説明

異形状物品の製造工程における搬送装置

【課題】 異形状の物品(できあがった製品ともいう。)を常に一定の方向性でかつ安定した姿勢で円滑に搬送することができる異形状物品の製造工程における搬送装置を提供する。
【解決手段】 外径の少なくとも一部を大きく窪ませたほぼ貝形の形状に成形された異形状物品Wを搬送する異形状物品の製造工程における搬送装置1であって、異形状物品Wを一個ずつ受け入れかつ該異形状物品Wの外周窪み部を移送方向と同方向に指向する姿勢で順次列状に搬送する樋状の第1の移送手段4と、この第1の移送手段4から移送された異形状物品Wを、その外周窪み部を受承して順次列状に移送する第2の移送手段5と、この第2の移送手段5上の異形状物品Wを該第2の移送手段5から一個ずつ払い出して次工程に送り出す払い出し手段7とを備えたものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、フォーチュンクッキーと称される全体形状として異形状の物品(本明細書では、単に、異形状物品と総称する。)の製造工程における搬送装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、この種の異形状物品、例えば、フォーチュンクッキーは、その形状が図6に示すように、外径の一部を大きく窪ませたほぼ貝形の形状に成形されており、主に、手作りされて、そのまま、或いは一個ずつ袋詰めに包装されて中華料理の最後に客に渡されるものである。
なお、フォーチュンクッキーの製造に関しては、主に手作りであるため、とくに特許文献としては未調査である。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、近年、上記したフォーチュンクッキーを多量に生産するために、その生産の機械化及び自動化が進んでいるが、その製造過程にあって、できあがった製品を、例えば、一個ずつ袋詰めする包装工程に搬送する場合、その物品(製品)の形状が上記したように異形であるために、一定の方向性をもたせて安定した姿勢で円滑に搬送することが難しく、その搬送工程及び包装作業に種々の問題点を惹起するものであり、一定の方向性をもたせて安定した姿勢で円滑に搬送できる手段が強く希求されていた。
そこで、本発明は、上記した問題点に鑑み、異形状の物品(できあがった製品ともいう。)を常に一定の方向性でかつ安定した姿勢で円滑に搬送することができる異形状物品の製造工程における搬送装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記した課題は、各請求項記載の発明によって解決される。
すなわち、請求項1記載の発明は、外径の少なくとも一部を大きく窪ませたほぼ貝形の形状に成形された異形状物品を搬送する異形状物品の製造工程における搬送装置であって、
異形状物品を一個ずつ受け入れかつ該異形状物品の外周窪み部を移送方向と同方向に指向する姿勢で順次列状に搬送する樋状の第1の移送手段と、
この第1の移送手段から移送された異形状物品を、その外周窪み部を受承して順次列状に移送する第2の移送手段と、
この第2の移送手段上の異形状物品を該第2の移送手段から一個ずつ払い出して次工程に送り出す払い出し手段とを備えてなることを要旨とする。
【0005】
この発明にあっては、製造工程において成形された異形状物品(できあがった製品)を次工程の例えば、包装工程に搬送(移送)するに際し、樋状の第1の移送手段により異形状物品の外周窪み部を移送方向と同方向に指向する姿勢で順次列状に搬送し、ついで、第2の移送手段により第1の移送手段からの異形状物品を、その外周窪み部を受承して順次列状に移送し、払い出し手段により第2の移送手段から異形状物品を払い出して次工程の、例えば、包装工程に送り出すことができ、その異形状物品を常に一定の方向性でかつ安定した姿勢で円滑に搬送するものである。
【0006】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の異形状物品の製造工程における搬送装置であって、
前記第1及び第2の移送手段は、それぞれ斜状に設置されて異形状物品を自由落下状態で移送される、ことを要旨とする。
【0007】
この発明にあっては、第1及び第2の移送手段における外部からの二次的手段を要することなく、異形状物品を一定の方向性でかつ安定した姿勢で円滑に搬送するものである。
【0008】
請求項3記載の発明は、請求項1または2記載の異形状物品の製造工程における搬送装置であって、前記第1の移送手段は、異形状物品を受け入れる移送受け入れ幅を、該異形状物品の外周窪み部が移送方向と同方向に指向する姿勢状態の横幅とほぼ等しく設定し、該第1の移送手段には振動手段を付設し、第1の移送手段に対し、その移送受け入れ幅内に異形状物品を外周窪み部が移送方向と同方向に指向する姿勢に整列されるように微振動を付与するように構成されていることを要旨とする。
