説明

画像表示装置、通信機器及び画像形成装置

【課題】通信相手先への通信前に、操作者が、先に行われた通信の結果を簡単に確認できるようにする。
【解決手段】通信対象となる通信相手先を示す通信相手先を記憶する通信相手先記憶部53と、通信相手先を通信相手先候補としてリスト化したアドレス帳画面Cを表示部に表示させる表示制御部522と、表示部410にアドレス帳画面Cが表示されているときに、通信対象とする通信相手先を操作者から受け付ける通信相手先受付部523と、送信が行われた通信相手先への通信結果を記憶する通信結果記憶部54とを備え、表示制御部522は、アドレス帳画面Cを表示部410に表示させるとき、各通信相手先と共に、各通信相手先に対応する通信結果を通信結果記憶部54から読み出してアドレス帳画面C内に表示させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像表示装置、通信機器及び画像形成装置に関し、特に、通信時に通信相手先を指定する際の技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、操作者により指定された通信相手先に、電話やファクシミリ送信、電子メール送信等の通信を行う通信機器が知られている。このような通信機器においては、本体に登録されている通信相手先は、繰り返し同じ宛先に送信することを想定して登録されているにも関わらず、前回通信相手先に送信した通信結果は、過去の通信記録を示す通信ログ画面等の別画面を表示させて確認しなければならない。このため、操作者は、仮に前回の送信で通信に失敗していた通信相手先であるにも関わらず、通信開始指示時に通信相手先を選択する際においては、ユーザは通信に失敗していたことを知るための操作が面倒である。さらに、通信ログ画面等で確認しようとしても、通信ログ保持の期間又は件数は有限であることが多いため、操作者が特定の通信相手先の前回の通信結果を確認したくても既に消去されている場合がある。
【0003】
また、特許文献1に示されるファクシミリ装置は、過去の通信記録に基づいて、ファクシミリ通信の不達確率が一定値に達した通信相手先を一定値越えリストに記憶させ、この一定置越えリストに記憶されている通信相手先を纏めて表示部に表示させる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008−22279号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記特許文献1に示されたファクシミリ装置の場合であっても、操作者が、ファクシミリ送信前に通信相手先を指定するときに、今回指定したい通信相手先についての過去の通信における上記不達確率が高いか否かを確認したい場合は、上記一定値越えリストに記憶されている通信相手先を表示部に表示させる作業を行って、通信相手先の入力画面とは別の画面での確認作業を行わねばならず、面倒であった。
【0006】
本発明は、上記の問題を解決するためになされたもので、通信相手先への通信前に、操作者が、先に行われた通信の結果を簡単に確認できるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の請求項1に記載の発明は、通信を行う通信部と、
前記通信部による通信対象となる通信相手先を示す通信相手先を記憶する通信相手先記憶部と、
前記通信相手先を表示する表示部と、
前記通信相手先を通信相手先候補としてリスト化した通信相手先リスト画面を前記表示部に表示させる表示制御部と、
前記表示制御部によって前記表示部に前記通信相手先リスト画面が表示されているときに、前記通信部に通信を行わせる通信相手先を操作者から受け付ける通信相手先受付部と、
前記送信部によって行われた前記通信相手先への少なくとも直前の通信結果を記憶する通信結果記憶部とを備え、
前記表示制御部は、前記通信相手先リスト画面を前記表示部に表示させるとき、前記各通信相手先と共に、各通信相手先に対応する前記通信結果を前記通信結果記憶部から読み出して前記通信相手先リスト画面内に表示させる画像表示装置である。
【0008】
この発明によれば、表示制御部は、通信相手先リスト画面を表示部に表示させるとき、各通信相手先と共に、各通信相手先に対応する通信結果を通信結果記憶部から読み出して表示させるので、通信相手先への通信前に、操作者が、先に行われた通信の結果を簡単に確認できる。
【0009】
本発明の請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の画像表示装置であって、前記表示制御部は、前記通信相手先リスト画面を前記表示部に表示させるとき、前記通信結果記憶部に記憶されている前回の前記通信結果が通信エラーであると判断したときに、当該通信結果を通信相手先と共に前記通信相手先リスト画面の初期画面に表示させ、前記通信結果が通信エラーでない通信相手先については、各通信相手先に対応付けられた通信結果を前記通信相手先リスト画面に表示させないものである。
