説明

癌の処置のためのジフェニルオキシ−インドール−2−オン化合物のプロドラッグ

本発明は、一般式(I)
【化1】


を有する置換3,3−ジフェニル−1,3−ジヒドロ−インドール−2−オン化合物のプロドラッグを開示する。フェニル部分の4位およびインドールのNの位置は、特定のプロドラッグ基(特にアミノ酸部分を含んでいるプロドラッグ基)を導入するのに有用な部分を示す。このプロドラッグ化合物は、可能であれば、一個以上の他の化学療法剤と組み合わせて、哺乳動物の癌の処置に有効であると確信されている。本発明はまた、癌を有するか、または罹患しやすい哺乳動物の処置方法において使用する化合物も開示している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明の分野
本発明は、新規な置換3,3−ジフェニル−1,3−ジヒドロ−インドール−2−オン化合物のプロドラッグに関する。
【背景技術】
【0002】
発明の背景
US 1,624,675は、ジフェノールイサチンのO−O−ジアシル誘導体およびこれらの化合物が緩下作用を有していることを述べている。
【0003】
US 2004/0242563 A1は、異常な細胞増殖によって特徴付けられる疾患の処置または予防に有用である置換ジフェニルインダノン、インダンおよびインドール化合物およびその類似体を開示している。
【0004】
WO 05/07107 A1は、ジフェニルオキシ−インドール−2−オン化合物、および癌の処置におけるその使用を開示している。該化合物は、プロドラッグとして存在し得ることが一般的に示唆されている。
【0005】
しかしながら、ジフェニルオキシ−インドール−2−オン系化合物の改善されたプロドラッグの必要性が依然として存在する。
【発明の概要】
【0006】
発明の簡単な説明
ジフェニルオキシ−インドール−2−オン化合物の分野内での更なる発展に従って、本発明者らは、現在、フェニル部分の4位およびインドールのNの位置が、プロドラッグ基を導入するためのきわめて有用な手がかりを示し、そして特定のプロドラッグ基、特にアミノ酸部分を含むプロドラッグ基が特に見込みがあることを見出した。
【0007】
それ故、本発明は、一般式(I)および(Ia)および(Ib)の化合物(請求項1、25、28および29参照)を提供する。
【0008】
本発明は、更に医薬組成物(請求項35参照)、医薬における一般式(I)および(Ia)および(Ib)の化合物(請求項37、38および40参照)の利用を提供する。
【0009】
発明の詳細な説明
一般式(I)の化合物
本発明は、とりわけ、哺乳動物の癌の処置に有用である特定のプロドラッグ化合物に関する。
【0010】
有用なプロドラッグ化合物は、一般式(I)、すなわち、
【化1】


〔式中、
およびXは、それぞれ独立して、(i)〜(vi)のいずれかのプロドラッグ基、
(i)−O−C(=O)−Z(ここで、Zは、置換されたC1−6−アルキルおよび−CH(R)N(R)Rから選択される);
(ii)−O−C(=O)−O−Y(ここで、Yは、所望により置換されていてよいC1−6−アルキルから選択されるか、または−O−Yは、
【化2】


を表す);
【化3】


【化4】


【化5】


【化6】

【0011】
{ここで、
Aは、所望により置換されていてよいC1−6−アルキリデン、および所望により置換されていてよいベンジリデンから選択され、
Bは、単結合、−O−および−S−から選択され、
は、水素、所望により置換されていてよいC1−6−アルキル、所望により置換されていてよいC1−6−アルコキシ、所望により置換されていてよいC1−6−アルコキシカルボニル、所望により置換されていてよいC1−6−アルキルカルボニル、モノ−およびジ(C1−6−アルキル)アミノカルボニル、アミノ、C1−6−アルキルカルボニルアミノ、モノ−およびジ(C1−6−アルキル)アミノ、アリール、アリールオキシ、アリールカルボニル、アリールアミノ、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルオキシ、ヘテロシクリルカルボニル、ヘテロシクリルアミノ、ヘテロアリール、ヘテロアリールオキシ、ヘテロアリールカルボニル、およびヘテロアリールアミノ[ここで、アミノ置換基としてのC1−6−アルキルは、いずれも、所望により、ヒドロキシ、C1−6−アルコキシ、アミノ、モノ−およびジ(C1−6−アルキル)アミノ、カルボキシ、C1−6−アルキルカルボニルアミノ、C1−6−アルキルアミノカルボニル、またはハロゲンで置換されていてよく、そしてここで、アリール、ヘテロシクリルおよびヘテロアリールは、いずれも、所望により置換されていてよい]から選択されるか;またはプロドラッグ基(iii)および(vii)中の−C(=O)−B−Rは、所望により、N−置換されていてよいアミノ酸を表してもよく;
は、水素、所望により置換されていてよいC1−6−アルキル、所望により置換されていてよいC2−6−アルケニル、アリール、ヘテロシクリルおよびヘテロアリール[ここで、アリール、ヘテロシクリルおよびヘテロアリールは、いずれも、所望により置換されていてよい]から選択され;
【0012】
およびRは、独立して、水素、所望により置換されていてよいC1−6−アルキル、ヒドロキシ、所望により置換されていてよいC1−6−アルコキシ、所望により置換されていてよいC1−6−アルコキシカルボニル、所望により置換されていてよいC1−6−アルキルカルボニル、ホルミル、モノ−およびジ(C1−6−アルキル)アミノカルボニル、アミノ、C1−6−アルキルカルボニルアミノ、モノ−およびジ(C1−6−アルキル)アミノ、C1−6−アルキルスルホニル、C1−6−アルキルスルフィニル、アリール、アリールオキシ、アリールカルボニル、アリールアミノ、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルオキシ、ヘテロシクリルカルボニル、ヘテロシクリルアミノ、ヘテロアリール、ヘテロアリールオキシ、ヘテロアリールカルボニル、およびヘテロアリールアミノ[ここで、アミノ置換基としてのC1−6−アルキルは、いずれも、所望により、ヒドロキシ、C1−6−アルコキシ、アミノ、モノ−およびジ(C1−6−アルキル)アミノ、カルボキシ、C1−6−アルキルカルボニルアミノ、C1−6−アルキルアミノカルボニル、またはハロゲンで置換されていてよく、そしてここでアリール、ヘテロシクリルおよびヘテロアリールは、いずれも、所望により置換されていてよい]から選択されるか、または、RおよびRはそれらが結合する窒素原子と一体となって、ヘテロ環式環を形成し;そして
は、水素、ヒドロキシ、所望により置換されていてよいC1−6−アルキル、所望により置換されていてよいC1−6−アルコキシ、そして、所望により置換されていてよいC2−6−アルケニルオキシから選択され;
10は、ヒドロキシ、所望により置換されていてよいC1−6−アルキル、所望により置換されていてよいC1−6−アルコキシ、所望により置換されていてよいC2−6−アルケニルオキシ;アリールオキシ、ヘテロシクリルオキシ、およびヘテロアリールオキシ[ここで、アリール、ヘテロシクリルおよびヘテロアリールは、いずれも、所望により置換されていてよい]から選択される。但し、RおよびR10は、両方とも、ヒドロキシおよびC1−6−アルコキシから選択されることはない}
を表すか、
【0013】
または、水素、ヒドロキシ、所望により置換されていてよいC1−6アルコキシ、所望により置換されていてよいC1−6アルキル、所望により置換されていてよいC2−6アルケニル、カルボキシ、所望により置換されていてよいC1−6−アルコキシカルボニル、C1−6−アルキルカルボニルオキシ、所望により置換されていてよいC1−6アルキルカルボニル、ホルミル、アミノ、モノ−およびジ(C1−6−アルキル)アミノ、C1−6−アルキルカルボニルアミノ、C1−6−アルキルスルホニルアミノ、モノ−およびジ(C1−6−アルキル)アミノカルボニルアミノ、カルバモイル、モノ−およびジ(C1−6−アルキル)アミノカルボニル、メルカプト、所望により置換されていてよいC1−6−アルキルチオ、C1−6−アルキルスルホニル、モノ−およびジ(C1−6−アルキル)アミノスルホニル、シアノ、ハロゲン、アリール、アリールオキシ、アリールアミノ、アリールカルボニル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルオキシ、ヘテロシクリルアミノ、ヘテロシクリルカルボニル、ヘテロアリールオキシ、ヘテロアリールアミノ、ヘテロアリールカルボニル[ここで、アミノ置換基としてのC1−6−アルキルは、いずれも、所望により、ヒドロキシル、C1−6−アルコキシ、アミノ、モノ−およびジ(C1−6−アルキル)アミノ、カルボキシ、C1−6−アルキルカルボニルアミノ、C1−6−アルキルアミノカルボニル、またはハロゲンで置換されていてよく、そしてここで、アリール、ヘテロシクリルおよびヘテロアリールは、いずれも、所望により置換されていてよい]から選択され;
【0014】
は、(vii)〜(viii)のいずれかのプロドラッグ基
【化7】


