説明

発光装置

【課題】レーザ光源の過熱を抑制することで、レーザ光源の発光効率を高め、所望波長のレーザ光の出力効率を高めることができる発光装置を提供する。
【解決手段】発光装置は、面発光型のレーザダイオード11から出射された第1の波長のレーザ光の波長を変換して第2の波長のレーザ光を生成するPPLN12と、第2の波長のレーザ光を透過するとともに第1の波長のレーザ光をPPLN12に向かって反射するVBG13とを備えている。さらに、PPLN12からの第1の波長のレーザ光を透過させ、このレーザ光から生成された第2の波長のレーザ光を入射方向に直交する方向に反射させるダイクロイックミラー14と、ダイクロイックミラー14からの第2の波長のレーザ光を折り返すミラー16と、これらのミラー間に配された1/4波長板15とを備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、波長変換により所定波長のレーザ光を生成出力する発光装置に関し、たとえば投写型レーザプロジェクタの発光源等に用いて好適なものである。
【背景技術】
【0002】
現在、赤色および青色波長帯のレーザ光を出力するレーザダイオードが開発されており、光ディスク装置やレーザプロジェクタ等に広く用いられている。しかし、緑色波長帯等、波長帯によってはレーザダイオードが未開発のものがあり、これらの波長帯は、たとえば、他の波長帯のレーザ光を波長変換することにより、レーザ光の生成・出力がなされている。
【0003】
図7は、波長変換により所定波長帯のレーザ光を生成・出力する構成例を示す図である。たとえは、緑色波長(波長:532nm)のレーザ光は、その2倍の波長(波長:1064nm)のレーザ光を波長変換することによって生成される。
【0004】
同図において、1は面発光型のレーザダイオードである。レーザダイオード1から出力された波長λ1(1064nm)のレーザ光は、非線形光学素子(PPLN:Periodically Poled Lithium Niobate)2を通過することにより波長がλ2(532nm)に変換される。ここで、レーザ光は、一定の割合だけが非線形光学素子2によって変換された波長を発生し、ほとんどは波長λ1のまま非線形光学素子2を通過する。
【0005】
波長変換されたレーザ光(波長:λ2)と非線形光学素子2を通過したレーザ光(波長:λ1)は、入射面にAR(Anti-Reflection)コート3aが形成されたVBG(Volume Bragg Grating)3に入射される。このうち、波長λ2のレーザ光は、VBG3を略透過し、残りの波長λ1のレーザ光は、VBG3によって略反射される。なお、VBG3には、出射面にもARコートが形成されている。
【0006】
VBG3によって反射された波長λ1のレーザ光は、再び非線形光学素子2を通過する。この際、非線形光学素子は、一定の割合で波長λ2のレーザ光を発生させる。その後、レーザ光(波長:λ1、λ2)は、レーザダイオード1のレーザ出射面によって反射され、再び、非線形光学素子2に入射する。このうち、波長λ2のレーザ光は、その波長のまま非線形光学素子2を透過する。他方、波長λ1のレーザ光は、非線形光学素子2を通過し、その際、非線形光学素子2は、一定の割合で波長λ2のレーザ光を発生させる。
【0007】
非線形光学素子2を通過したレーザ光(波長:λ1、λ2)のうち、波長λ2のレーザ光は、VBG3を透過して外部に出力される。他方、波長λ1のレーザ光は、VBG3により反射され、再び、非線形光学素子2へ戻される。
【0008】
このように、波長λ1のレーザ光は、VBG3とレーザダイオード1の出射面との間で同じ光路で反射を繰り返し、その間に、非線形光学素子2は、一定の割合ずつ波長λ2のレーザ光を発生させる。そして、波長λ2のレーザ光はVBG3を透過し、順次、外部に出力される。
【特許文献1】特開平5−235456号公報
【特許文献2】特開平7−183605号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかし、図7の構成例によれば、レーザダイオード1側に戻ってきたレーザ光(波長:λ1、λ2)がレーザダイオード1の出射面で反射される際に、これらレーザ光によって出射面が加熱される。これにより、レーザダイオード1が過熱し、発光効率が低下する惧れがある。この結果、波長λ2のレーザ光の出力効率が低下する惧れがある。
【0010】
本発明は、この点に鑑みてなされたものであり、レーザ光源の過熱を抑制しつつ、波長変換により生成された所望波長のレーザ光の出力効率を高めることができる発光装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の第1の態様は、レーザ光を出射する発光装置において、第1の波長のレーザ光を出射する面発光型のレーザ光源と、前記レーザ光源から出射されたレーザ光を波長変換して第2の波長のレーザ光を生成する波長変換素子と、前記波長変換素子を透過したレーザ光のうち前記第2の波長のレーザ光を透過して出射レーザ光とするとともに前記第1の波長のレーザ光を前記波長変換素子に向かって反射する第1の反射素子と、前記第1の反射素子により反射された前記第1の波長のレーザ光が前記波長変換素子を再び通過する際に生成された前記第2の波長のレーザ光を、前記レーザ光源に戻すことなく、前記出射レーザ光に重畳させる光学手段と備えたことを特徴とする。
【0012】
