説明

画素電極基板および反射型カラー画像表示装置の製造方法

【課題】高精度にカラーフィルタと位置合わせすることができる反射型カラー画像表示装置の製造方法と、この製造方法を実施する際に用いて好適な画素電極基板とを提供する。
【解決手段】画素電極基板2が背面側に重ね合わされた画像表示体1の前面側にカラーフィルタ基板3を重ね合わせて構成される反射型カラー画像表示装置の製造方法であって、画素電極基板2として、通電により画像表示体1に位置合わせマークを表示させるための位置合わせマーク表示用電極23を基材21上に1又は複数設けた画素電極基板2を用い、画素電極基板2を重ね合わせた画素電極基板2の位置合わせマーク表示用電極23に通電し、画像表示体1に位置合わせマークを表示させた状態で、表示させた位置合わせマークとカラーフィルタ基板3に予め設けられた位置合わせマーク33とを用いて位置合わせしつつ、カラーフィルタ基板3を画像表示体1に重ね合わせて貼り合わせる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、反射型画像表示装置のうち、カラーフィルタ基板との位置合わせが必要となる、反射型カラー画像表示装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
現在、液晶を封入した反射型液晶表示装置、分散媒溶液と電荷を帯びた電気泳動粒子とを充填した電気泳動表示装置、分散媒溶液に分散された電荷を帯びた表面領域を有する回転粒子を充填した回転粒子表示装置、気体中に固体状物質が分散質として安定に浮遊するエアロゾル状態で高流動性を示す粉流体を封入した粉流体を移動させる電子粉流体方式表示装置等の反射型画像表示装置は、携帯電話や電子ブックリーダー、電子看板等において利用されており、その用途は拡大することが見込まれている。
【0003】
これら反射型画像表示装置の駆動用薄膜トランジスタや薄膜ダイオードとして、一般にアモルファスシリコンや多結晶シリコン等が用いられてきた。これらのアモルファスシリコンや多結晶シリコンは可視光領域において光感度を持つため、遮光膜が必要となる。このように光感度を持つ薄膜トランジスタ、薄膜ダイオードやその配線等の回路(以下、画素電極基板と称する)は、画像表示体の手前に配置されると視認性の妨げとなるため、ディスプレイ観察側から見て画像表示体の背後に設置されている(特許文献1参照)。
【0004】
一方、反射型液晶表示装置や電気泳動表示装置等の反射型の表示装置のカラー化においては、一般的にはカラーフィルタが用いられる。このカラーフィルタは、上記の理由により画像電極基板を背後に配置した画像表示体の手前に配置する必要がある。このように、カラーフィルタと半導体回路の間に液晶封入層や電気泳動粒子層等の素子を有する画像表示体を配置するには、不透明な画像表示体を間に挟んで画素電極基板とカラーフィルタを位置合わせする必要があり、高い精度を得るためには困難が伴い、コスト上昇や歩留まり低下の原因となっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2006−13433号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、前記事情に鑑みなされたものであって、その目的とするところは、高精度にカラーフィルタと位置合わせすることができる反射型カラー画像表示装置の製造方法と、この製造方法を実施する際に用いて好適な画素電極基板とを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1に係る発明は、カラーフィルタ基板が前面側に重ね合わされる画像表示体の背面側に重ね合わせられ、該画像表示体に画像を表示させるための薄膜トランジスタまたは薄膜ダイオードアレイからなる複数の画素電極が基材上に設けられた画素電極基板であって、前記基材上に、通電により前記画像表示体に位置合わせマークを表示させるための位置合わせマーク表示用電極を1又は複数設けたことを特徴とする画素電極基板である。
