説明

画像読み取り装置

【課題】傾斜した原稿を読み取って得られた画像データに基づくコード等の検知精度を向上させる。
【解決手段】ラインセンサ55は原稿1の裏面の画像を、CCDイメージセンサ78はラインセンサ55よりも原稿搬送方向下流側で原稿1の表面の画像を読み取る。スキュー量検知部90は、ラインセンサ55で読み取った第二の画像データに基づいて原稿1のスキュー量を検知し、得られたスキュー量検知結果を画像特徴検知部100に出力する。画像特徴検知部100は、CCDイメージセンサ78で読み取った第一の画像データに含まれるコードを検知する。このとき、画像特徴検知部100は、入力されるスキュー量検知結果に基づいて対応する傾斜角度のコードのテンプレートを読み出し、第一の画像データのうちの第一のコード画像データと比較することにより、コードの検知を行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、原稿の画像を読み取る画像読み取り装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、原稿を搬送しつつこの原稿に形成された画像を読み取る読み取り装置が知られている。また、原稿の搬送路中に原稿の一方の面(表面)の画像を読み取る第1の読み取り手段と他方の面(裏面)の画像を読み取る第2の読み取り手段とを設け、原稿の一度の搬送でこの原稿の両面に形成された画像を読み取る両面読み取り装置も存在する。
【0003】
また、例えば原稿上に形成される画像に人間の視覚では判別しにくい識別情報を付加しておき、読み取り装置によってこの原稿上の画像とともに識別情報(例えばコード)を読み取り、読み取った識別情報の内容に基づいて画像の複写の可否を決定するようにした技術が提案されている(特許文献1参照)。
【0004】
ところで、上述した両面読み取り装置では、原稿が斜めになった状態で搬送されると、読み取られる表面の画像および裏面の画像も傾斜してしまう。また、上記特許文献1のように、原稿上に画像とともに識別情報が付加される場合には、読み取られる識別情報も傾斜してしまうことから、識別情報の内容の判別が困難になってしまう。そこで、第1の読み取り手段による表面の画像データに基づいて原稿表面側のスキュー量を検出し、且つ、第2の読み取り手段による裏面の画像データに基づいて原稿裏面側のスキュー量を検出する技術が提案されている(例えば特許文献2参照)。
【0005】
【特許文献1】特開平4−367082号公報
【特許文献2】特開2000−349980号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、上述した技術を背景としてなされたものであり、その目的とするところは、より簡易な構成で、傾斜した原稿を読み取って得られた画像データに基づくコード等の検知精度を向上させることにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
かかる目的のもと、本発明が適用される画像読み取り装置は、搬送される原稿の第一面の画像を読み取って得られた第一の画像データを出力する第一のセンサと、第一のセンサよりも原稿の搬送方向上流側で原稿の第二面の画像を読み取って得られた第二の画像データを出力する第二のセンサと、第二の画像データに基づいて原稿の傾きを検知する傾き検知部と、傾き検知部による傾き検知結果に基づき、第一の画像データに含まれる第一のコードを検知し、且つ、第二の画像データに含まれる第二のコードを検知するコード検知部とを含んでいる。
【0008】
このような画像読み取り装置において、コード検知部は、第一のコードを検知するときには傾き検知結果の正負を逆にして使用し、第二のコードを検知するときには傾き検知結果をそのまま使用することを特徴とすることができる。また、コード検知部に第一の画像データまたは第二の画像データを選択的に出力する選択部をさらに含み、選択部は、同一の原稿において、第一の画像データを出力した後に第二の画像データを出力することを特徴とすることができる。さらに、第一の画像データに第一のコードを付加して出力し、または、第二の画像データに第二のコードを付加して出力することを特徴とすることができる。
【0009】
また、他の観点から捉えると、本発明が適用される画像読み取り装置は、搬送される原稿の第一面の画像を読み取る第一の読み取り手段と、搬送される原稿の第二面の画像を読み取る第二の読み取り手段と、第二の読み取り手段により第二面を読み取って得られた第二の画像データに基づいて、原稿の傾きを検知する傾き検知手段と、傾き検知手段による傾き検知結果を用いて、第一の読み取り手段により第一面を読み取って得られた第一の画像データの特徴を検知する特徴検知手段とを含んでいる。
【0010】
このような画像読み取り装置において、特徴検知手段は、第一の画像データの特徴として第一の画像データに含まれるコードを検知することを特徴とすることができる。この場合において、コードの傾き角度を異ならせた複数のテンプレートを記憶する記憶手段をさらに含み、特徴検知手段は、傾き検知手段による傾き検知結果に基づいて記憶手段から対応するテンプレートを読み出し、第一の画像データと読み出したテンプレートとの比較結果からコードを検知することを特徴とすることができる。また、特徴検知手段は、傾き検知手段による傾き検知結果の正負の符号を逆にすることを特徴とすることができる。さらに、特徴検知手段は、傾き検知手段による傾き検知結果を用いて、第二の画像データの特徴をさらに検知することを特徴とすることができる。
【発明の効果】
【0011】
請求項1記載の発明によれば、傾斜した原稿を読み取って得られた画像データに基づくコードの検知精度を向上させることができる。
請求項2記載の発明によれば、原稿の表裏面における傾きをより正確に把握することが可能になる。
請求項3記載の発明によれば、画像データに対する処理を一面分ずつ施すことが可能になる。
請求項4記載の発明によれば、例えば後段の機器において、各面の画像データに対して適切な処理を施すことが可能になる。
請求項5記載の発明によれば、傾斜した原稿を読み取って得られた画像データに基づく特徴の検知精度を向上させることができる。
請求項6記載の発明によれば、画像データに基づくコードの検知精度を向上させることができる。
請求項7記載の発明によれば、画像データ自身に対する傾斜角度の補正を行う必要がなくなるため、例えば必要なメモリ容量を低減することができる。
請求項8記載の発明によれば、原稿の傾きをより正確に把握することが可能になる。
請求項9記載の発明によれば、原稿の両面の画像データに対して特徴の検知を行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、添付図面を参照して、本発明を実施するための最良の形態(以下、「実施の形態」という)について説明する。
図1は、本実施の形態が適用される画像読み取り装置の全体構成を示す図である。この画像読み取り装置は、積載された原稿束から原稿1を順次搬送する原稿送り装置10と、スキャンによって画像を読み込むスキャナ装置70とを備えている。
【0013】
原稿送り装置10は、複数枚の原稿1からなる原稿束を積載する原稿収容部11、この原稿収容部11の下方に設けられ読み取りが終了した原稿1を積載する排紙収容部12を備える。本実施の形態では、原稿収容部11に積載される原稿1の第一面(以下、表面という)が上に向くようにセットされる。また、原稿送り装置10は、原稿収容部11から原稿1を取り出して搬送する繰出しロール13を備える。さらに、繰出しロール13の原稿搬送方向下流側には、用紙を一枚ずつに捌く捌き機構14が設けられる。この捌き機構14は、繰出しロール13により供給される原稿1をさらに下流側に向けて搬送するフィードロール14a、繰出しロール13により供給される原稿1を一枚ずつに捌くリタードロール14bを有する。原稿1が搬送される搬送路15には、原稿搬送方向上流側から順に、レジロール16、搬送ロール17、プラテンロール18、アウトロール19、および排出ロール20が設けられる。レジロール16は、回転し一旦停止した後にタイミングを合わせて回転を再開し、後述する原稿読み取り系に対してレジストレーション調整を施しながら原稿1を供給する。搬送ロール17は、搬送される原稿1をプラテンロール18に向けさらに搬送する。プラテンロール18は、スキャナ装置70にて読み込み中の原稿1の搬送をアシストする。アウトロール19は、スキャナ装置70にて読み込まれた原稿1をさらに下流に搬送する。そして、排出ロール20は、読み込まれた原稿1をさらに搬送するとともに排紙収容部12に排出する。
