異物検査装置
【課題】本発明は、試料、特に食品の製造、検査の過程で、食品に混入した異物を高速かつ高精度に検出することができる異物検査装置を提供することを目的とする。
【解決手段】上記課題を解決するために、連続的に試料を移送する搬送手段と、ストロボ光源と、該ストロボ光源からの光を反射して試料の表面や裏面を間接的に照射する反射板と、ストロボ光源の発光と同期して試料を撮影する撮影手段とを備え、上記撮影手段は、試料からの反射光の波長帯域を少なくとも2つ以上に分けて撮影するものであり、それぞれの画像または差分画像から組み合わせて画像を生成し、異物を強調するようにしたものである。
【解決手段】上記課題を解決するために、連続的に試料を移送する搬送手段と、ストロボ光源と、該ストロボ光源からの光を反射して試料の表面や裏面を間接的に照射する反射板と、ストロボ光源の発光と同期して試料を撮影する撮影手段とを備え、上記撮影手段は、試料からの反射光の波長帯域を少なくとも2つ以上に分けて撮影するものであり、それぞれの画像または差分画像から組み合わせて画像を生成し、異物を強調するようにしたものである。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、試料の製造、検査の過程において、混入した異物の検査装置に関し、特に、食品の製造、検査の過程で食品に混入した異物の高速かつ高精度な検出を可能にする異物検査装置に関する。
【背景技術】
【0002】
試料、特に、食品の製造過程や検査過程において、金属、石、ガラス、毛髪、虫等の異物が混入するケースがあり、食品衛生上の問題となっている。このため、近年では多くの食品製造メーカが金属検査機やX検査装置を採用し、食品の製造過程において食品に混入した金属、石、ガラスの除去作業を行っている。しかしながら、上記の検査装置では毛髪や虫等の検出が非常に困難であるため、現状は作業員による目視検査に頼らざるを得ず、検査コストの増大や見逃しが問題となっている。
【0003】
そこで、このような問題を解決すべく、いくつかの異物の検査方法が提案されている。製造過程で例えばベルトコンベア上を流れる食品にLEDや蛍光灯の光源を当て、異物を検知する異物検査方法が提案されている。この場合、髪の毛のような細い異物が移動すると、撮影時に画像が流れて検出感度が悪くなり、検出が困難になるという問題があった。
【0004】
また、食品に広帯域光を照射し、可視光、近赤外光、中近赤外光の透過光画像を形成し、それぞれの画像について2値化処理し、いずれかの画像でパターンが発見された場合に、異物として検出する方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。しかし、このような2値化処理では、照明条件が変動した場合、二値化処理が正常に機能せず、検出困難になるといった問題がある。
【0005】
また、食品と異物の可視−近赤外の吸収スペクトルを測定し、食品と異物の2次微分スペクトルを計算し、両者の間で差異のある波長を特定し、その特定波長を利用した2次微分画像を生成し、異物を検出する方法が提案されている(例えば、特許文献2参照)。しかし、このような方法では、検査対象の食品が変わる度に食品と異物の吸収スペクトルを測定し、差異のある波長を特定する作業が発生すため、手間とコストがかかるといった問題がある。
【0006】
また、製造、検査過程で例えばベルトコンベア上を高速で流れている食品を検査する場合、検査対象とする領域の面積が大きくなり、可視光以外の光の撮影は現実的には困難であり、上記の方法を異物検査装置として実現するには困難がともなうと予想される。
【0007】
【特許文献1】特開2001−99783号公報
【特許文献2】特開2004−301690号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
食品の製造、検査過程において、例えばベルトコンベア上を流れる食品に混入した異物を検出する場合、多量の食品をいかに高速でかつ誤検知のない検査をするかが重要である。
【0009】
そのためには、食品の搬送速度を上げた上で、食品のすべてを検査するように検査対象領域を広くし、撮影した画像から異物を検出する画像処理速度を上げる必要がある。しかし、食品の搬送速度が速くなると画像が流れ、検査対象領域を広くすると撮影機の分解能が悪くなり、髪の毛のような細い物質を識別することは困難になる。
【0010】
本発明は、試料、特に食品の製造、検査の過程で、食品に混入した異物を高速かつ高精度に検出することができる異物検査装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記課題を解決するために、本発明の実施態様は、連続的に試料を移送する搬送手段と、ストロボ光源と、該ストロボ光源からの光を反射して試料の表面や裏面を間接的に照射する反射板と、ストロボ光源の発光と同期して試料を撮影する撮影手段とを備え、上記撮影手段は、試料からの反射光の波長帯域を少なくとも2つ以上に分けて撮影するものであり、それぞれの画像または差分画像から組み合わせて画像を生成し、異物を強調するようにしたものである。
【発明の効果】
【0012】
本発明の実施態様によれば、試料、特に食品の製造、検査の過程で、食品に混入した異物を高速かつ高精度に検出することができる異物検査装置を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
本発明の一実施態様は、光源としてXeランプなどのストロボ光を用い、短い発光時間で瞬時に測定を行うことで、画像中の異物のブレを少なくする。
【0014】
また、波長帯域ごとに分離した各画像やその差分画像を使用することにより、誤検知や検知欠落が少なくなる。さらには、画像から特異な領域を抽出し、その領域のみを検査対象とすることにより、高速な検知を行うことができる。
【0015】
本実施例では、光としてLEDや蛍光灯に比べて、発光量が1桁から2桁多いストロボ光を用いる。ストロボ光の光源は、可視領域では比較的平坦な周波数分布を持つXeランプなどを用いる。
【0016】
ストロボ光を用いることにより、短い発光時間で瞬時に測定を行うことができるため、食品が高速に移動しても、画像のブレがほとんどなくなる。また、発光量が多いためのぎらつきは、ストロボ光を食品へ直接照射するのではなく、反射板を用いて間接照明にすることで抑えることができる。
【0017】
異物の検出は、波長帯域ごとに分離した各画像や、その差分画像を用い、異物と食品の分光特性の差異から、輝度変化のある領域を抽出することで、異物を識別可能とする。
【0018】
以下、図面を用いて、本発明の一実施例を説明する。
【0019】
図1は、食品の製造過程の一部に異物検査装置を設置したシステムの構成を示す構成図である。
【0020】
図1(a)において、異物検査装置1は、食品供給装置20から供給された検査対象である試料4を検査し、検査結果に従って仕分け手段19で試料4が仕分けされる。検査の結果、試料4に異物が混入していると判定された場合には、その試料4は、トレイ21へ収納され、異物混入のない良品と区別される。
【0021】
異物検査装置1には、搬送手段2が設けられ、搬送手段2の上に重ならないように置かれた試料4が移動する間に検査のための光が照射される。搬送手段2は、例えば一定幅を持つベルトで構成されたベルトコンベアであり、モータなどの搬送駆動装置3によって駆動される。
【0022】
搬送手段2の上の試料4に光を照射するための光源ユニット5が搬送手段2を覆うように設けられ、試料4に光が照射される。
【0023】
図1(b)は、光源ユニット5の断面図であり、図1(a)中に白矢印で示した試料4が搬送される方向から見たものである。
【0024】
光源ユニット5の内部に、搬送手段2のベルトの両端に、移動方向に沿ってストロボ光源11a、11bを配置している。ストロボ光の発光量が多いためのぎらつきは、ストロボ光を食品へ直接照射するのではなく、反射板を用いて間接照明にすることで抑えるようにしている。
【0025】
ストロボ光源11a、11bの発光部はほぼ上向きに光が出るようにカバーを取付けて試料4から隠れるように設置され、光が試料4に直接当らないようにしている。反射板12は、ストロボ光源11a、11bから出た光を反射して、間接的に試料4へ照射されるようにする。
