説明

画像表示方法及び画像表示システム

【課題】画像データの転送効率の向上と画像精度の維持の両立を図る。
【解決手段】画像サーバと画像ビューワがネットワークを介して接続された画像表示システムであって、表示中の表示画像をより高精度な画像に変更可能であることが通知された場合に、前記表示画像の座標情報を前記画像サーバに送信すると、前記画像サーバは該送信された座標情報に基づいて高精度画像を作成するために必要な部分的高精度画像データを前記画像ビューワに送信し、前記画像ビューワは受け取った部分的高精度画像データからより高精度な表示画像を作成して表示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像表示方法及び画像表示システムに係り、特に、X線CT装置等で得られた断層画像等の医用画像を医師の診断に供する医用画像システム(PACS)における画像表示技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、病院等において、X線CT装置やMRI装置で得られた断層像等の医用画像を用いた画像診断が広く行われている。画像診断では、スライス画像からMPR(Multi-Planar Reconstruction)画像等の3D画像を生成して、体の様々な部位の3D画像を切り替えながら表示して観察を行い、疾患部位と思われる注目部位があった場合には、その部分についてさらに詳しく観察することにより診断がなされる。
【0003】
このとき、様々な部位についての3D画像を切り替えて表示する際にも、高画質な画像を表示しようとすると、高精度のスライス画像が大量に必要となり画像データが膨大となり、ハードウエアの負荷が大きく、診断の効率が悪化するという問題がある。
【0004】
これに対して、従来例えば、X線CT装置等の画像診断装置により撮像された画像データのうち、より少ない画像データから所望の部位の画像データを適切な分解能と表示方法で効率よく作成して表示するようにするものが提案されている(例えば、特許文献1等参照)。
【0005】
これは、図7に示すように、X線CT装置102、3次元ワークステーション104、画像サーバ106及び画像表示装置(画像ビューワ)108が互いにネットワーク110を介して接続された医用画像システム(PACS;Picture Archiving Communication System)100である。ここでは、X線CT装置102で取得された画像データから適宜3D画像データ等の画像データが作成され、作成された3D画像データやスライス画像データはネットワーク110を介して3次元ワークステーション104及び画像サーバ106に送信され、これらの画像データは3次元ワークステーション104及び画像サーバ106に保存される。そして、画像表示装置108からの要求により画像サーバ106から画像データが画像表示装置108に送られる。画像表示装置108では、このようにして取得した薄スライス画像データからMPR画像データを作成して表示している。
【0006】
画像表示装置108では、より少ないスライス画像データから所望のMPR画像データを作成することができ、画像サーバ106にはより少ない画像データのみ保存しておけばよく、データサイズが膨大になるのを抑制している。
【0007】
また、画像表示装置108においてMPR画像を作成する際、画像表示装置108が画像サーバ106等から十分な薄スライス画像データを取得していない場合には、画像表示装置108は、X線CT装置102等に対して要求を出し、スライス画像データを取得してスラブ画像データを作成して表示する。このように、画像表示装置(画像ビューワ)108が必要な画像データの1部分を有していない場合には、その画像データ1部分を再取得するようにしている。
【特許文献1】特開2006−312026号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、上述した従来のような医用画像の画像サーバと画像ビューワを有する医用画像システム(PACS)において、ユーザが画像ビューワから画像サーバに対して、表示したい画像の取得を要求したとき、画像サーバに保存されている画像データの精度を落とした画像(1部分の画像や、縮小、間引きあるいは圧縮処理された画像など)が画像ビューワに送られることがある。このように低精度の画像データを送ると、転送時間(転送速度)、ネットワーク負荷、メモリ容量といったコストを削減する効果があるが、画像の精度が維持できず、画質が低下するという問題がある。
【0009】
一方、画像ビューワにおいてユーザが画像データを加工してMPR画像、MIP(Maximum Intensity Projection)画像などのSC(Secondary Capture)画像の作成といったレポートの作成等を行う場合には、精度の高い画像データが必要とされるが、画像を高精度にしようとすると画像データが膨大となり、画像データの転送効率が低下するという問題がある。
