説明

界面活性剤を含む配合物の安定化のための抗酸化剤

【課題】石鹸組成物中で、化学変化及び色変化しないフェノール性抗酸化剤を提供する。
【解決手段】(a1)特定のフェノール性抗酸化剤、並びに(a2)式(3)の抗酸化剤、並びに(b)長鎖アルキル又はアルケニルを含む界面活性剤を含む洗剤組成物。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
固型及び液体石鹸は、長い間ヒトの皮膚を洗浄するために用いられてきている。石鹸組成物の安定性は、問題なく用いるため又は長期貯蔵のためには重要な基準である。
【0002】
遊離基反応は、石鹸組成物の安定性に悪影響を与えることが知られている。遊離基は、洗剤組成物中の、石鹸、遊離の酸又は合成界面活性剤などの長鎖の炭化水素の分解に影響する連鎖反応を開始する。そのような反応は、例えば着色及び酸敗のような他のマイナスの影響をもたらすことができる。
【0003】
長鎖炭化水素の分解は、例えばブチル化ヒドロキシトルエン(BHT)のような抗酸化剤を添加することにより洗剤組成物中で阻止することができ、それは、ある種の遊離基反応機構の触媒を阻止するか、又は遊離基として、遊離基連鎖反応を停止させる。
【0004】
しかしながら、BHTの使用は、石鹸組成物での安定性の問題、例えば着色又は黄褐色副生物形成のよう問題を引きおこす。
【0005】
WO97/27839は、用いられた安定剤が特定のフェノール性安定剤である石鹸組成物を開示している。しかしながら、それらの化合物は、溶解性に劣り、組み入れるのが困難である。
【0006】
本発明の目的は、したがって、石鹸配合物中でよりよい溶解性を有し、相当する石鹸組成物での問題なしに組み入れられることができる、フェノール性抗酸化剤を見出すことである。
【0007】
本発明は、洗剤組成物であって、
(a1)式(1)及び/若しくは(2):
【0008】
【化1】

【0009】
で示されるフェノール性抗酸化剤、並びに
(a2)式(3):
【0010】
【化2】

【0011】
(上記式(1)、(2)及び(3)において、
1は、水素;C1−C22アルキル;C1−C22アルキルチオ;C5−C12シクロアルキル;フェニル;又はC7−C9フェニルアルキルであり;
2は、C1−C22アルキル;C5−C12シクロアルキル;フェニル;C7−C9フェニルアルキル;又は−SO3Mであり;
Qは、−Cm2m−;−CH(Cm2m+1)−;−Cm2m−NH−;式(1a)若しくは(1b):
【0012】
【化3】

【0013】
の基であり;
Tは、−Cn2n−;−(CH2)n−O−CH2−;−Cn2n−NH−C(O)−;又は式(1c):
【0014】
【化4】

【0015】
の基であり;
Vは、−O−;又は−NH−であり;
aは、0;1;又は2であり;
b、c及びdは、互いに独立して、0;又は1であり;
e及びfは、互いに独立して1〜3の整数であり;そして
m、n及びpは、互いに独立して、1〜3の整数であり;
eが1のとき、
3は、水素;M;C1−C22アルキル;C5−C12シクロアルキル;C1−C22アルキルチオ;C2−C22アルケニル;C1−C18フェニルアルキル;式(1d)、(1e)又は(1f):
【0016】
【化5】

【0017】
の基であり;
ここで、R3がC1−C22アルキルであるとき、b=Oであるか、又はQは式(1a)若しくは(1b)の基であり;
gは、0又は1であり;
Mは、水素;アルカリ金属;又はアンモニウムであり;
eが2のとき、
3は、直接結合;−CH2−、−CH((CH2)p−CH3)−;−O−;又は−S−であり;
eが3のとき、
3は、式(1g)、(1h)、(1i)又は(1k):
【0018】
【化6】

