説明

画像表示装置、動作制御方法及びプログラム

【課題】 ある画像を拡大表示した状態から表示画像を容易に切替えることができる画像表示装置を得る。
【解決手段】 本発明による画像表示装置50は、表示画面に全体が表示された第1の画像を拡大して第1の画像の一部を表示画面に再表示する画像拡大部51と、拡大された第1の画像と第2の画像を連続した一つの画像として、上記一部が表示画面に表示された状態からユーザ操作に従って表示画面の表示内容を移動させる画像移動部52とを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は画像表示装置、動作制御方法及びプログラムに関し、特に表示画面に表示されている画像を拡大処理して該画面に再表示する画像表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
パーソナルコンピュータ、携帯電話機やデジタルカメラなどの表示画面に画像を表示する場合、ある画像が画面に表示された状態で、ユーザによる方向キーの押下、タッチパネルやマウスを用いたドラッグ操作などにより、画面の表示を次の画像に切替えることができる。図5はこの画像切替動作を説明するための図である。図5において、画面3にはタッチパネルが設けられているものとする。画面3に画像1全体が表示されている状態において、ユーザが指をタッチパネルに触れたままスライドさせるドラッグ操作を行うことにより次の画像である画像2が画面3に表示される。
【0003】
また、例えば特許文献1に記載されているように、ユーザが所定の操作を行うことにより画面に表示されている画像の拡大表示を行い、拡大表示が行われている状態でマウスを用いたドラッグ操作が行われると、このドラッグ操作に合わせて画面に表示させる該画像の表示領域を移動させることが記載されている。
【0004】
【特許文献1】特開2003−337952号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
以上説明したように画面に画像を拡大表示した場合、図5に示したように画面3に画像1全体が表示されている状態では画像1から画像2への画像切替に割り当てられていた方向キーの押下操作やドラッグ操作が、画像切替ではなく拡大画像内部の移動に割り当てられる。図6はこの画像移動動作を説明するための図であり、図5と同等部分は同一符号にて示している。
【0006】
図6に示すように、画面3に画像1が拡大表示されている状態(画面3に画像1全体が表示できない状態)では、ドラッグ操作が拡大画像内部の移動に割り当てられるので、ドラッグ操作をしても画像1の端までしか表示することができず、画面3の表示を次の画像である画像2に切替えることができない。画像を切替えるためには、拡大表示を解除する操作を行った後、図5に示した画像切替操作を行う必要があり、ある画像を拡大表示した状態から単一の操作で別の画像を表示させることはできない。
【0007】
本発明の目的は、上述した課題を解決し、ある画像を拡大表示した状態から表示画像を容易に切替えることができる画像表示装置、動作制御方法及びプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明による画像表示装置は、表示画面に全体が表示された第1の画像を拡大して前記第1の画像の一部を前記表示画面に再表示する画像拡大手段と、前記拡大された第1の画像と第2の画像を連続した一つの画像として、前記一部が前記表示画面に表示された状態からユーザ操作に従って前記表示画面の表示内容を移動させる画像移動手段とを含むことを特徴とする。
【0009】
本発明による動作制御方法は、画像表示装置の動作制御方法であって、表示画面に全体が表示された第1の画像を拡大して前記第1の画像の一部を前記表示画面に再表示する画像拡大ステップと、前記拡大された第1の画像と第2の画像を連続した一つの画像として、前記一部が前記表示画面に表示された状態からユーザ操作に従って前記表示画面の表示内容を移動させる画像移動ステップとを含むことを特徴とする。
【0010】
本発明によるプログラムは、画像表示装置の動作制御方法をコンピュータに実行せしめるプログラムであって、表示画面に全体が表示された第1の画像を拡大して前記第1の画像の一部を前記表示画面に再表示する画像拡大処理と、前記拡大された第1の画像と第2の画像を連続した一つの画像として、前記一部が前記表示画面に表示された状態からユーザ操作に従って前記表示画面の表示内容を移動させる画像移動処理とを含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、ある画像を拡大表示した状態から表示画像を容易に切替えることができるという効果が得られる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
本発明の実施の形態について説明する前に、本発明の理解を助けるために、本発明の原理について図面を参照して説明する。図1は本発明の原理を説明するための画像表示装置の概略ブロック図である。
【0013】