【化8】


[ここで、A、BおよびRは、上記のプロドラッグ基(iii)に定義の通りである]
を表すか、
または、水素、所望により置換されていてよいC1−6−アルキル、ヒドロキシ、所望により置換されていてよいC1−6−アルコキシ、所望により置換されていてよいC1−6−アルコキシカルボニル、所望により置換されていてよいC1−6−アルキルカルボニル、ホルミル、モノ−およびジ(C1−6−アルキル)アミノカルボニル、アミノ、C1−6−アルキルカルボニルアミノ、モノ−およびジ(C1−6−アルキル)アミノ、C1−6−アルキルスルホニル、およびC1−6−アルキルスルフィニル[ここで、アミノ置換基としてのC1−6−アルキルは、いずれも、所望により、ヒドロキシ、C1−6−アルコキシ、アミノ、モノ−およびジ(C1−6−アルキル)アミノ、カルボキシ、C1−6−アルキルカルボニルアミノ、C1−6−アルキルアミノカルボニル、またはハロゲンで置換されていてよい]から選択され(但し、当該化合物は、少なくとも一つのプロドラッグ基(i)〜(viii)を含んでなる);
【0015】
、V、V、およびVは、独立して、炭素原子、非四級窒素原子、酸素原子、および硫黄原子から選択され、そしてここで、−V−V−V−V−が、VおよびVが結合する原子と一体となって、芳香族またはヘテロ芳香族環を形成するように、Vは、更に結合から選択されてもよく;
、R、R、およびRは、炭素原子と結合するとき、独立して、水素、所望により置換されていてよいC1−6−アルキル、所望により置換されていてよいC2−6−アルケニル、ヒドロキシ、所望により置換されていてよいC1−6−アルコキシ、所望により置換されていてよいC2−6−アルケニルオキシ、カルボキシ、所望により置換されていてよいC1−6−アルコキシカルボニル、所望により置換されていてよいC1−6−アルキルカルボニル、所望により置換されていてよいC1−6−アルキルカルボニルオキシ、ホルミル、アミノ、モノ−およびジ(C1−6−アルキル)アミノ、カルバモイル、モノ−およびジ(C1−6−アルキル)アミノカルボニル、C1−6−アルキルカルボニルアミノ、C1−6−アルキルスルホニルアミノ、シアノ、カルバミド、モノ−およびジ(C1−6−アルキル)アミノカルボニルアミノ、C1−6−アルカノイルオキシ、C1−6−アルキルスルホニル、C1−6−アルキルスルフィニル、アミノスルホニル、モノ−およびジ(C1−6−アルキル)アミノスルホニル、ニトロ、所望により置換されていてよいC1−6−アルキルチオ、アリール、アリールオキシ、アリールカルボニル、アリールアミノ、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルオキシ、ヘテロシクリルアミノ、ヘテロシクリルカルボニル、ヘテロアリール、ヘテロアリールオキシ、ヘテロアリールアミノ、ヘテロアリールカルボニル、およびハロゲン[ここで、アミノ置換基としてのC1−6−アルキルは、いずれも、所望により、ヒドロキシ、C1−6−アルコキシ、アミノ、モノ−およびジ(C1−6−アルキル)アミノ、カルボキシ、C1−6−アルキルカルボニルアミノ、C1−6−アルキルアミノカルボニル、またはハロゲンで置換されていてよく、そしてここで、アリール、ヘテロシクリルおよびヘテロアリールは、いずれも、所望により置換されていてよい]から選択され;
【0016】
、R、R、およびRは、窒素原子と結合するとき、独立して、水素、所望により置換されていてよいC1−6−アルキル、ヒドロキシ、所望により置換されていてよいC1−6−アルコキシ、所望により置換されていてよいC1−6−アルコキシカルボニル、所望により置換されていてよいC1−6−アルキルカルボニル、ホルミル、モノ−およびジ(C1−6−アルキル)アミノカルボニル、アミノ、C1−6−アルキルカルボニルアミノ、モノ−およびジ(C1−6−アルキル)アミノ、C1−6−アルキルスルホニル、C1−6−アルキルスルフィニル、アリール、アリールオキシ、アリールカルボニル、アリールアミノ、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルオキシ、ヘテロシクリルカルボニル、ヘテロシクリルアミノ、ヘテロアリール、ヘテロアリールオキシ、ヘテロアリールカルボニル、およびヘテロアリールアミノ[ここで、アミノ置換基としてのC1−6−アルキルは、いずれも、所望により、ヒドロキシ、C1−6−アルコキシ、アミノ、モノ−およびジ(C1−6−アルキル)アミノ、カルボキシ、C1−6−アルキルカルボニルアミノ、C1−6−アルキルアミノカルボニル、またはハロゲンで置換されていてよく、そしてここで、アリール、ヘテロシクリルおよびヘテロアリールは、いずれも、所望により置換されていてよい]から選択されるか;
またはRおよびRは、それらが結合する炭素原子と一体となって、環、例えば芳香族環、炭素環式環、またはヘテロ環式環もしくはヘテロ芳香族環、特に芳香族式環またはヘテロ芳香族環を形成する;
但し、V、V、VおよびVが、それぞれ炭素原子を表すとき、R、R、R、R、およびRについては、全てが水素原子であることはない〕
で示される化合物、およびその薬学的に許容される塩である。
【0017】
定義
本文脈では、“C1−6−アルキル”という用語は、メチル、エチル、プロピル、イソ−プロピル、ペンチル、シクロペンチル、ヘキシル、シクロヘキシルのような1〜6個の炭素原子を有する直鎖、環状または分岐した炭化水素基を意味することを意図し、そして“C1−4−アルキル”という用語は、1〜4個の炭素原子を有する直鎖、環状または分岐した炭化水素基、例えば、メチル、エチル、プロピル、イソ−プロピル、シクロプロピル、ブチル、イソ−ブチル、tert−ブチル、シクロブチルを包含することを意図する。
【0018】
同様に、“C2−6−アルケニル”という用語は、2〜6個の炭素原子を有し、そして一つの不飽和結合を含む炭化水素基を包含することを意図する。アルケニル基の例には、ビニル、アリル、ブテニル、ペンテニル、ヘキセニル、ヘプテニル、オクテニル、ヘプタデカエニルがある。アルケニルの好ましい例としては、ビニル、アリル、ブテニル、特にアリルである。
【0019】
本文脈では、すなわち、“アルキル”、“アルキリデン”、“アルコキシ”、“アルケニル”などの用語に関連して、“所望により置換されていてよい”という用語は、当該基が、ヒドロキシ(これは、不飽和炭素原子に結合するとき、互変異性のケト形で存在してもよい)、C1−6−アルコキシ(すなわち、C1−6−アルキル−オキシ)、C2−6−アルケニルオキシ、カルボキシ、オキソ(ケトまたはアルデヒド官能基を形成する)、C1−6−アルコキシカルボニル、C1−6−アルキルカルボニル、ホルミル、アリール、アリールオキシ、アリールアミノ、アリールカルボニル、アリールオキシカルボニル、アリールカルボニルオキシ、アリールアミノカルボニル、アリールカルボニルアミノ、ヘテロアリール、ヘテロアリールオキシ、ヘテロアリールアミノ、ヘテロアリールカルボニル、ヘテロアリールオキシカルボニル、ヘテロアリールカルボニルオキシ、ヘテロアリールアミノカルボニル、ヘテロアリールカルボニルアミノ、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルオキシ、ヘテロシクリルアミノ、ヘテロシクリルカルボニル、ヘテロシクリルオキシカルボニル、ヘテロシクリルカルボニルオキシ、ヘテロシクリルアミノカルボニル、ヘテロシクリルカルボニルアミノ、アミノ、モノ−およびジ(C1−6−アルキル)アミノ、−N(C1−4−アルキル)、カルバモイル、モノ−およびジ(C1−6−アルキル)アミノカルボニル、C1−6−アルキルカルボニルアミノ、シアノ、グアニジノ、カルバミド、C1−6−アルキル−スルホニル−アミノ、アリールスルホニル−アミノ、ヘテロアリールスルホニル−アミノ、C1−6−アルカノイルオキシ、C1−6−アルキル−スルホニル、C1−6−アルキル−スルフィニル、C1−6−アルキルスルホニルオキシ、ニトロ、C1−6−アルキルチオ、およびハロゲン[ここで、アリール、ヘテロアリールおよびヘテロシクリルは、いずれも、特に下記のアリール、ヘテロアリールおよびヘテロシクリルに記載のように、置換されていてもよく、そして、置換基として示されるすべてのアルキル、アルコキシなどは、ヒドロキシ、C1−6−アルコキシ、アミノ、モノ−およびジ(C1−6−アルキル)アミノ、カルボキシ、C1−6−アルキルカルボニルアミノ、C1−6−アルキルアミノカルボニル、またはハロゲンで置換されていてもよい]から選択される基で1回または数回、好ましくは1〜3回、置換されていてもよいということを意味することを意図する。
【0020】
通例、この置換基は、ヒドロキシ(これは、不飽和炭素原子に結合するとき、互変異性のケト形で存在してもよい)、C1−6−アルコキシ(すなわち、C1−6−アルキル−オキシ)、C2−6−アルケニルオキシ、カルボキシ、オキソ(ケトまたはアルデヒド官能基を形成する)、C1−6−アルキルカルボニル、ホルミル、アリール、アリールオキシ、アリールアミノ、アリールカルボニル、ヘテロアリール、ヘテロアリールオキシ、ヘテロアリールアミノ、ヘテロアリールカルボニル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルオキシ、ヘテロシクリルアミノ、ヘテロシクリルカルボニル、アミノ、モノ−およびジ(C1−6−アルキル)アミノ;カルバモイル、モノ−およびジ(C1−6−アルキル)アミノカルボニル、アミノ−C1−6−アルキル−アミノカルボニル、モノ−およびジ(C1−6−アルキル)アミノ−C1−6−アルキル−アミノカルボニル、C1−6−アルキルカルボニルアミノ、グアニジノ、カルバミド、C1−6−アルキル−スルホニル−アミノ、C1−6−アルキル−スルホニル、C1−6−アルキル−スルフィニル、C1−6−アルキルチオ、ハロゲン[ここで、アリール、ヘテロアリールおよびヘテロシクリルのいずれも、とりわけアリール、ヘテロアリールおよびヘテロシクリルの場合に、具体的に以下に記載の通りに置換されていてもよい]から選択される。
【0021】
ある態様では、置換基は、ヒドロキシ、C1−6−アルコキシ、アミノ、モノ−およびジ(C1−6−アルキル)アミノ、カルボキシ、C1−6−アルキルカルボニルアミノ、C1−6−アルキルアミノカルボニル、またはハロゲンから選択される。
【0022】
“ハロゲン”という用語は、フルオロ、クロロ、ブロモ、およびヨードを含む。
【0023】
本文脈において、“アリール”という用語は、完全または部分的な芳香族炭素環式環または環系、例えば、フェニル、ナフチル、1,2,3,4−テトラヒドロナフチル、アントラシル、フェナントラシル、ピレニル、ベンゾピレニル、フルオレニルおよびキサンテニル(これらの中で好ましい例としてはフェニルがある)を意味することを意図する。
【0024】
“ヘテロアリール”という用語は、一個以上の炭素原子がヘテロ原子、例えば、窒素(=N−または−NH−)、硫黄、および/または酸素原子で置換されている、完全または部分的芳香族炭素環式環または環系を意味することを意図する。こうしたヘテロアリール基の例には、オキサゾリル、イソオキサゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、ピロリル、イミダゾリル、ピラゾリル、ピリジニル、ピリミジニル、ピラジニル、ピリダジニル、トリアジニル、クマリル、フラニル、チエニル、キノリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾトリアゾリル、ベンゾジアゾリル、ベンゾオキサゾリル(benzooxozolyl)、フタラジニル、フタラニル、トリアゾリル、テトラゾリル、イソキノリル、アクリジニル、カルバゾリル、ジベンゾアゼピニル、インドリル、ベンゾピラゾリル、フェノキサゾニルがある。特に興味深いヘテロアリール基は、ベンゾイミダゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、ピロリル、イミダゾリル、ピラゾリル、ピリジニル、ピリミジニル、ピラジニル、ピリダジニル、フリル、チエニル、キノリル、トリアゾリル、テトラゾリル、イソキノリル、インドリルであり、特にベンゾイミダゾリル、ピロリル、イミダゾリル、ピリジニル、ピリミジニル、フリル、チエニル、キノリル、テトラゾリル、およびイソキノリルである。
【0025】
“ヘテロシクリル”という用語は、一個以上の炭素原子がヘテロ原子、例えば、窒素(=N−または−NH−)、硫黄、および/または酸素原子で置換されている非芳香族炭素環式環または環系を意味することを意図する。こうしたヘテロシクリル基(環によって称される)の例には、イミダゾリジン、ピペラジン、ヘキサヒドロピリダジン、ヘキサヒドロピリミジン、ジアゼパン、ジアゾカン、ピロリジン、ピペリジン、アゼパン、アゾカン、アジリジン、アジリン、アゼチジン、ピロリン、トロパン、オキサジナン(モルホリン)、アゼピン、ジヒドロアゼピン、テトラヒドロアゼピン、およびヘキサヒドロアゼピン、オキサゾラン、オキサゼパン、オキサゾカン、チアゾラン、チアジナン、チアゼパン、チアゾカン、オキサゼタン、ジアゼタン、チアゼタン、テトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン、オキセパン、テトラヒドロチオフェン、テトラヒドロチオピラン、チエパン、ジチアン、ジチエパン、ジオキサン、ジオキセパン、オキサチアン、オキサチエパンがある。最も興味深い例は、テトラヒドロフラン、イミダゾリジン、ピペラジン、ヘキサヒドロピリダジン、ヘキサヒドロピリミジン、ジアゼパン、ジアゾカン、ピロリジン、ピペリジン、アゼパン、アゾカン、アゼチジン、トロパン、オキサジナン(モルホリン)、オキサゾラン、オキサゼパン、チアゾラン、チアジナン、およびチアゼパンであり、特にテトラヒドロフラン、イミダゾリジン、ピペラジン、ヘキサヒドロピリダジン、ヘキサヒドロピリミジン、ジアゼパン、ピロリジン、ピペリジン、アゼパン、オキサジナン(モルホリン)、およびチアジナンである。
【0026】
本発明の文脈において、すなわち、“アリール”、“ベンジリデン”、“ヘテロアリール”、“ヘテロシクリル”など(例えば、“アリールオキシ”、“ヘテロアリールカルボニル”など)という用語に関連して、“所望により置換されていてよい”という用語は、当該基が、ヒドロキシ(これは、エノール系で存在するとき、互変異性のケト形で示されていてよい)、C1−6−アルキル、C1−6−アルコキシ、C2−6−アルケニルオキシ、オキソ(これは互変異性エノール形で示されてよい)、カルボキシ、C1−6−アルコキシカルボニル、C1−6−アルキルカルボニル、ホルミル、アリール、アリールオキシ、アリールアミノ、アリールオキシカルボニル、アリールカルボニル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアミノ、アミノ、モノ−およびジ(C1−6−アルキル)アミノ;カルバモイル、モノ−およびジ(C1−6−アルキル)アミノカルボニル、アミノ−C1−6−アルキルアミノカルボニル、モノ−およびジ(C1−6−アルキル)アミノ−C1−6−アルキル−アミノカルボニル、C1−6−アルキルカルボニルアミノ、シアノ、グアニジノ、カルバミド、C1−6−アルカノイルオキシ、C1−6−アルキル−スルホニル−アミノ、アリールスルホニル−アミノ、ヘテロアリールスルホニル−アミノ、C1−6−アルキル−スルホニル、C1−6−アルキル−スルフィニル、C1−6−アルキルスルホニルオキシ、ニトロ、スルファニル、アミノ、アミノ−スルホニル、モノ−およびジ(C1−6−アルキル)アミノスルホニル、ジハロゲン−C1−4−アルキル、トリハロゲン−C1−4−アルキル、ハロゲン[ここで、置換基として述べられているアリールおよびヘテロアリールは、C1−4−アルキル、C1−4−アルコキシ、ニトロ、シアノ、アミノまたはハロゲンで1〜3回置換されていてもよく、そして置換基として示されるすべてのアルキル、アルコキシなどは、ヒドロキシ、C1−6−アルコキシ、C2−6−アルケニルオキシ、アミノ、モノ−およびジ(C1−6−アルキル)アミノ、カルボキシ、C1−6−アルキルカルボニルアミノ、ハロゲン、C1−6−アルキルチオ、C1−6−アルキル−スルホニル−アミノ、またはグアニジノで置換されていてもよい]から選択される基で、1回または数回、好ましくは1〜5回、特に1〜3回置換されていてよいということを意味することを意図する。
【0027】
通例、この置換基は、ヒドロキシ、C1−6−アルキル、C1−6−アルコキシ、オキソ(互変異性エノール形で示されてよい)、カルボキシ、C1−6−アルキルカルボニル、ホルミル、アミノ、モノ−およびジ(C1−6−アルキル)アミノ;カルバモイル、モノ−およびジ(C1−6−アルキル)アミノカルボニル、アミノ−C1−6−アルキル−アミノカルボニル、C1−6−アルキルカルボニルアミノ、グアニジノ、カルバミド、C1−6−アルキル−スルホニル−アミノ、アリール−スルホニル−アミノ、ヘテロアリールスルホニル−アミノ、C1−6−アルキル−スルホニルホニル、C1−6−アルキル−スルフィニル、C1−6−アルキルスルホニルオキシ、スルファニル、アミノ、アミノ−スルホニル、モノ−およびジ(C1−6−アルキル)アミノ−スルホニルまたはハロゲン[ここで、置換基として示されるすべてのアルキル、アルコキシなどは、ヒドロキシ、C1−6−アルコキシ、C2−6−アルケニルオキシ、アミノ、モノ−およびジ(C1−6−アルキル)アミノ、カルボキシ、C1−6−アルキルカルボニルアミノ、ハロゲン、C1−6−アルキルチオ、C1−6−アルキル−スルホニル−アミノ、またはグアニジノで置換されていてもよい]から選択される。ある態様では、この置換基は、C1−6−アルキル、C1−6−アルコキシ、アミノ、モノ−およびジ(C1−6−アルキル)アミノ、スルファニル、カルボキシ、またはハロゲン[ここで、置換基として示されるすべてのアルキル、アルコキシなどは、ヒドロキシ、C1−6−アルコキシ、C2−6−アルケニルオキシ、アミノ、モノ−およびジ(C1−6−アルキル)アミノ、カルボキシ、C1−6−アルキルカルボニルアミノ、ハロゲン、C1−6−アルキルチオ、C1−6−アルキル−スルホニル−アミノ、またはグアニジノで置換されていてもよい]から選択される。
【0028】
“所望によりN−置換されていてよいアミノ酸”という表現は、α−窒素が−N(R)R(ここで、RおよびRは、本明細書中に定義の通りである)によって示されるアミノ酸部分を意味する。非置換の変形は、RおよびRが両方とも水素であるものである。
【0029】
本明細書中で使用されている“プロドラッグ”という用語は、生理学的条件の作用を受けると、当該化合物の誘導体を遊離し、次いでこの化合物が所望の生物学的活性を示すことができる化合物と意味することを意図する。
【0030】
“薬学的に許容される塩”という用語は、酸付加塩および塩基性塩を含んでいることを意図する。酸付加塩の例は、非毒性酸と形成される薬学的に許容される塩である。マレイン酸、フマル酸、安息香酸、アスコルビン酸、コハク酸、シュウ酸、ビス−メチレンサリチル酸、メタンスルホン酸、エタンジスルホン酸、酢酸、プロピオン酸、酒石酸、サリチル酸、クエン酸、グルコン酸、乳酸、リンゴ酸、マンデル酸、桂皮酸、シトラコン酸、アスパラギン酸、ステアリン酸、パルミチン酸、イタコン酸、グリコール酸、p−アミノ安息香酸、グルタミン酸、ベンゼンスルホン酸、およびテオフィリン酢酸、ならびに8−ハロテオフィリン(例えば、8−ブロモテオフィリン)との塩がこうした有機塩の代表例である。塩酸、臭素酸、硫酸、スルファミン酸、リン酸、および硝酸との塩がこうした無機塩の代表例である。塩基性塩の例としては、(残存する)対イオンが、ナトリウムおよびカリウムのようなアルカリ金属、カルシウムのようなアルカリ土類金属、およびアンモニウムイオン[N(R)3R’(ここで、RおよびR’は、独立して、所望により置換されていてよいC1−6−アルキル、所望により置換されていてよいC2−6−アルケニル、所望により置換されていてよいアリール、または所望により置換されていてよいヘテロアリールを示す)]から選択される塩がある。薬学的に許容される塩は、例えば、Remington’s Pharmaceutical Sciences, 17. Ed. Alfonso R. Gennaro (Ed.), Mack Publishing Company, Easton, PA、U.S.A., 1985 およびより最新版ならびに製薬技術専門辞典に述べられている塩である。従って、本明細書中で使用されている“酸付加塩または塩基性塩”という用語は、こうした塩を含むことを意図する。更に、こうした化合物および任意の中間体または出発物質はまた、水和物の形で存在してもよい。
【0031】
更に、当該化合物は、エナンチオマーまたはジアステレオマー(例えば、XおよびXが異なる場合)として存在し得るということが理解されるべきである。本発明は、こうした可能性のあるエナンチオマーおよびジアステレオマー、ならびに一つまたは可能性のあるエナンチオマーまたはジアステレオマーに富むラセミ体および混合物のいずれも含む。
【0032】
態様
一般式(I)の化合物は、タイプ(i)、(ii)、(iii)、(iv)、(v)、(vi)、(vii)および(viii)のいずれかの、少なくとも一つのプロドラッグ基を含んでいなければならないと理解されるべきである。この化合物は、たった一つのプロドラッグ基を含んでいてよく、すなわち、XおよびXの一つが、タイプ(i)〜(vi)のいずれかのプロドラッグ基であるか、またはRが、タイプ(vii)〜(viii)のいずれか一つのプロドラッグ基である。あるいは、当該化合物は、2個以上のプロドラッグ基を含んでいてもよく、例えば、XおよびXの両方とも、タイプ(i)〜(vi)のいずれかのプロドラッグ基であるか、または、Rが、タイプ(vii)〜(viii)のいずれかのプロドラッグ基であり、同時に、XおよびXの一つが、タイプ(i)〜(vi)のいずれかのプロドラッグ基であるか、または、XおよびXの両方とも、タイプ(i)〜(vi)のいずれかのプロドラッグ基であり、且つRが、タイプ(vii)〜(viii)のいずれか一つのプロドラッグ基である。
【0033】
現時点で、最も興味深い態様では、XおよびXの少なくとも一つが、プロドラッグ基(i)−O−C(=O)−Z[式中、Zは、置換されたC1−6−アルキルおよび−CH(R)−N(R)Rから選択される]を表す。
【0034】
この場合の一つの変形では、Zは、置換されたC1−6−アルキルを表す。
【0035】
現時点で、別のより好ましい変形では、Zは、−CH(R)−N(R)Rを表す。
【0036】
通例、Rは、水素、所望により置換されていてよいC1−6−アルキル、所望により置換されていてよいC2−6−アルケニル、アリール、ヘテロシクリル、およびヘテロアリール[ここで、アリール、ヘテロシクリルおよびヘテロアリールのいずれも、所望により置換されていてもよい]から選択されるか、またはRおよびRは、それらが結合する、それらの間に存在する炭素および窒素原子と一体となって、ヘテロ環式環を形成する。
【0037】
また、通例、RおよびRは、独立して、水素、所望により置換されていてよいC1−6−アルキル、ヒドロキシ、所望により置換されていてよいC1−6−アルコキシ、所望により置換されていてよいC1−6−アルコキシカルボニル、所望により置換されていてよいC1−6−アルキルカルボニル、ホルミル、モノ−およびジ(C1−6−アルキル)アミノカルボニル、アミノ、C1−6−アルキルカルボニルアミノ、モノ−およびジ(C1−6−アルキル)アミノ、C1−6−アルキルスルホニル、C1−6−アルキルスルフィニル、アリール、アリールオキシ、アリールカルボニル、アリールアミノ、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルオキシ、ヘテロシクリルカルボニル、ヘテロシクリルアミノ、ヘテロアリール、ヘテロアリールオキシ、ヘテロアリールカルボニル、およびヘテロアリールアミノ[ここで、アミノ置換基としてのC1−6−アルキルは、いずれも、所望により、ヒドロキシ、C1−6−アルコキシ、アミノ、モノ−およびジ(C1−6−アルキル)アミノ、カルボキシ、C1−6−アルキルカルボニルアミノ、C1−6−アルキルアミノカルボニル、またはハロゲンで置換されていてよく、そしてここで、アリール、ヘテロシクリルおよびヘテロアリールは、いずれも、所望により置換されていてよい]から選択されるか;または、RおよびRはそれらが結合する窒素原子と一体となって、ヘテロ環式環を形成する。
【0038】
しかしながら、この変形においては、Rは必須アミノ酸の側鎖から選択されるのが好ましいか、またはRおよびRは、それらが結合する、それらの間に存在する炭素および窒素原子と一体となって、ヘテロ環式環を形成する。このような例では、Rは、水素(グリシンを表す)、メチル(アラニン)、2−プロピル(バリン)、2−メチル−1−プロピル(ロイシン)、2−ブチル(イソロイシン)、メチルチオエチル(メチオニン)、ベンジル(フェニルアラニン)、3−インドリルメチル(トリプトファン)、ヒドロキシメチル(セリン)、1−ヒドロキシエチル(トレオニン)、メルカプトメチル(システイン)、4−ヒドロキシベンジル(チロシン)、アミノカルボニルメチル(アスパラギン)、2−アミノカルボニルエチル(グルタミン)、カルボキシメチル(アスパラギン酸)、2−カルボキシエチル(グルタミン酸)、4−アミノ−1−ブチル(リシン)、3−グアニジノ−1−プロピル(アルギニン)、および4−イミダゾリルメチル(ヒスチジン)から選択されるのが好ましいか、またはRおよびRは、それらが結合する、それらの間に存在する炭素および窒素原子と一体となって、ピロリジン環(プロリン)を形成する。
【0039】
別の好ましい態様では、XおよびXの少なくとも一つは、プロドラッグ基(ii)−O−C(=O)−O−Y(ここで、Yは、所望により置換されていてよいC1−6−アルキルから選択されるか、または−O−Yは、
【化9】


を表す)を表す。
【0040】
上記の態様[プロドラッグ基(i)および(ii)]の変形も、また好ましく、ここでRが水素であり、そしてRが、水素、所望により置換されていてよいC1−6−アルキル、所望により置換されていてよいC1−6−アルコキシカルボニル、所望により置換されていてよいC1−6−アルキルカルボニル、モノ−およびジ(C1−6−アルキル)アミノカルボニル、C1−6−アルキルスルホニル、C1−6−アルキルスルフィニル、アリール、アリールカルボニル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルオキシ、ヘテロアリール、およびヘテロアリールオキシ[ここで、アミノ置換基としてのC1−6−アルキルは、いずれも、所望により、ヒドロキシ、C1−6−アルコキシ、アミノ、モノ−およびジ(C1−6−アルキル)アミノ、カルボキシ、C1−6−アルキルカルボニルアミノ、C1−6−アルキルアミノカルボニル、またはハロゲンで置換されていてよく、そしてここで、アリール、ヘテロシクリルおよびヘテロアリールは、いずれも、所望により置換されていてよい]から選択されるか;またはRおよびRは、それらが結合する窒素原子と一体となって、ヘテロ環式環を形成する。
【0041】
別の好ましい態様では、XおよびXの少なくとも一つが、プロドラッグ基(iii)
【化10】


を表す。
【0042】
通例、Aは、所望により置換されていてよいC1−6−アルキリデン、および所望により置換されていてよいベンジリデンから選択され;Bは、単結合、−O−および−S−から選択され;そしてRは、水素、所望により置換されていてよいC1−6−アルキル、所望により置換されていてよいC1−6−アルコキシ、所望により置換されていてよいC1−6−アルコキシカルボニル、所望により置換されていてよいC1−6−アルキルカルボニル、モノ−およびジ(C1−6−アルキル)アミノカルボニル、アミノ、C1−6−アルキルカルボニルアミノ、モノ−およびジ(C1−6−アルキル)アミノ、アリール、アリールオキシ、アリールカルボニル、アリールアミノ、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルオキシ、ヘテロシクリルカルボニル、ヘテロシクリルアミノ、ヘテロアリール、ヘテロアリールオキシ、ヘテロアリールカルボニル、およびヘテロアリールアミノ[ここで、アミノ置換基としてのC1−6−アルキルは、いずれも、所望により、ヒドロキシ、C1−6−アルコキシ、アミノ、モノ−およびジ(C1−6−アルキル)アミノ、カルボキシ、C1−6−アルキルカルボニルアミノ、C1−6−アルキルアミノカルボニル、またはハロゲンで置換されていてよく、そしてここで、アリール、ヘテロシクリルおよびヘテロアリールは、いずれも、所望により置換されていてよい]から選択されるか;またはプロドラッグ基(iii)中の−C(=O)−B−Rは、所望によりN−置換されていてよいアミノ酸を表してもよい。
【0043】
一つの変形では、Rは、水素、所望により置換されていてよいC1−6−アルキル、所望により置換されていてよいC1−6−アルコキシ、所望により置換されていてよいC1−6−アルコキシカルボニル、所望により置換されていてよいC1−6−アルキルカルボニル、モノ−およびジ(C1−6−アルキル)アミノカルボニル、アミノ、C1−6−アルキルカルボニルアミノ、モノ−およびジ(C1−6−アルキル)アミノ、アリール、アリールオキシ、アリールカルボニル、アリールアミノ、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルオキシ、ヘテロシクリルカルボニル、ヘテロシクリルアミノ、ヘテロアリール、ヘテロアリールオキシ、ヘテロアリールカルボニル、およびヘテロアリールアミノ[ここで、アミノ置換基としてのC1−6−アルキルは、いずれも、所望により、ヒドロキシ、C1−6−アルコキシ、アミノ、モノ−およびジ(C1−6−アルキル)アミノ、カルボキシ、C1−6−アルキルカルボニルアミノ、C1−6−アルキルアミノカルボニル、またはハロゲンで置換されていてよく、そしてここで、アリール、ヘテロシクリルおよびヘテロアリールは、いずれも、所望により置換されていてよい]から選択される。
【0044】
別の現時点で好ましい変形では、プロドラッグ基(iii)中の−C(=O)−B−Rは、所望によりN−置換されていてよいアミノ酸[すなわち、Bは、単結合であり、そしてRは、−CH(R)−N(R)R(ここで、R、RおよびRは、上記のプロドラッグ基(i)および(ii)に定義の通りである)を表す]を表してもよい。特に、Rは、好ましくは、必須アミノ酸の側鎖から選択されるか、またはRおよびRは、それらが結合する、それらの間に存在する炭素および窒素原子と一体となって、ピロリジン環を形成する(プロドラッグ基(i)および(ii)の場合の上記の例参照)。
【0045】
更に別の態様では、XおよびXの少なくとも一つは、プロドラッグ基タイプ(iv)〜(vi)のいずれかのプロドラッグ基、
【化11】


【化12】


【化13】


を表す。
【0046】
通例、Aは、所望により置換されていてよいC1−6−アルキリデン、および所望により置換されていてよいベンジリデンから選択され;Rは、水素、ヒドロキシ、所望により置換されていてよいC1−6−アルキル、所望により置換されていてよいC1−6−アルコキシ、および所望により置換されていてよいC2−6−アルケニルオキシから選択され;そしてR10は、ヒドロキシ、所望により置換されていてよいC1−6−アルキル、所望により置換されていてよいC1−6−アルコキシ、所望により置換されていてよいC2−6−アルケニルオキシ;アリールオキシ、ヘテロシクリルオキシ、およびヘテロアリールオキシ[ここで、アリール、ヘテロシクリルおよびヘテロアリールのいずれも、所望により置換されていてもよい]から選択される;但し、RおよびR10は、両方とも、ヒドロキシおよびC1−6−アルコキシから選択されることはない。
【0047】
この態様において、Rは、好ましくは、水素およびヒドロキシから選択され、そしてR10は、好ましくは、所望により置換されていてよいC1−6−アルコキシ、所望により置換されていてよいC2−6−アルケニルオキシ;アリールオキシ、ヘテロシクリルオキシ、およびヘテロアリールオキシから選択される[ここで、アリール、ヘテロシクリルおよびヘテロアリールのいずれも、所望により置換されていてもよい]。より詳細には、Rはヒドロキシであり、そしてR10は、所望により置換されていてよいC1−6−アルコキシ、アリールオキシ、ヘテロシクリルオキシ、そしてヘテロアリールオキシ[ここで、アリール、ヘテロシクリルおよびヘテロアリールのいずれも、所望により置換されていてもよい]から選択される。
【0048】
更に別の態様では、Rは、タイプ(vii)〜(viii)のいずれかのプロドラッグ基
【化14】


