説明

発光素子収納用パッケージならびに発光装置

【課題】発光素子からの発熱の放熱性に優れ、装置寿命を向上できる安価な発光素子収納用パッケージならびに発光装置を提供する。
【解決手段】セラミック基板11に発光素子21と外部とを電気的に導通状態とするための導体配線12と、セラミック基板11の上面外周部に延設する導体配線12の先端部である外部接続端子パッド14、14aを有すると共に、発光素子21を内周側壁面で囲繞して発光素子21からの発光を反射させて前方側に集光させるための反射体15を有し、しかも、セラミック基板11下面に直接当接接合されて発光素子21からの発熱を放熱させるためのセラミック基板11の外形寸法より大きい全面銅板16を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、発光ダイオード(Light Emitting Diode:LED)等の発光素子を収納するための発光素子収納用パッケージならびに発光素子収納用パッケージに発光素子を収納してなり装置本体に取り付けられる発光装置に関し、より詳細には、発光素子からの発熱があったとしても速やかに放熱できる発光素子収納用パッケージならびに発光素子を収納したパッケージの装置本体への取り付け部の接続信頼性を向上できる発光装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から発光素子収納用パッケージには、絶縁性を有し、発光素子からの発熱に耐えることができる耐熱性の高い樹脂製や、セラミック製のパッケージが用いられている。また、発光素子収納用パッケージには、発光素子を収納してなり装置本体に取り付けられる発光装置である一般照明や大画面液晶用バックライト、自動車用ランプ等に代表されるような高い光出力の発光素子を収納できるパッケージが求められている。発光素子には、電流を上げて輝度を上昇させるということができるものの、発光素子からの発熱が高くなり、発光素子からの発熱を速やかに取り除かなければ、発光素子の温度が上昇して逆に発光効率が低下して高い光出力が得られなくなっている。従って、高い光出力の発光素子を収納できる発光素子収納用パッケージには、熱伝導率が高いセラミック製のパッケージが好ましい形態となっている。
【0003】
図3(A)、(B)に示すように、従来のセラミック製の代表的な発光素子収納用パッケージ50は、通常、複数枚のセラミックグリーンシートに導体印刷パターンを形成した後、複数枚を重ね合わせて積層し、焼成してセラミック基板51を作製している。そして、このセラミック基板51には、導体配線52の一方の先端部として上面側に発光素子61(図4参照)と電気的に導通状態とするための発光素子接続端子パッド53と、導体配線52の他方の先端部として下面側に外部接続端子パッド54を設けている。この発光素子収納用パッケージ50は、発光素子61を内周側壁面で囲繞して発光素子61からの発光の輝度を向上させたり、前方側に集光させるための反射体55を設けている。この反射体55は、セラミックや、樹脂や、金属製からなり、接合材で接合されたり、セラミックの場合には、セラミック基板51用のセラミックグリーンシートと同時に積層し、焼成して作製している。
【0004】
図4に示すように、発光素子収納用パッケージ50には、発光素子61を搭載し、反射体55の上面にレンズ等の蓋体62等を接合させたり、発光素子61の搭載部に透光性樹脂を充填させたりして発光素子61を気密封止し収納している。発光素子収納用パッケージ50に発光素子61を収納してなり装置本体70に取り付けられる発光装置60は、外部接続端子パッド54と、装置本体70への取り付け用の樹脂配線基板71の上面に設けられている回路配線72との間に半田73を介して加熱して接合している。そして、発光装置60は、間にアルミニウム板等からなるヒートシンク板74を介して装置本体70にネジ75等でネジ止めして取り付けられている。
【0005】
従来の発光素子収納用パッケージには、片面に凹部が形成された金属基板の凹部の形状に合わせて、無機フィラーと熱硬化性樹脂を含んだ絶縁層である放熱樹脂と、銅を主体とするリードフレームを形成している。凹部の底部のリードフレーム部分に発光素子を実装する発光装置は、発光素子の発熱を、リードフレームを介して発光装置全体に広げられ、更に放熱樹脂の厚みを薄く均一にできるため、リードフレームの熱を効果的に金属基板へ拡散させることができるようにしている(例えば、特許文献1参照)。この発光素子収納用パッケージならびに発光装置は、放熱基板として加工の難しいセラミック基板を用いるのを回避できるという作用を有している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2007−173441号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、前述したような従来の発光素子収納用パッケージならびに発光装置は、次のような問題がある。
