説明

発癌性融合タンパク質を検出するための近接媒介性アッセイ

本発明は、生体サンプル(例えば、全血又は腫瘍組織)中の1又は複数の発癌性融合タンパク質についての活性化状態及び/又は総量を検出するための抗体に基づくアレイを提供する。所定の場合において、サンプル中に存在する発癌性融合タンパク質についての活性化状態及び/又は総量を、1又は複数のシグナル伝達分子との組み合わせで測定することができる。本発明の組成物及び方法は、酵素結合抗体免疫測定法と関連する特異性、シグナル増幅と関連する感度、及びマイクロアレイと関連する高スループットな多重化の利点を有す。


Notice: Undefined index: DEJ in /mnt/www/gzt_disp.php on line 298

【特許請求の範囲】
【請求項1】
発癌性融合タンパク質のレベル又は活性化状態を決定する方法であって、前記方法は、以下の工程を含む:
(a)細胞抽出物中に存在する第1の全長タンパク質を、前記第1全長タンパク質と第1結合成分とを含む複合体に変換するのに適した条件下で、前記細胞抽出物を、前記第1全長タンパク質の第1ドメインに特異的な前記第1結合成分と接触させる工程であって、前記の第1全長タンパク質の第1ドメインは、第2の異なる全長タンパク質の第1ドメインに融合する前記第1全長タンパク質の第2の異なるドメインを含む対応する発癌性融合タンパク質に存在しない、前記工程;
(b)前記細胞抽出物から工程(a)からの前記複合体を除去し、前記第1全長タンパク質を含まない細胞抽出物を形成する工程;
(c)前記細胞抽出物中に存在する前記発癌性融合タンパク質を、前記発癌性融合タンパク質と第2結合成分とを含む複合体に変換するのに適した条件下で、工程(b)からの前記細胞抽出物を、前記第1全長タンパク質の前記第2の異なるドメインに特異的な前記第2結合成分と接触させる工程;及び
(d)工程(c)からの前記複合体のレベル又は活性化状態を決定し、それによって前記発癌性融合タンパク質のレベル又は活性化状態を決定する工程。
【請求項2】
前記細胞抽出物が、サンプルから単離される細胞の抽出物を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記サンプルが、全血、血清、血漿、尿、痰、気管支洗浄液、涙液、乳頭吸引液、リンパ液、唾液、微細針吸引液(FNA)、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記サンプルが癌を有する患者から得られる、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記癌細胞中の染色体転座による発癌性融合タンパク質の形成によって、前記癌が引き起こされる、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記癌が、血液悪性腫瘍、骨原性肉腫、又は軟部組織肉腫である、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記血液悪性腫瘍が、白血病又はリンパ腫である、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記白血病が、慢性骨髄性白血病(CML)である、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記の単離された細胞が、循環腫瘍細胞、白血球、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項2に記載の方法。
【請求項10】
前記の単離された細胞を、インビトロで、成長因子で刺激する、請求項2に記載の方法。
【請求項11】
前記の単離された細胞を、成長因子刺激の前に抗癌剤とインキュベートする、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記の単離された細胞を成長因子刺激の後に溶解し、前記細胞抽出物を生成する、請求項10に記載の方法。
【請求項13】
前記の単離された細胞を溶解の前に洗浄せずに、前記細胞抽出物を生成する、請求項2に記載の方法。
【請求項14】
