説明

画像表示装置および画像表示プログラム

【課題】複数の断面画像群それぞれを構成する複数の断面画像の中から、相互に対応する断面画像を精度良く選択して表示することができる画像表示装置および画像表示プログラムを提供する。
【解決手段】被検体内で所定方向に並んだ複数の切断位置それぞれにおける複数の断面画像からなる断面画像群を、同一の被検体に対して複数群取得する画像取得部と、複数の断面画像群のうちの1つの断面画像群中の断面画像に対して注目箇所を設定する注目箇所設定部と、複数の断面画像群のうちの注目箇所設定部で注目箇所が設定された断面画像群トを除く他の断面画像群を構成する複数の断面画像の中から、注目箇所に相当する箇所を含んだ断面画像を探索する断面画像探索部と、断面画像探索部で探索された断面画像を表示する画像表示部とを備えた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、被検体を撮影した医用画像を表示する画像表示装置、および画像表示プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
医療の分野においては、従来から、X線撮影装置、超音波装置、および内視鏡装置などを使って被検体の体内を撮影した医用画像を、被検体の病状の診断等に利用することが広く行われている。医用画像を診断に利用することにより、被検体に外的なダメージを与えることなく、被検体の病状の進行状態などを把握することができ、治療方針の決定などに必要な情報を手軽に得ることができる。
【0003】
また、X線撮影装置や内視鏡装置などに加えて、被検体を複数の切断位置それぞれで切断したときの複数の断面画像を撮影するCT装置(Computerized Tomography)やMRI装置(Magnetic Resonance Imaging)を備えた病院も増えてきている。これらCT装置やMRI装置は、光プローブを体内に挿入する内視鏡装置などと比較して、検査時に被検体に与える苦痛を軽減することができるとともに、複数の断面画像を使って病巣の正確な位置や大きさを3次元的に確認することができるため、近年では、人間ドックなどでも採用されてきている。
【0004】
ここで、通常は、検査時に撮影された医用画像は、カルテなど一緒に被検体ごとにまとめて保存されていることが一般的であり、実際の診断時には、異なる時期に撮影された複数の医用画像をモニタ上に並べて表示する比較読影が行われる。この比較読影は、病巣の大きさの変化などを容易に確認することができ、病状や治療の効果を診断するのに大変有用な方法の1つである。
【0005】
CT装置やMRI装置で撮影された断面画像を使って比較読影を行う際には、例えば、複数の検査それぞれで撮影された断面画像の中から、同じ病巣が写っていると思われる断面画像を選択し、それらの断面画像を並べて表示することが行われている。しかし、多数の断面画像の中から所望の断面画像を手動で選択する作業は、大変な手間と時間がかかってしまうという問題がある。
【0006】
この点に関し、特許文献1には、複数回の検査それぞれにおいて撮影された複数の断面画像からなる断面画像群を取得し、少なくとも1つの断面画像群中の断面画像を指定すると、それらの断面画像を撮影した装置が有する撮影範囲内において、その断面画像が撮影された位置と同じ位置の断面が撮影された他の断面画像群中の断面画像を選択する技術について記載されている。この特許文献1に記載された技術によると、例えば、1回目の検査で撮影された複数の断面画像の中から病巣などが写っている断面画像を指定すると、2回目の検査で撮影された複数の断面画像の中から、指定された断面画像と上述した撮影範囲内における同じ切断位置の断面画像が自動的に選択されて表示モニタ上に表示されるため、手動で断面画像を選択する手間や時間を大幅に省くことができる。
【特許文献1】特開平8−294485号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、相互に異なる時期に、ぴったりと同じ姿勢で被検体を撮影することは大変困難であり、被検体に対する断面の傾きなどが微妙にずれてしまうことがある。また、体格の変化や呼吸などによって、被検体の体長や幅が伸縮することもあり、ある断面画像群では1枚の断面画像上に写っている複数の病巣が、他の断面画像群では、複数の断面画像に分かれて写っていたり、1つの病巣が相互に切断位置が異なる断面画像上に写っていることもある。このため、結局は、医師が自ら手動で断面画像を選択しなおさなければならないという問題がある。
【0008】
本発明は、上記事情に鑑み、複数の断面画像群それぞれを構成する複数の断面画像の中から、相互に対応する断面画像を精度良く選択して表示することができる画像表示装置および画像表示プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成する本発明の画像表示装置は、被検体内で所定方向に並んだ複数の切断位置それぞれにおける複数の断面画像からなる断面画像群を、同一の被検体に対して複数群取得する画像取得部と、
画像取得部で取得された複数の断面画像群のうちの1つの断面画像群中の断面画像に対して注目箇所を設定する注目箇所設定部と、
複数の断面画像群のうちの注目箇所設定部で注目箇所が設定された断面画像群を除く他の断面画像群を構成する複数の断面画像の中から、注目箇所に相当する箇所を含んだ断面画像を探索する断面画像探索部と、
断面画像探索部で探索された断面画像を表示する画像表示部とを備えたことを特徴とする。
【0010】