【0014】
さらに、図1に示すように、原稿送り装置10のレジロール16と搬送ロール17との間にはCIS(Contact Image Sensor)50が設けられている。CIS50は、図示しない光源およびレンズと、第二のセンサあるいは第二の読み取り手段として機能するラインセンサ55とを備えている。
CIS50は、搬送路15の内側に設けられているため、原稿1の第二面(以下、裏面という)の画像を読み取ることができる。ラインセンサ55として、CCDやCMOSセンサ、密着型センサ等を用いることができ、実寸幅(例えばA4長手幅297mm)の画像を読み取ることが可能である。
【0015】
スキャナ装置70は、上述した原稿送り装置10を開閉可能に支持するとともに、この原稿送り装置10を装置フレーム71によって支え、また、原稿送り装置10によって搬送される原稿1の表面の画像読み取りを行っている。スキャナ装置70は、搬送路15の外側に設けられているため、原稿1の第一面を読み取ることができる。また、このスキャナ装置70は、筐体を形成する装置フレーム71、画像を読み込むべき原稿1を静止した状態で載せておく第1プラテンガラス72A、原稿送り装置10によって搬送される原稿1を読み取るための光の開口部を有する第2プラテンガラス72Bを備えている。
【0016】
また、スキャナ装置70は、第2プラテンガラス72Bの下に静止し、あるいは第1プラテンガラス72Aの全体にわたってスキャンして画像を読み込むフルレートキャリッジ73、フルレートキャリッジ73から得られた光を結像部へ供給するハーフレートキャリッジ75を備えている。フルレートキャリッジ73には、原稿1に光を照射する照明ランプ74、原稿1から得られた反射光を受光する第1ミラー76Aが設けられている。さらに、ハーフレートキャリッジ75には、第1ミラー76Aから得られた光を結像部へ提供する第2ミラー76Bおよび第3ミラー76Cが設けられている。また、スキャナ装置70は、CCD(Charge Coupled Device)イメージセンサ78と結像用レンズ77を備えている。これらのうち、結像用レンズ77は、第3ミラー76Cから得られた光学像を光学的に縮小する。そして、第一のセンサあるいは第一の読み取り手段として機能するCCDイメージセンサ78は、結像用レンズ77によって結像された光学像を光電変換する。つまり、スキャナ装置70では、所謂縮小光学系を用いてCCDイメージセンサ78に像を結像させている。
【0017】
スキャナ装置70は、制御部79と画像処理部80とをさらに備える。制御部79は、画像読み取り動作における各部の動作を制御する。画像処理部80は、読み取られた画像データの処理を行う。これらの機能はプログラムにより制御されたCPU等によって実現される。制御部79は、上述した原稿送り装置10およびスキャナ装置70の動作の制御を行う。制御部79は、原稿送り装置10におけるモータの制御、各種ロール動作、フィードクラッチの動作等を制御やラインセンサ55による画像データの取り込み動作等を制御する。また、制御部79は、スキャナ装置70におけるCCDイメージセンサ78による画像データの取り込み動作等を制御する。画像処理部80は、CCDイメージセンサ78およびラインセンサ55によって読み取った原稿1の画像データを受け取り、出力対象となる後段の機器へと出力する。出力対象となる後段の機器としては、例えばプリンタやパーソナルコンピュータ(PC)等のホストシステム等が挙げられる。
【0018】
以上のような構成とすることにより、この原稿読み取り装置は、第1プラテンガラス72Aの上に原稿1を固定して読み取る固定読み取りモード、および、原稿送り装置10を用いて原稿1を搬送しながら読み取る搬送読み取りモードで動作することができる。また、この原稿読み取り装置は、搬送読み取りモードにおいて、CCDイメージセンサ78を用いて原稿1の表面に形成された画像を読み取る片面読み取りモード、および、CCDイメージセンサ78およびラインセンサ55を用いて原稿1の両面に形成された画像を読み取る両面同時読み取りモードで動作することができる。
【0019】
まず、固定読み取りモードにおける原稿1の画像読み取りについて説明する。
固定読み取りモードの場合、原稿1は、第1プラテンガラス72Aの上に被読み取り面が下となるように固定してセットされる。読み取りが開始されると、フルレートキャリッジ73とハーフレートキャリッジ75とが、2:1の割合でスキャン方向(矢印方向)に移動する。このとき、フルレートキャリッジ73の照明ランプ74の光が原稿1の被読み取り面に照射される。そして、原稿1からの反射光が第1ミラー76A、第2ミラー76B、および第3ミラー76Cの順に反射され結像用レンズ77に導かれる。結像用レンズ77に導かれた光は、CCDイメージセンサ78の受光面に結像される。CCDイメージセンサ78は、1次元のセンサであり、1ライン分を同時に処理している。このライン方向(スキャンの副走査方向)にフルレートキャリッジ73およびハーフレートキャリッジ75を移動させ、原稿1の次のラインを読み取る。これを原稿1全体にわたって実行することで、1ページの原稿読み取りを完了させる。
【0020】
次に、搬送読み取りモードにおける原稿1の画像読み取りについて説明する。
最初に、片面読み取りモードにおける原稿1の画像読み取りを説明する。
原稿収容部11から搬送路15を搬送されてきた原稿1が第2プラテンガラス72Bの上を通過するとき、フルレートキャリッジ73およびハーフレートキャリッジ75は、図1に示す実線の位置に停止した状態におかれる。そして、原稿送り装置10のプラテンロール18を経た原稿1の1ライン目の反射光が、第1ミラー76A、第2ミラー76B、および第3ミラー76Cを経て結像用レンズ77にて結像され、CCDイメージセンサ78によって主走査方向の1ライン分を同時に処理した後、原稿送り装置10によって搬送される原稿1の次の主走査方向の1ラインが読み込まれる。原稿1の先端が第2プラテンガラス72Bの読み取り位置に到達した後、この原稿1の後端が第2プラテンガラス72Bの読み取り位置を通過することによって、副走査方向にわたって1ページの原稿読み取りが完了する。
【0021】
次に、両面同時読み取りモードにおける原稿1の画像読み取りを説明する。
両面同時読み取りモードでは、フルレートキャリッジ73とハーフレートキャリッジ75とを図1に示す実線の位置に停止させ、第2プラテンガラス72Bを介してCCDイメージセンサ78により原稿1の表面の読み取りを行い、ラインセンサ55によって原稿1の裏面の読み取りを行う。このとき、原稿1の表面は、上述した片面読み取りモードと同様のプロセスで、CCDイメージセンサ78による読み取りが行われる。一方、原稿1の裏面は、次のようにしてCIS50による読み取りが行われる。CIS50では、先ず光源が原稿1の裏面に光を照射する。レンズは、原稿1の裏面に照射した光の反射光を集光する。そして、ラインセンサ55は、レンズによって集光された光を読み取る。以上のように、ラインセンサ55によって主走査方向の1ライン分を同時に処理した後、原稿送り装置10によって搬送される原稿1の次の主走査方向の1ラインが読み込まれる。原稿1の先端がCIS50の読み取り位置に到達した後、この原稿1の後端がCIS50の読み取り位置を通過することによって、副走査方向にわたって1ページの原稿読み取りが完了する。なお、両面同時読み取りにおける「同時」とは時間の完全な一致ではなく、ここでは同一の原稿搬送時程度の意味として定義される。
【0022】