【0010】
この発明によれば、表示制御部は、通信相手先に対応する通信結果が通信エラーである場合に、その通信相手先への通信が通信エラーを生じていたことを通信相手先リスト画面の初期画面に表示し、通信結果が通信エラーでない場合は、各通信相手先についての通信結果を通信相手先リスト画面に表示させないので、通信相手先リスト画面が煩雑な表示となることで却って操作者が重要な情報を把握できないという事態を回避し、操作者は、通信時に重要な情報となる前回の通信でエラーが生じていた事実を的確に把握できる。
【0011】
本発明の請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の画像表示装置であって、前記各通信相手先について、対応する前記通信結果の表示要求を操作者から受け付ける通信結果表示要求受付部を更に備え、
前記表示制御部は、前記通信相手先リスト画面を前記表示部に表示させるとき、前記通信結果記憶部に記憶されている前記各通信相手先に対応する前記通信結果が通信エラーであると判断したときに、当該通信結果を前記通信相手先リスト画面の初期画面に表示させ、前記通信結果が通信エラーでない通信相手先については、前記通信結果表示要求受付部に前記表示要求が受け付けられた場合に、各通信相手先に対応付けられた通信結果を前記通信相手先リスト画面に表示させるものである。
【0012】
この発明によれば、表示制御部は、通信相手先に対応する通信結果が通信エラーである場合に、その通信相手先への通信が通信エラーを生じていたことを通信相手先リスト画面の初期画面に表示し、通信結果が通信エラーでない場合は、操作者から通信結果の表示要求がされた場合に、各通信相手先についての通信結果を通信相手先リスト画面に表示させるので、操作者は、通信時に重要な情報となる前回の通信でエラーが生じていた事実を的確に把握でき、その他の通信結果については必要に応じて表示させて把握することが可能になる。
【0013】
本発明の請求項4に記載の発明は、請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の画像表示装置であって、前記送信相手先情報記憶部に記憶されている相手先情報の中から、任意の相手先情報を選択する指示を操作者から受け付ける選択受付部を更に備え、
前記表示制御部は、前記選択受付部で選択された通信相手先については、前記通信結果を前記通信相手先リスト画面に表示させないものである。
【0014】
この発明によれば、表示制御部は、選択受付部で選択された通信相手先については、通信結果を通信相手先リスト画面に表示させないので、操作者は、所望の通信相手先のみについての通信結果を通信相手先リスト画面に表示させることが可能になる。
【0015】
本発明の請求項5に記載の発明は、請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の画像表示装置を備えた通信機器である。
【0016】
本発明の請求項6に記載の発明は、請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の画像表示装置を備えた画像形成装置である。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、通信相手先への通信前に、操作者が、先に行われた通信の結果を簡単に確認できるようにする。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の一実施形態に係る画像形成装置の一例である複合機の構成を示す側面概略図である。
【図2】操作部の部分拡大図である。
【図3】図1に示す複合機の制御ブロック図である。
【図4】表示部に通信相手先及び通信結果を表示する際における処理の第1実施形態を示すフローチャートである。
【図5】表示部の表示画面の一例を示す図である。
【図6】表示部の表示画面の一例を示す図である。
【図7】表示部に通信相手先及び通信結果を表示する際における処理の第2実施形態を示すフローチャートである。
【図8】表示部の表示画面の一例を示す図である。
【図9】表示部に通信相手先及び通信結果を表示する際における処理の変形形態を示すフローチャートである。
【図10】(a)(b)は、表示部の表示画面の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の一実施形態に係る画像表示装置及び画像形成装置について図面を参照して説明する。図1は、本発明の一実施形態に係る画像形成装置の一例である複合機の構成を示す側面概略図である。図2は、操作部400の部分拡大図である。複合機1は、スキャナ機能、ファクシミリ機能、プリンタ機能、コピー機能等を兼ね備えている。複合機1は、本体部200と、本体部200の用紙搬出側、例えば左側に配設された用紙後処理部300と、操作者が種々の操作指令等を入力するための操作部400と、本体部200の上部に配設された原稿読取部500と、原稿読取部500の上部に配設された原稿給送部600とから構成される。