本発明の第2の態様は、第1の態様に係る発光装置において、前記光学手段は、前記第1の反射素子により反射された前記第1の波長のレーザ光が前記波長変換素子を再び通過する際に生成された前記第2の波長のレーザ光の偏光方向を90度回転させて前記出射レーザ光に重畳させる波長板を備えることを特徴とする。
【0013】
本発明の第3の態様は、第2の態様に係る発光装置において、前記光学手段は、前記第1の反射素子により反射された前記第1の波長のレーザ光が前記波長変換素子を再び通過する際に生成された前記第2の波長のレーザ光を反射して前記第1の波長のレーザ光から分離する第2の反射素子と、前記第2の反射素子によって反射された前記第2の波長のレーザ光を前記第2の反射素子に向かって反射させる第3の反射素子とを備え、前記波長板は、前記第2の反射素子と前記第3の反射素子との間に配された1/4波長板であることを特徴とする。
【0014】
本発明の第4の態様は、第3の態様に係る発光装置において、前記波長変換素子の分極反転方向と、前記第1の波長のレーザ光の光軸に対する前記第2の反射素子の傾き方向との関係を、前記第2の反射素子に対する前記第1の波長のレーザ光の透過率が高くなるように設定したことを特徴とする。
【0015】
本発明の第5の態様は、第2の態様に係る発光装置において、前記光学手段は、前記第1の反射素子により反射された前記第1の波長のレーザ光が前記波長変換素子を再び通過する際に生成された前記第2の波長のレーザ光を反射して前記第1の波長のレーザ光から分離する第2の反射素子と、前記波長変換素子を前記レーザ光源側から透過することにより生成された前記第2の波長のレーザ光の光路と前記第2の反射素子によって反射された前記第2の波長のレーザ光の光路とを統合する偏光ビームスプリッタと、前記第2の反射素子で反射された前記第2の波長のレーザ光を前記偏光ビームスプリッタに導く導光光学系とを備え、前記波長板は、前記導光光学系の光路中に配された1/2波長板であることを特徴とする。
【0016】
本発明の第6の態様は、第5の態様に係る発光装置において、前記波長変換素子の分極反転方向と、前記第1の波長のレーザ光の光軸に対する前記第2の反射素子の傾き方向との関係を、前記第2の反射素子に対する前記第1の波長のレーザ光の透過率が高くなるように設定したことを特徴とする。
【0017】
本発明の第7の態様は、第1の態様に係る発光装置において、前記光学手段は、前記波長変換素子から前記レーザ光源へと向かうレーザ光のうち前記第1の波長のレーザ光を透過させ前記第2の波長のレーザ光を前記波長変換素子に向かって反射させる第4の反射素子を備えることを特徴とする。
【0018】
本発明の第8の態様は、第7の態様に係る発光装置において、前記光学手段は、前記は波長変換素子と前記第4の反射素子の間に配され、前記第2の波長のレーザ光に作用し前記第1の波長のレーザ光には作用しない波長選択性の1/4波長板を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0019】
本発明の構成によれば、第1の反射素子で反射された後の第1の波長のレーザ光から生成された第2の波長のレーサ光を、レーザ光源の出射面に当てることなく、出射レーザ光に重畳させることができるので、第2の波長のレーザ光が入射することによるレーザ光源の過熱を抑制することができ、レーザ光源の発光効率を高めることができる。これにより、第2の波長のレーザ光の出力効率を高めることができる。
【0020】
さらに、第2ないし第6の態様および第8の態様によれば、第1の反射素子で反射された後の第1の波長のレーザ光から生成された第2の波長のレーサ光を、その偏光方向を変えた状態で、レーザ光源側から波長変換素子に入射された第1の波長のレーザ光から生成された第2の波長のレーザ光に重畳させることができるので、両レーザ光の位相の相異に基づく干渉の発生を防止することができる。よって、出射レーザ光の強度分布を安定させることができる。
【0021】
さらに、第4および第6の態様によれば、波長変換に寄与する第1の波長のレーザ光が、前記第2の反射素子を透過する際に減衰するのを抑制できるので、波長変換素子に入射される第1の波長のレーザ光の光量低下を抑制できる。これにより、第2の波長のレーザ光の出力効率を一層高めることができる。
【0022】
本発明ないしその他の請求項に記載の発明の効果および意義は、以下に示す実施の形態の説明により更に明らかとなろう。ただし、以下の実施の形態は、あくまでも、本発明を実施化する際の一つの例示であって、本発明は、以下の実施の形態に記載されたものに何ら制限されるものではない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
以下、本発明の実施の形態につき図面を参照して説明する。本実施の形態は、緑色波長(波長:532nm)のレーザ光を生成出力する発光装置に本発明を適用したものである。
【0024】
<第1の実施形態>
図1は、第1の実施形態に係る発光装置の構成を示す。図示の如く、発光装置は、レーザダイオード11と、PPLN12と、VBG13と、ダイクロイックミラー14と、1/4波長板15と、ミラー16とを備えている。
【0025】
レーザダイオード11は、面発光型であり、波長1064nm(λ1:1064nm)のレーザ光を出力する。レーザダイオード11からは、偏光方向が不揃いの、いわゆるランダム偏光の状態でレーザ光が出射される。
【0026】
PPLN(Periodically Poled Lithium Niobate)12は、非線形光学結晶の一つであり、波長1064nmのレーザ光を一定の変換効率によって緑色波長(λ2:532nm)のレーザ光に変換する。ここで、PPLN12は、その分極反転方向と略等しい偏光方向のレーザ光について波長変換を行う。
