説明

画像読取装置、画像読取装置の制御方法、および画像読取装置の制御プログラム

【課題】リムーバブルメモリにスキャンデータを記憶させることができる画像形成装置の使い勝手を良くする。
【解決手段】スキャンが行なわれる時に、それにより得られるデータの量Aが検出される(S101)。リムーバブルメモリの空き容量Bを検出し、スキャンデータ量Aと比較する(S103,105)。リムーバブルメモリの空き容量Bが大きければ、スキャンを実施し、データをリムーバブルメモリに保存する(S111)。リムーバブルメモリの容量Bの方が小さいと判断された場合、リムーバブルメモリの空き容量に保存可能なデータ量となるように、ユーザにスキャンモードの変更を促す(S107)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、画像読取装置、画像読取装置の制御方法、および画像読取装置の制御プログラムに関し、特に可搬脱着型の記憶媒体にデータを記録させることができる画像読取装置、画像読取装置の制御方法、および画像読取装置の制御プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
リム−バブルメモリ等の可搬脱着型の記憶媒体は、MFP(Multi Function Peripheral)本体に内蔵されたHDD(Hard Disk Drive)等の記憶装置に比べ、記憶容量が少ない場合が多い。従って、スキャンにより得られた画像ファイルの種類によってはリムーバブルメモリの記憶容量を超えてしまう状況が発生する。
【0003】
この際、スキャン動作が終了した後、画像データを転送中に、記憶先のリムーバブルメモリの容量を超えエラーとなっていた。このような状況においては、ユーザは再度スキャンモードを試行錯誤して設定し、リムーバブルメモリ内に収まる量になるスキャンモードを探すか、または、その場でのスキャンをあきらめ、新たに記憶容量を十分大きくしたリムーバブルメモリを用意してくる必要があった。これらいずれの処理にせよ、実際のスキャンデータの量が不明のため、推測によりモードを設定したり、推測により十分な容量のメディアを用意する必要があった。
【0004】
下記特許文献1は、転送元の記録媒体装置が、転送先の記録媒体の接続状況、記録媒体の名称、記録されているデータの名称、容量、データ数、データの属性等を取得し、それら情報に基づいて転送の判断を行なう技術を開示している。
【0005】
下記特許文献2は、デジタルカメラにて撮影されたデータが、受信側の容量を超える場合、圧縮する技術を開示している。
【特許文献1】特開2002−373118号公報
【特許文献2】特開2003−60952号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記特許文献のように自動的に圧縮を行なうように装置を構成すると、ユーザがどのような画像を望んでいるかを考慮せず圧縮が行なわれ、望んでいた画像とかけ離れた画像が保存されてしまうことがあるという問題があった。
【0007】
この発明は上記問題点を解決するためになされたものであり、利用者の使い勝手の良い画像読取装置、画像読取装置の制御方法、および画像読取装置の制御プログラムを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するためこの発明のある局面に従うと、画像読取装置は、スキャンモードを設定するスキャンモード設定手段と、スキャンにより得られるデータの量を検出する第1の検出手段と、可搬脱着型の記憶媒体の使用可能容量を検出する第2の検出手段と、第1および第2の検出手段で検出された、スキャンにより得られるデータの量と、可搬脱着型の記憶媒体の使用可能容量とを比較し、後者の容量が不足している場合、スキャンモードを変更する変更手段と、スキャンにより得られるデータを可搬脱着型の記憶媒体に転送する転送手段とを備える。
【0009】
好ましくは画像読取装置は、スキャンモードを変更した時のスキャンにより得られるデータの量を演算する演算手段をさらに備える。
【0010】
好ましくは変更手段は、ユーザにスキャンモードの変更を促し、用途に応じたスキャンモードの選択を受付ける。
【0011】
好ましくは画像読取装置は、変更手段によりスキャンモードが変更された場合、変更される前のスキャンモードとその時のスキャンより得られるデータの量をファイルに保存する。
【0012】