【0009】
この発明によれば、第1の搬送手段における異形状物品の一定の方向性でかつ安定した搬送姿勢を自動的に得るとともに、第2の移送手段に対する移送受け渡しをその搬送姿勢の状態を確保しながら円滑になし得ることものである。
【0010】
請求項4記載の発明は、請求項1または2記載の異形状物品の製造工程における搬送装置であって、前記第2の移送手段は、異形状物品の外周窪み部を線状態で支持するように少なくとも一の板状体から形成し、前記異形状物品が該板状体を支点とするシーソー状態で受承して移送されることを要旨とする。
【0011】
この発明によれば、第2の移送手段における異形状物品の一定の方向性でかつ安定した搬送姿勢を確保しながら円滑に搬送し得る。
【0012】
請求項5記載の発明は、請求項1記載の異形状物品の製造工程における搬送装置であって、前記払い出し手段の払い出し動作間隔を次工程からの供給指示動作に調時して動作するように設定されていることを要旨とする。
【0013】
この発明によれば、払い出し手段により一定の方向性でかつ安定した姿勢で列状に移送される異形状物品を次工程の、例えば、包装工程の動作に対応して一個ずつ送り出すものである。
【0014】
請求項6記載の発明は、外径の少なくとも一部を大きく窪ませたほぼ貝形の形状に成形された異形状物品を搬送する異形状物品の製造工程における搬送装置であって、
異形状物品を複数個ずつ受け入れて移送する第5の移送手段と、
該第5の移送手段から一列状に受け入れて異形状物品の外周窪み部を移送方向と同方向に指向する姿勢で順次列状に搬送する樋状の第6の移送手段と、
この第6の移送手段から移送された異形状物品を、その外周窪み部を受承して順次列状に積極駆動して移送する第7の移送手段と、
この第7の移送手段上の異形状物品を該第7の移送手段から一個ずつ払い出して次工程に送り出す払い出し手段とを備えてなることを要旨とする。
【0015】
請求項7記載の発明は、請求項6記載の異形状物品の製造工程における搬送装置であって、前記第7の移送手段を所定の厚みを有する一枚の帯板状体から無端状の楕円形状に形成し、該帯板状体を積極的に循環回動する構成としたこととを要旨とする。
【発明の効果】
【0016】
請求項1記載の発明は、異形状物品を常に一定の方向性でかつ安定した姿勢で円滑に搬送することができる。
【0017】
請求項2記載の発明は、第1及び第2の移送手段における外部からの二次的手段を要することなく、異形状物品を一定の方向性でかつ安定した姿勢で円滑に搬送することができる。
【0018】
請求項3記載の発明は、第1の搬送手段における異形状物品の一定の方向性でかつ安定した搬送姿勢を自動的に得るとともに、第2の移送手段に対する移送受け渡しをその搬送姿勢の状態を確保しながら円滑になし得ることができる。
【0019】
請求項4記載の発明は、第2の移送手段における異形状物品の一定の方向性でかつ安定した搬送姿勢を確保しながら円滑に搬送することができる。
【0020】
請求項5記載の発明は、払い出し手段により一定の方向性でかつ安定した姿勢で列状に移送される異形状物品を次工程の、例えば、包装工程の動作に対応して一個ずつ送り出すことができる。
【0021】
請求項6記載の発明は、請求項1と同様に、異形状物品を常に一定の方向性でかつ安定した姿勢で円滑に搬送することができる。
【0022】
請求項7記載の発明は、異形状物品を常に一定の方向性でかつ安定した姿勢で円滑にかつ短時間にz搬送することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
次に、本発明を実施するための最良の形態について、実施例にしたがって説明する。
【実施例】
【0024】
まず、第1の実施例を図1〜図9にしたがって説明する。
本例の搬送装置1は、図6に示すように、外径の一部をその中心部に至り大きく窪ませ窪み部W1を備えたほぼ貝形の形状に成形された、例えば、フォーチュンクッキー等の異形状物品Wの製造工程(図示しない)と該異形状物品Wを一個ずつ包装する包装工程(図示しない)との間に設置されるものであり、大別すると、製造工程により成形された製品となる多数個の異形状物品Wを、ランダム状態で山状に載置する製品供給受け台2と、該製品供給受け台2からの異形状物品Wを受けて移送する補助移送手段3と、該補助移送手段3から移送された異形状物品Wを受けて移送する第1の移送手段4と、該第1の移送手段4から移送された異形状物品Wを受けて移送する第2の移送手段5と、この第2の移送手段5上の異形状物品Wを一個ずつ確認する払い出しの確認手段6と、同じく第2の移送手段6上の異形状物品Wを一個ずつ払い出して次工程の例えば、包装工程のコンベヤ等の移送手段8に送り出す払い出し手段7とから構成されている。
