説明

画像照合プログラム、画像照合方法、及び画像照合装置

【課題】画像検索に必要な処理時間を短縮できる画像照合プログラム、画像照合装置、画像照合方法、及び画像検索システムを提供することを目的とする。
【解決手段】入力画像を取得する入力画像取得部21と、入力画像を輝度値に応じた領域に分割する領域分割部23と、領域毎に領域内の一点を示す代表点座標を取得する代表点座標生成部25と、代表点座標における入力画像の輝度値を取得する第1輝度値テーブル作成部27と、蓄積画像を取得する蓄積画像取得部31と、代表点座標における蓄積画像の輝度値を取得する第2輝度値テーブル作成部35と、入力画像と蓄積画像の代表点座標における輝度値の差が所定範囲内か否かを、全ての前記代表点座標について判別することにより前記第1の画像と前記第2の画像とを照合する画像照合部13により画像照合装置を構成することにより、上記課題の解決を図る。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像照合プログラム、画像照合方法、画像照合装置、及び画像検索システムに関する。
【背景技術】
【0002】
大量の蓄積画像から入力画像と一致する画像を高速に検索する画像検索の応用例として、例えば映像監視システムがある。このような映像監視システムを異常検知システムとして用いる際には、正常な状態のときに撮影した大量の蓄積画像全てと入力画像とを比較する。そして、蓄積画像の中に入力画像と一致する画像があるか否かを確認することにより、監視対象に異常が発生していないか否かを判定する。また、著作権違反の画像があるか否かを確認する画像検索システムにも、上記のような画像検索の応用が可能である。このような大量の蓄積画像の中から入力画像と一致する画像を検索するシステムの実現においては、比較する画像の数が多いため、画像照合処理の高速化が求められる。
【0003】
2枚の画像が一致するか否かを高速に比較する代表的な方法として、coarse−to−fine法(粗密探索法)がある。この方法では、最初に解像度の低い画像で比較した結果を基にして、より高い解像度の画像で探索を行う。この方法について、図1を参照しながら説明する。図1は、coarse−to−fine法の処理を概念的に示す図である。図1に示すように、入力画像400がある場合に、まず例えば画像401のように、破線で4分割してそれぞれの領域の平均輝度値を求め、解像度の低い画像402を作成する。
【0004】
同様に、データベース410に蓄積された画像412についても、4分割した領域の平均輝度値を求め、解像度の低い画像データ414を作成する。そして、画像402と画像414との平均輝度値を比較することにより、入力画像に類似した画像を探索する。画像416、420についても、4分割した領域の平均輝度値を求め、画像データ418、422を作成することにより画像402と比較する。このように最初に低解像度の画像で比較を行い、一致しないものを検索対象から除去することにより、効率のよい検索を行うことを目的としている。
【0005】
また、画像データベースの対象画像の中から、索引となる画像と同一もしくは類似する画像を検索する方法が提案されている。この方法では、画像の平均色や代表色などの特徴量を抽出して、画像を共通する特徴量を有する多角形の領域に分割し、索引となる画像の分割領域と画像データベース内の画像の分割領域との類似度を比較する。この方法により、精度の高い照合を行うことを目的としている。
【0006】
さらに、2つの画像のうち第1の画像を小領域に分割し、1つの小領域を選択して相関を計算することにより求められる類似度に基づいて、類似する領域を検出する方法も提案されている。
【0007】
他の領域分割の方法としては、一つの画像において、明るさ、色、テクスチャなど局所的な特徴が一様な部分画像に分割する手法も知られている。例えば、単純領域拡張法は、画像平面上で、隣接画素間の濃度レベル差に基づいて分割を行う方法である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開平11−167634号公報
【特許文献2】特開2003−132354号公報
【非特許文献】
【0009】
【非特許文献1】尾上守夫、曽根光男、“ピラミッド構造の階層間の幾何学的対応に基づいた画像の高速重ね合わせ、” 信学論(D)、vol.J70−D、no.1、pp.139−147、1987
【非特許文献2】新編 画像解析ハンドブック:高木幹雄・下田陽久 監修 2004年9月10日初版、東京大学出版会、1651−1668ページ
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかしながら、上記のようなcoarse−to−fine法では、図1に示したような画像412、416、420は、異なる画像であるにもかかわらず、画像データ414、418、422が同一になってしまう。このように、入力画像に類似した画像では、最初に分解能が低い粗い解像度で比較したときには差がほとんどないため、初期段階からより高い解像度による比較が必要になり、処理時間の短縮効果が得られないという問題がある。
【0011】
また、画像の類似度で判定する上記のような方法を、入力画像と大量の蓄積画像との比較において適用するためには、全ての蓄積画像に対して領域分割処理が必要となり、処理時間がかかるという問題がある。
【0012】
そこで、本発明は、大量で入力画像に類似する画像が多い蓄積画像と入力画像を比較する画像検索においても適用が可能で、画像検索の全体の処理時間を短縮することが可能な画像照合プログラム、画像照合方法、画像照合装置、および画像検索システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
一つの態様である画像照合プログラムは、第1の画像取得部を介して第1の画像を取得し、前記第1の画像を画素値に応じた領域に分割する処理を行い、前記領域に分割する処理の結果得られた一つ以上の領域において各領域内の一点を示す代表点の座標を取得する。また、前記代表点における前記第1の画像の画素値を取得し、前記代表点の座標と、前記第1の画像の画素値とを関連付けて記憶部に格納する。さらに、第2の画像取得部を介して第2の画像を取得し、前記記憶部から前記代表点の座標を読み出し、前記代表点における前記第2の画像の画素値を取得する。そして、前記記憶部から前記第1の画像の前記代表点における画素値を読み出し、前記第1の画像の前記代表点における画素値と前記第2の画像の前記代表点における画素値との差が所定範囲内か否かを判別する。この判別を前記一つ以上の領域の各代表点について行うことにより、前記第1の画像と前記第2の画像とを照合する、処理を行わせることを特徴としている。
【0014】
また、別の態様である画像照合装置は、第1の画像を取得する第1の画像取得部と、前記第1の画像を画素値に応じた領域に分割する処理を行う領域分割部と、を有している。また、前記領域分割部の処理の結果得られた一つ以上の領域において各領域内の一点を示す代表点の座標を取得する代表点座標生成部と、前記代表点における前記第1の画像の画素値を取得する第1の画素値取得部と、を有している。前記代表点の座標と、前記第1の画像の画素値とを対応付けて記憶する記憶部も備えている。さらに、第2の画像を取得する第2の画像取得部と、前記記憶部から前記代表点の座標を読み出し、前記代表点における前記第2の画像の画素値を取得する第2の画素値取得部を有する。前記記憶部から前記第1の画像の前記代表点における画素値を読出し、前記第1の画像の前記代表点における画素値と前記第2の画素値取得部が取得した前記第2の画像の前記代表点における画素値との差が所定範囲内か否かを判別する照合部も有する。照合部は、前記一つ以上の領域の各代表点について上記判別を行うことにより、前記第1の画像と前記第2の画像とを照合することを特徴としている。