この発明の他の局面に従うと画像読取装置は、スキャンにより得られるデータの量を検出する第1の検出手段と、可搬脱着型の記憶媒体の使用可能容量を検出する第2の検出手段と、第1および第2の検出手段で検出された、スキャンにより得られるデータの量と、可搬脱着型の記憶媒体の使用可能容量とを比較し、後者の容量が不足している場合、可搬脱着型の記憶媒体内のデータを他の記憶手段へ移動させる移動手段と、スキャンにより得られるデータを可搬脱着型の記憶媒体に転送する転送手段とを備える。
【0013】
好ましくは画像読取装置は、移動手段で移動させたデータを、可搬脱着型の記憶媒体へ再度移動させる手段をさらに備える。
【0014】
好ましくは移動手段は、アクセス者の個人PCまたはアクセス者が使用可能なネットワークディスクにデータを移動させることで、可搬脱着型の記憶媒体内のスキャンデータの記憶容量を確保する。
【0015】
この発明のさらに他の局面に従うと画像読取装置の制御方法は、スキャンモードを設定するスキャンモード設定ステップと、スキャンにより得られるデータの量を検出する第1の検出ステップと、可搬脱着型の記憶媒体の使用可能容量を検出する第2の検出ステップと、第1および第2の検出ステップで検出された、スキャンにより得られるデータの量と、可搬脱着型の記憶媒体の使用可能容量とを比較し、後者の容量が不足している場合、スキャンモードを変更する変更ステップと、スキャンにより得られるデータを可搬脱着型の記憶媒体に転送する転送ステップとを備える。
【0016】
この発明のさらに他の局面に従うと画像読取装置の制御方法は、スキャンにより得られるデータの量を検出する第1の検出ステップと、可搬脱着型の記憶媒体の使用可能容量を検出する第2の検出ステップと、第1および第2の検出ステップで検出された、スキャンにより得られるデータの量と、可搬脱着型の記憶媒体の使用可能容量とを比較し、後者の容量が不足している場合、可搬脱着型の記憶媒体内のデータを他の記憶手段へ移動させる移動ステップと、スキャンにより得られるデータを可搬脱着型の記憶媒体に転送する転送ステップとを備える。
【0017】
この発明のさらに他の局面に従うと画像読取装置の制御プログラムは、スキャンモードを設定するスキャンモード設定ステップと、スキャンにより得られるデータの量を検出する第1の検出ステップと、可搬脱着型の記憶媒体の使用可能容量を検出する第2の検出ステップと、第1および第2の検出ステップで検出された、スキャンにより得られるデータの量と、可搬脱着型の記憶媒体の使用可能容量とを比較し、後者の容量が不足している場合、スキャンモードを変更する変更ステップと、スキャンにより得られるデータを可搬脱着型の記憶媒体に転送する転送ステップとをコンピュータに実行させる。
【0018】
この発明のさらに他の局面に従うと画像読取装置の制御プログラムは、スキャンにより得られるデータの量を検出する第1の検出ステップと、可搬脱着型の記憶媒体の使用可能容量を検出する第2の検出ステップと、第1および第2の検出ステップで検出された、スキャンにより得られるデータの量と、可搬脱着型の記憶媒体の使用可能容量とを比較し、後者の容量が不足している場合、可搬脱着型の記憶媒体内のデータを他の記憶手段へ移動させる移動ステップと、スキャンにより得られるデータを可搬脱着型の記憶媒体に転送する転送ステップとをコンピュータに実行させる。
【発明の効果】
【0019】
これらの発明に従うと、可搬脱着型の記憶媒体へのデータ転送を効率的に行うことができ、利用者の使い勝手の良い画像読取装置、画像読取装置の制御方法、および画像読取装置の制御プログラムを提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
[第1の実施の形態]
以下、本発明の第1の実施の形態におけるMFP(画像形成装置の一例)について説明する。
【0021】
本実施の形態におけるMFPは、原稿をスキャナによりスキャンし、スキャン画像をリムーバブルメモリ(外部記憶媒体)へ転送(またはコピー)する。リムーバブルメモリの容量が不足する場合、文字優先モードやグラフィック優先モードなど画質を考慮したスキャンモードへのモード変更をユーザに促し、変更されたモードに応じて画像の圧縮を行なう。このようにして、ユーザの希望の画質を維持しつつ、リムーバブルメモリの容量不足に対処することができる。
【0022】
上記動作を行なうために、本実施の形態におけるMFPは、スキャン容量とリムーバブルメモリの空き容量とを比較し、リムーバブル容量が不足している場合、用途に応じたスキャンモードへの変更をユーザに促す処理を行なう。これにより、スキャンデータの保存が可能となる。
【0023】
