説明

画像形成装置

【課題】 実質的な画像形成装置の占有面積を小さくする。
【解決手段】 画像形成部10の上方側に空間14Aを隔てて画像読取部30がもうけられている画像形成装置1において、画像読取部30に設けられたシートトレイ32から両面印刷用の再搬送経路41にシートを導く多目的搬送経路51を設ける。これにより、画像読取部30のシートトレイ32に載置されたシートを印刷部11に供給することができる。このため、画像形成部10に上記したマルチパーパストレイを用いることなく、画像形成部10内に収納されたシートと異なるシートを印刷部に供給することが可能となる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成部と画像読取部と一体化された画像形成装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
例えば、特許文献1に記載の画像形成装置では、画像形成部の上方側に空間を隔てて画像読取部が配設されているとともに、当該空間に画像形成が終了したシートが排出される構成となっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008−52037号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、特許文献1に記載の画像形成装置において、画像形成装置内に収納されている用紙と異なる用紙に印刷を行う場合には、マルチパーパストレイを用いて印刷部に用紙を供給する必要がある。
【0005】
すなわち、特許文献1に記載の画像形成装置に係るマルチパーパストレイは、画像形成部の前面側に揺動可能に組み付けられている。そして、マルチパーパストレイから用紙を印刷部に供給する際には、そのマルチパーパストレイを前面側に倒すように開いた後、その開かれたマルチパーパストレイ上に用紙を載置する必要がある。
【0006】
このため、マルチパーパストレイを用いて印刷部に用紙を供給する場合には、実質的な画像形成装置の占有面積が増大する。つまり、画像形成装置を設置するに当たっては、画像形成装置それ自体が占有する設置面積に加えて、マルチパーパストレイを開くことが可能な空間体積に対応する設置面積が必要となる。
【0007】
本発明は、上記点に鑑み、実質的な画像形成装置の占有面積を小さくすることが可能な画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、上記目的を達成するために、シートに画像を形成する印刷部(11)を有し、上部に画像形成が終了したシートが載置される第1排出トレイ(14)を有する画像形成部(10)と、画像形成部(10)内に設けられ、表面への画像形成が終了したシートの裏面に画像を形成する際に、表面への画像形成が終了したシートを再び印刷部(11)に搬送する再搬送機構(22、41)と、第1排出トレイ(14)の上方側に空間(14A)を隔てて設けられ、シートに記載された画像を読み取る撮像部(33)を有する画像読取部(30)と、画像読取部(30)に設けられ、シートが載置されるシートトレイ(32)と、画像読取部(30)に設けられ、シートトレイ(32)に載置されたシートを撮像部(33)側に搬送する原稿搬送機構(31)と、原稿搬送機構(31)にて搬送されてきたシートを再搬送機構(22、41)に搬送する多目的搬送機構(50)とを備えることを特徴とする。
【0009】
これにより、本発明では、画像読取部(30)のシートトレイ(32)に載置されたシートを印刷部(11)に供給することができる。このため、上記したマルチパーパストレイを用いることなく、画像形成部(10)内に収納されたシートと異なるシートをシートトレイ(32)から印刷部に供給することが可能となる。
【0010】
したがって、マルチパーパストレイを開くことが可能な空間体積に対応する設置面積を考慮する必要がないので、実質的な画像形成装置の占有面積を小さくすることが可能となる。
【0011】
また、本発明では、既存の再搬送機構(41)を利用するので、画像形成装置の大型化や製造原価の大きな上昇を抑制することもできる。
なお、本発明においては、マルチパーパストレイが設けられていない画像形成装置のみを意図するものではなく、マルチパーパストレイを有する画像形成装置も含むものである。
