基板に設けられ前記装置本体の開口部に差し込まれてから前記基板が前記装着部へ装着されることで外部へ露出し外部装置が接続可能な外部接続端子と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、以下に示す構成が開示されている。すなわち、装置本体の機能を拡張する拡張電装基板2において、装置本体に実装された状態で、装置本体の全体制御を行う主電装基板1に対して略平行に配置され、装置本体の内部側の端部200aと端部200aと略平行であり装置本体の筐体側の端部200bとを有する板状の基板本体200と、端部200a近傍で、装置本体へ実装する場合に主電装基板1側となる面に設けられたコネクタ250と、コネクタ250の位置より端部100b側の位置に設けられ、主電装基板1のコネクタ150と電気的に接続可能なハーネス用コネクタ260と、コネクタ250とハーネス用コネクタ260とを接続して拡張電装基板2と主電装基板1とを接続するハーネス255とを備えている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−266948号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、基板に設けられた外部接続端子を装置本体の開口部に差し込んでから当該基板を装着部へ装着する際の操作性を向上させることを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1の発明は、装置本体に設けられ、画像形成動作を制御する制御基板と、前記制御基板の外面に設けられた第1接続端子と、前記装置本体における前記制御基板の外面側に設けられた装着部と、一方の面が前記制御基板の外面に対向するように、前記装着部に対して前記制御基板の板厚方向へ装着可能な基板と、前記基板の前記一方の面に設けられ、前記基板の前記装着部への装着動作に伴って前記第1接続端子に接続される第2接続端子と、前記基板の他方の面に設けられ、前記基板の面内方向一端側に配置された把持部と、前記基板の面内方向他端側へ突出するように前記基板に設けられ、前記装置本体の開口部に差し込まれてから前記基板が前記装着部へ装着されることで外部へ露出し、外部装置が接続可能な外部接続端子と、を備える画像形成装置である。
【0006】
請求項2の発明は、前記把持部は、前記第2接続端子の裏側に配置されている請求項1に記載の画像形成装置である。
【0007】
請求項3の発明は、前記装置本体の開口部に対向して前記装着部に設けられ、前記装着部に装着された前記基板の面内方向一端側に接触して、前記装着部から外れる方向への当該面内方向一端側の移動を規制する規制部を備える請求項1又は2に記載の画像形成装置である。
【0008】
請求項4の発明は、前記規制部は、前記装着部に設けられ、基準電位点と導通した導通部材で構成され、前記基板の他方の面には、前記基板の前記装着部への装着動作に伴って前記導通部材に接触し、当該導通部材を介して前記基準電位点へ導通される被導通部材が設けられている請求項1〜3のいずれか1項に記載の画像形成装置である。
【発明の効果】
【0009】
本発明の請求項1の構成によれば、外部接続端子が突出する面内方向他端側に把持部が配置される場合に比べ、外部接続端子を装置本体の開口部に差し込んでから基板を装着部へ装着する際の操作性が向上する。
【0010】
本発明の請求項2の構成によれば、把持部が第2接続端子の裏側に配置されていない場合に比べ、第2接続端子が第1接続端子に接続される際の操作力が低減される。
【0011】
本発明の請求項3の構成によれば、本構成を備えない構成に比べ、装着部に装着された基板が装着部から外れにくい。
【0012】
本発明の請求項4の構成によれば、本構成を備えない構成に比べ、少ない部品点数で、基板の面内方向一端側の支持と、基板の基準電位点への導通と、がなされる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】画像形成装置の構成を示す概略図である。
【図2】画像形成装置における装着領域の構成を示す斜視図である。
【図3】図2に示す装着領域に対してカバーが取り付けられた状態を示す斜視図である。
【図4】図2に示す装着領域を部分的に破断した斜視図である。
【図5】カード装着部及びそのカード装着部に装着されたネットカードを部分的に破断した斜視図である。
【図6】シールドプレートの構成を示す斜視図である。
【図7】ユニット装着部からFAXユニットが取り外された状態を示す斜視図である。
【図8】ネットカードの構成を示す斜視図である。
【図9】ネットカードのカード装着部への装着動作を示す平断面図である。
【図10】ネットカードのカード装着部への装着動作を示す平断面図である。
【図11】ネットカードのカード装着部への装着動作を示す平断面図である。