【0019】
の基であり;
ここで、R3が式(1k)の基であるとき、c=1であり、かつ
4及びR5は、互いに独立して、水素;又はC1−C22アルキルである)で示される抗酸化剤、並びに
(b)長鎖アルキル又はアルケニルを含む界面活性剤を含む、洗剤組成物を提供する。
【0020】
1−C22アルキルは、直鎖又は分岐のアルキル基、例えばメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、アミル、イソアミル若しくはtert−アミル、ヘプチル、オクチル、イソオクチル、ノニル、デシル、ウンデシル、ドデシル、テトラデシル、ペンタデシル、ヘキサデシル、ヘプタデシル、オクタデシル又はエイコシルである。
【0021】
1−C22アルキルチオは、直鎖又は分岐のアルキルチオ基、例えばメチルチオ、エチルチオ、n−プロピルチオ、イソプロピルチオ、n−ブチルチオ、sec−ブチルチオ、tert−ブチルチオ、アミルチオ、ヘプチルチオ、オクチルチオ、イソオクチルチオ、ノニルチオ、デシルチオ、ウンデシルチオ、ドデシルチオ、テトラデシルチオ、ペンタデシルチオ、ヘキサデシルチオ、ヘプタデシルチオ、オクタデシルチオ又はエイコシルチオである。
【0022】
2−C18アルケニルは、例えばアリル、メタリル、イソプロペニル、2−ブテニル、3−ブテニル、イソブテニル、n−ペンタ−2,4−ジエニル、3−メチル−ブタ−2−エニル、n−オクタ−2−エニル、n−ドデカ−2−エニル、イソドデセニル、n−ドデカ−2−エニル又はn−オクタデカ−4−エニルである。
【0023】
3−C7シクロアルキルは、シクロペンチル、シクロヘプチル、又は特にシクロヘキシルである。
【0024】
3−C9フェニルアルキルは、フェニルプロピル、フェニルエチル、及び特にベンジルである。
【0025】
新規な組成物において、好適なものは、Qが−Cm2m−、特にメチレン又はエチレン基であり、そしてmが、式(1)と同義である式(1)の抗酸化剤を用いたものである。
【0026】
特に、式(1)のVは、−O−である。
【0027】
新規な組成物で特に興味のあるものは、R1及びR2が、互いに独立して、C1−C22アルキル、特に、C1−C5アルキルである式(1)の化合物である。
【0028】
更に、aが1である式(1)の化合物も特に興味がある。
【0029】
特に興味があるものは、式(2):
【0030】
【化7】

【0031】
(式中、
1及びR2は、互いに独立して、C1−C5アルキルであり;
aは、1又は2であり、そして
3、Q、V、T、b、c、d及びeは、式(1)と同義である)で示される化合物である。
【0032】
特に好適なものは、eが1である式(2)の化合物である。
【0033】
特に興味のある化合物は、式(3):
【0034】
【化8】

【0035】
(式中、
6は、−O−M;又は下記式:
【0036】
【化9】

【0037】
の基であり;
Mは、水素;アンモニウム;又はアルカリ金属であり;
1及びR2は、互いに独立して、C1−C5アルキルであり;
Qは、−Cm2m−又は−Cm2m−NH−であり;
aは、そして
bは、式(1)と同義である)で示されるそれらである。
【0038】
更にまた、成分(a1)は、好適には式(4):
【0039】
【化10】

【0040】
(式中、
1及びR2は、互いに独立して、C1−C5アルキルであり;
Qは、−Cm2m−又は−Cm2m−NH−であり;
3は、直接結合;−O−;−S−であり;
aは、1又は2であり、
mは、1〜5であり;そして
Tは、式(1)と同義である)で示される化合物である。
【0041】
式(3)の化合物において、好適なものは、Qがエチレンであり;R3が直接結合であり;そしてR1、R2、T及びaが式(3)と同義であるそれらである。
【0042】
非常に好適な式(4)の化合物は、Tが−O−CH2−であるそれらである。
【0043】
本発明で用いることができる他の興味のある化合物は、式(5):
【0044】
【化11】

【0045】
(式中、
1及びR2は、C1−C5アルキルであり;そして
3は、−CH2−又は−CH(CH3)−である)で示される化合物に一致する。
【0046】
式(2)〜(5)の化合物のうち、興味があるのは、R1及びR2がtert−ブチルであり、そしてaが1であるそれらである。
【0047】
更にまた、新規な組成物において、成分(a1)は、好適には式(6):
【0048】
【化12】