【0012】
つまり、マルチパーパストレイを有する画像形成装置であって、その設置面積が十分に広い場合には、多目的搬送機構(50)及びマルチパーパストレイのいずれを用いても印刷部(11)にシートを供給することができる。一方、設置面積が狭い場合には、マルチパーパストレイを用いることなく、多目的搬送機構(50)を用いて印刷部(11)にシートを供給することができる。
【0013】
因みに、上記各手段等の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段等との対応関係を示す一例であり、本発明は上記各手段等の括弧内の符号に示された具体的手段等に限定されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の実施形態に係る画像形成装置の斜視図である。
【図2】本発明の実施形態に係る画像形成装置の中央断面図である。
【図3】本発明の実施形態に係る画像形成装置の制御系ブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下に説明する「発明の実施形態」は実施形態の一例を示すものである。つまり、特許請求の範囲に記載された発明特定事項等は、下記の実施形態に示された具体的手段や構造等に限定されるものではない。
【0016】
そして、本実施形態は、カラーレーザプリンタに本発明に係る画像形成装置を適用したものである。以下、本発明の実施形態を図面と共に説明する。
1.画像形成装置の構造
画像形成装置1は、図1に示すように、画像形成部10の上方側に画像読取部30が一体化されたレーザプリンタである。
【0017】
<画像形成部等の構造>
画像形成部10は、図2に示すように、用紙等のシートに画像を形成する電子写真方式の印刷部11を有している。この印刷部11は、無端状の転写ベルト11Aに現像剤像を転写した後、転写ベルト11Aに転写された現像剤像をシートに転写する中間転写方式の画像形成手段である。
【0018】
すなわち、4つの現像ユニット11B〜11Eそれぞれは、ブラック、イエロー、マゼンタ及びシアン用の現像ユニットである。そして、これらの現像ユニット11B〜11Eは、転写ベルト11Aの回転方向に沿って直列に配設されている。また、各現像ユニット11B〜11Eには、現像剤像を担持する感光ドラム11Mが設けられている。
【0019】
また、第1転写ローラ11F〜11Jそれぞれは、転写ベルト11Aを挟んで各感光ドラム11Mと対向する位置に配設されている。そして、各第1転写ローラ11F〜11Jは、各感光ドラム11Mに担持されている現像剤像を転写ベルト11Aに転写させる。このため、各色の現像剤像は、転写ベルト11A上で重ね合わせられる。
【0020】
そして、転写ベルト11A上で重ね合わせられた現像剤像は、第2転写ローラ11Kによりシートに転写された後、シートの搬送方向において第2転写ローラ11Kより下流に設けられた定着器11Lにより加熱されてシートに固着する。
【0021】
また、印刷部11より下方側には、第2転写ローラ11Kに供給されるシートが少なくとも1枚載置される給紙トレイ12が配設されている。このため、本実施形態では、第2転写ローラ11Kを通過するシートは、下方側から上方側に向けてほぼ鉛直方向に搬送される。なお、給紙トレイ12に載置されているシートは、給紙部13によって1枚ずつ第2転写ローラ11Kに向けて送り出される。
【0022】
一方、複数の現像ユニット11B〜11Eは、鉛直方向と交差する方向に沿って直列に配設されている。具体的には、各現像ユニット11B〜11Eは、第2転写ローラ11Kの軸方向と直交する水平方向において第2転写ローラ11Kから離れるほど、当該水平方向に対して上方側に位置するように斜め方向に並んで配置されている。
【0023】
また、画像形成部10のうち印刷部11より上方側には、画像形成が終了したシートが載置される第1排出トレイ14が設けられている。そして、第1排出トレイ14の上方側であって、空間14Aを隔てて第1排出トレイ14と対向する位置には、画像読取部30が設けられている。
【0024】