(1)従来の発光素子収納用パッケージに発光素子を収納してなり装置本体に取り付けられる発光装置は、装置本体に取り付けられるときの接合に半田を用いているので、発光素子の発光時の発熱、停止時の冷却の繰り返しによる半田接合部の半田の疲労劣化による断線が発生するという装置寿命の低下となっている。
(2)従来の発光素子収納用パッケージに発光素子を収納してなり装置本体に取り付けられる発光装置は、外部接続端子パッドがパッケージの下面に設けられているので、半田接合するための樹脂配線基板がヒートシンク板の上面に必要となり、発光素子からの発熱の伝熱が熱伝導率の低い樹脂配線基板で遮られ、放熱性が低下して発光素子の発光効率の低下となっている。
(3)特開2007−173441号公報で開示されているような、発光素子収納用パッケージは、セラミック基板に代えて無機フィラーと熱硬化性樹脂を含んだ絶縁層である放熱樹脂を用いたとしても、樹脂の熱伝導率が低いので、発光素子からの発熱の伝熱が放熱樹脂で遮られ、放熱性が低下して発光素子の発光効率の低下となっている。
本発明は、かかる事情に鑑みてなされたものであって、発光素子からの発熱の放熱性に優れ、装置寿命を向上できる発光素子収納用パッケージならびに発光装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記目的に沿う本発明に係る発光素子収納用パッケージは、セラミック基板に発光素子と外部とを電気的に導通状態とするための導体配線と、セラミック基板の上面外周部に導体配線の先端部からなる外部接続端子パッドを有すると共に、発光素子を内周側壁面で囲繞して発光素子からの発光を反射させて前方側に集光させるための反射体を有し、しかも、セラミック基板の下面に直接当接接合されて発光素子からの発熱を放熱させるためのセラミック基板の外形寸法より大きい全面銅板を有する。
【0009】
また、前記目的に沿う本発明に係る発光装置は、上記の発光素子収納用パッケージに発光素子を収納してなり装置本体に取り付けられる発光装置であって、セラミック基板の厚さと全面銅板の厚さの略合計厚さと、セラミック基板の大きさより大きい貫通孔と、全面銅板の大きさより大きく全面銅板の厚さ以下の段差状の切り欠きを下面から有する樹脂配線基板の切り欠きの水平面を、全面銅板のセラミック基板から突出する部位の上面に当接させ、装置本体に全面銅板と樹脂配線基板の下面を当接させながら樹脂配線基板の上面からネジ締めして取り付けられると共に、外部接続端子パッドと樹脂配線基板の上面に設けられている回路配線との間をリード線で接続させて電気的に導通状態にされる。
【発明の効果】
【0010】
本発明の発光素子収納用パッケージは、セラミック基板に発光素子と外部とを電気的に導通状態とするための導体配線と、セラミック基板の上面外周部に導体配線の先端部からなる外部接続端子パッドを有すると共に、発光素子を内周側壁面で囲繞して発光素子からの発光を反射させて前方側に集光させるための反射体を有し、しかも、セラミック基板の下面に直接当接接合されて発光素子からの発熱を放熱させるためのセラミック基板の外形寸法より大きい全面銅板を有するので、セラミック基板上面で外部と電気的導通状態にでき、セラミック基板下面で半田接合させることをなくして、半田接合部の半田の疲労劣化による断線の発生を防止することができる。また、セラミック基板下面には、全面銅板を直接当接接合しているので、接合強度が高く、発光素子からの発熱を熱伝導率が優れるセラミック基板を介し、熱伝導率が優れる全面銅板から効率的に放熱させることができる発光素子収納用パッケージを提供できる。
【0011】