【0015】
さらに別の態様である画像照合方法は、第1の画像を取得する工程と、前記第1の画像を画素値に応じた領域に分割する処理を行う工程と、その結果得られた一つ以上の領域において各領域内の一点を示す代表点の座標を取得する工程と、を有している。また、前記一つ以上の領域の各代表点における前記第1の画像の画素値を取得する工程と、前記代表点の座標と、前記第1の画像の画素値とを対応付けて記憶する工程とを有している。さらに、第2の画像を取得する工程と、前記記憶する工程において記憶された前記代表点の座標を読み出し、前記代表点における前記第2の画像の画素値を取得する工程を有している。また、前記第1の画像と前記第2の画像とを照合する工程も有している。前記照合する工程では、前記記憶する工程において記憶された前記第1の画像の前記代表点における画素値を読出し、前記第1の画像の前記代表点における画素値と前記第2の画像の前記代表点における画素値との差が所定範囲内か否かを判別することを特徴としている。
【0016】
また、画像を撮影し、画像データを出力する撮影装置と、前記撮影装置で撮影した画像を蓄積する画像蓄積装置と、上記画像照合装置と、を有し、前記第1の画像は、前記撮影装置から前記第1の画像取得部に送出され、前記第2の画像は、前記画像蓄積装置から前記第2の画像取得部により取得され、前記画像蓄積装置に蓄積された前記第2の画像の中で、前記第1の画像と一致する画像があるか否かを検索することを特徴とする画像検索システムによっても、上記課題の解決を図ることができる。
【発明の効果】
【0017】
上述した態様の画像照合プログラム、画像照合装置、画像照合方法、及び画像検索システムによれば、画像検索に必要な処理時間を短縮することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】coarse−to−fine法の処理を概念的に示す図である。
【図2】第1の実施の形態による画像検索システム1を説明する図であり、(a)は画像検索システム1の構成を示す図、(b)は、画像検索を説明する図である。
【図3】第1の実施の形態による画像照合装置の構成の概要を示す図である。
【図4】第1の実施の形態による画像照合装置の構成を詳細に示すブロック図である。
【図5】第1の実施の形態による画像検索システムの動作を示すフローチャートである。
【図6】第1の実施の形態による前処理の詳細を示すフローチャートである。
【図7】第1の実施の形態による領域分割の処理の一例を示すフローチャートである。
【図8】第1の実施の形態による画像の領域分割の一例を示す図であり、(a)は、入力画像を示す図であり、(b)は、領域分割された画像を示す図である。
【図9】第1の実施の形態による代表点座標算出処理の動作を示すフローチャートである。
【図10】第1の実施の形態による代表点算出の処理の一例を説明する図であり、(a)は領域と代表点の位置関係を示す図、(b)は、入力画像における代表点の位置を示す図である。
【図11】第1の実施の形態による入力画像用輝度値テーブルの一例を示す図である。
【図12】第1の実施の形態による蓄積画像用輝度値テーブルの一例を示す図である。
【図13】第1の実施の形態による照合テーブルの一例を示す図である。
【図14】第1の実施の形態による入力画像と蓄積画像との照合処理を説明する図である。
【図15】第1の実施の形態による輝度値の判別の基準について説明する図である。
【図16】第1の実施の形態の変形例による代表点座標生成の動作を示すフローチャートである。
【図17】第2の実施の形態による画像照合装置の構成の概要を示す図である。
【図18】第2の実施の形態による画像照合装置の構成を詳細に示すブロック図である。
【図19】第2の実施の形態による画像照合装置の動作を示すフローチャートである。
【図20】第2の実施の形態による対応点算出の処理を説明する図である。
【図21】標準的なコンピュータのハードウエア構成の一例を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
(第1の実施の形態)
以下、図面を参照しながら第1の実施の形態による画像検索システムについて説明する。まず、図2〜図4を参照しながら、第1の実施の形態による画像検索システム1の構成について説明する。図2は、第1の実施の形態による画像検索システム1を説明する図であり、(a)は画像検索システム1の構成を示す図、(b)は、画像検索を説明する図である。図3は、第1の実施の形態による画像照合装置の構成を示す図、図4は画像照合装置の構成を詳細に示すブロック図である。
【0020】
図2(a)、(b)に示すように、画像検索システム1は、カメラ3と、画像照合装置5と、画像データベース7とを有している。画像検索システム1は、カメラ3から入力された画像と同一の画像が、画像データベース7に蓄積されているか否かを、画像照合装置5による画像照合を用いて検索するシステムである。カメラ3は、例えば固体撮像素子等を有する撮影機器であり、撮影対象を撮影して電気信号に変換し、画像データとして画像照合装置5に送出する。カメラ3としては、画像を電気信号に変換できるものであれば、静止画用、動画用、両用のいずれでもよい。画像照合装置5は、カメラ3により送出された入力画像130の画像データを取得し、画像データベース7から読み出す蓄積画像190等の画像データと比較し、比較結果を出力する装置である。画像照合装置5の詳細については後述する。画像データベース7は、画像データを格納する記憶装置である。画像データベース7には、入力画像130と比較する蓄積画像として、入力画像130を撮影する同じカメラ3で撮影した画像を蓄積する。
【0021】
図3に示すように、画像照合装置5は、画像入力部9、代表点座標算出部11、記憶部12、蓄積画像部15、画像照合部13、出力部17を有している。図4に示すように、画像入力部9は、入力画像取得部21を有している。入力画像取得部21は、カメラ3が撮影した画像を電気信号に変換した画像データを取得する。以下、画像の画像データを取得することを、単に画像を取得するということにする。代表点座標算出部11は、領域分割部23、代表点座標生成部25、および第1輝度値テーブル作成部27を有している。領域分割部23は、入力画像の画像データにおける各画素の輝度値に応じて、入力画像を領域分割する。代表点座標生成部25は、領域分割部23で分割された領域のそれぞれについて、その領域内の一点を代表点とし、代表点座標を生成し、記憶部12に格納する。第1輝度値テーブル作成部27は、入力画像の代表点座標における輝度値を取得し、輝度値テーブルを作成し、記憶部12に記憶する。代表点座標算出部11の動作の詳細については、後述する。
【0022】
蓄積画像部15は、蓄積画像取得部31、代表点座標取得部33、及び第2輝度値テーブル作成部35を有している。蓄積画像取得部31は、蓄積画像データベース7から、蓄積画像を取得する。代表点座標取得部33は、代表点座標算出部11で算出された代表点座標を記憶部12から取得する。第2輝度値テーブル作成部35は、蓄積画像の代表点座標における輝度値を取得し、輝度値テーブルを作成し、記憶部12に格納する。
【0023】
