説明

癌またはウイルス疾患治療のためのジピロール化合物、組成物、および方法

本発明は、新規のジピロール化合物、ジピロール化合物からなる組成物、および、癌あるいは腫瘍性疾患の治療または予防に有用な、ジピロール化合物の投与を含む方法に関する。本発明の化合物、組成物、および方法は、癌または腫瘍性疾患の治療または予防、あるいは癌細胞または腫瘍性細胞の増殖の阻害、ウイルス感染の治療または予防、あるいはウイルスの複製および感染性の阻害もしくはその一方にも有用である。本発明はまた、癌または腫瘍性疾患の治療、癌細胞の増殖阻害、あるいはウイルス感染の治療にジピロール化合物との組合せで用いられる可能性がある化合物のスクリーニング・アッセイも提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ジピロール化合物、ジピロール化合物からなる組成物、および、癌あるいは腫瘍性疾患の予防または予防に有用な有効量のジピロール化合物の投与を含む方法に関する。本発明の化合物、組成物、および方法はまた、癌または腫瘍性疾患の治療または予防、あるいは癌細胞または腫瘍性細胞の増殖の阻害、ウイルス感染の治療または予防、あるいはウイルスの複製または感染性の阻害にも有用である。本発明はまた、癌または腫瘍性疾患の治療、癌細胞の増殖阻害、あるいはウイルス感染の治療にジピロール化合物との組合せで用いられる可能性がある化合物のスクリーニング・アッセイも提供する。
【背景技術】
【0002】
癌と腫瘍性疾患
癌は世界中の約2,000万人の成人と児童に影響を及ぼし、そして今年、更に900万人の新しい患者が診断されるだろう(癌研究国際機関:International Agency for Research on Cancer,www.irac.fr)。アメリカ癌学会(American Cancer Society)によれば、1日に1500人以上、約563,100人のアメリカ人が今年癌で死亡すると予測されている。1990年以降、米国だけでほぼ500万人の命が癌で失われ、約1,200万人の新しい患者が診断された。
【0003】
現在癌治療は、患者の腫瘍性細胞を根絶するために外科手術、化学療法および放射線治療もしくはその一方を必要とする(例として、ルーベンスタインおよびフェダーマン(Rubenstein and Federman)編、Scientific American:Medicine,Vo.3,第12章IV節、ストックデール(Stockdale)、“Principles of Cancer Patient Management”(1998年)参照)。これら全てのアプローチは患者に著しい不利益をもたらす。例えば外科手術は患者の健康上の理由から禁忌である可能性や患者に受け入れられない可能性がある。加えて、外科手術は腫瘍性組織を完全に取り除けない可能性がある。放射線治療は放射線を受けた腫瘍性組織が正常組織よりも放射線に対する感受性が高い時のみに効果的であり、放射線治療はしばしば重篤な副作用を誘発する可能性もある。(同上)化学療法については、多種多様な化学療法剤が腫瘍性疾患の治療に利用可能である。しかし、多様な化学療法剤が利用可能であるにもかかわらず、化学療法剤には多くの難点がある(例として、ルーベンスタインおよびフェダーマン(Rubenstein and Federman)編、Scientific American:Medicine,Vo.3,第12章10節、ストックデール(Stockdale)、“Principles of Cancer Patient Management”(1998年参照)。ほとんど全ての化学療法剤が有毒であり、化学療法は激しい吐き気、骨髄抑制、免疫抑制などを含む、深刻な、そしてしばしば危険な副作用を引き起こす。加えて、多くの腫瘍細胞は多剤耐性によって化学療法剤に対して耐性であるか、あるいは耐性を獲得する。
【0004】
従って、前述の副作用を減少させた、あるいは副作用がない癌または腫瘍性疾患の治療に有用な新規化合物、組成物、および方法に関する当技術分野において大きな必要性がある。更に、特異性を向上させ毒性を低減した、癌細胞特異的な治療をもたらす癌治療の必要性がある。
【0005】
ウイルスと疾患
癌に加えて、膨大な数の人と動物の疾患がウイルスと日和見ウイルス感染により生じている(ベルシェ(Belshe)(編)「Textbook of Human Virology」PSG出版、マサチューセッツ州リトルトン[Littleton](1984年)参照)。呼吸器、中枢神経系、皮膚、泌尿生殖器、眼、耳、免疫系、胃腸管、および筋骨格系を含む多様な組織のウイルス疾患は、全ての年齢の莫大な数のヒトに影響を与える(ワインガーデンおよびスミス[Wyngaarden and Smith]第18版、「Cecil Textbook of Medicine」、ダブリュー・ビー・サンダース社[W.B.Saunders Co.]、フィラデルフィア[Philladelphia]出版、1750〜1753ページの表328−2(1988年)参照)。
【0006】
相当な努力が効果的な抗ウイルス治療の目論見に費やされてきたが、ウイルス感染症は世界中の何百万人もの命を脅かし続けている。一般的に、抗ウイルス剤開発の試みは、ウイルスの生活環のいくつかの段階に焦点を合わせてきた(HIVについて論じているミツヤ、エイチら[Mitsuya,H.,et al.]、FASEB J.第5巻、2369〜2381ページ(1991年)参照)。しかし、現在の多くの抗ウイルス剤の使用に伴う一般的な難点は、宿主に対する毒性または特定のウイルス株による耐性といった有害な副作用である。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
従って、当該技術分野において前述の不便なしに安全で効果的なウイルス疾患の治療を可能にする抗ウイルス化合物、組成物、および方法が必要である。
本願の背景技術の項におけるいずれの参考文献の引用あるいは検証は、前述の参考文献が本発明の先行技術として利用可能であることを容認するものではない。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は患者における癌治療の方法を提供し、その方法は、化学式(Ia)のジピロール化合物、あるいは、その医薬的に許容可能な塩のそれを必要とする患者への有効量の投与工程を含み、
【0009】
【化1】

【0010】
式中
は−H、−C−Cアルキル、または−OHであり、
は−H、ハロゲン、−NH、−CN、−NO、−N、−COOH、−C(O)NH、−SH、−S(O)NH、−S(O)NH、−C−C10(オキシ)アルキル、−C−C10アルキル、−C−C10アルコキシ、−C−C10(ヒドロキシ)アルキル、−C−C10(アミノ)アルキル、−C−C10アルケニル、−C−C10アルキニル、−(C−C)シクロアルキル、アリール、−C−C10(アリール)アルキル、3から12員環の複素環、−OR12、−CHOR10、−O(CHOR10、−C(O)R10、−O−C(O)R10、−C(O)(CH−R10、−O−C(O)OR10、−O−C(O)NHR10、−O−C(O)N(R10、−C(O)N(R10、−C(O)OR10、−C(O)NHR10、−S−R10、−SOR10、−S(O)10、−S(O)NHR10、−NHC(O)R10、−NHSR10、−NHSOR10、−NHS(O)10、O−C(S)R10、O−C(S)OR10、O−C(S)NHR10、O−C(S)N(R10、−C(S)OR10、−C(S)NHR10、−C(S)N(R10、−NHC(S)R10、−NR10C(S)R10、−NHC(S)NHR10、−NHC(S)N(R10、−NR10C(S)NHR10、−NR10C(S)N(R10、あるいはRおよびRがそれぞれに結合した炭素原子と共に5から9員環の複素環を形成するように結合し、
およびRは独立して、−H、ハロゲン、−NH、−CN、−NO、−N、−COOH、−C(O)NH、−SH、−S(O)NH、−S(O)NH、−C−C10(オキシ)アルキル、−C−C10アルキル、−C−C10アルコキシ、−C−C10(ヒドロキシ)アルキル、−C−C10(アミノ)アルキル、−C−C10アルケニル、−C−C10アルキニル、−(C−C)シクロアルキル、アリール、−C−C10(アリール)アルキル、3から12員環の複素環、−OR10、−CHOR10、−O(CHOR10、−C(O)R10、−O−C(O)R10、−C(O)(CH−R10、−O−C(O)OR10、−O−C(O)NHR10、−O−C(O)N(R10、−C(O)N(R10、−C(O)OR10、−C(O)NHR10、−S−R10、−SOR10、−S(O)10、−S(O)NHR10、−NHC(O)R10、−NHSR10、−NHSOR10、−NHS(O)10、O−C(S)R10、O−C(S)OR10、O−C(S)NHR10、O−C(S)N(R10、−C(S)OR10、−C(S)NHR10、−C(S)N(R10、−NHC(S)R10、−NR10C(S)R10、−NHC(S)NHR10、−NHC(S)N(R10、−NR10C(S)NHR10、−NR10C(S)N(R10、あるいはRとR、またはRとRがそれぞれに結合した炭素原子と共に5から9員環の複素環を形成するように結合し、
は−H、ハロゲン、−OH、−NH、−C−Cアルキルまたは−O−(C−Cアルキル)であり、
およびRは独立して、−H、−OH、ハロゲン、アミノ、−NH(C−Cアルキル)、−N(C−Cアルキル)、−NH(フェニル)、−N(フェニル)、−NH(ナフチル)、−N(ナフチル)、−CN、−NO、−N、−C−Cアルキル、−O−(C−Cアルキル)、−(C−Cアルキル)−OH、−O−ベンジル、−C−Cアルケニル、−C−Cアルキニル、−C−C12シクロアルキル、−フェニル、−ナフチル、3から12員環の複素環、−OR10、−CHOR10、−O(CH10、−O(CHOR10、−CHO(CHOR10、−O−C(O)R10、−C(O)(CH−R10、−C(O)R10、−O−C(O)OR10、−O−C(O)NHR10、−O−C(O)N(R10、−C(O)N(R10、−C(O)OR10、−C(O)NHR10、−S−R10、−SOR10、−S(O)10、−NHC(O)R10、−NHSR10、−NHSOR10、−NHS(O)10、O−C(S)R10、O−C(S)OR10、O−C(S)NHR10、O−C(S)N(R10、−C(S)OR10、−C(S)NHR10、−C(S)N(R10、−NHC(S)R10、−NR10C(S)R14、−NHC(S)NHR10、−NHC(S)N(R10、−NR10C(S)NHR10、−NR10C(S)N(R10であり、
は−(C−C)アルキル、−(C−C12)シクロアルキル、アリール、−C−C10(アリール)アルキル、3から12員環の複素環であり、
、R、R、R、R、またはRはピロールかインドールではないという条件であり、
各R10は独立して−H、−C−Cアルキル、−C−C12シクロアルキル、アリール、3から12員環の複素環、−C−Cアルケニル、または−C−Cアルキニルであり、
12は−C−Cアルキル、−C−C12シクロアルキル、アリール、3から12員環の複素環、−C−Cアルケニル、または−C−Cアルキニルであり、
各nは独立して0から6までの整数であり、
また式中
がエチルの場合、Rは−H以外、あるいは
がエチルの場合、Rは−H以外、であることを特徴とする癌治療の方法を提供する。
【0011】
特定の実施形態では、nは1から6の整数である。
特定の実施形態では、化学式(Ia)中のRは、Rがピロールまたはインドールではないとういう条件でアリールと3から12員環の複素環からなる群から選択されている。
【0012】
特定の実施形態では、化学式(Ia)中のRは−O−(C−Cアルキル)である。
特定の実施形態では、化学式(Ia)中のRは−OCHである。
【0013】
特定の実施形態では、化学式(Ia)中のRは任意にフェニルで置換された−O−(C−Cアルキル)である。
特定の実施形態では、化学式(Ia)中のRは−O−ベンジルである。
【0014】
特定の実施形態では、化学式(Ia)中の−O−ベンジルは置換されていない。
特定の実施形態では、化学式(Ia)中のRとRは独立してC−C10アルキルである。
【0015】
特定の実施形態では、化学式(Ia)中のRとRは共に−CHである。特定の実施形態では、化学式(Ia)中のRとRは共に−CHであり、化学式(Ia)中のRは−Hである。
【0016】
特定の実施形態では、化学式(Ia)中のRは−Hである。
特定の実施形態では、化学式(Ia)中のRは−Hである。
特定の実施形態では、化学式(Ia)中のRは−Hである。
【0017】
特定の実施形態では、化学式(Ia)中のRは、置換された、および置換されていないフェニル、アントリル、フルオレニル、インデニル、アズレニル、フェナントリル、ナフチルである。
【0018】
特定の実施形態では、Rは置換された、および置換されていないアジリジニル、オキシラニル、チイラニル、アジリニル、ジアジリジニル、ジアジリニル、オキサジリジニル、アゼチジニル、アゼチジノニル、オキセタニル、チエタニル、ピペリジニル、ピペラジニル、モルホリニル、オキサジニル、チアジニル、ジアジニル、トリアジニル、テトラジニル、イミダゾリル、ベンズイミダゾリル、テトラゾリル、イソキノリニル、キノリニル、キナゾリニル、ピロリジニル、プリニル、イソキサゾリル、ベンズイソキサゾリル、フラニル、フラザニル、ピリジニル、オキサゾリル、ベンゾキサゾリル、チアゾリル、ベンゾチアゾリル、チオフェニル、ピラゾリル、トリアゾリル、ベンゾジアゾリル、ベンゾトリアゾリル、ピリミジニル、イソインドリル、インダゾリル、ベンゾチオフェン、ベンゾジオキソール、ジベンゾフラン、およびジベンゾチオフェンからなる群から選択された3から12員環の複素環である。
【0019】
特定の実施形態では、BF付加化合物は発明の範囲内の塩ではない。
特定の実施形態では、化学式Ia中のRおよびピロール環N原子は、三環構造をとらない。
【0020】
特定の実施形態では、化学式Ia中のRはC−C10アルキルであり、化学式Ia中のRは−H以外である。特定の実施形態では、化学式Ia中のRはC−C10アルキルであり、化学式(Ia)中のRは−H以外である。
【0021】
本発明は、癌または腫瘍性疾患治療のための方法も提供し、その方法は(i)化学式(Ia)の化合物またはその医薬的に許容可能な塩の有効量と(ii)医薬的に許容可能な担体の被験者への投与工程を備える。本発明は、癌または腫瘍性疾患の治療が必要な被験者における癌または腫瘍性疾患治療のための方法も提供し、その方法は(i)化学式(Ia)の化合物またはその医薬的に許容可能な塩の有効量と(ii)医薬的に許容可能な担体、および(iii)別の化学治療剤といった化学式(Ia)以外の治療薬の被験者への投与工程を備える。化学式(Ia)の様々な化合物の組合せは、癌または腫瘍性疾患の治療のために投与される可能性もある。
【0022】
本発明は、癌細胞または腫瘍性細胞の増殖を阻害または低減する方法も提供し、その方法は、癌細胞または腫瘍性細胞と化学式(Ia)の化合物またはその医薬的に許容可能な塩の有効量との接触工程を備える。
【0023】
本発明は更に、ウイルス感染の治療が必要な被験者におけるウイルス感染治療のための方法も提供し、その方法は(i)化学式(Ia)の化合物またはその医薬的に許容可能な塩の有効量と(ii)医薬的に許容可能な担体の被験者への投与工程とを備える。本発明は、ウイルス感染の治療が必要な被験者におけるウイルス感染治療のための方法も提供し、その方法は(i)化学式(Ia)の化合物またはその医薬的に許容可能な塩の有効量と(ii)医薬的に許容可能な担体、および(iii)別の抗ウイルス剤といった化学式(Ia)以外の治療薬の被験者への投与工程を備える。化学式(Ia)の様々な化合物の組合せは、ウイルス感染治療のために投与される可能性もある。
【0024】
本発明は、ウイルスの複製または感染性を阻害または低減する方法も提供し、その方法はウイルスに感染した細胞と化学式(Ia)の化合物またはその医薬的に許容可能な塩の有効量との接触工程を備える。本発明は、ウイルス感染細胞の増殖の阻害または低減する方法も提供し、その方法はウイルス感染細胞と化学式(Ia)の化合物またはその医薬的に許容可能な塩の有効量との接触工程を備える。
【0025】
特定の実施形態では、発明は、癌または腫瘍性疾患の治療の必要がある被験者における癌または腫瘍性疾患治療のための方法を提供し、その方法は化学式(Ib) のジピロール化合物の投与工程を備え、
【0026】
【化2】

【0027】
式中、
は、Rがピロールまたはインドールではないという条件で−(C−C12)シクロアルキル、アリール、−C−C10(アリール)アルキル、3から12員環の複素環であり、また
は−O−(C−Cアルキル)または−OR11であり、R11がアリールであることを特徴とする癌または腫瘍治療の方法を提供する。
【0028】
特定の実施形態では、化学式(Ib)のRは、Rがピロールまたはインドールではないという条件で、アリールまたは3から12員環の複素環である。特定の実施形態では、Rはメトキシである。
【0029】
特定の実施形態では、化学式(Ib)のRは、置換された、および置換されていないフェニル、キノリニル、チエニル、ベンゾチオフェニル、フリル、ナフチル、ピリジニル、ジヒドロベンゾフラニル、ピリミジニル、ジヒドロオキサジニルフェニル、およびピラゾリルからなる群から選択されている。
【0030】
本発明は、癌または腫瘍性疾患治療が必要な被験者における癌または腫瘍性疾患治療のための方法も提供し、その方法は、(i)化学式(Ib)の化合物またはその医薬的に許容可能な塩の有効量と(ii)医薬的に許容可能な担体との被験者への投与工程を備える。本発明は、癌または腫瘍性疾患の治療が必要な被験者における癌または腫瘍性疾患治療のための方法も提供し、その方法は(i)化学式(Ib)の化合物またはその医薬的に許容可能な塩の有効量と(ii)医薬的に許容可能な担体、および(iii)別の化学治療剤といった化学式(Ib)以外の治療薬との被験者への投与工程を備える。化学式(Ib)の様々な化合物の組合せは、癌または腫瘍性疾患の治療のために投与される可能性もある。
【0031】
本発明は、癌細胞または腫瘍性細胞の増殖を阻害または低減する方法も提供し、その方法は癌細胞または腫瘍性細胞と化学式(Ib)の化合物またはその医薬的に許容可能な塩の有効量との接触工程を備える。
【0032】
本発明は更に、ウイルス感染の治療が必要な被験者におけるウイルス感染治療のための方法も提供し、その方法は(i)化学式(Ib)の化合物またはその医薬的に許容可能な塩の有効量と(ii)医薬的に許容可能な担体との被験者への投与工程を備える。本発明は、ウイルス感染の治療が必要な被験者におけるウイルス感染治療のための方法も提供し、その方法は(i)化学式(Ib)の化合物またはその医薬的に許容可能な塩の有効量と(ii)医薬的に許容可能な担体、および(iii)別の抗ウイルス剤といった化学式(Ib)以外の治療薬との被験者への投与工程を備える。化学式(Ib)の様々な化合物の組合せは、ウイルス感染治療のために投与される可能性もある。
【0033】
本発明は、ウイルスの複製または感染性を阻害または低減する方法も提供し、その方法はウイルスに感染した細胞と化学式(Ib)の化合物またはその医薬的に許容可能な塩の有効量との接触工程を備える。本発明は、ウイルス感染細胞の増殖の阻害または低減する方法も提供し、その方法はウイルス感染細胞と化学式(Ib)の化合物またはその医薬的に許容可能な塩の有効量との接触工程を備える。
【0034】
特定の実施形態では、発明は、癌または腫瘍性疾患の治療の必要がある被験者における癌または腫瘍性疾患治療のための方法を提供し、その方法は、有効量の
3−メトキシ−2−((3,5−ジメチル−1H−ピロール−2−イル)メチレン)−5−フェニル−2H−ピロール[化合物1]、
5−(4−クロロフェニル)−3−メトキシ−2−((3,5−ジメチル−1H−ピロール−2−イル)メチレン)−2H−ピロール[化合物2]、
2−((5−(2,4−ジフルオロフェニル)−3−メトキシ−2H−ピロール−2−イリデン)メチル)−3,5−ジメチル−1H−ピロール[化合物3]、
5−(4−メトキシ−5−((3,5−ジメチル−1H−ピロール−2−イル)メチレン)−5H−ピロール−2−イル)キノリン[化合物4]、
5−(4−フルオロフェニル)−3−メトキシ−2−((3,5−ジメチル−1H−ピロール−2−イル)メチレン)−2H−ピロール[化合物5]、
2−((3−メトキシ−5−(チオフェン−2−イル)−2H−ピロール−2−イリデン)メチル)−3,5−ジメチル−1H−ピロール[化合物6]、
2−((5−(5−ブロモチオフェン−2−イル)−3−メトキシ−2H−ピロール−2−イリデン)メチル)−3,5−ジメチル−1H−ピロール[化合物7]、
N−4−(4−メトキシ−5−((3,5−ジメチル−1H−ピロール−2−イル)メチレン)−5H−ピロール−2−イル)−フェニル−メチルスルホンアミド[化合物8]、
4−(4−メトキシ−5−((3,5−ジメチル−1H−ピロール−2−イル)メチレン)−5H−ピロール−2−イル)ベンズアルデヒド[化合物9]、
2−((5−(ベンゾ[b]チオフェン−2−イル)−3−メトキシ−2H−ピロール−2−イリデン)メチル)−3,5−ジメチル−1H−ピロール[化合物10]、
5−メトキシ−2−(4−メトキシ−5−((3,5−ジメチル−1H−ピロール−2−イル)メチレン)−5H−ピロール−2−イル)ベンズアルデヒド[化合物11]、
2−((3−メトキシ−5−(3−ニトロフェニル)−2H−ピロール−2−イリデン)メチル)−3,5−ジメチル−1H−ピロール[化合物12]、
2−((5−(フラン−2−イル)−3−メトキシ−2H−ピロール−2−イリデン)メチル)−3,5−ジメチル−1H−ピロール[化合物13]、
2−((5−(フラン−3−イル)−3−メトキシ−2H−ピロール−2−イリデン)メチル)−3,5−ジメチル−1H−ピロール[化合物14]、
2−((3−メトキシ−5−(チオフェン−3−イル)−2H−ピロール−2−イリデン)メチル)−3,5−ジメチル−1H−ピロール[化合物15]、
2−((3−メトキシ−5−(2,4−ジメトキシフェニル)−2H−ピロール−2−イリデン)メチル)−3,5−ジメチル−1H−ピロール[化合物16]、
2−((3−メトキシ−5−(3,4−ジメトキシフェニル)−2H−ピロール−2−イリデン)メチル)−3,5−ジメチル−1H−ピロール[化合物17]、
2−((3−メトキシ−5−(2,3,4−トリメトキシフェニル)−2H−ピロール−2−イリデン)メチル)−3,5−ジメチル−1H−ピロール[化合物18]、
2−((3−メトキシ−5−(2,5−ジメトキシフェニル)−2H−ピロール−2−イリデン)メチル)−3,5−ジメチル−1H−ピロール[化合物19]、
2−((5−(ベンゾ[d][1,3]ジオキソール−5−イル)−3−メトキシ−2H−ピロール−2−イリデン)メチル)−3,5−ジメチル−1H−ピロール[化合物20]、
2−((5−(4−(2−(ピロリジン−1−イル)エトキシ)フェニル)−3−メトキシ−2H−ピロール−2−イリデン)メチル)−3,5−ジメチル−1H−ピロール[化合物21]、
4−(4−メトキシ−5−((3,5−ジメチル−1H−ピロール−2−イル)メチレン)−5H−ピロール−2−イル)−N,N−ジメチルベンゼンアミン[化合物22]、
2−((5−(2,3−ジヒドロベンゾ[b][1,4]ジオキシン−7−イル)−3−メトキシ−2H−ピロール−2−イリデン)メチル)−3,5−ジメチル−1H−ピロール[化合物23]、
2−((3−メトキシ−5−(4−メトキシ−3−メチルフェニル)−2H−ピロール−2−イリデン)メチル)−3,5−ジメチル−1H−ピロール[化合物24]、
4−(4−メトキシ−5−((3,5−ジメチル−1H−ピロール−2−イル)メチレン)−5H−ピロール−2−イル)フェニル)(ピロリジン−1−イル)メタノン[化合物25]、
2−((5−(3−フルオロ−4−メトキシフェニル)−3−メトキシ−2H−ピロール−2−イリデン)メチル)−3,5−ジメチル−1H−ピロール[化合物26]、
2−((3−メトキシ−5−(2−メトキシナフタレン−6−イル)−2H−ピロール−2−イリデン)メチル)−3,5−ジメチル−1H−ピロール[化合物27]、
2−((3−メトキシ−5−(3,4,5−トリメトキシフェニル)−2H−ピロール−2−イリデン)メチル)−3,5−ジメチル−1H−ピロール[化合物28]、
2−((5−(4−ブロモフェニル)−3−メトキシ−2H−ピロール−2−イリデン)メチル)−3,5−ジメチル−1H−ピロール[化合物29]、
2−メトキシ−3−(4−メトキシ−5−((3,5−ジメチル−1H−ピロール−2−イル)メチレン)−5H−ピロール−2−イル)ピリジン[化合物30]、
2−((5−(2,3−ジヒドロベンゾフラン−6−イル)−3−メトキシ−2H−ピロール−2−イリデン)メチル)−3,5−ジメチル−1H−ピロール[化合物31]、
2,4−ジメトキシ−5−(4−メトキシ−5−((3,5−ジメチル−1H−ピロール−2−イル)メチレン)−5H−ピロール−2−イル)ピリミジン[化合物32]、
2−クロロ−3−(4−メトキシ−5−((3,5−ジメチル−1H−ピロール−2−イル)メチレン)−5H−ピロール−2−イル)ピリジン[化合物33]、
3,4−ジヒドロ−7−(4−メトキシ−5−((3,5−ジメチル−1H−ピロール−2−イル)メチレン)−5H−ピロール−2−イル)−4−メチル−2H−ベンゾ[b][1,4]オキサジン[化合物34]、
5−(4−メトキシ−5−((3,5−ジメチル−1H−ピロール−2−イル)メチレン)−5H−ピロール−2−イル)ピリミジン[化合物35]、
2−((5−(4−(イソプロピルチオ)フェニル)−3−メトキシ−2H−ピロール−2−イリデン)メチル)−3,5−ジメチル−1H−ピロール[化合物36]、
1−ベンジル−4−(4−メトキシ−5−((3,5−ジメチル−1H−ピロール−2−イル)メチレン)−5H−ピロール−2−イル)−1H−ピラゾール[化合物37]、
2−メトキシ−5−(4−メトキシ−5−((3,5−ジメチル−1H−ピロール−2−イル)メチレン)−5H−ピロール−2−イル)フェノール[化合物38]、
2−フルオロ−5−(4−メトキシ−5−((3,5−ジメチル−1H−ピロール−2−イル)メチレン)−5H−ピロール−2−イル)ピリジン[化合物39]、
2−フルオロ−3−(4−メトキシ−5−((3,5−ジメチル−1H−ピロール−2−イル)メチレン)−5H−ピロール−2−イル)ピリジン[化合物40]、
2−((5−(4−(タート−ブトキシメチル)フェニル)−3−メトキシ−2H−ピロール−2−イリデン)メチル)−3,5−ジメチル−1H−ピロール[化合物41]、
2−メトキシ−5−(4−メトキシ−5−((3,5−ジメチル−1H−ピロール−2−イル)メチレン)−5H−ピロール−2−イル)ピリジン[化合物42]、
3−(ベンジルオキシ)−5−(3,4−ジメトキシフェニル)−2−((3,5−ジメチル−1H−ピロール−2−イル)メチレン)−2H−ピロール[化合物43]、
または、5−(ベンゾ[d][1,3]ジオキソール−5−イル)−3−(ベンジルオキシ)−2−((3,5−ジメチル−1H−ピロール−2−イル)メチレン)−2H−ピロール[化合物44]の投与工程を備える。
【0035】
本発明は、癌または腫瘍性疾患治療が必要な被験者における癌または腫瘍性疾患治療のための方法も提供し、その方法は(i)有効量の化合物1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、または44か、あるいはその医薬的に許容可能な塩と(ii)医薬的に許容可能な担体との被験者への投与工程を備える。本発明は、癌または腫瘍性疾患の治療が必要な被験者における癌または腫瘍性疾患治療のための方法も提供し、その方法は(i)有効量の化合物1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、または44か、あるいはその医薬的に許容可能な塩、(ii)医薬的に許容可能な担体、および(iii)別の化学治療剤といった化合物1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、または44以外の治療薬の被験者への投与工程を備える。化合物1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、および44の組合せは、癌または腫瘍性疾患の治療のために投与される可能性もある。
【0036】
本発明は、癌細胞または腫瘍性細胞の増殖を阻害または低減する方法も提供し、その方法は癌細胞または腫瘍性細胞と有効量の化合物1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、または44か、あるいはその医薬的に許容可能な塩との接触工程を備える。
【0037】
本発明は更に、ウイルス感染の治療が必要な被験者におけるウイルス感染治療のための方法も提供し、その方法は(i)有効量の化合物1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、または44か、あるいはその医薬的に許容可能な塩と(ii)医薬的に許容可能な担体との被験者への投与工程を備える。本発明は、ウイルス感染の治療が必要な被験者におけるウイルス感染治療のための方法も提供し、その方法は(i)有効量の化合物1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、または44か、あるいはその医薬的に許容可能な塩と(ii)医薬的に許容可能な担体、および(iii)別の抗ウイルス剤といった化合物1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、または44以外の治療薬の被験者への投与工程を備える。化合物1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、および44の組合せは、ウイルス感染治療のために投与される可能性もある。
【0038】
本発明は、ウイルスの複製または感染性を阻害または低減する方法も提供し、その方法はウイルスに感染した細胞と有効量の化合物1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、または44か、あるいはその医薬的に許容可能な塩との接触工程を備える。本発明は、ウイルス感染細胞の増殖の阻害または低減する方法も提供し、その方法はウイルス感染細胞と有効量の化合物1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、または44か、あるいはその医薬的に許容可能な塩との接触工程を備える。
【0039】
本発明は、医薬的に許容可能な担体または溶媒と化学式(Ia)あるいはその医薬的に許容可能な塩の構造を有する有効量のジピロール化合物からなる医薬組成物を提供し、
【0040】
【化3】

