説明

画像検索装置およびその方法

【課題】処理負荷を多くする事無くクエリからの特徴点の選択の反復回数を大きい数にすることを可能にする。
【解決手段】入力されたクエリ画像と登録されている比較先画像との類似を判定して、該クエリ画像に類似する画像を検索する画像検索装置は、クエリ画像から選択された特徴点と比較先画像の特徴点とをそれら特徴点の特徴量に基づいて対応付けることにより、2つの画像において対応する複数対の特徴点を抽出する。そして、複数対の特徴点から、少なくとも2対の特徴点を取得し、それらの各対に関して、2つの画像のうちの一方の画像の特徴点の座標が他方の画像の特徴点の座標と一致するように座標変換処理するための座標変換係数を決定する。そして、上記座標変換係数を用いた座標変換処理による座標の変換量があらかじめ指定された制約条件を満足する場合にのみ、2つの画像の類似判定のために、上記複数対の特徴点に関して上記座標変換係数を用いた座標変換処理を施し、一方の画像の変換後の特徴点の座標と他方の画像の対応する特徴点の座標とを比較する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像中の特徴点の類似度に基づく画像検索技術に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般に、画像の回転に対応した画像検索は、クエリ画像を回転して特徴量を求める或いは特徴量を回転変換したものを用いることにより行われていた。
【0003】
従来から提案されている画像中の特徴点の類似度に基づく画像検索技術として、特許文献1が挙げられる。特許文献1では、局所的な特徴同士の比較に基づく画像検索において、クエリ画像から無作為に選ばれた特徴点の対に類似する特徴点を登録画像中から求める。そして、対の特徴点の位置関係に基づいてクエリ画像と登録画像の間の幾何学変換関数を求め、対以外の特徴点が幾何学変換関数によって変換された場所に、登録画像の対応する特徴点が存在しているものをカウントし、類似性を判定していた。
(以下で、非特許文献1,2は「発明を実施するための形態」の欄において参照されている文献である。)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2006−065399号公報
【非特許文献】
【0005】
【非特許文献1】C. Harris and M.J. Stephens, “Acombined corner and edge detector,” In Alvey Vision Conference, pages 147-152,1988.
【非特許文献2】J.J.Koenderink and A.J.van Doorn,“Representation of local geometry in the visual system,” RiologicalCybernetics, vol.55, pp.367-375, 1987.
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記処理では、クエリ画像から無作為に選ばれた特徴点の対に対して登録画像に存在するその対に類似する特徴点が正しく対応していない場合に、クエリ画像の特徴点を幾何学変換する処理が大変重くなる。また、もし登録画像の同じ位置に特徴点が現われ無い場合には、特徴点の選び方が悪かったとし、再びクエリ画像から無作為に特徴点の対を選ぶ。
【0007】
即ち、特許文献1の画像検索処理は、特徴点の選択から幾何変換までの処理を夥しい回数こなし、その処理回数の中で適切な特徴点の対が含まれることを期待する処理であり、多くの処理コストを要するため、その改善が必要であった。また、特徴点を無作為で選ぶので、反復回数が少ないと検索結果の再現性(同一の類似度で算出される事も含む)が乏しくなるという課題もあった。
【0008】
また、検索結果に対して、回転角度や拡大・縮小率などによる絞り込みを行う場合、上記処理結果に対して処理をする場合には、更に処理が重いものと成ってしまう。
【0009】
本発明は上記の課題に鑑みてなされたものであり、処理負荷を多くする事無くクエリからの特徴点の選択の反復回数を大きい数にする事を可能にすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記の目的を達成するための本発明の一態様による画像検索装置は以下の構成を備える。すなわち、
入力されたクエリ画像と登録されている比較先画像との類似を判定して、該クエリ画像に類似する画像を検索する画像検索装置であって、
前記クエリ画像から選択された特徴点と前記比較先画像の特徴点とをそれら特徴点の特徴量に基づいて対応付けることにより、前記クエリ画像と前記比較先画像の2つの画像において対応する複数対の特徴点を抽出する抽出手段と、
前記複数対の特徴点から、少なくとも2対の特徴点を取得する取得手段と、
前記少なくとも2対の特徴点の各対に関して、前記2つの画像のうちの一方の画像の特徴点の座標が他方の画像の特徴点の座標と一致するように変換するための座標変換係数を決定する決定手段と、
前記決定手段で決定された前記座標変換係数を用いた座標変換処理による座標の変換量があらかじめ指定された制約条件を満足するか否かを判定する判定手段と、