また、スキャン時のモードや、本来実施しようとしたモードとそのときの画像の容量などをreadmeファイルなどとして、リムーバブルメモリに記憶させることが望ましい。
【0024】
図1は、第1の実施の形態におけるMFPの構成を示すブロック図である。
図を参照してMFP100は、液晶タッチパネルなどから構成される操作部101と、原稿画像を読取るスキャナ(画像読取装置の一例)102と、推奨されるスキャンモードを設定する推奨スキャンモード設定部103と、スキャンモード設定部104と、スキャンデータを保存するスキャンデータメモリ105と、MFP100に対して着脱自在に構成されるリムーバブルメモリ106と、スキャンより得られるデータの量の演算を行なうスキャン容量演算部107と、データの量の比較を行なう容量比較部108と、ハードディスクドライブ(HDD)などから構成される記憶装置109と、リムーバブルメモリ106内のデータを抽出するリムーバブルメモリ内データ抽出部110とを備えている。
【0025】
MFP100は、外部ネットワーク111に接続されており、これによりネットワーク上の記憶装置112にデータを保存したり、データを取出したりすることができる。
【0026】
ユーザが、リムーバブルメモリ106をMFP100に装着し、操作部101によりスキャン時のデータの記憶先をリムーバブルメモリに設定すると、以下の処理が行なわれる。
【0027】
ある特定のスキャンモードが設定された状態でスキャンが実施されると、容量比較部108はスキャンデータの容量と、リムーバブルメモリ106内の空き容量とを比較する。リムーバブルメモリ106の空き容量が十分な場合は、リムーバブルメモリ106へデータを記憶する。
【0028】
一方、リムーバブルメモリ106内の記憶容量が不足している場合は、スキャン容量演算部107において、モードを変更してスキャンを行なった場合のデータの推定容量を演算し、推奨スキャンモード設定部103にて推奨スキャンモードを設定する。推奨スキャンモードは、操作部101に表示される。このとき、リムーバブルメモリの空き容量、推奨スキャンモードを設定した時のスキャンデータの量、および現在の設定のままの場合のスキャンデータの量を表示する。
【0029】
推奨スキャンモードをユーザーが選択した場合、選択結果に基づきスキャンモードが自動的に設定され、スキャンが行われる。スキャンデータは、リムーバブルメモリ106に記憶される。この時、保存時のスキャンパラメータと、推奨スキャンモードに変更する前のスキャンパラメータおよびデータ量が共に、(readmeファイルなどとして)リムーバブルメモリ106に記憶される。
【0030】
図2は、第1の実施の形態におけるMFPのスキャン動作を示すフローチャートである。
【0031】
図を参照して、ステップS101においてある特定のスキャンモードが設定された状態でスキャンが行なわれる時に、それにより得られるデータの量Aが検出される。具体的には、1枚の原稿のスキャンであれば、スキャンデータの量をそのままデータAとして使用すればよい。また、複数枚の原稿のスキャンを行なう場合は、1枚の原稿のスキャンデータの量から演算する等の方法により、全部の原稿のスキャンデータの量Aを把握すればよい。
【0032】
ステップS103において、リムーバブルメモリの空き容量Bを検出し、ステップS105においてスキャンデータ量Aと比較する。
【0033】
リムーバブルメモリの空き容量Bが大きければ、問題なくデータを保存できるため、ステップS111でスキャンを実施し、データをリムーバブルメモリに保存する(あるいはすでに得られているスキャンデータをリムーバブルメモリに保存する)。
【0034】
ステップS105で、リムーバブルメモリの容量Bの方が小さいと判断された場合、ステップS107において、リムーバブルメモリの空き容量に保存可能なデータ量となるように、ユーザにスキャンモードの変更を促す。
【0035】
このとき、文字を優先する場合、グラフィックを優先する場合がユーザによって存在する。文字を優先する場合は階調性より解像度を優先するため、階調を落とす設定とし、グラフィックを優先する場合は、解像度より階調性を優先するため、解像度を落とす設定とすることで、スキャン時のデータ量を減らす。
【0036】
また、リムーバブルメモリに保存できるレベルでデータ量を減らし、可能な限り高画質とすることでユーザの所望する画質に対応することが可能となる。
【0037】
たとえばステップS107においては、操作部101に、「現在のスキャンモードではリムーバブルメモリ容量を超えます。」などのスキャンモードの変更を促す表示と、最適モードの選択を促す表示がなされる。