本実施の形態では、図1に示すように、CCDイメージセンサ78による原稿1の表面の読み取り位置に対し、ラインセンサ55による原稿1の裏面の読み取り位置を原稿搬送方向の上流側にずらして設けている。よって、両面同時読み取りモードの場合、原稿収容部11から1枚ずつ所定のタイミングで供給された原稿1は、まずラインセンサ55によって裏面が読み取られ、次にCCDイメージセンサ78によって表面が読み取られることになる。このようにして、原稿収容部11に積載された複数の原稿1は、それぞれ原稿1の裏面、表面の順で画像が読み取られる。なお、原稿収容部11に原稿が1枚のみセットされた場合には、画像の読み取りは表裏面の各々1回ずつ行われる。
【0023】
ところで、近年、偽造防止や文書管理等を目的として、紙媒体の原稿に印刷をする際に、印刷の目的とするテキストやイメージ等の文書画像に、コード画像を合わせて印刷する技術が利用され始めている。例えば、紙媒体の原稿をコピー禁止にしたい、原稿にID情報を付加したい等の要求があれば、文書画像とともに所定のコード画像を予め原稿に埋め込んでおく。このように加工された原稿がスキャナ等のスキャナ装置によって読み取られた場合には、文書画像と同時にコード画像も読み取られることとなる。そして、読み取られたコード画像から例えばコピー禁止の指示を持った特定のコードが検知された場合には、後段の処理の過程において原稿の読み取りデータの出力をしない、または、文書画像の内容が判らないように黒で塗りつぶして印刷する等の措置を施すことが可能になる。
【0024】
本実施の形態における画像読み取り装置は、このようなコード画像が印刷された原稿も読み取ることができる。例えばCCDイメージセンサ78は、原稿1の表面を読み取ることで、文書画像の読み取りデータである第一の文書画像データおよびコード画像の読み取りデータである第一のコード画像データを含む第一の画像データを取得する。また、例えばラインセンサ55は、原稿1の裏面を読み取ることで、文書画像の読み取りデータである第二の文書画像データおよびコード画像の読み取りデータである第二のコード画像データを含む第二の画像データを取得する。なお、コード画像は、例えばイエローなど人間の目では判別しにくい色で形成される。
【0025】
次に、原稿1に埋め込まれるコード画像の例を説明する。コード画像は、傾斜角度が異なる複数の微小ラインビットマップで表現されるビットパターンの配列によって形成されている。
図2は、コード画像を説明するための図である。図2(a)には、1ピクセルを単位とした12ピクセル×24ピクセルの格子上に、スラッシュ(「 / 」)で表現されるビットパターンAと、バックスラッシュ(「 \ 」)で表わされるビットパターンBとが並べて表示されている。ビットパターンAがビット値1、ビットパターンBがビット値0を表現している。したがって、1つのビットパターンを最小単位として、1ビットの情報(0又は1)を表現することができる。以上のようなビットパターンを組み合わせて配列することでコードを形成し、任意の情報を原稿1に埋め込むことができる。
本実施の形態では、以上のようなビットパターンを配列したコードを、原稿1の全面にわたって複数配置することで、コード画像を形成している。そして、これらのビットパターンを適宜組み合わせることで、コピー禁止のコード画像を構成している。
【0026】
ところで、上述した搬送読み取りモードで原稿を読み取る場合、原稿が傾いた状態のまま搬送される所謂スキュー(斜行)が発生することがある。スキューは、原稿束が積載された収容部から原稿を搬送路に引き込む際に最も発生し易い。そこで、一般に自動原稿送り装置には搬送路にスキューを補正する機構(以下、スキュー補正機構という)が設けられている。本実施の形態における原稿送り装置10を例にとると、繰出しロール13から原稿1を搬送路15へと引き込む際にスキューが発生することがある。そのため、発生したスキューを補正するためにスキュー補正機構としても機能するレジロール16が設けられている。レジロール16の回転が一旦停止しているタイミングで原稿1の先端がレジロール16に突き当たると、原稿1はループ状に形成される。これにより、原稿1の搬送方向先端側の端辺は、搬送路15に対して略垂直になるように揃えられる。よって、原稿1のスキューが解消される。
【0027】
しかしながら、スキュー補正機構によってもスキューが完全に解消されないことがある。このようにスキューが解消されずに原稿の読み取りが行われると、読み取りの対象となる原稿では傾いていなかった文書画像が、読み取られた後には傾いた状態で出力されることになる。さらに、上述したようなコード画像が原稿に埋め込まれている場合には、スキューの発生が、コード画像データからビットパターンを検知する際の検出精度の低下を引き起こすことになる。
図2(b)は、原稿1がスキューした状態で画像読み取りが行われた結果、コード(ビットパターン)が傾いて出力された状態を示している。このように、コード画像が本来(原稿の傾きがない状態)の角度とは異なる角度で読み取られると、コード画像からビットパターンを検知する際に誤ったパターンを認識してしまうおそれがある。また、場合によってはコード画像からビットパターンを検出できなくなる場合も生じ得る。
【0028】
<実施の形態1>
実施の形態1では、以下のような構成とすることで、原稿1がスキューした状態で読み取られた場合でも、原稿1に埋め込まれたビットパターンを精度よく検知することを可能としている。
なお、実施の形態1は、原稿1の表面および裏面に同じ内容のコード画像が印刷されていることを前提とする。よって、原稿1のどちらか一方の面のコード画像からビットパターンを検知すればよいことになる。
【0029】
図3は、本実施の形態における画像処理部80の構成を示している。画像処理部80は、スキュー量検知部90と画像特徴検知部100とを備える。
傾き検知部あるいは傾き検知手段として機能するスキュー量検知部90は、ラインセンサ55から入力される第二の画像データに基づいて、原稿1のスキュー量を検知する。スキュー量検知部90は、原稿1のスキュー量を、距離や角度のデータとして出力することができる。本実施の形態では、スキュー量検知部90が、第二の画像データに基づき原稿1の傾き角度(スキュー量)を検出し、その角度データを画像特徴検知部100に渡す。したがって、本実施の形態では、スキュー量は角度データとして扱うものとし、以降の説明を行う。
【0030】
ところで、搬送路中でスキューが生じた原稿は、そのスキュー量すなわち傾斜角度を維持したままの状態で搬送される、という知見が経験的に得られている。このため、本実施の形態では、原稿表面に対応する第一の画像データ、原稿裏面に対応する第二の画像データのそれぞれに対してスキュー量検知を行うのではなく、どちらか一方の画像データに対してスキュー量検知を行い、得られたスキュー量を原稿1の表面、裏面にそれぞれ適用することとしている。なお、本実施の形態では、上述したように同一の原稿1についてはCCDイメージセンサ78よりも先にラインセンサ55による読み取りが行われることになる。このため、本実施の形態では、スキュー量検知部90が、ラインセンサ55による第二の画像データに基づいてスキュー量検知を行うように構成している。
【0031】
特徴検知手段として機能する画像特徴検知部100は、スキュー量検知部90から得られた原稿1のスキュー量に基づいて、CCDイメージセンサ78により読み取られた第一の画像データのうちの第一のコード画像データからビットパターンの検知を行う。この際、画像特徴検知部100がスキュー量検知部90から受け取ったスキュー量は、原稿1の裏面から得られる傾き角度である。本実施の形態では、原稿裏面の読み取り結果である第二の画像データから得られたスキュー量に基づいて原稿表面のスキュー量を求め、原稿表面の読み取り結果である第一の画像データに対する処理を行っている。
【0032】
