説明

癌治療用医薬組成物

本発明は、癌の治療に用いられる治療組成物に関し、より詳細には4−1BBレセプターアゴニストリガンドとI型インターフェロンとを含んでなる組成物に関し、それらの同時または順次の投与は、それらを単独で投与したときに比較して相乗的な抗腫瘍活性を呈する。本発明はまた、癌治療のための本発明による組み合わせの医薬用途にも関する。本発明は、さらにそれら化合物をコードするポリヌクレオチド、それらを含むベクターおよび細胞、そして癌治療のためのそれらの使用にも関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、癌の治療に用いられる治療組成物に関し、より詳細には4−1BBレセプターアゴニストリガンドおよびI型インターフェロンを含んでなる組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
化学療法、外科手術、放射線治療および細胞療法などの癌の通常の薬剤治療は、現在、治療の効力および毒性の面ではっきりとした限界がある。これまでこれらの方法は、癌の種類、患者の一般的健康、診断時の疾病の段階などによって成功の程度が異なる。
【0003】
免疫系が、多種多様な癌の発症に極めて大きな役割を果たしていることが当該技術分野において知られている。癌は、免疫応答がうまくいかず、その成長を許すことにより進行するものと思われている。癌の治療の可能性ある方法として、免疫系を刺激し、特異的に腫瘍細胞を攻撃することがあげられる。
【0004】
4−1BB(CD137)は共刺激レセプターであり、これは、抗原またはサイトカインによりそれぞれ活性化された後のT細胞またはNK(ナチュラルキラー)細胞の膜で主に発現するものであるが、他の骨髄株白血球の表面にもみられる。天然4−1BB−リガンド(4−1BB−L)またはアゴニスト抗体により誘発される、このレセプターを介する共刺激信号は:
(i)培養刺激リンパ球の増殖および生存を高め;
(ii)抗原活性化T細胞、特にCD8+T細胞の拡大を刺激し;
(iii)T細胞の生存(アポトーシス阻害)を促進し;
(iv)細胞傷害性Tリンパ球(CTL)応答を誘発し;そして
(v)ナチュラルキラー(NK)リンパ球の機能を活性化する
ことができる。
【0005】
アゴニスト抗4−1BB抗体の全身投与は、腫瘍抗原に対する細胞傷害性T細胞の反応を高め、ある程度の基準免疫原性を有する移植性腫瘍がマウスにおいて根絶したと判定され(Melero等、Nat Med.、1997年、3(6):682−5)、また腫瘍抗原による接種の活性または抗腫瘍活性を有するT細胞の養子免疫伝達を高める(Wilcox、R.A.等、J Clin Invest、2002年、109(5):651−9)。ヒト化抗4−1BBモノクローナル抗体を、異なる新生組織形成のキャリアである患者に投与する臨床試験が、これらの発見および発明に引き続きおこなわれている(Clinicaltrials.gov:NTC00309023およびNTC00351325)。WO200544996号およびWO2006088447号は、癌の治療における4−1BBレセプターアゴニストの使用を記載している。
【0006】
前臨床試験によれば、高用量投与を繰り返すと肝臓リンパ球浸潤の形態で多少の悪影響および骨髄抑制が発生するが、抗4−1BB抗体による治療が安全な毒性プロフィールを有することが示唆されている。単剤療法として用いられる抗4−1BB抗体による治療に対して耐性であるものとして、移植性マウス腫瘍がある。したがって、進行癌および高全身腫瘍組織量の患者には、腫瘍抗原に対する免疫反応を困難にする免疫抑制または許容条件が存在している可能性がある。
【0007】
多数のサイトカインが免疫反応調節において重要な役割を果たすことが明らかにされている。I型インターフェロン(IFNs)は、生体外における細胞株のウイルス感染に対する阻害活性により最初に見出された、サイトカイン活性を有するポリペプチド類である(Pestka、S.、Krause、C.D.およびWalter、M.R.、2004年、Immunol Rev.(免疫レビュー)202巻:8−32)。それらの配列の相同性に応じて、I型インターフェロンは、インターフェロンα(IFN−α)、インターフェロンβ(IFN−β)およびインターフェロンω(IFN−ω)に分類される。IFN−αおよびIFN−βは、ほとんどの有核細胞の表面で発現する単一二量体レセプターを共有する。ヒトゲノムおよびマウスゲノムの両方は、IFN−βをコードする単一遺伝子を含み、一方でIFN−αをコードする12または13の機能遺伝子を含む。これらのサイトカインの機能は、複数種類のウイルス感染に対する免疫反応に極めて重要である。この理由は、これらは、感染細胞のアポトーシス誘発死およびウイルス複製阻害を促進する機構を開始するとともに、同時に、抗原提示を促進するからである。これは、また、免疫反応におけるNK細胞、B細胞およびT細胞の活性ならびに樹枝状細胞の活性を直接に活性化することによりその機能を実施することが最近実験報告されている(Le Bon A.等、2003年、Nat.Immunol.Vol.:4(10):1009−15;Le Bon A.等、2006年、J.Immunol.Vol.:176(8):4682−4689;Le Bon A.等、2006年、J Immunol.Vol.:176(4):2074−8)。
【0008】
薬剤として、IFN−αは、慢性ウイルス性肝炎の治療に処方され、またいくつかの悪性疾患、例えば黒色腫および慢性骨髄性白血病の治療に使用されている。Murata、M.等、2006年、Cytokine(サイトカイン)、33巻:121−128は、肝細胞癌細胞株に対するインターフェロンαおよびβの抗腫瘍効果、例えば、増殖抑制効果、細胞周期の変化およびアポトーシスについて記載している。IFN−αの抗腫瘍効果は、腫瘍細胞に対する直接アポトーシス促進効果、血管腫瘍細胞に対する抗血管新生効果および抗腫瘍免疫反応に対する効果を高めることによりもたらされる。しかしながら、臨床試験により、腫瘍の治療におけるIFN−αの効力は極めて限定されており、悪影響に対する臨床的利点があまり有益なものではなく、したがって、腫瘍におけるその使用は現在のところ極めて限定されている。
【0009】
異種の化合物を組み合わせて投与することによる癌の治療を記載している多数の文献がある。Martinet、O.等(Journal of the National Cancer Institute(米国立がん研究所雑誌)、2000年、92:931−936)は、インターロイキン12(IL−12)および4−1BBリガンドを担持しているアデノウイルスを投与する遺伝子療法による、マウスモデルにおける肝転移寛解を記載している。Chen、S.等(Molecular Therapy(分子治療)、2000年、2:39−46)は、遺伝子療法とIL−12との組み合わせおよび4−1BBに対するアゴニストモノクローナル抗体の全身放出による、効果的な抗腫瘍CD8+T細胞反応を記載している。IL−12と抗4−1BBとを組み合わせた治療後では、IL−12の有効量が18倍まで減少でき、IL−12を単独で最大用量で投与したときよりも効力が大きいことを記載している。WO2004/093831号は、サイトカイン発現細胞ワクチンと、癌に対する少なくとも一種の治療薬とを組み合わせて投与することを記載している。この方法では、両方の化合物を組み合わせて投与すると、治療効力が化合物を単独で投与したときよりも大きい。
【0010】
これらの理由から、癌に対する免疫反応操作と通常の薬剤治療との組み合わせを含む方法は、治療効力を向上させ、その毒性を減少させる手段である。
【発明の概要】
【0011】
一つの態様によれば、本発明は、少なくとも一種の4−1BBレセプターアゴニストリガンドまたはその機能的に等価な変異体と、少なくとも一種のI型インターフェロンまたはその機能的に等価な変異体とを含んでなる組成物に関する。
【0012】
本発明による組成物の治療用途の観点から、別の態様によれば、本発明は、医薬として用いられる、少なくとも一種の4−1BBレセプターアゴニストリガンドまたはその機能的に等価な変異体と、少なくとも一種のI型インターフェロンまたはその機能的に等価な変異体とを含んでなる組成物に関する。
【0013】
別の態様によれば、本発明は、癌の治療または予防用薬剤を調製するための、本発明に記載の組成物の使用に関する。
【0014】
別の態様によれば、本発明は、本発明による組成物と、薬学的に許容される担体とを含んでなる医薬製剤に関する。
【0015】
別の態様によれば、本発明は、一つまたはいくつかの容器に、
(i)少なくとも一種の4−1BBレセプターアゴニストリガンドまたはその機能的に等価な変異体の薬学的に許容される製剤と、
(ii)少なくとも一種のI型インターフェロンまたはその機能的に等価な変異体の薬学的に許容される製剤と、そして任意に
(iii)少なくとも一種の化学療法化合物の薬学的に許容される製剤と
を含んでなるキットに関する。
【0016】
本発明によるキットの使用は、さらなる発明の態様を構成する。したがって、別の態様によれば、本発明は、医薬に使用される本発明によるキット、または癌の治療または予防用薬剤の調製における使用に関する。
【0017】
別の態様によれば、本発明は、I型インターフェロンまたはその機能的に等価な変異体の、4−1BBレセプターアゴニストリガンドの抗腫瘍効果を促進するための使用に関する。
【0018】
別の態様によれば、本発明は、
(i)4−1BBレセプターアゴニストリガンドまたはその機能的に等価な変異体をコードしているヌクレオチド配列と、
(ii)I型インターフェロンまたはその機能的に等価な変異体をコードしているヌクレオチド配列とを含んでなるポリヌクレオチドであって、
前記双方の配列がともに発現調節配列に先行されてなる、ポリヌクレオチドに関する。
【0019】
別の態様によれば、本発明は、本発明によるポリヌクレオチドを含んでなるベクター、および本発明によるベクターを含んでなる細胞に関する。
【0020】
