説明

異常監視システム及び異常監視装置

【課題】装置の異常を正確に監視する異常監視システム及び異常監視装置を提供する。
【解決手段】複数の装置10a〜10dが、他の装置とそれぞれ相互に監視用ライン20a〜20bで接続され、接続される他の装置の異常を監視する異常監視システム1aであって、各装置は、監視用ラインを介して送受信される信号に基づいて接続される他の装置から異常の候補装置を検出する異常検出手段101と、候補装置が検出されると、監視用ラインを介して他の装置に候補装置を通知する異常通知を送信する通知手段102と、監視用ラインを介して他の装置から異常の候補装置を通知する異常通知を受信する受信手段103と、異常検出手段における検出の結果および受信した異常通知とから、異常装置を特定する特定手段104とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、装置の異常を監視する異常監視システム及び異常監視装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、装置の異常を監視する方法として、ヘルシーチェックが用いられている(例えば、特許文献1)。特許文献1に記載されているヘルシーチェック機能では、一方のシステムに異常が監視された場合、他のシステムに切り替えている。
【0003】
また、通信ラインで接続される装置同士で異常を監視するヘルシーチェックの方法もある。例えば、図8に示すシステムは、複数の装置10が制御用のライン40を利用して、互いの異常を監視し合うものである。各装置10はそれぞれライン60を介してコントロールの対象となる機械50と接続されているが、このシステムでは、関連する装置10が制御や同期に関する信号を送受信するための制御用のライン40で接続されている。例えば、図8では、装置Aは装置B及び装置Eと接続されており、装置Cは装置B及び装置Dと接続されている。
【0004】
このように他の装置と接続される各装置10は、制御用のライン40を監視のために併用し、接続される他の装置の異常(故障等)を監視している。例えば、装置Aは、装置B又は装置Eが異常である場合、その異常を検出することができる。また、装置Cは、装置B又は装置Dが異常である場合、その異常を検出することができる。異常が検出されると、各装置は装置が有する警報ランプやディスプレイ等の出力装置に出力されたり、ライン40を介して異常監視装置30に出力されてオペレータに通知される。
【特許文献1】特許第3111523号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
図8を用いて上述したようなシステムでは、制御用のライン40を利用して他の装置の異常を監視しているため、隣接する(関連する)装置同士でのみ監視が行われていた。したがって、1台の装置が故障した場合には問題はないが、複数の装置が同時に故障した場合には、異常である装置を特定することが困難になり、異常の検出の信頼性も低い。
【0006】
例えば、装置Aのみが故障した場合、装置B及び装置Eによって、装置Aが異常であることが検出され、検出の結果の信頼性は高い。一方、装置Aと装置Bが同時に故障した場合、装置Aの異常は装置Eのみによって検出され、装置Bの異常は装置Cのみによって検出され、それぞれ1台の装置によってのみ検出されるため、検出の結果の信頼性が低くなる。
【0007】
上記課題に鑑み、本発明は、異常装置の検出の信頼性を向上させる異常監視システム及び異常監視装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題に鑑み、本発明に係る異常監視システムは、複数の装置が、他の装置とそれぞれ相互に監視用ラインで接続され、接続される他の装置の異常を監視する異常監視システムであって、各装置は、監視用ラインを介して送受信される信号に基づいて接続される他の装置から異常の候補装置を検出する異常検出手段と、候補装置が検出されると、監視用ラインを介して他の装置に候補装置を通知する異常通知を送信する通知手段と、監視用ラインを介して他の装置から異常の候補装置を通知する異常通知を受信する受信手段と、異常検出手段における検出の結果および受信した異常通知とから、異常装置を特定する特定手段とを備えることを特徴とする。
【0009】