前記判定手段で満足すると判定された場合にのみ、前記複数対の特徴点に関して、前記一方の画像の特徴点の座標を前記座標変換係数を用いた座標変換処理により変換し、変換後の特徴点の座標と前記他方の画像の対応する特徴点の座標とを前記2つの画像の類似を判定するために比較する比較手段とを備える。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、検索に対する絞り込み処理を、クエリからの特徴点の選択から幾何変換までの処理に適切に関連つける事が出来るので、余計な幾何変換処理を行わなくて済み、後処理で絞込条件に適うかの確認処理を行う必要も無くなる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】実施形態による画像登録装置の構成例を示すブロック図。
【図2】実施形態による画像検索装置の構成例を示すブロック図。
【図3】実施形態による画像の登録処理の手順を表すフローチャート。
【図4】縮小画像生成の例を示す図。
【図5】実施形態による画像の検索処理の手順を表すフローチャート。
【図6】実施形態による局所特徴の比較処理を示すフローチャート。
【図7】アフィン変換係数と幾何変換の関係を示す図。
【図8】幾何変換の制約を与えるユーザインターフェース(UI)の例を示す図。
【図9】幾何変換の制約を与えるユーザインターフェース(UI)の例を示す図。 従って、処理負荷を多くする事無くクエリからの特徴点の選択の反復回数を大きい数にする事が出来、ひいては、検索の安定性や再現性に寄与する事が出来る。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、添付の図面を参照して本発明の好適な実施形態を説明する。
【0014】
<実施形態の概要について>
本発明の特徴点の基づく画像検索方法では、回転不変の性質を持つの特徴点および回転不変の性質を持つ特徴量を用いる。登録時は従来技術と同様、登録画像の特徴点を決定し特徴点に対する特徴量を記憶しておく。この処理については、図1、図3、図4により後述する。
【0015】
検索時には、クエリ画像の特徴点から少なくとも2点を選択して、比較先画像中の対応する特徴点を求め、少なくとも2対の特徴点の座標に基づくアフィン変換関数を決定する。そして、これら2つの画像の類似度を求めるために、クエリ画像及び比較先画像の一方の画像の特徴点群の座標をアフィン変換して、他方の画像の特徴点群の座標と比較する。この処理については、図2、図4、図5、図6により詳述する。
【0016】
ここで、上述のごとく決定されたアフィン変換係数における、拡大縮小の率、回転角度、平行移動の量、変形の有無、鏡像変換の有無といた変換要素に関して、あらかじめ設定された制約条件を満たすか否かが判定される。そして、制約条件を満たすと判定された場合のみアフィン変換以降の処理を行うようにする。このようにすれば、計算負荷の重い特徴点のアフィン変換処理数を減らすことができ、最小限の計算コストで絞り込み処理が行われるので好都合である。この処理については、図6のフローチャート(特にステップS609)により詳述される。
【0017】
例えば、アフィン変換係数のうち拡大/縮小に関わる係数から、当該アフィン変換による拡大/縮小に関わる変換量(拡大・縮小率)が好ましい拡大・縮小率の範囲内に有るかどうかが判定される。そして、好ましい範囲内にあると判定された場合のみ、後段のアフィン変換以降の処理を行うようにする。このようにすれば、最小限の計算コストで拡大・縮小率に関する絞り込み処理が行われるので好都合である。
【0018】
なお、アフィン変換を用いなくとも、クエリ画像と比較先画像における選択された2つの特徴点間の距離の比率から求まる拡大・縮小率が、あらかじめ指定された拡大・縮小率の範囲内に有る場合のみアフィン変換以降の処理を行うようにしてもよい。この場合、アフィン変換係数を決定する前に拡大・縮小率に関する絞込を行なうことができ、最小限の計算コストで拡大・縮小率に関する絞り込み処理が行われるので好都合である。
【0019】
また、例えば、アフィン変換係数のうち回転に関わる係数から、当該変換量があらかじめ設定された好ましい回転角度の範囲内に有るか否かが判定される。そして、好ましい範囲内にあると判定された場合のみ、後段の比較先画像の特徴点群の座標のアフィン変換以降の処理を行うようにすることもできる。この場合、最小限の計算コストで回転角度に関する絞り込み処理が行われるので好都合である。
【0020】
また、例えば、アフィン変換係数のうち平行移動に関わる係数から、当該変換量があらかじめ指定された平行移動の距離の範囲内に有るか否かが判定される。そして、好ましい範囲内にあると判定された場合のみ、後段のアフィン変換以降の処理を行うようにすることができる。最小限の計算コストで平行移動に関する絞り込み処理が行われるので好都合である。
【0021】
上記、アフィン変換係数のうち変形に関わる設定から、変形を検索しない設定の場合、変形のない場合のみ、後段のアフィン変換以降の処理を行うようにすることができる。最小限の計算コストで変形に関する絞り込み処理が行われるので好都合である。