本発明の画像表示装置によると、1つの断面画像群中の断面画像に対して注目箇所を設定すると、その断面画像群を除く他のセットを構成する複数の断面画像の中から、注目箇所に相当する箇所を含んだ断面画像が探索され、探索された断面画像が表示画面上に表示される。このため、被検体の姿勢のずれなどによって、病巣などが複数の断面画像群間で相互に異なる切断位置の断面画像に写っていても、1つの断面画像群中の断面画像上で注目箇所を指定すると、その断面画像群を除く他の断面画像群中の、注目箇所に相当する箇所を含んだ断面画像が自動的に探索されるため、病状の変化などを容易に見比べることができる。
【0011】
また、本発明の画像表示装置において、上記画像表示部は、注目箇所設定部で注目箇所が設定された断面画像と、断面画像探索部による探索で見つかった断面画像とを互いに並べて表示するものであることが好ましい。
【0012】
注目箇所が設定された断面画像と、断面画像探索部による探索で見つかった断面画像とが並べて表示されることにより、それら複数の断面画像間の注目箇所の変化を確実に認識することができる。
【0013】
また、本発明の画像表示装置において、上記注目箇所設定部は、1つの断面画像に対して複数の注目箇所を設定可能なものであり、
上記断面画像探索部は、注目箇所設定部で設定された各注目箇所について各断面画像を探索するものであることが好適である。
【0014】
この好適な画像表示装置によると、1つの断面画像上で複数の注目箇所を設定することにより、各注目箇所について各断面画像が探索されるため、1度の操作で複数の病巣などの変化を確認することができる。
【0015】
また、本発明の画像表示装置において、上記複数の断面画像群間における断面画像の位置ずれを補正する位置ずれ補正部を備え、
上記断面画像探索部が、位置ずれ補正部によって位置ずれが補正された断面画像の中から注目箇所が含まれる断面画像を探索するものであることが好ましい。
【0016】
従来から、複数の画像相互間の位置ずれを補正する画像マッチング処理が広く知られている。この画像マッチング処理などを使って断面画像の位置ずれを補正しておくことによって、注目箇所が含まれる断面画像をより精度良く探索することができる。
【0017】
また、本発明の画像表示装置において、上記複数の断面画像群は、同一被検体について異なる時期に撮影されたものであることが好適である。
【0018】
この好適な画像表示装置によると、被検体の病巣の大きさの変化などを容易に認識することができる。
【0019】
また、上記目的を達成する本発明の画像表示プログラムは、コンピュータ内で実行され、コンピュータ上に、
被検体内で所定方向に並んだ複数の切断位置それぞれにおける複数の断面画像からなる断面画像群を、同一の被検体に対して複数群取得する画像取得部と、
前記画像取得部で取得された複数の断面画像群のうちの1つの断面画像群中の断面画像に対して注目箇所を設定する注目箇所設定部と、
複数の断面画像群のうちの注目箇所設定部で注目箇所が設定された断面画像群を除く他の断面画像群を構成する複数の断面画像の中から、注目箇所に相当する箇所を含んだ断面画像を探索する断面画像探索部と、
断面画像探索部で探索された断面画像を表示する画像表示部とを構築することを特徴とする。
【0020】
本発明の画像表示プログラムによると、複数の断面画像群それぞれを構成する複数の断面画像の中から、相互に対応する断面画像を精度良く選択して表示する画像表示装置を構築することができる。
【0021】
尚、画像表示プログラムについても、ここではそれらの基本形態のみを示すのにとどめるが、これは単に重複を避けるためであり、本発明にいう画像表示プログラムには、上記の基本形態のみではなく、前述した画像表示装置の各形態に対応する各種の形態が含まれる。
【0022】
さらに、本発明の画像表示プログラムがコンピュータシステム上に構築する画像取得部などといった要素は、1つの要素が1つのプログラム部品によって構築されるものであってもよく、複数の要素が1つのプログラム部品によって構築されるものであってもよい。また、これらの要素は、そのような作用を自分自身で実行するものとして構築されてもよく、あるいはコンピュータシステムに組み込まれている他のプログラムやプログラム部品に指示を与えて実行するものとして構築されてもよい。
【発明の効果】
【0023】
本発明によれば、複数の断面画像群それぞれを構成する複数の断面画像の中から、相互に対応する断面画像を精度良く選択して表示することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。
【0025】
図1は、本発明の一実施形態が適用された医療診断システムの概略構成図である。
【0026】
図1に示す医療診断システムは、被検体の体内を撮影して医用画像を生成する画像生成装置10と、医用画像やカルテなどを保存する管理サーバ20と、医用画像を表示する診断装置30とで構成されており、画像生成装置10と管理サーバ20、および管理サーバ20と診断装置30は、ネットワーク回線を介して接続されている。
【0027】
この医療診断システムでは、初診の被検体に対して、各被検体を識別するための識別番号が割り当てられ、その識別番号と、被検体の氏名や年齢や病歴などが示されたカルテとが対応付けられて管理サーバ20に登録される。
【0028】
画像生成装置10には、被検体に放射線を照射し、被検体を透過してきた放射線を読み取ってデジタルの医用画像を生成するCR装置11や、強磁場と電波とを使って被検体の断層画像を生成するMRI装置12や、放射線を使って被検体の断層画像を生成するCT装置(図示しない)や、超音波のエコーを読み取って医用画像を生成する超音波装置(図示しない)などが含まれる。画像生成装置10で生成された医用画像は、その医用画像の被検体である被検体を識別する識別番号とともに管理サーバ20に送られる。
【0029】