【0010】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、画像データの転送効率の向上と画像精度の維持の両立を図ることのできる医用画像診断における画像表示方法及び画像表示システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
前記目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、画像サーバと画像ビューワがネットワークを介して接続された画像表示システムであって、前記画像サーバは、画像データを保存する画像保存手段と、前記画像データを前記画像ビューワに送信する画像送信手段を有するとともに、前記画像ビューワは、前記画像サーバから送信された画像データを受け取る画像データ取得手段と、前記受け取った画像データから表示画像を作成する表示画像作成手段と、画像を表示する表示手段と、現在表示中の表示画像をより高精度な画像に変更可能であることをユーザに通知する通知手段と、前記表示画像より高精度な画像を作成するために必要な画像データを取得するための座標情報を前記画像サーバに送信する座標情報送信手段とを有し、現在表示中の表示画像をより高精度な画像に変更可能であることが通知された場合に、前記表示画像の座標情報を前記画像サーバに送信すると、前記画像サーバは該送信された座標情報に基づいて高精度画像を作成するために必要な部分的高精度画像データを前記画像ビューワに送信し、前記画像ビューワは受け取った部分的高精度画像データからより高精度な表示画像を作成して表示することを特徴とする画像表示システムを提供する。
【0012】
これにより、ユーザがMPR画像等のSC画像を作成して表示しているときに、それよりも精度の高い画像データが存在する場合にユーザに通知し、ユーザが希望すればより精度の高いSC画像の作成に必要な高精度の画像データの一部分を画像サーバから取得できるようにしたため、画像データの転送効率を向上させるとともにネットワーク負荷及びメモリ容量等のコストを削減させながら同時に画像精度の維持を図ることが可能となる。
【0013】
また、同様に前記目的を達成するために、請求項2に記載の発明は、画像サーバと画像ビューワがネットワークを介して接続された画像表示システムであって、前記画像サーバは、画像データを保存する画像保存手段と、前記画像データから高精度な画像を作成する高精度画像作成手段と、前記画像データまたは前記作成した高精度画像を前記画像ビューワに送信する画像送信手段を有するとともに、前記画像ビューワは、前記画像サーバから送信された画像データまたは高精度画像を受け取る画像データ取得手段と、前記受け取った画像データから表示画像を作成する表示画像作成手段と、画像を表示する表示手段と、現在表示中の表示画像をより高精度な画像に変更可能であることをユーザに通知する通知手段と、前記表示画像より高精度な画像を作成するために必要な情報を前記画像サーバに送信する情報送信手段とを有し、現在表示中の表示画像をより高精度な画像に変更可能であることが通知された場合に、前記表示画像より高精度な画像を作成するために必要な情報を前記画像サーバに送信すると、前記画像サーバは該送信された情報に基づいて前記表示画像より高精度な画像を作成して該作成した高精度画像を前記画像ビューワに送信し、前記画像ビューワは受け取った高精度画像を表示することを特徴とする画像表示システムを提供する。
【0014】
これにより、画像データの転送時間、ネットワーク負荷、メモリ容量等のコスト削減と、精度の高い表示画像の作成の両立が可能となる。
【0015】
また、同様に前記目的を達成するために、請求項3に記載の発明は、画像サーバからネットワークを介して送信された画像データを画像ビューワに表示する画像表示方法であって、前記画像ビューワは前記画像サーバから低精度な画像データを受け取り、該受け取った画像データから低精度な表示画像を作成して表示し、現在表示中の表示画像をより高精度な画像に変更可能である場合に、前記表示画像の座標情報を前記画像ビューワが前記画像サーバに送信すると、前記画像サーバは、前記送信された座標情報に基づいて対応する部分的高精度画像データを前記画像ビューワに送信し、前記画像ビューワは、前記送信された部分的高精度画像データから高精度な表示画像を作成して表示することを特徴とする画像表示方法を提供する。
【0016】
これにより、画像データの転送時間、ネットワーク負荷、メモリ容量等のコスト削減と、精度の高い表示画像の作成の両立が可能となる。
【0017】