本発明の発光装置は、上記の本発明の発光素子収納用パッケージに発光素子を収納してなり装置本体に取り付けられる発光装置であって、セラミック基板の厚さと全面銅板の厚さの略合計厚さと、セラミック基板の大きさより大きい貫通孔と、全面銅板の大きさより大きく全面銅板の厚さ以下の段差状の切り欠きを下面から有する樹脂配線基板の切り欠きの水平面を、全面銅板のセラミック基板から突出する部位の上面に当接させ、装置本体に全面銅板と樹脂配線基板の下面を当接させながら樹脂配線基板の上面からネジ締めして取り付けられると共に、外部接続端子パッドと樹脂配線基板の上面に設けられている回路配線との間をリード線で接続させて電気的に導通状態にされるので、装置本体に取り付けられるときの接合に半田を用いることなく、発光素子の発光時の発熱、停止時の冷却の繰り返しによる半田接合部の半田の疲労劣化による断線の発生を防止して、装置寿命を長くすることができる。また、発光装置は、外部接続端子パッドがセラミック基板上面に設けられているので、セラミック基板下面に直接全面銅板を貼り付けてヒートシンク板とすることができ、発光素子からの発熱を熱伝導率の高いセラミック基板及び全面銅板から放熱でき、発光素子の発光効率を向上させることができる発光装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】(A)、(B)はそれぞれ本発明の一実施の形態に係る発光素子収納用パッケージの平面図、A−A’線縦断面図である。
【図2】同発光素子収納用パッケージに発光素子を収納してなり装置本体に取り付けられる発光装置の説明図である。
【図3】(A)、(B)はそれぞれ従来の発光素子収納用パッケージの平面図、B−B’線縦断面図である。
【図4】同発光素子収納用パッケージに発光素子を収納してなり装置本体に取り付けられる発光装置の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
続いて、添付した図面を参照しつつ、本発明を具体化した実施するための最良の形態について説明し、本発明の理解に供する。
図1(A)、(B)に示すように、本発明の一実施の形態に係る発光素子収納用パッケージ10を作製するためには、セラミックグリーンシート、又はセラミック造粒粉末から外形形状が平面視して、四角形や、多角形や、円形等の成形体を形成し、これを焼成して板状のセラミック基板11を作製して用いている。このセラミック基板11には、アルミナ(Al)や、ジルコニア入りアルミナや、窒化アルミニウム(AlN)等のセラミックから作製されるものを用いることができる。例えば、アルミナからなるセラミックグリーンシートは、アルミナ粉末にマグネシア、シリカ、カルシア等の焼結助剤を適当量加えた粉末に、ジオクチルフタレート等の可塑剤と、アクリル樹脂等のバインダー、及び、トルエン、キシレン、アルコール類等の溶剤を加え、十分に混練した後、脱泡して粘度2000〜40000cpsのスラリーを作製し、これをドクターブレード法等によってシート状に形成し、適当な大きさにカットすることで作製している。また、例えば、アルミナからなるセラミック造粒粉末は、同じくアルミナ粉末に焼結助剤と、バインダー、溶剤等を加え、十分に混合した後、スプレードライヤーで乾燥しながら造粒して作製している。
【0014】
そして、発光素子収納用パッケージ10には、このセラミック基板11に発光素子21(図2参照)と、外部とを電気的に導通状態とするための導体配線12を設けている。また、発光素子収納用パッケージ10には、セラミック基板11上面に導体配線12の一方の先端部として発光素子21のP、N電極と電気的に導通状態とするための発光素子接続端子パッド13、13aを設けている。更に、発光素子収納用パッケージ10には、セラミック基板11上面に導体配線12の他方の先端部として外周部に延設して外部と接続状態とするため外部接続端子パッド14、14aを設けている。
【0015】
上記の発光素子接続端子パッド13、13aは、発光素子21のP、N電極の端子が上、下のそれぞれに分かれてある場合には、一方がワイヤボンドパッド、他方がフリップチップ接合となるダイレクトパッドとなっている。また、図示しないが、発光素子接続端子パッド13、13aは、発光素子21のP、N電極の端子が上方側に両方がある場合には、両方がワイヤボンドパッドとなっている。更には、発光素子接続端子パッド13、13aは、発光素子21のP、N電極の端子が下方側に両方がある場合には、両方がフリップチップ接合となるダイレクトパッドとなっている。
【0016】
なお、発光素子収納用パッケージ10には、発光素子接続端子パッド13、13aから外部接続端子パッド14、14aに延設する導体配線12をセラミック基板11の上面にのみ設ける場合と、セラミック基板11の上面に設ける発光素子接続端子パッド13、13aから内層に一旦導体配線12を引き回して再度上面に外部接続端子パッド14、14aを露出させる場合とがある。
【0017】
上記の発光素子収納用パッケージ10は、発光素子21を内周側壁面で囲繞して発光素子21からの発光を反射させて前方側に集光させるための反射体15を有している。この反射体15は、通常、内周側壁面が上方側に向かって開口径を大きくする傾斜状円筒壁面であって発光素子21からの発光が上方側に集光できるようになっている。また、反射体15は、反射率の高いセラミック製や、樹脂製や、金属製からなり、必要に応じて表面にめっき被膜等を形成している。