【0041】
式中
は−H、−C−Cアルキル、または−OHであり、
は−H、ハロゲン、−NH、−CN、−NO、−N、−COOH、−C(O)NH、−SH、−S(O)NH、−S(O)NH、−C−C10(オキシ)アルキル、−C−C10アルキル、−C−C10アルコキシ、−C−C10(ヒドロキシ)アルキル、−C−C10(アミノ)アルキル、−C−C10アルケニル、−C−C10アルキニル、−(C−C)シクロアルキル、アリール、−C−C10(アリール)アルキル、3から12員環の複素環、−OR12、−CHOR10、−O(CHOR10、−C(O)R10、−O−C(O)R10、−C(O)(CH−R10、−O−C(O)OR10、−O−C(O)NHR10、−O−C(O)N(R10、−C(O)N(R10、−C(O)OR10、−C(O)NHR10、−S−R10、−SOR10、−S(O)10、−S(O)NHR10、−NHC(O)R10、−NHSR10、−NHSOR10、−NHS(O)10、O−C(S)R10、O−C(S)OR10、O−C(S)NHR10、O−C(S)N(R10、−C(S)OR10、−C(S)NHR10、−C(S)N(R10、−NHC(S)R10、−NR10C(S)R10、−NHC(S)NHR10、−NHC(S)N(R10、−NR10C(S)NHR10、−NR10C(S)N(R10、あるいはRおよびRがそれぞれに結合した炭素原子と共に5から9員環の複素環を形成するように結合し、
およびRは独立して、−H、ハロゲン、−NH、−CN、−NO、−N、−COOH、−C(O)NH、−SH、−S(O)NH、−S(O)NH、−C−C10(オキシ)アルキル、−C−C10アルキル、−C−C10アルコキシ、−C−C10(ヒドロキシ)アルキル、−C−C10(アミノ)アルキル、−C−C10アルケニル、−C−C10アルキニル、−(C−C)シクロアルキル、アリール、−C−C10(アリール)アルキル、3から12員環の複素環、−OR12、−CHOR10、−O(CHOR10、−C(O)R10、−O−C(O)R10、−C(O)(CH−R10、−O−C(O)OR10、−O−C(O)NHR10、−O−C(O)N(R10、−C(O)N(R10、−C(O)OR10、−C(O)NHR10、−S−R10、−SOR10、−S(O)10、−S(O)NHR10、−NHC(O)R10、−NHSR10、−NHSOR10、−NHS(O)10、O−C(S)R10、O−C(S)OR10、O−C(S)NHR10、O−C(S)N(R10、−C(S)OR10、−C(S)NHR10、−C(S)N(R10、−NHC(S)R10、−NR10C(S)R10、−NHC(S)NHR10、−NHC(S)N(R10、−NR10C(S)NHR10、−NR10C(S)N(R10、あるいはRとR、またはRおよびRがそれぞれに結合した炭素原子と共に5から9員環の複素環を形成するように結合し、
は−H、ハロゲン、−OH、−NH、−C−Cアルキルまたは−O−(C−Cアルキル)であり、
およびRは独立して、−H、−OH、ハロゲン、アミノ、−NH(C−Cアルキル)、−N(C−Cアルキル)、−NH(フェニル)、−N(フェニル)、−NH(ナフチル)、−N(ナフチル)、−CN、−NO、−N、−C−Cアルキル、−O−(C−Cアルキル)、−(C−Cアルキル)−OH、−O−ベンジル、−C−Cアルケニル、−C−Cアルキニル、−C−C12シクロアルキル、−フェニル、−ナフチル、3から12員環の複素環、−OR10、−CHOR10、−O(CH10、−O(CHOR10、−CHO(CHOR10、−O−C(O)R10、−C(O)(CH−R10、−C(O)R10、−O−C(O)OR10、−O−C(O)NHR10、−O−C(O)N(R10、−C(O)N(R10、−C(O)OR10、−C(O)NHR10、−S−R10、−SOR10、−S(O)10、−NHC(O)R10、−NHSR10、−NHSOR10、−NHS(O)10、O−C(S)R10、O−C(S)OR10、O−C(S)NHR10、O−C(S)N(R10、−C(S)OR10、−C(S)NHR10、−C(S)N(R10、−NHC(S)R10、−NR10C(S)R14、−NHC(S)NHR10、−NHC(S)N(R10、−NR10C(S)NHR10、−NR10C(S)N(R10であり、
は−(C−C)アルキル、−(C−C12)シクロアルキル、アリール、−C−C10(アリール)アルキル、3から12員環の複素環であり、
、R、R、R、R、またはRはピロールかインドールではないという条件であり、
各R10は独立して−H、−C−Cアルキル、−C−C12シクロアルキル、アリール、3から12員環の複素環、−C−Cアルケニル、または−C−Cアルキニルであり、
12は−C−Cアルキル、−C−C12シクロアルキル、アリール、3から12員環の複素環、−C−Cアルケニル、または−C−Cアルキニルであり、
各nは独立して0から6までの整数であり、
また式中
がエチルの場合、Rは−H以外、あるいは
がエチルの場合、Rは−H以外、であることを特徴とする医薬組成物を提供する。
【0042】
特定の実施形態では、BF付加化合物は発明の範囲内の塩ではない。
特定の実施形態では、化学式Ia中のRおよびピロール環N原子は、三環構造をとらない。
【0043】
特定の実施形態では、化学式Ia中のRはC−C10アルキルであり、化学式Ia中のRは−H以外である。特定の実施形態では、化学式Ia中のRはC−C10アルキルであり、化学式(Ia)中のRは−H以外である。
【0044】
特定の実施形態では、化学式Ia中の各nは1から6の整数である。
特定の実施形態では、化学式(Ia)中のRは、Rがピロールまたはインドールではないとういう条件でアリールと3から12員環の複素環からなる群から選択されている。
【0045】
特定の実施形態では、化学式(Ia)中のRは−O−(C−Cアルキル)である。
特定の実施形態では、化学式(Ia)中のRは−OCHである。
【0046】
特定の実施形態では、化学式(Ia)中のRおよびRは独立してC−C10アルキルである。
特定の実施形態では、化学式(Ia)中のRとRは共に−CHである。
【0047】
特定の実施形態では、化学式(Ia)中のRは−Hである。
特定の実施形態では、化学式(Ia)中のRは−Hである。
特定の実施形態では、化学式(Ia)中のRは−Hである。
【0048】
特定の実施形態では、化学式(Ia)中のRは−Hである。
特定の実施形態では、化学式(Ia)中のRはフェニルで置換された−O−(C−Cアルキル)である。
【0049】
特定の実施形態では、化学式(Ia)中のRは−O−ベンジルである。
特定の実施形態では、化学式(Ia)中のRは置換されていない−O−ベンジルである。
【0050】
本発明は、医薬的に許容可能な担体または溶媒と化学式(Ib)あるいはその医薬的に許容可能な塩の構造を有する有効量のジピロール化合物からなる医薬組成物を提供し、
【0051】
【化4】

【0052】
式中、
は、Rがピロールまたはインドールではないという条件で−(C−C12)シクロアルキル、アリール、−C−C10(アリール)アルキル、3から12員環の複素環であり、また
は−O−(C−Cアルキル)または−OR11であり、R11がアリールであることを特徴とする医薬組成物を提供する。
【0053】
特定の実施形態では、化学式(Ib)のRは、Rがピロールまたはインドールではないという条件で、アリールまたは3から12員環の複素環である。
特定の実施形態では、化学式(Ib)のRは、置換された、および置換されていないフェニル、キノリニル、チオフェニル、ベンゾチオフェニル、フリル、ナフチル、ピリジニル、ジヒドロベンゾフラニル、ピリミジニル、ジヒドロオキサジニルフェニル、およびピラゾリルからなる群から選択されたている。
【0054】
本発明は、医薬的に許容可能な担体または溶媒と1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、または44の化合物で構成される群から選択された、有効量の化合物からなる医薬組成物を提供する。
【0055】
特定の実施形態では、本発明の医薬組成物は化学療法剤などの一つ以上の追加の治療薬を含む。より限定された状況では、追加の治療薬とジピロール化合物は相乗的に作用する。
【0056】
本発明は更に、化学式(Ib)のジピロール化合物あるいはその医薬的に許容可能な塩を提供し、
【0057】
【化5】

【0058】
式中、
は、Rがピロールまたはインドールではないという条件で−(C−C12)シクロアルキル、アリール、−C−C10(アリール)アルキル、3から12員環の複素環であり、また
は−O−(C−Cアルキル)または−OR11であり、R11がアリールであることを特徴とする化合物を提供する。
【0059】
特定の実施形態では、発明の化学式(Ib)のRは、Rがピロールまたはインドールではないという条件で、アリールまたは3から12員環の複素環である。
本発明のジピロール化合物の特定の実施形態では、化学式(Ib)のRは、置換された、および置換されていないフェニル、アントリル、フルオレニル、インデニル、アズレニル、フェナントリルおよびナフチルから選択されたアリールである。
【0060】
本発明のジピロール化合物の特定の実施形態では、化学式(Ib)のRは、置換された、および置換されていないアジリジニル、オキシラニル、チイラニル、アジリニル、ジアジリジニル、ジアジリニル、オキサジリジニル、アゼチジニル、アゼチジノニル、オキセタニル、チエタニル、ピペリジニル、ピペラジニル、モルホリニル、オキサジニル、チアジニル、ジアジニル、トリアジニル、テトラジニル、イミダゾリル、ベンズイミダゾリル、テトラゾリル、イソキノリニル、キノリニル、キナゾリニル、ピロリジニル、プリニル、イソキサゾリル、ベンズイソキサゾリル、フラニル、フラザニル、ピリジニル、オキサゾリル、ベンゾキサゾリル、チアゾリル、ベンゾチアゾリル、チオフェニル、ピラゾリル、トリアゾリル、ベンゾジアゾリル、ベンゾトリアゾリル、ピリミジニル、イソインダゾリル、インダゾリル、ベンゾチオフェン、ベンゾジオキソール、ジベンゾフラン、およびジベンゾチオフェンからなる群から選択された3から12員環の複素環である。
【0061】
本発明のジピロール化合物の特定の実施形態では、化学式(Ib)のRは、置換された、および置換されていないフェニル、キノリニル、チエニル、ベンゾチオフェニル、フリル、ナフチル、ピリジニル、ジヒドロベンゾフラニル、ピリミジニル、ジヒドロオキサジニルフェニル、およびピラゾリルからなる群から選択されている。
【0062】
本発明のジピロール化合物の特定の実施形態では、化学式(Ib)のRは−OCHである。
本発明のジピロール化合物の特定の実施形態では、Rは−O−(C−Cアルキル)である。
【0063】
本発明のジピロール化合物の特定の実施形態では、Rは−OCHである。
本発明のジピロール化合物の特定の実施形態では、Rはフェニルで置換された−O−(C−Cアルキル)である。
【0064】
本発明のジピロール化合物の特定の実施形態では、Rは−O−ベンジルである。
本発明のジピロール化合物の特定の実施形態では、Rは置換されていない−O−ベンジルである。
【0065】
特定のより限定された実施形態では、本発明は化合物1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、または44からなる群から選択されたジピロール化合物を提供する。
【0066】
定義と略語
本願で使用される場合、「ハロゲン」は−F、−Cl、−Brまたは−Iを指す。
本願で使用される場合、「C−C10アルキル」の語は1から10の炭素原子を有する飽和直鎖、あるいは非環状の分岐炭化水素を指す。典型的な飽和直鎖アルキルは、−メチル、−エチル、−n−プロピル、−n−ブチル、−n−ペンチル、−n−ヘキシル、−n−ヘプチル、−n−オクチル、−n−ノニル、および−n−デシルであり、一方飽和分岐アルキルは、イソプロピル、−sec−ブチル、−イソブチル、−tart−ブチル、−イソペンチル、−2−メチルブチル、3−メチルブチル、2−メチルペンチル、3−メチルペンチル、4−メチルペンチル、2−メチルヘキシル、3−メチルヘキシル、4−メチルヘキシル、5−メチルヘキシル、2,3−ジメチルブチル、2,3−ジメチルペンチル、2,4−ジメチルペンチル、2,3−ジメチルヘキシル、2,4−ジメチルヘキシル、2,5−ジメチルヘキシル、2,2−ジメチルペンチル、2,2−ジメチルヘキシル、2,2−ジメチルペンチル、3,3−ジメチルヘキシル、4,4−ジメチルヘキシル、2−エチルペンチル、3−エチルペンチル、2−エチルヘキシル、3−エチルヘキシル、4−エチルヘキシル、2−メチル−2−エチルペンチル、2−メチル−3−エチルペンチル、2−メチル−4−エチルペンチル、2−メチル−2−エチルヘキシル、2−メチル3−エチルヘキシル、2−メチル−4−エチルヘキシル、2,2−ジエチルペンチル、3,3−ジエチルヘキシル、2,2−ジエチルヘキシル、3,3−ジエチルヘキシル等を含む。
【0067】
本願で使用される場合、「C−Cアルキル」は、置換されない、あるいは−ハロゲン、−NH,−OH、−O−(C−Cアルキル)、フェニル基、またはナフチル基の一つ以上で任意に置換され得る1から8の炭素原子を含む飽和直線または飽和分岐鎖の炭化水素基を指す。C−C直鎖または分岐鎖アルキル基の例は、−メチル、−エチル、1−プロピル、2−プロピル、1−ブチル、2−ブチル、2−メチル−1−プロピル、2−メチル−2−プロピル、1−ペンチル、2−ペンチル、3−ペンチル、2−メチル−1−ブチル、3−メチル−1−ブチル、2−メチル−3−ブチル、2,2−ジメチル−1−プロピル、1−ヘキシル、2−ヘキシル、3−ヘキシル、2−メチル−1−ペンチル、3−メチル−1−ペンチル、4−メチル−1−ペンチル、2−メチル−2−ペンチル、3−メチル−2−ペンチル、4−メチル−2−ペンチル、2,2−ジメチル−1−ブチル、3,3−ジメチル−1−ブチル、2エチル−1−ブチル、1−ヘプチル、1−オクチルを含むが、それに限定されない。
【0068】
本願で使用される場合、「C−Cアルキル」は、1から5の炭素原子を含む飽和直線または飽和分岐鎖の炭化水素基を指す。C−C直鎖または分岐鎖アルキル基の例は、−メチル、−エチル、1−プロピル、2−プロピル、1−ブチル、2−ブチル、2−メチル−1−プロピル、2−メチル−2−プロピル、1−ペンチル、2−ペンチル、3−ペンチル、2−メチル−1−ブチル、3−メチル−1−ブチル、2−メチル−3−ブチル、2,2−ジメチル−1−プロピル、1−ペンチル、を含むが、それに限定されない。
【0069】
本願で使用される場合、「C−C10アルコキシ」は、C−C10が上で定義されたアルキルである−O−(C−C10アルキル)を意味する。
本願で使用される場合、「アリール」の語は、芳香族炭素環基を意味する。アリール基の全ての環原子は炭素原子である。アリール基は、5,6,7,8−テトラヒドロナフチルなどのベンゾ縮合環の炭素環部分に加えて、単環、二環、三環化合物などの一つ以上の環構造を有する化合物も含む。一つの実施形態において、アリール基は単環または二環である。典型的なアリール基は、フェニル基、トリル基、アントリル基、フルオレニル基、インデニル基、アズレニル基、フェナントリル基およびナフチル基を含む。炭素環式アリール基は、置換されないか置換されるかである。
【0070】
本願で使用される場合、「C−C10(ヒドロキシ)アルキル」の語は、上記のようにC−C10アルキルが定義され、一つ以上の−OH基で置換されたC−C10アルキルを意味する。C−C10(ヒドロキシ)アルキルの例は、ヒドロキシメチル、1−ヒドロキシエチル、2−ヒドロキシエチル、1−ヒドロキシプロピル、2−ヒドロキシプロピル、3−ヒドロキシプロピル、4−ヒドロキシブチル、5−ヒドロキシペンチルなどを含むがそれに限定されない。
【0071】
本願で使用される場合、「C−C10(アミノ)アルキル」は、上記のようにC−C10アルキルが定義され、一つ以上の−NH基で置換されたC−C10アルキルを意味する。C−C10(アミノ)アルキルの例は、−CH−NH、−(CH−NH、−(CH−NH、−(CH−NH、−(CH−NHなどを含むがそれに限定されない。
【0072】
本願で使用される場合、「C−C10(ハロ)アルキル」は、上記のようにC−C10アルキルが定義され、一つ以上の−F基、−Cl基、−Br基または−I基で置換されたC−C10アルキルを意味する。C−C10(ハロ)アルキルの例はトリクロロメチル、トリフルオロメチル、ジクロロメチル、ジフルオロメチル、1−フルオロエチル、2−クロロエチル、1−ブロモプロピル、2−ヨードプロピル、3−クロロプロピル、4−フルオロブチル、5−クロロペンチルなどを含むがそれに限定されない。
【0073】
本願で使用される場合、「C−C10アルケニル」の語は2から10の炭素原子を有し、少なくとも一つの炭素−炭素二重結合を有する直鎖、あるいは非環状の分岐炭化水素を指す。典型的な直鎖および分岐C−C10アルケニルは、−ビニル、−アリル、−1−ブテニル、−2−ブテニル、−イソブチレニル、−1−ペンテニル、−2−ペンテニル、−3−メチル−1−ブテニル、−2−メチル−2−ブテニル、−2,3−ジメチル−2−ブテニル、−1−ヘキセニル、−3−ヘキセニル、−3−ヘキセニル、−1−ヘプテニル、−2−ヘプテニル、−3−ヘプテニル、−1−オクテニル、−2−オクテニル、−3−オクテニル、−1−ノネニル、−2−ノネニル、−3−ノネニル、−1−デセニル、−2−デセニル、−3−デセニルを含む。一つの実施形態において、C−CアルケニルはC−C10アルケニルのサブクラスである。C−C10アルケニルの二重結合は、別の不飽和基と共役したりしなかったりすることができる。C−C10アルケニルは、例えば−アミノ、−C−C10(オキシ)アルキル、−ハロゲン、−COOH、−C(O)C−Cアルキル、−SH、=S、−OH、およびC−C10アルコキシで置換されなかったりされたりすることができる。
【0074】
本願で使用される場合、「C−Cアルケニル」は、2から8の炭素原子を有し、置換されないかまたは任意でフェニル基またはナフチル基で置換され得る少なくとも一つの二重結合を有する不飽和炭化水素基の直鎖または分岐鎖を意味する。
【0075】
本願で使用される場合、「C−Cアルキニル」は、2から8の炭素原子を有し、置換されないかまたは任意でフェニル基またはナフチル基で置換され得る少なくとも一つの三重結合を有する直鎖または分岐鎖の不飽和炭化水素基を意味する。
【0076】
本願で使用される場合、別に指定しない限り、「C−C10アルキニル」の語は、2から10の炭素原子を有し、少なくとも1つの炭素−炭素三重結合を含んでいる直鎖または非環状の分岐鎖の炭化水素を意味する。典型的な直鎖および分岐C−C10アルキニルは、−アセチレニル、−プロピニル、−1−ブチニル、−2−ブチニル、−1−ペンチニル、−2−ペンチニル、−3−メチル−1−ブチニル、−4−ペンチニル、−1−ヘキシニル、−2−ヘキシニル、−5−ヘキシニル、−1−ヘプチニル、−2−ヘプチニル、−6−ヘプチニル、−1−オクチニル、−2−オクチニル、−7−オクチニル、−1−ノニニル、−2−ノニニル、−8−ノニニル、−1−デシニル、−2−デシニル、−9−デシニル等を含む。一つの実施形態において、C−CアルキニルはC−C10アルキニルのサブクラスである。C−C10アルキニルの三重結合は、別の不飽和基と共役したりしなかったりすることができる。C−C10アルキニルは、例えば−アミノ、−COOH、−ハロゲン、−C−C10(オキシ)アルキル、−C(O)C−Cアルキル、−SH、=S、−OH、C−C10アルコキシ、およびC−C10アルキルで置換されなかったりされたりすることができる。
【0077】
本願で使用される場合、「(C−C)シクロアルキル」の語は、炭素原子と水素原子からなり、炭素原子を3−7つ有する飽和した単環または二環を意味する。(C−C)シクロアルキルは、例えば−アミノ、−COOH、−ハロゲン、−C−C10(オキシ)アルキル、−C(O)C−Cアルキル、−SH、=S、−OH、C−C10アルコキシ、およびC−C10アルキルで置換されなかったりされたりすることができる。(C−C)シクロアルキルの例は、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、および飽和した環状テルペン、または二環テルペンを含むが、それに限定されない。
【0078】
本願で使用される場合、「(C−C12)シクロアルキル」は炭素原子を3−12有する飽和した非芳香族炭化水素の単環系、二環系、または三環系を指す。(C−C12)シクロアルキル基の例は、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチル、ノルボルニル、アダマンチル、ビシクロ[2.2.2]オクト−2−エニル、およびビシクロ[2.2.2]オクチルを含むが、それに限定されない。
【0079】
本願で使用される場合、「−3から12員環の複素環」は、炭素と、酸素、窒素、硫黄から選択された炭素原子および1から4までのヘテロ原子の3から12員環の芳香族または非芳香族の単環、二環、または三環である。3から12員環の複素環の例は、アジリジニル、オキシラニル、チイラニル、アジリニル、ジアジリジニル、ジアジリニル、オキサジリジニル、アゼチジニル、アゼチジノニル、オキセタニル、チエタニル、ピペリジニル、ピペラジニル、ピロリル、モルホリニル、ピロリル、オキサジニル、チアジニル、ジアジニル、トリアジニル、テトラジニル、イミダゾリル、ベンズイミダゾリル、テトラゾリル、インドリル、イソキノリニル、キノリニル、キナゾリニル、ピロリジニル、プリニル、イソキサゾリル、ベンズイソキサゾリル、フラニル、フラザニル、ピリジニル、オキサゾリル、ベンゾキサゾリル、チアゾリル、ベンゾチアゾリル、チオフェニル、ピラゾリル、トリアゾリル、ベンゾジアゾリル、ベンゾトリアゾリル、ピリミジニル、イソインドリル、インダゾリル、ベンゾチオフェン、ベンゾジオキソール、ジベンゾフラン、およびジベンゾチオフェンを含むが、それに限定されない。
【0080】
本願で使用される場合、−O−ベンジル基は置換されたりされなかったりすることができる。
本願で使用される場合、「−C−C10(オキシ)アルキル」の語は、ここで定義されたように、1つ以上のカルボニル(即ち、ケトンまたはアルデヒド)基を有するC−C10アルキル基を指す。C−C10(オキシ)アルキル基の例は、ホルミル、アシル、プロピオンアルデヒド、ブチルアルデヒド、イソブチルアルデヒド、およびピバルアルデヒドを含むが、それに限定されない。
【0081】
本願で使用される場合、「−C−C10(アリール)アルキル」は、C−C10アルキレン基によって別の基に結合したアリール基を指す。典型的なアリールアルキル基は、ベンジル、2−フェニル−エチル、ナフト−3−イル−メチルなどを含む。
【0082】
本願で使用される場合、−フェニル基は置換されたりされなかったりすることができる。
ここで「置換されたりされなかったり」すると述べられた基は、置換された場合には任意の望ましい置換基または化合物の望ましい活性に悪影響を与えない任意の望ましい置換基である可能性がある。好ましい置換基の例は、典型的な化合物や本明細書で公開された実施形態に見られる置換基の他に、ハロゲン(クロロ、ヨード、ブロモ、またはフルオロ)、C1−6アルキル、C2−6アルケニル、C2−6アルキニル、ヒドロキシル、C1−6アルコキシル、アミノ、ニトロ、チオール、チオエーテル、イミン、シアノ、アミド、ホスホン酸、ホスフィン、カルボキシル、チオカルボキシル、スルホニル、スルホンアミド、ケトン、アルデヒド、エステル、酸素(=O)、ハロアルキル(例えば、トリフルオロメチル)、単環、または融合多環か非融合多環(例えば、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、またはシクロヘキシル)である可能性がある炭素環式シクロアルキルか単環、または融合多環か非融合多環(例えば、ピロリジニル、ピペリジニル、ピペラジニル、モルホリニル、またはチアジニル)である可能性がある複素環式シクロアルキル、炭素環式または複素環式の単環、または融合多環か非融合多環のアリール(例えば、フェニル、ナフチル、フラニル、チオフェニル、イミダゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、チアゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、ピラゾリル、ピリジニル、キノリニル、イソキノリニル、アクリジニル、ピラジニル、ピリダジニル、ピリミジニル、ベンズイミダゾリル、ベンゾチオフェニル、またはベンゾフラニル)、ベンジルオキシ、アミノ(一級、二級、または三級)、N(CH、O−低級アルキル、O−アリール、アリール、アリール−低級アルキル、COCH、−OCHCH、メトキシ、CONH、OCHCONH、NH、SONH、OCHF、CF、OCF、および、例えば−OCHO−、−O(CHO−、−O(CHO−などの融合環構造または架橋によって任意で置換される可能性もある当該の部分などである。
【0083】
これらの置換基は、任意で当該の基から選択された置換基で更に置換され得る。
ウイルス感染症の文脈における「有効量」とは、ウイルス感染症またはその1つ以上の症状の重症度および期間もしくはその一方を低減または改善する、ウイルス感染症の進行を抑制する、ウイルス感染症に関連した1つ以上の症状の再発、進行、または発症を防止する、ウイルスの複製または増殖を抑制または低減する、ウイルス粒子の生成および放出もしくはその一方を抑制または低減する、他の治療の予防効果または治療効果を強化または改善するのに十分なジピロール化合物の量である。特定の状況では、ウイルス感染症の文脈におけるジピロール化合物の「有効量」とは、ウイルスの生活環の次の段階、つまりウイルス粒子の細胞への結合、ウイルス遺伝情報の細胞への導入、ウイルスタンパク質の発現、新しいウイルス粒子の生成およびウイルス粒子の細胞からの放出、の1つ以上を、少なくとも5%、望ましくは少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、または、少なくとも100%まで低減するのに十分な量である。別の特定の実施形態では、ウイルス感染症の文脈におけるジピロール化合物の「有効量」とは、ウイルスの複製、増殖、または拡散を少なくとも5%、望ましくは少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、または、少なくとも100%まで低減させる。
【0084】
癌または腫瘍性疾患の文脈における「有効量」とは、癌または腫瘍性疾患またはその1つ以上の症状の重症度および期間もしくはその一方を低減または改善する、癌または腫瘍性疾患の進行を抑制する、癌または腫瘍性疾患に関連した1つ以上の症状の再発、進行、または発症を防止する、癌細胞または腫瘍性細胞の増殖を抑制または低減する、他の抗癌または抗腫瘍性疾患治療の予防効果または治療効果を強化または改善するのに十分なジピロール化合物の量である。特定の状況では、癌または腫瘍性疾患の文脈におけるジピロール化合物の「有効量」とは、癌細胞または腫瘍性細胞の増殖を少なくとも5%、望ましくは少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、または、少なくとも100%まで低減するのに十分な量である。
【0085】
癌細胞または腫瘍性細胞の増殖の阻害の文脈における「有効量」とは、癌細胞または腫瘍性細胞の増殖を少なくとも5%、望ましくは少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、または、少なくとも100%まで低減するのに十分なジピロール化合物の量である。
【0086】
本願で反応混合物または有機溶媒との繋がりで使用される場合、「実質的に無水」の語句は、反応混合物または有機溶媒が重量で約1パーセント未満の水を含むことを意味し、一実施形態においては重量で約0.5パーセント未満の水、また別の実施形態においては重量で約0.25パーセント未満を含む反応混合物または有機溶媒である。
【0087】
一実施形態において、例えば獣医用として哺乳動物に、または医療用としてヒトへの患者に投与される場合に、ジピロール化合物は単離された形で投与される。本願で使用される場合、「単離された」とは、ジピロール化合物が(a)植物または細胞、望ましくは細菌培養といった自然源の他の組成物から、あるいは、(b)合成有機化学反応混合物のいずれかから分けられることを意味する。別の実施形態においては、ジピロール化合物は従来技術により精製される。本願で使用される場合、「精製された」とは、単離された場合に単離物が少なくとも重量で単離物の95%、望ましくは少なくとも98%の単一ジピロール化合物を含むことを意味する。
【0088】
本願で使用される場合、「T/C値」は、(a)治療を受けたマウスの腫瘍体積の平均のベースラインからの変化をコントロールのマウスの腫瘍体積の平均のベースラインからの変化で割り、(b)(a)の段階で得られた数値を100倍して得られた値を意味する。
【0089】
本発明のジピロール化合物は、1つ以上のキラル中心および二重結合もしくはその一方を有する可能性、ひいては二重結合異性体(即ち、幾何異性体)、光学異性体、またはジアステレオマーといった立体異性体として存在している可能性があることが認められている。本発明によれば、ここで表現された化学構造、ひいては発明の化合物または発明の方法に用いられた化合物は、相当する全ての光学異性体と立体異性体、つまり構造的な純粋型(例えば、幾何的純粋、光学的純粋、またはジアステレオマー的純粋)と例えばラセミ化合物といった光学異性体と構造異性体の混合物を含む。
【0090】
同様に、ジピロール化合物がプロトンと相当する二重結合の位置の配置のみで異なる場合(互変異性)、ここで表現された化学構造、ひいては本発明の化合物または本発明の方法に用いられた化合物は、相当する全ての互変異性と互変異性混合物を含む。
【0091】
本願で使用される場合、また別に示されない限り、「構造的純粋」の語は、化合物の1つの構造異性体からなり、その化合物の別の構造異性体が実質的に含まれない組成物を意味する。例えば、キラル中心を1つ持つ化合物の構造的純粋な組成物は、その化合物の反対の光学異性体は実質的に含まないだろう。二つのキラル中心を持つ化合物の構造的純粋な組成物は、その化合物の別のジアステレオマーは実質的に含まないだろう。典型的な構造的純粋な化合物は、重量で約80%より多くの構造異性体と重量で20%未満の別の構造異性体を含み、より望ましくは重量で約90%より多くの1つの構造異性体と重量で10%未満の別の構造異性体を含み、更に一層望ましくは、約95%より多くの1つの構造異性体と重量で5%未満の別の構造異性体を含み、最も望ましくは、約97%より多くの1つの構造異性体と重量で3%未満の別の構造異性体を含む。
【0092】
本発明の化合物の光学異性体と構造異性体の混合物は、キラル相ガスクロマトグラフィー、キラル相高速液体クロマトグラフィー、キラル塩複合体としての化合物を結晶化、あるいはキラル溶媒中の化合物の結晶化などのよく知られた方法によってその構成要素の光学異性体または構造異性体を除くことができる。光学異性体と構造異性体は、構造的または光学的に純粋な中間体、薬剤、触媒からよく知られた合成方法により得ることもできる。
【0093】
描かれた構造とその構造に与えられた名前との間に不一致がある場合には、描かれた構造が支配することに留意しなければならない。更に、構造または構造の一部分の立体化学が例えば太字または波線で示されない場合には、その構造または構造の一部分はその全ての構造異性体を含むと解釈される。
【0094】
他に定義されない限り、以下の略語とその定義が本願で用いられる。
略語 定義
BOC −C(O)OC(CH
DEF N,N−ジエチルホルムアミド
dppf 1,1−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン
DMF N,N−ジメチルホルムアミド
DMSO ジメチルスルホキシド
THF テトラヒドロフラン
EtOAc 酢酸エチル
EtOH エタノール
MeOH メタノール
Tf −SO−CF
dba ジベンジリデンアセトン
Ph フェニル
TBDMSCl tert−ブチルジメチルシリルクロリド
DBU 1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデス−7−エン
LC/MS 液体クロマトグラフィー・質量分析
【発明を実施するための最良の形態】
【0095】
化学式(Ia)のジピロール化合物
特定の実施形態において、ジピロール化合物は化学式(Ia)の構造を有するか、あるいはその医薬的に許容可能な塩であり、
【0096】
【化6】