【0022】
なお、上述した制約条件は、例えば図8や図9に示したユーザインターフェース(UI)によりユーザが容易に指定できる。
【0023】
以上により、処理負荷を多くすること無く、アフィン変換係数を決定するための特徴点対の選択の反復回数を大きい数にすることが出来、ひいては、検索の安定性や再現性に寄与することが可能となる。
【0024】
<第1実施形態>
図1は本発明の第1実施形態における画像登録装置の構成例を示すブロック図である。図1において、100は画像登録装置であり、画像入力部102、縮小画像生成部103、局所特徴点抽出部104、局所特徴量算出部105、特徴量登録部106を備える。101は登録画像であり、画像登録装置100によって後述する画像特徴データベースに登録される画像である。107は画像特徴データベースであり、画像登録装置100により登録画像101から抽出された画像特徴が登録される。
【0025】
図2は本発明の第1実施形態における画像検索装置の構成例を示すブロック図である。図2において、200は画像検索装置であり、画像入力部202、縮小画像生成部203、局所特徴点抽出部204、局所特徴量算出部205、局所特徴量検定部206、特徴比較部207を備える。201はクエリ画像である。画像検索装置200は、画像特徴データベース107から当該クエリ画像201に類似した画像を検索する。208は検索結果画像であり、画像検索装置200が画像特徴データベース107を検索した結果として出力される画像である。
【0026】
以上のような構成を備えた本実施形態にかかる画像登録装置100及び画像検索装置200の動作例を以下に説明する。
【0027】
[画像の登録処理]
まず、画像登録装置100が行う画像の登録処理について説明する。図3は画像の登録処理の手順を表すフローチャートである。ステップS301において、画像入力部102は、登録画像101を読み込む。ステップS302において、画像入力部102の輝度成分画像生成部111は、当該登録画像101から輝度成分を抽出して輝度成分画像を生成し、当該輝度成分画像を縮小画像生成部103に渡す。また、画像入力部102は、登録画像101を特徴量登録部106に渡す。
【0028】
次に、ステップS303において、縮小画像生成部103は、画像入力部102から渡された輝度成分画像を倍率pに従って順次縮小し、縮小画像をn枚生成し、生成した縮小画像を局所特徴点抽出部104に渡す。ただし、倍率pおよび縮小画像の枚数nはあらかじめ定めておく。図4は縮小画像生成の例を示す図であり、倍率pが2の−1/4乗、縮小画像の枚数nが9の場合に縮小画像生成部103が生成する縮小画像の例を示している。図4において、401は画像入力部102から渡された輝度成分画像、402は当該輝度成分画像から倍率pに従って4回縮小された縮小画像、403は当該輝度成分画像から倍率pに従って8回縮小された縮小画像である。図4の例においては、縮小画像402は画像入力部102から渡された輝度成分画像が1/2に縮小された画像となり、縮小画像403は画像入力部102から渡された輝度成分画像が1/4に縮小された画像となる。なお、本実施形態における縮小画像は、線形補間による縮小方法により生成するものとするが、他の縮小方法が用いられてもよい。
【0029】
次に、ステップS304において、局所特徴点抽出部104は、縮小画像生成部103から渡されたn枚の縮小画像それぞれにおいて、画像の回転があってもロバストに抽出されるような特徴点(回転不変の性質を持つ特徴点)を抽出する。そして、局所特徴点抽出部104は、抽出した当該回転不変の性質を持つ特徴点を局所特徴量算出部105に渡す。なお、本実施形態では、回転不変の性質を持つ特徴点の抽出方法としてHarris作用素(非特許文献1)を用いる。具体的には、Harris作用素を作用させて得られた出力画像H上の画素について、当該画素および当該画素の8近傍にある画素(合計9画素)の画素値を調べる。そして、当該画素が局所極大(当該9画素の中で当該画素の画素値が最大になる)になる点を回転不変の性質を持つ特徴点として抽出する。このとき、当該画素が局所極大になったときでも、当該画素の値がしきい値以下の場合には回転不変の性質を持つ特徴量として抽出しないようにする。なお、回転不変の性質を持つ特徴点を抽出可能な方法であれば、本実施形態で用いた特徴点抽出方法に限らず、どのような特徴点抽出方法でも局所特徴点抽出部104に適用可能である。
【0030】
次に、局所特徴量算出部105では、局所特徴点抽出部104から渡された回転不変の性質を持つ特徴点それぞれについて、ステップS305により画像の回転があっても不変となる局所特徴量(回転不変の性質を持つ局所特徴量)を算出する。抽出した当該回転不変の性質を持つ局所特徴量は座標情報と関連付けされた上で、特徴量登録部106に渡される。ここで、本実施形態では、回転不変の性質を持つ特徴量の算出方法としてLocalJet(非特許文献2)およびそれらの導関数の組み合わせを用いる。具体的には、式(1)に示す回転不変の性質を持つ特徴量を算出する。
【数1】

【0031】
ただし、式(1)右辺で用いている記号は以下に示す式(2)から式(7)で定義される。ここで、式(2)はガウス関数と画像との畳み込み演算である。