【0038】
最適モードの選択を促す表示では、たとえば、
(1)文字優先(階調ダウン)
(2)グラフィック優先(解像度ダウン)
(3)マニュアル設定
などの選択肢を表示する。また、各選択肢において、現在のデータ量、設定変更した時の推定データ量、およびリムーバブルメモリの空き容量を表示するようにしてもよい。
【0039】
ステップS109において、ユーザの選択に応じて、スキャンを実施する。スキャンにより得られたデータは、リムーバブルメモリに記憶される。またこの時、保存時のスキャンパラメータと、モード変更を行なう前のスキャンパラメータおよびデータ量とを記憶する。
【0040】
このように保存時のスキャンパラメータや、モード変更前のスキャンパラメータおよびデータ量を記憶する事で、初期のスキャンパラメータとその時のスキャンデータ量を後から確認することが可能となる。これによりユーザは、再度初期のパラメータでのスキャンが必要になった際に、必要なリムーバブルメモリの空き容量を把握することができる。
【0041】
また、ステップS107でマニュアル設定を行なう場合に、データ量がどう変わるかや、現在のパラメータ変更でリムーバブルメモリの空き容量に対してどの程度のデータ量になるかを表示することにより、ユーザがリムーバブルメモリにデータを確実に保存できるよう補助することができる。
【0042】
以上の構成により、予めデータ転送先のリムーバブルメモリの容量と、スキャン時のデータ量とを比較することにより、リムーバブルメモリの記憶容量の過不足を検出することができる。また、容量不足の場合、データの転送前にスキャンモードの変更を促すことで、リムーバブルメモリに対する無駄な書込みが行われない。これにより、リムーバブルメモリの寿命を削ることなく、また無駄な書き込みによる時間の浪費を抑えることができるという効果がある。
【0043】
さらにMFP特有のスキャンモードに応じたモード変更を促すことで、文字優先、グラフィック優先等ユーザの目的にあった状態で、再スキャンをすることが可能となる。MFPの場合デジタルカメラと異なり、文字データや、画像データで、ユーザが重きを置く画質が異なってくるが、本実施の形態ではユーザの所望するモードを提示することができるため、ユーザーフレンドリなインターフェイスを提供することが可能となる。
【0044】
このように本実施の形態によると、画像形成装置は、スキャンモードを変更可能なスキャン装置と、スキャンデータをリムーバブルメモリに転送する転送部と、スキャン時のデータ量を検出し、リムーバブルメモリの使用可能容量を検出する検出部と、検出されたスキャンデータ量とリムーバブルメモリの空き容量とを比較し、リムーバブルメモリの容量が不足している場合、スキャンモードの変更を促す変更部を有する。
【0045】
これにより、MFP特有の状況において外部記憶媒体の容量が不足した場合に、ユーザーの意思に沿った形での対処が可能となる。
【0046】
[第2の実施の形態]
本発明の第2の実施の形態におけるMFPのハードウェア構成は、第1の実施の形態におけるそれと同じであるためここでの説明を繰返さない。
【0047】
本実施の形態におけるMFPは、リムーバブルメモリの容量が不足するときには、リムーバブルメモリ内のファイルをいったん退避し、リムーバブルメモリの容量を増やすことで、スキャン画像の質を落とさずにスキャンデータの取込みを可能とするものである。
【0048】
リムーバブルメモリ内のファイルは、MFP内のHDDや外部記憶装置などに退避させることができる。
【0049】
すなわち、本実施の形態ではMFPのリムーバブルメモリ内データ抽出部110(図1)がリムーバブルメモリ106内に別ファイルがあることを検出した場合は、リムーバブルメモリ106内のファイルを移動するか否かを操作部101に表示し、ユーザに確認させる。移動する場合にユーザは、MFP内の記憶装置109か、外部ネットワーク111に接続された記憶装置112かの選択を行なう。
【0050】
これらの動作によりファイルを移動した後、スキャン動作を行い、リムーバブルメモリ106にデータを記憶する。
【0051】
図3は、第2の実施の形態におけるMFPのスキャン動作を示すフローチャートである。
【0052】
図を参照して、ステップS201においてスキャンが行なわれる時に、それにより得られるデータの量Aが検出される。具体的には、1枚の原稿のスキャンであれば、スキャンデータの量をそのままデータAとして使用すればよい。また、複数枚の原稿のスキャンを行なう場合は、1枚の原稿のスキャンデータの量から演算する等の方法により、全部の原稿のスキャンデータの量Aを把握すればよい。