前記発癌性融合タンパク質が、BCR−ABL、DEK−CAN、E2A−PBX1、RARα−PML、IREL−URG、CBFβ−MYH11、AML1−MTG8、EWS−FLI、LYT−10−Cα1、HRX−ENL、HRX−AF4、NPM−ALK、IGH−MYC、RUNX1−ETO、TEL−TRKC、TEL−AML1、MLL−AF4、TCR−RBTN2、COL1A1−PDGF、E2A−HLF、PAX3−FKHR、ETV6−NTRK3、RET−PTC、TMRSS−ERG、TPR−MET、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項1〜13のいずれか一項に記載の方法。
【請求項15】
前記発癌性融合タンパク質がBCR−ABLである、請求項1〜13のいずれか一項に記載の方法。
【請求項16】
前記第1全長タンパク質がBCRである、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記第1全長タンパク質の前記第1ドメインが、BCRのカルボキシル末端領域(BCR−C)を含む、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記第1全長タンパク質の前記第2の異なるドメインが、BCRのアミノ末端領域(BCR−N)を含む、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記第2の異なる全長タンパク質がABLである、請求項15に記載の方法。
【請求項20】
前記第2の異なる全長タンパク質の前記第1ドメインが、ABLのカルボキシル末端領域(ABL−C)を含む、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
前記第1全長タンパク質がABLである、請求項15に記載の方法。
【請求項22】
前記第2の異なる全長タンパク質がBCRである、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
前記活性化状態が、リン酸化状態、ユビキチン化状態、複合体形成状態、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項1〜22のいずれか一項に記載の方法。
【請求項24】
前記発癌性融合タンパク質がBCR−ABLであり、そして前記活性化状態がリン酸化状態である、請求項1〜23のいずれか一項に記載の方法。
【請求項25】
1以上のシグナル伝達分子のレベル又は活性化状態を決定することを更に含む、請求項1〜24のいずれか一項に記載の方法。
【請求項26】
前記の1以上のシグナル伝達分子がBCR−ABL基質である、請求項25に記載の方法。
【請求項27】
前記BCR−ABL基質が、CRKL、JAK2、STAT5、VAV、BAP−1、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項26に記載の方法。
【請求項28】
前記第1結合成分が第1抗体を含む、請求項1〜27のいずれか一項に記載の方法。
【請求項29】
前記第1抗体が固体支持体に結合している、請求項28に記載の方法。
【請求項30】
前記固体支持体が、ガラス、プラスチック、チップ、ピン、フィルター、ビーズ、紙、膜、繊維束、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項29に記載の方法。
【請求項31】
前記第2の結合成分が第2抗体を含む、請求項1〜30のいずれか一項に記載の方法。
【請求項32】
前記第2抗体が固体支持体に結合している、請求項31に記載の方法。
【請求項33】
前記固体支持体が、ガラス、プラスチック、チップ、ピン、フィルター、ビーズ、紙、膜、繊維束、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項32に記載の方法。
【請求項34】
前記第2抗体がアドレス可能なアレイにおける固体支持体上に拘束されている、請求項32に記載の方法。
【請求項35】
工程(c)及び(d)が、酵素結合免疫吸着測定法(ELISA)、フローサイトメトリー測定法、又はタグ選別測定法を含む、請求項1〜34のいずれか一項に記載の方法。
【請求項36】
