説明

画像形成装置

【課題】 レジ合わせ制御の実行に伴って増大するFCOTを短縮する。
【解決手段】 通常画像形成可能になる前、すなわち像担持体1の非露光部の表面電位Vに対応する帯電装置2に印加される帯電バイアス電圧及び現像装置4に印加される現像バイアス電圧の直流電圧Vdevがそれぞれ通常画像形成時の所定の電圧になる(領域RC)前の立ち上がり途中(領域RB)において、レジずれ補正を行うレジ合わせ制御を実行する画像形成装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、レジ合わせ制御を行うことができる画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
昨今、複写機、プリンター、FAX等の出力端末を複数備えている複合機の需要が市場において高まってきている。このような出力端末においては、電子写真方式の画像形成装置が広く用いられてきている。
【0003】
カラー画像形成装置において、画像形成部を色毎に、複数のステーションに分けている場合、各ステーションで作成される画像位置がプロセス進行方向(以下、副走査方向という。)又は、長手方向(以下、主走査方向という。)にずれることがある。これは、レジストレーションずれ(以下、レジずれという。)現象と呼ばれ、このレジずれ現象が発生すると画質の低下につながる。レジずれ現象の発生要因としては主に露光装置の温度変化による変形、及びそれに伴う像担持体表面における光照射位置の変動等が挙げられる。レジずれは構成部品の精度により、ある程度の範囲内に収まっているが、画像形成時の本体や露光装置の昇温に伴う変形などによっては、数十乃至数百μm程度のレジずれが発生してしまうことがある。
【0004】
このレジずれを補正するために、レジずれ検出用パターンを像担持体の表面に形成し、形成されたパターンを光学センサー(レジ検センサー)によって読み取り、レジ合わせを行う制御機構が、従来の製品において実装されている。例えば、特許文献1及び2は、レジ合わせ制御を実行するタイミングを画像形成装置本体の持つ温度センサーが検出する温度変化に応じて変化させる構成や、画像形成装置の電源投入後からの積算時間に応じて変化させる構成を開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平1−142676号公報
【特許文献2】特開平5−188697号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従来の画像形成装置では、通常画像形成時において通常画像形成が可能になった後にレジ合わせ制御を実行しているため、レジ合わせ制御の実行に伴ってFCOTが増大している。ここで、FCOTとは、First Copy Output Timeの略であり、画像形成行程を開始してから最初に画像形成された転写材が出力されるまでの時間を意味する。レジ合わせ制御の実行に伴って増大するFCOTを短縮することも画像形成の高速化のためには重要である。
そこで、本発明は、FCOTを従来に比べて短縮することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明による画像形成装置は、像担持体と、前記像担持体の表面を帯電する帯電装置と、前記帯電装置へ電圧を印加する電源と、前記像担持体の表面に光ビームを照射して静電潜像を形成する露光装置と、前記静電潜像をトナー像に現像する現像装置と、前記露光装置により前記像担持体の前記表面に形成されたレジずれ検出用静電潜像を前記現像装置により現像して得られたレジずれ検出用トナー像を読取る読取装置と、を有し、前記帯電装置へ前記電圧を印加するために前記電源が起動されたときから、前記像担持体の前記表面の電位が通常画像形成時の電位になるまえに、前記露光装置により前記像担持体の前記表面に前記レジずれ検出用静電潜像を形成する。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、通常画像形成可能になる前に、レジずれ補正を行うためのレジずれ検出用静電潜像を像担持体の表面に形成することができる。従って、従来の画像形成装置において、通常画像形成可能になった後にレジ合わせ制御を実行していた場合に比べて、レジ合わせ制御に必要となる時間を短縮することができ、それによりFCOTを短縮することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】画像形成装置における感光体ドラムの非露光部の表面電位Vおよび現像バイアス電圧の直流電圧Vdevの帯電高圧電源の出力信号をオンにしてからの経過時間依存性を示した図。
【図2】第1実施形態に係る画像形成装置100内の各構成要素を概略的に示した図。
【図3】第1実施形態に係る画像形成装置100の制御構成を示したブロック図。
【図4】第1実施形態に係る画像形成装置100の画像形成部Pに設けられているプロセスカートリッジ8およびその近傍の構成要素を概略的に示した図。
【図5】第1実施形態に係る画像形成装置100に設けられている感光体ドラム1の非露光部の表面電位Vそれぞれにおける感光体ドラム1の露光部の表面電位Vとレーザー露光量との関係を示した図。
【図6】第1実施形態における現像バイアス電圧の波形を示した図。
【図7】第1実施形態における帯電バイアス電圧の出力信号をオンにしてからの出力経時変化を示す図。
【図8】第1実施形態における現像バイアス電圧の出力信号をオンにしてからの出力経時変化を示す図。
【図9】かぶり取り電圧に依存するトナー濃度およびキャリア付着個数を示す図。
【図10】第1実施形態に係る感光体ドラム上レジ検センサー80を示す図。
【図11】第1実施形態に係る中間転写ベルト上レジ検センサー81を示す図。
【図12】第1実施形態に係る感光体ドラム上レジ検センサー80X、80Yおよび中間転写ベルト上レジ検センサー81X、81Yの出力値比の経過時間に対する変化を示した図。
【図13】第1実施形態に係る感光体ドラム上レジ検センサー80X及び80Yの出力値比の経過時間に対する変化を示した図。
【図14】第1実施形態に係る画像形成装置100において実行されるダウンタイムレジ合わせ制御シーケンスのフローチャート。
【図15】第1実施形態に係る画像形成装置100において実行されるレジ検光量・下地補正のフローチャート。
【図16】第1実施形態に係る画像形成装置100において実行されるレーザー露光量制御のフローチャート。
【図17】第1実施形態に係る画像形成装置100において使用されるトナーパターンを示す図。
【図18】第1実施形態に係る画像形成装置100において実行されるダウンタイムレジ合わせ制御のフローチャート。
【図19】第1実施形態に係る画像形成装置100において実行されるレジずれ補正量の計算のフローチャート。
【図20】第1実施形態に係る画像形成装置100において実行される画像形成時レジ合わせ制御シーケンスのフローチャート。
【図21】本発明の第1実施形態に係る画像形成装置100において実行される画像形成時レジ合わせ制御のフローチャート。
【図22】第1実施形態に係る感光体ドラム1の非露光部の表面電位Vおよび現像バイアス電圧の直流電圧Vdevの帯電高圧電源101の出力信号をオンにしてからの経過時間に対する変化を示した図。
【図23】第1実施形態に係る画像形成装置100におけるトナー濃度に対する正反射光量および散乱光量の出力値比の変化を示した図。
【図24】第2実施形態に係る画像形成装置100において実行される画像形成時レジ合わせ制御シーケンスのフローチャート。
【図25】第2実施形態に係る画像形成装置100において実行される画像形成時レジ合わせ制御のフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0010】
図1は、画像形成装置における像担持体である感光体ドラムの非露光部の表面電位Vおよび現像バイアス電圧の直流電圧Vdevの帯電バイアス電圧印加手段である帯電高圧電源の出力信号をオンにしてからの経過時間依存性を示している。後述するように、Vは帯電高圧電源により生じる帯電バイアス電圧の変化とほぼ同一の変化を示す。
帯電ローラー2へ電圧を印加する帯電高圧電源を起動した(経過時間=0)直後のRAの領域では、Vdevがまだ出力されておらず、従って現像を行うことができない。一方、RCの領域では、VおよびVdevがそれぞれが通常画像を形成することが出来る電位に達している。そしてRBの領域では、まだVおよびVdevがそれぞれ通常画像を形成することが出来る電位に達していない。すなわち、RBの領域で、通常画像形成に用いるレーザー露光量で感光体ドラムの表面を露光して潜像を形成し、形成された潜像を現像する場合、現像された画像のトナー濃度は通常画像に比べて薄くなる。
【0011】
従来の画像形成装置におけるレジ合わせ制御は、図1のRCの領域において行われている。すなわち、レジずれ検出用トナー像であるレジ合わせ用トナーパターンを作成する際、通常画像形成と同等のトナー濃度でパターンが現像される。しかしながら、レジ合わせ用トナーパターンは露光部と非露光部のタイミングがわかれば問題ない。
【0012】
そこで本実施形態の画像形成装置では、レジ検センサーによって露光部と非露光部のタイミングを十分測定する事ができるトナー濃度(後述するように、0.3以上)を出力する事ができるRBの領域において、レジ合わせ用トナーパターンを作成する。その後、作成されたパターンをレジ検センサーによって読み取り、レジ合わせを行う。
【0013】
これにより、帯電高圧電源の出力信号をオンにしてからレジ合わせが完了するまでの時間を短縮することができ、結果として、FCOTを低減することが可能となる。
【0014】
(第1実施形態)
次に、第1実施形態に係る画像形成装置において行われるレジ合わせ制御について説明する。
【0015】
図2は、第1実施形態に係る画像形成装置100内の各構成要素を概略的に示した図である。
【0016】