【図12】ネットカードのカード装着部への装着状態を示す平断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下に、本発明に係る実施形態の一例を図面に基づき説明する。
(本実施形態に係る画像形成装置の構成)
まず、本実施形態に係る画像形成装置の構成を説明する。図1は、本実施形態に係る画像形成装置の構成を示す概略図である。なお、下記のX方向・−X方向・Z方向・−Z方向は、図中に示す矢印方向である。また、図中の「○」の中に「×」が記載されたものは、紙面の手前から奥へ向かう矢印を意味し、図中の「○」の中に「・」が記載されたものは、紙面の奥から手前へ向かう矢印を意味する。
【0015】
画像形成装置10は、図1に示すように、各構成部品が設けられる装置本体12と、画像形成装置10の各部の動作を制御する制御部の一例としての制御基板24(図4参照)と、を備えている。装置本体12を構成する筐体111の内部には、用紙等の記録媒体Pが収容される収容部112と、記録媒体Pに画像を形成する画像形成部114と、収容部112から画像形成部114へ記録媒体Pを搬送する搬送部116と、が設けられている。また、筐体111の上部には、画像形成部114によって画像が形成された記録媒体Pが排出される排出部118が設けられている。
【0016】
画像形成部114は、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の各色のトナー画像を形成する画像形成ユニット122Y、122M、122C、122K(以下、122Y〜122Kと示す)と、画像形成ユニット122Y〜122Kで形成されたトナー画像が転写される中間転写ベルト124と、画像形成ユニット122Y〜122Kで形成されたトナー画像を中間転写ベルト124に転写する第1転写ロール126と、第1転写ロール126によって中間転写ベルト124に転写されたトナー画像を中間転写ベルト124から記録媒体Pへ転写する第2転写ロール128と、を備えている。なお、画像形成部114は、上記の構成に限られず、他の構成であっても良く、記録媒体Pに画像を形成するものであればよい。
【0017】
画像形成ユニット122Y〜122Kは、水平方向に対して傾斜した状態で、筐体111に並んで配置されている。また、画像形成ユニット122Y〜122Kは、一方向(例えば、図1における時計回り方向)へ回転する感光体132をそれぞれ有している。なお、画像形成ユニット122Y〜122Kは、同様に構成されているので、図1において、画像形成ユニット122M・122C・122Kの各部の符号を省略している。
【0018】
各感光体132の周囲には、感光体132の回転方向上流側から順に、感光体132を帯電させる帯電装置の一例としての帯電ロール123と、帯電ロール123によって帯電した感光体132を後述の露光装置136が露光することで感光体132に形成された静電潜像を現像してトナー画像を形成する現像装置138と、転写後の感光体118に残留する現像剤を除去する除去装置160と、が設けられている。
【0019】
画像形成ユニット122Y〜122Kの斜め下方には、帯電ロール123によって帯電した感光体132を露光して感光体132に静電潜像を形成する露光装置136が設けられている。露光装置136は、制御基板24から送られた画像信号に基づき静電潜像を形成するようになっている。制御基板24から送られる画像信号としては、例えば、制御基板24が外部装置から取得した画像信号がある。
【0020】
現像装置138は、感光体132へ現像剤を供給する現像剤供給体138Aと、現像剤供給体138Aへ付与される現像剤を攪拌しながら搬送する複数の搬送部材138Bと、を備えている。
【0021】
中間転写ベルト124は、環状に形成されると共に、画像形成ユニット122Y〜122Kの上側に配置されている。中間転写ベルト124の内周側には、中間転写ベルト124が巻き掛けられる巻掛ロール142・143・144・145が設けられている。中間転写ベルト124は、巻掛ロール142・143・144・145のいずれかが回転駆動することによって、感光体132と接触しながら一方向(例えば、図1における反時計回り方向)へ循環移動(回転)するようになっている。なお、巻掛ロール142は、第2転写ロール128に対向する対向ロールとされている。
【0022】
第1転写ロール126は、中間転写ベルト124を挟んで感光体132に対向している。第1転写ロール126と感光体132との間が、感光体132に形成されたトナー画像が中間転写ベルト124に転写される第1転写位置T1とされている。
【0023】
第2転写ロール128は、中間転写ベルト124を挟んで巻掛ロール142に対向している。第2転写ロール128と巻掛ロール142との間が、中間転写ベルト124に転写されたトナー画像が記録媒体Pに転写される第2転写位置T2とされている。
【0024】
