説明

画像表示装置の色評価方法

【課題】画像表示装置が表示する色の評価を効率よく高精度に行うとともにその評価結果に基づいて画像表示装置が表示する色の調整を効率よく高精度に行う。
【解決手段】画像表示装置が表示する色の評価を行う画像表示装置の色評価装置であって、前記画像表示装置の画素に対応するとともに複数の色のうちの一つの色を有する色領域を複数有し、且つ複数の色領域のうちの少なくとも一つの色領域及び当該一つの色領域が有する色に類似した色を有する少なくとも一つの他の色領域を隣接して配置した色評価用画像を、前記画像表示装置(例えばプロジェクタPJ1)に表示させる制御部124と、前記画像表示装置によって表示された前記色評価用画像を撮像して得られた撮像画像データに基づいて、前記画像表示装置が表示する色を評価する色評価部123とを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像表示装置が表示する色を評価する画像表示装置の色評価方法、画像表示装置の色評価プログラム、画像表示装置の色評価装置、画像表示装置が表示する色を評価する際に用いられる色評価用画像データ及び色評価用画像データを生成するための色評価用画像データ生成プログラム並びに画像表示装置が表示する色の調整を可能とする画像表示装置の色調整方法、画像表示装置の色調整装置及び画像表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、大画面テレビジョンをはじめとする高性能な画像表示装置が広く普及しつつある。これらの画像表示装置は、より高い色再現性を有することが求められている。
このような要求に答えるために画像信号のデジタル化がますます進み、画面上の各々の画素の色をデジタルデータとして表現する際、RGB各々8ビットから10ビット、12ビットといった、より色分解能の高い表示が可能な画像表示装置が登場している。
【0003】
このような色分解能の高い画像表示装置において、望ましい色、正確な色の表示を可能とするためには、画像表示装置に入力される画像データが画面上で実際にどのような色として表示されるのかを評価するといった、画像表示装置における色再現性の評価を行うことが重要な課題となっている。
【0004】
画像表示装置における色再現性の評価(以下では単に色評価という)を行う技術は従来から種々提案されている(例えば、特許文献1〜3参照)。
特許文献1及び特許文献2に開示された技術は、画面全体に特定の色すなわち単一の色を表示し、それをカメラや輝度計などで測定して、色評価を行うものである。すなわち、特許文献1及び特許文献2に開示された技術は、ある一つの色ごとに色評価を行うものである。
【0005】
また、特許文献3に開示された技術は、特許文献1及び特許文献2よりさらに詳細な測定を行うことで、より高精度な色評価を行うものである。なお、特許文献3に開示された技術は、画像表示装置としてのプロジェクタが表示しているある特定の色を、カメラと分光分布測定器の両方を用いて精密に測定するものであり、これも、特許文献1及び特許文献2と同様、ある特定の色すなわち単一の色ごとに色評価を行う。
【0006】
【特許文献1】特開平10−2800号公報
【特許文献2】特開平6−217239号公報
【特許文献3】特開2002−323376号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、前述したように、近年の画像表示装置の色空間の分解能はきわめて高いため、単一の色ごとに色評価を行う方法では、画像表示装置が表現可能な色のうち、できるだけ多くの色に対する評価結果を得ようとすると、それぞれの色を繰り返して表示させてそれぞれの色ごとに色評価を行う必要がある。このため、色評価に多くの時間を要することになる。また、色評価に要する時間を短縮するためには、離散的な色評価データから補間して評価対象以外の色に対する色評価データを生成することとなる。このような補間によって得られた色評価データは推定値となる可能性が高いことからすべての色域に渡っては十分な精度が得られないという問題がある。
【0008】
この問題を解決するには、画面内に同時にできるだけ多くの色を表示して、それぞれの色に対する評価を同時に行うようにすればよい。これにより、色評価を効率よく高精度に行うことができる。
【0009】
しかし、画像表示装置に用いられる光変調素子、特にマトリクス方式で画素を制御する光変調素子は、周辺の画素に入力される信号の影響を受けてしまうという望ましくない動作をなすことが多い。このような望ましくない動作が起こる光変調素子として、例えば典型的な例として液晶を用いた場合がある。そのため、光変調素子として液晶を用いた場合は、前述した各特許文献に開示された技術のように、全画面に渡って単一の色信号を与えることで、色評価の精度向上を図るようにしていることが多い。
【0010】
そこで本発明は、画像表示装置が表示する色の評価を効率よく高精度に行うことができる画像表示装置の色評価方法、画像表示装置の色評価プログラム、画像表示装置の色評価装置、画像表示装置が表示する色を評価する際に用いられる色評価用画像データ及び色評価用画像データを生成するための色評価用画像データ生成プログラムを提供することを目的とする。また、画像表示装置が表示する色の調整を効率よく高精度に行うことができる画像表示装置の色調整方法及び画像表示装置の色調整装置を提供するとともに、短時間で高精度な色調整を行うことができる画像表示装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
(1)本発明の画像装置の色評価方法は、画像表示装置が表示する色の評価を行う画像表示装置の色評価方法であって、前記画像表示装置の画素に対応するとともに複数の色のうちの一つの色を有する色領域を複数有し、且つ複数の色領域のうちの少なくとも一つの色領域及び当該一つの色領域が有する色に類似した色を有する少なくとも一つの他の色領域を隣接して配置した色評価用画像を、前記画像表示装置に表示させる第1ステップと、前記第1ステップによって前記画像表示装置が表示した前記色評価用画像を撮像して得られた撮像画像データに基づいて、前記画像表示装置が表示する色を評価する第2ステップとを有することを特徴とする。
【0012】
本発明の画像装置の色評価方法によれば、画像表示装置が表示する色の評価を効率よく高精度に行うことができる。また、色評価を行う際に用いる色評価用画像は、前記画像表示装置の画素に対応するとともに複数の色のうちの一つの色を有する色領域を複数有し、且つ複数の色領域のうちの少なくとも一つの色領域及び当該一つの色領域が有する色に類似した色を有する少なくとも一つの他の色領域を隣接する配置を有している。このような色領域の配置を有する色評価用画像を用いることにより、例えば、マトリクス方式で画素を制御する光変調素子(例えば液晶)を用いた場合に優れた効果を奏する。すなわち、複数の色のうちの類似した色を有する色領域が少なくとも一部で隣接する配置を有する色評価用画像を用いることによって、隣接する画素の信号値が大きく異なる箇所が少なくなるため、マトリクス方式で画素を制御する光変調素子(例えば液晶)を用いた場合、ある画素の信号値が隣接する画素の信号値の影響を受けやすいといった課題を低減することができる。
なお、画像表示装置の画素としては、前記した光変調素子における画素や、自発光型の素子における画素、その他、画像データに基づいて画素毎に画像を表示する画像表示装置における画素を含む。
【0013】
(2)前記(1)に記載の画像表示装置の色評価方法においては、前記色評価用画像は、前記複数の各色領域が格子状に並べられた配置を有し、前記複数の各色領域のうち、少なくとも前記色評価用画像の端部に位置する色領域を除く任意の色領域において、前記任意の色領域に隣接する色領域のうち2つの色領域は、前記任意の色領域が有する色に類似する色を有する色評価用画像であることが好ましい。
【0014】
色評価用画像がこのような色領域の配置を有することにより、画像表示装置が有する色分解能によって表示可能な多数の色に、より近い数の色を表示可能とすることができる。このような色領域の配置を有する色評価用画像を用いることによって、当該色評価用画像を一回表示させるだけで、画像表示装置の表示可能な多数の色に対する評価を行うことができる。また、隣接する画素の信号値が大きく異なる箇所が少なくなるため、マトリクス方式で画素を制御する光変調素子(例えば液晶)を用いた場合、ある画素の信号値が隣接する画素の信号値の影響を受けやすいといった課題を低減することができる。
【0015】
(3)前記(1)に記載の画像表示装置の色評価方法においては、前記色評価用画像は、前記複数の各色領域が帯状をなし、前記帯状の各色領域の長辺が相互に隣接するように並べられた色の配置を有し、前記複数の各色領域のうち、少なくとも前記色評価用画像の端部に位置する色領域を除く任意の色領域において、前記任意の色領域に隣接する2つの色領域は、前記任意の色領域が有する色に類似する色を有する色評価用画像であることが好ましい。
【0016】
この場合の色評価用画像は各色領域が帯状に配置され、かつ、隣接している色領域のうち2つの色領域に関しては色が大きく異なることはなく互いに類似した色となっている。このように色評価用画像の各色を有する色領域が帯状の配置となっているので、例えば、タイリング表示やプロジェクタなどにおけるスタッキング表示を行う際の複数の表示画像の色合わせのための位置調整を行う場合などに好適なものとなる。
【0017】
また、この場合の色評価用画像は、各色を有する色領域が帯状の配置で、かつ、隣接している色領域のうち2つの色領域に関しては色が大きく異なることはなく互いに類似した色となっている。このため、マトリクス方式で画素を制御する光変調素子(例えば液晶)を用いた場合、ある画素に注目したときにその画素の4方向又は8方向に隣接する画素に対応する色領域が与えられる信号値が同じか又は殆ど同じとなる。これにより、マトリクス方式で画素を制御する光変調素子(例えば液晶)を用いた場合、ある画素の信号値が隣接する画素の信号値の影響を受けやすいといった課題を回避することができる。
【0018】
(4)前記(2)又は(3)に記載の画像表示装置の色評価方法においては、前記任意の色領域が有する色は、n次元(nは3以上の整数)の色空間を量子化して得られた前記色空間内の各点のうちの所定の点の色であり、前記類似する色は、前記色空間内の各点を所定の空間充填曲線を用いて並べたときの色の配置において前記所定の点と隣り合う点の色であることが好ましい。
