説明

発光素子を備えた携帯用通信装置を動かすことにより得られる改善された表示

携帯通信装置が、動き関連データを測定するように適合された動き検出ユニットを備える。携帯通信装置は、動き検出ユニットから動き関連データを受信するように適合された処理ユニットを備える。さらに、携帯通信装置は処理ユニットから制御信号を受信するように適合された1以上の発光素子を備える。処理ユニットは発光素子を作動すべき時点と、停止すべき時点とを計算するように適合される。さらに、処理ユニットは発光素子を作動させ、停止させるために制御情報を発光素子へ送信し、それによって、携帯通信装置が空間領域にわたって反復して動かされるとき、発光素子が錯視による表示を生みだすように適合される。錯視による表示は視者の視覚の持続性を利用して情報を示すように適合される。本発明は、錯視による表示を生みだす方法と、コンピュータプログラムと、モバイル端末及びアダプタユニットを備えたシステムとにも関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、携帯用通信装置の分野に関する。より詳しくは、本発明は携帯用通信装置によって情報を表示する装置及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
バッテリ状態の表示、信号伝搬状態を示す状態報告、時刻、日付、不在着信を示すアイコンなどのような、携帯通信装置のユーザに対して表示可能な複数の情報が存在する。
【0003】
SMS、電子メール、MMSなどのメッセージを携帯用通信装置へもたらすための複数の通信方法及びプロトコルも存在する。これらの方法及びプロトコルのなかには通知機能を有するものもある。例えば、SMSの受信によって、携帯用通信装置のディスプレイ上にアイコン又はユーザインタフェースの出現が可能となる。
【0004】
しかし、このようなアイコン、情報及び視覚インジケータは貴重な表示領域を占有して、時として、ディスプレイの可読性が危険にさらされる程度までユーザを妨害したり、ユーザにとってきわめて迷惑なものになったりする場合さえある。読みにくい表示に起因して、上述のイベントのすべて又はかなりの部分が同時に生じる場合のような厳しい視認性上の問題が生じる場合もあり、さらに、誤った解釈を引き起こしたり、身体障害のあるユーザや失読症のユーザが携帯用通信装置の使用から排除されたりすることさえあり得る。可能な解決方法として表示領域を拡大するという方法が考えられる。しかし、携帯性という理由のために、望ましいとされる現代の携帯用通信装置の小ぶりの物理的サイズに対応する表示サイズには限度がある。
【0005】
上記のように、すべての通知及び情報がサイズに制限のある単一のディスプレイ上でのみ視覚化されるという点が、携帯用通信装置のようなユーザ装置に関する問題点となる。
【0006】
携帯用通信装置は受け手との無線接続の確立が可能な状況では通信を行うための便利なツールとなり得る。この理由として、携帯用通信装置が小ぶりのサイズを有することができ、ユーザが一貫してもち運ぶことが可能であるということが挙げられる。しかし、ユーザは、無線信号のカバーエリアが存在しないという理由で携帯用通信装置との接続を確立できなくなる状況になる場合がある。また、通話を意図する受信相手が近くにいるにもかかわらず、意図する受信者の電話番号がわからない場合がある。このような状況が、ユーザが夜間に未開の環境の中で道に迷って、救助航空機(airborne rescue vehicle)の注意をひこうと試みる場合のような緊急状況において生じることも考えられる。
【0007】
上記のように、可視信号やメッセージの交換を行うために無線信号のカバーエリア外のエリアにおいて携帯用通信装置を使用する場合や、電話番号などの受け手の通信座標が不明の場合、問題が生じることになる。
【0008】
また、大きなグループの人々に対して携帯用通信装置のディスプレイ上に目に見える情報を表示したり、ある距離で目に見える情報を提示したりする場合にも、携帯用通信装置に設けられた従来型の表示手段の限られたサイズに起因して問題が生じる。したがって、従来型の携帯用通信装置の限られた表示サイズは遠距離のビジュアル・コミュニケーションにとって障害となる。
【0009】
旅行中や、歯医者の受け付けで待っているとき、あるいは同様のイベント時に、通常小型の携帯用通信装置のディスプレイ上で行う従来型のゲーム以外の気晴らしと娯楽の必要が生じる場合がある。一例として複数のユーザ間で行う人間相手のゲームをしたいという要求が生じることもある。携帯用通信装置でのゲームに関する既存技術による解決方法には、特に、いざ人間相手のゲーム及び無線伝搬条件に左右されずに行うことができるゲームを行うという時になると或る一定の制限が存在する。
【0010】
また、携帯用通信装置のような頻繁に大量生産されるデバイスは、一人のユーザの携帯用通信装置が、他のユーザの携帯用通信装置と混同されるリスクがある。これは特に、企業において単一モデルの携帯用通信装置がその従業員に提供される場合などに問題となることが考えられる。携帯用通信装置などのユーザ機器によっては、様々な色で利用可能なものもあれば、様々な色のプラスチックからつくられた交換可能な表面プレートを有するものもある。しかし、ユーザのなかには自分の携帯用通信装置をパーソナル化する、すなわちカスタマイズする上記の試みを満足のゆくものではないか、あるいは不十分であると考える人もいる。また、カラーの数が限られているため、差別化を行うための選択肢の数も限られたものになる。さらに、特に自分のユーザ機器を頻繁に使用する上級ユーザの場合、携帯用通信装置のような自分のユーザ機器のカスタマイズを楽しんでいる多くのユーザが存在する。したがって、自分の携帯用通信装置を別の携帯用通信装置と区別することを目的として行われる、携帯用通信装置などのユーザ機器のパーソナル化について問題が存在することになる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明は、携帯用通信装置による情報表示に関する現行技術に関連づけられた少なくともいくつかの上述の問題点を未然に防いだり、減らしたりすると共に、情報を視覚的にアピールするように表示できる錯視による表示を携帯用通信装置に提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明の第1の側面は動き関連データを測定するように適合させた動き検出ユニットを備えた携帯用通信装置を目的とするものである。また、動き検出ユニットから動き関連データを受信するように携帯用通信装置を適合させた処理ユニットを備える。さらに、処理ユニットから制御信号を受信するように携帯用通信装置を適合させた1以上の発光素子を備える。
【0013】
前記動き関連データに基づいて、1以上の発光素子を作動させる時点と、停止させる時点とを決定する点灯スキーム(lighting scheme)を計算するように処理ユニットは適合される。さらに、1以上の発光素子を作動させ、停止させるために、点灯スキームに従って制御情報を1以上の発光素子へ送信するように処理ユニットは適合される。上記のように、携帯用通信装置が空間領域にわたって反復して動かされるとき、1以上の発光素子によって錯視による表示が生みだされる。視者の視覚の持続性を利用して情報を示すように錯視による表示は適合される。
【0014】
本発明の第2の側面は、第1の側面の特徴を含み、携帯用通信装置の重心と同じ軸線上に配置される突き出たエレメントをさらに有する。
【0015】
本発明の第3の側面は、第2の側面の特徴を含み、突き出たエレメントがアンテナを備える。
【0016】