本発明に係る他の異常監視システムは、複数の装置と、複数の装置の異常を監視する異常監視装置とがそれぞれ監視用ラインで接続される異常監視システムであって、各装置は、監視用ラインを介して送受信される信号に基づいて異常監視装置の異常を検出する異常検出手段と、異常監視装置の異常が検出されると、異常監視装置に異常を検出した旨の異常通知を出力する出力手段とを備え、異常監視装置は、監視用ラインを介して送受信される信号に基づいて複数の装置から異常の候補装置を検出する異常検出手段と、複数の装置から出力される異常検出通知を受信する受信手段と、受信手段で異常通知によって異常監視装置が異常でない場合、異常検出手段における検出の結果から、異常装置を判定する判定手段とを備えることを特徴とする。
【0010】
本発明に係る異常監視装置は、それぞれ監視用ラインで接続される複数の装置の異常を監視する異常監視装置であって、監視用ラインで接続される装置から第1監視信号が送信されると、異常でない場合に第1監視信号に応答する第1応答信号を装置に送信する応答手段と、第1監視信号に対する応答に基づいて装置から異常である旨を通知する異常通知を受信する受信手段と、監視用ラインを介して複数の装置に第2監視信号を送信し、第2監視信号に対して複数の装置から受信する第2応答信号の有無に基づいて複数の装置から異常の候補装置を検出する異常検出手段と、第1異常通知によって異常監視装置が異常でない場合、異常検出手段における候補装置の検出の結果から、異常装置を判定する判定手段とを備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、異常装置の検出の信頼性を向上させる異常監視システム及び異常監視装置を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
〈第1の実施形態〉
図1に示すように、本発明の第1の実施形態に係る異常監視システム1aは、複数の装置10a〜10dと異常監視装置30aとを有している。
【0013】
異常監視システム1aの装置10a〜10dは、例えばコントロール用ライン60a〜60dを介して接続される機械50a〜50dをそれぞれコントロールする装置である。図1に示す例では、装置10aは機械50aをコントロールし、装置10bは機械50bをコントロールする。
【0014】
また、装置10a〜10d間は、制御用ライン40a〜40dで接続されており、各装置10a〜10dの間で制御や同期等のための信号が送受信される。図1に示す例では、装置10aは制御用ライン40aを介して接続される装置10b及び制御用ライン40dを介して接続される装置10dとの間で信号が送受信される。
【0015】
さらに、装置10a〜10dの間はそれぞれ監視用ライン20a〜20fで接続されており、各装置は、監視用ライン20a〜20fを介して送受信される信号に基づいて、接続されている他の装置の異常を検出する。例えば、装置10aは、監視用ライン20aを介して接続される装置10bの異常、監視用ライン20dを介して接続される装置10cの異常、監視用ライン20eを介して接続される装置10dの異常を検出する。ここで、「異常」とは、装置10a〜10dの故障等をいう。
【0016】
装置10a〜10dは、異常を検出した場合、例えば装置10a〜10dの出力装置(警報ランプやディスプレイ)に異常を出力してもよいし、監視用ライン20a〜20fを介して各装置10a〜10dの異常を監視する異常監視装置30aに異常を出力してもよく、設定されている方法で異常の検出を出力する。
【0017】
装置10aは、接続される他の装置10b〜10dの異常を検出するため、図2に示すように、異常検出手段101、通知手段102、受信手段103、特定手段104及び出力手段105を備えている。
【0018】
異常検出手段101は、監視用ライン20a,20e,20dを介して送受信される信号に基づいて異常の候補装置を検出する。例えば、異常検出手段101は、監視用ライン20a,20e,20dを介して他の装置10b〜10dに監視信号を送信し、送信した監視信号に応答する応答信号を受信できない場合、他の装置を異常の候補装置とする。すなわち、異常検出手段101が装置10b〜10dに監視信号を送信したときに装置10b,10cから応答信号を受信したが、装置10dから応答信号を受信できないとき、装置10dを候補装置とする。
【0019】
また、異常検出手段101は、監視用ライン20a,20e,20dを介して他の装置10b〜10dから監視信号を受信すると、装置10aが正常である場合、応答信号を送信する。
【0020】
通知手段102は、異常検出手段101で候補装置が検出されると、監視用ライン20a,20e,20dを介して他の装置10b〜10dに候補装置を検出した旨を通知する異常通知を送信する。
【0021】