【0097】
式中
−R、およびR−Rは、本発明の方法で用いる化学式(Ia)の化合物のために上記で定義されている。
【0098】
化学式(Ia)のジピロール化合物の第1のサブクラスは、式中、nは1から6までの整数である。
化学式(Ia)のジピロール化合物の第2のサブクラスは、式中、化学式(Ia)のRはピロールまたはインドールではないという条件で、Rはアリールと3から12員環の複素環からなる群から選択される。
【0099】
化学式(Ia)のジピロール化合物の第3のサブクラスは、式中、化学式(Ia)のRは−O−(C−Cアルキル)である。
化学式(Ia)のジピロール化合物の第4のサブクラスは、式中、化学式(Ia)のRは−OCHである。
【0100】
化学式(Ia)のジピロール化合物の第5のサブクラスは、式中、化学式(Ia)のRは任意でフェニルで置換される−O−(C−Cアルキル)である。
化学式(Ia)のジピロール化合物の第6のサブクラスは、式中、化学式(Ia)のRは−O−ベンジルである。
【0101】
化学式(Ia)のジピロール化合物の第7のサブクラスは、式中、化学式(Ia)のO−ベンジルは置換されていない。
化学式(Ia)のジピロール化合物の第8のサブクラスは、式中、化学式(Ia)のRとRは独立してC−C10アルキルである。
【0102】
化学式(Ia)のジピロール化合物の第9のサブクラスは、式中、化学式(Ia)のRとRは共に−CHである。
化学式(Ia)のジピロール化合物の第10のサブクラスは、式中、(i)化学式(Ia)のRは−Hであり、(ii)化学式(Ia)のRとRは共に−CHである。
【0103】
化学式(Ia)のジピロール化合物の第11のサブクラスは、式中、式中、化学式(Ia)のRは−Hである。
化学式(Ia)のジピロール化合物の第12のサブクラスは、式中、化学式(Ia)のRは−Hである。
【0104】
化学式(Ia)のジピロール化合物の第13のサブクラスは、式中、化学式(Ia)のRは−Hである。
化学式(Ia)のジピロール化合物の第14のサブクラスは、式中、化学式(Ia)のRは、置換された、および置換されていないフェニル、アントリル、フルオレニル、インデニル、アズレニル、フェナントリルおよびナフチルから選択されたアリールである。
【0105】
化学式(Ia)のジピロール化合物の第15のサブクラスは、式中、化学式(Ia)のRは、置換された、および置換されていないアジリジニル、オキシラニル、チイラニル、アジリニル、ジアジリジニル、ジアジリニル、オキサジリジニル、アゼチジニル、アゼチジノニル、オキセタニル、チエタニル、ピペリジニル、ピペラジニル、モルホリニル、オキサジニル、チアジニル、ジアジニル、トリアジニル、テトラジニル、イミダゾリル、ベンズイミダゾリル、テトラゾリル、イソキノリニル、キノリニル、キナゾリニル、ピロリジニル、プリニル、イソキサゾリル、ベンズイソキサゾリル、フラニル、フラザニル、ピリジニル、オキサゾリル、チアゾリル、ベンゾチアゾリル、チオフェニル、ピラゾリル、トリアゾリル、ベンゾジアゾリル、ベンゾトリアゾリル、ピリミジニル、イソインドリル、インダゾリル、ベンゾチオフェン、ベンゾジオキソール、ジベンゾフラン、およびジベンゾチオフェンからなる群から選択された3から12員環の複素環である。
【0106】
化学式(Ia)のジピロール化合物の第16のサブクラスは、式中、化学式(Ia)のRはC10アルキルで、Rは−H以外である。
化学式(Ia)のジピロール化合物の第17のサブクラスは、式中、化学式(Ia)のRはC10アルキルで、Rは−H以外である。
【0107】
特定の実施形態では、BF付加化合物はジピロール化合物の塩ではない。
特定の実施形態では、化学式Ia中のRおよびピロール環N原子は、三環構造をとらない。
【0108】
特定の実施形態では、化学式Ia中のR、R、R、R、R、Rは3から12員環の複素環である。更に特定の実施形態では、化学式Ia中のR、R、R、R、R、Rは二環、6員環の複素環、含硫黄複素環、含酸素複素環、ヘテロ原子1つの複素環、ヘテロ原子2つの複素環、あるいはヘテロ原子3つの複素環である。
【0109】
化学式(Ia)のジピロール化合物
本発明は化学式(Ib) の構造を有するジピロール化合物を提供し、
【0110】
【化7】

【0111】
式中、
は、Rがピロールまたはインドールではないという条件で、−(C−C12)シクロアルキル、アリール、−C−C10(アリール)アルキル、3から12員環の複素環であり、
は−O−(C−Cアルキル)または−OR11であり、R11がアリールである。
【0112】
化学式(Ib)のジピロール化合物の第1のサブクラスは、Rがピロールまたはインドールではないという条件で、Rはアリールまたは3から12員環の複素環である。
化学式(Ib)のジピロール化合物の第2のサブクラスは、Rは、置換された、および置換されていないフェニル、キノリニル、チエニル、ベンゾチオフェニル、フリル、ナフチル、ピリジニル、ジヒドロベンゾフラニル、ピリミジニル、ジヒドロオキサジニルフェニル、およびピラゾリルからなる群から選択される。
【0113】
第3のサブクラスは、Rはメトキシである。
特定の実施形態では、Rは3から12員環の複素環である。更に詳しい実施形態では、Rは二環、6員環の複素環、含硫黄複素環、含酸素複素環、ヘテロ原子1つの複素環、ヘテロ原子2つの複素環、あるいはヘテロ原子3つの複素環である。
【0114】
ジピロール組成物の実例
発明は、化合物1から化合物44までの以下の組成のジピロール化合物、あるいはその医薬的に許容可能な塩を提供する。
【0115】
【化8】






【0116】
医薬組成物
本発明の医薬組成物の製剤に使用され得るジピロール化合物は、化学式(Ia)のジピロール化合物、または化学式(Ib)のジピロール化合物、または化合物1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、または44、あるいはその医薬的に許容可能な塩から選択されたジピロール化合物である。
【0117】
本発明は、有効量のジピロール化合物と医薬的に許容可能な担体からなる医薬組成物を提供する。ある状況では、本発明は有効量のジピロール化合物と医薬的に許容可能な担体からなる医薬組成物を提供する。更なる状況では、本発明は有効量のジピロール化合物と有効量のジピロール化合物以外の化合物からなる医薬組成物を提供する。特定の状況では、医薬組成物は様々なジピロール化合物の組合せからなる。
【0118】
実施形態において、本発明は、医薬的に許容可能な担体と有効量の化合物17、化合物22、あるいは化合物37、あるいはその医薬的に許容可能な塩からなる医薬組成物を提供する。更に特定の実施形態では、医薬的に許容可能な塩はメシラート塩である。
【0119】
ジピロール化合物を用いた癌およびウイルス疾患の治療方法
本発明の方法で使用され得るジピロール化合物は、化学式(Ia)のジピロール化合物、または化学式(Ib)のジピロール化合物、または化合物1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、または44、あるいはその医薬的に許容可能な塩から選択されたジピロール化合物である。
【0120】
本発明は、治療の必要がある被験者の癌または腫瘍性疾患の治療方法を提供し、その方法は、有効量のジピロール化合物あるいはその医薬的に許容可能な塩の被験者への投与工程を備える。
【0121】
本発明は、癌または腫瘍性疾患の治療の必要がある被験者の癌または腫瘍性疾患の治療方法を提供し、その方法は(i)有効量のジピロール化合物あるいはその医薬的に許容可能な塩、および(ii)医薬的に許容可能な担体の被験者への投与工程を備える。本発明はまた、癌または腫瘍性疾患の治療の必要がある被験者の癌または腫瘍性疾患の治療方法を提供し、その方法は、(i)有効量のジピロール化合物あるいはその医薬的に許容可能な塩、(ii)医薬的に許容可能な担体、および(iii)別の化学療法剤などのジピロール化合物以外の治療薬の被験者への投与工程を備える。様々なジピロール化合物の組合せも癌または腫瘍性疾患の治療のために投与される可能性がある。
【0122】
本発明は、癌細胞または腫瘍細胞の増殖を阻害または低減する方法を提供し、その方法は、癌細胞または腫瘍細胞と有効量のジピロール化合物あるいはその医薬的に許容可能な塩の接触工程を含む。
【0123】
本発明は更に、ウイルス感染の治療の必要がある被験者のウイルス感染の治療方法を提供し、その方法は(i)有効量のジピロール化合物あるいはその医薬的に許容可能な塩、および(ii)医薬的に許容可能な担体の被験者への投与工程を備える。本発明はまた、ウイルス感染の治療の必要がある被験者のウイルス感染の治療方法を提供し、その方法は(i)有効量のジピロール化合物あるいはその医薬的に許容可能な塩、(ii)医薬的に許容可能な担体、および(iii)別の抗ウイルス剤などのジピロール化合物以外の治療薬の被験者への投与工程を備える。様々なジピロール化合物の組合せもウイルス感染の治療のために投与される可能性がある。
【0124】
本発明は、ウイルスの複製または感染性を阻害または低減する方法を提供し、その方法は、ウイルスに感染した細胞と有効量のジピロール化合物あるいはその医薬的に許容可能な塩の接触工程を含む。本発明は、ウイルスに感染した細胞の増殖を阻害または低減する方法を提供し、その方法は、ウイルスに感染した細胞と有効量のジピロール化合物あるいはその医薬的に許容可能な塩の接触工程を含む。
【0125】
一実施形態において、本発明の方法で有用な化合物は、医薬的に許容可能な担体と有効量の化合物17、化合物22、あるいは化合物37、あるいはその医薬的に許容可能な塩である。更に特定の実施形態では、医薬的に許容可能な塩はメシラート塩である。
【0126】
ジピロール化合物の製造方法
本発明は更に、ジピロール化合物の製造方法に有用な方法を提供する。
本発明の化合物は、標準的なよく知られた合成方法を通じて得られる。例えば、マーチ、ジェイ(March,J.)Advanced Organic Chemistry;Reactions Mechanisms,and Structure、第4版(1992年)を参照。具体的な方法を以下に述べる。本発明の化合物とひいては中間産物の調整に有用な出発材料は、市販されているか、市販された材料から既知の合成方法と試薬を用いて調整できる。
【0127】
ジピロール化合物の製造に有用な合成経路の一例を以下に説明し、スキーム1に一般化する。
ジピロール化合物は、例えば後述するような従来の有機合成を通じて得られる。スキーム1は、化学式(Ib)のジピロール化合物のためにR7とR9が上述のように定義された化学式(Ib)のジピロール化合物が得られる、一般的な方法を表す。
【0128】
【化9】

【0129】
スキーム2に関して、トリフレート(48)(1mmol)とボロン酸(47)(2mmol)の無水ジオキサン(25mL)溶液に、4M KCO溶液(8mmol)を加える。溶液を10分間脱気し、次いでパラジウム(0)(0.010mmol)を加える。反応混合液を90−95℃で3時間加熱する。反応混合液を室温まで冷却し、酢酸エチルで抽出する。有機層をブラインと水で洗浄する。有機層を分離し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過する。濾液を蒸発させて組成物の残渣を得て、シリカゲル・カラムクロマトグラフィーに通して製品(化学式(Ib)の化合物)を得る。
【0130】
より具体的なジピロール化合物の実験手順をスキーム2に示す。
【0131】
【化10】