【化15】


を表す。
【0049】
通例、Aは、所望により置換されていてよいC1−6−アルキリデン、および所望により置換されていてよいベンジリデンから選択され;Bは、単結合、−O−、および−S−から選択され;そしてRは、水素、所望により置換されていてよいC1−6−アルキル、所望により置換されていてよいC1−6−アルコキシ、所望により置換されていてよいC1−6−アルコキシカルボニル、所望により置換されていてよいC1−6−アルキルカルボニル、モノ−およびジ(C1−6−アルキル)アミノカルボニル、アミノ、C1−6−アルキルカルボニルアミノ、モノ−およびジ(C1−6−アルキル)アミノ、アリール、アリールオキシ、アリールカルボニル、アリールアミノ、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルオキシ、ヘテロシクリルカルボニル、ヘテロシクリルアミノ、ヘテロアリール、ヘテロアリールオキシ、ヘテロアリールカルボニル、およびヘテロアリールアミノ[ここで、アミノ置換基としてのC1−6−アルキルは、いずれも、所望により、ヒドロキシ、C1−6−アルコキシ、アミノ、モノ−およびジ(C1−6−アルキル)アミノ、カルボキシ、C1−6−アルキルカルボニルアミノ、C1−6−アルキルアミノカルボニル、またはハロゲンで置換されていてよく、そしてここで、アリール、ヘテロシクリルおよびヘテロアリールは、いずれも、所望により置換されていてよい]から選択されるか;またはプロドラッグ基(vii)中の−C(=O)−B−Rは、所望によりN−置換されていてよいアミノ酸を表し得る。
【0050】
現時点で好ましい変形では、プロドラッグ基(vii)中の−C(=O)−B−Rは、所望によりN−置換されていてよいアミノ酸[すなわち、Bは、単結合であり、そしてRは、−CH(R)−N(R)R(ここで、R、RおよびRは、上記のプロドラッグ基(i)および(ii)に定義の通りである)を表す]を表す。特に、Rは、好ましくは、必須アミノ酸の側鎖から選択されるか、またはRおよびRは、それらが結合する、それらの間に存在する炭素および窒素原子と一体となって、ピロリジン環を形成する(プロドラッグ基(i)および(ii)の場合の上記の例参照)。
【0051】
、V、V、およびVの官能基は、主として、原子の空間的配置に関する特性であり、すなわち、基R−Rの配向を決定しているものと考えられている。しかしながら、また、一個以上のV、V、V、およびVとしてのヘテロ原子を選択することは、他の実在しているものとの双極性相互作用を生み出し、そしてそれによって例えば、一般式(I)の化合物の溶解性に影響を及ぼし得ると考えられる。
【0052】
、V、V、およびVは、炭素原子、非四級窒素原子、酸素原子、および硫黄原子から独立して選択され、そしてここで、−V−V−V−V−が、VおよびVが結合する原子と一体となって、芳香族またはヘテロ芳香族環を形成するように、Vは、更に結合から選択されてもよい。こうした芳香族環およびヘテロ芳香族環の特に有用な例は、ベンゼン環、チオフェン環[V=S、V=V=C(−)そしてV=結合;V=S、V=V=C(−)そしてV=結合;またはV=S、V=V=C(−)そしてV=結合];フラン環[V=O、V=V=C(−)そしてV=結合;V=O、V=V=C(−)そしてV=結合;またはV=O、V=V=C(−)そしてV=結合];ピラゾール環[V=N(−)、V=N、V=C(−)そしてV=結合;V=N、V=N(−)、V=C(−)そしてV=結合]、イミダゾール環[V=N(−)、V=C(−)、V=NそしてV=結合;V=N、V=C(−)、V=N(−)そしてV=結合]、ピリジン環[V=N、V=V=V=C(−);V=N、V=V=V=C(−);V=N、V=V=V=C(−)そしてV=N、V=V=V=C(−)]、ピリミジン環[V=V=N、V=V=C(−);V=V=N、V=V=C(−)]、ピラジン[V=V=N、V=V=C(−)]、ピリダジン環[V=V=N、V=V=C(−);V=V=N、V=V=C(−);V=V=N、V=V=C(−)];チアゾール環[V=N、V=C(−)、V=S、V=結合;V=S、V=C(−)、V=N、V=結合]、およびイソチアゾール環[V=N、V=S、V=C(−)、V=結合;V=S、V=N、V=C(−)、V=結合;V=C(−)、V=S、V=N、V=結合;V=C(−)、V=N、V=S、V=結合]から選択される芳香族環およびヘテロ芳香族環である。
【0053】
それぞれのヘテロ芳香族式環についてのV、V、V、およびVの意味は、ヘテロ原子の種々の配向が可能であることを示す目的のために単に特定化したに過ぎない。更に、それぞれの環が、一般式(I)に従って置換基R、R、RおよびR(適用され得るとき)を有するということが理解されるべきである。従って、V、V、VおよびVの可能性のある意味として“C(−)”そして“N(−)”の明示が、問題の原子が置換基(水素であってもよい)を有するということを述べる目的のためになされている。“N”の明示は、それぞれの原子が“R”置換基を持っていないということ(すなわち、対応する“R”置換基を欠如している)を意味する。
【0054】
一つの態様では、−V−V−V−V−が、VおよびVが結合する原子と一体となって、ベンゼン環、チオフェン環、フラン環、ピラゾール環、イミダゾール環、ピリジン環、ピリミジン環、ピラジン、およびピリダジン環から選択される環、特に、ベンゼン環および窒素原子がVを表すピリジン環から選択される環を形成する(実施例も参照)。一般式(I)に従って、それぞれの環(芳香族またはヘテロ芳香族)が、置換基R〜R(適用されるとき)を有している。
【0055】
置換基R〜R(適用されるとき)は、生物学的作用、例えば、癌細胞の細胞増殖を阻止する化合物の能力、に少なくとも部分的に役立つものと考えられる。
【0056】
一つの態様では、R、R、R、およびRは、炭素原子に結合するとき、独立して、水素、所望により置換されていてよいC1−6−アルキル、所望により置換されていてよいC2−6−アルケニル、ヒドロキシ、所望により置換されていてよいC1−6−アルコキシ、所望により置換されていてよいC2−6−アルケニルオキシ、カルボキシ、所望により置換されていてよいC1−6−アルコキシカルボニル、所望により置換されていてよいC1−6−アルキルカルボニル、所望により置換されていてよいC1−6−アルキルカルボニルオキシ、ホルミル、アミノ、モノ−およびジ(C1−6−アルキル)アミノ、カルバモイル、モノ−およびジ(C1−6−アルキル)アミノカルボニル、C1−6−アルキルカルボニルアミノ、C1−6−アルキルスルホニルアミノ、シアノ、カルバミド、モノ−およびジ(C1−6−アルキル)アミノカルボニルアミノ、C1−6−アルカノイルオキシ、C1−6−アルキルスルホニル、C1−6−アルキルスルフィニル、アミノスルホニル、モノ−およびジ(C1−6−アルキル)アミノスルホニル、ニトロ、所望により置換されていてよいC1−6−アルキルチオ、およびハロゲン[ここで、アミノ置換基としてのC1−6−アルキルは、いずれも、所望により、ヒドロキシ、C1−6−アルコキシ、アミノ、モノ−およびジ(C1−6−アルキル)アミノ、カルボキシ、C1−6−アルキルカルボニルアミノ、C1−6−アルキルアミノカルボニル、またはハロゲンで置換されていてよい]から選択され;そしてR、R、R、およびRは、窒素原子に結合するとき、独立して、水素、所望により置換されていてよいC1−6−アルキル、ヒドロキシ、所望により置換されていてよいC1−6−アルコキシ、所望により置換されていてよいC1−6−アルコキシカルボニル、所望により置換されていてよいC1−6−アルキルカルボニル、ホルミル、モノ−およびジ(C1−6−アルキル)アミノカルボニル、アミノ、C1−6−アルキルカルボニルアミノ、モノ−およびジ(C1−6−アルキル)アミノ、C1−6−アルキルスルホニル、およびC1−6−アルキルスルフィニル[アミノ置換基としてのC1−6−アルキルは、いずれも、所望により、ヒドロキシ、C1−6−アルコキシ、アミノ、モノ−およびジ(C1−6−アルキル)アミノ、カルボキシ、C1−6−アルキルカルボニルアミノ、C1−6−アルキルアミノカルボニル、またはハロゲンで置換されていてよく、そしてここで、アリール、ヘテロシクリルおよびヘテロアリールは、いずれも、所望により置換されていてよい]から選択される。
【0057】
より具体的には、R、R、RおよびRは、独立して、水素、ハロゲン、所望により置換されていてよいC1−6−アルキル、ヒドロキシ、所望により置換されていてよいC1−6−アルコキシ、所望により置換されていてよいC1−6−アルコキシカルボニル、所望により置換されていてよいC1−6−アルキルカルボニル、アミノ、C1−6−アルキルカルボニルアミノ、C1−6−アルキルカルボニルアミノ、C1−6−アルキルスルホニルアミノ、モノ−およびジ(C1−6−アルキル)アミノスルホニル、およびモノ−およびジ(C1−6−アルキル)アミノ[ここで、アミノ置換基としてのC1−6−アルキルは、いずれも、所望により、ヒドロキシ、C1−6−アルコキシ、アミノ、モノ−およびジ(C1−6−アルキル)アミノ、カルボキシ、C1−6−アルキルカルボニルアミノ、C1−6−アルキルアミノカルボニル、またはハロゲンで置換されていてよい]から選択され、例えば、水素、所望により置換されていてよいC1−6−アルキル、ヒドロキシ、所望により置換されていてよいC1−6−アルコキシ、所望により置換されていてよいC1−6−アルコキシカルボニル、所望により置換されていてよいC1−6−アルキルカルボニル、アミノ、C1−6−アルキルカルボニルアミノ、C1−6−アルキルカルボニルアミノ、C1−6−アルキルスルホニルアミノ、モノ−およびジ(C1−6−アルキル)アミノスルホニル、およびモノ−およびジ(C1−6−アルキル)アミノ[ここで、アミノ置換基としてのC1−6−アルキルは、いずれも、所望により、ヒドロキシ、C1−6−アルコキシ、アミノ、モノ−およびジ(C1−6−アルキル)アミノ、カルボキシ、C1−6−アルキルカルボニルアミノ、C1−6−アルキルアミノカルボニル、またはハロゲンで置換されていてよい]から選択される。
【0058】
上記の別法として、RおよびRは、一つの態様では、それらが結合する炭素原子と一体となって、ヘテロ環式環またはヘテロ芳香族環を形成してもよく;そして別の態様では、RおよびRは、それらが結合する炭素原子と一体となって、芳香族環または炭素環式環を形成してもよい。
【0059】
好ましくは、R、R、RおよびRについては、全てが水素原子ということはない。
【0060】
現時点で極めて好ましい態様では、RおよびRが両方ともハロゲン、特にRおよびRが両方ともフッ素である。この態様中の変形では、R、RおよびRがすべて水素である。
【0061】
は、プロドラッグ基(vi)を含む広範な種類の置換基から選択され得ると考えられている。プロドラッグ基ではないとき、Rは、水素、C1−6−アルキル、アミノ、およびC1−6−アルキルカルボニルアミノから選択されるのが有利であり得る。Rが、水素およびC1−6−アルキルから、特に水素およびメチル、最も通例には水素から選択される変形が最も好ましい。
【0062】
現時点で好ましい変形の一つでは、
、V、V、およびVが、それぞれ炭素原子を表し;
およびRが、両方ともフルオロであり;
およびRが、すべて水素であり;
が、水素であり;
およびXの少なくとも一つが、プロドラッグ基(i)−O−C(=O)−CH(R)−N(R)R[ここで、Rは、水素(グリシン)、メチル(アラニン)、2−プロピル(バリン)、2−メチル−1−プロピル(ロイシン)、2−ブチル(イソロイシン)、メチルチオエチル(メチオニン)、ベンジル(フェニルアラニン)、3−インドリルメチル(トリプトファン)、ヒドロキシメチル(セリン)、1−ヒドロキシエチル(トレオニン)、メルカプトメチル(システイン)、4−ヒドロキシベンジル(チロシン)、アミノカルボニルメチル(アスパラギン)、2−アミノカルボニルエチル(グルタミン)、カルボキシメチル(アスパラギン酸)、2−カルボキシエチル(グルタミン酸)、4−アミノ−1−ブチル(リシン)、3−グアニジノ−1−プロピル(アルギニン)、および4−イミダゾリルメチル(ヒスチジン)から選択されるか、またはRおよびRは、それらが結合する、それらの間に存在する炭素および窒素原子と一体となって、ピロリジン環(プロリン)を形成する]を表し;
は、水素であり、そしてRは、水素、所望により置換されていてよいC1−6−アルキル、所望により置換されていてよいC1−6−アルコキシカルボニル、所望により置換されていてよいC1−6−アルキルカルボニル、モノ−およびジ(C1−6−アルキル)アミノカルボニル、C1−6−アルキルスルホニル、C1−6−アルキルスルフィニル、アリール、アリールカルボニル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルオキシ、ヘテロアリール、およびヘテロアリールオキシ[ここで、アミノ置換基としてのC1−6−アルキルは、いずれも、所望により、ヒドロキシ、C1−6−アルコキシ、アミノ、モノ−およびジ(C1−6−アルキル)アミノ、カルボキシ、C1−6−アルキルカルボニルアミノ、C1−6−アルキルアミノカルボニル、またはハロゲンで置換されていてよく、そしてここで、アリール、ヘテロシクリルおよびヘテロアリールは、いずれも、所望により置換されていてよい]から選択されるか;またはRおよびRは、それらが結合する窒素原子と一体となって、ヘテロ環式環を形成し;そして
【0063】
またはXの他のものは、いずれも、水素、ヒドロキシ、所望により置換されていてよいC1−6アルコキシ、所望により置換されていてよいC1−6アルキル、所望により置換されていてよいC2−6アルケニル、カルボキシ、所望により置換されていてよいC1−6−アルコキシカルボニル、C1−6−アルキルカルボニルオキシ、所望により置換されていてよいC1−6アルキルカルボニル、ホルミル、アミノ、モノ−およびジ(C1−6−アルキル)アミノ、C1−6−アルキルカルボニルアミノ、C1−6−アルキルスルホニルアミノ、モノ−およびジ(C1−6−アルキル)アミノカルボニルアミノ、カルバモイル、モノ−およびジ(C1−6−アルキル)アミノカルボニル、メルカプト、所望により置換されていてよいC1−6−アルキルチオ、C1−6−アルキルスルホニル、モノ−およびジ(C1−6−アルキル)アミノスルホニル、シアノ、ハロゲン、アリール、アリールオキシ、アリールアミノ、アリールカルボニル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルオキシ、ヘテロシクリルアミノ、ヘテロシクリルカルボニル、ヘテロアリールオキシ、ヘテロアリールアミノ、ヘテロアリールカルボニル[ここで、アミノ置換基としてのC1−6−アルキルは、いずれも、所望により、ヒドロキシル、C1−6−アルコキシ、アミノ、モノ−およびジ(C1−6−アルキル)アミノ、カルボキシ、C1−6−アルキルカルボニルアミノ、C1−6−アルキルアミノカルボニル、またはハロゲンで置換されていてよく、そしてここで、アリール、ヘテロシクリルおよびヘテロアリールは、いずれも、所望により置換されていてよい]から選択される。
【0064】
一つの特定の態様では、Rは、Vが炭素原子のとき、水素、ハロゲン、C1−6アルキル、トリフルオロメチルおよびC1−6アルコキシから選択される。
【0065】
更なる態様では、Vが炭素原子であるとき、Rは、水素、ハロゲン、所望により置換されていてよいアリール、所望により置換されていてよいアリールオキシ、および所望により置換されていてよいヘテロアリールから選択される。
【0066】
更に、更なる態様では、Vが炭素原子であるとき、Rが、水素、所望により置換されていてよいC1−6−アルコキシ、ハロゲン、シアノ、所望により置換されていてよいアリール、所望により置換されていてよいアリールオキシ、所望により置換されていてよいヘテロアリール、アミノ、C1−6−アルキルカルボニルアミノ、C1−6−アルキルスルホニルアミノ、およびモノ−およびジ(C1−6−アルキル)アミノスルホニルから選択される。
【0067】
更に更なる態様では、Vが炭素原子であるとき、Rは水素である。
【0068】
一般式(Ia)の化合物
アミノ酸部分を含む少なくとも一つのプロドラッグ基が存在する化合物は、本発明の特に興味深い局面を表すことが見出された。それ故、本発明はまた、一般式(Ia):
【化16】


{ここで、X、XおよびRの少なくとも一つは、アミノ酸部分を含むプロドラッグ基を表し、
プロドラッグ基ではないXおよびXは、いずれも、水素、ヒドロキシ、所望により置換されていてよいC1−6アルコキシ、所望により置換されていてよいC1−6アルキル、所望により置換されていてよいC2−6アルケニル、カルボキシ、所望により置換されていてよいC1−6−アルコキシカルボニル、C1−6−アルキルカルボニルオキシ、所望により置換されていてよいC1−6アルキルカルボニル、ホルミル、アミノ、モノ−およびジ(C1−6−アルキル)アミノ、C1−6−アルキルカルボニルアミノ、C1−6−アルキルスルホニルアミノ、モノ−およびジ(C1−6−アルキル)アミノカルボニルアミノ、カルバモイル、モノ−およびジ(C1−6−アルキル)アミノカルボニル、メルカプト、所望により置換されていてよいC1−6−アルキルチオ、C1−6−アルキルスルホニル、モノ−およびジ(C1−6−アルキル)アミノスルホニル、シアノ、ハロゲン、アリール、アリールオキシ、アリールアミノ、アリールカルボニル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルオキシ、ヘテロシクリルアミノ、ヘテロシクリルカルボニル、ヘテロアリールオキシ、ヘテロアリールアミノ、ヘテロアリールカルボニル[ここで、アミノ置換基としてのC1−6−アルキルは、いずれも、所望により、ヒドロキシル、C1−6−アルコキシ、アミノ、モノ−およびジ(C1−6−アルキル)アミノ、カルボキシ、C1−6−アルキルカルボニルアミノ、C1−6−アルキルアミノカルボニル、またはハロゲンで置換されていてよく、そしてここで、アリール、ヘテロシクリルおよびヘテロアリールは、いずれも、所望により置換されていてよい]から、独立して、選択され;
【0069】
そしてプロドラッグ基ではないRは、水素、所望により置換されていてよいC1−6−アルキル、ヒドロキシ、所望により置換されていてよいC1−6−アルコキシ、所望により置換されていてよいC1−6−アルコキシカルボニル、所望により置換されていてよいC1−6−アルキルカルボニル、ホルミル、モノ−およびジ(C1−6−アルキル)アミノカルボニル、アミノ、C1−6−アルキルカルボニルアミノ、モノ−およびジ(C1−6−アルキル)アミノ、C1−6−アルキルスルホニル、およびC1−6−アルキルスルフィニル[ここで、アミノ置換基としてのC1−6−アルキルは、いずれも、所望により、ヒドロキシ、C1−6−アルコキシ、アミノ、モノ−およびジ(C1−6−アルキル)アミノ、カルボキシ、C1−6−アルキルカルボニルアミノ、C1−6−アルキルアミノカルボニル、またはハロゲンで置換されていてよい]から選択され;
、V、V、およびVは、独立して、炭素原子、非四級窒素原子、酸素原子、および硫黄原子から選択され、そして−V−V−V−V−が、VおよびVが結合する原子と一体となって、芳香族またはヘテロ芳香族環を形成するように、Vは、更に結合から選択されてもよく;
【0070】
、R、R、およびRは、炭素原子と結合するとき、独立して、水素、所望により置換されていてよいC1−6−アルキル、所望により置換されていてよいC2−6−アルケニル、ヒドロキシ、所望により置換されていてよいC1−6−アルコキシ、所望により置換されていてよいC2−6−アルケニルオキシ、カルボキシ、所望により置換されていてよいC1−6−アルコキシカルボニル、所望により置換されていてよいC1−6−アルキルカルボニル、所望により置換されていてよいC1−6−アルキルカルボニルオキシ、ホルミル、アミノ、モノ−およびジ(C1−6−アルキル)アミノ、カルバモイル、モノ−およびジ(C1−6−アルキル)アミノカルボニル、C1−6−アルキルカルボニルアミノ、C1−6−アルキルスルホニルアミノ、シアノ、カルバミド、モノ−およびジ(C1−6−アルキル)アミノカルボニルアミノ、C1−6−アルカノイルオキシ、C1−6−アルキルスルホニル、C1−6−アルキルスルフィニル、アミノスルホニル、モノ−およびジ(C1−6−アルキル)アミノスルホニル、ニトロ、所望により置換されていてよいC1−6−アルキルチオ、アリール、アリールオキシ、アリールカルボニル、アリールアミノ、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルオキシ、ヘテロシクリルアミノ、ヘテロシクリルカルボニル、ヘテロアリール、ヘテロアリールオキシ、ヘテロアリールアミノ、ヘテロアリールカルボニル、およびハロゲン[ここで、アミノ置換基としてのC1−6−アルキルは、いずれも、所望により、ヒドロキシル、C1−6−アルコキシ、アミノ、モノ−およびジ(C1−6−アルキル)アミノ、カルボキシ、C1−6−アルキルカルボニルアミノ、C1−6−アルキルアミノカルボニル、またはハロゲンで置換されていてよく、そしてアリール、ヘテロシクリルおよびヘテロアリールは、いずれも、所望により置換されていてよい]から選択され;
【0071】
、R、R、およびRは、窒素原子と結合するとき、独立して、水素、所望により置換されていてよいC1−6−アルキル、ヒドロキシ、所望により置換されていてよいC1−6−アルコキシ、所望により置換されていてよいC1−6−アルコキシカルボニル、所望により置換されていてよいC1−6−アルキルカルボニル、ホルミル、モノ−およびジ(C1−6−アルキル)アミノカルボニル、アミノ、C1−6−アルキルカルボニルアミノ、モノ−およびジ(C1−6−アルキル)アミノ、C1−6−アルキルスルホニル、C1−6−アルキルスルフィニル、アリール、アリールオキシ、アリールカルボニル、アリールアミノ、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルオキシ、ヘテロシクリルカルボニル、ヘテロシクリルアミノ、ヘテロアリール、ヘテロアリールオキシ、ヘテロアリールカルボニル、およびヘテロアリールアミノ[ここで、アミノ置換基としてのC1−6−アルキルは、いずれも、所望により、ヒドロキシル、C1−6−アルコキシ、アミノ、モノ−およびジ(C1−6−アルキル)アミノ、カルボキシ、C1−6−アルキルカルボニルアミノ、C1−6−アルキルアミノカルボニル、またはハロゲンで置換されていてよく、そしてアリール、ヘテロシクリルおよびヘテロアリールは、いずれも、所望により置換されていてよい]から選択されるか;
またはRおよびRは、それらが結合する炭素原子と一体となって、環、例えば、芳香族環、炭素環式環、またはヘテロ環式環またはヘテロ芳香族環、特に芳香族式環またはヘテロ芳香族環を形成する;
但し、V、V、VおよびVが、それぞれ炭素原子を表すとき、R、R、R、R、およびRについては、全てが水素原子であることはない}
で示される化合物、およびその薬学的に許容される塩を提供する。
【0072】
この態様においては、XおよびXの少なくとも一つが、(ia)および(iiia)
(ia)−O−C(=O)−CH(R)N(R)R;および
【化17】