他の装置10b〜10dにおいても同様に候補装置が検出されると異常通知が送信されるため、受信手段103は、監視用ライン20a,20e,20dを介して他の装置10b〜10dから送信された異常の候補装置の異常通知を受信する。
【0022】
特定手段104は、異常検出手段101における候補装置の検出の結果および他の装置10b〜10dから受信した異常通知とから、多数決処理によって異常装置を特定する。具体的には、特定手段104は、接続される他の装置を候補装置とした検出の結果及び異常通知の合計数が他の装置10b〜10dと接続される監視ライン20a,20e,20dの数に対して過半数となるとき、候補装置を異常装置と特定する。すなわち、特定手段104は、過半数の装置に候補装置として検出された装置を異常装置と特定される。
【0023】
例えば、装置10aの異常検出手段101で異常を検出していない場合であっても、装置10b,10cから装置10dが候補装置であるとする異常通知を受信した場合には、過半数である2台の装置によって、装置10dが候補装置とされており装置10dを異常装置と特定する。また、装置10aの異常検出手段101で装置10dを異常と検出していても、他の装置10b,10cから装置10dが候補装置であるとする異常通知を受信していない場合には、過半数以下の1台の装置でしか装置10dが候補装置とされていないため、装置10dを異常装置とは特定しない。
【0024】
特定手段104で異常装置が特定されると、出力手段105は、設定されている方法で異常の検出を出力する。
【0025】
装置10aは、他に機械50aをコントロールするための手段や、制御用ライン40a,40dを介して接続される装置10b,10dと通信するための手段を備えているが、ここでは図示を用いた説明を省略する。
【0026】
また、装置10b〜10dは、装置10aと同様に異常検出手段101、通知手段102、受信手段103、特定手段104及び出力手段105を備える同様の構成であるため、説明を省略する。
【0027】
図3に示すフローチャートを用いて、装置10a〜10dにおける異常の監視処理の一例を説明する。ここでは、装置10aを用いて説明するが、他の装置10b〜10dに適宜置き換えても同様である。
【0028】
まず、異常検出手段101は、他の装置10b〜10dに監視用ライン20b〜20dを介して監視信号を送信する(S01)。その後、異常検出手段101は、監視用ライン20b〜20dを介して他の装置10b〜10dから監視信号に応答する応答信号を受信する(S02)。
【0029】
異常検出手段101は、受信した応答信号に基づいて各装置10b〜10dから異常の候補装置が判定されると(S03)、判定の結果を特定手段104に出力する(S04)。
【0030】
また、異常検出手段101は、いずれかの装置10b〜10dが候補装置であると判定されると判定結果を通知手段102に出力し、通知手段102は、接続される他の装置10b〜10dに監視用ライン20b〜20dを介して、候補装置を通知する異常通知を送信する(S05)。
【0031】
受信手段103は、監視用ライン20b〜20dを介して他の装置10b〜10dから送信されたいずれかの装置を候補装置とする異常通知を受信すると、受信した異常信号を特定手段104に出力する(S06)。
【0032】
特定手段104は、ステップS04で入力した判定の結果及びステップS06で入力した異常通知に基づいて多数決処理を行い、異常装置を特定する(S07)。また、特定手段104によって異常装置が特定されると、出力手段105は、設定されている方法で、特定の結果を出力する(S08)。
【0033】
なお、装置10b〜10dにおいても同様の処理が実行されて異常装置が特定される。
【0034】
上述したように、本発明の最良の実施形態に係る異常監視システム1aでは、全ての装置10a〜10d間を相互に監視用ライン20a〜20fで接続して異常を検出するとともに、各装置10a〜10d間で監視の結果を交換し、異常装置を特定する際、異常検出手段101によって検出した結果に加え、監視用ライン20a〜10fを介して他の複数の装置から受信する異常通知を利用している。したがって、従来のように自己の装置における判定に加え、接続される他の装置からの異常通知も加味して異常を特定しているため、異常装置の特定の精度が向上する。また、いずれかの装置が故障した場合や通信ラインが断線した場合であっても、他の装置からの検出によって異常装置を特定することができるため、異常装置の特定の精度が向上する。
【0035】