本実施形態の画像形成装置100は、例えば、中間転写体方式、接触帯電方式及び2成分現像方式の電子写真プロセスを用いており、最大通紙サイズがA3サイズであり、解像度が600dpiのカラーレーザープリンタである。従って、本実施形態の画像形成装置100は、画像形成装置本体と通信可能に接続された外部ホスト装置(不図示)からの画像情報に応じて、例えば、用紙、OHPシート等の転写材にカラー画像を形成し、出力することができる。画像形成装置100は、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)及びブラック(Bk)に対応した4つの画像形成部PY、PM、PC及びPBkを有する4連タンデムドラム方式の画像形成装置である。4つの画像形成部PY、PM、PC及びPBkは、それぞれプロセスカートリッジ8Y、8M、8C及び8Bkを有する。画像形成装置100のY、M、C及びBk各色の画像形成部PY、PM、PC及びPBkは、使用する現像剤の色が異なる他は同一の構成であるので、以下、簡略化のためにY、M、C、Bkを省略する場合がある。各プロセスカートリッジ8により、一旦、中間転写体である中間転写ベルト91に連続的にトナー像を多重転写し、その後転写材Sに一括転写することによりカラープリント画像を得ることができる。図2に示すように、各プロセスカートリッジ8は、中間転写ベルト91の移動方向において直列にY、M、C及びBkの順に102mmの間隔を空けて配置されている。中間転写ベルト91は、中間転写ベルト駆動ローラー95、中間転写ベルト従動ローラー94、および二次転写ローラー10に掛け渡されている。中間転写ベルト駆動手段20は、中間転写ベルト駆動ローラー95を回転して、中間転写ベルト91を図2の矢印で示す時計回り方向に回転させる。
【0017】
各プロセスカートリッジ8では、導電性支持体上に有機物質の感光層を持つ電子写真感光体(感光体ドラム1)の表面を帯電装置である帯電ローラー2によって均一に帯電させる。均一に帯電された感光体ドラム1の表面を露光装置3から照射されるレーザー光(光ビーム)Lによって走査露光することで感光体ドラム1上に静電潜像が形成される。形成された静電潜像に現像装置4によって現像剤であるトナーが付着され、静電潜像がトナー像に現像される。各感光体ドラム1に形成された各色のトナー像は、移動する中間転写ベルト91上に、第1の転写装置である一次転写外ローラー92によって順次重ね合わせて転写される。
そして、中間転写ベルト91上に形成されたカラーのトナー像は、対向する二次転写ローラー10及び二次転写外ローラー96によって構成される第2の転写装置の二次転写ニップ部において、搬送されてきた転写材S上に一括転写される。二次転写外ローラー96は中間転写ベルト91に対して矢印Z方向に離接自在に設けられ、二次転写外ローラー離接機構96aはCPU103(不図示)により制御される。一括転写された転写材Sは定着装置12に搬送され、ここでトナー像の定着を受けた後、機外に排出される。また画像形成装置100には、クリーニングブレード7、クリーニングブレード11a、第1の読取装置である感光体ドラム上レジ検センサー80及び第2の読取装置である中間転写ベルト上レジ検センサー81が設けられているが、これらについては後述する。
【0018】
図3は、第1実施形態に係る画像形成装置100の制御構成を示したブロック図である。図3に示すように、CPU103は、情報の保存および読み出しが可能になっている記憶装置105に接続されている。またCPU103は、各感光体ドラム1の駆動手段19や中間転写ベルト91の駆動手段20に対して、駆動及び停止の指示を行うことができるように接続されている。さらにCPU(第1の制御装置)103は、各帯電ローラー2へ電圧を印加する帯電高圧電源(帯電バイアス電圧印加手段)101に対して、出力値の設定、出力及び停止の指示を行うことができるように接続されている。CPU(第1の制御装置)103は、現像スリーブ41へ電圧を印加する現像高圧電源(現像バイアス電圧印加手段)106に対して、出力値の設定、出力及び停止の指示を行うことができるように接続されている。またCPU103は、各一次転写高圧電源93及び二次転写高圧電源96bに対して、出力値の設定、出力及び停止の指示を行うことができるように接続されている。CPU103は、二次転写外ローラー96の離接を制御する二次転写外ローラー離接機構96aの制御ができるように接続されている。CPU103は、感光体ドラム1Y、1M、1C、および1Bkのそれぞれの感光体ドラム上レジ検センサー80および中間転写ベルト上レジ検センサー81の出力値読み取り、光量制御ができるように、それぞれに接続されている。さらに、CPU103は、露光装置3Y、3M、3C、および3Bkのそれぞれのレーザー光源3aの制御が出来るように接続されている。
【0019】
次に、図4を参照して、画像形成部Pの各構成要素について、詳しく説明する。
【0020】
図4は、第1実施形態に係る画像形成装置100の画像形成部Pに設けられているプロセスカートリッジ8およびその近傍の構成要素を概略的に示した図である。プロセスカートリッジ8は、感光体ドラム1、帯電ローラー2、現像装置4、およびクリーニングブレード7を一体的に有し、画像形成装置100に着脱可能に装着されている。現像剤カートリッジ5は、プロセスカートリッジ8へ供給される現像剤(トナー)を収納しており、画像形成装置100に着脱可能に装着されている。現像剤カートリッジ5の中のトナーは、供給スクリュー51により、現像装置4の現像フレーム40に設けられた供給口47を通して、現像フレーム40へ供給される。現像フレーム40の中のトナーは、撹拌部材44により撹拌される。トナーは、供給部材43により現像スリーブ41へ供給される。現像スリーブ41の上のトナーは、トナー規制部材42により一様に規制される。現像フレーム40には、現像フレーム40の中のトナーの残量を検出するためのトナー残量検出器45が設けられている。
【0021】
画像形成装置100は、回転ドラム型の感光体ドラム1を有する。例えば、本実施形態の感光体ドラム1の外径は30mm、長さは360mmである。また本実施形態の感光体ドラム1は、例えば、接地されたアルミニウムなどの導電材製のドラム基体の外周面に、通常の有機光導電体(OPC)層からなる感光層を塗布することによって形成されたOPCドラムである。感光体ドラム1は、駆動手段19(DCブラシレスモーター)によって中心支軸を中心に、例えば300mm/secのプロセススピード(周速度)で反時計方向に回転駆動される。
【0022】
本実施形態の画像形成装置100においては、接触帯電器である帯電ローラー2を用いている。帯電ローラー2の長さは例えば320mmであり、感光体ドラム1の回転に伴って従動回転する。
帯電ローラー2には帯電高圧電源101によって帯電バイアス電圧が印加される。本実施形態では、帯電ローラー2の芯金2aに対して、帯電バイアス電圧として、直流成分(直流電圧Vdc)と正弦波の交流成分(交流電圧(ピーク間電圧)Vac、周波数fpri)とを重畳した電圧を印加する。これは、直流電圧Vdcのみを印加する構成に比べて、帯電ローラー2の表層の外添剤などの汚染による影響を受け難いからである。感光体ドラム1の非露光部の表面電位Vは、帯電ローラー2に閾値電圧Vth(放電開始電圧)以上の交流電圧Vacが印加されている場合、直流電圧Vdcの電位に収束する。本実施形態の場合では、例えば温度23℃、湿度50%の環境において、閾値電圧Vthは、1350Vpp程度である。ここで、Vppは、交流電圧の上ピークと下ピークとの間の電位差(ピーク間電圧)をボルト単位で示す。帯電高圧電源101は、帯電ローラー2に対して、例えば、直流電圧Vdc=−500V、交流電圧Vac=1500Vppおよび周波数fpri=1750Hzの帯電バイアス電圧を印加するようになっている。それにより、感光体ドラム1の表面電位Vは−500Vで均一に帯電することができる。
【0023】
感光体ドラム1には、帯電ローラー2により、上記のように所定の極性・電位に均一に帯電処理された後、露光装置3からレーザー光Lが照射される。露光装置3は、例えばカラー原稿画像の色分解・結像光学系、画像情報の時系列電気デジタル画素信号に対応して変調されたレーザー光を出力する走査光学系を含む。これにより、目的のカラー画像の各色成分に対応した静電潜像が各感光体ドラム1上に形成される。
本実施形態では露光装置3として、半導体レーザーを用いたレーザービームスキャナ(光走査装置)を用いている。露光装置3は、画像読み取り装置(不図示)などのホスト装置からCPU103に送られた画像信号に対応して変調したレーザー光(光ビーム)Lをレーザー光源3aから出力する。出力されたレーザー光Lは、回転多面鏡3b、レンズ3c及び3dを通過して、回転する感光体ドラム1の均一帯電処理された表面に照射される。すなわち、感光体ドラム1は、レーザー走査露光(イメージ露光)される。このレーザー走査露光により、感光体ドラム1のレーザー光Lが照射されたところの表面電位がVに変化する。すなわちレーザー走査露光により、回転する感光体ドラム1の表面に、走査露光した画像情報に対応した静電潜像と呼ばれる電位分布の差ができる。
感光体ドラム1に対するレーザー光Lの照射位置は露光位置bである。本実施形態では、レーザー露光量は、例えば、0.1乃至0.4μJ/cmの範囲で可変となっている。感光体ドラム1の露光位置bにおけるレーザー走査露光後の表面電位Vは、非露光部の表面電位Vとレーザー露光量の組み合わせによって、−20Vから−300V程度まで変化させることが可能である。図5は、非露光部の表面電位Vを変化させたときの露光部の表面電位Vとレーザー露光量との関係を示している。
【0024】
感光体ドラム1に形成された静電潜像に、現像装置4によってトナーが付着され、静電潜像がトナー像に現像される。本実施形態では、現像装置4として2成分接触現像装置(二成分磁気ブラシ現像装置)を用いている。現像装置4の現像スリーブ41には現像高圧電源106から現像バイアス電圧が印加される。印加される現像バイアス電圧は、直流成分(直流電圧Vdev)と矩形波の交流成分(交流電圧(ピーク間電圧)Vdev_ac、周波数fdev)とを重畳したものとなっている。