本発明によるポリヌクレオチド、ベクターおよび細胞の使用は、本発明の別の態様を構成する。したがって、別の態様によれば、本発明は、医薬に使用される本発明のポリヌクレオチド、本発明のベクターおよび本発明の細胞、前記ポリヌクレオチド、ベクターおよび細胞の、癌治療用薬剤の治療における使用、ならびに本発明のポリヌクレオチド、本発明のベクターおよび本発明の細胞と、薬学的に許容される担体とともに含んでなる医薬製剤に関する。
【0021】
別の態様によれば、本発明は、本発明のポリヌクレオチド、または本発明のベクター、または本発明による細胞を含んでなるキットに関する。
【0022】
別の態様によれば、本発明は、医薬に使用される本発明のポリヌクレオチド、本発明のベクターまたは本発明による細胞を含んでなるキットおよび前記キットの、癌の治療または予防用薬剤の調製のための使用に関する。
【0023】
最後に、本発明は、I型インターフェロンをコードするポリヌクレオチドまたはその機能的に等価な変異体の、4−1BBレセプターアゴニストリガンドの抗腫瘍効果を促進するための使用に関する。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1A】図1:雌C57BL/6マウスへの5×10MC38の細胞の皮内接種から得られた皮下腫瘍リンパ節のそれぞれの大きさ(腫瘍病巣の表面積:mm)を追跡した図である。図1Aは、腫瘍細胞接種後の9日目と13日目の2回の投与による異なる処置を施した後の個々の腫瘍の進行を示す図である。異なる群に以下の用量を投与した:腫瘍内PBS食塩水50μl;無関係な特異性を有するポリクローナルラット免疫グロブリンG(腹腔内投与:100μl中100μg);抗−マウス4−1BB(CD137)モノクローナル抗体2A(腹腔内投与:100μl中100μg);組み換えマウスIFN−α4(腫瘍内投与:0.5x10U)と、無関係な特異性を有するポリクローナルラット免疫グロブリンG(腹腔内投与:100μl中100μg)との組み合わせ、または組み換えマウスIFN−α4(腫瘍内投与:0.5x10U)と、抗4−1BB抗体2Aの投与(腹腔内投与:100μl中100μg)との組み合わせ。図1Aの最後のグラフは、組み換えマウスIFN−α4と、抗4−1BB抗体2Aの投与の併用処置が、6匹のマウスのうちの2匹が腫瘍なしで生存したという高い処置効果を有することを示したものである。
【図1B】図1Bは、腫瘍細胞接種後の各実験群の腫瘍表面積(平均±SEM)を示す。
【図1C】図1Cは、組み換えマウスIFN−α4と、抗4−1BB抗体2Aの投与の併用処置が、6匹のマウスのうちの2匹が腫瘍なしで生存したというより高い治療効果を有することを示したものである。
【図2A】図2:両側法とした以外は図1に示すマウスと同様の方法で、2つのMC38腫瘍病巣を背部と腰部の領域の両側に同時に皮内に移植したマウスについての検討。これらの場合において、MC38腫瘍細胞の両側移植から9日目、12日目および15日目の3回の投与によりマウスを処置した。処置は、ポリクローナルラット免疫グロブリンの腹腔内注射と、担体または培地(マウスインターフェロン−αを陰性実験対照として溶解したもの)の腫瘍内注射を病巣のうちの一つだけにすることから構成するか、または抗4−1BBモノクローナル抗体2A(腹腔内投与:100μl中100μg)の投与もしくは両方の処置の組み合わせ(常にインターフェロン−αまたはその担体を対応する対照群に腫瘍内注射をリンパ節のうちの一つのみ(右リンパ節)に注射)から構成した。腹腔内抗4−1BB抗体と、インターフェロン−αの腫瘍内注射とを行った実験群(図2Aの第4番目の一対のグラフ)では、両方の腫瘍リンパ節が完全縮小したマウスの相対数が4/6であったのに対して、図2Aの第3番目の一対のグラフに示す、腹腔内抗4−1−BBと腫瘍内対照担体で処置した実験群における両方の腫瘍リンパ節が完全縮小したマウスの相対数は1/5であった。
【図2B】図2Bは、腫瘍細胞接種後および治療後のマウスの生存率を示す。
【図3A】
【図3B】
【図3C】
【図3D】図3:造血系細胞におけるインターフェロンI型レセプターの発現の有無によるキメラマウス骨髄における腫瘍の進行野生型C57BL/6マウス(WT)群と、C57Bl/6バックグラウンドに対して12回戻し交配したIFNI型レセプター(IFNAR−/−)欠損マウスに、600ラドの致死放射線を照射した。24時間後、供与マウス骨髄細胞(2〜5x10)を移植した。骨髄は、月齢が3カ月未満であるマウスの大腿と脛骨から得た。したがって、レシピエントマウスの造血起源細胞集団は、4〜8週間の再構成期間後の供与マウスからのものである。したがって、造血コンパートメントに完全キメラを有するマウスであると考えられる。6週間後と8週間後の間に、供与骨髄を移植したら、細胞免疫療法実験プロトコルが、図2に示すものと同様に開始した。MC38株からの皮下腫瘍を有するキメラマウスを、背部の両側に腫瘍細胞を皮下移植してから、11日目、14日目および17日目の3回の投与により処置した。抗4−1BB(CD137)モノクローナル抗体の全身注射(腹腔内)と、IFN−αを右側の腫瘍病巣に腫瘍内投与することとを組み合わせた。対照処置を、上記した実験で使用したとの同様におこなった。図3a、図3b、図3cおよび図3dは、IFN−αまたは対照担体で直接処置したリンパ節および非注射リンパ節の両方の腫瘍のサイズの推移を示す。実験は、異なる種類のキメラ(ドナー−レシピエントの組み合わせ)で同一に実施した。異なる群における両方の腫瘍の完全退縮が生じたマウスの数を、図に示す。
【図3E】図3eは、異なる種類のキメラマウスにおける、抗4−1BB抗体とIFN−αとで治療した群における生存率を示す。
【図4A】
【図4B】
【図4C】図4:MC38担持マウスの腫瘍ドレナージリンパ節におけるリンパ球の問題の分析MC38腫瘍細胞を皮下注射した後、上記した実験のところで述べたのと同じようにして、9日目と12日目に異なる処置の組み合わせを実施した。マウスは、二回目の投与をおこなってから24時間後に犠牲にして、移植腫瘍を有する側からリンパ節を摘出した。リンパ節から得た組織を処理し、凝集物のない細胞懸濁液を得た後、意図する種々のリンパ球集団を分析するために、フローサイトメトリー用に免疫蛍光染色をおこなった。図4aは、異なる実験群のリンパ節ドレナージ(LN)における腫瘍特異的TCD8リンパ球の百分率および絶対数を示す。これらの群は、CD8と、セットアサイドH2−Kb四量体のMC38腫瘍の優性抗原エピトープを特徴づけているKSPWFTTLペプチドとの結合についての二重マーキングにより定義される。また、図4bに示すように、CD11c+B220−NK1.1−として定義される通常の細胞(cDC)と、CD11cintB220NK1.1として定義される形質細胞様細胞(pDC)の両方における樹枝状細胞集団においても差が観察された。この実験で、リンパ節ドレナージの総細胞数をさらに数え、数字から、実験群の間には重要な差があることが明らかとなった(図4c)。
【図5A】
【図5B】図5:皮下病巣における腫瘍内IFN−αと、抗−4−1BBモノクローナル抗体による全身治療が、同時肝臓内腫瘍病巣に対して大きな治療効果を示すこの実験では、各マウスに、MC38腫瘍細胞を2種の異なる方法で接種した。まず、上記した実験と同様の方法で皮下注射した。次に、開腹して、腫瘍細胞を肝臓内接種した。処置は、腫瘍を接種してから8日目、10日目および13日目に皮下ノードに、抗4−1BB抗体(または対照としてのポリクローナルラット免疫グロブリン)の腹腔内注射と、IFN−α(または対照担体)の腫瘍内投与とを併用して構成した。肝臓腫瘍についての結果を、腫瘍を接種してから17日後に、試験開腹して、病巣のサイズおよび各実験群の代表的写真の観察を含む観察をおこなった(図5a)。皮下ノードのサイズの推移を図5bに示す。
【発明を実施するための形態】
【0025】
本発明は、異なる治療薬を使用することによる癌の治療に関する。本発明者等は、驚くべきことに、4−1BBレセプターアゴニストリガンドとI型インターフェロンとを併用投与すると、マウスに形成した複数の腫瘍を根絶し、単独で処置に使用したときよりもはるかに大きな効果があることを見出した。
【0026】
理論に拘束されることを意図するものではないが、IFN−αの投与は、悪性組織における、または腫瘍を有する被験者のリンパ球における改変を引き起すものであり、この改変が免疫応答を誘発するよう働き、併用治療の場合には、アゴニスト抗4−1BBレセプター抗体等の4−1BBレセプターアゴニストリガンドの存在下においてこの免疫応答が増幅されるものと思われる。
【0027】
したがって、本発明は、4−1BBレセプターアゴニストリガンドおよびI型インターフェロンを併用投与することにより、4−1BBレセプターアゴニストリガンドおよびI型インターフェロンを別個に投与する場合よりも大きな治療効果を得ることができる、癌の治療に関する。
【0028】
したがって、一つの態様によれば、本発明は、少なくとも一種の4−1BBレセプターアゴニストリガンドおよび少なくとも一種のI型インターフェロンを含んでなる、組成物(以下、本発明の組成物と称する)に関する。
【0029】
本発明において、4−1BBレセプターアゴニストリガンドおよびI型インターフェロンは、本発明の組成物の「抗腫瘍剤」または「活性物質」または「活性成分」であると考えられ、したがって、これらの表現は、それらに言及する説明全体を通じて区別なく使用される。
【0030】
本発明において、「4−1BBレセプターアゴニストリガンド」は、4−1BBレセプター(CD137レセプターとしても知られている)に特異的に結合し、結合すると、前記レセプターとその天然リガンド(4−1BBLまたはCD137−L)との結合に特徴的な共刺激信号、または前記レセプターとアゴニスト4−1BBレセプターとの結合から得られる他の信号の一部を刺激することができるリガンドとして理解される。
【0031】