【0026】
反射板12は、試料4の搬送方向に沿った半円筒形状とし、光が試料4にできるだけ均一に当るようにしている。
【0027】
なお、試料4で反射した反射光13を撮影するときは、カメラ等の撮影手段6のレンズ10の下方に試料4がきたときなので、反射板12を試料4の撮影位置を中心とする半球形状とすれば、より多くの間接照明光を試料4へ照射することができる。
【0028】
図1(a)に戻って、反射板12の上方に撮影手段6が設けられ、レンズ10の下方の試料4を撮影する。撮影手段6もストロボ光源11a,11bの光が直接入らないような位置としている。
【0029】
撮影手段6は、レンズ10と、フィルタ9と、光を分光するためのプリズム7と、1つ以上の撮像素子8とで構成される。試料4からの反射光13は、レンズ10を経由し、プリズム7で3つの波長帯域に分光され、それぞれCCDやCMOS等の撮像素子8で受光される。
【0030】
3つの波長帯域は、主に赤(R)、緑(G)、青(B)である。分光する波長帯は、特にこのRGBにこだわらなくても、2つ以上の波長帯域に分光できれば、本発明における異物判別を行える。また、必要に応じ、レンズ10の前段にフィルタ9を設け、不要な波長を取り除いてもよい。
【0031】
撮像素子8で受光された画像は、異物検出手段16に設けられた画像間演算手段15に導かれ、それぞれの画像から特異な輝度値変化分を抽出する。その後、異物検出手段16にて、特異な輝度値変化分から異物の検出を行う。
【0032】
異物検出手段16はコンピュータであり、入力された画像データに対し、定められたプログラムに従って演算処理を行い、その結果を接続されたディスプレイ17に表示する。また、異物検出手段16には制御手段18が接続され、異物を検出した後の対象試料4を仕分けする仕分け手段19の制御を行う。
【0033】
また、制御手段18は、異物検出手段16から送信される指令データに従って、撮影手段6による撮影の制御、ストロボ光源11a、11bの発光と撮影の同期をとるための制御、搬送手段2の搬送速度と撮影タイミングの制御を行う。
【0034】
図2は、ストロボ発光と撮影のタイミングを示すタイムチャートである。タイミングの制御は、図1(a)に示した異物検出手段16から送信される指令データに従って、制御手段18により実行される。
【0035】
図2(a)において、搬送手段2により試料4は速度Vで移動しており、撮影手段6により一定の範囲、すなわち撮影エリア30a、30bを撮影するものとする。撮影幅Aは、撮影漏れをなくすために、撮影時間T=A/Vのタイミングで撮影する。
【0036】
図2(b)は、露光に必要な露光時間t1を示し、従来の場合は、LEDや蛍光灯を常時点灯しておき、必要な光量31を得るために、撮影手段6の露光時間t1を長くすることで対応していた。
【0037】
LEDや蛍光灯は光強度が低いため、露光時間t1を長くしないと異物を識別できるだけの光量31が得られない。しかし、露光時間t1を長くすると、異物が流れた状態の画像となってしまう可能性があり、調整が困難であった。
【0038】
図3は、露光時間を変えて髪の毛を撮影したときの画像の例を示す図であり、図3(a)は、従来のLEDや蛍光灯を常時点灯しておき、露光時間t1を長くしたときの例、図3(b)は、本発明のストロボ光を用いた例である。
【0039】
図3(a)に示すように、髪の毛などの線状異物35は画像が流れて、異物像36は、速度Vと露光時間t1の積で求められる長さに引き伸ばされた形状になる。そして、広がった面積分の輝度が低下し、撮影感度が極端に悪くなる欠点がある。
【0040】
例えば、線状異物35の幅が50μm、移動速度Vが200mm/s、露光時間t1が1msとすると、引き延ばされた長さV・t1は200μmとなり、元の幅50μmの4倍に広がる。
【0041】
そして、輝度値は4分の1に低下し、形状が崩れるので、異物の識別が困難になってしまう。髪の毛のように細い異物や、小さい異物ほどこの影響が大きくなり、しかも、移動速度Vが大きくなるにつれて輝度値の低下が大きくなるので、従来の方式では、異物の検出がほとんどできなくなる。
【0042】
また、光量を得るためにレンズ10の絞りを大きくすると、光量は増えるが焦点深度が浅くなるため、撮影エリア全体の焦点を合せることが困難になり、光量と焦点深度のバランスをとるのが困難であった。
【0043】
本発明の実施例では、光源として、発光輝度がLEDや蛍光灯に比べ1桁から2桁大きいストロボ光源を用いた。
【0044】
例えば、Xeストロボ光源は、波長帯域が300から900nmの可視光範囲で比較的平坦な特性を持つ。図2(a)に示した撮影エリア30a,30bを撮影するために、従来と同じく、撮影時間T=A/Vのタイミングで撮影する。
【0045】
一方、図2(c)に示すように、ストロボを、発光時間t2と、周期T=A/Vで発光させ、光量32を得る。ストロボ光源は、発光輝度がLEDや蛍光灯に比べ1桁から2桁大きいので、図2(b)に示す露光時間t1は、少なくともストロボの発光時間t2より長ければ撮影可能であるので任意の値でよく、上限は撮影エリアの撮影幅Aである。
【0046】
ストロボは輝度強度が大きいため、発光時間を従来のLEDや蛍光灯などの光源に比べ、1桁から2桁小さくできる。そのため、図3(b)示すように、髪の毛などの線状異物35は、画像がほとんど流れず、原形の異物の形状に近い異物像37になる。
【0047】
したがって、輝度低下が少なく、異物検出の感度が悪くなることはない。例えば、異物の幅が50μm、移動速度Vが200mm/s、発光時間t2が0.05msとすると、引き延ばされた長さV・t2は10μmとなり、元の異物のたかだか1.2倍の幅の広がりに抑えられている。
【0048】
このように、輝度も落ちず、形状も変わらないので、髪の毛のような細い異物、小さい異物を、移動速度が速くても検出することができる。また、輝度が高いことから反射光の光量が大きく、レンズ10の絞りを絞って焦点深度を深くすることができるため、撮影エリア全体の焦点がぼけることも防止できる。さらに、瞬時に高輝度で撮影するため、振動や、外から進入する光などの外乱の影響も受けにくいという利点がある。
【0049】
ストロボ光源は光量が大きいので、試料に直接照射すると試料の表面にテカリやぎらつきが発生し、本来の試料や異物の正しい分光反射が得られないことがある。そのため、反射板12を設け、反射板12で反射した照明光を試料4に間接的に照射する方法を取る。
【0050】
また、試料4の影は撮影像として、異物と認識したりするので、できるだけ影をなくすために照明光が試料4に各方向からできるだけ均一に当たるように、反射板12を半円筒形状や半球形状とすることが望ましい。
【0051】
図4、図5は、図1(b)と同じく、光源ユニット5の断面図であり、試料4に多くの照明光を照射するための構造を示す例である。
【0052】
試料4に高さがあると影が出やすいので、図4に示すように、試料4の側面に光を当てるように補助の反射板12a,12bを設け、影をなくすようにする。さらに、この補助の反射板12a,12bにスリットを設けて櫛状とし、スリットの幅等を変えることで反射面積を変えるようにすることで、試料4の側面からの光量を調整することができる。
【0053】
また、図5に示すように、搬送手段2のベルトをある程度透過する光を、ベルトの下側から当てるように光源22を設けてもよい。ただし、この場合、ストロボ光源11a,11bの光量とのバランスを考慮して光源22の光量を選択する必要がある。また、搬送手段2のベルトを透過させるので、ベルトの構造に配慮する必要がある。
【0054】
異物検出後の試料4の仕分けは、図1(a)に示した制御手段18と仕分け手段19によって行われる。異物検出の位置は異物検出手段16によって、図2(a)に示した撮像エリア30a内の位置を算出し、その位置から仕分け手段19までの距離が計算できる。
【0055】
搬送速度Vから仕分け手段19までの時間を割り出し、仕分け手段19の上に対象の試料4がきたら仕分け機構を動作させ、トレイ21に収納する。また、搬送手段2の搬送駆動装置3にエンコーダを付け、そのパルスから距離を算出することも可能である。