【0027】
VBG(Volume Bragg Grating)13は、PPLN12側から入射されるレーザ光のうち、波長532nmのレーザ光を略透過(たとえば、95%程度を透過)し、波長1064nmのレーザ光を略反射(たとえば、95%程度を反射)する。なお、VBG13には、入射面にAR(Anti-Reflection)コート13aが形成されている。これにより、入射面でのレーザ光(波長:1064nm、532nm)の反射が防止される。
【0028】
VBG13は、その入射面が入射するレーザ光(波長:1064nm、532nm)の光軸に対して直交するように配されており、このため、反射された波長1064nmのレーザ光は、VBG13への入射のときと同じ光路を通ってPPLN12に向かう。
【0029】
ダイクロイックミラー14は、レーザダイオード11とPPLN12の間に配されており、その入射面がレーザ光の光軸に対して略45度傾いている。ダイクロイックミラー14は、VBG13によって反射され、再びPPLN12を通過したレーザ光のうち、波長1064nmのレーザ光を透過し、波長532nmのレーザ光を、その入射方向に対して略直交する方向に反射する。
【0030】
1/4波長板15は、ダイクロイックミラー14で反射された波長532nmのレーザ光を円偏光に変換する。ミラー16は、1/4波長板15を通過した波長532nmのレーザ光を反射して、1/4波長板15側へと向かわせる。ミラー16は、その反射面が入射されるレーザ光の光軸に対して直交するように配されており、このため、波長532nmのレーザ光は、ミラー16への入射のときと同じ光路で1/4波長板15へ向かう。
【0031】
レーザダイオード11から出力された波長1064nmのレーザ光は、PPLN12に入射される。PPLN12は、波長1064nmのレーザ光のうち、その分極反転方向に略等しい偏光方向のレーザ光を波長変換し、一定の割合で波長532nmのレーザ光を発生させる。このとき、波長532nmのレーザ光の偏光方向は、分極反転方向と等しくなる。この偏光方向を、説明の便宜上、第1の方向と定義し、図1において、レーザ光の偏光方向が第1の方向であることを両矢印の記号で示す。
【0032】
PPLN12で発生したレーザ光(波長λ2:532nm)と、レーザダイオード11から出射されたレーザ光(波長λ1:1064nm)は、VBG13に入射され、このうち、波長532nmのレーザ光は、VBG13を略透過し、波長1064nmのレーザ光は、VBG13によって略反射される。
【0033】
VBG13によって反射された波長1064nmのレーザ光は、再びPPLN12を通過し、この際、PPLN12は、波長1064nmのレーザ光のうち、その分極反転方向に略等しい偏光方向のレーザ光を波長変換し、一定の割合で波長532nmのレーザ光を発生させる。その後、PPLN12を通過したレーザ光(波長:1064nm、532nm)は、ダイクロイックミラー14に入射する。なお、PPLN12からダイクロイックミラー14に入射する波長532nmのレーザ光は、主として、VBG13にて反射された波長1064nmのレーザ光がPPLN12を通過する際にPPLN12において発生したものであるが、VBG13を透過せずに反射されたものも、ごく僅かに含まれ得る。
【0034】
PPLN12からダイクロイックミラー14に入射する波長1064nmのレーザ光は、ダイクロイックミラー14を略透過し、レーザダイオード11の出射面で反射して、再びPPLN12に入射する。このように、波長1064nmのレーザ光は、VBG13とレーザダイオード11の出射面との間で反射を繰り返し、その間に、一定の割合ずつPPLN12によって波長532nmのレーザ光が発生する。そして、発生した波長532nmのレーザ光は、VBG13を透過し、順次、外部に出力される(図1に「L1」で示す)。
【0035】
一方、PPLN12からダイクロイックミラー14に入射する波長532nmのレーザ光は、ダイクロイックミラー14によって反射され、1/4波長板15を通過する。このとき、1/4波長板15の作用によって、波長532nmのレーザ光は、直線偏光から円偏光に変換される。
【0036】
その後、波長532nmのレーザ光は、ミラー16で反射されて、再び1/4波長板15を通過する。このとき、1/4波長板15の作用によって、波長532nmのレーザ光は、円偏光から直線偏光に変換される。波長532nmのレーザ光は、このように1/4波長板15を2回通過することによって、偏光方向が90度回転する。したがって、1/4波長板15からダイクロイックミラー14に向かう際のレーザ光の偏光方向は、第1の方向に直交する方向となる。この偏光方向を、説明の便宜上、第2の方向と定義し、図1において、レーザ光の偏光方向が第2の方向であることを、中心に黒丸が描かれた円の記号で示す。
【0037】
こうして、1/4波長板15を通過した波長532nmのレーザ光は、ダイクロイックミラー14で反射され、PPLN12およびVBG13を略透過して、外部に出力される(図1に「矢印L2」で示す)。このとき、再びPPLN12およびVBG13を透過する波長532nmのレーザ光の光路(光軸)は、レーザダイオード11から出射された波長1064nmがPPLN12を通過する際に発生されVBG13を透過する波長532nmのレーザ光の光路(光軸)と一致する。
【0038】