【0025】
前記製品供給受け台2は、受け皿状に形成されていて第1の基台9上に対して一方向への回転可能に装設されており、その外周の一部には山状に載置される異形状物品Wを一個ずつ排出する排出口2aが形成されている。
なお、この製品供給受け台2の外周の一部に対向する部位には、その回転方向に沿う接線方向に向って断面ほぼコ字状の排出樋10が該製品供給受け台2の回転を阻害しないようにかつ排出口2aと連通可能に斜状に配設され、この排出樋10は、製品供給受け台2の回転中において移出口2aと連通したときに該製品供給受け台2に載置されている異形状物品Wを一個ずつ受け入れるように構成されている。この排出樋10の通路幅(受け入れ幅)は、異形状物品Wの外周窪み部W1が移送方向と同方向に指向する姿勢状態の横幅Whとほぼ等しく設定されている。
【0026】
前記補助移送手段3は、断面ほぼ半円の樋状に形成され、その受け入れ側の端部が前記排出樋10の排出側端部の下方に対向するように前記第1の基台9に対して支持アーム11を介して斜状に配設されていて、排出樋10からの異形状物品Wを受け入れて自由落下状態で移送し得るように構成されている。
なお、補助移送手段3における通路幅(受け入れ幅)は異形状物品Wの外周窪み部W1が移送方向と同方向に指向する姿勢状態の横幅Whより若干大きく設定されていて、その円弧状部のほぼ中間部位で異形状物品Wの外周窪み部W1が移送方向と同方向に指向する姿勢で該異形状物品Wを保持して移送し得るように構成されている。
【0027】
前記第1の移送手段4は、断面ほぼ半円の樋状に形成され、その受け入れ側の端部が前記補助移送手段3の排出側端部の下方に対向するように第2の基台12に対してほぼY字状の支持アーム13を介して斜状に配設されていて、補助移送手段3からの異形状物品Wを受け入れて自由落下状態で移送し得るように構成されている。なお、第1の移送手段4における通路幅(受け入れ幅)は異形状物品Wの外周窪み部W1が移送方向と同方向に指向する姿勢状態の横幅Whとほぼ等しく設定されていて、その円弧状部のほぼ上部部位で異形状物品Wの外周窪み部W1が移送方向と同方向に指向する姿勢で該異形状物品Wを保持して移送し得るように構成されている。
【0028】
また、前記第1の移送手段4の一部には、所望の振動装置14が付設されていて、該第1の移送手段4に対してその全体に微振動が付与されるように構成されている。これによって、第1の移送手段4は、その円弧状部のほぼ上部部位で異形状物品Wの外周窪み部W1が移送方向と同方向に指向する姿勢で該異形状物品Wを保持して移送し得るように、自動的にその姿勢及び方向性が補正されて列状でかつ整列された状態となる。
【0029】
前記第2の移送手段5は、所定の厚みを有する一枚の板状体5aから形成され、その受け入れ側の端部が前記第1の移送手段4の排出側端部の下部中央位置に対向するように第2の基台12に対して支持アーム115を介して斜状に配設されていて、第1の移送手段4からの異形状物品Wを受け入れるとともに、該異形状物品Wの外周窪み部W1を線状態で支持するように、異形状物品Wが板状体5aを支点とするシーソー状態で受承されて自由落下状態で移送し得るように構成されている。なお、第2の移送手段5の傾斜角度は、前記第1の移送手段4の傾斜角度より大きく設定されている。
【0030】
前記払い出し用の確認手段6は、所定の間隔おいて対向された対の円板16、16と、該円板16、16の相対向するほぼ外周縁部間に等間隔で架設された複数本の間隔保持軸17〜17と、前記円板16、16の相対向するほぼ外周縁部間において各間隔保持軸17〜17の外側に沿って弾装された引張りばね材からなる複数本の当接部材18〜18とを主体として構成されており、当接部材18が前記第2の移送手段5の移送方向後端側における上部側において、該第2の移送手段5の移送方向と直交する方向に位置されるとともに、前記第2の基台12に対しブラケット19を介してその円板16の回転軸20が回転可能に支承され、該回転軸20が同じくブラケット19に支持されたサーボモータ等の第1の駆動装置21と連結されている。なお、各当接部材18〜18は、異形状物品Wの厚みWhlより広く設定されている。
【0031】
しかして、前記払い出し用の確認手段6は、後述する払い出し手段7の第2の駆動装置22と同期して駆動されるように設定された第1の駆動装置21による全体の回転動作によりその各当接部材18の間に第2の移送手段5上の異形状物品Wを位置してその各間隔を予め調整するように構成されている。
【0032】