管理サーバ20は、画像生成装置10から医用画像と識別番号とが送られてくると、その医用画像を識別番号と対応付けて記憶する。すなわち、管理サーバ20には、識別番号と、その識別番号が割り当てられた被検体のカルテと、被検体の医用画像とが対応付けられて登録される。
【0030】
診断装置30は、外観構成上、本体装置31、その本体装置31からの指示に応じて表示画面32a上に画像を表示する画像表示装置32、本体装置31に、キー操作に応じた各種の情報を入力するキーボード33、および、表示画面32a上の任意の位置を指定することにより、その位置に表示された、例えばアイコン等に応じた指示を入力するマウス34を備えている。
【0031】
ユーザが診断装置30のマウス34等を使って被検体の氏名や識別番号などを入力すると、その入力内容が管理サーバ20に伝えられる。管理サーバ20は、診断装置30から伝えられた被検体の氏名や識別番号と対応付けられた医用画像とカルテを診断装置30に向けて送る。診断装置30では、表示画面32a上に、管理サーバ20から送られてきた医用画像が表示される。診断装置30の表示画面32a上に表示された医用画像を確認することにより、ユーザは、被検体に外的なダメージを与えることなく、被検体の病状を診断することができる。
【0032】
ユーザは、診断装置30の表示画面32aに表示された医用画像を見て被検体の病状を診断し、マウス34やキーボード33を使ってカルテを編集する。編集後のカルテは、管理サーバ20に送られ、管理サーバ20に記憶されているカルテが診断装置30から送られてきた新たなカルテに更新される。
【0033】
図1に示す医療診断システムは、基本的には以上のように構成されている。
【0034】
ここで、医療診断システムにおける本発明の一実施形態としての特徴は、診断装置30で実行される処理内容にある。以下、診断装置30について詳しく説明する。
【0035】
図2は、診断装置30のハードウェア構成図である。
【0036】
診断装置30の本体装置31の内部には、図2に示すように、各種プログラムを実行するCPU301、ハードディスク装置303に格納されたプログラムが読み出されCPU301での実行のために展開される主メモリ302、各種プログラムやデータ等が保存されたハードディスク装置303、FD41が装填され、そのFD41をアクセスするFDドライブ304、CD−ROM42をアクセスするCD−ROMドライブ305、管理サーバ20から画像データ等を受け取り、管理サーバ20に各種指示データを送るI/Oインタフェース306が内蔵されており、これらの各種要素と、さらに図1にも示す画像表示装置32、キーボード33、マウス34は、バス307を介して相互に接続されている。
【0037】
ここで、CD−ROM42には、診断装置30内に本発明の画像表示装置の一実施形態を構築するための、本発明の画像表示プログラムの一実施形態である医用画像表示プログラム100(図3参照)が記憶されている。
【0038】
図3は、CD−ROM42を示す概念図である。
【0039】
図3に示すように、CD−ROM42に記憶された医用画像表示プログラム100は、画像取得部110、注目箇所指定部120、注目箇所設定部130、位置ずれ補正部140、断面画像探索部150、切断位置切替部160、および画像表示部170で構成されている。
【0040】
CD−ROM42は、診断装置30のCD−ROMドライブ305に装填され、CD−ROM42に記憶された医用画像表示プログラム100が診断装置30にアップロードされてハードディスク装置303に記憶される。そして、この医用画像表示プログラム100が起動されて実行されることにより、診断装置30内に本発明の画像表示装置の一実施形態である医用画像表示装置200(図4参照)が構築される。
【0041】
尚、上記では、医用画像表示プログラム100を記憶する記憶媒体としてCD−ROM42が例示されているが、医用画像表示プログラム100を記憶する記憶媒体はCD−ROMに限られるものではなく、それ以外の光ディスク、MO、FD、磁気テープなどの記憶媒体であってもよい。また、医用画像表示プログラム100は、記憶媒体を介さずに、I/Oインタフェース306を介して直接に診断装置30に供給されるものであってもよい。
【0042】
医用画像表示プログラム100の各部の詳細については、医用画像表示装置200の各部の作用と一緒に説明する。
【0043】
図4は、医用画像表示装置200の機能ブロック図である。
【0044】
医用画像表示装置200は、画像取得部210と、注目箇所指定部220と、注目箇所設定部230と、位置ずれ補正部240と、断面画像探索部250と、切断位置切替部260と、画像表示部270とを有している。
【0045】
医用画像表示装置200を構成する、画像取得部210と、注目箇所指定部220と、注目箇所設定部230と、位置ずれ補正部240と、断面画像探索部250と、切断位置切替部260と、画像表示部270は、図3の医用画像表示プログラム100を構成する、画像取得部110、注目箇所指定部120、注目箇所設定部130、位置ずれ補正部140、断面画像探索部150、切断位置切替部160、および画像表示部170にそれぞれ対応する。
【0046】
図4の各要素は、コンピュータのハードウェアとそのコンピュータで実行されるOSやアプリケーションプログラムとの組合せで構成されているのに対し、図3に示す医用画像表示プログラム100の各要素はそれらのうちのアプリケーションプログラムのみにより構成されている点が異なる。
【0047】
図5は、図4に示す医用画像表示装置200において、管理サーバ20から医用画像を取得し、その取得した医用画像を表示するまでの一連の処理の流れを示すフローチャート図である。
【0048】
