説明

発光キーボード

【課題】本発明は複数キー、薄膜回路基板、発光部材以及び台座からなる発光キーボード提供する。
【解決手段】発光部材は発光キーボードの光源として用いられ、台座は複数キー、薄膜回路基板以及び発光部材を載置するためのものである。本発明の薄膜回路基板のうちの少なくとも1つの部材が導光材質で製作されて、薄膜回路基板が導光機能を備えることから、簡素化構造でキーボード厚みを抑える効果を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はキーボードに関する。より詳しくは発光機能を備えたキーボードに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、情報産業の急速な発展により、多くのユーザーが異なる環境でノートパソコンやPDA等のようなハンディタイプの情報装置を使用している。しかし、光線が乏しい環境では、ユーザーはキーボードのキー上に表示される数字や文字が読取れずに作業が困難となる虞があり、深刻な場合、無理にキー表示を識別しようとして視力が損なわれることもある。このため、発光キーボードが発売され、光線が不足する場所でキーボードを使用する不便が改善された。さらに、異なる発光の配置によって、発光キーボードを使用した情報装置を見た目に美しく、販路を拡張することもできる。
【0003】
図1は従来の発光キーボードの構造の断面概略図である。発光キーボード1はケーシング10、光反射片11、導光板12、薄膜回路基板13、弾性体14、複数キー15以及び発光部材16で構成され、薄膜回路基板13は第1フレキシブル回路基板131、第2フレキシブル回路基板132及び第1フレキシブル回路基板131と第2フレキシブル回路基板132の間にあるスペーサー133を有し、第1、第2フレキシブル回路基板131、132及びスペーサー133は何れもポリカーボネート(PC)又はポリエチレン(PE)等の透明材質で製作される。また、第1フレキシブル回路基板131は複数キー15の複数に対応する上接点1311を有し、第2フレキシブル回路基板132は複数キー15に対応する複数の下接点1321を有し、スペーサー133は複数キー15に対応する複数接点孔1331を有する。
【0004】
ユーザーが何れかのキー15を押下すると、これに対応する上接点1311が対応する接点孔1331を通じて対応する下接点1321に接触することによって、電気的に導通して発光キーボード1がキー信号を生じる。また、発光部材16は導光板12の両側に取り付けられ、光線を提供して導光板12に入射するのに用いられ、導光板12は均等に光線を薄膜回路基板13、弾性体14、及び複数キー15に上向きに投射して、複数キー15が発光効果を生じ、また、発光部材16が提供する光線を完全に利用するために、導光板12が下向きに投射した光線が光反射片11にサポートされて光線を上向きに反射することができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
以上の通り、従来の発光キーボードの欠点はその構造が幾層も必要となり、製造コストが掛かるだけでなく、組立てにも時間を要し、しかも構成部材の数量が多いことから厚みを抑え難く、昨今の製品薄型化のニーズに対応することができない。
【0006】
本発明は、組立て構造を簡素化して製造コストを抑制し、キーボードの厚みを抑えた発光キーボードを提供することを主目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
好ましい実施形態において本発明は、複数キーと、複数キーに対応する複数の薄膜スイッチを取り付けた薄膜回路基板と、発光キーボードの光源として用いる少なくとも1つの発光部材と、薄膜回路基板の下方に取り付け、複数キー、薄膜回路基板及び発光部材を載置するための台座とを含み、薄膜回路基板はさらに、複数の上接点を有する第1回路パターンを備えた第1フレキシブル回路基板と、複数の接点孔を有するスペーサーと、第1フレキシブル回路基板と共にスペーサーを挟持し、複数の上接点と複数の接点孔に対応する複数の下接点を有する第2回路パターンを備えた第2フレキシブル回路基板とを含み、第1フレキシブル回路基板、スペーサー及び第2フレキシブル回路基板のうち少なくとも何れか1つが導光材質で製作されたことを特徴とする発光キーボードを提供する。
【0008】
好ましい実施形態において、発光部材は第2フレキシブル回路基板の側縁に取り付けられ又は薄膜回路基板内に嵌め込まれる。
【0009】
好ましい実施形態において、発光部材は可視光を提供するLEDである。
【0010】
好ましい実施形態において、発光部材は不可視光を提供するLEDであって、複数キー、導光板、フレキシブル回路基板又は台座は蛍光剤が添加され、不可視光を可視光に変換する。
【0011】
好ましい実施形態において、台座は発光部材が提供する光線を反射するための金属鏡面の材質からなる載置面を備える。
【0012】
好ましい実施形態において、第1フレキシブル回路基板はポリエチレンテレフタラート(PET)材質で製作される。
