説明

発光ダイオード素子

【課題】本発明は、高温で使用したり高出力発光ダイオード素子に適用しても、良好な放熱特性および光効率を担保することができる発光ダイオード素子を提供する。
【解決手段】本発明による発光ダイオード素子は、陰極リードフレーム10、前記陰極リードフレーム10と電気的に絶縁される状態で配置される陽極リードフレーム20、前記陰極リードフレーム10および前記陽極リードフレーム20に電気的に接続される発光ダイオードチップ30、前記発光ダイオードチップ30を収容する陥没部41を含み、前記陰極リードフレーム10と前記陽極リードフレーム20を固定する合成樹脂部材40、および前記陥没部41の内面の少なくとも一部を囲み、前記合成樹脂部材40の上面を覆うように延びる金属性放熱反射部材50を含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、発光ダイオード素子に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の発光ダイオード素子の場合、合成樹脂材質の射出反射板がリードフレームに付着されている構造を有しているため、射出反射板に黄変または熱的変形が起きて信頼性に問題があり、高出力の発光ダイオード素子に適用し難いという問題があった。
【0003】
一方、高温で使用可能であり、且つ高出力発光ダイオード素子に適用可能にするためにセラミック基板を使用して発光ダイオード素子を実現する技術が紹介されているが、セラミック基板の使用により製造コストが上昇し、光効率が落ちるという問題があった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、前記の問題点を解決するために案出されたものであって、本発明の目的は、高温で使用したり高出力発光ダイオード素子に適用しても、良好な放熱特性および光効率を担保することができる発光ダイオード素子を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の実施例による発光ダイオード素子は、陰極リードフレーム、前記陰極リードフレームと電気的に絶縁される状態で配置される陽極リードフレーム、前記陰極リードフレームおよび前記陽極リードフレームに電気的に接続される発光ダイオードチップ、前記発光ダイオードチップを収容する陥没部を含み、前記陰極リードフレームと前記陽極リードフレームを固定する合成樹脂部材、および前記陥没部の内面の少なくとも一部を囲み、前記合成樹脂部材の上面を覆うように延びる金属性放熱反射部材を含む。
【0006】
前記金属性放熱反射部材は、前記発光ダイオードチップで発散された光が反射される反射空間を形成するように前記陥没部の内面の少なくとも一部を囲む反射部、および前記反射部で延びて前記合成樹脂部材の上面を覆うように形成される放熱部を含んでもよい。
【0007】
前記金属性放熱反射部材の放熱部は、前記合成樹脂部材の上面で前記合成樹脂部材の側面をすぎて底面まで延びるように形成されてもよい。
【0008】
前記金属性放熱反射部材の放熱部は、前記陰極リードフレームおよび前記陽極リードフレームのうちのいずれか一つに接触するように形成されてもよい。
【0009】
前記発光ダイオードチップは、前記陰極リードフレームおよび前記陽極リードフレームのうちのいずれか一つに設置されてもよく、前記金属性放熱反射部材の放熱部は、前記陰極リードフレームおよび前記陽極リードフレームのうちの前記発光ダイオードチップが設置されているものに接触するように形成されてもよい。
【0010】
前記陰極リードフレームと前記陽極リードフレームは、前記合成樹脂部材の底面まで延びる陰極リードと陽極リードをそれぞれ含んでもよく、前記金属性放熱反射部材の放熱部は、前記陰極リードおよび前記陽極リードのうちのいずれか一つに接触するように形成されてもよい。
【0011】
前記発光ダイオードチップは、前記陰極リードフレームおよび前記陽極リードフレームのうちのいずれか一つに設置されてもよく、前記金属性放熱反射部材の放熱部は、前記陰極リードフレームおよび前記陽極リードフレームのうちの前記発光ダイオードチップが設置されているものに接触するように前記陰極リードおよび前記陽極リードのうちのいずれか一つに接触するように形成されてもよい。
【0012】
前記金属性放熱反射部材の放熱部は、前記陰極リードフレームおよび前記陽極リードフレームのうちのいずれか一つに接触するように形成されてもよい。
【0013】