【0053】
ステップS203において、リムーバブルメモリの空き容量Bを検出し、ステップS205においてスキャンデータ量Aと比較する。
【0054】
リムーバブルメモリの空き容量Bが大きければ、問題なくデータを保存できるため、ステップS217でスキャンを実施し、データをリムーバブルメモリに保存する(あるいはすでに得られているスキャンデータをリムーバブルメモリに保存する)。
【0055】
ステップS205で、リムーバブルメモリの容量Bの方が小さいと判断された場合、ステップS207において、リムーバブルメモリの空き容量を確保するため、リムーバブルメモリ内に、他のファイルがあるかを判定する。
【0056】
ステップS207でYESであれば、ステップS209でそのファイルを移動するかどうかを確認する。これは、ユーザに対し移動するか否かの問合せを行ない、ユーザ入力に応じて移動するか否かを決定するものである。
【0057】
リムーバブルメモリに他のファイルがない場合、またはファイルを移動しない場合(S207またはS209でNO)は、図2のステップS107およびS109と同様の処理を、ステップS213およびS215で行なう。。
【0058】
移動可能な場合(S209でYES)は、ステップS211で、リムーバブルメモリ内のファイルのうち、移動させるものの選択、および移動先の選択をユーザから受付け、ファイルの移動を実施する。
【0059】
なお、ステップS211での処理の後、ステップS203へ戻ってもよいし、図2の処理を行なってもよい。
【0060】
[実施の形態における効果]
以上の実施の形態により、MFP特有の状況において、外部記憶媒体の容量が不足した場合にも、ユーザの希望する画質を損なうことなく、スキャンデータを外部記憶装置へ記憶させることが可能となる。
【0061】
[その他]
なお、第2の実施の形態において移動させたデータを、使用者IDが一致した場合にのみ、リムーバブルメモリへ再度移動させるように装置を構成しても良い。
【0062】
また、リムーバブルメモリに他のファイルがある場合、MFPのネットワークを介し、使用者の個人PCまたは使用者が使用可能なネットワークディスクにそのファイルを退避することで、リムーバブルメモリ内のスキャンデータの記憶容量を確保するようにしてもよい。
【0063】
なお、上述の実施の形態における処理は、ソフトウエアによって行なっても、ハードウエア回路を用いて行なってもよい。
【0064】
また、上述の実施の形態における処理を実行するプログラムを提供することもできるし、そのプログラムをCD−ROM、フレキシブルディスク、ハードディスク、ROM、RAM、メモリカードなどの記録媒体に記録してユーザに提供することにしてもよい。また、プログラムはインターネットなどの通信回線を介して、装置にダウンロードするようにしてもよい。
【0065】
また、本発明はネットワークに接続されたシステムにおいても、ネットワーク環境に接続されていないシステムにも適用することができる。
【0066】
なお、上記実施の形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【図面の簡単な説明】
【0067】
【図1】本発明の実施の形態におけるMFPの構成を示すブロック図である。
【図2】第1の実施の形態におけるMFPのスキャン動作を示すフローチャートである。
【図3】第2の実施の形態におけるMFPのスキャン動作を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0068】
100 画像形成装置(MFP)、101 操作部、102 スキャナ、103 推奨スキャンモード設定部、104 スキャンモード設定部、105 スキャンデータメモリ、106 リムーバブルメモリ、107 スキャン容量演算部、108 容量比較部、109 記憶装置、110 リムーバブルメモリ内データ抽出部、111 外部ネットワーク、112 記憶装置。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
スキャンモードを設定するスキャンモード設定手段と、
スキャンにより得られるデータの量を検出する第1の検出手段と、
可搬脱着型の記憶媒体の使用可能容量を検出する第2の検出手段と、
前記第1および第2の検出手段で検出された、スキャンにより得られるデータの量と、前記可搬脱着型の記憶媒体の使用可能容量とを比較し、後者の容量が不足している場合、スキャンモードを変更する変更手段と、