なお、図1に示す異常監視システム1aで有する装置の数は4台に限られないが、異常監視システム1aが有する各装置は、相互に他の装置と監視用ラインで接続される構成となる。また、各装置10a〜10dが備える出力装置に異常を出力するように設定されている異常監視システム1aの場合、異常監視装置30aを有していなくてもよい。さらに、上述した異常検出手段101は、装置10a〜10dが異常でない場合に応答信号を送信し、異常である場合に応答信号を送信していないが、異常である場合には監視信号に対して異常である旨の応答信号を送信する方法でもよい。
【0036】
〈第2の実施形態〉
図4に示すように、本発明の第2の実施形態に係る異常監視システム1bは、複数の装置10e〜10hと異常監視装置30bとを有している。
【0037】
異常監視システム1bの各装置10e〜10hは、図1を用いて上述した各装置10a〜10dと同様に、例えば、コントロール用ライン60e〜60hを介して接続される機械50e〜50hをコントロールする。
【0038】
各装置10e〜10hは、それぞれ監視用ライン20e〜20hを介して異常監視装置30bに接続されている。異常監視装置30bは、監視用ライン20e〜20hを介して装置10e〜10hとの間で送受信される信号によって、各装置10e〜10hの異常を検出する。また、各装置10e〜10hは、監視用ライン20e〜20hを介して異常監視装置30bとの間で送受信される信号によって、異常監視装置30bの異常を検出する。
【0039】
なお、異常監視システム1bにおいても関連する装置同士は異常監視システム1aと同様に制御用ラインによって接続されているが、図示を省略する。
【0040】
異常監視装置30bは、装置10e〜10hの異常を検出した場合、異常監視装置30bの出力装置(警報ランプやディスプレイ)に異常を出力してもよいし、監視用ライン20e〜20hを介して装置10e〜10hに異常を出力してもよい。装置10e〜10hは、異常監視装置30bの異常を検出した場合、監視用ライン20e〜20hを介して異常監視装置30bに異常を出力するが、異常監視装置30bへの出力(送信)と同時に装置10e〜10hの出力装置(警報ランプやディスプレイ)に異常を出力してもよい。また、図示を用いた説明を省略するが、異常監視装置30b及び各装置10e〜10hは、通信ラインで接続される他の装置等に異常を出力してもよい。
【0041】
装置10eは、接続される異常監視装置30bに応答するとともに、異常監視装置30bの異常を検出するため、図5に示すように、応答手段106、異常検出手段107及び送信手段108を備えている。
【0042】
応答手段106は、監視用ライン20eを介して異常監視装置30bから受信した監視信号に応答する応答信号を生成し、送信する。
【0043】
異常検出手段107は、監視用ライン20eを介して送受信される信号に基づいて異常監視装置30bの異常を検出する。例えば、異常検出手段107は、監視用ライン20eを介して異常監視装置30bに監視信号を送信し、送信した監視信号に応答する応答信号を受信しない場合、異常監視装置30bを異常と検出する。
【0044】
送信手段108は、異常検出手段107の検出結果に基づいて異常通知を生成し、異常監視装置30bに送信する。具体的には、送信手段108は、異常検出手段107によって異常監視装置30bの異常が検出されると、異常監視装置30bが異常である旨の異常通知を異常監視装置30bに送信する。
【0045】
装置10eは他に、機械50eをコントロールするための手段等を備えているが、ここでは図示を用いた説明を省略する。また、装置10f〜10hは、装置10eと同様に応答手段106、異常検出手段107及び送信手段108を備える同様の構成であるため、説明を省略する。
【0046】
異常監視装置30bは、図6に示すように、異常検出手段301、応答手段302、受信手段303、判定手段304及び出力手段305を備えている。
【0047】
異常検出手段301は、監視用ライン20e〜20hを介して送受信される信号に基づいて複数の装置10e〜10hから異常の候補装置を検出する。例えば、異常検出手段301は、監視用ライン20eを介して他の装置10e〜10hに監視信号を送信し、送信した監視信号に応答する応答信号を受信できない場合、この装置を異常の候補装置とする。
【0048】
具体的には、異常検出手段301が装置10e〜10hに監視信号を送信したときに装置10e〜10gから応答信号を受信したが、装置10hから応答信号を受信できないとき、装置10hを候補装置とする。
【0049】
応答手段302は、監視用ライン20e〜20hを介して装置10e〜10hから受信した監視信号に応答する応答信号を生成し、送信する。
【0050】