【0020】
図2にも示すように、操作部400は、LCD(Liquid Crystal Display)等からなる表示部410と、操作者から操作指示が入力される操作キー部430を備える。操作キー部430は、ヘルプキー431、スタートキー432、テンキー433、及び機能切換キー434等を備える。
【0021】
ヘルプキー431は、操作者から、スキャナ機能、ファクシミリ機能、プリンタ機能、コピー機能等に関する各操作方法を表示する操作画面(ヘルプ画面)を表示部410に表示させる指示を受け付けるものである。
【0022】
スタートキー432は、コピー動作やスキャン動作等の各動作を開始させる指示を操作者から受け付ける。テンキー433は、コピー部数を指定する指示等を操作者から受け付けるキーである。また、本実施形態では、テンキー433は、表示部410に表示中の操作画面に対応する操作指示の入力に必要な情報(例えば、ユーザボックス番号)の入力を受け付ける情報入力部として機能する。
【0023】
機能切換キー434は、コピー機能、送信機能(スキャナ機能、ファクシミリ機能等)、文書ボックス機能(後述するHDD74内の記憶領域(メールボックス)に記憶されているデータを読み出してプリントする機能)等を相互に切り替える機能切換指示を操作者から受け付けるキーである。
【0024】
表示部410は、LCD(Liquid Crystal Display)等からなり、タッチパネル機能を組み合わせたタッチパネルユニット等を備えている。表示部410は、種々の操作画面を表示すると共に、操作者が表示面(表示されている操作キー)をタッチすることで種々の機能の実行指令を入力することが可能とされている。
【0025】
原稿給送部60は、原稿載置部601、給紙ローラ602、原稿搬送部603及び原稿排出部604を備え、原稿読取部500は、スキャナ501を備える。給紙ローラ602は、原稿載置部601にセットされた所要枚数分の原稿を一枚ずつ繰り出し、原稿搬送部603は、繰り出される原稿を順次スキャナ501の読み取り位置に搬送する。スキャナ501は搬送される原稿の画像を順次読み取り、読み取られた原稿は原稿排出部604に排出される。
【0026】
本体部200は、複数の給紙カセット201、複数の給紙ローラ202、転写ローラ203、感光体ドラム204、露光装置206、現像装置207、定着ローラ208、排出口209、及び排出トレイ210等を備える。
【0027】
感光体ドラム204は、矢印方向に回転しながら帯電装置(図示省略)によって一様に帯電される。露光装置206は、原稿読取部500において読み取られた原稿の画像に応じて変調されたレーザ光を感光体ドラム204上に走査し、ドラム表面に各色毎の静電潜像を形成する。現像装置207は、黒色の現像剤を感光体ドラム204に供給してトナー画像を形成する。
【0028】
一方、給紙ローラ202は、印刷用紙が収納された給紙カセット201から印刷用紙を引き出し、転写ローラ203まで給送する。転写ローラ203は、搬送された印刷用紙に感光体ドラム204上のトナー像を転写させ、定着ローラ208は、転写されたトナー像を加熱して印刷用紙に定着させる。その後、印刷用紙は、本体部200の排出口209から用紙後処理部300に搬入される。また、印刷用紙は、必要に応じて排出トレイ210へも排出される。
【0029】
用紙後処理部300は、搬入口301、印刷用紙搬送部302、搬出口303及びスタックトレイ304等を備える。印刷用紙搬送部302は、排出口209から搬入口301に搬入された印刷用紙を順次搬送し、最終的に搬出口303からスタックトレイ304へ印刷用紙を排出する。スタックトレイ304は、搬出口303から搬出された印刷用紙の集積枚数に応じて矢印方向に上下動可能に構成されている。
【0030】
図3は、図1に示す複合機の制御ブロック図である。複合機1は、スキャナ部11、画像処理部21、プリンタ部31、操作部400、制御部51、ネットワークI/F(インターフェース)部71、HDD(ハードディスクドライブ)74、及びファクシミリ通信部75を備える。
【0031】
スキャナ部11は、図1に示すスキャナ501を構成する露光ランプ12及びCCD(電荷結合素子)13を含む。スキャナ部11は、露光ランプ12により原稿を照射し、その反射光をCCD13で受光することにより、原稿から画像を読み取り、読み取った画像
に対応する画像を画像処理部21へ出力する。
【0032】