【0049】
(式中、
Qは、−Cm2m−であり;
Tは、−Cn2n−であり;
1及びR2は、互いに独立して、C1−C5アルキルであり;
3は、式(1g);(1h);(1i);又は(1k);の基であり;
m及びnは、互いに独立して、1〜3であり;
aは、1又は2であり;そして
b及びdは、互いに独立して、0又は1である)で示される化合物、
及び式(7):
【0050】
【化13】

【0051】
(式中、
Aは、式(7a):
【0052】
【化14】

【0053】
(式中、
1、R2及びR3は、互いに独立して、C1−C5アルキルであり、そしてmは、1〜3である)で示される基である)で示される化合物である。
【0054】
成分(a1)は、式(8):
【0055】
【化15】

【0056】
(式中、
Bは、式(8a):
【0057】
【化16】

【0058】
(式中、
1及びR2は、互いに独立して、C1−C5アルキルであり;
Vは、−O−;又は−NH−であり;
aは、1;又は2であり;
mは、1〜3であり;そして
nは、0〜3である)で示される基である)で示される化合物である。
【0059】
本発明で用いられる代表的な抗酸化剤は、表1に列記した。
【0060】
【表1】

【0061】
【表2】

【0062】
【表3】

【0063】
【表4】

【0064】
【表5】

【0065】
【表6】

【0066】
【表7】

【0067】
成分(a1)及び(a2)に相当する抗酸化剤類は、それぞれの成分としてか、又は数種のそれぞれの化合物の混合物として、新規な洗剤組成物中で、用いることができる。
【0068】
成分(a)は、一般的に、50〜1,000ppmの濃度で新規な洗剤組成物中に存在する。
【0069】
本発明により用られる抗酸化剤は、優れた反応性を有し、したがって好都合には低濃度で用いることができる。更に、それらは、特にアルカリ媒体中での加水分解に対して、よりよい安定性を示す。それらの良好な溶解性のために、それらは、石鹸配合物中に容易に組み込むことができる。
【0070】
したがって、この新規な組成物は、色変化及び化学分解に対して高い安定性を示す。このことは、効果、色安定性、組み込みの容易性及び用いられた抗酸化剤の加水分解に対する安定性に帰するものである。
【0071】
新規な組成物中の成分(b)は、皮膚から汚れを落とし、同時に着色及び/又は不愉快な臭気をもたらす酸化的分解に敏感である、いかなる界面活性剤であってもよい。
【0072】
適切な例は、アニオン性、ノニオン性又は双イオン性及び両性の合成の、洗浄性基質である。
【0073】
適切なアニオン性洗剤基質は、
−スルファート類、例えば、アルキル鎖が8〜18個の炭素原子を有する脂肪アルコール硫酸塩類、例えば硫酸化ラウリルアルコール;
−脂肪アルコールエーテルスルファート類、例えばエチレンオキシド2〜30モルとC8−C22脂肪アルコールとのポリ付加物の酸エステル又はそれらの塩;
−石鹸に関連するC8−C20脂肪酸、例えばココナッツ脂肪酸のアルカリ金属塩類、アンモニウム塩類又はアミン塩類;
−アルキルアミドスルファート類;
−アルキルアミノスルファート類、例えばモノエタノールアミンラウリルスルファート;
−アルキルアミドエーテルスルファート類;
−アルキルアリールポリエーテルスルファート類;
−モノグリセリドスルファート類;
−アルキル鎖が8〜20個の炭素原子を含むアルカンスルホナート類、例えばドデシルスルホナート;
−アルキルアミドスルホナート類;
−アルキルアリールスルホナート類;
−α−オレフィンスルホナート類;
−スルホコハク酸誘導体類、例えばアルキルスルホスクシナート類、アルキルエーテルスルホスクシナート類又はアルキルスクシンアミド誘導体類;
−式(35):
【0074】
【化17】

【0075】
(式中、
Xは、水素;C1−C4アルキル又は−COO-+であり;
Yは、水素又はC1−C4アルキルであり;
Zは、−(CH2)m1-1−であり;
1は、1〜5の整数であり;
1は、6〜18の整数であり;
Mは、アルカリ金属カチオン又はアンモニウムカチオンである)で示される
N−(アルキルアミドアルキル);
−式(34):
【0076】
【化18】