本発明の第4の側面は、第1の側面の特徴を含み、動き検出ユニットが加速度計である。
【0017】
本発明の第5の側面は、第1の側面の特徴を含み、動き検出ユニットが携帯用通信装置のコーナーのうちの1つに配置される。
【0018】
本発明の第6の側面は、第1の側面の特徴を含み、1以上の発光素子が携帯用通信装置の運動方向に対して主として垂直に携帯用通信装置に取り付けられた発光素子の配列を形成する。
【0019】
本発明の第7の側面は、第1の側面の特徴を含み、1以上の発光素子が複数のカラーを放射するように適合される。
【0020】
本発明の第8の側面は、第1の側面の特徴を含み、1以上の発光素子が発光ダイオード(LED)である。
【0021】
本発明の第9の側面は、第1の側面の特徴を含み、携帯用通信装置がメモリユニットを備える。
【0022】
本発明の第10の側面は、錯視による表示を無線端末の利用によって生みだす方法を目的とする。携帯用通信装置は動き検出ユニット、処理ユニット及び1以上の発光素子を備える。錯視による表示を生みだす上記方法は動き検出ユニットを用いて動きの発生を検出するステップと、登録済みの動き関連データを処理ユニットへ送信するステップとをさらに有する。
【0023】
次いで、処理ユニットは1以上の発光素子を作動させる時点と、停止させ時点とを計算する。次いで、処理ユニットは1以上の発光素子を作動させ、停止させるために、制御情報を1以上の発光素子へ送信し、それによって、携帯用通信装置が空間領域にわたって反復して動かされるとき、上記1以上の発光素子は、視者の視覚の持続性を利用して情報を提示する、錯視による表示を生みだす。
【0024】
本発明の第11の側面は、本発明の第10の側面に準拠する方法を実行するための命令セットを含むコンピュータプログラムを目的とする。
【0025】
本発明の第12の側面は携帯用通信装置につながるアクセサリを目的とし、該アクセサリは携帯用通信装置と接続されるように配設される。このアクセサリは動き関連データを測定するための動き検出ユニットを備える。アクセサリはまた動き検出ユニットから動き関連データを受信する処理ユニットを備える。また、アクセサリは処理ユニットから制御信号を受信する1以上の発光素子を備える。処理ユニットは1以上の発光素子を作動させる時点と、1以上の発光素子を停止させる時点とを計算するように適合される。1以上の発光素子を作動させ、停止させるために制御情報を1以上の発光素子へ送信するように処理ユニットは適合され、それによって、アクセサリが空間領域にわたって反復して動かされるとき、上記1以上の発光素子は、視者の視覚の持続性を利用して情報を提示する、錯視による表示を生みだす。
【0026】
本発明の第13の側面は、第12の側面の特徴を含み、携帯用通信装置の重心と同じ軸線上に配置される突き出たエレメントをさらに有する。
【0027】
本発明の第14の側面は、第13の側面を含み、突き出たエレメントがアンテナを備える。
【0028】
本発明の第15の側面は、第12の側面の特徴を含み、動き検出ユニットが加速度計である。
【0029】
本発明の第16の側面は、第12の側面の特徴を含み、動き検出ユニットが携帯用通信装置のコーナーのうちの1つに配置される。
【0030】
本発明の第17の側面は、第12の側面の特徴を含み、1以上の発光素子がアクセサリの運動方向に対して主として垂直にアクセサリに取り付けられた発光素子の配列を形成する。
【0031】
本発明の第18の側面は、第12の側面の特徴を含み、上記1以上の発光素子が複数のカラーを放射するように適合される。
【0032】
本発明の第19の側面は、第12の側面の特徴を含み、上記1以上の発光素子が発光ダイオード(LED)である。
【0033】
本発明の第20の側面は、第12の側面の特徴を含み、アクセサリがメモリユニットを備える。
【0034】
本装置、方法、コンピュータプログラム及びアクセサリの利点として、錯視による表示で情報を提示することによって、携帯用通信装置に表示される情報の視認性が改善されるという点が挙げられる。
【0035】
以下、添付図面と関連してさらに詳細に本発明について説明する。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1A】図1Aは、本発明による携帯用通信装置をコマのように回転させることによって生みだされる錯視による表示に関する実施形態についての概略図である。
【図1B】図1Bは、突き出たエレメントを備えた携帯用通信装置についての横方向から見た場合の概略を示した図である。
【図2】図2は、本発明による携帯用通信装置を空間領域にわたって前後に反復して動かすことによって生みだされる錯視による表示に実施形態を概略的に描く図である。
【図3A】図3Aは本発明に係る携帯用通信装置の実施形態についての概略図である。
【図3B】図3Bは、本発明に係る携帯用通信装置又はアクセサリ内の処理ユニットによって計算することができる点灯スキームについての概略図である。
【図4】図4は、錯視による表示を生みだすための、携帯用通信装置における又はアクセサリにおける方法を示すフローチャートである。
【図5】図5は、錯視による表示を生みだすために、携帯用通信装置及び該携帯用通信装置と接続するように配設されたアクセサリを備えたシステムに関する実施形態を概略的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0037】
本発明は、以下で説明する実施形態を実現できる携帯用通信装置、方法、コンピュータプログラム及びアクセサリとして規定される。
【0038】
図1Aは、例えば重心の周りで回転するコマのように、本発明による携帯用通信装置100を回転させることによって、錯視により生成される表示部200に関する実施例である。
【0039】
本発明による携帯用通信装置100を空間領域にわたって反復して動かしながら、発光素子を作動させ、停止させることによって、錯視による表示部200が生みだされ、それによって、錯視による表示部200の錯覚を視る人に与える視覚の持続性に起因して生じるストロボのような効果が生みだされる。
【0040】
携帯用通信装置100の裏側などに配置された、ノブ、ポイント、ニブ(nib)、アンテナ、ジョイント又は類似のエレメントのような突き出たエレメント190の周りで携帯用通信装置100を回転させることによって、図1Aに例示の回転運動を速めることができる。このような突き出たエレメント190が図1Bに描かれている。携帯用通信装置100の重心と同じ軸線上に突き出たエレメント190を配置するのが有利である。ある実施形態では、この突き出たエレメント190は携帯用通信装置100のメーカーのロゴタイプを有するものであってもよい。このように、携帯用通信装置をコマのように回転させることが可能となる。
【0041】
ある実施形態では、突き出たエレメント190は機能改善用のボールベアリングを備えることができる。ある実施形態では、突き出たエレメント190は携帯性を向上するために携帯用通信装置100の本体内へ収納可能にすることができる。
【0042】
携帯用通信装置100がクラムシェル型すなわち折り畳みナイフ型セルラ電話機のような折り畳み式携帯用通信装置であれば、折り畳み式セルラ電話機が開いた状態で回動されると、携帯用通信装置100はアンテナノブのように突き出たエレメント190の周りで回転させることができる。
【0043】
しかし、1つの実施形態では、携帯用通信装置100は、ヨーヨーディスクによって低い摩擦の枢動軸の周りで旋回自在に質量が支持されるヨーヨーと同様の回転を行い、それによって携帯用通信装置100がヨーヨーと同じ様に回転するにつれて、質量は概ね一定の地心方向を維持することができる。
【0044】