前記発光ダイオードチップは、前記陰極リードフレームおよび前記陽極リードフレームのうちのいずれか一つに設置されてもよく、前記金属性放熱反射部材の放熱部は、前記陰極リードフレームおよび前記陽極リードフレームのうちの前記発光ダイオードチップが設置されているものに接触するように形成されてもよい。
【0014】
前記金属性放熱反射部材の反射部は、前記陥没部の内面の上部を囲むように形成されてもよく、前記陥没部の内面の下部は、前記発光ダイオードチップで発散された光を反射することができるように反射面で形成されてもよい。
【0015】
前記金属性放熱反射部材の反射部は、前記合成樹脂部材により前記陰極リードフレームおよび前記陽極リードフレームの上面から離隔されてもよい。
【0016】
前記反射空間は、蛍光体が含有されたエポキシ樹脂またはシリコン樹脂で満たされてもよい。
【0017】
前記金属性放熱反射部材の反射部の表面は、光反射率を高める金属で塗布されてもよい。
【0018】
前記反射空間は、空いて空気層が形成されるようにしてもよく、前記反射空間の上面を覆うように前記金属性放熱反射部材の上面に設置され、蛍光体層を備えるレンズをさらに含んでもよい。
【0019】
前記金属性放熱反射部材の反射部の表面は、蛍光体で塗布されてもよい。
【0020】
前記レンズは、上方向に凸の曲面形態を有してもよい。
【0021】
前記レンズは、平坦な形態を有してもよい。
【0022】
本発明の実施例によれば、前記金属性放熱反射部材は、前記陰極リードフレームと前記陽極リードフレームにより構成されてもよく、前記陰極リードフレームと前記陽極リードフレームは、前記発光ダイオードチップが安着される安着部、および前記発光ダイオードチップで発散された光を反射することができるように前記安着部から上方外側に傾いて形成される傾斜反射面を形成して前記金属性放熱反射部材を構成してもよい。
【0023】
前記合成樹脂部材は、前記安着部の下面が露出しないように前記安着部の下面を囲むように形成されてもよい。
【0024】
前記合成樹脂部材は、前記安着部の下面の少なくとも一部が露出するように形成されてもよい。
【0025】
前記傾斜反射面は、傾斜角度が互いに異なる複数の傾斜反射面を含んでもよい。
【0026】
前記傾斜反射面は、前記合成樹脂部材の上面まで形成されてもよく、前記陰極リードフレームと前記陽極リードフレームは、前記合成樹脂部材の上面を覆うように形成されるアップセット部を含んでもよい。
【0027】
前記陰極リードフレームと前記陽極リードフレームの上面は、平坦に形成されてもよい。
【0028】
前記傾斜反射面は、円形または多角形形態を有してもよい。
【発明の効果】
【0029】
本発明によれば、反射部と放熱部を同時に備える金属性放熱反射部材を備えることによって、従来の合成樹脂材質の反射カップに比べて放熱効率が大きく向上し、ひいては、良好な光効率も担保することができる。この時、反射部に良好な光反射率を有する金属を塗布することによって全体的な光効率が高くなる。
【0030】
また、金属性放熱反射部材がリードフレームのうちの発光ダイオードチップが設置されるものに接触するようにすることによって、放熱効果をより高めることができる。
【0031】
そして、発光ダイオードチップを空気層に配置することによって、発光ダイオードチップに加えられる熱的ストレスを減少させることができる。
【0032】
本発明によれば、陰極リードフレームと陽極リードフレームが発光ダイオードチップで発散された光を反射する傾斜反射面を備えることによって、高温で長時間安定的に駆動可能であるばかりか、簡単な構造を通じて光効率および放熱効率が良好な発光ダイオード素子が実現される。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】本発明の一実施例による発光ダイオード素子の平面図である。
【図2】本発明の一実施例による発光ダイオード素子の側面図である。
【図3】本発明の一実施例による発光ダイオード素子の底面図である。
【図4】図1のIV−IV線断面図である。
【図5】本発明の他の一実施例による発光ダイオード素子の断面図である。
【図6】本発明のさらに他の一実施例による発光ダイオード素子の断面図である。
【図7】本発明の一実施例による発光ダイオード素子の斜視図である。
【図8】図7のII−II線断面図である。
【図9】本発明の一実施例による発光ダイオード素子の底面斜視図である。
【図10】本発明の一実施例による発光ダイオード素子の陰極リードフレームおよび陽極リードフレームの斜視図である。