【0077】
(式中、
Xは、基−(CH2)5-19−O−;下記式:
【0078】
【化19】

【0079】
のいずれかの基であり;
Rは、水素;又はC1−C4アルキルであり;
Yは、−(CHCHO)1-50−であり;
Aは、−(CH2)m2-1−COO-+;又は下記式:
【0080】
【化20】

【0081】
の基であり;
2は、1〜6であり;そして
Mは、アルカリ金属カチオン又はアミンカチオンである)で示される
アルキル及びアルキルエーテルカルボキシラート類である。
【0082】
用いられる他のアニオン性界面活性剤は、脂肪酸メチルタウリド類、アルキルイセチオナート類、脂肪酸ポリペプチド縮合物類及び脂肪酸リン酸エステル類である。それらの化合物中のアルキル基は、好適には8〜24個の炭素原子を有する。
【0083】
アニオン性界面活性剤は、一般に、それらの水−可溶性塩の形態、例えばアルカリ金属塩、アンモニウム塩又はアミン塩である。そのような塩の例は、リチウム、ナトリウム、カリウム、アンモニウム、トリエチルアミン、エタノールアミン、ジエタノールアミン又はトリエタノールアミン塩である。特に、ナトリウム、カリウム、アンモニウム(NR123)塩が用いられ、ここでR1、R2及びR3は、互いに独立して、水素、C1−C4アルキル又はC1−C4ヒドロキシアルキルである。
【0084】
この新規な組成物中の非常に好適なアニオン性界面活性剤は、モノエタノールアミンラウリルスルファート又は脂肪アルコールスルファート類のアルカリ金属塩類、特にナトリウムラウリルスルファート及びエチレンオキシド2〜4モルとナトリウムラウリルエーテルスルファートとの反応の生成物である。
【0085】
適切な双イオン及び両性活性剤は、C8−C18ベタイン類、C8−C18スルホベタイン類、C8−C24アルキルアミド−C1−C4アルキレンベタイン類、イミダゾリンカルボキシラート類、アルキルアムホカルボキシカルボン酸類、アルキルアムホカルボン酸類(例えば、ラウロアムホグリシナート)及びN−アルキル−b−アミノプロピオナート類又は−イミノジプロピオナート類、C10−C20アルキルアミド−C1−C4アルキレンベタイン類、及び特にココナツ脂肪酸アミドプロピルベタイン類が好適である。
【0086】
適切なノニオン性界面活性剤の例は、分子量1,000〜15,000を有するプロピレンオキシド/エチレンオキシドの付加物の誘導体類、脂肪アルコールエトキシラート類(1−50EO)、アルキルフェノールポリグリコールエーテル類(1−50EO)、エトキシル化炭化水素類、脂肪酸グリコール部分エステル類、例えばジエチレングリコールモノステアラート、脂肪酸アルカノールアミド類及びジアルカノールアミド類、脂肪酸アルカノールアミドエトキシラート類及び脂肪アミンオキシド類である。
【0087】
更に、成分(b)は、飽和及び不飽和C8−C22脂肪酸の単独、互いの混合物又は成分(b)として述べた他の洗剤基質との混合物の塩であることができる。それらの脂肪酸の例は、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、アラキドン酸、ベヘン酸、カプロレイン酸、ドデセン酸、テトラデカン酸、オクタデカン酸、オレイン酸、エイコサン酸、及びエルカ酸、並びにそのような酸の工業グレードの混合物、例えばココナツ脂肪酸である。それらの酸は、塩の形態であり、適切なカチオンは、アルカリ金属カチオン、例えばナトリム、カリウムカチオン、金属原子、例えば亜鉛及びアルミニウム原子、又は十分なアルカリ、窒素含有有機化合物、例えばアミン又はエトキシル化アミンである。それらの塩は、その場で調製することができる。
【0088】
新規な組成物中の成分(b)は、好適には石鹸、すなわち、分岐若しくは非分岐の、長鎖アルキル−又はアルケニル−カルボン酸塩、例えばナトリウム、カリウム、アンモニウム又は置換アンモニウム塩である。
【0089】
更に、成分(a)及び(b)に加えて、新規な組成物は、成分(c)として、立体障害アミンタイプの光保護剤を含むことができる。
【0090】
これは、好適には、式(36)又は(37):
【0091】
【化21】