【0013】
好ましい実施形態において、導光材質はポリカーボネート(PC)材質又はポリメチルメタクリレート(PMMA)材質であり、導光材質で製作された第1フレキシブル回路基板、スペーサー又は第2フレキシブル回路基板には発光部材が提供する光線を伝導するための複数個のメッシュポイントを有する。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、発光キーボードの構造を効果的に簡素化すると共に、発光キーボードの厚みを抑えて、組立てが一層容易となるだけでなく、製造コストも節減される。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】従来の発光キーボードの構造の断面概略図である。
【図2】本発明に係る発光キーボードにおける好ましい実施形態の構造の断面概略図である。
【図3】図2に示す発光キーボードの局部の拡大図である。
【図4】本発明に係る発光キーボードにおける好ましい実施形態の薄膜回路基板の分解斜視図である。
【図5】本発明に係る発光キーボードにおける好ましい実施形態で導光材質で製作された第2フレキシブル回路基板の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明を実施するための形態について、図面に基づいて詳細に説明する。図2は本発明に係る発光キーボードにおける好ましい実施形態の構造の断面概略図であり、図3は図2に示す発光キーボードの局部の拡大図である。発光キーボード2は台座20、複数キー21、薄膜回路基板22、弾性体23及び発光部材24で構成され、薄膜回路基板22は第1フレキシブル回路基板221、第2フレキシブル回路基板222及び第1フレキシブル回路基板221と第2フレキシブル回路基板222に共に挾持されたスペーサー223からなる。
【0017】
図4は本発明に係る発光キーボードの薄膜回路基板の分解斜視図である。第1フレキシブル回路基板221は複数キー21に対応する複数の上接点22111を有する第1回路パターン2211を備え、第2フレキシブル回路基板222は複数キー21に対応する複数の下接点22211を有する第2回路パターン2221を備え、複数の上接点22111と複数の下接点22211の間はスペーサー223で仕切られ、スペーサー223には複数の上接点22111と複数の下接点22211に対応する複数の接点孔2231を有し、ユーザーが何れかのキー21を押下すると、これに対応する上接点22111が対応する接点孔2231を通じて対応する下接点22211に接触することによって、電気的に導通して発光キーボード2がキー信号を生じる。また、台座20は薄膜回路基板22の下方に取り付けられ、載置面210を備えて複数キー21、薄膜回路基板22及び発光部材24を載置し、弾性体23は複数キー21と薄膜回路基板22の間に取り付けられて、キー21を押下する力が停止すると現状を回復することができる弾性力を提供する。
【0018】
第1フレキシブル回路基板221、第2フレキシブル回路基板222及びスペーサー223は何れも透明材質で、第1フレキシブル回路基板221、第2フレキシブル回路基板222及びスペーサー223のうちの何れか1つが導光材質で製作されるが、当然ながら、第1フレキシブル回路基板221、第2フレキシブル回路基板222及びスペーサー223を全て導光材質で製作することもできる。
【0019】
但し、本発明を限定するためでないことが好ましく、本実施形態では、第1フレキシブル回路基板221はポリエチレンテレフタラート(PET)材質で製作され、第2フレキシブル回路基板222は導光材質で製作されるが、導光材質はポリカーボネート(PC)材質又はポリメチルメタクリレート(PMMA)材質でもよい。図5は本発明に係る発光キーボードにおける好ましい実施形態で導光材質で製作された第2フレキシブル回路基板の概略図である。導光材質は高反射率で光を吸収しない特性を備えている必要があり、導光材質で製作された第2フレキシブル回路基板222上には、発光部材24が提供する光線を伝導するための複数個のメッシュポイント2222を有し、複数個のメッシュポイント2222の位置が適確に配置されると第2フレキシブル回路基板222の光学的特性が高輝度で輝度が均等であるという要件を満たすが、複数個のメッシュポイント2222の位置を設計する方法は当業者の知る所であるので、ここではこれ以上記述しない。
【0020】
また、発光部材24は発光キーボード2の光源として用いられ、第2フレキシブル回路基板222の側縁に取り付けられ、又は薄膜回路基板22内に嵌め込まれ、光線が第2フレキシブル回路基板222に入射すると、第2フレキシブル回路基板222は均等に光線を第1フレキシブル回路基板221、弾性体23及び複数キー21に上向きに投射し、複数キー21が発光效果を生じて、ユーザーは照明不良な環境においても、キー21の位置を正確に押下することができ入力ミスが起きない。
【0021】