請求項2に係る発明は、請求項1に係る発明において、前記位置合わせマーク表示用電極への通電により前記位置合わせマークが前記画像表示体による前記画像の表示エリアの外側に表示される位置に、前記位置合わせマーク表示用電極が設けられていることを特徴とする画素電極基板である。
【0008】
請求項3に係る発明は、画素電極基板が背面側に重ね合わされた画像表示体の前面側にカラーフィルタ基板を重ね合わせて構成される反射型カラー画像表示装置の製造方法であって、前記画像電極基板として、請求項1又は2記載の画素電極基板を用い、前記画像表示体に前記画素電極基板を重ね合わせて前記画素電極基板の位置合わせマーク表示用電極に通電し、前記画像表示体に位置合わせマークを表示させた状態で、該表示させた位置合わせマークと前記カラーフィルタ基板に予め設けられた位置合わせマークとを用いて位置合わせしつつ、前記カラーフィルタ基板を前記画像表示体に重ね合わせて貼り合わせることを特徴とする反射型カラー画像表示装置の製造方法である。
【発明の効果】
【0009】
請求項1に係る発明によれば、光感度を有する画素電極を視界から隠す遮光膜を画素電極基板が有していても、画素電極基板の位置合わせマーク表示用電極に通電することで、カラーフィルタ基板の画素電極基板に対する位置合わせの目安となる位置合わせマークが、カラーフィルタ基板越しに視認しやすい画像表示体に表示される。このため、高精度に画素電極基板とカラーフィルタ基板とを位置合わせすることができる。
請求項2に係る発明によれば、位置合わせマーク表示用電極への通電により画像表示体に表示される位置合わせマークが、画素電極への通電により画像表示体に表示される画像の表示エリアの外側に表示されるので、画像表示体にカラーフィルタ基板を重ね合わせた後にカラーフィルタ基板の位置合わせマークが画像表示体による表示画像の視認性を妨げないようにすることができる。
【0010】
請求項3に係る発明によれば、画素電極基板に設けられた位置合わせマーク表示用電極に通電して位置合わせマークを画像表示体に表示させた状態で、表示させた位置合わせマークとカラーフィルタ基板上に予め設けられた位置合わせマークを用いて位置合わせをしつつ、該画像表示体に画素電極基板とカラーフィルタ基板とを貼合することで、高精度に画素電極基板とカラーフィルタ基板とを位置合わせすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の一実施形態における反射型カラー画像表示装置の製造方法を説明する断面図である。
【図2】図1の反射型カラー画像表示装置の基本構成を示す拡大断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施形態について説明する。まず、本発明の製造方法が適用される反射型カラー画像装置の概略構成について、図1及び図2を参照して説明する。本実施形態の反射型カラー画像表示装置は、画像表示体1の背後に画素電極基板2を配置し、画像表示体1の前方にカラーフィルタ基板3を配置して構成される。
図2に示すように、画像表示体1は、基材11の背面上に共通電極12を形成し、さらにその上に画像表示素子13を配設して構成されている。画素電極基板2は、基材21の前面上に画素電極22を形成して構成されている。この画素電極基板2に本発明が適用され、その結果、基材21の前面上には、図1に示すように、位置合わせマーク表示用電極23がさらに形成されている。このように構成された画素電極基板2の基材21の前面側は、画像表示体1の画像表示素子13上に塗布した接着剤14により、基材11の背面側に貼り付けられる。図2に示すように、カラーフィルタ基板3は、基材31上に着色層32を適宜配置して構成されている。また、図1に示すように、基材31上にはさらに、画像表示体1との位置合わせ用の位置合わせマーク33が形成され、着色層32と共にオーバーコート層34で被覆されている。