【0132】
スキーム2に関して、トリフレート(48)(1mmol)とボロン酸(47)(2mmol)の無水ジオキサン(25mL)溶液に、4M KCO溶液(8mmol)を加える。溶液を10分間脱気し、次いでパラジウム(0)(0.010mmol)を加える。反応混合液を90−95℃で3時間加熱する。反応混合液を室温まで冷却し、酢酸エチルで抽出する。有機層をブラインと水で洗浄する。有機層を分離し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過する。濾液を蒸発させて組成物の残渣を得て、シリカゲル・カラムクロマトグラフィーに通して製品(化学式(Ib)の化合物)を得る。
【0133】
治療・予防投与と組
ジピロール化合物はその活性から、獣医用とヒトの医療において有利に有用である。例えばジピロール化合物は、癌または腫瘍性疾患の治療または予防、あるいは癌細胞または腫瘍細胞の増殖抑制に有用である。ジピロール化合物はまた、ウイルス感染症の治療または予防、あるいはウイルスの複製または感染性の阻害に有用である。
【0134】
ジピロール化合物は、化学式(Ia)の化合物、化学式(Ib)の化合物、化合物1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、または44の化合物を含む。
【0135】
本発明は、有効量のジピロール化合物の患者への投与による治療または予防の方法を提供する。患者はヒト、ほ乳類、またはヒトではないウシ、ウマ、ヒツジ、ブタ、ニワトリ、シチメンチョウ、ウズラ、ネコ、イヌ、マウス、ラット、ウサギ、マウスまたはモルモットなどの動物であり、より望ましくはほ乳類であり、最も望ましくはヒトであるが、それに限定されない。
【0136】
有効量のジピロール化合物からなる本組成物は、例えば、輸液または静脈内ボーラスで、上皮または粘膜皮膚の内面(例えば、口腔粘膜、直腸・腸管粘膜、など)を通じた吸収によって、任意の簡便な経路で投与でき、また他の生物学的に活性な薬剤と共に投与されることができる。投与は全身または局所で行われることができる。例えば、リポソーム、微小粒子、マイクロカプセル、カプセルなどへのカプセル封入、様々な送達システムが知られており、ジピロール化合物の投与に利用可能である。特定の実施形態においては、1つ以上のジピロール化合物が患者に投与される。投与の方法は皮内投与、筋肉内投与、腹腔内投与、静脈内投与、皮下投与、経鼻投与、経口投与、舌下投与、経鼻投与、脳内投与、膣内投与、経皮投与、経直腸投与、吸引、または耳、鼻、眼、または皮膚への局所投与を含むが、それに限定されない。望ましい投与方法は施術者の判断に任され、また一部分においては(癌またはウイルス感染の部位などの)病状の部位に依存するだろう。
【0137】
特定の実施形態において、1つ以上のジピロール化合物を治療が必要な範囲に局所的に投与するのが望ましいかもしれない。この投与は、例えば手術中の局所的な輸液、例えば手術後の創傷被覆材との組合せでの局所適用、注射、カテーテル、座薬、あるいは多孔性や非多孔性、またはシラスティック膜のような膜を含むゲル状物質、あるいは繊維のインプラントの埋め込みによって達成されるが、これらの方法に限定されない。一実施形態において、投与は癌、腫瘍、発癌組織、または前癌状態の組織に直接注入で行う可能性がある。別の実施形態において、投与はウイルス感染部位、組織移植または臓器移植の部位、または自己免疫反応部位への直接注入で行う可能性がある。
【0138】
特定の実施形態では、脳室内投与および、くも膜下腔投与などの任意の適切な経路による、1つ以上のジピロール化合物の中枢神経系への導入が望ましい可能性がある。脳室内注入は、例えば、オンマヤ槽などの容器を接続した脳室内カテーテルで容易になる可能性がある。
【0139】
肺投与も、例えば吸入器や噴霧器やエアロゾル化剤の剤形、あるいはフッ化炭素か合成肺表面活性剤でのかん流の使用によって採用される可能性がある。特定の実施形態では、ジピロール化合物はトリグリセリドのような従来の結合材と担体で座薬として製剤され得る。
【0140】
別の実施形態では、ジピロール化合物は小胞、特にリポソーム中に送達され得る(ランガー[Langer]、Scinece 第249巻、1527〜1533ページ(1990年)、トリートら[Treat et al.]、in Liposomes in the Therapy of Infectious Disease and Cancer,ロペス・ベレステインおよびフィドラ−[Lopez−Berestein and Fidler](編),リス社[Liss]ニューヨーク州、353〜365ページ(1998年)、Lopez−Berestein,同書317〜327ページ、同書全般を参照)。
【0141】
更に別の実施形態では、ジピロール化合物は放出制御システムで送達され得る。一実施形態では、ポンプが使用される可能性がある(ランガー[Langer]、上記、セフトン[Sefton]、CRC Crit.Ref.Biomed.Eng.第14巻、201ページ(1987年)、バックワルドら[Buchwald et al.]、Furgery第88巻、507ページ(1980年)、ソーデックら[Saudek et al.]、N.Engl.J.Med.第321巻、574ページ(1989年)を参照)。別の実施形態では、高分子素材が用いられる可能性がある(Medical Applications of Controlled Release、ランガーおよびワイズ[Langer and Wise](編)、CRC Pres.、フロリダ州ボッカラトン[Boca Raton Florida](1974年)、Controlled Drug Bioavailability,Drug Production Design and Performance,スモレンおよびボール[Smolen and Ball](編),ニューヨーク州ワイリー[Wiley,New York](1984年)、ランガーおよびペパス[Ranger and Peppas]、J.Macromol.Sci.Rev.Macromol.Chem.第23巻、61ページ(1983年)を参照、またレヴィら[Levy et al.]、Science第228巻、190ページ(1985年)、デュアリングら[During et al.]、Ann.Neurol.第25巻、351ページ(1989年)、ハワードら[Haward et al.]、J.Neurosurg.第71巻、105ページ(1989年)も参照)。更に別の実施形態では、放出制御システムは、例えば脳といったジピロール化合物の標的に近接して設置される可能性があり、従って全身用量のわずか一部のみが必要である(例えば、グッドン[Gooddon]、in Medical Application of Controlled Release、上記のvol.2、115〜138ページ(1984年)を参照)。ランガー[Langer]による総説(Science第249巻、1527〜1533ページ(1990年))の中で論じられたその他の放出制御システムが用いられる可能性がある。
【0142】
本組成物は、有効量のジピロール化合物と医薬的に許容可能な担体を備える。
一実施形態では、「医薬的に許容可能」という語は連邦または州政府、または米国薬局方かその他の一般に認知された動物、より具体的にはヒトでの使用のための薬局方に記載された規制当局によって認可されたことを意味する。「担体」の語は、ジピロール化合物と共に投与される、希釈剤、補助剤、賦形剤、または溶媒を意味する。当該の医薬的担体は、水や、ピーナッツ油、ダイズ油、ミネラルオイル、ゴマ油などといった石油、動物性、植物性または合成のオイルなどの液体である可能性がある。医薬的担体は、生理食塩水、アラビアゴム、ゼラチン、デンプン糊、タルク、ケラチン、コロイド状シリカ、尿素などである可能性がある。更に、補助剤、安定剤、増粘剤、潤滑剤、着色料が使用される可能性がある。患者に投与する際には、ジピロール化合物と医薬的に許容可能な担体は滅菌される可能性がある。一実施形態では、ジピロール化合物が静脈内投与される場合には水が担体である。特に注入可能な溶液用に、生理的食塩水溶液および水溶性デキストロース溶液、グリセロール溶液も液体の担体として採用される可能性がある。また適切な医薬的担体は、でんぷん、グルコース、ラクトース、スクロース、ゼラチン、モルト、米、小麦粉、チョーク、シリカゲル、ステアリン酸ナトリウム、ステアリン酸グリセロール、タルク、塩化ナトリウム、乾燥スキムミルク、グリセロール、プロピレン、グリコール、ポリエチレングリコール300、水、エタノール、ポリソルベート20などといった賦形剤も含む。本組成物は、もし好ましければ、少量の湿潤剤または乳化剤、あるいはpH緩衝剤も含む可能性がある。
【0143】
本組成物は、液体、懸濁液、乳剤、タブレット、錠剤、丸薬、カプセル、液体を含むカプセル、粉末、徐放性製剤、坐薬、乳剤、エアロゾル、スプレー、懸濁液または使用に適した別の任意の形をとる可能性がある。一実施形態では、医薬的に許容可能な担体はカプセルである(例えば、米国特許第5,698,155号明細書を参照)。適切な医薬的担体のその他の例は、イー・ダブリュー・マーティング(E.W.Marting)著の「Remington’s Pharmaceutical Sciences」の中で述べられている。
【0144】
本願で使用される「医薬的に許容可能な塩」の語句は、本組成物に使用された化合物中に存在する可能性がある酸性基または塩基性基の塩を含むがそれに限定されない。本組成物に含まれる本来は塩基性であるジピロール化合物は、様々な無機酸と有機酸と多種多様な塩を形成することができる。医薬的に許容可能な当該の塩基性化合物の酸付加塩を調製するために使用できる酸は無毒性の酸付加塩、即ち硫酸塩、クエン酸塩、マレイン酸塩、酢酸塩、シュウ酸塩、塩酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩、硝酸塩、硫酸塩、重硫酸塩、リン酸塩、過リン酸塩、イソニコチン酸エステル塩、酢酸塩、乳酸塩、サリチル酸塩、クエン酸塩、酸性クエン酸塩、酒石酸塩、オレイン酸塩、タンニン酸塩、パントテン酸塩、酒石酸水素塩、アスコルビン酸塩、コハク酸エステル塩、マレイン酸エステル塩、ゲンチシン酸塩、フマル酸エステル塩、グルコン酸塩、グルクロン酸塩、糖酸塩、ギ酸塩、安息香酸エステル塩、グルタミン酸塩、メタンスルホン酸塩、エタンスルホン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、p−トルエンスルホン酸塩、メシラート塩、ヒドロキシエチルスルホン酸塩、パモ酸塩(即ち、1,1’−メチレン−ビス−(2−ヒドロキシ−3−ナフトアート)塩)などの医薬的に許容可能なアニオンを含むがそれに限定されない塩を形成する酸である。アミノ部分を含む本組成物に含まれるジピロール化合物は、上述の酸に加えて様々なアミノ酸と医薬的に許容可能な塩を形成することができる。本組成物に含まれる本来は酸性である化合物は、医薬的あるいは外見上許容可能な様々なカチオンと塩基性塩を形成することができる。当該の塩の例は、アルカリ金属塩またはアルカリ土類金属塩、および特にカルシウム塩、マグネシウム塩、ナトリウム塩、リチウム塩、亜鉛塩、カリウム塩、および鉄塩などである。
【0145】
別の実施形態では、ジピロール化合物は日常的な方法に従ってヒトへの静脈内投与に適合した医薬組成物として製剤される。典型的には、静脈内投与のためのジピロール化合物は、滅菌等張水性緩衝液中の溶液である。必要な場合には、組成物は溶解補助剤を含む場合もある。静脈内投与のための組成物は、注入部位の痛みを和らげるために任意でリグノカインのような局所麻酔剤を含む。一般的に、含有物は別々にあるいは一緒に混合され、例えば、活性薬剤の量を示したアンプルまたは小袋のような密閉された容器に入った乾燥した凍結乾燥粉末または水を含まない濃縮物として容量単位の形で供給される。ジピロール化合物が輸液で投与される場合には、例えば、医薬品グレードの滅菌水または生理食塩水が入った輸液ボトルで投薬可能である。ジピロール化合物が注入で投与される場合には、投与前に含有物を混合出来るように、注入用のアンプル1本分の滅菌水または生理食塩水が提供される場合がある。
【0146】
経口デリバリー用の組成物は、例えばタブレット、トローチ剤、水性または油性懸濁液、顆粒、粉末、乳剤、カプセル、シロップ、またはエリキシル剤の形にすることができる。経口投与される組成物は、医薬的に口当たりが良い調剤を提供するために、例えば果糖、アスパルテーム、またはサッカリンといった甘味料、ペパーミント、ウィンターグリーン油またはチェリーといった香料、着色料、また保存料など、1つ以上の任意の薬剤を含む場合がある。更に、タブレットまたは丸薬の形の場合、長期間にわたって持続する作用をもたらすよう、組成物は胃腸管で遅延崩壊および遅延吸収するように被覆される場合がある。浸透圧活性の促進化合物を取り巻く選択的透過性膜も、経口投与されるジピロール化合物に適している。これらのより最近のプラットフォームでは、促進化合物によりカプセルの周辺環境から液体が吸収され、促進化合物は膨潤して薬剤または薬剤組成物を隙間から放出する。これらの送達プラットフォームは、製剤の迅速な放出によるスパイク状プロファイルと相反して、基本的にゼロ次送達プロファイルを提供することができる。モノステアリン酸グリセロールまたはステアリン酸グリセロールのような時間遅延材料も使用される場合がある。経口組成物は、マンニトール、乳糖、デンプン、ステアリン酸マグネシウム、サッカリンナトリウム、セルロース、または炭酸マグネシウムといった標準的な担体を含んでもよい。当該の担体は、医薬品グレードのものである可能性がある。
【0147】
特定の疾患または症状の治療に効果的なジピロール化合物の量は、疾患または症状の性質に依存し、標準的な臨床手法で決定できる。更に、至適な用量範囲を特定するのに役立てるのに、インビトロまたはインビボアッセイが任意で採用される可能性がある。組成物で採用される用量も、投与の経路、および疾患または障害の重篤度に依存し、医師の判断と各患者の状況に従って決定しなければならない。しかし、静脈内投与に適切で効果的な用量範囲は、一般的に体重1kgあたり約0.1mgから約5mgであり、望ましくは約0.5mgから約3mgのジピロール化合物である。特定の実施形態では、静脈内投与量は約0.1から約0.5mg/kg、約0.3から約0.8mg/kg、約0.8から約1.2mg/kg、約1.2から約2.0mg/kg、または約2.0から約3.0mg/kg(あるいは体表面積平方メートル当たりで表される、これに相当する用量)である。あるいは、静脈内投与に適切で効果的な用量範囲は、患者の体重または体表面積による調節なしに、約8から500mgの用量を用いて得られる可能性がある。経鼻投与に適切な効果的な用量範囲は、一般的に約0.01pg/体重kgから1mg/体重kgである。座薬は一般的に、重量で0.5%から10%の1つ以上のジピロール化合物の単独、あるいは別の治療薬との組合せを含む。経口用の組成物は重量で約10%から約95%の1つ以上のジピロール化合物の単独、あるいは別の治療薬との組合せを含む可能性がある。本発明の特定の実施形態では、経口投与のための適切な用量範囲は一般的に体重1キログラム当たり約0.1から20mg/kgであり、望ましくは約0.5から10mg/kg、更に望ましくは約1から約5mg/kg、あるいはそれに相当する体表面積1平方メートル当たりで表現されるジピロール化合物である。特定の実施形態では、経口用量は約1から約7.5mg/kg、約7.5から約10mg/kg、約10から約12.5mg/kg、約12.5から約15mg/kg、または約15から約20mg/kg(あるいは体表面積平方メートル当たりで表される、これに相当する用量)である。別の実施形態では、経口投与のための適切な用量範囲は、患者の体重または体表面積による調節なしに、約20から2000mgの用量を用いて得られる可能性がある。その他の有効な用量は、インビトロまたは動物モデル試験系から得られた用量反応曲線から推定できる。当該の動物モデルとシステムは、当業者に良く知られている。
【0148】
本発明は、1つ以上のジピロール化合物を含む1つ以上の容器からなる医薬的な包装またはキットも提供する。当該の容器と任意で関連して、ヒトへの投与に関する製造、使用または販売の管轄機関による承認を反映する通告である、医薬または生物学的製品の製造、使用または販売を管轄する政府機関により規定された方法の中での通告である可能性がある。例えば癌の治療または予防のために投与される特定の実施形態では、キットは癌または腫瘍性疾患の治療に有用な、ジピロール化合物との組合せで投与される1つ以上の化学療法剤を含む場合がある。
【0149】
ジピロール化合物は、望ましくはインビトロで、次いでインビボで望まれる治療活性または予防活性がヒトへの使用前にアッセイが行われる。例えば、インビトロアッセイは、特定のジピロール化合物かジピロール化合物の組合せの投与が望ましいかどうかを検討するために利用できる。
【0150】
一実施形態では、患者組織のサンプルを培養で増殖させ、ジピロール化合物に接触させるか、そうでなければジピロール化合物を投与し、組織サンプルに対する当該のジピロール化合物の効果を観察して、接触させなかった組織と比較を行う。別の実施形態では、培養細胞をジピロール化合物に接触させるか、そうでなければジピロール化合物を投与した細胞培養モデルを用いて、当該のジピロール化合物の細胞培養サンプルに対する効果を観察し、接触させなかった細胞培養と比較を行う。一般的に、接触させなかった細胞と比較した接触させた細胞の増殖または生存の低さは、ジピロール化合物が患者の治療に有効であることを示す。当該のジピロール化合物は、動物モデル系を用いて有効性と安全性が示される場合もある。
【0151】
別の方法が当業者におそらく知られており、またそれらは本発明の範囲内である。
癌と腫瘍性疾患の抑制
ジピロール化合物は、当業者に知られている様々なアッセイを用いて、インビトロおよびインビボで腫瘍細胞の増殖、細胞形質転換、および腫瘍形成を抑制することが示される可能性がある。当該のアッセイは、癌細胞株の細胞、あるいは患者由来の細胞を使用する場合がある。上記の生存および増殖もしくはその一方を評価するために当業者によく知られている多くのアッセイが利用可能である。例えば、細胞増殖は(H)チミジン取り込みの測定、直接的な細胞計数、転写、翻訳、あるいは、癌原遺伝子(例えば、fos,myc)または細胞周期マーカー(Rb,cdc2,サイクリンA,D1,D2,D3,Eなど)の既知の遺伝子活性変化の検出によりアッセイ可能である。前述のタンパク質、mRNAおよび活性のレベルは、当業者によく知られている任意の方法で測定可能である。例えば、タンパク質は、市販の抗体(例えば、多くの細胞周期マーカー抗体はサンタクルズ社[Santa Cruz Inc.]で提供されている)を用いたウエスタンブロット法または免疫沈降などの既知の免疫診断法で定量可能である。mRNAは、例えば、ノーザン解析、RNaseプロテクション、逆転写と関連したポリメラーゼ連鎖反応などの当業者によく知られている、ルーチンの方法により測定可能である。細胞の生存率は、トリパンブルー染色、あるいは当業者に知られている別の細胞死マーカーまたは生存マーカーを用いてアッセイ可能である。分化は、形態変化などに基づいて視覚的に評価することができる。
【0152】
本発明は、以下のような当業者に知られている様々な技術による細胞周期と細胞増殖の解析を提供するが、それに限定されない。
一実施例では、ブロモデオキシウリジン(BRDU)の取り込みを、細胞増殖を確認するアッセイとして用いることができる。BRDUアッセイは、新しく合成されたDNAへのBRDUの取り込みによってDNA合成中の細胞集団を識別する。その後、新しく合成されたDNAは、抗BRDU抗体を用いて検出可能である(ホシノら[Hoshino et al.]、Int.J.Cancer第38巻、369ページ(1986年)、カンパーナら[Campana et al.]、J.Immunol.Meth.第107巻、79ページ(1988年)を参照。)。
【0153】
細胞増殖は(H)チミジン取り込みを用いても分析可能である(例えば、チェン、ジェイ[Chen,J.]、Oncogene第13巻、1395〜403ページ(1996年)、ジョン、ジェイ[Jeoung,J.]、J.Biol.Chem.第270巻、18367〜73ページ(1995年)を参照)。このアッセイは、S期のDNA合成の定量的特性解析を可能にする。このアッセイで、DNAを合成している細胞は新しく合成されたDNAに(H)チミジンを取り込む。その後、取り込みは、シンチレーションカウンター(例えば、Beckman LS 3800液体シンチレーションカウンター)での放射性同位元素の測定といった該分野の熟練者に知られている標準的技術により測定可能である。
【0154】
増殖性細胞核抗原(PCNA)の検出も細胞増殖の測定に用いることができる。PCNAは、増殖中の細胞、特に細胞周期のG1期初期とS期で発現が上昇する36kDaのタンパク質であり、そのため細胞増殖マーカーとして役立つ。陽性細胞は、抗PCNA抗体を用いた免疫染色により識別される(リーら[Li et al.]、Curr.Biol.第6巻、189〜199ページ(1996年)、ヴァシーレヴら[Vassilev et al.]、J.Cell Sci.第108巻、1205〜15ページ(1995年)を参照)。
【0155】
細胞増殖は、時間に伴う細胞集団のサンプルの計数(例えば、毎日の細胞計数)により測定可能である。細胞は、血球計数板(例えば、HyLite hemacytometer、ホイザーサイエンティフィック社[Hausser Scientific])と光学顕微鏡を用いて計数可能である。細胞数は、興味のある集団の増殖曲線を得るために時間に対してプロットされる可能性がある。特定の実施形態では、この方法で計数された細胞を最初にトリパンブルー(シグマ社[Sigma])染料と混合し、生細胞はこの染料を排除するので、集団の生細胞を計数する。
【0156】
細胞のDNA含量および分裂指数もしくはその一方は、例えば、細胞のDNA倍数性の値に基づいて測定可能である。例えば、細胞周期のG1期にある細胞は、一般的に2NのDNA倍数性の値を含む。DNAが複製されたが有糸分裂に進んでいない細胞(例えば、S期の細胞)は、2N以上4N以下のDNA含量の倍数性値を示す。更に倍数性の値と細胞周期動態は、ヨウ化プロピジウムアッセイを用いて測定可能である(例えば、ターナー、ティーら[Turner,T.,et al.]、Prostate第34巻、175〜81ページ(1998年)を参照)。あるいは、DNAの倍数性は、コンピューター化されたマイクロデンシトメーター染色システム上で、DNAフォイルゲン染色(化学量論的な様式でDNAに結合する)の定量によって測定可能である(例えば、バカス、エス[Bacus,S.]、Am.J.Pathol.第135巻、783〜92ページ(1989年)を参照)。別の実施形態では、DNA含量は染色体伸展標本の調製によって解析可能である(ザバロ、エス[Zabalou,S.]、Hereditas.第120巻、127〜40ページ(1994年)、パルデュー[Pardue]、Meth.Cell Biol.第44巻、333〜351ページ(1994年))。
【0157】
培養中の細胞数は、例えばATPの細胞内レベルの測定によって測定可能である。細胞内ATPレベルは、予め細胞数と相関することが示されている(クラウチ、コズラウスキーら[Crouch,Kozlowski et al.]、J.Immunol.Methods第160(1)巻、81〜8ページ(1993年))。処理3日後、細胞内ATPは、例えば、ViaLight Kit(バイオホイッティッカー社[Bio Whittaker])のメーカーの使用説明書に従って測定可能である。
【0158】
細胞周期タンパク質(例えば、CycA,CycB,CycE,CycD,cdc2,Cdk4/6,Rb,p21,p27など)の発現は、細胞の増殖状態に関連した重要な情報をもたらす。例えば、細胞の抗増殖シグナル経路は、p21cip1の誘導によって示される可能性がある。細胞内のp21の発現レベルの上昇は、細胞周期のG1期への進行遅延を引き起こす。(ハーパーら[Harper et al.]、Cell第75巻、805〜816ページ(1993年)、リーら[Li et al.]、Curr.Biol.第6巻、189〜199ページ(1996年))p21の誘導は、市販の特異的な抗p21抗体(例えば、サンタクルズ社[Santa Cruz])を用いた免疫染色によって識別可能である。同様に細胞周期タンパク質は、市販の抗体を用いたウエスタンブロット解析により分析可能である。別の実施形態では、細胞周期タンパク質の検出の前に細胞集団を同調する。細胞周期タンパク質は、興味があるタンパク質に対する抗体を用いてFACS(蛍光活性化細胞選別装置)解析による検出も可能である。
【0159】
細胞周期の長さ、または細胞周期の速度の変化の検出は、本発明のジピロール化合物による細胞増殖の阻害を測定するために用いられている。一実施形態では、細胞周期の長さは、細胞集団の倍加時間によって測定されている(例えば、1つ以上のジピロール化合物に接触、あるいは接触していない細胞を用いる)。別の実施形態では、細胞周期の進行の相、またはG1、SおよびG2/M画分の純度を解析するためにFACS解析を用いる(例えば、デリア、ディーら[Delia,D.et al.]、Oncogene第14巻、2137〜47ページ(1997年)を参照)。
【0160】
細胞周期のチェックポイントの時間の経過、および細胞周期チェックポイントの誘導もしくはその一方は、ここに述べる方法か、当業者に知られている任意の方法で解析可能である。限定なしで、細胞周期チェックポイントは、特定の細胞事象を特定の順で生じるよう保証する機構である。チェックポイント遺伝子は、後の事象を初期の事象の完了前に生じさせてしまう変異体により特定されている(ワイナート、ティーおよびハートウェル、エルら[Weinert,T.,and Hartwell,L.]、Genetics、第134巻、63〜80ページ(1993年))。チェックポイント遺伝子の誘導と阻害は、例えばウエスタンブロット解析または免疫染色などによってアッセイ可能である。更に細胞周期チェックポイントの時間の経過は、事前の特定事象の発生なしの細胞のチェックポイント通過によりアッセイ可能である(例えば、ゲノムDNAの複製完了なしの有糸分裂への進行)。
【0161】
さらに、特定の細胞周期タンパク質の発現の作用、細胞周期に関わるタンパク質の活性、翻訳後修飾は、細胞の制御と増殖状態に統合的な役割を果たすことができる。本発明は、当業者に知られる任意の方法による翻訳後修飾(例えば、リン酸化)の検出に関するアッセイを提供する。例えば、リン酸化されたチロシン残基を検出する抗体が市販されており、当該の修飾があるタンパク質を検出するウエスタンブロット解析に利用可能である。別の実施例では、ミリスチル化のような修飾は薄層クロマトグラフィーまたは逆層HPLCで検出可能である(例えば、グローバー、シー[Glover,C.]、Biochem.J.第250巻、485〜91ページ(1988年)、ペイジ、エル[Paige,L.]、Biochem.J.第250巻、485〜91ページ(1988年)を参照)。
【0162】
シグナルと細胞周期タンパク質およびタンパク質複合体もしくはその一方との活性は、しばしばキナーゼ活性によって仲介される。従って、ヒストンH1アッセイのようなアッセイによるキナーゼ活性の解析を細胞の増殖状態評価に利用することができる(例えば、デリア、ディーら[Delia,D.et al.]、Oncogene第14巻、2137〜47ページ(1997年)を参照)。
【0163】
またジピロール化合物が培養細胞の細胞増殖を変化させることが、当業者がよく知る方法を用いてインビトロで示される可能性がある。特定の細胞培養モデルの実施例は、肺癌ではラット肺腫瘍の一次細胞(スワフォードら[Swafford et al.]、Mol.Cell.Biol.、第17巻、1366〜1374ページ(1997年))および未分化の癌細胞株の大型細胞(メーブリーら[Mabry et al.]、Cancer Cells、第3巻、53〜58ページ(1991年))、結腸直腸癌では結腸直腸細胞株(パークおよびギャブダー[Park and Gazdar]J.Cell Biochem.Suppl.第24巻、131〜141ページ(1996年))、乳ガンでは確立された複数の細胞株(ハンブリーら[Hambly et al.]Breast Camcer Res.Treat.第43巻、247〜258ページ(1997年)、ガシーら[Gierthy et al.]Chemosphere第34巻、1495〜1505ページ(1997年)、プラサッドおよびチャーチ[Prasad and Church]Biochem.Biophys.Res.Commun.第232巻、14〜19ページ(1997年))、前立腺癌では良く解析された多数の細胞モデル(ウェバーら[Webber et al.]、Prostate、Part 1、第29巻、386〜394ページ(1996年)、Part 2、第30巻、58〜64ページ、およびPart 3、第30巻、136〜142ページ、ブーリカス[Boulikas]、Anticancer Res.17巻、1471〜1505ページ(1997年))、泌尿生殖器癌では、ヒト膀胱癌の連続継代細胞系(リベイロら[Ribeiro et al.]Int.J.Radiat.Biol.第72巻、11〜20ページ(1997年))、移行上皮癌の臓器培養(ブースら[Booth et al.]、Lab Invest.第76巻、843〜857ページ(1997年))とラット進行モデル(ヴェトら[Vet et al.]、Biochem.Biophys Acta第1360巻、39〜44ページ(1997年))、および白血病とリンパ腫で確立された細胞系(ドレクサー[Drexler]、Leuk.Res.第18巻、919〜927ページ(1994年)、トオヤマ[Tohyama]、Int.J.Hematol.第65巻、309〜317ページ(1997年))を含むが、それに限定されない。
【0164】
またジピロール化合物は、インビトロで細胞形質転換(あるいは悪性の表現型への進行)を阻害することが示される可能性がある。この実施形態で、形質転換した細胞表現型を有する細胞を1つ以上のジピロール化合物に接触させ、例えば、軟寒天中のコロニー形成、より丸い細胞形態、より緩い基質接着、接触阻止の喪失、足場依存性の喪失、プラスミノーゲン活性化因子などのプロテアーゼの放出、糖輸送の上昇、血清要求性の減少、または胎児性抗原の発現などといった、しかしこれらに限定されない、形質転換表現型(インビボでの発癌能に関連した一連のインビトロ解析)に関連した特性の変化を解析する(ルリアら[Luria et al.]、General Virology、第3版、ジョン・ワイリー・アンド・ソンズ社[John Wiley&Sons]、ニューヨーク[New York]、436〜446ページ(1978年)を参照)。
【0165】
一実施形態では、ジピロール化合物は癌細胞または腫瘍細胞に対して細胞毒性である。
別の実施形態では、ジピロール化合物は癌細胞において非癌細胞よりもより高レベルの細胞毒性を示す。
【0166】
侵襲性の喪失または接着低下もジピロール化合物の抗癌作用を示すのに利用できる可能性がある。例えば、転移性癌の形成の重要な側面は、前癌状態の細胞または癌性細胞が疾患の原発部位から離れ、第二の部位で新しいコロニーの増殖を確立する能力である。周辺部位に浸潤する細胞の能力は、癌性状態の可能性の反映している。浸潤性の喪失は、E−カドヘリンを介した細胞間接着の誘導などの、当業者に知られた様々な技術で測定可能である。前述のE−カドヘリンを介した細胞間接着は、表現型の転換と浸潤性の喪失を引き起こすことができる(ホーディックら[Hordijk et al.]、Science第278巻、1464〜66ページ(1997年))。
【0167】
浸潤性の喪失はさらに細胞遊走の阻害により観察することができる。様々な2次元、3次元の細胞マトリックスが市販されているカルビオケム−ノバビオケム社(Calbiochem−Novabiochem Corp)[米国カリフォルニア州サンディエゴ(San Diego)所在]。マトリックスを越える、あるいはマトリックスへの細胞遊走は、顕微鏡的なコマ撮り写真またはビデオ画像、あるいは細胞遊走の測定を可能にする当業者によく知られた任意の方法で観察可能である。関連した実施形態では、浸潤性の喪失は肝細胞増殖因子(HGF)への反応により観察することができる。HGFで誘導される細胞分散は、メイディン・ダービー・イヌ腎臓(MDCK)細胞のような細胞の浸潤性と相関している。このアッセイは、HGFへの反応で細胞分散活性を喪失した細胞集団を識別する(ホーディックら[Hordijk et al.]、Science第278巻、1464〜66ページ(1997年))。
【0168】
あるいは、浸潤性の喪失は、走化性チャンバー(Neuroprobe/プレシジョン・バイオケミカルズ社[Precision Biochemicals Inc.]、カナダ、ブリティッシュ・コロンビア州バンクーバー[Vancouver]所在)による細胞遊走によって測定可能である。このようなアッセイは、化学誘因剤をチャンバーの片側でインキュベートし(例えば、チャンバーの下端)、細胞をフィルターで隔てられた反対側(例えば、チャンバーの上端)に播種する。細胞が上部チャンバーから下部チャンバーに通り抜けるためには、細胞はフィルターの小さな穴を通って積極的に遊走しなければならない。遊走した細胞数のチェッカーボード解析は、浸潤性と相関する可能性がある(例えば、オオニシ、ティー[Ohnishi,T.]、Biochem.Biophys.Res.Commun.第193巻、518〜25ページ(1993年)を参照)。
【0169】
またジピロール化合物は、インビボで腫瘍形成の阻害を示す可能性がある。腫瘍形成と転移拡散を含む過剰増殖性障害の膨大な数の動物モデルが当業者に知られている(“Princeipals of Neoplasia” in Harrison’s Principals of Internal Medicine、第13版、317章の表317−1,アイセルベーカーら[Isselbacher et al.]、編,マグローヒル社[McGraw−Hill]ニューヨーク[New York]、1814ページ、およびラブジョイら[Lovejoy et al.]、J.Pathol.第181巻、130〜135ページ(1997年)を参照)。特定の実施例は、肺癌ではラットへの腫瘍結節の移植(ワンら[Wang et al.]、Ann.Thorac.Surg.第64巻、216〜219ページ(1997年))、またNS細胞が枯渇したSCIDマウスにおける肺癌転移の確立(ヨノおよびソネ[Yono and Sone]、Gan to Kagaku Ryoho第24巻、189〜494ページ(1997年))、結腸癌ではヒト結腸癌細胞のヌードマウスへの移植(ガットマンおよびフィドラー[Gutman and Fidler]、World J.Surg.第19巻、226〜234ページ(1995年))、ヒト潰瘍性結腸炎のコットン表面タマリンモデル(ウォリン[Warren]、Aliment.Pharmacol.Ther.10 Supp.第12巻、45〜47ページ(1996年))および腺腫様ポリープ腫瘍抑制遺伝子変異を有するマウスモデル(ポラキス[Polakis]、Biochem.Biophys.Acta第1332巻、F127〜F147ページ(1997年))、乳癌では乳癌の遺伝子組み換えモデル(ダンコートおよびミュラー[Dankort and Muller]、Cancer Treat.Res.第83巻、71〜88ページ(1996年)、アムンダディチールら[Amundadittir et al.]、Breast Cancer Res.Treat.第39巻、119〜135ページ)(1996年)、ラットにおける化学的腫瘍誘導(ルッソおよびルッソ[Russo and Russo]、Breast Cancer Res.Treat.第39巻、7〜20ページ(1996年))、前立腺癌では化学的に誘導した齧歯類モデルと遺伝子組み換え齧歯類モデル、およびヒト異種移植モデル(ロヤイら[Royai et al.]、Semin.Oncol.第23巻、35〜40ページ(1996年))、泌尿生殖器癌ではラットとマウスで誘導され膀胱腫瘍(オヤス[Oyasu]、Food Chem.Toxicol第33巻、747〜755ページ(1995年))とヒト移行上皮癌のヌードマウスへの異種移植(ジャレットら[Jarrett et al.]、J.Endourol.第9巻、1〜7ページ(1995年))、および造血器癌では動物における同種異系移植骨髄(アップルバーム[Appelbaum]、Leukemia第11(suppl.4)巻、S15〜S17ページ(1997年))を含む。さらに、p53欠損マウスモデル(ダンハウァー[Donehower]、Semin.Cancer Biol.第7巻、269〜278ページ(1996年))、Minマウス(シューメーカーら[Shoemaker et al.]、Biochem.Biophys.Acta、第1332巻、F25〜F48ページ(1997年))、およびラットにおける腫瘍に対する免疫反応(フレイ[Frey]、Methods、第12巻、173〜188ページ(1997年))を含む、しかしこれらに限定されない、多種の癌に応用可能な様々な動物モデルが記述されている。
【0170】
例えば、ジピロール化合物を試験動物、望ましくはある種の腫瘍を発症しやすい傾向の試験動物に投与する場合があり、試験動物はその後、ジピロール化合物が投与されなかったコントロールと比較して腫瘍形成の罹患率の減少の検討を行った。あるいは、ジピロール化合物を、腫瘍を有する試験動物(例えば、悪性腫瘍細胞または形質転換細胞の誘導によって、あるいは、発癌性物質の投与によって誘導された腫瘍がある動物)に投与する場合があり、試験動物はその後、ジピロール化合物が投与されなかったコントロールと比較して腫瘍の緩解について腫瘍の検討を行った。
【0171】
ヒトの癌のための特定の動物モデルは、免疫不全マウス(例えば、SCIDマウスまたはヌードマウス)へのヒト癌細胞の注入に関連する。例えば、PC3ヒト前立腺癌細胞が前立腺癌の動物モデルを作るためにヌードマウスに注入される場合がある(アンジェルーチら[Angelucci et al.]、Int.J.Oncol.25(6)1713〜1720ページ(2004年))。別の実施例では、CaSki,SiHa,HeLa,HeLaS3,C33A,HT3のような子宮頸癌細胞株が、子宮頸癌の動物モデルを作るためにヌードマウスに注入される場合がある(例えば、アンら[Ahn et al.]、Gynecol Oncol.第92(2)巻、611〜621ページ(2004年))。
【0172】
癌または腫瘍性疾患の化学療法または放射線療法の投与からなる治療または予防
新生物、腫瘍、転移、あるいは制御されない細胞増殖で特徴づけられる任意の疾患または障害を含むがそれに限定されない癌または腫瘍性疾患は、有効量のジピロール化合物の投与によって治療または予防され得る。
【0173】
特定の実施形態では、癌または腫瘍性疾患のための本発明は、さらに、メトトレキサート、タキソール、メルカプトプリン、チオグアニン、ヒドロキシ尿素、シタラビン、シクロホスファミド、イホスファミド、ニトロソ尿素、シスプラチン、カルボプラチン、マイトマイシン、ダカーバジン、プロカルバジン、エトポシド、キャンパセシン、ブレオマイシン、ドキソルビシン、イダルビシン、ダウノルビシン、ダクチノマイシン、プリカマイシン、ミトキサントロン、アスパラギナーゼ、ビンブラスチン、ビンクリスチン、ビノレルビン、パクリタキセル、およびドセタキセルを含むがそれに限定されない抗癌化学療法剤の投与からなる。別の実施形態では、抗癌剤は下記の表1に示したもののうちの1つ以上である。
【0174】
【表1】




【0175】
別の実施形態では、癌または腫瘍性疾患の治療または予防の方法は、さらに放射線療法および難治性があることが分かっていない癌の一実施形態もしくはその一方では1つ以上の化学療法剤の投与からなる。ジピロール化合物は、癌の治療として外科手術も受けた患者に投与される場合がある。
【0176】
別の特定の実施形態では、本発明は、化学療法および放射線療法もしくはその一方で難治性であると示された癌の治療または予防の方法を提供する。
特定の実施形態では、有効量のジピロール化合物は現在、化学療法または放射線療法と共に投与される。別の特定の実施形態では、化学療法または放射線療法は、ジピロール化合物投与の後または前の少なくとも1時間、5時間、12時間、1日あるいは1週間といった、ジピロール化合物投与の前あるいは後に投与される。
【0177】
ジピロール化合物が化学療法または放射線療法の前に投与された場合、化学療法または放射線療法はジピロール化合物が治療効果または予防効果を発揮している間に投与される。化学療法または放射線療法がジピロール化合物投与の前に行われる場合、ジピロール化合物は化学療法または放射線療法が治療効果を発揮している間に投与される。
【0178】
化学療法剤は一連の期間に投与される場合があり、上記のリストの任意の1つの化学療法剤あるいは化学療法剤の組合せが投与され得る。放射線治療に関して、任意の放射線治療プロトコルが治療される癌の種類に依存して用いられ得る。例えば、X線照射が行われ、深部腫瘍には特に高エネルギー超高圧(1MeVエネルギー以上の照射)が用いられ、皮膚癌には電子ビームと常用電圧X線照射が用いられるが、これに限定されない。γ線を放射する、ラジウム、コバルト、およびその他の元素のような放射線同位体も組織を照射に曝露するために投与される可能性がある。
【0179】
さらに、本発明は、化学療法または放射線療法は毒性が強すぎる(例えば、治療を受ける患者にとって許容不可能または耐え難い副作用を引き起こす)と証明された、あるいは証明される可能性がある場合には、化学療法または放射線療法に代わる方法として、ジピロール化合物による癌または腫瘍性疾患の治療方法を提供する。本組成物で治療される患者は、どの治療が許容可能または認容可能だと思われるかによって任意で、外科手術、放射線治療、または化学療法などの他の癌治療法で治療される可能性がある。
【0180】
治療可能または予防可能な癌と腫瘍性疾患
ジピロール化合物の投与によって治療または予防可能な癌または腫瘍性疾患と関連する疾患は表2に列挙されたものを含むがそれに限定されない(当該の疾患についての総説として、フィッシュマンら[Fishman et al.]、Medicine、第2版,ジェイ・ビー・リッピンコット社[J.B.Lippincott Co.]、フィラデルフィア[Philadelphia](1985年)を参照)。
【0181】
【表2】



【0182】
特定の実施形態では、癌、悪性腫瘍または異常増殖性の変化(化生や異系性など)、または過剰増殖疾患は、卵巣、乳房、結腸、肺、皮膚、膵臓、前立腺、膀胱、または子宮で治療または予防される。別の特定の実施形態では、肉腫、黒色腫、または白血病が治療または予防される。
【0183】
特定の実施形態では、治療される癌は、急性リンパ性白血病(ALL)、急性骨髄性白血病(AML)、急性骨髄性白血病/その他の骨髄性悪性腫瘍、副腎皮質癌、エイズ関連リンパ腫、エイズ関連悪性腫瘍、胞状軟部肉腫、肛門癌、退形成星細胞腫、退形成癌、甲状腺、血管肉腫、星状細胞腫/神経膠腫、非定型奇形腫様桿状腫瘍、基底細胞癌、胆管癌、膀胱癌、脳幹神経膠腫(低分化型と高分化型)、バーキットリンパ腫、原発不明癌(CUP)、類癌腫(胃腸管系、通常は虫垂)、子宮頚癌、小児白血病、小児ホジキン病、小児肝癌、小児非ホジキンリンパ腫、小児横紋筋肉腫、小児軟部組織肉腫、肝内胆管癌(胆管の癌)、肉腫性軟骨腫、脊索腫、脈絡叢腫瘍、脈絡叢癌と乳頭腫を含む、慢性骨髄性白血病(CML)、淡明細胞肉腫、CNSリンパ腫、大腸癌、頭蓋咽頭腫、皮膚T細胞リンパ腫、隆起性皮膚線維肉腫、浸潤性腺管癌、非浸潤性腺管癌(DCIS)(非浸潤性)、子宮内膜癌、上衣腫、類上皮肉腫、食道、ユーイング腫と胎生型神経外胚芽性腫瘍、骨外性軟骨肉腫、骨芽細胞性骨肉腫、線維性星状細胞腫、繊維肉腫、甲状腺濾胞癌、胆嚢癌、胃癌、胃腸管間質腫瘍(GIST)、胚細胞腫瘍、胚細胞腫、胚細胞腫瘍、混合胚細胞腫瘍、妊娠性絨毛癌(GTD)(胎盤)、多形性グリア芽細胞腫(星状細胞腫グレードIVとしても知られている)、神経膠腫/星状細胞腫、顆粒細胞筋芽腫、毛髪様細胞白血病、血管肉腫、肝胆、肝細胞性(原発性肝癌)、ホジキン病、甲状腺ヒュルトレ細胞癌、下咽頭癌、炎症性乳癌、島細胞癌(膵臓内分泌腺)、カポジ肉腫、腎臓(腎細胞)癌、喉頭癌、平滑筋肉腫、白血病、口唇・口腔癌、脂肪肉腫、肝癌、成人原発性(肝細胞癌)、肝癌、転移性小葉癌(浸潤性)、上皮内小葉癌(LCIS)(非浸潤性)、肺癌、リンパ管肉腫、リンパ腫、男性乳癌、悪性線維性組織球腫(MFH)、悪性血管外皮細胞腫、悪性間葉腫、悪性中胚葉腫、悪性神経鞘腫、悪性神経鞘腫、悪性胸腺腫、甲状腺髄様癌、髄芽腫、黒色腫、髄膜腫、間葉腫、中皮腫、メルケル細胞癌、転移癌(肺、脳、脊椎、骨、リンパ腺、その他が含まれる可能性がある)、多発性骨髄腫/形質細胞腫、菌状息肉症、骨髄異形成症候群、骨髄増殖性疾患、鼻咽頭癌、神経芽細胞腫、神経線維肉腫、乳頭(乳房パジェット病)、非ホジキンリンパ腫(NHL)、非小細胞肺癌、乏突起細胞腫、口腔咽頭癌、骨肉腫、上皮性卵巣癌、卵巣胚細胞腫瘍、卵巣低悪性度腫瘍、膵臓癌、甲状腺乳頭状癌、副鼻腔・鼻腔癌、副甲状腺癌、陰茎癌、末梢神経外胚葉性腫瘍、褐色細胞腫(副腎癌)、毛様性星細胞腫、松果体実質腫瘍、松果体部腫瘍、松果体芽腫を含む、下垂体腫瘍、下垂体腺腫を含む、原始神経外胚葉性腫瘍(ユーイング肉腫ファミリー腫瘍)、原始神経外胚葉性腫瘍、テント上腫瘍、中枢神経系原発リンパ腫(CNSリンパ腫)、前立腺癌、直腸癌、腎盂・尿管癌、移行細胞、網膜芽細胞腫、横紋筋肉腫、唾液腺癌、神経鞘腫、セザリー症候群、小細胞肺癌、小腸癌、扁平上皮頸部癌、胃癌、滑膜肉腫、T細胞リンパ腫、皮膚癌、精巣癌、甲状腺癌、尿道癌、子宮肉腫、膣癌、視路・視床下部神経膠腫、外陰癌、ヴァルデンストレームマクログロブリン血症、ウィルムス腫瘍とその他の小児腎臓癌である。
【0184】
別の実施形態では、ジピロール化合物は前立腺癌(より望ましくは、ホルモン非感受性)、神経芽腫、リンパ腫(望ましくは、濾胞性またはびまん性大細胞型B細胞)、乳癌(望ましくはエストロゲン受容体陽性)、結腸直腸癌、子宮内膜癌、卵巣癌、リンパ腫(望ましくは、非ホジキンリンパ腫)、肺癌(望ましくは、小細胞)、子宮頸癌または精巣癌(望ましくは、生殖細胞)を含む癌の治療または予防に利用される。
【0185】
別の実施形態では、ジピロール化合物は、前立腺癌(より望ましくは、ホルモン非感受性)、神経芽腫、リンパ腫(望ましくは、濾胞性またはびまん性大細胞型 B 細胞)、乳癌(望ましくはエストロゲン受容体陽性)、結腸直腸癌、子宮内膜癌、卵巣癌、リンパ腫(望ましくは、非ホジキンリンパ腫)、肺癌(望ましくは、小細胞)、子宮頸癌または精巣癌(望ましくは、生殖細胞)といった、癌または腫瘍由来細胞の増殖阻害に利用される。
【0186】
本発明の特定の実施形態では、ジピロール化合物は、表2またはここの癌または腫瘍由来の細胞の細胞増殖阻害に利用される。
ウイルスとウイルス感染症の抑制の実証
ジピロール化合物は、当業者に知られた、あるいはここに述べられた様々なアッセイを用いて、インビトロまたはインビボでウイルスまたはウイルスに感染した細胞の複製または感染性を抑制することが示される可能性がある。一実施形態では、当該のアッセイは細胞株の細胞、または患者由来の細胞を利用する可能性がある。特定の実施形態では、細胞はアッセイの前に、またはアッセイ中にウイルスに感染される可能性がある。細胞はウイルスと接触する可能性がある。別の実施形態では、アッセイは無細胞ウイルス培養を作用する可能性がある。
【0187】
一実施形態では、ジピロール化合物は、ウイルス反応の指標(例えば、封入体形成)を提示する培養細胞をインビトロでジピロール化合物と接触させ、またジピロール化合物と接触した細胞の指標のレベルを接触させなかった細胞の指標レベルと比較することによってウイルス疾患の治療活性または予防活性があることが示される。この場合、接触させた細胞指標のレベルが低い場合、ジピロール化合物がウイルス疾患の治療または予防活性があることを示す。当該のアッセイに利用可能な細胞モデルは、Tリンパ球のウイルス感染(セリンら[Selin et al.]、J.Exp.Med.第183巻、2489〜2499ページ(1996年))、脱分化した肝癌細胞のB型肝炎感染(レーニーら[Raney et al.]、J.Viol.第71巻、1058〜1071ページ(1997年))、培養した唾液腺上皮細胞のウイルス感染(クラークら[Clark et al.]、Autoimmunity第18巻、7〜14ページ(1994年))、CD4リンパ球細胞株の同調HIV−1感染(ウェインバーグら[Wainberg et al.]、Virology第233巻、364〜373ページ(1997年))、呼吸上皮細胞のウイルス感染(スタールら[Starl et al.]、Human Gene Ther.第7巻、1669〜1681ページ(1996年))、およびNIH−3T3細胞の両種性レトロウイルス感染(モーガンら[Morgan et al.]、J.Virol.第69巻、6994〜7000ページ(1995年))を含むがそれに限定されない。
【0188】
別の実施形態では、動物モデルで特有の呼吸器症状などのウイルス感染症の症状がある試験動物へのジピロール化合物の投与、またはウイルス反応を示さない試験動物へのジピロール化合物の投与とその後のウイルス反応を誘発する薬剤への曝露、そしてジピロール化合物投与後のウイルス反応の変化の測定によって、ジピロール化合物がウイルス疾患の治療または予防に活性を有することが示される可能性がある。ここで、ウイルス反応の減少またはウイルス反応の予防は、ジピロール化合物がウイルス疾患の治療または予防活性を有することを示す。当該アッセイに利用される動物モデルは、呼吸器ウイルス疾患のためのモルモットモデル(クドゥラッツおよびニッペンバーグ[Kudlacz and Knippenberg]、Inflamm.Res.第44巻、105〜110ページ(1995年))、インフルエンザウイルス感染症のためのマウスモデル(ドゥーブスら[Dobbs et al.]、J.Immunol.第157巻、1870〜1877ページ(1996年))、呼吸器シンシチウムウイルス感染症のための子ヒツジモデル(マソトら[Masot et al.]、Zentralbl.Veterinarmed.第43巻、233〜243ページ(1996年))、神経栄養ウイルス感染症のためのマウスモデル(バルナら[Barna et al.]、Virology第223巻、331〜343ページ(1996年))、麻疹感染症のためのハムスターモデル(フクダら[Fukuda et al.]、Acta Otolaryngol.Suppl(Stockh.)第514巻、111〜116ページ(1994年))、脳心筋炎感染症のためのマウスモデル(ヒラサワら[Hirasawa et al.]、J.Viol.第71巻、4024〜4031ページ(1997年))、およびサイトメガロウイルス感染症のためのマウスモデル(オレンジおよびバイロン[Orange and Biron]、J.Immunol.第156巻、1138〜1142ページ(1996年))を含むがそれに限定されない。本発明の一実施形態では、1つ以上のジピロール化合物が試験動物、ウイルス、またはウイルスに感染した細胞に投与される。
【0189】
ウイルスとウイルス感染症
ジピロール化合物の投与によって治療または予防され得るウイルスとウイルス感染症は、B型肝炎ウイルスおよびC型肝炎ウイルスのようなDNAウイルス、アデノ随伴ウイルスとサイトメガロウイルスなどのパルボウイルス、パピローマウイルス、ポリオーマウイルスおよびSV40などのパポバウイルス、アデノウイルス、I型単純ヘルペス(HSV−I)、II型単純ヘルペス(HSV−II)、およびエプスタイン・バー・ウイルスなどのヘルペスウイルス、天然痘ウイルス(天然痘)と牛痘ウイルスなどのポックスウイルス、およびI型ヒト免疫不全ウイルス(HIV−I)、II型ヒト免疫不全ウイルス(HIV−II)、I型ヒトT細胞リンパ向性ウイルス(HTLV−I)、II型ヒトT細胞リンパ向性ウイルス(HTLV−II)、インフルエンザウイルス、麻疹ウイルス、狂犬病ウイルス、センダイウイルス、ポリオウイルスなどのピコルナウイルス、コクサッキーウイルス、ライノウイルス、レオウイルス、風疹(三日ばしか)ウイルスやセムリキ森林熱ウイルスなどのトガウイルス、アルボウイルス、およびA型肝炎ウイルスなどのRNAウイルスを含むがそれに限定されない表3に上げられたウイルスを含むがそれに限定されない。
【0190】
本発明の別の実施形態では、ジピロール化合物は表3に挙げたようなウイルスに関連したウイルス感染の治療または予防に利用される。別の実施形態では、ジピロール化合物は、表3のウイルスの複製または感染性の抑制に利用される。さらに別の実施形態では、ジピロール化合物は、表3に挙げたウイルスが感染した細胞の増殖抑制に利用される。
【0191】
【表3】