【0056】
図6は、仕分け手段とトレイの一部の斜視図である。
【0057】
図1(b)に示した搬送手段2の横方向に多くの試料4が並び、しかも異物が付着した試料4がそのうち1つだけであった場合に、仕分け手段19が単純に上下するだけであると、横に並んだ良品の試料4も一緒にトレイ21に収納されてしまうことになり、無駄が発生してしまう。
【0058】
そこで、図6に示すように、エアー42を試料4に吹付けることで、異物が付着した試料を異物トレイ43へ、良品の試料をトレイ44へ収納するようにする。
【0059】
搬送手段2の出口は、試料4がトレイ44に落下して収納されるようになっている。また、搬送手段2とトレイ44の間には、エアーノズル40を搬送手段2のベルト幅方向(Y軸方向とする)に複数個並べ、それぞれのエアーノズル40が電磁弁41でエアー42の噴出し量を制御できるようにしている。エアー42の噴出しにより飛ばされた試料4及び線状異物35は、異物トレイ43に収納される。
【0060】
搬送された試料4に線状異物35が検出されると、制御手段18で搬送方向(X軸方向とする)とY軸方向の位置を計算し、搬送手段2の出口で、その試料4のX座標とY座標に対応したエアーノズル40がエアー42を噴出する。エアー42をかけられた試料4と線状異物35は、異物トレイ43に収納される。エアー42が噴出した部位は試料4のX座標とY座標の位置のみなので、良品と異物が付着した試料4とを区別して、良品の試料4は異物トレイ43でなくトレイ44へ収納することができる。
【0061】
図7は、食品供給装置と搬送手段の一部の斜視図である。
【0062】
図1(a)に示した異物検査装置1は、主に線状異物を検査するものなので、線状でない異物や食品に表面張力で付着している液体は検出するのが困難である。
【0063】
したがって、これらの異物を事前に除去しておくことが望ましい。食品供給装置20には試料4が搭載されているが、線状異物35、小異物38、水分などの液体39も一緒に搭載されている場合、搬送手段2に試料4を供給する手前の位置で、小異物38や液体39が通過可能なスリット51を食品供給装置20の幅方向に設ける。
【0064】
そして、食品供給装置20に振動を加えて、スリット51から小異物38や液体39が取り除かれるようにする。取り除かれた小異物38や液体39は異物受け52に集められる。
【0065】
図8は、異物からの反射光の波長と反射率の関係を表すグラフである。
【0066】
図1(a)に示した撮影手段6は、レンズ10と、受光した光を分光するためのプリズム7と、1つ以上の撮像素子8とから構成され、試料4からの反射光13はレンズ10を経由し、プリズム7で赤(R)、緑(G)、青(B)の3つの波長帯域に分光され、それぞれの波長帯域がCCDやCMOS等の撮像素子8で受光される。
【0067】
なお、プリズム7と撮像素子8とが一体になったカメラも市販されているので、これを使用してもよい。
【0068】
図8において、一般的に食品62の特性は、波長により反射率の山谷があるが、髪の毛のような異物は、比較的平坦な反射率を示す。また、異物A60は反射率が高く、異物B61は反射率が低いものであるとする。図中、Bは青、Gは緑、Rは赤の波長領域を示す。
【0069】
図9は、撮像素子8で撮影した異物の画像の例を示す画面図で、図9(a)はB画面、図9(b)はG画面、図9(c)はG画面とB画面の差をとったG−B画面である。
【0070】
撮像素子8で撮影したR画像、G画像、B画像は、画像間演算手段15に送信され、それぞれの画像が生成される。また、画像は微小な画素から構成されているので、画像同士の差を演算することもできる。
【0071】
図9(a)に示すB画面において、画像全体は食品62aの表面であり、その上に異物60aと異物61aが付着している。食品62aの明るさに比べて、異物60aは明るく、異物61aは暗い輝度で撮影されている。
【0072】
図9(b)に示すG画面は、食品62bは図9(a)に示した食品62aよりも暗くなり、食品62bに比べて、異物60bは明るく、異物61bは暗い輝度で撮影されている。
【0073】
図8に示すように、異物A60と食品62の反射率が、青(B)の波長帯域では近接し、B画面では両者の識別が困難になる可能性がある。図9(c)は図9(a)に示したB画面と図9(b)に示したG画面の差をとった画面であり、異物と食品の反射率が近接して識別が困難になることを防ぐことができる。
【0074】
図8において、B波長帯域とG波長帯域において、異物A60と異物B61の反射率はあまり変わらないが、食品62の反射率は大きく変わっている。
【0075】
したがって、B画面とG画面の差をとると、異物A60と異物B61は反射率の差が小さいのに対して、食品62の反射率の差が大きく、図9(c)に示すように、G−B画面では、差が小さい異物60cと異物61cと、差が大きい食品62cとはコントラストが強調されるので、異物60cと異物61cを容易に識別することができる。
【0076】
画面の差分では、反射率の特性に従って、明るいか暗いかのいずれかになるので、画像処理で行われる2値化処理には非常に都合のいい手法である。
【0077】
上記の例では、B波長帯域と、G波長帯域に着目して説明したが、R波長帯域についても同様である。図8の例では、B波長帯域とR波長帯域が類似の特性を示しているので、G画面とR画面の差をとっても、G画面とB画面の差の場合と同じ結果を得ることができる。
【0078】
図10は、図8と同じく、異物からの反射光の波長と反射率の関係を表すグラフであるが、食品62の反射率特性が異なり、波長を変えても平坦な特性を有している場合の例である。
【0079】
また、図11は、撮像素子8で撮影した異物の画像の例を示す画面図で、図11(a)はB画面、図11(b)はG画面、図11(c)はG画面とB画面の差をとったG−B画面である。
【0080】
図11(a)に示すB画面では、食品62dと異物61dの反射率の差が大きいので、異物61dが識別できる。食品62dと異物60dの反射率の差も大きいが、いずれも反射率が大きいので、コントラストが明確でなくなるが、一応異物60dは識別できる。
【0081】
図11(b)に示すG画面でも同様に、食品62eと異物61eの反射率の差が大きいので、異物61eが識別でき、食品62eと異物60eの反射率の差も大きいので、異物60eが識別できる。
【0082】
一方、図11(c)に示すG−B画面では、図10からわかるように、食品62f、異物60f、異物61fのいずれも、B波長帯域とG波長帯域の反射率の差が小さいので、それぞれの差は同程度になり、識別できなくなってしまう。
【0083】
食品は、様々な成分や色を有しているので、R,G,Bそれぞれの波長帯域の画面と、相互の差をとった画面の中から、食品と異物を識別するのに適切な画面をはじめに選択し、その後、その画面に着目して検査を行う。
【0084】
このようにすれば、多くの画面を一度に見る手間が省けるので、見逃し等の誤りを防止することができる。
【0085】
図12は、図8と同じく、異物からの反射光の波長と反射率の関係を表すグラフ、図13は、図9と同じく、撮像素子で撮影した異物の画像の例を示す画面図である。
【0086】
食品が、ひとつの成分や表面でできているとは限らず、ひとつの食品の表面の反射率特性が複数ある場合、例えば、図12に示すように、食品62の反射率の特性が、イ、ロ、ハの3種類である場合を考える。B波長帯域では、黒い四角印で示す異物B61の反射率よりも、白い四角印で示す異物A60の反射率の方に、食品62のイの反射率が近接している。
【0087】
したがって、B画面では、異物B61は識別できるが、異物A60は識別が難しいであろうと予測できる。
【0088】
図13に示すように、G−B画面の差分画面では、食品62の特性イとロは、異物60gと異物61gに比べてコントラストが高くなるが、食品62の特性ハは、異物60gと異物61gと同等の輝度差分となるため、コントラストが付きにくい。
【0089】