【0092】
(式中、Gは、水素、メチル、特に水素である)で示される基を少なくとも一つを含む2,2,6,6−テトラメチルピペリジン誘導体である。
【0093】
成分(c)として用いることができるテトラアルキルピペリジンの例は、EP−A−356677、3−17ページ、セクションa)〜f)に記載されている。その特許の該当部分は、本記載の一部としてみなされる。以下のテトラアルキルピペリジン誘導体が、特に好都合に用いられる:
【0094】
ビス(2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)セバケート、ビス(2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)スクシナート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジン−4−イル)セバケート、ビス(1−オクチルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)セバケート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジン−4−イル)n−ブチル3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジルマロナート、1−ヒドロキシエチル−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−ヒドロキシピペリジンとコハク酸の縮合物、N,N′−ビス(2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)ヘキサメチレンジアミンと4−tert−オクチルアミノ−2,6−ジクロロ−1,3,5−s−トリアジンの縮合物、トリス(2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)ニトリロトリアセタート、テトラキス(2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)1,2,3,4−ブタンテトラオアート、1,1′−(1,2−エタンジイル)ビス(3,3,5,5−テトラメチルピペラジノン)、4−ベンゾイル−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−ステアリルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジン)−2−n−ブチル(2−ヒドロキシ−3,5−ジ−tert−ブチルベンジル)マロナート、3−n−オクチル−7,7,9,9−テトラメチル−1,3,8−トリアザスピロ〔4.5〕デカン−2,4−ジオン、ビス(1−オクチルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジニル)セバケート、ビス(1−オクチルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジニル)スクシナート、N,N′−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジニル)−ヘキサメチレンジアミンと4−モルホリノ−2,6−ジクロロ−1,3,5−トリアジンの縮合物、2−クロロ−4,6−ジ(4−n−ブチルアミノ2,2,6,6−テトラメチルピペリジイル)−1,3,5−トリアジンと1,2−ビス(3−アミノプロピルアミノ)エタンの縮合物、2−クロロ−4,6−ジ(4−ブチルアミノ−1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジイル)−1,3,5−トリアジンと1,2−ビス(3−アミノプロピルアミノ)エタンの縮合物、8−アセチル−3−ドデシル−7,7,9,9−テトラメチル1,3,8−トリアザスピロ〔4.5〕デカン−2,4−ジオン、3−ドデシル−1−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジイル)ピロリジン−2,5−ジオン、3−ドデシル−1−(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジイル)ピロリジン−2,5−ジオン、4−ヘキサデシルオキシ−及び4−ステアリルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジンの混合物、N,N′−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジイル)ヘキサメチレンジアミンと4−シクロヘキシルアミノ−2,6−ジクロロ−1,3,5−トリアジンの縮合物、1,2−ビス(3−アミノプロピルアミノ)エタンと2,4,6−トリクロロ−1,3,5−トリアジンと4−ブチルアミノ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジンの縮合物(CAS Reg.No.〔136504-96-6〕)、(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジイル)−n−ドデシルスクシンイミド、(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジイル)−n−ドデシルスクシンイミド、2−ウンデシル−7,7,9,9−テトラメチル−1−オキサ−3,8−ジアザ−4−オキソスピロ〔4.5〕デカン、7,7,9,9−テトラメチル−2−シクロウンデシル−1−オキサ−3,8−ジアザ−4−オキソスピロ〔4.5〕デカンとエピクロロヒドリンの反応生成物、テトラ(2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)ブタン1,2,3,4−カルボキシラート、テトラ(1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジン−4−イル)ブタン1,2,3,4−カルボキシラート、2,2,4,4−テトラメチル−7−オキサ−3,20−ジアザ−21−オキソジスピロ〔5.1.11.2〕ヘンエイコサン、8−アセチル−3−ドデシル−1,3,8−トリアザ−7,7,9,9−テトラメチルスピロ〔4.5〕デカン−2,4−ジオン、又は式(38)〜(43):
【0095】
【化22】