【数2】

【0032】
なお、回転不変の性質を持つ特徴量を算出可能な方法であれば、本実施形態で用いた特徴量算出方法に限らず、どのような特徴量算出方法でも局所特徴量算出部105に適用可能である。
【0033】
次に、ステップS306において、特徴量登録部106は、局所特徴量算出部105から渡された回転不変の性質を持つ特徴量と画像入力部102から渡された登録画像101とを関連付け、画像特徴データベース107に登録する。以上で画像登録装置100による画像登録処理が終了する。
【0034】
[画像の検索処理]
次に、画像検索装置200による画像の検索処理を説明する。図5は、第1実施形態による画像の検索処理の手順を表すフローチャートである。
【0035】
ステップS501において、画像入力部202は、クエリ画像201を読み込む。次に、ステップS502において、画像入力部202の閾値指定処理部211が、検索結果に期待するクエリ画像に対する拡大率の範囲、回転角度の範囲、平行移動の範囲のユーザ指定を受け付ける。但し、これら3項目を全て指定する必要は無く、特に制限を設けたい項目に対して範囲の指定を行えるようにすることが好ましい。
【0036】
図8にこの幾何変換の制約を与えるユーザインターフェース(UI)の例を示す。チェックボックスにチェックを入れた項目に対してのみ制約を行い、例えば、各項目に対する制約はANDで制約が掛かるようにする。もちろん、論理式で指定できるようにする事も当然可能である。また、当然であるが、テキストボックスに入力された値の範囲に対する大小関係の不整合のチェックおよびユーザへの警告は当然行う。
【0037】
以上のようにして指定された制約の値は、閾値指定処理部211により一時記憶される。
【0038】
次に、ステップS503において、画像入力部202の輝度成分画像生成部212は、当該クエリ画像201から輝度成分を抽出して輝度成分画像を生成し、生成した輝度成分画像を縮小画像生成部203に渡す。
【0039】
次に、ステップS504において、縮小画像生成部203は、画像入力部202から渡された輝度成分画像を倍率pに従って順次縮小し、縮小画像をn枚生成して当該縮小画像を局所特徴点抽出部204に渡す。ただし、倍率pおよび縮小画像の枚数nは前述の画像登録装置100における画像の登録処理で用いた値と同じ値にする。
【0040】
次に、ステップS505において、局所特徴点抽出部204は、縮小画像生成部203から渡されたn枚の縮小画像それぞれにおいて、画像の特徴点(回転不変の性質を持つ特徴点)を抽出する。抽出した当該回転不変の性質を持つ特徴点は局所特徴量算出部205に渡される。ここで本実施形態では、回転不変の性質を持つ特徴点の抽出方法として前述の画像の登録処理で用いた方法と同様に、Harris作用素を用いる。より具体的には、Harris作用素を作用させて得られた出力画像H上の画素について、当該画素および当該画素の8近傍にある画素(合計9画素)の画素値を調べられる。そして、当該画素が局所極大(当該9画素の中で当該画素の画素値が最大になる)になる点が回転不変の性質を持つ特徴点として抽出される。このとき、当該画素が局所極大になったときでも、当該画素の値があらかじめ定められたしきい値以下の場合には回転不変の性質を持つ特徴量として抽出しないようにする。なお、回転不変の性質を持つ特徴点を抽出可能な方法であれば、本実施形態で用いた特徴点抽出方法に限らず、どのような特徴点抽出方法でも局所特徴点抽出部204に適用可能である。
【0041】
次に、ステップS506において、局所特徴量算出部205は、局所特徴点抽出部204から渡された回転不変の性質を持つ特徴点それぞれについて、画像の回転があっても不変となる局所特徴量(回転不変の性質を持つ局所特徴量)を算出する。抽出した当該回転不変の性質を持つ局所特徴量は座標情報と関連付けされた上で局所特徴量検定部206に渡される。ここで、回転不変の性質を持つ特徴量の算出方法は前述の画像の登録処理で用いた方法と同じ方法を使用する。すなわち、本実施形態では、LocalJetおよびそれらの導関数の組み合わせを用い、式(1)に示す回転不変の性質を持つ特徴量を算出する。局所特徴量検定部206は局所特徴量の変動を検定し、変動の少ない局所特徴量のみ合格とする。
【0042】
次に、ステップS507において、特徴比較部207は、局所特徴量検定部206から渡された回転不変の性質を持つ特徴量と画像特徴データベース107に登録されている回転不変の性質を持つ特徴量とを比較する。この比較は、ステップS502で与えたアフィン変換係数の閾値を考慮しながら、画像特徴データベース107に登録されている登録画像ごとに実施される。そして、比較の結果として登録画像ごとにスコアが算出される。なお、スコアの算出方法については図6のフローチャートにより後述する。
【0043】
次に、ステップS508において、特徴比較部207は、算出した当該類似度と当該類似度の算出元となった画像とを関連付けて検索結果リストを作成した後、当該スコアを降順にソートする。そして、特徴比較部207は、スコアが大きい画像と当該画像のスコアとをソート順に検索結果208として出力する。
【0044】
[スコアの算出方法]