そこで、B画面を見ると、異物60hと異物61hの輝度値は食品62の特性ハと明らかに輝度が異なるので、食品62の特性ハと異物60h、異物61hとを識別できる。そこで、G−B画面とB画面を合成した画面を作ると、食品62の背景から異物60iと異物61iを識別することができる。
【0090】
ここでは、異物を明るい画像として捕らえるために、輝度の低い異物61iは反転して暗明を逆転し、合成すれば明るい輝度として捕らえることができる。
【0091】
上記の例の図13では、容易な理解のために、B画面だけでも異物を検出できるように見えるが、実際には、食品表面の反射率が一定であることは少なく、例のように単純ではないので、B画面、G画面、R画面などの単色画面、単色画面間の差画面、差画面と単色画面の合成画面を生成して試し検査を行い、適切な画面を選択する。
【0092】
異物の反射率の特性が予めわかっている場合は、試料との差が明確に識別できる画面を選択し、この画面だけを見るようにすれば、複数の画面を注視するよりも、異物の見逃し等の誤りを防止することができる。
【0093】
また、ここでは、B画面、G画面、R画面などの可視光の3つの波長帯域を例としてあげたが、異物を識別できるものであれば、紫外光、近赤外光、赤外光でも構わない。また、波長領域を絞って単波長毎に分けた分光特性から特徴のある波長を複数抽出し、画面の差分や合成を行ってもよい。
【0094】
図14は、図(b)と同じく、光源ユニット5の断面図であり、波長の分光の一例を示すものである。
【0095】
撮影手段6の主な構成は、短波長の光を反射するとともに長波長を透過するダイクロックミラー71と、短波長の光を撮影するカメラ70aと、長波長の光を撮影するカメラ70bと、焦点を合せるためのレンズ10と、それらを固定するとともに外光が入らないようにした暗室72とであり、得られた画像を画像間演算手段15へ送り、差分画像や合成画像を生成することにより、異物を検出する。
【0096】
試料4からの反射光13のうち、ダイクロックミラー71により反射された短波長光13aはレンズ10を透過してカメラ70aで撮像され、ダイクロックミラー71を透過した長波長反射光13bはカメラ70bにて撮像される。波長の境界は、試料である食品と異物が識別できるような分光区分になるように任意に決めればよい。
【0097】
図15は、波長と波長感度の関係を示すグラフで、試料4からの反射光が、太線で示す波長で短波長側の特性aと長波長側の特性bとに分けられ、それぞれの特性から生成される画面を用いて、異物の識別を行う。
【0098】
図16は、図(b)と同じく、光源ユニット5の断面図であり、図15に示した例をさらに発展させ、撮影手段6にダイクロックミラー71を2つ設けたものである。
【0099】
試料4からの反射光13のうち、ダイクロックミラー71aにより反射された短波長光13aは、カメラ70aで撮像される。ダイクロックミラー71aを透過した反射光のうち、中波長光13bはダイクロックミラー71bにて反射され、カメラ70bで撮像される。ダイクロックミラー71bを透過した長波長光13cはカメラ70cにより撮像される。
【0100】
図17は、波長と波長感度の関係を示すグラフで、試料4からの反射光が、太線で示す波長で短波長側の特性aと中波長側の特性bと長波長側の特性cとに分けられ、それぞれの特性から生成される画面を用いて、異物の識別を行う。
【0101】
波長の境界は、試料である食品と異物が識別できるような分光区分になるように任意に決めればよい。反射光の分光は、ダイクロックミラーのかわりにハーフミラーやプリズムでもよい。
【0102】
試料に付着する異物が、試料のおおよそ同じところに付着しやすい場合には、試料の全体でなく、付着しやすい特異な領域に絞って異物の識別のための画面を取得することにより、画像処理にかかる処理時間が短くなる。
【0103】
また、画像信号を微分すれば、変化の大きいところ、すなわち異物のエッジが強調されるので、異物を容易に識別することができる。また、例えば、髪の毛のように細長い線状の異物を検出するには、対象領域の中から明暗の2値化処理後、ある一定長さ以上のものを選択する線分による検出が可能である。
【0104】
ただし、この場合、長い線状の異物が切れて短くなって検出できなくなることがある。それを防ぐために、線が切れていても連続性があると判断した場合は、画像処理上で線同士を接続することで、細長い線状の異物として検出することができる。
【図面の簡単な説明】
【0105】
【図1】食品の製造過程の一部に異物検査装置を設置したシステムの構成を示す構成図。
【図2】ストロボ発光と撮影のタイミングを示すタイムチャート。
【図3】露光時間を変えて髪の毛を撮影したときの画像の例を示す図。
【図4】光源ユニットの断面図。
【図5】光源ユニットの断面図。
【図6】仕分け手段とトレイの一部の斜視図。
【図7】食品供給装置と搬送手段の一部の斜視図。
【図8】異物からの反射光の波長と反射率の関係を表すグラフ。
【図9】撮像素子で撮影した異物の画像の例を示す画面図。
【図10】異物からの反射光の波長と反射率の関係を表すグラフ。
【図11】撮像素子で撮影した異物の画像の例を示す画面図。
【図12】異物からの反射光の波長と反射率の関係を表すグラフ。
【図13】撮像素子で撮影した異物の画像の例を示す画面図。
【図14】光源ユニットの断面図。
【図15】波長と波長感度の関係を示すグラフ。
【図16】光源ユニットの断面図。
【図17】波長と波長感度の関係を示すグラフ。
【符号の説明】
【0106】
1…異物検査装置、2…搬送手段、3…搬送駆動装置、4…試料、5…光源ユニット、6…撮影手段、7…プリズム、8…撮像素子、9…フィルタ、10…レンズ、11a…ストロボ光源、11b…ストロボ光源、12…反射板、13…反射光、15…画像間演算手段、16…異物検出手段、17…ディスプレイ、18…・制御手段、19…仕分け手段、20…食品供給装置、21…トレイ、22…光源、30a…撮影エリア、30b…撮影エリア、31…光量、32…光量、35…線状異物、36…異物像、37…異物像、38…小異物、39…液体、40…エアーノズル、41…電磁弁、42…エアー、43…異物トレイ、44…トレイ、51…スリット、52…異物受け、60…異物A、61…異物B、62…食品、70a…カメラ、70b…カメラ、70c…カメラ、71…ダイクロックミラー、72…暗室。
【技術分野】
【0001】
本発明は、試料の製造、検査の過程において、混入した異物の検査装置に関し、特に、食品の製造、検査の過程で食品に混入した異物の高速かつ高精度な検出を可能にする異物検査装置に関する。
【背景技術】
【0002】
試料、特に、食品の製造過程や検査過程において、金属、石、ガラス、毛髪、虫等の異物が混入するケースがあり、食品衛生上の問題となっている。このため、近年では多くの食品製造メーカが金属検査機やX検査装置を採用し、食品の製造過程において食品に混入した金属、石、ガラスの除去作業を行っている。しかしながら、上記の検査装置では毛髪や虫等の検出が非常に困難であるため、現状は作業員による目視検査に頼らざるを得ず、検査コストの増大や見逃しが問題となっている。
【0003】
そこで、このような問題を解決すべく、いくつかの異物の検査方法が提案されている。製造過程で例えばベルトコンベア上を流れる食品にLEDや蛍光灯の光源を当て、異物を検知する異物検査方法が提案されている。この場合、髪の毛のような細い異物が移動すると、撮影時に画像が流れて検出感度が悪くなり、検出が困難になるという問題があった。
【0004】
また、食品に広帯域光を照射し、可視光、近赤外光、中近赤外光の透過光画像を形成し、それぞれの画像について2値化処理し、いずれかの画像でパターンが発見された場合に、異物として検出する方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。しかし、このような2値化処理では、照明条件が変動した場合、二値化処理が正常に機能せず、検出困難になるといった問題がある。
【0005】
また、食品と異物の可視−近赤外の吸収スペクトルを測定し、食品と異物の2次微分スペクトルを計算し、両者の間で差異のある波長を特定し、その特定波長を利用した2次微分画像を生成し、異物を検出する方法が提案されている(例えば、特許文献2参照)。しかし、このような方法では、検査対象の食品が変わる度に食品と異物の吸収スペクトルを測定し、差異のある波長を特定する作業が発生すため、手間とコストがかかるといった問題がある。