受信手段303は、各装置10e〜10hによって異常監視装置30bが異常であると判定されたとき、装置10e〜10hから送信される異常通知を受信する。
【0051】
判定手段304は、受信手段303で受信した異常通知によって異常監視装置30bが異常でないと判定された場合、異常検出手段301における検出の結果から、異常装置を判定する。判定手段304は、例えば受信した異常通知に基づいて多数決処理を利用して異常監視装置30bの異常を判定することができる。すなわち、1台の装置のみから異常通知を受信した場合には、異常であると判定しないが、接続される過半数の装置から以上通知を受信した場合には、異常であると判定することができる。
【0052】
また、判定手段で異常装置が判定されると、出力手段305は、設定されている方法で異常の検出を出力する。
【0053】
例えば、異常検出手段301で装置10hが候補装置とされており、受信手段303において装置10e〜10hから異常監視装置30bが異常であるとする異常通知を受信していない場合、異常検出手段301での検出の結果は信頼性があるため、判定手段304は、装置10hを異常装置と判定し、出力手段305は、その判定の結果を出力する。一方、異常検出手段301で装置10hが候補装置とされていても、受信手段303において装置10e〜10hから異常監視装置30bが異常であるとする異常通知を受信した場合、異常検出手段301での検出の結果は信頼性がないと判定される。したがって、装置10hが異常装置であるという判定結果は出力されないか、出力されても、信頼性が低いという情報とともに出力される。
【0054】
図7に示すフローチャートを用いて、異常監視装置30bにおける異常の監視処理の一例を説明する。
【0055】
まず、異常検出手段301は、各装置10e〜10hに監視用ライン20e〜20hを介して監視信号を送信する(S11)。その後、異常検出手段301は、監視用ライン20e〜20hを介して各装置10e〜10hから監視信号に対する応答信号を受信する(S12)。
【0056】
異常検出手段301は、受信した応答信号に基づいて各装置10e〜10hから異常の候補装置が判定されると(S13)、判定の結果を判定手段304に出力する(S14)。
【0057】
また、応答手段302は、監視用ライン20e〜20hを介して各装置10e〜10hから送信された監視信号を受信する(S21)。その後、応答手段302は、受信した監視信号に応答する応答信号を生成し、監視用ライン20e〜20hを介して各装置10e〜10hに送信する(S22)。
【0058】
受信手段303は、異常監視装置30bが各装置10e〜10hで異常であると判定された場合に、受信手段303が各装置10e〜10hから異常通知を受信すると(S23でYES)、異常通知を判定手段304に出力する(S24)。
【0059】
判定手段304は、ステップS14で入力した判定の結果及びステップS24で入力した異常通知に基づいて異常装置を判定する(S31)。また、判定手段304によって異常装置が判定されると、出力手段305は、設定されている方法で、特定の結果を出力する(S32)。
【0060】
なお、異常監視装置30bでは、図7のフローチャートに示すステップS11〜S14の処理と、ステップS21〜S24の処理は並行して実行されてもよい。
【0061】
上述したように、本発明の最良の実施形態に係る異常監視システム1bでは、全ての装置10e〜10hと異常監視装置30bとを監視用ライン20e〜20hで接続し、異常監視装置30bで検出した各装置10e〜10hの異常の状態に加え、各装置10e〜10hで監視される異常監視装置30bの異常の状態に基づいて異常装置を判定している。したがって、異常監視装置30bが装置10e〜10h監視するばかりでなく、異常監視装置30b自体も各装置10e〜10hから監視されているため、異常装置の特定の精度が向上する。
【0062】
なお、上述した応答手段106及び異常検出手段301は、装置10e〜10h又は異常監視装置30bが異常でない場合に受信した監視信号に対して応答信号を送信し、異常である場合には応答信号を送信していないが、異常である場合には監視信号に対して異常である旨の応答信号を送信する方法でもよい。このような場合、送信した監視信号に応答して異常である旨の応答信号を受信した場合にこの装置を異常と判定する。
【図面の簡単な説明】
【0063】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る異常監視システムの構成を説明する機能ブロック図である。
【図2】図1の装置の一例を説明する機能ブロック図である。