色評価用画像がこのような構成を有することにより、前記(1)に記載の画像装置の色評価方法における色評価を適切に行うことができる。
【0019】
(5)前記(4)に記載の画像表示装置の色評価方法においては、前記空間充填曲線は、フラクタル曲線であることが好ましい。
これによって、前記(2)又は(3)に記載の画像装置の色評価方法において用いる色評価用画像を生成することができる。
【0020】
(6)前記(5)に記載の画像表示装置の色評価方法においては、前記フラクタル曲線は、ヒルベルト曲線であることもまた好ましい。
このように、フラクタル曲線としてヒルベルト曲線を用いることにより、前記(2)又は(3)に記載の画像装置の色評価方法において用いる色評価用画像を生成することができる。
【0021】
(7)前記(1)〜(6)のいずれかに記載の画像表示装置の色評価方法においては、
前記第2ステップは、前記色評価用画像に対応する色評価用画像データと前記撮像画像データとを比較することによって前記画像表示装置が表示する色を評価することが好ましい。
このような処理を行うことによって、画像表示装置の表示する色が適切であるか否かを高精度に評価することができる。
【0022】
(8)前記(1)〜(7)のいずれかに記載の画像表示装置の色評価方法においては、前記第2ステップの評価の結果に基づいて、前記画像表示装置において色調整を行う際に用いられる色調整用パラメータの補正が可能な色調整用パラメータ補正データを生成する第3ステップをさらに有することが好ましい。
これによって、色調整用パラメータの補正が可能な色調整用パラメータ補正データを生成することができる。
【0023】
(9)本発明の画像表示装置の色評価プログラムは、画像表示装置が表示する色の評価を色評価装置によって行う画像表示装置の色評価プログラムであって、前記色評価装置に、前記画像表示装置の画素に対応するとともに複数の色のうちの一つの色を有する色領域を複数有し、且つ複数の色領域のうちの少なくとも一つの色領域及び当該一つの色領域が有する色に類似した色を有する少なくとも一つの他の色領域を隣接して配置した色評価用画像を、前記画像表示装置に表示させる第1ステップと、前記第1ステップによって前記画像表示装置が表示した前記色評価用画像を撮像して得られた撮像画像データに基づいて、前記画像表示装置が表示する色を評価する第2ステップとを実行させるための画像表示装置の色評価プログラムである。
【0024】
このような画像表示装置の色評価プログラムを前記色評価装置に実行させることによって、前記(1)に記載の画像表示装置の色評価方法と同様の効果が得られる。なお、この(9)に記載の画像表示装置の色評価プログラムにおいても、前記(2)〜(8)に記載の画像表示装置の色評価方法と同様の特徴を有することが好ましい。
【0025】
(10)本発明の画像表示装置の色評価装置は、画像表示装置が表示する色の評価を行う画像表示装置の色評価装置であって、前記画像表示装置の画素に対応するとともに複数の色のうちの一つの色を有する色領域を複数有し、且つ複数の色領域のうちの少なくとも一つの色領域及び当該一つの色領域が有する色に類似した色を有する少なくとも一つの他の色領域を隣接して配置した色評価用画像を、前記画像表示装置に表示させる制御部と、前記画像表示装置によって表示された前記色評価用画像を撮像して得られた撮像画像データに基づいて、前記画像表示装置が表示する色を評価する色評価部とを有することを特徴とする。
【0026】
このような画像表示装置の色評価装置を用いることにより、前記(1)に記載の画像表示装置の色評価方法と同様の効果が得られる。なお、この(10)に記載の画像表示装置の色評価装置においても、前記(2)〜(8)に記載の画像表示装置の色評価方法と同様の特徴を有することが好ましい。
【0027】
(11)前記(10)に記載の画像表示装置の色評価装置においては、前記制御部は、前記色評価装置に記憶されている前記色評価用画像データに基づいて前記色評価用画像を前記画像表示装置に表示させることが可能である。
これは、色評価用画像データを色評価装置側に持たせる場合である。この場合、色評価装置は、色評価装置側に記憶された色評価用画像データを画像表示装置に送って、その色評価用画像データに対応する色評価用画像を前記画像表示装置に表示させる動作を行う。このように、色評価用画像データを色評価装置側に持たせることによって、前記(10)の画像表示装置の色評価装置を実現することができる。
【0028】
(12)前記(10)に記載の画像表示装置の色評価装置においては、前記制御部は、前記画像表示装置に記憶されている前記色評価用画像データに基づいて前記色評価用画像を前記画像表示装置に表示させることも可能である。
これは、色評価用画像データを画像表示装置側に持たせる場合である。この場合、色評価装置は、画像表示装置に対して色評価用画像を表示させるための指示を出し、画像表示装置側ではその指示によって色評価用画像データに対応する色評価用画像を表示する動作を行う。このように、色評価用画像データを画像表示装置側に持たせることによっても前記(10)の画像表示装置の色評価装置を実現することができる。
【0029】
(13)本発明の色評価用画像データは、画像表示装置が表示する色の評価を行う際に用いられる色評価用画像データであって、前記色評価用画像データは、前記画像表示装置の画素に対応するとともに複数の色のうちの一つの色を有する色領域を複数有し、且つ複数の色領域のうちの少なくとも一つの色領域及び当該一つの色領域が有する色に類似した色を有する少なくとも一つの他の色領域を隣接して配置した色評価用画像に対応する画像データであることを特徴とする。
【0030】
このような色評価用画像データを用いることにより、その色評価用画像データに対応する色評価用画像を一回表示させるだけで、画像表示装置の表示可能な多くの色に対する評価を行うことができ、色評価を効率よく高精度に行うことができる。
また、このような色評価用画像データに対応する色評価用画像は、複数の色のうち類似した色を有する色領域が隣接するような色の配置となるので、隣接する色領域の色の変化を小さくすることができる。このような色評価用画像データに対応する色評価用画像を用いることにより、マトリクス方式で画素を制御する光変調素子(例えば液晶)を用いた場合、ある画素の信号値が隣接する画素の信号値の影響を受けやすいといった課題を低減することができ、高精度な測定が可能となる。なお、(13)に記載の色評価用画像データにおいても前記(2)〜(6)に記載の画像表示装置の色評価方法と同様の特徴を有することが好ましい。
【0031】
(14)本発明の色評価用画像データ生成プログラムは、画像表示装置の画素に対応するとともに複数の色のうちの一つの色を有する色領域を複数有し、且つ複数の色領域のうちの少なくとも一つの色領域及び当該一つの色領域が有する色に類似した色を有する少なくとも一つの他の色領域を隣接して配置した色評価用画像に対応する色評価用画像データを、色評価用画像データ生成部によって生成するための色評価用画像データ生成プログラムであって、前記色評価用画像データ生成部に、n次元(nは3以上の整数)の色空間を量子化し、量子化された色空間内の各点を所定の空間充填曲線を用いて並べたときの色の配置に対応する色配置データを生成するステップと、前記色配置データに対応する前記色の配置の中で隣り合う色が、前記色評価用画像においても、少なくとも一部で隣り合うような色の配置を有するように、前記色評価用画像に対応する色評価用画像データを生成するステップとを実行させるための色評価用画像データ生成プログラムである。
この(14)に示す色評価用画像データ生成プログラムによって前記(13)に記載の色評価用画像データを作成することができる。
【0032】
(15)本発明の画像表示装置の色調整方法は、画像表示装置が表示する色の評価を行い、前記評価の結果に基づいて前記画像表示装置が表示する色の調整を行う画像表示装置の色調整方法であって、前記画像表示装置の画素に対応するとともに複数の色のうちの一つの色を有する色領域を複数有し、且つ複数の色領域のうちの少なくとも一つの色領域及び当該一つの色領域が有する色に類似した色を有する少なくとも一つの他の色領域を隣接して配置した色評価用画像を、前記画像表示装置に表示させる第1ステップと、前記第1ステップによって前記画像表示装置が表示した前記色評価用画像を撮像して得られた撮像
画像データに基づいて、前記画像表示装置が表示する色を評価する第2ステップと、前記評価の結果に基づいて前記画像表示装置において色調整を行う際に用いられる色調整用パラメータの補正が可能な色調整用パラメータ補正データを生成する第3ステップと、前記色調整用パラメータ補正データに基づいて前記色調整用パラメータを補正する第4ステップとを有することを特徴とする。
【0033】
前記第1ステップから第4のステップを行うことにより、短時間で高精度な画像表示装置の色調整を行うことができる。すなわち、色評価用画像データとしては前記(13)に記載の色評価用画像データを用い、その色評価用画像データを画像表示装置において色調整したのち、その色調整された色評価用画像データに対応する色評価用画像を表示する。
【0034】
そして、色評価装置においては、表示された色評価用画像を撮像装置で撮像して得られた撮像画像データに基づいて色評価を行い、その評価の結果に基づいて色調整用パラメータの補正が可能な色調整用パラメータ補正データを生成し、生成した色調整用パラメータ補正データを画像表示装置に出力する。
これにより、画像表示装置では色調整用パラメータ補正データに基づいて色調整用パラメータの補正を行ったのち、その補正後の色調整用パラメータを用いて色調整を行い、色調整された色評価用画像データに対応する色評価用画像を表示する。
以上のような処理を最適な評価結果が得られるまで行う。このような色調整処理を行うことによって、画像表示装置が表示する色を最適なものとすることができる。
なお、この(15)に記載の画像表示装置の色調整方法においても、前記(2)〜(8)に記載の画像表示装置の色評価方法と同様の特徴を有することが好ましい。
【0035】