{式中、Aは、所望により置換されていてよいC1−6−アルキリデン、および所望により置換されていてよいベンジリデンから選択され、
−C(=O)−B−Rは、所望によりN−置換されていてよいアミノ酸を表し;
は、水素(グリシン)、メチル(アラニン)、2−プロピル(バリン)、2−メチル−1−プロピル(ロイシン)、2−ブチル(イソロイシン)、メチルチオエチル(メチオニン)、ベンジル(フェニルアラニン)、3−インドリルメチル(トリプトファン)、ヒドロキシメチル(セリン)、1−ヒドロキシエチル(トレオニン)、メルカプトメチル(システイン)、4−ヒドロキシベンジル(チロシン)、アミノカルボニルメチル(アスパラギン)、2−アミノカルボニルエチル(グルタミン)、カルボキシメチル(アスパラギン酸)、2−カルボキシエチル(グルタミン酸)、4−アミノ−1−ブチル(リシン)、3−グアニジノ−1−プロピル(アルギニン)、および4−イミダゾリルメチル(ヒスチジン)から選択されるか、またはRおよびRは、それらが結合する、それらの間に存在する炭素および窒素原子と一体となって、ピロリジン環(プロリン)を形成し;
【0073】
およびRは、独立して、水素、所望により置換されていてよいC1−6−アルキル、ヒドロキシ、所望により置換されていてよいC1−6−アルコキシ、所望により置換されていてよいC1−6−アルコキシカルボニル、所望により置換されていてよいC1−6−アルキルカルボニル、ホルミル、モノ−およびジ(C1−6−アルキル)アミノカルボニル、アミノ、C1−6−アルキルカルボニルアミノ、モノ−およびジ(C1−6−アルキル)アミノ、C1−6−アルキルスルホニル、C1−6−アルキルスルフィニル、アリール、アリールオキシ、アリールカルボニル、アリールアミノ、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルオキシ、ヘテロシクリルカルボニル、ヘテロシクリルアミノ、ヘテロアリール、ヘテロアリールオキシ、ヘテロアリールカルボニル、およびヘテロアリールアミノ[ここで、アミノ置換基としてのC1−6−アルキルは、いずれも、所望により、ヒドロキシ、C1−6−アルコキシ、アミノ、モノ−およびジ(C1−6−アルキル)アミノ、カルボキシ、C1−6−アルキルカルボニルアミノ、C1−6−アルキルアミノカルボニル、またはハロゲンで置換されていてよく、そしてここでアリール、ヘテロシクリルおよびヘテロアリールは、いずれも、所望により置換されていてよい]から選択されるか;
または、RおよびRは、それらが結合する窒素原子と一体となって、ヘテロ環式環を形成する}
で示されるいずれかのプロドラッグ基であることが好ましい。
【0074】
更に、Rが、(vii)
【化18】


[ここで、Aは、所望により置換されていてよいC1−6−アルキリデン、および所望により置換されていてよいベンジリデンから選択され、そして−C(=O)−B−Rは、所望によりN−置換されていてよいアミノ酸を表す]
で示されるプロドラッグ基を表すことができる(単独のプロドラッグ基として、またはXおよび/またはXのような別のプロドラッグ基と組み合わせて)。
【0075】
一般式(I)の化合物に関連して供される置換基X、X、R、V、V、V、V、R、R、R、R、R、R、R、およびRの好ましい意味の更なる特定および表示はまた、必要に応じて変更を加えて一般式(Ia)の化合物にも適用される。
【0076】
一般式(Ib)の化合物
他の特定のプロドラッグ基を含んでいる化合物は、本発明の更に特に興味深い局面を表すことも見出された。それ故、本発明はまた、一般式(Ib):
【化19】


〔式中、
およびXは、それぞれ独立して、
(ix)〜(x)のいずれかのプロドラッグ基、
(ix)−O−C(=O)−Z[ここで、Zは、所望により置換されていてよいC1−6−アルケニルおよび−N(R)Rから選択される];および
(x)−O−CH−C(=O)−Y(ここで、Yは、所望により置換されていてよいC1−6−アルキルから選択される);
【0077】
{ここで、RおよびRは、水素、所望により置換されていてよいC1−6−アルキル、ヒドロキシ、所望により置換されていてよいC1−6−アルコキシ、所望により置換されていてよいC1−6−アルコキシカルボニル、所望により置換されていてよいC1−6−アルキルカルボニル、ホルミル、モノ−およびジ(C1−6−アルキル)アミノカルボニル、アミノ、C1−6−アルキルカルボニルアミノ、モノ−およびジ(C1−6−アルキル)アミノ、C1−6−アルキルスルホニル、C1−6−アルキルスルフィニル、アリール、アリールオキシ、アリールカルボニル、アリールアミノ、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルオキシ、ヘテロシクリルカルボニル、ヘテロシクリルアミノ、ヘテロアリール、ヘテロアリールオキシ、ヘテロアリールカルボニル、およびヘテロアリールアミノ[ここで、アミノ置換基としてのC1−6−アルキルは、いずれも、所望により、ヒドロキシ、C1−6−アルコキシ、アミノ、モノ−およびジ(C1−6−アルキル)アミノ、カルボキシ、C1−6−アルキルカルボニルアミノ、C1−6−アルキルアミノカルボニル、またはハロゲンで置換されていてよく、そしてここでアリール、ヘテロシクリルおよびヘテロアリールは、いずれも、所望により置換されていてよい]から、独立して、選択されるか;または、RおよびRは、それらが結合する窒素原子と一体となって、所望により置換されていてよいヘテロ環式環を形成する}を表すか、
または、水素、ヒドロキシ、所望により置換されていてよいC1−6アルコキシ、所望により置換されていてよいC1−6アルキル、所望により置換されていてよいC2−6アルケニル、カルボキシ、所望により置換されていてよいC1−6−アルコキシカルボニル、C1−6−アルキルカルボニルオキシ、所望により置換されていてよいC1−6アルキルカルボニル、ホルミル、アミノ、モノ−およびジ(C1−6−アルキル)アミノ、C1−6−アルキルカルボニルアミノ、C1−6−アルキルスルホニルアミノ、モノ−およびジ(C1−6−アルキル)アミノカルボニルアミノ、カルバモイル、モノ−およびジ(C1−6−アルキル)アミノカルボニル、メルカプト、所望により置換されていてよいC1−6−アルキルチオ、C1−6−アルキルスルホニル、モノ−およびジ(C1−6−アルキル)アミノスルホニル、シアノ、ハロゲン、アリール、アリールオキシ、アリールアミノ、アリールカルボニル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルオキシ、ヘテロシクリルアミノ、ヘテロシクリルカルボニル、ヘテロアリールオキシ、ヘテロアリールアミノ、ヘテロアリールカルボニル[ここで、アミノ置換基としてのC1−6−アルキルは、いずれも、所望により、ヒドロキシル、C1−6−アルコキシ、アミノ、モノ−およびジ(C1−6−アルキル)アミノ、カルボキシ、C1−6−アルキルカルボニルアミノ、C1−6−アルキルアミノカルボニル、またはハロゲンで置換されていてよく、そしてここで、アリール、ヘテロシクリルおよびヘテロアリールは、いずれも、所望により置換されていてよい]から選択され;
【0078】
は、
(xi)〜(xii)のいずれかのプロドラッグ基、
(xi)−A−C(=O)−B−R;および
(xii)−(CH−CH−O)1−10−R
{ここで、Aは、所望により置換されていてよいC1−6−アルキリデン、および所望により置換されていてよいベンジリデンから選択される、
Bは、単結合、−O−および−S−から選択され、そして、
は、水素、所望により置換されていてよいC1−6−アルキル、所望により置換されていてよいC1−6−アルコキシ、所望により置換されていてよいC1−6−アルコキシカルボニル、所望により置換されていてよいC1−6−アルキルカルボニル、モノ−およびジ(C1−6−アルキル)アミノカルボニル、アミノ、C1−6−アルキルカルボニルアミノ、モノ−およびジ(C1−6−アルキル)アミノ、アリール、アリールオキシ、アリールカルボニル、アリールアミノ、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルオキシ、ヘテロシクリルカルボニル、ヘテロシクリルアミノ、ヘテロアリール、ヘテロアリールオキシ、ヘテロアリールカルボニル、およびヘテロアリールアミノ[ここで、アミノ置換基としてのC1−6−アルキルは、いずれも、所望により、ヒドロキシル、C1−6−アルコキシ、アミノ、モノ−およびジ(C1−6−アルキル)アミノ、カルボキシ、C1−6−アルキルカルボニルアミノ、C1−6−アルキルアミノカルボニル、またはハロゲンで置換されていてよく、そしてここでアリール、ヘテロシクリルおよびヘテロアリールは、いずれも、所望により置換されていてよい]から選択されるか;またはプロドラッグ基(xi)中の−C(=O)−B−Rは、所望によりN−置換されていてよいアミノ酸を表してもよい}を表すか、
【0079】
または、水素、所望により置換されていてよいC1−6−アルキル、ヒドロキシ、所望により置換されていてよいC1−6−アルコキシ、所望により置換されていてよいC1−6−アルコキシカルボニル、所望により置換されていてよいC1−6−アルキルカルボニル、ホルミル、 モノ−およびジ(C1−6−アルキル)アミノカルボニル、アミノ、C1−6−アルキルカルボニルアミノ、モノ−および ジ(C1−6−アルキル)アミノ、C1−6−アルキルスルホニル、およびC1−6−アルキルスルフィニル[ここで、アミノ置換基としてのC1−6−アルキルは、いずれも、所望により、ヒドロキシ、C1−6−アルコキシ、アミノ、モノ−およびジ(C1−6−アルキル)アミノ、カルボキシ、C1−6−アルキルカルボニルアミノ、C1−6−アルキルアミノカルボニル、またはハロゲンで置換されていてよい]から選択され(但し、当該化合物は、プロドラッグ基(ix)〜(xii)の少なくとも一つを含む);
、V、V、およびVは、独立して、炭素原子、非四級窒素原子、酸素原子、および硫黄原子から選択され、そしてここで、−V−V−V−V−が、VおよびVが結合する原子と一体となって、芳香族またはヘテロ芳香族環を形成するように、Vは、更に結合から選択されてもよく;
、R、R、およびRは、炭素原子と結合するとき、独立して、水素、所望により置換されていてよいC1−6−アルキル、所望により置換されていてよいC2−6−アルケニル、ヒドロキシ、所望により置換されていてよいC1−6−アルコキシ、所望により置換されていてよいC2−6−アルケニルオキシ、カルボキシ、所望により置換されていてよいC1−6−アルコキシカルボニル、所望により置換されていてよいC1−6−アルキルカルボニル、所望により置換されていてよいC1−6−アルキルカルボニルオキシ、ホルミル、アミノ、モノ−およびジ(C1−6−アルキル)アミノ、カルバモイル、モノ−およびジ(C1−6−アルキル)アミノカルボニル、C1−6−アルキルカルボニルアミノ、C1−6−アルキルスルホニルアミノ、シアノ、カルバミド、モノ−およびジ(C1−6−アルキル)アミノカルボニルアミノ、C1−6−アルカノイルオキシ、C1−6−アルキルスルホニル、C1−6−アルキルスルフィニル、アミノスルホニル、モノ−およびジ(C1−6−アルキル)アミノスルホニル、ニトロ、所望により置換されていてよいC1−6−アルキルチオ、アリール、アリールオキシ、アリールカルボニル、アリールアミノ、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルオキシ、ヘテロシクリルアミノ、ヘテロシクリルカルボニル、ヘテロアリール、ヘテロアリールオキシ、ヘテロアリールアミノ、ヘテロアリールカルボニル、およびハロゲン[ここで、アミノ置換基としてのC1−6−アルキルは、いずれも、所望により、ヒドロキシ、C1−6−アルコキシ、アミノ、モノ−およびジ(C1−6−アルキル)アミノ、カルボキシ、C1−6−アルキルカルボニルアミノ、C1−6−アルキルアミノカルボニル、またはハロゲンで置換されていてよく、そしてここで、アリール、ヘテロシクリルおよびヘテロアリールは、いずれも、所望により置換されていてよい]から選択されるか;
【0080】
、R、R、およびRは、窒素原子と結合するとき、独立して、水素、所望により置換されていてよいC1−6−アルキル、ヒドロキシ、所望により置換されていてよいC1−6−アルコキシ、所望により置換されていてよいC1−6−アルコキシカルボニル、所望により置換されていてよいC1−6−アルキルカルボニル、ホルミル、モノ−およびジ(C1−6−アルキル)アミノカルボニル、アミノ、C1−6−アルキルカルボニルアミノ、モノ−およびジ(C1−6−アルキル)アミノ、C1−6−アルキルスルホニル、C1−6−アルキルスルフィニル、アリール、アリールオキシ、アリールカルボニル、アリールアミノ、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルオキシ、ヘテロシクリルカルボニル、ヘテロシクリルアミノ、ヘテロアリール、ヘテロアリールオキシ、ヘテロアリールカルボニル、およびヘテロアリールアミノ[ここで、アミノ置換基としてのC1−6−アルキルは、いずれも、所望により、ヒドロキシル、C1−6−アルコキシ、アミノ、モノ−およびジ(C1−6−アルキル)アミノ、カルボキシ、C1−6−アルキルカルボニルアミノ、C1−6−アルキルアミノカルボニル、またはハロゲンで置換されていてよく、そしてアリール、ヘテロシクリルおよびヘテロアリールは、いずれも、所望により置換されていてよい]から選択されるか;
またはRおよびRは、それらが結合する炭素原子と一体となって、環(例えば、芳香族環、炭素環式環、ヘテロ環式環またはヘテロ芳香族環、特に芳香族環、ヘテロ環式環またはヘテロ芳香族式環)を形成する;
但し、V、V、VおよびVが、それぞれ炭素原子を表すとき、R、R、R、R、およびRは、全てが水素原子であることはない〕
で示される化合物、およびその薬学的に許容される塩を提供する。
【0081】
一つの変形では、XおよびXの少なくとも一つは、プロドラッグ基(ix)−O−C(=O)−Zを表す。
【0082】
別の変形では、XおよびXの少なくとも一つは、プロドラッグ基(x)−O−CH−C(=O)−Yを表す。
【0083】
更なる変形では、Rは、プロドラッグ基(xi)−A−C(=O)−B−Rを表す。
【0084】
更に更なる変形では、Rは、プロドラッグ基(xii)−(CH−CH−O)1−10−Rを表す。
【0085】
一般式(I)の化合物に関連して供される置換基X、X、R、V、V、V、V、R、R、R、R、R、R、およびRの好ましい意味の更なる特定および表示はまた、必要に応じて変更を加えて一般式(Ib)の化合物に適用される。
【0086】
本発明において最も好ましい化合物
式(I)および(Ia)および(Ib)のうち、きわめて興味深い化合物を以下に列挙する;
【0087】
(2S)−4−(6,7−ジフルオロ−3−(4−メトキシフェニル)−2−オキソインドリン−3−イル)フェニル 2−アミノプロパノアート・塩酸塩、
(2S,2’S)−4,4’−(6,7−ジフルオロ−2−オキソインドリン−3,3−ジイル)ビス(4,1−フェニレン)ビス(2−アミノプロパノアート・二塩酸塩、
4,4’−(6,7−ジフルオロ−2−オキソインドリン−3,3−ジイル)ビス(4,1−フェニレン)ビス(2−アミノアセテート)・ジトリフルオロ酢酸塩、
(2S,2’S)−4,4’−(6,7−ジフルオロ−2−オキソインドリン−3,3−ジイル)ビス(4,1−フェニレン)ビス(3−メチル−2−(メチルアミノ)ブタノア−ト)・二塩酸塩、
4,4’−(6,7−ジフルオロ−2−オキソインドリン−3,3−ジイル)ビス(4,1−フェニレン)ビス(2−ジメチルアミノ)アセテート)、
(2S)−4−(6,7−ジフルオロ−3−(4−メトキシフェニル)−2−オキソインドリン−3−イル)フェニル 2−アミノフェニルプロパノアート・塩酸塩、
4−(3−(4−クロロフェニル)−6,7−ジフルオロ−2−オキソインドリン−3−イル)フェニル(2−モルホリノエトキシ)メチル カルボナート、
(7−フルオロ−3,3−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−6−メチル−2−オキソインドリン−1−イル)メチル 2−モルホリノエチルカルボナート、
(4,4’−(6−フルオロ−7−メチル−2−オキソインドリン−3,3−ジイル)ビス(4,1−フェニレン)ビス(オキシ)ビス(メチレン)ビス(2−モルホリノエチル)ジカルボナート、および
4−(3−(4−クロロフェニル)−6,7−ジメチル−2−オキソインドリン−3−イル)フェニル メチル メチルホスホネート。
【0088】
式(Ib)のうち、きわめて興味深い化合物を以下に列挙する;
【0089】
6,7−ジフルオロ−3−(4−フルオロフェニル)−1−(2−ヒドロキシエチル)−3−(4−ヒドロキシフェニル)−1,3−ジヒドロ−2H−インドール−2−オン、
4−[6,7−ジフルオロ−3−(4−フルオロフェニル)−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−3−イル]フェニル 3−モルホリノプロパノアート、
4−[6,7−ジフルオロ−3−(4−フルオロフェニル)−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−3−イル]フェニル 3−(4−メチルピペラジノ)プロパノアート、
[3−(4−{[(イソプロポキシカルボニル)オキシ]メトキシ}フェニル)−3−(4−メトキシフェニル)−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−1−イル]メチル イソプロピル カルボナート、
ベンジル 2−[3−{4−[2−(ベンジルオキシ)−2−オキソエトキシ]フェニル}−3−(4−メトキシフェニル)−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−1−イル]アセテート、
4−(3−{4−[(アニリノカルボニル)オキシ]フェニル}−6,7−ジフルオロ−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−3−イル)フェニル N−フェニルカルバメート、
4−[6,7−ジフルオロ−3−(4−フルオロフェニル)−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−3−イル]フェニル N,N−ジメチルカルバメート、
4−[6−フルオロ−3−(4−フルオロフェニル)−7−メチル−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−3−イル]フェニル N,N−ジメチルカルバメート、および
4−[6−フルオロ−3−(4−フルオロフェニル)−7−メチル−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−3−イル]フェニル アクリレート。
【0090】
化合物の製造
本発明の化合物は、有機合成分野の当業者に公知の多くの方法で製造することができる。本発明の化合物は、有機合成有機化学分野で知られている方法、または当技術分野の当業者に理解されているその変形法に加えて、下記の概略方法および実施例セクションの方法を用いて合成することができる。好ましい方法として下記に述べられている方法が含まれるが、それらに限定されない。
【0091】
式(I)および(Ia)および(Ib)の新規な化合物は、このセクションで述べられている反応および技術を用いて製造され得る。反応は、使用される試薬および物質に適切であり、また変換が行われるのに適切な溶媒中で行われる。また、下記の合成方法では、実験および後処理手順中の溶媒、反応雰囲気、反応温度の選択を含む、全ての提案されている反応条件がこの反応の標準条件であるとして選択されるものと理解されるべきであり、このことは当技術分野の当業者によって容易に認識されるところである。遊離分子の様々な部分に存在する官能基が提案されている試薬および反応に適合しなければならないということは、有機合成の分野における当業者によって理解されているところである。所与のクラスに入る式(I)および(Ia)および(Ib)の分子の全てが、記載の方法のいくつかに必要である反応条件のいくつかに適合するとは限らない。反応条件に適合するこうした置換基に対する制限は、当技術分野の当業者に容易に明らかであり、そして別の方法も使用することができる。
【0092】
【化20】

【0093】
【化21】

【0094】
および/またはXがアミノ酸エステルである本発明の化合物は、保護されたアミノ酸とカップリングし、次いで(もしあれば)保護基を除去することによって、一般式(II)または(III)の化合物から製造され、一般式(IV)および(V)の化合物が得られる。この縮合は、有機合成分野の当業者に知られている多数のエステル結合形成の何れかの方法を用いて行われる。こうした方法には、対称炭酸無水物、混合炭酸無水物(例えば、クロロギ酸イソブチル)法、カルボジイミド類(例えば、N、N−ジメチルアミノプロピル−N’−エチルカルボジイミド、ジシクロヘキシルカルボジイミド、ジイソプロピルカルボジイミド)、活性エステル(例えば、ペンタフルオロフェニルエステル、p−ニトロフェニルエステル、N−ヒドロキシコハク酸イミドエステル)法、カルボニルジイミダゾール法、アジド法、BOP−Clのようなホスホン酸試薬、保護されたアミノ酸誘導体の酸塩化物への変換を使用するような標準的カップリング法の使用が含まれるが、これらに限定されない。こうした方法のいくつか(特にカルボジイミド)は、例えば、1−ヒドロキシベンゾトリアゾールまたはN、N−ジメチルアミノピリジンを添加することによって増強され得る。
【0095】
上記の保護基は、それ自体、例えば、ペプチド化学の技術から公知である。アミノ基は、しばしば、tert−ブチルオキシカルボニル、ベンジルオキシカルボニルまたはアセチル基によって、あるいはフタルイミド基の形態で保護することができる。ヒドロキシ基は、しばしば、t−ブチルまたはベンジルエーテルのような容易に切断可能なエーテル、あるいはアセテートのような容易に切断可能なエステルとして保護される。カルボン酸基は、しばしば、t−ブチルまたはベンジルエステルのような容易に切断可能なエステルとして保護される。チオールは、しばしば、トリチルエーテルのような容易に切断できるエーテルとして保護される。
【0096】
【化22】

【0097】
およびRが、両方ともアルキル基であるとき、一般式(IV)および(V)の化合物は、例えば、ハロゲン化アルキルおよび塩基またはメチルメタンスルホナートと反応させることによって、対応するトリアルキルアンモニウム塩(VI)および(VII)に変換することができる。
【0098】
【化23】

【0099】
および/またはXがホスホネート基、またはホスフィナート基(VIII)および(IX)である本発明の化合物は、例えば、塩基の存在下でホスホノクロリダートまたはホスフィン酸塩化物を用いて縮合させることによって、一般式(II)または(III)の化合物から製造することができる。
【0100】
および/またはXが−O−A−O(C=O)−B−Rである本発明の化合物(X)および(XI)は、塩基および一般式(XII)のクロロメチルまたはヨードメチルエステルと反応させ、次いでアミド保護基を除去する(例えば、フルオリドイオンまたは水素添加を使用することによる)ことによって、Rがアミド保護基(例えば、シリル系またはベンジル系保護基)である一般式(II)および(III)の化合物から製造することができる。一般式(XII)のクロロメチルまたはヨードメチルエステルは、Bioorg. Med. Chem. Lett. (2005) 13 2491−2494に記載の通りに製造することができる。
【0101】
【化24】