【0192】
ジピロール化合物との組合せで使用可能なその他の抗ウイルス剤はサイトベン、ガンシクロビル、リン酸三ナトリウムホスホノギ酸、リバビリン、d4T,ddI,AZTおよびアマンタジン、リマンタジン、およびその他の抗インフルエンザ剤、アシクロビル、及び関連の薬剤、フォスカネット、およびその他の抗ヘルペスウイルス剤を含むが、それに限定されない。
【0193】
プロドラッグ
本発明は、本発明のジピロール化合物のプロドラッグも含む。ジピロール化合物のプロドラッグは、本発明の方法で使用できる。さらに、ジピロール化合物のプロドラッグは、本発明の医薬組成物に製剤することができる。
【0194】
本発明は、本発明のジピロール化合物のプロドラッグの範囲にも及ぶ。プロドラッグは、加水分解、酸化、あるいは生物学的条件下(インビトロまたはインビボ)で別の反応で本発明の活性なジピロール化合物をもたらすジピロール化合物誘導体を含む。プロドラッグの例は、生体加水分解性アミド、生体加水分解性エステル、生体加水分解性カルバメート、生体加水分解性炭酸塩、生体加水分解性リン酸アナログを含む生体加水分解性部分を含む本発明の化合物の誘導体と代謝物を含むがそれに限定されない。特定の実施形態では、カルボキシ官能基を有するジピロール化合物のプロドラッグは、カルボン酸の低級アルキルエステルである。カルボン酸エステルは、分子上に存在する任意のカルボン酸部分のエステル化により便利に形成される。プロドラッグは、Burger’s Medicinal Chemistry and Drug Discovery 第6版(ドナルド・ジェイ・エイブラハム[Donald J.Abraham]編、ワイリー[Wiley](2001年))およびDesign and Application of Prodrugs(エイチ・バンガード[H.Bundgaard]編、ハーウッド・アカデミック社[Harwood Academic Publishers Gmfh](1985年))で述べられているような一般的によく知られた方法で調製される。ジピロール化合物の生体加水分解性部分は、1)化合物の生物学的活性を妨げないが、化合物に吸収、作用中、または作用の発現といったインビボでの有利な特性を与える可能性がある。または、2)生物学的に不活性だが、インビボで生物学的に活性な化合物に転換される。生体加水分解性エステルの例は、低級アルキルエステル、アルコキシアシロキシエステル、アルキルアシルアミノアルキルエステル、およびコリンエステルを含むがそれに限定されない。生体加水分解性アミドの例は、低級アルキルアミン、置換されたエチレンジアミン、アミノ酸、ヒドロキシアルキルアミン、複素環アミン、複素芳香族アミン、およびポリエーテルアミンを含むがそれに限定されない。
【0195】
スクリーニング・アッセイ
本発明は、癌、腫瘍性疾患、またはウイルス感染症の治療におけるジピロール化合物との組合せで用いられる化合物のためのスクリーニング方法を提供する。特定の実施形態では、化学式(Ia)または(Ib)のジピロール化合物と試験化合物は、癌、腫瘍性疾患、またはウイルス感染症の動物モデル系に共投与される。ジピロール化合物と試験化合物の組合せの抗癌作用、抗腫瘍作用、または抗ウイルス作用は、次にジピロール化合物と試験化合物単独の抗癌作用、抗腫瘍作用、または抗ウイルス作用と比較される。特定の状況では、ジピロール化合物と相乗的に作用する場合、つまり、ジピロール化合物と試験化合物の組合せの抗癌作用、抗腫瘍作用、または抗ウイルス作用がジピロール化合物と試験化合物単独の作用を加えたものよりも大きい場合、試験化合物はジピロール化合物との組合せで癌、腫瘍性疾患、またはウイルス感染症の治療に有用である。別の状況では、同じ抗癌作用、抗腫瘍作用、または抗ウイルス作用が低リスクの副作用で達成できるように、試験化合物の抗癌作用、抗腫瘍作用、または抗ウイルス作用がジピロール化合物の抗癌作用、抗腫瘍作用、または抗ウイルス作用に相加的であるが、試験化合物とジピロール化合物の任意のネガティブな副作用が相加的でない場合、試験化合物は癌、腫瘍性疾患、またはウイルス感染症の治療にジピロール化合物との組合せで有用である。
【0196】
特定の実施形態では、癌細胞の生存率に対するジピロール化合物と試験化合物の複合効果を測定するために、癌細胞は化学式(Ia)または(Ib)のジピロール化合物と試験化合物と接触される。ジピロール化合物と相乗的に作用する試験化合物は、ジピロール化合物との複合療法に有用である。さらに、試験化合物の抗癌作用がジピロール化合物の抗癌作用と相加的であり、また非癌性細胞への細胞毒性がジピロール化合物単独よりもより低い試験化合物は、ジピロール化合物との複合療法に有用である。
【0197】
別の実施形態では、ウイルスの細胞への感染能について試験化合物とのジピロール化合物の複合効果を測定するために、化学式(Ia)または(Ib)のジピロール化合物と試験化合物は、細胞とウイルスの培養に添加される。ジピロール化合物と相乗的に作用する試験化合物は、ジピロール化合物との複合療法に有用である。さらに、試験化合物の抗ウイルス活性がジピロール化合物の抗ウイルス活性と相加的であり、また非癌性細胞への細胞毒性がジピロール化合物単独よりもより低い試験化合物は、ジピロール化合物との複合療法に有用である。
【0198】
ウイルス感染症の治療でジピロール化合物との複合で用いられ得る適切な化合物は、ジピロール化合物と試験化合物の共投与によってウイルス感染症の動物モデルで識別される可能性もある。
【0199】
任意の分子が本発明のスクリーニング・アッセイで試験化合物として使用され得る。典型的な試験化合物は、小さい有機分子、DNA分子、RNA分子、糖、脂質、またはペプチドである。特定の実施形態では、様々な試験化合物の組合せライブラリーが本発明のスクリーニング方法に用いられる。スクリーニングを容易にするために、試験化合物は少なくとも10、50、100、500、1000、5000、10000、50000、または少なくとも100000の試験化合物のプールでスクリーニングされる可能性がある。スクリーニングを容易にするために、試験化合物は最大でも10、50、100、500、1000、5000、10000、50000、または最大でも100000の試験化合物のプールでスクリーニングされる可能性がある。
【実施例】
【0200】
実施例1:化合物22の合成
スキーム3に関して、トリフレート(48)(1.0g、2.84mmol)と4−ジメチルアミノフェニルボロン酸(49)(0.928g、5.69mmol)の無水ジオキサン(25mL)溶液に、4M KCO溶液(7.11mL、28.47mmol)を加えた。溶液を10分間脱気し、次いでテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(33mg、0.028mol)を加えた。反応混合液を90−95℃で3時間加熱した。反応混合液を室温まで冷却し、酢酸エチルで抽出した。有機層をブラインと水で洗浄した。有機層を分離し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過した。濾液を蒸発させて組成物の残渣を得て、シリカゲル・カラムクロマトグラフィーに通して化合物22(0.713g、78%)を得た。
【0201】
【化11】

【0202】
実施例2:化合物37の合成
スキーム4に関して、トリフレート(48)(1.0g、2.84mmol)とピラゾールボロン酸(50)[1−ベンジル−1H−ピラゾール−4−イル−4−ボロン酸](1.15g、5.69mmol)の無水ジオキサン(25mL)溶液に、4M KCO溶液(7.11mL、28.47mmol)を加えた。溶液を10分間脱気し、次いでテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(33mg、0.028mol)を加えた。反応混合液を90−95℃で3時間加熱した。反応混合液を室温まで冷却し、酢酸エチルで抽出した。有機層をブラインと水で洗浄した。有機層を分離し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過した。濾液を蒸発させて組成物の残渣を得て、シリカゲル・カラムクロマトグラフィーに通して化合物37(0.726g、71%)を得た。
【0203】
【化12】

【0204】
実施例3:化合物20の合成
スキーム5に関して、トリフレート(48、1.0g、2.84mmol)と3−メチレンジオキシフェニルボロン酸(51)(0.945g、5.69mmol)の無水ジオキサン(25mL)溶液に、4M KCO溶液(7.11mL、28.47mmol)を加えた。溶液を10分間脱気し、次いでテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(33mg、0.028mol)を加えた。反応混合液を90−95℃で3時間加熱した。反応混合液を室温まで冷却し、酢酸エチルで抽出した。有機層をブラインと水で洗浄した。有機層を分離し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過した。濾液を蒸発させて組成物の残渣を得て、シリカゲル・カラムクロマトグラフィーに通して化合物20(0.624g、68%)を得た。
【0205】
【化13】

【0206】
実施例4:細胞培養における癌細胞の生存率に対するジピロール化合物の効果
ジピロール化合物の抗発癌作用を実証するため、本発明の化合物での選択された細胞株の処理前後の細胞内ATPレベルを測定することで癌細胞の生存率に対する作用を示した。選択された細胞株は、アメリカン・タイプ・カルチャー・コレクション(American Type Culture Collection)で推奨された培地で培養したC33A子宮頸癌細胞とH1299ヒト非小細胞肺癌細胞(アメリカン・タイプ・カルチャー・コレクション(American Type Culture Collection)[米国バージニア州マナッサス(Manassas)所在])を含んだ。細胞株を96穴のマイクロタイタープレート(パーキンエルマーライフサイエンス社(PerkinElmer Life Sciences Inc)[米国マサチューセッツ州ボストン(Boston)所在])に、増殖4日後にコンフルエンスに達することができる培養密度で播いた。播種1日後、細胞を様々な濃度の化合物で処理した。化合物の保存溶液は、ジメチルスルホキシド(シグマ・アドリッチ社(Sigma−Aldrich Inc.)[米国ミズーリ州セントルイス(St.Louis)所在])中に調製し、推奨された培地で希釈し、次に細胞を加えた。細胞に対する総ジメチルスルホキシドは0.1%だった。インキュベーションの3日後、細胞内のATPレベルを蛍光ViaLight検出システム(バイオホイッタカー社(Bio−Whittaker)[米国メリーランド州]所在)を用いて定量した。結果を無処理のコントロール細胞を100の値として、相対的にプロットした。IC50は、様々な傾きの最良適合シグモイド用量反応曲線を用いて決定した。
【0207】
表4に示したように、これらの化合物はH1299およびC33A癌細胞株において細胞内ATPレベルの減少に有効だった。従って、これらの化合物は癌およびウイルス感染症のそれぞれの治療と予防に本発明の方法において有用性がある。
【0208】
また、インビボでの医薬使用のためには、有効性は医薬品としての化合物の適正の評価に考慮される唯一の要因ではないことにも留意する必要がある。毒性や生物学的利用能などのその他の要因も、医薬品としての化合物の適正を決定する。毒性と生物学的利用能は、当業者に知られている任意のアッセイ系でも試験することができる。
【0209】
【表4】


【0210】
実施例5:インビボにおける前立腺腫瘍細胞の増殖対する化合物17の効果
インビボでの化合物17メシラート塩の抗腫瘍活性を実証するため、SCIDマウス(チャールズリバー社(Charles River)[米国マサチューセッツ州]所在)でヒト前立腺腺癌PC3細胞を注入する実験を行った。結果として得られたマウスは、前立腺癌を有するヒトのモデルである。
【0211】
ヒト前立腺腺癌PC3細胞は、アメリカン・タイプ・カルチャー・コレクション(ATCC)から購入した。この細胞は、マイコプラズマ感染がないことを確認した。細胞はロズウェル・パーク・メモリアル・インスティテュート(Rosewell Park Memorial Institute)(RPMI)に10%の不活性化ウシ胎児血清と1%ペニシリン−ストレプトマイシン−L−グルタミンを追加し、5%二酸化炭素(CO)下で37度で維持された。前立腺癌誘導のため、細胞を完全培地中で細胞密度70%未満で増殖させ、次にトリプシン(バイオホイッタカー社(Bio−Whittaker)[米国メイン州ロックランド(Rockland)]所在)処理で回収した。次に細胞を遠心し、リン酸緩衝液(PBS)で2回洗浄し、PBSに1.5×10cells/0.1mLで再懸濁した。次に、PC3細胞をSCIDマウス(チャールズリバー社(Charles River Laboratories)[米国マサチューセッツ州ウィルミントン(Wilmington)]所在)の右脇腹に腫瘍細胞の懸濁液(PBS 100μl中1.5×10細胞)として、層流フード下で皮下移植した。11日後、各腫瘍サイズを計測した。平均腫瘍サイズが約20mmに達したとき、各グループの平均腫瘍サイズが同程度になるように、腫瘍サイズに基づいてマウス各10匹のグループに無作為抽出した。相対腫瘍サイズと容積を長さ(cm)×[幅(cm)]/2、のように計算した。マウス各10匹の(a)ネガティブコントロール群、(b)ポジティブコントロール群、(c)36.25μmol/kgの化合物17メシラート塩処理群、(d)72.5μmol/kgの化合物17メシラート塩処理群の4つの処理グループがあった。
【0212】
処理はPC3細胞移植11日後に開始した。化合物17メシラート塩は、1日1回、連続5日間、36.25μmol/kgまたは72.5μmol/kgの用量で静脈注射投与(尾静脈)した。化合物17メシラート塩は、9.6%ポリエチレングリコール300、0.4%ポリソルベート20、5%デキストロースの溶媒中に毎日用時調製した。ネガティブコントロール群は、溶媒単独で処理した。注入用量は、72.5μmol/kg化合物17メシラート塩処理群とネガティブコントロール群の両方とも200μlだった。36.25μmol/kg化合物17メシラート塩処理群の注入用量は100μlだった。ポジティブコントロール群は、3日に1度、5回、3.5mg/kgの用量でシスプラチン(シグマ社(Sigma)[米国ミズーリ州セントルイス(St.Louis)]所在)で処理した。シスプラチンは注入当日にPBS中に調製し、注入容積70μlで腹腔内投与(IR投与)した。
【0213】
マウスの体重と腫瘍を13日目と処理開始後2日ごとに測定した。観察は腫瘍移植開始後、32日間続けた。体重変化と計算した腫瘍サイズの変化をプロットした。
図1に示すように、化合物17メシラート塩で処理したマウスは、顕著でない体重減少があった一方、シスプラスチン処理した陽性コントロール群は、27日目に19%の体重減少があった。
【0214】
図2に示すように、36.25μmol/kgの用量の化合物17メシラート塩の1日1度、5回の処理は、溶媒のみで処理したマウスと比較して統計的に有意な腫瘍増殖の減少を引き起こさなかった。29日目と32日目のT/C値は、それぞれ53%と52%だった。1日1度、5回の72.5μmol/kgの化合物17メシラート塩高用量処理は、29日目と32日目に溶媒のみで処理したマウスと比較して統計的に有意な腫瘍増殖の減少を引き起こした(p<0.01)。72.5μmol/kgの化合物17メシラート塩処理群の29日目と32日目のT/C値は、それぞれ18%と22%だった。
【0215】
図2に示すように、72.5μmol/kgの用量の化合物17メシラート塩高用量は、当業者に認められたヒト前立腺癌モデルであるSCIDマウスに移植したヒト前立腺腫瘍を顕著に減少させた。従って、化合物17メシラート塩は、前立腺癌の増殖抑制と患者、特にヒトの患者での前立腺癌の治療または予防に有用である。
【0216】
実施例6:インビボにおける子宮頸癌腫瘍細胞の増殖に対する化合物22メシラート塩と化合物37メシラート塩の効果
インビボにおける化合物22メシラート塩(MS)または化合物37メシラート塩(MS)の抗腫瘍活性を実証するため、CB17 SCID/SCIDマウス(米国マサチューセッツ州チャールズリバー[Charls River])でC33Aヒト子宮頸癌細胞を注入する実験を行った。その結果得られたマウスは、子宮頸癌を有するヒトのためのモデルである。
【0217】
C33Aヒト子宮頸癌細胞はRPMI(ハイクローン(Hyclone)[米国ユタ州])に10%の不活性化ウシ胎児血清(バイオホイッタカー社(Bio−Whittaker)[米国メイン州])と1%ペニシリン−ストレプトマイシン−L−グルタミン(ギブコ(Gibco)米国ニューヨーク州)を追加し、5%二酸化炭素(CO)下かつ37度で維持し、週に2回継代した。細胞を完全培地中、細胞密度70%未満で増殖させ、次にトリプシン(バイオホイッタカー社(Bio−Whittaker)[米国メイン州ロックランド(Rockland)]所在)処理で回収した。次に細胞を遠心し、リン酸緩衝液(PBS)で2回洗浄し、PBS100μl中に2×10cellsで再懸濁した。生細胞率をトリパンブルー(ギブコ社(Gibco)[米国ニューヨーク州])染色で計測し、生細胞率が95%以上のフラスコのみをインビボ研究に用いた。
【0218】
C33A細胞をメスのCB17 SCID/SCIDマウスの右脇腹に皮下注入した。各マウスは100μl当たり2×10腫瘍細胞の懸濁液を0日目に接種した。マウス各10匹の(a)ネガティブコントロール群、(b)化合物22MS処理群、(c)化合物37MS処理群の3つの処理グループがあった。
【0219】
処理はC33A細胞移植28日後に開始した。化合物22MSは1日1回、連続5日間、10mg/kgの用量で静脈注射投与(尾静脈)した。化合物37MSは1日1回、連続5日間、2.6mg/kgの用量で静脈注射投与(尾静脈)した。化合物22MSと化合物37MSは共に9.6%ポリエチレングリコール300、0.4%ポリソルベート20、5%デキストロースの溶媒中に毎日用時調製した。ネガティブコントロール群は、溶媒単独で処理した。化合物処理群とネガティブコントロール群の注入用量は、100μlだった。
【0220】
マウスの体重と腫瘍を28日目と処理開始後2日ごとに測定した。観察は腫瘍移植開始後、51日間続けた。体重変化と計算した腫瘍サイズの変化をプロットした。
図3に示すように、10mg/kgの用量で1日1度、5回の化合物22MS処理は、溶媒のみで処理したマウスと比較して統計的に有意な(p=0.0024)腫瘍増殖の減少を引き起こした。42日目のT/C値は34%だった。2.6mg/kgの用量で1日1度、5回の化合物37MS処理は、溶媒のみで処理したマウスと比較して統計的に有意な(p=0.0001)腫瘍増殖の減少を引き起こした。42日目のT/C値は31%だった。平均で、いずれのグループでも顕著な体重変化は認められなかった。
【0221】
図3に示すように、化合物22MSと化合物37MSは、当業者に認められたヒト子宮頸癌モデルであるSCIDマウスに移植したヒト子宮頸癌を顕著に減少させた。従って、化合物22MSと化合物37MSは、子宮頸癌の増殖抑制と患者、特にヒトの患者での子宮頸癌の治療または予防に有用である。
【0222】
本発明の対象範囲は、発明のいくつかの状況を明らかにするよう意図された実施例で開示された特定の実施形態や、本発明の範囲中の機能的に同等な任意の実施形態で限定されない。実際、ここで示され述べられたものに加えて本発明の様々な改変は、当業者に明らかになるであろうし、改変された請求の範囲に含まれるよう意図されている。
【0223】
多数の参考文献が引用され、その開示全体は、ここに文献により盛り込まれている。
【図面の簡単な説明】
【0224】
【図1】以下の3.5mg/kgの用量でのシスプラスチン処理または36.25μmol/kgまたは72.5μmol/kgの用量での化合物17メシラート塩処理を通じたSCIDマウスの体重の変化を説明している。
【図2】ヒト前立腺癌PC3細胞を移植し、3.5mg/kgの用量でのシスプラスチン処理、あるいは36.25μmol/kgか72.5μmol/kgの用量の化合物17メシラート塩処理したSCIDマウスの腫瘍体積の変化を説明している。
【図3】C33Aヒト子宮頸癌細胞を移植し、10mg/kgの用量で化合物22メシラート塩処理、または2.6mg/kgの用量で化合物37メシラート塩処理したSCIDマウスの腫瘍体積の変化を説明している。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
患者の癌治療のための薬剤の製剤のための化学式(Ia)の化合物、あるいはその医薬的に許容可能な塩の使用方法であり、
【化1】

式中
は−H、−C−Cアルキル、または−OHであり、
は−H、ハロゲン、−NH、−CN、−NO、−N、−COOH、−C(O)NH、−SH、−S(O)NH、−S(O)NH、−C−C10(オキシ)アルキル、−C−C10アルキル、−C−C10アルコキシ、−C−C10(ヒドロキシ)アルキル、−C−C10(アミノ)アルキル、−C−C10アルケニル、−C−C10アルキニル、−(C−C)シクロアルキル、アリール、−C−C10(アリール)アルキル、3から12員環の複素環、−OR12、−CHOR10、−O(CHOR10、−C(O)R10、−O−C(O)R10、−C(O)(CH−R10、−O−C(O)OR10、−O−C(O)NHR10、−O−C(O)N(R10、−C(O)N(R10、−C(O)OR10、−C(O)NHR10、−S−R10、−SOR10、−S(O)10、−S(O)NHR10、−NHC(O)R10、−NHSR10、−NHSOR10、−NHS(O)10、O−C(S)R10、O−C(S)OR10、O−C(S)NHR10、O−C(S)N(R10、−C(S)OR10、−C(S)NHR10、−C(S)N(R10、−NHC(S)R10、−NR10C(S)R10、−NHC(S)NHR10、−NHC(S)N(R10、−NR10C(S)NHR10、−NR10C(S)N(R10、あるいはRおよびRがそれぞれに結合した炭素原子と共に5から9員環の複素環を形成するように結合し、
が3から12員環の複素環である場合、3から12員環の複素環はベンズオキサゾリル、ベンゾチアゾリル、ベンズイミダゾリル、インドリル、ベンゾチオフェン、または炭素原子と1から4つの酸素のヘテロ原子との二環ではないことを条件とし、
およびRは独立して、−H、ハロゲン、−NH、−CN、−NO、−N、−COOH、−C(O)NH、−SH、−S(O)NH、−S(O)NH、−C−C10(オキシ)アルキル、−C−C10アルキル、−C−C10アルコキシ、−C−C10(ヒドロキシ)アルキル、−C−C10(アミノ)アルキル、−C−C10アルケニル、−C−C10アルキニル、−(C−C)シクロアルキル、アリール、−C−C10(アリール)アルキル、3から12員環の複素環、−OR10、−CHOR10、−O(CHOR10、−C(O)R10、−O−C(O)R10、−C(O)(CH−R10、−O−C(O)OR10、−O−C(O)NHR10、−O−C(O)N(R10、−C(O)N(R10、−C(O)OR10、−C(O)NHR10、−S−R10、−SOR10、−S(O)10、−S(O)NHR10、−NHC(O)R10、−NHSR10、−NHSOR10、−NHS(O)10、O−C(S)R10、O−C(S)OR10、O−C(S)NHR10、O−C(S)N(R10、−C(S)OR10、−C(S)NHR10、−C(S)N(R10、−NHC(S)R10、−NR10C(S)R10、−NHC(S)NHR10、−NHC(S)N(R10、−NR10C(S)NHR10、−NR10C(S)N(R10、あるいはRおよびR、またはRおよびRがそれぞれに結合した炭素原子と共に5から9員環の複素環を形成するように結合し、
は−H、ハロゲン、−OH、−NH、−C−Cアルキルまたは−O−(C−Cアルキル)であり、
およびRは独立して、−H、−OH、ハロゲン、アミノ、−NH(C−Cアルキル)、−N(C−Cアルキル)、−NH(フェニル)、−N(フェニル)、−NH(ナフチル)、−N(ナフチル)、−CN、−NO、−N、−C−Cアルキル、−O−(C−Cアルキル)、−(C−Cアルキル)−OH、−O−ベンジル、−C−Cアルケニル、−C−Cアルキニル、−C−C12シクロアルキル、−フェニル、−ナフチル、3から12員環の複素環、−OR10、−CHOR10、−O(CH10、−O(CHOR10、−CHO(CHOR10、−O−C(O)R10、−C(O)(CH−R10、−C(O)R10、−O−C(O)OR10、−O−C(O)NHR10、−O−C(O)N(R10、−C(O)N(R10、−C(O)OR10、−C(O)NHR10、−S−R10、−SOR10、−S(O)10、−NHC(O)R10、−NHSR10、−NHSOR10、−NHS(O)10、O−C(S)R10、O−C(S)OR10、O−C(S)NHR10、O−C(S)N(R10、−C(S)OR10、−C(S)NHR10、−C(S)N(R10、−NHC(S)R10、−NR10C(S)R14、−NHC(S)NHR10、−NHC(S)N(R10、−NR10C(S)NHR10、−NR10C(S)N(R10であり、
は−(C−C)アルキル、−(C−C12)シクロアルキル、アリール、−C−C10(アリール)アルキル、3から12員環の複素環であり、
、R、R、R、R、またはRはピロールかインドールではないという条件であり、
が3から12員環の複素環である場合、3から12員環の複素環はベンズオキサゾリル、ベンゾチアゾリル、ベンズイミダゾリル、インドリル、ベンゾチオフェン、または炭素原子と1から4つの酸素のヘテロ原子との二環ではないことを条件とし、
各R10は独立して−H、−C−Cアルキル、−C−C12シクロアルキル、アリール、3から12員環の複素環、−C−Cアルケニル、または−C−Cアルキニルであり、
12は−C−Cアルキル、−C−C12シクロアルキル、アリール、3から12員環の複素環、−C−Cアルケニル、または−C−Cアルキニルであり、
各nは独立して0から6までの整数であり、
また式中
がエチルの場合、Rは−H以外、あるいは
がエチルの場合、Rは−H以外、であることを特徴とする使用方法。
【請求項2】
癌細胞の増殖の抑制または低減のための薬剤の製剤のための化学式(Ia)の化合物、あるいはその医薬的に許容可能な塩の有効量の、癌細胞と化合物の接触からなる使用方法であり、
【化2】