次に、本実施形態における(ステップS507における)スコアの算出方法を説明する。ここで、局所特徴点抽出部204及び局所特徴量算出部205から渡された、回転不変の性質を持つ特徴量をVs、回転不変の性質を持つ特徴量に関連付けされている座標をS(x,y)とする。また、画像特徴データベース107に登録されている画像R上に存在する回転不変の性質を持つ特徴量をVq、回転不変の性質を持つ特徴量に関連付けされている座標をQ(x’,y’)とする。
【0045】
以下、特徴比較部207における類似度(スコア)の算出手順を図6に示すフローチャートに従って説明する。
【0046】
ステップS601において、特徴比較部207は、検索されるべき画像のクエリ画像に対する拡大率の範囲、回転角度の範囲、平行移動の範囲、の指定を画像入力部202(閾値指定処理部211)より受け取る。ステップS502で上述したように、これら3項目を全て指定する必要は無く、特に制限を設けたい項目に対して範囲の指定を行えるようにすることが好ましい。
【0047】
次に、ステップS602により、最終投票数を表す変数VoteMaxを0に初期化する。次に、ステップS603により、VqとVsとの特徴量間距離をすべての組み合わせについて計算し、最短距離対応点リストを作成する。このように、クエリ画像から選択された特徴点を、その特徴量に基づいて、登録されている比較先画像の特徴点と対応付けることにより、クエリ画像と比較先画像で対応する複数対の特徴点が抽出される。
【0048】
この最短距離対応点を求める際に、先に、クエリ画像の各特徴点に対して記憶しているマハラノビスの距離を算出するための観測値をX=(X1,X2,…,Xp)'とし、母集団jの分散共分散行列Σjの逆行列Σj-1と平均(重心)μを用いて式(8)に基づいて距離djを求める。そして、求めた距離と分散共分散逆行列を含む最短距離対応点リストを作成する。
【0049】
dj2=(X−μj)'Σj-1(X−μj) …(8)
すなわち、計算した特徴量間距離がしきい値Tv以下となり、かつ、最短距離となるようなVqとVsとの組み合わせ(対応点)を抽出し、最短距離対応点リストに登録する。以後、本実施形態の説明では、最短距離対応点リストに登録された対応点について、当該対応点の回転不変の性質を持つ特徴量をそれぞれVq(k)とVs(k)と記載する。また、それらVq(k)とVs(k)に対応付けられている座標についてはそれぞれQk(x’k,y’k)、Sk(xk,yk)などと添え字をつけて記載する。また、ステップS603で作成された最短距離対応点リストに登録された対応点の組数をm組とする。
【0050】
次に、ステップS604により、類似度算出処理の反復カウント数を表す変数Countを0に初期化する。次に、ステップS605により、反復カウント数Countがあらかじめ定めた最大反復処理回数Rnを超えていないか判定する。超えている場合はステップS621により最終投票数VoteMaxを出力して処理を終了する。超えていない場合は、ステップS606に移る。S621で総合類似度算出処理に関する詳細説明は、後で行う。
【0051】
ステップS606では、投票数を表す変数Voteを0に初期化する。次に、ステップS607において、複数対の特徴点から、少なくとも2対の特徴点が取得される。本実施形態では、ステップS603で生成された最短距離対応点リストから対応点の組の座標をランダムに2組抽出する。本実施形態では、これらの座標をQ1(x’1,y’1)、S1(x1,y1)およびQ2(x’2,y’2)、S2(x2,y2)と記載する。
【0052】
次に、ステップS608において、ステップS607で抽出した2対の特徴点の各対の座標を、クエリ画像と比較先画像とで一致させるように、座標変換処理のための座標変換係数が決定される。本実施形態では、座標変換処理として、アフィン変換を用いる。即ち、ステップS607により、抽出したQ1(x’1,y’1)、S1(x1,y1)およびQ2(x’2,y’2)、S2(x2,y2)が式(9)に示す変換を満たしていると仮定し、式(9)中の変数a〜fを求める。ただし、図6に示すフローチャート中のステップS608では、変数a〜dで構成される行列をM、変数e〜fで構成される行列をTで示している。
【数3】

【0053】
ここで、本実施形態では、簡単のため回転変換、相似変換および平行移動の組み合わせだけを考える。このとき、式(9)は式(10)のように書き換えられる。
【数4】

【0054】
このとき、変数a、b、e、fはx’1、y’1、x1、y1、x’2、y’2、x2、y2を使って式(11)から式(14)で表される。
【数5】

【0055】
図7に式(9)におけるアフィン変換係数と、幾何変換の関係を示す。ここで、式(11)から式(14)にて得たa,b,e,fと、図8の表において敷き(10)の導出の際に設けたb=−c、d=aの制約を用いて考える。
【0056】
回転行列に拡大・縮小行列を掛けても、単に回転行列をS倍したものになるだけである。
【0057】
従って、cosΘ + sinΘ = 1の制約を用い、
拡大率 S=sqrt(a+b) …(15)
で拡大率が求まる。従って、
回転角度 Θ= cos-1(a/S) …(16)
となる。もちろん、
平行移動ベクトル T=(e,f) …(17)