ここで、原稿の天地を固定した状態で、表面から見た原稿が+(正)の方向に傾斜(回転)している場合、この原稿を裏面から見た場合には−(負)の方向に傾斜(回転)していると捉えることができる(以下、反時計周りの回転を+(正)とし、時計回りの回転を−(負)と定義する)。同様のことが、搬送路15を搬送される原稿1に対する、裏面を読み取るラインセンサ55と表面を読み取るCCDイメージセンサ78との関係についてもいえる。つまり、原稿1は天地すなわち先端と後端とが固定された状態で搬送路15を搬送されるので、ラインセンサ55によって読み取られた原稿1の裏面読み取り画像が正の方向にスキューしている場合、CCDイメージセンサ78によって読み取られる原稿1の表面読み取り画像は負の方向にスキューしていることになる。このことから、原稿1の裏面読み取り画像のスキュー量と表面読み取り画像のスキュー量とは、各々の絶対値は等しいが、傾斜方向に関しては正負の符号が逆になる関係となる。よって、画像特徴検知部100では、スキュー量検知部90から受け取ったスキュー量(角度)の正負の符号を逆にすることで、表面のスキュー量を得ている。
【0033】
図4は、画像特徴検知部100の構成と画像特徴検知部100に保存されているデータとを説明するための図である。
図4(a)は、画像特徴検知部100の構成を表している。図4(a)に示すように、画像特徴検知部100は、二値化処理部101と、データベース102と、比較部103とを備える。
【0034】
二値化処理部101は、CCDイメージセンサ78によって読み取られた多値データからなる第一のコード画像データに対して二値化処理を行う。二値化処理部101は、連続階調で表されたコード画像データを所定の閾値をもって二値で表すように変換する処理を施す。そして、二値化処理部101は、二値化された第一のコード画像データを比較部103に渡す。
【0035】
記憶手段としてのデータベース102は、例えば図4(b)〜(d)に示す三組合計六個のマッチング用テンプレート(以下、テンプレート)を保存している。
テンプレートとは、二値化処理されたコード画像データからビットパターンを検知する際に参照するパターンのことである。図4(b)〜(d)では、1ピクセルを単位とする8ピクセル×8ピクセルの格子上に、斜線で塗りつぶされたピクセルによってそのパターンを表現している。また、ビットパターンAの検出に使用するテンプレートをテンプレートA、ビットパターンBの検出に使用するテンプレートをテンプレートBとする。これらのテンプレートは、図2(a)で示すビットパターンを所定の角度回転させ、さらに横方向(縦方向と捉えても良い)に2ピクセル分の幅をもたせて構成されている。図4(b)には、ビットパターンAを0度傾斜させて(傾斜なし)横方向に2ピクセルの幅を持たせたテンプレートA(以下、テンプレートA(0度)という)、ビットパターンBを0度傾斜させて(傾斜なし)横方向に2ピクセルの幅を持たせたテンプレートB(以下、テンプレートB(0度)という)が並べて示されている。
図4(c)には、ビットパターンAを+8度傾斜させて横方向に2ピクセル分の幅を持たせたテンプレートA(以下、テンプレートA(+8度)という)、ビットパターンBを+8度傾斜させて横方向に2ピクセルの幅を持たせたテンプレートB(以下、テンプレートB(+8度)という)が並べて示されている。
図4(d)には、ビットパターンAを−8度傾斜させて横方向に2ピクセル分の幅を持たせたテンプレートA(以下、テンプレートA(−8度)という)、ビットパターンBを−8度傾斜させて横方向に2ピクセルの幅を持たせたテンプレートB(以下、テンプレートB(−8度))が並べて示されている。
【0036】
コード検知部として機能する比較部103は、スキュー量検知部90から送られてきたスキュー量に基づいて対応する傾斜角度のテンプレートをデータベース102から呼び出す。例えば原稿1のスキュー量が0度以上±4度未満のときは、テンプレートA(0度)およびテンプレートB(0度)を呼び出す。また、例えば原稿1のスキュー量が+4度以上+10度未満であればテンプレートA(+8度)およびテンプレートB(+8度)を呼び出す。さらに、例えば原稿1のスキュー量が−4度以上−10度未満であればテンプレートA(−8度)およびテンプレートB(−8度)を呼び出す。このように、予めスキュー量に応じて決められた所定のテンプレートをデータベース102から呼び出す。そして、比較部103は、呼び出したテンプレートを参照して、二値化されたコード画像データからテンプレートと合致するビットパターンの検知(以下、パターンマッチングという)を行う。そして、比較部103は、ビットパターンが検知された場合に、検知したビットパターンから得られるビット値を後段の出力先の機器に渡す。
なお、本実施の形態では、ビットパターンAおよびビットパターンBに対し、それぞれ傾斜角度が異なる三種類のテンプレートを準備する場合について説明を行っているが、、データベース102に保持されるテンプレートはこれらに限られるわけではない。データベース102は、傾斜方向の正負も含めてさらに多くの傾斜角度に対応するテンプレートを保存しておくことができる。
【0037】
図5は、画像特徴検知部100が行うパターンマッチングの手順を説明するためのフローチャートである。
先ず、二値化処理部101は、CCDイメージセンサ78が原稿1の表面から読み取ったコード画像のデータ(第一のコード画像データ)を取得する(ステップ101)。そして、二値化処理部101は、CCDイメージセンサ78から取得した第一のコード画像データに対して、多値データから二値データに変換する処理を施し(ステップ102)、二値化した第一のコード画像データを比較部103へと渡す。また、比較部103は、ラインセンサ55が原稿1の裏面から読み取って得られた第二の画像データに基づいてスキュー量検知部90が検知した原稿1のスキュー量を取得する(ステップ103)。次いで、比較部103は取得した原稿の1のスキュー量を正負反転し(ステップ104)、正負反転したスキュー量に基づいて対応するテンプレートをデータベース102から読み出す(ステップ105)。そして、比較部103は、読み出したテンプレートに基づいて、二値化された第一のコード画像データに対してパターンマッチングを行う。
【0038】
次に、コード画像データにおいて検知の対象とされた1つの微小ラインビットマップ(以下、マークという)に対するパターンマッチングの手順について記述する。比較部103は、先ず、第一のコード画像データからマークを抽出する(ステップ106)。次いで比較部103は、抽出したマークに対してテンプレートAに基づくパターンマッチングを行い、マークがテンプレートAに一致するか否かを判断する(ステップ107)。その結果、マークがテンプレートAと一致していた場合、比較部103は、このマークがビットパターンAであると判断してステップ109へと移行する。一方、ステップ107においてマークがテンプレートAと一致しない場合は、次のステップ108へと処理を進める。
比較部103は、ステップ107においてテンプレートAと一致しなかったマークに対して、今度はテンプレートBとの比較を行い、マークがテンプレートBに一致するか否かを判断する(ステップ108)。ここで、マークがテンプレートBと一致すると判断した場合には、比較部103は、このマークがビットパターンBであると判断し、処理をステップ109へと進める。一方、このマークがテンプレートBにも一致しなかった場合、比較部103は、このマークは該当なしすなわちビットパターンAでもビットパターンBでもないと判断し、処理をステップ109へと進める。
そして、比較部103は、ステップ107およびステップ108にて得られた検知結果を出力する(ステップ109)。このとき、検知結果としては、ビットパターンA、ビットパターンB、あるいは該当なしのいずれかが出力されることになる。そして、比較部103は、第一のコード画像データから得られた全てのマークについてパターンマッチングが完了しているか否かを判断し(ステップ110)、パターンマッチングが完了していなければ、ステップ106に戻り、次のマークについてステップ106〜ステップ109の処理を行う。一方、第一のコード画像データから得られた全てのマークについてパターンマッチングが実行されていれば、一連の処理を終了する。
【0039】
ではここで、上記ステップ107およびステップ108におけるパターンマッチングの具体的な処理について、原稿1のスキュー角度が0度だった場合と+5度だった場合とを例に説明を行う。
ここではまず、原稿1のスキュー角度が0度だった場合について説明する。