画像照合部13は、照合テーブル作成部29を有している。照合テーブル作成部29は、代表点座標算出部11で作成された入力画像の輝度値テーブルと、蓄積画像部15で作成された蓄積画像の輝度値テーブルとの内容を記憶部12から読み出し、照合テーブルを作成し、一枚の蓄積画像について入力画像と全ての代表点における輝度値が所定範囲内であるか否かを判別する。記憶部12は、代表点座標、輝度値テーブル、照合テーブルなどを記憶する。出力部17は、照合結果作成部37を有しており、画像照合部13で判別された結果を出力するためのデータを作成し、出力する。上記画像照合装置5の各構成要素は、いずれもバス19に接続され、各種のデータを相互に授受することができる。
【0024】
次に、図5から図14を主に参照しながら、第1の実施の形態による画像検索システム1の動作について説明する。図5は、第1の実施の形態による画像検索システム1の動作を示すフローチャートである。図5に示すように、まず、画像検索システム1の画像照合装置5は、前処理を行う(S81)。前処理とは、入力画像の各領域における代表点の輝度を抽出する処理である。
【0025】
ここで、図6〜図10を参照しながら、前処理の詳細について説明する。図6は、前処理の詳細を示すフローチャート、図7は、領域分割の処理の一例を示すフローチャート、図8は、画像の領域分割の一例を示す図、図9は、代表点座標算出部11の動作を示すフローチャート、図10は、代表点算出の処理の一例を説明する図である。図6に示すように、まず、入力画像取得部21は、カメラ3が撮影した入力画像を取得する(S91)。続いて、領域分割部23は、入力画像の領域分割を行う(S92)。領域分割においては、単純領域拡張法、反復型領域拡張法など公知の方法を用いることができる。このような領域分割法については、例えば「」非特許文献2に詳細が記載されている。
【0026】
一例として、単純領域拡張法を用いる場合には、図7に示すように、領域分割部23は、入力画像をラスタ走査し(S101)、どの領域にもまだ属していない画素を探す(S102)。画素が抽出された場合には(S102:YES)、その画素を基準画素として基準画素の近傍(4連結または8連結)でどの領域にもまだ属していない画素との輝度値の差を比較する(103)。このとき、領域分割部23は、基準画素とその近傍の画素との輝度値の差がある閾値T1以下であるか否かを判別し(S104)、閾値T1以下の場合には(S104:YES)、近傍の画素を基準画素と同一の領域に統合し、一つの領域であることを示すラベルを付加する(S105)。さらに、領域分割部23は、新たに統合された画素を基準画素として(S106)、S103に戻り、上記輝度比較によるラベル付加処理を行う。S104で、領域分割部23が、基準画素とその近傍の画素との輝度値の差がある閾値T1より大きいと判別した場合には(S104:NO)基準画素の近傍が全て比較済みであるか否か判別する(S107)。全て比較済みである場合には、領域分割部23は、それ以上領域を広げられないと判断し、S101に戻る。まだ比較していない画素が近傍にある場合には、領域分割部23は、以上の処理を、輝度値の差が閾値T1以下の画素が近傍になくなり領域がそれ以上広げられなくなるまで反復する(S107:NO)。以上の処理により、領域分割部23は、画像を閾値T1以下の輝度差を持つ領域に分割する。このようにして、入力画像は、輝度値に応じて領域分割される。
【0027】
例えば、図8(a)に示すように、入力画像が画像130であるとすると、画像130は、図8(b)に示す画像132のように、輝度に応じて領域A1〜A5に分割される。ここで、閾値T1は、予めカメラ3で同一の撮影対象を撮影して輝度値の誤差を算出し、算出した誤差に基づき決定することができる。また、蓄積画像の数や、画像検索システム1として要求されている検索精度に基づき決定することもできる。
【0028】
図6の処理に戻って、代表点座標算出部11は、各領域から代表点座標を算出し、記憶部12に格納する(S93)。座標は、図8(a)の画像130において、左上端の点131を原点とし、左右方向がX軸、上下方向をY軸として定義する。ここで、図9を参照しながら、代表点座標の算出の詳細について説明する。図9に示すように、代表点座標生成部25は、S92で分割された領域の一つを選択する(S121)。代表点座標生成部25は、選択した領域の中でY座標が最小(Ymin)の画素位置を選択する(S122)。また、代表点座標生成部25は、Y座標が最小の画素位置で、X座標の最小値(Xmin)を選択し(S123)、選択した最小値座標(Xmin、Ymin)を代表点座標とする(S124)。この代表点は、第1の実施の形態においては、上記領域分割処理におけるそれぞれの領域を示すラベル付加の開始点座標、すなわちそれぞれの領域において初めに基準画素とされた画素の座標となる。代表点座標を算出する際には、領域分割の際に、それぞれの領域のラベル付加の開始点座標を代表点座標として記憶しておくようにしてもよい。ここで、代表点座標生成部25が、例えば領域A1を選択しているとすると、図10(a)(b)の画像134、画像136に示すように、代表点はP1であり、代表点座標は(x1、y1)となる。
【0029】
図6の処理に戻って、代表点座標生成部25は、全ての領域から代表点座標を算出したか否かを判別する(S94)。終了していない場合には、代表点座標生成部25は、図10(a)、(b)に示すように、領域A1〜領域A5の全てについて図9の処理を繰り返し、代表点P1〜P5の座標(x1、y1)、(x2、y2)、・・・、(x5、y5)を取得し、記憶部12に格納する。
【0030】
代表点座標の取得が全て終了した場合には、第1輝度値テーブル作成部27は、入力画像においてそれぞれの代表点座標に位置する画素の輝度値を取得し、代表点座標と輝度値とを関連付けた輝度値テーブルを作成し、記憶部12に格納する(S95)。図11は、入力画像用輝度値テーブルの一例を示す図である。図11に示すように、輝度値テーブル140は、項目142として、領域の代表点Pの番号(「001」は、「P1」に相当する。以下同様)、項目144に、代表点の座標、項目146に、輝度値を格納している。例えば、輝度値テーブル140において、代表点P1の座標は(x1、y1)であり、輝度値が192であることが格納されている。以上で前処理が終了する。なお、この前処理は、1枚の入力画像に対し1回行われる。
【0031】
図5の処理に戻って、画像照合部13は、全ての蓄積画像との照合処理が終了したか否かを判別する(S82)。照合処理が終了したと判別されると、処理はS88に進んで、画像照合部13は、一致画像なしと判別する。
【0032】
照合処理が終了したと判別されない場合には、以下、S83、S84による高速化処理を行う。高速化処理とは、大量の蓄積画像から、入力画像に一致する可能性のあるもの抽出する処理であり、全体の画像検索の処理時間を短縮することを意図して行う処理である。蓄積画像部15の蓄積画像取得部31は、画像データベース7から照合処理を行っていない一枚の画像を選択して取得する(S83)。代表点座標取得部33、第2輝度値テーブル作成部35は、代表点座標生成部25が生成した代表点座標代表点座標位置で輝度値が一致するか否か判別する(S84)。ここで一致するとは、輝度値の差が所定の範囲内であることをいう。
【0033】
まず、代表点座標取得部33は、代表点座標生成部25が生成した代表点座標を記憶部12から取得する。また、第2輝度値テーブル作成部35は、蓄積画像において、代表点座標取得部33が取得した代表点座標、例えば代表点P1〜P5の座標(x1、y1)、(x2、y2)、・・・、(x5、y5)に位置する画素の輝度値を取得する。また、第2輝度値テーブル作成部35は、取得した代表点座標と輝度値とを関連付けた輝度値テーブルを作成し、記憶部12に格納する。図12は、蓄積画像用輝度値テーブルの一例を示す図である。図12に示すように、輝度値テーブル150は、項目152として、領域の代表点Pの番号、項目154に、代表点の座標、項目156に、輝度値を格納している。例えば、輝度値テーブル150において、代表点P1の座標は(x1、y1)であり、輝度値が192であることが格納されている。