【0102】
【化25】

【0103】
あるいは、一般式(X)および(XI)の化合物は、上記の通りに、アミド基の適切な保護および次いで保護基の除去後、Bioorg. Med. Chem. Lett. (2003) 1695−1698に記載の方法と同様の方法によって製造することができる。
【0104】
が、−O−A−O(C=O)−B−Rであり、Xおよび/またはXが、−O−A−O(C=O)−B−Rである本発明の化合物(X)および(XI)は、適正な選択による塩基および一般式(XII)のクロロメチルまたはヨードメチルエステルと反応させることによって、一般式(II)および(III)の化合物から製造することができる。
【0105】
【化26】

【0106】
が、−O−A−O(C=O)−B−Rであり、Xおよび/またはXが、−OHである本発明の化合物(XII)および(XIII)は、適正な選択による塩基(例えば、NaH)および一般式(XII)のクロロメチルまたはヨードメチルエステルと反応させることにより、一般式(II)および(III)の化合物から製造することができる。フェノール基は、アミド官能基誘導体化の前に、例えば、Boc−基、シリルエーテルまたはアシル基で保護し、次いで最終工程として脱保護を必要とし得る。
【0107】
【化27】

【0108】
および/またはXが、O−A−O(C=O)−B−Rである本発明の化合物(XIV)および(XV)は、クロロメチルカルボノクロリダートおよび塩基(例えば、炭酸カリウムまたは炭酸セシウム)と反応させ、次いでこの結果生じるクロロメチルフェニルカルボナートをアルコールまたはチオールおよび塩基と反応させることにより、一般式(II)および(III)の化合物から製造することができる。R並びにXおよび/またはXが、−O−CO−CH−ORである本発明の化合物(XIV)および(XV)は、塩基として異なった選択をして(例えば、NaH)、上記に記載の通り一般式(II)および(III)の化合物から製造することができる。
【0109】
【化28】

【0110】
がO−A−O(C=O)−B−Rである本発明の化合物(XVI)および(XVII)は、フェノール官能基を保護し(例えば、Boc−基、シリルエーテルまたはアシル基によって)、クロロメチルカルボノクロリダートおよび塩基(例えば、NaH)と反応させ、次いでこの結果生じるクロロメチル 3、3−ビス(フェニル)−2−オキソインドリン−1−カルボキシラートをアルコールまたはチオール、および塩基と反応させ、次いで保護基を除去することによって、一般式(II)および(III)の化合物から製造することができる。
【0111】
薬学的使用
一般式(I)および(Ia)および(Ib)の化合物は、癌の処置に特に有用であることが確信されている。用語「癌」は、通例、細胞増殖が厳密に制御されていないことを示している。本発明の一態様では、タンパク合成の阻害および/またはmTOR経路の活性化を阻害する癌の処置が細胞増殖を減少させる有効な方法である。こうした癌の例には、乳癌、腎臓癌、多発性骨髄腫、白血病、神経グリア芽細胞腫、横紋筋肉腫、前立腺、軟組織肉腫、結腸直腸肉腫、胃癌、頭頚部扁平上皮癌、子宮、子宮頸部、黒色腫、リンパ腫、および膵臓癌がある。
【0112】
それ故、本発明は、一般的に、医薬としての使用のため本明細書中で定義された一般式(I)または(Ia)または(Ib)の化合物を提供し、より詳しくは、哺乳動物において癌を処置する医薬の製造のための、本明細書中で定義された一般式(I)または(Ia)または(Ib)の化合物の使用を提供する。こうした医薬は、更に一個以上の他の化学療法剤を含んでなる。
【0113】
更に、本発明は、癌を有するか、あるいは癌になりやすい哺乳動物を処置する方法であって、治療的に有効量の本明細書中で定義された一般式(I)または(Ia)または(Ib)の化合物を哺乳動物に投与することを含んでなる方法を提供する。
【0114】
医薬組成物製剤
一般式(I)および(Ia)および(Ib)の化合物は、望ましい投与経路に適合するように医薬組成物に適切に製剤化される。
【0115】
本化合物の投与経路は、治療的有効濃度に相当する血液または組織中での濃度に到達する何れかの適切な経路であり得る。従って、例えば、本発明は、次の投与経路が適用できるが、これらに限定されない:経口、経腸、経皮、経鼻、経直腸、経膣および眼。投与経路は、対象の特定の化合物によって変わり、特に投与経路の選択は、患者の年齢および体重に加えて化合物の物理化学的特性によって、ならびに個別の疾患または状態およびその重症度によって変わるということは、当技術分野の当業者に明らかであるべきである。
【0116】
本化合物は、医薬組成物中に任意の適切な量で含まれてよく、そして一般的に、組成物の全量の約1〜95%、例えば、1〜10%(重量)の量で含まれる。組成物は、経口、経腸、経直腸、経皮、経鼻、経膣および/または眼投与に適切である投与量形態で提供され得る。
【0117】
従って、組成物は、例えば、錠剤、カプセル、ピル、散剤、顆粒剤、懸濁剤、乳化剤、溶液、ヒドロゲルを含むゲル、ペースト、軟膏、クリーム、プラスター、水薬、送達デバイス、座剤、浣腸剤、注入可能剤、インプラント、スプレー、エアロゾルの形態および他の適切な形態であり得る。
【0118】
医薬組成物は、従来から行われている製薬方法によって製剤化され得る(例えば、“Remington’s Pharmaceutical Sciences”および“Encyclopedia of Pharmaceutical Technology”, Swarbrick, J. & J. C. Boylan編、 Marcel Dekker、 Inc,, New York, 1988 参照)。通例、本明細書中に定義されている化合物は、(少なくとも)一つの薬学的に許容される担体または賦形剤と共に製剤化される。薬学的に許容される担体または賦形剤は、当技術分野の当業者によって知られている担体または賦形剤である。式(I)および(Ia)および(Ib)の化合物の適切な塩の形成は、また、上記の言及に鑑みて明らかであろう。
【0119】
従って、本発明は、更なる局面においては一般式(I)または(Ia)または(Ib)の化合物を、薬学的に許容される担体と組み合わせて含んでなる医薬組成物を提供する。
【0120】
本発明による医薬組成物は、投与されて実質的にすみやかにか、または投与後任意のあらかじめ決められた時間または期間に、活性化合物を放出し得る。後者のタイプの組成物は、一般的に放出制御製剤と呼ばれている。
【0121】
本文脈中、“放出制御製剤”という用語は、i)体内で長期間にわたって実質的に一定の薬物濃度を生じる製剤、ii)あらかじめ決定されている時間経過後に、体内で長期間にわたって実質的に一定の薬物濃度を生じる製剤、iii)あらかじめ決められた期間の間、活性薬剤物質の血漿レベルの変動(鋸歯状カイネティックパターン)に伴う望ましくない副作用を同時に最小化しつつ、体内の比較的、一定の有効な薬物レベルを維持することによる薬物作用を持続する製剤、iv)例えば、放出制御組成物を疾患組織または器官に隣接させるかまたはその中に配置させることによる薬物作用を局在化しようとする製剤、v)担体または化学誘導体を用いて薬物を特定の標的細胞タイプに送達することによる薬物作用を標的としようとする製剤を含むものである。
【0122】
放出制御製剤は、また“持続放出(sustained release)”、“持続放出(prolonged release)”、“プログラムされた放出(programmed release)”、“時限放出(time release)”、“速度制御放出(rate−controlled)”、および/または“標的化放出(targeted release)”製剤と表示されてもよい。
【0123】
放出制御医薬組成物は、任意の適切な投与形態で、特に、経口、経腸、皮膚、鼻、直腸、膣および/または眼投与を意図した投与形態で提供されてもよい。例としては、単一または複数ユニット型錠剤またはカプセル組成物、オイル溶液、懸濁液、乳化液、マイクロカプセル、マイクロスフィア、ナノ粒子、リポソーム、送達デバイスが含まれ、これらは、例えば経口、経腸、皮膚、鼻、膣または眼使用を意図する。
【0124】
経口使用、放出制御経口投与形態、液体組成物、経腸組成物、制御放出経腸組成物、直腸用組成物、鼻用組成物、経皮および局所用組成物、放出制御経皮および局所用組成物、および眼用投与組成物用の固体投与形態の製造については、医薬製剤分野の当業者に公知であろう。詳細な製剤は、“Remington’s Pharmaceutical Sciences”中に見出すことができる。
【0125】
カプセル、錠剤およびピルなどは、例えば、次の化合物を含むことができる:結合剤としての微結晶セルロース、ガムまたはゼラチン;賦形剤としてのデンプンまたは乳糖;滑沢剤としてのステアリン酸塩;様々な甘味または風味剤。カプセルの場合、投与量単位(unit)は、脂肪油のような液体担体を含んでいてもよい。同様に、糖衣または腸溶性剤は、該投与単位の一部である。この医薬組成物はまた、化合物および、ミセルエマルジョンを形成する脂質のエマルジョンであってもよい。
【0126】
経腸、皮下、皮内または局所投与の場合には、医薬組成物は、無菌希釈剤、緩衝剤、張度調整剤、および抗菌剤を含んでいてもよい。活性化合物は、変性または体からすぐに排泄されることを防ぐ担体を用いて調製することができ、放出制御特性を有しているインプラントまたはマイクロカプセルを含む。静脈投与の場合、好ましい担体は、生理的食塩水またはリン酸緩衝食塩水である。
【0127】
投与量
一つの態様では、この医薬組成物は、単位投与量形態で存在する。こうした態様では、単位投与量形態のそれぞれは、通例、0.1〜500mg、例えば、0.1〜200mg、例えば、0.1〜100mgの化合物を含んでなる。
【0128】
より一般的には、この化合物は、1日につき、体重1kgあたり、約0.1〜250mg、例えば、1日につき、体重1kgあたり、約0.5〜100mgの量で投与することが好ましい。
【0129】
全身使用経口投与に適した組成物の場合、投与量は、通常、一回に0.5mg〜1gを、一日1〜4回、1週〜12ヶ月間投与されるが、投与する量は処理される疾患に左右される。
【0130】
疾患または状態を予防するために組成物を経口投与する場合の投与量は、通常、1日につき、体重1kgあたり、1mg〜100mgである。この投与量は、疾患に罹患する1週間前に開始し、罹患4週間後までの期間の間、1日1回または2回投与されてもよい。
【0131】
疾患を予防する場合の直腸使用に適した組成物は、幾分多い量の化合物が通常望ましく、すなわち、1日につき体重1kgあたり、約1mg〜100mgである。
【0132】
経腸投与の場合、1日につき体重1kgあたり、約0.1mg〜約100mgの投与量が好都合である。静脈投与の場合、1日につき体重1kgあたり、約0.1mg〜約20mgの投与量を1日〜3ヶ月間、投与するのが好都合である。関節内投与の場合、1日につき体重1kgあたり、約0.1mg〜約50mgの投与量が、通常好ましい。一般に、経腸投与の場合、水性媒体中、0.5〜2%またはそれ以上の活性成分の溶液を使用することができる。
【0133】
皮膚上の局所投与の場合、1週間〜12ヶ月間、1日1〜10回、約1mg〜約5gの投与量を投与するのが、通常好ましい。
【0134】
組合せ処置
本発明の興味深い態様では、一般式(I)または(Ia)または(Ib)の化合物は、一個以上の他の化学療法剤と組み合わせて治療的に使用する。こうした化学療法剤の例には、ダウノルビシン、ドセタキセル、プレドニゾン、デキサメタゾン、デカドロン、アルトレタミン、アミホスチン、アミノグルテチミド、ダクチノマイシン、アナストロゾール、アスパラギナーゼ、ビカルタミド、ブレオマイシン、ブスルファン、カルボプラチン、カルムスチン、クロラムブシル、クロロデオキシアデノシン、シスプラチン、サイトシンアラビノサイド、ダカルバジン、ドキソルビシン、エピルビシン、エストラムスチン、ジエチルスチルベストロール、フルダラビン、フルタミド、5−フルオロウラシル、ゲムシタビン、ゴセレリン、イダルビシン、イリノテカン、レバミソール、ロムスチン、メクロラタミン、アルケラン、メルカプトプリン、タキソール(例えば、パクリタキセル)から選択されるものがある。特に、更なる化学療法剤は、タキソール、パクリタキセルおよびドセタキセルのようなタキサン類から選択される。
【0135】
したがって、本明細書中で定義されている使用および処置方法に関しては、この医薬は更にひとつまたはそれ以上の他の化学療法剤を含んでなる。
【0136】
本明細書中で定義されている医薬組成物に関しては、こうした組成物は、更に、ひとつまたはそれ以上の他の化学療法剤を含むことができる。
【実施例】
【0137】
実施例
別途明記しない限り、核磁気共鳴H NMRスペクトル(300MHz)および13C NMR(75.6)については、テトラメチルシラン(δ=0.0)またはクロロホルム(δ=7.25)またはジューテリオクロロホルム(13C NMRの場合にδ=76.81)基準と比較したジューテリオクロロホルム溶液の場合の、化学シフト値(δ)(ppm)が引用される。マルチプレットの値、すなわち、おおよその中間点で確定されている(ダブレット(d)、トリプレット(t)、クォーテット(q))か、あるいは確定されていない(m)は、範囲が引用されない限り付与される。(bs)は、広範なシングレットを示す。使用される有機溶媒は、無水であった。
【0138】
以下の略語が本明細書中で用いられている:
【0139】
【表1】

【0140】
出発物質は、文献、例えばWO 2005/097107に記載のように製造することができる。
【0141】
一般的手順1:一般式(II)のフェノールからのBOC保護されたアミノ酸エステル誘導体の生成
アルゴン下で、BOC保護されたアミノ酸(12.0mmol)をDCM(20mL)に溶解し、氷浴中で冷却し、そしてDIC(6.0mmol)を撹拌しながら滴下した。1時間半後、この混合物をろ過し、濃縮し、ピリジン(10mL)中に再び溶解し、そして一般式(II)のフェノール(2.0mmol)を撹拌しながら添加した。この混合物を室温で一晩撹拌し、トルエンで3回濃縮した。この残渣をクロマトグラフィー(1%メタノール(DCM中))によるか、または結晶化によって精製すると、一般式(II)のフェノールからBOC保護されたアミノ酸エステル誘導体が得られた。
【0142】
一般的手順2:一般式(III)のフェノールからのBOC保護されたアミノ酸エステル誘導体の生成
一般式(III)のフェノール(0.42mmol)およびBOC保護されたアミノ酸(0.59mmol)をDCMに溶解し、EDC(0.71mmol)およびDMAP(10mg)を撹拌しながら加え、そしてこの混合物を室温で一晩放置し、EtOAc/HOと共に分液ロートに移し、そして振とうした。この水相をEtOAcで更に2回抽出した。合わせた有機層を塩水で洗浄し、乾燥させ(MgSO)、そして濃縮した。この残渣をクロマトグラフィー(1%メタノール(DCMまたは石油エーテルおよびEtOAcの混合物中))によって精製すると、一般式(III)のフェノールからBOC保護されたアミノ酸エステル誘導体が得られた。
【0143】
一般的手順3:HClを用いて、一般式(II)または一般式(III)のフェノールのBOC保護されたアミノ酸エステル誘導体からのBOC保護基の除去により、一般式(IV)または(V)の化合物を得る
一般式(II)または(III)のフェノールのBOC保護されたアミノ酸エステル誘導体をDCMまたはメタノール中に溶解し、そしてジエチルエーテル中のHCl(1M)を加えた。TLCが、出発物質がまったく残存しないことを示した時、この混合物を濃縮し、そして必要ならば、結晶化によって精製すると、一般式(IV)または(V)の化合物が得られる。
【0144】
一般的手順4:TFAを用いて、一般式(II)または一般式(III)のフェノールのBOC保護されたアミノ酸エステル誘導体からのBOC保護基の除去により、一般式(IV)または(V)の化合物を得る
一般式(II)または(III)のフェノールのBOC保護されたアミノ酸エステル誘導体をTFA中に溶解した。30分後、この混合物を2回トルエンで濃縮し、そして必要ならば、結晶化によって精製すると、一般式(IV)または(V)の化合物が得られる。
【0145】
一般的手順5:一般式(II)または(III)のフェノールからのN,N−ジメチルアミノ酸エステル誘導体の生成
一般式(II)または(III)のフェノール(0.27mmol)およびN,N−ジメチルアミノ酸(0.78mmol)をDMFに溶解し、そしてEDC(0.88mmol)およびDMAP(0.27mmol)を撹拌しながら添加した。この混合物を室温で一晩撹拌し、濃縮し、EtOAc/HOで抽出した。水層をEtOAcで2回逆抽出し、そして合わせた有機層を塩水で洗浄し、乾燥させ(MgSO)、そして濃縮した。この残渣を結晶化によって精製すると、一般式(IV)または(V)の化合物が得られた。
【0146】
製造例1:(2S)−4−(6,7−ジフルオロ−3−(4−メトキシフェニル)−2−オキソインドリン−3−イル)フェニル 2−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)プロパノアート(化合物1)
【化29】

【0147】
一般的手順2。出発物質:6,7−ジフルオロ−3−(4−ヒドロキシ−フェニル)−3−(4−メトキシ−フェニル)−1,3−ジヒドロ−インドール−2−オンおよびN−BOC−L−アラニン。1H−NMR (CDCl3) δ 8.95 (bs, 1H), 7.27 (d, 2H), 7.13 (d, 2H), 7.03 (d, 2H), 6.95−6.75 (m, 4H), 5.17 (d, 1H), 4.56 (q, 1H), 3.80 (s, 3H), 1.53 (d, 3H), 1.45 (s, 9H)。
【0148】
製造例2:(2S)−4−(6,7−ジフルオロ−3−(4−メトキシフェニル)−2−オキソインドリン−3−イル)フェニル2−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)3−フェニルプロパノアート(化合物2)
【化30】

【0149】
一般的手順2。出発物質:6,7−ジフルオロ−3−(4−ヒドロキシ−フェニル)−3−(4−メトキシ−フェニル)−1,3−ジヒドロ−インドール−2−オンおよびN−BOC−L−フェニルアラニン。1H−NMR (CDCl3) δ 8.60 (bs, 1H), 7.40−7.15 (m, 9H), 7.0−6.80 (m 6H), 5.09 (d, 1H), 4.82 (q, 1H), 3.80 (s, 3H), 3.23 (d, 2H), 1.46 (s, 9H)。
【0150】
製造例3:(2S)−4−(6,7−ジフルオロ−2−オキソ−3−p−トリルインドリン−3−イル)フェニル2−(tert−ブトキシカルボニルアミノ) 3−フェニルプロパノアート(化合物3)
【化31】

【0151】
一般的手順2。出発物質:6,7−ジフルオロ−3−(4−ヒドロキシ−フェニル)−3−p−トリル−1,3−ジヒドロ−インドール−2−オンおよびN−BOC−L−フェニルアラニン。1H−NMR (CDCl3) δ 7.78 (bs, 1H), 7.30−7.35 (m, 15H) 4.97 (d, 1H), 4.71 (q, 1H), 3.14 (d, 2H), 2.25( s, 3H), 1.36 (s, 9H)。
【0152】
製造例4:(2S,2’S)4,4’−(6,7−ジフルオロ−2−オキソインドリン−3,3−ジイル)ビス(4,1−フェニレン)ビス(2−(tert−ブトキシカルボニルアミノ) 3−プロパノアート(化合物4)
【化32】

【0153】
一般的手順1。出発物質:6,7−ジフルオロ−3,3−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−インドール−2−オンおよびN−BOC−L−アラニン。1H−NMR (CDCl3) δ 9.17 (bs, 1H), 7.17 (d, 4H) 6.97 (d, 4H), 6.85−6.70 (m, 2H), 5.07 (d, 2H), 4.46 (q, 2H), 1.45 (s, 6H), 1.38 (s, 18H)。
【0154】
製造例5:(2S,2’S)4,4’−(6,7−ジフルオロ−2−オキソインドリン−3,3−ジイル)ビス(4,1−フェニレン)ビス(2−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)アセテート(化合物5)
【化33】

【0155】
一般的手順1。出発物質:6,7−ジフルオロ−3,3−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−インドール−2−オンおよびN−BOC−グリシン。1H−NMR (CDCl3) δ 8.27 (bs, 1H), 7.17 (d, 4H) 6.97 (d, 4H), 6.88−6.73 (m, 2H), 5.01 (bs, 2H), 4.10 (d, 4H), 1.39 (s, 18H)。
【0156】
製造例6:(2S,2’S)4,4’−(6,7−ジフルオロ−2−オキソインドリン−3,3−ジイル)ビス(4,1−フェニレン)ビス(2−(tert−ブトキシカルボニル(メチル)アミノ)3−メチルブタノアート(化合物6)
【化34】

【0157】
一般的手順1。出発物質:6,7−ジフルオロ−3,3−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−インドール−2−オンおよびN−BOC−N−メチル−L−バリン。1H−NMR (CDCl3) δ 8.15 (bs, 1H), 7.18 (d, 4H) 6.96 (d, 4H), 6.87−6.69 (m, 2H), 4.37 (dd, 2H), 2.84 (d, 3H), 2.21 (m, 2H), 1.41 (s, 18H), 1.02 (d, 6H), 0.89 (d, 6H)。
【0158】
実施例1:(2S)−4−(6,7−ジフルオロ−3−(4−メトキシフェニル)−2−オキソインドリン−3−イル)フェニル 2−アミノプロパノアート・塩酸塩(化合物1001)
【化35】

【0159】
一般的手順3。出発物質:化合物1。1H−NMR (DMSO−d6) δ 11.59 (s, 1H), 8.59 (bs, 3H), 7.4−6.8 (m, 10H), 4.40 (bs. 1H) 3.73 (s, 3H), 1.56 (bs, 3H)。
【0160】
実施例2:(2S,2’S)−4,4’−(6,7−ジフルオロ−2−オキソインドリン−3,3−ジイル)ビス(4,1−フェニレン)ビス(2−アミノプロパノアート・二塩酸塩(化合物1002)
【化36】