前記払い出し手段7は、前記確認手段6と同様に構成されている。すなわち、所定の間隔おいて対向された対の円板16、16と、該円板16、16の相対向するほぼ外周縁部間に等間隔で架設された複数本の間隔保持軸17〜17と、前記円板16、16の相対向するほぼ外周縁部間において各間隔保持軸17〜17の外側に沿って弾装された引張りばね材からなる複数本の当接部材18〜18とを主体として構成されており、前記第2の移送手段5における前記確認装置6の後方において、当接部材18が該第2の移送手段5の移送方向と直交する方向に上部に位置されるとともに、前記第2の基台12に対しブラケット19を介してその円板16の回転軸20が回転可能に支承され、該回転軸20が同じくブラケット19に支持されたサーボモータ等の第2の駆動装置22と連結されている。なお、各当接部材18〜18は、前述の払い出し用の確認手段6と同様に異形状物品Wの厚みWhlより広く設定されている。
【0033】
しかして、前記払い出し手段7は、後述する次工程、例えば、包装工程における移送手段8の動作に同期して駆動するように設定された第2の駆動装置22による全体の回転動作によりその各当接部材18の間に前記確認手段6から一個ずつ移送された異形状物品Wを位置させながら該異形状物品Wを第2の移送手段5上から一個ずつ順次押し出し状に払い出して次工程の例えば、包装工程のコンベヤ等の移送手段8に送り出すように構成されている。
【0034】
なお、前記確認手段6及び払い出し手段7の回転動作を次工程からの供給指示動作、すなわち、次工程、例えば、包装工程における移送手段8の動作に対応するように設定されていて、その動作タイミングが同期するように調時されている。
【0035】
また、前記次工程の例えば、包装工程のコンベヤ等の移送手段8は、払い出し手段7からの異形状物品Wの移送姿勢及びその方向性を保持して一個ずつ移送するように、該異形状物品Wの外周窪み部W1が位置される案内突部8aが所定の間隔で突設されていて、払い出し手段7から払い出された異形状物品における外周窪み部W1がその案内突部8aに位置されるように構成されている。
【0036】
さて、本実施例は上述のように構成されたものであり、製品供給受け台2上の多数個の製品である異形状物品Wがランダム状で載置された状態において、該製品供給受け台2を駆動装置(図示しない)により回転すると、その回転動作に伴って該異形状物品Wが一個ずつ排出口2aから傾斜状態の排出樋10に移送される。
この場合、排出樋10内における異形状物品Wは、少なくともその外周窪み部W1の方向性(外周窪み部W1の向き)は一定に定まらないがその側面が排出樋10の通路底面に面した、いわゆる横に寝かせた状態でかつ自由落下状態で排出移送されるものである。(図7参照)
【0037】
ついで、前記排出樋10により自由落下状態で排出移送される異形状物品Wは、該排出樋10から補助移送手段3に移送され、この補助移送手段3から第1の移送手段4にと自由落下状態で移送される。この場合、補助移送手段3における異形状物品Wは、該補助移送手段3における通路幅(受け入れ幅)を異形状物品Wの外周窪み部W1が移送方向と同方向に指向する姿勢状態の横幅Whより若干大きく設定しているので、その通路の円弧状部のほぼ中間部位でその外径部位が案内保持されながら前述の横に寝かせされた状態でかつその外周窪み部W2が移送方向と同方向か或いは逆方向に指向するような待機姿勢で移送される。(図8参照)
【0038】
続いて、第1の移送手段4により自由落下状態で移送される異形状物品Wは、該第1の移送手段4から第2の移送手段5に自由落下状態で移送される。この場合、第1の移送手段4における異形状物品Wは、該第1の移送手段4における通路幅(受け入れ幅)を異形状物品Wの外周窪み部W1が移送方向と同方向に指向する姿勢状態の横幅Whとほぼ等しく設定されていることと、該第1の移送手段4に対し振動装置14により微振動が付与されていることとにより、その通路の円弧状部のほぼ上部部位でその外径を案内保持されながら、その外周窪み部W2が移送方向と同方向あるいは逆方向に指向する姿勢に順次補正されて列状でかつ整列された状態で移送される。(図9参照)
【0039】
そして、異形状物品Wが第1の移送手段4から第2の移送手段5に落下状態で受け渡される際に、図6に示すように、該異形状物品Wは、第1の移送手段4において全体として寝かせた状態でかつその外周窪み部W2が移送方向と同方向あるいは逆方向に指向する姿勢のいずれの状態にあっても同姿勢から該外周窪み部W1が下方に指向した起立姿勢に回動され、その姿勢のまま該外周窪み部W2が第2の移送手段5における一枚の板状体5aで受承される。すなわち、異形状物品Wは第2の移送手段5によりその外周窪み部W1と第2の移送手段5との接触部位を支点とするシーソー状(やじろべー状態ともいう。)で受承されながら列状で順次払い出し用の確認手段6側に移送される。