(16)本発明の画像表示装置の色調整装置は、画像表示装置が表示する色の評価を行い、前記評価の結果に基づいて前記画像表示装置が表示する色の調整を行う画像表示装置の色調整装置であって、前記画像表示装置の画素に対応するとともに複数の色のうちの一つの色を有する色領域を複数有し、且つ複数の色領域のうちの少なくとも一つの色領域及び当該一つの色領域が有する色に類似した色を有する少なくとも一つの他の色領域を隣接して配置した色評価用画像を表示可能な画像表示部と、表示すべき画像データの色調整を行うための色調整用パラメータの補正が可能な色調整用パラメータ制御部と、を有する画像表示装置と、前記画像表示装置によって表示された前記色評価用画像を撮像して得られた撮像画像データに基づいて前記画像表示装置が表示する色を評価し、前記評価の結果に基づいて、前記色調整用パラメータの補正が可能な色調整用パラメータ補正データを生成する色評価部を有する色評価装置とを有することを特徴とする。
【0036】
この画像表示装置の色調整装置においても、前記(15)に記載の画像表示装置の色評価方法と同様の効果が得られる。なお、この(16)に記載の画像表示装置の色調整装置においても、前記(2)〜(8)に記載の画像表示装置の色評価方法と同様の特徴を有することが好ましい。
【0037】
(17)前記(16)に記載の画像表示装置の色調整装置においては、前記色評価用画像に対応する色評価用画像データは、前記色評価装置で生成又は記憶され、前記色評価装置で生成又は記憶された前記色評価用画像データを前記画像表示装置に出力可能とすることができる。
これは、色評価用画像データを色評価装置側に記憶させる場合である。この場合、色評価装置は、色評価装置側に記憶された色評価用画像データを画像表示装置に送って、その色評価用画像データに対応する色評価用画像を前記画像表示装置に表示させる動作を行う。
【0038】
このように、色評価用画像データを色評価装置側に記憶させることによって前記(16
)の画像表示装置の色調整装置を実現することができる。なお、色評価装置側では、色評価用画像データそのものを記憶する形態であってもよく、また、色評価用画像データを生成するための色評価用画像データ生成プログラムを持ち、この色評価用画像データ生成プログラムによって色評価用画像データを生成する形態であってもよい。
【0039】
(18)前記(16)に記載の画像表示装置の色調整装置においては、前記色評価用画像に対応する色評価用画像データは、前記画像表示装置で生成又は記憶されることもできる。
これは、色評価用画像データを画像表示装置側に記憶させる場合である。この場合、色評価装置は、画像表示装置に対して色評価用画像を表示させるための指示を出し、画像表示装置側ではその指示によって色評価用画像データに対応する色評価用画像を表示する動作を行う。
【0040】
このように、色評価用画像データを画像表示装置側に記憶させることによっても前記(16)の画像表示装置の色調整装置を実現することができる。なお、画像表示装置側では、色評価用画像データそのものを記憶する形態であってもよく、また、色評価用画像データを生成するための色評価用画像データ生成プログラムを持ち、この色評価用画像データ生成プログラムによって色評価用画像データを生成する形態であってもよい。このように、色評価用画像データを画像表示装置側に記憶させる場合には、色評価装置側において色評価を可能とするために、色評価装置側でも画像表示装置が表示しているのと同じ色評価用画像データを持つようにする。
【0041】
(19)本発明の画像表示装置は、画像データに基づいて画素毎に画像を表示可能であり、前記画素に対応するとともに複数の色のうちの一つの色を有する色領域を複数有し、且つ複数の色領域のうちの少なくとも一つの色領域及び当該一つの色領域が有する色に類似した色を有する少なくとも一つの他の色領域を隣接して配置した色評価用画像を表示する画像表示部と、前記画像表示部によって表示された前記色評価用画像を撮像して得られた撮像画像データに基づいて前記画像表示部が表示する色を評価し、前記評価の結果に基づいて、表示すべき画像データの色調整を行うための色調整用パラメータの補正が可能な色調整用パラメータ補正データを生成する色評価部と、前記色評価部によって生成された前記色調整パラメータ補正データに基づいて、前記色調整用パラメータの補正を行う色調整用パラメータ制御部とを有することを特徴とする。
【0042】
これにより、短時間で高精度な画像表示装置の色調整を行うことができる。すなわち、色評価用画像データとしては前記(13)に記載の色評価用画像データを用い、その色評価用画像データに対応する色評価用画像を表示する。
そして、色評価部においては、表示された色評価用画像を撮像装置で撮像して得られた撮像画像データに基づいて色評価を行い、その評価の結果に基づいて色調整用パラメータの補正が可能な色調整用パラメータ補正データを生成し、生成した色調整用パラメータ補正データを色調整用パラメータ制御部に出力する。
これにより、色調整用パラメータ制御部では色調整用パラメータ補正データに基づいて色調整用パラメータの補正を行ったのち、その補正後の色調整用パラメータを用いて色調整を行い、色調整された色評価用画像データに対応する色評価用画像を表示する。
以上のような処理を最適な評価結果が得られるまで行う。このような色調整処理を行うことによって、画像表示装置が表示する色を最適なものとすることができる。
なお、この(19)に記載の画像表示装置においても、前記(2)〜(8)に記載の画像表示装置の色評価方法と同様の特徴を有することが好ましい。
【発明を実施するための最良の形態】
【0043】
以下、本発明の実施の形態について説明する。なお、以下に説明する各実施形態におい
ては、画像表示装置はプロジェクタであるとして説明する。
【0044】
[実施形態1]
図1は実施形態1に係る画像表示装置の色調整装置の構成を示す図である。図1に示すように、実施形態1に係る画像表示装置の色調整装置は、スクリーンSCRに画像を投写するプロジェクタPJ1と、スクリーンSCRに投写された画像を撮像して、その撮像画像データを出力する撮像装置11と、プロジェクタPJ1に対して色評価用画像データを出力する機能及び撮像装置11からの撮像画像データに基づいてプロジェクタPJ1が表示する色の評価を行いその評価結果を出力する機能を有する色評価装置12とを有している。
なお、撮像装置11は、プロジェクタPJ1で1つもしくは複数の画素ごとに別々の色を割り当てて表示したときに、その1つ1つの色を識別できる色分解能及び空間分解能を有しているものとする。
【0045】
図2は図1に示すプロジェクタPJ1及び色評価装置12の構成をより詳細に示すブロック図である。図2に示すように、プロジェクタPJ1は、色評価装置12からの色評価用画像データ及びここでは説明を省略するがコンテンツなどの画像データの入力が可能な画像データ入力部101、各色ごとのガンマ特性や3次元の色変換テーブルなど色調整に必要なデータ(色調整用パラメータ)を記憶する色調整用パラメータ記憶部102、色評価装置12から出力される色調整用パラメータ補正データを入力し、入力した色調整用パラメータ補正データに基づいて色調整用パラメータ記憶部102に記憶されている色調整用パラメータを補正する機能及び補正後の色調整用パラメータを出力する機能を有する色調整用パラメータ制御部103、色調整用パラメータ制御部103により出力された色調整用パラメータに基づいて画像データ入力部101に入力された評価用画像データに対して適切な色調整を行うとともに、該色調整された評価用画像データを投写画像としてスクリーンSCRに投写可能な画像表示部104を有している。
【0046】
一方、色評価装置12は、撮像装置11からの撮像画像データを入力する撮像画像データ入力部121、プロジェクタPJ1に出力する色評価用画像データの生成に必要な色評価用画像データを記憶する色評価用画像データ記憶部122、撮像装置11によって撮像された撮像画像データと色評価用画像データ記憶部122に記憶されている色評価用画像データ(その時点でプロジェクタPJ1に出力している色評価用画像データ)とからプロジェクタPJ1が表示する色を評価し、その評価の結果(評価結果という)を求めて、その評価結果に基づいて、プロジェクタPJ1において色調整を行う際に用いられる色調整用パラメータの補正が可能な色調整用パラメータ補正データを生成する機能などを有する色評価部123、色評価用画像データをプロジェクタPJ1に出力する機能及び色評価部123で生成された色調整用パラメータ補正データをプロジェクタPJ1に出力する機能などを有する制御部124を有している。
なお、この色評価装置12はパーソナルコンピュータなどの情報処理機器を用いることができる。
【0047】
ところで、プロジェクタPJ1において自身が表示する色を最適な状態とするための色調整を行うには、プロジェクタPJ1自身が有する色分解能で表示可能な多数の色を実際に表示させて、表示された多数の色に対する評価を行い、その評価結果を求めることが望ましい。
【0048】
しかしながら、前述したように、マトリクス方式で画素を制御する光変調素子(例えば液晶)を用いた場合、ある画素(注目画素という)に対する色を測定する際、その注目画素に隣接する画素の信号値(色)が大きく異なると、注目画素の信号値(色)が隣接する画素の信号値の影響を受けやすいといった問題がある。このような問題を解決するには、
プロジェクタ自身が有する色分解能によって表示可能な多数の色に、より近い数の色の表示が可能で、なおかつ、隣接する画素の信号値が大きく異なる箇所が少ない色の配置(以下では色配置という)を有するという条件を満たす色評価用画像を用いること望ましい。
【0049】
このような条件を満たす色評価用画像とするため、この色評価用画像に対応する色評価用画像データを次のような手順によって作成する。
まず、第1の処理として、評価すべき色空間としてRGBの3次元色空間を3次元空間充填曲線(例えばフラクタル曲線)の順序で走査し、その走査順にRGBの3次元色空間における色座標列を取得することで、RGBの3次元色空間を1次元化する。具体的には、評価すべき色空間としてRGBの3次元色空間を量子化し、量子化して得られた3次元色空間内の各点を3次元空間充填曲線(例えばフラクタル曲線)の順序で走査し、その走査順にRGBの3次元色空間における色座標列を取得することで、RGBの3次元色空間を1次元化する。
【0050】
図3はRGBをそれぞれ8階調に変化させたときの全512色の色座標を、フラクタル曲線の1つである3次元のヒルベルト曲線の順序に従って1次元化した例を示す図である。ここで、色座標とは、その座標値がRGBのそれぞれの値に対応する座標のことを言う。このように、3次元のヒルベルト曲線の順序に従って1次元化された際の隣り合う色の変化は小さく、類似した色が隣り合うような色配置となる。なお、図3はモノクロ図面であるため、図3からは色の変化の具合を読み取ることは困難であるが、図3の元となるカラー画像上では色の変化の具合を容易に読み取ることができる。