反射型カラー画像表示装置のカラーフィルタ基板3の基材31には、公知の透明基材を用いることができる。透明とは可視光である波長領域400nm〜700nmの範囲内で透過率が70%以上であることである。具体的には、ガラス基材や、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリエーテルサルフォン、シクロオレフィンポリマー、ポリイミド、ポリアミド、ポリカーボネート、メタクリル樹脂、ポリメチルメタクリレート、ポリ塩化ビニル、トリアセチルセルロース等のフィルムや、ガラス等の無機物と前記に代表されるようなプラスチックとの複合材料をフィルム状に加工したもの等を用いることができる。プラスチックを用いる場合には可撓性や耐候性、製造工程における耐熱性・耐溶剤性等を考慮し、適宜選択して用いる。
【0013】
また、画素電極基板2の基材21には、公知の材料を用いることができるが絶縁性基材を用いる必要がある。具体的には、ガラス基材や、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリエーテルサルフォン、シクロオレフィンポリマー、ポリイミド、ポリアミド、ポリカーボネート、メタクリル樹脂、ポリメチルメタクリレート、ポリ塩化ビニル、トリアセチルセルロース、ポリフェニレンサルファイド、ポリエーテルエーテルケトン等のプラスチック材料やガラス等の無機物と前記に代表されるようなプラスチックとの複合材料をフィルム状に加工したもの等が挙げられる。また、石英やシリコンウェハー等も絶縁性の基材として用いることが可能である。
【0014】
カラーフィルタ基板3用の基材31および画素電極基板2用の基材21にプラスチックやプラスチックを含むフィルム基材を用いる場合、各基材31,21にはガスバリア層を適宜形成して用いることが可能である。具体的には、ガスバリア層としてはAl 、SiO 、SiN、SiON、SiC、ダイヤモンドライクカーボン(DLC)等が上げられるが、これらに限定されるものではない。またこれらのガスバリア層は2層以上積層して使用することもできる。またガスバリア層はフィルム基材の片面だけに付与してもよいし、両面に付与しても構わない。ガスバリア層は蒸着法、イオンプレーティング法、スパッタ法、レーザーアブレーション法、プラズマCVD(Chemical Vapor Deposition)法、ホットワイヤーCVD法、ゾルゲル法等で形成することが可能である。
【0015】
カラーフィルタ基板3は、公知の方法にて形成することが可能である。具体的には、フォトリソグラフィー法、インクジェット法、凸版印刷、凹版印刷等の各種印刷法等から解像度や基材の耐性等を考慮し適宜選択して用いる。
【0016】
カラーフィルタ基板3は、着色層32として赤色(R)、緑色(G)、青色(B)の3種類、もしくは赤色(R)、緑色(G)、青色(B)、白色(W)やシアン(C)、マゼンダ(M)、イエロー(Y)等から成るものを用いることが可能であるが、これらに限定されるものではない(図1ではR、G、B、Wの4種類を図示している)。着色層32はその各色をそれぞれ所定幅の線条(ストライプ)マトリクス状、または所定サイズの矩形マトリクス状等、適宜パターン状にパターニングされている。なお、着色層32による着色パターン形成後に、着色パターンを保護しかつ着色層32を平坦化するために、図1に示すように、着色層32上に透明なオーバーコート層34を設けてもよい。
【0017】
画素電極基板2の画素電極22に用いる薄膜トランジスタ、薄膜ダイオードは、公知の方法にて基材21上に形成することが可能である。ゲート電極、ソース電極、ドレイン電極、補助コンデンサー電極、画素電極、走査線電極、信号線電極には、シリコン、Au、Ag、Cu、Cr、Al、Mg、Liや酸化インジウム(In )、酸化スズ(SnO )、酸化亜鉛(ZnO)、酸化カドミウム(CdO)、酸化インジウムカドミウム(CdIn )、酸化カドミウムスズ(Cd SnO )、酸化亜鉛スズ(Zn SnO )、酸化インジウム亜鉛(IZO)等の酸化物材料等が好適に用いられる。