搬送部116は、収容部112に収容された記録媒体Pを送り出す送出ロール146と、送出ロール146に送り出された記録媒体Pが搬送される搬送路148と、搬送路148に沿って配置され送出ロール146によって送り出された記録媒体Pを第2転写位置T2へ搬送する複数の搬送ロール150と、が設けられている。
【0025】
第2転写位置T2より搬送方向下流側には、画像形成部114によって記録媒体Pに形成されたトナー画像を記録媒体Pに定着させる定着装置140が設けられている。この定着装置140より搬送方向下流側には、トナー画像が定着された記録媒体Pを排出部118へ排出する排出ロール152が設けられている。
【0026】
また、片面にトナー画像が定着された記録媒体Pを反転させて、再び第2転写位置T2へ送り戻すための反転搬送路137が、搬送路148に対する中間転写ベルト124とは反対側(X方向側)に設けられている。記録媒体Pの両面に画像を形成する際には、片面にトナー画像が定着された記録媒体Pが、排出ロール152によりスイッチバックされて反転搬送路137に導かれて第2転写位置T2へ送り戻されるようになっている。
【0027】
次に、本実施形態に係る画像形成装置10における、記録媒体Pへ画像を形成する画像形成動作について説明する。
【0028】
本実施形態に係る画像形成装置10では、収容部112から送出ロール146によって送り出された記録媒体Pが、複数の搬送ロール150によって第2転写位置T2へ送り込まれる。
【0029】
一方、画像形成ユニット122Y〜122Kでは、帯電ロール123によって帯電した感光体132が、露光装置136によって露光されて感光体132に静電潜像が形成される。その静電潜像が現像装置138によって現像されて感光体132にトナー画像が形成される。画像形成ユニット122Y〜122Kで形成された各色のトナー画像は、第1転写位置T1にて中間転写ベルト124に重ねられて、カラー画像が形成される。そして、中間転写ベルト124に形成されたカラー画像が、第2転写位置T2にて記録媒体Pへ転写される。
【0030】
トナー画像が転写された記録媒体Pは、定着装置140へ搬送され、転写されたトナー画像が定着装置140により定着される。記録媒体Pの片面へのみ画像を形成する場合は、トナー画像が定着された後、記録媒体Pは排出ロール152により排出部118へ排出される。記録媒体Pの両面へ画像を形成する場合には、片面に画像が形成された後、記録媒体Pは、排出ロール152でスイッチバックされ、反転して反転搬送路137へ送り込まれる。さらに、反転搬送路137から再び第2転写位置T2へ送り込まれ、画像が記録されていない反対面に、上記と同様に画像が形成され、記録媒体Pの両面へ画像が形成され、排出ロール152により排出部118へ排出される。以上のように、一連の画像形成動作が行われる。
【0031】
なお、図1に示すように、画像形成装置10の上部には、原稿の画像を読み取り可能な画像読取部170Aと、画像読取部170Aの上面に対して開閉される開閉部170Bと、を有する画像読取装置170が設けられている。画像読取装置170では、開閉部170Bを開放して、画像読取部170Aの上面に原稿を載せることで当該原稿の画像を画像読取部170Aが読み取り可能となっている。また、開閉部170Bには、原稿を搬送する原稿搬送装置170Cが設けられており、原稿搬送装置170Cによって搬送される原稿の画像を画像読取部170Aが読み取り可能となっている。そして、画像形成装置10では、画像読取装置170が読み取った画像に基づき、記録媒体に画像を形成できるようになっている。なお、図2、3、7では、画像読取装置170を簡略化して図示している。
【0032】
(装着領域の構成)
画像形成装置10は、図2に示すように、画像形成装置10の機能を追加する追加部材14が装着可能な装着領域13を備えている。この装着領域13は、ユーザにより自由に追加部材14を追加できるように設けられた領域である。
【0033】
画像形成装置10の装置本体12には、図3に示すように、装着領域13を覆うカバー18が着脱可能に設けられている。このカバー18を装置本体12から取り外すことで、装着領域13が露出して、装着領域13への追加部材14の装着が可能となる。
【0034】
追加部材14としては、例えば、画像形成装置10にネットワーク機能を追加するためのネットカード40、画像形成装置10にFAX機能を追加するためのFAXユニット50がある。なお、追加部材としては、これらに限られず、他の機能を追加するものであってもよい。
【0035】
装置本体12は、図4に示すように、構造体としての本体フレーム20と、外装部材としての外装カバー22と、を有している。本体フレーム20は、図5に示すように、画像形成部114(図1参照)の後方側(−Z方向側)に配置された後方フレーム20Bと、後方フレーム20BのX方向端部から後方(−Z方向)へ張り出す張出フレーム20Cと、を有している。張出フレーム20Cは、平面視にてL字状に形成されている。