【0051】
次に、第2の処理として、前記第1の処理によって取得されたRGBの3次元色空間における色座標列の各座標を、2次元空間充填曲線の順序で1次元化する。そして、第3の処理として、1次元化されたRGBの各画素の順序に従って、RGBの3次元色空間における色座標列の色座標を各座標ごとに1つずつ画素値として設定する。
上述した第1〜第3の処理を行うことによって、図3に示すような連続的なRGBの3次元色空間を、同じ連続性を保った2次元の色空間に変換することができる。
【0052】
以下、実施形態1に係る画像表示装置の色調整装置において用いる色評価用画像に対応する色評価用画像データの具体例について図4を参照して説明する。
図4(a)はRGBをそれぞれ16階調に変化させたときの全4096色の色座標を、フラクタル曲線の1つである3次元のヒルベルト曲線の順序に従って1次元化する例を示す図である。また、図4(b)は色評価用画像を画面上の64×64=4096のマス目に分けたときに、4096のマス目を2次元ヒルベルト曲線で1次元に辿った例を示す図である。
【0053】
図4(a)に示す3次元のヒルベルト曲線の折れ線を1ステップ進むごとに得られたRGBの値すなわち量子化されたRGBの値を、図4(b)に示す2次元のヒルベルト曲線の折れ線を1ステップ進むごとに、そのマス目の画素値として設定することで、3次元の色空間を2次元にマッピングすることができる。
【0054】
図5は図4(a),(b)の手順を経て作成された2次元の色配置を有する色評価用画像を示す図である。図5に示す2次元の色配置を有する色評価用画像は、具体的には、64×64(4096色)の各色領域(図5における4096色の各色に対応する1つのマス目を1つの色領域としている)が格子(図5の例では正方格子)状に並べられた色領域の配置を有している。なお、各色領域は、プロジェクタPJ1の光変調素子における1つ又は複数の画素に対応しており、その1つ又は複数の画素を透過又は反射等することにより表示される画像である。図5に示す色評価用画像を実施形態1に係る画像表示装置の色調整装置における色評価用画像CG1として用いる。
【0055】
図5に示す色評価用画像CG1は、複数の色の各色領域のうち、少なくとも色評価用画像の端部に位置する色領域を除く任意の色領域において、当該任意の色領域に隣接する色領域(図5の例では4つの色領域)のうち2つの色領域は、当該任意の色領域が有する色に類似した色を有していることがわかる。このため、評価用画像CG1全体でみても、隣接する色領域での色の差が平均して小さい画像となっている。
なお、図5はモノクロ図面であるため、図5から色の変化の具合を読み取ることは困難であるが、図5の元となるカラー画像上では色の変化の具合を容易に読み取ることができる。
【0056】
ところで、上記「類似した色」というのは、本発明の実施形態の例では、n次元(本発明の実施形態では3次元)の色空間を量子化して得られた色空間内の各点を所定の空間充填曲線(例えば、ヒルベルト曲線)を用いて並べたときの色の配置において隣り合う色である。なお、n次元(本発明の実施形態では3次元)の色空間を量子化して得られた色空間内の各点というのは、図6に示すような点である。
【0057】
図6は3次元の色空間を量子化して得られた色空間内の各点について説明するために図3の一部を取り出して示す図である。図6における黒丸で示す点Q1,Q2,Q3,・・・が、3次元の色空間を量子化して得られた色空間内の各点を示しており、これらの各点Q1,Q2,Q3,・・・は、各色領域の色に対応する。なお、図6においては、各点Q1,Q2,Q3,・・・は一部のみが図示されているが、例えば、図3の例では、512の各色に対応し、図4の例では各4096の色に対応する。
【0058】
ところで、図5に示す色評価用画像CG1は、図5の元となるカラー画像から容易に読み取れるように、64×64=4096という多くの色で構成される。したがって、図5に示すような色評価用画像CG1を用いることにより、色評価用画像CG1を一回表示させるだけで多くの色に対する評価結果を得ることができる。これにより、色評価を効率よく高精度に行うことができる。このように、色評価を効率よく高精度に行うことができることによって、プロジェクタの色調整を効率よく高精度に行うことができる。
【0059】
また、図5に示す色評価用画像CG1は、64×64=4096という多くの色で構成されるにもかかわらず、図5の元となるカラー画像から容易に読み取れるように、色評価用画像CG1は、複数の色の各色領域のうち、少なくとも色評価用画像の端部に位置する色領域を除く任意の色領域において、当該任意の色領域に隣接する色領域(図5の例では4つの色領域)のうち2つの色領域は、当該任意の色領域が有する色に類似する色を有するような配置となる。このため、マトリクス方式で画素を制御する光変調素子(例えば液晶)を用いて注目画素に対する色を測定する際、注目画素に隣接する画素の信号値が大きく異ならないという条件を満たすことができる。
【0060】
なお、実施形態1に係る画像表示装置の色調整処理は次のようにして行われる。まず、色評価装置12の色評価用画像データ記憶部122から図5に示すような色評価用画像CG1に対応する色評価用画像データが読み出されて、読み出された色評価用画像データが制御部124によりプロジェクタPJ1の画像データ入力部101に出力される。
これにより、プロジェクタPJ1の画像表示部104では、色調整用パラメータ記憶部102に記憶されているその時点の色調整用パラメータに基づいて色評価用画像データに対して色調整を施し、色調整の施された色評価用画像CG1をスクリーンSCRに投写する。
【0061】
次に、スクリーンSCRに投写された色評価用画像CG1を撮像装置11により撮像し、その撮像画像データが撮像画像データ入力部121を介して色評価装置12の色評価部
123に入力される。
色評価部123では、プロジェクタPJ1によって表示された色評価用画像を撮像装置11によって撮像して得られた撮像画像データと、色評価用画像データ記憶部122に記憶されている評価用画像データ(その時点でプロジェクタPJ1に出力している色評価用画像データ)とを比較し、どの領域の色がどの程度の色ずれを生じているかといった評価を行う。
【0062】
そして、その評価結果に基づいて、色調整用パラメータ補正データを生成する。この色調整用パラメータ補正データは、光変調素子が例えば液晶であれば印加電圧と光の透過率の関係を定めるVTガンマの補正量などを設定するデータである。このようにして色評価部123によって生成された色調整用パラメータ補正データは、制御部124によりプロジェクタPJ1に与えられる。
【0063】
プロジェクタPJ1では色評価装置12から与えられた色調整用パラメータ補正データを色調整用パラメータ制御部103が受け取って、受け取った色調整用パラメータ補正データを用いて色調整用パラメータ記憶部102に記憶されている色調整用補正パラメータを補正する。これにより、プロジェクタPJ1の画像表示部104では、補正された色調整用パラメータに基づいて色評価用画像データに対して適切な色調整を施した後、色調整の施された色評価用画像データに対応する色評価用画像CG1をスクリーンSCRに投写する。
【0064】
そして、再び撮像装置11によってスクリーンSCR上に投写された色評価用画像CG1が撮像され、その撮像画像データが撮像画像データ入力部121を介して色評価部123に入力され、前述同様、撮像画像データを色評価用画像データ記憶部122に記録されている色評価用画像データに基づいて評価し、その評価結果に基づいて、色調整用パラメータ補正データを生成する処理を行う。以上のような処理をプロジェクタPJ1が表示する色が適切になるまで行う。
【0065】
ここで、前述したプロジェクタPJ1が表示する色評価用画像を評価し、その評価結果に基づいて、色調整用パラメータ補正データを生成するという動作の具体例について説明する。
まず、プロジェクタPJ1が表示する色評価用画像を評価するというのは、撮像装置11からの撮像画像データと色評価用画像データ記憶部122に記憶されている色評価用画像データ(現時点でプロジェクタPJ1が投写している色評価用画像CG1に対応する色評価用画像データ)とを各画素ごとに、色度などを比較してその差を求めることである。
また、評価結果というのは、プロジェクタPJ1の表示した色評価用画像におけるRGBの各階調値の色が基準となるRGBの各階調値の色に対してどのような誤差を持っているかを示すデータであり、例えば、色評価用画像を構成するRGBの各階調値の色に対する差分ベクトルとして表すことができる。
【0066】
図7は図5に示した色評価用画像CG1(4096色)におけるRGBの各階調値の色に対する評価結果を3次元色空間にマッピングしたものを模式的に示す図である。なお、図7はモノクロ図面であるため、図7から色評価用画像におけるRGBの各階調値の色の変化を読み取ることは困難であるが、図7の元となるカラー画像上では色評価用画像におけるRGBの各階調値の色の変化を容易に読み取ることができる。
【0067】
図7において、色評価用画像におけるRGBの各階調値の色に対応して示される小さな線は、色評価用画像におけるRGBの各階調値の色を基準として、この基準となる色に対する差分ベクトル(図面が煩雑となるのを防ぐため方向を示す矢印は省略してある)を表している。この図7によって、プロジェクタPJ1の表示した各色が色評価用画像におけ
るRGBの各階調値の色に対してどのような誤差を持っているかを知ることができる。
【0068】
このようにして得られた評価結果としての差分ベクトル(誤差という)に基づいて、色調整用パラメータ補正データを生成する。この色調整用パラメータ補正データを生成する処理は、色評価用画像におけるRGBの各階調値の色に対して求められた誤差に基づいて、プロジェクタPJ1が表示可能な各色に対する色調整用パラメータ補正データを生成する。
【0069】
具体的には、次に示す(i),(ii),(iii)のいずれかの処理によって、プロジェクタPJ1が表示可能な各色に対する色調整用パラメータ補正データを生成することが可能である。
【0070】