【図11】本発明の一実施例による発光ダイオード素子の陰極リードフレームおよび陽極リードフレームの側面図である。
【図12】本発明の他の実施例による発光ダイオード素子の断面図である。
【図13】本発明のさらに他の実施例による発光ダイオード素子の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0034】
以下、本発明の実施例を添付した図面を参照して詳しく説明する。
【0035】
図面において、多くの層および領域を明確に表現するために厚さを拡大して示した。明細書全体に通して類似する部分に対しては同一の図面符号を付した。層や膜などの部分が他の部分の「上」または「下」にあるという時、これは他の部分の「真上」または「直下」にある場合のみならず、その中間にさらなる他の部分がある場合も含む。反対に、ある部分が他の部分の「真上」または「直下」にあるという時には中間にさらなる他の部分がないことを意味する。
【0036】
図1は、本発明の一実施例による発光ダイオード素子の平面図であり、図2は、本発明の一実施例による発光ダイオード素子の側面図であり、図3は、本発明の一実施例による発光ダイオード素子の底面図であり、図4は、図1のIV−IV線断面図である。
【0037】
図1および図4を参照すれば、本発明の実施例による発光ダイオード素子は、陰極リードフレーム10と陽極リードフレーム20を含む。
【0038】
陰極リードフレーム10と陽極リードフレーム20は、発光ダイオードチップ30に電気を印加するための端子として機能し、互いに電気的に絶縁された状態で配置される。
【0039】
例えば、陰極リードフレーム10は、陰極パッド11と陰極リード12を含んでもよく、陽極リードフレーム20は、陽極パッド21と陽極リード22を含んでもよい。
【0040】
陰極パッド11と陽極パッド21は、それぞれ横方向に延びて形成されてもよく、発光ダイオードチップ30が陰極パッド11または陽極パッド21の上面に設置されてもよい。図面に示された実施例では、発光ダイオードチップ30が陰極パッド11上に設置される場合が示されている。
【0041】
発光ダイオードチップ30は、陰極リードフレーム10および陽極リードフレーム20にそれぞれ電気的に接続される。例えば、発光ダイオードチップ30は、一対の接続線31、32により陰極パッド11および陽極パッド21にそれぞれ電気的に接続されてもよい。
【0042】
合成樹脂部材40は、発光ダイオードチップ30を収容する陥没部41を備え、陰極リードフレーム10と陽極リードフレーム20の少なくとも一部を囲むように形成されてもよい。合成樹脂部材40は、熱可塑性樹脂で射出を通じて形成されてもよく、例えばポリフタルアミド(PPA)、液晶ポリマー(LCP)などの樹脂で形成されてもよい。
【0043】
例えば、図4を参照すれば、陥没部41は、上から下方向に陥没して形成されてもよく、ほぼ横断面が円形であるカップ(cup)形態を有してもよい。図1および図4に示されているように、合成樹脂部材40の陥没部41に発光ダイオードチップ30が配置される。
【0044】
この時、図1および図4に示されているように、陰極パッド11と陽極パッド21の内側部分が陥没部41に露出されてもよく、発光ダイオードチップ30が陰極パッド11または陽極パッド21の露出した部分上に固定されてもよい。そして、陰極パッド11と陽極パッド21の外側端部分は合成樹脂部材40内に位置するようになる。
【0045】
陰極リード12と陽極リード22は、陰極パッド11および陽極パッド21から延びて合成樹脂部材40の外側に突出して形成される。この時、図1ないし図4に示されているように、陰極リード12と陽極リード22は、合成樹脂部材40の側面に沿って下方向に延びた後に底面まで延びるように形成されてもよい。つまり、図3および図4に示されているように、陰極リード12と陽極リード22は、合成樹脂部材40の底面の外側端から内側に一定の長さだけ延びて形成されてもよい。この時、合成樹脂部材40の底面には陥没部45が形成され、陰極リード12と陽極リード22がこの陥没部45に配置されることによって、合成樹脂部材40の底面と陰極リード12および陽極リード22の底とがほぼ平面をなすようにすることができる。
【0046】
また、金属性放熱反射部材50が備えられる。金属性放熱反射部材50は、発光ダイオードチップ30で発散された光を反射して前方へ進行するようにする機能と、発光ダイオードチップ30で発散される熱を外部へ効果的に放出する機能とを果たす。金属性放熱反射部材50は、鉄合金、アルミニウム合金などのような良好な熱伝達特性を有する金属材質で形成されてもよい。