本実施形態では、発光部材24は可視光LED或いはを不可視光LEDのどちらでもよく、発光部材24が不可視光LEDである場合、複数キー21(例:記号領域)、第2フレキシブル回路基板222(例:複数のメッシュポイント領域)、第1フレキシブル回路基板221又は台座20等の発光が必要な領域に蛍光剤を添加しさえすれば、発光部材24が提供する不可視光を可視光に変換することができ、この方法の長所は、発光が不必要な領域では、光線が強過ぎて光漏れとなることがなく、光線の使用効果が効果的に向上する。また、発光部材24が提供する光線を完全に利用するために、本実施形態における載置面210は金属材質とし、鏡面效果を提供して下方向に漏れる光線を薄膜電路板22、弾性体23及び複数キー21に上向きに反射することができる。
【0022】
本案における第1フレキシブル回路基板221、第2フレキシブル回路基板222及びスペーサー223のうちの何れか1つが導光材質で製作されると、薄膜回路基板22は導光機能を備えることから、発光キーボード2の部材のうち導光板を余計に取り付けて導光する必要が無く、こうして発光キーボード2の構造を効果的に簡素化すると共に、発光キーボード2の厚みを抑えて、組立てが一層容易となるだけでなく、製造コストも節減される旨特に説明する。
【0023】
以上、本発明の実施形態について図面を参照して詳述したが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等も含まれる。
【符号の説明】
【0024】
1 発光キーボード
2 発光キーボード
10 ケーシング
11 光反射片
12 導光板
13 薄膜回路基板
14 弾性体
15 複数キー
16 発光部材
20 台座
21 複数キー
22 薄膜回路基板
23 弾性体
24 発光部材
131 第1フレキシブル回路基板
132 第2フレキシブル回路基板
133 スペーサー
210 載置面
221 第1フレキシブル回路基板
222 第2フレキシブル回路基板
223 スペーサー
1311 上接点
1321 下接点
1331 接点孔
2211 第1回路パターン
2221 第2回路パターン
2222 メッシュポイント
2231 接点孔
22111 上接点
22211 下接点

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数キーと、
前記複数キーに対応する複数の薄膜スイッチを取り付けた薄膜回路基板と、
前記発光キーボードの光源として用いる少なくとも1つの発光部材と、
前記薄膜回路基板の下方に取り付け、前記複数キー、前記薄膜回路基板及び前記発光部材を載置するための台座と、
を含み、前記薄膜回路基板はさらに、
複数の上接点を有する第1回路パターンを備えた第1フレキシブル回路基板と、
複数の接点孔を有するスペーサーと、
前記第1フレキシブル回路基板と共に前記スペーサーを挟持し、前記複数の上接点と前記複数の接点孔に対応する複数の下接点を有する第2回路パターンを備えた第2フレキシブル回路基板と、
を含み、前記第1フレキシブル回路基板、前記スペーサー及び前記第2フレキシブル回路基板のうち少なくとも何れか1つが導光材質で製作されたことを特徴とする発光キーボード。
【請求項2】
前記発光部材は前記第2フレキシブル回路基板の側縁に取り付けられ又は前記薄膜回路基板内に嵌め込まれることを特徴とする請求項1に記載の発光キーボード。
【請求項3】
前記発光部材は可視光を提供するLEDであることを特徴とする請求項1に記載の発光キーボード。
【請求項4】
前記発光部材は不可視光を提供するLEDであって、前記複数キー、前記導光板、前記フレキシブル回路基板又は前記台座は蛍光剤が添加され、不可視光を可視光に変換することを特徴とする請求項1に記載の発光キーボード。
【請求項5】
前記台座は前記発光部材が提供する光線を反射するための金属鏡面の材質からなる載置面を備えることを特徴とする請求項1に記載の発光キーボード。
【請求項6】
前記第1フレキシブル回路基板はポリエチレンテレフタラート(PET)材質で製作されることを特徴とする請求項1に記載の発光キーボード。
【請求項7】
前記導光材質はポリカーボネート(PC)材質又はポリメチルメタクリレート(PMMA)材質であり、前記導光材質で製作された第1フレキシブル回路基板、スペーサー又は第2フレキシブル回路基板には前記発光部材が提供する光線を伝導するための複数個のメッシュポイントを有することを特徴とする請求項1に記載の発光キーボード。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2011−238579(P2011−238579A)
【公開日】平成23年11月24日(2011.11.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−125624(P2010−125624)
【出願日】平成22年6月1日(2010.6.1)
【出願人】(501280046)致伸科技股▲ふん▼有限公司 (104)
【Fターム(参考)】