図1に示した画像表示装置50は、表示画面に全体が表示された第1の画像を拡大して第1の画像の一部を表示画面に再表示する画像拡大部51と、拡大された第1の画像と第2の画像を連続した一つの画像として、上記一部が表示画面に表示された状態からユーザ操作に従って表示画面の表示内容を移動させる画像移動部52とを含む。
【0014】
このように、ユーザ操作に従って表示画面に表示される画像の領域を移動させる画像移動部52が第1の画像と第2の画像を単一の画像として扱うので、第1の画像が拡大表示された状態から表示画像を第2の画像へと容易に切替えることができる。
【0015】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
【0016】
図2は本発明の実施の形態による画像表示装置の構成を示す図である。図2において、本発明の実施の形態による画像表示装置は、制御部11と、表示部12と、画像メモリ13と、ユーザデータ記憶部14とを含む。表示部12は、その表示画面上に設けられ表示画面への接触を検知するタッチパネルを備えている。ユーザデータ記憶部14は、後述する画像1及び2を含む複数の画像データやその他のユーザデータを記憶している。画像メモリ13は、表示部12に表示される画像データを一時的に記憶する。
【0017】
制御部11は、画像表示装置の上述した各部を制御するものであり、画像拡大部111と、画像移動部112と、画像切替部113とを含む。画像拡大部111は、表示部12の表示画面にある画像の全体が表示されている状態でユーザにより画像拡大を指示する所定の操作がなされると、該画像を所定の倍率で拡大して再表示させる。例えば上記所定の操作がタッチパネルを触れた後に離すクリック操作である場合、画像拡大部111は、クリックがなされた画像位置が表示画面の中心に表示されるように画像を拡大して表示させるようにしてもよい。
【0018】
画像移動部112は、画像が拡大表示されている状態でユーザが指をタッチパネルに触れたままスライドさせるドラッグ操作を行うと、このドラッグ操作に合わせて画面に表示される画像の領域を移動させる。このとき、画像移動部112は、拡大表示されている画像(第1の画像)と、この第1の画像とは別の第2の画像(例えば、画像切替操作がなされた場合に次に表示すべき画像として予め定められている画像)とを連続した1枚の画像として扱い、ドラッグ操作に合わせてこの連続した1枚の画像を移動させながら画面に表示させる。
【0019】
画像切替部113は、ユーザが指をタッチパネルから離すことにより上記のドラッグ操作が終了されると、表示画面に占める第1の画像と第2の画像の面積比を基に第1及び第2の画像の一方のみを表示させて表示を切替える。
【0020】
図3は本発明の実施の形態による画像表示装置の動作を示すフローチャートであり、図4は本発明の実施の形態による画像表示装置の動作を説明するための図である。以下、図2〜図4を参照して本発明の実施の形態による画像表示装置の動作を説明する。
【0021】
まず、表示部12の表示画面3に画像1の全体が表示されている状態でユーザにより画像拡大を指示する所定の操作がなされると、制御部11は、画像1に加え画像2も画像メモリ13に展開し(ステップS1)、画像拡大部111は、画像メモリ13から画像1を読み出して拡大処理を行い表示画面3に表示させる(ステップS2)。
【0022】
そして、タッチパネルを用いたドラッグ操作が行われると(ステップS3)、画像移動部112は、画像メモリ13内の画像1及び2を1枚の画像として扱い、ドラッグ操作に合わせて表示画面3の表示内容をこの1枚の画像内で移動させる(ステップS4)。したがって、図4に示すように、ドラッグ操作を行って画像を移動させることにより画像2を表示することができる。なお、画像移動中も、画像1が画面3に表示される場合は拡大表示されるが、画像2については画像1と同様に拡大表示するようにしてもよいし、拡大することなく標準サイズで表示するようにしてもよい。
【0023】
ドラッグ操作が終了すると(ステップS5)、画像切替部113は、その時点における表示画面3に占める画像1と画像2の面積比から、より大きな面積を占める画像に表示を切替える(ステップS6)。したがって、画像1の一部と画像2の一部とが同時に表示画面3に表示されている状態(画像1から画像2へ表示を切替える途中の状態)でドラッグ操作が中断された場合でも、画像1及び2の一方へ表示が切替えられる。
【0024】
なお、図3に示したフローチャートに従った画像表示装置の処理動作は、該装置において、予めROM等の記憶媒体に格納されたプログラムを、CPU(制御部)となるコンピュータに読み取らせて実行せしめることにより、実現できることは勿論である。
【0025】
以上説明したように、本発明の実施の形態では、ドラッグ操作に従って表示画面3に表示される画像の領域を移動させる画像移動部112が画像1と画像2を単一の画像として扱うので、画像1が拡大表示された状態から拡大表示を解除する操作を行うことなく表示画像を画像2へと容易に切替えることができ、ユーザの利便性が向上する。
【0026】