【0047】
金属性放熱反射部材50は、反射機能を果たす反射部51と、放熱機能を果たす放熱部52とを含む。
【0048】
反射部51は、発光ダイオードチップ30で発散された光が反射される反射空間を形成するように合成樹脂部材40の陥没部41の内面の少なくとも一部を囲むように形成される。反射部51の表面は、光反射率を高めることができる金属で塗布されてもよく、例えばニッケル(Ni)や銀(Ag)のような金属で塗布されてもよい。
【0049】
例えば、図1および図4に示されているように、反射部51は、合成樹脂部材40の陥没部41の内面の下部一部を除いた上側部分を囲む形態を有してもよく、反射部51は、上方向に行くほど外側に広がる形態で形成されてもよい。反射部51がこのような形態を有することによって発光ダイオードチップ30で発散された光が反射部51により反射されて前方および側方へ効果的に放射され得る。
【0050】
この時、合成樹脂部材40の陥没部41の内面の下部は、発光ダイオードチップ30で発散された光を反射することができるように反射面44で形成されてもよい。この反射面44は、金属性放熱反射部材50の反射部51とほぼ類似する角度を有するように上方向に行くほど広がる形態を有してもよく、図4に示されているように、このような構造により金属性放熱反射部材50の反射部51は、合成樹脂部材40により陰極リードフレーム10および陽極リードフレーム20の上面から離隔されてもよい。
【0051】
この時、金属性放熱反射部材50が陥没部41に安定的に安着されるようにするために、図4を参照すれば、合成樹脂部材40の反射面44の上端に横方向に延びる係止部43が形成されてもよく、金属性放熱反射部材50は、反射部51の下端が係止部43に安着することによって安定的に設置され得る。そして、合成樹脂部材40は、係止部43の外側端で上方向に傾いて形成される傾斜部42を備えてもよく、この傾斜部42は、金属性放熱反射部材50とほぼ同一の傾斜角度を有してもよい。
【0052】
図4を参照すれば、金属性放熱反射部材50の反射部51により形成される反射空間は、蛍光体が含有されたエポキシ樹脂またはシリコン樹脂に満たされてもよい。これによって、発光ダイオードチップ30を保護しながらも良好な光特性を実現することができる。
【0053】
蛍光体は、得ようとする光の種類に応じて適切に選択されてもよい。例えば、白色光を発散する発光ダイオード素子の場合、蛍光体は、YAl12:Ce系蛍光体、(Y、Gd)Al12:Ce系蛍光体、(Sr、Ba、Ca)_Si_M_O:Eu系蛍光体(ここで、Mは、Y、Ce、La、Nd、Gd、Tb、Yb、Luなどであり、少なくとも一つ元素で置換されたり、少なくとも1つ以上の元素を追加的に含む)、(Sr、Ba、Ca)_Si_O:Eu系蛍光体、(Sr、Ba、Ca)_Si_A_O:Eu系蛍光体(ここで、Aは、F、Cl、Br、Sなどであり、少なくとも一つ元素で置換されたり、少なくとも1つ以上の元素を追加的に含む)などの蛍光体であってもよい。
【0054】
金属性放熱反射部材50の放熱部52は、反射部51から延びて合成樹脂部材40の上面を覆うように形成される。つまり、図1および図4を参照すれば、放熱部52は、反射部51の上側端から横方向へ延びて合成樹脂部材40の上面を覆いながら上面が外側に露出する。発光ダイオードチップ30で発散されて反射部51に吸収した熱が外部に露出した放熱部52に伝達されて効果的に放出され得る。
【0055】
金属性放熱反射部材50の放熱部52は、合成樹脂部材40の上面で側面をすぎて下方へ延びた後に底面まで延びてもよい。つまり、図1ないし図4を参照すれば、金属性放熱反射部材50の放熱部52は、陰極リード12が形成される合成樹脂部材40の側面で下方へ底面まで延びた後に再び内側へ延びる延長部53、そして、陽極リード22が形成された合成樹脂部材40の側面で下方へ底面まで延びた後に再び内側へ延びる延長部54を含んでもよい。放熱部52が合成樹脂部材40の底面まで延びることによって放熱効果をより高めることができる。
【0056】