すなわち、画像読取部30は、第1排出トレイ14と画像読取部30との間に空間14Aが形成されるように支持部20により支持されている。そして、支持部20は、画像形成部10の上部のうち、第1排出トレイ14から水平方向にずれた位置であって、第2転写ローラ11Kの上方側の位置にて画像形成部10と画像読取部30とを連結している。
【0025】
また、支持部20のうち第1排出トレイ14側に面した側面部には、画像形成が終了したシートを第1排出トレイ14に向けて排出する排出部21が設けられている。そして、排出部21には、シートの搬送方向を制御する排紙ローラ22が設けられている。
【0026】
排紙ローラ22は、その回転方向が切り替えられることにより、定着器11Lから搬送されてきたシートを第1排出トレイ14に排出する場合と、定着器11Lから搬送されてきたシートの搬送方向を逆転させてシートを再搬送経路41側に送り出す場合とに切り替える。
【0027】
再搬送経路41は、定着器11Lと排出部21とを繋ぐシートの搬送経路から分岐して搬送経路42に連通するシートの搬送路である。一方、搬送経路42は、給紙トレイ12から第2転写ローラ11Kを経由して定着器11Lに至るシートの搬送経路である。このため、再搬送経路41を搬送されるシートは、搬送経路42を経由して再び印刷部11、つまり第2転写ローラ11Kに搬送される。
【0028】
なお、本実施形態では、シートの搬送を案内することにより再搬送経路41を構成する案内部材、及びシートに搬送力を付与する排紙ローラ22や搬送ローラ22A、22B等により、表面への画像形成が終了したシートを再び印刷部11に搬送する再搬送機構が構成されている。
【0029】
因みに、図2においては、前記案内部材は省略されている。同様に、シートの搬送を案内することにより搬送経路42を構成する案内部材、及びシートに搬送力を付与する搬送ローラ等も省略されている。
【0030】
また、再搬送経路41及び搬送経路42は、共にほぼ鉛直方向に延びている。そして、搬送経路42のうち第2転写ローラ11Kより搬送方向上流には、第2転写ローラ11Kに突入するシートの姿勢を矯正するとともに、その突入タイミングを調整する一対のレジストローラ43が設けられている。
【0031】
そして、再搬送経路41は、支持部20から一対のレジストローラ43より下方側まで延びるとともに、下端側で上方側に略180°屈曲して一対レジストローラ43の入口側に連通している。つまり、再搬送経路41を搬送されてきたシートは、一対レジストローラ43の入口側で搬送経路42に進入する。
【0032】
<画像読取部等の構造>
画像読取部30は、自動読取機能及び静止原稿読取機能を兼ね備えている。自動読取機能は、画像読取部30に設けられたシートトレイ32に載置されているシートを撮像部33に自動的に搬送し、当該シートに記載されている画像を読み取る機能である。静止原稿読取機能は、静止状態で載置されているシートに記載された画像を読み取る機能である。
【0033】
また、撮像部33は、Contact Image Sensor又はCharge-Coupled Device等の撮像素子33A等から構成されている。そして、自動読取機能にて原稿を読み取る際には、撮像素子33Aは、実線で示す位置に静止した状態で搬送されるシートの画像を読み取る。
【0034】
一方、静止原稿読取機能にて原稿を読み取る際には、撮像素子33Aは、二点鎖線で示すように水平方向に移動しながら静止しているシートの画像を読み取る。なお、実線で示す撮像素子33Aの位置を自動読取位置という。
【0035】
また、原稿搬送機構31は、シートトレイ32に載置されているシートを、自動読取位置の直上に設定された読取窓33Bに搬送する。そして、原稿搬送機構31は、シートトレイ32に載置されている1枚又は複数枚のシートを1枚ずつ読取窓33Bに搬送する送出部を有している。
【0036】
また、送出部は、吸引ローラ31A、分離ローラ31B、及び分離パッド31C等を有して構成されている。吸引ローラ31Aは、シートトレイ32に載置されている1枚又は複数枚のシートを読取窓33B側に送り込む吸引部である。
【0037】
分離ローラ31Bは、吸引ローラ31Aから送り込まれた1枚又は複数枚のシートのうち、吸引ローラ31Aと同一側からシートに接触してシートに搬送力を付与する。分離パッド31Cは、分離ローラ31Bに対して対向する位置に配設されて分離ローラ31Bと反対側からシートに接触して搬送抵抗を付与する。つまり、分離パッド31C及び分離ローラ31Bにより分離部が構成されている。