【0034】
画像照合部13においては、照合テーブル作成部13が、入力画像の輝度値テーブル140と、蓄積画像の輝度値テーブル150とを記憶部12から取得し、照合テーブルを作成し、記憶部12に格納する。図13は、照合テーブルの一例を示す図、図14は、入力画像と蓄積画像との照合処理を説明する図である。図13に示すように、照合テーブル160は、項目162として、領域の代表点Pの番号、項目164に、代表点の座標、項目166に、入力画像の輝度値、項目168に、蓄積画像の輝度値、項目170に、照合結果を格納している。例えば、照合テーブル160において、代表点P1の座標は(x1、y1)であり、入力画像の輝度値が192、蓄積画像の輝度値が192であり、照合結果は、一致をあらわす「0」であることが格納されている。ここで、代表点P4においては、入力画像の輝度値が128、蓄積画像の輝度値が255であり、照合結果は、不一致を表わす「1」であることが格納されている。画像照合部13は、全ての代表点座標位置での照合結果を数値として足し合わせ、足し合わせた数Nが「0」の場合は、入力画像と蓄積画像の代表点輝度値が一致するとし、Nが「0」より大きければ入力画像と蓄積画像が不一致とする。画像照合部13は、入力画像と蓄積画像の一致、不一致を示す照合結果を出力部17に送出する。
【0035】
上記のような画像の照合処理においては、図14に示すように、入力画像130について、代表点座標生成部25が、画像138のように代表点P1〜P5の座標(x1、y1)、(x2、y2)、・・・、(x5、y5)を生成する。第1輝度値テーブル作成部27は、各代表点における輝度値180を取得する。一方蓄積画像が取得されると、代表点座標取得部33は、代表点座標生成部25で生成された代表点P1〜P5の座標を取得する。第2輝度テーブル作成部35は、代表点P1〜P5における輝度値を、図14の画像190について取得し、輝度値182を取得する。以上の処理を、他の蓄積画像、すなわち例えば図14の画像190、192、194についてそれぞれ繰り返し、輝度値182、184、186を取得する。
【0036】
ここで、画像照合部13における、入力画像と蓄積画像の輝度値が一致しているか否かの判別について説明する。図15は、輝度値の判別の基準について説明する図である。図15において、画像202、・・・、214は、時刻t−n、・・・、tにおいて撮影された画像として表わされている。画像202、・・・、214は、同一のカメラで同一対象を撮影した連続画像であるが、画像データにはノイズが含まれるために、必ず輝度値が一致するとは限らない。例えば、画像202における画素204の輝度値は127であるが、画像206、・・・、214の同一座標の画素208、212、216の輝度値は、それぞれ126、125、128と、いずれも画素204の輝度値とは異なっている。これは、画像が異なることによる輝度値の相違ではないので、ノイズによる変動範囲内は同じ輝度値であると判別することが好ましい。
【0037】
そこで、同じカメラで撮影される画像のノイズによる変動範囲を予め計測しておき、蓄積画像と入力画像の輝度値の差分がノイズによる変動範囲以内であれば一致画像とする判定基準を用いることができる。例えば、画素数がN×Mの蓄積画像と入力画像の各画素の輝度値の差分示す差分画像をD(i、j)、各画素の輝度値の差分の平均値をDaveとすると、標準偏差σは下記の式1で求めることができる。
【0038】
【数1】

【0039】
輝度値が一致しているか否かの判定は、上記標準偏差に基づいて行うことができる。例えば、入力画像と蓄積画像の輝度値の差が標準偏差の3倍(3σ)以内であれば、一致していると判定し、3σより大きい場合には一致しないと判定する。
【0040】
図5の処理に戻って、照合の結果、画像照合部13が、入力画像が蓄積画像と不一致であると判別した場合には(S84、NO)、S82に戻って、全ての蓄積画像と照合処理を行ったか否か判別する。照合結果が、一致を表わす「0」である場合には、画像照合装置5は、S85、S86において、詳細処理を行う。詳細処理とは、高速化処理において抽出された蓄積画像について、入力画像とさらに詳細に比較して、一致しているか否かを判別する処理である。図5に示すように、S85でさらに詳細な比較を行なう。S85の詳細な比較は、各画素毎に輝度値を比較するマッチング処理など、公知の方法で行う。
【0041】
画像照合部13は、入力画像と蓄積画像の輝度値の差が閾値以下か否かを判別する(S86)。このとき、上記標準偏差σを用いて、入力画像と蓄積画像との輝度値の差分が3σ以内の画素が、全体の画素数の例えば、99.7%以上である場合に、入力画像と蓄積画像が一致すると判定するという条件を用いることができる。
【0042】
出力部37は、画像照合部13が送出した判別結果に基づき、照合結果作成部37で結果を出力するためのデータを作成する。判別結果が、入力画像と蓄積画像とが一致したことを示す場合には、「一致画像あり」を示すデータを出力し(S87)、処理を終了する。入力画像と蓄積画像とが一致しないと判別された場合には、S82の処理に戻り、全ての蓄積画像の照合が終了していなければ、別の一枚の蓄積画像についてS83からの処理を繰り返す。
【0043】
以上説明したように、第1の実施の形態による画像検索システムによれば、入力画像取得部21がカメラ3からの入力画像を取得する。領域分割部23は、入力画像を輝度値に基づいて領域分割し、代表点座標生成部25が、各領域毎の代表点座標を生成し、第1輝度値テーブル作成部27は、代表点座標と代表点における入力画像の輝度値とを関連付けて格納する輝度値テーブルを作成する。蓄積画像取得部31は、蓄積画像データベース7から蓄積画像を1枚取得し、代表点座標取得部33は、代表点座標生成部25が生成した代表点座標を取得する。第2輝度値テーブル作成部35は、代表点座標と蓄積画像の代表点における輝度値を関連付けて格納する輝度値テーブルを作成する。照合テーブル作成部29は、入力画像と蓄積画像の輝度値テーブルから照合テーブルを作成し、輝度値の差がカメラ3における誤差範囲内であるか否かを判別する。1枚の蓄積画像について全ての代表点で誤差範囲以内である場合には、画像照合部13はさらに詳細な比較を行い、入力画像と蓄積画像が一致するか否かを判別する。出力部17は、全ての蓄積画像について判別が終了すると、判別結果を出力する。
【0044】
以上のように、第1の実施の形態による画像検索システムによれば、入力画像を輝度値に基づいて領域分割し、領域内の代表点を自動的に求める。ここで、領域分割の際に、それぞれの領域のラベル付加の開始点座標を代表点座標として記憶しておくようにすれば、さらに、その後の代表点座標生成処理を省略することができ、処理時間をさらに短縮できる。そして代表点について輝度値を比較するので、入力画像の構造に適合した比較を行うことができる。
【0045】
例えば、類似する画像間の差分は、輝度値に現れる画像の構造的な変化、または同一構造内の同じ画素位置での輝度値の変化によって生じる。よって、画像の輝度値に基づいて領域分割を行い、代表点を算出することにより、画像の構造を少ない点で記述することができ、少ない点を比較するだけで差の有無が分かるので、高速に比較が可能になる。このように、画像を詳細レベルですべて細かく比較することなく、構造的に変化のあるところ、すなわち輝度値変化があるところのみを比較することで、処理時間が短縮できる。