前記ELISAが、サンドイッチELISAを含む、請求項35に記載の方法。
【請求項37】
前記フローサイトメトリー測定法が、蛍光活性化細胞選別(FACS)測定法を含む、請求項35に記載の方法。
【請求項38】
前記タグ選別測定法が、Luminex(商標)アッセイを含む、請求項35に記載の方法。
【請求項39】
工程(c)及び(d)が近接二重検出アッセイを含む、請求項1〜34のいずれか一項に記載の方法。
【請求項40】
工程(c)が更に以下の工程を含む:
(c’)前記細胞抽出物中に存在する前記発癌性融合タンパク質を、前記発癌性融合タンパク質と前記の第2、第3及び第4結合成分とを含む複合体に変換するのに適した条件下で、工程(b)からの前記細胞抽出物を、第3結合成分及び第4結合成分と接触させる工程であって、
前記第3結合成分が、促進成分を用いて標識化されており、そして、下記の内の1つに特異的であり:(i)第2の異なる全長タンパク質の第1ドメイン;(ii)前記第1全長タンパク質の第2の異なるドメイン;又は(iii)前記第1全長タンパク質の前記第2の異なるドメインと前記第2の異なる全長タンパク質の前記第1ドメインとの間の融合部位、
前記第4結合成分が、シグナル増幅対の第1メンバーを用いて標識化されており、そして前記第2の異なる全長タンパク質の前記第1ドメインに特異的であり、そして
前記促進成分が、前記シグナル増幅対の第1メンバーへチャネリングしかつ前記シグナル増幅対の第1メンバーと反応する酸化剤を生成する、前記工程;そして
工程(d)が更に以下の工程を含む:
(d’)工程(c’)からの前記複合体を、前記シグナル増幅対の第2メンバーとインキュベートして、増幅シグナルを生成する工程;及び
前記シグナル増幅対の第1及び第2メンバーから生成される増幅シグナルを検出する工程、請求項39に記載の方法。
【請求項41】
工程(b)からの細胞抽出物を、第2結合成分の希釈系列と接触させ、前記発癌性融合タンパク質と前記第2結合成分とを含む複数の複合体を形成する、請求項40に記載の方法。
【請求項42】
前記第3及び第4結合成分が、第3及び第4抗体をそれぞれ含む、請求項40又は41に記載の方法。
【請求項43】
第3及び第4抗体が、両方とも活性化状態非依存性抗体である、請求項42に記載の方法。
【請求項44】
前記シグナル増幅対の第1及び第2メンバーから生成される前記増幅シグナルが、前記発癌性融合タンパク質の総量と相関的である、請求項43に記載の方法。
【請求項45】
前記第3抗体が活性化状態非依存性抗体であり、そして前記第4抗体が活性化状態依存性抗体である、請求項42に記載の方法。
【請求項46】
前記シグナル増幅対の第1及び第2メンバーから生成される前記増幅シグナルが、活性化した発癌性融合タンパク質の量と相関的である、請求項45に記載の方法。
【請求項47】
前記第3結合成分を、前記促進成分を用いて直接的に標識化する、請求項40〜46のいずれか一項に記載の方法。
【請求項48】
前記第4結合成分を、前記シグナル増幅対の第1メンバーを用いて直接的に標識化する、請求項40〜47のいずれか一項に記載の方法。
【請求項49】
前記第2検出抗体にコンジュゲートされる結合対の第1メンバーと、前記シグナル増幅対の第1メンバーにコンジュゲートされる前記結合対の第2メンバーとの間の結合を介して、前記第4結合成分を、前記シグナル増幅対の第1メンバーを用いて標識化する、請求項40〜47のいずれか一項に記載の方法。
【請求項50】
前記結合対の前記第1メンバーがビオチンである、請求項49に記載の方法。
【請求項51】
前記結合対の前記第2メンバーがストレプトアビジンである、請求項49又は50に記載の方法。
【請求項52】
前記促進成分が、グルコースオキシダーゼである、請求項40〜51のいずれか一項に記載の方法。
【請求項53】
前記グルコースオキシダーゼ及び前記第3結合成分が、スルフヒドリル活性化デキストラン分子にコンジュゲートされている、請求項52に記載の方法。
【請求項54】
前記スルフヒドリル活性化デキストラン分子が分子量500kDaを有する、請求項53に記載の方法。
【請求項55】
酸化剤が過酸化水素(H)である、請求項52に記載の方法。
【請求項56】
前記シグナル増幅対の第1のメンバーがペルオキシダーゼである、請求項55に記載の方法。
【請求項57】