携帯用通信装置100によって行われる反復運動は、決して回転に制限されず、携帯用通信装置100の回転、往復、発振又は振動のような任意の種類の反復運動であってもよい。例えばユーザが自分の手の中に携帯用通信装置100を把持して、円形軌道で自分の腕を振り回わすことによって回転する動きを生じさせることができる。反復運動は、警棒又はバトンのように空中で携帯用通信装置100をユーザに動かさせることによって生じさせるものであってもよい。
【0045】
しかし、携帯用通信装置100と接続されたストラップをユーザの手の中に把持させ、投石器のように円形軌道でユーザが腕を振り回わし、それによって、長時間軌道を生みだすことによって回転する動きを生じさせることも可能である。携帯用通信装置100と接続されたストラップをユーザ自身の手に把持させ、振り子のように少なくとも部分的な円形の動きでユーザの腕を振り回わさせ、それによって、長時間軌道を生みだすことによって往復運動を生じさせることも可能である。
【0046】
本発明の1つの実施形態では、クリップなどを用いてハンドバッグに取り付けるように携帯用通信装置100を適合させることができる。ハンドバッグを円軌道又は半円軌道を描くように回転させ、それによって、錯視による表示部200を携帯用通信装置100に生成させるようにすることができる。
【0047】
長時間軌道を生みだす利点として、錯視による表示部200のサイズを適宜さらに増大させることが可能となるという点が挙げられる。したがって、例えばより長い語や文を錯視による表示部200に表示することが可能となる。
【0048】
上記ストラップは、携帯用通信装置100の短い方の側部などのうちの1つの側部において、又は、他の任意の利便性のよい位置において携帯用通信装置100に取り付可能なものであってもよく、さらに、該ストラップはまた、携帯用通信装置100がアクティブに使用されていないとき、ユーザの首の周りに携帯用通信装置100などを担持するように機能することも可能である。
【0049】
図2は、空間領域にわたって食い返し往復して、本発明による携帯用通信装置100を動かすことによって生みだされる錯視による表示部200を概略的に描く図である。
【0050】
ある実施形態において、本明細書に記載のような携帯用通信装置100は移動体セルラ無線電話機のような移動局を備えることができる。しかし、ある実施形態では、携帯用通信装置100は、パーソナル・デジタル・アシスタント(PDA)、ラップトップ、コンピュータ又は、ノート型コンピュータ、トランシーバ、狩猟用無線、小型モニタなどのような、通信用として適合された他の任意の種類のデバイスを備えることができる。1つの実施形態では、携帯用通信装置100はソニーエリクソンW300Lなどのクラムシェル型すなわち折り畳みナイフ型セルラ電話機のような折り畳み式携帯用通信装置であってもよい。
【0051】
しかし、理解を容易にするために、かつ、例示という目的のためだけに、携帯用通信装置100が移動体セルラ無線電話機によって具現化された実施形態について以下さらに詳細に説明する。
【0052】
図3Aは、動き関連データを測定するように適合された動き検出ユニット300を備えた携帯用通信装置100を描く図である。動き検出ユニット300は加速度計であってもよいが、同様に、加速度の測定、振動の検出及び測定を行うように適合された、あるいは、重力に起因して生じる傾き又は加速度の測定、若しくは速度又は動きの測定と検出とを行うように適合された任意の種類の装置であってもよい。
【0053】
錯視による表示部200を生成するために動きを検出することを目的として適合される以外に、携帯用通信装置100において利用可能な他のサービスのためにも動き検出ユニット300は適合され得る。このような利用可能な別のサービスのなかには、デバイスが把持されている方向に応じてスクリーンと自動的に位置合わせを行うステップを含むものもある。携帯用通信装置100がカメラ、カムコーダ又は同様の機能を備えている場合、画像を安定化するために動き検出ユニット300を適合させることも可能である。このようなケースでは、像振れ補正撮影用として動き検出ユニット300を用いることができる。動き検出ユニット300はまた、撮影される写真の方位を決定するように適合され得ると共に、閲覧時に現在の画像を回転するように適合され得る。動き検出ユニット300は工程のカウントを行う目的のためにもさらに適合され得る。動き検出ユニット300はまた、携帯用通信装置100へ入力される身振り入力などのために用いることもできる。動き検出ユニット300はまた、電話をかけるために又は電話に応答するためにユーザが携帯用通信装置100を耳元まで持ち上げた時点と、次いで、携帯用通信装置100の電話機能を自動的に作動させた時点と検出するように適合され得る。
【0054】
携帯用通信装置100内の任意の位置に動き検出ユニット300を配置することができるが、本発明による携帯用通信装置100の1つの実施例では、動き検出ユニット300は携帯用通信装置100の4つのコーナーのうちの1つに配置される。
【0055】
携帯用通信装置100のコーナーに動き検出ユニット300を配置することで達成できる利点として、携帯用通信装置100が回転又は回動(spinned or rotated)されたとき、加速度、速度及びトランスポートされた距離がそこで最大となるということが挙げられる。したがって、動き検出ユニット300は、モーションの変化に対して改善された感度で反応することが可能となる。
【0056】
携帯用通信装置100はまた、動き検出ユニット300から動き関連データを受信するように適合された処理ユニット310を備える。処理ユニット310は、中央演算処理装置(CPU)、マイクロプロセッサ、周辺機器インタフェースコントローラ(PIC)マイクロコントローラ又はコンピュータプログラム命令及び処理データを解釈するように適合された他の任意の適当なデバイスであってもよい。
【0057】
さらに、携帯用通信装置100は処理ユニット310から制御信号を受信するように適合された1以上の発光素子320を備える。1つの実施形態では、列又は配列の形で携帯用通信装置100に1以上の発光素子320を取り付けることができ、1つの実施形態では、1以上の発光素子320を携帯用通信装置100の運動方向に対して主として垂直に取り付けることができる。
【0058】
発光素子320は、発光ダイオード(LED)、白熱電球、電灯、アーク灯、蛍光灯、高輝度放電灯、ハロゲンランプ、フラッシュ又は、光子を放射することができる他の任意の利便性の良い光源を用いることができる。上記のように、可視スペクトルの範囲内の又は可視スペクトルを伴わない人工光が生みだされる。発光素子320は、本発明の1つの実施形態では列又は配列の形で取り付けることができる。発光素子320の配列は様々な色を持つLEDなどのような異なるタイプの発光素子320を備えるものであってもよい。1つの実施形態では、発光素子320の配列は同じタイプの発光素子320を含むことができる。
【0059】
また、例えば多量の光を必要とする場合などに錯視による表示部200とは無関係に発光素子320又は発光素子の配列を作動させることも可能である。このような状況は夜間の時間に、あるいは、劣悪な照度条件の中で写真を撮影するときに生じることが考えられる。1つの実施形態では、動き検出ユニット300を備える携帯用通信装置100が、動き又は或る一定の動きパターンを検出するとき、発光素子320を作動させることが可能であり、これによって、フラッシュライト機能又はストロボフラッシュ機能を作動させることになる。
【0060】