以下、図5のフローチャートに従って、図4に示す医用画像表示装置200の各要素の動作について説明することによって、図3に示す医用画像表示プログラム100の各要素も併せて説明する。
【0049】
ユーザが図1に示すマウス34やキーボード33を使って、診断を行う被検体の氏名や識別番号を入力すると、その入力内容が図2のI/Oインタフェース306を介して管理サーバ20に伝えられる。管理サーバ20では、診断装置30から伝えられた氏名や識別番号と対応付けられた医用画像とカルテが診断装置30に向けて送られる。
【0050】
管理サーバ20から送られてきた医用画像は、図4に示す画像取得部210で取得される(図5のステップS1)。画像取得部210は、本発明にいう画像取得部の一例に相当する。
【0051】
図6は、管理サーバ20から送られてくる医用画像のイメージを示す図である。
【0052】
図1に示すMRI装置12では、被検体Pを検査台上の所定位置に頭を合わせて寝かせた状態で、被検体Pを胸から足の付け根までが含まれる撮影範囲内で所定間隔ごとに切断したときの各断面が撮影される。撮影された複数の断面画像には、各断面画像の、撮影範囲内における切断位置の座標X0〜Xnが付加される。本実施形態では、相互に異なる時期に、MRI装置12を使って同じ被検体Pが2度撮影され、それら各撮影において、複数の断面画像で構成される断面画像群310,320が生成されて、管理サーバ20に記憶されている。画像取得部210では、これら2回分の断面画像群310,320が取得され、取得された断面画像群310,320が画像表示部270、および注目箇所設定部230に伝えられる。
【0053】
画像表示部270は、画像取得部210から伝えられた断面画像群310,320が含まれた断面画像表示画面410(図7参照)を図1に示す表示画面32a上に表示する。画像表示部270は、本発明にいう画像表示部の一例に相当する。
【0054】
図7は、断面画像表示画面の一例を示す図である。
【0055】
図7に示す断面画像表示画面410には、断面画像群310,320を構成する断面画像のうち、1つの切断位置X0における断面画像310_X0,320_X0が表示されており、さらに、それら断面画像310_X0,320_X0の切断位置や、撮影日や、被検体名などが表示されている。
【0056】
2つの断面画像310_X0,320_X0は、相互に異なる時期に、同じ被検体の同じ切断位置の断面が撮影された画像であるが、それぞれの撮影時における被検体の体のねじれ、体格の変化、および呼吸などによって、同じ切断位置における被検体の体軸方向の位置が微妙に異なってしまう。図7の例では、1回目に撮影された左側の断面画像310_X0には、病巣であると疑われる病変部分Pが写っているが、2回目に撮影された右側の断面画像320_X0には病変部分Pが写っていない。
【0057】
本実施形態の医用画像表示装置200では、まず、2つの断面画像310_X0,320_X0のうちの一方の断面画像上で注目箇所P1が設定される(図5のステップS2)。図7の例では、ユーザが図1に示すマウス34を使って左側の断面画像310_X0上で注目点(病変部分P)をクリックすると、図4に示す注目箇所指定部220から注目箇所設定部230に、クリックされた注目点の位置が伝えられる。
【0058】
注目箇所設定部230は、断面画像310_X0,320_X0のうちの、注目点が指定された断面画像については、その指定された注目点を注目箇所P1と決定する。図7の例では、左側の断面画像310_X0上の病変箇所Pがクリックされることにより、その病変箇所Pが注目箇所P1と決定される。決定された注目箇所P1の位置と、断面画像群310,320は、位置ずれ補正部240に伝えられる。注目箇所設定部230は、本発明にいう注目箇所設定部の一例に相当する。
【0059】
位置ずれ補正部240は、断面画像群310,320相互間の立体的な位置ずれを補正する(図5のステップS3)。位置ずれ補正部240は、本発明にいう位置ずれ補正部の一例に相当する。
【0060】
図8は、位置ずれの補正方法を示すフローチャート図である。
【0061】
位置ずれ補正部240では、まず、断面画像群310,320それぞれを構成する断面画像同士の機械的な切断位置のずれを補正する(図8のステップS11)。本実施形態においては、複数の断面画像群中の、撮影範囲内における同じ切断位置の断面画像同士をセットにして、各セットごとに断面画像の機械的な位置ずれを補正する。この機械的な位置ずれ補正方法については、特開平8−294485号公報などに記載されているため、本明細書では、詳細な説明を省略する。この時点では、撮影範囲内で同じ位置にある断面画像同士がセットにされているが、同じセット中の断面画像に、被検体のどの位置(体軸位置)が写っているのかはわかっていない。
【0062】
ここで、断面画像同士がセットにされると、そのセット中の、注目箇所P1が決定されていない断面画像に対して、注目点の指定が行われた断面画像上の注目箇所P1と同じ座標上の箇所が候補箇所P2に決定される。図7の例では、病変箇所Pが指定された断面画像群310中の各断面画像上の注目箇所P1の座標をP1(x,y,z)=(p1x,p1y,p1z)とすると、それらの断面画像と対応する断面画像群320中の断面画像上の候補箇所P2は、P2(x,y,z)=(p1x,p1y,p2z)となる。この候補箇所P2のZ座標値「p2z」は、各断面画像の切断位置の座標がそのまま使用される。
【0063】
続いて、断面画像群310,320それぞれにおいて、各断面画像中の、被検体が写っている体部領域が抽出され、それぞれの体部領域の重心位置が合わせられる(図8のステップS12)。図7の例では、断面画像群310,320を構成している各断面画像中の、所定の閾値よりも濃度値が高い領域が体部領域として抽出され、病変箇所Pが指定された断面画像群310中の各断面画像における体部領域の重心位置の座標が算出され、他方の断面画像群320中の各断面画像が、体部領域の重心位置が算出された重心位置に合うように平行移動される。