またこの酸化物材料に不純物をドープすることも導電率を上げるために好ましい。例えば、酸化インジウムにスズ(Sn)やモリブデン(Mo)、チタン(Ti)をドープしたもの、酸化スズにアンチモン(Sb)やフッ素(F)をドープしたもの、酸化亜鉛にインジウム、アルミニウム、ガリウム(Ga)をドープしたもの等である。この中では、酸化インジウム(In )にスズ(Sn)をドープした酸化インジウムスズ(ITO)が、低い抵抗率を示すために特に好適に用いられる。また、上記材料を複数積層したものも使用できる。また、ポリエチレンジオキシチオフェン(PEDOT)等の有機導電性材料も好適に用いることができる。
【0018】
上述した薄膜トランジスタや薄膜ダイオードの半導体層としては、無機及び有機の公知の材料を用いることが可能である。具体的に無機半導体材料として、シリコンや酸化亜鉛、酸化インジウム、酸化インジウム亜鉛、酸化スズ、酸化タングステン(WO)、酸化亜鉛ガリウムインジウム(In−Ga−Zn−O)等を用いることが可能である。これらの材料の構造は単結晶、多結晶、微結晶、結晶/アモルファスの混晶、ナノ結晶散在アモルファス、アモルファスのいずれであってもかまわない。有機半導体材料としては、ペンタセンやテトラセン等のアセン類、ナフタレンテトラカルボン酸二無水物(NTCDA)やナフタレンテトラカルボン酸ジイミド(NTCDI)、あるいはポリチオフェンやポリアニリン、ポリ−p−フェニレンビニレン、ポリアセチレン、ポリジアセチレン、ポリチエニレンビニレンといった共役高分子等を用いることが可能である。
【0019】
これら材料を蒸着法、イオンプレーティング法、スパッタ法、パルスレーザー堆積法、真空蒸着法、CVD法、MBE(Molecular Beam Epitaxy)法、ゾルゲル法、各種印刷法、スピンコート法、ディップコート法等を用いて前記の基材21上に形成し画素電極基板2とすることが可能である。
【0020】
画素電極基板2の図示しないゲート絶縁膜および層間絶縁膜には、公知の材料を用いることが可能である。具体的には、酸化シリコン、窒化シリコン、シリコンオキシナイトライド(SiNxOy)、酸化アルミニウム、酸化タンタル、酸化イットリウム、酸化ハフニウム、ハフニウムアルミネート、酸化ジルコニア、酸化チタン等の無機材料、または、PMMA(ポリメチルメタクリレート)等のポリアクリレート、PVA(ポリビニルアルコール)、PS(ポリスチレン)、透明性ポリイミド、ポリエステル、エポキシ、ポリビニルフェノール等が挙げられるがこれらに限定されるものではない。
【0021】
画像表示体1の画像表示素子13としては、液晶を封入した反射型液晶表示装置、分散媒溶液と電荷を帯びた電気泳動粒子とを充填した電気泳動表示装置、分散媒溶液に分散された電荷を帯びた表面領域を有する回転粒子を充填した回転粒子表示装置、気体中に固体状物質が分散質として安定に浮遊するエアロゾル状態で高流動性を示す粉流体を封入した粉流体を移動させる電子粉流体方式表示装置等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0022】
画像表示体1の共通電極12は透明導電膜であることが好ましい。なぜなら、画像表示体1の前面側、つまり、反射型カラー画像表示装置を視認する側に設けられるためである。材料としては公知のものを用いることが可能であり、具体的には、ITO、IZO、酸化インジウムタングステン(IWO)、酸化インジウム(ICO)、ZnO、SnO 、カーボンナノチューブやポリチオフェン、PEDOT等の導電性ポリマーを用いる。そして、蒸着法、イオンプレーティング法、スパッタリング法、レーザーアブレーション法、プラズマCVD(Chemical Vapor Deposition)法、ホットワイヤーCVD法、ゾルゲル法、スピンコート法、ディップコート法、PLD(パルスレーザーデポジション)法等から適宜選択した方法により、基材11上に形成する。
【0023】