また、信号伝搬条件をユーザへ提示するために錯視による表示部200とは無関係に発光素子320又は発光素子の配列を作動させることも可能である。作動される発光素子320の数が多くなるほど、信号伝搬条件が良いことを示す。
【0061】
また、錯視による表示部200とは無関係に発光素子320又は発光素子の配列を作動させて、ユーザにバッテリ負荷条件を提示することも可能である。作動される発光素子320の数が多くなるほど、バッテリの負荷が良いことを示す。
【0062】
携帯用通信装置100が電話やメッセージを受信するとき、錯視による表示部200とは無関係に、発光素子320又は発光素子の配列を作動させることも可能である。
【0063】
また、ウォーキング・ライト効果(walking light effect)を生みだすために錯視による表示部200とは無関係に発光素子320又は発光素子の配列を作動させることも可能である。
【0064】
図3Bは、処理ユニット310によって計算することができる点灯スキーム350についての概略図である。
【0065】
さらに、図3Aに戻ると、処理ユニット310は、1以上の発光素子320を作動させる時点と、1以上の発光素子を停止させる時点とを決定する点灯スキーム350を前記動き関連データに基づいて計算するように適合される。処理ユニット310は、コマンドのような点灯スキーム350に従って、1以上の発光素子320を作動させ、停止させるために制御情報を1以上の発光素子320へ送信するように適合され、それによって、携帯用通信装置100が空間領域にわたって反復して動かされるとき、上記1以上の発光素子320は、視者の視覚の持続性を利用して情報を示す、錯視による表示部200を生みだすことになる。
【0066】
上記のように、例えば文字、符号、画像、語、文、照明効果などの目に見える情報を提示するために用いることができる錯視による表示部200が生みだされることになる。
【0067】
上記のように、通信装置100内の処理ユニット310は動き検出ユニット300から動き関連データを受信する。動き関連データは動き検出ユニット300の瞬間加速度であってもよい。当該動き関連データに基づいて、処理ユニット310は動き検出ユニット300の速度及び角速度を計算することができる。動き検出ユニット300と1以上の発光素子320との間の距離が既知であるので、個々のそれぞれの発光素子320に対応する速度と、角速度と、並進運動とのうちの少なくともいずれかを計算することが可能となり、それによって、個々それぞれの発光素子320の作動時点及び停止時点も決定される。
【0068】
個々の発光素子320の作動と停止の少なくともいずれかに対するコマンドは、処理ユニット310によって計算される個々の発光素子320の速度計算に基づいて行われる。個々の発光素子320が作動される時間は錯視により形成される表示部200に示されるセグメントの長さに依存する。一例として、「I」というサインにおいて、関与する発光素子320の配列に対して非常に短い駆動時間を引き起こすことになるが、これに対して「−」というサインは、1つの発光素子320を約3倍長い時間をかけて駆動することにより錯視による表示部200に表示することができる。本例では、水平方向の動きが想定されている。但し別の任意の方向に反復運動を行うことも可能である。
【0069】
点灯スキーム350は、携帯用通信装置100が2以上の発光素子320を備えている場合に、個々それぞれの発光素子320を作動させ、停止させるための方式である。反復動作時に、作動時間及び停止時間が点灯スキーム350に保存されると共に、これらの時間が画像や文字の時間計時の調整用として個々のサイクル中に用いられて、錯視による表示部200に関する情報を表示することができる。1つの実施形態では、動きの個々の変化や停止を利用して、時刻などの情報を他の語又は画像に変えることができる。周期的に反復する動きの中で、タイミング時間を参照するものとして最大加速度又は最大速度を用いて、錯視による表示部200に情報を一定時間又は該一定時間のうちの所定時間の範囲内表示させることができる。
【0070】
さらに、携帯用通信装置100はメモリユニット330を備えることもできる。メモリユニット330は、プロセッサレジスタ、キャッシュメモリ、ランダムアクセスメモリ(RAM)又は同様のメモリのような主記憶メモリユニットであってもよい。しかし、1つの実施形態では、メモリユニット330は、リードオンリメモリ(ROM)、電気的に消去可能でプログラム可能なリードオンリメモリ(EEPROM)、プログラム可能なリードオンリメモリ(PROM)又は消去可能でプログラム可能なリードオンリメモリ(EPROM)又はハードディスクドライブのような2次メモリユニットであってもよい。しかし、1つの実施形態では、メモリユニット330は、オフラインの記憶メモリユニット、フラッシュメモリ、USBメモリ又はメモリカードであってもよい。メモリユニット330は、ネットワーク付属の記憶装置(NAS)又は機械可読データを保持することができるディスクやテープのような他の任意の事実上適切な媒体であってもよい。
【0071】
錯視による表示部200に提示される情報は事前に記憶済みの語や名称のような静的情報であってもよく、この静的情報はメモリユニット330に事前に記憶しておくことができる。しかし、上記とは別に、この提示情報は時計を提示したり、個々の語をメモリユニット330の中に事前に記憶しておいて1回に1語ずつを提示することにより1文を提示したりするなど、動的な性質の情報を表示しても良い。
【0072】
ユーザはいつでも都合の良い時に、携帯用通信装置100の入力端末に新たな情報を入力することによって、錯視による表示部200に提示されている所望の情報を修正すると共に、新たな情報をメモリユニット330に保存することができる。
【0073】
上記提示情報は固定したものであってもよい。すなわち、携帯用通信装置100が反復して動かされるときでも、錯視による表示部200の同じスポットに一貫して表示されるようにすることができる。但し、1つの実施形態では、この提示情報は見かけ上動いたり回転したりし、それによって表示情報を動画化することも可能である。
【0074】
本発明を限定するものではない例として、図1によって示されているように、携帯用通信装置100が毎秒6回転の回転スピードで回転状態にされると仮定する。発光素子320のスイッチが毎秒6回オンにされる場合、発光素子320はその回転サイクル時に同じ位置に出現することになり、それによって発光素子320は同じスポットに静止しているように見えることになる。さらに、毎秒6回のフラッシュ頻度では、視覚の持続性によって一連のフラッシュが滑らかに出力されることになり、それによって知覚される画像は多少連続したものとして知覚され得ることになる。
【0075】
しかし、別例として、図1により例示のように携帯用通信装置100が毎秒6回の回転スピードで回転状態にされると共に、発光素子320のスイッチが毎秒5回オンにされる場合、個々のフラッシュはその回転サイクルの少し後半部分に点灯されることになる。発光素子320が再び同じ位置に出現するよりも前に5回のフラッシュが行われることになり、これを視る人は、あたかも発光素子320が毎秒一回順方向に回転しているかのように一連の画像を知覚することになる。
【0076】
別例では、図1により例示のように、携帯用通信装置100が毎秒6回の回転スピードで回転状態にされるようになると共に、発光素子320のスイッチが毎秒7回オンにされる場合、同様の但し反対のエフェクトが生じるようにすることも可能である。
【0077】
発光素子320の個々のフラッシュは、その回転サイクル中少し早めに点灯すると共に、これを視る人には発光素子320が緩慢に後方へ回転しているように見えることが可能となる。