【0064】
さらに、断面画像群310,320それぞれにおいて、ねじれ方向の位置が合わせられる(図8のステップS13)。図7の例では、病変箇所Pが指定された断面画像群310中の各断面画像における体部領域の長径が算出され、他方の断面画像群320中の各断面画像が、体部領域の長径が算出された長径に合うように回転移動される。
【0065】
以上のようにして、断面画像群310,320相互間の位置ずれが補正される。位置ずれが補正された断面画像群310,320は、断面画像探索部250に伝えられる。
【0066】
断面画像探索部250では、位置ずれ補正部240から伝えられた断面画像群310,320に基づいて、注目点が指定されなかった断面画像群中の断面画像の中から、注目箇所P1に相当する注目箇所P1´を含む断面画像が探索される(図5のステップS4)。断面画像探索部250は、本発明にいう断面画像探索部の一例に相当する。
【0067】
以下では、断面画像の探索方法について詳しく説明する。
【0068】
図9は、断面画像の探索方法を説明するための図である。
【0069】
図8に示す位置ずれ補正処理によって、断面画像群310,320中の、相互に切断位置が同じである断面画像同士は、図9のx、y方向における位置が合わせられている。ここでは、切断位置に沿ったスライス方向(z方向)に注目して探索が行われる。
【0070】
まず、注目点が指定された左側の断面画像310_X0において、注目箇所P1の近傍領域Q1内の各点(x,y)における画素値N1(x,y)が取得される。
【0071】
続いて、注目点が指定されていない右側の断面画像320_X0上の、注目箇所P1と同じ座標上の点である候補箇所P2が、スライス方向(z方向)に所定範囲内(前後20画素)で移動され、候補箇所P2(z)における近傍領域Q2内の各点(x,y)の画素値N2(x,y)が取得される。すなわち、断面画像群320中の断面画像のうち、断面画像320_X0を挟んだ前後複数枚の断面画像における画素値N2が取得されることとなる。
【0072】
さらに、各候補箇所P2(z)と注目箇所P1との画像マッチング度合いが評価される。注目箇所P1に基づいた画素値N1(x,y)と、候補箇所P2(z)に基づいた画素値N2(x,y)との差の自乗が算出され、その自乗の総和が評価値(z)として算出される。その結果、断面画像320_X0を含む前後複数枚の断面画像320_zにおける評価値(z)が算出される。
【0073】
この評価値(z)は、値が小さいほど、断面画像310_X0と、断面画像310_zとの画像マッチング度が高いことを示している。算出された複数枚の断面画像320_zのうち、評価値が最小である断面画像320_Xnが探索対象と決定され、その断面画像320_Xn上の候補箇所P2が、断面画像320_X0上の注目箇所P1に対応する注目箇所P1´と決定される。
【0074】
尚、本実施形態においては、注目箇所P1に基づいた画素値N1(x,y)と、候補箇所P2(z)に基づいた画素値N2(x,y)との差の自乗の総和に基づいて画像マッチング度合いを評価したが、本発明にいう断面画像探索部は、例えば、画素値N1(x,y)と画素値N2(x,y)との相関係数に基づいて画像マッチング度合いを評価しても良く、画素値N1(x,y)と画素値N2(x,y)の相互情報量に基づいて画像マッチング度合いを評価しても良い。また、特開2001−169182などに示された画像マッチング方法などを利用してもよい。
【0075】
断面画像探索部250で探索された断面画像320_Xnは、画像表示部270に伝えられる。
【0076】
画像表示部270は、断面画像探索部250から伝えられた断面画像320_Xnを、図7に示す断面画像表示画面410上の、注目点が指定されていない断面画像320_X0と差し替えて表示する(図5のステップS5)。
【0077】
図10は、探索された断面画像320_Xnが表示された断面画像表示画面410の一例を示す図である。
【0078】
図10に示す断面画像表示画面410には、注目点が指定された断面画像310_X0に並べて、その断面画像310_X0上の注目箇所P1に相当する注目箇所P1´が含まれた断面画像320_Xnが表示されており、各注目箇所P1,P1´には、マーク画像が表示されている。
【0079】
このように、本実施形態によると、被検体の姿勢のずれなどによって、病巣などが複数の断面画像群間で相互に異なる切断位置の断面画像に写っていても、その病巣等を含んだ断面画像が自動的に探索されて表示されるため、病状の変化などを容易に見比べることができる。
【0080】
また、図10に示す表示の状態で、ユーザがマウス34のホイールを回すと、図4に示す切断位置切替部260から断面画像探索部250に切断位置の切り替えが指示される(図5のステップS6:Yes)。
【0081】
断面画像探索部250では、現時点で表示されている断面画像310_X0,320_Xnそれぞれの切断位置X0,Xnから、ホイールの回転量に応じた距離だけ、ホイールの回転方向に応じた方向に離れた切断位置Xm,Xn+mの断面画像310_Xm,320_Xn+mが画像表示部270に伝えられ、画像表示部270では、断面画像310_Xm,320_Xn+mが断面画像表示画面410上に表示される(図5のステップS4)。
【0082】
このように、ユーザの指示によって切断位置を切り替えて表示することによって、様々な切断位置で病巣を確認することができ、病巣の形や大きさ等を立体的に把握することができる。
【0083】