図6(a)は、原稿1から読み取った第一のコード画像データを、二値化処理部101にて二値化処理を行って得られた2つのマークを示している。上述したように、第一のコード画像から得たマークに対して、所定のテンプレートと対象とするマークを比較することで、マークがビットパターンA、ビットパターンBもしくは該当無しであるかの判断を行う。この場合は、原稿1のスキュー量が0度であることから、パターンマッチングの際に参照するテンプレートは、図4(b)に示したテンプレートA(0度)とテンプレートB(0度)である。
図6(b)は、図6(a)に示した2つのマークと図4(b)に示すテンプレートとを比較するために重ね合わせた状態を示している。図6(b)において、斜線で塗りつぶされたピクセルはテンプレートのパターンを示している。また、濃いグレーで塗りつぶされたピクセルはマークとテンプレートとが一致していることを示している。
比較部103において、マークがビットパターンに一致すると判断する条件は、テンプレートを構成するピクセル上に比較対象となるマークを構成するピクセルが所定の個数以上(例えば3つ以上)存在し、かつ、テンプレート以外にマークを構成するピクセルが存在しないことである。
そこで、図6(b)を参照すると、左側のマークについては、マークを構成するピクセルが全てテンプレートA(0度)上に存在している。よって、左側のマークは、ビットパターンAであると判断される。また、右側のマークもマークを構成するピクセルが全てテンプレートB(0度)上に存在している。よって、右側のマークは、ビットパターンBであると判断できる。
【0040】
ところで、前述したように、図4(b)に示したテンプレートA(0度)、テンプレートB(0度)は、図2(a)に示すビットパターンA、ビットパターンBを横方向(縦方向と捉えても良い)に2ピクセル分幅をもたせて構成されている。このようなテンプレートをパターンマッチングの参照パターンとすることにより、スキューしていない原稿1からコード画像を、上下左右方向いずれかに0.5ピクセルずれた状態で読み込んだとしても、精度よくビットパターンを検知することが可能になる。
【0041】
次に、原稿1のスキュー角度が+5度だった場合について説明する。なお、この場合において、画像は横24ピクセル分に対して縦に2ピクセル分傾く。
図7−1(a)は、スキューした状態で搬送される原稿1上のマークとCCDイメージセンサ78による読み取りとの関係を示す図である。ここで、グレーの格子はスキューした原稿1を示しており、この原稿1上に形成されるマークを黒の塗りつぶしで表している。また、黒の格子は、スキャナすなわちCCDイメージセンサ78による読み取りピッチを示している。
図7−1(b)は、スキューした原稿1をCCDイメージセンサ78にて読み取って得られたマーク(第一のコード画像)を示している。この例では、CCDイメージセンサ78から出力される第一のコード画像データが多値データとなっているため、階調の低いピクセルを濃く、階調の高いピクセルを薄く表示している。
図7−2(c)は、二値化処理部101により二値化処理を行って得られた2つのマークを示している。
【0042】
以降のパターンマッチングの手順は、図6において説明したスキュー量がない場合と同様である。ただし、原稿1が+5度スキューした状態で第一のコード画像が読み取られているので、第一のコード画像から得られたマークに対しては、図4(c)に示したテンプレートA(+8度)とテンプレートB(+8度)とを用いてパターンマッチングを行う。
図7−2(d)は、図7−2(c)に示した2つのマークと図4(c)に示すテンプレートとを比較するために重ね合わせた状態を示している。
図7−2(d)を参照すると、左側のマークについては、マークを構成するピクセルが全てテンプレートA上に存在している。よって、左側のマークは、ビットパターンAであると判断される。また、右側のマークもマークを構成するピクセルが全てテンプレートB上に存在している。よって、右側のマークは、ビットパターンBであると判断できる。
【0043】
ここで、比較例として、原稿1がスキューして読み込まれたにもかかわらず、適切なテンプレートを参照せずにパターンマッチングを行ったために、ビットパターンの検知ができなくなってしまう場合について説明する。なお、ここでは、原稿1のスキュー量が+5度であったのに対し、読み取られた第一のコード画像データから得られるマークに対してテンプレートA(0度)、テンプレートB(0度)を参照パターンとして、パターンマッチングを行ったものとする。
【0044】
図8(a)は、二値化処理部101により二値化処理がなされることによって得られた2つのマークを示している。図8(b)は、図8(a)に示した2つのマークと図4(b)に示すテンプレートとを比較するために重ね合わせた状態を示している。図8(b)において、斜線で塗りつぶされたピクセルはテンプレートのパターンを示している。また、濃いグレーで塗りつぶされたピクセルはマークとテンプレートとが一致していることを示している。さらに、黒で塗りつぶされたピクセルはテンプレートから外れたマークを構成するピクセルを表している。
ここで、図8(b)を参照すると、左側のマークについては、マークを構成するピクセルが全てテンプレートA上に存在している。よって、左側のマークは、ビットパターンAであると判断される。しかしながら、右側のマークについては、テンプレートを構成するピクセル(斜線で塗りつぶされたピクセル)以外の格子に、マークを構成するピクセルが存在している。このような場合には、エラーとなり、右側のマークはビットパターンBではないと判断される。
エラーとなった右側のマークは、ビットパターンBが、原稿1がスキューした状態で読み込まれたものにも関わらず、原稿1のスキュー量を考慮してパターンマッチングを行わなかった結果、ビットパターンとして検知されなくなってしまうことを意味する。
【0045】
次に、本実施の形態における、センサ(ラインセンサ55、CCDイメージセンサ78)、スキュー量検知部90、画像特徴検知部100、センサによって読み取られた原稿1の表裏面の画像出力についての時間的な関係について説明する。
なお、以下の説明において、CCDイメージセンサ78による原稿1の表面読み取り位置とラインセンサ55による原稿1の裏面読み取り位置との距離(以下、表裏読み取りギャップという)は50mmである。さらに、読み取り対象となる原稿1は、A4サイズであり、原稿1の長辺方向送り(LEF:Long Edge Feed)である。さらにまた、n枚目の原稿の搬送方向後端とn+1枚目の原稿の搬送方向先端との距離(原稿間ギャップ)は210mmとしている。
【0046】
図9は、CCDイメージセンサ78による第一の画像データ(第一の文書画像データ、第一のコード画像データ)、ラインセンサ55による第二の画像データ(第二の文書画像データ、第二のコード画像データ)に対する各構成部の処理に関するタイミングチャートである。
原稿収容部11から送り出された1枚目の原稿1は、まず、ラインセンサ55による原稿1の裏面読み取り位置を通過する。このとき、ラインセンサ55は、1枚目の原稿1の裏面画像を読み取り、第二の画像データを取得する。ここで、スキュー量検知部90は、ラインセンサ55によって得られた第二の画像データからスキュー量を検知する。本実施の形態では、このスキュー量の検知が、CCDイメージセンサ78による1枚目の表面の読み取りが開始されるまでに完了している。
【0047】
次に、この1枚目の原稿1は、CCDイメージセンサ78による表面読み取り位置を通過する。このとき、CCDイメージセンサ78は、1枚目の原稿1の表面画像を読み取る。画像特徴検知部100は、CCDイメージセンサ78により得られた第一のコード画像データからビットパターンの検知を行う。上述したように、1枚目の表面のコード画像の読み取りが開始される前にスキュー量が得られているので、画像特徴検知部100は、原稿1の先端からビットパターンの検知を行うことができる。ここで、原稿1の裏面から得られたビットパターンの検知結果は、後段の出力先の機器へと送られる。また、ラインセンサ55によって得られた第二の文書画像データ、および、CCDイメージセンサ78によって得られた第一の文書画像データは、リアルタイムで後段の出力先の機器へと送られる。
以降、原稿収容部11から送り出された2枚目、3枚目、4枚目の原稿1についても、同様に処理が行われる。