画像処理部21は、補正部22、画像加工部23及び画像メモリ24を含む。画像処理部21は、読み取られた画像を必要に応じて補正部22及び画像加工部23により処理する。画像処理部21によって処理された画像は印刷用に画像メモリ24に記憶され、又はプリンタ部31に出力される。補正部22は、読み取られた画像に対してレベル補正、γ補正等の所定の補正処理を行う。画像加工部23は、画像の圧縮又は伸張処理、及び拡大又は縮小処理等の種々の加工処理を行う。
【0033】
プリンタ部31は、図1に示す給紙カセット201及び給紙ローラ202等から構成される用紙搬送部32、図1に示す感光体ドラム204、露光装置206及び現像装置207等から構成される画像形成部33、図1に示す転写ローラ203等から構成される転写部34、及び図1に示す定着ローラ208等から構成される定着部35を含む。プリンタ部31は、スキャナ部11により読み取られた原稿データを用いて画像を記録紙に印刷する。具体的には、用紙搬送部32は記録紙を画像形成部33へ搬送し、画像形成部33は上記の画像に対応するトナー像を形成し、転写部34はトナー像を記録紙に転写し、定着部35はトナー像を記録紙に定着させて画像を形成する。
【0034】
ネットワークI/F部71は、ネットワークインタフェース(10/100Base-TX)等を用い、LAN、又はルータを介したインターネットにより外部装置との間での種々のデータの送受信を制御する。ネットワークI/F部71は、動作制御部521による制御の下、例えば、LANにより当該複合機1に接続されたパーソナルコンピュータであって、操作部400の操作により操作者から指定されたアドレスを有するパーソナルコンピュータに対して、スキャナ部11によって読み取られた原稿画像データ等を送信して、操作者により指定された当該パーソナルコンピュータ内のフォルダに格納させる。また、ネットワークI/F部71は、動作制御部521による制御の下、例えば、ルータを介してインターネット等により当該複合機1に接続されたコンピュータであって、操作部400の操作により操作者から指定されたアドレスを有するパーソナルコンピュータに対して、電子メールを送信する。
【0035】
HDD74は、スキャナ部11によって読み取られた画像及び当該画像に設定されている出力形式等を記憶する。
【0036】
操作部400は、図1及び図2に示したように表示部410、操作キー部430を備える。表示部410は、タッチパネル機能により各種指示の入力を受け付ける複数のキーを表示制御部522による制御の下で表示する。
【0037】
例えば、表示部410には、後述する図6に示すアドレス帳画面Cの表示時に、当該画面内に「OK」キー411と、キャンセルキー412とが表示制御部522の表示制御により表示される。
【0038】
「OK」キー411は、アドレス帳画面Cに対応する操作指示の入力完了を示す入力完了指示の入力をタッチパネル機能により操作者から受け付けるキーである。
【0039】
キャンセルキー412は、アドレス帳画面Cに対応する操作指示が操作者により既に入力済みである場合に、当該入力済みの操作指示の入力を取り消す指示をタッチパネル機能により操作者から受け付けるソフトキーである。
【0040】
操作キー部430には、図2に示した機能切換キー434、スタートキー432、テンキー433等が設けられている。制御部51のCPU52は、上記表示部410及び操作部400の各キーから、操作者によって入力された指示を受け付ける。
【0041】
ファクシミリ通信部75は、符号化/復号化部(図示省略)、変復調部(図示省略)及びNCU(Network Control Unit)(図示省略)を含む。ファクシミリ通信部75は、動作制御部521による制御の下、スキャナ部11によって読み取られた原稿の画像データを、操作者による操作部400の操作で指定された通信相手先のファクシミリ装置に、電話回線を介してファクシミリ装置等へ送信したり、ファクシミリ装置等から送信された画像データを受信したりする。符号化/復号化部は、送信する画像データを圧縮・符号化し、受信した画像データを伸長・復号化する。変復調部は、圧縮・符号化された画像データを音声信号に変調し、受信した信号(音声信号)を画像データに復調する。NCUは、送受信先となるファクシミリ装置等との電話回線による接続を制御する。また、ファクシミリ通信部75は、動作制御部521による制御の下、操作者による操作部400の操作で指定された通信相手先のファクシミリ装置、或いは、当該複合機1をファクシミリデータの受信先として指定してくる外部のファクシミリ装置の間で、インターネットファクスによるデータ通信を行う。
【0042】
制御部51は、CPU52と、データ記憶部50とを備える。CPU52は、複合機1の動作制御を司るものである。
【0043】
データ記憶部50は、通信相手先記憶部53及び通信結果記憶部54を備える。
【0044】