【0006】
また、製造、検査過程で例えばベルトコンベア上を高速で流れている食品を検査する場合、検査対象とする領域の面積が大きくなり、可視光以外の光の撮影は現実的には困難であり、上記の方法を異物検査装置として実現するには困難がともなうと予想される。
【0007】
【特許文献1】特開2001−99783号公報
【特許文献2】特開2004−301690号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
食品の製造、検査過程において、例えばベルトコンベア上を流れる食品に混入した異物を検出する場合、多量の食品をいかに高速でかつ誤検知のない検査をするかが重要である。
【0009】
そのためには、食品の搬送速度を上げた上で、食品のすべてを検査するように検査対象領域を広くし、撮影した画像から異物を検出する画像処理速度を上げる必要がある。しかし、食品の搬送速度が速くなると画像が流れ、検査対象領域を広くすると撮影機の分解能が悪くなり、髪の毛のような細い物質を識別することは困難になる。
【0010】
本発明は、試料、特に食品の製造、検査の過程で、食品に混入した異物を高速かつ高精度に検出することができる異物検査装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記課題を解決するために、本発明の実施態様は、連続的に試料を移送する搬送手段と、ストロボ光源と、該ストロボ光源からの光を反射して試料の表面や裏面を間接的に照射する反射板と、ストロボ光源の発光と同期して試料を撮影する撮影手段とを備え、上記撮影手段は、試料からの反射光の波長帯域を少なくとも2つ以上に分けて撮影するものであり、それぞれの画像または差分画像から組み合わせて画像を生成し、異物を強調するようにしたものである。
【発明の効果】
【0012】
本発明の実施態様によれば、試料、特に食品の製造、検査の過程で、食品に混入した異物を高速かつ高精度に検出することができる異物検査装置を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
本発明の一実施態様は、光源としてXeランプなどのストロボ光を用い、短い発光時間で瞬時に測定を行うことで、画像中の異物のブレを少なくする。
【0014】
また、波長帯域ごとに分離した各画像やその差分画像を使用することにより、誤検知や検知欠落が少なくなる。さらには、画像から特異な領域を抽出し、その領域のみを検査対象とすることにより、高速な検知を行うことができる。
【0015】
本実施例では、光としてLEDや蛍光灯に比べて、発光量が1桁から2桁多いストロボ光を用いる。ストロボ光の光源は、可視領域では比較的平坦な周波数分布を持つXeランプなどを用いる。
【0016】
ストロボ光を用いることにより、短い発光時間で瞬時に測定を行うことができるため、食品が高速に移動しても、画像のブレがほとんどなくなる。また、発光量が多いためのぎらつきは、ストロボ光を食品へ直接照射するのではなく、反射板を用いて間接照明にすることで抑えることができる。
【0017】
異物の検出は、波長帯域ごとに分離した各画像や、その差分画像を用い、異物と食品の分光特性の差異から、輝度変化のある領域を抽出することで、異物を識別可能とする。
【0018】
以下、図面を用いて、本発明の一実施例を説明する。
【0019】
図1は、食品の製造過程の一部に異物検査装置を設置したシステムの構成を示す構成図である。
【0020】
図1(a)において、異物検査装置1は、食品供給装置20から供給された検査対象である試料4を検査し、検査結果に従って仕分け手段19で試料4が仕分けされる。検査の結果、試料4に異物が混入していると判定された場合には、その試料4は、トレイ21へ収納され、異物混入のない良品と区別される。
【0021】
異物検査装置1には、搬送手段2が設けられ、搬送手段2の上に重ならないように置かれた試料4が移動する間に検査のための光が照射される。搬送手段2は、例えば一定幅を持つベルトで構成されたベルトコンベアであり、モータなどの搬送駆動装置3によって駆動される。
【0022】
搬送手段2の上の試料4に光を照射するための光源ユニット5が搬送手段2を覆うように設けられ、試料4に光が照射される。
【0023】
図1(b)は、光源ユニット5の断面図であり、図1(a)中に白矢印で示した試料4が搬送される方向から見たものである。
【0024】
光源ユニット5の内部に、搬送手段2のベルトの両端に、移動方向に沿ってストロボ光源11a、11bを配置している。ストロボ光の発光量が多いためのぎらつきは、ストロボ光を食品へ直接照射するのではなく、反射板を用いて間接照明にすることで抑えるようにしている。
【0025】
ストロボ光源11a、11bの発光部はほぼ上向きに光が出るようにカバーを取付けて試料4から隠れるように設置され、光が試料4に直接当らないようにしている。反射板12は、ストロボ光源11a、11bから出た光を反射して、間接的に試料4へ照射されるようにする。
【0026】
反射板12は、試料4の搬送方向に沿った半円筒形状とし、光が試料4にできるだけ均一に当るようにしている。
【0027】
なお、試料4で反射した反射光13を撮影するときは、カメラ等の撮影手段6のレンズ10の下方に試料4がきたときなので、反射板12を試料4の撮影位置を中心とする半球形状とすれば、より多くの間接照明光を試料4へ照射することができる。
【0028】
図1(a)に戻って、反射板12の上方に撮影手段6が設けられ、レンズ10の下方の試料4を撮影する。撮影手段6もストロボ光源11a,11bの光が直接入らないような位置としている。
【0029】
撮影手段6は、レンズ10と、フィルタ9と、光を分光するためのプリズム7と、1つ以上の撮像素子8とで構成される。試料4からの反射光13は、レンズ10を経由し、プリズム7で3つの波長帯域に分光され、それぞれCCDやCMOS等の撮像素子8で受光される。
【0030】
3つの波長帯域は、主に赤(R)、緑(G)、青(B)である。分光する波長帯は、特にこのRGBにこだわらなくても、2つ以上の波長帯域に分光できれば、本発明における異物判別を行える。また、必要に応じ、レンズ10の前段にフィルタ9を設け、不要な波長を取り除いてもよい。
【0031】
撮像素子8で受光された画像は、異物検出手段16に設けられた画像間演算手段15に導かれ、それぞれの画像から特異な輝度値変化分を抽出する。その後、異物検出手段16にて、特異な輝度値変化分から異物の検出を行う。
【0032】
異物検出手段16はコンピュータであり、入力された画像データに対し、定められたプログラムに従って演算処理を行い、その結果を接続されたディスプレイ17に表示する。また、異物検出手段16には制御手段18が接続され、異物を検出した後の対象試料4を仕分けする仕分け手段19の制御を行う。
【0033】
また、制御手段18は、異物検出手段16から送信される指令データに従って、撮影手段6による撮影の制御、ストロボ光源11a、11bの発光と撮影の同期をとるための制御、搬送手段2の搬送速度と撮影タイミングの制御を行う。
【0034】
図2は、ストロボ発光と撮影のタイミングを示すタイムチャートである。タイミングの制御は、図1(a)に示した異物検出手段16から送信される指令データに従って、制御手段18により実行される。
【0035】
図2(a)において、搬送手段2により試料4は速度Vで移動しており、撮影手段6により一定の範囲、すなわち撮影エリア30a、30bを撮影するものとする。撮影幅Aは、撮影漏れをなくすために、撮影時間T=A/Vのタイミングで撮影する。
【0036】
図2(b)は、露光に必要な露光時間t1を示し、従来の場合は、LEDや蛍光灯を常時点灯しておき、必要な光量31を得るために、撮影手段6の露光時間t1を長くすることで対応していた。
【0037】
LEDや蛍光灯は光強度が低いため、露光時間t1を長くしないと異物を識別できるだけの光量31が得られない。しかし、露光時間t1を長くすると、異物が流れた状態の画像となってしまう可能性があり、調整が困難であった。