【0078】
錯視による表示部200に表示される情報は、任意の種類の情報、文字記号、数字、テキスト、画像、漫画のキャラクタあるいは動画用のグラフィック画像であってもよい。以上説明したように携帯用通信装置100の反復される連続的な動きで表される画像又は他の情報の動画を生じさせるように処理ユニット310をプログラムすることができる。
【0079】
また、携帯用通信装置100は乱数発生器340を備えたものであってもよい。乱数発生器340は擬似乱数発生器であってもよい。
【0080】
また、携帯用通信装置100はバーチャルなサイコロを実現するために乱数発生器340と組み合わされて用いられ得る。携帯用通信装置100に関するこの実施形態によれば、動き検出ユニット300によってモーションが検出されると、乱数発生器340は、1と6との間の数を発生し、点灯コマンドが発光デバイス320へ送信され、該発光デバイス320は点灯されて、1から6までの数のサイコロの点を錯視による表示部200に提示する。
【0081】
1つの実施形態では、携帯用通信装置100を、神託のような答を生成するような、例えば、相反する感情で葛藤する意志決定者などのための決定生成装置/インジケータとして機能するように用いることも可能である。
【0082】
携帯用通信装置100に錯視による表示部200を備える利点として、ほとんどの携帯通信装置のユーザ100が常時、又は少なくともかなり頻繁に携帯用通信装置100を携帯するようになるという点が挙げられる。
【0083】
錯視による表示部200を生みだすための携帯用通信装置100における方法が図4のフローチャートに描かれている。錯視による表示部200を生みだすための携帯用通信装置100における方法は複数のステップ400〜420で実行される。
【0084】
ステップ400
動き検出ユニット300と、処理ユニット310と、1以上の発光素子320とを備えた携帯用通信装置100を用いることによって、錯視による表示部200を生みだす方法は、ステップ400において、動き検出ユニット300を用いて動きの発生を検出するステップを有する。或る一定のしきい値レベル以上の動き、加速度又は速度が検出されると、携帯用通信装置100の中に含まれている動き検出ユニット300は錯視による表示部200の生成を開始する。また、スイッチがオンにされた場合にも錯視による表示部200の生成を開始することができる。検出された動きデータは動き検出ユニット300により登録され得る。次いで、この登録済みの動き関連データは処理ユニット310の中へ送信される。
【0085】
ステップ410
その後、処理ユニット310は1以上の発光素子を作動させる時点と、1以上の発光素子320を停止させる時点とをステップ410で計算する。携帯用通信装置100が複数の発光素子320を備えているとき、個々それぞれの発光素子320に対する計算が行われる。
【0086】
ステップ420
ステップ410で計算を行うとき、制御情報はステップ420で処理ユニット310から1以上の発光素子320へ送信される。1以上の発光素子320を作動させ、停止させるためにコマンドのような制御情報が用いられ、それによって、携帯用通信装置100が空間領域にわたって反復して動かされるとき、1以上の発光素子320が、視者の視覚の持続性を利用して情報を提示するように適合された錯視による表示部200を生みだすことになる。
【0087】
本方法に係る携帯用通信装置100を用いることによって、図3に描かれている携帯用通信装置100内の1以上のプロセッサのようなプロセッサユニット310、並びに、図5に描かれているアダプタユニット500内のプロセッサユニット520を介して、本方法の機能を実行するためのコンピュータプログラムコードを用いて錯視による表示部200を生みだす方法を実行することができる。上述のプログラムコードはまた、プロセッサユニット310;520の中へロードされることで、例えば、本発明に係る方法を実行するためのコンピュータプログラムコードを運ぶデータキャリアの形でコンピュータプログラム製品として提供されてもよい。このデータキャリアは、CD−ROMディスク、メモリスティック、あるいは、機械可読データを保持することができる、ディスクやテープのような他の任意の適切な媒体であってもよい。サーバ上の純粋なプログラムコードとして提供され、かつ、携帯用通信装置100とアダプタユニット500の少なくともいずれかへコンピュータプログラムコードを遠隔操作によりダウンロードすることも可能である。
【0088】
上記のように、上記に説明した方法を実行するために、ステップ400〜420に準拠する方法を実行するための命令セットを含むコンピュータプログラムを用いることができる。
【0089】
錯視による表示部200を生成するように適合されていない携帯用通信装置600のユーザ間においても錯視による表示部200に対する要望が生じ得る。このような要望はアクセサリ500を提供することによって満たすことが可能であり、アクセサリ500は携帯用通信装置600に取り付けるように配設される。携帯用通信装置600に取り付けられるように適合されたこのようなアクセサリ500が図5に描かれている。締め金によって留める、貼り付ける、ピン留めにする、ボルトで留める、締め付ける、ベルトで固定する、留め金具で留める、釘止めする、ねじくぎで取り付ける、フッキングする、ヒンジで留める、テープで留める、縫い合わせる、固定する、鋲で留める、縛る、クランプで締める、接着剤で接着する、ベルクロで接着する、あるいは、携帯用通信装置600をアクセサリ500の中へ永久に取り外せないように取り付けたり、一時的に取り付けたりする他の任意の利便性の良い方法によって、上記取付けを実行することができる。このようにして、アクセサリ500及び携帯用通信装置600は錯視による表示部200を生成するためのシステムを形成することになる。
【0090】
アクセサリ500は、例えば、塩化ビニル、ポリエチレン、メタクリル樹脂、アクリル、シリコン、ポリウレタン、ポリプロピレン、ポリスチレン樹脂などのプラスチック材料(すなわち合成重合材料又は半合成重合材料)で形成することができる。しかし、アクセサリ500は金属、木材、ゴム又は他の任意の利便性の良い材料などでも同様に形成することができる。
【0091】
アクセサリ500は、動き関連データを測定するように適合された動き検出ユニット510を備える。動き検出ユニット510は加速度計であってもよいが、同様に、加速度の測定、振動の検出及び測定を行うように適合された、あるいは、重力に起因して生じる傾き又は加速度の測定、あるいは速度又は動きの測定と検出とを行うように適合された任意の種類の装置であってもよい。
【0092】
アクセサリ500は動き検出ユニット510から動き関連データを受信するように適合された処理ユニット520も備える。さらに、アクセサリ500は処理ユニット520から制御信号を受信するように適合された1以上の発光素子530も備える。
【0093】
発光素子530は発光ダイオード(LED)、白熱電球、電灯、アーク灯、蛍光灯、高輝度放電灯、ハロゲンランプ、フラッシュ又は、光子を放射することができる他の任意の利便性の良い光源であってもよい。したがって、可視スペクトルの範囲内の、又は、可視スペクトルを伴わない人工光が生みだされることになる。本発明の1つの実施形態では、錯視による表示部200が生成される際に、軌道に対して垂直に、若しくは、主として垂直に、発光素子530を列又は配列の形でさらに取り付けることができる。発光素子530の配列は様々な色のLEDなどのような異なるタイプの発光素子530を備えるものであってもよい。1つの実施形態では、発光素子530の配列は同じタイプの発光素子530を含むものであってもよい。