式中
は−H、−C−Cアルキル、または−OHであり、
は−H、ハロゲン、−NH、−CN、−NO、−N、−COOH、−C(O)NH、−SH、−S(O)NH、−S(O)NH、−C−C10(オキシ)アルキル、−C−C10アルキル、−C−C10アルコキシ、−C−C10(ヒドロキシ)アルキル、−C−C10(アミノ)アルキル、−C−C10アルケニル、−C−C10アルキニル、−(C−C)シクロアルキル、アリール、−C−C10(アリール)アルキル、3から12員環の複素環、−OR12、−CHOR10、−O(CHOR10、−C(O)R10、−O−C(O)R10、−C(O)(CH−R10、−O−C(O)OR10、−O−C(O)NHR10、−O−C(O)N(R10、−C(O)N(R10、−C(O)OR10、−C(O)NHR10、−S−R10、−SOR10、−S(O)10、−S(O)NHR10、−NHC(O)R10、−NHSR10、−NHSOR10、−NHS(O)10、O−C(S)R10、O−C(S)OR10、O−C(S)NHR10、O−C(S)N(R10、−C(S)OR10、−C(S)NHR10、−C(S)N(R10、−NHC(S)R10、−NR10C(S)R10、−NHC(S)NHR10、−NHC(S)N(R10、−NR10C(S)NHR10、−NR10C(S)N(R10、あるいはRおよびRがそれぞれに結合した炭素原子と共に5から9員環の複素環を形成するように結合し、
が3から12員環の複素環である場合、3から12員環の複素環はベンズオキサゾリル、ベンゾチアゾリル、ベンズイミダゾリル、インドリル、ベンゾチオフェン、または炭素原子と1から4つの酸素のヘテロ原子との二環ではないことを条件とし、
およびRは独立して、−H、ハロゲン、−NH、−CN、−NO、−N、−COOH、−C(O)NH、−SH、−S(O)NH、−S(O)NH、−C−C10(オキシ)アルキル、−C−C10アルキル、−C−C10アルコキシ、−C−C10(ヒドロキシ)アルキル、−C−C10(アミノ)アルキル、−C−C10アルケニル、−C−C10アルキニル、−(C−C)シクロアルキル、アリール、−C−C10(アリール)アルキル、3から12員環の複素環、−OR10、−CHOR10、−O(CHOR10、−C(O)R10、−O−C(O)R10、−C(O)(CH−R10、−O−C(O)OR10、−O−C(O)NHR10、−O−C(O)N(R10、−C(O)N(R10、−C(O)OR10、−C(O)NHR10、−S−R10、−SOR10、−S(O)10、−S(O)NHR10、−NHC(O)R10、−NHSR10、−NHSOR10、−NHS(O)10、O−C(S)R10、O−C(S)OR10、O−C(S)NHR10、O−C(S)N(R10、−C(S)OR10、−C(S)NHR10、−C(S)N(R10、−NHC(S)R10、−NR10C(S)R10、−NHC(S)NHR10、−NHC(S)N(R10、−NR10C(S)NHR10、−NR10C(S)N(R10、あるいはRおよびR、またはRおよびRがそれぞれに結合した炭素原子と共に5から9員環の複素環を形成するように結合し、
は−H、ハロゲン、−OH、−NH、−C−Cアルキルまたは−O−(C−Cアルキル)であり、
およびRは独立して、−H、−OH、ハロゲン、アミノ、−NH(C−Cアルキル)、−N(C−Cアルキル)、−NH(フェニル)、−N(フェニル)、−NH(ナフチル)、−N(ナフチル)、−CN、−NO、−N、−C−Cアルキル、−O−(C−Cアルキル)、−(C−Cアルキル)−OH、−O−ベンジル、−C−Cアルケニル、−C−Cアルキニル、−C−C12シクロアルキル、−フェニル、−ナフチル、3から12員環の複素環、−OR10、−CHOR10、−O(CH10、−O(CHOR10、−CHO(CHOR10、−O−C(O)R10、−C(O)(CH−R10、−C(O)R10、−O−C(O)OR10、−O−C(O)NHR10、−O−C(O)N(R10、−C(O)N(R10、−C(O)OR10、−C(O)NHR10、−S−R10、−SOR10、−S(O)10、−NHC(O)R10、−NHSR10、−NHSOR10、−NHS(O)10、O−C(S)R10、O−C(S)OR10、O−C(S)NHR10、O−C(S)N(R10、−C(S)OR10、−C(S)NHR10、−C(S)N(R10、−NHC(S)R10、−NR10C(S)R14、−NHC(S)NHR10、−NHC(S)N(R10、−NR10C(S)NHR10、−NR10C(S)N(R10であり、
は−(C−C)アルキル、−(C−C12)シクロアルキル、アリール、−C−C10(アリール)アルキル、3から12員環の複素環であり、
、R、R、R、R、またはRはピロールかインドールではないという条件であり、
が3から12員環の複素環である場合、3から12員環の複素環はベンズオキサゾリル、ベンゾチアゾリル、ベンズイミダゾリル、インドリル、ベンゾチオフェン、または炭素原子と1から4つの酸素のヘテロ原子との二環ではないことを条件とし、
各R10は独立して−H、−C−Cアルキル、−C−C12シクロアルキル、アリール、3から12員環の複素環、−C−Cアルケニル、または−C−Cアルキニルであり、
12は−C−Cアルキル、−C−C12シクロアルキル、アリール、3から12員環の複素環、−C−Cアルケニル、または−C−Cアルキニルであり、
各nは独立して0から6までの整数であり、
また式中
がエチルの場合、Rは−H以外、あるいは
がエチルの場合、Rは−H以外、であることを特徴とする使用方法。
【請求項3】
nが1から6の整数である請求項1または請求項2に記載の使用方法。
【請求項4】
がピロールまたはインドールではないとういう条件でRがアリールと3から12員環の複素環からなる群から選択された請求項1または請求項2に記載の使用方法。
【請求項5】
が−O−(C−Cアルキル)である請求項1または請求項2に記載の使用方法。
【請求項6】
が−OCHである請求項5に記載の使用方法。
【請求項7】
が任意にフェニルで置換された−O−(C−Cアルキル)である請求項5に記載の使用方法。
【請求項8】
が−O−ベンジルである請求項7に記載の使用方法。
【請求項9】
−O−ベンジルが置換されていない請求項8に記載の使用方法。
【請求項10】
とRが独立してC−C10アルキルである請求項1または請求項2に記載の使用方法。
【請求項11】
およびRが共に−CHである請求項10に記載の使用方法。
【請求項12】
が−Hである請求項10に記載の使用方法。
【請求項13】
が−Hである請求項1または請求項2に記載の使用方法。
【請求項14】
が−Hである請求項1または請求項2に記載の使用方法。
【請求項15】
が−Hである請求項1または請求項2に記載の使用方法。
【請求項16】
が置換された、および置換されていないフェニル、アントリル、フルオレニル、インデニル、アズレニル、フェナントリル、ナフチルである請求項1または請求項2に記載の使用方法。
【請求項17】
は置換された、および置換されていないアジリジニル、オキシラニル、チイラニル、アジリニル、ジアジリジニル、ジアジリニル、オキサジリジニル、アゼチジニル、アゼチジノニル、オキセタニル、チエタニル、ピペリジニル、ピペラジニル、モルホリニル、オキサジニル、チアジニル、ジアジニル、トリアジニル、テトラジニル、イミダゾリル、テトラゾリル、イソキノリニル、キノリニル、キナゾリニル、ピロリジニル、プリニル、イソキサゾリル、ベンツイソキサゾリル、フラニル、フラザニル、ピリジニル、オキサゾリル、チアゾリル、チオフェニル、ピラゾリル、トリアゾリル、ベンゾジアゾリル、ベンゾトリアゾリル、ピリミジニル、インダゾリル、ベンゾジオキソール、ジベンゾフラン、およびジベンゾチオフェンからなる群から選択された3から12員環の複素環である請求項1または請求項2に記載の使用方法。
【請求項18】
投与された化合物が化学式(Ib)の構造を有した請求項1または請求項2に記載の使用方法であり、
【化3】

式中、
は、Rがピロールまたはインドールではないという条件で−(C−C12)シクロアルキル、アリール、−C−C10(アリール)アルキル、3から12員環の複素環であり、また
は−O−(C−Cアルキル)または−OR11であり、R11がアリールであることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の使用方法。
【請求項19】
はピロールまたはインドールではないという条件で、Rがアリールまたは3から12員環の複素環である請求項18に記載の使用方法。
【請求項20】
が置換された、および置換されていないフェニル、キノリニル、チエニル、フリル、ナフチル、ピリジニル、ジヒドロベンゾフラニル、ピリミジニル、ジヒドロオキサジニルフェニル、およびピラゾリルからなる群から選択された請求項19に記載の使用方法。
【請求項21】
請求項1または請求項2に記載の使用方法であり、
3−メトキシ−2−((3,5−ジメチル−1H−ピロール−2−イル)メチレン)−5−フェニル−2H−ピロール[1]、
5−(4−クロロフェニル)−3−メトキシ−2−((3,5−ジメチル−1H−ピロール−2−イル)メチレン)−2H−ピロール[2]、
2−((5−(2,4−ジフルオロフェニル)−3−メトキシ−2H−ピロール−2−イリデン)メチル)−3,5−ジメチル−1H−ピロール[3]、
5−(4−メトキシ−5−((3,5−ジメチル−1H−ピロール−2−イル)メチレン)−5H−ピロール−2−イル)キノリン[4]、
5−(4−フルオロフェニル)−3−メトキシ−2−((3,5−ジメチル−1H−ピロール−2−イル)メチレン)−2H−ピロール[5]、
2−((3−メトキシ−5−(チオフェン−2−イル)−2H−ピロール−2−イリデン)メチル)−3,5−ジメチル−1H−ピロール[6]、
2−((5−(5−ブロモチオフェン−2−イル)−3−メトキシ−2H−ピロール−2−イリデン)メチル)−3,5−ジメチル−1H−ピロール[7]、
N−4−(4−メトキシ−5−((3,5−ジメチル−1H−ピロール−2−イル)メチレン)−5H−ピロール−2−イル)−フェニル−メチルスルホンアミド[8]、
4−(4−メトキシ−5−((3,5−ジメチル−1H−ピロール−2−イル)メチレン)−5H−ピロール−2−イル)ベンズアルデヒド[9]、
5−メトキシ−2−(4−メトキシ−5−((3,5−ジメチル−1H−ピロール−2−イル)メチレン)−5H−ピロール−2−イル)ベンズアルデヒド[11]、
2−((3−メトキシ−5−(3−ニトロフェニル)−2H−ピロール−2−イリデン)メチル)−3,5−ジメチル−1H−ピロール[12]、
2−((5−(フラン−2−イル)−3−メトキシ−2H−ピロール−2−イリデン)メチル)−3,5−ジメチル−1H−ピロール[13]、
2−((5−(フラン−3−イル)−3−メトキシ−2H−ピロール−2−イリデン)メチル)−3,5−ジメチル−1H−ピロール[14]、
2−((3−メトキシ−5−(チオフェン−3−イル)−2H−ピロール−2−イリデン)メチル)−3,5−ジメチル−1H−ピロール[15]、
2−((3−メトキシ−5−(2,4−ジメトキシフェニル)−2H−ピロール−2−イリデン)メチル)−3,5−ジメチル−1H−ピロール[16]、
2−((3−メトキシ−5−(3,4−ジメトキシフェニル)−2H−ピロール−2−イリデン)メチル)−3,5−ジメチル−1H−ピロール[17]、
2−((3−メトキシ−5−(2,3,4−トリメトキシフェニル)−2H−ピロール−2−イリデン)メチル)−3,5−ジメチル−1H−ピロール[18]、
2−((3−メトキシ−5−(2,5−ジメトキシフェニル)−2H−ピロール−2−イリデン)メチル)−3,5−ジメチル−1H−ピロール[19]、
2−((5−(ベンゾ[d][1,3]ジオキソール−5−イル)−3−メトキシ−2H−ピロール−2−イリデン)メチル)−3,5−ジメチル−1H−ピロール[20]、
2−((5−(4−(2−(ピロリジン−1−イル)エトキシ)フェニル)−3−メトキシ−2H−ピロール−2−イリデン)メチル)−3,5−ジメチル−1H−ピロール[21]、
4−(4−メトキシ−5−((3,5−ジメチル−1H−ピロール−2−イル)メチレン)−5H−ピロール−2−イル)−N,N−ジメチルベンゼンアミン[22]、
2−((5−(2,3−ジヒドロベンゾ[b][1,4]ジオキシン−7−イル)−3−メトキシ−2H−ピロール−2−イリデン)メチル)−3,5−ジメチル−1H−ピロール[23]、
2−((3−メトキシ−5−(4−メトキシ−3−メチルフェニル)−2H−ピロール−2−イリデン)メチル)−3,5−ジメチル−1H−ピロール[24]、
4−(4−メトキシ−5−((3,5−ジメチル−1H−ピロール−2−イル)メチレン)−5H−ピロール−2−イル)フェニル)(ピロリジン−1−イル)メタノン[25]、
2−((5−(3−フルオロ−4−メトキシフェニル)−3−メトキシ−2H−ピロール−2−イリデン)メチル)−3,5−ジメチル−1H−ピロール[26]、
2−((3−メトキシ−5−(2−メトキシナフタレン−6−イル)−2H−ピロール−2−イリデン)メチル)−3,5−ジメチル−1H−ピロール[27]、
2−((3−メトキシ−5−(3,4,5−トリメトキシフェニル)−2H−ピロール−2−イリデン)メチル)−3,5−ジメチル−1H−ピロール[28]、
2−((5−(4−ブロモフェニル)−3−メトキシ−2H−ピロール−2−イリデン)メチル)−3,5−ジメチル−1H−ピロール[29]、
2−メトキシ−3−(4−メトキシ−5−((3,5−ジメチル−1H−ピロール−2−イル)メチレン)−5H−ピロール−2−イル)ピリジン[30]、
2−((5−(2,3−ジヒドロベンゾフラン−6−イル)−3−メトキシ−2H−ピロール−2−イリデン)メチル)−3,5−ジメチル−1H−ピロール[31]、
2,4−ジメトキシ−5−(4−メトキシ−5−((3,5−ジメチル−1H−ピロール−2−イル)メチレン)−5H−ピロール−2−イル)ピリミジン[32]、
2−クロロ−3−(4−メトキシ−5−((3,5−ジメチル−1H−ピロール−2−イル)メチレン)−5H−ピロール−2−イル)ピリジン[33]、
3,4−ジヒドロ−7−(4−メトキシ−5−((3,5−ジメチル−1H−ピロール−2−イル)メチレン)−5H−ピロール−2−イル)−4−メチル−2H−ベンゾ[b][1,4]オキサジン[34]、
5−(4−メトキシ−5−((3,5−ジメチル−1H−ピロール−2−イル)メチレン)−5H−ピロール−2−イル)ピリミジン[35]、
2−((5−(4−(イソプロピルチオ)フェニル)−3−メトキシ−2H−ピロール−2−イリデン)メチル)−3,5−ジメチル−1H−ピロール[36]、
1−ベンジル−4−(4−メトキシ−5−((3,5−ジメチル−1H−ピロール−2−イル)メチレン)−5H−ピロール−2−イル)−1H−ピラゾール[37]、
2−メトキシ−5−(4−メトキシ−5−((3,5−ジメチル−1H−ピロール−2−イル)メチレン)−5H−ピロール−2−イル)フェノール[38]、
2−フルオロ−5−(4−メトキシ−5−((3,5−ジメチル−1H−ピロール−2−イル)メチレン)−5H−ピロール−2−イル)ピリジン[39]、
2−フルオロ−3−(4−メトキシ−5−((3,5−ジメチル−1H−ピロール−2−イル)メチレン)−5H−ピロール−2−イル)ピリジン[40]、
2−((5−(4−(タート−ブトキシメチル)フェニル)−3−メトキシ−2H−ピロール−2−イリデン)メチル)−3,5−ジメチル−1H−ピロール[41]、
2−メトキシ−5−(4−メトキシ−5−((3,5−ジメチル−1H−ピロール−2−イル)メチレン)−5H−ピロール−2−イル)ピリジン[42]、
3−(ベンジルオキシ)−5−(3,4−ジメトキシフェニル)−2−((3,5−ジメチル−1H−ピロール−2−イル)メチレン)−2H−ピロール[43]、
または、5−(ベンゾ[d][1,3]ジオキソール−5−イル)−3−(ベンジルオキシ)−2−((3,5−ジメチル−1H−ピロール−2−イル)メチレン)−2H−ピロール[44]、
からなる群から選択された化合物である請求項1または請求項2に記載の使用方法。
【請求項22】
医薬的に許容可能な担体または溶媒と化学式(Ia)あるいは、その医薬的に許容可能な塩の構造を有する有効量の化合物からなる組成物であり、
【化4】

式中
は−H、−C−Cアルキル、または−OHであり、
は−H、ハロゲン、−NH、−CN、−NO、−N、−COOH、−C(O)NH、−SH、−S(O)NH、−S(O)NH、−C−C10(オキシ)アルキル、−C−C10アルキル、−C−C10アルコキシ、−C−C10(ヒドロキシ)アルキル、−C−C10(アミノ)アルキル、−C−C10アルケニル、−C−C10アルキニル、−(C−C)シクロアルキル、アリール、−C−C10(アリール)アルキル、3から12員環の複素環、−OR12、−CHOR10、−O(CHOR10、−C(O)R10、−O−C(O)R10、−C(O)(CH−R10、−O−C(O)OR10、−O−C(O)NHR10、−O−C(O)N(R10、−C(O)N(R10、−C(O)OR10、−C(O)NHR10、−S−R10、−SOR10、−S(O)10、−S(O)NHR10、−NHC(O)R10、−NHSR10、−NHSOR10、−NHS(O)10、O−C(S)R10、O−C(S)OR10、O−C(S)NHR10、O−C(S)N(R10、−C(S)OR10、−C(S)NHR10、−C(S)N(R10、−NHC(S)R10、−NR10C(S)R10、−NHC(S)NHR10、−NHC(S)N(R10、−NR10C(S)NHR10、−NR10C(S)N(R10、あるいはRおよびRがそれぞれに結合した炭素原子と共に5から9員環の複素環を形成するように結合し、
が3から12員環の複素環である場合、3から12員環の複素環はベンズオキサゾリル、ベンゾチアゾリル、ベンズイミダゾリル、インドリル、ベンゾチオフェン、または炭素原子と1から4つの酸素のヘテロ原子との二環ではないことを条件とし、
およびRは独立して、−H、ハロゲン、−NH、−CN、−NO、−N、−COOH、−C(O)NH、−SH、−S(O)NH、−S(O)NH、−C−C10(オキシ)アルキル、−C−C10アルキル、−C−C10アルコキシ、−C−C10(ヒドロキシ)アルキル、−C−C10(アミノ)アルキル、−C−C10アルケニル、−C−C10アルキニル、−(C−C)シクロアルキル、アリール、−C−C10(アリール)アルキル、3から12員環の複素環、−OR10、−CHOR10、−O(CHOR10、−C(O)R10、−O−C(O)R10、−C(O)(CH−R10、−O−C(O)OR10、−O−C(O)NHR10、−O−C(O)N(R10、−C(O)N(R10、−C(O)OR10、−C(O)NHR10、−S−R10、−SOR10、−S(O)10、−S(O)NHR10、−NHC(O)R10、−NHSR10、−NHSOR10、−NHS(O)10、O−C(S)R10、O−C(S)OR10、O−C(S)NHR10、O−C(S)N(R10、−C(S)OR10、−C(S)NHR10、−C(S)N(R10、−NHC(S)R10、−NR10C(S)R10、−NHC(S)NHR10、−NHC(S)N(R10、−NR10C(S)NHR10、−NR10C(S)N(R10、あるいはRとR、またはRおよびRがそれぞれに結合した炭素原子と共に5から9員環の複素環を形成するように結合し、
は−H、ハロゲン、−OH、−NH、−C−Cアルキルまたは−O−(C−Cアルキル)であり、
およびRは独立して、−H、−OH、ハロゲン、アミノ、−NH(C−Cアルキル)、−N(C−Cアルキル)、−NH(フェニル)、−N(フェニル)、−NH(ナフチル)、−N(ナフチル)、−CN、−NO、−N、−C−Cアルキル、−O−(C−Cアルキル)、−(C−Cアルキル)−OH、−O−ベンジル、−C−Cアルケニル、−C−Cアルキニル、−C−C12シクロアルキル、−フェニル、−ナフチル、3から12員環の複素環、−OR10、−CHOR10、−O(CH10、−O(CHOR10、−CHO(CHOR10、−O−C(O)R10、−C(O)(CH−R10、−C(O)R10、−O−C(O)OR10、−O−C(O)NHR10、−O−C(O)N(R10、−C(O)N(R10、−C(O)OR10、−C(O)NHR10、−S−R10、−SOR10、−S(O)10、−NHC(O)R10、−NHSR10、−NHSOR10、−NHS(O)10、O−C(S)R10、O−C(S)OR10、O−C(S)NHR10、O−C(S)N(R10、−C(S)OR10、−C(S)NHR10、−C(S)N(R10、−NHC(S)R10、−NR10C(S)R14、−NHC(S)NHR10、−NHC(S)N(R10、−NR10C(S)NHR10、−NR10C(S)N(R10であり、
は−(C−C)アルキル、−(C−C12)シクロアルキル、アリール、−C−C10(アリール)アルキル、3から12員環の複素環であり、
、R、R、R、R、またはRはピロールかインドールではないという条件であり、
が3から12員環の複素環である場合、3から12員環の複素環はベンズオキサゾリル、ベンゾチアゾリル、ベンズイミダゾリル、インドリル、ベンゾチオフェン、または炭素原子と1から4つの酸素のヘテロ原子との二環ではないことを条件とし、
各R10は独立して−H、−C−Cアルキル、−C−C12シクロアルキル、アリール、3から12員環の複素環、−C−Cアルケニル、または−C−Cアルキニルであり、
12は−C−Cアルキル、−C−C12シクロアルキル、アリール、3から12員環の複素環、−C−Cアルケニル、または−C−Cアルキニルであり、
各nは独立して0から6までの整数であり、
また式中
がエチルの場合、Rは−H以外、あるいは
がエチルの場合、Rは−H以外、であることを特徴とする組成物。
【請求項23】
各nは1から6の整数である請求項22に記載の組成物。
【請求項24】
はピロールまたはインドールではないとういう条件でRがアリールと3から12員環の複素環からなる群から選択された請求項22に記載の組成物。
【請求項25】
が−O−(C−Cアルキル)である請求項22に記載の組成物。
【請求項26】
が−OCHである請求項25に記載の組成物。
【請求項27】
とRが独立してC−C10アルキルである請求項22に記載の組成物。
【請求項28】
とRが共に−CHである請求項27に記載の組成物。
【請求項29】
が−Hである請求項27に記載の組成物。
【請求項30】
が−Hである請求項22に記載の組成物。
【請求項31】
が−Hである請求項22に記載の組成物。
【請求項32】
が−Hである請求項22に記載の組成物。
【請求項33】
がフェニルで置換された−O−(C−Cアルキル)である請求項22に記載の組成物。
【請求項34】
が−O−ベンジルである請求項33に記載の組成物。
【請求項35】
が置換されていない−O−ベンジルである請求項34に記載の組成物。
【請求項36】
化学式(Ia)の構造を有する化合物である請求項22に記載の組成物であり、
【化5】

式中、
は、Rがピロールまたはインドールではないという条件で−(C−C12)シクロアルキル、アリール、−C−C10(アリール)アルキル、3から12員環の複素環であり、また
は−O−(C−Cアルキル)または−OR11であり、R11がアリールであることを特徴とする請求項22に記載の組成物。
【請求項37】
はピロールまたはインドールではないという条件で、Rがアリールまたは3から12員環の複素環である請求項36に記載の組成物。
【請求項38】
が、置換された、および置換されていないフェニル、キノリニル、チオフェニル、フリル、ナフチル、ピリジニル、ジヒドロベンゾフラニル、ピリミジニル、ジヒドロオキサジニルフェニル、およびピラゾリルからなる群から選択された請求項37に記載の組成物。
【請求項39】
請求項38に記載の組成物であり、
3−メトキシ−2−((3,5−ジメチル−1H−ピロール−2−イル)メチレン)−5−フェニル−2H−ピロール[1]、
5−(4−クロロフェニル)−3−メトキシ−2−((3,5−ジメチル−1H−ピロール−2−イル)メチレン)−2H−ピロール[2]、
2−((5−(2,4−ジフルオロフェニル)−3−メトキシ−2H−ピロール−2−イリデン)メチル)−3,5−ジメチル−1H−ピロール[3]、
5−(4−メトキシ−5−((3,5−ジメチル−1H−ピロール−2−イル)メチレン)−5H−ピロール−2−イル)キノリン[4]、
5−(4−フルオロフェニル)−3−メトキシ−2−((3,5−ジメチル−1H−ピロール−2−イル)メチレン)−2H−ピロール[5]、
2−((3−メトキシ−5−(チオフェン−2−イル)−2H−ピロール−2−イリデン)メチル)−3,5−ジメチル−1H−ピロール[6]、
2−((5−(5−ブロモチオフェン−2−イル)−3−メトキシ−2H−ピロール−2−イリデン)メチル)−3,5−ジメチル−1H−ピロール[7]、
N−4−(4−メトキシ−5−((3,5−ジメチル−1H−ピロール−2−イル)メチレン)−5H−ピロール−2−イル)−フェニル−メチルスルホンアミド[8]、
4−(4−メトキシ−5−((3,5−ジメチル−1H−ピロール−2−イル)メチレン)−5H−ピロール−2−イル)ベンズアルデヒド[9]、
5−メトキシ−2−(4−メトキシ−5−((3,5−ジメチル−1H−ピロール−2−イル)メチレン)−5H−ピロール−2−イル)ベンズアルデヒド[11]、
2−((3−メトキシ−5−(3−ニトロフェニル)−2H−ピロール−2−イリデン)メチル)−3,5−ジメチル−1H−ピロール[12]、
2−((5−(フラン−2−イル)−3−メトキシ−2H−ピロール−2−イリデン)メチル)−3,5−ジメチル−1H−ピロール[13]、
2−((5−(フラン−3−イル)−3−メトキシ−2H−ピロール−2−イリデン)メチル)−3,5−ジメチル−1H−ピロール[14]、
2−((3−メトキシ−5−(チオフェン−3−イル)−2H−ピロール−2−イリデン)メチル)−3,5−ジメチル−1H−ピロール[15]、
2−((3−メトキシ−5−(2,4−ジメトキシフェニル)−2H−ピロール−2−イリデン)メチル)−3,5−ジメチル−1H−ピロール[16]、
2−((3−メトキシ−5−(3,4−ジメトキシフェニル)−2H−ピロール−2−イリデン)メチル)−3,5−ジメチル−1H−ピロール[17]、
2−((3−メトキシ−5−(2,3,4−トリメトキシフェニル)−2H−ピロール−2−イリデン)メチル)−3,5−ジメチル−1H−ピロール[18]、
2−((3−メトキシ−5−(2,5−ジメトキシフェニル)−2H−ピロール−2−イリデン)メチル)−3,5−ジメチル−1H−ピロール[19]、
2−((5−(ベンゾ[d][1,3]ジオキソール−5−イル)−3−メトキシ−2H−ピロール−2−イリデン)メチル)−3,5−ジメチル−1H−ピロール[20]、
2−((5−(4−(2−(ピロリジン−1−イル)エトキシ)フェニル)−3−メトキシ−2H−ピロール−2−イリデン)メチル)−3,5−ジメチル−1H−ピロール[21]、
4−(4−メトキシ−5−((3,5−ジメチル−1H−ピロール−2−イル)メチレン)−5H−ピロール−2−イル)−N,N−ジメチルベンゼンアミン[22]、
2−((5−(2,3−ジヒドロベンゾ[b][1,4]ジオキシン−7−イル)−3−メトキシ−2H−ピロール−2−イリデン)メチル)−3,5−ジメチル−1H−ピロール[23]、
2−((3−メトキシ−5−(4−メトキシ−3−メチルフェニル)−2H−ピロール−2−イリデン)メチル)−3,5−ジメチル−1H−ピロール[24]、
4−(4−メトキシ−5−((3,5−ジメチル−1H−ピロール−2−イル)メチレン)−5H−ピロール−2−イル)フェニル)(ピロリジン−1−イル)メタノン[25]、
2−((5−(3−フルオロ−4−メトキシフェニル)−3−メトキシ−2H−ピロール−2−イリデン)メチル)−3,5−ジメチル−1H−ピロール[26]、
2−((3−メトキシ−5−(2−メトキシナフタレン−6−イル)−2H−ピロール−2−イリデン)メチル)−3,5−ジメチル−1H−ピロール[27]、
2−((3−メトキシ−5−(3,4,5−トリメトキシフェニル)−2H−ピロール−2−イリデン)メチル)−3,5−ジメチル−1H−ピロール[28]、
2−((5−(4−ブロモフェニル)−3−メトキシ−2H−ピロール−2−イリデン)メチル)−3,5−ジメチル−1H−ピロール[29]、
2−メトキシ−3−(4−メトキシ−5−((3,5−ジメチル−1H−ピロール−2−イル)メチレン)−5H−ピロール−2−イル)ピリジン[30]、
2−((5−(2,3−ジヒドロベンゾフラン−6−イル)−3−メトキシ−2H−ピロール−2−イリデン)メチル)−3,5−ジメチル−1H−ピロール[31]、
2,4−ジメトキシ−5−(4−メトキシ−5−((3,5−ジメチル−1H−ピロール−2−イル)メチレン)−5H−ピロール−2−イル)ピリミジン[32]、
2−クロロ−3−(4−メトキシ−5−((3,5−ジメチル−1H−ピロール−2−イル)メチレン)−5H−ピロール−2−イル)ピリジン[33]、
3,4−ジヒドロ−7−(4−メトキシ−5−((3,5−ジメチル−1H−ピロール−2−イル)メチレン)−5H−ピロール−2−イル)−4−メチル−2H−ベンゾ[b][1,4]オキサジン[34]、
5−(4−メトキシ−5−((3,5−ジメチル−1H−ピロール−2−イル)メチレン)−5H−ピロール−2−イル)ピリミジン[35]、
2−((5−(4−(イソプロピルチオ)フェニル)−3−メトキシ−2H−ピロール−2−イリデン)メチル)−3,5−ジメチル−1H−ピロール[36]、
1−ベンジル−4−(4−メトキシ−5−((3,5−ジメチル−1H−ピロール−2−イル)メチレン)−5H−ピロール−2−イル)−1H−ピラゾール[37]、
2−メトキシ−5−(4−メトキシ−5−((3,5−ジメチル−1H−ピロール−2−イル)メチレン)−5H−ピロール−2−イル)フェノール[38]、
2−フルオロ−5−(4−メトキシ−5−((3,5−ジメチル−1H−ピロール−2−イル)メチレン)−5H−ピロール−2−イル)ピリジン[39]、
2−フルオロ−3−(4−メトキシ−5−((3,5−ジメチル−1H−ピロール−2−イル)メチレン)−5H−ピロール−2−イル)ピリジン[40]、
2−((5−(4−(タート−ブトキシメチル)フェニル)−3−メトキシ−2H−ピロール−2−イリデン)メチル)−3,5−ジメチル−1H−ピロール[41]、
2−メトキシ−5−(4−メトキシ−5−((3,5−ジメチル−1H−ピロール−2−イル)メチレン)−5H−ピロール−2−イル)ピリジン[42]、
3−(ベンジルオキシ)−5−(3,4−ジメトキシフェニル)−2−((3,5−ジメチル−1H−ピロール−2−イル)メチレン)−2H−ピロール[43]または、
5−(ベンゾ[d][1,3]ジオキソール−5−イル)−3−(ベンジルオキシ)−2−((3,5−ジメチル−1H−ピロール−2−イル)メチレン)−2H−ピロール[44]、
からなる群から選択された化合物である請求項38に記載の組成物。
【請求項40】
少なくとも1つの他の化学治療薬を含む請求項22に記載の組成物。
【請求項41】
化学式(Ib)の化合物あるいはその医薬的に許容可能な塩であり、
【化6】