となる。
【0058】
そしてステップS609において、特徴比較部207は、上記のようにして決定された座標変換係数(アフィン変換係数)を用いた座標変換処理(アフィン変換処理)による座標の変換量が予め指定された制約条件を満足するか否かを判定する。即ち、ステップS601であらかじめ与えられ一時記憶しておいた拡大・縮小率の範囲、回転角度の範囲、平行移動ベクトルの範囲と、上記式(15)、式(16)および式(17)で得たS、ΘおよびTとをステップS609で比較する。この比較の結果、これらの条件を全て満たす場合にのみ処理はステップS610に進み、一つでも満たさないものがある場合にはステップS605で別の対応点の選択を行う事になる。
【0059】
もちろん、範囲を与えなかった項目に関しては考慮する必要は無く、例えば、拡大率の範囲のみが指定されていれば、その範囲に式(15)で得たSが入っているかどうかだけを判断すれば良い。
【0060】
次に、ステップS610では、ステップ607において当該最短距離対応点リストからランダムに抽出された2組の点以外の点を選択するために、対応点選択変数kを3に初期化する。次に、ステップ611により、対応点選択変数kが当該最短距離対応点リストに登録されている対応点の組数mを超えていないか判定する。超えている場合はステップS618に処理を移すが、これについては後述する。ステップS611における判定で対応点選択変数kが当該最短距離対応点リストに登録されている対応点の組数mを超えていない場合は、処理はステップS612に進む。
【0061】
ステップS612において、特徴比較部207は、ステップ607において当該最短距離対応点リストからランダムに抽出された2組の点S1(x1,y1)およびS2(x2,y2)以外の点を、当該最短距離対応点リストから抽出する。本実施形態では、抽出された点をSk(xk,yk)と記載する。
【0062】
次に、ステップS613において、特徴比較部207は、Sk(xk,yk)が式(9)を使って移される座標S’(x’k,y’k)を求める。
【0063】
その後、ステップS614において、特徴比較部207は、座標S’(x’k,y’k)と座標Qk(x’k,y’k)との幾何学的距離をユークリッド距離で計算し、当該ユークリッド距離がしきい値Td以下であるかどうかを判定する。当該ユークリッド距離がしきい値Td以下の場合には、特徴比較部207は、ステップS615において、Voteに対する対応点の対S’k,Qkを記憶する。そして、更にステップS616において、投票数Voteをインクリメントし、ステップS617に処理を移す。当該ユークリッド距離がしきい値Tdより大きい場合には、何もせずにステップS617に処理を移す。
【0064】
ステップS617では、対応点選択変数kをインクリメントし、処理はステップS611に戻る。
【0065】
次に、ステップ611において対応点選択変数kが当該最短距離対応点リストに登録されている対応点の組数mを超えていた場合の処理であるステップS618を説明する。特徴比較部207は、ステップ618において、投票数Voteの値と最終投票数VoteMaxの値とを比較し、投票数Voteの値が最終投票数VoteMaxの値よりも大きい場合はステップS619の処理を実行する。ステップS619において、特徴比較部207は、最終投票数VoteMaxの値を投票数Voteの値で置き換えた後、ステップS620でCountをインクリメントし、ステップS605に処理を戻す。また、投票数Voteの値と最終投票数VoteMaxの値とを比較し、投票数Voteの値が最終投票数VoteMaxの値以下の場合は、ステップS619をスキップして、ステップS620でCountをインクリメントした後、ステップS605に処理を戻す。
【0066】
以上のように、第1実施形態によれば、抽出された2対の特徴点に基づいて決定された座標変換係数を用いた座標変換処理の変換量が予め指定された制約条件を満足する可動化が判定される。そして、満足すると判定された場合にのみ、クエリ画像と比較先画像の類似を判定するべく、一方の画像の特徴点群の座標を当該座標変換係数を用いた座標変換処理により変換し、他方の画像の対応する特徴点群の座標と比較する処理が実行される。したがって、本実施形態にかかる画像検索装置は、クエリ画像から算出された回転不変の性質を持つ特徴量の変動を検定して変動の大きい回転不変の性質を持つ特徴量を検索時に使わないように構成されている。このため、無駄な座標変換処理を行うことなく、検索精度の低下を抑制することが可能になる。したがって、処理負荷を多くする事無くクエリからの特徴点の選択の反復回数を大きい数にする事が出来るという利点が得られる。
【0067】
なお、クエリ画像と比較先画像との拡大・縮小率は、複数対の特徴点(第1実施形態では2対の特徴点)について、クエリ画像における特徴点間の距離と比較先画像における特徴点間の距離との比率から求めることも可能である。そして、このようにして求めた拡大・縮小の率があらかじめ指定された制約条件を満足しない場合は、当該複数対の特徴点に関してステップS607、S608の処理を禁止して、次の新たな特徴点の対を取得するようにしてもよい。この場合、座標変換係数を算出する処理(ステップS608)から座標変換後の座標値を比較する処理(ステップS617)の実行が禁止されることになる。同様に、特徴点の各対を結ぶ直線のなす角から回転角度を求めることもできる。このような構成は、処理負荷を多くする事無くクエリからの特徴点の選択の反復回数を大きい数にする事が出来るという本実施形態の利点に更に寄与するものである。