(i)評価結果としての誤差の平均値をRGBそれぞれについて求め、求められたRGBそれぞれの誤差の平均値を用いてプロジェクタPJ1が表示可能な各色に対する色調整用パラメータ補正データを生成する。この場合の色調整用パラメータ補正データは、RGBそれぞれの誤差の平均値の分だけRGBそれぞれに対する色調整用パラメータをシフトさせるためのシフト量を示すデータである。
【0071】
(ii)評価結果からRGBの所定の階調値ごとの誤差分布を求めて、求められた誤差分布からプロジェクタPJ1が表示可能な各色に対する色調整用パラメータ補正データを生成する。これを図8により説明する。
図8(a)はRにおける0〜255の256階調の誤差分布、図8(b)はGにおける同じく256階調の誤差分布、図8(c)はBにおける同じく256階調の誤差分布を示す図である。
例えば、Rについて説明すると、Rにおける0〜255の各階調値のうちの所定の階調値(色評価用画像におけるRGBの各階調値の色)における誤差の平均値を求めて、求められた誤差の平均値を曲線で結んで0〜255の階調値の誤差分布として表したものである。G,Bについても同様にして0〜255の各階調値のうちの所定の階調値における誤差の平均値を求めることによって、G,Bそれぞれの誤差分布として表すことができる。
【0072】
この図8(a)〜(c)に示すようなRGBにおけるそれぞれ256階調の誤差分布を用い、RGBそれぞれについて0〜255の各階調値における誤差の取得が可能なテーブルを作成することによって、プロジェクタPJ1が表示可能な各色に対する色調整用パラメータ補正データを容易に生成することができる。
【0073】
(iii)評価結果としての誤差から色評価用画像におけるRGBの各階調値の色以外の色(測定点以外の色という)の誤差を3次元色空間上で補間して求め、求められた誤差に基づいて、プロジェクタPJ1が表示可能な各色に対する色調整用パラメータ補正データを生成する。
【0074】
図9は評価結果としての誤差から測定点以外の色の誤差を3次元空間上で補間して求める例について説明する図である。図9において、黒丸は色評価用画像におけるRGBの各階調値の色すなわち測定点の色を示すもので、これら測定点の色に対する誤差から測定点以外の色の誤差を補間して求める。
例えば、図9に示すように、測定点の色のうちの注目する8つの色P1〜P8に対する誤差から、この注目する8つの色P1〜P8で囲まれる空間内の所定の色に対する誤差を線形補間によって求め、求められた誤差に基づいて、注目する8つの色P1〜P8で囲まれる空間内の所定の色に対する色調整用パラメータ補正データを生成する。このような補間処理を行うことにより、プロジェクタPJ1が表示可能な各色に対する色調整用パラメータ補正データを生成することが可能である。
【0075】
以上説明したように、実施形態1においては、図5に示すような色評価用画像CG1を用いることにより、色評価用画像CG1を一回表示させるだけで多くの色に対する色の評価を効率よく高精度に行うことができ、それにより、高精度な評価結果を得ることができる。そして、その評価結果に基づいて、色調整用パラメータ補正データを生成することができ、この色調整用パラメータ補正データを用いることにより、プロジェクタの表示可能な色に対する色調整を効率よく高精度に行うことができる。
【0076】
また、図5に示す色評価用画像CG1は、少なくとも色評価用画像CG1の端部に位置する色領域を除く任意の色領域において、当該任意の色領域に隣接する色領域(図5の例では4つの色領域)のうち2つの色領域は、当該任意の色領域が有する色に類似する色を有するような配置となっている。これにより、マトリクス方式で画素を制御する光変調素子(例えば液晶)を用いた場合、ある注目画素に対する色を測定する際、注目画素に隣接する画素の信号値が大きく異ならないという条件を満たすことができる。したがって、注目画素の信号値(色)が隣接する画素の信号値の影響を受けて高精度な測定が行えなくなるといった課題を低減することができる。
【0077】
なお、実施形態1では画像表示装置としてプロジェクタを例にとって説明したが、プロジェクタに限られるものではなく、画素毎に画像データの色調整が可能な他の画像表示装置、例えばテレビジョンなど直視型のディスプレイを有する画像表示装置であってもよい。また、画像表示装置に用いられる画像表示部は、デジタルミラーデバイス等の反射型の光変調素子を用いてもよいし、自発光型である有機EL(エレクトロルミネッセンス)やプラズマディスプレイ等を用いてもよい。
【0078】
[実施形態2]
実施形態2は直視型のディスプレイを有する画像表示装置を複数台用いてそれぞれのディスプレイを並べて大画面を形成する際の各表示画像の色調整を行う場合、あるいは複数の投写型のディスプレイの投写画像をタイリング投写して大画面を形成する際の各投写画像の色調整を行う場合に好適なものであり、特に、隣接する表示画像の隣接部分の色合わせのための色調整に好適なものである。
なお、実施形態2においても画像表示装置はプロジェクタであるとする。また、実施形態2においては、複数のプロジェクタからの投写画像をタイリング投写する場合を例にとって説明する。
【0079】
図10は実施形態2に係る画像表示装置の色調整装置の構成を示す図である。図10に示すように、実施形態2に係る画像表示装置の色調整装置は、スクリーンSCRに画像を投写する2台のプロジェクタPJ1,PJ2を有している点が図1と異なる。
【0080】
なお、2台のプロジェクタPJ1,PJ2は、垂直方向に並べて配置され、それぞれの投写画像がスクリーンSCR上で垂直方向に並ぶように投写される。また、撮像装置11は、スクリーンSCRにおける2つの投写画像全体を撮像して、その撮像画像データを出力可能としている。
【0081】
図11は図10に示すプロジェクタPJ1,PJ2及び色評価装置12の構成をより詳細に示すブロック図である。図11は図2に対してプロジェクタを2台とした点が異だけであるので、その説明は省略する。
【0082】
図12は実施形態2に係る画像表示装置の色調整装置において用いられる色評価用画像の一例を示す図である。実施形態2の場合は、隣接する2つの投写画像の隣接部分の色合わせのための色調整を主な目的としているため、図12に示すような1次元の色配置を有
する色評価用画像CG2を用いるのが好都合である。図12に示す色評価用画像CG2は、図3で示したRGBそれぞれ8階調の全512色のヒルベルト曲線を1次元にマッピングしたものであり、512の色が線状すなわち帯状に配置されたものとなっている。
【0083】
実施形態2に係る画像表示装置の色調整装置においては、プロジェクタPJ1,PJ2からのそれぞれの投写画像は、垂直方向に並べられて投写される各投写画像(図10参照)における隣接部分の色合わせのための色調整を行う場合である。このため、色評価用画像CG2は、図12に示すように、垂直方向に延びた帯状の512色の各色が水平方向に沿って並べられた1次元の色配置を有する色評価用画像となっている。
【0084】
この色評価用画像CG2においても、類似した色を有する色領域が隣接するような配置となっている。すなわち、色評価用画像CG2は、複数の色の各色領域が帯状をなし、帯状の各色領域の長辺が相互に隣接するように並べられた色領域の配置を有している。そして、各色領域は、プロジェクタPJ1,PJ2のそれぞれの光変調素子における1つ又は複数の画素に対応する領域であり、複数の色の各色領域のうち、少なくとも色評価用画像の端部に位置する色領域を除く任意の色領域において、当該任意の色領域に隣接する2つの色領域は、当該任意の色領域が有する色に類似する色を有している。なお、図12はモノクロ図面であるため、図12から色の変化の具合を読み取ることは困難であるが、図12の元となるカラー画像上では色の変化の具合を容易に読み取ることができる。
【0085】
図12に示すような色評価用画像CG2をプロジェクタPJ1,PJ2から投写させることにより、各プロジェクタPJ1,PJ2からの投写画像の色合わせのための色調整を効率よく行うことができる。
【0086】
なお、実施形態2に係る画像表示装置の色調整装置における色調整処理は、実施形態1と同様に行うことができる。すなわち、色評価装置12の色評価用画像データ記憶部122から図12に示すような色評価用画像CG2に対応する色評価用画像データが読み出されて、制御部124によりプロジェクタPJ1,PJ2の画像データ入力部101,201に出力される。これにより、プロジェクタPJ1,PJ2の画像表示部104,204では、色調整用パラメータ記憶部102,202に記憶されているその時点の色調整用パラメータに基づいて色評価用画像データに対して色調整を施し、色調整の施された色評価用画像データに対する色評価用画像CG2をスクリーンSCRに投写する。
【0087】
次に、スクリーンSCRに投写された色評価用画像CG2を撮像装置11により撮像し、その撮像画像データが撮像画像データ入力部121を介して色評価装置12の色評価部123に入力される。色評価部123では、撮像装置11からの撮像画像データと色評価用画像データ記憶部122に記憶されている色評価用画像データ(現時点でプロジェクタPJ1,PJ2がそれぞれ投写している色評価用画像CG2に対応する色評価用画像データ)とを比較して評価結果を算出する。
【0088】
そして、この評価結果に基づいて色調整用パラメータ補正データを生成し、生成された色調整用パラメータ補正データを制御部124によりプロジェクタPJ1,PJ2に与える。
【0089】
プロジェクタPJ1,PJ2では色評価装置12から与えられた色調整用パラメータ補正データを色調整用パラメータ制御部103,203が受け取って、受け取った色調整用パラメータ補正データを用いて色調整用パラメータ記憶部102,202に記憶されている色調整用パラメータを補正する。これにより、プロジェクタPJ1,PJ2の画像表示部104,204では、補正された色調整用パラメータに基づいて色評価用画像データに対して適切な色調整を施した後、色調整の施された色評価用画像データに対応する色評価
用画像CG2をスクリーンSCRに投写する。
【0090】
そして、再び撮像装置11によってスクリーンSCR上に投写された色評価用画像CG2が撮像され、その撮像画像データが撮像画像データ入力部121を介して色評価部123に入力され、前述同様、撮像画像データと色評価用画像データ記憶部122に記録されている色評価用画像データとを比較し、その比較結果を算出する処理を行う。以上のような処理をプロジェクタPJ1,PJ2の表示する色が適切になるまで行う。
【0091】