以上のように、第1の実施形態では、VBG13側からPPLN12に入射する波長1064nmのレーザ光から生成された波長532nmのレーサ光(緑色レーザ光L2)を、レーザダイオード11の出射面に当てることなく、レーザダイオード11側からPPLN12に入射する波長1064nmのレーザ光から生成された波長532nmのレーザ光(緑色レーザ光L1)に重畳させることができるので、波長532nmのレーザ光がレーザダイオード11に入射することによるレーザダイオード11の過熱を抑制でき、レーザダイオード11の発光効率を高めることができる。これにより、緑色レーザ光の出力効率を高めることができる。
【0039】
さらに、第1の実施形態では、緑色レーザ光L2が、1/4波長板15によって、その偏光方向が第2の方向に変換された状態で、偏光方向が第1の方向である緑色レーザ光L1に重畳される。通常、緑色レーザ光L1と緑色レーザ光L2の間には位相ずれが生じており、このため、これら緑色レーザ光L1、L2が、偏光方向が等しい状態で重畳されると、干渉を起こす惧れがある。これに対し、第1の実施形態によれば、双方の緑色レーザ光L1、L2が互いに偏光方向が異なる状態で重畳されるので、干渉が起こることがなく、安定した強度分布の緑色レーザ光を出射させることができる。
【0040】
<第2の実施形態>
図2は、第2の実施形態に係る発光装置の構成を示す。この第2の実施形態では、第1の実施形態の1/4波長板15、ミラー16に代えて、図2に示す如く、ミラー17と、1/2波長板18と、ミラー19と、偏光ビームスプリッタ(PBS)20とが配されている。その他の構成は、第1の実施形態と同様である。
【0041】
PPLN12は、発生した波長532nmのレーザ光が、PBS20に対してP偏光で入射するように配されている。上記の如く、レーザダイオード11からPPLN12に入射するランダム偏光のレーザ光(波長:1064nm)のうち、その偏光方向がPPLN12の分極反転方向に略一致するものによって、波長532nmのレーザ光が生成される。よって、PPLN12によって生成された波長532nmのレーザ光は、偏光方向が、PPLN12の分極反転方向と略一致している。PPLN12は、こうして生成された波長532nmのレーザ光がPBS20に対してP偏光で入射するように配されている。
【0042】
ミラー17は、ダイクロイックミラー14で反射された波長532nmのレーザ光を反射して、PPLN12からVBG13へ向かうレーザ光(波長:1064nm、532nm)の進行方向と同じ方向に向かわせる。
【0043】
1/2波長板18は、ミラー17で反射された波長532nmのレーザ光の偏光方向を90度回転させる。したがって、1/2波長板18を通過した波長532nmのレーザ光は、偏光方向がP偏光からS偏光に変換される。ミラー19は、1/2波長板18を通過した波長532nmのレーザ光を反射して、PBS20へ向かわせる。
【0044】
PBS20は、偏光ミラー面20aを有し、偏光ミラー面20aは、VBG13を透過した波長532nmのレーザ光の光軸に対して45度傾くよう配置されている。よって、PBS20は、P偏光であるVBG13からの波長532nmのレーザ光を略透過させ、また、S偏光であるミラー19からの波長532nmのレーザ光を反射して、VBG13からの波長532nmのレーザ光と同じ方向に向かわせる。
【0045】
なお、ミラー19およびPBS20は、PBS20を透過した波長532nmのレーザ光と、PBS20で反射された波長532nmのレーザ光の光路(光軸)が一致するように、その配置が調整されている。
【0046】
レーザダイオード11から出射された波長1064nmのレーザ光は、第1の実施形態と同様、VBG13とレーザダイオード11の出射面との間で反射を繰り返し、その間に、一定の割合ずつPPLN12によって波長532nmのレーザ光が発生する。発生した波長532nmのレーザ光はVBG13を透過し、さらに、PBS20を透過する(図2に「L1」で示す)。図2中、VBG13を透過した直後の波長532nmのレーザ光の偏光方向が両矢印の記号で示されている。
【0047】
一方、ダイクロイックミラー14で反射された波長532nmのレーザ光は、ミラー17で反射されて、1/2波長板18を通過する。1/2波長板18を通過する際、波長532nmのレーザ光は、偏光方向がP偏光からS偏光に変換される。S偏光となった波長532nmのレーザ光は、ミラー19で反射されてPBS20に入射され、PBS20によってさらに反射される(図2に「L2」で示す)。図2中、1/2波長板18を透過した直後の波長532nmのレーザ光の偏光方向が中心に黒丸が描かれた円の記号で示されている。
【0048】
こうして、PBS20を透過した波長532nmのレーザ光にPBS20で反射された波長532nmのレーザ光が重畳され、重畳後の波長532nmのレーザ光が外部へ出力される。
【0049】
以上のように、第2の実施形態では、VBG13側からPPLN12に入射する波長1064nmのレーザ光から発生された波長532nmのレーサ光(緑色レーザ光L2)を、レーザダイオード11の出射面に当てることなく、レーザダイオード11側からPPLN12に入射する波長1064nmのレーザ光から発生された波長532nmのレーザ光(緑色レーザ光L1)に重畳させることができるので、波長532nmのレーザ光がレーザダイオード11に入射することによるレーザダイオード11の過熱を抑制でき、レーザダイオード11の発光効率を高めることができる。これにより、緑色レーザ光の出力効率を高めることができる。