前記ペルオキシダーゼが西洋ワサビペルオキシダーゼ(HRP)である、請求項56に記載の方法。
【請求項58】
前記シグナル増幅対の第2メンバーがチラミド試薬である、請求項56に記載の方法。
【請求項59】
前記チラミド試薬がビオチン−チラミドである、請求項58に記載の方法。
【請求項60】
前記増幅シグナルが、活性化チラミドを生成する、前記ビオチン−チラミドのペルオキシダーゼ酸化によって生成される、請求項59に記載の方法。
【請求項61】
前記活性化チラミドが直接的に検出される、請求項60に記載の方法。
【請求項62】
前記活性化チラミドがシグナル検出性試薬の添加により検出される、請求項60に記載の方法。
【請求項63】
前記シグナル検出性試薬がストレプトアビジン標識化フルオロフォアである、請求項62に記載の方法。
【請求項64】
前記シグナル検出性試薬がストレプトアビジン標識化ペルオキシダーゼと発色試薬との組み合わせである、請求項62に記載の方法。
【請求項65】
前記発色試薬が3,3’,5,5’−テトラメチルベンジジン(TMB)である、請求項64に記載の方法。
【請求項66】
以下の工程を更に含む:
(e)前記細胞抽出物中に存在する第2の異なる全長タンパク質を、前記第2の異なる全長タンパク質と第5結合成分とを含む複合体に変換するのに適した条件下で、前記細胞抽出物を、前記第2の異なる全長タンパク質の第2ドメインに特異的な前記第5結合成分と接触させる工程であって、前記第2の異なる全長タンパク質の第2ドメインが、前記発癌性融合タンパク質に存在しない、前記工程;及び
(f)前記細胞抽出物から工程(e)からの前記複合体を除去し、前記第2の異なる全長タンパク質を含まない細胞抽出物を形成する工程であって、工程(e)を、工程(a)の前、中、又は後に実施する、前記工程、
請求項1〜65のいずれか一項に記載の方法。
【請求項67】
前記第5結合成分が第5抗体を含む、請求項66に記載の方法。
【請求項68】
前記第5抗体が固体支持体に結合している、請求項67に記載の方法。
【請求項69】
前記固体支持体が、ガラス、プラスチック、チップ、ピン、フィルター、ビーズ、紙、膜、繊維束、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項68に記載の方法。
【請求項70】
癌を有し、且つ癌治療のための治療過程を受ける被験者において療法を最適化するため及び/又は毒性を減少するための方法であって、前記方法が以下の工程を含む:
(a)抗癌剤の投与後に癌細胞を単離する工程;
(b)前記単離された細胞を溶解し、細胞抽出物を生成する工程;
(c)請求項1〜69のいずれか一項に記載の方法に従って、前記細胞抽出物中の発癌性融合タンパク質についての発現及び/又は活性化のレベルを測定する工程;及び、
(d)測定した前記発癌性融合タンパク質についての発現及び/又は活性化のレベルを、治療過程の間の初期に測定される前記発癌性融合タンパク質についての発現及び/又は活性化のレベルと比較する工程;及び
(e)工程(d)からの比較に基づいて、被験者のための治療過程の今後の用量を決定するか、又は異なる治療過程を被験者に施すかどうかを決定する工程。
【請求項71】
前記発癌性融合タンパク質がBCR−ABLである、請求項70に記載の方法。
【請求項72】
前記被験者が、治療過程を受ける前に、前記発癌性融合タンパク質を発現する癌細胞を有することを決定される、請求項70又は71に記載の方法。
【請求項73】
前記被験者がBCR−ABLについて陽性である、請求項72に記載の方法。
【請求項74】
発癌性融合タンパク質についての発現のレベルと活性化のレベルとの両方を、前記細胞抽出物中で測定する、請求項70〜73のいずれか一項に記載の方法。
【請求項75】
工程(c)が、トータル発癌性融合タンパク質レベルに対する活性化の比を計算することを更に含む、請求項74に記載の方法。
【請求項76】
トータル発癌性融合タンパク質レベルに対する活性化の前記計算比を、初期に前記被験者のために計算されるトータル発癌性融合タンパク質レベルに対する活性化の比と比較することを含む、請求項75に記載の方法。
【請求項77】
トータル発癌性融合タンパク質レベルに対する活性化の前記計算比が、抗癌剤治療における前記活性化した発癌性融合タンパク質のパーセント阻害と相関する、請求項75又は76に記載の方法。