【0046】
第1の実施の形態においては、前処理を含まない従来の検索方法に比べて、代表点を求める前処理の処理時間が追加されるが、入力画像に付1回で済むので、大量の蓄積画像と入力画像とを詳細に比較する処理時間と比べて、全体の処理時間から占める割合は無視できる程度になる。
【0047】
蓄積画像については、入力画像に基づいて算出された代表点座標における輝度値を抽出するのみでよいので、蓄積画像についても領域分割などの処理を行う画像検索に比べて、処理時間を短縮することが可能である。輝度値の比較を行う際には、カメラの誤差範囲を予め求め、誤差範囲内の差は一致すると判別するので、ノイズによる誤判定を回避することができる。
【0048】
大量の検索対象の画像から、できるだけ短い処理時間で検索対象を絞り込む高速化処理と、その後のより精度の高い検索を行う詳細処理とを有する画像検索において、高速処理に上記領域分割を利用した検索方法を適用することができる。また、上記検索方法を適用して一致すると判定された画像について詳細処理を行うようにすることにより、詳細比較に必要な時間を多く省略することができ、画像検索全体の処理時間も短縮できる効果がある。
【0049】
このように画像検索処理の処理時間が短縮できることにより、映像監視システムにおいては、異常事象に対してリアルタイムで警報を発するなど、窃盗犯罪を未然に防止することが可能になる。また、著作権違反の画像検索においても高速な検索が可能で、より違反を発見しやすくなる。
【0050】
(第1の実施の形態の変形例)
次に、第1の実施の形態による画像検索システムの変形例について説明する。本変形例は、第1の実施の形態による代表点座標生成部25の動作の変形例である。本変形例による画像検索システムの構成、及び代表点座標生成部25以外の動作は、第1の実施の形態による画像検索システム1と同様であるので、重複説明を省略する。
【0051】
図16は、第1の実施の形態の変形例による代表点座標生成の動作を示すフローチャートである。図16に示された処理は、図6のS93に相当する処理として行われるものである。図16に示すように、本変形例において、代表点座標生成部25は、分割された領域の一つを選択し(S221)、座標の原点(0、0)と選択した領域内の各画素との距離を求める(S222)。代表点座標生成部25は、求めた距離が最短となる画素の位置を代表点として代表点座標を生成する(S223)。その他の処理は、第1の実施の形態と同様である。
【0052】
本変形例によれば、第1の実施の形態による画像検索システムと同様の作用及び効果を得ることができる。
【0053】
(第2の実施の形態)
次に、第2の実施の形態による画像検索システムについて図17から図20を参照しながら説明する。第2の実施の形態による画像検索システムは、カメラ3が水平または垂直方向へ移動した場合において、移動を考慮して入力画像と蓄積画像とを比較するための実施形態である。画像の水平または垂直方向への移動を考慮して一致画像を検索する場合は、予め撮影した背景画像(移動体が写っていない画像)と入力画像との移動量を算出し、代表点座標を移動量に応じて変換することが考えられる。なお、第2の実施の形態において、第1の実施の形態及びその変形例と同一の構成については、同一番号を付し、重複説明を省略する。
【0054】
図17は、第2の実施の形態による画像照合装置の構成を示す図、図18は画像照合装置の構成を詳細に示すブロック図である。第2の実施の形態による画像検索システムは、第1の実施の形態による画像検索システム1における画像照合装置5を画像照合装置50に置き換えたシステムである。図17に示すように、画像照合装置50は、画像入力部40、代表点座標算出部11、記憶部12、対応点座標算出部55、蓄積画像部15、画像照合部13、出力部17を有している。画像照合装置50は、第1の実施の形態による画像照合装置5における画像入力部9に代えて画像入力部40を有し、対応点座標算出部55を追加した構成である。
【0055】
図18に示すように、画像入力部40は、入力画像取得部21及び背景画像取得部42を有している。背景画像取得部42は、カメラ3により基準となる背景画像を予め撮影して取得する。ここで背景画像とは、蓄積画像データベースに記憶された蓄積画像と同一のカメラ3で同じ位置で撮影され、移動体が写っていない、すなわち固定物のみを含む画像をいう。対応点座標算出部55は、移動量算出部57および対応点座標生成部59を有している。移動量算出部57は、入力画像が背景画像と同じ固定物を含む撮影対象をカメラ3が移動した状態で撮影した画像であるか否か、及び移動している場合には画像の移動量を算出する。対応点座標生成部59は、移動量算出部57が算出した移動量に応じて、入力画像の代表点に応じた対応点の座標を生成する。
【0056】
続いて、図19及び図20を参照しながら、第2の実施の形態による画像照合装置50の動作について説明する。図19は、第2の実施の形態による画像照合装置50の動作を示すフローチャート、図20は、対応点算出の処理を説明する図である。図19に示すように、移動量を算出するための基準となる画像として、カメラ3により、移動体が写っていない背景画像を取得する(S250)。なおS250の処理は、必ずしも以下の処理を行うたびに行うものではなく、蓄積画像を取得したカメラ3の状態において適宜取得しておくことが好ましい。
【0057】
入力画像取得部21は、カメラ3が撮影した入力画像を取得する(S251)。続いて、領域分割部23は、入力画像の領域分割を行う(S252)。代表点座標生成部25は、各領域から代表点座標を算出し(S253)、記憶部12に格納する。第1輝度値テーブル作成部27は、代表点座標における輝度値を取得し、記憶部12に格納する(S254)。以上の処理は、第1の実施の形態によるS81の前処理と同様であるので、詳細説明は省略する。
【0058】
続いて、移動量算出部57は、入力画像と背景画像との移動量を算出する(S256)。図20に示すように、背景画像260と、入力画像262があり、入力画像262において、代表点p1〜p5の代表点座標(x1、y1)〜(x5、y5)が生成され、各代表点における輝度値264が取得されているとする。このとき、移動量算出部57は、背景画像260と入力画像262とが同じ固定物を含む撮影対象の異なる位置を撮影した画像か否かを判別し、異なる位置の画像ならば移動量を算出し、記憶部12に格納する。図20においては、x方向のみのずれについて示している。
【0059】
移動量は、公知の方法を用いて算出することができる。移動量算出部57は、例えばマッチング処理により、背景画像と入力画像の輝度値の差の合計が所定値以下になる場所がある場合に、入力画像が背景画像に対し異なる位置を撮影した画像であると判別するようにしてもよい。また移動量算出部57は、そのときの水平または垂直方向に移動した移動量(Δx、Δy)を算出し、記憶部12に格納する。図20の例では、移動量はΔxと算出される。
【0060】
図19に戻って、対応点座標算出部55は、記憶部12に記憶された移動量(Δx、Δy)に基づき代表点の座標を変換し、対応点座標を生成する(S255)。すなわち、対応点座標算出部55は、例えば代表点p1(x1、y1)をP1(x+Δx、y1+Δy)と変換し、記憶部12に格納する。図20において、Δxは負の値、Δyはゼロとなっており、x=0となる代表点p1、p3、p5については、変換後の座標は、蓄積画像上に存在しない。このように対応点座標位置は画像サイズと同様な範囲内とし、範囲外になる場合は、比較対象外とする。よって、代表点p2、p4についてのみ、対応点P2、P4の座標が生成される。