【0068】
<第2実施形態>
第1実施形態におけるスコア算出方法の説明では、回転変換、相似変換および平行移動の組み合わせを説明したが、適用可能な幾何学変換はこれらに限られるものではない。上記以外の幾何学変換についても、図6のフローチャートのステップS608においてそれぞれに応じた変換行列を求めることにより、対応可能である。たとえば、アフィン変換の場合は、まず、ステップS607でランダムに選択する対応点の組の座標数を3とする。次に、ステップS608において式(9)ではなく式(8)を使うこととし、ステップS606で選択した3組の対応点(合計6点)を使って変数a〜fを求めればよい。
【0069】
図9に幾何変換の制約を与えるための、閾値指定処理部211によって提供されるUIの例を示す。
【0070】
まず、変形を伴う拡大・縮小である場合には
a≠d or b≠(−c) …(18)
となるので、この条件を参照することにより変形を検索しないようにする事が可能である。即ち、変形が有るものを検索しない制約で検索を行う場合には、上記式(18)を満たす場合に、次の対応点の処理ステップS605に移るようにすればよい。
【0071】
他方、上記、a,b,c,dを式(15)により求めたSでわった結果が−1,0,0,1になるかで鏡像が検出できるので、鏡像画像の検索を制約に加えることも可能である。
【0072】
この「鏡像画像を検索する」のチェックと、「変形を検索しない」のチェックはどちらか片方しかチェックできないように制御する必要がある。
【0073】
尚、回転変換、相似変換および平行移動に関しては、第1実施形態と同様の方法で範囲の制約を掛ける事が可能である。
【0074】
更に、回転に関しては、画像中の文字画像の文字認識(OCR)結果に基づく方向検知処理を行い、方向補正を行った上で指定の回転角度範囲の画像を検索する事も当然考えられる。また、上記各実施形態では、クエリ画像の特徴点をアフィン変換し、アフィン変換後の座標と比較先画像の特徴点の座標とを比較したが、比較先画像の特徴点をアフィン変換し、アフィン変換後の座標とクエリ画像の特徴点の座標とを比較してもよい。
【0075】
以上のように、第1及び第2実施形態によれば、検索に対する絞り込み処理を、クエリからの特徴点の選択から幾何変換までの処理に最適に関連つける事が出来る。そのため、余計な幾何変換処理を行わずに済み、後処理で絞込条件に適うかの確認処理を行う必要も無くなる。
【0076】
従って、処理負荷を多くする事無くクエリからの特徴点の選択の反復回数を大きい数にする事が出来、ひいては、検索の安定性や再現性に寄与する事が可能となる。
【0077】
<他の実施形態>
以上、実施形態を詳述したが、本発明は、例えば、システム、装置、方法、プログラムもしくは記憶媒体等としての実施態様をとることが可能である。具体的には、複数の機器から構成されるシステムに適用しても良いし、また、一つの機器からなる装置に適用しても良い。
【0078】
尚、本発明は、ソフトウェアのプログラムをシステム或いは装置に直接或いは遠隔から供給し、そのシステム或いは装置のコンピュータが該供給されたプログラムコードを読み出して実行することによって前述した実施形態の機能が達成される場合を含む。この場合、供給されるプログラムは実施形態で図に示したフローチャートに対応したコンピュータプログラムである。
【0079】
また、コンピュータが、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体から格納されているプログラムを読み出し、そのプログラムの指示に基づき、コンピュータ上で稼動しているOSなどとの協働で実施形態の機能が実現されてもよい。この場合、OSなどが、実際の処理の一部または全部を行ない、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
入力されたクエリ画像と登録されている比較先画像との類似を判定して、該クエリ画像に類似する画像を検索する画像検索装置であって、
前記クエリ画像から選択された特徴点と前記比較先画像の特徴点とをそれら特徴点の特徴量に基づいて対応付けることにより、前記クエリ画像と前記比較先画像の2つの画像において対応する複数対の特徴点を抽出する抽出手段と、
前記複数対の特徴点から、少なくとも2対の特徴点を取得する取得手段と、
前記少なくとも2対の特徴点の各対に関して、前記2つの画像のうちの一方の画像の特徴点の座標が他方の画像の特徴点の座標と一致するように変換するための座標変換係数を決定する決定手段と、
前記決定手段で決定された前記座標変換係数を用いた座標変換処理による座標の変換量があらかじめ指定された制約条件を満足するか否かを判定する判定手段と、