【0096】
【化23】

【0097】
の化合物。
【0098】
新規な組成物は、固型、ゲル、合成洗剤又は液体石鹸の形態であることができる。それは、好適には通常の方法で製造することができる。
【0099】
石鹸類(固型石鹸、合成洗剤又は液体石鹸)は、それらの製造のための石鹸工業での一般的な通常の方法及び文献(例えば、L.Spitz (Ed.), Soaps and Detergentsm A Theoretical and Practical Review, AOCS Press, Champaign, III., USA (1996) 参照)に記載されている方法により製造される。固型石鹸の製造において重要要因は、成分の均一な分散、特に抗酸化剤の分散を達成するために、押し出し前に、石鹸成分の激しい撹拌である。抗酸化剤は、通常、石鹸成分に直接加えられるか、又は適切ならば、香料中に予め溶解され、そこで混合(例えば、ガイド−ビームミキサー(guide-beam mixer)及び混練(例えば、強化混練)により、組成物が押出し又は成形される前に、均一に分散される。液体石鹸は、同様に適切な混合装置中(例えば、Sulzer Mixer、Erestat mixer又はDat mixer(Pfaudlerから))で成分の均一化により製造され、抗酸化剤の均一分散は、配合物の低い粘度のために固型石鹸の場合よりも、より速やかに達成される。別の方法は、必要ならば熱(溶融)を用いて、基本石鹸成分(フレーク、リボン)中へ抗酸化剤を組み込むことを含む。
【0100】
以下の実施例は、本発明を説明している。
【0101】
特に断らないかぎり、部及びパーセントは、重量である。温度は℃である。
【実施例】
【0102】
石鹸組成物の製造実施例
実施例1:固型石鹸の製造
成分 重量%
A タロウ脂肪、ココナツ及びパーム核石鹸(ナトリウム塩) 85
B 水 加えて100
C グリセロール 1
二酸化チタン 0.2
乳酸 0.2
式(14)、(15)、(17)、(21)、(22)、
(23)、(25)又は(28)の抗酸化剤 0.005〜0.1
ジナトリウムEDTA 0.1
【0103】
製造:石鹸ベース(A)は、十分に混合し、水(B)は、20℃で加えた。粘稠なペーストを回転−固定子(rotor-stator)を用いて均一化し、次いで成分(C)を激しく撹拌しながら順に加えた。混合物を更に15分均一化し、卓上押出し機で押出した。棒状石鹸は、加圧(ベンチプレス)により製造した。
【0104】
実施例2:液体石鹸の製造
成分 重量%
グリセロールモノステアラート(40%) 5.0
アンモニウムラウリルスルファート(28%) 25.0
ココアミドプロピルヒドロキシスルタイン 3.5
ジナトリウムEDTA 0.1
プロピレングリコール 1.0
ラウリルジエタノルアミド 0.5
式(14)、(15)、(17)、(21)、(22)、
(23)、(25)又は(28)の抗酸化剤 0.005〜0.1
香料類、保存剤類 十分に
水 加えて100
クエン酸 十分に(pH5.5〜6.5)
【0105】
製造:活性成分は、初めに与えられた順に導入し、次いで水と混合した。pHをクエン酸を用いて5.5〜6.5に調整した。次いで、混合物を20℃で10分均一化し、得られた液体石鹸をボトルに注いだ。
【0106】
実施例3:合成洗剤石鹸の製造
成分 重量%
A ナトリウムココイルイセチオナート 20
ナトリウムラウリルスルホアセタート 16
パラフィン 19
ワックス、微結晶 1
B 水 加えて100
C 式(14)、(15)、(17)、(21)、(22)、
(23)、(25)又は(28)の抗酸化剤 0.005〜0.1
ジナトリウムEDTA 0.1
【0107】