通信相手先記憶部53は、メモリ等からなり、操作者による操作部400の操作で入力された、上記電子メールの送信相手先を示すアドレス、原稿画像データの格納先とするパーソナルコンピュータ及びそのフォルダを示すアドレス、ファクシミリ番号等を、上記ネットワークI/F部71による通信、又は上記ファクシミリ通信部75による通信の通信相手先として記憶する。
【0045】
通信結果記憶部54は、メモリ等からなり、上記ネットワークI/F部71による通信、及び上記ファクシミリ通信部75による通信が行われた時に、動作制御部521が取得したこれらの通信についての通信結果(例えば、通信が成立しなかったことを示す通信エラー、通信が成立したことを示す通信成功等)を記憶する。上記通信結果として動作制御部521により取得されて通信結果記憶部54に記憶される通信エラーの種類としては、(1)電子メール送信の場合、送信相手先アドレスが無効であって送信完了不可能であった旨、(2)パーソナルコンピュータへのデータ送信の場合、通信相手方となる当該パーソナルコンピュータのアクセス拒否、(3)ファクシミリ通信の場合、通信相手方の着信拒否や話し中等の情報が記憶される。
【0046】
CPU52は、動作制御部521、表示制御部522、通信相手先受付部523、選択受付部524、及び通信結果表示要求受付部525を備える。動作制御部521は、複合機1の各部(操作部400、スキャナ部11,画像処理部21、プリンタ部31等)の動作制御を司る。動作制御部521は、例えば、上述したように、上記ネットワークI/F部71による通信、及び上記ファクシミリ通信部75による通信を制御する。
【0047】
表示制御部522は、表示部410の表示動作を制御する。表示制御部522は、図略のデータ記憶部から、操作画面の表示に必要な画像データ等を読み出して、通信相手先記憶部53及び通信結果記憶部54に記憶されている各情報と共に、アドレス帳画面C(通信相手先リスト画面の一例)を生成して、表示部410に表示させる。
【0048】
通信相手先受付部523は、表示制御部522によって表示部410にアドレス帳画面Cが表示されているときに、上記ネットワークI/F部71及びファクシミリ通信部75による通信を行わせる通信相手先を示す通信相手先を、操作者による操作部400の操作に基づいて受け付ける。
【0049】
選択受付部524は、通信相手先記憶部53に記憶されている通信相手先であって、表示制御部522によりアドレス帳画面Cとして表示部410に表示された通信相手先の中から、操作者が通信の相手先とする任意の通信相手先を選択する指示を、当該操作者による操作部400の操作に基づいて受け付ける。なお、表示制御部522は、選択受付部524で操作者により選択された通信相手先については、上記通信結果をアドレス帳画面Cとして表示部410に表示させない。
【0050】
通信結果表示要求受付部525は、表示制御部522による表示制御でアドレス帳画面Cに表示された各通信相手先に対応する通信結果の表示要求を操作者から受け付ける。本発明に係る実施形態としては、(1)表示制御部522は、アドレス表示画面Cを表示部410に表示させるときに、通信結果表示要求受付部525による操作者からの通信結果の表示要求の有無に関わらずに、各通信相手先に対応付けられて通信結果記憶部54に記憶されている通信結果を表示部410に表示させる第1実施形態と(この形態では、通信結果表示要求受付部525は必須の構成要素ではない)、(2)表示制御部522は、アドレス表示画面Cを表示部410に表示させるとき、通信結果記憶部54に記憶されている各通信相手先に対応する通信結果が通信エラーであると判断したときに、当該通信結果をアドレス表示画面Cの初期画面に表示させ、当該通信結果が通信エラーでない場合は、通信結果表示要求受付部525に操作者からの表示要求が受け付けられた場合にアドレス表示画面Cに表示させる第2実施形態(この形態では、通信結果表示要求受付部525は必須の構成要素となる)とがある。この第2実施形態の場合、表示制御部522は、アドレス表示画面Cを表示部410に初期表示させるとき、通信結果記憶部54に記憶されている各通信相手先に対応する通信結果が通信エラーであると判断したときに、当該通信結果が通信エラーと判断された通信相手先についてはその通信結果を当該通信相手先と共に表示させ、当該通信結果が通信エラーでないと判断した通信相手先についてはその通信結果を当該通信相手先と共には表示させない。
【0051】
なお、本発明の一実施形態に係る画像表示装置は、操作部400と、表示部410と、動作制御部521と、表示制御部522と、通信結果記憶部54とを備え、これに加えて更に、ネットワークI/F部71又はファクシミリ通信部75の少なくとも一方を備えてなる。
【0052】