【0161】
一般的手順3。出発物質:化合物4。1H−NMR (DMSO−d6) δ 11.70 (s, 1H), 8.69 (bs, 6H), 7.4−6.8 (m, 10H), 4.39 (bs. 2H), 1.55 (bs, 6H)。
【0162】
実施例3:4,4’−(6,7−ジフルオロ−2−オキソインドリン−3,3−ジイル)ビス(4,1−フェニレン)ビス(2−アミノアセテート)・ジトリフルオロ酢酸塩(化合物1003)
【化37】

【0163】
一般的手順4。出発物質:化合物5。H−NMR (DMSO−d) δ 11.70 (s, 1H), 8.43 (bs, 6H), 7.34−7.04 (m, 10H), 4.13 (S, 4H)。
【0164】
実施例4:(2S,2’S)−4,4’−(6,7−ジフルオロ−2−オキソインドリン−3,3−ジイル)ビス(4,1−フェニレン)ビス(3−メチル−2−(メチルアミノ)ブタノアート)・二塩酸塩(化合物1004)
【化38】

【0165】
一般的手順3。出発物質:化合物6。1H−NMR (DMSO−d6) δ 11.71 (s, 1H), 9.55 (bs, 4H), 7.4−7.0 (m, 10H), 4.26 (bs. 2H), 2.66 (s, 6H), 2.48 (m, 2H), 1.17 (d, 6H); 1.05 (d, 6H)。
【0166】
実施例5:4,4’−(6,7−ジフルオロ−2−オキソインドリン−3,3−ジイル)ビス(4,1−フェニレン)ビス(2−ジメチルアミノ)アセテート)(化合物1005)
【化39】

【0167】
一般的手順5。出発物質:6,7−ジフルオロ−3,3−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−インドール−2−オンおよびN.N−ジメチルグリシン。1H−NMR (DMSO−d6) δ 11.66 (s, 1H), 7.3−7.0 (m, 10H), 3.46 (s, 2H), 2.32 (s, 6H)。
【0168】
実施例6:(2S)−4−(6,7−ジフルオロ−3−(4−メトキシフェニル)−2−オキソインドリン−3−イル)フェニル 2−アミノフェニルプロパノアート・塩酸塩(化合物1006)
【化40】

【0169】
一般的手順3。出発物質:化合物2。1H−NMR (DMSO−d6) δ 11.57 (s, 1H), 8.71, 7.28−7.42 (m, 5H), 7.17 (d, 2H), 7.0−7.15 (m, 4H), 6.86−6.98 (m, 4H), 4.58 (t, 1H), 3.73 (s, 3H), 3.17 (d, 2H)。
【0170】
以下の実施例の一般的手順
H NMRスペクトルは、Mercury 200 (Varian)スペクトロメーターを用いて、環境温度で記録した。HPLC測定は、LiChrospher RP Select B 4.0 × 250 mm カラム、Waters 2487 UV 検出器を備えるAlliance 2695 Separations Moduleを用いて行われた。元素分析は、Carlo Erba EA 11 08 instrumentを用いて得られた。融点は、“Boetius”micro melting point apparatusを用いて測定し、修正はしなかった。化合物のクロマトグラフィー精製は、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(CC)、0.035−0.070mm(Acros)、またはFlash 12+M シリカゲルカラム付きBiotage SP1 systemを用いるフラッシュクロマトグラフィー(FC)によって行われた。全ての溶媒は、精製され、その後常套技術により使用された。反応生成物を単離するためには、真空ロータリーエバポレーターを用い、40℃を超えない水浴温度を用いて、溶媒を蒸発によって除去した。
【0171】
種々の試薬を、Acros Organics (Janssens Pharmaceuticalaan 3A, 2440 Geel, Belgium)から購入した。
【0172】
実施例7:6,7−ジフルオロ−3−(4−フルオロフェニル)−1−(2−ヒドロキシエチル)−3−(4−ヒドロキシフェニル)−1,3−ジヒドロ−2H−インドール−2−オン(化合物1007)
【化41】

【0173】
ジメチルホルムアミド(0.5mL)中の6,7−ジフルオロ−3−(4−フルオロフェニル)−3−(4−ヒドロキシフェニル)−1,3−ジヒドロ−2H−インドール−2−オン(化合物7)(0.200g、0.56mmol)の溶液に、鉱油中の60%NaH(0.010g、0.25mmol)および1,3−ジオキサラン−2−オン(0.054g、0.62mmol)を順に加えた。この反応混合物を140℃で18時間撹拌し、冷却し、そして真空中で濃縮した。この残渣を、溶出剤としてジクロロメタン−エタノール(100:5)を用いるCC(15gのSiO)により精製し、そして溶出剤としてジクロロメタン−エタノール(勾配100:0〜80:20)を用いるFCによって2回精製すると、表題化合物1007(0.070g、31%)を泡状物として得た(融点 80〜83℃)。
1H−NMR (DMSO−d6, HMDSO) δ: 3.65 (m, 2H); 3.93 (m, 2H); 4.94 (t, J=5.4 Hz, 1H); 6.70 (d, J=8.8 Hz, 2H); 6.95 (d, J=8.8 Hz, 2H); 7.03−7.22 (m, 6H); 9.50 (s, 1H)。分析、 計算値(C2216NO・0.5HO,%: C 64.71, H 4.20, N 3.43。実測値, %: C 64.76, H 4.29, N 3.58)。
【0174】
実施例8:4−[6,7−ジフルオロ−3−(4−フルオロフェニル)−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−3−イル]フェニル アクリレート(化合物1008)、4−[6,7−ジフルオロ−3−(4−フルオロフェニル)−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−3−イル]フェニル 3−モルホリノプロパノアート(化合物1009)および4−[6,7−ジフルオロ−3−(4−フルオロフェニル)−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−3−イル]フェニル 3−(4−メチルピペラジノ)プロパノアート(化合物1010)
【化42】

【0175】
ジクロロメタン(5mL)中の6,7−ジフルオロ−3−(4−フルオロフェニル)−3−(4−ヒドロキシフェニル)−1,3−ジヒドロ−2H−インドール−2−オン(化合物7)(0.180g、0.5mmol)およびトリエチルアミン(0.22mL、1.58mmol)の溶液に、−10℃で塩化アクリロイル(0.042mL、0.52mmol)を加え、得られた混合物をこの温度で3時間撹拌した。この反応混合物をジクロロメタン(45mL)を補充し、飽和NaCl溶液(4×10mL)で洗浄し、そして乾燥させた(NaSO)。溶媒を蒸発させ、そしてこの残渣を、溶出剤として石油エーテルおよび酢酸エチル−ジクロロメタンの混合物1:1(勾配100:0〜30:70)を用いるFCによって精製して、表題化合物1008(0.058g、27%)を、静置すると(on standing)固化する油状物として得た。1H−NMR (CDCl3, HMDSO) δ: 6.01 (dd, J=1.4, 10.2 Hz, 1H); 6.30 (dd, J=10.2, 17.2 Hz, 1H); 6.59 (dd, J=1.4, 17.2 Hz, 1H); 6.78−6.93 (m, 2H); 6.99 (t, J=8.8 Hz, 2H); 7.09 (d, J=8.6 Hz, 2H); 7.21 (dd, J=5.3, 8.8 Hz, 2H); 7.24 (d, J=8.6 Hz, 2H); 8.62 (s, 1H)。
【0176】
乾燥アセトニトリル(3mL)中の4−[6,7−ジフルオロ−3−(4−フルオロフェニル)−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−3−イル]フェニルアクリレート(化合物1008)(0.052g、0.13mmol)溶液に、モルホリン(0.012mL、0.14mmol)、次いでビスマス(III)トリフルオロメタンスルホナート(0.0016g、0.0024mmol)を加え、そしてこの反応混合物を室温で一晩撹拌した。析出した固形物をろ過し、アセトニトリルから結晶化し、そして乾燥させて、表題化合物1009(0.032g、50%)を白色結晶として得た(融点、174〜175℃)。
1H−NMR (DMSO−d6, HMDSO)δ: 2.33−2.46 (m, 4H, DMSOにオーバーラップ); 2.57−2.87 (m, 4H, DMSOにオーバーラップ);3.50−3.62 (m, 4H); 6.97−7.26 (m, 10H); 〜11−12 (bs, 1H)。分析、計算値(C2723・0.5HO, %: C 64.15, H 4.79, N 5.54。実測値, %: C 64.04, H 4.43, N 5.69。
【0177】
化合物1010は、4−[6,7−ジフルオロ−3−(4−フルオロフェニル)−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−3−イル]フェニル アクリレート(化合物1008)および1−メチルピペラジンから製造され、上記の化合物1009の場合と同様な方法で、61%の収率で製造された。融点、149〜151℃。1H−NMR(DMSO−d6,HMDSO) δ: 2.13 (s, 3H); 2.30 (m, 4H); 2.40 (m, 4H); 2.68 (m, 4H); 6.97−7.27 (m, 10H); 11.61 (b s, 1H)。分析、計算値(C2826, %: C 66.00, H 5.14, N 8.25。実測値, %: C 65.82, H 4.96, N 8.42。
【0178】
実施例9:[3−(4−{[(イソプロポキシカルボニル)オキシ]メトキシ}フェニル)−3−(4−メトキシフェニル)−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−1−イル]メチル イソプロピル カルボナート(化合物1011)
【化43】

【0179】
水(2.5mL)中の3−(4−ヒドロキシフェニル)−3−(4−メトキシフェニル)−1,3−ジヒドロ−2H−インドール−2−オン(化合物8)(0.16g、0.48mmol)の懸濁液に、KCO(0.21g、1.5mmol)を加え、そしてこの混合物を室温で5分間撹拌した。次いでBuNHSO(0.17g、0.5mmol)、ジクロロメタン(2.5mL)、およびヨードメチル(iodomethyl)イソプロピルカルボナート(0.16g、0.65mmol)を加え、そして得られた混合物を室温で24時間激しく撹拌した(ヨードメチル イソプロピル カルボナートの製造については、文献(Thomas, J.D.; Sloan, K.B. Tetrah. Lett. 2007, 48 (1), 109−112)中に記載されている)。水層を分離し、有機層をジクロロメタン(10mL)で補充し、飽和NaCl溶液で洗浄し、そして乾燥させる(NaSO)。溶媒を蒸発させ、そしてこの残渣を溶出剤としてジクロロメタン−エタノール(100:1)を用いるCC(20gのSiO)によって精製して、表題化合物1011(0.030g、11%)および化合物9(0.11g、51%)を得た。化合物1011:融点、47〜49℃。
1H−NMR(DMSO−d6,HMDSO)δ: 1.20 (d, J=6.2 Hz, 6H); 1.21 (d, J=6.2 Hz, 6H); 3.72 (s, 3H); 4.79 (septet, J=6.2 Hz, 1H); 4.79 (septet, J=6.2 Hz, 1H); 5.76 (s, 2H); 5.83 (s, 2H); 6.89 (d, J=8.8 Hz, 2H); 7.02 (d, J=9.0 Hz, 2H); 7.05 (d, J=8.8 Hz, 2H); 7.09 (d, J=9.0 Hz, 2H); 7.11−7.22 (m, 1H); 7.25−7.45 (m, 3H)。分析、計算値(C3133NO), %: C 66.06, H 5.90, N 2.49。実測値, %: C 66.16, H 5.87, N 2.51。化合物9:融点、63〜65℃。1H−NMR (DMSO−d6, HMDSO) d: 1.21 (d, J=6.2 Hz, 6H); 3.71 (s, 3H); 4.79 (septet, J=6.2 Hz, 1H); 5.75 (s, 2H); 6.88 (d, J=8.9 Hz, 2H); 6.91−7.15 (m, 8H); 7.16−7.29 (m, 2H); 10.71 (s, 1H)。 分析、計算値(C2625NO), %: C 69.79, H 5.63, N 3.13。実測値, %: C 69.68, H 5.60, N 3.13。
【0180】
実施例10:ベンジル 2−[3−{4−[2−(ベンジルオキシ)−2−オキソエトキシ]フェニル}−3−(4−メトキシフェニル)−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−1−イル]アセテート(化合物1012)
【化44】

【0181】
化合物10および化合物1012は、3−(4−ヒドロキシフェニル)−3−(4−メトキシフェニル)−1,3−ジヒドロ−2H−インドール−2−オン(化合物8)およびベンジル 2−ブロモアセテートから、上記の化合物1011の場合と同様の方法に従い製造される(15%および78%の収率)。化合物10:融点、76〜78℃。1H−NMR (DMSO−d6, HMDSO)δ: 3.72 (s, 3H); 4.83 (s, 2H); 5.17 (s, 2H); 6.87 (d, J=8.9 Hz, 2H); 6.87 (d, J=8.9 Hz, 2H); 6.90−7.02 (m, 2H); 7.04 (d, J=8.9 Hz, 2H); 7.05 (d, J=8.9 Hz, 2H); 7.16−7.28 (m, 2H); 7.33 (s, 5H); 10.69 (s, 1H)。分析、計算値(C3025NO), %: C 75.14, H 5.25, N 2.92。実測値, %: C 74.84, H 5.32, N 2.83。化合物1012: 融点、57〜58℃。1H−NMR (CDCl3, HMDSO)δ: 3.75 (s, 3H); 4.56 (s, 2H); 4.60 (s, 2H); 5.17 (s, 2H); 5.21 (s, 2H); 6.69−6.80 (m, 5H); 7.03−7.39 (m, 17H)。分析、計算値(C3933NO), %: C 74.63, H 5.30, N 2.23。実測値, %: C 74.48, H 5.30, N 2.19。
【0182】
実施例11:4−(3−{4−[(アニリノカルボニル)オキシ]フェニル}−6,7−ジフルオロ−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−3−イル)フェニル N−フェニルカルバメート(化合物1013)
【化45】

【0183】
アルゴン雰囲気下、乾燥トルエン中の6,7−ジフルオロ−3,3−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1,3−ジヒドロ−2H−インドール−2−オン(0.35g、1.0mmol)の懸濁液に、フェニルイソシアネート(0.24mL、2.2mmol)を加え、この混合物を3時間還流・撹拌した。析出した固形物をろ過し、溶出剤としてジクロロメタン−エタノール(100:1)を用いるCC(30gのSiO)によって精製し、そしてアセトニトリルから結晶化させて、表題化合物1013(0.40g、68%)を得た(融点、163〜165℃)。H−NMR (DMSO−d, HMDSO) δ: 6.94−7.38 (m, 2H); 7.04 (t, J=7.2 Hz, 2H); 7.23 (s, 8H); 7.32 (t, J=7.8 Hz, 4H); 7.49 (d, J=8.0 Hz, 4H); 10.25 (br s, 2H); 11.67 (br s, 1H)。分析、計算値(C34230.7HO, %: C 67.59, H 4.07, N 6.95。実測値, %: C 67.61, H 3.87, N 7.30。
【0184】
実施例12:4−[6,7−ジフルオロ−3−(4−フルオロフェニル)−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−3−イル]フェニル N,N−ジメチルカルバメート(化合物1014)
【化46】

【0185】
THF(7mL)中の6,7−ジフルオロ−3−(4−フルオロフェニル)−3−(4−ヒドロキシフェニル)−1,3−ジヒドロ−2H−インドール−2−オン(化合物7)(0.110g、0.31mmol)、TEA(0.13mL、0.93mmol)、およびDMAP(0.0076g、0.062mmol)の溶液に、ジメチルカルバミルクロライド(0.033mL、0.34mmol)を加え、そしてこの反応混合物を3時間還流した。溶媒を蒸発させ、この残渣をCHCl(40mL)に溶解し、飽和NaCl溶液(2×10mL)で洗浄し、そして乾燥させた(NaSO)。溶媒を蒸発させ、そしてこの残渣を溶出剤としてCHCl−MeOH(勾配100:0〜80:20)を用いるFCによって精製して、表題化合物1014(0.053g、40%)を白色固形物として得た(融点、98〜100℃)。H−NMR (DMSO−d, HMDSO) δ: 3.00 (s, 3H); 3.08 (s, 3H); 6.77−7.12 (m, 6H); 7.14−7.25 (m, 4H); 8.22 (s, 1H)。分析、計算値(C2317)(5.5%のバラスト(ballast)不純物が含まれているようであった), %: C 61.22, H 3.80, N 6.21。実測値, %: C 61.25, H 3.80, N 6.07。
【0186】
実施例13:4−[6−フルオロ−3−(4−フルオロフェニル)−7−メチル−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−3−イル]フェニル N,N−ジメチルカルバメート(化合物1015)および4−[6−フルオロ−3−(4−フルオロフェニル)−7−メチル−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−3−イル]フェニル アクリレート(化合物1016)
【化47】

【0187】
化合物1015は、上記の化合物1014の場合と同様の方法で6−フルオロ−3−(4−フルオロフェニル)−3−(4−ヒドロキシフェニル)−7−メチル−1,3−ジヒドロ−2H−インドール−2−オン(化合物11)から、収率60%で製造された(融点、263〜265℃)。1H−NMR (DMSO−d6, HMDSO) δ: 2.19 (d, J=1.4 Hz, 3H); 2.89 (s, 3H); 3.01 (s, 1H); 6.82 (dd, J=8.4, 10.2 Hz, 1H); 7.03−7.23 (m, 9H); 11.08 (s, 1H)。
【0188】
ジクロロメタン(5mL)中の6−フルオロ−3−(4−フルオロフェニル)−3−(4−ヒドロキシフェニル)−7−メチル−1,3−ジヒドロ−2H−インドール−2−オン(化合物11)(0.200g、0.6mmol)およびトリエチルアミン(0.24mL、1.7mmol)の溶液に、氷浴温度で塩化アクリロイル(0.046mL、0.60mmol)を加え、得られた混合物を室温で一晩撹拌した。この反応混合物にジクロロメタン(55mL)を補充し、飽和NaCl溶液(2×10mL)で洗浄し、そして乾燥させた(NaSO)。溶媒を蒸発させ、そしてこの残渣を溶出剤として石油エーテルおよび酢酸エチル−ジクロロメタンの混合物、1:1(勾配100:0〜30:70)を用いるFCによって精製して、表題化合物1016(0.15g、62%)を白色固形物として得た(融点、223〜225℃)。H−NMR (CDCl, HMDSO)δ: 2.20 (d, J=1.3 Hz, 3H); 6.15 (dd, J=2.2, 9.5 Hz, 1H); 6.39 (dd, J=9.5, 17.2 Hz, 1H); 6.52 (dd, J=2.2, 17.2 Hz, 1H); 6.83 (dd, J=8.3, 10.2 Hz, 1H); 7.08−7.28 (m, 9H); 11.11 (s, 1H)。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I):
【化1】


〔式中、
およびXは、
それぞれ独立して、(i)〜(vi)のいずれかのプロドラッグ基、
(i)−O−C(=O)−Z(ここで、Zは、置換されたC1−6−アルキルおよび−CH(R)N(R)Rから選択される);
(ii)−O−C(=O)−O−Y(ここで、Yは、所望により置換されていてよいC1−6−アルキルから選択されるか、または−O−Yは、
【化2】