以上説明したように、実施形態2においては、図12に示すような色評価用画像CG2を用いて色評価を行うことにより、色評価用画像CG2を一回表示させるだけで多くの色に対する評価結果を得ることができる。これにより、色の評価を効率よく高精度に行うことができる。このように、色評価を効率よく高精度に行えることにより、プロジェクタPJ1,PJ2の色合わせのための色調整を効率よく高精度に行うことができる。
【0092】
また、図12に示す色評価用画像CG2は、図12の元となるカラー画像から容易に読み取れるように、類似した色を有する色領域が隣接するような配置となる。特に、図12に示す色評価用画像CG2は、複数の色の各色領域のうち、少なくとも色評価用画像の端部に位置する色領域を除く任意の色領域において、当該任意の色領域に隣接する2つの色領域は、当該任意の色領域が有する色に類似した色を有している。
【0093】
これにより、マトリクス方式で画素を制御する光変調素子(例えば液晶)を用いた場合、プロジェクタPJ1,PJ2の各光変調素子においてある画素に注目したときにその注目画素の4方向又は8方向に隣接する画素に与えられる信号値が同じか又は殆ど同じとなる。これにより、マトリクス方式で画素を制御する光変調素子(例えば液晶)を用いた場合、注目画素の信号値(色)が隣接する画素の信号値の影響を受けやすいといった課題を回避することができる。
【0094】
なお、実施形態2では隣接する投写画像が重複しないで隣接するように投写される場合について説明したが、一部に重複領域を有して投写される場合にも適用できることは勿論である。また、実施形態2ではプロジェクタを2台として説明したが、2台に限られるものではない。
【0095】
また、実施形態2においては、プロジェクタPJ1,PJ2からのそれぞれの投写画像は、垂直方向に並べられて投写される例(図10参照)であったが、プロジェクタPJ1,PJ2からのそれぞれの投写画像が水平方向に並べられた場合においても同様に実施することができる。この場合、色評価用画像CG2は、水平方向に延びた帯状の例えば512色の各色が垂直方向に沿って並べられた色評価用画像とすればよい。
【0096】
また、実施形態2では画像表示装置としてプロジェクタを例にとって説明したが、実施形態1と同様、プロジェクタに限られるものではなく、画素毎に画像データの色調整が可能な他の画像表示装置、例えばテレビジョンなど直視型のディスプレイを有する画像表示装置であってもよい。また、画像表示装置に用いられる画像表示部には、デジタルミラーデバイス等の反射型の光変調素子を用いてもよいし、自発光型の有機EL(エレクトロルミネッセンス)やプラズマディスプレイ等を用いてもよい。
【0097】
[実施形態3]
実施形態3は画像表示装置がプロジェクタである場合、複数のプロジェクタから投写される画像をスクリーンSCR上の同じ場所に重ねて投写(スタッキング投写)を行う場合において、複数の投写画像の色合わせのための色調整を効率よく高精度に行うことができるようにするものである。
【0098】
図13は実施形態3に係る画像表示装置の色調整装置の構成を示す図である。図13に示すように、実施形態3に係る画像表示装置の色調整装置は、実施形態2と同様、スクリーンSCRに映像を投写する2台のプロジェクタPJ1,PJ2を有している。ただし、実施形態3の場合は、2台のプロジェクタPJ1,PJ2から投写される画像はスクリーンSCR上の同じ場所にスタッキング投写される。
なお、図13は2台のプロジェクタPJ1,PJ2からの投写画像はスタッキングされる前の状態を示している。
【0099】
また、実施形態3に対応するプロジェクタPJ1,PJ2の詳細な構成及び色評価装置12の構成は実施形態2の説明で用いた図11を用いることができる。また、実施形態3において用いられる色評価用画像は、実施形態2で用いた色評価用画像CG2(図12参照)を用いる。
【0100】
なお、2つのプロジェクタPJ1,PJ2からの投写画像がスクリーンSCRで適切にスタッキング投写されたときにスクリーンSCR上で色評価用画像CG2が形成されるように、各プロジェクタPJ1,PJ2では図13に示すような縞状の色評価用画像が投写される。
【0101】
すなわち、プロジェクタPJ1,PJ2に対する色評価用画像として、図12に示す色評価用画像CG2から水平方向に細長い部分色評価用画像CG21,CG22,CG23,・・・を生成する。
【0102】
そして、生成された部分色評価用画像CG21,CG22,CG23,・・・を図13に示すようにプロジェクタPJ1,PJ2に交互に割り当てる。この例では、プロジェクタPJ1には部分色評価用画像CG21,CG23,CG25,・・・が割り当てられ、プロジェクタPJ2には部分色評価用画像CG22,CG24,CG26,・・・が割り当てられている。
【0103】
図14はプロジェクタPJ1から投写される部分色評価用画像CG21,CG23,CG25,・・・の投写状態とプロジェクタPJ2から投写される部分色評価用画像CG22,CG24,CG26,・・・の投写状態を示す図である。
【0104】
図14(a)は、プロジェクタPJ1,PJ2からスクリーンSCR上に投写された部分色評価用画像CG22,CG24,CG26,・・・及び部分色評価用画像CG21,CG23,CG25,・・・を示すもので、図14(a)では図12と異なり、プロジェクタPJ1,PJ2から投写される部分色評価用画像CG21,CG23,CG25,・・・及び部分色評価用画像CG22,CG24,CG26,・・・が水平方向に並べられて投写された例が示されている。
【0105】
そして、図14(a)の状態から、それぞれの部分色評価用画像CG21,CG23,CG25,・・・及び部分色評価用画像CG22,CG24,CG26,・・・を図示の矢印X,X’方向に移動させることによって、図14(b)に示すように、一画面が構成される。図14(b)のように、2つのプロジェクタPJ1,PJ2からのそれぞれの部分色評価用画像によって一画面が構成されることにより、図12に示した色評価用画像CG2が形成される。
【0106】
図14(b)の状態を撮像装置11によって撮像し、その撮像画像データを色評価装置12に送る。以降は実施形態2で説明したと同様の処理を行うことによって2つのプロジェクタから投写される投写画像の色合わせのための色調整を行うことができる。
【0107】
以上説明したように、実施形態3によれば、複数のプロジェクタからの投写画像をスタッキング投写する場合、隣接する投写画像を投写する2つのプロジェクタPJ1,PJ2のうち、プロジェクタPJ1からは、図14(a)に示すような部分色評価用画像CG21,CG23,CG25,・・・を投写させ、プロジェクタPJ2からは部分色評価用画像CG22,CG24,CG26,・・・を投写させることにより、スクリーンSCR上で図14(b)に示すような色評価用画像CG2が形成される。
【0108】
図14(b)に示す色評価用画像CG2は、図12で示した色評価用画像CG2と同じものとなる。したがって、2つのプロジェクタPJ1,PJ2から縞状の部分色評価用画像を1回表示させるだけで、多くの色に対する評価結果を得ることができる。また、それぞれの部分色評価用画像によって形成される色評価用画像CG2は、前述したように、類似した色を有する色領域が隣接するような配置となるので、隣接している画素の信号値が大きく異ならないという条件を満たすことができる。
【0109】
[実施形態4]
実施形態1〜3においては、色評価装置12においては、色評価用画像データそのものを色評価用画像データ記憶部122に記憶している例について説明したが、色評価用画像データそのものを記憶するのではなく、色評価用画像データの生成が可能な色評価用画像データ生成プログラムを用いて色評価用画像データを生成するようにしてもよい。
【0110】
図15は実施形態4におけるプロジェクタPJ1及び色評価装置12の構成をより詳細に示す図である。図15においては、図2と同様、プロジェクタが1台である場合についての構成が示されている。
図15が図2と異なるのは、色評価用画像データの生成が可能な色評価用画像データ生成プログラムを記憶する色評価用画像データ生成プログラム記憶部125と、この色評価用画像データ生成プログラム記憶部125から色評価用画像データ生成プログラムを読み出して色評価用画像データを生成する色評価用画像データ生成部126とを色評価装置12が有している点であり、その他は、図2と同じであるので、同一部分には同一符号が付されている。
【0111】
色評価装置12を図15に示すような構成とした場合、色評価装置12では、色評価用画像データ生成部126が色評価用画像データ生成プログラム記憶部125から色評価用画像データ生成プログラムを読み出して色評価用画像データを生成し、生成した色評価用画像データをプロジェクタPJ1に送るという動作を行う。その他の動作は図2と同様であるので、その説明は省略する。
【0112】
なお、色評価用画像データ生成プログラムは、n次元(nは3以上の整数)の色空間を量子化し、量子化された色空間内の各点を所定の空間充填曲線を用いて並べたときの色の配置に対応する色配置データを生成するステップと、生成された色配置データに対応する色の配置の中で隣り合う色が、色評価用画像においても、少なくても一部で隣り合うような色の配置を有するように、色評価用画像に対応する色評価用画像データを生成するステップとを有する。
【0113】
ここで、色配置データとは、例えば、RGBの3次元色空間を量子化し、量子化して得られた3次元色空間内の各点を3次元空間充填曲線(例えばヒルベルト曲線)の順序で走査し、その走査順にRGBの3次元色空間における色座標列を並べたデータである。この色配置データを作成する具体例を、図16に示す。これは、3次元色空間において量子化された各点の色座標を、ヒルベルト曲線に沿って一つずつ配列に格納するプログラムの例である。
そして、この色評価用画像データ生成プログラムは、色座標データに対応する色の配置の中で隣り合う色、例えば図6におけるQ1、Q2の色が、図5において隣り合う色領域のそれぞれの色となるように、色評価用画像の各画素の画素値を設定し、色評価用画像データを生成する。
【0114】
このような色評価用画像データ生成プログラムを色評価用画像データ生成部126に対して実行させることによって、例えば、図5に示すような色評価用画像CG1に対応する色評価用画像データを生成することができる。同様に、色評価用画像データ生成部126に対して、上記した色評価用画像データ生成プログラムを実行させることにより、色評価用画像データ生成部126では、例えば、図12に示すような色評価用画像CG2に対応する色評価用画像データを生成することもできる。