【0061】
代表点座標取得部33は、代表点座標として、記憶部12から対応点座標を取得し、第2輝度値テーブル作成部35は、対応点における輝度値を取得する(S257)。例えば蓄積画像266については、輝度値268が得られ、蓄積画像270については、輝度値272が得られ、蓄積画像274については、輝度値276が得られる。照合テーブル作成部27は、記憶部12に記憶された入力画像の輝度値テーブルと、蓄積画像の照合テーブルとを比較し、照合テーブルを作成して、入力画像と蓄積画像とが一致しているか否かを判別する(S258)。以上の処理は、詳細処理の前に図5のS81の前処理として行われる処理である。
【0062】
以上説明したように、第2の実施の形態による画像検索システムによれば、第1の実施の形態及びその変形例による画像検索システムが奏する作用効果に加え、カメラ3の位置または撮影する方向がずれてしまったときに、画像の移動量を補正することが可能になる。よって、例えば監視カメラなど屋外に配置されるものが風などにより動いてしまった場合に、撮影した画像の移動量を補償した状態で比較が可能となる。第2の実施の形態を応用することにより、移動式のカメラによる画像においても、画像の移動量を補正した状態で画像検索が可能となる。
【0063】
ここで、上記それぞれの実施の形態による画像照合方法の動作をコンピュータに行わせるために共通に適用されるコンピュータの例について説明する。図21は、標準的なコンピュータのハードウエア構成の一例を示すブロック図である。図21に示すように、コンピュータ300は、Central Processing Unit(CPU)302、メモリ304、入力装置306、出力装置308、外部記憶装置312、媒体駆動装置314、ネットワーク接続装置等がバス310を介して接続されている。
【0064】
CPU302は、コンピュータ300全体の動作を制御する演算処理装置である。メモリ304は、コンピュータ300の動作を制御するプログラムを予め記憶したり、プログラムを実行する際に必要に応じて作業領域として使用したりするための記憶部である。メモリ304は、例えばRandom Access Memory(RAM)、Read Only Memory(ROM)等である。入力装置306は、コンピュータの使用者により操作されると、その操作内容に対応付けられている使用者からの各種情報の入力を取得し、取得した入力情報をCPU302に送付する装置であり、例えばキーボード装置、マウス装置などである。出力装置308は、コンピュータ300による処理結果を出力する装置であり、表示装置などが含まれる。例えば表示装置は、CPU302により送付される表示データに応じてテキストや画像を表示する。
【0065】
外部記憶装置312は、例えば、ハードディスクなどの記憶装置であり、CPU302により実行される各種制御プログラムや、取得したデータ等を記憶しておく装置である。媒体駆動装置314は、可搬記録媒体316に書き込みおよび読み出しを行うための装置である。CPU302は、可搬型記録媒体316に記録されている所定の制御プログラムを、記録媒体駆動装置314を介して読み出して実行することによって、各種の制御処理を行うようにすることもできる。可搬記録媒体316は、例えばConpact Disc(CD)−ROM、Digital Versatile Disc(DVD)、Universal Serial Bus(USB)メモリ等である。ネットワーク接続装置318は、有線または無線により外部との間で行われる各種データの授受の管理を行うインタフェース装置である。バス310は、上記各装置等を互いに接続し、データのやり取りを行う通信経路である。
【0066】
上記それぞれの実施の形態による画像検索処理をコンピュータに実行させるプログラムは、例えば外部記憶装置312に記憶される。CPU302は、外部記憶装置312からプログラムを読み出し、画像検索の動作を行う。このとき、まず、画像検索の処理をCPU302に行わせるための制御プログラムを作成して外部記憶装置312に記憶させておく。そして、入力装置306から所定の指示をCPU302に与えて、この制御プログラムを外部記憶装置312から読み出させて実行させるようにする。また、このプログラムは、可搬記録媒体316に記憶するようにしてもよい。
【0067】
上記実施の形態において、入力画像取得部21は、第1の画像取得部の一例であり、領域分割部23は、領域分割部の一例であり、代表点座標生成部25は、代表点座標生成部の一例であり、第1輝度テーブル作成部27は、第1の画素値取得部の一例である。また、蓄積画像取得部31は、第2の画像取得部の一例であり、第2画素値テーブル作成部35は、第2の画素値取得部の一例である。
【0068】
なお、本発明は、以上に述べた実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々の構成または実施形態を採ることができる。例えば、画像入力部9が取得する画像データは、各画素毎の画素値が取得できるものであれば、例えば、Red Green Blue(RGB)方式、輝度成分と2つの色差成分を使用する方式等、どのような形式のものでもよい。第1の実施形態、その変形例及び第2の実施形態においては、画素値の一例として輝度値を用いたが、輝度値としては、例えば、白黒画像の輝度値、光の3原色のいずれか少なくとも一つの輝度値、または光の3原色のいずれか2つ以上の輝度値を所定の計算式により演算したもの等を用いるようにしてもよい。また、画素値として、色差成分の画素値を用いてもよい。領域分割の方法は上記に限定されず、輝度値に応じた領域分割が可能であれば、他の方法でもよい。代表点座標の算出方法も、上記の例には限定されず、各領域における一点であればよい。詳細処理の方法も、公知の別の方法を用いてもよい。
【0069】
以上、第1の実施形態、その変形例及び第2の実施形態に関し、さらに以下の付記を開示する。
(付記1)
第1の画像取得部を介して第1の画像を取得し、
前記第1の画像を画素値に応じた領域に分割する処理を行い、
前記領域に分割する処理の結果得られた一つ以上の領域において各領域内の一点を示す代表点の座標を取得し、
前記代表点における前記第1の画像の画素値を取得し、
前記代表点の座標と、前記第1の画像の画素値とを関連付けて記憶部に格納し、
第2の画像取得部を介して第2の画像を取得し、
前記記憶部から前記代表点の座標を読み出し、前記代表点における前記第2の画像の画素値を取得し、
前記記憶部から前記第1の画像の前記代表点における画素値を読み出し、前記第1の画像の前記代表点における画素値と前記第2の画像の前記代表点における画素値との差が所定範囲内か否かを、前記一つ以上の領域の各代表点について判別することにより、前記第1の画像と前記第2の画像とを照合する、
処理をコンピュータに行わせることを特徴とする画像照合プログラム。
(付記2)
前記コンピュータは、さらに、
第3の画像取得部を介して、前記第2の画像と同一の撮影装置により同一の位置で撮影された固定物の部分画像を含む第3の画像を取得し、
前記第1の画像が、前記第3の画像が含む前記固定物の部分画像とは異なる前記固定物の別の部分画像を含むか否かを、前記第1の画像と前記第3の画像の画像データを比較することにより判別し、
前記第1の画像が前記固定物の別の部分画像を含むと判別されると、前記第1の画像と前記第3の画像との移動量を算出し、
前記移動量に応じて前記代表点の座標を変換することにより、前記代表点に対応する対応点の座標を生成し、