また、同様に前記目的を達成するために、請求項4に記載の発明は、画像サーバからネットワークを介して送信された画像データを画像ビューワに表示する画像表示方法であって、前記画像ビューワは前記画像サーバから低精度な画像データを受け取り、該受け取った画像データから低精度な表示画像を作成して表示し、現在表示中の表示画像をより高精度な画像に変更可能である場合に、前記表示画像より高精度な画像を作成するために必要な情報を前記画像ビューワが前記画像サーバに送信すると、前記画像サーバは、前記送信された情報に基づいて前記表示画像より高精度な画像を作成して該作成した高精度な画像を前記画像ビューワに送信し、前記画像ビューワは、前記送信された高精度画像データを表示することを特徴とする画像表示方法を提供する。
【0018】
これにより、画像データの転送時間、ネットワーク負荷、メモリ容量等のコスト削減と、精度の高い表示画像の作成の両立が可能となる。
【発明の効果】
【0019】
以上説明したように、本発明によれば、画像データの転送効率を向上させるとともにネットワーク負荷及びメモリ容量等のコストを削減させながら同時に画像精度の維持を図ることが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下、添付図面を参照して、本発明に係る画像表示方法及び画像表示システムについて詳細に説明する。
【0021】
図1は、本発明に係る画像表示システムとしての医用画像システム(PACS)の第1実施形態の概略を示すシステム構成図である。
【0022】
図1に示すように、医用画像システム(画像表示システム)1は、画像サーバ10と、画像ビューワ20とがネットワーク30を介して接続されて構成されている。
【0023】
画像サーバ10は、画像を保存する画像保存手段11及び画像(画像データ)をネットワーク30を介して画像ビューワ20に送信する画像送信手段12を有している。
【0024】
画像保存手段11は、図示を省略したが同様にネットワーク30に接続されるX線CT装置などによって撮像されたスライス画像データ等を保存するものである。
【0025】
また、画像送信手段12は、画像保存手段11に保存されている画像データをネットワーク30を介して画像ビューワ20に送信するものである。
【0026】
一方、画像ビューワ20は、ネットワーク30を介して画像サーバ10から画像データ(スライス画像データ)を受け取り、画像データを加工してMPR画像等のSC画像を作成して表示し、医療診断に供するものである。
【0027】
本実施形態においては、図1に示すように、画像ビューワ20はネットワーク30に複数接続されており、各画像ビューワ20は、画像データ取得手段21、表示画像作成手段22、表示手段23、通知手段24及び座標情報送信手段25を有している。
【0028】
画像データ取得手段21は、ネットワーク30を介して画像サーバ10から画像データを受け取るものであり、低精度の画像データや、詳しくは後述するが、表示画像をより高精度にすることが可能な場合には、高精度の画像データの一部分を受け取る。
【0029】
表示画像作成手段22は、画像データ取得手段21が受け取った画像データを加工して、表示用の画像として、MPR画像等のSC画像を作成するものである。また、特に高精度の画像データの一部分を受け取った場合には、表示画像作成手段22において、表示用の高精度なSC画像が作成される。
【0030】
表示手段23は、作成された表示画像を表示するものであり、具体的に限定されるものではないが、例えばLCD(液晶ディスプレイ)が好適に例示される。
【0031】
通知手段24は、表示手段23に表示されている画像が低精度の画像である場合に、画像サーバ10が、より高精度の画像データを保存していれば、これを用いることによりさらに高精度の表示画像を作成して表示することができるので、その旨をユーザに通知するものである。通知の方法は特に限定されるものではなく、例えば、表示手段23とは別の場所にランプを設けてこれを点灯させることで高精度画像への変更が可能であることを示してもよいし、表示手段23の表示画面に何らかのメッセージを表示してユーザに知らせるようにしても良い。あるいは、表示画面に点滅するボタンなどを表示し、ユーザがこれをクリックすることで画像サーバ10に対する高精度画像の要求の合図となるようにしてもよい。
【0032】
なお、図示を省略しているが、画像ビューワ20は、これら以外にも、ユーザが医用画像システム1に対して様々な指示を行うための、例えばキーボードやマウスなどの入力手段を有している。
【0033】
次に、本実施形態の作用を説明する。本実施形態は、本画像表示システムにおいて、ユーザは通常は、画像ビューワに画像サーバから低精度の画像データを取得し低精度SC画像を作成して表示し低精度SC画像によって観察を行うが、それよりも精度の高い画像データが画像サーバに存在するときにはそれをユーザに通知し、ユーザが希望する場合に、より高精度なSC画像の作成に必要となる精度の高い画像データ1部分のみを画像サーバから画像ビューワに送信して、より高精度の画像を作成して表示するものである。