【請求項78】
トータル発癌性融合タンパク質レベルに対する活性化の前記計算比が、対照タンパク質レベルに関連している、請求項75〜77のいずれか一項に記載の方法。
【請求項79】
トータル発癌性融合タンパク質レベルに対する活性化の前記計算比が、ホスホ/トータルBCR−ABLタンパク質レベルの比を含む、請求項75〜78のいずれか一項に記載の方法。
【請求項80】
対照タンパク質が、前記発癌性融合タンパク質内で見つけられる配列又はドメインを含有する天然全長タンパク質を含む、請求項78又は79に記載の方法。
【請求項81】
前記対照タンパク質が、全長BCR、全長ABL、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項78〜80のいずれか一項に記載の方法。
【請求項82】
前記発癌性融合タンパク質の活性化の約50%より低い阻害が、治療過程の今後の用量を増加させることの必要性、又は異なる治療過程を施すことの必要性を示す、請求項70〜81のいずれか一項に記載の方法。
【請求項83】
前記発癌性融合タンパク質の活性化レベルの約50%未満の阻害が、治療過程への被験者によるコンプライアンスの不足、治療過程と関連した副作用若しくは毒性の可能性の存在、又はそれらの組み合わせを示す、請求項70〜81のいずれか一項に記載の方法。
【請求項84】
前記発癌性融合タンパク質の活性化レベルの約80%を超える阻害が、被験者が正しい用量で正しい治療にあることを示す、請求項70〜81のいずれか一項に記載の方法。
【請求項85】
前記癌が慢性骨髄性白血病(CML)である、請求項70〜84のいずれか一項に記載の方法。
【請求項86】
前記抗癌剤が、モノクローナル抗体、チロシンキナーゼ阻害剤、化学療法剤、ホルモン療法剤、放射線療法剤、ワクチン、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項70〜85のいずれか一項に記載の方法。
【請求項87】
前記チロシンキナーゼ阻害剤が、イマチニブメシレート(Gleevec(商標))、ニロチニブ(Tasigna(商標))、ダサチニブ(Sprycel(商標))、ボスチニブ(SKI−606)、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項86に記載の方法。
【請求項88】
前記工程(c)〜(e)が以下の工程を代わりに含む、請求項70〜87のいずれか一項に記載の方法:
(c’)前記細胞抽出物中の経路において、発癌性融合タンパク質及び1以上のシグナル伝達分子についての発現及び/又は活性化のレベルを測定する工程;
(d’)測定した前記発癌性融合タンパク質及びシグナル伝達分子についての発現及び/又は活性化のレベルを、治療過程の間の初期に測定される前記発癌性融合タンパク質及びシグナル伝達分子についての発現及び/又は活性化のレベルと比較する工程;及び
(e’)工程(d’)からの比較に基づいて、被験者のための治療過程の今後の用量を決定するか、又は異なる治療過程を被験者に施すかどうかを決定する工程。
【請求項89】
癌の治療のために、適した抗癌剤を選択する方法であって、前記方法が、以下の工程を含む:
(a)抗癌剤の投与後又は抗癌剤とのインキュベーションの前に、癌の細胞を単離する工程;
(b)前記単離した細胞を溶解し、細胞抽出物を生成する工程;
(c)請求項1〜69のいずれか一項に記載の方法に従って、前記細胞抽出物中の発癌性融合タンパク質についての発現及び/又は活性化のレベルを測定する工程;及び、
(d)前記発癌性融合タンパク質のために検出される発現及び/又は活性化のレベルを、抗癌剤がない状態で作成した参照用の発現及び/又は活性化プロフィールと比較することによって、前記抗癌剤が、癌の治療のために適切であるか不適切であるかを決定する工程。
【請求項90】
抗癌剤を用いる治療に対して癌の応答を同定する方法であって、前記方法が、以下の工程を含む:
(a)抗癌剤の投与後又は抗癌剤とのインキュベーションの前に、癌の細胞を単離する工程;
(b)前記単離した細胞を溶解し、細胞抽出物を生成する工程;