図6は、印加される現像バイアス電圧の波形を示している。これを見ると、時間t1の間においてVより大きいVdev+Vdev_ac/2だけの現像バイアス電圧が印加され、一方、時間t2の間においては、Vより小さいVdev―Vdev_ac/2だけの現像バイアス電圧が印加され、これが繰り返される。すなわち、時間t1の間においては、現像スリーブ41から感光体ドラム1に向かって電界が形成され、それにより感光体ドラム1上にトナー粒子が転移する。一方、時間t2の間においては、感光体ドラム1から現像スリーブ41に向かって電界が形成され、それにより感光体ドラム1上に転移したトナー粒子が現像スリーブ41に戻る(逆転移)。この交互電界によって現像スリーブ41と感光体ドラム1との間でトナー粒子の転移、逆転移が繰り返され、現像過程は進行する。
本実施形態における現像高圧電源106は、現像スリーブ41に対して、例えば、直流電圧Vdev=−300V、交流電圧Vdev_ac=1500Vppおよび周波数fdev=12kHzの現像バイアス電圧を印加するようになっている。
【0025】
ここで、帯電高圧電源101および現像高圧電源106の出力値は出力信号がオンになっても、すぐには目標値にならない。図7は、本実施形態における帯電バイアス電圧の出力信号をオンにしてからの出力経時変化を示す図である。図7(a)は、帯電バイアス電圧の直流電圧Vdcの出力信号をオンにしてからの出力経時変化を示す図である。図7(b)は、帯電バイアス電圧の交流電圧Vacの出力信号をオンにしてからの出力経時変化を示す図である。さらに、図8は、本実施形態における現像バイアス電圧の出力信号をオンにしてからの出力経時変化をそれぞれ示している。図8(a)は、現像バイアス電圧の直流電圧Vdevの出力信号をオンにしてからの出力経時変化を示す図である。図8(b)は、現像バイアス電圧の交流電圧Vdev_acの出力信号をオンにしてからの出力経時変化を示す図である。
いずれの電圧においても、出力信号をオン(経過時間=0)にしてから、所望の出力になるまでに時間がかかっていることがわかる。ここで、直流電圧については一定値になるまでの時間、交流電圧については一定値の振動電圧が一周期分出力されるまでの時間を立ち上がり時間と呼ぶ。逆に電圧が立ち上がった後、出力信号をオフにしてから電圧が0になるまでにかかる時間を立ち下がり時間と呼ぶ。本実施形態では、図7および図8を見てわかるように、帯電バイアス電圧の直流電圧Vdc及び交流電圧Vac、及び現像バイアス電圧の交流電圧Vdev_acの立ち上がり時間は、それぞれ100msec、1msec及び0.3msecである。なお、現像バイアス電圧の直流電圧Vdevについては、通常10msecであるが、帯電バイアス電圧の直流電圧Vdcの立ち上がり時間に合わせるために90msecになるように故意に遅らせる場合がある。
【0026】
図9は、かぶり取り電圧に依存するトナー濃度およびキャリア付着個数を示す図である。図9(a)は、本実施形態におけるトナー濃度のコントラスト電位Vcont及びかぶり取り電位Vbackに対する依存性を示す図である。ここで、コントラスト電位Vcontは、感光体ドラム1のレーザー光Lが照射された部分(露光部)の表面電位Vから現像バイアス電圧の直流電圧Vdevを引いた値、すなわちV―Vdevである。また、かぶり取り電位Vbackは、現像バイアス電圧の直流電圧Vdevから感光体ドラム1のレーザー光Lが照射されなかった部分(非露光部)の表面電位Vを引いた値、すなわちVdev−Vである。すなわち、「かぶり」とは非露光部にトナーが現像されることを意味している。本発明の第1実施形態に係る画像形成装置100では、画像形成可能な最大トナー濃度は1.5となっているので、図9(a)から、Vcontが200V程度であれば、画像形成に十分なトナー濃度で感光体ドラム1上の静電潜像を現像できることがわかる。また、図9(a)から、かぶり取り電位Vbackが−50V以下であれば、かぶりは発生しないことがわかる。
【0027】
感光体ドラム1上の露光部に現像剤が付着することによって、静電潜像がトナー像に現像される。本実施形態の現像剤としては、トナーとキャリアを重量比8:92で混合したものを用いている。トナーには、平均粒径5.5μmのネガ帯電トナーを用い、またキャリアには、飽和磁化が205emu/cm、平均粒径35μmの磁性キャリアを用いている。
図9(b)は、本実施形態における感光体ドラム1の表面上のキャリア付着個数のかぶり取り電位Vbackに対する依存性を示す図である。図9(b)からわかるように、かぶり取り電位Vbackが−200V以上であればキャリアが感光体ドラム1の表面上に現像されてしまうことはない。
【0028】
図10は、第1実施形態に係る感光体ドラム上レジ検センサー80を示す図である。図10(a)は、感光体ドラム上レジ検センサー80の概略断面図である。図10(a)に示すように、光源80aから発せられた光は、偏光板80bを通過した後、感光体ドラム1の表面で反射される。反射された光は、偏光板80cにおいて散乱光と正反射光に分けられ、それぞれ測定器80d及び80eによって光量が測定される。なお、光源80aには、例えば中心波長850nmの赤外光LEDを用いている。感光体ドラム1上のレジ合わせ用トナーパターンの測定は、感光体ドラム1からの正反射光量と散乱光量に係数をかけた値を足し合わせて行う。本実施形態の係数としては、Bkトナーでは−0.001、YMCの色トナーでは−0.3を用いている。感光体ドラム上レジ検センサー80の出力は、正反射光量出力および散乱光量出力ともに、0乃至1023(0.005V刻みで0乃至5.115V)の値になるように設定されている。また感光体ドラム上レジ検センサー80は、感光体ドラム1上にトナーが存在しない場合に、正反射光量出力が500になるようにLED光量を調整できるようになっている。また感光体ドラム上レジ検センサー80は、正反射光量出力が500になっている際に、散乱光量出力を500にすることができるようなゲインの調整機構も備えている。
【0029】
図4に示すように、感光体ドラム上レジ検センサー80は、現像装置4と中間転写ベルト91との間に設けられ、感光体ドラム1上に形成されたレジ合わせ用トナーパターンの位置を光学的に非接触測定する。図10(b)は、本発明の第1実施形態に係る画像形成装置100の感光体ドラム1に対する感光体ドラム上レジ検センサー80(80X、80Y)の配置図を示している。感光体ドラム上レジ検センサー80は、感光体ドラム1の両端部1aおよび1bから、例えば、40mm離間した位置にそれぞれ一個ずつ、合計二個設けられている。ここで、一方の端部1aに設けられた感光体ドラム上レジ検センサー80を80X、他方の端部1bに設けられた感光体ドラム上レジ検センサー80を80Yと呼ぶことにする。また感光体ドラム上レジ検センサー80X及び80Yは、感光体ドラム1の表面から例えば3mm程度離間した位置に配置されている。
【0030】
本実施形態においては、二個のうちの一方の感光体ドラム上レジ検センサー80(例えば、80Y)は、レーザー露光量制御用パターンの読み取りにも用いられる。レーザー露光量制御の詳細については後述する。
【0031】
図2に示すように、各画像形成部PY、PM、PC及びPBkの各感光体ドラム1Y、1M、1C及び1Bkに対向するように、中間転写ユニット9が設けられている。図4に示すように、現像位置cにおいて感光体ドラム1上にトナー像が現像された後、トナー像は一次転写ニップ部(転写位置d)において中間転写ベルト91上に転写される。転写位置dでは、中間転写ベルト91を挟んで感光体ドラム1に対向するように、一次転写ローラー92が中間転写ベルト91に当接するように配置されている。一次転写ローラー92には、電圧印加手段としての一次転写高圧電源93が接続されている。本実施形態の一次転写ローラー92としては、例えば導電性スポンジから構成されるローラーを用いている。一次転写ローラー92の抵抗は1MΩ、外径は16mm、長手方向長さは315mmとしているが、本発明はこの値に限定されない。
【0032】
図2に示すように、中間転写ベルト91には、先ず、1色目(イエロー)の画像形成部PYで、上述の動作により感光体ドラム1Yに形成されたイエローのトナー像が転写される。次いで各画像形成部PM、PC及びPBkで、同様の工程を経て感光体ドラム1M、1C及び1Bkに形成されたマゼンタ、シアン及びブラックの各色トナー像が順次、中間転写ベルト91に多重転写される。本実施形態においては、感光体ドラム1の非露光部の表面電位Vが−500Vであり、また後述するように、露光部の表面電位Vは−100Vである。従って、露光部に転移されたトナーに対する転写効率を考慮するために、一次転写電圧として、各一次転写ローラー92Y、92M、92C及び92Bkに+500Vの電圧を印加する。
中間転写ベルト91の材料としては、例えば樹脂系、或いは金属芯体入りのゴムベルト、又は樹脂及びゴム双方からなるベルトが望ましい。しかしながら、もちろんトナーの飛び散りや中抜けなどを防止して画質の向上を考慮した、弾性層を有する中間転写ベルトを用いても良い。本実施形態では、ポリイミドにカーボンを分散させることによって、体積抵抗率を100MΩ・cm程度に制御した樹脂ベルトを用いている。中間転写ベルト91の厚さは50μm、幅は340mm、全周は900mmとした。しかしながら、本発明はこの値に限定されない。
また、中間転写ベルト91は感光体ドラム1のプロセススピード(周速度)に合わせるために、300mm/secの速度で回転している。
【0033】
図4に示すように、転写位置dでトナー像が転写された後、除電露光装置6により、感光体ドラム1の表面が除電露光される。本実施形態では、除電のための露光量は1.0μJ/cm程度としているが、充分に除電されるならば、この値に限られない。