製造:石鹸ベース(A)は、十分に混合し、水(B)は、20℃で加えた。粘稠なペーストを回転−固定子(rotor-stator)を用いて均一化し、次いで成分(C)を激しく撹拌しながら順に加えた。混合物を更に15分均一化し、卓上押出し機で押出した。棒状石鹸は、加圧(ベンチプレス)により製造した。
【0108】
適用実施例
実施例4:酸化的環境の石鹸での着色試験
試験した抗酸化剤:式(11)、(15)、(16)、(25)、(32)及び(33)のの化合物
試験すべきそれぞれの抗酸化剤の500ppmを、ベンゾイルペルオキシド500ppm及び二酸化チタン0.2%と一緒に慣用の石鹸ベース(タロウ脂肪、ココナツ及びパーム核石鹸)中に、卓上混合機中で激しく混合及び混練することにより、均一に分散した。石鹸中に抗酸化剤の均一分散を保証するために、混合工程を繰り返した。
【0109】
混合物を、卓上押出し機を用いて押出し、約1g重量の棒状石鹸を製造した。これらの石鹸を、乾燥室中、40℃で2ヶ月貯蔵し、それぞれの試験棒状石鹸の着色を1週毎に調べた。これは、定量着色計で実施し、反射スペクトル方法を好都合には用いた。この方法は、文献(例えば、Colorimetry, Second Edition, Internatinal Commission on Illumination (CIE), CIE publication 15.2 (1986) 参照)に記載されている。標準(同じ成分を有する新たに調製された試料)のそれらと、試験調製の色の結果の比較は、用いた抗酸化剤の色安定性の尺度である。
【0110】
良好な色安定性が、試験された抗酸化剤で達成されたことが見出されている。
【0111】
実施例5:石鹸の溶解性試験
試験した抗酸化剤:式(11)、(15)、(16)、(21)、(23)、(24)、(32)及び(33)のの化合物
溶解性を調べるために、それぞれの抗酸化剤を、慣用の石鹸ベース(タロウ脂肪、ココナツ及びパーム核石鹸)中に、40℃で十分に混合した。次いで、混合物を、室温に冷却し、光学顕微鏡を用いて、抗酸化剤が石鹸分散物中に均一に分散していいるかどうかを調べた(結晶がないこと、混合された相がないこと)。
【0112】
これらの試験の結果は、試験された化合物が、非常に良好な溶解性を有し、迅速にかつ完全に組み込まれていること示していた。
【0113】
実施例6:加水分解に関する試験
試験した抗酸化剤:式(11)、(14)、(15)、(16)、(17)、(21)、(22)、(24)、(28)、(32)及び(33)のの化合物
アルカリ中の抗酸化剤の安定性は、簡単な試験により迅速に試験した。この目的のために、それぞれの抗酸化剤の0.05%を、卓上混合機中で、通常、10〜15%の湿気及び0.02〜0.1%の遊離アルカリ(Na2Oとして)(全量を重量%として)を含む、慣用の石鹸片(flake)中へ混合した。石鹸中に抗酸化剤の均一分散を保証するために、混合工程を繰り返した。試料を、乾燥室中、40℃で2ヶ月貯蔵し、未変化抗酸化剤の相対含量を、HPLC分析を用いて測定した。用いた対照(100%値)は、新たに調製した石鹸ベースでのそれぞれのら抗酸化剤のHPLCシグナル(高さ又は面積)である。
【0114】
結果:
試験した抗酸化剤は、石鹸配合物中で良好な安定性を有していた。HPLCで測定された、アルカリ石鹸中のそれらの含量は、上記試験での2ヶ月の貯蔵後で実質上変化していない。
したがって、新規な組成物(石鹸)は、色変化及び化学分解に対して良好な安定性を有していた。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
洗剤組成物であって、
(a1)式(1)及び/若しくは(2):
【化24】