【0036】
後方フレーム20Bの外面20A側には、前述の制御基板24が設けられている。なお、外面とは、装置本体12の外部側(−Z方向)を向く面であって、画像形成部114が配置された内部側を向く面とは反対側の面である。
【0037】
制御基板24は、前述のように、画像形成動作を含めた画像形成装置10全体の動作を制御するようになっている。制御基板24の外面24Aには、電子部品25(図4参照)及び、第1接続端子の一例としての制御基板用コネクタ26が設けられている。
【0038】
制御基板24の外面24A側には、制御基板24の外面24Aを覆うように装置本体12に設けられ且つ制御基板24を電気的に遮蔽する遮蔽部材の一例としてのシールドプレート70が配置されている。シールドプレート70は、張出フレーム20C等に固定されて、基準電位点となる本体フレーム20に電気的に接続されており、制御基板24への電気的なノイズの影響を低減するようになっている。
【0039】
シールドプレート70の外面70Aには、ネットカード40が装着可能とされる装着部の一例としてのカード装着部34、及びFAXユニット50が装着可能とされるユニット装着部35(図6及び図7参照)が設けられている。すなわち、カード装着部34及びユニット装着部35は、装置本体12における制御基板24の外面24A側(−Z方向側)に、1箇所に集約されて設けられている。
【0040】
シールドプレート70は、図6における左上部分に矩形状の切欠部71Aを有する第1プレート71と、Z方向視にて切欠部71A部分に設けられ第1プレート71よりも制御基板24側に配置された矩形状の第2プレート72と、第2プレート72の側方(−X方向)で第2プレート72と第1プレート71とをつなぐ第3プレート73と、第2プレート72の下方で第2プレート72と第1プレート71とをつなぐ第4プレート74と、を有している。なお、シールドプレート70は、一体的に形成された構成であってもよいし、複数のプレートを組み付けて構成されていてもよい。
【0041】
第3プレート73は、本体フレーム20を構成する張出フレーム20Cと対向配置されている(図5参照)。第4プレート74に対して、その上方で、外装カバー22の一部が対向している(図4参照)。この外装カバー22の一部、張出フレーム20C、第3プレート73、第4プレート74及び第2プレート72によって囲まれて、−Z方向側が開放された直方体状の空間が、カード装着部34におけるネットカード40が装着される装着空間となっている。この装着空間に対して、−Z方向の開放部分を通じ、ネットカード40がZ方向(装着方向)へ装着され、−Z方向(取外方向)へ取り外し可能とされる。このように、カード装着部34は、シールドプレート70の一部として構成されている。
【0042】
なお、張出フレーム20C及び、その張出フレーム20Cの外側(X方向側)を覆う外装カバー22には、後述の外部コネクタ48が差し込まれる開口部21が形成されている。また、第3プレート73には、後述の板バネ36の一部が突出する開口部73Bが2つ上下に並んで形成されている。さらに、第2プレート72には、制御基板24の制御基板用コネクタ26を後方側(−Z方向側)へ露出させる開口部72Bが形成されている。
【0043】
ユニット装着部35は、図7に示すように、第1プレート71の外面71B側に設けられている。第1プレート71の外面71Bには、FAXユニット50を取り付けるための取付部材としてのつまみネジ58C・58Dがねじ込まれるネジ孔71C・71Dが形成されている。また、FAXユニット50の被引掛部としての開口部51に引っ掛けるための引掛部材としてのフック71Eが設けられている。
【0044】
ユニット装着部35は、このように、カード装着部34に対して−Z方向側に設けられており、カード装着部34よりも、制御基板24に対して−Z方向側に離間した位置に設けられている。従って、制御基板24におけるユニット装着部35が設けられた領域において、−Z方向側に空間が確保され、カード装着部34が設けられた領域に比べて、制御基板24に実装する実装部品の高さ(Z方向長さ)制限がゆるくなっている。
【0045】
また、カード装着部34及びユニット装着部35は、Z方向視において重なって配置されるのではなく、カード装着部34は、ユニット装着部35に対して斜め上方にずれて配置されており、カード装着部34及びユニット装着部35のそれぞれに独立してアクセス可能とされている。また、カード装着部34は、装着領域13における、ユーザにわかりやすい上方の角部に設けられている。
【0046】