【0034】
以下、図2のフローチャートに沿って本実施形態の作用を説明する。
【0035】
まず、図2のステップS100において、ユーザが画像ビューワ20上で、その入力手段を通じて、画像サーバ10に対して画像取得を要求すると、次のステップS102において、画像サーバ10は、画像保存手段11から要求に該当する低精度画像データを検索し、その低精度画像データに関する情報とともに画像送信手段12からネットワーク30を介して画像ビューワ20に送信する。
【0036】
ここで低精度画像データとは、画像データを間引きしたもの、縮小したものあるいは圧縮してデータサイズを小さくしたもの等を言い、その条件はユーザが指定しても良いし、プリセットで予め決めておくようにしても良い。また低精度画像データに関する情報としては、低精度の内容に応じて、例えばデータの圧縮度などが該当する。
【0037】
次に、ステップS104において、低精度画像データは画像データ取得手段21から表示画像作成手段22に送られ、表示画像作成手段22において表示用の低精度SC画像が作成される。作成された低精度SC画像は表示手段23に表示される。
【0038】
ユーザは、画像ビューワ20から画像サーバ10に指示を出して、次々と低精度画像データを取得して低精度SC画像を作成し表示手段23に表示して、様々な部位についての観察を行う。
【0039】
ステップS106において、ユーザが表示手段23に表示された低精度SC画像を観察しているとき、通知手段24はその低精度SC画像を高精度SC画像に変換することが可能な場合には、その旨をユーザに通知する。
【0040】
ユーザは、低精度SC画像での観察を続けているときに、ある部位に着目し、これをさらに詳しく観察したい場合、その部位の画像が高精度SC画像に変更可能であれば、ステップS108において、画像ビューワ20から画像サーバ10に対して高精度SC画像への変更を要求する。このとき高精度の条件は、ユーザが指定してもよいし、プリセットで予め決めておくようにしてもよい。
【0041】
そして、ステップS110において、画像サーバ10に対して高精度SC画像データを要求し、合わせて、高精度SC画像に変更しようとしている低精度SC画像の座標等のSC画像情報を、座標情報送信手段25から画像サーバ10に対して送信する。例えば、体のある断面(平面)を観察しているとき、その面の4隅の座標が送信されるが、平面は3点で決定されるので、現在表示されている低精度SC画像上の適当な3点の座標のみを送信するようにしてもよい。
【0042】
画像サーバ10は、画像ビューワ20から高精度SC画像データの要求及び座標情報を受け取ると、次のステップS112において、高精度SC画像への変換に必要な高精度な画像データの一部分(ボリュームデータ)を画像送信手段12を介して画像ビューワ20に送信する。画像ビューワ20の画像データ取得手段21は、画像サーバ10から送信された高精度SC画像の作成に必要な高精度SC画像データの一部分(ボリュームデータ)を受け取る。
【0043】
ここで、高精度SC画像の作成に必要な高精度SC画像データの一部分(ボリュームデータ)とはどのようなものか説明する。
【0044】
例えば、今表示されている低精度SC画像は、図3に示すような3次元の立体40中の斜線で示した平面42であるとする。これを高精度なSC画像に変更するためには、少なくともこの平面42を含む部分のボリュームデータが必要である。そこで、例えばこの立体40を3つに分割した部分44、46、48のうち、図3中に太い破線で示した部分46のボリュームデータを送信すればよい。
【0045】
このように、必ずしも立体40の全体のデータは必要ではなく、その一部分のみを画像ビューワ20に送信すればよい。また、立体40をさらに細かく小さなブロックに分割して、平面42を含む小ブロックのボリュームデータのみを送信するようにすれば、さらに送信するデータ量を減らすことができる。
【0046】
ステップS114において、表示画像作成手段22は、画像データ取得手段21から高精度SC画像の作成に必要な高精度SC画像データの一部分を受け取り、高精度SC画像を作成する。そして、ステップS116において、この作成した高精度SC画像を表示手段23に表示して、低精度SC画像を高精度SC画像に変換する。
【0047】
図4に、人体胸部の低精度SC画像(MPR画像)と、これを高精度SC画像に変更した例を示す。図4(a)は低精度SC画像であり、図4(b)は高精度SC画像である。
【0048】
図4(a)の低精度SC画像では、圧縮によるノイズが多いが、図4(b)の高精度SC画像では、ノイズが無くなりはっきりと各組織が見えるようになっている。
【0049】
このように本実施形態によれば、データの転送時間やコストを削減することができるとともに、精度の高いSC画像による診断が可能となる。