一方、金属性放熱反射部材50の放熱部52は、陰極リードフレーム10および陽極リードフレーム20のうちのいずれか一つに接触するように形成されてもよい。この時、発光ダイオードチップ30が陰極リードフレーム10と陽極リードフレーム20のうちのいずれか一つに設置される場合、金属性放熱反射部材50の放熱部52は、陰極リードフレーム10と陽極リードフレーム20のうちの発光ダイオードチップ30が設置されるものに接触するように形成されてもよい。放熱部52が陰極リードフレーム10と陽極リードフレーム20のうちのいずれか一つに接触することによって、接触したリードフレームを通じてより良好に熱が伝達されるため、熱放出効果が向上する。特に、金属性放熱反射部材50の放熱部52が発光ダイオードチップ30が設置されるリードフレームに接触する場合、発光ダイオードチップ30で発散される熱がより効果的に放出され得る。
【0057】
具体的に、陰極リード12と陽極リード22が合成樹脂部材40の底面まで延びる場合に、金属性放熱反射部材50の放熱部52の延長部53が合成樹脂部材40の底面まで延びて陰極リード12と陽極リード22のうちのいずれか一つに接触されてもよい。この時、金属性放熱反射部材50の放熱部52の延長部53、54のうちの一つが発光ダイオードチップ30が設置されたリードフレーム10、20のリード12、22に接触されてもよい。つまり、発光ダイオードチップ30が、図1および図4に示されているように、陰極リードフレーム10上に設置される場合、金属性放熱反射部材50の放熱部52の延長部53、54のうちの陰極リード12近傍に位置する延長部53が、図3に示されているように、陰極リード12に接触するようになる。これによって、発光ダイオードチップ30で発散された熱が陰極リードフレーム10を通じて金属性放熱反射部材50に伝達されて外部との熱伝達が起きる面積が大きくなり、熱放出効率をより向上することができる。
【0058】
この時、図3に示されているように、合成樹脂部材40の底面の陥没部45には、陽極リード22と延長部54との間に挿入される突出部46が形成されることによって、陽極リード22と延長部54との接触を防止することができる。
【0059】
次に、図5および図6を参照して本発明の他の実施例による発光ダイオード素子について説明する。図5は、本発明の他の実施例による発光ダイオード素子の断面図であり、図6は、本発明のさらに他の実施例による発光ダイオード素子の断面図である。前記の実施例と同一の部分については同一の図面符号を付し、それについての説明は省略する。
【0060】
まず、図5を参照すれば、金属性放熱反射部材50の反射部51により形成される反射空間47は、エポキシ樹脂やシリコン樹脂で満たされる代わりに、空いて空気層が形成されるようにする。そして、反射空間47の上面を覆うように金属性放熱反射部材50の上面に設置されるレンズ60が備えられる。
【0061】
この時、レンズ60は平坦な形態を有してもよく、エポキシ樹脂やシリコン樹脂などで形成されてもよい。
【0062】
レンズ60は、所望の色の光を得ることができるように蛍光体層61を備える。この時、図面に示されているように、蛍光体層61は複数であってもよい。
【0063】
そして、金属性放熱反射部材50の反射部51の表面にも蛍光体が塗布されて蛍光体層63が形成されてもよい。
【0064】
一方、図6を参照すれば、レンズ60は凸の形態を有してもよい。つまり、レンズ60が凸部70を備えることによって、凸の形態のレンズ60が実現され得る。凸部70もエポキシ樹脂やシリコン樹脂などで形成されてもよい。
【0065】
図5および図6の実施例によれば、発光ダイオードチップ30がエポキシ樹脂やシリコン樹脂に浸るのではなく、空気層内に配置されるようになるため、発光ダイオードチップ30に加えられる熱的ストレスが最小化され得る。
【0066】
次に、図7ないし13を参照して本発明の他の実施例を詳しく説明する。
【0067】
本実施例では金属性放熱反射部材が別途の部材で構成されるのではなく、陰極リードフレームおよび陽極リードフレームにより構成される。
【0068】
図7ないし図11を参照すれば、本発明の実施例による発光ダイオード素子は、陰極リードフレーム10と陽極リードフレーム20を含む。
【0069】
陰極リードフレーム10と陽極リードフレーム20は、発光ダイオードチップ30に電気を印加するための端子として機能し、互いに電気的に絶縁された状態で配置される。つまり、図10および図11に示されているように、陰極リードフレーム10と陽極リードフレーム20は、一定の距離が離隔された状態を維持することによって互いに電気的に絶縁され得る。
【0070】
発光ダイオードチップ30が陰極リードフレーム10および陽極リードフレーム20にそれぞれ電気的に接続される。例えば、発光ダイオードチップ30は、接着剤などにより陰極リードフレーム10または陽極リードフレーム20の上面に固定されてもよく、一対の接続線31、32により陰極リードフレーム10および陽極リードフレーム20にそれぞれ電気的に接続されてもよい。図面には発光ダイオードチップ30が陰極リードフレーム10上に固定される場合が示されているが、発光ダイオードチップ30は陽極リードフレーム20上に固定されることもできる。