【0038】
また、第1搬送ローラ31Dは分離部から排出されたシートを下方側に転向させて読取窓33Bに搬送する。そして、第1搬送ローラ31Dより搬送方向下流側に配設された一対の第2搬送ローラ31Fは、読取窓33Bを通過したシートを、シートトレイ32の下方側に設けられた第2排出トレイ34に向けて排出させる。
【0039】
このため、第2排出トレイ34には、画像読取が終了したシートが、順次、積層状態で載置されていく。このように、本実施形態では、吸引部及び分離部からなる送出部、並びに第1搬送ローラ31D等により原稿搬送機構31が構成されている。
【0040】
なお、第1搬送ローラ31D及び読取窓33Bは、画像読取部30のうち支持部20の直上側に配設されている。一方、シートトレイ32及び第2排出トレイ34は、第1排出トレイ14の直上側に配設されている。
【0041】
ところで、画像読取部30のうち支持部20の直上側及び支持部20には原稿搬送機構31にて搬送されてきたシートを前記再搬送機構、つまり再搬送経路41に搬送する多目的搬送機構50が設けられている。
【0042】
多目的搬送機構50は、シートトレイ32から送出されたシートを多目的搬送経路51に導く切替フラッパ52、及び多目的搬送経路51を構成する案内部材等から構成されている。なお、図2においては、前記案内部材は図示されていない。
【0043】
また、多目的搬送経路51は、第1搬送ローラ31Dにて搬送方向が下方側に転向させられたシートを再搬送経路41に導くシートの搬送路である。そして、多目的搬送経路51は、支持部20内にて再搬送経路41に連通している。
【0044】
このため、原稿搬送機構31により搬送されるシートの幅方向は、再搬送経路41により搬送されるシートの幅方向と平行となるように設定されている。ここで、幅方向とは、シートの搬送方向、及び当該搬送されるシートの厚み方向と直交する方向いう。因みに、本実施形態では、幅方向は、画像形成装置1の前後方向と一致する。
【0045】
また、切替フラッパ52は、第1搬送ローラ31Dから読取窓33Bに至る搬送路と多目的搬送経路51との分岐部に配設されている。そして、実線で示す状態と二点鎖線で示す状態との間で揺動変位することにより、シートを読取窓33B側に導く場合と多目的搬送経路51側に導く場合とを切り替える。
【0046】
因みに、切替フラッパ52が実線で示す状態である場合には多目的搬送経路51側にシートが導かれ、切替フラッパ52が二点鎖線で示す状態である場合には読取窓33Bにシートが導かれる。
【0047】
2.画像形成装置の制御系(図3参照)
原稿搬送機構31用の電動モータM1、切替フラッパ52を作動させる電磁ソレノイド等のアクチュエータM2、及び画像形成部10用の電動モータM3は、図3に示すように、制御部60により制御されている。
【0048】
なお、制御部60は、CPU、RAM及びROM等からなるマイクロコンピュータにて構成されている。そして、制御部60、つまりCPUは、ROM等の不揮発性記憶部に予め記憶されているプログラムに従って電動モータM1、M3及びアクチュエータM2の作動を制御する。
【0049】
また、制御部60には、操作パネル61からの信号が入力されている。操作パネル61は、ユーザにより操作される操作部である。そして、制御部60は、操作パネル61からの信号に基づいて切替フラッパ52の位置を切り替える。
【0050】
具体的には、ユーザにより操作パネル61が操作されて自動読取機能が選択された場合には、制御部60は、切替フラッパ52を二点鎖線で示す状態とするための指令信号をアクチュエータM2に送信する。
【0051】
一方、ユーザにより操作パネル61が操作されてシートトレイ32から印刷用のシートを供給する機能が選択された場合には、制御部60は、切替フラッパ52を実線で示す状態とするための指令信号をアクチュエータM2に送信する。
【0052】
因みに、本実施形態に係る画像形成装置1では、上記した切替フラッパ52の切替操作は、操作パネル61を直接操作することなく、画像形成装置1に接続されたコンピュータからも遠隔操作できる。
【0053】
3.本実施形態に係る画像形成装置の特徴