【0115】
なお、図15に示す構成は、図2と同様、プロジェクタが1台である場合であったが、図11に示すようにプロジェクタが複数の場合にも適用できることは勿論である。
また、図15に示す構成は、画像表示装置(実施形態4ではプロジェクタPJ1としている)、色評価装置12をそれぞれ別体で構成した場合であったが、画像表示装置と色評価装置12とを一体化して構成してもよい。また、さらに撮像装置11も一体化して構成することも可能である。このように一体化することにより、色評価装置12や撮像装置11を画像表示装置に接続するという作業が不要になり、色調整をより簡単に行うことができる。
【0116】
また、実施形態4においても画像表示装置としてプロジェクタを例にとって説明したが、プロジェクタに限られるものではなく、画素毎に画像データの色調整が可能な他の画像表示装置、例えばテレビジョンなど直視型のディスプレイを有する画像表示装置であってもよい。また、画像表示装置に用いられる画像表示部には、デジタルミラーデバイス等の反射型の光変調素子を用いてもよいし、自発光型の有機EL(エレクトロルミネッセンス)やプラズマディスプレイ等を用いてもよい。
【0117】
[実施形態5]
前述の実施形態1〜4においては、色評価装置12側からプロジェクタPJ1(実施形態2,3においては、プロジェクタPJ1,PJ2)に対して色評価用画像データ(色評価用画像CG1に対応する色評価用画像データ又は色評価用画像CG2に対応する色評価用画像データ)を与えるようにしたが、プロジェクタ側で色評価用画像データを生成又は記憶させるようにしてもよい。実施形態5ではプロジェクタ側に色評価用画像データ生成プログラムを設け、プロジェクタ側で色評価用画像データ生成プログラムを用いて色評価用画像データを生成する例について説明する。
【0118】
図17は実施形態5におけるプロジェクタPJ1及び色評価装置12の構成をより詳細に示す図である。なお、図17は図2と同様、プロジェクタが1台である場合であり、図2と同一部分には同一符号が付されている。
図17に示すように、プロジェクタPJ1には、色評価用画像データ生成プログラム記憶部105と、この色評価用画像データ生成プログラム記憶部105に記憶された色評価用画像生成プログラムを用いて色評価用画像データを生成する色評価用画像データ生成部106とが設けられている。
【0119】
なお、この場合、色評価装置12側にも図15と同様、色評価用画像データ生成プログラム記憶部125と色評価用画像データ生成部126とが設けられている。これは、色評価部123で色評価を行う際に、プロジェクタPJ1側でどのような色評価用画像が表示されているかを知る必要があるからであり、そのために、プロジェクタPJ1で表示する色評価用画像データと同じ色評価用画像データを色評価部123に与えている。
【0120】
図17に示すような構成とした場合、色評価装置12が色評価を行う際は、色評価装置12の制御部124からプロジェクタPJ1に対して、色評価用画像の表示を指示する色評価用画像表示指示を与える。この色評価用画像表示指示がプロジェクタPJ1に与えられることにより、プロジェクタPJ1では色評価用画像データ生成部106が色評価用画像データ生成プログラム記憶部105から色評価用画像データ生成プログラムを読み出して色評価用画像データを生成し、生成した色評価用画像データを画像表示部104に与えて、スクリーン上に色評価用画像を表示する。以降の動作は前述の各実施形態と同様に行うことができる。
【0121】
なお、図17では色評価用画像データの生成が可能な色評価用画像データ生成プログラムをプロジェクタPJ1が有し、プロジェクタPJ1では、この色評価用画像データ生成プログラムを用いて色評価用画像データを生成する例について説明したが、色評価用画像データ生成プログラムを用いて色評価用画像データを生成するのではなく、色評価用画像データそのものをプロジェクタPJ1で記憶するようにしてもよい。この場合、プロジェクタPJ1に色評価用画像データ記憶部(図示せず)を設け、この色評価用画像データ記憶部から色評価用画像データを読み出して画像表示部104によってスクリーン上に表示させるような構成とすればよい。
【0122】
また、図17に示す構成は、図2と同様、プロジェクタが1台の場合であったが、図11に示すようにプロジェクタが複数の場合にも適用できることは勿論である。この場合、各プロジェクタに色評価用画像データ生成プログラム記憶部105と色評価用画像データ生成部106とが設けられる。
また、実施形態5においても画像表示装置としてプロジェクタを例にとって説明したが、プロジェクタに限られるものではなく、画素毎に画像データの色調整が可能な他の画像表示装置、例えばテレビジョンなど直視型のディスプレイを有する画像表示装置であってもよい。また、画像表示装置に用いられる画像表示部には、デジタルミラーデバイス等の反射型の光変調素子を用いてもよいし、自発光型の有機EL(エレクトロルミネッセンス)やプラズマディスプレイ等を用いてもよい。
【0123】
なお、本発明は上述の実施の形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変形実施可能となるものである。例えば、前述の各実施形態では、フラクタル曲線としてヒルベルト曲線を用いた例について説明したが、ヒルベルト曲線に限られるものではなく例えばペアノ曲線などを用いてもよい。
【0124】
また、前述の各実施形態では、RGB3次元の色空間を用いた例について説明したが、3次元以上の多原色の色空間を用いた場合にも本発明を適用することができる。
また、前述の実施形態1で用いた色評価用画像CG1は4096色で構成され、実施形態2,3で用いた色評価用画像は512色で構成された例について説明したが、それぞれの色評価用画像CG2の色数はこれらに限られるものではない。
また、実施形態1において用いた色評価用画像CG1は、各色領域が正方格子に配列された例であったが、正方格子に限られるものではなく、例えば、三角格子、六角格子などなどの配置とすることも可能である。
【0125】
また、本発明は以上説明した本発明の色評価プログラムを作成し、その色評価プログラムを各種記録媒体に記録させておくこともでき、本発明は、その色評価プログラムの記録された記録媒体をも含むものである。また、ネットワークから当該色評価プログラムを得るようにしてもよい。また、同様に、色評価用画像データ生成プログラムを各種記録媒体に記録させておくこともでき、本発明は、その色評価用画像データ生成プログラムの記録された記録媒体をも含むものである。また、ネットワークから当該色評価用画像データ生
成プログラムを得るようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0126】
【図1】実施形態1に係る画像表示装置の色調整装置の構成を示す図。
【図2】図1に示すプロジェクタPJ1及び色評価装置12の構成をより詳細に示すブロック図。
【図3】RGBをそれぞれ8階調に変化させたときの全512色の色座標を、フラクタル曲線の1つである3次元のヒルベルト曲線の順序に従って1次元化した例を示す図。
【図4】実施形態1に係る画像表示装置の色調整装置において用いる色評価用画像データについて説明する図。
【図5】図4(a),(b)の手順を経て作成された色評価用画像CG1を示す図。
【図6】n次元の色空間を量子化して得られた色空間内の各点を説明するために図3の一部を取り出して示す図。
【図7】図5に示した色評価用画像CG1(4096色)におけるRGBの各階調値の色に対する評価結果を3次元色空間にマッピングしたものを模式的に示す図。
【図8】RGBそれぞれにおける0〜255の256階調の誤差分布を示す図。
【図9】評価結果としての誤差から測定点以外の色の誤差を3次元空間上で補間して求める例について説明する図。
【図10】実施形態2に係る画像表示装置の色調整装置の構成を示す図。
【図11】図10に示すプロジェクタPJ1,PJ2及び色評価装置12の構成をより詳細に示すブロック図。
【図12】実施形態2に係る画像表示装置の色調整装置において用いられる色評価用画像CG2の一例を示す図。
【図13】実施形態3に係る画像表示装置の色調整装置の構成を示す図。
【図14】プロジェクタPJ1から投写される部分色評価用画像CG22,CG24,CG26,・・・の投写状態とプロジェクタPJ2から投写される部分色評価用画像CG21,CG23,CG25,・・・の投写状態を示す図。
【図15】実施形態4におけるプロジェクタPJ1及び色評価装置12の構成をより詳細に示す図。
【図16】3次元色空間において量子化された各点の色座標を、ヒルベルト曲線に沿って一つずつ配列に格納するプログラムの例を示す図。
【図17】実施形態5におけるプロジェクタPJ1及び色評価装置12の構成をより詳細に示す図。
【符号の説明】
【0127】
11・・・撮像装置、12・・・色評価装置、101・・・画像データ入力部、102・・・色調整用パラメータ記憶部、103・・・色調整用パラメータ制御部、104・・・画像表示部、105,125・・・色評価用画像データ生成プログラム記憶部、106,126・・・色評価用画像データ生成部、121・・・撮像画像データ入力部、122・・・色評価用画像データ記憶部、123・・・色評価部、124・・・制御部、PJ1,PJ2・・プロジェクタ、SCR・・・スクリーン、CG1・・・2次元の色評価用画像、CG2・・・1次元の色評価用画像、CG21,CG22,CG23,・・・部分色評価用画像データ、Q1,Q2,Q3,・・・n次元の色空間を量子化して得られた色空間内の各点

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像表示装置が表示する色の評価を行う画像表示装置の色評価方法であって、
前記画像表示装置の画素に対応するとともに複数の色のうちの一つの色を有する色領域を複数有し、且つ複数の色領域のうちの少なくとも一つの色領域及び当該一つの色領域が有する色に類似した色を有する少なくとも一つの他の色領域を隣接して配置した色評価用画像を、前記画像表示装置に表示させる第1ステップと、
前記第1ステップによって前記画像表示装置が表示した前記色評価用画像を撮像して得られた撮像画像データに基づいて、前記画像表示装置が表示する色を評価する第2ステップと、
を有することを特徴とする画像表示装置の色評価方法。