【0040】
ついで、第2の移送手段5上の異形状物品Wは、払い出し用の確認手段6により受けられるとともに、その各移送間隔が予め調整される。すなわち、払い出し用の確認手段6は、払い出し手段7の第と同期して駆動される第1の駆動装置21により回転動作され、その各当接部材18の間に第2の移送手段5上の異形状物品Wを順次位置さながらその各間隔を予め調整して該異形状物品Wを次の払い出し手段7側に移送する。
【0041】
そして、前記払い出し用の確認手段6から一個ずつ移送された異形状物品Wは、払い出し手段7により受けられるとともに、次工程である、例えば、包装工程における移送手段8上に一個ずつ払い出し移送される。すなわち、払い出し手段7の動作に同期して駆動される第2の駆動装置22により回転動作され、その各当接部材18の間に前記確認手段6から一個ずつ移送された異形状物品Wを位置させながら該異形状物品Wを第2の移送手段5上から次工程の例えば、包装工程のコンベヤ等の移送手段8上に一個ずつ順次押し出し状に払い出して移送する。
【0042】
この次工程の例えば、包装工程のコンベヤ等の移送手段8上への異形状物品Wの移送姿勢は、前記確認手段6及び払い出し手段7の回転動作が次工程からの供給指示動作、すなわち、次工程の例えば、包装工程における移送手段8の動作に対応するように設定されてその動作タイミングが同期するように調時されているため、該移送手段8上に所定の間隔で突設された各案内突部8aに横に寝かせされた状態でかつその外周窪み部W1が移送方向と同方向に指向する姿勢の各異形状物品Wの外周窪み部W1が位置され、払い出し手段7からの異形状物品Wの移送姿勢及びその方向性を保持して一個ずつ移送されるものである。
【0043】
以上のようにして、製品供給受け台2上の各異形状物品Wを横に寝かせされた状態でかつその外周窪み部W1が移送方向と同方向に指向する姿勢で一個ずつ包装工程に連続して移送することができるものである。すなわち、異形状物品Wを常に一定の方向性でかつ安定した姿勢で円滑に搬送することができ、該包装工程における包装作業の円滑化及び作業性の良化向上を図ることができる。
【0044】
なお、本実施例においては、異形状物品Wの形態を、フォーチュンクッキーの形態を例示して説明したが、これに限定するもではなく、物品の外径の一部に形成した外周窪み部を備えた物品あれば、簡単に対応することができる。
【0045】
次に、第2の実施例を図10〜図22にしたがって説明する。
本例の搬送装置1は、第1の実施例と同様に、図6に示すように、外径の一部をその中心部に至り大きく窪ませ窪み部W1を備えたほぼ貝形の形状に成形された、例えば、フォーチュンクッキー等の異形状物品Wの製造工程(図示しない)と該異形状物品Wを一個ずつ包装する包装工程(図示しない)との間に設置されるものであり、大別すると、製造工程により成形された製品となる多数個の異形状物品Wを、ランダム状態で山状に載置する製品供給受け台31と、該製品供給受け台31からの異形状物品Wを受けて移送する第5の移送手段32と、該第5の移送手段32から移送された異形状物品Wを受けて移送する第6の移送手段33と、該第6の移送手段33から移送された異形状物品Wを受けて移送する第7の移送手段34と、この第7の移送手段34上の異形状物品Wを一個ずつ払い出して次工程の例えば、包装工程のコンベヤ等の移送手段35に送り出すための払い出し手段36とから構成されている。
【0046】
前記製品供給受け台31は、基台37に設置されるとともに、上方を開放されたほぼ箱形の受け皿状に形成されていて、その一側面側には幅寸法の全域を開放した排出口31aが形成され、該排出口31aには後述する第5の移送手段32に指向された上方及び両端部を開口した箱状のシュート31bが下傾状態で取付けられている。
【0047】
前記第5の移送手段32は、前記基台37と対設された基台38に対し上下方向の斜状に配設された無端帯状の搬送コンベア39と、該搬送コンベア39の両側部に配設され前記基台38に取付けられた側板40とから構成されている。この搬送コンベア39は、駆動モータ41により循環回動されるとともに、その表面に該帯状部の幅方向に沿って多数列の受け入れ凹所39aを形成するように多数個の突条39bが形成されている。そして、該搬送コンベア39はその斜状部のほぼ下位が前記製品供給受け台31の排出口31aに連通されたシュート31bの先端部に対向されている。
しかして、第5の移送手段32はその搬送コンベア39の各突条39bで区画された各空所39aに多数個の異形状物品Wを列状に受け入れてその循環回動により順次上方に移送して次の第6の移送手段33に払い出すように構成されている。
【0048】