Wilcox、R.等、2002年、J.Clin.Invest.Vol.109(5):651−659に記載の生体外T細胞成長共刺激など、4−1BBレセプターアゴニストリガンドの活性を検出するのに使用できる多種多様な免疫アッセイが存在する。簡単に述べれば、前記アッセイは、4−1BBアゴニストリガンド、例えば、抗4−1BBモノクローナル抗体の存在下にT細胞培養液を置き、トリチウムを組み込むことによりT細胞増殖を測定することからなる。代替法としては、WO2005035584号に記載のように、前記リガンドに露出した後、T細胞におけるサイクリンD2発現レベルの変化を検出することにより、4−1BBアゴニストリガンドのアゴニスト活性を検出ことが挙げられる。
【0032】
4−1BBレセプターアゴニストリガンドとしては、例えば、(i)4−1BBレセプターの天然リガンド、または4−1BBレセプターに結合し、その結果共刺激信号を誘発する能力を保存しているその機能的に等価な変異体、または(ii)4−1BBレセプターに対するアゴニスト抗体、または4−1BBレセプター、より詳細には前記レセプターの細胞外ドメインに特異的に結合し、このレセプターおよび関連タンパク質により制御される共刺激信号の一部を誘発できるその機能的に等価な変異体がある。結合特異性は、ヒト4−1BBレセプター、または異なる種のヒトレセプターに相同の4−1BBレセプターに対するものであることができる。
【0033】
したがって、本発明の組成物のある特定の態様によれば、少なくとも一種の4−1BBレセプターアゴニストリガンドは、4−1BBレセプターの天然リガンドまたはその機能的に等価な変異体である。ヒトおよびマウス天然4−1BBレセプターリガンドは、当該技術分野において知られている。ヒト4−1BBレセプターリガンドは、配列が受け入れ番号P41273でUniprotデータベースにおさめられており、配列が受け入れ番号U03398(配列番号1)でGenEMBLデータベースにおさめられているポリヌクレオチドによりコードされている、254アミノ酸ペプチドに対応している。マウス4−1BBレセプターリガンドは、配列が受け入れ番号P41274でUniprotデータベースにおさめられており、配列が受け入れ番号L15435(配列番号2)でGenEMBLデータベースにおさめられているポリヌクレオチドによりコードされている、ペプチドに対応している。4−1BBレセプターリガンドは、II型膜タンパク質である。したがって、本発明は、完全タンパク質(ヒトタンパク質およびマウスタンパク質についてそれぞれ配列番号3および4)およびその細胞外領域(ヒトタンパク質およびマウスタンパク質についてそれぞれ配列番号5および6)の使用を意図している。したがって、本発明は、マウスタンパク質(米国特許第6,355,779号に記載されているようなもの)、可溶型4−1BBとFc領域との間の融合タンパク質(米国特許第6,355,779号に記載されているようなもの)、免疫グロブリン分子およびその二量体(米国特許第6,355,779号に記載されているようなもの)、4−1BBレセプターリガンドの可溶性画分の三量体(WO2007000675号に記載されているようなもの)、WO2004069876号に記載されているような、4−1BBレセプターリガンドの細胞外ドメインと、リンカーと、T細胞に存在し、その活性化を促進することができるレセプターについての特異的免疫グロブリンの軽鎖および重鎖の可変領域に対応する領域とにより形成されている融合タンパク質の三量体のアミノ酸106〜309を含んでなる可溶型4−1BBレセプターリガンドの使用を意図している。
【0034】
4−1BBレセプター天然リガンドの機能的に等価な変異体は、天然の4−1BBリガンド配列の一つ以上のアミノ酸を挿入、置換または削除することにより得られる配列のポリペプチドであり、少なくとも部分的に前記したアッセイにより測定される4−1BBレセプターを刺激する能力を保存しているポリペプチドであるとして理解される。好ましくは、天然4−1BBリガンドの変異体は、前記リガンドと、配列が、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、または少なくとも99%同一である。変異体と天然リガンドとの間の同一度は、コンピュータアルゴリズムおよび当業者に広く知られている方法により求める。好ましくは、2つのアミノ酸配列の間の同一性は、BLASTPアルゴリズム(BLASTマニュアル、Altschul、S.等、NCBI NLM NIH Bethesda、Md.20894、Altschul、S.等、J.Mol.Biol.21 5:403−410(1990年)を使用して求める。
【0035】
本発明の組成物の別の特定の実施態様によれば、少なくとも一種の4−1BBレセプターアゴニストリガンドは、いずれかの種類またはサブクラスの免疫グロブリン、例えば、IgG、IgM、IgA、IgDおよびIgEであることができるアゴニスト抗4−1BBレセプター抗体である。特定の実施態様によれば、前記アゴニスト抗4−1BBレセプター抗体の少なくとも一種は、IgG−2A型免疫グロブリンである。
【0036】
本発明によれば、用語「抗体」は、広義において解釈されるべきであり、意図する抗原を認識することができ、4−1BBレセプターまたは前記レセプターの細胞外ドメインに特異的に結合できることを条件に、多特異的、ポリクローナル、モノクローナル抗体、およびそれらのF(ab´)2フラグメント、Fabフラグメントを含む。
【0037】
本発明によれば、「アゴニスト4−1BBレセプター抗体」は、4−1BBレセプターまたは前記レセプターの細胞外ドメインに特異的に結合でき、4−1BBレセプターおよび関連タンパク質により制御される共刺激信号の一部を誘発する抗体であると理解される。本発明に関連して使用される抗体には、例えば、ポリクローナル抗体、モノクローナル抗体、組み換え抗体、キメラ抗体、ヒト化抗体、完全ヒト抗体などが挙げられるが、これらには限定されない。
【0038】
ポリクローナル抗体は、本来は、抗原で免疫された動物の血清において産生された抗体分子の異種混合物である。また、これらは、例えば、意図する抗原の単一エピトープのペプチドを用いたカラムクロマトグラフィーにより異種混合物から得た単一特異的ポリクローナル抗体を含む。
【0039】
モノクローナル抗体は、抗原の単一エピトープについての特異的抗体の異種集団である。これらのモノクローナル抗体は、例えば、KohlerおよびMilstein[Nature(ネイチャー)、1975年;256:495−397]またはHarlowおよびLane[「Using Antibodies.A Laboratory Manual(抗体の使用。実験マニュアル)」(E.HarlowおよびD.Lane編):Cold Spring Harbor Laboratory Press(コールド・スプリング・ハーバー研究所雑誌)、Cold Spring Harbor(コールド・スプリング・ハーバー)、ニューヨーク;1998年(ISBN 978−0879695439)]においてすでに記載されている通常の手法により調製することができる。
【0040】
キメラ抗体は、異なる動物種からの抗体をクローニングまたは組み換えすることにより構築されたモノクローナル抗体である。本発明の典型的ではあるがこれには限定されない構成によれば、キメラ抗体は、モノクローナル抗体の一部分、一般的には認識用であり、抗原に結合する部位、およびヒト抗体に対応する他の部分、一般的には一定領域と隣接する一定領域とを含む部分、を含む可変領域(Fv)を含む。
【0041】
完全ヒト抗体は、ヒト免疫システムでトランスジェニック動物において産生されるか、またはヒト免疫細胞の生体外免疫(アジュバントおよび純粋または不純抗原を用いるか、用いない;または抗原を免疫システムにさらす方法による、遺伝子免疫および従来の免疫の両方を含む)により産生されるか、またはヒト免疫細胞から産生した野生型/合成ライブラリーにより産生された抗体(単一種または複数種)である。これらの抗体は、ヒト免疫グロブリン遺伝子がクローニングされ、標的抗原(本発明における4−1BBレセプターを用いた)で免疫するトランスジェニック動物(例えば、マウス)から得て、スクリーニングすることができる。これらの抗体は、ヒトファージ表示一本鎖可変領域(scFv)または抗体結合領域(Fab)をスクリーニングし、続いてヒト抗体にクローニングおよび移植することにより得るか、または両方の鎖の可変領域をクローニングし、続いてそれらをクローニング/変異して抗体ライブラリーを生成することにより生成するライブラリーを産生および表示するための当業者に公知の他の方法により得ることができる。
【0042】
ヒト化抗体は、マウスモノクローナル抗体の超可変相補性決定領域(CDR)を、それ自体の超可変CDR領域の置換でヒト抗体にクローニングおよび移植することにより構築されるモノクローナル抗体である。
【0043】
したがって、本発明の組成物のある特定の実施態様によれば、少なくとも一種のアゴニスト抗4−1BBレセプター抗体は、ヒト化抗体である。4−1BBレセプター特異的ヒト化抗体の例が、WO200410947号に記載されている。
【0044】
さらに、本発明に関連して、用語「抗体」は、WO2006088447号に記載のような変化したグリコシル化パターンを有する変異体、およびタンパク質から得られたか、または組み換え技術により得られたグリコシル化抗体または非グリコシル化抗体断片で、(i)結合ペプチドにより互いに結合した可変抗体領域(scFv)、(ii)システインによるか、または結合ペプチドおよびジスルフィドブリッジにより軽鎖に結合した重鎖(Fd)の一定領域CH1に隣接する可変領域(scFab)、(iii)重鎖単独などの新しい変異体、または(iv)より類似、より小さい免疫原性(ヒト化)、または体液中でより安定にするため、および4−1BBレセプターに特徴的な共刺激信号の一部を産生する能力を有するように抗体断片について実施した改変、からなることができる。
【0045】