前記判定手段で満足すると判定された場合にのみ、前記複数対の特徴点に関して、前記一方の画像の特徴点の座標を前記座標変換係数を用いた座標変換処理により変換し、変換後の特徴点の座標と前記他方の画像の対応する特徴点の座標とを前記2つの画像の類似を判定するために比較する比較手段とを備えることを特徴とする画像検索装置。
【請求項2】
前記抽出手段は、前記クエリ画像と前記比較先画像とから、回転不変の性質を持つ複数の特徴点を抽出し、前記複数の特徴点の各々の特徴量を算出し、算出された特徴量に基づいて前記比較先画像の特徴点と対応付けることにより前記複数対の特徴点を抽出することを特徴とする請求項1に記載の画像検索装置。
【請求項3】
前記座標変換はアフィン変換であり、
前記座標変換係数はアフィン変換係数であり、
前記制約条件は、アフィン変換による拡大縮小の率、回転角度の大きさ、平行移動の量、変形の有無、鏡像変換の有無の少なくとも何れかの変換量に関する制約条件であることを特徴とする請求項1に記載の画像検索装置。
【請求項4】
前記取得手段で取得した前記少なくとも2対の特徴点について、前記クエリ画像における特徴点間の距離と前記比較先画像における特徴点間の距離との比率から拡大縮小の率を求め、当該拡大縮小の率があらかじめ指定された制約条件を満足しない場合は、前記複数対の特徴点について前記取得手段、前記決定手段、前記比較手段による処理の実行を禁止する禁止手段を更に備えることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の画像検索装置。
【請求項5】
前記制約条件をユーザに指定させるためのユーザインターフェースを提供する手段を更に備えることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の画像検索装置。
【請求項6】
入力されたクエリ画像と登録されている比較先画像との類似を判定して、該クエリ画像に類似する画像を検索する画像検索方法であって、
前記クエリ画像から選択された特徴点と前記比較先画像の特徴点とをそれら特徴点の特徴量に基づいて対応付けることにより、前記クエリ画像と前記比較先画像の2つの画像において対応する複数対の特徴点を抽出する抽出工程と、
前記複数対の特徴点から、少なくとも2対の特徴点を取得する取得工程と、
前記少なくとも2対の特徴点の各対に関して、前記2つの画像のうちの一方の画像の特徴点の座標が他方の画像の特徴点の座標と一致するように変換するための座標変換係数を決定する決定工程と、
前記決定工程で決定された前記座標変換係数を用いた座標変換処理による座標の変換量があらかじめ指定された制約条件を満足するか否かを判定する判定工程と、
前記判定工程で満足すると判定された場合にのみ、前記複数対の特徴点に関して、前記一方の画像の特徴点の座標を前記座標変換係数を用いた座標変換処理により変換し、変換後の特徴点の座標と前記他方の画像の対応する特徴点の座標とを前記2つの画像の類似を判定するために比較する比較工程とを有することを特徴とする画像検索方法。
【請求項7】
前記抽出工程は、前記クエリ画像と前記比較先画像とから、回転不変の性質を持つ複数の特徴点を抽出し、前記複数の特徴点の各々の特徴量を算出し、算出された特徴量に基づいて前記比較先画像の特徴点と対応付けることにより前記複数対の特徴点を抽出することを特徴とする請求項6に記載の画像検索方法。
【請求項8】
前記座標変換はアフィン変換であり、
前記座標変換係数はアフィン変換係数であり、
前記制約条件は、アフィン変換による拡大縮小の率、回転角度の大きさ、平行移動の量、変形の有無、鏡像変換の有無の少なくとも何れかの変換量に関する制約条件であることを特徴とする請求項6に記載の画像検索方法。
【請求項9】
前記取得工程で取得した前記少なくとも2対の特徴点について、前記クエリ画像における特徴点間の距離と前記比較先画像における特徴点間の距離との比率から拡大縮小の率を求め、当該拡大縮小の率があらかじめ指定された制約条件を満足しない場合は、前記複数対の特徴点について前記取得工程、前記決定工程、前記比較工程による処理の実行を禁止する禁止工程を更に有することを特徴とする請求項6乃至8のいずれか1項に記載の画像検索方法。
【請求項10】
前記制約条件をユーザに指定させるためのユーザインターフェースを提供する工程を更に有することを特徴とする請求項6乃至9のいずれか1項に記載の画像検索方法。
【請求項11】
請求項6乃至10のいずれか1項に記載の画像検索方法をコンピュータに実行させるためのコンピュータプログラム。
【請求項12】
請求項6乃至10のいずれか1項に記載の画像検索方法をコンピュータに実行させるためのコンピュータプログラムを格納したコンピュータ読み取り可能な記憶媒体。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate


【公開番号】特開2010−272091(P2010−272091A)
【公開日】平成22年12月2日(2010.12.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−125844(P2009−125844)
【出願日】平成21年5月25日(2009.5.25)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】