【0038】
図3は、露光時間を変えて髪の毛を撮影したときの画像の例を示す図であり、図3(a)は、従来のLEDや蛍光灯を常時点灯しておき、露光時間t1を長くしたときの例、図3(b)は、本発明のストロボ光を用いた例である。
【0039】
図3(a)に示すように、髪の毛などの線状異物35は画像が流れて、異物像36は、速度Vと露光時間t1の積で求められる長さに引き伸ばされた形状になる。そして、広がった面積分の輝度が低下し、撮影感度が極端に悪くなる欠点がある。
【0040】
例えば、線状異物35の幅が50μm、移動速度Vが200mm/s、露光時間t1が1msとすると、引き延ばされた長さV・t1は200μmとなり、元の幅50μmの4倍に広がる。
【0041】
そして、輝度値は4分の1に低下し、形状が崩れるので、異物の識別が困難になってしまう。髪の毛のように細い異物や、小さい異物ほどこの影響が大きくなり、しかも、移動速度Vが大きくなるにつれて輝度値の低下が大きくなるので、従来の方式では、異物の検出がほとんどできなくなる。
【0042】
また、光量を得るためにレンズ10の絞りを大きくすると、光量は増えるが焦点深度が浅くなるため、撮影エリア全体の焦点を合せることが困難になり、光量と焦点深度のバランスをとるのが困難であった。
【0043】
本発明の実施例では、光源として、発光輝度がLEDや蛍光灯に比べ1桁から2桁大きいストロボ光源を用いた。
【0044】
例えば、Xeストロボ光源は、波長帯域が300から900nmの可視光範囲で比較的平坦な特性を持つ。図2(a)に示した撮影エリア30a,30bを撮影するために、従来と同じく、撮影時間T=A/Vのタイミングで撮影する。
【0045】
一方、図2(c)に示すように、ストロボを、発光時間t2と、周期T=A/Vで発光させ、光量32を得る。ストロボ光源は、発光輝度がLEDや蛍光灯に比べ1桁から2桁大きいので、図2(b)に示す露光時間t1は、少なくともストロボの発光時間t2より長ければ撮影可能であるので任意の値でよく、上限は撮影エリアの撮影幅Aである。
【0046】
ストロボは輝度強度が大きいため、発光時間を従来のLEDや蛍光灯などの光源に比べ、1桁から2桁小さくできる。そのため、図3(b)示すように、髪の毛などの線状異物35は、画像がほとんど流れず、原形の異物の形状に近い異物像37になる。
【0047】
したがって、輝度低下が少なく、異物検出の感度が悪くなることはない。例えば、異物の幅が50μm、移動速度Vが200mm/s、発光時間t2が0.05msとすると、引き延ばされた長さV・t2は10μmとなり、元の異物のたかだか1.2倍の幅の広がりに抑えられている。
【0048】
このように、輝度も落ちず、形状も変わらないので、髪の毛のような細い異物、小さい異物を、移動速度が速くても検出することができる。また、輝度が高いことから反射光の光量が大きく、レンズ10の絞りを絞って焦点深度を深くすることができるため、撮影エリア全体の焦点がぼけることも防止できる。さらに、瞬時に高輝度で撮影するため、振動や、外から進入する光などの外乱の影響も受けにくいという利点がある。
【0049】
ストロボ光源は光量が大きいので、試料に直接照射すると試料の表面にテカリやぎらつきが発生し、本来の試料や異物の正しい分光反射が得られないことがある。そのため、反射板12を設け、反射板12で反射した照明光を試料4に間接的に照射する方法を取る。
【0050】
また、試料4の影は撮影像として、異物と認識したりするので、できるだけ影をなくすために照明光が試料4に各方向からできるだけ均一に当たるように、反射板12を半円筒形状や半球形状とすることが望ましい。
【0051】
図4、図5は、図1(b)と同じく、光源ユニット5の断面図であり、試料4に多くの照明光を照射するための構造を示す例である。
【0052】
試料4に高さがあると影が出やすいので、図4に示すように、試料4の側面に光を当てるように補助の反射板12a,12bを設け、影をなくすようにする。さらに、この補助の反射板12a,12bにスリットを設けて櫛状とし、スリットの幅等を変えることで反射面積を変えるようにすることで、試料4の側面からの光量を調整することができる。
【0053】
また、図5に示すように、搬送手段2のベルトをある程度透過する光を、ベルトの下側から当てるように光源22を設けてもよい。ただし、この場合、ストロボ光源11a,11bの光量とのバランスを考慮して光源22の光量を選択する必要がある。また、搬送手段2のベルトを透過させるので、ベルトの構造に配慮する必要がある。
【0054】
異物検出後の試料4の仕分けは、図1(a)に示した制御手段18と仕分け手段19によって行われる。異物検出の位置は異物検出手段16によって、図2(a)に示した撮像エリア30a内の位置を算出し、その位置から仕分け手段19までの距離が計算できる。
【0055】
搬送速度Vから仕分け手段19までの時間を割り出し、仕分け手段19の上に対象の試料4がきたら仕分け機構を動作させ、トレイ21に収納する。また、搬送手段2の搬送駆動装置3にエンコーダを付け、そのパルスから距離を算出することも可能である。
【0056】
図6は、仕分け手段とトレイの一部の斜視図である。
【0057】
図1(b)に示した搬送手段2の横方向に多くの試料4が並び、しかも異物が付着した試料4がそのうち1つだけであった場合に、仕分け手段19が単純に上下するだけであると、横に並んだ良品の試料4も一緒にトレイ21に収納されてしまうことになり、無駄が発生してしまう。
【0058】
そこで、図6に示すように、エアー42を試料4に吹付けることで、異物が付着した試料を異物トレイ43へ、良品の試料をトレイ44へ収納するようにする。
【0059】
搬送手段2の出口は、試料4がトレイ44に落下して収納されるようになっている。また、搬送手段2とトレイ44の間には、エアーノズル40を搬送手段2のベルト幅方向(Y軸方向とする)に複数個並べ、それぞれのエアーノズル40が電磁弁41でエアー42の噴出し量を制御できるようにしている。エアー42の噴出しにより飛ばされた試料4及び線状異物35は、異物トレイ43に収納される。
【0060】
搬送された試料4に線状異物35が検出されると、制御手段18で搬送方向(X軸方向とする)とY軸方向の位置を計算し、搬送手段2の出口で、その試料4のX座標とY座標に対応したエアーノズル40がエアー42を噴出する。エアー42をかけられた試料4と線状異物35は、異物トレイ43に収納される。エアー42が噴出した部位は試料4のX座標とY座標の位置のみなので、良品と異物が付着した試料4とを区別して、良品の試料4は異物トレイ43でなくトレイ44へ収納することができる。
【0061】
図7は、食品供給装置と搬送手段の一部の斜視図である。
【0062】
図1(a)に示した異物検査装置1は、主に線状異物を検査するものなので、線状でない異物や食品に表面張力で付着している液体は検出するのが困難である。
【0063】
したがって、これらの異物を事前に除去しておくことが望ましい。食品供給装置20には試料4が搭載されているが、線状異物35、小異物38、水分などの液体39も一緒に搭載されている場合、搬送手段2に試料4を供給する手前の位置で、小異物38や液体39が通過可能なスリット51を食品供給装置20の幅方向に設ける。
【0064】
そして、食品供給装置20に振動を加えて、スリット51から小異物38や液体39が取り除かれるようにする。取り除かれた小異物38や液体39は異物受け52に集められる。
【0065】
図8は、異物からの反射光の波長と反射率の関係を表すグラフである。
【0066】
図1(a)に示した撮影手段6は、レンズ10と、受光した光を分光するためのプリズム7と、1つ以上の撮像素子8とから構成され、試料4からの反射光13はレンズ10を経由し、プリズム7で赤(R)、緑(G)、青(B)の3つの波長帯域に分光され、それぞれの波長帯域がCCDやCMOS等の撮像素子8で受光される。
【0067】
なお、プリズム7と撮像素子8とが一体になったカメラも市販されているので、これを使用してもよい。
【0068】