本実施形態では、画像読取部30に設けられたシートトレイ32から両面印刷用の再搬送経路41にシートを導く多目的搬送経路51が設けられているので、画像読取部30のシートトレイ32に載置されたシートを印刷部11に供給することができる。
【0054】
このため、上記したマルチパーパストレイを用いることなく、画像形成部10内に収納されたシートと異なるシートを印刷部に供給することが可能となる。
したがって、マルチパーパストレイを開くことが可能な空間体積に対応する設置面積を考慮する必要がないので、実質的な画像形成装置1の占有面積を小さくすることが可能となる。
【0055】
また、本実施形態では、既存の再搬送経路41を利用するので、画像形成装置1の大型化や製造原価の大きな上昇を抑制することもできる。
ところで、本実施形態では、シートトレイ32に載置されたシートは、第1搬送ローラ31D→多目的搬送経路51→再搬送経路41の順に印刷部11に至る。このため仮に、原稿搬送機構31により搬送されるシートの幅方向と、再搬送経路41により搬送されるシートの幅方向とが異なると、多目的搬送経路51にてシートの幅方向を転向させる必要がある。
【0056】
したがって、原稿搬送機構31により搬送されるシートの幅方向と、再搬送経路41により搬送されるシートの幅方向とが異なると、多目的搬送経路51の構成が複雑となるので、画像形成装置の大型化及び製造原価の大きな上昇を招いてしまうおそれがある。
【0057】
これに対して、本実施形態では、原稿搬送機構31により搬送されるシートの幅方向は、再搬送経路41により搬送されるシートの幅方向と平行であることを特徴としている。
したがって、本実施形態では、多目的搬送経路51の構成が複雑となることを抑制できるので、画像形成装置の大型化及び製造原価の大きな上昇を抑制できる。
【0058】
また、本実施形態では、多目的搬送経路51は、支持部20内にて再搬送経路41に連通していることを特徴とする。
これにより、本実施形態では、支持部20の構造が複雑なることを抑制できるので、画像形成装置1の大型化及び製造原価の大きな上昇を抑制できる。
【0059】
また、本実施形態では、空間14Aより上方側であって、シートトレイ32より下方側に、画像の読み取りが終了したシートが載置される第2排出トレイ34が設けられていることを特徴とする。
【0060】
これにより、本実施形態では、例えば、シートトレイ32が第2排出トレイ34より下方側に設定されている画像読取部30に比べて、シートトレイ32から多目的搬送経路51に至る搬送経路の曲率半径を大きくすることが可能となる。したがって、シートの搬送不良が生じることを未然に抑制することができる。
【0061】
また、本実施形態では、複数の現像ユニット11B〜11Eが鉛直方向と交差する方向に沿って直列に配設されているので、複数の現像ユニット11B〜11Eを鉛直方向に沿って並べた場合に比べて上下方向寸法の大型化を抑制できる。
【0062】
また、各現像ユニット11B〜11Eは、第2転写ローラ11Kから水平方向に離れるほど、上方側にずれるように配置されているので、水平面に投影した場合の印刷部11の水平方向寸法(図2の左右方向寸法)を、給紙トレイ12の水平方向寸法(図2の左右方向寸法)と同等程度とすることができる。
【0063】
(その他の実施形態)
上述の実施形態では、マルチパーパストレイが設けられていなかったが、本発明はこれに限定されるものではなく、マルチパーパストレイを設けてもよい。
【0064】
また、上述の実施形態では、多目的搬送経路51と再搬送経路41とが支持部20内で連通していが、本発明はこれに限定されるものではない。
また、上述の実施形態に係る印刷部11は、中間転写方式であったが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、シート上で直接的に各色現像剤像を重ね合わせるダイレクトタンデム方式であってもよい。
【0065】
また、上述の実施形態では、支持部20に多目的搬送経路51を設けたが、本発明はこれに限定されるものではなく、多目的搬送経路51を構成する部材を別部材として、画像形成装置1に着脱自在な構成とすることにより、多目的搬送経路51をオプション機能としてもよい。
【0066】
また、本発明は、特許請求の範囲に記載された発明の趣旨に合致するものであればよく、上述の実施形態に限定されるものではない。