【0094】
アクセサリ500の中に備えられている処理ユニット520は、1以上の発光素子530を作動させる時点と、1以上の発光素子530を停止させる時点とを計算するように適合される。処理ユニット520は、中央演算処理装置(CPU)、マイクロプロセッサ、又はコンピュータプログラム命令及び処理データを解釈するように適合された他の任意の適当なデバイスであってもよい。
【0095】
処理ユニット520はコマンドのような制御情報を1以上の発光素子530へ送信するように適合され、それによって、システムが空間領域にわたって反復して動かされるとき、上記1以上の発光素子530は、視者の視覚の持続性を利用して情報を提示するように適合された錯視による表示部200を生みだすことになる。
【0096】
アクセサリ500は、アクセサリ500の裏側などに配置された、ノブ、ポイント、ニブ、アンテナ、ジョイント又は類似のエレメントのような突き出たエレメントを備えることができる。これによって取り付けられた携帯用通信装置600を備えたアクセサリ500の回転運動を容易にすることが可能となる。ある実施形態では、この突き出たエレメント190は、携帯用通信装置100;600のメーカーのロゴタイプとアクセサリ500のメーカーのロゴタイプの少なくともいずれかのロゴタイプを有するものであってもよい。携帯用通信装置600がアクセサリ500に取り付けられているとき、アクセサリ500の重心と同じ軸線上に突き出たエレメントを有利に配置することができる。
【0097】
ある実施形態では、突き出たエレメント190は機能改善用のボールベアリングを備えるものであってもよい。ある実施形態では、携帯性を改善するために突き出たエレメント190をアクセサリ500の本体内へ収納可能にすることができる。
【0098】
本携帯用通信装置100又はアクセサリ500の利点として、動きの変化の反復測定、並びに、発光素子320;530を対象とする作動時間及び停止時間の再計算に基づいて、携帯用通信装置100とアクセサリ500とのうちの少なくともいずれかは、可変変数レートの反復モーション環境において錯視による表示部200に関する情報を同期させるためのモーションが行われる時間又はサイクル時間の変化を自動的に検知するという点が挙げられる。
【0099】
さらに、アクセサリ500はメモリユニット540を備えることも可能である。また、メモリユニット540はメモリユニット330を備えることもできる。しかし1つの実施形態では、メモリユニット540は、リードオンリメモリ(ROM)、電気的に消去可能でプログラム可能なリードオンリメモリ(EEPROM)、プログラム可能なリードオンリメモリ(PROM)又は消去可能でプログラム可能なリードオンリメモリ(EPROM)又はハードディスクドライブのような2次メモリユニットであってもよい。しかし、1つの実施形態では、メモリユニット540は、オフラインの記憶メモリユニット、フラッシュメモリ、USBメモリ又はメモリカードであってもよい。メモリユニット540は、ネットワーク付属の記憶装置(NAS)又は機械可読データを保持することができるディスクやテープのような他の任意の事実上適切な媒体を含むことも可能である。
【0100】
錯視による表示部200に提示される情報は、メモリユニット540に事前に保存することができる事前に保存済みの語や名称のような静的情報であってもよい。しかし、上記とは別に、この提示情報は時計を提示したり、個々の語をメモリユニット540の中に事前に保存しておき1回に1語ずつ提示することで1文を提示したりできるように、その性質が動的なものであってもよい。
【0101】
また、アクセサリ500は乱数発生器550を備えるものであってもよい。乱数発生器550は擬似乱数発生器であってもよい。
【0102】
また、アクセサリ500はバーチャルなサイコロを実現するために乱数発生器550と組み合わされて用いることができる。アクセサリ500のこの実施形態によれば、動き検出ユニット510によってモーションが検出されると、乱数発生器550は1と6との間の数を発生し、点灯コマンドが発光デバイス510へ送信され、該発光デバイス510は点灯されて、1から6までの数のサイコロの点を錯視による表示部200に提示する。
【0103】
1つの実施形態では、アクセサリ500を用いて神託のような答を生成するように、相反する感情で葛藤する意志決定者などのための決定生成装置/インジケータとして機能するようにしてもよい。
【0104】
上記のように、錯視による表示部200が生みだされ、この表示によって、文字、モバイル端末100;600の所有者名や、アクセサリ500を備えたシステム名、時計、日付、曜日、月内の週の番数、月、年のような事前に保存済みの1つの情報のような目に見える情報及び同様の情報が提示される。また、この提示された目に見える情報はバッテリ状態の表示、信号伝搬状態を示す状態報告、不在着信を示すアイコン及びメッセージ等を含んでもよい。
【0105】
バッテリ状態は、本方法に従って錯視による表示を生成するとき、様々な色で発光素子320;530を照らすことによって示すことができる。例えば暗い緑色光は満充電のバッテリ負荷を示し、明るい緑色光は中程度のバッテリ負荷を示し、黄色光は低いバッテリ負荷を示し、赤色光はバッテリがほとんど完全に放電されている状態を示すことができる。
【0106】
本携帯用通信装置100又はアクセサリ500の利点として、非錯視による表示の限定エリアに関する情報に絞る必要性が少なくなるので、錯視による表示部200に関する何らかの情報を提示することによってディスプレイの視認性が改善されるという点が挙げられる。
【0107】
本携帯用通信装置100又はアクセサリ500の別の利点として、携帯用通信装置100又は600の普通の表示部を用いて携帯用通信装置100又は600の普通の表示部において表示可能な場合よりも大きな文字を用いて、錯視による表示部200における改善された可読性と共に時刻やバッテリ状態のような或る一定の選択情報を表示することができるという点が挙げられる。この結果、身体障害者ユーザ、老齢ユーザ、失語症ユーザ、近視ユーザのうちの少なくともいずれかのユーザによる読む動作が容易化されることになる。
【0108】
本携帯用通信装置100又はアクセサリ500の別の利点として、所有者名、所有者のペットの名前、所有者のお気に入りのアイスホッケーチーム名などを錯視による表示部200に予め保存することによってパーソナル化を行うことが可能となるという点が挙げられる。
【0109】
1つの実施形態では、携帯用通信装置100又はアクセサリ500は、視界内に存在してはいるがある距離を隔てた所に居る電話番号がわからない受け手へ、あるいは、劣悪な無線伝搬条件のために通信を届けることが不可能な受け手へ目に見える形のメッセージを伝えることが可能となる。一例として、ユーザが夜間に未開の環境の中で道に迷って、救助航空機の注意をひこうと試みる場合のような緊急事態の際に錯視による表示部200に「助けて!」という語を表示する例を挙げることができる。
【0110】
特にこのような状況下では、携帯用通信装置100;600を常時又は少なくともかなり頻繁に携帯している携帯通信装置100;600のユーザとして、携帯用通信装置100又は携帯用通信装置600につながるアクセサリ500で利用可能な本発明の錯視による表示を利用できることは利点となり得る。
【0111】
1つの実施形態では、携帯用通信装置100又はアクセサリ500は携帯用通信装置100の電話機能が実行できなかったり、使用が許されなかったりする場合がある状況において、例えば錯視による表示部200に受け手の名前を提示することによって、スポーツ競技場におけるユーザの位置を信号で受け手へ合図するために、目に見える形でメッセージを受け手へ伝えることが可能となる。