また、画像表示体1の基材11には、公知の材料を用いることができる。具体的には、ガラス基材や、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリエーテルサルフォン、シクロオレフィンポリマー、ポリイミド、ポリアミド、ポリカーボネート、メタクリル樹脂、ポリメチルメタクリレート、ポリ塩化ビニル、トリアセチルセルロース等のフィルム、ガラス等の無機物と前記に代表されるようなプラスチックとの複合材料をフィルム状に加工したもの等を用いることができる。プラスチックを用いる場合には可撓性や耐候性、製造工程における耐熱性・耐溶剤性等を考慮し、適宜選択して用いる。
【0024】
なお、図1に示すように画素電極基板2に設ける位置合わせマーク表示用電極23は、画素電極22を基材21上に形成する際か、あるいは、図1中での図示を省略したゲート電極、ソース電極、ドレイン電極、補助コンデンサー電極、走査線電極、信号線電極のいずれかを基材21上に形成する際に、同時に形成することが好ましい。同時に形成することで、工程を増やすことなく形成することができることや材料効率を上げることができ、且つ、歩留まりが向上するため、コスト上昇を抑えることができる。
【0025】
また、位置合わせマーク表示用電極23は、画像表示体1の画像表示素子13による画像表示エリアの外側に、位置合わせマーク表示用電極23への通電によりこの電極23に対応する位置合わせマークが表示される位置に形成することが好ましく、基材21の形状や画像表示素子13による画素パターンの形状等に応じて画素パターンの対角等の任意の場所に形成することが可能である。位置合わせマーク表示用電極23は、画像表示体1と画素電極基板2とカラーフィルタ基板3とを重ね合わせた状態で、画像表示体1を挟んでカラーフィルタ基板3の位置合わせマーク33と対向する位置に配置される。したがって、位置合わせマーク表示用電極23に通電されると、画像表示体1の、位置合わせマーク表示用電極23の数は特に限定されないが、精密な位置合せを行うために少なくとも2つ以上形成することが好ましい。
【0026】
また、位置合わせマーク表示用電極23の形状はカラーフィルタ基板3側の位置合わせマーク33に対応する形状であれば特に限定されない。具体的には三角形、矩形、多角形、円形、弓形、扇形等やそれらの組み合わせ等から任意に設定することが可能である。位置合わせマーク表示用電極23の大きさについては特に限定はされないが、位置合わせに用いるアライメントカメラやそのレンズ等の視野や倍率等にあわせて適宜選択して形成する。
【0027】
また、画素電極基板2と画像表示体1との接着に用いる接着層(接着剤14)、および、画像表示体1とカラーフィルタ基板3との接着に用いる接着層(図示せず)には、公知の感圧接着剤や感熱接着剤を用いることが出来る。画像表示体1とカラーフィルタ基板3との接着に用いる接着層としては、反射型カラー画像表示装置を視認する視線上で画像表示体1よりも手前に位置するため、透明であることが好ましい。
【0028】
また、画素電極基板2と画像表示体1との接着、および、画像表示体1とカラーフィルタ基板3との接着には、公知の方法を用いることができる。具体的には、選択した接着層材料や薄膜トランジスタ、画像表示体1、画素電極基板2、カラーフィルタ基板3のそれぞれに用いた基材11,21,31の特性等を考慮して、ラミネート、熱ラミネート、真空ラミネート等から適宜選択して用いる。
このような方法で反射型カラー画像表示装置を製造することにより、画素電極基板2に設けられた位置合わせマーク表示用電極23に通電して位置合わせマークを画像表示体1に表示させた状態で、表示させた位置合わせマークとカラーフィルタ基板3上に予め設けられた位置合わせマーク33を用いて位置合わせをしつつ、画像表示体1に画素電極基板2とカラーフィルタ基板3とを貼合することで、高精度に画素電極基板2とカラーフィルタ基板3とを位置合わせすることができる。
【実施例1】
【0029】
本発明の実施例を以下に示すがこれらの方法に限定されるものではない。