本発明に記載されているアゴニスト4−1BBレセプター抗体は、当業者に周知の、通常の組み換えまたは遺伝子工学法、抗体産生のための通常の方法、体液または組織からの抽出および精製、またはタンパク質および抗体を得るための他の通常の方法により得ることができる。4−1BBレセプターアゴニストが抗体であるときには、とりわけ以下の方法を用いて得ることができるが、これらには限定されない:ヒト免疫グロブリン遺伝子用トランスジェニック動物を含む動物における免疫法、ハイブリドーマによるモノクローナル抗体の産生、天然、合成、または意図する抗原に対して免疫した生物由来であることができ、異なる提示法(ファージ提示法、リボソーム提示法など)により、そして続いて遺伝子工学法によりスクリーニングでき、再設計し、異なるサイズ、組成および構造を有する組み換え抗体を産生するように設計されたベクターで発現されることができる抗体ライブラリーによる産生。抗体を産生および精製するための主要な方法については、例えば、以下の文献で概説されている:
・「Handbook of Therapeutic Antibodies(治療抗体ハンドブック)」(S.Dubel編):Wiley−VCH、2007年:I〜III巻(ISBN 978−3527314539);
・「Antibodies(抗体):第1巻:Production and Purification(産生および精製)」(G.Subramanian編):Springer(スプリンガー)、第一版、2004年(ISBN 978−0306482458);
・「Antibodies(抗体):第2巻:Novel Technologies and Therapeutic Use(新技術および治療上の使用)」、(G.Subramanian編):Springer(スプリンガー)、第1版、2004年(ISBN 978−0306483158);
・「Molecular Cloning(分子クローニング):a Laboratory manual(実験マニュアル)」、(J.SambrookおよびD.W.Russel編)、Publisher(発行者):Cold Spring Harbor Laboratory Press(コールド・スプリング・ハーバー研究所雑誌)、第3版、2001年(ISBN 978−0879695774)。
【0046】
より詳細には、WO98/16249号、WO2004/010947号、米国特許2004/0109847号および米国特許2005/0013811号に記載の方法のいずれも(これらの全体は引用することにより本明細書の開示の一部とされる)、4−1BBレセプターに特異的に結合する抗体を産生し、得るのに使用できる。
【0047】
上記したように、本発明の組成物は、少なくとも一種の4−1BBレセプターアゴニストリガンドおよび一種のI型インターフェロンを含んでなる。本発明の薬剤の調製において使用されるそれらの少なくとも一種のインターフェロンは、IFN−α、IFN−β、IFN−δ、IFN−ε、IFN−κ、IFN−τおよびIFN−ωなどのいずれかの種類のI型インターフェロンである。
【0048】
特定の実施態様によれば、本発明の組成物に含まれてなる少なくとも一種のI型インターフェロンは、インターフェロンアルファ(IFN−α)およびインターフェロンベータ(IFN−β)を含んでなる群より選択される。
【0049】
I型インターフェロンがIFN−αであるとき、ヒトIFN−α遺伝子ファミリーのメンバーであるいずれかの遺伝子によりコードされているいずれかのインターフェロンに対応するものであることができる。特定の実施態様によれば、少なくとも一種のI型インターフェロンは、IFN−α2a、IFN−α2b、IFN−α4、IFN−α5、IFN−α8およびそれらの組み合わせの群から選択されるIFN−αであり、医薬製剤における他の物質との組み換えも含む。
【0050】
I型インターフェロンの種類の一覧、特に本発明で使用することができるIFN−αおよびIFN−βが、Bekisz等(Growth Factors(成長因子)、2004年;22:243−251)およびPetska等(Immunological Reviews(免疫レビュー)、2004年;202:8−32)に記載されている。IFN−αn1(リンパ芽球由来)またはIFN−α3[センダイウイルス(または他のウイルス)またはウイルス粒子で刺激したヒト白血球により産生されたインターフェロンの組み合わせ]などのインターフェロンの組み合わせは、例えば、さらに本発明の組成物を調製するのに使用できる。
【0051】
使用されるI型インターフェロンの由来がなんであるかは、本発明の重要な態様を構成しない。I型インターフェロンは、体液または組織から抽出および精製した天然起源のものでもよく、またはSambrookおよびRussel(「Molecular Cloning(分子クローニング):a Laboratory manual(実験マニュアル)」(J.SambrookおよびD.W.Russel編)2001年、第3版、Cold Spring Harbor(コールド・スプリング・ハーバー)、ニューヨーク)に記載されているような通常の組み換えまたは遺伝子工学法、当該技術分野において記載されている合成法またはいずれかの別の通常の方法により製造したものであってもよい。
【0052】
本発明のある特定の実施態様によれば、本発明の組成物に含まれてなる少なくとも一種のI型インターフェロンは、ペグ型である。ペグ型インターフェロンの調製についてのいくつかの例が、米国特許第5,762,923号および米国特許第5,766,582号に記載されている。さらに、すでに市販されているペグ型または非ペグ型インターフェロンの一部を使用することも可能である。これらには、配列が天然の配列とは正確には対応していないコンセンサス配列である、Hoffmann La Roche社のROFERON−A(組み換えヒトIFN−α2a)およびPEGASYS(ペグIFN−α)、Schering社のINTRON−A(ヒト組み換えIFN−α2b)およびPEG−INTRON(ペグIFN−α2b)、Interferon Sciences社のALFERON−N(IFN−α3n、天然インターフェロンの組み合わせ)、またはInterMune Pharmaceuticals社のIFNERGEN(IFN−αcon1)などがあるが、これらには限定されない。例えば、Biogen Idec社のAVONEX(IFN−β1a)、EMD Serono社のREBIF(IFN−β1a)、およびBayer Health Care社のBETASERON(IFN−β1b)などのIFN−β製剤も含まれる。
【0053】
別の特定の実施態様によれば、本発明の組成物は、さらに化学療法化合物を含んでなる。
【0054】
本発明によれば、「化学療法化合物」は、アルキル化剤、アルカロイド、代謝拮抗剤、抗腫瘍抗体、ニトロソウレア、アナログアンタゴニスト/アゴニスト、免疫調節剤、酵素などの癌の治療に使用されている化合物または薬剤として理解される。WO2004/093831号の表1および2に、本発明を実施するのに有用な化学療法剤が記載されている。
【0055】
本発明によれば、癌の治療における4−1BBレセプターアゴニストリガンドとI型インターフェロンを併用投与すると、リガンドとインターフェロンを別個に投与する場合よりも治療効果が大きい。
【0056】
したがって、別の態様によれば、本発明は、医薬に使用される、本発明に記載の組成物に関する。
【0057】
別の態様によれば、本発明は、癌の治療または予防の薬剤を調製するための、本発明に記載の組成物の使用に関する。
【0058】
別の態様によれば、本発明は、癌の治療または予防のための、本発明に記載の組成物に関する。
【0059】
本発明に関連して、「抗腫瘍治療」、「癌の治療」または「癌の予防」は、4−1BBレセプターアゴニストリガンドとI型インターフェロンとを併用投与して、例えば、癌または腫瘍の症状、合併症または生化学的適応症の発症を予防または遅延させたり、その症状を軽減したり、またはその成長および進行、例えば、転移の発生を停止または阻害したりすることとして理解される。治療は、病気の発症の遅延またはその臨床的または準臨床的症状を呈するのを防ぐ予防的治療であるか、または疾病の発現後または外科的もしくは放射線治療に関連した症状を除去または軽減するための治療処置であることができる。
【0060】
本発明の組成物で治療する癌は、いずれの種類の癌または腫瘍であってもよい。これらの腫瘍または癌には、血液癌(白血病またリンパ腫など)、神経腫瘍(星状細胞腫またはグリア芽腫など)、黒色腫、乳癌、肺癌、頭部癌および頸部癌、胃腸腫瘍(胃癌、膵臓癌または結腸癌など)、肝臓癌、腎細胞癌、泌尿生殖器腫瘍(卵巣癌、膣癌、子宮頸癌、膀胱癌、精巣癌、前立腺癌など)、骨腫瘍および血管腫瘍などが挙げられるが、これらには限定されない。
【0061】
したがって、特定の実施態様によれば、本発明の組成物または前記組成物から調製された薬剤を用いて治療または予防される癌は固形腫瘍であり、別の特定の実施態様によれば、結腸癌である。
【0062】
本発明の組成物は、静脈内投与、腹腔内投与、皮下投与、筋肉内投与、局所的投与、経皮投与、鼻腔内投与または気管支内投与などの様々な方法により投与でき、さらに局所または全身または直接標的部位に投与してもよい。活性成分の種々の投与方法、使用される賦形剤、およびそれらを製造するためのプロセスについて、Tratado de Farmacia Galenica、C.Fauli i Trillo、Luzan 5、S.A.de Ediciones、1993年、およびRemington’s Pharmaceutical Sciences(レミングトン製薬科学)(A.R.Gennaro編)、第20版、Williams&Wilkins PA、アメリカ(2000年)で概説されている。
【0063】
投与計画は、医師および臨床学的因子により決定される。医薬においてよく知られているように、投与量は、患者の身体的特徴(年齢、体格、性別)、使用される投与方法、疾病の重症度、使用される特定の化合物および個人の薬物動態特性を含む数多くの因子によって決まる。
【0064】
本発明の組成物は、広範囲で異なることができるが、常に治療上有効な量である、ある量の抗腫瘍剤を含有することができる。
【0065】