FAXユニット50は、基板52(図4参照)と、基板52が収容されるケース54と、を有している。ケース54には、第1被取付部としての第1板部54A及び第2被取付部としての第2板部54Bが設けられている。第1板部54Aは、ケース54からその上方へ張り出し、第2板部54Bは、ケース54からその側方(−X方向)へ張り出している。第1板部54Aには、フック71Eに引っ掛けられる被引掛部としての開口部51及び、つまみネジ58Cが差し通される通孔54Cが形成されている。第2板部54Bには、つまみネジ58Dが差し通される通孔54Dが形成されている。
【0047】
以上の構成により、FAXユニット50では、第1板部54Aの開口部51を第1プレート71のフック71Eに引っ掛けて、つまみネジ58Cを第1板部54Aの通孔54Cに差し通してから、第1プレート71のネジ孔71Cにねじ込むと共に、つまみネジ58Dを第2板部54Bの通孔54Dに差し通してから、第1プレート71のネジ孔71Dにねじ込むことで、ユニット装着部35に装着されるようになっている。
【0048】
ケース54は、FAXユニット50のユニット装着部35への装着によって、シールドプレート70を介して、基準電位点となる本体フレーム20に電気的に接続されるようになっている。これにより、ケース54が、基板52を電気的に遮蔽し、基板52への電気的なノイズの影響を低減するようになっている。また、ケース54は、基板52の全周(上下方向・−Z方向・Z方向・−X方向・X方向)を覆っており、外部から加わる外力に対して基板52を保護するようになっている。
【0049】
基板52には、制御基板24と電気的に接続するためのFAXユニット用コネクタ55が設けられている。FAXユニット用コネクタ55は、ケーブル57を介して、制御基板24のコネクタ23と接続されるようになっている。
【0050】
ネットカード40は、図8及び図5に示すように、電子部品が設けられた基板42を有している。ネットカード40は、基板42の一方の面(Z方向側の面、以下、内面42Aという)が制御基板24に対向するようにカード装着部34に対して制御基板24の板厚方向(Z方向)へ装着されるようになっている。
【0051】
基板42の内面42Aには、ネットカード40のカード装着部34への装着動作に伴って制御基板用コネクタ26に接続される第2接続端子の一例としてのネットカード用コネクタ44が設けられている。ネットカード用コネクタ44は、基板42の面内方向一端側(−X方向側)に配置されている。ネットカード用コネクタ44では、ケーブル57を介して接続されるFAXユニット50の場合と異なり、基板42と制御基板24とが、ケーブルを介さず、直接、基板同士で接続されるようになっている。なお、基板42の面内方向とは、基板42の面に沿った方向であって、基板42の板厚方向に直交する方向である。
【0052】
基板42の他方の面(−Z方向側の面、以下、外面42Bという)には、後述の板バネ36を介して、基準電位点となる本体フレーム20へ導通される被導通部材の一例としての保護プレート46が設けられている。保護プレート46は、ネットカード40のカード装着部34への装着動作に伴って後述の板バネ36に接触し、当該板バネ36を介して、基準電位点となる本体フレーム20に電気的に接続されるようになっている。これにより、保護プレート46によって、基板42が電気的に遮蔽され、基板42への電気的なノイズの影響が低減されるようになっている。また、保護プレート46は、基板42の外面42Bの全面を覆う大きさとされ、外部から加わる外力に対して基板42を保護するようになっている。
【0053】
保護プレート46の外面46B(−Z方向側の面)には、ネットカード40をカード装着部34に装着する際に把持するための把持部49が設けられている。把持部49は、基板42の面内方向一端側(−X方向側)に配置されており、ネットカード用コネクタ44の裏側(反対側の位置)に位置している。
【0054】
ネットカード40の基板42には、ネットカード40のカード装着部34への装着状態で外部へ露出して外部装置が接続可能な外部接続端子の一例としての外部コネクタ48が設けられている。
【0055】
外部コネクタ48は、具体的には、基板42の面内方向他端側(X方向側)へ突出するように基板42に設けられ、張出フレーム20C及び外装カバー22の開口部21に差し込まれてからネットカード40がカード装着部34へ装着されることで、ネットカード40のカード装着部34への装着状態で外部へ露出するようになっている。
【0056】
外部コネクタ48のZ方向側の面には、Z方向に凸状に湾曲された板バネ48Aが設けられ(図5参照)、外部コネクタ48の上面には、上方に凸状に湾曲された板バネ48Bが設けられている(図8参照)。板バネ48A及び板バネ48Bは、ネットカード40のカード装着部34への装着動作に伴って、張出フレーム20Cの開口部21の縁に接触し、基準電位点となる本体フレーム20に電気的に接続されるようになっている。
【0057】