【0050】
次に、本発明の第2実施形態について説明する。
【0051】
前述した第1実施形態は、画像ビューワ20に表示されている画像を高精度SC画像に変更するときは、画像ビューワ20が画像サーバ10から必要な高精度SC画像データの一部分を受け取り、画像ビューワ20において高精度SC画像を作成したが、本第2実施形態においては、高精度SC画像に変更する際、画像サーバ10側で高精度SC画像を作成して、作成した高精度SC画像を画像ビューワ20に送信し、画像ビューワ20は単に受け取った高精度SC画像を表示するようにしたものである。
【0052】
図5は、本発明に係る画像表示システムとしての医用画像システム(PACS)の第2実施形態の概略を示すシステム構成図である。
【0053】
図5に示すように、医用画像システム(画像表示システム)1’は、画像サーバ10’と、画像ビューワ20’とがネットワーク30を介して接続されて構成されている。
【0054】
画像サーバ10’は、画像保存手段11及び画像送信手段12の他に高精度画像作成手段13を有している。
【0055】
また、画像ビューワ20’は、画像データ取得手段21、表示画像作成手段22、表示手段23、通知手段24、及び情報送信手段26を有している。情報送信手段26は、表示中の低精度SC画像を高精度SC画像に変更するために必要な、低精度SC画像の情報を画像サーバ10’に送信するものである。
【0056】
以下、本実施形態の作用を図6のフローチャートに沿って説明する。
【0057】
図6のステップS200からステップS208までは、前述した第1実施形態における図2のフローチャートのステップS100からステップS108と同じである。
【0058】
すなわち、図6のステップS200において、ユーザが画像ビューワ20’上で、画像サーバ10’に対して画像取得を要求すると、次のステップS202において、画像サーバ10’は、低精度画像データ及びその低精度画像データに関する情報をネットワーク30を介して画像ビューワ20’に送信する。
【0059】
次に、ステップS204において、低精度画像データは画像データ取得手段21から表示画像作成手段22に送られ、表示画像作成手段22において表示用の低精度SC画像が作成され表示手段23に表示される。
【0060】
ステップS206において、通知手段24が、低精度SC画像を高精度SC画像に変換することが可能なことをユーザに通知すると、ユーザは、ステップS208において、画像ビューワ20’から画像サーバ10’に対して高精度SC画像への変更を要求する。
【0061】
ユーザが画像サーバ10’に対して高精度SC画像への変更を要求すると、次のステップS210において、画像ビューワ20’の情報送信手段26は、低精度SC画像の圧縮度などの低精度SC画像に関する情報を画像サーバ10’に送信する。
【0062】
ステップS212において、画像サーバ10’の高精度画像作成手段13は、低精度SC画像に関する情報と、画像保存手段11が保存している高精度SC画像データとを用いて、現在表示手段23に表示されている低精度SC画像に対する高精度SC画像を作成する。
【0063】
ステップS214において、作成された高精度SC画像は、画像送信手段12からネットワーク30を介して画像ビューワ20’に送られる。
【0064】
ステップS216において、画像ビューワ20’は、受け取った高精度SC画像を表示手段23に表示する。
【0065】
本実施形態のように、高精度SC画像を画像サーバ側で作成して、作成した高精度SC画像を画像ビューワに送信して表示するようにしても、画像データの転送時間、ネットワーク負荷、メモリ容量等のコスト削減と、精度の高い表示画像の作成及び表示とを両立させることが可能となる。
【0066】
以上、本発明の画像表示方法及び画像表示システムについて詳細に説明したが、本発明は、以上の例には限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、各種の改良や変形を行ってもよいのはもちろんである。
【図面の簡単な説明】
【0067】
【図1】本発明に係る画像表示システムとしての医用画像システム(PACS)の第1実施形態の概略を示すシステム構成図である。
【図2】本発明の第1実施形態の作用を示すフローチャートである。
【図3】高精度SC画像の作成に必要な高精度SC画像データ(ボリュームデータ)の部分を示す説明図である。
【図4】本実施形態の効果を示す説明図であり、(a)は低精度SC画像、(b)は高精度SC画像である。
【図5】本発明に係る画像表示システムとしての医用画像システムの第2実施形態の概略を示すシステム構成図である。
【図6】本発明の第2実施形態の作用を示すフローチャートである。
【図7】従来の画像表示システムの概略を示すシステム構成図である。