本発明によれば、「治療上有効な量」は、腫瘍成長の遅延またはその阻害を生じさせるのに、あるいは抗腫瘍免疫反応の増加を誘発するのに十分である、4−1BBレセプターアゴニストリガンドおよびI型インターフェロンの量として理解される。
【0066】
したがって、本発明の組成物は、0.1〜2,000mg、好ましくは0.5〜500mg、さらに好ましくは1〜200mgの範囲の量の抗腫瘍剤を含むことができる。組成物の好適な投与量は、体重の0.01〜100mg/kg、好ましくは体重の0.1〜50mg/kg、より好ましくは、体重の0.5〜20mg/kgである。この組成物は、1日あたり種々の回数、特に1日あたり1〜4回投与できる。
【0067】
本発明に記載の組成物は、抗腫瘍治療に有用であることが判明した。したがって、別の態様によれば、本発明は、本発明の組成物と薬学的に許容される担体を含んでなる医薬製剤に関する。
【0068】
医薬における使用について、本発明の化合物の組み合わせは、プロドラッグ、塩、溶媒和物またはクラスレートの形態であることができ、これは、単離した形態でも、追加の活性剤と組み合わせた形態でもよい。本発明の化合物の組み合わせは、薬学的見地から許容される賦形剤とともに製剤化できる。本発明に使用するのに好ましい賦形剤には、糖類、デンプン類、セルロース類、ガムおよびタンパク質などがある。特定の実施態様によれば、本発明の医薬組成物は、固体(例えば、液状形態に再構成できる、錠剤、カプセル、糖衣錠、粒剤、坐剤、結晶性または非晶質無菌固形物など)、液体(例えば、液剤、懸濁剤、乳剤、エリキシル剤、ローション剤、油薬など)または半固体(ゲル剤、軟膏剤、クリーム剤など)の医薬剤形に製剤化される。本発明の医薬組成物は、経口、静脈内、筋肉内、動脈内、髄内、髄腔内、脳室内、経皮、皮下、腹腔内、鼻腔内、腸内、局所的、舌下または直腸投与などのいずれかの方法により投与してもよいが、これらには限定されない。活性成分の種々の投与形態、使用される賦形剤およびそれらの製造方法が、Tratado de Farmacia Galenica、C.Fauli i Trillo、Luzan 5、S.A.de Ediciones、1993年、およびRemington’s Pharmaceutical Sciences(レミングトン製薬科学)(A.R.Gennaro編)、第20版、Williams&Wilkins PA、アメリカ(2000年)で概説されている。薬学的に許容される担体の例が当該技術分野において知られており、リン酸緩衝生理食塩水、水、油/水エマルジョンなどのエマルジョン、様々な種類の湿潤剤、滅菌溶液などがある。前記担体を含んでなる組成物は、当該技術分野において知られている通常の方法により製剤化できる。
【0069】
別の態様によれば、本発明は、
(i)少なくとも一種の4−1BBレセプターアゴニストリガンドまたはその機能的に等価な変異体の薬学的に許容される製剤と、
(ii)少なくとも一種のI型インターフェロンまたはその機能的に等価な変異体の薬学的に許容される製剤と、そして任意に
(iii)化学療法化合物の薬学的に許容される製剤と
の一つまたはいくつかの容器を含んでなるキット(以下、本発明のキットと称する)に関する。
【0070】
本発明によれば、「キット」は、輸送、貯蔵および同時または順次投与できるように充填された組成物を構成する種々の活性成分を含んでなる製品として理解される。したがって、本発明のキットは、本発明の活性成分を含有し、一回投与分または複数回投与分で調製できる、一種以上の懸濁剤、錠剤、カプセル、吸入剤、シリンジ、パッチなどを含むことができる。キットは、本発明の組成物を再懸濁するための好適な担体、例えば、食塩水、リンゲル液、乳酸リンゲル液、デキストロースおよび塩化ナトリウムなどの水媒体、アルコール、ポリエチレングリコール、プロピルエチレングリコールなどの水溶性媒体、およびとうもろこし油、綿実油、落花生油、ごま油、オレイン酸エチル、ミリスチン酸イソプロピルおよび安息香酸ベンジルなどの不水溶性担体をさらに含んでなることができる。キットに存在することができる別のコンポーネントは、決まった範囲内に本発明の製剤を維持することができるパッキングである。このようなパッキングを作成するのに好適な材料には、ガラス、プラスチック(ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリカーボネートなど)、ボトル、バイアル、紙、小袋などがある。
【0071】
本発明のキットのある特定の実施態様によれば、少なくとも一種の4−1BBレセプターアゴニストリガンドは、4−1BBレセプターの天然リガンドである。
【0072】
本発明のキットの別のある特定の実施態様によれば、少なくとも一種の4−1BBレセプターアゴニストリガンドは、アゴニスト抗4−1BBレセプター抗体であり、さらに特定の実施態様によれば、IgG−2A型免疫グロブリンまたはヒト化抗体である。
【0073】
本発明のキットの別のある特定の実施態様によれば、少なくとも一種のI型インターフェロンは、IFN−αおよびIFN−βからなる群より選択される。
【0074】
本発明のキットの別のある特定の実施態様によれば、少なくとも一種のI型インターフェロンは、IFN−α2a、IFN−α2b、IFN−α4、IFN−α5、IFN−α8およびそれらの組み合わせの群より選択されるIFN−αである。
【0075】
本発明のキットの別のある特定の実施態様によれば、少なくとも一種のI型インターフェロンはペグインターフェロンである。
【0076】
本発明のキットの種々の使用は、本発明のさらなる態様を構成する。したがって、一態様によれば、本発明は、医薬に使用される、本発明に記載のキットに関する。
【0077】
別の態様によれば、本発明は、癌の治療または予防に使用するための、本発明に記載のキットに関する。
【0078】
別の態様によれば、本発明は、癌の治療または予防の薬剤を調製するための、本発明に記載のキットの使用に関する。ある特定の実施態様によれば、癌は、固形腫瘍または結腸癌である。
【0079】
本発明のキットは、キットに存在する異なる医薬製剤を同時、順次または別個に投与するための説明書をさらに含んでなることができる。したがって、特定の実施態様によれば、本発明のキットは、種々の成分を同時、順次または別個に投与するための説明書をさらに含んでなる。
【0080】
前記説明書は、印刷物の形態でもよいし、または被験者により読み取ることができるように説明書を保存できる電子支持体、例えば、電子記憶媒体(磁気ディスク、テープなど)、光学媒体(CD−ROM、DVD)の形態であってもよい。媒体は、さらにまたは代わりのものとして、前記説明書を提供するインターネットウエブサイトを含んでなることができる。
【0081】
当業者には理解できるように、本発明のキットの医薬製剤、すなわち、少なくとも一種の4−1BBレセプターアゴニストリガンドまたは少なくとも一種のI型インターフェロンまたは化学療法剤を含んでなる薬学的に許容される製剤は、使用される投与方法に従って製剤化される。したがって、特定の実施態様によれば、少なくとも一種の4−1BBレセプターアゴニストリガンドを含んでなる医薬製剤は、その全身投与に好適なように製剤化され、少なくとも一種のI型インターフェロンを含んでなる医薬製剤は、その腫瘍内投与に好適なように製剤化される。さらに、本発明に関連して、I型インターフェロンを含んでなる医薬製剤は、腫瘍組織などの投与部位で持続するか、またはそこから消失するのを遅延するのに好適なように製剤化するのが好ましい。
【0082】
この明細書で上記したように、そしていずれの理論にも拘束されることなく、I型インターフェロンの腫瘍内投与は、悪性組織の改変を生じ、これが免疫反応を誘発し、併用治療では、4−1BBレセプターアゴニストリガンドの存在下でこの免疫反応が増幅されるものと思われる。したがって、本発明に関連して、4−1BBレセプターアゴニストリガンドは、好ましくは、非経口的または全身投与され、I型インターフェロンは、腫瘍内投与される。
【0083】
したがって、別の態様によれば、本発明は、I型インターフェロンまたはその機能的に等価な変異体の、4−1BBレセプターアゴニストリガンドの抗腫瘍効果を促進するための使用に関する。
【0084】
当業者には理解できるように、癌の治療ように4−1BBレセプターアゴニストリガンドとI型インターフェロンを併用投与する代わりに、本発明を実施する別の方法として、4−1BBレセプターアゴニストリガンドとI型インターフェロンをコードするヌクレオチド配列を含んでなるベクターを投与することからなる。ベクターを受容生物において発現させると、したがって、癌の治療についての上記した治療効果を有する対応のタンパク質が産生される。
【0085】
したがって、別の態様によれば、本発明は、
(i)4−1BBレセプターアゴニストリガンドまたはその機能的に等価な変異体をコードしているヌクレオチド配列と、
(ii)I型インターフェロンまたはその機能的に等価な変異体をコードしているヌクレオチド配列とを含んでなるポリヌクレオチドであって、
前記双方の配列がともに発現調節配列に先行されてなる、
ポリヌクレオチド(以下、本発明のポリヌクレオチドと称する)に関する。
【0086】
「機能的に等価な変異体」の定義は、4−1BBリガンドに対応するポリペプチドを含有する組成物に関連して上記した定義と同じである。
【0087】
当業者には、タンパク質の機能性について重要でない位置におけるアミノ酸の同類置換を生じるような4−1BBレセプターアゴニストリガンドのヌクレオチド配列における突然変異が、その全体的な構造または機能性に影響しない、進化について中立的な突然変異であることが理解される。したがって、用語「機能的に等価な変異体」には、(ii)1個以上のアミノ酸の置換、欠失または挿入による4−1BBレセプターアゴニストリガンドのアミノ酸配列から得られる4−1BBレセプターアゴニストリガンドの変異体であり、(ii)元のタンパク質の機能を実質的に維持するものも含まれる。
【0088】
さらに、本発明のポリペプチドのヌクレオチド配列に先立つ発現調節配列は、前記ヌクレオチド配列に動作可能に結合されている。本明細書で使用されている表現「動作可能に結合された」は、ヌクレオチド配列が前記調節配列の制御下のそれらの発現の正しい読み取りフレーム内にあることを意味する。