【0048】
<実施の形態2>
実施の形態1では、原稿1の表面および裏面に同じ内容のコード画像が印刷されていることを前提としていた。ただし、実際には、原稿1の表面と裏面とで異なる内容のコード画像が印刷されることもあり得る。
そこで、実施の形態2は、画像を読み取るべき原稿1の表面と裏面に同じ内容もしくは異なった内容のコード画像が印刷されている場合において適用される。つまり、本実施の形態では、原稿1の表面、裏面それぞれに形成されたコード画像データから各々ビットパターンの検知がなされる。なお、本実施の形態において、実施の形態1と同様のものについては、同じ符号を付してその詳細な説明を省略する。
【0049】
図10は、本実施の形態における画像処理部80の構成を示している。本実施の形態における画像処理部80は、実施の形態1で説明したスキュー量検知部90および画像特徴検知部100に、記憶部130と選択部140とをさらに加えて構成される。
【0050】
本実施の形態では、画像特徴検知部100が、ラインセンサ55により得られる原稿1の裏面のコード画像データ(第二のコード画像データ)に基づいてビットパターンの検知を行い、且つ、CCDイメージセンサ78により得られる原稿1の表面のコード画像データ(第一のコード画像データ)に基づいてビットパターンの検知を行っている。
【0051】
記憶部130は、ラインセンサ55によって読み込まれた原稿1の裏面の1枚分の画像データすなわち第二の画像データ(第二の文書画像データ、第二のコード画像データ)を一時的に保存する。そして、選択部140から要求を受けた場合に、第二の画像データを出力する。
【0052】
選択部140は、CCDイメージセンサ78によって読み取られた第一のコード画像データについてはリアルタイムに画像特徴検知部100へ渡す。また、選択部140は、第一のコード画像データが送られていないタイミングで、記憶部130から読み出した第二のコード画像データを画像特徴検知部100に渡す。このように、選択部140は、CCDイメージセンサ78からの第一のコード画像データまたはラインセンサ55からの第二のコード画像データを選択的に画像特徴検知部100に出力している。
【0053】
画像特徴検知部100は、実施の形態1において説明したように、二値化処理部101、データベース102と比較部103とを備えている。ただし、本実施の形態2では第一のコード画像データおよび第二のコード画像データを処理することから、比較部103の機能は実施の形態1と若干異なる。比較部103は、第一のコード画像データについてパターンマッチングを行う際には、実施の形態1と同様に、スキュー量検知部90から受け取ったスキュー量の正負を逆にした値を用いる(図5に示すステップ104参照)。その上で、データベース102から所定のテンプレートを呼び出し、パターンマッチングを実施する。一方、比較部103が第二のコード画像データについてパターンマッチングを実行する際には、スキュー量検知部90から受け取った値をそのままスキュー量とし、上記ステップ104を実行することなく所定のテンプレートを呼び出した後パターンマッチングを行う。
【0054】
次に、本実施の形態における、センサ(ラインセンサ55、CCDイメージセンサ78)、スキュー量検知部90、画像特徴検知部100、センサによって読み取られた原稿1の表面および裏面の画像出力についての時間的な関係について説明する。
なお、以下の説明における原稿1の読み取り条件(表裏読み取りギャップ、原稿間ギャップ、原稿サイズ)は実施の形態1と同様である。
【0055】
図11は、CCDイメージセンサ78による第一の画像データ(第一の文章画像データ、第一のコード画像データ)、ラインセンサ55による第二の画像データ(第二の文書画像データ、第二のコード画像データ)に対する各構成部の処理に関するタイミングチャートである。
原稿収容部11から送り出された1枚目の原稿1は、まず、ラインセンサ55による原稿1の裏面読み取り位置を通過する。このとき、ラインセンサ55は、1枚目の原稿1の裏面画像を読み取り、第二の画像データを取得する。また、スキュー量検知部90は、ラインセンサ55により得られる第二の画像データからスキュー量の検知を行う。本実施の形態において、スキュー量の検知は、CCDイメージセンサ78による1枚目の表面の読み取りが開始されるまでに完了する。また、1枚目の原稿1に対応する第二の画像データは記憶部130に保存される。
【0056】
次に、この1枚目の原稿1は、CCDイメージセンサ78による表面読み取り位置を通過する。このとき、CCDイメージセンサ78は、1枚目の原稿1の表面画像を読み取り、第一の画像データを取得する。得られた第一の画像データは、リアルタイムに後段の出力先へと送られる。先ず、1枚目の原稿1に対応する第一のコード画像データは、画像特徴検知部100に渡される。このとき、スキュー量は既に判っているので、画像特徴検知部100によって、ビットパターンの検知が行われ、得られた1枚目の原稿1に対応する表面のビットマップパターンの検知結果すなわち第一のコードは、後段の出力先の機器に渡される。一方、1枚目の原稿1に対応する第一の文書画像データは後段の出力先の機器へと送られる。
【0057】
ここで、1枚目の原稿1に対応する第一のコード画像データの検知処理が終了すると、選択部140は、記憶部130に保持されている1枚目の原稿1に対応する第二の画像データを読み出す。読み出された第二の画像データのうち、第二の文書画像データは、後段の出力先の機器へと送られる。一方、第二のコード画像データは、画像特徴検知部100に渡され、ビットパターンの検知が実行される。ここで得られた1枚目の原稿1に対応する裏面のビットパターンの検知結果すなわち第二のコードは、後段の出力先の機器へと渡される。
以降、原稿収容部11から送り出された2枚目、3枚目、4枚目の原稿1についても、同様に処理が繰り返される。
【0058】
なお、本実施の形態では、原稿1の表面を読み取って得られた第一の文書画像データに、この原稿1の表面を読み取って得られた第一のコード画像データに基づく第一のコードを付加して出力することが好ましい。このような出力を行えば、例えば後段の機器において、第一のコードの内容に基づいて第一の文書画像データに対するコピー出力等を制限することが可能になる。
また、同様に、原稿1の裏面を読み取って得られた第二の文書画像データに、この原稿1の裏面を読み取って得られた第二のコード画像に基づく第二のコードを付加して出力することが好ましい。このような出力を行えば、例えば後段の機器において、第二のコードの内容に基づいて第二の文書画像データに対するコピー出力等を制限することが可能になる。
【0059】
<実施の形態3>
実施の形態2では、原稿1の表面を読み取って得られた第一のコード画像データ、および、同じ原稿1の裏面を読み取って得られた第二のコード画像データを画像特徴検知部100に順次入力し、それぞれに対してビットパターンの検知を行っていた。これに対し、本実施の形態では、第一のコード画像データおよび第二のコード画像データそれぞれに画像特徴検知部を設けるようにした点が実施の形態2とは異なる。また、画像特徴検知部が二つ設けられた結果、選択部が不要となっている点も実施の形態2とは異なる。なお、本実施の形態において、実施の形態2と同様のものについては、同じ符号を付してその詳細な説明を省略する。
【0060】
図12は、本実施の形態における画像処理部80の構成を示している。本実施の形態における画像処理部80は、実施の形態1および2で説明したスキュー量検知部90および画像特徴検知部100に、第2画像特徴検知部120をさらに加えて構成される。
【0061】
本実施の形態では、画像特徴検知部100が、CCDイメージセンサ78により読み取られた第一のコード画像データに基づいて、原稿表面のビットパターンの検知を行っている。また、第2画像特徴検知部120が、ラインセンサ55により読み取られた第一のコード画像データに基づいて、原稿裏面のビットパターンの検知を行っている。
【0062】