【図3】図1の異常監視システムにおける処理を説明するフローチャートである。
【図4】本発明の第2の実施形態に係る異常監視システムの構成を説明する機能ブロック図である。
【図5】図4の装置の一例を説明する機能ブロック図である。
【図6】図4の異常監視装置の一例を説明する機能ブロック図である。
【図7】図4の異常監視システムにおける処理を説明するフローチャートである。
【図8】従来の異常監視システムの構成を説明するブロック図である。
【符号の説明】
【0064】
1a,1b…異常監視システム
10a〜10h…装置
101…異常検出手段
102…通知手段
103…受信手段
104…特定手段
105…出力手段
106…応答手段
107…異常検出手段
108…送信手段
20a〜20h…監視用ライン
30a,30b…異常監視装置
301…異常検出手段
302…応答手段
303…受信手段
304…判定手段
305…出力手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の装置が、他の装置とそれぞれ相互に監視用ラインで接続され、接続される他の装置の異常を監視する異常監視システムであって、
前記各装置は、
前記監視用ラインを介して送受信される信号に基づいて接続される他の装置から異常の候補装置を検出する異常検出手段と、
前記候補装置が検出されると、前記監視用ラインを介して前記他の装置に前記候補装置を通知する異常通知を送信する通知手段と、
前記監視用ラインを介して前記他の装置から異常の候補装置を通知する異常通知を受信する受信手段と、
前記異常検出手段における検出の結果および受信した前記異常通知とから、異常装置を特定する特定手段と、
を備えることを特徴とする異常監視システム。
【請求項2】
前記特定手段は、接続される他の装置を、前記異常検出手段で候補装置であるとした結果及び候補装置であるとして受信した前記異常通知の合計数が前記監視用ラインの数に対して過半数となるとき、前記候補装置を異常装置と特定することを特徴とする請求項1記載の異常監視システム。
【請求項3】
前記異常検出手段は、前記監視用ラインを介して前記他の装置に監視信号を送信したとき、前記他の装置から前記監視信号に応答する応答信号を受信しない場合に前記他の装置を候補装置とすることを特徴とする請求項1記載の異常監視システム。
【請求項4】
複数の装置と、前記複数の装置の異常を監視する異常監視装置とがそれぞれ監視用ラインで接続される異常監視システムであって、
前記各装置は、
前記監視用ラインを介して送受信される信号に基づいて前記異常監視装置の異常を検出する異常検出手段と、
前記異常監視装置の異常が検出されると、前記異常監視装置に異常を検出した旨の異常通知を出力する出力手段とを備え、
前記異常監視装置は、
前記監視用ラインを介して送受信される信号に基づいて前記複数の装置から異常の候補装置を検出する異常検出手段と、
前記複数の装置から出力される異常検出通知を受信する受信手段と、
前記受信手段で異常通知によって前記異常監視装置が異常でない場合、前記異常検出手段における検出の結果から、異常装置を判定する判定手段とを備えることを特徴とする異常監視システム。
【請求項5】
それぞれ監視用ラインで接続される複数の装置の異常を監視する異常監視装置であって、
監視用ラインで接続される装置から第1監視信号が送信されると、異常でない場合に前記第1監視信号に応答する第1応答信号を前記装置に送信する応答手段と、
前記第1監視信号に対する応答に基づいて前記装置から異常である旨を通知する異常通知を受信する受信手段と、
前記監視用ラインを介して前記複数の装置に第2監視信号を送信し、前記第2監視信号に対して前記複数の装置から受信する第2応答信号の有無に基づいて前記複数の装置から異常の候補装置を検出する異常検出手段と、
前記第1異常通知によって前記異常監視装置が異常でない場合、前記異常検出手段における候補装置の検出の結果から、異常装置を判定する判定手段とを備えることを特徴とする異常監視装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2008−228105(P2008−228105A)
【公開日】平成20年9月25日(2008.9.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−65784(P2007−65784)
【出願日】平成19年3月14日(2007.3.14)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】