その後、転写位置dで中間転写ベルト91に転写されずに感光体ドラム1上に残留したトナーは、クリーニング位置eで感光体ドラム1に当接して設けられたクリーニングブレード7によって除去され、次の作像工程に移行する。クリーニングブレード7の材料としては、ウレタンゴム系の材料が広く用いられている。
【0034】
図11は、第1実施形態に係る中間転写ベルト上レジ検センサー81を示す図である。図11(a)は、中間転写ベルト上レジ検センサー81の概略断面図である。図11(a)に示すように、光源81aから発せられた光は、偏光板81bを通過した後、中間転写ベルト91の表面で反射される。反射された光は、偏光板81cにおいて散乱光と正反射光に分けられ、それぞれ測定器81d及び81eによって光量が測定される。なお、光源81aには、例えば、中心波長850nmの赤外光LEDを用いている。中間転写ベルト91上のレジ合わせ用トナーパターンの測定は、中間転写ベルト91からの正反射光量と散乱光量に係数をかけた値を足し合わせて行う。本実施形態の係数としては、Bkトナーでは−0.001、YMCの色トナーでは−0.3を用いている。中間転写ベルト上レジ検センサー81の出力は正反射光量出力、散乱光量出力ともに0乃至1023(0.005V刻みで0乃至5.115V)の値になるように設定されている。また中間転写ベルト上レジ検センサー81は、中間転写ベルト91上にトナーが存在しない場合に、正反射光量出力が500になるようにLED光量を調整できるようになっている。また中間転写ベルト上レジ検センサー81は、正反射光量出力が500になっている際に、散乱光量出力が500にすることができるようなゲインの調整機構も備えている。
【0035】
図2に示すように、感光体ドラム上レジ検センサー81は、中間転写ベルト従動ローラー94の位置において、中間転写ベルト91上に形成されたレジ合わせ用トナーパターンの位置を光学的に非接触測定する。図11(b)は第1実施形態に係る画像形成装置100の中間転写ベルト91に対する中間転写ベルト上レジ検センサー81(81X、81Y)の配置図を示している。中間転写ベルト上レジ検センサー81は、中間転写ベルト従動ローラー94の位置において、中間転写ベルト91の幅方向両端部91aおよび91bから、例えば、30mm離間した位置にそれぞれ一個ずつ、合計二個設けられている。ここで、一方の端部91aに設けられた中間転写ベルト上レジ検センサー81を81X、他方の端部91bに設けられた中間転写ベルト上レジ検センサー81を81Yと呼ぶことにする。また、中間転写ベルト上レジ検センサー81X及び81Yは、中間転写ベルト91の表面から例えば3mm程度離間した位置に配置されている。
【0036】
図2に示すように、中間転写ベルト91上に形成された4色トナー像は、二次転写ローラー10により、転写材Sに一括転写される。なお、転写材Sは、転写材収納手段(不図示)から供給され、所定のタイミングで搬送手段としての給紙ローラー13により給送される。本実施例においては、中間転写ベルト91から転写材Sへのトナーの転写効率を考慮するために、二次転写電圧として二次転写外ローラー96に+1500Vの電圧を印加している。
【0037】
トナー像が転写された転写材Sは、定着装置としてのローラー定着器12に搬送され、ここで熱、圧力が印加されることによってトナー像が転写材Sに溶融定着される。その後、転写材Sは機外に排出されカラープリント画像が得られる。
【0038】
転写材Sに転写されずに中間転写ベルト91上に残留した二次転写残トナーは、中間転写ベルト91に当接して設けられた中間転写ベルトクリーナ11が備えるクリーニング手段としてのクリーニングブレード11aによって除去され、次の作像工程に移行する。クリーニングブレード11aの材料としては、ウレタンゴム系の材料が広く用いられている。
【0039】
〔レジ合わせ制御〕
次に、感光体ドラム上レジ検センサー80および中間転写ベルト上レジ検センサー81を用いたレジ合わせ制御の詳細について説明する。
【0040】
第1実施形態におけるレジ合わせ制御は、中間転写ベルト91上のレジ位置を、中間転写ベルト上レジ検センサー81によって、主走査方向と副走査方向それぞれについて合わせることを目的としている。そのために、感光体ドラム1上のレジ合わせ用トナーパターン及び中間転写ベルト91上のレジ合わせ用トナーパターンを感光体ドラム上レジ検センサー80及び中間転写ベルト上レジ検センサー81それぞれで測定し、それぞれのレジずれの差分を計算する。なおレジ合わせ制御には、ダウンタイムレジ合わせ制御と画像形成時レジ合わせ制御がある。ダウンタイムレジ合わせ制御は、画像形成装置100の電源をオンにした時および所定の枚数の転写材Sに画像形成を行った時ごとにダウンタイムを設けてレジ合わせを行うための制御である。一方、画像形成時レジ合わせ制御は、画像形成直前にレジ合わせを行うための制御である。しかしながら画像形成時レジ合わせ制御においては、実際に中間転写ベルト91上のレジ合わせ用トナーパターンを中間転写ベルト上レジ検センサー81で測定すると、その分画像形成に要する時間が長くなってしまう。そのため本実施形態の画像形成時レジ合わせ制御では、中間転写ベルト91上のレジ合わせに対して、ダウンタイムレジ合わせ制御において求められた値を、そのまま使用する構成としている。
【0041】
以下に例を挙げて、実際に行われるレジ合わせ制御を説明する。
【0042】
まず、ダウンタイムレジ合わせ制御について説明する。
【0043】
CPU103は、感光体ドラム上レジ検センサー80及び中間転写ベルト上レジ検センサー81の出力値比の変化から、各センサーの位置に、副走査方向レジ合わせ用トナーパターンの後、主走査方向レジ合わせ用トナーパターンが来るタイミングを検知する。図12は、各センサーの出力値比の経過時間に対する変化を示している。経過時間は、各センサーが副走査方向レジ合わせ用トナーパターンを検出する理想的なタイミングからの経過時間を示す。なお、図12において、(a)は、理想的なパターンにおける各センサーの出力値比の経過時間に対する変化を示している。(b)は、感光体ドラム1の一方の端部1aに設けられた感光体ドラム上レジ検センサー80Xによって実際に観測される出力値比の経過時間に対する変化を示している。(c)は、感光体ドラム1の他方の端部1bに設けられた感光体ドラム上レジ検センサー80Yによって実際に観測される出力値比の経過時間に対する変化を示している。(d)は、中間転写ベルト従動ローラー94の位置において、中間転写ベルト91の幅方向一端部91aに設けられた中間転写ベルト上レジ検センサー81Xによって実際に観測される出力値比の経過時間に対する変化を示している。(e)は、中間転写ベルト従動ローラー94の位置において、中間転写ベルト91の幅方向他端部91bに設けられた中間転写ベルト上レジ検センサー81Yによって実際に観測される出力値比の経過時間に対する変化を示している。なお、感光体ドラム上レジ検センサー80X及び中間転写ベルト上レジ検センサー81Xは、画像形成装置100において同一側の端部にあるとする。同様に、感光体ドラム上レジ検センサー80Y及び中間転写ベルト上レジ検センサー81Yは、画像形成装置100において同一側の端部にあるとする。
【0044】
まず副走査方向レジ合わせ用トナーパターンに対する各センサーの出力値比の急激な変化(ピークA)が検出されるタイミングを考える。理想的なタイミングは、露光位置bから感光体ドラム上レジ検センサー80の位置までの感光体ドラム1の回転距離をプロセススピードで割った時間、すなわち本実施形態の場合、29.71mm÷300mm/sec≒99msecである。すなわち、露光位置bで感光体ドラム1に副走査方向レジ合わせ用トナーパターンが形成されたときから、感光体ドラム上レジ検センサー80により副走査方向レジ合わせ用トナーパターンが検出されるまでの理想的な経過時間は、99msecである。従って、感光体ドラム上レジ検センサー80が副走査方向レジ合わせ用トナーパターンを検出する理想的なタイミングは、露光位置bで感光体ドラム1に副走査方向レジ合わせ用トナーパターンが形成されたときから99msec経過したときである。
また、露光位置bから中間転写ベルト上レジ検センサー81までの距離は、プロセスカートリッジ8Yの場合、385.18mmである。よって、プロセスカートリッジ8Yによって形成された副走査方向レジ合わせ用トナーパターンを中間転写ベルト上レジ検センサー81が検出する理想的なタイミングは、385.18mm÷300mm/sec≒1284msecとなる。すなわち、露光位置bで感光体ドラム1Yに副走査方向レジ合わせ用トナーパターンが形成されたときから、中間転写ベルト上レジ検センサー81により副走査方向レジ合わせ用トナーパターンが検出されるまでの理想的な経過時間は、1284msecである。従って、中間転写ベルト上レジ検センサー81がイエローの副走査方向レジ合わせ用トナーパターンを検出する理想的なタイミングは、露光位置bで感光体ドラム1Yに副走査方向レジ合わせ用トナーパターンが形成された時から1284msec経過したときである。
なお、プロセスカートリッジ8Y、8M、8C、および8Bkは、102mmの間隔を空けて配置されているので、理想的なタイミングは、それぞれ102mm÷300mm/sec≒340msecずつ短い値となる。中間転写ベルト上レジ検センサー81がマゼンタの副走査方向レジ合わせ用トナーパターンを検出する理想的なタイミングは、露光位置bで感光体ドラム1Mに副走査方向レジ合わせ用トナーパターンが形成されたときから944msec経過したときである。中間転写ベルト上レジ検センサー81がシアンの副走査方向レジ合わせ用トナーパターンを検出する理想的なタイミングは、露光位置bで感光体ドラム1Cに副走査方向レジ合わせ用トナーパターンが形成されたときから604msec経過したときである。中間転写ベルト上レジ検センサー81がブラックの副走査方向レジ合わせ用トナーパターンを検出する理想的なタイミングは、露光位置bで感光体ドラム1Bkに副走査方向レジ合わせ用トナーパターンが形成されたときから264msec経過したときである。なお、中間転写ベルト91の上で、Y、M、C、およびBkのレジ合わせ用トナーパターンが重なり合わないように、タイミングをずらして4色のレジ合わせ用トナーパターンが形成される。