スキャンにより得られるデータを前記可搬脱着型の記憶媒体に転送する転送手段とを備えた、画像読取装置。
【請求項2】
スキャンモードを変更した時のスキャンにより得られるデータの量を演算する演算手段をさらに備えた、請求項1に記載の画像読取装置。
【請求項3】
前記変更手段は、ユーザにスキャンモードの変更を促し、用途に応じたスキャンモードの選択を受付ける、請求項1または2に記載の画像読取装置。
【請求項4】
前記変更手段によりスキャンモードが変更された場合、変更される前のスキャンモードとその時のスキャンより得られるデータの量をファイルに保存する、請求項1〜3のいずれかに記載の画像読取装置。
【請求項5】
スキャンにより得られるデータの量を検出する第1の検出手段と、
可搬脱着型の記憶媒体の使用可能容量を検出する第2の検出手段と、
前記第1および第2の検出手段で検出された、スキャンにより得られるデータの量と、前記可搬脱着型の記憶媒体の使用可能容量とを比較し、後者の容量が不足している場合、前記可搬脱着型の記憶媒体内のデータを他の記憶手段へ移動させる移動手段と、
スキャンにより得られるデータを前記可搬脱着型の記憶媒体に転送する転送手段とを備えた、画像読取装置。
【請求項6】
前記移動手段で移動させたデータを、前記可搬脱着型の記憶媒体へ再度移動させる手段をさらに備えた、請求項5に記載の画像読取装置。
【請求項7】
前記移動手段は、アクセス者の個人PCまたはアクセス者が使用可能なネットワークディスクにデータを移動させることで、前記可搬脱着型の記憶媒体内のスキャンデータの記憶容量を確保する、請求項5または6に記載の画像読取装置。
【請求項8】
スキャンモードを設定するスキャンモード設定ステップと、
スキャンにより得られるデータの量を検出する第1の検出ステップと、
可搬脱着型の記憶媒体の使用可能容量を検出する第2の検出ステップと、
前記第1および第2の検出ステップで検出された、スキャンにより得られるデータの量と、前記可搬脱着型の記憶媒体の使用可能容量とを比較し、後者の容量が不足している場合、スキャンモードを変更する変更ステップと、
スキャンにより得られるデータを前記可搬脱着型の記憶媒体に転送する転送ステップとを備えた、画像読取装置の制御方法。
【請求項9】
スキャンにより得られるデータの量を検出する第1の検出ステップと、
可搬脱着型の記憶媒体の使用可能容量を検出する第2の検出ステップと、
前記第1および第2の検出ステップで検出された、スキャンにより得られるデータの量と、前記可搬脱着型の記憶媒体の使用可能容量とを比較し、後者の容量が不足している場合、前記可搬脱着型の記憶媒体内のデータを他の記憶手段へ移動させる移動ステップと、
スキャンにより得られるデータを前記可搬脱着型の記憶媒体に転送する転送ステップとを備えた、画像読取装置の制御方法。
【請求項10】
スキャンモードを設定するスキャンモード設定ステップと、
スキャンにより得られるデータの量を検出する第1の検出ステップと、
可搬脱着型の記憶媒体の使用可能容量を検出する第2の検出ステップと、
前記第1および第2の検出ステップで検出された、スキャンにより得られるデータの量と、前記可搬脱着型の記憶媒体の使用可能容量とを比較し、後者の容量が不足している場合、スキャンモードを変更する変更ステップと、
スキャンにより得られるデータを前記可搬脱着型の記憶媒体に転送する転送ステップとをコンピュータに実行させる、画像読取装置の制御プログラム。
【請求項11】
スキャンにより得られるデータの量を検出する第1の検出ステップと、
可搬脱着型の記憶媒体の使用可能容量を検出する第2の検出ステップと、
前記第1および第2の検出ステップで検出された、スキャンにより得られるデータの量と、前記可搬脱着型の記憶媒体の使用可能容量とを比較し、後者の容量が不足している場合、前記可搬脱着型の記憶媒体内のデータを他の記憶手段へ移動させる移動ステップと、
スキャンにより得られるデータを前記可搬脱着型の記憶媒体に転送する転送ステップとをコンピュータに実行させる、画像読取装置の制御プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2007−166282(P2007−166282A)
【公開日】平成19年6月28日(2007.6.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−360380(P2005−360380)
【出願日】平成17年12月14日(2005.12.14)
【出願人】(303000372)コニカミノルタビジネステクノロジーズ株式会社 (12,802)
【Fターム(参考)】