式中、
は、Rがピロールまたはインドールではないという条件で−(C−C12)シクロアルキル、アリール、−C−C10(アリール)アルキル、3から12員環の複素環であり、Rが3から12員環の複素環である場合には、3から12員環の複素環はベンゾキサゾリル、ベンゾチアゾリル、ベンズイミダゾリル、インドリル、ベンゾチオフェン、または炭素原子と1から4酸素との複素原子の二環ではなく、また
は−O−(C−Cアルキル)または−OR11であり、R11がアリールであることを特徴とする化合物。
【請求項42】
はピロールまたはインドールではないという条件で、Rがアリールまたは3から12員環の複素環である請求項41に記載の化合物。
【請求項43】
が、置換された、および置換されていないフェニル、アントリル、フルオレニル、インデニル、アズレニル、フェナントリルおよびナフチルから選択されたアリールである請求項41に記載の化合物。
【請求項44】
が、置換された、および置換されていないアジリジニル、オキシラニル、チイラニル、アジリニル、ジアジリジニル、ジアジリニル、オキサジリジニル、アゼチジニル、アゼチジノニル、オキセタニル、チエタニル、ピペリジニル、ピペラジニル、モルホリニル、オキサジニル、チアジニル、ジアジニル、トリアジニル、テトラジニル、イミダゾリル、テトラゾリル、イソキノリニル、キノリニル、キナゾリニル、ピロリジニル、プリニル、イソキサゾリル、ベンツイソキサゾリル、フラニル、フラザニル、ピリジニル、オキサゾリル、チアゾリル、チオフェニル、ピラゾリル、トリアゾリル、ベンゾジアゾリル、ベンゾトリアゾリル、ピリミジニル、インダゾリル、ベンゾジオキソール、ジベンゾフラン、およびジベンゾチオフェンからなる群から選択された3から12員環の複素環である請求項41に記載の化合物。
【請求項45】
が、置換された、および置換されていないフェニル、キノリニル、チエニル、フリル、ナフチル、ピリジニル、ジヒドロベンゾフラニル、ピリミジニル、ジヒドロオキサジニルフェニル、およびピラゾリルからなる群から選択された請求項41に記載の化合物。
【請求項46】
が−OCHである請求項45に記載の化合物。
【請求項47】
が−O−(C−Cアルキル)である請求項41に記載の化合物。
【請求項48】
が−OCHである請求項47に記載の化合物。
【請求項49】
がフェニルで置換された−O−(C−Cアルキル)である請求項47に記載の化合物。
【請求項50】
が−O−ベンジルである請求項49に記載の化合物。
【請求項51】
が置換されていない−O−ベンジルである請求項50に記載の化合物。
【請求項52】
請求項41に記載の化合物であり、
3−メトキシ−2−((3,5−ジメチル−1H−ピロール−2−イル)メチレン)−5−フェニル−2H−ピロール[1]、
5−(4−クロロフェニル)−3−メトキシ−2−((3,5−ジメチル−1H−ピロール−2−イル)メチレン)−2H−ピロール[2]、
2−((5−(2,4−ジフルオロフェニル)−3−メトキシ−2H−ピロール−2−イリデン)メチル)−3,5−ジメチル−1H−ピロール[3]、
5−(4−メトキシ−5−((3,5−ジメチル−1H−ピロール−2−イル)メチレン)−5H−ピロール−2−イル)キノリン[4]、
5−(4−フルオロフェニル)−3−メトキシ−2−((3,5−ジメチル−1H−ピロール−2−イル)メチレン)−2H−ピロール[5]、
2−((3−メトキシ−5−(チオフェン−2−イル)−2H−ピロール−2−イリデン)メチル)−3,5−ジメチル−1H−ピロール[6]、
2−((5−(5−ブロモチオフェン−2−イル)−3−メトキシ−2H−ピロール−2−イリデン)メチル)−3,5−ジメチル−1H−ピロール[7]、
N−4−(4−メトキシ−5−((3,5−ジメチル−1H−ピロール−2−イル)メチレン)−5H−ピロール−2−イル)−フェニル−メチルスルホンアミド[8]、
4−(4−メトキシ−5−((3,5−ジメチル−1H−ピロール−2−イル)メチレン)−5H−ピロール−2−イル)ベンズアルデヒド[9]、
5−メトキシ−2−(4−メトキシ−5−((3,5−ジメチル−1H−ピロール−2−イル)メチレン)−5H−ピロール−2−イル)ベンズアルデヒド[11]、
2−((3−メトキシ−5−(3−ニトロフェニル)−2H−ピロール−2−イリデン)メチル)−3,5−ジメチル−1H−ピロール[12]、
2−((5−(フラン−2−イル)−3−メトキシ−2H−ピロール−2−イリデン)メチル)−3,5−ジメチル−1H−ピロール[13]、
2−((5−(フラン−3−イル)−3−メトキシ−2H−ピロール−2−イリデン)メチル)−3,5−ジメチル−1H−ピロール[14]、
2−((3−メトキシ−5−(チオフェン−3−イル)−2H−ピロール−2−イリデン)メチル)−3,5−ジメチル−1H−ピロール[15]、
2−((3−メトキシ−5−(2,4−ジメトキシフェニル)−2H−ピロール−2−イリデン)メチル)−3,5−ジメチル−1H−ピロール[16]、
2−((3−メトキシ−5−(3,4−ジメトキシフェニル)−2H−ピロール−2−イリデン)メチル)−3,5−ジメチル−1H−ピロール[17]、
2−((3−メトキシ−5−(2,3,4−トリメトキシフェニル)−2H−ピロール−2−イリデン)メチル)−3,5−ジメチル−1H−ピロール[18]、
2−((3−メトキシ−5−(2,5−ジメトキシフェニル)−2H−ピロール−2−イリデン)メチル)−3,5−ジメチル−1H−ピロール[19]、
2−((5−(ベンゾ[d][1,3]ジオキソール−5−イル)−3−メトキシ−2H−ピロール−2−イリデン)メチル)−3,5−ジメチル−1H−ピロール[20]、
2−((5−(4−(2−(ピロリジン−1−イル)エトキシ)フェニル)−3−メトキシ−2H−ピロール−2−イリデン)メチル)−3,5−ジメチル−1H−ピロール[21]、
4−(4−メトキシ−5−((3,5−ジメチル−1H−ピロール−2−イル)メチレン)−5H−ピロール−2−イル)−N,N−ジメチルベンゼンアミン[22]、
2−((5−(2,3−ジヒドロベンゾ[b][1,4]ジオキシン−7−イル)−3−メトキシ−2H−ピロール−2−イリデン)メチル)−3,5−ジメチル−1H−ピロール[23]、
2−((3−メトキシ−5−(4−メトキシ−3−メチルフェニル)−2H−ピロール−2−イリデン)メチル)−3,5−ジメチル−1H−ピロール[24]、
4−(4−メトキシ−5−((3,5−ジメチル−1H−ピロール−2−イル)メチレン)−5H−ピロール−2−イル)フェニル)(ピロリジン−1−イル)メタノン[25]、
2−((5−(3−フルオロ−4−メトキシフェニル)−3−メトキシ−2H−ピロール−2−イリデン)メチル)−3,5−ジメチル−1H−ピロール[26]、
2−((3−メトキシ−5−(2−メトキシナフタレン−6−イル)−2H−ピロール−2−イリデン)メチル)−3,5−ジメチル−1H−ピロール[27]、
2−((3−メトキシ−5−(3,4,5−トリメトキシフェニル)−2H−ピロール−2−イリデン)メチル)−3,5−ジメチル−1H−ピロール[28]、
2−((5−(4−ブロモフェニル)−3−メトキシ−2H−ピロール−2−イリデン)メチル)−3,5−ジメチル−1H−ピロール[29]、
2−メトキシ−3−(4−メトキシ−5−((3,5−ジメチル−1H−ピロール−2−イル)メチレン)−5H−ピロール−2−イル)ピリジン[30]、
2−((5−(2,3−ジヒドロベンゾフラン−6−イル)−3−メトキシ−2H−ピロール−2−イリデン)メチル)−3,5−ジメチル−1H−ピロール[31]、
2,4−ジメトキシ−5−(4−メトキシ−5−((3,5−ジメチル−1H−ピロール−2−イル)メチレン)−5H−ピロール−2−イル)ピリミジン[32]、
2−クロロ−3−(4−メトキシ−5−((3,5−ジメチル−1H−ピロール−2−イル)メチレン)−5H−ピロール−2−イル)ピリジン[33]、
3,4−ジヒドロ−7−(4−メトキシ−5−((3,5−ジメチル−1H−ピロール−2−イル)メチレン)−5H−ピロール−2−イル)−4−メチル−2H−ベンゾ[b][1,4]オキサジン[34]、
5−(4−メトキシ−5−((3,5−ジメチル−1H−ピロール−2−イル)メチレン)−5H−ピロール−2−イル)ピリミジン[35]、
2−((5−(4−(イソプロピルチオ)フェニル)−3−メトキシ−2H−ピロール−2−イリデン)メチル)−3,5−ジメチル−1H−ピロール[36]、
1−ベンジル−4−(4−メトキシ−5−((3,5−ジメチル−1H−ピロール−2−イル)メチレン)−5H−ピロール−2−イル)−1H−ピラゾール[37]、
2−メトキシ−5−(4−メトキシ−5−((3,5−ジメチル−1H−ピロール−2−イル)メチレン)−5H−ピロール−2−イル)フェノール[38]、
2−フルオロ−5−(4−メトキシ−5−((3,5−ジメチル−1H−ピロール−2−イル)メチレン)−5H−ピロール−2−イル)ピリジン[39]、
2−フルオロ−3−(4−メトキシ−5−((3,5−ジメチル−1H−ピロール−2−イル)メチレン)−5H−ピロール−2−イル)ピリジン[40]、
2−((5−(4−(タート−ブトキシメチル)フェニル)−3−メトキシ−2H−ピロール−2−イリデン)メチル)−3,5−ジメチル−1H−ピロール[41]、
2−メトキシ−5−(4−メトキシ−5−((3,5−ジメチル−1H−ピロール−2−イル)メチレン)−5H−ピロール−2−イル)ピリジン[42]、
3−(ベンジルオキシ)−5−(3,4−ジメトキシフェニル)−2−((3,5−ジメチル−1H−ピロール−2−イル)メチレン)−2H−ピロール[43]または、
5−(ベンゾ[d][1,3]ジオキソール−5−イル)−3−(ベンジルオキシ)−2−((3,5−ジメチル−1H−ピロール−2−イル)メチレン)−2H−ピロール[44]、
からなる群から選択された化合物、あるいはその医薬的に許容可能な塩である請求項41に記載の化合物。
【請求項53】
医薬的に許容可能な塩がメシラート塩である請求項1または請求項2に記載の使用方法。
【請求項54】
医薬的に許容可能な塩がメシラート塩である請求項22に記載の化合物。
【請求項55】
医薬的に許容可能な塩がメシラート塩である請求項41に記載の化合物。
【請求項56】
癌の治療に有用な化合物の同定方法であり、
a)癌細胞と第一の化合物である化学式(Ia)の化合物、あるいはその医薬的に許容可能な塩との接触工程、
【化7】

式中
は−H、−C−Cアルキル、または−OHであり、
は−H、ハロゲン、−NH、−CN、−NO、−N、−COOH、−C(O)NH、−SH、−S(O)NH、−S(O)NH、−C−C10(オキシ)アルキル、−C−C10アルキル、−C−C10アルコキシ、−C−C10(ヒドロキシ)アルキル、−C−C10(アミノ)アルキル、−C−C10アルケニル、−C−C10アルキニル、−(C−C)シクロアルキル、アリール、−C−C10(アリール)アルキル、3から12員環の複素環、−OR12、−CHOR10、−O(CHOR10、−C(O)R10、−O−C(O)R10、−C(O)(CH−R10、−O−C(O)OR10、−O−C(O)NHR10、−O−C(O)N(R10、−C(O)N(R10、−C(O)OR10、−C(O)NHR10、−S−R10、−SOR10、−S(O)10、−S(O)NHR10、−NHC(O)R10、−NHSR10、−NHSOR10、−NHS(O)10、O−C(S)R10、O−C(S)OR10、O−C(S)NHR10、O−C(S)N(R10、−C(S)OR10、−C(S)NHR10、−C(S)N(R10、−NHC(S)R10、−NR10C(S)R10、−NHC(S)NHR10、−NHC(S)N(R10、−NR10C(S)NHR10、−NR10C(S)N(R10、あるいはRおよびRがそれぞれに結合した炭素原子と共に5から9員環の複素環を形成するように結合し、
が3から12員環の複素環である場合、3から12員環の複素環はベンズオキサゾリル、ベンゾチアゾリル、ベンズイミダゾリル、インドリル、ベンゾチオフェン、または炭素原子と1から4つの酸素のヘテロ原子との二環ではないことを条件とし、
およびRは独立して、−H、ハロゲン、−NH、−CN、−NO、−N、−COOH、−C(O)NH、−SH、−S(O)NH、−S(O)NH、−C−C10(オキシ)アルキル、−C−C10アルキル、−C−C10アルコキシ、−C−C10(ヒドロキシ)アルキル、−C−C10(アミノ)アルキル、−C−C10アルケニル、−C−C10アルキニル、−(C−C)シクロアルキル、アリール、−C−C10(アリール)アルキル、3から12員環の複素環、−OR10、−CHOR10、−O(CHOR10、−C(O)R10、−O−C(O)R10、−C(O)(CH−R10、−O−C(O)OR10、−O−C(O)NHR10、−O−C(O)N(R10、−C(O)N(R10、−C(O)OR10、−C(O)NHR10、−S−R10、−SOR10、−S(O)10、−S(O)NHR10、−NHC(O)R10、−NHSR10、−NHSOR10、−NHS(O)10、O−C(S)R10、O−C(S)OR10、O−C(S)NHR10、O−C(S)N(R10、−C(S)OR10、−C(S)NHR10、−C(S)N(R10、−NHC(S)R10、−NR10C(S)R10、−NHC(S)NHR10、−NHC(S)N(R10、−NR10C(S)NHR10、−NR10C(S)N(R10、あるいはRとR、またはRとRがそれぞれに結合した炭素原子と共に5から9員環の複素環を形成するように結合し、
は−H、ハロゲン、−OH、−NH、−C−Cアルキルまたは−O−(C−Cアルキル)であり、
およびRは独立して、−H、−OH、ハロゲン、アミノ、−NH(C−Cアルキル)、−N(C−Cアルキル)、−NH(フェニル)、−N(フェニル)、−NH(ナフチル)、−N(ナフチル)、−CN、−NO、−N、−C−Cアルキル、−O−(C−Cアルキル)、−(C−Cアルキル)−OH、−O−ベンジル、−C−Cアルケニル、−C−Cアルキニル、−C−C12シクロアルキル、−フェニル、−ナフチル、3から12員環の複素環、−OR10、−CHOR10、−O(CH10、−O(CHOR10、−CHO(CHOR10、−O−C(O)R10、−C(O)(CH−R10、−C(O)R10、−O−C(O)OR10、−O−C(O)NHR10、−O−C(O)N(R10、−C(O)N(R10、−C(O)OR10、−C(O)NHR10、−S−R10、−SOR10、−S(O)10、−NHC(O)R10、−NHSR10、−NHSOR10、−NHS(O)10、O−C(S)R10、O−C(S)OR10、O−C(S)NHR10、O−C(S)N(R10、−C(S)OR10、−C(S)NHR10、−C(S)N(R10、−NHC(S)R10、−NR10C(S)R14、−NHC(S)NHR10、−NHC(S)N(R10、−NR10C(S)NHR10、−NR10C(S)N(R10であり、
は−(C−C)アルキル、−(C−C12)シクロアルキル、アリール、−C−C10(アリール)アルキル、3から12員環の複素環であり、
、R、R、R、R、またはRはピロールかインドールではないという条件であり、
が3から12員環の複素環である場合、3から12員環の複素環はベンズオキサゾリル、ベンゾチアゾリル、ベンズイミダゾリル、インドリル、ベンゾチオフェン、または炭素原子と1から4つの酸素のヘテロ原子との二環ではないことを条件とし、
各R10は独立して−H、−C−Cアルキル、−C−C12シクロアルキル、アリール、3から12員環の複素環、−C−Cアルケニル、または−C−Cアルキニルであり、
12は−C−Cアルキル、−C−C12シクロアルキル、アリール、3から12員環の複素環、−C−Cアルケニル、または−C−Cアルキニルであり、
各nは独立して0から6までの整数であり、
また式中
がエチルの場合、Rは−H以外、あるいは
がエチルの場合、Rは−H以外、であることを特徴とした化学式(Ia)との接触方法、および
b)癌細胞と第二の化合物との接触工程であって、
第二の化合物は、第一の化合物が単独よりも第二の化合物の存在下で癌に対しての毒性がより高い場合に癌の治療に有用である、第二の化合物との接触工程を備える化合物の同定方法。
【請求項57】
被験者におけるウイルス感染症に対する薬剤の製剤への化学式(Ib)あるいはその医薬的に許容可能な塩の構造を有する有効量の使用方法であり、
【化8】

式中、
は、Rがピロールまたはインドールではないという条件で、−(C−C12)シクロアルキル、アリール、−C−C10(アリール)アルキル、3から12員環の複素環であり、Rが3から12員環の複素環である場合には、3から12員環の複素環はベンゾキサゾリル、ベンゾチアゾリル、ベンズイミダゾリル、インドリル、ベンゾチオフェン、または炭素原子と1から4酸素との複素原子の二環ではなく、また
は−O−(C−Cアルキル)または−OR11であり、R11がアリールであることを特徴とする使用方法。
【請求項58】
被験者におけるウイルスの感染性を抑制または低減する薬剤の製剤への化学式(Ib)、あるいはその医薬的に許容可能な塩の構造を有する有効量の使用方法であり、
【化9】

式中、
は、Rがピロールまたはインドールではないという条件で、−(C−C12)シクロアルキル、アリール、−C−C10(アリール)アルキル、3から12員環の複素環であり、Rが3から12員環の複素環である場合には、3から12員環の複素環はベンゾキサゾリル、ベンゾチアゾリル、ベンズイミダゾリル、インドリル、ベンゾチオフェン、または炭素原子と1から4酸素との複素原子の二環ではなく、また
は−O−(C−Cアルキル)または−OR11であり、R11がアリールであることを特徴とする使用方法。
【請求項59】
請求項57または請求項58に記載の化合物の使用方法であり、化合物は、
3−メトキシ−2−((3,5−ジメチル−1H−ピロール−2−イル)メチレン)−5−フェニル−2H−ピロール[1]、
5−(4−クロロフェニル)−3−メトキシ−2−((3,5−ジメチル−1H−ピロール−2−イル)メチレン)−2H−ピロール[2]、
2−((5−(2,4−ジフルオロフェニル)−3−メトキシ−2H−ピロール−2−イリデン)メチル)−3,5−ジメチル−1H−ピロール[3]、
5−(4−メトキシ−5−((3,5−ジメチル−1H−ピロール−2−イル)メチレン)−5H−ピロール−2−イル)キノリン[4]、
5−(4−フルオロフェニル)−3−メトキシ−2−((3,5−ジメチル−1H−ピロール−2−イル)メチレン)−2H−ピロール[5]、
2−((3−メトキシ−5−(チオフェン−2−イル)−2H−ピロール−2−イリデン)メチル)−3,5−ジメチル−1H−ピロール[6]、
2−((5−(5−ブロモチオフェン−2−イル)−3−メトキシ−2H−ピロール−2−イリデン)メチル)−3,5−ジメチル−1H−ピロール[7]、
N−4−(4−メトキシ−5−((3,5−ジメチル−1H−ピロール−2−イル)メチレン)−5H−ピロール−2−イル)−フェニル−メチルスルホンアミド[8]、
4−(4−メトキシ−5−((3,5−ジメチル−1H−ピロール−2−イル)メチレン)−5H−ピロール−2−イル)ベンズアルデヒド[9]、
5−メトキシ−2−(4−メトキシ−5−((3,5−ジメチル−1H−ピロール−2−イル)メチレン)−5H−ピロール−2−イル)ベンズアルデヒド[11]、
2−((3−メトキシ−5−(3−ニトロフェニル)−2H−ピロール−2−イリデン)メチル)−3,5−ジメチル−1H−ピロール[12]、
2−((5−(フラン−2−イル)−3−メトキシ−2H−ピロール−2−イリデン)メチル)−3,5−ジメチル−1H−ピロール[13]、
2−((5−(フラン−3−イル)−3−メトキシ−2H−ピロール−2−イリデン)メチル)−3,5−ジメチル−1H−ピロール[14]、
2−((3−メトキシ−5−(チオフェン−3−イル)−2H−ピロール−2−イリデン)メチル)−3,5−ジメチル−1H−ピロール[15]、
2−((3−メトキシ−5−(2,4−ジメトキシフェニル)−2H−ピロール−2−イリデン)メチル)−3,5−ジメチル−1H−ピロール[16]、
2−((3−メトキシ−5−(3,4−ジメトキシフェニル)−2H−ピロール−2−イリデン)メチル)−3,5−ジメチル−1H−ピロール[17]、
2−((3−メトキシ−5−(2,3,4−トリメトキシフェニル)−2H−ピロール−2−イリデン)メチル)−3,5−ジメチル−1H−ピロール[18]、
2−((3−メトキシ−5−(2,5−ジメトキシフェニル)−2H−ピロール−2−イリデン)メチル)−3,5−ジメチル−1H−ピロール[19]、
2−((5−(ベンゾ[d][1,3]ジオキソール−5−イル)−3−メトキシ−2H−ピロール−2−イリデン)メチル)−3,5−ジメチル−1H−ピロール[20]、
2−((5−(4−(2−(ピロリジン−1−イル)エトキシ)フェニル)−3−メトキシ−2H−ピロール−2−イリデン)メチル)−3,5−ジメチル−1H−ピロール[21]、
4−(4−メトキシ−5−((3,5−ジメチル−1H−ピロール−2−イル)メチレン)−5H−ピロール−2−イル)−N,N−ジメチルベンゼンアミン[22]、
2−((5−(2,3−ジヒドロベンゾ[b][1,4]ジオキシン−7−イル)−3−メトキシ−2H−ピロール−2−イリデン)メチル)−3,5−ジメチル−1H−ピロール[23]、
2−((3−メトキシ−5−(4−メトキシ−3−メチルフェニル)−2H−ピロール−2−イリデン)メチル)−3,5−ジメチル−1H−ピロール[24]、
4−(4−メトキシ−5−((3,5−ジメチル−1H−ピロール−2−イル)メチレン)−5H−ピロール−2−イル)フェニル)(ピロリジン−1−イル)メタノン[25]、
2−((5−(3−フルオロ−4−メトキシフェニル)−3−メトキシ−2H−ピロール−2−イリデン)メチル)−3,5−ジメチル−1H−ピロール[26]、
2−((3−メトキシ−5−(2−メトキシナフタレン−6−イル)−2H−ピロール−2−イリデン)メチル)−3,5−ジメチル−1H−ピロール[27]、
2−((3−メトキシ−5−(3,4,5−トリメトキシフェニル)−2H−ピロール−2−イリデン)メチル)−3,5−ジメチル−1H−ピロール[28]、
2−((5−(4−ブロモフェニル)−3−メトキシ−2H−ピロール−2−イリデン)メチル)−3,5−ジメチル−1H−ピロール[29]、
2−メトキシ−3−(4−メトキシ−5−((3,5−ジメチル−1H−ピロール−2−イル)メチレン)−5H−ピロール−2−イル)ピリジン[30]、
2−((5−(2,3−ジヒドロベンゾフラン−6−イル)−3−メトキシ−2H−ピロール−2−イリデン)メチル)−3,5−ジメチル−1H−ピロール[31]、
2,4−ジメトキシ−5−(4−メトキシ−5−((3,5−ジメチル−1H−ピロール−2−イル)メチレン)−5H−ピロール−2−イル)ピリミジン[32]、
2−クロロ−3−(4−メトキシ−5−((3,5−ジメチル−1H−ピロール−2−イル)メチレン)−5H−ピロール−2−イル)ピリジン[33]、
3,4−ジヒドロ−7−(4−メトキシ−5−((3,5−ジメチル−1H−ピロール−2−イル)メチレン)−5H−ピロール−2−イル)−4−メチル−2H−ベンゾ[b][1,4]オキサジン[34]、
5−(4−メトキシ−5−((3,5−ジメチル−1H−ピロール−2−イル)メチレン)−5H−ピロール−2−イル)ピリミジン[35]、
2−((5−(4−(イソプロピルチオ)フェニル)−3−メトキシ−2H−ピロール−2−イリデン)メチル)−3,5−ジメチル−1H−ピロール[36]、
1−ベンジル−4−(4−メトキシ−5−((3,5−ジメチル−1H−ピロール−2−イル)メチレン)−5H−ピロール−2−イル)−1H−ピラゾール[37]、
2−メトキシ−5−(4−メトキシ−5−((3,5−ジメチル−1H−ピロール−2−イル)メチレン)−5H−ピロール−2−イル)フェノール[38]、
2−フルオロ−5−(4−メトキシ−5−((3,5−ジメチル−1H−ピロール−2−イル)メチレン)−5H−ピロール−2−イル)ピリジン[39]、
2−フルオロ−3−(4−メトキシ−5−((3,5−ジメチル−1H−ピロール−2−イル)メチレン)−5H−ピロール−2−イル)ピリジン[40]、
2−((5−(4−(タート−ブトキシメチル)フェニル)−3−メトキシ−2H−ピロール−2−イリデン)メチル)−3,5−ジメチル−1H−ピロール[41]、
2−メトキシ−5−(4−メトキシ−5−((3,5−ジメチル−1H−ピロール−2−イル)メチレン)−5H−ピロール−2−イル)ピリジン[42]、
3−(ベンジルオキシ)−5−(3,4−ジメトキシフェニル)−2−((3,5−ジメチル−1H−ピロール−2−イル)メチレン)−2H−ピロール[43]または、
5−(ベンゾ[d][1,3]ジオキソール−5−イル)−3−(ベンジルオキシ)−2−((3,5−ジメチル−1H−ピロール−2−イル)メチレン)−2H−ピロール[44]、
からなる群から選択された化合物、あるいはその医薬的に許容可能な塩である請求項57または請求項58に記載の化合物の使用方法。
【請求項60】
被験者におけるウイルス感染症治療のための化学式(Ib)、あるいはその医薬的に許容可能な塩の構造を有する有効量の使用方法であり、
【化10】

式中、
は、Rがピロールまたはインドールではないという条件で、−(C−C12)シクロアルキル、アリール、−C−C10(アリール)アルキル、3から12員環の複素環であり、Rが3から12員環の複素環である場合には、3から12員環の複素環はベンゾキサゾリル、ベンゾチアゾリル、ベンズイミダゾリル、インドリル、ベンゾチオフェン、または炭素原子と1から4酸素との複素原子の二環ではなく、また
は−O−(C−Cアルキル)または−OR11であり、R11がアリールであることを特徴とする使用方法。
【請求項61】
被験者におけるウイルスの感染性を抑制または低減するための化学式(Ib)、あるいはその医薬的に許容可能な塩の構造を有する有効量の使用方法であり、
【化11】