で示されるフェノール性抗酸化剤、並びに
(a2)式(3):
【化25】


(上記式(1)、(2)及び(3)において、
1は、水素;C1−C22アルキル;C1−C22アルキルチオ;C5−C12シクロアルキル;フェニル;又はC7−C9フェニルアルキルであり;
2は、C1−C22アルキル;C5−C12シクロアルキル;フェニル;C7−C9フェニルアルキル;又は−SO3Mであり;
Qは、−Cm2m−;−CH(Cm2m+1)−;−Cm2m−NH−;式(1a)若しくは(1b):
【化26】


の基であり;
Tは、−Cn2n−;−(CH2)n−O−CH2−;−Cn2n−NH−C(O)−;又は式(1c):
【化27】


の基であり;
Vは、−O−;又は−NH−であり;
aは、0;1;又は2であり;
b、c及びdは、互いに独立して、0;又は1であり;
e及びfは、互いに独立して1〜3の整数であり;そして
m、n及びpは、互いに独立して、1〜3の整数であり;
eが1のとき、
3は、水素;M;C1−C22アルキル;C5−C12シクロアルキル;C1−C22アルキルチオ;C2−C22アルケニル;C1−C18フェニルアルキル;式(1d)、(1e)又は(1f):
【化28】


の基であり;
ここで、R3がC1−C22アルキルであるとき、b=Oであるか、又はQは式(1a)若しくは(1b)の基であり;
gは、0又は1であり;
Mは、水素;アルカリ金属;又はアンモニウムであり;
eが2のとき、
3は、直接結合;−CH2−、−CH((CH2)p−CH3)−;−O−;又は−S−であり;
eが3のとき、
3は、式(1g)、(1h)、(1i)又は(1k):
【化29】


の基であり;
ここで、R3が式(1k)の基であるとき、c=1であり、かつ
4及びR5は、互いに独立して、水素;又はC1−C22アルキルである)で示される抗酸化剤、並びに
(b)長鎖のアルキル又はアルケニルを含む界面活性剤を含む、洗剤組成物。
【請求項2】
式(1)において、Qが−Cm2m−(ここで、mは、請求項1と同義である)である、請求項1記載の組成物。
【請求項3】
Vが−O−である、請求項1記載の組成物。
【請求項4】
1及びR2が、互いに独立して、C1−C5アルキルである、請求項1記載の組成物。
【請求項5】
aが1である、請求項1記載の組成物。
【請求項6】
成分(a1)が、式(2):
【化30】


(式中、
1及びR2は、互いに独立して、C1−C5アルキルであり;
aは、1又は2であり、そして
3、Q、V、T、b、c、d及びeは、請求項1と同義である)で示される化合物である、請求項1記載の組成物。
【請求項7】
eが1である、請求項6記載の組成物。
【請求項8】
成分(a1)が、式(4):
【化31】


(式中、
1及びR2は、互いに独立して、C1−C5アルキルであり;
Qは、−Cm2m−又は−Cm2m−NH−であり;
3は、直接結合;−O−;−S−;又は式(1f)の基であり;
aは、1又は2であり、
mは、1〜5であり;そして
Tは、請求項1と同義である)で示される化合物である、請求項1記載の組成物。
【請求項9】
Tが−O−CH2−である、請求項8記載の組成物。
【請求項10】
式(5):
【化32】


(式中、
1及びR2は、C1−C5アルキルであり;そして
3は、−CH2−又は−CH(CH3)−である)で示される化合物を用いる、請求項1記載の組成物。
【請求項11】
成分(a1)が、式(6):
【化33】


(式中、
Qは、−Cm2m−であり;
Tは、−Cn2n−であり;
1及びR2は、互いに独立して、C1−C5アルキルであり;
3は、式(1g);(1h);(1i);又は(1k);の基であり;
m及びnは、互いに独立して、1〜3であり;
aは、1又は2であり;そして
b及びdは、互いに独立して、0又は1である)で示される化合物である、請求項1記載の組成物。
【請求項12】
成分(a1)若しくは(a2)又は成分(a1)及び(a2)の合計が、50〜1,000ppmの濃度で存在する、請求項1記載の洗剤組成物。
【請求項13】
成分(b)が、アニオン性、ノニオン性又は双イオン性でありかつ両性の、合成、洗浄性物質である、請求項1記載の洗剤組成物。
【請求項14】
立体障害アミンタイプの光保護剤である成分(c)を更に含む、請求項1記載の洗剤組成物。
【請求項15】
固型、ゲル又は液体配合物である、請求項1記載の洗剤組成物。

【公開番号】特開2010−59432(P2010−59432A)
【公開日】平成22年3月18日(2010.3.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−250313(P2009−250313)
【出願日】平成21年10月30日(2009.10.30)
【分割の表示】特願平11−121157の分割
【原出願日】平成11年4月28日(1999.4.28)
【出願人】(396023948)チバ ホールディング インコーポレーテッド (530)
【氏名又は名称原語表記】Ciba Holding Inc.
【Fターム(参考)】