従って、CPU103は、理想的なタイミングに対する各センサーの実際の出力値比の変化が検出されるタイミングのずれから、各センサーにおける副走査方向のレジずれを見積もることができる。
ここで、図12の(b)に示すように、副走査方向レジ合わせ用トナーパターンに対する感光体ドラム上レジ検センサー80Xの出力値比の変化が理想的なタイミングより10msec遅く観測されたとする。また、図12の(c)に示すように、感光体ドラム上レジ検センサー80Yについては、20msec遅く観測されたとする。同様に、図12の(d)に示すように、副走査方向レジ合わせ用トナーパターンに対する中間転写ベルト上レジ検センサー81Xの出力値比の変化が理想的なタイミングより15msec遅く観測されたとする。また、図12の(e)に示すように、中間転写ベルト上レジ検センサー81Yについては、25msec遅く観測されたとする。この場合、画像信号を80X及び81Xが設けられている端部側では15msec早く、一方80Y及び81Yが設けられている端部側では25msec早く出力するようにCPU103がY、M、C、およびBkの露光装置3のレーザー光の出力時期を補正する。なお、両端部間の長手方向位置における補正は線形補間するものとする。また、感光体ドラム上レジ検センサー80と中間転写ベルト上レジ検センサー81の間には、両端部側ともに副走査方向に5msecのずれがあるとCPU103が判断する。
【0045】
次に、CPU103は主走査方向レジ合わせ用トナーパターンの出力値比の急激な変化を示す2つのピーク(B及びC)が検出されるタイミング(経過時間)を測定する。そしてCPU103は、2つのピークB及びCがそれぞれ検出されたタイミングの間隔を見積もる。理想的には、くの字(図17(b)のMB)の中心を感光体ドラム上レジ検センサー80が通過する場合に、くの字の中心の間隔(7.81mm)をプロセススピード(300mm/sec)で割った時間(26msec)となる。
図12の(a)に示すように、理想的なタイミングにおけるピーク間隔は26msecである。それに対し、感光体ドラム上レジ検センサー80Xにおいて観測されたピーク間隔は22msecであり、また感光体ドラム上レジ検センサー80Yにおいて観測されたピーク間隔は30msecであったとする。すなわち、理想的なピーク間隔26msecに対して、80X側では4msecだけ狭く、また、80Y側では4msecだけ広くなっていたとする。同様に、中間転写ベルト上レジ検センサー81Xにおいて観測されたピーク間隔は18msecであり、また中間転写ベルト上レジ検センサー81Yにおいて観測されたピーク間隔は34msecであったとする。すなわち、理想的なピーク間隔26msecに対して、80X側では8msecだけ狭く、また、80Y側では8msecだけ広くなっていたとする。この場合、像露光を8msecだけ80X及び81Xが設けられている端部側にずらした画像信号をCPU103が作成する。なお、両端部間の長手方向位置における補正は線形補間するものとする。また、感光体ドラム上レジ検センサー80と中間転写ベルト上レジ検センサー81の間には、両端部側ともに主走査方向に4msecのずれがあるとCPU103が判断する。
【0046】
次に、画像形成時レジ合わせ制御について説明する。
【0047】
CPU103は感光体ドラム上レジ検センサー80の出力値比の変化から、感光体ドラム上レジ検センサー80の位置に、副走査方向レジ合わせ用トナーパターンの後、主走査方向レジ合わせ用トナーパターンが来るタイミングを検知する。図13は、感光体ドラム上レジ検センサー80X及び80Yの出力値比の経過時間に対する変化を示している。なお図13において、(a)は、理想のタイミングにおける感光体ドラム上レジ検センサー80X又は80Yの出力値比の経過時間に対する変化を示している。(b)は、感光体ドラム上レジ検センサー80Xによって実際に観測される出力値比の経過時間に対する変化を示している。(c)は、感光体ドラム上レジ検センサー80Yによって実際に観測される出力値比の経過時間に対する変化を示している。
【0048】
副走査方向レジ合わせ用トナーパターンに対する感光体ドラム上レジ検センサー80X又は80Yの出力値比の急激な変化(ピークA)が検出される理想的なタイミングは、上述のように本実施形態の場合、99msecである。ここで、図13の(b)に示すように、副走査方向レジ合わせ用トナーパターンに対する感光体ドラム上レジ検センサー80Xの出力値比の変化が理想的なタイミングより12msec遅く観測されたとする。また、図13の(c)に示すように、感光体ドラム上レジ検センサー80Yについては、22msec遅く観測されたとする。上述のダウンタイムレジ合わせ制御において、感光体ドラム上レジ検センサー80と中間転写ベルト上レジ検センサー81の間には、両端部側ともに副走査方向に5msecのずれがあると見積もられている。従って、本実施形態の画像形成時レジ合わせ制御では、画像信号を80Xが設けられている端部側では17msec早く、80Yが設けられている端部側では27msec早く出力するようにCPU103が補正する。なお、両端部間の長手方向位置における補正は線形補間するものとする。
【0049】
次に、CPU103は主走査方向レジ合わせ用トナーパターンの出力値比の急激な変化を示す2つのピーク(B及びC)が検出されるタイミング(経過時間)を測定する。そしてCPU103は、2つのピークB及びCがそれぞれ検出されたタイミングの間隔を見積もる。理想的には、くの字(図17(b)のMB)の中心を感光体ドラム上レジ検センサー80が通過する場合に、くの字の中心の間隔(7.81mm)をプロセススピード(300mm/sec)で割った時間(26msec)となる。
図13の(a)に示すように、理想的なタイミングにおけるピーク間隔は26msecである。それに対し、感光体ドラム上レジ検センサー80Xにおいて観測されたピーク間隔は20msecであり、また感光体ドラム上レジ検センサー80Yにおいて観測されたピーク間隔は32msecであったとする。すなわち、理想的なピーク間隔26msecに対して、80X側では6msecだけ狭く、また、80Y側では6msecだけ広くなっていたとする。上述のダウンタイムレジ合わせ制御において、感光体ドラム上レジ検センサー80と中間転写ベルト上レジ検センサー81の間には、両端部側ともに主走査方向に4msecのずれがあると見積もられている。従って、本実施形態の画像形成時レジ合わせ制御では、像露光を10msecだけ80Xが設けられている端部側にずらした画像信号をCPU103が作成する。なお、両端部間の長手方向位置における補正は線形補間するものとする。
【0050】
上記のように、画像形成時レジ合わせ制御では、感光体ドラム1上のレジ合わせ用トナーパターンを感光体ドラム上レジ検センサー80が読み取ることによって、中間転写ベルト91上のレジずれを補正することが可能となる。
【0051】
〔ダウンタイムレジ合わせ制御シーケンス〕
以下に、本発明の第1実施形態における画像形成装置100の電源をオンにした時および所定の枚数の転写材Sに画像形成を行った時ごとにダウンタイムを設けてレジ合わせを行う、ダウンタイムレジ合わせ制御のシーケンスを示す。本実施形態では、画像形成装置100の電源をオンにした時および所定の枚数の転写材Sに画像形成を行った時ごとにダウンタイムを設けて、以下のシーケンスをCPU103が実行する。なお、本実施形態における「所定の枚数の転写材Sに画像形成を行う」とは、A4用紙に換算して5000枚に画像形成を行った場合を指すものとする。
【0052】
図14は、本発明の第1実施形態に係る画像形成装置100において実行されるダウンタイムレジ合わせ制御シーケンスのフローチャートを示している。まず、画像形成装置100の電源をオンにした時に実行されるダウンタイムレジ合わせ制御かどうかチェックする(S11)。もし、電源をオンにした時に実行されるダウンタイムレジ合わせ制御の場合には(S11のYES)、CPU103が感光体ドラム駆動手段19および中間転写ベルト駆動手段20をオンにする(S12)。その後、帯電高圧電源101、現像高圧電源106及び一次転写高圧電源93の出力信号をオンにし(S13)、ステップS14に移行する。一方、電源をオンにした時の制御ではない、すなわち所定枚数の転写材Sに画像形成を行った時に実行されるダウンタイムレジ合わせ制御の場合には(S11のNO)、S12及びS13の処理はすでに行われているので省略し、ステップS14に移行する。
【0053】
次に、中間転写ベルト91上のレジ合わせ用トナーパターン及び後述するレジ検光量補正用パターンが、二次転写外ローラー96を汚さないように、二次転写外ローラー離接機構96aを用いて二次転写外ローラー96を中間転写ベルト91から離間させる(S14)。そして、レジ検光量・下地補正を実行する(S15)。
【0054】
図15は、レジ検光量・下地補正のフローチャートを示している。まず、感光体ドラム上レジ検センサー80のLED光源80aを消灯した時(暗部)、すなわち消灯時LED光量Sdの時の正反射光量の出力値を測定器80eによって検出、測定する(S151)。次に、感光体ドラム上レジ検センサー80のLED光源80aの出力(LED光量)が最小値SLminの時の正反射光量の出力値を測定器80eによって検出、測定する(S152)。そして、感光体ドラム上レジ検センサー80のLED光源80aの出力が最大値SLmaxの時の正反射光量の出力値を測定器80eによって検出、測定する(S153)。そして、CPU103が正反射光量の出力値が500となるLED光源80aの出力値SLを算出し、その値を感光体ドラム上レジ検センサー80に設定する(S154)。そして、感光体ドラム上レジ検センサー80のLED光源80aの出力が設定された出力値SLの時に、散乱光量の出力値が500となるように内部ゲインを変更する(S155)。なお、中間転写ベルト上レジ検センサー81においても同様に、正反射光量の出力値が500となるLED光源81aの出力値SLを設定し、LED光量が設定された出力値SLの時に、散乱光量の出力値が500となるように内部ゲインを変更する。これにより、レジ検光量・下地補正が終了する。