を表す);
【化3】


【化4】


【化5】


【化6】


{ここで、Aは、所望により置換されていてよいC1−6−アルキリデン、および所望により置換されていてよいベンジリデンから選択され、
Bは、単結合、−O−および−S−から選択され、
は、水素、所望により置換されていてよいC1−6−アルキル、所望により置換されていてよいC1−6−アルコキシ、所望により置換されていてよいC1−6−アルコキシカルボニル、所望により置換されていてよいC1−6−アルキルカルボニル、モノ−およびジ(C1−6−アルキル)アミノカルボニル、アミノ、C1−6−アルキルカルボニルアミノ、モノ−およびジ(C1−6−アルキル)アミノ、アリール、アリールオキシ、アリールカルボニル、アリールアミノ、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルオキシ、ヘテロシクリルカルボニル、ヘテロシクリルアミノ、ヘテロアリール、ヘテロアリールオキシ、ヘテロアリールカルボニル、およびヘテロアリールアミノ[ここで、アミノ置換基としてのC1−6−アルキルは、いずれも、所望により、ヒドロキシ、C1−6−アルコキシ、アミノ、モノ−およびジ(C1−6−アルキル)アミノ、カルボキシ、C1−6−アルキルカルボニルアミノ、C1−6−アルキルアミノカルボニル、またはハロゲンで置換されていてよく、そしてここで、アリール、ヘテロシクリルおよびヘテロアリールは、いずれも、所望により置換されていてよい]から選択されるか;または、プロドラッグ基(iii)および(vii)中の−C(=O)−B−Rは、所望によりN−置換されていてよいアミノ酸を表してもよく;
は、水素、所望により置換されていてよいC1−6−アルキル、所望により置換されていてよいC2−6−アルケニル、アリール、ヘテロシクリルおよびヘテロアリール[ここで、アリール、ヘテロシクリルおよびヘテロアリールは、いずれも、所望により置換されていてよい]から選択されるか、またはRおよびRは、それらが結合する、それらの間に存在する炭素および窒素原子と一体となって、ヘテロ環式環を形成する;
およびRは、独立して、水素、所望により置換されていてよいC1−6−アルキル、ヒドロキシ、所望により置換されていてよいC1−6−アルコキシ、所望により置換されていてよいC1−6−アルコキシカルボニル、所望により置換されていてよいC1−6−アルキルカルボニル、ホルミル、モノ−およびジ(C1−6−アルキル)アミノカルボニル、アミノ、C1−6−アルキルカルボニルアミノ、モノ−およびジ(C1−6−アルキル)アミノ、C1−6−アルキルスルホニル、C1−6−アルキルスルフィニル、アリール、アリールオキシ、アリールカルボニル、アリールアミノ、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルオキシ、ヘテロシクリルカルボニル、ヘテロシクリルアミノ、ヘテロアリール、ヘテロアリールオキシ、ヘテロアリールカルボニル、およびヘテロアリールアミノ[ここで、アミノ置換基としてのC1−6−アルキルは、いずれも、所望により、ヒドロキシ、C1−6−アルコキシ、アミノ、モノ−およびジ(C1−6−アルキル)アミノ、カルボキシ、C1−6−アルキルカルボニルアミノ、C1−6−アルキルアミノカルボニル、またはハロゲンで置換されていてよく、そしてここで、アリール、ヘテロシクリルおよびヘテロアリールは、いずれも、所望により置換されていてよい]から選択されるか、または、RおよびRはそれらが結合する窒素原子と一体となって、ヘテロ環式環を形成し;そして
は、水素、ヒドロキシ、所望により置換されていてよいC1−6−アルキル、所望により置換されていてよいC1−6−アルコキシ、および所望により置換されていてよいC2−6−アルケニルオキシから選択され;
10は、ヒドロキシ、所望により置換されていてよいC1−6−アルキル、所望により置換されていてよいC1−6−アルコキシ、所望により置換されていてよいC2−6−アルケニルオキシ、アリールオキシ、ヘテロシクリルオキシ、およびヘテロアリールオキシ[ここで、アリール、ヘテロシクリルおよびヘテロアリールは、いずれも、所望により置換されていてよい]から選択される。但し、RおよびR10は、両方とも、ヒドロキシおよびC1−6−アルコキシから選択されることはない}
を表すか、
または、水素、ヒドロキシ、所望により置換されていてよいC1−6−アルコキシ、所望により置換されていてよいC1−6アルキル、所望により置換されていてよいC2−6アルケニル、カルボキシ、所望により置換されていてよいC1−6−アルコキシカルボニル、C1−6−アルキルカルボニルオキシ、所望により置換されていてよいC1−6アルキルカルボニル、ホルミル、アミノ、モノ−およびジ(C1−6−アルキル)アミノ、C1−6−アルキルカルボニルアミノ、C1−6−アルキルスルホニルアミノ、モノ−およびジ(C1−6−アルキル)アミノカルボニルアミノ、カルバモイル、モノ−およびジ(C1−6−アルキル)アミノカルボニル、メルカプト、所望により置換されていてよいC1−6−アルキルチオ、C1−6−アルキルスルホニル、モノ−およびジ(C1−6−アルキル)アミノスルホニル、シアノ、ハロゲン、アリール、アリールオキシ、アリールアミノ、アリールカルボニル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルオキシ、ヘテロシクリルアミノ、ヘテロシクリルカルボニル、ヘテロアリールオキシ、ヘテロアリールアミノ、ヘテロアリールカルボニル[ここで、アミノ置換基としてのC1−6−アルキルは、いずれも、所望により、ヒドロキシル、C1−6−アルコキシ、アミノ、モノ−およびジ(C1−6−アルキル)アミノ、カルボキシ、C1−6−アルキルカルボニルアミノ、C1−6−アルキルアミノカルボニル、またはハロゲンで置換されていてよく、そしてアリール、ヘテロシクリルおよびヘテロアリールは、いずれも、所望により置換されていてよい]から選択され;
は、
(vii)〜(viii)のいずれかのプロドラッグ基、
【化7】


【化8】


[ここで、A、BおよびRは、上記のプロドラッグ基(iii)に定義の通りである]を表すか;
または、水素、所望により置換されていてよいC1−6−アルキル、ヒドロキシ、所望により置換されていてよいC1−6−アルコキシ、所望により置換されていてよいC1−6−アルコキシカルボニル、所望により置換されていてよいC1−6−アルキルカルボニル、ホルミル、モノ−およびジ(C1−6−アルキル)アミノカルボニル、アミノ、C1−6−アルキルカルボニルアミノ、モノ−およびジ(C1−6−アルキル)アミノ、C1−6−アルキルスルホニル、およびC1−6−アルキルスルフィニル[ここで、アミノ置換基としてのC1−6−アルキルは、いずれも、所望により、ヒドロキシ、C1−6−アルコキシ、アミノ、モノ−およびジ(C1−6−アルキル)アミノ、カルボキシ、C1−6−アルキルカルボニルアミノ、C1−6−アルキルアミノカルボニル、またはハロゲンで置換されていてよい]から選択され(但し、当該化合物は、少なくとも一つのプロドラッグ基(i)〜(viii)を含んでなる);
、V、V、およびVは、
独立して、炭素原子、非四級窒素原子、酸素原子、および硫黄原子から選択され、そしてここで、−V−V−V−V−が、VおよびVが結合する原子と一体となって、芳香族またはヘテロ芳香族環を形成するように、Vは、更に結合から選択されてもよく;
、R、R、およびRは、
それが炭素原子と結合するとき、独立して、水素、所望により置換されていてよいC1−6−アルキル、所望により置換されていてよいC2−6−アルケニル、ヒドロキシ、所望により置換されていてよいC1−6−アルコキシ、所望により置換されていてよいC2−6−アルケニルオキシ、カルボキシ、所望により置換されていてよいC1−6−アルコキシカルボニル、所望により置換されていてよいC1−6−アルキルカルボニル、所望により置換されていてよいC1−6−アルキルカルボニルオキシ、ホルミル、アミノ、モノ−およびジ(C1−6−アルキル)アミノ、カルバモイル、モノ−およびジ(C1−6−アルキル)アミノカルボニル、C1−6−アルキルカルボニルアミノ、C1−6−アルキルスルホニルアミノ、シアノ、カルバミド、モノ−およびジ(C1−6−アルキル)アミノカルボニルアミノ、C1−6−アルカノイルオキシ、C1−6−アルキルスルホニル、C1−6−アルキルスルフィニル、アミノスルホニル、モノ−およびジ(C1−6−アルキル)アミノスルホニル、ニトロ、所望により置換されていてよいC1−6−アルキルチオ、アリール、アリールオキシ、アリールカルボニル、アリールアミノ、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルオキシ、ヘテロシクリルアミノ、ヘテロシクリルカルボニル、ヘテロアリール、ヘテロアリールオキシ、ヘテロアリールアミノ、ヘテロアリールカルボニル、およびハロゲン[ここで、アミノ置換基としてのC1−6−アルキルは、いずれも、所望により、ヒドロキシル、C1−6−アルコキシ、アミノ、モノ−およびジ(C1−6−アルキル)アミノ、カルボキシ、C1−6−アルキルカルボニルアミノ、C1−6−アルキルアミノカルボニル、またはハロゲンで置換されていてよく、そしてここで、アリール、ヘテロシクリルおよびヘテロアリールは、いずれも、所望により置換されていてよい]から選択され;
、R、R、およびRは、
窒素原子と結合するとき、独立して、水素、所望により置換されていてよいC1−6−アルキル、ヒドロキシ、所望により置換されていてよいC1−6−アルコキシ、所望により置換されていてよいC1−6−アルコキシカルボニル、所望により置換されていてよいC1−6−アルキルカルボニル、ホルミル、モノ−およびジ(C1−6−アルキル)アミノカルボニル、アミノ、C1−6−アルキルカルボニルアミノ、モノ−およびジ(C1−6−アルキル)アミノ、C1−6−アルキルスルホニル、C1−6−アルキルスルフィニル、アリール、アリールオキシ、アリールカルボニル、アリールアミノ、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルオキシ、ヘテロシクリルカルボニル、ヘテロシクリルアミノ、ヘテロアリール、ヘテロアリールオキシ、ヘテロアリールカルボニル、およびヘテロアリールアミノ[ここで、アミノ置換基としてのC1−6−アルキルは、いずれも、所望により、ヒドロキシル、C1−6−アルコキシ、アミノ、モノ−およびジ(C1−6−アルキル)アミノ、カルボキシ、C1−6−アルキルカルボニルアミノ、C1−6−アルキルアミノカルボニル、またはハロゲンで置換されていてよく、そしてここで、アリール、ヘテロシクリルおよびヘテロアリールは、いずれも、所望により置換されていてよい]から選択されるか;
またはRおよびRは、それらが結合する炭素原子と一体となって、環を形成する;
但し、V、V、VおよびVが、それぞれ炭素原子を表すとき、R、R、R、RおよびRは、全てが水素であることはない〕
で示される化合物、およびその薬学的に許容される塩。
【請求項2】
およびXの少なくとも一つが、プロドラッグ基(i)−O−C(=O)−Zを表す、請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
Zが、置換されたC1−6−アルキルを表す、請求項1〜2のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項4】
Zが、−CH(R)−N(R)R(ここで、R、RおよびRは、請求項1に定義の通りである。)を表す、請求項1〜2のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項5】
が、水素、メチル、2−プロピル、2−メチル−1−プロピル、2−ブチル、メチルチオエチル、ベンジル、3−インドリルメチル、ヒドロキシメチル、1−ヒドロキシエチル、メルカプトメチル、4−ヒドロキシベンジル、アミノカルボニルメチル、2−アミノカルボニルエチル、カルボキシメチル、2−カルボキシエチル、4−アミノ−1−ブチル、3−グアニジノ−1−プロピル、および4−イミダゾリルメチルから選択されるか、またはRおよびRは、それらが結合する、それらの間に存在する炭素および窒素原子と一体となって、ピロリジン環を形成する、請求項4に記載の化合物。
【請求項6】
およびXの少なくとも一つがプロドラッグ基(ii)−O−C(=O)−O−Yを表す、請求項1に記載の化合物。
【請求項7】
が水素であり、そしてRが、水素、所望により置換されていてよいC1−6−アルキル、所望により置換されていてよいC1−6−アルコキシカルボニル、所望により置換されていてよいC1−6−アルキルカルボニル、モノ−およびジ(C1−6−アルキル)アミノカルボニル、C1−6−アルキルスルホニル、C1−6−アルキルスルフィニル、アリール、アリールカルボニル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルオキシ、ヘテロアリール、およびヘテロアリールオキシ[ここで、アミノ置換基としてのC1−6−アルキルは、いずれも、所望により、ヒドロキシ、C1−6−アルコキシ、アミノ、モノ−およびジ(C1−6−アルキル)アミノ、カルボキシ、C1−6−アルキルカルボニルアミノ、C1−6−アルキルアミノカルボニル、またはハロゲンで置換されていてよく、そしてここで、アリール、ヘテロシクリルおよびヘテロアリールは、いずれも、所望により置換されていてよい]から選択されるか;またはRおよびRは、それらが結合する窒素原子と一体となって、ヘテロ環式環を形成する、請求項1〜6のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項8】
およびXの少なくとも一つがプロドラッグ基(iii)
【化9】


を表す請求項1に記載の化合物。
【請求項9】
が、水素、所望により置換されていてよいC1−6−アルキル、所望により置換されていてよいC1−6−アルコキシ、所望により置換されていてよいC1−6−アルコキシカルボニル、所望により置換されていてよいC1−6−アルキルカルボニル、モノ−およびジ(C1−6−アルキル)アミノカルボニル、アミノ、C1−6−アルキルカルボニルアミノ、モノ−およびジ(C1−6−アルキル)アミノ、アリール、アリールオキシ、アリールカルボニル、アリールアミノ、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルオキシ、ヘテロシクリルカルボニル、ヘテロシクリルアミノ、ヘテロアリール、ヘテロアリールオキシ、ヘテロアリールカルボニル、およびヘテロアリールアミノ[ここで、アミノ置換基としてのC1−6−アルキルは、いずれも、所望により、ヒドロキシ、C1−6−アルコキシ、アミノ、モノ−およびジ(C1−6−アルキル)アミノ、カルボキシ、C1−6−アルキルカルボニルアミノ、C1−6−アルキルアミノカルボニル、またはハロゲンで置換されていてよく、そしてここで、アリール、ヘテロシクリルおよびヘテロアリールは、いずれも、所望により置換されていてよい]から選択される、請求項1および8のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項10】
Bが、単結合であり、そしてRが、−CH(R)−N(R)R(ここで、R、RおよびRは、請求項1に定義の通りである)を表す、請求項8に記載の化合物。
【請求項11】
が、水素、メチル、2−プロピル、2−メチル−1−プロピル、2−ブチル、メチルチオエチル、ベンジル、3−インドリルメチル、ヒドロキシメチル、1−ヒドロキシエチル、メルカプトメチル、4−ヒドロキシベンジル、アミノカルボニルメチル、2−アミノカルボニルエチル、カルボキシメチル、2−カルボキシエチル、4−アミノ−1−ブチル、3−グアニジノ−1−プロピル、および4−イミダゾリルメチルから選択されるか、またはRおよびRは、それらが結合する、それらの間に存在する炭素および窒素原子と一体となって、ピロリジン環を形成する、請求項10に記載の化合物。
【請求項12】
およびXの少なくとも一つが、プロドラッグ基(iv)〜(vi)
【化10】


【化11】


【化12】


のいずれかのタイプを表す、請求項1に記載の化合物。
【請求項13】
が、水素およびヒドロキシから選択され、そしてR10が、所望により置換されていてよいC1−6−アルコキシ、所望により置換されていてよいC2−6−アルケニルオキシ、アリールオキシ、ヘテロシクリルオキシ、およびヘテロアリールオキシ[ここで、アリール、ヘテロシクリルおよびヘテロアリールは、いずれも、所望により置換されていてよい]から選択される、請求項1および12のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項14】
が、ヒドロキシであり、そしてR10が、所望により置換されていてよいC1−6−アルコキシ、アリールオキシ、ヘテロシクリルオキシ、およびヘテロアリールオキシ(ここで、アリール、ヘテロシクリルおよびヘテロアリールは、いずれも、所望により置換されていてよい)から選択される、請求項13に記載の化合物。
【請求項15】
が、(vii)〜(viii)
【化13】


【化14】


のいずれかのプロドラッグ基を表す、請求項1〜14のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項16】
プロドラッグ基(vii)において、Bが、単結合であり、そしてRが、−CH(R)−N(R)R(ここで、R、RおよびRは、請求項1に定義の通りである)を表す、請求項15に記載の化合物。
【請求項17】
が、水素、メチル、2−プロピル、2−メチル−1−プロピル、2−ブチル、メチルチオエチル、ベンジル、3−インドリルメチル、ヒドロキシメチル、1−ヒドロキシエチル、メルカプトメチル、4−ヒドロキシベンジル、アミノカルボニルメチル、2−アミノカルボニルエチル、カルボキシメチル、2−カルボキシエチル、4−アミノ−1−ブチル、3−グアニジノ−1−プロピル、および4−イミダゾリルメチルから選択されるか、またはRおよびRは、それらが結合する、それらの間に存在する炭素および窒素原子と一体となって、ピロリジン環を形成する、請求項16に記載の化合物。
【請求項18】
、V、V、およびVが、それぞれ、炭素原子を表す、請求項1〜17のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項19】
、R、RおよびRについては、全てが水素あることはない、請求項1〜18のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項20】
およびRが、両方ともハロゲンである、先行する請求項1〜19のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項21】
およびRが、両方ともフルオロである、請求項20に記載の化合物。
【請求項22】
、RおよびRが、すべて水素である請求項20〜21のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項23】
が水素である、請求項1〜21のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項24】
、V、V、およびVが、それぞれ炭素原子を表し;
およびRが、両方ともフルオロであり;
およびRが、すべて水素であり;
が、水素であり;
およびXの少なくとも一つが、プロドラッグ基(i)−O−C(=O)−CH(R)−N(R)R[ここで、Rは、水素(グリシン)、メチル(アラニン)、2−プロピル(バリン)、2−メチル−1−プロピル(ロイシン)、2−ブチル(イソロイシン)、メチルチオエチル(メチオニン)、ベンジル(フェニルアラニン)、3−インドリルメチル(トリプトファン)、ヒドロキシメチル(セリン)、1−ヒドロキシエチル(トレオニン)、メルカプトメチル(システイン)、4−ヒドロキシベンジル(チロシン)、アミノカルボニルメチル(アスパラギン)、2−アミノカルボニルエチル(グルタミン)、カルボキシメチル(アスパラギン酸)、2−カルボキシエチル(グルタミン酸)、4−アミノ−1−ブチル(リシン)、3−グアニジノ−1−プロピル(アルギニン)、および4−イミダゾリルメチル(ヒスチジン)から選択されるか、またはRおよびRは、それらが結合する、それらの間に存在する炭素および窒素原子と一体となって、ピロリジン環(プロリン)を形成する]を表し;
は、水素であり、そしてRは、水素、所望により置換されていてよいC1−6−アルキル、所望により置換されていてよいC1−6−アルコキシカルボニル、所望により置換されていてよいC1−6−アルキルカルボニル、モノ−およびジ(C1−6−アルキル)アミノカルボニル、C1−6−アルキルスルホニル、C1−6−アルキルスルフィニル、アリール、アリールカルボニル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルオキシ、ヘテロアリール、およびヘテロアリールオキシ[ここで、アミノ置換基としてのC1−6−アルキルは、いずれも、所望により、ヒドロキシ、C1−6−アルコキシ、アミノ、モノ−およびジ(C1−6−アルキル)アミノ、カルボキシ、C1−6−アルキルカルボニルアミノ、C1−6−アルキルアミノカルボニル、またはハロゲンで置換されていてよく、そしてここで、アリール、ヘテロシクリルおよびヘテロアリールは、いずれも、所望により置換されていてよい]から選択されるか;またはRおよびRは、それらが結合する窒素原子と一体となって、ヘテロ環式環を形成し;そして
またはXの他のものは、いずれも、水素、ヒドロキシ、所望により置換されていてよいC1−6アルコキシ、所望により置換されていてよいC1−6アルキル、所望により置換されていてよいC2−6アルケニル、カルボキシ、所望により置換されていてよいC1−6−アルコキシカルボニル、C1−6−アルキルカルボニルオキシ、所望により置換されていてよいC1−6アルキルカルボニル、ホルミル、アミノ、モノ−およびジ(C1−6−アルキル)アミノ、C1−6−アルキルカルボニルアミノ、C1−6−アルキルスルホニルアミノ、モノ−およびジ(C1−6−アルキル)アミノカルボニルアミノ、カルバモイル、モノ−およびジ(C1−6−アルキル)アミノカルボニル、メルカプト、所望により置換されていてよいC1−6−アルキルチオ、C1−6−アルキルスルホニル、モノ−およびジ(C1−6−アルキル)アミノスルホニル、シアノ、ハロゲン、アリール、アリールオキシ、アリールアミノ、アリールカルボニル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルオキシ、ヘテロシクリルアミノ、ヘテロシクリルカルボニル、ヘテロアリールオキシ、ヘテロアリールアミノ、ヘテロアリールカルボニル[ここで、アミノ置換基としてのC1−6−アルキルは、いずれも、所望により、ヒドロキシル、C1−6−アルコキシ、アミノ、モノ−およびジ(C1−6−アルキル)アミノ、カルボキシ、C1−6−アルキルカルボニルアミノ、C1−6−アルキルアミノカルボニル、またはハロゲンで置換されていてよく、そしてここで、アリール、ヘテロシクリルおよびヘテロアリールは、いずれも、所望により置換されていてよい]から選択される、請求項1に記載の化合物。
【請求項25】
一般式(Ia):
【化15】