【0050】
さらに、第2の実施形態では、1/2波長板18によって緑色レーザ光L2の偏光方向が変換されることにより、双方の緑色レーザ光L1、L2が、互いに偏光方向が異なる状態でPBS20により重畳される。これにより、上記第1の実施形態と同様、双方の緑色レーザ光L1、L2が干渉を起こすのを防止でき、安定した強度分布の緑色レーザ光を出射することができる。
【0051】
<第3の実施形態>
図3は、第3の実施形態に係る発光装置の構成を示す。この第3の実施形態では、第1の実施形態のダイクロイックミラー14、1/4波長板15、ミラー16に代えて、図3に示す如く、ダイクロイックミラー21が配されている。その他の構成は、第1の実施形態と同様である。
【0052】
ダイクロイックミラー21は、レーザダイオード11とPPLN12の間に配され、その入射面がレーザ光の光軸に直交するように配されている。このダイクロイックミラー21は、波長1064nmのレーザ光を略透過し、波長532nmのレーザ光を略反射する。
【0053】
レーザダイオード11から出射された波長1064nmのレーザ光は、第1の実施形態と同様、VBG13とレーザダイオード11の出射面との間で反射を繰り返し、その間に、一定の割合ずつPPLN12によって波長532nmのレーザ光が発生する。発生した波長532nmのレーザ光はVBG13を透過し、順次、外部に出力される(図3に「矢印L1」で示す)。
【0054】
一方、VBG13で反射された後の波長1064nmのレーザ光からPPLN12によって発生された波長532nmのレーザ光は、ダイクロイックミラー21によって反射され、PPLN12側へ折り返される。こうして、折り返された波長532nmのレーザ光は、PPLN12およびVBG13を略透過して、外部に出力される(図3に「矢印L2」で示す)。このとき、ダイクロイックミラー21によって折り返された波長532nmのレーザ光の光路(光軸)は、レーザダイオード11から出射された波長1064nmから生成されVBG13を透過する波長532nmのレーザ光の光路(光軸)と一致する。
【0055】
以上のように、第3の実施形態では、VBG13側からPPLN12に入射する波長1064nmのレーザ光から発生された波長532nmのレーサ光(緑色レーザ光L2)を、レーザダイオード11の出射面に当てることなく、レーザダイオード11側からPPLN12に入射する波長1064nmのレーザ光から発生された波長532nmのレーザ光(緑色レーザ光L1)に重畳させることができるので、波長532nmのレーザ光がレーザダイオード11に入射することによるレーザダイオード11の過熱を抑制でき、レーザダイオード11の発光効率を高めることができる。これにより、緑色レーザ光の出力効率を高めることができる。
【0056】
<第4の実施形態>
図4は、第4の実施形態に係る発光装置の構成を示す。この第4の実施形態では、第3の実施形態におけるPPLN12とダイクロイックミラー21との間に波長選択性の1/4波長板22が配されている。その他の構成は、第3の実施形態と同様である。
【0057】
波長選択性の1/4波長板22は、波長532nmのレーザ光に作用して直線偏光を円偏光に変換し、波長1064nmのレーザ光には作用せずそのままの変更状態で通過させる。
【0058】
この第4の実施形態の構成では、VBG13側からPPLN12に入射する波長1064nmのレーザ光から生成された波長532nmのレーサ光(緑色レーザ光L2)が1/4波長板22を2回通過することにより90度回転することにより、その偏光方向が90度回転するため、第1の実施形態および第2の実施形態と同様、レーザダイオード11側からPPLN12に入射する波長1064nmのレーザ光から生成された波長532nmのレーザ光(緑色レーザ光L1)に対して、偏光方向が異なった状態で重畳される。したがって、第1の実施形態および第2の実施形態と同様、緑色レーザ光L1、L2が干渉を起こすのを防止でき、安定した強度分布の緑色レーザ光を出射することができる。
【0059】
<第5の実施形態>
本実施形態の発光装置は、第1の実施形態の発光装置をより具体化したものである。図5(a)は、本実施の形態に係る発光装置を上方から見たときの内部透視図、同図(b)は、本実施の形態に係る発光装置を側方から見たときの内部透視図である。また、図6は、PPLN103、ダイクロイックミラー105、1/4波長板106、ミラー107の配置関係を示す斜視図である。
【0060】
発光装置は、略直方体形状のハウジング101を備えており、このハウジング101内に、レーザダイオード102、PPLN103、VBG104、ダイクロイックミラー105、1/4波長板106、ミラー107が配されている。
【0061】
ハウジング101の前面には出射口108が形成されている。出射口108には、IRフィルタ109が取り付けられている。IRフィルタ109は、波長532nmのレーザ光と一緒にVBG104を透過した1064nm近傍の波長の赤外線を除去する。
【0062】
レーザダイオード102は、上記実施の形態と同様、面発光型であり、ハウジング101の後端部に装着されている。レーザダイオード102からは、ランダム偏光の状態で波長1064nmのレーザ光が出射される。
【0063】
PPLN103は、レーザ光が通過する方向に垂直な断面の形状が、略正方形状を有している。PPLN103の上面には、パネル状のヒータ110が装着されている(図6参照)。ヒータ110は、PPLN103の温度を、波長変換効率が良好となる温度に維持するためのものである。維持する温度は、PPLN103で変換されるレーザ光の波長や分極反転周期等に応じて設定される。