【0071】
合成樹脂部材40は、陰極リードフレーム10と陽極リードフレーム20を固定する役割を果たす。合成樹脂部材40は、熱可塑性樹脂のような合成樹脂を用いて射出方式を通じて形成されてもよく、例えばポリフタルアミド(PPA)、液晶ポリマー(LCP)などの樹脂で形成されてもよい。図面に示されているように、合成樹脂部材40は、陰極リードフレーム10と陽極リードフレーム20の外側および下側をほぼ囲むように形成されてもよい。
【0072】
陰極リードフレーム10は、合成樹脂部材40の外側に露出する陰極リード12を含んでもよく、陽極リードフレーム20は、合成樹脂部材40の外側に露出する陽極リード22を含んでもよい。陰極リード12と陽極リード22を通じて外部電源が印加されてもよい。
【0073】
図面に示されているように、陰極リード12と陽極リード22は、合成樹脂部材40の側面で外部へ突出した後に下方へ延びてもよく、合成樹脂部材40の底面まで延びてもよい。
【0074】
本発明の実施例によれば、陰極リードフレーム10と陽極リードフレーム20は、発光ダイオードチップ30が安着される安着部100、そして、発光ダイオードチップ30で発散された光を反射することができるように安着部100から上方外側に傾いて形成される傾斜反射面200を形成する。ここで、上方とは、図2で上方向を意味する。
【0075】
安着部100は、発光ダイオードチップ30が安着される領域を提供し、図面に示されているように、陰極リードフレーム10上に備えられることもでき、他の実施例では陽極リードフレーム20上に備えられることもできる。また、陰極リードフレーム10と陽極リードフレーム20の組み合わせにより安着部100が形成されることもできる。この時、図面に示されているように、安着部100の上面はほぼ水平方向(図2で横方向)に延びる平面からなってもよい。
【0076】
傾斜反射面200は、前述した通り、安着部100の外側端から上方外側に傾いて形成される。図面に示されているように、傾斜反射面200は上方向に行くほど漸次に広がるカップ形態の陥没部を形成し、発光ダイオードチップ30で発散された光を反射する機能を果たす。例えば、陰極リードフレーム10に形成された傾斜面と陽極リードフレーム20に形成された傾斜面との組み合わせにより傾斜反射面200が形成されてもよい。
【0077】
図面に示されているように、傾斜反射面200は円形形態を有してもよい。つまり、傾斜反射面200の横断面がほぼ円形の形態を有してもよい。一方、本発明の他の実施例によれば、傾斜反射面は四角形、六角形など多角形の形態を有することもできる。
【0078】
ひいては、傾斜反射面200は、陰極リードフレーム10および陽極リードフレーム20により形成され、合成樹脂に比べて熱伝導性が良好な金属材質で形成されるため、発光ダイオードチップ30で発生した熱をより効果的に放出することができるようになる。つまり、従来の発光ダイオード素子が主に合成樹脂部材で反射面を形成するのとは異なり、本発明の実施例によれば陰極リードフレーム10および陽極リードフレーム20が傾斜反射面200を形成するため、簡単な構造を通じて良好な光反射効果および良好な放熱効果を同時に図ることができる。
【0079】
一方、図8に示されているように、合成樹脂部材40は、安着部100の下面が外部に露出しないように安着部100の下面を囲むように形成されてもよい。
【0080】
また、図7に示されているように、傾斜反射面200により形成される陥没部は、蛍光体が含有されたエポキシ樹脂またはシリコン樹脂のような封止材55で満たされてもよい。これによって、発光ダイオードチップ30を保護しながらも良好な光特性を実現することができる。
【0081】
蛍光体は、得ようとする光の種類に応じて適切に選択されてもよい。例えば、白色光を発散する発光ダイオード素子の場合、蛍光体は、YAl2:Ce系蛍光体、(Y、Gd)Al12:Ce系蛍光体、(Sr、Ba、Ca)_Si1_M_O:Eu系蛍光体(ここで、Mは、Y、Ce、La、Nd、Gd、Tb、Yb、Luなどであり、少なくとも一つ元素で置換されたり、少なくとも1つ以上の元素を追加的に含む)、(Sr、Ba、Ca)_Si_O:Eu系蛍光体、(Sr、Ba、Ca)_Si_A_O:Eu系蛍光体(ここで、Aは、F、Cl、Br、Sなどであり、少なくとも一つ元素で置換されたり、少なくとも1つ以上の元素を追加的に含む)などの蛍光体であってもよい。