【0112】
ある実施形態では、電話番号を知らない受け手へ向けて目に見える形のメッセージを伝えるために、携帯用通信装置100又はアクセサリ500を用いて、ある交通状況の中にいる車輌のドライバに対して錯視による表示部200に目に見えるコメントを放射するというようなことが可能となる。1つの実施形態では、このような目に見える通信信号の中に、賛成でない旨の意見や、あまり人をうれしがらせるものではないようなコメントあるいは疑わしい身振りの図示さえ含めることも可能である。
【0113】
1つの実施形態では、携帯用通信装置100又はアクセサリ500を用いて、やはり携帯用通信装置100又はアクセサリ500へのアクセスを行う、視界内に存在してはいるがある距離を隔てた所に居る受け手との対話の形で、錯視による表示部200に目に見える形のメッセージを伝えることが可能となる。
【0114】
利点として挙げられることとして、記載の実施形態のうちの少なくともいくつかの実施形態に従って、サービスプロバイダへの会員登録を行う必要なく、錯視による表示部200上の目に見える通信信号について携帯用通信装置100又はアクセサリ500を無料で利用できるという点がある。
【0115】
1つの実施形態では、携帯用通信装置100又はアクセサリ500は、錯視による表示部200において、カラーと、テキスト、画像又はストロボとして点滅するフラッシュのような情報との少なくともいずれかを提供するパーティブースタ(party booster)として利用することができる。ある実施形態では、MP3プレイヤのような音楽プレイヤが、携帯用通信装置100の中に、又は、携帯用通信装置600の中に、又は、アクセサリ500の中に含まれていて、かつ、携帯用通信装置100又はアクセサリ500がパーティブースタモードにセットされているとき、上記音楽プレイヤを錯視による表示部200の生成と同時に作動させることが可能である。
【0116】
1つの実施形態では、携帯用通信装置100又はアクセサリ500は、例えば聴衆グループを集めるために、及び、錯視による表示部200上に目に見える形のメッセージを美術館案内の聴衆へ伝えるために美術館案内によって利用されたり、あるいは、都市の観光案内のような任意の場所でのガイド付き観光旅行において利用されたりすることができる。錯視による表示部200の目に見える形のメッセージは中国語や日本語などのアジアの言語のアルファベット符号を含むことも可能である。
【0117】
1つの実施形態では、携帯用通信装置100又はアクセサリ500は、例えばユーザが携帯用通信装置100又はアクセサリ500を備えたシステムを回転させることによって回転運動の数をカウントすると共に、10回転毎に発光素子320;530にカラーを変化させることにより実行されるゲーム機能を提供することができる。この結果、例えば誰が最多数の回転を行うことができるかを競う競争を行うことが可能となる。
【0118】
1つの実施形態では、重力に起因して生じる加速度を測定する動き検出ユニット300により行われる測定を利用することによって、携帯用通信装置100又はアクセサリ500を備えたシステムの傾斜度を測定するアルコール水準器として携帯用通信装置100又はアクセサリ500を利用することができる。
【0119】
1つの実施形態では、携帯用通信装置100又はアクセサリ500を自転車の車輪のスポークに取り付けて、光や或る種の情報メッセージを錯視による表示部200上で発するように適合させ、それによって、特に暗い照明時における他の交通車両に対して自転車運転者及び自転車に対する視認性の改善を図ることが可能となり、交通安全装置としてサービスを提供することが可能となる。
【0120】
1つの実施形態では、自転車の速度に応じて、例えば5km/時未満の場合には青色光、5〜10km/時の場合には緑色光、10〜20km/時の場合には黄色光、20〜30km/時の場合にはオレンジ光、30〜40km/時の場合には赤色光、40〜50km/時の場合にはストロボ赤色光などのカラー方式に基づいて発光するように自転車の車輪に携帯用通信装置100又はアクセサリ500を取り付けることができる。したがって、携帯用通信装置100又はアクセサリ500は速度計と、物理的トレーニングの改善兼刺激装置との少なくともいずれかのデバイスとして機能を果たすことが可能となる。
【0121】
1つの実施形態では、携帯用通信装置100又はアクセサリ500を歩行者の腕又は手に装着して、光や或る種の情報メッセージを錯視による表示部200上で発するように適合させ、それによって、特に暗い照明時における他の交通車両に対して、照明された歩行者に対する視認性を改善することが可能となり、交通安全装置としてサービスを提供することが可能となる。
【0122】
1つの実施形態では、歩行者の速度に応じて、例えば、2km/時未満の場合には青色光、2〜5km/時の場合には緑色光、5〜10km/時の場合には黄色光、10〜20km/時の場合にはオレンジ光、20〜30km/時の場合には赤色光、30〜40km/時の場合にはストロボ赤色光などのカラー方式に基づいて発光するように歩行者の腕や手に携帯用通信装置100又はアクセサリ500を装着することができる。したがって、携帯用通信装置100又はアクセサリ500は速度計と、物理的トレーニングの改善兼刺激装置との少なくともいずれかのデバイスとして機能を果たすことが可能となる。
【0123】
本明細書で説明した錯視による表示部200を生成する携帯用通信装置100と方法、並びに、コンピュータプログラムとアクセサリ500は種々の変更形態と代替形態が可能であるが、それらのうちの特定の実施形態を一例として図面に示すとともに、本書面において詳細に説明した。しかしながら、特定の実施形態を開示する一方で、これは本携帯用通信装置100、錯視による表示部200の生成方法、コンピュータプログラム又はアクセサリ500を、開示された特定の形態のいずれかに限定する意図で開示したものではないことを理解すべきである。一方で、本携帯用通信装置100及び錯視による表示部200の生成方法は、特許請求の範囲によって定義されるような、携帯用通信装置100と、錯視による表示部200の生成方法と、コンピュータプログラムと、アクセサリ500との精神及び範囲に、これらの全ての変形形態、均等形態および代替実施形態が含まれることが意図されている。
【0124】
同一の参照番号は図面の説明を通じて同一の要素を示すものとする。ここでの使用において、単数形表現は、そうでない旨を明示して断らない限り、複数形をも含むことを意図するものである。本明細書中で使用される用語「含む、含んでいる」は、この明細書で述べられた機能、数値、ステップ、動作、構成要素およびコンポーネントの少なくとも1つの存在を特定するために使用されている。しかしながら、他の1以上の機能、数値、ステップ、動作、構成要素、コンポーネントおよびそれらのグループの少なくとも1つの存在または追加を排除する意図ではないということを理解されるべきである。ある要素が別の要素に「接続」又は「結合」されていると記載されているとき、その別の要素に直接に接続又は結合されていてもよいし、介在する要素が存在していてもよいことは理解されよう。
【0125】
さらに、本明細書で使用されているような「接続される(connected)」又は「結合される(coupled)」という記載は無線での接続又は結合を含むものである。ここでの使用において、用語「と〜とのうちの少なくともいずれか」は、関連してリストされた項目の1以上の任意の及び全ての組合せを含むものとする。
【0126】