なお、本実施形態では、ネットカード40を斜めに傾けて張出フレーム20C及び外装カバー22の開口部21に外部コネクタ48を先に差し込んでから、カード装着部34にネットカード40が装着されるようになっている。すなわち、外部コネクタ48を開口部21に差し込まずに第2プレート72に対して平行に装着される場合、及び、ネットカード40を逆方向(図9に示す方向に対して逆方向)に傾けて装着される場合には、カード装着部34の空間に挿入できないように、当該空間のX方向幅が設定されている。
【0058】
また、当該空間のX方向幅が、−Z方向側(挿入方向上流側)において広く、Z方向側(挿入方向下流側)において狭くされていてもよく、カード装着部34が平面視にて台形状とされていてもよい。
【0059】
ネットカード40が装着されるカード装着部34には、図9及び図8に示すように、基準電位点と導通した導通部材の一例としての板バネ36が設けられている。板バネ36は、具体的には、カード装着部34における−X方向側であって、張出フレーム20C及び外装カバー22の開口部21に対して対向する位置に、上下に2つ並んで設けられている。また、板バネ36は、第3プレート73の−X方向側の面に固定されており、シールドプレート70を介して、基準電位点となる本体フレーム20に電気的に接続されている。
【0060】
板バネ36は、折り曲げられることで第1傾斜面36A、平面36B及び第2傾斜面36Cが形成されている。第1傾斜面36Aは、−X方向側部分に対してX方向側部分が、Z方向側に位置するように傾斜しており、第2傾斜面36Bは、X方向側部分に対して−X方向側部分が、Z方向側に位置するように傾斜している。
【0061】
第1傾斜面36A、平面36B及び第2傾斜面36Cが、ネットカード40の基板42及び保護プレート46に接触する接触部分となる。この接触部分は、第3プレート73に形成された開口部73Bから第3プレート73のX方向側へ突出する突出部分37である。
【0062】
板バネ36は、ネットカード40のカード装着部34への装着動作に伴って弾性変形して、その弾性力によって基板42をカード装着部34側へ引き込む弾性部材として機能するようになっている。
【0063】
具体的には、図9に示すように、外部コネクタ48を張出フレーム20C及び外装カバー22の開口部21に差し込んでからネットカード40をカード装着部34に装着する装着動作が開始されると、図10に示すように、基板42の内面42A(又は角部42C)が板バネ36の第1傾斜面36Aに接触を開始し、ネットカード40がZ方向に進むにつれて板バネ36の突出部分37が−X方向へ押し込まれて、板バネ36が弾性変形するようになっている。
【0064】
さらに、ネットカード40がZ方向に進むと共に、板バネ36の突出部分37が−X方向へ押し込まれると、図11に示すように、ネットカード40の基板42の端面42D及び保護プレート46の端面46Dが平面36Bに接触しながらZ方向に移動するようになっている。さらに、ネットカード40がZ方向に進んで、保護プレート46の端面46Dが平面36Bを越えると、図12に示すように、保護プレート46の外面46B(又は角部46C)に、板バネ36の第2傾斜面36Cが接触し、板バネ36の弾性力によって基板42をカード装着部34(Z方向)側へ引き込むようになっている。
【0065】
ネットカード40がカード装着部34に装着された状態では、板バネ36の弾性力により、板バネ36が保護プレート46に接触した状態が維持されると共に保護プレート46が板バネ36によってシールドプレート70(Z方向)側へ付勢されて、ネットカード40の−Z方向側への移動が規制されるようになっている。
【0066】
すなわち、板バネ36は、カード装着部34に装着されたネットカード40の基板42の面内方向一端側(−X方向側)に接触して、カード装着部34から外れる方向(−Z方向)への当該面内方向一端側の移動を規制する規制部として機能するようになっている。
【0067】
また、ネットカード40のカード装着部34への装着状態において、ネットカード40は、シールドプレート70の第4プレート74上に位置して、カード装着部34に対するネジ止めなどの固定をすることなく、外部コネクタ48が張出フレーム20Cの開口部21に縁に当ることによってX方向側部分が位置決めされ、板バネ36によって−Z方向側への移動が規制されることで、−X方向側部分が位置決めされるようになっている。なお、外部コネクタ48は、張出フレーム20Cの開口部21及び外装カバー22の開口部21の両方の縁に当る構成であってもよい。
【0068】
(本実施形態に係る作用)
次に、本実施形態に係る作用を説明する。
【0069】
ここでは、本実施形態に係る画像形成装置10において、FAXユニット50及びネットカード40のそれぞれを、カード装着部34及びユニット装着部35のそれぞれに、装着する場合について説明する。
【0070】