【0082】
図12は、本発明の他の実施例による発光ダイオード素子の断面図である。前記実施例と同一の部分についての説明は省略する。
【0083】
図12を参照すれば、合成樹脂部材410は、安着部100の下面の少なくとも一部が外部に露出するように形成されてもよい。安着部100の下面が露出することによって放熱効果をより高めることができる。
【0084】
そして、傾斜反射面200は、傾斜角度が互いに異なる複数の傾斜反射面210、220を含むことができる。つまり、図12に例示されているように、二つの傾斜反射面210、220が備えられてもよく、下側の傾斜反射面210の傾斜角度よりも上側の傾斜反射面220の傾斜角度が大きく形成されてもよい。傾斜角度が互いに異なる傾斜反射面の個数はこれに限定されない。互いに異なる傾斜角度を有する傾斜反射面210、220が備えられることによって、光がより多様な方向に反射され得、これによってより良好な光特性が得られる。
【0085】
この時、図12に示されているように、陰極リードフレーム10と陽極リードフレーム20の上面は平坦に形成されてもよい。
【0086】
図13は、本発明の他の実施例による発光ダイオード素子の断面図である。前記実施例と同一の部分についての説明は省略する。
【0087】
図13を参照すれば、傾斜反射面200は、合成樹脂部材40の上面まで形成され、陰極リードフレーム10と陽極リードフレーム20は、合成樹脂部材40の上面を覆うように形成されるアップセット部13、23をそれぞれ含む。つまり、合成樹脂部材40の上面が外部に露出せず、アップセット部13、23により覆われるようになる。合成樹脂部材40の上面が外部に露出しないことによって合成樹脂部材40の黄変を防止することができる。
【0088】
一方、前述した通り、本発明の他の実施例によれば、アップセット部が削除されて陰極リードフレームと陽極リードフレームの上面が平坦に形成されることもできる。
【0089】
以上で本発明の実施例を説明したが、本発明の権利範囲はこれに限定されず、本発明の実施例から本発明が属する技術分野における通常の知識を有する者により容易に変更されて均等なものと認められる範囲の全ての変更および修正を含む。
【符号の説明】
【0090】
10:陰極リードフレーム
12:陰極リード
20:陽極リードフレーム
22:陽極リード
30:発光ダイオードチップ
40:合成樹脂部材
50:金属性放熱反射部材
60:レンズ
100:安着部
200:傾斜反射面

【特許請求の範囲】
【請求項1】
陰極リードフレーム、
前記陰極リードフレームと電気的に絶縁される状態で配置される陽極リードフレーム、
前記陰極リードフレームおよび前記陽極リードフレームに電気的に接続される発光ダイオードチップ、
前記発光ダイオードチップを収容する陥没部を含み、前記陰極リードフレームと前記陽極リードフレームを固定する合成樹脂部材、および
前記陥没部の内面の少なくとも一部を囲み、前記合成樹脂部材の上面を覆うように延びる金属性放熱反射部材
を含む、発光ダイオード素子。
【請求項2】
前記金属性放熱反射部材は、前記発光ダイオードチップで発散された光が反射される反射空間を形成するように前記陥没部の内面の少なくとも一部を囲む反射部、および前記反射部で延びて前記合成樹脂部材の上面を覆うように形成される放熱部を含む、請求項1に記載の発光ダイオード素子。
【請求項3】
前記金属性放熱反射部材の放熱部は、前記合成樹脂部材の上面で前記合成樹脂部材の側面をすぎて底面まで延びるように形成される、請求項2に記載の発光ダイオード素子。
【請求項4】
前記金属性放熱反射部材の放熱部は、前記陰極リードフレームおよび前記陽極リードフレームのうちのいずれか一つに接触するように形成される、請求項3に記載の発光ダイオード素子。
【請求項5】
前記発光ダイオードチップは、前記陰極リードフレームおよび前記陽極リードフレームのうちのいずれか一つに設置され、
前記金属性放熱反射部材の放熱部は、前記陰極リードフレームおよび前記陽極リードフレームのうちの前記発光ダイオードチップが設置されているものに接触するように形成される、請求項4に記載の発光ダイオード素子。
【請求項6】
前記陰極リードフレームと前記陽極リードフレームは、前記合成樹脂部材の底面まで延びる陰極リードと陽極リードをそれぞれ含み、