別段の定めがない限り、技術的及び科学的な用語を含むここで使用される全ての用語は、携帯用通信装置100、錯視による表示部200の生成方法、コンピュータプログラム、アクセサリ500のうちの少なくともいずれかが属する分野の当業者により一般に理解されるものと同様の意味を持つものとする。一般に使用される辞書に定義されているような用語は、意味を有するものと解釈すべきであり、関連する技術分野の文脈における意味と一致する意味を有するものと解釈すべきであり、本明細書で明示的に別段の定めがない限り、理想化した意味に解釈すべきではなく、又は、過度に形式的な意味に解釈すべきではないことをさらに理解されたい。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
動き関連データを測定する動き検出ユニットと、
前記動き検出ユニットから動き関連データを受信する処理ユニットと、
前記処理ユニットから制御信号を受信する1以上の発光素子とを備え、
前記処理ユニットは、前記動き関連データに基づいて、前記1以上の発光素子を作動させる時点と停止させる時点とを決定する点灯スキームを計算すると共に、前記1以上の発光素子を作動させ、停止させるために、前記点灯スキームに従って制御情報を前記1以上の発光素子へ送信し、それによって、前記携帯通信装置が空間領域にわたって反復して動かされるときに、前記1以上の発光素子が、観察者の視覚の持続性を利用して情報を示す、錯視による表示を生成することを特徴とする携帯通信装置。
【請求項2】
前記携帯通信装置の重心と同じ軸線上に配置された突き出たエレメントをさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の携帯通信装置。
【請求項3】
前記突き出たエレメントはアンテナを備えることを特徴とする請求項2に記載の携帯通信装置。
【請求項4】
前記動き検出ユニットは加速度計であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の携帯通信装置。
【請求項5】
前記動き検出ユニットは前記携帯通信装置のコーナーのうちの1つに配置されることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の携帯通信装置。
【請求項6】
前記1以上の発光素子が、前記携帯通信装置の運動方向に対して主として垂直に、前記携帯通信装置に取り付けられた発光素子の配列を形成することを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の携帯通信装置。
【請求項7】
前記1以上の発光素子は複数のカラー光を放射することを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の携帯通信装置。
【請求項8】
前記1以上の発光素子は発光ダイオード(LED)であることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載の携帯通信装置。
【請求項9】
前記携帯通信装置はメモリユニットを備えることを特徴とする請求項1乃至8のいずれか1項に記載の携帯通信装置。
【請求項10】
動き検出ユニットと、処理ユニットと、1以上の発光素子とを備えた携帯通信装置を用いることによって錯視による表示を生成する方法であって、
前記携帯通信装置の動きの発生を検出し、
前記1以上の発光素子を作動させる時点と停止させる時点とを決定する点灯スキームを前記検出された動きに基づいて計算し、
前記1以上の発光素子を作動させ、停止させるために、前記点灯スキームに従って制御情報を前記1以上の発光素子へ送信し、それによって、前記携帯通信装置が空間領域にわたって反復して動かされるとき、前記1以上の発光素子が、観察者の視覚の持続性を利用して情報を提示する、錯視による表示を生成することを特徴とする方法。
【請求項11】
請求項10に記載の方法を実行するための命令セットを含むことを特徴とするコンピュータプログラム。
【請求項12】
携帯通信装置に取り付けられるように配設されたアクセサリであって、
動き関連データを測定する動き検出ユニットと、
前記動き検出ユニットから動き関連データを受信する処理ユニットと、
前記処理ユニットから制御信号を受信する1以上の発光素子とを備え、
前記処理ユニットは、前記1以上の発光素子を作動させる時点と停止させる時点とを決定する点灯スキームを前記動き関連データに基づいて計算し、前記1以上の発光素子を作動させ、停止させるために、前記点灯スキームに従って制御情報を前記1以上の発光素子へ送信し、それによって、前記アクセサリが空間領域にわたって反復して動かされるときに、前記1以上の発光素子が観察者の視覚の持続性を利用して情報を示す、錯視による表示を生成することを特徴とするアクセサリ。
【請求項13】
携帯通信装置に取り付けられたときの前記アクセサリの重心と同じ軸線上に配置される突き出たエレメントをさらに備えることを特徴とする請求項12に記載のアクセサリ。
【請求項14】
前記突き出たエレメントはアンテナを備えることを特徴とする請求項13に記載のアクセサリ。
【請求項15】
前記動き検出ユニットは加速度計であることを特徴とする請求項12乃至14のいずれか1項に記載のアクセサリ。
【請求項16】
前記動き検出ユニットは前記携帯通信装置のコーナーのうちの1つに配置されることを特徴とする請求項12乃至15のいずれか1項に記載のアクセサリ。
【請求項17】
前記1以上の発光素子は、前記アクセサリの動き方向に対して主として垂直に、前記アクセサリに取り付けられた発光素子の配列を形成することを特徴とする請求項12乃至16のいずれか1項に記載のアクセサリ。
【請求項18】
前記1以上の発光素子は複数のカラー光を放射することを特徴とする請求項12乃至17のいずれか1項に記載のアクセサリ。
【請求項19】
前記1以上の発光素子は発光ダイオード(LED)であることを特徴とする請求項12乃至18のいずれか1項に記載のアクセサリ。
【請求項20】
前記アクセサリはメモリユニットを備えることを特徴とする請求項12乃至19のいずれか1項に記載のアクセサリ。

【図1A】
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【図1B】
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【図2】
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【図3A】
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【図3B】
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【図4】
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【図5】
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【公表番号】特表2010−534349(P2010−534349A)
【公表日】平成22年11月4日(2010.11.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−517276(P2010−517276)
【出願日】平成19年12月3日(2007.12.3)
【国際出願番号】PCT/EP2007/063174
【国際公開番号】WO2009/012821
【国際公開日】平成21年1月29日(2009.1.29)
【出願人】(502087507)ソニー エリクソン モバイル コミュニケーションズ, エービー (823)
【Fターム(参考)】