【符号の説明】
【0068】
1…画像表示システム、10…画像サーバ、11…画像保存手段、12…画像送信手段、13…高精度画像作成手段、20…画像ビューワ、21…画像データ取得手段、22…表示画像作成手段、23…表示手段、24…通知手段、25…座標情報送信手段、26…情報送信手段、30…ネットワーク

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像サーバと画像ビューワがネットワークを介して接続された画像表示システムであって、
前記画像サーバは、画像データを保存する画像保存手段と、前記画像データを前記画像ビューワに送信する画像送信手段を有するとともに、
前記画像ビューワは、前記画像サーバから送信された画像データを受け取る画像データ取得手段と、前記受け取った画像データから表示画像を作成する表示画像作成手段と、画像を表示する表示手段と、現在表示中の表示画像をより高精度な画像に変更可能であることをユーザに通知する通知手段と、前記表示画像より高精度な画像を作成するために必要な画像データを取得するための座標情報を前記画像サーバに送信する座標情報送信手段とを有し、
現在表示中の表示画像をより高精度な画像に変更可能であることが通知された場合に、前記表示画像の座標情報を前記画像サーバに送信すると、前記画像サーバは該送信された座標情報に基づいて高精度画像を作成するために必要な部分的高精度画像データを前記画像ビューワに送信し、前記画像ビューワは受け取った部分的高精度画像データからより高精度な表示画像を作成して表示することを特徴とする画像表示システム。
【請求項2】
画像サーバと画像ビューワがネットワークを介して接続された画像表示システムであって、
前記画像サーバは、画像データを保存する画像保存手段と、前記画像データから高精度な画像を作成する高精度画像作成手段と、前記画像データまたは前記作成した高精度画像を前記画像ビューワに送信する画像送信手段を有するとともに、
前記画像ビューワは、前記画像サーバから送信された画像データまたは高精度画像を受け取る画像データ取得手段と、前記受け取った画像データから表示画像を作成する表示画像作成手段と、画像を表示する表示手段と、現在表示中の表示画像をより高精度な画像に変更可能であることをユーザに通知する通知手段と、前記表示画像より高精度な画像を作成するために必要な情報を前記画像サーバに送信する情報送信手段とを有し、
現在表示中の表示画像をより高精度な画像に変更可能であることが通知された場合に、前記表示画像より高精度な画像を作成するために必要な情報を前記画像サーバに送信すると、前記画像サーバは該送信された情報に基づいて前記表示画像より高精度な画像を作成して該作成した高精度画像を前記画像ビューワに送信し、前記画像ビューワは受け取った高精度画像を表示することを特徴とする画像表示システム。
【請求項3】
画像サーバからネットワークを介して送信された画像データを画像ビューワに表示する画像表示方法であって、
前記画像ビューワは前記画像サーバから低精度な画像データを受け取り、該受け取った画像データから低精度な表示画像を作成して表示し、
現在表示中の表示画像をより高精度な画像に変更可能である場合に、前記表示画像の座標情報を前記画像ビューワが前記画像サーバに送信すると、
前記画像サーバは、前記送信された座標情報に基づいて対応する部分的高精度画像データを前記画像ビューワに送信し、
前記画像ビューワは、前記送信された部分的高精度画像データから高精度な表示画像を作成して表示することを特徴とする画像表示方法。
【請求項4】
画像サーバからネットワークを介して送信された画像データを画像ビューワに表示する画像表示方法であって、
前記画像ビューワは前記画像サーバから低精度な画像データを受け取り、該受け取った画像データから低精度な表示画像を作成して表示し、
現在表示中の表示画像をより高精度な画像に変更可能である場合に、前記表示画像より高精度な画像を作成するために必要な情報を前記画像ビューワが前記画像サーバに送信すると、
前記画像サーバは、前記送信された情報に基づいて前記表示画像より高精度な画像を作成して該作成した高精度な画像を前記画像ビューワに送信し、
前記画像ビューワは、前記送信された高精度画像データを表示することを特徴とする画像表示方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2009−66306(P2009−66306A)
【公開日】平成21年4月2日(2009.4.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−240009(P2007−240009)
【出願日】平成19年9月14日(2007.9.14)
【出願人】(306037311)富士フイルム株式会社 (25,513)
【Fターム(参考)】