特徴検知手段として機能する第2画像特徴検知部120は、基本的に画像特徴検知部100と同じ構成を備えている。すなわち、実施の形態1で図4(a)を参照して説明したように、第2画像特徴検知部120は、二値化処理部101、データベース102と比較部103とを有している。ただし、第2画像特徴検知部120は、原稿1の裏面に対応する第二のコード画像データを処理することから、第2画像特徴検知部120に設けられる比較部103の機能が画像特徴検知部100に設けられているものとは異なっている。具体的に説明すると、第2画像特徴検知部120の比較部103は、第二のコード画像データについてパターンマッチングを行う際に、スキュー量検知部90から受け取ったスキュー量の値をそのまま用いて、所定のテンプレートを呼び出した後、パターンマッチングを行っている。
【0063】
次に、本実施の形態における、センサ(ラインセンサ55、CCDイメージセンサ78)、スキュー量検知部90、画像特徴検知部100、第2画像特徴検知部120、センサによって読み取られた原稿1の表面および裏面の画像出力についての時間的な関係について説明する。
なお、以下の説明における原稿1の読み取り条件(表裏読み取りギャップ、原稿間ギャップ、原稿サイズ)は実施の形態1と同様である。
【0064】
図13は、本実施の形態における、CCDイメージセンサ78やラインセンサ55によって得られた読み取り画像(文書画像、コード画像)データに対する各構成部の処理のタイミングチャートである。
原稿収容部11から送り出された1枚目の原稿1は、まず、ラインセンサ55による原稿の裏面読み取り位置を通過する。このとき、ラインセンサ55は、1枚目の原稿の裏面画像を読み取り、第二の画像データを取得する。また、スキュー量検知部90は、ラインセンサ55により得られる第二の画像データからスキュー量の検知を行う。スキュー量検知部90による原稿1のスキュー量検知は、1枚目の表面の読み取りが開始されるまでに完了する。
【0065】
次に、この1枚目の原稿1は、CCDイメージセンサ78による表面読み取り位置を通過する。このとき、CCDイメージセンサ78は、1枚目の原稿1の表面画像を読み取り、第一の画像データを取得する。得られた第一の画像データは、リアルタイムに後段の出力先へと送られる。これらのうち、1枚目の原稿1に対応する第一の文書画像データは、後段の機器へと送られる。一方、1枚目の原稿1に対応する第一のコード画像データは、画像特徴検知部100に渡される。このとき、スキュー量検知部90により原稿1の1枚目のスキュー量が判明しているので、画像特徴検知部100によって、この第一のコード画像データからビットパターンの検知が行われる。ここで得られた1枚目の原稿1に対応する表面のビットパターンの検知結果は、後段の出力先の機器へと渡される。
【0066】
一方、本実施の形態では、ラインセンサ55によって読み取られた1枚目の原稿1に対応する第二の画像データも、リアルタイムに後段の出力先へと送られている。まず、1枚目の原稿1に対応する第二の文書画像データは、後段の機器へと送信される。一方、1枚目の原稿1に対応する第二のコード画像データは、第2画像特徴検知部120に送られる。このとき、第2画像特徴検知部120は、スキュー量検知部90によるスキュー量がわかり次第、第二のコード画像データからビットパターンの検知を開始する。つまり、原稿1の裏面の先端からはビットパターンの検知は実行されず、スキュー量検知に要した時間分だけずれた時点からビットパターンの検知が行われることになる。本実施の形態では、原稿1の全面にわたってコードを複数配置しているので、本実施の形態のように原稿1の途中からビットパターンの検知を行ったとしても、所定のコード画像を読み取ることは可能である。ここで得られた1枚目の原稿1の裏面のビットパターンの検知結果は、後段の出力先の機器へと渡される。
以降、原稿収容部11から送り出された2枚目、3枚目、4枚目の原稿1についても、同様に処理が繰り返される。
【0067】
<実施の形態4>
実施の形態3では、原稿1の裏面に対して、原稿1の先端からビットパターンの検知を行うことができず、その途中からビットパターンの検知を開始していた。これに対し、本実施の形態では、ラインセンサ55にて読み取られた第二の画像データに遅延処理を施すことにより、原稿1の裏面に対してもその先端からビットパターンの検知を可能としたものである。なお、本実施の形態において、実施の形態3と同様のものについては、同じ符号を付してその詳細な説明を省略する。
【0068】
図14は、本実施の形態における画像処理部80の構成を示している。本実施の形態の画像処理部80は、実施の形態3で説明したスキュー量検知部90、画像特徴検知部100、第2画像特徴検知部120に、画像遅延部150をさらに加えて構成される。
【0069】
画像遅延部150は、ラインセンサ55によって読み取られた原稿1の第二の画像データを受け取る。そして、画像遅延部150は、スキュー量検知部90が、第二の画像データに基づいて原稿1のスキュー量を検知するのに要する時間分だけ、一時的に第二の画像データを保持する。そして、画像遅延部150は、スキュー量検知部90による原稿1のスキュー量が判明してから、保持している第二の画像データを後段の出力先に出力する。
【0070】
次に、センサ(ラインセンサ55、CCDイメージセンサ78)、スキュー量検知部90、画像特徴検知部100、第2画像特徴検知部120、画像遅延部150とセンサによって読み取られた原稿1の表面および裏面の画像出力についての時間的な関係について説明する。
なお、以下の説明における原稿1の読み取り条件(表裏読み取りギャップや原稿間ギャップ)は実施の形態1と同様である。
【0071】
図15は、本実施の形態における、CCDイメージセンサ78やラインセンサ55によって得られた読み取り画像(文書画像、コード画像)データに対する各構成部の処理のタイミングチャートである。
原稿収容部11から送り出された1枚目の原稿1は、まず、ラインセンサ55による原稿1の裏面読み取り位置を通過する。このとき、ラインセンサ55は、1枚目の原稿の裏面画像を読み取り、第二の画像データを取得する。また、スキュー量検知部90は、ラインセンサ55により得られる第二の画像データからスキュー量の検知を行う。ここで、ラインセンサ55により読み取られた1枚目の原稿1に対応する第二の画像データは、画像遅延部150に送られる。画像遅延部150では、送られてきた1枚目の原稿1に対応する第二の画像データを、一定時間遅らせながら出力する。この一定時間は、スキュー量検知部90が原稿1のスキュー量の検知を完了するまでに要した時間である。スキュー量の検知は、CCDイメージセンサ78による1枚目の原稿1の表面の読み取りが開始されるまでに完了する。
【0072】
次に、この1枚目の原稿1は、CCDイメージセンサ78による表面読み取り位置を通過する。このとき、CCDイメージセンサ78は、1枚目の原稿1の表面画像を読み取り、第一の画像データを取得する。CCDイメージセンサ78によって読み取られた第一の画像データは、リアルタイムに後段の出力先へと送られる。先ず、1枚目の原稿1に対応する第一のコード画像は、画像特徴検知部100に渡される。このとき、原稿1のスキュー量は既に判っているので、画像特徴検知部100によって、この第一のコード画像データからビットパターンの検知が行われる。一方、1枚目の原稿1に対応する第一の文書画像データは後段の出力先の機器へと送られる。
【0073】
また、スキュー量検知部90によるスキュー量の検知が完了し、画像遅延部150から1枚目の原稿1に対応する第二の画像データが出力されると、1枚目の原稿1に対応する第二の文書画像データは、後段の機器へと送信される。また、1枚目の原稿1に対応する第二のコード画像データは、第2画像特徴検知部120へと渡される。第2画像特徴検知部120は、画像遅延部150から順次送られてくる第二のコード画像データに対して、ビットパターンの検知を実行する。ここで得られたビットパターンの検知結果は、後段の機器へと渡される。
以降、原稿収容部11から送り出された2枚目、3枚目、4枚目の原稿1についても、同様に処理が繰り返される。
【0074】