【0064】
ヒータ110は、ハウジング101の両側壁から内側に張り出すように設けられた装着部材111に装着され、これにより、PPLN103が、ハウジング101内の所定位置に固定される。装着部材111に装着されたPPLN103の前方位置に、VBG104が配されている。
【0065】
ヒータ110には、前後2箇所に端子部112が形成されており、この端子部112が、ハウジング101の側面に固定された2本の電極113に半田付けなどによって接続されている。電極113は、図示しない制御回路からの信号線に接続され、ヒータ110には、電極113を介して、ヒータ110を駆動して温度調節を行うための電気信号が入力される。
【0066】
レーザダイオード102とPPLN103との間には、ダイクロイックミラー105が配されており、さらに、ダイクロイックミラー105の側方位置には、1/4波長板106とミラー107が配されている。
【0067】
1/4波長板106とミラー107は、一体的に構成されており、ともにミラー保持具114に保持されている。ミラー保持具114は、1/4波長板106およびミラー107の入射面がダイクロイックミラー105の方向を向くような状態で、ハウジング101の側面に装着されている。また、ミラー保持具114は、1/4波長板106およびミラー107の角度がジグ等を用いて調整できる構造を有している。
【0068】
ダイクロイックミラー105は、図6に示すように、PPLN103からダイクロイックミラー105へ向かうレーザ光(波長532nm、波長1064nm)の光軸L0に対し、図のX−Y面内において1/4波長板106側に45度傾斜している。これにより、PPLN103から出射されたレーザ光のうち、波長532nmのレーザ光(図中にλ2に示す)は、ダイクロイックミラー105で反射されて1/4波長板106に向かい、波長1064nmのレーザ光(図中にλ1で示す)は、ダイクロイックミラー105を透過してレーザダイオード102へ向かう。
【0069】
ところで、この実施形態に用いられているダイクロイックミラー105は、波長1064nmのレーザ光がP偏光で入射すると透過性が優れ、S偏光で入射すると透過性がやや劣る性能を有している。たとえば、P偏光で入射する際のレーザ光の透過率は99%程度(最高透過率)となるが、S偏光で入射する際のレーザ光の透過率は、90%程度となり、P偏光で入射するときよりもやや低い値となる。
【0070】
その一方、PPLN103では、波長1064nmのレーザ光のうち、偏光方向がPPLN103の分極反転方向と略等しいレーザ光から、波長532nmのレーザ光が生成される。よって、分極反転方向と偏光方向が略等しい波長1064nmのレーザ光については、ダイクロイックミラー105を透過する際になるべく減衰されずにより多くの光量がダイクロイックミラー105を透過するよう調整するのが好ましい。かかる偏光方向のレーザ光が、ダイクロイックミラー105において大きく減衰すると、波長532nmのレーザ光が生成される割合が低下し、波長532nmのレーザ光の出力効率が高められにくくなる。
【0071】
そこで、本実施形態では、PPLN103の分極反転方向とダイクロイックミラー105の傾き方向との関係が、図6の関係となるよう調整されている。すなわち、PPLN103の分極反転方向は、図6のY軸方向に平行となっており、ダイクロイックミラー105は、レーザ光軸L0に対して、図6のX−Y平面の面内方向(以下、「水平面内方向」という)に45度傾いている。
【0072】
こうすると、PPLN103の分極反転方向に偏光方向が一致する波長1064nmのレーザ光がダイクロイックミラー105に対してP偏光となり、このレーザ光が、高い透過率(たとえば、99%)でダイクロイックミラー105を透過する。その結果、分極反転方向に偏光方向が一致する波長1064nmのレーザ光の光量が高められ、波長532nmのレーザ光の出射効率が高められる。
【0073】
なお、本実施形態では、ヒータ110とミラー保持具114とが干渉しないよう、1/4波長板106とミラー107とがハウジング101の側面に配され、結果、ダイクロイックミラー105の傾き方向が水平面内方向となっている。この場合、分極反転方向に偏光方向が一致する波長1064nmのレーザ光を、このように傾いたダイクロイックミラーにP偏光にて入射させるためには、図6に示す如く、PPLN103の分極反転方向を、Y軸に平行な方向に設定する必要がある。このことから、PPLN103は、図6に示す如く、分極反転方向がY軸に平行となるよう配置されている。
【0074】
なお、図6には、ダイクロイックミラー105が水平面内方向に傾く場合を例示したが、構成部材のレイアウト上、他の方向にダイクロイックミラー105が傾く場合には、分極反転方向に偏光方向が一致する波長1064nmのレーザ光がダイクロイックミラー105にP偏光で入射するよう、適宜、PPLN103の配置を調整する必要がある。
【0075】
たとえば、1/4波長板106とミラー107がハウジング101の上面または底面に配される場合には、ダイクロイックミラー105の傾き方向が、図6中のX−Z平面の面内方向(以下、「鉛直面内方向」という)に変更される。この場合、PPLN103は、ダイクロイックミラー105の傾き方向が鉛直面内方向とされるに応じて、分極反転方向が鉛直方向(Z軸に平行な方向)となる状態で配される。こうすると、分極反転方向に偏光方向が一致する波長1064nmのレーザ光がダイクロイックミラー105にP偏光で入射することとなり、上述の如く、波長532nmのレーザ光の出力効率が高められる。