FAXユニット50及びネットカード40を装着する場合には、まず、カバー18を装置本体12から取り外して、図7に示すように、カード装着部34及びユニット装着部35を露出させる。
【0071】
FAXユニット50をユニット装着部35に装着する際には、まず、FAXユニット50の第1板部54Aの開口部51を、第1プレート71のフック71Eに引っ掛ける。
【0072】
次に、つまみネジ58Cを第1板部54Aの通孔54Cに差し通してから、第1プレート71のネジ孔71Cにねじ込むと共に、つまみネジ58Dを第2板部54Bの通孔54Dに差し通してから、第1プレート71のネジ孔71Dにねじ込む。これにより、FAXユニット50がユニット装着部35に装着される。そして、FAXユニット50は、基板52のFAXユニット用コネクタ55が、ケーブル57を介して、制御基板24のコネクタ23と電気的に接続される。
【0073】
ネットカード40をカード装着部34に装着する際には、まず、操作者(ユーザ)がネットカード40の把持部49を把持し、図9に示すように、ネットカード40を斜めにして外部コネクタ48を張出フレーム20C及び外装カバー22の開口部21に差し込む。
【0074】
次に、基板42の内面42Aが制御基板24に対向するように、把持部49を制御基板24の板厚方向(Z方向)へ押して、ネットカード40をカード装着部34に対して制御基板24の板厚方向(Z方向)へ装着する。
【0075】
ネットカード40のカード装着部34へ装着が開始されると、図10に示すように、基板42の内面42A(又は角部42C)が板バネ36の第1傾斜面36Aに接触を開始し、ネットカード40がZ方向に進むにつれて板バネ36の突出部分37が−X方向へ押し込まれて、板バネ36が弾性変形する。
【0076】
さらに、ネットカード40がZ方向に進むと共に、板バネ36の突出部分37が−X方向へ押し込まれると、図11に示すように、ネットカード40の基板42の端面42D及び保護プレート46の端面46Dが平面36Bに接触しながらZ方向に移動する。
【0077】
さらに、ネットカード40がZ方向に進んで、保護プレート46の端面46Dが平面36Bを越えると、図12に示すように、保護プレート46の外面46B(又は角部46C)に、板バネ36の第2傾斜面36Cが接触し、板バネ36の弾性力によって基板42がカード装着部34(Z方向)側へ引き込まれる。
【0078】
ネットカード40がカード装着部34に装着された状態では、板バネ36の弾性力により、板バネ36が保護プレート46に接触した状態が維持されると共に保護プレート46が板バネ36によってシールドプレート70(Z方向)側へ付勢されて、ネットカード40の−Z方向側への移動が規制される。これにより、ネットカード40の−X方向側が、板バネ36によって位置決めされる。
【0079】
また、ネットカード40がカード装着部34に装着された状態では、外部コネクタ48が、張出フレーム20C及び外装カバー22の開口部21に差し込まれた状態が維持され、外部コネクタ48の板バネ48A及び板バネ48Bが、張出フレーム20Cの開口部21の縁に接触し、本体フレーム20に電気的に接続されると共に、外部コネクタ48の開口部21に対する移動が規制される。このように、ネットカード40のX方向側が、外部コネクタ48によって位置決めされる。
【0080】
ネットカード40のカード装着部34への装着動作に伴って、基板42のネットカード用コネクタ44が、制御基板24の制御基板用コネクタ26に挿入されて接続され、かつ、保護プレート46が板バネ36に接触し、板バネ36を介して基準電位点となる本体フレーム20に電気的に接続される。また、基板42のカード装着部34への装着状態において、外部コネクタ48が外部へ露出して外部装置が接続可能となる。
【0081】
このように、基板42のカード装着部34への装着動作によって、基板42の制御基板24への電気的な接続と、基板42への電気的なノイズの影響を低減する保護プレート46の本体フレーム20への電気的な接続(導通)と、がなされる。従って、これらの接続動作を、装着動作とは別に行う必要がない。
【0082】
また、本実施形態では、把持部49が、ネットカード40におけるカード装着部34への装着方向上流側(手前側)に設けられているので、ネットカード40をカード装着部34へ押しこみやすく、基板42をカード装着部34へ装着する操作性が向上する。また、把持部49は、基板42の面内方向一端側(−X方向側)に配置されているので、ネットカード40を斜めにして、基板42の面内方向他端側(X方向側)にある外部コネクタ48を張出フレーム20C及び外装カバー22の開口部21に差し込む際の操作性が向上する。
【0083】
また、本実施形態では、把持部49がネットカード用コネクタ44の裏側に配置されているので、ネットカード用コネクタ44を制御基板用コネクタ26に接続する際の操作力が低減される。
【0084】