前記第6の移送手段33は、断面ほぼ半円の樋状に形成されており、全体として前記第5の移送手段32に上端部下方に対してその移送方向と直交する方向に枠体42を介して配置されている。そして、第6の移送手段33は、その一方側が受け入れ側として前記第5の移送手段32における搬送コンベア39の上端部下方に対向位置されかつ他方側が払い出し側として後述する第7の移送手段34側に延出されている。
また、前記第6の移送手段33は、全体として払い出し側を低位とする下傾状態として
搬送コンベア39からの異形状物品Wを受け入れて自由落下状態で移送し得るように構成されている。
なお、第6の移送手段33における通路幅(受け入れ幅)は異形状物品Wの外周窪み部W1が移送方向と同方向に指向する姿勢状態の横幅Whより若干大きく設定されていて、その円弧状部のほぼ中間部位で異形状物品Wの外周窪み部W1が移送方向と同方向に指向する姿勢で該異形状物品Wを保持して移送し得るように構成されている。
【0049】
また、前記第6の移送手段33の所定部位には、図16に示すように、エアーの吹き出し手段42及びバイブレータ手段43が設けらており、第7の移送手段34における異形状物品Wの移送状態に対応してその払い出しの調整を制御するように構成されている。
【0050】
前記第7の移送手段34は、所定の厚みを有する一枚の帯板状体34aから無端状の楕円形状に形成され、基台44上に対しその受け入れ側の一方の直線部位を前記第6の移送手段33の払い出し側端部の下部中央位置に対向するように、その両円弧部位がガイドプーリー46a、46aにて循環回動可能に配設されている。そして、この第7の移送手段34は駆動モータ45により積極的に循環回動されるものであり、第6の移送手段33からの異形状物品Wを受け入れるとともに、該異形状物品Wの外周窪み部W1を線状態で支持するように、異形状物品Wが板状体34aを支点とするシーソー状態で受承されてその循環回動により積極的に移送し得るように構成されている。
【0051】
前記払い出し手段36は、外周部に多数個(図では5個の場合を示す。)の受け爪46を形成した払い出し円盤47を主体として構成され、該払い出し円盤47が前記第7の移送手段34の帯板状体34aの一方の直線部位における払い出し側に近接対面して回転可能に設けられるとともに、駆動モータ(図示しない)により積極的に回転駆動されるように構成されている。しかして、この払い出し手段36における払い出し円盤47は、前記第7の移送手段34における帯板状体34aの異形状物品Wをその各受け取り爪46よってその外周窪み部W1に位置させて掬い取るように帯板状体34aから受け取り、包装工程のコンベヤ等の移送手段35に送り出すように構成されている。
まお、各受け取り爪46の回転方向と反対先端縁は、当該異形状物品Wを掬い取った受け取り爪46次の異形状物品Wに当接しないように所定の逃がし面36aが形成されており、受け取り爪46の回転方向側の端面は円滑な掬い動作を得るために所定の角度傾斜されている。
【0052】
前記第7の移送手段34における帯板状体34aの払い出し側において、図22に示すように、その上面の若干上方から前記払い出し手段36の払い出し円盤47の外周一部に沿って所定の間隔をおいてほぼ横L字条の飛び出し防止のガイド板48が配設され、前記第7の移送手段34における帯板状体34a上の異形状物品Wの飛び出し及び前記払い出し手段36における払い出し円盤47の各受け取り爪46よって掬い取られた異形状物品Wの飛び出しを未然に防止するように構成されている。
【0053】
前記包装工程のコンベヤ等の移送手段35と前記払い出し手段36との間には、板状の下部ガイド板49及び該下部ガイド板39と所定の間隔おおいて配置された2本のレール状の上部ガイド板50がそれぞれ配設されており、また、この上部ガイド板49aの上部に前記払い出し手段36における払い出し円盤47の各受け取り爪46よって掬い取られた異形状物品Wを該各受け取り爪46から払い出す無端ベルト上の搬送コンベア50が循環回動可能に装設され、この搬送コンベア50には前記払い出し円盤47の各受け取り爪46の間隔と等しい間隔で多数個の送り爪51が突設されている。
しかして、搬送コンベア50の各送り爪51は前記払い出し手段36における払い出し円盤47の各受け取り爪46よって掬い取られた異形状物品Wを該各受け取り爪46から払い出すとともに、下部ガイド板49と上部ガイド板49aとの間において前記移送手段35に払い出すように構成されている。
【0054】
前記包装工程のコンベヤ等の移送手段35は、その表面に足す個の送り爪52が形出されており、循環回動される移送手段35において、その送り爪52によって下部ガイド板49と上部ガイド板40との間を移送される異形状物品Wを順次受け取り包装工程、すなわち包装装置に払い出すように構成されている。