なお、本発明の一実施形態に係る表示制御プログラムは、HDD74等の複合機1内の記憶媒体に記憶されており、CPU52が当該表示制御プログラムに従って動作制御を行うことで、上記表示制御部522、通信相手先受付部523、選択受付部524、及び通信結果表示要求受付部525として機能し、更に制御部52のメモリを通信結果記憶部54として機能させる。この表示制御プログラムは、CD−ROM又はDVDからの読込、或いは、ネットワークI/F71によるインターネット上のサーバからダウンロードにより、HDD74等に記憶される。
【0053】
但し、上記表示制御部522、通信相手先受付部523、選択受付部524、及び通信結果表示要求受付部525は、CPU52が上記表示制御プログラムに従って動作制御することで実現されるものに限られず、上記表示制御部522、通信相手先受付部523、選択受付部524、及び通信結果表示要求受付部525が回路等によりハード的に備えられていてもよい。
【0054】
次に、複合機1による、表示部410に各機能の動作状況を表示する際における処理の第1実施形態について説明する。図4は、表示部410に通信相手先及び通信結果を表示する際における処理の第1実施形態を示すフローチャート、図5及び図6は表示部410の表示画面の一例を示す図である。
【0055】
複合機1の主電源が操作者によってオンにされると、表示制御部522は、表示部410に図5に示すような初期表示画面Aを表示させる(S1)。本実施形態では、表示制御部522は、初期表示画面Aの一例として、表示部410に、コピー機能の動作条件が設定可能な表示画面を表示させる例を示す。
【0056】
表示制御部522が、表示部410に初期表示画面Aを表示させているときに、操作者により、コピー動作の実行指示等、送信機能以外の他の動作の指示が入力されて動作制御部521に受け付けられた場合には(S2でNO)、当該入力が受け付けられた他の動作が動作制御部521により実行される(S9)。
【0057】
表示制御部522が、表示部410に初期表示画面Aを表示させているときに、操作者により操作キー部430の機能切換キー434をなす例えば送信キー4341が押下され、この押下操作に基づいて、複合機1に取得された画像データ等を外部機器に送信する送信機能の開始指示が動作制御部521に受け付けられると(S2でYES)、表示制御部522は、通信相手先記憶部53に記憶されている通信相手先(上記電子メールの送信相手先を示すアドレス、原稿画像データの格納先とするパーソナルコンピュータ及びそのフォルダを示すアドレス、ファクシミリ番号等)を読み出し、当該読み出した通信相手先に対応付けて記憶されている過去の通信結果(本実施形態では、直前1回分の通信結果が通信相手先記憶部53に記憶されているものとする)を通信結果記憶部54から更に読み出す(S3)。
【0058】
続いて、表示制御部522は、図略のデータ記憶部から、操作者から通信相手先の指定を受け付けるためのアドレス帳画面Cを表示するために必要な画像データ等を読み出して、上記S4で読み出した通信相手先と、各通信相手先に対応する通信結果とを用いて、図6に例を示すようなアドレス帳画面Cを生成して、表示部410に表示させる(S4)。
【0059】
この表示制御部522による表示部410へのアドレス帳画面Cの表示時に、操作者によるタッチ操作により、アドレス帳画面Cにおける所望の通信相手先の表示部分が押下されると、タッチパネル機能により、操作部400を介して通信相手先受付部523に、当該押下された部分に表示されている通信相手先と、当該通信相手先に対応付けて通信相手先記憶部53に記憶されている通信方式とが、今回の通信相手先及び通信方式として受け付けられる(S5でYES)。
【0060】
S5での通信相手先及び通信方式の受け付けの後、操作者によるタッチ操作によりアドレス帳画面CにおけるOKボタン411が押下されると、動作制御部521は、当該受け付けられた通信相手先に、当該受け付けられた通信方式で通信を行う(S6)。例えば、操作者により、アドレス帳画面Cに、ファクシミリの送信先として示されている「名前:大阪会社 詳細:66-6666-6666」表示部分419が押下され、OKボタン411が押下されると、動作制御部521は、ファクシミリ通信部75に、当該ファクシミリ番号「66-6666-6666」にファクシミリ送信を行わせる。この場合、動作制御部521は、原稿読取部500にセットされている原稿をスキャナ部11に読み取らせ、当該読み取られた原稿の画像を、ファクシミリ通信部75に、指定された通信相手先番号に送信する。
【0061】
上記通信の完了後、動作制御部521は、ファクシミリ通信部75又はネットワークI/F部711から、当該通信結果(例えば、上述したように、(例えば、通信が成立しなかったことを示す通信エラー、通信が成立したことを示す通信成功等)の情報を取得する(S7)。さらに、動作制御部521は、当該取得した通信結果の情報を通信結果記憶部54に記憶させる(S8)。このように記憶された通信結果は、次回の通信時における通信相手先指定時に、表示制御部522によるS4でのアドレス帳画面Cの表示に用いられる。
【0062】