【0055】
次に、レーザー露光量制御を実行する(S16)。本実施形態においては、通常画像形成時のレーザー露光量について、感光体ドラム1の非露光部の表面電位Vが−500Vであるときに、感光体ドラム1の露光部の表面電位Vが−100Vとなるようにする。そのために、CPU103は以下のレーザー露光量制御シーケンスを実行する。
【0056】
図16は、レーザー露光量制御のフローチャートを示している。まず、レーザー露光量が0.1μJ/cmとなるように露光装置3を設定し、レーザー露光量制御用トナーパターンを感光体ドラム1の表面に作成する(S161)。そして、作成されたレーザー露光量制御用トナーパターンを感光体ドラム上レジ検センサー80で測定する(S162)。次に、作成されたパターンをクリーニングブレード7によって除去し、新たにレーザー露光量が0.2μJ/cmとなるように露光装置3を設定し、レーザー露光量制御用トナーパターンを感光体ドラム1の表面に作成する(S163)。そして、作成されたレーザー露光量制御用トナーパターンを感光体ドラム上レジ検センサー80で測定する(S164)。そして、作成されたパターンをクリーニングブレード7によって除去し、新たにレーザー露光量が0.3μJ/cmとなるように露光装置3を設定し、レーザー露光量制御用トナーパターンを感光体ドラム1の表面に作成する(S165)。そして、作成されたレーザー露光量制御用トナーパターンを感光体ドラム上レジ検センサー80で測定する(S166)。そして、作成されたパターンをクリーニングブレード7によって除去し、新たにレーザー露光量が0.4μJ/cmとなるように露光装置3を設定し、レーザー露光量制御用トナーパターンを感光体ドラム1の表面に作成する(S167)。そして、作成されたレーザー露光量制御用トナーパターンを感光体ドラム上レジ検センサー80で測定する(S168)。
図17は、第1実施形態に係る画像形成装置100において使用されるトナーパターンを示す図である。図17(a)は、レーザー露光量制御において用いられるトナーパターンを示す図である。本実施形態では、レーザー露光量制御用トナーパターンとして、図17(a)に示す20.0mm四方の正方形パターンを用いている。なお、レーザー露光量制御用パターンは、二個のうちの一方の感光体ドラム上レジ検センサー80Yの位置に合わせる様に、感光体ドラム1の長手方向の他方の端部1bから40mmの位置に作成している。
そして、CPU103は、トナー濃度1.35(出力値比0.15(Bk)、0.20(Y、M及びC))となるレーザー露光量を設定する(S169)。本実施形態では、図5に示すように、Vが−500Vの時に、レーザー露光量が0.1μJ/cmではVは−200V、0.2μJ/cmではVは−100Vであった。また、レーザー露光量が0.3μJ/cmではVは−50V、0.4μJ/cmではVは−25Vであった。図9(a)に示すように、トナー濃度を1.35にするためには、コントラスト電位Vcontを200Vに設定すればよい。従って、本実施形態の現像バイアス電圧の直流電圧Vdevは−300Vに設定されているので、V−Vdev=Vcontの関係から、コントラスト電位Vcont=200Vとするためには、通常画像形成時にはVを−100Vとすればよい。そのために、本実施形態の通常画像形成時におけるレーザー露光量を0.2μJ/cmに設定した。これにより、レーザー露光量制御が終了する。
【0057】
次に、ダウンタイムレジ合わせ制御を実行する(S17)。
【0058】
図18は、本実施形態におけるダウンタイムレジ合わせ制御のフローチャートを示している。まず、通常画像形成時と同一のV、Vdev、レーザー露光量(すなわち、それぞれ−500V、−300V、0.2μJ/cm)によって感光体ドラム1上にレジ合わせ用トナーパターンを作成する(S171)。そして、感光体ドラム上レジ検センサー80が、作成されたレジ合わせ用トナーパターンを読み取る(S172)。次に、作成されたパターンが中間転写ベルト91上に転写された後、中間転写ベルト上レジ検センサー81が、転写されたパターンを読み取る(S173)。
本実施形態では、レジ合わせ用トナーパターンとして、図17(b)に示す幅9.7mm、長さ18.0mmのパターンを用いた。レジ合わせ用トナーパターンは、幅6.35mm、線の太さ1.18mmの副走査方向レジ合わせ用トナーパターンMAと幅7.81mm、高さ15.62mm、線の太さ1.89mmのくの字形状の主走査方向レジ合わせ用トナーパターンMBを含んでいる。二個の感光体ドラム上レジ検センサー80X及び80Yの位置に合わせるように、感光体ドラム1の両端部から40mm離間した位置に、それぞれレジ合わせ用トナーパターンが作成される。そして、二個の中間転写ベルト上レジ検センサー81X及び81Yの位置に合わせるように、中間転写ベルト91の幅方向両端部から30mm離間した位置に、それぞれレジ合わせ用トナーパターンが転写される。なお、各画像形成部PY、PM、PC及びPBkにおいて作像した各色の副走査方向レジ合わせ用トナーパターンMAが重ならないようにするために、本実施形態ではそれぞれ20mmずつずらしている。
そしてCPU103は、感光体ドラム上レジ検センサー80および中間転写ベルト上レジ検センサー81がレジ合わせ用トナーパターンを読み取って得た値から、レーザー光照射位置におけるレジずれ補正量を計算する(S174)。
【0059】
レーザー光照射位置におけるレジずれ補正量の計算について以下に詳述する。
【0060】
図19は、レーザー光照射位置におけるレジずれ補正量の計算のフローチャートを示している。まず、感光体ドラム上レジ検センサー80X及び80Yによって読み取った感光体ドラム1上の副走査方向レジ合わせ用トナーパターンMAにおけるレジずれDYを見積もる(S1741)。また、感光体ドラム上レジ検センサー80X及び80Yによって読み取った感光体ドラム1上の主走査方向レジ合わせ用トナーパターンMBにおけるレジずれDXを見積もる(S1742)。同様に、中間転写ベルト上レジ検センサー81X及び81Yによって読み取った中間転写ベルト91上の副走査方向レジ合わせ用トナーパターンMAにおけるレジずれIYを見積もる(S1743)。また、中間転写ベルト上レジ検センサー81X及び81Yによって読み取った中間転写ベルト91上の主走査方向レジ合わせ用トナーパターンMBにおけるレジずれIXを見積もる(S1744)。そして、感光体ドラム上レジ検センサー80X、80Yおよび中間転写ベルト上レジ検センサー81X、81Yそれぞれにおいて見積もられたレジずれ量の差IDY=IY−DY、IDX=IX−DXを計算し、記憶装置105に記憶させる(S1745)。また、レーザー光照射位置におけるレジずれ補正量IY、IXを記憶装置105に保存する(S1746)。これにより、レーザー光照射位置におけるレジずれ補正量の計算が終了する。
【0061】
そして図18に示すように、レーザー光照射位置におけるレジずれ補正量の計算(S174)が終了した後に、記憶装置105に保存されたレジずれ補正量IY、IXにより画像信号の補正を行う(S175)。これにより、ダウンタイムレジ合わせ制御が終了する。
【0062】
そして図14に示すように、ダウンタイムレジ合わせ制御(S17)が終了した後、画像形成装置100の電源をオンにした時に実行されるダウンタイムレジ合わせ制御かどうかチェックする(S18)。もし、電源をオンにした時に実行されるダウンタイムレジ合わせ制御の場合には(S18のYES)、CPU103が帯電高圧電源101、現像高圧電源106及び一次転写高圧電源93の出力信号をオフにする(S19)。その後、感光体ドラム駆動手段19および中間転写ベルト駆動手段20をオフにし(S20)、ダウンタイムレジ合わせ制御シーケンスが終了する。一方、所定枚数の転写材Sに画像形成を行った時に実行されるダウンタイムレジ合わせ制御の場合には(S18のNO)、各電源の出力信号及び各手段をオフにする必要がないので、S19及びS20は省略され、ダウンタイムレジ合わせ制御シーケンスが終了する。
【0063】
〔画像形成時レジ合わせ制御シーケンス〕
以下に、本実施形態における画像形成直前にレジ合わせを行う画像形成時レジ合わせ制御シーケンスを示す。
【0064】
図20は、画像形成時レジ合わせ制御シーケンスのフローチャートを示している。まず、CPU103が感光体ドラム駆動手段19および中間転写ベルト駆動手段20をオンにする(S21)。次に、中間転写ベルト91上のレジ合わせ用トナーパターンが、二次転写外ローラー96を汚さないように、二次転写外ローラー離接機構96aを用いて二次転写外ローラー96を中間転写ベルト91から離間させる(S22)。そして、画像形成時レジ合わせ制御を実行する(S23)。
【0065】
図21は、画像形成時レジ合わせ制御のフローチャートを示している。まず、CPU103が帯電高圧電源101の出力信号をオンにする(S231)。その後、感光体ドラム1上におけるかぶり現象を防ぐために、非露光部の表面電位Vが−50Vになるまで待ち、そして現像高圧電源106の出力信号をオンにする(S232)。図22は、感光体ドラム1の非露光部の表面電位Vおよび現像バイアス電圧の直流電圧Vdevの経過時間に対する変化を示している。なお、本実施形態では帯電バイアス電圧の直流電圧Vdcと交流電圧Vacは同時に印加するものとする。また、現像バイアス電圧の直流電圧Vdevと交流電圧Vdev_acも同時に印加するものとする。従って、非露光部の表面電位Vは、図7(b)に示される交流電圧Vacが立ち上がる時間1msecを除いて、直流電圧Vdcの変化とほぼ同一の変化となる。従って、図22に示すように、非露光部の表面電位Vが−50Vになるまでの時間は、帯電高圧電源101をオンにした時(経過時間=0)から10msec後である。また、図22に示すように、現像高圧電源106をオンにすると、直流電圧Vdevが変化を始めるが、その際にかぶり取り電位Vback(=Vdev−V)が50Vに保たれるように、直流電圧Vdevの変化を制御する。これは、50Vのかぶり取り電位Vbackが確保されていないと、感光体ドラム1の非露光部にもトナーが現像されてしまうため、露光部と非露光部を区別することが難しくなるためである。また、感光体ドラム1の表面電位Vの絶対値がある程度大きくならないと、感光体ドラム1の全表面にトナーが現像されてしまうため、露光部と非露光部を区別することができなくなることにも注意が必要である。