なお、この移送手段35の送り爪52、搬送コンベア50の送り爪51、払い出し円盤47の各受け取り爪46は、その各受け渡し動作に対応してそれぞれ同期されるように設定されている。
【0055】
なお、前記第7の移送手段34の帯板状体34aの払い出し部位側には、異形状物品Wを該第7の移送手段34の帯板状体34a上にストックするためのストッパー53がその帯板状体34a上方の移送軌跡に出入り可能に配設されている。
【0056】
さて、本実施例は上述のように構成されたものであり、製品供給受け台31上の多数個の製品である異形状物品Wがランダム状で載置された状態において、該製品供給受け台31内の異形状物品Wが多数個排出口2aからシュート31bを介して第5の移送手段32に払い出される。この第5の移送手段32はその搬送コンベア39の各突条39bで区画された各空所39aに多数個の異形状物品Wを列状に受け入れてその循環回動により順次上方に移送して次の第6の移送手段33に払い出すものである。(図14、15参照)
【0057】
ついで、第5の移送手段32により上方に移送された異形状物品Wは、該第5の移送手段32から一列ずつ第6の移送手段33に移送される。この場合、第6の移送手段33における異形状物品Wは、該第6の移送手段33における通路幅(受け入れ幅)を異形状物品Wの外周窪み部W1が移送方向と同方向に指向する姿勢状態の横幅Whより若干大きく設定しているので、その通路の円弧状部のほぼ中間部位でその外径部位が案内保持されながら前述の横に寝かせされた状態でかつその外周窪み部W2が移送方向と同方向か或いは逆方向に指向するような待機姿勢で移送される。(図15b及び16、17参照)
【0058】
続いて、第6の移送手段33により移送される異形状物品Wは、この第7の移送手段34はに受け取られる。該第7の移送手段34は。駆動モータ45により積極的に循環回動されるものであり、第6の移送手段33からの異形状物品Wを受け入れるとともに、該異形状物品Wの外周窪み部W1を線状態で支持するように、異形状物品Wが板状体34aを支点とするシーソー状態で受承されてその循環回動により積極的に移送される。すなわち、異形状物品Wは第7の移送手段34によりその外周窪み部W1と第7の移送手段34との接触部位を支点とするシーソー状(やじろべー状態ともいう。)で受承されながら所定の間隔の列状で順次払い出し手段36側に移送される。(図16、17参照)
【0059】
そして、払い出し手段36における払い出し円盤47により、第7の移送手段34における帯板状体34aの異形状物品Wを、その各受け取り爪46よってその外周窪み部W1に位置させて掬い取るように帯板状体34aから受け取り、包装工程のコンベヤ等の移送手段35に送り出すものである。
【0060】
すなわち、搬送コンベア50の各送り爪51が前記払い出し手段36における払い出し円盤47の各受け取り爪46よって掬い取られた異形状物品Wを該各受け取り爪46から払い出すとともに、下部ガイド板49と上部ガイド板49aとの間において前記移送手段35に払い出す。
【0061】
そして、次工程の例えば、包装工程のコンベヤ等の移送手段35の送り爪52によって、下部ガイド板49と上部ガイド板49aとの間を移送される異形状物品Wを順次受け取り包装工程、すなわち包装装置に払い出すものである。
【0062】
以上のようにして、製品供給受け台2上の各異形状物品Wを横に寝かせされた状態でかつその外周窪み部W1が移送方向と同方向に指向する姿勢で一個ずつ包装工程に連続して移送することができるものである。すなわち、異形状物品Wを常に一定の方向性でかつ安定した姿勢で円滑にかつ短時間に搬送することができ、該包装工程における包装作業の円滑化及び作業性の良化向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0063】
【図1】本発明における第1の実施例の形態に係る全体を略示する正面図である。
【図2】第1及び第2の移送手段、確認手段及び払い出し手段を示す正面図である。
【図3】第1及び第2の移送手段、確認手段及び払い出し手段を示す平面図である。
【図4】図2のP矢視図である。
【図5】(a)(b)は第1の移送手段から第2の搬送手段への異形状物品の受け渡し状態を示す説明図である。
【図6】第2の搬送手段における異形状物品の移送状態を示す説明図である。
【図7】製品供給受け台から排出樋への異形状物品の移送状態を示す説明図である。
【図8】補助移送手段における異形状物品の移送状態を示す説明図である。
【図9】第1の移送における異形状物品の移送状態を示す説明図である。
【図10】本発明における第2の実施例の形態に係る全体を略示する正面図である。
【図11】同じく平面図である。
【図12】左側面図である。