この第1実施形態では、通信相手先記憶部53には、各通信相手先について、直前1回分の通信結果が記憶され、表示制御部522が各通信相手先の当該直前1回分の通信結果を、通信相手先記憶部53から読み出してアドレス帳画面C内に表示するようにしているが、これに限られず、各通信相手先について、前回の通信まで予め定められた複数回数分(例えば、20回)の通信結果が記憶され、表示制御部522が各通信相手先の当該複数回数分の通信結果を、通信相手先記憶部53から読み出してアドレス帳画面C内に表示するようにしてもよい。
【0063】
次に、複合機1による、表示部410に各機能の動作状況を表示する際における処理の第2実施形態について説明する。図7は、表示部410に通信相手先及び通信結果を表示する際における処理の第2実施形態を示すフローチャートである。図8は表示部410の表示画面の一例を示す図である。なお、図4に示した第1実施形態と同様の処理は説明を省略する。
【0064】
この第2実施形態では、上記送信機能の開始指示が動作制御部521に受け付けられ(S12でYES)、表示制御部522が、通信相手先記憶部53に記憶されている通信相手先を読み出し、当該読み出した通信相手先に対応付けて記憶されている過去の通信結果を通信結果記憶部54から読み出したき(S13)、表示制御部522は、さらに、前回の通信結果が通信エラーとなっている通信相手先を抽出する(S14)。
【0065】
表示制御部522は、S14の抽出結果に基づいて、図8に示すように、各通信相手先を表示すると共に、前回の通信結果が通信エラーとなっている通信相手先についてのみ、通信結果(すなわち、通信エラーの旨)をアドレス帳画面Cに表示する(S15)。このとき、表示制御部522は、S14の抽出結果に基づいて、前回の通信結果が通信エラーではない通信相手先については、通信結果をアドレス帳画面Cに表示しない。
【0066】
S15によるアドレス帳画面Cの表示後、操作者の操作に基づいて、操作部400を介して、通信結果表示要求が通信結果表示要求受付部525に受け付けられた場合は(S16でYES)、表示制御部522は、全ての通信相手先について上記図6に例を示したように通信結果を表示する(S17)。例えば、図8に示した「前回」表示部分413が操作者により押下されると、タッチパネル機能により上記通信結果表示要求の指示が操作部400に入力され、操作部400を介して通信結果表示要求が通信結果表示要求受付部525に受け付けられるようになっている。
【0067】
なお、この場合、表示制御部522は、操作者により指定された通信相手先についてのみ通信結果を表示するようにしてもよい。例えば、操作者により、アドレス帳画面Cに、電子メールの通信相手先として示されている「名前:大阪会社 詳細:kyo@ky.jp」の表示部分420が押下され、OKボタン411が押下されて指定されると、表示制御部522は、この指定された通信相手先についての通信結果を表示するようにしてもよい。
【0068】
上記処理後は、第1実施形態に示したS5乃至S8と同様に、第2実施形態においてもS18乃至S21の処理が行われる。
【0069】
次に、上記第1及び第2実施形態の更に変形形態について説明する。図9は、表示部410に通信相手先及び通信結果を表示する際における処理の変形形態を示すフローチャートである。図10(a)(b)は、表示部410の表示画面の一例を示す図である。なお、図4に示した第1実施形態、又は図7に示した第2実施形態と同様の処理は説明を省略する。
【0070】
この変形形態では、表示制御部522は、操作者により選択された特定の通信相手先のみについて通信結果を表示する。
【0071】
当該変形形態では、この表示制御部522による表示部410へのアドレス帳画面Cの表示時に、操作者によるタッチ操作により、例えば図10(a)に示すアドレス帳画面Cにおける所望の通信相手先の表示部分414が押下され、その後に、「結果非表示」ボタン415が押下され、タッチパネル機能により、操作部400を介して選択受付部524に、当該押下された部分に表示されている通信相手先の選択が受け付けられると(S32でYES)、選択受付部524は、当該通信相手先を、通信結果を非表示とする通信相手先として記憶する(S33)。以降の通信処理(S34)は、第1又は第2実施形態と同様に行われる。
【0072】
本変形形態におけるS31では、表示制御部522が、上記送信機能の開始指示が動作制御部521に受け付けられ、表示制御部522が、通信相手先記憶部53に記憶されている通信相手先及びこれに対応付けられた通信結果を読み出したとき、表示制御部522は、選択受付部524に、通信結果を非表示とする通信相手先として記憶されている通信相手先については、図10(b)に例を示すように、アドレス帳画面Cに通信結果を表示させない。このとき、表示制御部522は、選択受付部524に、通信結果を非表示とする通信相手先として記憶されている通信相手先については、これに対応付けられた通信結果を読み出さないようにしてもよい。