【0066】
次に、露光装置3の光源3aの出力値を、図16に示すレーザー露光量制御によって決定された通常画像形成時におけるレーザー露光量0.2μJ/cmに設定する(S233)。
【0067】
次に、感光体ドラム1上にレジ合わせ用トナーパターンを形成する(S234)。なお、レジ合わせ用トナーパターンを形成するタイミングについては、以下のように求められる。
図23は、トナー濃度に対する正反射光量および散乱光量の出力値比の変化を示している。ここで、トナー濃度が0の時の正反射光量および散乱光量の出力値比を1に規格化している。図23に示すように、測定対象表面にあるトナーの濃度が高くなるにつれ、正反射光量および散乱光量の出力値比は一旦減少し、その後増加することがわかる。
本実施形態においては、トナーの色にかかわらず出力値比が0.85以上では下地のノイズに信号が埋もれて測定できないことが検討の結果わかった。従って、本実施形態においては、下地のノイズに信号が埋もれることなく正反射光量および散乱光量の出力値比を十分測定することができ、且つ露光部と非露光部を区別することができるために必要なトナー濃度を0.3以上としている。0.3のトナー濃度で感光体ドラム1上の静電潜像を現像するためには、図9(a)に示すように、50Vのコントラスト電位Vcontが必要である。従って、Vback=Vdev−V=50V、Vcont=V―Vdev=50V及び図5に示されるレーザー露光量と感光体ドラム1の露光部の表面電位Vとの関係を同時に満たせばよい。そのためには、通常画像形成時のレーザー露光量である0.2μJ/cmにおいて、非露光部の表面電位Vは−125V、現像バイアス電圧の直流電圧Vdevは−75V、露光部の表面電位Vは−25Vと設定すれば良いことがわかる。図22に示されるように、非露光部の表面電位V及び直流電圧Vdevがそれぞれ−125V及び−75Vとなる時間は、帯電高圧電源101の出力信号をオンにした時(経過時間=0)から25msec後であることがわかる。従って、25msec経過後のタイミングにおいてレジ合わせ用トナーパタ−ンを形成すればよい。
【0068】
図22に示されるように、本実施形態における帯電高圧電源101の立ち上げに必要となる時間、すなわち、感光体ドラム1の非露光部の表面電位Vが−500Vになるまでの時間は100msecである。一方、上で示したように、本実施形態では最も早くて帯電高圧電源101の出力信号をオンにした時から25msec後にレジ合わせ用トナーパターンを形成することができる。すなわち、本実施形態によれば、帯電高圧電源101及び現像高圧電源106が立ち上がるまでの時間の間に、レジ合わせ用トナーパターンを感光体ドラム1上に形成することができる。
具体的には、レジ合わせ用トナーパターンを形成することができるようになる時間(経過時間=25msec)から帯電高圧電源101が立ち上がるまでの時間(経過時間=100msec)の間、レジ合わせ用トナーパターンを形成することができる。すなわち本実施形態では、感光体ドラム1のプロセススピードは300mm/secなので、レジ合わせ用トナーパターンは、300mm/sec×(0.1−0.025)sec=22.5mmの領域で感光体ドラム1に形成することができる。そのために本実施形態では、図17(b)に示す幅9.7mm、長さ18.0mmのレジ合わせ用トナーパターンを用いている。そしてCPU103は、二個の感光体ドラム上レジ検センサー80X及び80Yの位置に合わせるように、感光体ドラム1の両端部から40mm離間した位置に、それぞれレジ合わせ用トナーパターンを作成する。
【0069】
図8(a)に示されるように、本実施形態における現像高圧電源106の立ち上げに必要となる時間は、制御を行わない場合は10msecであり、帯電高圧電源101の立ち上がり時間100msecよりも十分に早い。しかし、上述のように、感光体ドラム1の非露光部にトナーが現像されることを防ぐために、CPU103は、かぶり取り電圧Vback=Vdev−Vを50Vに保つように、現像バイアス電圧の直流電圧Vdevを変化させ−300Vにする。そして、現像バイアス電圧の直流電圧Vdevが−300Vとなった後、CPU103は、直流電圧Vdevを一定に保ちながら、感光体ドラム1の非露光部の電位Vを−500Vにする。
【0070】
感光体ドラム1上にレジ合わせ用トナーパターンを形成後、感光体ドラム上レジ検センサー80X及び80Yによって形成されたレジ合わせ用トナーパターンを読み取る(S235)。そして、CPU103が演算装置として以下の計算を行う。すなわち、読み取った感光体ドラム1上の副走査方向レジ合わせ用トナーパターンMAにおけるレジずれDY’を見積もり(S236)、また、感光体ドラム1上の主走査方向レジ合わせ用トナーパターンMBにおけるレジずれDX’を見積もる(S237)。次に、図19に示されるS1745において記憶装置105に記憶されていたレジずれ量の差IDY(=IY−DY)、IDX(=IX−DX)を読み出す。そして、IDY及びIDXにDY’及びDX’をそれぞれ加えることによって、中間転写ベルト91上の副走査方向レジ合わせ用トナーパターンにおけるレジずれIY’および主走査方向レジ合わせ用トナーパターンにおけるレジずれIX’を計算する(S238)。計算されたレーザー光照射位置におけるレジずれ補正量IY’およびIX’は記憶装置105に保存される(S239)。これにより、画像形成時レジ合わせ制御が終了する。
【0071】
なお本実施形態の画像形成時レジ合わせ制御においては、感光体ドラム1上にレジ合わせ用トナーパターンを形成する際に、一定のレーザー露光量を照射する構成とした。しかしながら、あらかじめ作成したテーブルなどを参照して、レーザー露光量を変化させながらレジ合わせ用トナーパターンを形成する構成にすることも可能である。
【0072】
次に図20に示すように、感光体ドラム1の非露光部の表面電位Vが−500Vとなった感光体ドラム1上の先頭部が転写位置dに到達する際に、一次転写高圧電源93を立ち上げる(S24)。そして、二次転写外ローラー離接機構96aを用いて二次転写外ローラー96を中間転写ベルト91に当接させる(S25)。その後CPU103は、記憶装置105に保存されているレーザー光照射位置におけるレジずれ補正量IY’およびIX’により画像信号の補正を行い、第2の制御装置としての役割を果たす(S26)。これにより、画像形成時レジ合わせ制御シーケンスが終了する。その後、画像形成が開始される。
【0073】
このように本実施形態によれば、帯電高圧電源101及び現像高圧電源106が立ち上がるまでの時間の間に、画像形成時レジ合わせ制御シーケンスを実行することができる。
【0074】
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態におけるレジ合わせ制御について説明する。なお、本実施形態のレジ合わせ制御は、画像形成時レジ合わせ制御シーケンスを除いて、第1実施形態と同一であるため、それらについては説明を省略する。
【0075】
〔第2実施形態における画像形成時レジ合わせ制御シーケンス〕
図24は、本実施形態における画像形成時レジ合わせ制御シーケンスのフローチャートを示している。まず、CPU103が感光体ドラム駆動手段19および中間転写ベルト駆動手段20をオンにする(S31)。次に、中間転写ベルト91上のレジ合わせ用トナーパターンが、二次転写外ローラー96を汚さないように、二次転写外ローラー離接機構96aを用いて二次転写外ローラー96を中間転写ベルト91から離間させる(S32)。そして、画像形成時レジ合わせ制御を実行する(S33)。
【0076】
図25は、画像形成時レジ合わせ制御のフローチャートを示している。まず、CPU103が帯電高圧電源101の出力信号をオンにする(S331)。その後、感光体ドラム1上におけるかぶり現象を防ぐために、非露光部の表面電位Vが−50Vになるまで待ち、そして現像高圧電源106の出力信号をオンにする(S332)。図22に示されているように、Vが−50Vになるまでの時間は、帯電高圧電源101をオンにした時(経過時間=0)から10msec後である。
【0077】
感光体ドラム1の表面に傷がついていた場合、感光体ドラム上レジ検センサー80の出力値比が小さくなることがある。そのような誤測定を考慮した場合、露光部における出力値比はなるべく小さい値になることが望ましい。図23を見ると、本発明の画像形成装置100においては、感光体ドラム1の露光部と非露光部の出力値比は、トナー濃度1.1まで単調に下がっていき、それ以上のトナー濃度では、ほぼ一定になることがわかる。従って、トナー濃度が1.1以上であれば、感光体ドラム1表面の傷に伴う誤測定の影響をなくすことができる。
【0078】