【0030】
カラーフィルタ基板としては、厚さ100μm、300mm×300mmサイズのPEN上にR、G、B、Wの矩形マトリクスパターンと画素電極基板との位置合わせ用マークを形成し、これら着色層上にオーバーコート層を設けたものを用いた。
【0031】
画素電極基板としては、厚さ100μm、300mm×300mmサイズのPEN上に前記カラーフィルタの着色パターンと対応する形状で薄膜トランジスタアレイが配置され、薄膜トランジスタアレイに対応した形状でゲート電極、ソース電極、ドレイン電極、補助コンデンサー電極、画素電極、走査線電極、信号線電極およびカラーフィルタ基板との位置合わせマーク表示用電極を形成したものを用いた。
【0032】
画像表示体としては、厚さ100μm、300mm×300mmサイズのPET基板上にスパッタ法でITOからなる共通電極を形成したものにマイクロカプセル型電気泳動式表示パネル用マイクロカプセルを塗工してなる基板を用いた。
【0033】
画像表示体のマイクロカプセル表面に感圧式接着剤を塗布し、その後、画像表示体と画素電極基板とをゴムローラーを押し当てることで貼り合わせた。
【0034】
次に、画素電極基板に通電させ、画像表示体に位置合わせ用マークを表示させた。
【0035】
その後、同様に画像表示体の視認側(マイクロカプセル表面の反対面)に感圧式接着剤を塗布した後、この接着剤層とカラーフィルタとを、200μmの間隔を保持して重ね合わせ、アライメント用カメラで位置合わせマークを確認した後、ゴムローラーを押し当てで接着層とカラーフィルタを貼り合わせることで本発明の反射型カラー画像表示装置を得た。
【符号の説明】
【0036】
1・・・画像表示体
11・・・基材
12・・・共通電極
13・・・画像表示素子
14・・・接着剤
2・・・画素電極基板
21・・・基材
22・・・画素電極
23・・・位置合わせマーク表示用電極
3・・・カラーフィルタ基板
31・・・基材
32・・・着色層
33・・・位置合わせマーク
34・・・オーバーコート層

【特許請求の範囲】
【請求項1】
カラーフィルタ基板が前面側に重ね合わされる画像表示体の背面側に重ね合わせられ、該画像表示体に画像を表示させるための薄膜トランジスタまたは薄膜ダイオードアレイからなる複数の画素電極が基材上に設けられた画素電極基板であって、
前記基材上に、通電により前記画像表示体に位置合わせマークを表示させるための位置合わせマーク表示用電極を1又は複数設けた、
ことを特徴とする画素電極基板。
【請求項2】
前記位置合わせマーク表示用電極への通電により前記位置合わせマークが前記画像表示体による前記画像の表示エリアの外側に表示される位置に、前記位置合わせマーク表示用電極が設けられていることを特徴とする請求項1記載の画素電極基板。
【請求項3】
画素電極基板が背面側に重ね合わされた画像表示体の前面側にカラーフィルタ基板を重ね合わせて構成される反射型カラー画像表示装置の製造方法であって、
前記画像電極基板として、請求項1又は2記載の画素電極基板を用い、
前記画像表示体に前記画素電極基板を重ね合わせて前記画素電極基板の位置合わせマーク表示用電極に通電し、前記画像表示体に位置合わせマークを表示させた状態で、該表示させた位置合わせマークと前記カラーフィルタ基板に予め設けられた位置合わせマークとを用いて位置合わせしつつ、前記カラーフィルタ基板を前記画像表示体に重ね合わせて貼り合わせる、
ことを特徴とする反射型カラー画像表示装置の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2012−2992(P2012−2992A)
【公開日】平成24年1月5日(2012.1.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−137170(P2010−137170)
【出願日】平成22年6月16日(2010.6.16)
【出願人】(000003193)凸版印刷株式会社 (10,630)
【Fターム(参考)】