【0076】
以上、第5の実施形態では、PPLN103の分極反転方向と、ダイクロイックミラー105の傾き方向との関係を上記のように調整することにより、PPLN103における波長1064nmのレーザ光の波長変換効率を高めることができる。これにより、波長532nmのレーザ光の出力効率を一層高めることができる。
【0077】
なお、この実施形態では、P偏光に対して透過性に優れた(最高透過率となる)特性を有するダイクロイックミラー105を用いるようにしているが、S偏光に対して透過性に優れた(最高透過率となる)特性を有するダイクロイックミラーを用いることもできる。この場合、PPLN103の分極反転方向が、ダイクロイックミラー105の傾き方向と直交するよう、PPLN103とダイクロイックミラー105との配置関係が設定される。
【0078】
ただし、P偏光に対して透過性に優れた特性を有するダイクロイックミラー105は、一般的に、S偏光に対して透過性に優れた特性を有するダイクロイックミラーよりも安価であるため、これを用いることが望ましい。
【0079】
以上、実施の形態について説明したが、本発明は、上記実施の形態に何ら制限されるものではなく、また、本発明の実施形態も上記以外に種々の変更が可能である。
【0080】
たとえば、上記実施の形態では、VBG13によって1064nmのレーザ光と532nmのレーザ光を選択的に反射および透過するようにしたが、ダイクロイックミラーなど、VBG以外の波長選択性ミラーを用いて、レーザ光の反射および透過を制御するようにしても良い。
【0081】
また、上記実施の形態では、ダイクロイックミラー14、21によってPPLN12を経由して戻ってきた1064nmのレーザ光と532nmのレーザ光を選択的に反射および透過するようにしたが、これらに替えて、コールドミラーなど、他の波長選択性ミラーを用いても良い。
【0082】
さらに、上記実施の形態では、波長1064nmのレーザ光から波長532nmの緑色レーザ光を生成する際の構成例を示したが、本発明は、これ以外の波長のレーザ光を生成する際にも適用可能である。
【0083】
なお、上記第1および第2の実施形態では、PPLN12の分極反転方向とダイクロイックミラー14の傾斜方向の関係について特に説明を行っていないが、これらの実施形態においても、PPLN12の分極反転方向とダイクロイックミラー14の傾斜方向の関係を、上記第5の実施形態と同様に調整するのが望ましい。
【0084】
たとえば、第1の実施形態では、PPLN12の分極反転方向は、PPLN12にて生成された直後の波長532nmのレーザ光の偏光方向に一致し、したがって、PPLN12の分極反転方向は、図1中、緑色レーザ光L1に付された両矢印の方向となっている。よって、ダイクロイックミラー14が図1のように傾斜して配置されていると、波長1064nmのレーザ光のうち、偏光方向がPPLN12の分極反転方向に一致するレーザ光は、レーザダイオード11側からも、また、PPLN12側からも、P偏光でダイクロイックミラー14に入射することとなる。
【0085】
同様に、第2の実施形態では、PPLN12の分極反転方向は、図2中、緑色レーザ光L1に付された両矢印の方向となっている。よって、ダイクロイックミラー14が図1のように傾斜して配置されていると、波長1064nmのレーザ光のうち、偏光方向がPPLN12の分極反転方向に一致するレーザ光は、レーザダイオード11側からも、また、PPLN12側からも、P偏光でダイクロイックミラー14に入射する。
【0086】
このように、第1の実施形態および第2の実施形態の何れにおいても、偏光方向がPPLN12の分極反転方向に一致する波長1064nmのレーザ光は、ダイクロイックミラー14に対してP偏光で入射する。したがって、ダイクロイックミラー14として、波長1064nmのレーザ光がP偏光にて入射するときに透過率が優れる(最も好ましくは透過率が最高となる)ものを用いるのが望ましい。こうすると、上記第5の実施形態で述べた如く、分極反転方向に偏光方向が一致する波長1064nmレーザ光を、より多く、PPLN12に入射させることができ、結果、波長532nmのレーザ光の出力効率を高めることができる。
【0087】
なお、上記第1および第2の実施形態において、ダイクロイックミラー14として、レーザ光(波長:1064nm)がS偏光にて入射するときに透過性に優れるものを用いる場合には、PPLN12の分極反転方向に偏光方向が一致するレーザ光(波長:1064nm)がダイクロイックミラー14に対してS偏光で入射するように、ダイクロイックミラー14の傾き方向を、図1や図2に示す状態から変更するのが望ましい。この場合、第1の実施形態においては、ダイクロイックミラー14の傾き方向の変更に応じて、1/4波長板15、ミラー16の配置を適宜調整する必要がある。また、第2の実施形態においては、ダイクロイックミラー14の傾き方向の変更に応じて、ミラー17、1/2波長板18、ミラー19およびPBS20の配置を適宜調整する必要がある。こうすると、分極反転方向に偏光方向が一致するレーザ光を、より多く、PPLN12に入射させることができ、結果、波長532nmのレーザ光の出力効率を高めることができる。
【0088】
この他、本発明の実施の形態は、特許請求の範囲に示された技術的思想の範囲内において、適宜、種々の変更が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0089】