図8において、一般的に食品62の特性は、波長により反射率の山谷があるが、髪の毛のような異物は、比較的平坦な反射率を示す。また、異物A60は反射率が高く、異物B61は反射率が低いものであるとする。図中、Bは青、Gは緑、Rは赤の波長領域を示す。
【0069】
図9は、撮像素子8で撮影した異物の画像の例を示す画面図で、図9(a)はB画面、図9(b)はG画面、図9(c)はG画面とB画面の差をとったG−B画面である。
【0070】
撮像素子8で撮影したR画像、G画像、B画像は、画像間演算手段15に送信され、それぞれの画像が生成される。また、画像は微小な画素から構成されているので、画像同士の差を演算することもできる。
【0071】
図9(a)に示すB画面において、画像全体は食品62aの表面であり、その上に異物60aと異物61aが付着している。食品62aの明るさに比べて、異物60aは明るく、異物61aは暗い輝度で撮影されている。
【0072】
図9(b)に示すG画面は、食品62bは図9(a)に示した食品62aよりも暗くなり、食品62bに比べて、異物60bは明るく、異物61bは暗い輝度で撮影されている。
【0073】
図8に示すように、異物A60と食品62の反射率が、青(B)の波長帯域では近接し、B画面では両者の識別が困難になる可能性がある。図9(c)は図9(a)に示したB画面と図9(b)に示したG画面の差をとった画面であり、異物と食品の反射率が近接して識別が困難になることを防ぐことができる。
【0074】
図8において、B波長帯域とG波長帯域において、異物A60と異物B61の反射率はあまり変わらないが、食品62の反射率は大きく変わっている。
【0075】
したがって、B画面とG画面の差をとると、異物A60と異物B61は反射率の差が小さいのに対して、食品62の反射率の差が大きく、図9(c)に示すように、G−B画面では、差が小さい異物60cと異物61cと、差が大きい食品62cとはコントラストが強調されるので、異物60cと異物61cを容易に識別することができる。
【0076】
画面の差分では、反射率の特性に従って、明るいか暗いかのいずれかになるので、画像処理で行われる2値化処理には非常に都合のいい手法である。
【0077】
上記の例では、B波長帯域と、G波長帯域に着目して説明したが、R波長帯域についても同様である。図8の例では、B波長帯域とR波長帯域が類似の特性を示しているので、G画面とR画面の差をとっても、G画面とB画面の差の場合と同じ結果を得ることができる。
【0078】
図10は、図8と同じく、異物からの反射光の波長と反射率の関係を表すグラフであるが、食品62の反射率特性が異なり、波長を変えても平坦な特性を有している場合の例である。
【0079】
また、図11は、撮像素子8で撮影した異物の画像の例を示す画面図で、図11(a)はB画面、図11(b)はG画面、図11(c)はG画面とB画面の差をとったG−B画面である。
【0080】
図11(a)に示すB画面では、食品62dと異物61dの反射率の差が大きいので、異物61dが識別できる。食品62dと異物60dの反射率の差も大きいが、いずれも反射率が大きいので、コントラストが明確でなくなるが、一応異物60dは識別できる。
【0081】
図11(b)に示すG画面でも同様に、食品62eと異物61eの反射率の差が大きいので、異物61eが識別でき、食品62eと異物60eの反射率の差も大きいので、異物60eが識別できる。
【0082】
一方、図11(c)に示すG−B画面では、図10からわかるように、食品62f、異物60f、異物61fのいずれも、B波長帯域とG波長帯域の反射率の差が小さいので、それぞれの差は同程度になり、識別できなくなってしまう。
【0083】
食品は、様々な成分や色を有しているので、R,G,Bそれぞれの波長帯域の画面と、相互の差をとった画面の中から、食品と異物を識別するのに適切な画面をはじめに選択し、その後、その画面に着目して検査を行う。
【0084】
このようにすれば、多くの画面を一度に見る手間が省けるので、見逃し等の誤りを防止することができる。
【0085】
図12は、図8と同じく、異物からの反射光の波長と反射率の関係を表すグラフ、図13は、図9と同じく、撮像素子で撮影した異物の画像の例を示す画面図である。
【0086】
食品が、ひとつの成分や表面でできているとは限らず、ひとつの食品の表面の反射率特性が複数ある場合、例えば、図12に示すように、食品62の反射率の特性が、イ、ロ、ハの3種類である場合を考える。B波長帯域では、黒い四角印で示す異物B61の反射率よりも、白い四角印で示す異物A60の反射率の方に、食品62のイの反射率が近接している。
【0087】
したがって、B画面では、異物B61は識別できるが、異物A60は識別が難しいであろうと予測できる。
【0088】
図13に示すように、G−B画面の差分画面では、食品62の特性イとロは、異物60gと異物61gに比べてコントラストが高くなるが、食品62の特性ハは、異物60gと異物61gと同等の輝度差分となるため、コントラストが付きにくい。
【0089】
そこで、B画面を見ると、異物60hと異物61hの輝度値は食品62の特性ハと明らかに輝度が異なるので、食品62の特性ハと異物60h、異物61hとを識別できる。そこで、G−B画面とB画面を合成した画面を作ると、食品62の背景から異物60iと異物61iを識別することができる。
【0090】
ここでは、異物を明るい画像として捕らえるために、輝度の低い異物61iは反転して暗明を逆転し、合成すれば明るい輝度として捕らえることができる。
【0091】
上記の例の図13では、容易な理解のために、B画面だけでも異物を検出できるように見えるが、実際には、食品表面の反射率が一定であることは少なく、例のように単純ではないので、B画面、G画面、R画面などの単色画面、単色画面間の差画面、差画面と単色画面の合成画面を生成して試し検査を行い、適切な画面を選択する。
【0092】
異物の反射率の特性が予めわかっている場合は、試料との差が明確に識別できる画面を選択し、この画面だけを見るようにすれば、複数の画面を注視するよりも、異物の見逃し等の誤りを防止することができる。
【0093】
また、ここでは、B画面、G画面、R画面などの可視光の3つの波長帯域を例としてあげたが、異物を識別できるものであれば、紫外光、近赤外光、赤外光でも構わない。また、波長領域を絞って単波長毎に分けた分光特性から特徴のある波長を複数抽出し、画面の差分や合成を行ってもよい。
【0094】
図14は、図(b)と同じく、光源ユニット5の断面図であり、波長の分光の一例を示すものである。
【0095】
撮影手段6の主な構成は、短波長の光を反射するとともに長波長を透過するダイクロックミラー71と、短波長の光を撮影するカメラ70aと、長波長の光を撮影するカメラ70bと、焦点を合せるためのレンズ10と、それらを固定するとともに外光が入らないようにした暗室72とであり、得られた画像を画像間演算手段15へ送り、差分画像や合成画像を生成することにより、異物を検出する。
【0096】
試料4からの反射光13のうち、ダイクロックミラー71により反射された短波長光13aはレンズ10を透過してカメラ70aで撮像され、ダイクロックミラー71を透過した長波長反射光13bはカメラ70bにて撮像される。波長の境界は、試料である食品と異物が識別できるような分光区分になるように任意に決めればよい。
【0097】
図15は、波長と波長感度の関係を示すグラフで、試料4からの反射光が、太線で示す波長で短波長側の特性aと長波長側の特性bとに分けられ、それぞれの特性から生成される画面を用いて、異物の識別を行う。
【0098】
図16は、図(b)と同じく、光源ユニット5の断面図であり、図15に示した例をさらに発展させ、撮影手段6にダイクロックミラー71を2つ設けたものである。
【0099】
試料4からの反射光13のうち、ダイクロックミラー71aにより反射された短波長光13aは、カメラ70aで撮像される。ダイクロックミラー71aを透過した反射光のうち、中波長光13bはダイクロックミラー71bにて反射され、カメラ70bで撮像される。ダイクロックミラー71bを透過した長波長光13cはカメラ70cにより撮像される。
【0100】