なお、本発明の実施の形態では、表示部12はタッチパネルを備え、このタッチパネルを用いてユーザ操作が行われていたが、本実施形態はタッチパネルに限定されるものではない。タッチパネルの代わりに、マウスやニューロポインター(登録商標)などの他のアナログポインティングデバイスを用いたドラッグ操作に従って画像移動部112は画像を移動させるようにしてもよい。また、これらポインティングデバイスの代わりに複数のキーを備えたキー入力部(キー操作部)を設け、所定のキー(例えば方向キー)の押下に従って画像移動部112は画像を移動させるようにしてもよい。
【0027】
また、本発明の実施の形態は、携帯電話機、デジタルカメラ、パーソナルコンピュータなどの電子機器全般の画像表示装置に適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】本発明の原理を説明するための画像表示装置の概略ブロック図である。
【図2】本発明の実施の形態による画像表示装置の構成を示す図である。
【図3】図2の画像表示装置の動作を示すフローチャートである。
【図4】図2の画像表示装置の動作を説明するための図である。
【図5】本発明に関連する画像切替動作を説明するための図である。
【図6】本発明に関連する画像移動動作を説明するための図である。
【符号の説明】
【0029】
11 制御部
12 表示部
13 画像メモリ
14 ユーザデータ記憶部
50 画像表示装置
51,111 画像拡大部
52,112 画像移動部
113 画像切替部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示画面に全体が表示された第1の画像を拡大して前記第1の画像の一部を前記表示画面に再表示する画像拡大手段と、
前記拡大された第1の画像と第2の画像を連続した一つの画像として、前記一部が前記表示画面に表示された状態からユーザ操作に従って前記表示画面の表示内容を移動させる画像移動手段とを含むことを特徴とする画像表示装置。
【請求項2】
前記ユーザ操作の終了に応答して、その時点における前記表示画面に占める前記第1の画像と前記第2の画像の面積比を基に前記第1及び第2の画像の一方のみを前記表示画面に表示する画像切替手段を更に含むことを特徴とする請求項1記載の画像表示装置。
【請求項3】
ポインティングデバイスを更に含み、前記ユーザ操作は前記ポインティングデバイスを用いたドラッグ操作であることを特徴とする請求項1または2記載の画像表示装置。
【請求項4】
前記ポインティングデバイスは、前記表示画面上に設けられ前記表示画面への接触を検知するタッチパネルであることを特徴とする請求項3記載の画像表示装置。
【請求項5】
複数のキーを備えたキー入力手段を更に含み、前記ユーザ操作は前記複数のキーのうち所定のキーの押下であることを特徴とする請求項1または2記載の画像表示装置。
【請求項6】
画像表示装置の動作制御方法であって、
表示画面に全体が表示された第1の画像を拡大して前記第1の画像の一部を前記表示画面に再表示する画像拡大ステップと、
前記拡大された第1の画像と第2の画像を連続した一つの画像として、前記一部が前記表示画面に表示された状態からユーザ操作に従って前記表示画面の表示内容を移動させる画像移動ステップとを含むことを特徴とする動作制御方法。
【請求項7】
前記ユーザ操作の終了に応答して、その時点における前記表示画面に占める前記第1の画像と前記第2の画像の面積比を基に前記第1及び第2の画像の一方のみを前記表示画面に表示する画像切替ステップを更に含むことを特徴とする請求項6記載の動作制御方法。
【請求項8】
前記ユーザ操作はポインティングデバイスを用いたドラッグ操作であることを特徴とする請求項6または7記載の動作制御方法。
【請求項9】
前記ポインティングデバイスは、前記表示画面上に設けられ前記表示画面への接触を検知するタッチパネルであることを特徴とする請求項8記載の動作制御方法。
【請求項10】
前記ユーザ操作は、複数のキーを備えたキー入力手段の前記複数のキーのうち所定のキーの押下であることを特徴とする請求項6または7記載の動作制御方法。
【請求項11】
画像表示装置の動作制御方法をコンピュータに実行せしめるプログラムであって、
表示画面に全体が表示された第1の画像を拡大して前記第1の画像の一部を前記表示画面に再表示する画像拡大処理と、
前記拡大された第1の画像と第2の画像を連続した一つの画像として、前記一部が前記表示画面に表示された状態からユーザ操作に従って前記表示画面の表示内容を移動させる画像移動処理とを含むことを特徴とするプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2010−101977(P2010−101977A)
【公開日】平成22年5月6日(2010.5.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−271487(P2008−271487)
【出願日】平成20年10月22日(2008.10.22)
【出願人】(000004237)日本電気株式会社 (19,353)
【Fターム(参考)】