【図1】第1の実施形態に係る発光装置の構成を示す図
【図2】第2の実施形態に係る発光装置の構成を示す図
【図3】第3の実施形態に係る発光装置の構成を示す図
【図4】第4の実施形態に係る発光装置の構成を示す図
【図5】第5の実施形態に係る発光装置の構成を示す図
【図6】第5の実施形態に係るPPLN、ダイクロイックミラー、1/4波長板、ミラーの配置関係を示す斜視図
【図7】従来技術に係る発光装置の構成を示す図
【符号の説明】
【0090】
11 レーザダイオード(レーザ光源)
12 PPLN(波長変換素子)
13 VBG(第1の反射素子)
14 ダイクロイックミラー(第2の反射素子)
15 1/4波長板
16 ミラー(第3の反射素子)
17 ミラー(導光光学系)
18 1/2波長板
19 ミラー(導光光学系)
20 偏光ビームスプリッタ
21 ダイクロイックミラー(第4の反射素子)
22 波長選択性の1/4波長板
102 レーザダイオード(レーザ光源)
103 PPLN(波長変換素子)
104 VBG(第1の反射素子)
105 ダイクロイックミラー(第2の反射素子)
106 1/4波長板
107 ミラー(第3の反射素子)


【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の波長のレーザ光を出射する面発光型のレーザ光源と、
前記レーザ光源から出射されたレーザ光を波長変換して第2の波長のレーザ光を生成する波長変換素子と、
前記波長変換素子を透過したレーザ光のうち前記第2の波長のレーザ光を透過して出射レーザ光とするとともに前記第1の波長のレーザ光を前記波長変換素子に向かって反射する第1の反射素子と、
前記第1の反射素子により反射された前記第1の波長のレーザ光が前記波長変換素子を再び通過する際に生成された前記第2の波長のレーザ光を、前記レーザ光源に戻すことなく、前記出射レーザ光に重畳させる光学手段と、
を備えたことを特徴とする発光装置。
【請求項2】
請求項1において、
前記光学手段は、前記第1の反射素子により反射された前記第1の波長のレーザ光が前記波長変換素子を再び通過する際に生成された前記第2の波長のレーザ光の偏光方向を90度回転させて前記出射レーザ光に重畳させる波長板を備える、
ことを特徴とする発光装置。
【請求項3】
請求項2において、
前記光学手段は、
前記第1の反射素子により反射された前記第1の波長のレーザ光が前記波長変換素子を再び通過する際に生成された前記第2の波長のレーザ光を反射して前記第1の波長のレーザ光から分離する第2の反射素子と、
前記第2の反射素子によって反射された前記第2の波長のレーザ光を前記第2の反射素子に向かって反射させる第3の反射素子とを備え、
前記波長板は、前記第2の反射素子と前記第3の反射素子との間に配された1/4波長板である、
ことを特徴とする発光装置。
【請求項4】
請求項3において、
前記波長変換素子の分極反転方向と、前記第1の波長のレーザ光の光軸に対する前記第2の反射素子の傾き方向との関係を、前記第2の反射素子に対する前記第1の波長のレーザ光の透過率が高くなるように設定した、
ことを特徴とする発光装置。
【請求項5】
請求項2において、
前記光学手段は、
前記第1の反射素子により反射された前記第1の波長のレーザ光が前記波長変換素子を再び通過する際に生成された前記第2の波長のレーザ光を反射して前記第1の波長のレーザ光から分離する第2の反射素子と、
前記波長変換素子を前記レーザ光源側から透過することにより生成された前記第2の波長のレーザ光の光路と前記第2の反射素子によって反射された前記第2の波長のレーザ光の光路とを統合する偏光ビームスプリッタと、
前記第2の反射素子で反射された前記第2の波長のレーザ光を前記偏光ビームスプリッタに導く導光光学系とを備え、
前記波長板は、前記導光光学系の光路中に配された1/2波長板である、
ことを特徴とする発光装置。
【請求項6】
請求項5において、
前記波長変換素子の分極反転方向と、前記第1の波長のレーザ光の光軸に対する前記第2の反射素子の傾き方向との関係を、前記第2の反射素子に対する前記第1の波長のレーザ光の透過率が高くなるように設定した、
ことを特徴とする発光装置。
【請求項7】
請求項1において、
前記光学手段は、前記波長変換素子から前記レーザ光源へと向かうレーザ光のうち前記第1の波長のレーザ光を透過させ前記第2の波長のレーザ光を前記波長変換素子に向かって反射させる第4の反射素子を備える、
ことを特徴とする発光装置。
【請求項8】
請求項7において、
前記光学手段は、前記波長変換素子と前記第4の反射素子の間に配され、前記第2の波長のレーザ光に作用し前記第1の波長のレーザ光には作用しない波長選択性の1/4波長板を備える、
ことを特徴とする発光装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate


【公開番号】特開2009−223274(P2009−223274A)
【公開日】平成21年10月1日(2009.10.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−137401(P2008−137401)
【出願日】平成20年5月27日(2008.5.27)
【出願人】(000001889)三洋電機株式会社 (18,308)
【出願人】(504464070)三洋オプテックデザイン株式会社 (315)
【Fターム(参考)】