図17は、波長と波長感度の関係を示すグラフで、試料4からの反射光が、太線で示す波長で短波長側の特性aと中波長側の特性bと長波長側の特性cとに分けられ、それぞれの特性から生成される画面を用いて、異物の識別を行う。
【0101】
波長の境界は、試料である食品と異物が識別できるような分光区分になるように任意に決めればよい。反射光の分光は、ダイクロックミラーのかわりにハーフミラーやプリズムでもよい。
【0102】
試料に付着する異物が、試料のおおよそ同じところに付着しやすい場合には、試料の全体でなく、付着しやすい特異な領域に絞って異物の識別のための画面を取得することにより、画像処理にかかる処理時間が短くなる。
【0103】
また、画像信号を微分すれば、変化の大きいところ、すなわち異物のエッジが強調されるので、異物を容易に識別することができる。また、例えば、髪の毛のように細長い線状の異物を検出するには、対象領域の中から明暗の2値化処理後、ある一定長さ以上のものを選択する線分による検出が可能である。
【0104】
ただし、この場合、長い線状の異物が切れて短くなって検出できなくなることがある。それを防ぐために、線が切れていても連続性があると判断した場合は、画像処理上で線同士を接続することで、細長い線状の異物として検出することができる。
【図面の簡単な説明】
【0105】
【図1】食品の製造過程の一部に異物検査装置を設置したシステムの構成を示す構成図。
【図2】ストロボ発光と撮影のタイミングを示すタイムチャート。
【図3】露光時間を変えて髪の毛を撮影したときの画像の例を示す図。
【図4】光源ユニットの断面図。
【図5】光源ユニットの断面図。
【図6】仕分け手段とトレイの一部の斜視図。
【図7】食品供給装置と搬送手段の一部の斜視図。
【図8】異物からの反射光の波長と反射率の関係を表すグラフ。
【図9】撮像素子で撮影した異物の画像の例を示す画面図。
【図10】異物からの反射光の波長と反射率の関係を表すグラフ。
【図11】撮像素子で撮影した異物の画像の例を示す画面図。
【図12】異物からの反射光の波長と反射率の関係を表すグラフ。
【図13】撮像素子で撮影した異物の画像の例を示す画面図。
【図14】光源ユニットの断面図。
【図15】波長と波長感度の関係を示すグラフ。
【図16】光源ユニットの断面図。
【図17】波長と波長感度の関係を示すグラフ。
【符号の説明】
【0106】
1…異物検査装置、2…搬送手段、3…搬送駆動装置、4…試料、5…光源ユニット、6…撮影手段、7…プリズム、8…撮像素子、9…フィルタ、10…レンズ、11a…ストロボ光源、11b…ストロボ光源、12…反射板、13…反射光、15…画像間演算手段、16…異物検出手段、17…ディスプレイ、18…・制御手段、19…仕分け手段、20…食品供給装置、21…トレイ、22…光源、30a…撮影エリア、30b…撮影エリア、31…光量、32…光量、35…線状異物、36…異物像、37…異物像、38…小異物、39…液体、40…エアーノズル、41…電磁弁、42…エアー、43…異物トレイ、44…トレイ、51…スリット、52…異物受け、60…異物A、61…異物B、62…食品、70a…カメラ、70b…カメラ、70c…カメラ、71…ダイクロックミラー、72…暗室。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
連続的に試料を移送する搬送手段と、ストロボ光源と、該ストロボ光源からの光を反射して前記試料の表面や裏面を間接的に照射する反射板と、前記試料からの反射光の波長帯域を少なくとも2つ以上に分けて前記ストロボ光源の発光と同期して前記試料を撮影する撮影手段と、該撮影手段で撮影された複数の画像から生成される差画像、または前記複数の画像のうち少なくともひとつの画像と前記差画像の合成画像を生成しディスプレイへ表示させる演算手段とを備えたことを特徴とする異物検査装置。
【請求項2】
請求項1記載の異物検査装置において、
前記複数の画像、前記差画像、前記合成画像のうち、前記試料と前記異物とが識別可能なコントラストを有する画像が選択されて、前記試料の検査に用いられることを特徴とする異物検査装置。
【請求項3】
請求項1記載の異物検査装置において、
前記反射板と前記試料との間に、さらに補助の反射板を設けたことを特徴とする異物検査装置。
【請求項4】
請求項1記載の異物検査装置において、
前記試料を前記搬送手段を介して照射する光源を設けたことを特徴とする異物検査装置。
【請求項5】
請求項1記載の異物検査装置において、
前記複数の画像、前記差画像、前記合成画像のうち少なくともひとつが選択されて、前記試料の検査に用いられることを特徴とする異物検査装置。
【請求項6】
請求項1記載の異物検査装置において、
前記複数の画像は、赤色波長帯域、緑色波長帯域、青色波長帯域の画像であることを特徴とする異物検査装置。
【請求項7】
請求項1記載の異物検査装置において、
前記試料からの反射光をダイクロックミラーで分光することを特徴とする異物検査装置。
【請求項8】
請求項1記載の異物検査装置において、
前記反射板は、半円筒形状であることを特徴とする異物検査装置。
【請求項9】
請求項1記載の異物検査装置において、
前記反射板は、半球形状であることを特徴とする異物検査装置。
【請求項1】
連続的に試料を移送する搬送手段と、ストロボ光源と、該ストロボ光源からの光を反射して前記試料の表面や裏面を間接的に照射する反射板と、前記試料からの反射光の波長帯域を少なくとも2つ以上に分けて前記ストロボ光源の発光と同期して前記試料を撮影する撮影手段と、該撮影手段で撮影された複数の画像から生成される差画像、または前記複数の画像のうち少なくともひとつの画像と前記差画像の合成画像を生成しディスプレイへ表示させる演算手段とを備えたことを特徴とする異物検査装置。
【請求項2】
請求項1記載の異物検査装置において、
前記複数の画像、前記差画像、前記合成画像のうち、前記試料と前記異物とが識別可能なコントラストを有する画像が選択されて、前記試料の検査に用いられることを特徴とする異物検査装置。
【請求項3】
請求項1記載の異物検査装置において、
前記反射板と前記試料との間に、さらに補助の反射板を設けたことを特徴とする異物検査装置。
【請求項4】
請求項1記載の異物検査装置において、
前記試料を前記搬送手段を介して照射する光源を設けたことを特徴とする異物検査装置。
【請求項5】
請求項1記載の異物検査装置において、
前記複数の画像、前記差画像、前記合成画像のうち少なくともひとつが選択されて、前記試料の検査に用いられることを特徴とする異物検査装置。
【請求項6】
請求項1記載の異物検査装置において、
前記複数の画像は、赤色波長帯域、緑色波長帯域、青色波長帯域の画像であることを特徴とする異物検査装置。
【請求項7】
請求項1記載の異物検査装置において、
前記試料からの反射光をダイクロックミラーで分光することを特徴とする異物検査装置。
【請求項8】
請求項1記載の異物検査装置において、
前記反射板は、半円筒形状であることを特徴とする異物検査装置。
【請求項9】
請求項1記載の異物検査装置において、
前記反射板は、半球形状であることを特徴とする異物検査装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【公開番号】特開2009−115613(P2009−115613A)
【公開日】平成21年5月28日(2009.5.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−288874(P2007−288874)
【出願日】平成19年11月6日(2007.11.6)
【出願人】(000233549)株式会社日立ハイテクコントロールシステムズ (130)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年5月28日(2009.5.28)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年11月6日(2007.11.6)
【出願人】(000233549)株式会社日立ハイテクコントロールシステムズ (130)
【Fターム(参考)】
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