【0018】
また、この発光素子収納用パッケージ10は、セラミック基板11下面に直接当接接合されて発光素子21からの発熱を放熱させるためのセラミック基板11の外形寸法より大きい全面銅板16を有している。この全面銅板16のセラミック基板11への直接当接接合には、直接接合法と、活性金属ろう材接合法がある。この直接接合法とは、予め全面銅板16の表面に酸化膜を施したり、全面銅板16中の酸素濃度を管理したりして、酸素濃度を0.008〜0.39%に制御した全面銅板16をセラミック基板11に当接して、1063℃以上で銅の融点温度である1083℃以下の温度、例えば、1070℃程度の温度で加熱し、銅と微量の酸素との反応により生成するCu−O共晶液層を結合材としてセラミック基板11に全面銅板16を接合する方法である。また、活性金属ろう材接合法とは、全面銅板16をチタンや、ジルコニウムや、ベリリウム等のような極めて反応性の大きい、所謂活性な金属をAg−Cu系ろう材等に加えた活性金属ろう材を介してセラミック基板11に当接して、活性金属ろう材の溶融温度、例えば、750〜850℃程度で加熱してチタン等の酸素との親和力の強さを利用して直接接合する方法である。
【0019】
上記の発光素子収納用パッケージ10には、外部接続端子パッド14、14aと、発光素子接続端子パッド13、13aを含む導体配線12が様々な方法で設けられている。例えば、導体配線12は、セラミックグリーンシートにタングステンや、モリブデン等の高融点金属ペーストをスクリーン印刷し、セラミックグリーンシートと高融点金属を同時焼成して設けることができる。この場合には、導体配線12をセラミック基板11の内層にも設けることができる。上記のタングステンや、モリブデン等の高融点金属を充填して形成したビアを上面に露出させたセラミック基板11には、高融点金属の上面にニッケルめっき被膜等を介して銅ペーストをスクリーン印刷し焼成して外部接続端子パッド14、14aや、発光素子接続端子パッド13、13aを設けることもできる。また、上記の発光素子収納用パッケージ10は、導体配線12を焼成済のセラミック基板11の上面に銅ペーストや、銀ペーストをスクリーン印刷し焼成して設けることができる。あるいは、上記の発光素子収納用パッケージ10は、導体配線12を焼成済のセラミック基板11の上面に配線銅板を直接接合して設けることができる。なお、この配線銅板の直接接合は、前記の全面銅板16の直接接合法と同様の方法を用いることができる。
【0020】
上記の発光素子収納用パッケージ10は、セラミック基板11の上面に反射体15が導体配線12を跨ぐように絶縁性接合材17を介して接合されている。あるいは、発光素子収納用パッケージ10は、セラミック基板11の内層に設けた導体配線12によって導体配線12を避けてセラミック基板11に積層させたり、セラミック基板11の上面に絶縁性接合材17を介して接合されている。なお、この絶縁性接合材17は、ガラスや、樹脂等からなる接合材であって、電気的に絶縁状態となっている。また、上記の反射体15は、セラミック製や、樹脂製や、金属製等からなるが、例え、電気的に導通状態の金属製のものであっても、導体配線12を跨ぐように設ける絶縁性接合材17を介することで導体配線12との短絡を防止することができる。
【0021】
図2に示すように、上記の発光素子収納用パッケージ10に発光素子21を収納してなる発光装置20は、セラミック基板11上面の搭載部に発光素子21を搭載し、反射体15の上面にレンズ等の蓋体22等を接合させたり、発光素子21の搭載部に透光性樹脂を充填させたりして発光素子21を気密封止することで形成されている。そして、装置本体30に取り付けられるこの発光装置20は、装置本体30にネジ31でネジ締めして取り付けられる樹脂配線基板32に設ける切り欠き33の水平面部34を全面銅板16のセラミック基板11から突出する部位の上面に当接させている。この樹脂配線基板32は、セラミック基板11の厚さと、全面銅板16の厚さの略合計厚さからなると共に、セラミック基板11の大きさより大きい貫通孔35を有している。また、樹脂配線基板32は、全面銅板16の大きさより大きく全面銅板16の厚さ以下の段差状の上記の切り欠き33を下面から有している。そして、発光装置20は、装置本体30に全面銅板16と樹脂配線基板32の下面を当接させると共に、樹脂配線基板32の切り欠き33の水平面部34を全面銅板16のセラミック基板11から突出する部位の上面に当接させながら樹脂配線基板32の上面からネジ31でネジ締めして取り付けられるようになっている。