【符号の説明】
【0067】
1… 画像形成装置 10… 画像形成部 11… 印刷部
11A… 転写ベルト 11B〜11E… 現像ユニット
11F〜11J… 第1転写ローラ 11K… 第2転写ローラ 11L… 定着器
12… 給紙トレイ 13… 給紙部 14… 第1排出トレイ 14A… 空間
20… 支持部 21… 排出部 22… 排紙ローラ 30… 画像読取部
31… 原稿搬送機構 31A… 吸引ローラ 31B… 分離ローラ
31C… 分離パッド 31D… 第1搬送ローラ 31F… 第2搬送ローラ
32… シートトレイ 33… 撮像部 33A… 撮像素子 33B… 読取窓
34… 第2排出トレイ 41… 再搬送経路 42… 搬送経路
43… レジストローラ 50… 多目的搬送機構 51… 多目的搬送経路
52… 切替フラッパ 60… 制御部 61… 操作パネル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
シートに画像を形成する印刷部を有し、上部に画像形成が終了したシートが載置される第1排出トレイを有する画像形成部と、
前記画像形成部内に設けられ、表面への画像形成が終了したシートの裏面に画像を形成する際に、表面への画像形成が終了したシートを再び前記印刷部に搬送する再搬送機構と、
前記第1排出トレイの上方側に空間を隔てて設けられ、シートに記載された画像を読み取る撮像部を有する画像読取部と、
前記画像読取部に設けられ、シートが載置されるシートトレイと、
前記画像読取部に設けられ、前記シートトレイに載置されたシートを前記撮像部側に搬送する原稿搬送機構と、
前記原稿搬送機構にて搬送されてきたシートを前記再搬送機構に搬送する多目的搬送機構と
を備えることを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
シートの搬送方向、及び当該搬送されるシートの厚み方向と直交する方向を幅方向と呼ぶとき、
前記原稿搬送機構により搬送されるシートの幅方向は、前記再搬送機構により搬送されるシートの幅方向と平行であることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記画像形成部と前記画像読取部とを連結するとともに、前記画像読取部を支持する支持部を備え、
前記支持部には、前記再搬送機構により再搬送されるシートの再搬送経路の一部、及び前記多目的搬送機構により搬送されるシートの多目的搬送経路の少なくとも一部が設けられていることを特徴とする請求項1又は2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記多目的搬送経路は、前記支持部内にて前記再搬送経路に連通していることを特徴とする請求項3に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記空間より上方側であって、前記シートトレイより下方側には、画像の読み取りが終了したシートが載置される第2排出トレイが設けられていることを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記印刷部は、
無端状の転写ベルト、
前記転写ベルトの回転方向に沿って直列に配設された複数の現像ユニット、
前記複数の現像ユニットに担持された現像剤像を前記転写ベルトに転写させる複数の第1転写部材、及び
前記転写ベルトに転写された現像剤像をシートに転写させる第2転写部材を有して構成され、
前記複数の現像ユニットは、鉛直方向と交差する方向に沿って直列に配設されており、
さらに、前記第2転写部材を通過するシートは、下方側から上方側に向けて搬送されることを特徴とする請求項1ないし5のいずれか1項に記載の画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2013−54230(P2013−54230A)
【公開日】平成25年3月21日(2013.3.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−192893(P2011−192893)
【出願日】平成23年9月5日(2011.9.5)
【出願人】(000005267)ブラザー工業株式会社 (13,856)
【Fターム(参考)】