式中、
は、Rがピロールまたはインドールではないという条件で、−(C−C12)シクロアルキル、アリール、−C−C10(アリール)アルキル、3から12員環の複素環であり、Rが3から12員環の複素環である場合には、3から12員環の複素環はベンゾキサゾリル、ベンゾチアゾリル、ベンズイミダゾリル、インドリル、ベンゾチオフェン、または炭素原子と1から4酸素との複素原子の二環ではなく、また
は−O−(C−Cアルキル)または−OR11であり、R11がアリールであることを特徴とする使用方法。
【請求項62】
請求項60または請求項61に記載の化合物の使用方法であり、化合物は、
3−メトキシ−2−((3,5−ジメチル−1H−ピロール−2−イル)メチレン)−5−フェニル−2H−ピロール[1]、
5−(4−クロロフェニル)−3−メトキシ−2−((3,5−ジメチル−1H−ピロール−2−イル)メチレン)−2H−ピロール[2]、
2−((5−(2,4−ジフルオロフェニル)−3−メトキシ−2H−ピロール−2−イリデン)メチル)−3,5−ジメチル−1H−ピロール[3]、
5−(4−メトキシ−5−((3,5−ジメチル−1H−ピロール−2−イル)メチレン)−5H−ピロール−2−イル)キノリン[4]、
5−(4−フルオロフェニル)−3−メトキシ−2−((3,5−ジメチル−1H−ピロール−2−イル)メチレン)−2H−ピロール[5]、
2−((3−メトキシ−5−(チオフェン−2−イル)−2H−ピロール−2−イリデン)メチル)−3,5−ジメチル−1H−ピロール[6]、
2−((5−(5−ブロモチオフェン−2−イル)−3−メトキシ−2H−ピロール−2−イリデン)メチル)−3,5−ジメチル−1H−ピロール[7]、
N−4−(4−メトキシ−5−((3,5−ジメチル−1H−ピロール−2−イル)メチレン)−5H−ピロール−2−イル)−フェニル−メチルスルホンアミド[8]、
4−(4−メトキシ−5−((3,5−ジメチル−1H−ピロール−2−イル)メチレン)−5H−ピロール−2−イル)ベンズアルデヒド[9]、
5−メトキシ−2−(4−メトキシ−5−((3,5−ジメチル−1H−ピロール−2−イル)メチレン)−5H−ピロール−2−イル)ベンズアルデヒド[11]、
2−((3−メトキシ−5−(3−ニトロフェニル)−2H−ピロール−2−イリデン)メチル)−3,5−ジメチル−1H−ピロール[12]、
2−((5−(フラン−2−イル)−3−メトキシ−2H−ピロール−2−イリデン)メチル)−3,5−ジメチル−1H−ピロール[13]、
2−((5−(フラン−3−イル)−3−メトキシ−2H−ピロール−2−イリデン)メチル)−3,5−ジメチル−1H−ピロール[14]、
2−((3−メトキシ−5−(チオフェン−3−イル)−2H−ピロール−2−イリデン)メチル)−3,5−ジメチル−1H−ピロール[15]、
2−((3−メトキシ−5−(2,4−ジメトキシフェニル)−2H−ピロール−2−イリデン)メチル)−3,5−ジメチル−1H−ピロール[16]、
2−((3−メトキシ−5−(3,4−ジメトキシフェニル)−2H−ピロール−2−イリデン)メチル)−3,5−ジメチル−1H−ピロール[17]、
2−((3−メトキシ−5−(2,3,4−トリメトキシフェニル)−2H−ピロール−2−イリデン)メチル)−3,5−ジメチル−1H−ピロール[18]、
2−((3−メトキシ−5−(2,5−ジメトキシフェニル)−2H−ピロール−2−イリデン)メチル)−3,5−ジメチル−1H−ピロール[19]、
2−((5−(ベンゾ[d][1,3]ジオキソール−5−イル)−3−メトキシ−2H−ピロール−2−イリデン)メチル)−3,5−ジメチル−1H−ピロール[20]、
2−((5−(4−(2−(ピロリジン−1−イル)エトキシ)フェニル)−3−メトキシ−2H−ピロール−2−イリデン)メチル)−3,5−ジメチル−1H−ピロール[21]、
4−(4−メトキシ−5−((3,5−ジメチル−1H−ピロール−2−イル)メチレン)−5H−ピロール−2−イル)−N,N−ジメチルベンゼンアミン[22]、
2−((5−(2,3−ジヒドロベンゾ[b][1,4]ジオキシン−7−イル)−3−メトキシ−2H−ピロール−2−イリデン)メチル)−3,5−ジメチル−1H−ピロール[23]、
2−((3−メトキシ−5−(4−メトキシ−3−メチルフェニル)−2H−ピロール−2−イリデン)メチル)−3,5−ジメチル−1H−ピロール[24]、
4−(4−メトキシ−5−((3,5−ジメチル−1H−ピロール−2−イル)メチレン)−5H−ピロール−2−イル)フェニル)(ピロリジン−1−イル)メタノン[25]、
2−((5−(3−フルオロ−4−メトキシフェニル)−3−メトキシ−2H−ピロール−2−イリデン)メチル)−3,5−ジメチル−1H−ピロール[26]、
2−((3−メトキシ−5−(2−メトキシナフタレン−6−イル)−2H−ピロール−2−イリデン)メチル)−3,5−ジメチル−1H−ピロール[27]、
2−((3−メトキシ−5−(3,4,5−トリメトキシフェニル)−2H−ピロール−2−イリデン)メチル)−3,5−ジメチル−1H−ピロール[28]、
2−((5−(4−ブロモフェニル)−3−メトキシ−2H−ピロール−2−イリデン)メチル)−3,5−ジメチル−1H−ピロール[29]、
2−メトキシ−3−(4−メトキシ−5−((3,5−ジメチル−1H−ピロール−2−イル)メチレン)−5H−ピロール−2−イル)ピリジン[30]、
2−((5−(2,3−ジヒドロベンゾフラン−6−イル)−3−メトキシ−2H−ピロール−2−イリデン)メチル)−3,5−ジメチル−1H−ピロール[31]、
2,4−ジメトキシ−5−(4−メトキシ−5−((3,5−ジメチル−1H−ピロール−2−イル)メチレン)−5H−ピロール−2−イル)ピリミジン[32]、
2−クロロ−3−(4−メトキシ−5−((3,5−ジメチル−1H−ピロール−2−イル)メチレン)−5H−ピロール−2−イル)ピリジン[33]、
3,4−ジヒドロ−7−(4−メトキシ−5−((3,5−ジメチル−1H−ピロール−2−イル)メチレン)−5H−ピロール−2−イル)−4−メチル−2H−ベンゾ[b][1,4]オキサジン[34]、
5−(4−メトキシ−5−((3,5−ジメチル−1H−ピロール−2−イル)メチレン)−5H−ピロール−2−イル)ピリミジン[35]、
2−((5−(4−(イソプロピルチオ)フェニル)−3−メトキシ−2H−ピロール−2−イリデン)メチル)−3,5−ジメチル−1H−ピロール[36]、
1−ベンジル−4−(4−メトキシ−5−((3,5−ジメチル−1H−ピロール−2−イル)メチレン)−5H−ピロール−2−イル)−1H−ピラゾール[37]、
2−メトキシ−5−(4−メトキシ−5−((3,5−ジメチル−1H−ピロール−2−イル)メチレン)−5H−ピロール−2−イル)フェノール[38]、
2−フルオロ−5−(4−メトキシ−5−((3,5−ジメチル−1H−ピロール−2−イル)メチレン)−5H−ピロール−2−イル)ピリジン[39]、
2−フルオロ−3−(4−メトキシ−5−((3,5−ジメチル−1H−ピロール−2−イル)メチレン)−5H−ピロール−2−イル)ピリジン[40]、
2−((5−(4−(タート−ブトキシメチル)フェニル)−3−メトキシ−2H−ピロール−2−イリデン)メチル)−3,5−ジメチル−1H−ピロール[41]、
2−メトキシ−5−(4−メトキシ−5−((3,5−ジメチル−1H−ピロール−2−イル)メチレン)−5H−ピロール−2−イル)ピリジン[42]、
3−(ベンジルオキシ)−5−(3,4−ジメトキシフェニル)−2−((3,5−ジメチル−1H−ピロール−2−イル)メチレン)−2H−ピロール[43]または、
5−(ベンゾ[d][1,3]ジオキソール−5−イル)−3−(ベンジルオキシ)−2−((3,5−ジメチル−1H−ピロール−2−イル)メチレン)−2H−ピロール[44]、
からなる群から選択された化合物、あるいはその医薬的に許容可能な塩である請求項60または請求項61に記載の化合物の使用方法。
【請求項63】
患者における癌治療のための化学式(Ia)の化合物、あるいはその医薬的に許容可能な塩の使用方法であり、
【化12】

式中
は−H、−C−Cアルキル、または−OHであり、
は−H、ハロゲン、−NH、−CN、−NO、−N、−COOH、−C(O)NH、−SH、−S(O)NH、−S(O)NH、−C−C10(オキシ)アルキル、−C−C10アルキル、−C−C10アルコキシ、−C−C10(ヒドロキシ)アルキル、−C−C10(アミノ)アルキル、−C−C10アルケニル、−C−C10アルキニル、−(C−C)シクロアルキル、アリール、−C−C10(アリール)アルキル、3から12員環の複素環、−OR12、−CHOR10、−O(CHOR10、−C(O)R10、−O−C(O)R10、−C(O)(CH−R10、−O−C(O)OR10、−O−C(O)NHR10、−O−C(O)N(R10、−C(O)N(R10、−C(O)OR10、−C(O)NHR10、−S−R10、−SOR10、−S(O)10、−S(O)NHR10、−NHC(O)R10、−NHSR10、−NHSOR10、−NHS(O)10、O−C(S)R10、O−C(S)OR10、O−C(S)NHR10、O−C(S)N(R10、−C(S)OR10、−C(S)NHR10、−C(S)N(R10、−NHC(S)R10、−NR10C(S)R10、−NHC(S)NHR10、−NHC(S)N(R10、−NR10C(S)NHR10、−NR10C(S)N(R10、あるいはRおよびRがそれぞれに結合した炭素原子と共に5から9員環の複素環を形成するように結合し、
が3から12員環の複素環である場合、3から12員環の複素環はベンズオキサゾリル、ベンゾチアゾリル、ベンズイミダゾリル、インドリル、ベンゾチオフェン、または炭素原子と1から4つの酸素のヘテロ原子との二環ではないことを条件とし、
およびRは独立して、−H、ハロゲン、−NH、−CN、−NO、−N、−COOH、−C(O)NH、−SH、−S(O)NH、−S(O)NH、−C−C10(オキシ)アルキル、−C−C10アルキル、−C−C10アルコキシ、−C−C10(ヒドロキシ)アルキル、−C−C10(アミノ)アルキル、−C−C10アルケニル、−C−C10アルキニル、−(C−C)シクロアルキル、アリール、−C−C10(アリール)アルキル、3から12員環の複素環、−OR10、−CHOR10、−O(CHOR10、−C(O)R10、−O−C(O)R10、−C(O)(CH−R10、−O−C(O)OR10、−O−C(O)NHR10、−O−C(O)N(R10、−C(O)N(R10、−C(O)OR10、−C(O)NHR10、−S−R10、−SOR10、−S(O)10、−S(O)NHR10、−NHC(O)R10、−NHSR10、−NHSOR10、−NHS(O)10、O−C(S)R10、O−C(S)OR10、O−C(S)NHR10、O−C(S)N(R10、−C(S)OR10、−C(S)NHR10、−C(S)N(R10、−NHC(S)R10、−NR10C(S)R10、−NHC(S)NHR10、−NHC(S)N(R10、−NR10C(S)NHR10、−NR10C(S)N(R10、あるいはRとR、またはRおよびRがそれぞれに結合した炭素原子と共に5から9員環の複素環を形成するように結合し、
は−H、ハロゲン、−OH、−NH、−C−Cアルキルまたは−O−(C−Cアルキル)であり、
とRは独立して、−H、−OH、ハロゲン、アミノ、−NH(C−Cアルキル)、−N(C−Cアルキル)、−NH(フェニル)、−N(フェニル)、−NH(ナフチル)、−N(ナフチル)、−CN、−NO、−N、−C−Cアルキル、−O−(C−Cアルキル)、−(C−Cアルキル)−OH、−O−ベンジル、−C−Cアルケニル、−C−Cアルキニル、−C−C12シクロアルキル、−フェニル、−ナフチル、3から12員環の複素環、−OR10、−CHOR10、−O(CH10、−O(CHOR10、−CHO(CHOR10、−O−C(O)R10、−C(O)(CH−R10、−C(O)R10、−O−C(O)OR10、−O−C(O)NHR10、−O−C(O)N(R10、−C(O)N(R10、−C(O)OR10、−C(O)NHR10、−S−R10、−SOR10、−S(O)10、−NHC(O)R10、−NHSR10、−NHSOR10、−NHS(O)10、O−C(S)R10、O−C(S)OR10、O−C(S)NHR10、O−C(S)N(R10、−C(S)OR10、−C(S)NHR10、−C(S)N(R10、−NHC(S)R10、−NR10C(S)R14、−NHC(S)NHR10、−NHC(S)N(R10、−NR10C(S)NHR10、−NR10C(S)N(R10であり、
は−(C−C)アルキル、−(C−C12)シクロアルキル、アリール、−C−C10(アリール)アルキル、3から12員環の複素環であり、
、R、R、R、R、またはRはピロールかインドールではないという条件であり、
が3から12員環の複素環である場合、3から12員環の複素環はベンズオキサゾリル、ベンゾチアゾリル、ベンズイミダゾリル、インドリル、ベンゾチオフェン、または炭素原子と1から4つの酸素のヘテロ原子との二環ではないことを条件とし、
各R10は独立して−H、−C−Cアルキル、−C−C12シクロアルキル、アリール、3から12員環の複素環、−C−Cアルケニル、または−C−Cアルキニルであり、
12は−C−Cアルキル、−C−C12シクロアルキル、アリール、3から12員環の複素環、−C−Cアルケニル、または−C−Cアルキニルであり、
各nは独立して0から6までの整数であり、
また式中
がエチルの場合、Rは−H以外、あるいは
がエチルの場合、Rは−H以外、であることを特徴とする使用方法。
【請求項64】
癌細胞と化合物との接触からなる癌細胞の増殖を抑制または低減するための、患者における癌治療のための化学式(Ia)の化合物、あるいはその医薬的に許容可能な塩の有効量の使用方法であり、
【化13】

式中
は−H、−C−Cアルキル、または−OHであり、
は−H、ハロゲン、−NH、−CN、−NO、−N、−COOH、−C(O)NH、−SH、−S(O)NH、−S(O)NH、−C−C10(オキシ)アルキル、−C−C10アルキル、−C−C10アルコキシ、−C−C10(ヒドロキシ)アルキル、−C−C10(アミノ)アルキル、−C−C10アルケニル、−C−C10アルキニル、−(C−C)シクロアルキル、アリール、−C−C10(アリール)アルキル、3から12員環の複素環、−OR12、−CHOR10、−O(CHOR10、−C(O)R10、−O−C(O)R10、−C(O)(CH−R10、−O−C(O)OR10、−O−C(O)NHR10、−O−C(O)N(R10、−C(O)N(R10、−C(O)OR10、−C(O)NHR10、−S−R10、−SOR10、−S(O)10、−S(O)NHR10、−NHC(O)R10、−NHSR10、−NHSOR10、−NHS(O)10、O−C(S)R10、O−C(S)OR10、O−C(S)NHR10、O−C(S)N(R10、−C(S)OR10、−C(S)NHR10、−C(S)N(R10、−NHC(S)R10、−NR10C(S)R10、−NHC(S)NHR10、−NHC(S)N(R10、−NR10C(S)NHR10、−NR10C(S)N(R10、あるいはRおよびRがそれぞれに結合した炭素原子と共に5から9員環の複素環を形成するように結合し、
が3から12員環の複素環である場合、3から12員環の複素環はベンズオキサゾリル、ベンゾチアゾリル、ベンズイミダゾリル、インドリル、ベンゾチオフェン、または炭素原子と1から4つの酸素のヘテロ原子との二環ではないことを条件とし、
およびRは独立して、−H、ハロゲン、−NH、−CN、−NO、−N、−COOH、−C(O)NH、−SH、−S(O)NH、−S(O)NH、−C−C10(オキシ)アルキル、−C−C10アルキル、−C−C10アルコキシ、−C−C10(ヒドロキシ)アルキル、−C−C10(アミノ)アルキル、−C−C10アルケニル、−C−C10アルキニル、−(C−C)シクロアルキル、アリール、−C−C10(アリール)アルキル、3から12員環の複素環、−OR10、−CHOR10、−O(CHOR10、−C(O)R10、−O−C(O)R10、−C(O)(CH−R10、−O−C(O)OR10、−O−C(O)NHR10、−O−C(O)N(R10、−C(O)N(R10、−C(O)OR10、−C(O)NHR10、−S−R10、−SOR10、−S(O)10、−S(O)NHR10、−NHC(O)R10、−NHSR10、−NHSOR10、−NHS(O)10、O−C(S)R10、O−C(S)OR10、O−C(S)NHR10、O−C(S)N(R10、−C(S)OR10、−C(S)NHR10、−C(S)N(R10、−NHC(S)R10、−NR10C(S)R10、−NHC(S)NHR10、−NHC(S)N(R10、−NR10C(S)NHR10、−NR10C(S)N(R10、あるいはRおよびR、またはRおよびRがそれぞれに結合した炭素原子と共に5から9員環の複素環を形成するように結合し、
は−H、ハロゲン、−OH、−NH、−C−Cアルキルまたは−O−(C−Cアルキル)であり、
およびRは独立して、−H、−OH、ハロゲン、アミノ、−NH(C−Cアルキル)、−N(C−Cアルキル)、−NH(フェニル)、−N(フェニル)、−NH(ナフチル)、−N(ナフチル)、−CN、−NO、−N、−C−Cアルキル、−O−(C−Cアルキル)、−(C−Cアルキル)−OH、−O−ベンジル、−C−Cアルケニル、−C−Cアルキニル、−C−C12シクロアルキル、−フェニル、−ナフチル、3から12員環の複素環、−OR12、−CHOR10、−O(CH10、−O(CHOR10、−CHO(CHOR10、−O−C(O)R10、−C(O)(CH−R10、−C(O)R10、−O−C(O)OR10、−O−C(O)NHR10、−O−C(O)N(R10、−C(O)N(R10、−C(O)OR10、−C(O)NHR10、−S−R10、−SOR10、−S(O)10、−NHC(O)R10、−NHSR10、−NHSOR10、−NHS(O)10、O−C(S)R10、O−C(S)OR10、O−C(S)NHR10、O−C(S)N(R10、−C(S)OR10、−C(S)NHR10、−C(S)N(R10、−NHC(S)R10、−NR10C(S)R14、−NHC(S)NHR10、−NHC(S)N(R10、−NR10C(S)NHR10、−NR10C(S)N(R10であり、
は−(C−C)アルキル、−(C−C12)シクロアルキル、アリール、−C−C10(アリール)アルキル、3から12員環の複素環であり、
、R、R、R、R、またはRはピロールかインドールではないという条件であり、
が3から12員環の複素環である場合、3から12員環の複素環はベンズオキサゾリル、ベンゾチアゾリル、ベンズイミダゾリル、インドリル、ベンゾチオフェン、または炭素原子と1から4つの酸素のヘテロ原子との二環ではないことを条件とし、
各R10は独立して−H、−C−Cアルキル、−C−C12シクロアルキル、アリール、3から12員環の複素環、−C−Cアルケニル、または−C−Cアルキニルであり、
12は−C−Cアルキル、−C−C12シクロアルキル、アリール、3から12員環の複素環、−C−Cアルケニル、または−C−Cアルキニルであり、
各nは独立して0から6までの整数であり、
また式中
がエチルの場合、Rは−H以外、あるいは
がエチルの場合、Rは−H以外、であることを特徴とする使用方法。
【請求項65】
各nは1から6の整数である請求項63または請求項64に記載の使用方法。
【請求項66】
はピロールまたはインドールではないとういう条件でRがアリールと3から12員環の複素環からなる群から選択された請求項63または請求項64に記載の使用方法。
【請求項67】
が−O−(C−Cアルキル)である請求項63または請求項64に記載の使用方法。
【請求項68】
が−OCHである請求項67に記載の使用方法。
【請求項69】
が任意でフェニルで置換された−O−(C−Cアルキル)である請求項67に記載の使用方法。
【請求項70】
が−O−ベンジルである請求項69に記載の使用方法。
【請求項71】
が−置換されていないO−ベンジルである請求項70に記載の使用方法。
【請求項72】
とRが独立してC−C10アルキルである請求項63または請求項64に記載の使用方法。
【請求項73】
とRが共に−CHである請求項63または請求項64に記載の使用方法。
【請求項74】
が−Hである請求項72に記載の使用方法。
【請求項75】
が−Hである請求項63または請求項64に記載の使用方法。
【請求項76】
が−Hである請求項63または請求項64に記載の使用方法。
【請求項77】
が−Hである請求項63または請求項64に記載の使用方法。
【請求項78】
が、置換された、および置換されていないフェニル、アントリル、フルオレニル、インデニル、アズレニル、フェナントリルおよびナフチルから選択されたアリールである請求項63または請求項64に記載の使用方法。
【請求項79】
が、置換された、および置換されていないアジリジニル、オキシラニル、チイラニル、アジリニル、ジアジリジニル、ジアジリニル、オキサジリジニル、アゼチジニル、アゼチジノニル、オキセタニル、チエタニル、ピペリジニル、ピペラジニル、モルホリニル、オキサジニル、チアジニル、ジアジニル、トリアジニル、テトラジニル、イミダゾリル、テトラゾリル、イソキノリニル、キノリニル、キナゾリニル、ピロリジニル、プリニル、イソキサゾリル、ベンツイソキサゾリル、フラニル、フラザニル、ピリジニル、オキサゾリル、チアゾリル、チオフェニル、ピラゾリル、トリアゾリル、ベンゾジアゾリル、ベンゾトリアゾリル、ピリミジニル、インダゾリル、ベンゾジオキソール、ジベンゾフラン、およびジベンゾチオフェンからなる群から選択された3から12員環の複素環である請求項63または請求項64に記載の使用方法。
【請求項80】
投与された化合物が化学式(Ib)であり、
【化14】

式中、
は、Rがピロールまたはインドールではないという条件で−(C−C12)シクロアルキル、アリール、−C−C10(アリール)アルキル、3から12員環の複素環であり、また
は−O−(C−Cアルキル)または−OR11であり、R11がアリールであることを特徴とする請求項63または請求項64に記載の使用方法。
【請求項81】
がピロールまたはインドールではないという条件で、Rがアリールまたは3から12員環の複素環である請求項80に記載の使用方法。
【請求項82】
が、置換された、および置換されていないフェニル、キノリニル、チオフェニル、フリル、ナフチル、ピリジニル、ジヒドロベンゾフラニル、ピリミジニル、ジヒドロオキサジニルフェニル、およびピラゾリルからなる群から選択された請求項81に記載の使用方法。
【請求項83】
請求項63または請求項64に記載の使用方法であり、
3−メトキシ−2−((3,5−ジメチル−1H−ピロール−2−イル)メチレン)−5−フェニル−2H−ピロール[1]、
5−(4−クロロフェニル)−3−メトキシ−2−((3,5−ジメチル−1H−ピロール−2−イル)メチレン)−2H−ピロール[2]、
2−((5−(2,4−ジフルオロフェニル)−3−メトキシ−2H−ピロール−2−イリデン)メチル)−3,5−ジメチル−1H−ピロール[3]、
5−(4−メトキシ−5−((3,5−ジメチル−1H−ピロール−2−イル)メチレン)−5H−ピロール−2−イル)キノリン[4]、
5−(4−フルオロフェニル)−3−メトキシ−2−((3,5−ジメチル−1H−ピロール−2−イル)メチレン)−2H−ピロール[5]、
2−((3−メトキシ−5−(チオフェン−2−イル)−2H−ピロール−2−イリデン)メチル)−3,5−ジメチル−1H−ピロール[6]、
2−((5−(5−ブロモチオフェン−2−イル)−3−メトキシ−2H−ピロール−2−イリデン)メチル)−3,5−ジメチル−1H−ピロール[7]、
N−4−(4−メトキシ−5−((3,5−ジメチル−1H−ピロール−2−イル)メチレン)−5H−ピロール−2−イル)−フェニル−メチルスルホンアミド[8]、
4−(4−メトキシ−5−((3,5−ジメチル−1H−ピロール−2−イル)メチレン)−5H−ピロール−2−イル)ベンズアルデヒド[9]、
5−メトキシ−2−(4−メトキシ−5−((3,5−ジメチル−1H−ピロール−2−イル)メチレン)−5H−ピロール−2−イル)ベンズアルデヒド[11]、
2−((3−メトキシ−5−(3−ニトロフェニル)−2H−ピロール−2−イリデン)メチル)−3,5−ジメチル−1H−ピロール[12]、
2−((5−(フラン−2−イル)−3−メトキシ−2H−ピロール−2−イリデン)メチル)−3,5−ジメチル−1H−ピロール[13]、
2−((5−(フラン−3−イル)−3−メトキシ−2H−ピロール−2−イリデン)メチル)−3,5−ジメチル−1H−ピロール[14]、
2−((3−メトキシ−5−(チオフェン−3−イル)−2H−ピロール−2−イリデン)メチル)−3,5−ジメチル−1H−ピロール[15]、
2−((3−メトキシ−5−(2,4−ジメトキシフェニル)−2H−ピロール−2−イリデン)メチル)−3,5−ジメチル−1H−ピロール[16]、
2−((3−メトキシ−5−(3,4−ジメトキシフェニル)−2H−ピロール−2−イリデン)メチル)−3,5−ジメチル−1H−ピロール[17]、
2−((3−メトキシ−5−(2,3,4−トリメトキシフェニル)−2H−ピロール−2−イリデン)メチル)−3,5−ジメチル−1H−ピロール[18]、
2−((3−メトキシ−5−(2,5−ジメトキシフェニル)−2H−ピロール−2−イリデン)メチル)−3,5−ジメチル−1H−ピロール[19]、
2−((5−(ベンゾ[d][1,3]ジオキソール−5−イル)−3−メトキシ−2H−ピロール−2−イリデン)メチル)−3,5−ジメチル−1H−ピロール[20]、
2−((5−(4−(2−(ピロリジン−1−イル)エトキシ)フェニル)−3−メトキシ−2H−ピロール−2−イリデン)メチル)−3,5−ジメチル−1H−ピロール[21]、
4−(4−メトキシ−5−((3,5−ジメチル−1H−ピロール−2−イル)メチレン)−5H−ピロール−2−イル)−N,N−ジメチルベンゼンアミン[22]、
2−((5−(2,3−ジヒドロベンゾ[b][1,4]ジオキシン−7−イル)−3−メトキシ−2H−ピロール−2−イリデン)メチル)−3,5−ジメチル−1H−ピロール[23]、
2−((3−メトキシ−5−(4−メトキシ−3−メチルフェニル)−2H−ピロール−2−イリデン)メチル)−3,5−ジメチル−1H−ピロール[24]、
4−(4−メトキシ−5−((3,5−ジメチル−1H−ピロール−2−イル)メチレン)−5H−ピロール−2−イル)フェニル)(ピロリジン−1−イル)メタノン[25]、
2−((5−(3−フルオロ−4−メトキシフェニル)−3−メトキシ−2H−ピロール−2−イリデン)メチル)−3,5−ジメチル−1H−ピロール[26]、
2−((3−メトキシ−5−(2−メトキシナフタレン−6−イル)−2H−ピロール−2−イリデン)メチル)−3,5−ジメチル−1H−ピロール[27]、
2−((3−メトキシ−5−(3,4,5−トリメトキシフェニル)−2H−ピロール−2−イリデン)メチル)−3,5−ジメチル−1H−ピロール[28]、
2−((5−(4−ブロモフェニル)−3−メトキシ−2H−ピロール−2−イリデン)メチル)−3,5−ジメチル−1H−ピロール[29]、
2−メトキシ−3−(4−メトキシ−5−((3,5−ジメチル−1H−ピロール−2−イル)メチレン)−5H−ピロール−2−イル)ピリジン[30]、
2−((5−(2,3−ジヒドロベンゾフラン−6−イル)−3−メトキシ−2H−ピロール−2−イリデン)メチル)−3,5−ジメチル−1H−ピロール[31]、
2,4−ジメトキシ−5−(4−メトキシ−5−((3,5−ジメチル−1H−ピロール−2−イル)メチレン)−5H−ピロール−2−イル)ピリミジン[32]、
2−クロロ−3−(4−メトキシ−5−((3,5−ジメチル−1H−ピロール−2−イル)メチレン)−5H−ピロール−2−イル)ピリジン[33]、
3,4−ジヒドロ−7−(4−メトキシ−5−((3,5−ジメチル−1H−ピロール−2−イル)メチレン)−5H−ピロール−2−イル)−4−メチル−2H−ベンゾ[b][1,4]オキサジン[34]、
5−(4−メトキシ−5−((3,5−ジメチル−1H−ピロール−2−イル)メチレン)−5H−ピロール−2−イル)ピリミジン[35]、
2−((5−(4−(イソプロピルチオ)フェニル)−3−メトキシ−2H−ピロール−2−イリデン)メチル)−3,5−ジメチル−1H−ピロール[36]、
1−ベンジル−4−(4−メトキシ−5−((3,5−ジメチル−1H−ピロール−2−イル)メチレン)−5H−ピロール−2−イル)−1H−ピラゾール[37]、
2−メトキシ−5−(4−メトキシ−5−((3,5−ジメチル−1H−ピロール−2−イル)メチレン)−5H−ピロール−2−イル)フェノール[38]、
2−フルオロ−5−(4−メトキシ−5−((3,5−ジメチル−1H−ピロール−2−イル)メチレン)−5H−ピロール−2−イル)ピリジン[39]、
2−フルオロ−3−(4−メトキシ−5−((3,5−ジメチル−1H−ピロール−2−イル)メチレン)−5H−ピロール−2−イル)ピリジン[40]、
2−((5−(4−(タート−ブトキシメチル)フェニル)−3−メトキシ−2H−ピロール−2−イリデン)メチル)−3,5−ジメチル−1H−ピロール[41]、
2−メトキシ−5−(4−メトキシ−5−((3,5−ジメチル−1H−ピロール−2−イル)メチレン)−5H−ピロール−2−イル)ピリジン[42]、
3−(ベンジルオキシ)−5−(3,4−ジメトキシフェニル)−2−((3,5−ジメチル−1H−ピロール−2−イル)メチレン)−2H−ピロール[43]または、
5−(ベンゾ[d][1,3]ジオキソール−5−イル)−3−(ベンジルオキシ)−2−((3,5−ジメチル−1H−ピロール−2−イル)メチレン)−2H−ピロール[44]、
からなる群から選択された化合物である請求項63または請求項64に記載の使用方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公表番号】特表2008−525323(P2008−525323A)
【公表日】平成20年7月17日(2008.7.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−547126(P2007−547126)
【出願日】平成17年12月22日(2005.12.22)
【国際出願番号】PCT/CA2005/001955
【国際公開番号】WO2006/069441
【国際公開日】平成18年7月6日(2006.7.6)
【出願人】(505440860)ジェミン エックス ファーマシューティカルズ カナダ インコーポレイテッド (2)
【氏名又は名称原語表記】GEMIN X PHARMACEUTICALS CANADA INC.
【Fターム(参考)】