前記第2の画像の画素値を取得する処理においては、前記対応点における前記第2の画像の画素値を前記第2の画像の前記代表点における画素値として取得する、
ことを特徴とする付記1に記載の画像照合プログラム。
(付記3)
前記コンピュータは、前記一つ以上の領域の各代表点において前記画素値の差が所定値以内の場合には、前記第1の画像と前記第2の画像とをさらに詳細比較する必要があると判定し、前記画素値の差が所定値より大きい場合には、詳細比較する必要はないと判別することを特徴とする付記1または付記2に記載の画像照合プログラム。
(付記4)
前記領域は、前記画素値が前記画素値の誤差に応じて決められた所定の範囲にある画素で形成されることを特徴とする付記1から付記3のいずれかに記載の画像照合プログラム。
(付記5)
前記第1の画像を前記画素値に応じた領域に分割する処理は、領域拡張法を用いて行われ、
前記代表点は、前記領域分割を領域拡張法を用いて行う場合に、当該領域内において、第1番目に当該領域として識別された点であることを特徴とする付記1から付記4のいずれかに記載の画像照合プログラム。
(付記6)
第1の画像を取得する第1の画像取得部と、
前記第1の画像を画素値に応じた領域に分割する処理を行う領域分割部と、
前記領域分割部の処理の結果得られた一つ以上の領域において各領域内の一点を示す代表点の座標を取得する代表点座標生成部と、
前記代表点における前記第1の画像の画素値を取得する第1の画素値取得部と、
前記代表点の座標と、前記第1の画像の画素値とを対応付けて記憶する記憶部と、
第2の画像を取得する第2の画像取得部と、
前記記憶部から前記代表点の座標を読み出し、前記代表点における前記第2の画像の画素値を取得する第2の画素値取得部と、
前記記憶部から前記第1の画像の前記代表点における画素値を読出し、前記第1の画像の前記代表点における画素値と前記第2の画素値取得部が取得した前記第2の画像の前記代表点における画素値との差が所定範囲内か否かを、前記一つ以上の領域の各代表点について判別することにより、前記第1の画像と前記第2の画像とを照合する照合部と、
を有することを特徴とする画像照合装置。
(付記7)
前記第2の画像と同一の撮影装置により同一の位置で撮影された固定物の部分画像を含む第3の画像を取得する第3の画像取得部と、
前記第1の画像が、前記第3の画像が含む前記固定物の部分画像とは異なる前記固定物の別の部分画像を含むか否かを、前記第1の画像と前記第3の画像の画像データを比較することにより判別する移動判別部と、
前記移動判別部が前記第1の画像が前記固定物の別の部分画像を含むと判別すると、前記第3の画像と前記第1の画像との移動量を算出する移動量算出部と、
前記移動量に応じて前記代表点の座標を変換することにより、前記代表点に対応する対応点の座標を生成する対応点座標生成部と、
をさらに有し、
前記第2の画素値取得部は、前記対応点における前記第2の画像の画素値を前記第2の画像の前記代表点における画素値として取得することを特徴とする付記6に記載の画像照合装置。
(付記8)
前記照合部は、前記一つ以上の領域の各代表点において前記画素値の差が所定値以内の場合には、前記第1の画像と前記第2の画像とをさらに詳細比較する必要があると判定し、前記画素値の差が所定値より大きい場合には、詳細比較する必要はないと判別することを特徴とする付記7に記載の画像照合装置。
(付記9)
前記領域分割部は、前記領域を、前記画素値が前記画素値の誤差に応じて決められた所定の範囲にある画素で形成されるように分割することを特徴とする付記6から付記8のいずれかに記載の画像照合装置。
(付記10)
前記領域分割部は、前記第1の画像を領域拡張法を用いて分割し、
前記代表点は、前記領域分割を領域拡張法を用いて行う場合に、当該領域内において、第1番目に当該領域として識別された点であることを特徴とする付記6から付記9のいずれかに記載の画像照合装置。
(付記11)
第1の画像を取得する工程と、
前記第1の画像を画素値に応じた領域に分割する処理を行う工程と、
前記領域に分割する処理を行う工程の結果得られた一つ以上の領域において各領域内の一点を示す代表点の座標を取得する工程と、
前記一つ以上の領域の各代表点における前記第1の画像の画素値を取得する工程と、
前記代表点の座標と、前記第1の画像の画素値とを対応付けて記憶する工程と、
第2の画像を取得する工程と、
前記記憶する工程において記憶された前記代表点の座標を読み出し、前記代表点における前記第2の画像の画素値を取得する工程と、
前記記憶する工程において記憶された前記第1の画像の前記代表点における画素値を読出し、前記第1の画像の前記代表点における画素値と前記第2の画像の前記代表点における画素値との差が所定範囲内か否かを、前記一つ以上の領域の各代表点座標について判別することにより、前記第1の画像と前記第2の画像とを照合する工程と、
を有することを特徴とする画像照合方法。
(付記12)
さらに、
前記第2の画像と同一の撮影装置により同一の位置で撮影された固定物の部分画像を含む第3の画像を取得する工程と、
前記第1の画像が、前記第3の画像が含む前記固定物の部分画像とは異なる前記固定物の別の部分画像を含むか否かを、前記第1の画像と前記第3の画像の画像データを比較することにより判別する工程と、
前記第1の画像が前記固定物の別の部分画像を含むと判別されると、前記第1の画像と前記第3の画像との移動量を算出する工程と、
前記移動量に応じて前記代表点の座標を変換することにより、前記代表点の座標に対応する対応点の座標を生成する工程と、
を有し、
前記第2の画像の画素値を取得する工程においては、前記対応点における前記第2の画像の画素値を前記第2の画像の前記代表点における画素値として取得する、
ことを特徴とする付記11に記載の画像照合方法。
(付記13)
前記第1の画像と前記第2の画像とを照合する工程において、前記一つ以上の領域の各代表点座標において前記画素値の差が所定値以内と判別された場合には、前記第1の画像と前記第2の画像とをさらに詳細比較する必要があると判定し、前記画素値の差が所定値より大きい場合には、詳細比較する必要はないと判別する工程、
をさらに有することを特徴とする付記11または付記12に記載の画像照合方法。
(付記14)
前記領域に分割する工程は、前記領域を、前記画素値が前記画素値の誤差に応じて決められた所定の範囲にある画素で形成されるようにすることを特徴とする付記11から付記13のいずれかに記載の画像照合方法。
(付記15)
前記第1の画像を前記画素値に応じた領域に分割する工程は、領域拡張法を用いて行われ、
前記一点は、前記領域分割を領域拡張法を用いて行う場合に、当該領域内において、第1番目に当該領域として識別された点であることを特徴とする付記11から付記14のいずれかに記載の画像照合方法。
(付記16)
画像を撮影し、画像データを出力する撮影装置と、
前記撮影装置で撮影した画像を蓄積する画像蓄積装置と、
付記6から付記10のいずれかに記載の画像照合装置と、
を有し、
前記第1の画像は、前記撮影装置から前記第1の画像取得部に送出され、
前記第2の画像は、前記画像蓄積装置から前記第2の画像取得部により取得され、
前記画像蓄積装置に蓄積された前記第2の画像の中で、前記第1の画像と一致する画像があるか否かを検索することを特徴とする画像検索システム。
【符号の説明】
【0070】
1 画像検索システム
3 カメラ
5 画像照合装置
7 画像蓄積データベース
9 画像入力部
11 代表点座標算出部
12 記憶部
13 画像照合部
15 蓄積画像部
17 出力部
19 バス
21 入力画像取得部
23 領域分割部
25 代表点座標生成部