【0022】
また、上記の発光装置20は、セラミック基板11の上面に設けられている外部接続端子パッド14、14aと、樹脂配線基板32の上面に設けられている回路配線36との間をリード線37で接続させて電気的に導通状態にされるようになっている。このリード線37は、例えば、予め外部接続端子パッド14、14aに一方の端子をろう付けして接合されているリードフレームの他方の端子を回路配線36に接合させている。あるいは、リード線37は、フレキシブルリードを外部接続端子パッド14、14aと回路配線36の間に接合させてもよく、特に形態を限定するものではないが、リード線37が弾力性に富んでいるので接合部にかかる熱応力を回避できるような形態となっている。
【実施例】
【0023】
本発明者は、実施例として、本発明のセラミック基板が大きさ8.0mm×8.0mm、厚さ0.2mmで、全面銅板が大きさ9.0mm×9.0mm、厚さ0.3mmからなる発光素子収納用パッケージに発光素子を収納し、装置本体に樹脂配線基板で全面銅板の端部を締め付けるようにしてとりつけられた場合の発光装置の発光素子が1W発熱した際の発光素子の温度をシミュレーションで解析した。併せて、本発明者は、従来例として、セラミック基板が大きさ8.0mm×8.0mm、厚さ0.5mmからなる発光素子収納用パッケージに発光素子を収納し、装置本体の上面に取り付けられたアルミニウム板上面の樹脂配線基板にセラミック基板下面に設けた外部接続端子パッドを半田で接合させた場合の発光装置の実施例と同じ発光素子が1W発熱した際の発光素子の温度をシミュレーションで解析した。その結果を表1に示す。
【0024】
【表1】

【0025】
上記の発光素子が1W発熱した際の発光素子の温度は、実施例の温度が40.7℃を示し、従来例の温度が56.9℃を示しており、明らかに本発明の発光素子収納用パッケージならびに発光装置に放熱性の効果が高いことが確認できた。
【産業上の利用可能性】
【0026】
本発明の発光素子収納用パッケージならびに発光装置は、LED等の発光素子を搭載させ、寿命の長い、放熱性に優れた輝度の高い照明や、ディスプレイ等に用いることができる。
【符号の説明】
【0027】
10:発光素子収納用パッケージ、11:セラミック基板、12:導体配線、13、13a:発光素子接続端子パッド、14、14a:外部接続端子パッド、15:反射体、16:全面銅板、17:絶縁性接合材、20:発光装置、21:発光素子、22:蓋体、30:装置本体、31:ネジ、32:樹脂配線基板、33:切り欠き、34:水平面部、35:貫通孔、36:回路配線、37:リード線

【特許請求の範囲】
【請求項1】
セラミック基板に発光素子と外部とを電気的に導通状態とするための導体配線と、前記セラミック基板の上面外周部に前記導体配線の先端部からなる外部接続端子パッドを有すると共に、前記発光素子を内周側壁面で囲繞して前記発光素子からの発光を反射させて前方側に集光させるための反射体を有し、しかも、前記セラミック基板の下面に直接当接接合されて前記発光素子からの発熱を放熱させるための前記セラミック基板の外形寸法より大きい全面銅板を有することを特徴とする発光素子収納用パッケージ。
【請求項2】
請求項1記載の発光素子収納用パッケージに発光素子を収納してなり装置本体に取り付けられる発光装置であって、前記セラミック基板の厚さと前記全面銅板の厚さの略合計厚さと、前記セラミック基板の大きさより大きい貫通孔と、前記全面銅板の大きさより大きく前記全面銅板の厚さ以下の段差状の切り欠きを下面から有する樹脂配線基板の前記切り欠きの水平面を、前記全面銅板の前記セラミック基板から突出する部位の上面に当接させ、前記装置本体に前記全面銅板と前記樹脂配線基板の下面を当接させながら前記樹脂配線基板の上面からネジ締めして取り付けられると共に、前記外部接続端子パッドと前記樹脂配線基板の上面に設けられている回路配線との間をリード線で接続させて電気的に導通状態にされることを特徴とする発光装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2010−199167(P2010−199167A)
【公開日】平成22年9月9日(2010.9.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−40077(P2009−40077)
【出願日】平成21年2月24日(2009.2.24)
【出願人】(391039896)株式会社住友金属エレクトロデバイス (276)
【Fターム(参考)】