前記金属性放熱反射部材の放熱部は、前記陰極リードおよび前記陽極リードのうちのいずれか一つに接触するように形成される、請求項3に記載の発光ダイオード素子。
【請求項7】
前記発光ダイオードチップは、前記陰極リードフレームおよび前記陽極リードフレームのうちのいずれか一つに設置され、
前記金属性放熱反射部材の放熱部は、前記陰極リードフレームおよび前記陽極リードフレームのうちの前記発光ダイオードチップが設置されているものに接触するように前記陰極リードおよび前記陽極リードのうちのいずれか一つに接触するように形成される、請求項6に記載の発光ダイオード素子。
【請求項8】
前記金属性放熱反射部材の放熱部は、前記陰極リードフレームおよび前記陽極リードフレームのうちのいずれか一つに接触するように形成される、請求項2に記載の発光ダイオード素子。
【請求項9】
前記発光ダイオードチップは、前記陰極リードフレームおよび前記陽極リードフレームのうちのいずれか一つに設置され、
前記金属性放熱反射部材の放熱部は、前記陰極リードフレームおよび前記陽極リードフレームのうちの前記発光ダイオードチップが設置されているものに接触するように形成される、請求項8に記載の発光ダイオード素子。
【請求項10】
前記金属性放熱反射部材の反射部は、前記陥没部の内面の上部を囲むように形成され、
前記陥没部の内面の下部は、前記発光ダイオードチップで発散された光を反射することができるように反射面で形成される、請求項2に記載の発光ダイオード素子。
【請求項11】
前記金属性放熱反射部材の反射部は、前記合成樹脂部材により前記陰極リードフレームおよび前記陽極リードフレームの上面から離隔される、請求項10に記載の発光ダイオード素子。
【請求項12】
前記反射空間は、蛍光体が含有されたエポキシ樹脂またはシリコン樹脂で満たされる、請求項2に記載の発光ダイオード素子。
【請求項13】
前記金属性放熱反射部材の反射部の表面は、光反射率を高める金属で塗布される、請求項2に記載の発光ダイオード素子。
【請求項14】
前記反射空間は、空いて空気層が形成されるようにし、
前記反射空間の上面を覆うように前記金属性放熱反射部材の上面に設置され、蛍光体層を備えるレンズをさらに含む、請求項2に記載の発光ダイオード素子。
【請求項15】
前記金属性放熱反射部材の反射部の表面は、蛍光体で塗布される、請求項14に記載の発光ダイオード素子。
【請求項16】
前記レンズは、上方向に凸の曲面形態を有する、請求項14に記載の発光ダイオード素子。
【請求項17】
前記レンズは、平坦な形態を有する、請求項14に記載の発光ダイオード素子。
【請求項18】
前記金属性放熱反射部材は、前記陰極リードフレームと前記陽極リードフレームにより構成され、
前記陰極リードフレームと前記陽極リードフレームは、前記発光ダイオードチップが安着される安着部、および前記発光ダイオードチップで発散された光を反射することができるように前記安着部から上方外側に傾いて形成される傾斜反射面を形成して前記金属性放熱反射部材を構成する、請求項1に記載の発光ダイオード素子。
【請求項19】
前記合成樹脂部材は、前記安着部の下面が露出しないように前記安着部の下面を囲むように形成される、請求項18に記載の発光ダイオード素子。
【請求項20】
前記合成樹脂部材は、前記安着部の下面の少なくとも一部が露出するように形成される、請求項18に記載の発光ダイオード素子。
【請求項21】
前記傾斜反射面は、傾斜角度が互いに異なる複数の傾斜反射面を含む、請求項18に記載の発光ダイオード素子。
【請求項22】
前記傾斜反射面は、前記合成樹脂部材の上面まで形成され、
前記陰極リードフレームと前記陽極リードフレームは、前記合成樹脂部材の上面を覆うように形成されるアップセット部を含む、請求項18に記載の発光ダイオード素子。
【請求項23】
前記陰極リードフレームと前記陽極リードフレームの上面は、平坦に形成される、請求項18に記載の発光ダイオード素子。
【請求項24】
前記傾斜反射面は、円形または多角形形態を有する、請求項18に記載の発光ダイオード素子。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2012−238830(P2012−238830A)
【公開日】平成24年12月6日(2012.12.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−277977(P2011−277977)
【出願日】平成23年12月20日(2011.12.20)
【出願人】(511307166)ルミリッチ シーオー エルティディ (2)
【Fターム(参考)】