【0089】
本発明に有用な調節配列は、異種核酸配列の発現を増加させる核促進配列であるか、またはエンハンサー配列および/または他の調節配列であることができる。プロモーターは、構成的または誘導性であることができる。異種核酸配列の一定発現が望ましい場合には、構成的プロモーターが使用される。周知の構成的プロモーターとしては、例えば、サイトメガロウイルス(CMV)前初期プロモーター、ラウス肉腫ウイルスプロモーターなどがある。構成的プロモーターの多数の他の例が、当該技術分野において周知であり、本発明を実施するために使用できる。異種核酸配列の制御された発現が望ましい場合には、誘導性プロモーターを使用する必要がある。非誘導状態では、誘導性プロモーターは、「サイレント」である必要がある。「サイレント」は、インデューサーの不存在下では、異種核酸配列の発現がほとんど検出されないが;インデューサーの存在下では、異種核酸配列の発現が生じるものであると理解される。発現レベルは、インデューサーの濃度を変化させることにより制御できることがよくある。誘導性プロモーターがより強くまたはより弱く刺激されるように、例えば、インデューサーの濃度を変化させてより発現を制御することにより、異種核酸配列の転写生成物の濃度が影響を受ける。異種核酸配列が遺伝子をコードしている場合には、タンパク質の合成量を制御できる。したがって、治療薬の濃度を変化させることができる。周知の誘導性プロモーターとしては、例えば、アンドロゲンもしくはエストロゲンプロモーター、メタロチオネインプロモーター、またはエクジソンに反応するプロモーターがある。他の種々の例が当該技術分野において周知であり、本発明を実施するのに使用できる。構成的および誘導性プロモーター(通常多種多様な細胞または組織型で働く)の他に、組織特異的プロモーターを使用して、細胞または組織における特異的な異種核酸配列の発現に至らすことができる。組織特異的プロモーターの周知の例には、以下のものを含むいくつかの筋特異的プロモーターを含む:骨格α−アクチンプロモーター、心アクチンプロモーター、骨格筋トロポニンCプロモーター、低速収縮心臓トロポニンCプロモーターおよびクレアチンキナーゼプロモーター/エンハンサー。当該技術分野において周知であり、本発明を実施するのに使用できる多数の筋特異的プロモーターがある(筋特異的プロモーターについては、Miller等、(1993年)Bioessays(バイオアッセイ)15:191−196を参照されたい)。
【0090】
ある特定の実施態様によれば、本発明のポリヌクレオチドは、4−1BBレセプターの天然リガンドをコードしている。
【0091】
別のある特定の実施態様によれば、本発明のポリヌクレオチドはアゴニスト抗4−1BBレセプター抗体をコードしており、別のより具体的な実施態様によれば、アゴニスト抗4−1BBレセプター抗体は、IgG−2A型免疫グロブリンである。
【0092】
別のある特定の実施態様によれば、本発明のポリヌクレオチドは、ヒト化アゴニスト抗4−1BBレセプター抗体をコードしている。
【0093】
別のある特定の実施態様によれば、本発明のポリヌクレオチドは、インターフェロンアルファおよびインターフェロンベータを含んでなる群より選択されるI型インターフェロンをコードしている。
【0094】
本発明のポリヌクレオチドの別のある特定の実施態様によれば、I型インターフェロンは、IFN−α2a、IFN−α2b、IFN−α4、IFN−α5、IFN−α8およびそれらの組み合わせの群より選択されるインターフェロンアルファである。
【0095】
本発明のポリヌクレオチドの別のある特定の実施態様によれば、I型インターフェロンは、ペグインターフェロンである。
【0096】
本発明のポリヌクレオチドは、宿主細胞にクローニングするのに好適なベクター内に含めることができる。したがって、別の態様によれば、本発明は、本発明によるポリヌクレオチドを含んでなるベクター(以下、本発明のベクターと称する)に関する。
【0097】
どのベクターを選択するかは、導入される宿主細胞によって定まる。例えば、本発明のベクターは、宿主細胞に導入されるとき、前記細胞のゲノムに組み込まれるか、組み込まれないプラスミドまたはベクターであることができる。前記ベクターは、当業者に公知の方法により得ることができ、例えば、Sambrock等、2001年、「Molecular cloning(分子クローニング):a Laboratory Manual(実験マニュアル)」、第3版、Cold Spring Harbor Laboratory Press(コールド・スプリング・ハーバー研究所雑誌)、ニューヨーク、1〜3巻に記載されている。
【0098】
それにもかかわらず、本発明の範囲において、本発明のベクターは、好ましくは、遺伝子治療用の好適なウイルス性または非ウイルス性ベクターであり、例えば、前記ベクターは、レトロウイルス、アデノウイルスなどに基づくウイルス性ベクター、または、非ウイルスベクターの場合、ベクターはDNAリポソーム、DNAポリマー、DNAポリマーリポソーム複合体などであることができるが[「遺伝子治療用非ウイルスベクター」(Huang、HungおよびWagner編)、Academic Press(アカデミックプレス)(1999年)参照]、これには限定されない。本発明のポリヌクレオチドを含有するウイルスベクターおよび非ウイルスベクターは、従来法によりヒトや動物の体に直接投与できる。また、ベクターは、細胞、例えば、ヒト細胞を含む哺乳動物細胞を、例えば、生体外で形質転換、導入または感染した後、それらをヒトまたは動物の体に移植して、所望の治療効果を得ることができる。被験者への投与のために、前記細胞を、生存能力に悪影響を及ぼさない好適な培地で製剤化する。
【0099】
同様に、当業者に理解されるように、前記ベクターは、とりわけ複数のクローニング部位、発現調節配列、ベクターを導入する宿主細胞に好適な複製起源、選択マーカーなどを含むことができる。
【0100】
別の態様によれば、本発明は本発明のベクターを含んでなる細胞に関する。
【0101】
上記したように、本発明を実行する別の方法は、4−1BBレセプターアゴニストリガンドおよびI型インターフェロンをコードしているヌクレオチド配列を含んでなるベクターを投与することを含んでなる。したがって、ベクターを受容生物で発現すると、癌の治療についての上記した治療効果を示す対応するタンパク質が産生される。
【0102】
したがって、別の態様によれば、本発明は医薬に使用される、本発明のポリヌクレオチド、または本発明のベクター、または本発明の細胞に関する。
【0103】
別の態様によれば、本発明は、癌の治療または予防の薬剤を調製するための、本発明のポリヌクレオチド、または本発明のベクター、または本発明の細胞の使用に関する。
【0104】
別の実施態様によれば、癌は固形腫瘍または結腸癌である。
【0105】
別の態様によれば、本発明は、本発明のポリヌクレオチドを含んでなる医薬製剤、または本発明のベクターまたは本発明の細胞および薬学的に許容される担体に関する。
【0106】
別の態様によれば、本発明は、本発明のポリヌクレオチド、本発明のベクターまたは本発明の細胞を含んでなるキットに関する。
【0107】
別の態様によれば、本発明は、医薬に使用される、本発明のポリヌクレオチド、または本発明のベクター、または本発明の細胞を含んでなるキットに関する。
【0108】
別の態様によれば、本発明は、本発明のポリヌクレオチド、または本発明のベクター、または本発明の細胞を含んでなるキットの、癌の治療または予防の薬剤を調製するための使用に関する。
【0109】
特定の実施態様によれば、薬剤調製用の本発明のポリヌクレオチド、または本発明のベクター、または本発明の細胞を含んでなるキットの使用は、固形腫瘍または結腸癌の治療または予防を目的としている。
【0110】
最後に、別の態様によれば、本発明はI型インターフェロンをコードしているポリヌクレオチドまたはその機能的に等価な変異体の、4−1BBレセプターアゴニストリガンドの抗腫瘍効果を促進するための使用に関する。
【0111】
さらに、本発明は、(i)治療上有効な量の4−1BBレセプターアゴニストリガンドとI型インターフェロンとを、必要に応じて化学療法化合物とともに併用投与するか、または(ii)本発明によるポリペプチド、ベクターまたは細胞を投与することを含んでなる、癌の治療または予防方法に関する。前記方法は、各成分について種々の投与方法を使用することができる、前記リガンドとインターフェロンを別個に、順次にまたは同時に投与することを含んでなることができる。
【0112】
以下、実施例により本発明を説明するが、これらの実施例は本発明の範囲を限定するものではない。
【実施例】
【0113】
4−1BBレセプターアゴニストリガンドとI型インターフェロンとの併用投与によるマウスにおける腫瘍成長の遅延
I.材料と方法
1.1細胞培養
James Mule研究所から入手したMC38株を、最初に熱不活性ウシ胎児血清(GIBCO社)10v/v%、2−メルカプトエタノール50μg/mL、ペニシリン100U/mLおよびストレプトマイシン100μg/mLを補充したRPMI1640培地(GIBCO社)中で培養した。細胞は、付着性であるので、室温でトリプシン溶液(GIBCO社)を用いて5分間インキュベーションすることにより、培養フラスコ(GREINER社)から分離した。細胞を洗浄後、細胞を分割して培養するか、または塩水血清に再懸濁して注射に用いた。細胞数は、ニューバウアーチャンバーにおいて顕微鏡で測定した。
【0114】
1.2腫瘍細胞接種
MC38腫瘍細胞(5x10個)を、28G針を備えたインスリン注射筒により皮内投与するか、細胞懸濁液の漏れを防ぐのに十分である皮下経路で、実験動物に接種した。ハミルトン#710RNシリンジ(100μL)を、肝内接種に使用した。動物を、腹腔鏡検査中イソフルランを用いた麻酔吸入装置により麻酔した。この場合、細胞を、マウスの肝臓の左葉に注射した。
【0115】
1.3実験動物を得ること