なお、実施の形態1〜4では、原稿収容部11に原稿1を積載する際に、表面を上に向けてセットしているが、これに限られるわけではなく、裏面を上に向けてセットしても構わない。また、原稿1の裏面の読み取りを行うラインセンサ55が、CCDイメージセンサ78による読み取り位置よりも搬送路の上流に設けられているが、これに限定されるものではなく、下流に設けられていても良い。さらに、裏面読み取りを行うのはCISに限られるわけではなく、CCDセンサのような縮小光学系を用いても良く、逆に、表面読み取りを行うのがCISでも構わない。原稿1の表面、裏面の画像を読み取ることができる画像読み取り系が設けられていれば、方法は限定されない。
【0075】
なお、本実施の形態におけるスキュー量の検知方法は、既存の技術を用いることができる。スキュー量の検知が行えればいかなる方法を用いても良い。
また、表裏読み取りギャップを50mm設けていることで、実施の形態3以外では、そのギャップの間にスキュー量の検知を行い、原稿1の先端からビットパターンの検出を可能としている。よって、スキュー量検知にかかる検知時間を小さくすることにより、表裏読み取りギャップをさらに短縮することができる。また、スキュー量検知に要する時間を短くすることで、実施の形態3においても、ビットパターンの検知ができない原稿1の領域をさらに少なくすることが可能である。
【0076】
また、本実施の形態では、予めビットパターンを傾斜させたテンプレートを用意しておき、原稿1から読み取ったコード画像についてパターンマッチングを行っているが、パターンマッチングの方法としてはこれに限られるものではない。例えば、テンプレートとして保存するパターンはビットマップを傾斜させたものではなく、ビットマップそのものとすることができる。そして、この場合には、スキュー量検知部90から得られたスキュー量に基づいて、コード画像データに対して傾斜処理を施すことで、パターンマッチングをしても良い。
【0077】
さらにまた、本実施の形態では、コード画像をビットパターンで構成する場合を例に説明したが、本実施の形態が適用されるコード画像はこれに限られるものではない。例えば、コード画像としてQRコードやバーコードを利用することが可能であり、また、テキスト画像をOCR等で読み取ることも考えられる。
【図面の簡単な説明】
【0078】
【図1】本実施の形態が適用される画像読み取り装置の全体構成を示す図である。
【図2】(a)はコード画像を、(b)はスキューした状態で画像読み取りが行われたコード画像(ビットパターン)を、それぞれ示す図である。
【図3】実施の形態1における画像処理部の構成を示す図である。
【図4】(a)は画像特徴検知部の構成を、(b)〜(d)は画像特徴検知部が保持するデータ(テンプレート)を、それぞれ示す図である。
【図5】画像特徴検知部が実行するパターンマッチングの流れを説明するフローチャートである。
【図6】原稿のスキュー角度が0度だった場合において、(a)は原稿から読み取ったコード画像により得られた2つのマークを、(b)は、2つのマークと0度用のテンプレートとを重ね合わせた状態を、それぞれ示す図である。
【図7−1】(a)はスキューした状態で搬送される原稿上のマークとセンサによる読み取りとの関係を、(b)はスキューした原稿をセンサで読み取って得られたマーク(第一のコード画像)を、それぞれ示す図である。
【図7−2】原稿のスキュー角度が+5度だった場合において、(c)は原稿から読み取ったコード画像により得られた2つのマークを、(d)は、2つのマークと+5度用のテンプレートとを重ね合わせた状態を、それぞれ示す図である。
【図8】原稿のスキュー角度が+5度だった場合において、(a)は原稿から読み取ったコード画像により得られた2つのマークを、(b)は、2つのマークと0度用のテンプレートとを重ね合わせた状態を、それぞれ示す図である。
【図9】実施の形態1における各構成部の処理に関するタイミングチャートである。
【図10】実施の形態2における画像処理部の構成を示す図である。
【図11】実施の形態2における各構成部の処理に関するタイミングチャートである。
【図12】実施の形態3における画像処理部の構成を示す図である。
【図13】実施の形態3における各構成部の処理に関するタイミングチャートである。
【図14】実施の形態4における画像処理部の構成を示す図である。
【図15】実施の形態4における各構成部の処理に関するタイミングチャートである。
【符号の説明】
【0079】
10…原稿送り装置、55…ラインセンサ、70…スキャナ装置、78…CCDイメージセンサ、80…画像処理部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
搬送される原稿の第一面の画像を読み取って得られた第一の画像データを出力する第一のセンサと、
前記第一のセンサよりも前記原稿の搬送方向上流側で当該原稿の第二面の画像を読み取って得られた第二の画像データを出力する第二のセンサと、
前記第二の画像データに基づいて前記原稿の傾きを検知する傾き検知部と、
前記傾き検知部による傾き検知結果に基づき、前記第一の画像データに含まれる第一のコードを検知し、且つ、前記第二の画像データに含まれる第二のコードを検知するコード検知部と
を含む画像読み取り装置。
【請求項2】
前記コード検知部は、前記第一のコードを検知するときには前記傾き検知結果の正負を逆にして使用し、前記第二のコードを検知するときには当該傾き検知結果をそのまま使用することを特徴とする請求項1記載の画像読み取り装置。
【請求項3】
前記コード検知部に前記第一の画像データまたは前記第二の画像データを選択的に出力する選択部をさらに含み、
前記選択部は、同一の原稿において、前記第一の画像データを出力した後に前記第二の画像データを出力することを特徴とする請求項1記載の画像読み取り装置。
【請求項4】
前記第一の画像データに前記第一のコードを付加して出力し、または、前記第二の画像データに前記第二のコードを付加して出力することを特徴とする請求項1記載の画像読み取り装置。
【請求項5】
搬送される原稿の第一面の画像を読み取る第一の読み取り手段と、
搬送される前記原稿の第二面の画像を読み取る第二の読み取り手段と、
前記第二の読み取り手段により前記第二面を読み取って得られた第二の画像データに基づいて、前記原稿の傾きを検知する傾き検知手段と、
前記傾き検知手段による傾き検知結果を用いて、前記第一の読み取り手段により前記第一面を読み取って得られた第一の画像データの特徴を検知する特徴検知手段と
を含む画像読み取り装置。
【請求項6】
前記特徴検知手段は、前記第一の画像データの特徴として当該第一の画像データに含まれるコードを検知することを特徴とする請求項5記載の画像読み取り装置。
【請求項7】
前記コードの傾き角度を異ならせた複数のテンプレートを記憶する記憶手段をさらに含み、
前記特徴検知手段は、前記傾き検知手段による前記傾き検知結果に基づいて前記記憶手段から対応するテンプレートを読み出し、前記第一の画像データと読み出した当該テンプレートとの比較結果から前記コードを検知することを特徴とする請求項6記載の画像読み取り装置。
【請求項8】
前記特徴検知手段は、前記傾き検知手段による前記傾き検知結果の正負の符号を逆にすることを特徴とする請求項5記載の画像読み取り装置。
【請求項9】
前記特徴検知手段は、前記傾き検知手段による前記傾き検知結果を用いて、前記第二の画像データの特徴をさらに検知することを特徴とする請求項5記載の画像読み取り装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7−1】
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【図7−2】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2008−199155(P2008−199155A)
【公開日】平成20年8月28日(2008.8.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−30191(P2007−30191)
【出願日】平成19年2月9日(2007.2.9)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】