また、本実施形態では、ネットカード40がカード装着部34に装着された状態では、ネットカード40の面内方向一端側(−X方向側)における−Z方向側への移動が、板バネ36によって規制されると共に、基板42の面内方向他端側(X方向側)にある外部コネクタ48が、張出フレーム20C及び外装カバー22の開口部21の縁に当たるので、カード装着部34に装着されたネットカード40がカード装着部34から外れにくい。
【0085】
また、本実施形態では、カード装着部34は、ユニット装着部35に対して斜め上方にずれて配置されているので、ネットカード40及びFAXユニット50のそれぞれがカード装着部34及びユニット装着部35のそれぞれに対して独立して装着され、ネットカード40及びFAXユニット50の一方を取り付けてから他方を取り付けるという取り付け順序の制約が無い。
【0086】
また、本実施形態では、保護プレート46が、外力に対して基板42を保護する保護機能と、基板42への電気的なノイズの影響を低減する低減機能と、を有するので、少ない部品点数で、外力に対する保護と、基板への電気的なノイズの影響の低減とが実現される。
【0087】
また、本実施形態では、シールドプレート70によって、カード装着部34が構成されると共に、制御基板24への電気的なノイズの影響が低減されるので、少ない部品点数で、カード装着部34の形成と、制御基板24への電気的なノイズの影響の低減と、が実現される。
【0088】
また、本実施形態では、板バネ36が、基準電位点となる本体フレーム20に保護プレート46を電気的に接続する接続機能と、ネットカード40の面内方向一端側の移動を規制する規制機能と、有するので、少ない部品点数で、ネットカード40の面内方向一端側の移動規制と、保護プレート46の基準電位点への電気的に接続とが、実現される。
【0089】
本実施形態では、カード装着部34に装着されるネットカード40の例を示したが、基板を有する追加部材であれば、他の追加部材であってもよい。
【0090】
本発明は、上記の実施形態に限るものではなく、種々の変形、変更、改良が可能である。例えば、上記に示した変形例は、適宜、複数を組み合わせて構成しても良い。
【符号の説明】
【0091】
10 画像形成装置
12 装置本体
24 制御基板
26 制御基板用コネクタ(第1接続端子の一例)
34 カード装着部(装着部の一例)
36 板バネ(導通部材の一例、規制部の一例)
42 基板
44 ネットカード用コネクタ(第2接続端子の一例)
46 保護プレート(被導通部材の一例)
48 外部コネクタ(外部接続端子の一例)
49 把持部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
装置本体に設けられ、画像形成動作を制御する制御基板と、
前記制御基板の外面に設けられた第1接続端子と、
前記装置本体における前記制御基板の外面側に設けられた装着部と、
一方の面が前記制御基板の外面に対向するように、前記装着部に対して前記制御基板の板厚方向へ装着可能な基板と、
前記基板の前記一方の面に設けられ、前記基板の前記装着部への装着動作に伴って前記第1接続端子に接続される第2接続端子と、
前記基板の他方の面に設けられ、前記基板の面内方向一端側に配置された把持部と、
前記基板の面内方向他端側へ突出するように前記基板に設けられ、前記装置本体の開口部に差し込まれてから前記基板が前記装着部へ装着されることで外部へ露出し、外部装置が接続可能な外部接続端子と、
を備える画像形成装置。
【請求項2】
前記把持部は、前記第2接続端子の裏側に配置されている請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記装置本体の開口部に対向して前記装着部に設けられ、前記装着部に装着された前記基板の面内方向一端側に接触して、前記装着部から外れる方向への当該面内方向一端側の移動を規制する規制部を備える請求項1又は2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記規制部は、前記装着部に設けられ、基準電位点と導通した導通部材で構成され、
前記基板の他方の面には、前記基板の前記装着部への装着動作に伴って前記導通部材に接触し、当該導通部材を介して前記基準電位点へ導通される被導通部材が設けられている請求項1〜3のいずれか1項に記載の画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2013−29765(P2013−29765A)
【公開日】平成25年2月7日(2013.2.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−167237(P2011−167237)
【出願日】平成23年7月29日(2011.7.29)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】