C57BL/6腫瘍細胞株(6〜9週齢雌)に関して同系であるマウスは、獣医の監督下で特異的病原体のない動物施設にいたマウスであった。マウスに移植した腫瘍リンパ節を、デジタルゲージで測定することにより、追跡および監視し、腫瘍面積を、2つの垂直径(単位:mm)を乗じることにより算出した。IFNAR−/−マウスは、Jackson社により市販されており、我々の施設のアニマルハウスにおいて交配したものである。
【0116】
1.4抗腫瘍剤を得ること
1.4.1抗4−1BBモノクローナル抗体
抗4−1BBモノクローナル抗体は、マウス4−1BBレセプターを認識し、それに対してアゴニスト効果を生じる(Wilcox RA等、2002年、J Clin Invest.109(5):651−9)、Lieping Chen博士、Mayo Clinic(メイヨー・クリニック)(ロチェスター、ミネソタ州、アメリカ)により得られたハイブリドーマ2A(免疫グロブリンIgG2Aのサブクラス)により産生された。
【0117】
抗体は、製造業者の説明書(Pharmacia社)に従って、プロテインGセファロースを充填した親和性カラムクロマトグラフィーにより、ハイブリドーマ細胞培養液の上清から精製した。溶液中の抗体をリン酸緩衝生理食塩水(PBS)に対して透析し、抗体濃度を、分光分析により、食塩緩衝液と比較して280nMの抗体溶液の吸光度を分析して求めた。抗体は、活性化マウスT細胞に対するその抗原結合能を確認し、汚染エンドトキシンが存在しないことの確認をした後、その使用まで−80℃で保存した。使用した対照抗体は、SIGMA社により製造され、同様の方法で保存されたポリクローナルマウス免疫グロブリンGである。
【0118】
1.4.2I型インターフェロン
マウスIFN−α4を、発現プラスミド(Le Bon A.等、2003年、Nature Immunology(ネイチャー免疫学)、第4巻:1009−1015)を安定的にトランスフェクトしたハイブリドーマ株で産生した。IFN−α4をコードしている遺伝子を、pEE12発現プラスミド(Celltech社)にクローニングした。大腸菌中での増幅後、プラスミドを精製し、トランス遺伝子の配列決定をした。IFN−α4cDNAをコードするpEE12プラスミドを使用して、NSoマウス骨髄腫細胞株をトランスフェクトした。コロニー(クローン)を、スクリーニング培地で成長後スクリーニングし、トランスフェクト細胞の単一コロニーを、IFN−α4の高発現の観点から選択した。細胞を、コレステロール濃縮液(1x;Life Technologies社)を添加した無血清培地で、細胞0.5x10個/mlの密度で10〜15日間培養した。採取した培養液の上清のIFN−α4含量を、ファルコンマイクロプレート(Becton Dickinson社)において単層で培養したL細胞(ATCC番号:CCL−1)での水疱性口内炎ウイルスの細胞変性効果阻害のアッセイにより分析した。IFN−α4製剤は、2x10U/mlの活性を示した。IFN−αの濃度を、IFN−α酵素免疫測定法(ELISA)キット(PBL Biomedical Laboratories社)により検証した。
【0119】
同一であるが、使用する形質転換体を増殖しなかった培地を、対照(対照担体)として使用した。IFN−α4を、標準株(R&D)と比較して、ELISAにより定量化した。
【0120】
1.5抗腫瘍剤の投与
抗体を、腹腔内穿刺および抗体を含有する液を腹膜腔に注入することにより注射した。マウスIFN−α4または対照担体を、28Gインスリン注射筒によりアクセスされる腫瘍リンパ節に注射した。
【0121】
1.6細胞懸濁液をリンパ節から得ること
腫瘍ドレナージリンパ節(鼠径リンパ節)(後者が接種されたのと同じ側)を、37℃で15分間コラゲナーゼ/DNase(Roche社、バーゼル、スイス)でインキュベーションし、機械的に崩壊してから、無菌の細孔径70μmのナイロンメッシュ(BD Falcon社)を通過させた。細胞懸濁液を、異なる蛍光色素に接合した数種のモノクローナル抗体の組み合わせを用いて、直接免疫蛍光法により染色し、フローサイトメトリー(FACS SCAllibur.BD Biosciences社)により分析した。
【0122】
1.7抗体およびフローサイトメトリー
リンパ球(10個/試料)から単離した細胞を、抗CD16/32(2.4G2クローン;BD Biosciences−Pharmingen社)で予備処理して、免疫グロブリンFCレセピターへの結合による非特異的結合を減少させた。以下のモノクローナル抗体を、FACS染色に使用した:抗CD8a−フルオレセインイソチオシアネート(FITC)(53−6.7;eBioscience社)、抗CD3eアロフィコシアニン(APC)(145−2C11;BD Biosciences−Pharmingen社)、抗CD11cAPC(N418;eBioscience社)、抗B220FITC(RA3−6B2;BD Biosciences−Pharmingen社)、抗NK1.1フィコエリトリン(PE)(12−5941;eBioscience社)。細胞を、MC38 KSPWFTTLペプチドをロードした三量体iTAgMHCクラスIでマーキングし、(PE)(Beckman Coulter社)で接合して腫瘍特異的CD8リンパ球を同定した。FACSCaliburフローサイトメトリー(BD Biosciences社)を使用して、試料を獲得および分析した。
【0123】
II.結果
図1に示される結果から分かるように、抗4−1BB抗体2Aの反復投与は、MC38由来の腫瘍成長をわずかに遅延させる。腫瘍細胞を移植してから9日、13日後に抗体100μg(文献における標準投与量)で腹腔内処置した6匹の同系マウス群では、MC38由来腫瘍の腫瘍退縮が観察された。これに対して、マウスの同群に9日目および12日目にIFN−α4(10U/1回投与)を腫瘍リンパ節に反復投与したとき、対照群と比較して腫瘍の進行は変わらない。しかしながら、これらの治療を組み合わせたマウス群では抗腫瘍効果が示され、腫瘍の成長が遅延し、腫瘍が減少し、最終的には6例のうちの2例で腫瘍が消失する。
【0124】
抗腫瘍効果が全身性であるか、すなわち、この効果がI型インターフェロンで腫瘍内処置しない腫瘍リンパ節の位置で示されるかを確認するために、離れて位置する2つの皮下MC38細胞由来リンパ節を、マウスの両脇腹に移植した(図2)。これらの条件で、抗体を、腫瘍細胞の移植後9日目、12日目および15日目の3回、100μgの投与量で腹腔内投与し、2つの同時腫瘍リンパ節の成長を分析した。前記実験条件で、抗4−1BBでの処置および対照担体での一方のみの腫瘍内処置で、腫瘍の成長を遅延する効果が確認され、両方の腫瘍リンパ節で6匹のうちの1匹のマウスが拒絶反応を示した。しかしながら、腫瘍内にインターフェロン−αを3回、処置し、抗4−1BBモノクローナル抗体を同様に腹腔内投与した群は、6匹のマウスのうち4匹で腫瘍の完全な双方の拒絶反応を生じた。生存曲線で分析したこれらのデータは、腫瘍拒絶反応を引き起こすのに、両方の処置の相乗効果があることを示している。
【0125】
処置を組み合わせることで、両方の処置を別個におこなった場合の抗腫瘍効果を改善することを確認後、相乗治療効果が生じる機構(単一または複数)を明らかにする実験をおこなった。第一に、IFNαの効果が必要である細胞集団を明確にする実験をおこなった。この目的のため、ドナー同系マウス由来の骨髄を有するキメラマウスを生成した。したがって、I型インターフェロンレセプターを欠いた骨髄由来の造血幹細胞を有するWTマウスおよび、逆に、WTマウス由来の造血系細胞を有するIFNAR−/−ノックアウトマウスを得ることができた。
【0126】
上記実験と同様の処置プロトコルに準じて、造血幹細胞におけるI型IFNレセプターを欠くと、どのように抗体とIFNαとの組み合わせによる抗腫瘍効果が完全になくなるかを確認した(図3a)。しかしながら、マウスがIFNAR−/−であるが、I型インターフェロンに対して感受性のある正常骨髄を移植した反対の状況では(図3c)、対照キメラにおいて得られた結果に関連した処置をおこなった群において部分的な反応がみられた(図3bおよび3d)。
【0127】
これらの結果は、IFNαが造血起源細胞に対して示す作用が、IFNαと抗4−1BB抗体との間の併用処置法により引き起こされる腫瘍拒絶反応にとって極めて重要であることを示している。
【0128】
これらの処置をおこなったマウスのリンパ節ドレナージにおける細胞集団を比較分析することにより、特異的免疫反応に関して、それに依存した変化が明らかとなった(図4a)。腫瘍担持対照マウスよりも白血球数を4〜5倍多く含むリンパ節において、サイズの増加がみられた(図4c)。フローサイトメトリーアッセイにより、併用処置後、脱H2−KMHCクラスI分子により示されるKSPWFTTL(配列番号7)腫瘍抗原と反応するT CD8+リンパ球の含量が増加(百分率および絶対数において)する傾向を確認することができた。これらの結果は、抗CD8抗体と併用したPEに接合した四量体で免疫染色することにより得られた(図4a)。
【0129】
リンパ球に対する抗原(例えば、腫瘍抗原など)を提示する特殊化した細胞は、樹枝状細胞である。骨髄性または通常の樹枝状細胞(cDC)および形質細胞様樹状細胞(pDC)が顕著である異なるサブ集団に分類される樹枝状細胞がある。モノクローナル抗体での共染色により、これらの細胞を区別し、一覧とすることができる。これらの分析から、IFNαの腫瘍内注射と、併用IFNα+抗4−1BB処置の両方が、数値および百分率での増加を示し、治療反応に関与することができることが分かる(図4b)。
【0130】
併用処置法の長所を確認するために、マウスの肝臓と皮下組織に、MC38株から移植した腫瘍病巣が同時に存在するようにした、マウス腫瘍の実験的状況を作成した。図5aは、IFNαによる皮下病巣の処置と抗4−1BBの腹腔内投与が、どれほど未処置(対照)群にみられない肝臓腫瘍の拒絶反応を引き起こすかを示している。試験開腹における肝臓障害がないことに加えて、図5bに示す実験において、全ての例において完全に拒絶された皮下病巣のサイズが追跡されたのに対して、対照群の腫瘍は、肝臓に存在する同時腫瘍病巣の影響により死亡するまで進行した。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも一種の4−1BBレセプターアゴニストリガンドまたはその機能的に等価な変異体と、少なくとも一種のI型インターフェロンまたはその機能的に等価な変異体とを含んでなる、組成物。