一方、本実施形態においてもレジ合わせ用トナーパターンとして、図17(b)に示す幅9.7mm、長さ18.0mmのパターンを用いるとすると、そのパターンを形成するためには、18.0mm÷300mm/sec=60msecの時間が必要となる。すなわち、帯電高圧電源101および現像高圧電源106が立ち上がる時間100msecまでにレジ合わせ用トナーパターンを形成するためには、帯電高圧電源101の出力信号をオンにしてから40msec後にパターンの形成を開始しなければならない。図22を見ると、経過時間=40msecでは、感光体ドラム1の非露光部の表面電位Vdは−200V、また現像バイアス電圧の直流電圧Vdevは−150Vになっている。第1実施形態における画像形成時レジ合わせ制御では、露光装置3の光源3aの出力値を、図16に示すレーザー露光量制御によって決定された通常画像形成時におけるレーザー露光量0.2μJ/cmに設定していた。従って同様に、本実施形態の露光装置3の光源3aの出力値を0.2μJ/cmにした場合、図5に示すように、感光体ドラム1の露光部の表面電位Vは−40Vとなる。その結果、Vcont=V−Vdevの関係より、コントラスト電位Vcontは110Vとなり、その時のトナー濃度は図9(a)に示されるように、0.7となる。すなわち、露光装置3の光源3aの出力値を通常画像形成時におけるレーザー露光量0.2μJ/cmに設定すると、トナー濃度は0.7となり、感光体ドラム1の表面の傷に伴う誤測定の影響をなくすためのトナー濃度1.1に満たなくなってしまう。
そこで、露光装置3の光源3aの出力値を通常画像形成時におけるレーザー露光量0.2μJ/cmよりも大きい、最大値の0.4μJ/cmにする。その場合、感光体ドラム1の非露光部の表面電位V=−200Vおよび現像バイアス電圧の直流電圧Vdev=−150Vにおいて、図5に示すように、感光体ドラム1の露光部の表面電位Vは−10Vとなる。その結果、コントラスト電位Vcont=−10−(−150)=140Vとなり、その時のトナー濃度は図9(a)に示されるように、1.1となることがわかる。
上記のことから、本実施形態における画像形成時レジ合わせ制御では、露光装置3の光源3aの出力値を通常画像形成時とは異なるレーザー露光量0.4μJ/cmに設定する(S333)。
【0079】
そして、帯電高圧電源101の出力信号をオンにしてから40msec経過後、感光体ドラム1上にレジ合わせ用トナーパターンを形成する(S334)。形成されたレジ合わせ用トナーパターンは感光体ドラム上レジ検センサー80によって読み取られる(S335)。
【0080】
次にCPU103が演算装置として以下の計算を行う。すなわち、読み取った感光体ドラム1上の副走査方向レジ合わせ用トナーパターンMAにおけるレジずれDY’を見積もり(S336)、また、感光体ドラム1上の主走査方向レジ合わせ用トナーパターンMBにおけるレジずれDX’を見積もる(S337)。次に、図19に示されるS1745において記憶装置105に記憶されていたレジずれ量の差IDY(=IY−DY)、IDX(=IX−DX)を読み出す。そして、IDY及びIDXにDY’及びDX’をそれぞれ加えることによって、中間転写ベルト91上の副走査方向レジ合わせ用トナーパターンにおけるレジずれIY’および主走査方向レジ合わせ用トナーパターンにおけるレジずれIX’を計算する(S338)。計算されたレーザー光照射位置におけるレジずれ補正量IY’およびIX’は記憶装置105に保存される(S339)。
そして、露光装置3の光源3aの出力値を通常画像形成時のレーザー露光量0.2μJ/cmに変更する(S340)。これにより、画像形成時レジ合わせ制御が終了する。
【0081】
なお本実施形態の画像形成時レジ合わせ制御においては、感光体ドラム1上にレジ合わせ用トナーパターンを形成する際に、一定のレーザー露光量を照射する構成とした。しかしながら、あらかじめ作成したテーブルなどを参照して、レーザー露光量を変化させながらレジ合わせ用トナーパターンを形成する構成にすることも可能である。
【0082】
次に、図24に示すように、感光体ドラム1の非露光部の表面電位Vが−500Vとなった感光体ドラム1上の先頭部が転写位置dに到達する際に、一次転写高圧電源93を立ち上げる(S34)。そして、二次転写外ローラー離接機構96aを用いて二次転写外ローラー96を中間転写ベルト91に当接させる(S35)。その後CPU103は、記憶装置105に保存されているレーザー光照射位置におけるレジずれ補正量IY’およびIX’により画像信号の補正を行い、第2の制御装置としての役割を果たす(S36)。これにより、画像形成時レジ合わせ制御シーケンスが終了する。その後、画像形成が開始される。
【0083】
このように本実施形態によれば、帯電高圧電源101及び現像高圧電源106が立ち上がるまでの時間の間に、画像形成時レジ合わせ制御シーケンスを実行することができる。
【0084】
本発明は、イエロー、マゼンタ、シアン及びブラックの4色の感光体ドラム1を有する4連タンデムドラム方式の画像形成装置100を用いて説明された。しかしながら本発明は、これに限らず、高精度なレジ合わせが必要となる、例えばブラックの感光体ドラムが1つのみある単色の画像形成装置でも好適に用いることができる。また本発明は、感光体ドラムが4つ以上ある画像形成装置においても好適に用いることができる。
また本発明は、帯電装置として各色に一本ずつの帯電ローラー2を有する画像形成装置100を用いて説明されたが、各色に複数本の帯電ローラーを有する画像形成装置にも当然用いることができる。また本発明は、帯電装置として非接触帯電装置を用いる画像形成装置にも用いることができる。
【0085】
本発明では、レーザー光照射位置の調整を記憶装置105に記憶されているレジずれ補正量をソフトウェア的に反映させることによって像露光することで行っている。しかしながらレーザー光照射位置の調整は、露光装置3内のレンズ(光学素子)の位置などを動かすことによって、すなわちハードウェア的に行う方法でも実行可能である。
また本発明では、帯電高圧電源101による帯電バイアス電圧および現像高圧電源106による現像バイアス電圧として、直流電圧と正弦波の交流電圧とを重畳した電圧を用いている。しかしながら本発明は、充分な現像性が確保されるのであれば、直流電圧のみを印加する画像形成装置にも好適に用いることができる。
なお本発明における画像形成時レジ合わせ制御シーケンスは、毎画像形成開始時に行ってもよいし、任意の画像形成開始時に行ってもよい。
【0086】
このように本発明によれば、通常画像形成可能になるまで、すなわち帯電高圧電源101及び現像高圧電源106が立ち上がるまでの時間の間に、レジ合わせ制御シーケンスを実行することができる。すなわち従来の画像形成装置において、通常画像形成可能になった後に、レジ合わせ制御シーケンスを実行していた場合に比べて、レジ合わせ制御シーケンスに必要となる時間を短縮することができ、それによりFCOTを短縮することができる。
【0087】
本発明は、電子写真方式あるいは静電記録方式の画像形成装置などに好適に用いることができる。
【符号の説明】
【0088】
1 感光体ドラム(像担持体)
2 帯電ローラー(帯電装置)
3 露光装置
4 現像装置
80 感光体ドラム上レジ検センサー(読取装置)
100 画像形成装置
101 帯電高圧電源(帯電バイアス電圧印加手段)
106 現像高圧電源(現像バイアス電圧印加手段)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像形成装置であって、
像担持体と、
前記像担持体の表面を帯電する帯電装置と、
前記帯電装置へ電圧を印加する電源と、
前記像担持体の表面に光ビームを照射して静電潜像を形成する露光装置と、
前記静電潜像をトナー像に現像する現像装置と、
前記露光装置により前記像担持体の前記表面に形成されたレジずれ検出用静電潜像を前記現像装置により現像して得られたレジずれ検出用トナー像を読取る読取装置と、
を有し、
前記帯電装置へ前記電圧を印加するために前記電源が起動されたときから、前記像担持体の前記表面の電位が通常画像形成時の電位になるまえに、前記露光装置により前記像担持体の前記表面に前記レジずれ検出用静電潜像を形成することを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
中間転写体と、
前記像担持体の上の前記トナー像を前記中間転写体へ転写する転写装置と、
前記転写装置により前記像担持体から前記中間転写体へ転写された前記レジずれ検出用トナー像を読取るもう一つの読取装置と、
前記読取装置からの出力および前記もう一つの読取装置からの出力に従って、レジずれ補正量を求める制御装置と、
を有することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記制御装置は、前記読取装置からの出力および前記もう一つの読取装置からの出力に従って、前記像担持体の上の前記レジずれ検出用トナー像と前記中間転写体の上の前記レジずれ検出用トナー像との間のレジずれ量の差を求め、前記レジずれ量の差を記憶装置に記憶させることを特徴とする請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記制御装置は、画像形成の直前に、前記読取装置からの出力および前記記憶装置に記憶された前記レジずれ量の差に従って、レジずれ補正量を求めることを特徴とする請求項3に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記制御装置は、前記レジずれ補正量に従って、前記露光装置からの前記光ビームの出力時期を制御し、あるいは、前記露光装置の中の光学素子の位置を制御することによりレジずれを補正することを特徴とする請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記露光装置は、通常画像形成時の露光量とは異なる露光量で、前記像担持体の上に前記レジずれ検出用静電潜像を形成することを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載の画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【公開番号】特開2013−54284(P2013−54284A)
【公開日】平成25年3月21日(2013.3.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−193899(P2011−193899)
【出願日】平成23年9月6日(2011.9.6)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】