以上のように、本実施形態の医用画像表示装置200によると、ユーザに複数の医用画像それぞれに示された病巣などの変化を確実に認識させることができる。
【0084】
以上で、本発明の第1実施形態の説明を終了し、本発明の第2実施形態について説明する。本発明の第2実施形態は、図4に示す第1実施形態とほぼ同様の構成を有しているため、図4を第2実施形態の説明でも流用し、同じ要素については同じ符号を付して説明を省略し、それらの相違点についてのみ説明する。
【0085】
本実施形態の医用画像表示装置200では、注目箇所指定部220において、1つの断面画像上で複数の注目箇所を指定することができる。
【0086】
図11は、断面画像表示画面の一例を示す図である。
【0087】
図11に示す断面画像表示画面411には、図7に示す断面画像表示画面410と同様に、図6に示す断面画像群310,320を構成する断面画像のうち、1つの切断位置X0における断面画像310_X0,320_X0が表示されている。
【0088】
例えば、ユーザが左側の断面画像310_X0上で2つの注目点を指定し、さらに比較ボタン412を選択すると、図4に示す注目箇所設定部230において、指定された2つの注目点それぞれが注目箇所P1_1,P1_2と決定される。
【0089】
本実施形態においては、図4に示す位置ずれ補正部240が備えられておらず、注目箇所設定部230において設定された注目箇所P1_1,P1_2の位置情報は、直接に断面画像探索部250に伝えられる。
【0090】
断面画像探索部250では、2つの注目箇所P1_1,P1_2それぞれに対して、断面画像群320を構成する複数の断面画像の中から、各注目箇所P1_1,P1_2に相当する箇所が含まれた断面画像が探索される。以下では、説明の都合上、それらの注目箇所P1_1,P1_2を注目箇所P1と称して説明する。
【0091】
ところで、近年、様々なシーンで撮影された複数のサンプル画像それぞれに対して、画素値の最大値、最小値、平均値、中間値などといった多数種類の画像的特徴量を算出して、各シーンとその画像的特徴との対応をコンピュータで学習させるマシンラーニングが広く利用されている。このマシンラーニングを用いると、人間では扱いきれない数の特徴量を用いることができるとともに、人間の推測力では思いもつかないような相関関係が見つかって、精度の高い判別が実現することが知られている。本実施形態の断面画像探索部250には、予め、断面画像中の病変部分における画像的特徴が記憶されており、マシンラーニングを利用して断面画像の探索が行われる。
【0092】
図12は、本実施形態における断面画像の探索方法を示すフローチャート図である。
【0093】
断面画像探索部250では、まず、断面画像320_X0上の、断面画像310_X0で指定された注目箇所P1と同じ位置の候補箇所P2が検出される。さらに、各断面画像310_X0,320_X0上の、注目箇所P1あるいは候補箇所P2を取り囲む注目領域R1,R2が決定される(図12のステップS21)。この注目領域R1,R2の大きさは、一般的な腫瘍等が確実に含まれる経験的な値として予め用意されている。
【0094】
続いて、各注目領域R1,R2を構成している各画素の画像的特徴が分析され、各注目領域R1,R2を構成している画素のうち、予め保存されている病変部分の画像的特徴と合致する画素が探索される(図12のステップS22)。
【0095】
さらに、病変部分の画像的特徴と合致した画素に対し、各画素が病変部分の輪郭を構成する画素であるか否かが評価され、注目領域R1,R2の中から、注目箇所P1あるいは候補箇所P2を含む病変部分であると予測される予測領域V1,V2の輪郭が抽出される(図12のステップS23)。
【0096】
注目箇所の指定を受けて、図12のステップS21,S22,S23を経て注目箇所を含む予測領域V1,V2の輪郭を抽出し、さらに病変領域の長径および短径を計測する一連の処理は、ワンクリック計測として考案されている技術である。
【0097】
本実施形態においては、さらに、予測領域V1,V2相互間の位置ずれが補正された後で(図12のステップS24)、断面画像の探索が実行される(図12のステップS25)。
【0098】
図13は、予測領域V1,V2の位置合わせ方法を示すフローチャート図である。
【0099】
まず、予測領域V1,V2それぞれに対して、その予測領域を内包する最小の直方体である内接直方体が抽出され、それら予測領域V1,V2それぞれの内接直方体の重心位置が合うように、注目箇所が指定されていない断面画像320_X0を含む断面画像群320全体がx,y方向に平行移動される(図13のステップS31)。
【0100】
続いて、予測領域V1,V2それぞれの内接直方体の各頂点が合うようなアフィン変換が算出され、予測領域V2の内接直方体の頂点を予測領域V1の内接直方体の頂点に合わせるようなアフィン変換が実行される(図13のステップS32)。
【0101】
さらに、各予測領域V1,V2それぞれに対して、各予測領域V1,V2に含まれる病変画像部分の面積が最大である断面画像が探索され、探索された断面画像相互間の病変画像部分の重心が一致するように、注目箇所が指定されていない断面画像320_X0を含む断面画像群320全体がスライス方向(z方向)に平行移動される(図13のステップS33)。
【0102】
以上のステップS31,S32,S33を経ることによって、断面画像群310に対する断面画像群320の位置ずれ量が取得される。
【0103】
続いて、予測領域V1,V2の重なりが最も大きくなる剛体変換(本実施形態においては、平行移動と回転との組み合わせによる線形変換)が逐次処理によって算出される。
【0104】