【請求項2】
前記4−1BBレセプターアゴニストリガンドが、前記4−1BBレセプターの天然リガンドである、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
前記4−1BBレセプターアゴニストリガンドが、抗4−1BBレセプター抗体である、請求項1に記載の組成物。
【請求項4】
前記抗4−1BBレセプター抗体が、IgG−2A型免疫グロブリンである、請求項3に記載の組成物。
【請求項5】
前記抗4−1BBレセプター抗体がヒト化抗体である、請求項2、3、または4に記載の組成物。
【請求項6】
前記I型インターフェロンが、インターフェロンアルファおよびインターフェロンベータからなる群から選択されるものである、請求項1〜5のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項7】
前記I型インターフェロンが、IFN−α2a、IFN−α2b、IFN−α4、IFN−α5、IFN−α8およびそれらの組み合わせの群から選択されるインターフェロンアルファである、請求項6に記載の組成物。
【請求項8】
少なくとも一種のI型インターフェロンが、ペグインターフェロンである、請求項1〜7のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項9】
化学療法化合物をさらに含んでなる、請求項1〜8のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項10】
医薬として使用される、請求項1〜9のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項11】
癌の治療または予防用の薬剤を調製するための、請求項1〜9のいずれか一項に記載の組成物の使用。
【請求項12】
前記癌が固形腫瘍である、請求項11に記載の使用。
【請求項13】
前記癌が結腸癌である、請求項11に記載の使用。
【請求項14】
請求項1〜9のいずれか一項に記載の組成物と薬学的に許容される担体とを含んでなる、医薬製剤。
【請求項15】
一つまたはいくつかの容器に、
(i)少なくとも一種の4−1BBレセプターアゴニストリガンドまたはその機能的に等価な変異体の薬学的に許容される製剤と、
(ii)少なくとも一種のI型インターフェロンまたはその機能的に等価な変異体の薬学的に許容される製剤と、そして任意に
(iii)少なくとも一種の化学療法化合物の薬学的に許容される製剤と
を含んでなる、キット。
【請求項16】
前記4−1BBレセプターアゴニストリガンドが、前記4−1BBレセプターの天然リガンドである、請求項15に記載のキット。
【請求項17】
前記4−1BBレセプターアゴニストリガンドが、アゴニスト抗4−1BBレセプター抗体である、請求項16に記載のキット。
【請求項18】
前記アゴニスト抗4−1BBレセプター抗体が、IgG−2A型免疫グロブリンである、請求項17に記載のキット。
【請求項19】
前記アゴニスト抗4−1BBレセプター抗体がヒト化抗体である、請求項16、17、または18に記載のキット。
【請求項20】
前記I型インターフェロンが、インターフェロンアルファおよびインターフェロンベータからなる群から選択されるものである、請求項15〜19のいずれか一項に記載のキット。
【請求項21】
前記I型インターフェロンが、IFN−α2a、IFN−α2b、IFN−α4、IFN−α5、IFN−α8およびそれらの組み合わせの群から選択されるインターフェロンアルファである、請求項20に記載のキット。
【請求項22】
前記I型インターフェロンがペグインターフェロンである、請求項15〜21のいずれか一項に記載のキット。
【請求項23】
医薬に使用される、請求項15〜22のいずれか一項に記載のキット。
【請求項24】
異なる成分を同時、順次または別個に投与するための説明書をさらに含んでなる、請求項15〜23のいずれか一項に記載のキット。
【請求項25】
請求項15〜24のいずれか一項に記載のキットの、癌の治療または予防用薬剤の調製における使用。
【請求項26】
前記癌が固形腫瘍である、請求項25に記載の使用。
【請求項27】
前記癌が結腸癌である、請求項26に記載の使用。
【請求項28】
前記異なる成分の別個の投与が、前記4−1BBレセプターアゴニストリガンドを全身投与することを含んでなる、請求項25〜27のいずれか一項に記載の使用。
【請求項29】
前記異なる成分の別個の投与が、前記I型インターフェロンを腫瘍内投与することを含んでなる、請求項25〜29のいずれか一項に記載の使用。
【請求項30】
I型インターフェロンまたはその機能的に等価な変異体の、4−1BBレセプターアゴニストリガンドの抗腫瘍効果を促進するための使用。
【請求項31】
(i)4−1BBレセプターアゴニストリガンドまたはその機能的に等価な変異体をコードしているヌクレオチド配列と、
(ii)I型インターフェロンまたはその機能的に等価な変異体をコードしているヌクレオチド配列とを含んでなるポリヌクレオチドであって、
前記双方の配列がともに発現調節配列に先行されてなる、ポリヌクレオチド。
【請求項32】
前記4−1BBレセプターアゴニストリガンドが、前記4−1BBレセプターの天然リガンドである、請求項31に記載のポリヌクレオチド。
【請求項33】
前記4−1BBレセプターアゴニストリガンドが、アゴニスト抗4−1BBレセプター抗体である、請求項31に記載のポリヌクレオチド。
【請求項34】
前記アゴニスト抗4−1BBレセプター抗体が、IgG−2A型免疫グロブリンである、請求項33に記載のポリヌクレオチド。
【請求項35】
前記アゴニスト抗4−1BBレセプター抗体が、ヒト化抗体である、請求項32、33、または34に記載のポリヌクレオチド。
【請求項36】
前記I型インターフェロンが、インターフェロンアルファおよびインターフェロンベータからなる群から選択されるものである、請求項31〜35のいずれか一項に記載のポリヌクレオチド。
【請求項37】
前記I型インターフェロンが、IFN−α2a、IFN−α2b、IFN−α4、IFN−α5、IFN−α8およびそれらの組み合わせの群から選択されるインターフェロンアルファである、請求項36に記載のポリヌクレオチド。
【請求項38】
前記I型インターフェロンが、ペグインターフェロンである、請求項31〜37のいずれか一項に記載のポリヌクレオチド。
【請求項39】
請求項31〜38のいずれか一項に記載のポリヌクレオチドを含んでなる、ベクター。
【請求項40】
請求項39に記載のベクターを含んでなる、細胞。
【請求項41】
医薬に使用するための、請求項31〜38のいずれか一項に記載のポリヌクレオチド、請求項39に記載のベクターまたは請求項40に記載の細胞。
【請求項42】
請求項31〜38のいずれか一項に記載のポリヌクレオチド、請求項39に記載のベクターまたは請求項40に記載の細胞の、癌の治療または予防用薬剤の調製における使用。
【請求項43】
前記癌が、固形腫瘍である、請求項42に記載の使用。
【請求項44】
前記癌が、結腸癌である、請求項42に記載の使用。
【請求項45】
請求項31〜38のいずれか一項に記載のポリヌクレオチド、請求項39に記載のベクターまたは請求項40に記載の細胞および薬学的に許容される担体を含んでなる、医薬製剤。
【請求項46】
請求項31〜38のいずれか一項に記載のポリヌクレオチド、請求項39に記載のベクターまたは請求項40に記載の細胞を含んでなる、キット。
【請求項47】
医薬に使用される、請求項46に記載のキット。
【請求項48】
請求項46に記載のキットの、癌の治療または予防用薬剤の調製のための使用。
【請求項49】
前記癌が、固形腫瘍である、請求項48に記載の使用。
【請求項50】
前記癌が、結腸癌である、請求項48に記載の使用。
【請求項51】
I型インターフェロンまたはその機能的に等価な変異体をコードしているポリヌクレオチドの、4−1BBレセプターアゴニストリガンドの抗腫瘍効果を促進するための使用。

【図1A】
image rotate

【図1B】
image rotate

【図1C】
image rotate

【図2A】
image rotate

【図2B】
image rotate

【図3A】
image rotate

【図3B】
image rotate

【図3C】
image rotate

【図3D】
image rotate

【図3E】
image rotate

【図4A】
image rotate

【図4B】
image rotate

【図4C】
image rotate

【図5A】
image rotate

【図5B】
image rotate


【公表番号】特表2011−503039(P2011−503039A)
【公表日】平成23年1月27日(2011.1.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−532625(P2010−532625)
【出願日】平成20年11月7日(2008.11.7)
【国際出願番号】PCT/ES2008/000693
【国際公開番号】WO2009/060112
【国際公開日】平成21年5月14日(2009.5.14)
【出願人】(506061716)プロイェクト、デ、ビオメディシナ、シーマ、ソシエダッド、リミターダ (34)
【氏名又は名称原語表記】PROYECTO DE BIOMEDICINA CIMA, S.L.
【出願人】(509000747)アンスティトゥー ナショナル ドゥ ラ サンテ エ ドゥ ラ レシェルシュ メディカル(イエヌエスエエールエム) (6)
【Fターム(参考)】