27 第1輝度値テーブル作成部
29 照合テーブル作成部
31 蓄積画像取得部
33 代表点座標取得部
35 第2輝度値テーブル作成部
37 照合結果作成部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の画像取得部を介して第1の画像を取得し、
前記第1の画像を画素値に応じた領域に分割する処理を行い、
前記領域に分割する処理の結果得られた一つ以上の領域において各領域内の一点を示す代表点の座標を取得し、
前記代表点における前記第1の画像の画素値を取得し、
前記代表点の座標と、前記第1の画像の画素値とを関連付けて記憶部に格納し、
第2の画像取得部を介して第2の画像を取得し、
前記記憶部から前記代表点の座標を読み出し、前記代表点における前記第2の画像の画素値を取得し、
前記記憶部から前記第1の画像の前記代表点における画素値を読み出し、前記第1の画像の前記代表点における画素値と前記第2の画像の前記代表点における画素値との差が所定範囲内か否かを、前記一つ以上の領域の各代表点について判別することにより、前記第1の画像と前記第2の画像とを照合する、
処理をコンピュータに行わせることを特徴とする画像照合プログラム。
【請求項2】
前記コンピュータは、さらに、
第3の画像取得部を介して、前記第2の画像と同一の撮影装置により同一の位置で撮影された固定物の部分画像を含む第3の画像を取得し、
前記第1の画像が、前記第3の画像が含む前記固定物の部分画像とは異なる前記固定物の別の部分画像を含むか否かを、前記第1の画像と前記第3の画像の画像データを比較することにより判別し、
前記第1の画像が前記固定物の別の部分画像を含むと判別されると、前記第1の画像と前記第3の画像との移動量を算出し、
前記移動量に応じて前記代表点の座標を変換することにより、前記代表点に対応する対応点の座標を生成し、
前記第2の画像の画素値を取得する処理においては、前記対応点における前記第2の画像の画素値を前記第2の画像の前記代表点における画素値として取得する
処理を行わせることを特徴とする請求項1に記載の画像照合プログラム。
【請求項3】
前記コンピュータは、前記一つ以上の領域の各代表点において前記画素値の差が所定値以内の場合には、前記第1の画像と前記第2の画像とをさらに詳細比較する必要があると判定し、前記画素値の差が所定値より大きい場合には、詳細比較する必要はないと判別する
ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の画像照合プログラム。
【請求項4】
前記領域は、前記画素値が前記画素値の誤差に応じて決められた所定の範囲にある画素で形成されることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載の画像照合プログラム。
【請求項5】
前記第1の画像を前記画素値に応じた領域に分割する処理は、領域拡張法を用いて行われ、
前記代表点は、前記領域分割を領域拡張法を用いて行う場合に、当該領域内において、第1番目に当該領域として識別された点であることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれかに記載の画像照合プログラム。
【請求項6】
第1の画像を取得する第1の画像取得部と、
前記第1の画像を画素値に応じた領域に分割する処理を行う領域分割部と、
前記領域分割部の処理の結果得られた一つ以上の領域において各領域内の一点を示す代表点の座標を取得する代表点座標生成部と、
前記代表点における前記第1の画像の画素値を取得する第1の画素値取得部と、
前記代表点の座標と、前記第1の画像の画素値とを対応付けて記憶する記憶部と、
第2の画像を取得する第2の画像取得部と、
前記記憶部から前記代表点の座標を読み出し、前記代表点における前記第2の画像の画素値を取得する第2の画素値取得部と、
前記記憶部から前記第1の画像の前記代表点における画素値を読出し、前記第1の画像の前記代表点における画素値と前記第2の画素値取得部が取得した前記第2の画像の前記代表点における画素値との差が所定範囲内か否かを、前記一つ以上の領域の各代表点について判別することにより、前記第1の画像と前記第2の画像とを照合する照合部と、
を有することを特徴とする画像照合装置。
【請求項7】
第1の画像を取得する工程と、
前記第1の画像を画素値に応じた領域に分割する処理を行う工程と、
前記領域に分割する処理を行う工程の結果得られた一つ以上の領域において各領域内の一点を示す代表点の座標を取得する工程と、
前記一つ以上の領域の各代表点における前記第1の画像の画素値を取得する工程と、
前記代表点の座標と、前記第1の画像の画素値とを対応付けて記憶する工程と、
第2の画像を取得する工程と、
前記記憶する工程において記憶された前記代表点の座標を読み出し、前記代表点における前記第2の画像の画素値を取得する工程と、
前記記憶する工程において記憶された前記第1の画像の前記代表点における画素値を読出し、前記第1の画像の前記代表点における画素値と前記第2の画像の前記代表点における画素値との差が所定範囲内か否かを、前記一つ以上の領域の各代表点座標について判別することにより、前記第1の画像と前記第2の画像とを照合する工程と、
を有することを特徴とする画像照合方法。
【請求項8】
画像を撮影し、画像データを出力する撮影装置と、
前記撮影装置で撮影した画像を蓄積する画像蓄積装置と、
請求項6に記載の画像照合装置と、
を有し、
前記第1の画像は、前記撮影装置から前記第1の画像取得部に送出され、
前記第2の画像は、前記画像蓄積装置から前記第2の画像取得部により取得され、
前記画像蓄積装置に蓄積された前記第2の画像の中で、前記第1の画像と一致する画像があるか否かを検索することを特徴とする画像検索システム。

【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図9】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図21】
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【図1】
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【図2】
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【図8】
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【図10】
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【図14】
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【図15】
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【図20】
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【公開番号】特開2012−133679(P2012−133679A)
【公開日】平成24年7月12日(2012.7.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−286703(P2010−286703)
【出願日】平成22年12月22日(2010.12.22)
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)
【Fターム(参考)】