{ここで、X、XおよびRの少なくとも一つは、アミノ酸部分を含むプロドラッグ基を表し、
プロドラッグ基ではないXおよびXは、いずれも、水素、ヒドロキシ、所望により置換されていてよいC1−6アルコキシ、所望により置換されていてよいC1−6アルキル、所望により置換されていてよいC2−6アルケニル、カルボキシ、所望により置換されていてよいC1−6−アルコキシカルボニル、C1−6−アルキルカルボニルオキシ、所望により置換されていてよいC1−6アルキルカルボニル、ホルミル、アミノ、モノ−およびジ(C1−6−アルキル)アミノ、C1−6−アルキルカルボニルアミノ、C1−6−アルキルスルホニルアミノ、モノ−およびジ(C1−6−アルキル)アミノカルボニルアミノ、カルバモイル、モノ−およびジ(C1−6−アルキル)アミノカルボニル、メルカプト、所望により置換されていてよいC1−6−アルキルチオ、C1−6−アルキルスルホニル、モノ−およびジ(C1−6−アルキル)アミノスルホニル、シアノ、ハロゲン、アリール、アリールオキシ、アリールアミノ、アリールカルボニル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルオキシ、ヘテロシクリルアミノ、ヘテロシクリルカルボニル、ヘテロアリールオキシ、ヘテロアリールアミノ、ヘテロアリールカルボニル[ここで、アミノ置換基としてのC1−6−アルキルは、いずれも、所望により、ヒドロキシル、C1−6−アルコキシ、アミノ、モノ−およびジ(C1−6−アルキル)アミノ、カルボキシ、C1−6−アルキルカルボニルアミノ、C1−6−アルキルアミノカルボニル、またはハロゲンで置換されていてよく、そしてアリール、ヘテロシクリルおよびヘテロアリールは、いずれも、所望により置換されていてよい]から、独立して選択され;
そして、プロドラッグ基ではないRは、水素、所望により置換されていてよいC1−6−アルキル、ヒドロキシ、所望により置換されていてよいC1−6−アルコキシ、所望により置換されていてよいC1−6−アルコキシカルボニル、所望により置換されていてよいC1−6−アルキルカルボニル、ホルミル、モノ−およびジ(C1−6−アルキル)アミノカルボニル、アミノ、C1−6−アルキルカルボニルアミノ、モノ−およびジ(C1−6−アルキル)アミノ、C1−6−アルキルスルホニル、およびC1−6−アルキルスルフィニル[ここで、アミノ置換基としてのC1−6−アルキルは、いずれも、所望により、ヒドロキシ、C1−6−アルコキシ、アミノ、モノ−およびジ(C1−6−アルキル)アミノ、カルボキシ、C1−6−アルキルカルボニルアミノ、C1−6−アルキルアミノカルボニル、またはハロゲンで置換されていてよい]から選択され;
、V、V、およびVは、独立して、炭素原子、非四級窒素原子、酸素原子、および硫黄原子から選択され、そしてここで、−V−V−V−V−が、VおよびVが結合する原子と一体となって、芳香族またはヘテロ芳香族環を形成するように、Vは、さらに結合から選択されてもよく;
、R、R、およびRは、炭素原子と結合するとき、独立して、水素、所望により置換されていてよいC1−6−アルキル、所望により置換されていてよいC2−6−アルケニル、ヒドロキシ、所望により置換されていてよいC1−6−アルコキシ、所望により置換されていてよいC2−6−アルケニルオキシ、カルボキシ、所望により置換されていてよいC1−6−アルコキシカルボニル、所望により置換されていてよいC1−6−アルキルカルボニル、所望により置換されていてよいC1−6−アルキルカルボニルオキシ、ホルミル、アミノ、モノ−およびジ(C1−6−アルキル)アミノ、カルバモイル、モノ−およびジ(C1−6−アルキル)アミノカルボニル、C1−6−アルキルカルボニルアミノ、C1−6−アルキルスルホニルアミノ、シアノ、カルバミド、モノ−およびジ(C1−6−アルキル)アミノカルボニルアミノ、C1−6−アルカノイルオキシ、C1−6−アルキルスルホニル、C1−6−アルキルスルフィニル、アミノスルホニル、モノ−およびジ(C1−6−アルキル)アミノスルホニル、ニトロ、所望により置換されていてよいC1−6−アルキルチオ、アリール、アリールオキシ、アリールカルボニル、アリールアミノ、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルオキシ、ヘテロシクリルアミノ、ヘテロシクリルカルボニル、ヘテロアリール、ヘテロアリールオキシ、ヘテロアリールアミノ、ヘテロアリールカルボニル、およびハロゲン[ここで、アミノ置換基としてのC1−6−アルキルは、いずれも、所望により、ヒドロキシ、C1−6−アルコキシ、アミノ、モノ−およびジ(C1−6−アルキル)アミノ、カルボキシ、C1−6−アルキルカルボニルアミノ、C1−6−アルキルアミノカルボニル、またはハロゲンで置換されていてよく、そしてここで、アリール、ヘテロシクリルおよびヘテロアリールは、いずれも、所望により置換されていてよい]から選択され;
、R、R、およびRは、窒素原子と結合するとき、独立して、水素、所望により置換されていてよいC1−6−アルキル、ヒドロキシ、所望により置換されていてよいC1−6−アルコキシ、所望により置換されていてよいC1−6−アルコキシカルボニル、所望により置換されていてよいC1−6−アルキルカルボニル、ホルミル、モノ−およびジ(C1−6−アルキル)アミノカルボニル、アミノ、C1−6−アルキルカルボニルアミノ、モノ−およびジ(C1−6−アルキル)アミノ、C1−6−アルキルスルホニル、C1−6−アルキルスルフィニル、アリール、アリールオキシ、アリールカルボニル、アリールアミノ、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルオキシ、ヘテロシクリルカルボニル、ヘテロシクリルアミノ、ヘテロアリール、ヘテロアリールオキシ、ヘテロアリールカルボニル、およびヘテロアリールアミノ[ここで、アミノ置換基としてのC1−6−アルキルは、いずれも、所望により、ヒドロキシ、C1−6−アルコキシ、アミノ、モノ−およびジ(C1−6−アルキル)アミノ、カルボキシ、C1−6−アルキルカルボニルアミノ、C1−6−アルキルアミノカルボニル、またはハロゲンで置換されていてよく、そしてここで、アリール、ヘテロシクリルおよびヘテロアリールは、いずれも、所望により置換されていてよい]から選択されるか;
または、RおよびRは、それらが結合する炭素原子と一体となって、環を形成する;
但し、V、V、VおよびVが、それぞれ炭素原子を表すとき、R、R、R、R、およびRは、全てが水素原子であることはない}
で示される化合物、およびその薬学的に許容される塩。
【請求項26】
およびXの少なくとも一つが、(ia)および(iiia)のいずれかのプロドラッグ基
(ia)−O−C(=O)−CH(R)N(R)R;および
【化16】


{ここで、Aは、所望により置換されていてよいC1−6−アルキリデン、および所望により置換されていてよいベンジリデンから選択され、
−C(=O)−B−Rは、所望によりN−置換されていてよいアミノ酸を表し;
は、水素、メチル、2−プロピル、2−メチル−1−プロピル、2−ブチル、メチルチオエチル、ベンジル、3−インドリルメチル、ヒドロキシメチル、1−ヒドロキシエチル、メルカプトメチル、4−ヒドロキシベンジル、アミノカルボニルメチル、2−アミノカルボニルエチル、カルボキシメチル、2−カルボキシエチル、4−アミノ−1−ブチル、3−グアニジノ−1−プロピル、および4−イミダゾリルメチルから選択されるか、またはRおよびRは、それらが結合する、それらの間に存在する炭素および窒素原子と一体となって、ピロリジン環を形成し;
およびRは、独立して、水素、所望により置換されていてよいC1−6−アルキル、ヒドロキシ、所望により置換されていてよいC1−6−アルコキシ、所望により置換されていてよいC1−6−アルコキシカルボニル、所望により置換されていてよいC1−6−アルキルカルボニル、ホルミル、モノ−およびジ(C1−6−アルキル)アミノカルボニル、アミノ、C1−6−アルキルカルボニルアミノ、モノ−およびジ(C1−6−アルキル)アミノ、C1−6−アルキルスルホニル、C1−6−アルキルスルフィニル、アリール、アリールオキシ、アリールカルボニル、アリールアミノ、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルオキシ、ヘテロシクリルカルボニル、ヘテロシクリルアミノ、ヘテロアリール、ヘテロアリールオキシ、ヘテロアリールカルボニル、およびヘテロアリールアミノ[ここで、アミノ置換基としてのC1−6−アルキルは、いずれも、所望により、ヒドロキシ、C1−6−アルコキシ、アミノ、モノ−およびジ(C1−6−アルキル)アミノ、カルボキシ、C1−6−アルキルカルボニルアミノ、C1−6−アルキルアミノカルボニル、またはハロゲンで置換されていてよく、そしてここで、アリール、ヘテロシクリルおよびヘテロアリールは、いずれも、所望により置換されていてよい]から選択されるか、
または、RおよびRは、それらが結合する窒素原子と一体となって、ヘテロ環式環を形成する}である、請求項25に記載の化合物。
【請求項27】
が、(vii)
【化17】


[ここで、Aは、所望により置換されていてよいC1−6−アルキリデン、および所望により置換されていてよいベンジリデンから選択され、そして−C(=O)−B−Rは、所望によりN−置換されていてよいアミノ酸を表す]
で示されるプロドラッグ基を表す、請求項25〜26のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項28】
(2S)−4−(6,7−ジフルオロ−3−(4−メトキシフェニル)−2−オキソインドリン−3−イル)フェニル 2−アミノプロパノアート・塩酸塩、
(2S,2’S)−4,4’−(6,7−ジフルオロ−2−オキソインドリン−3,3−ジイル)ビス(4,1−フェニレン)ビス(2−アミノプロパノアート・二塩酸塩、
4,4’−(6,7−ジフルオロ−2−オキソインドリン−3,3−ジイル)ビス(4,1−フェニレン)ビス(2−アミノアセテート)・ジトリフルオロ酢酸塩、
(2S,2’S)−4,4’−(6,7−ジフルオロ−2−オキソインドリン−3,3−ジイル)ビス(4,1−フェニレン)ビス(3−メチル−2−(メチルアミノ)ブタノア−ト)・二塩酸塩、
4,4’−(6,7−ジフルオロ−2−オキソインドリン−3,3−ジイル)ビス(4,1−フェニレン)ビス(2−ジメチルアミノ)アセテート)、
(2S)−4−(6,7−ジフルオロ−3−(4−メトキシフェニル)−2−オキソインドリン−3−イル)フェニル 2−アミノフェニルプロパノアート・塩酸塩、
4−(3−(4−クロロフェニル)−6,7−ジフルオロ−2−オキソインドリン−3−イル)フェニル(2−モルホリノエトキシ)メチル カルボナート、
(7−フルオロ−3,3−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−6−メチル−2−オキソインドリン−1−イル)メチル 2−モルホリノエチルカルボナート、
(4,4’−(6−フルオロ−7−メチル−2−オキソインドリン−3,3−ジイル)ビス(4,1−フェニレン)ビス(オキシ)ビス(メチレン)ビス(2−モルホリノエチル)ジカルボナート、および
4−(3−(4−クロロフェニル)−6,7−ジメチル−2−オキソインドリン−3−イル)フェニル メチル メチルホスホネートから成る群より選択される化合物。
【請求項29】
一般式(Ib):
【化18】


〔式中、
およびXは、
それぞれ独立して、(ix)〜(x)のいずれかのプロドラッグ基、
(ix)−O−C(=O)−Z(ここで、Zは、所望により置換されていてよいC1−6−アルケニルおよび−N(R)Rから選択される);および
(x)−O−CH−C(=O)−Y(ここで、Yは、所望により置換されていてよいC1−6−アルキルから選択される);
{ここで、RおよびRは、水素、所望により置換されていてよいC1−6−アルキル、ヒドロキシ、所望により置換されていてよいC1−6−アルコキシ、所望により置換されていてよいC1−6−アルコキシカルボニル、所望により置換されていてよいC1−6−アルキルカルボニル、ホルミル、モノ−およびジ(C1−6−アルキル)アミノカルボニル、アミノ、C1−6−アルキルカルボニルアミノ、モノ−およびジ(C1−6−アルキル)アミノ、C1−6−アルキルスルホニル、C1−6−アルキルスルフィニル、アリール、アリールオキシ、アリールカルボニル、アリールアミノ、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルオキシ、ヘテロシクリルカルボニル、ヘテロシクリルアミノ、ヘテロアリール、ヘテロアリールオキシ、ヘテロアリールカルボニル、およびヘテロアリールアミノ[ここで、アミノ置換基としてのC1−6−アルキルは、いずれも、所望により、ヒドロキシ、C1−6−アルコキシ、アミノ、モノ−およびジ(C1−6−アルキル)アミノ、カルボキシ、C1−6−アルキルカルボニルアミノ、C1−6−アルキルアミノカルボニル、またはハロゲンで置換されていてよく、そしてここで、アリール、ヘテロシクリルおよびヘテロアリールは、いずれも、所望により置換されていてよい]から、独立して、選択されるか;または、RおよびRは、それらが結合する窒素原子と一体となって、所望により置換されていてよいヘテロ環式環を形成する}を表すか;
または、水素、ヒドロキシ、所望により置換されていてよいC1−6アルコキシ、所望により置換されていてよいC1−6アルキル、所望により置換されていてよいC2−6アルケニル、カルボキシ、所望により置換されていてよいC1−6−アルコキシカルボニル、C1−6−アルキルカルボニルオキシ、所望により置換されていてよいC1−6アルキルカルボニル、ホルミル、アミノ、モノ−およびジ(C1−6−アルキル)アミノ、C1−6−アルキルカルボニルアミノ、C1−6−アルキルスルホニルアミノ、モノ−およびジ(C1−6−アルキル)アミノカルボニルアミノ、カルバモイル、モノ−およびジ(C1−6−アルキル)アミノカルボニル、メルカプト、所望により置換されていてよいC1−6−アルキルチオ、C1−6−アルキルスルホニル、モノ−およびジ(C1−6−アルキル)アミノスルホニル、シアノ、ハロゲン、アリール、アリールオキシ、アリールアミノ、アリールカルボニル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルオキシ、ヘテロシクリルアミノ、ヘテロシクリルカルボニル、ヘテロアリールオキシ、ヘテロアリールアミノ、ヘテロアリールカルボニル[ここで、アミノ置換基としてのC1−6−アルキルは、いずれも、所望により、ヒドロキシル、C1−6−アルコキシ、アミノ、モノ−およびジ(C1−6−アルキル)アミノ、カルボキシ、C1−6−アルキルカルボニルアミノ、C1−6−アルキルアミノカルボニル、またはハロゲンで置換されていてよく、そしてここで、アリール、ヘテロシクリルおよびヘテロアリールは、いずれも、所望により置換されていてよい]から選択され;
は、
(xi)〜(xii)のいずれかのプロドラッグ基、
(xi)−A−C(=O)−B−R;および
(xii)−(CH−CH−O)1−10−R
{ここで、Aは、所望により置換されていてよいC1−6−アルキリデン、および所望により置換されていてよいベンジリデンから選択され、
Bは、単結合、−O−および−S−から選択され、そして、
は、水素、所望により置換されていてよいC1−6−アルキル、所望により置換されていてよいC1−6−アルコキシ、所望により置換されていてよいC1−6−アルコキシカルボニル、所望により置換されていてよいC1−6−アルキルカルボニル、モノ−およびジ(C1−6−アルキル)アミノカルボニル、アミノ、C1−6−アルキルカルボニルアミノ、モノ−およびジ(C1−6−アルキル)アミノ、アリール、アリールオキシ、アリールカルボニル、アリールアミノ、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルオキシ、ヘテロシクリルカルボニル、ヘテロシクリルアミノ、ヘテロアリール、ヘテロアリールオキシ、ヘテロアリールカルボニル、およびヘテロアリールアミノ[ここで、アミノ置換基としてのC1−6−アルキルは、いずれも、所望により、ヒドロキシ、C1−6−アルコキシ、アミノ、モノ−およびジ(C1−6−アルキル)アミノ、カルボキシ、C1−6−アルキルカルボニルアミノ、C1−6−アルキルアミノカルボニル、またはハロゲンで置換されていてよく、そしてアリール、ヘテロシクリルおよびヘテロアリールは、いずれも、所望により置換されていてよい]から選択されるか;またはプロドラッグ基(xi)の−C(=O)−B−Rは、所望によりN−置換されていてよいアミノ酸を表してもよい}を表すか、
または、水素、所望により置換されていてよいC1−6−アルキル、ヒドロキシ、所望により置換されていてよいC1−6−アルコキシ、所望により置換されていてよいC1−6−アルコキシカルボニル、所望により置換されていてよいC1−6−アルキルカルボニル、ホルミル、モノ−およびジ(C1−6−アルキル)アミノカルボニル、アミノ、C1−6−アルキルカルボニルアミノ、モノ−およびジ(C1−6−アルキル)アミノ、C1−6−アルキルスルホニル、およびC1−6−アルキルスルフィニル[ここで、アミノ置換基としてのC1−6−アルキルは、いずれも、所望により、ヒドロキシ、C1−6−アルコキシ、アミノ、モノ−およびジ(C1−6−アルキル)アミノ、カルボキシ、C1−6−アルキルカルボニルアミノ、C1−6−アルキルアミノカルボニル、またはハロゲンで置換されていてよい)から選択され(但し、該化合物は、プロドラッグ基(ix)〜(xii)の少なくとも一つを含む);
、V、V、およびVは、
独立して、炭素原子、非四級窒素原子、酸素原子、および硫黄原子から選択され、そしてここで、−V−V−V−V−が、VおよびVが結合する原子と一体となって、芳香族またはヘテロ芳香族環を形成するように、Vは、更に結合から選択されてもよく;
、R、R、およびRは、
炭素原子と結合するとき、独立して、水素、所望により置換されていてよいC1−6−アルキル、所望により置換されていてよいC2−6−アルケニル、ヒドロキシ、所望により置換されていてよいC1−6−アルコキシ、所望により置換されていてよいC2−6−アルケニルオキシ、カルボキシ、所望により置換されていてよいC1−6−アルコキシカルボニル、所望により置換されていてよいC1−6−アルキルカルボニル、所望により置換されていてよいC1−6−アルキルカルボニルオキシ、ホルミル、アミノ、モノ−およびジ(C1−6−アルキル)アミノ、カルバモイル、モノ−およびジ(C1−6−アルキル)アミノカルボニル、C1−6−アルキルカルボニルアミノ、C1−6−アルキルスルホニルアミノ、シアノ、カルバミド、モノ−およびジ(C1−6−アルキル)アミノカルボニルアミノ、C1−6−アルカノイルオキシ、C1−6−アルキルスルホニル、C1−6−アルキルスルフィニル、アミノスルホニル、モノ−およびジ(C1−6−アルキル)アミノスルホニル、ニトロ、所望により置換されていてよいC1−6−アルキルチオ、アリール、アリールオキシ、アリールカルボニル、アリールアミノ、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルオキシ、ヘテロシクリルアミノ、ヘテロシクリルカルボニル、ヘテロアリール、ヘテロアリールオキシ、ヘテロアリールアミノ、ヘテロアリールカルボニル、およびハロゲン[ここで、アミノ置換基としてのC1−6−アルキルは、いずれも、所望により、ヒドロキシ、C1−6−アルコキシ、アミノ、モノ−およびジ(C1−6−アルキル)アミノ、カルボキシ、C1−6−アルキルカルボニルアミノ、C1−6−アルキルアミノカルボニル、またはハロゲンで置換されていてよく、そしてここで、アリール、ヘテロシクリルおよびヘテロアリールは、いずれも、所望により置換されていてよい]から選択されるか;
、R、R、およびRは、
窒素原子と結合するとき、独立して、水素、所望により置換されていてよいC1−6−アルキル、ヒドロキシ、所望により置換されていてよいC1−6−アルコキシ、所望により置換されていてよいC1−6−アルコキシカルボニル、所望により置換されていてよいC1−6−アルキルカルボニル、ホルミル、モノ−およびジ(C1−6−アルキル)アミノカルボニル、アミノ、C1−6−アルキルカルボニルアミノ、モノ−およびジ(C1−6−アルキル)アミノ、C1−6−アルキルスルホニル、C1−6−アルキルスルフィニル、アリール、アリールオキシ、アリールカルボニル、アリールアミノ、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルオキシ、ヘテロシクリルカルボニル、ヘテロシクリルアミノ、ヘテロアリール、ヘテロアリールオキシ、ヘテロアリールカルボニル、およびヘテロアリールアミノ[ここで、アミノ置換基としてのC1−6−アルキルは、いずれも、所望により、ヒドロキシ、C1−6−アルコキシ、アミノ、モノ−およびジ(C1−6−アルキル)アミノ、カルボキシ、C1−6−アルキルカルボニルアミノ、C1−6−アルキルアミノカルボニル、またはハロゲンで置換されていてよく、そしてここで、アリール、ヘテロシクリルおよびヘテロアリールは、いずれも、所望により置換されていてよい]から選択されるか;
またはRおよびRは、
それらが結合する炭素原子と一体となって、環を形成する;
但し、V、V、VおよびVが、それぞれ炭素原子を表すとき、R、R、R、R、およびRは、全てが水素原子であることはない〕
で示される化合物、およびその薬学的に許容される塩。
【請求項30】
およびXの少なくとも一つがプロドラッグ基(ix)−O−C(=O)−Zを表す、請求項29に記載の化合物。
【請求項31】
およびXの少なくとも一つがプロドラッグ基(x)−O−CH−C(=O)−Yを表す、請求項29に記載の化合物。
【請求項32】
が、プロドラッグ基(xi)−A−C(=O)−B−Rを表す、請求項29に記載の化合物。
【請求項33】
が、プロドラッグ基(xii)−(CH−CH−O)1−10−Rを表す、請求項29に記載の化合物。
【請求項34】
6,7−ジフルオロ−3−(4−フルオロフェニル)−1−(2−ヒドロキシエチル)−3−(4−ヒドロキシフェニル)−1,3−ジヒドロ−2H−インドール−2−オン、4−[6,7−ジフルオロ−3−(4−フルオロフェニル)−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−3−イル]フェニル 3−モルホリノプロパノアート、
4−[6,7−ジフルオロ−3−(4−フルオロフェニル)−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−3−イル]フェニル 3−(4−メチルピペラジノ)プロパノアート、
[3−(4−{[(イソプロポキシカルボニル)オキシ]メトキシ}フェニル)−3−(4−メトキシフェニル)−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−1−イル]メチル イソプロピル カルボナート、
ベンジル 2−[3−{4−[2−(ベンジルオキシ)−2−オキソエトキシ]フェニル}−3−(4−メトキシフェニル)−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−1−イル]アセテート、
4−(3−{4−[(アニリノカルボニル)オキシ]フェニル}−6,7−ジフルオロ−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−3−イル)フェニル N−フェニルカルバメート、
4−[6,7−ジフルオロ−3−(4−フルオロフェニル)−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−3−イル]フェニル N,N−ジメチルカルバメート、
4−[6−フルオロ−3−(4−フルオロフェニル)−7−メチル−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−3−イル]フェニル N,N−ジメチルカルバメート、および
4−[6−フルオロ−3−(4−フルオロフェニル)−7−メチル−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−3−イル]フェニル アクリレートから成る群より選択される化合物。
【請求項35】
請求項1〜34のいずれか一項に定義の一般式(I)または(Ia)または(Ib)の化合物、および薬学的に許容される担体を含んでなる、医薬組成物。
【請求項36】
一個以上の他の化学療法剤を更に含んでなる、請求項35に記載の医薬組成物。
【請求項37】
医薬として使用するための、請求項1〜34のいずれか一項に定義の一般式(I)または(Ia)または(Ib)の化合物。
【請求項38】
哺乳動物の癌を処置するための医薬の製造を目的とした、請求項1〜34のいずれか一項に定義の一般式(I)または(Ia)または(Ib)の化合物の使用。
【請求項39】
該医薬が、一個以上の他の化学療法剤を更に含んでなる、請求項38に記載の使用。
【請求項40】
癌を有するか、または罹患しやすい哺乳動物の処置方法であって、該哺乳動物に治療的有効量の請求項1〜34のいずれか一項に定義の一般式(I)または(Ia)または(Ib)の化合物を投与することを含んでなる方法。

【公表番号】特表2010−512355(P2010−512355A)
【公表日】平成22年4月22日(2010.4.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−540648(P2009−540648)
【出願日】平成19年12月11日(2007.12.11)
【国際出願番号】PCT/EP2007/010805
【国際公開番号】WO2008/071387
【国際公開日】平成20年6月19日(2008.6.19)
【出願人】(504373129)トポターゲット・アクティーゼルスカブ (7)
【氏名又は名称原語表記】TopoTarget A/S
【Fターム(参考)】