剛体変換を実行するための剛体変換行列Mの初期行列として、断面画像群310,320それぞれを構成する断面画像中の、各予測領域V1,V2に含まれる病変画像部分の重心を合わせる平行移動を実行するための変換行列が設定されている。
【0105】
まず、断面画像群310,320が変換行列Mによって位置合わせされ、予測領域V1,V2の重なり度合いを評価するための一致係数が算出される(図13のステップS34)。ここでは、断面画像群310,320それぞれを構成している断面画像において、各予測領域V1,V2に含まれる病変画像部分が重なっている重なり部分の面積の総和が一致係数として算出される。
【0106】
続いて、剛体変換行列Mに基づいて、所定量の平行移動および回転を加えた新たな変換行列M´が生成される(図13のステップS35)。
【0107】
変換行列M´が生成されると、断面画像群310,320が変換行列M´によって位置合わせされ、ステップS34と同様にして、一致係数が算出される。一致係数が増加した場合(図13のステップS36:Yes)、予測領域V1,V2に含まれる病変画像部分の重なり面積が増加したことを表わし、新たに生成された変換行列M´が剛体変換行列Mに設定される(図13のステップS37)。
【0108】
さらに、新たな剛体変換行列Mに基づいて、所定量の平行移動および回転を加えた変換行列M´が生成され、断面画像群310,320が生成された変換行列M´によって位置合わせされた後で一致係数が算出される。ステップS35からステップS37の処理は、一致係数が増加しなくなるまで繰り返し実行される。
【0109】
一致係数が増加しない場合(図13のステップS36:No)、剛体変換行列Mの変更が行われず、今度は新たな基準の一致係数が算出される(図15のステップS38)。ここでは、断面画像群310,320それぞれを構成している断面画像において、各予測領域V1,V2に含まれる病変画像部分が重なっている重なり部分の面積S、重なり部分の濃度値の相関係数Nを使って、
一致係数=aS×bN ・・・(1)
で算出される。式(1)中の係数a,bは、病変部の種類などに応じて設定される。
【0110】
続いて、剛体変換行列Mに基づいて、所定量の平行移動および回転に加えて、濃度値を補正を加えた新たな変換行列M´´が生成される(図13のステップS39)。
【0111】
変換行列M´´が生成されると、断面画像群310,320が変換行列M´´によって位置合わせされ、ステップS38と同様に一致係数が算出される。一致係数が増加した場合(図13のステップS40:Yes)、新たに生成された変換行列M´´が剛体変換行列Mに設定される(図13のステップS41)。
【0112】
ステップS39からステップS41までの処理が、一致係数が増加しなくなるまで繰り返し実行される。
【0113】
以上のようにして位置合わせ処理が行われる。
【0114】
位置合わせ処理が終了すると(図12のステップS24)、位置合わせ処理の過程で取得された位置ずれ量に基づいて、断面画像310_X0上の注目領域P1に対応する注目領域P1´の座標が算出され、さらに、断面画像群320中の断面画像のうち、注目領域P1´を含む断面画像が探索される(図12のステップS25)。
【0115】
本実施形態においては、図11に示す断面画像310_X0上において、2つの注目箇所P1_1,P1_2が指定されており、図12に示す一連の処理によって、それら2つの注目箇所P1_1,P1_2それぞれに対応する注目箇所P1´_1,P1´_2を含む2つの断面画像が探索される。探索された断面画像は、画像表示部270に伝えられて、断面画像表示画面411上に表示される。
【0116】
図14は、探索された断面画像320_Xn,320_Xmが表示された断面画像表示画面411の一例を示す図である。
【0117】
図14に示す断面画像表示画面411には、断面画像310_X0上の注目箇所P1_1,P1_2それぞれに相当する注目箇所P1´_1,P1´_2が含まれた320_Xn,320_Xmが表示されており、各注目箇所P1´_1,P1´_2には、マーク画像が表示されている。
【0118】
このように、1つの断面画像上で複数の注目領域が設定された場合には、それらの注目領域それぞれに対して断面画像が探索されることによって、1度の操作で複数の病巣などの変化を確認することができる。
【0119】
ここで、上記では、2セットの断面画像群に含まれる断面画像を表示する例について説明したが,本発明にいう画像表示部は、3セット以上の断面画像群に含まれる断面画像を表示するものであってもよい。
【0120】
また、上記では、位置ずれを補正した後の断面画像を用いて、注目箇所に相当する箇所を含んだ断面画像の探索が行われる例について説明したが、本発明にいう断面画像探索部は、位置ずれを補正していない断面画像を用いて探索を行うものであってもよい。
【0121】
また、上記では、断面画像上で注目点を指定する例について説明したが、本発明にいう注目箇所設定部は、例えば、断面画像中の注目領域を指定するものであってもよい。注目領域を指定する場合、この指定された領域を画像マッチングにおける注目領域として利用することができる。
【0122】
また、上記では、断面画像上でユーザが病巣と推測される注目箇所を手動で指定する例について説明したが、本発明にいう注目箇所設定部は、例えば、断面画像中の、サンプル画像と似ている画像パターンを有する画像部分を画像処理によって検索し、その検索された画像部分を注目箇所として設定するものであってもよい。例えば、動脈相と遅延相とを比較読影する場合、造影剤の動きが早くて画像濃度が高く、病変を検出しやすい動脈相側で病変を自動抽出しておき、本発明を適用して遅延相側の、自動抽出された病変箇所に相当する箇所が含まれる断面画像を探索することができる。
【0123】