【請求項2】
請求項1に記載の画像表示装置の色評価方法において、
前記色評価用画像は、
前記複数の各色領域が格子状に並べられた色の配置を有し、
前記複数の各色領域のうち、少なくとも前記色評価用画像の端部に位置する色領域を除く任意の色領域において、前記任意の色領域に隣接する色領域のうち2つの色領域は、前記任意の色領域が有する色に類似する色を有する色評価用画像であることを特徴とする画像表示装置の色評価方法。
【請求項3】
請求項1に記載の画像表示装置の色評価方法において、
前記色評価用画像は、
前記複数の各色領域が帯状をなし、前記帯状の各色領域の長辺が相互に隣接するように並べられた色の配置を有し、
前記複数の各色領域のうち、少なくとも前記色評価用画像の端部に位置する色領域を除く任意の色領域において、前記任意の色領域に隣接する2つの色領域は、前記任意の色領域が有する色に類似する色を有する色評価用画像であることを特徴とする画像表示装置の色評価方法。
【請求項4】
請求項2または3に記載の画像表示装置の色評価方法において、
前記任意の色領域が有する色は、
n次元(nは3以上の整数)の色空間を量子化して得られた前記色空間内の各点のうちの所定の点の色であり、
前記類似する色は、
前記色空間内の各点を所定の空間充填曲線を用いて並べたときの色の配置において前記所定の点と隣り合う点の色であることを特徴とする画像表示装置の色評価方法。
【請求項5】
請求項4に記載の画像表示装置の色評価方法において、
前記所定の空間充填曲線は、フラクタル曲線であることを特徴とする画像表示装置の色評価方法。
【請求項6】
請求項5に記載の画像表示装置の色評価方法において、
前記フラクタル曲線は、ヒルベルト曲線であることを特徴とする画像表示装置の色評価方法。
【請求項7】
請求項1〜6のいずれかに記載の画像表示装置の色評価方法において、
前記第2ステップは、前記色評価用画像に対応する色評価用画像データと前記撮像画像データとを比較することによって前記画像表示装置が表示する色を評価することを特徴とする画像表示装置の色評価方法。
【請求項8】
請求項1〜7のいずれかに記載の画像表示装置の色評価方法において、
前記第2ステップの評価の結果に基づいて、前記画像表示装置において色調整を行う際に用いられる色調整用パラメータの補正が可能な色調整用パラメータ補正データを生成する第3ステップをさらに有することを特徴とする画像表示装置の色評価方法。
【請求項9】
画像表示装置が表示する色の評価を色評価装置によって行う画像表示装置の色評価プログラムであって、
前記色評価装置に、
前記画像表示装置の画素に対応するとともに複数の色のうちの一つの色を有する色領域を複数有し、且つ複数の色領域のうちの少なくとも一つの色領域及び当該一つの色領域が有する色に類似した色を有する少なくとも一つの他の色領域を隣接して配置した色評価用画像を、前記画像表示装置に表示させる第1ステップと、
前記第1ステップによって前記画像表示装置が表示した前記色評価用画像を撮像して得られた撮像画像データに基づいて、前記画像表示装置が表示する色を評価する第2ステップと、
を実行させるため画像表示装置の色評価プログラム。
【請求項10】
画像表示装置が表示する色の評価を行う画像表示装置の色評価装置であって、
前記画像表示装置の画素に対応するとともに複数の色のうちの一つの色を有する色領域を複数有し、且つ複数の色領域のうちの少なくとも一つの色領域及び当該一つの色領域が有する色に類似した色を有する少なくとも一つの他の色領域を隣接して配置した色評価用画像を、前記画像表示装置に表示させる制御部と、
前記画像表示装置によって表示された前記色評価用画像を撮像して得られた撮像画像データに基づいて、前記画像表示装置が表示する色を評価する色評価部と、
を有することを特徴とする画像表示装置の色評価装置。
【請求項11】
請求項10に記載の画像表示装置の色評価装置において、
前記制御部は、前記色評価装置に記憶されている前記色評価用画像データに基づいて前記色評価用画像を前記画像表示装置に表示させることを特徴とする画像表示装置の色評価装置。
【請求項12】
請求項10に記載の画像表示装置の色評価装置において、
前記制御部は、前記画像表示装置に記憶されている前記色評価用画像データに基づいて前記色評価用画像を前記画像表示装置に表示させることを特徴とする画像表示装置の色評価装置。
【請求項13】
画像表示装置が表示する色の評価を行う際に用いられる色評価用画像データであって、
前記色評価用画像データは、前記画像表示装置の画素に対応するとともに複数の色のうちの一つの色を有する色領域を複数有し、且つ複数の色領域のうちの少なくとも一つの色領域及び当該一つの色領域が有する色に類似した色を有する少なくとも一つの他の色領域を隣接して配置した色評価用画像に対応する画像データであることを特徴とする色評価用画像データ。
【請求項14】
画像表示装置の画素に対応するとともに複数の色のうちの一つの色を有する色領域を複数有し、且つ複数の色領域のうちの少なくとも一つの色領域及び当該一つの色領域が有する色に類似した色を有する少なくとも一つの他の色領域を隣接して配置した色評価用画像に対応する色評価用画像データを、色評価用画像データ生成部によって生成するための色評価用画像データ生成プログラムであって、
前記色評価用画像データ生成部に、
n次元(nは3以上の整数)の色空間を量子化し、量子化された色空間内の各点を所定
の空間充填曲線を用いて並べたときの色の配置に対応する色配置データを生成するステップと、
前記色配置データに対応する前記色の配置の中で隣り合う色が、前記色評価用画像においても、少なくとも一部で隣り合うような色の配置を有するように、前記色評価用画像に対応する色評価用画像データを生成するステップと、
を実行させるための色評価用画像データ生成プログラム。
【請求項15】
画像表示装置が表示する色の評価を行い、前記評価の結果に基づいて前記画像表示装置が表示する色の調整を行う画像表示装置の色調整方法であって、
前記画像表示装置の画素に対応するとともに複数の色のうちの一つの色を有する色領域を複数有し、且つ複数の色領域のうちの少なくとも一つの色領域及び当該一つの色領域が有する色に類似した色を有する少なくとも一つの他の色領域を隣接して配置した色評価用画像を、前記画像表示装置に表示させる第1ステップと、
前記第1ステップによって前記画像表示装置が表示した前記色評価用画像を撮像して得られた撮像画像データに基づいて、前記画像表示装置が表示する色を評価する第2ステップと、
前記評価の結果に基づいて前記画像表示装置において色調整を行う際に用いられる色調整用パラメータの補正が可能な色調整用パラメータ補正データを生成する第3ステップと、
前記色調整用パラメータ補正データに基づいて前記色調整用パラメータを補正する第4ステップと、
を有することを特徴とする画像表示装置の色調整方法。
【請求項16】
画像表示装置が表示する色の評価を行い、前記評価の結果に基づいて前記画像表示装置が表示する色の調整を行う画像表示装置の色調整装置であって、
前記画像表示装置の画素に対応するとともに複数の色のうちの一つの色を有する色領域を複数有し、且つ複数の色領域のうちの少なくとも一つの色領域及び当該一つの色領域が有する色に類似した色を有する少なくとも一つの他の色領域を隣接して配置した色評価用画像を表示可能な画像表示部と、表示すべき画像データの色調整を行うための色調整用パラメータの補正が可能な色調整用パラメータ制御部と、を有する画像表示装置と、
前記画像表示装置によって表示された前記色評価用画像を撮像して得られた撮像画像データに基づいて前記画像表示装置が表示する色を評価し、前記評価の結果に基づいて、前記色調整用パラメータの補正が可能な色調整用パラメータ補正データを生成する色評価部を有する色評価装置と、
を有することを特徴とする画像表示装置の色調整装置。
【請求項17】
請求項16に記載の画像表示装置の色調整装置において、
前記色評価用画像に対応する色評価用画像データは、前記色評価装置で生成または記憶され、
前記色評価装置で生成または記憶された前記色評価用画像データを前記画像表示装置に出力可能とすることを特徴とする画像表示装置の色調整装置。
【請求項18】
請求項16に記載の画像表示装置の色調整装置において、
前記色評価用画像に対応する色評価用画像データは、前記画像表示装置で生成または記憶されることを特徴とする画像表示装置の色調整装置。
【請求項19】
画像データに基づいて画素毎に画像を表示可能であり、前記画素に対応するとともに複数の色のうちの一つの色を有する色領域を複数有し、且つ複数の色領域のうちの少なくとも一つの色領域及び当該一つの色領域が有する色に類似した色を有する少なくとも一つの他の色領域を隣接して配置した色評価用画像を表示する画像表示部と、
前記画像表示部によって表示された前記色評価用画像を撮像して得られた撮像画像データに基づいて前記画像表示部が表示する色を評価し、前記評価の結果に基づいて、表示すべき画像データの色調整を行うための色調整用パラメータの補正が可能な色調整用パラメータ補正データを生成する色評価部と、
前記色評価部によって生成された前記色調整パラメータ補正データに基づいて、前記色調整用パラメータの補正を行う色調整用パラメータ制御部と、
を有することを特徴とする画像表示装置。

【図2】
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【図8】
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【図11】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図1】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図9】
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【図10】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2007−71864(P2007−71864A)
【公開日】平成19年3月22日(2007.3.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−191081(P2006−191081)
【出願日】平成18年7月12日(2006.7.12)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】