【0073】
これにより、選択受付部524で選択された通信相手先は、その通信結果がアドレス帳画面Cに表示されないので、操作者は、所望の通信相手先のみについての通信結果をアドレス帳画面Cに表示させることが可能になり、アドレス帳画面Cの表示内容が煩雑になって、操作者所望の通信結果に絞ってこれを把握しやすくすることが可能になる。
【0074】
上記図1乃至図10に示した実施形態に係る構成及び処理は、本発明に係る表示制御装置及び画像形成装置の構成及び処理の単なる一例に過ぎず、本発明に係る画像形成装置の構成及び処理を上記に示した内容に限定するものではない。
【0075】
また、上記各実施形態では、本発明に係る画像形成装置を複合機1として説明したが、本発明に係る画像形成装置は複合機に限定されず、コピー機、ファクシミリ装置、プリンタ等でも構わない。さらには、本発明は、画像形成装置に限定されず、他の通信機器、例えば、携帯電話、データ通信が可能なモバイル機器等でも構わない。
【符号の説明】
【0076】
1 複合機
51 制御部
52 CPU
521 動作制御部
522 表示制御部
523 通信相手先受付部
524 選択受付部
525 通信結果表示要求受付部
53 通信相手先記憶部
54 通信結果記憶部
71 ネットワークI/F部
75 ファクシミリ通信部
400 操作部
410 表示部
C アドレス帳画面

【特許請求の範囲】
【請求項1】
通信を行う通信部と、
前記通信部による通信対象となる通信相手先を示す通信相手先を記憶する通信相手先記憶部と、
前記通信相手先を表示する表示部と、
前記通信相手先を通信相手先候補としてリスト化した通信相手先リスト画面を前記表示部に表示させる表示制御部と、
前記表示制御部によって前記表示部に前記通信相手先リスト画面が表示されているときに、前記通信部に通信を行わせる通信相手先を操作者から受け付ける通信相手先受付部と、
前記送信部によって行われた前記通信相手先への少なくとも直前の通信結果を記憶する通信結果記憶部とを備え、
前記表示制御部は、前記通信相手先リスト画面を前記表示部に表示させるとき、前記各通信相手先と共に、各通信相手先に対応する前記通信結果を前記通信結果記憶部から読み出して前記通信相手先リスト画面内に表示させる画像表示装置。
【請求項2】
前記表示制御部は、前記通信相手先リスト画面を前記表示部に表示させるとき、前記通信結果記憶部に記憶されている前回の前記通信結果が通信エラーであると判断したときに、当該通信結果を通信相手先と共に前記通信相手先リスト画面の初期画面に表示させ、前記通信結果が通信エラーでない通信相手先については、各通信相手先に対応付けられた通信結果を前記通信相手先リスト画面に表示させない請求項1に記載の画像表示装置。
【請求項3】
前記各通信相手先について、対応する前記通信結果の表示要求を操作者から受け付ける通信結果表示要求受付部を更に備え、
前記表示制御部は、前記通信相手先リスト画面を前記表示部に表示させるとき、前記通信結果記憶部に記憶されている前回の前記通信結果が通信エラーであると判断したときに、当該通信結果を通信相手先と共に前記通信相手先リスト画面の初期画面に表示させ、前記通信結果が通信エラーでない通信相手先については、前記通信結果表示要求受付部に前記表示要求が受け付けられた場合に、各通信相手先に対応付けられた通信結果を前記通信相手先リスト画面に表示させる請求項2に記載の画像表示装置。
【請求項4】
前記送信相手先情報記憶部に記憶されている相手先情報の中から、任意の相手先情報を選択する指示を操作者から受け付ける選択受付部を更に備え、
前記表示制御部は、前記選択受付部で選択された通信相手先については、前記通信結果を前記通信相手先リスト画面に表示させない請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の画像表示装置。
【請求項5】
請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の画像表示装置を備えた通信機器。
【請求項6】
請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の画像表示装置を備えた画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2011−160027(P2011−160027A)
【公開日】平成23年8月18日(2011.8.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−17764(P2010−17764)
【出願日】平成22年1月29日(2010.1.29)
【出願人】(000006150)京セラミタ株式会社 (13,173)
【Fターム(参考)】