【図13】製品供給受け台と第5の移送手段との関係を示す正面図である。
【図14】製品供給受け台と第5の移送手段との関係を示す平面図である。
【図15】(a)(b)は第5の移送手段から第6の搬送手段への異形状物品の受け渡し状態を示す説明図である。
【図16】第6の移送手段と第7の移送手段との関係を略示する正面図である。
【図17】第6の移送手段と第7の移送手段との関係を略示する平面図である。
【図18】第7の移送手段における異形状物品の移送状態を示す側面図である。
【図19】第7の移送手段における異形状物品の移送状態を拡大して示す説明図である。
【図20】第7の移送手段から異形状物品を包装装置側の第8の移送手段に払い出す払い出し手段を略示する平面図である。
【図21】払い出し手段の要部を示す正面図である。
【図22】払い出し手段の要部を示す拡大正面図である。
【符号の説明】
【0064】
2 製品供給受け台
3 補助移送手段
4 第1の移送手段
5 第2の移送手段
7 払い出し手段
8 移送手段
W 異形状物品
W1 外周窪み部



【特許請求の範囲】
【請求項1】
外径の少なくとも一部を大きく窪ませたほぼ貝形の形状に成形された異形状物品を搬送する異形状物品の製造工程における搬送装置であって、
異形状物品を一個ずつ受け入れかつ該異形状物品の外周窪み部を移送方向と同方向に指向する姿勢で順次列状に搬送する樋状の第1の移送手段と、
この第1の移送手段から移送された異形状物品を、その外周窪み部を受承して順次列状に移送する第2の移送手段と、
この第2の移送手段上の異形状物品を該第2の移送手段から一個ずつ払い出して次工程に送り出す払い出し手段とを備えてなる、
ことを特徴とする異形状物品の製造工程における搬送装置。
【請求項2】
請求項1記載の異形状物品の製造工程における搬送装置であって、
前記第1及び第2の移送手段は、それぞれ斜状に設置されて異形状物品を自由落下状態で移送されることを特徴とする異形状物品の製造工程における搬送装置。
【請求項3】
請求項1または2記載の異形状物品の製造工程における搬送装置であって、
前記第1の移送手段は、異形状物品を受け入れる移送受け入れ幅を、該異形状物品の外周窪み部が移送方向と同方向に指向する姿勢状態の横幅とほぼ等しく設定し、
該第1の移送手段には振動手段を付設し、
第1の移送手段に対し、その移送受け入れ幅内に異形状物品を外周窪み部が移送方向と同方向に指向する姿勢に整列されるように微振動を付与するように構成されている、
ことを特徴とする異形状物品の製造工程における搬送装置。
【請求項4】
請求項1または2記載の異形状物品の製造工程における搬送装置であって、
前記第2の移送手段は、異形状物品の外周窪み部を線状態で支持するように少なくとも一の板状体から形成し、
前記異形状物品が該板状体を支点とするシーソー状態で受承して移送される、
ことを特徴とする異形状物品の製造工程における搬送装置。
【請求項5】
請求項1記載の異形状物品の製造工程における搬送装置であって、
前記払い出し手段の払い出し動作間隔を次工程からの供給指示動作に調時して動作するように設定されている、
ことを特徴とする異形状物品の製造工程における搬送装置。
【請求項6】
外径の少なくとも一部を大きく窪ませたほぼ貝形の形状に成形された異形状物品を搬送する異形状物品の製造工程における搬送装置であって、
異形状物品を複数個ずつ受け入れて移送する第5の移送手段と、
該第5の移送手段から一列状に受け入れて異形状物品の外周窪み部を移送方向と同方向に指向する姿勢で順次列状に搬送する樋状の第6の移送手段と、
この第6の移送手段から移送された異形状物品を、その外周窪み部を受承して順次列状に積極駆動して移送する第7の移送手段と、
この第7の移送手段上の異形状物品を該第7の移送手段から一個ずつ払い出して次工程に送り出す払い出し手段とを備えてなる、
ことを特徴とする異形状物品の製造工程における搬送装置。
【請求項7】
請求項6記載の異形状物品の製造工程における搬送装置であって、前記第7の移送手段を所定の厚みを有する一枚の帯板状体から無端状の楕円形状に形成し、該帯板状体を積極的に循環回動する構成とした、
ことを特徴とする異形状物品の製造工程における搬送装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【公開番号】特開2006−264982(P2006−264982A)
【公開日】平成18年10月5日(2006.10.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−53179(P2006−53179)
【出願日】平成18年2月28日(2006.2.28)
【出願人】(593008748)株式会社豊製作所 (4)
【Fターム(参考)】