また、本発明の画像表示装置は、過去に撮影された断面画像上で病変部分の位置を保存しておき、新たな断面画像のセットが得られた場合に、過去の病変部分のリストを表示して、ユーザによって選択された病変部分の位置を取得して今回の注目箇所として設定するものであってもよい。
【0124】
また、本発明の画像表示装置は、例えば、右肺野や左肺野上の注目箇所が指定された場合、それら右肺野および左肺野の中心点を注目箇所として設定してもよい。
【0125】
また、上記では、本発明の画像表示装置を診断装置に適用する例について説明したが、本発明の画像表示装置は、管理サーバなどに適用してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0126】
【図1】本発明の一実施形態が適用された医療診断システムの概略構成図である。
【図2】診断装置のハードウェア構成図である。
【図3】CD−ROMを示す概念図である。
【図4】医用画像表示装置の機能ブロック図である。
【図5】管理サーバから医用画像を取得し、その取得した医用画像を表示するまでの一連の処理の流れを示すフローチャート図である。
【図6】管理サーバから送られてくる医用画像のイメージを示す図である。
【図7】断面画像表示画面の一例を示す図である。
【図8】位置ずれの補正方法を示すフローチャート図である
【図9】断面画像の探索方法を説明するための図である。
【図10】探索された断面画像が表示された断面画像表示画面の一例を示す図である。
【図11】断面画像表示画面の一例を示す図である。
【図12】本発明の第2実施形態における断面画像の探索方法を示すフローチャート図である。
【図13】予測領域V1,V2の位置合わせ方法を示すフローチャート図である。
【図14】探索された断面画像が表示された断面画像表示画面の一例を示す図である。
【符号の説明】
【0127】
10 画像生成装置
11 CR装置
12 MRI装置
20 管理サーバ
30 診断装置
31 本体装置
32 画像表示装置
33 キーボード
34 マウス
301 CPU
302 主メモリ
303 ハードディスク装置
304 FDドライブ
305 CD−ROMドライブ
306 I/Oインタフェース
100 医用画像表示プログラム
110 画像取得部
120 注目箇所指定部
130 注目箇所設定部
140 位置ずれ補正部
150 断面画像探索部
160 切断位置切替部
170 画像表示部
200 医用画像表示装置
210 画像取得部
220 注目箇所指定部
230 注目箇所設定部
240 位置ずれ補正部
250 断面画像探索部
260 切断位置切替部
270 画像表示部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被検体内で所定方向に並んだ複数の切断位置それぞれにおける複数の断面画像からなる断面画像群を、同一の被検体に対して複数群取得する画像取得部と、
前記画像取得部で取得された複数の断面画像群のうちの1つの断面画像群中の断面画像に対して注目箇所を設定する注目箇所設定部と、
前記複数の断面画像群のうちの前記注目箇所設定部で注目箇所が設定された断面画像群を除く他の断面画像群を構成する複数の断面画像の中から、該注目箇所に相当する箇所を含んだ断面画像を探索する断面画像探索部と、
前記断面画像探索部で探索された断面画像を表示する画像表示部とを備えたことを特徴とする画像表示装置。
【請求項2】
前記画像表示部は、前記注目箇所設定部で注目箇所が設定された断面画像と、前記断面画像探索部による探索で見つかった断面画像とを互いに並べて表示するものであることを特徴とする請求項1記載の画像表示装置。
【請求項3】
前記注目箇所設定部は、1つの断面画像に対して複数の注目箇所を設定可能なものであり、
前記断面画像探索部は、前記注目箇所設定部で設定された各注目箇所について各断面画像を探索するものであることを特徴とする請求項1又は2記載の画像表示装置。
【請求項4】
前記複数の断面画像群間における断面画像の位置ずれを補正する位置ずれ補正部を備え、
前記断面画像探索部が、前記位置ずれ補正部によって位置ずれが補正された断面画像の中から前記注目箇所が含まれる断面画像を探索するものであることを特徴とする請求項1から3のうちのいずれか1項記載の画像表示装置。
【請求項5】
前記複数の断面画像群は、同一被検体について異なる時期に撮影されたものであることを特徴とする請求項1から4のうちのいずれか1項記載の画像表示装置。
【請求項6】
コンピュータ内で実行され、該コンピュータ上に、
被検体内で所定方向に並んだ複数の切断位置それぞれにおける複数の断面画像からなる断面画像群を、同一の被検体に対して複数群取得する画像取得部と、
前記画像取得部で取得された複数の断面画像群のうちの1つの断面画像群中の断面画像に対して注目箇所を設定する注目箇所設定部と、
前記複数の断面画像群のうちの前記注目箇所設定部で注目箇所が設定された断面画像群を除く他の断面画像群を構成する複数の断面画像の中から、該注目箇所に相当する箇所を含んだ断面画像を探索する断面画像探索部と、
前記断面画像探索部で探索された断面画像を表示する画像表示部とを構築することを特徴とする画像表示プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2009−72432(P2009−72432A)
【公開日】平成21年4月9日(2009.4.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−245535(P2007−245535)
【出願日】平成19年9月21日(2007.9.21)
【出願人】(306037311)富士フイルム株式会社 (25,513)
【Fターム(参考)】