(c)請求項1〜69のいずれか一項に記載の方法に従って、前記細胞抽出物中の発癌性融合タンパク質についての発現及び/又は活性化のレベルを測定する工程;及び、
(d)前記発癌性融合タンパク質のために検出される発現及び/又は活性化のレベルを、抗癌剤がない状態で作成した参照用の発現及び/又は活性化プロフィールと比較することによって、前記抗癌剤を用いる治療に対して、癌が応答性又は非応答性であると同定する工程。
【請求項91】
抗癌剤を用いる治療に対して、癌を有する被験者の応答を予測する方法であって、前記方法が、以下の工程を含む:
(a)抗癌剤の投与後又は抗癌剤とのインキュベーションの前に、癌の細胞を単離する工程;
(b)前記単離した細胞を溶解し、細胞抽出物を生成する工程;
(c)請求項1〜69のいずれか一項に記載の方法に従って、前記細胞抽出物中の発癌性融合タンパク質についての発現及び/又は活性化のレベルを測定する工程;及び、
(d)前記発癌性融合タンパク質のために検出される発現及び/又は活性化のレベルを、抗癌剤がない状態で作成した参照用の発現及び/又は活性化プロフィールと比較することによって、被験者が、前記抗癌剤を用いる治療に対して応答することの可能性を予測する工程。
【請求項92】
癌を有する被験者が、抗癌剤を用いる治療に対して耐性があるかどうかを決定する方法であって、前記方法が、以下の工程を含む:
(a)抗癌剤の投与後又は抗癌剤とのインキュベーションの前に、癌の細胞を単離する工程;
(b)前記単離した細胞を溶解し、細胞抽出物を生成する工程;
(c)請求項1〜69のいずれか一項に記載の方法に従って、前記細胞抽出物中の発癌性融合タンパク質についての発現及び/又は活性化のレベルを測定する工程;及び、
(d)前記発癌性融合タンパク質のために検出される発現及び/又は活性化のレベルを、初期に抗癌剤がある状態又は抗癌剤がない状態で作成した参照用の発現及び/又は活性化プロフィールと比較することによって、前記抗癌剤を用いる治療に対して、耐性があるか又は感受性があるかどうかを決定する工程。
【請求項93】
前記癌が慢性骨髄性白血病(CML)である、請求項89〜92のいずれか一項に記載の方法。
【請求項94】
前記抗癌剤が、モノクローナル抗体、チロシンキナーゼ阻害剤、化学療法剤、ホルモン療法剤、放射線療法剤、ワクチン、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項89〜93のいずれか一項に記載の方法。
【請求項95】
前記モノクローナル抗体が、モノクローナル抗体、例えば、トラスツズマブ(Herceptin(商標))、アレムツズマブ(Campath(商標))、ベバシズマブ(Avastin(商標))、セツキシマブ(Erbitux(商標))、ゲムツズマブ(Mylotarg(商標))、パニツムマブ(Vectibix(商品名))、リツキシマブ(Rituxan(商標))、及びトシツモマブ(BEXXAR(商標))、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項94に記載の方法。
【請求項96】
前記チロシンキナーゼ阻害剤が、イマチニブメシレート(Gleevec(商標))、ニロチニブ(Tasigna(商標))、ダサチニブ(Sprycel(商標))、ボスチニブ(SKI−606)、ゲフィチニブ(Iressa(商標))、スニチニブ(Sutent(商標))、エルロチニブ(Tarceva(商標))、ラパチニブ(Tykerb(商標))、カネルチニブ(CI1033)、セマキシニブ(SU5416)、バタラニブ(PTK787/ZK222584)、ソラフェニブ(BAY43−9006)、レフルノミド(SU101)、バンデタニブ(ZACTIMA(商品名);ZD6474)、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項94に記載の方法。
【請求項97】
前記チロシンキナーゼ阻害剤が、イマチニブメシレート(Gleevec(商標))、ニロチニブ(Tasigna(商標))、ダサチニブ(Sprycel(商標))、ボスチニブ(SKI−606)、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項94に記載の方法。
【請求項98】
前記化学療法剤が、ペメトレキセド(ALIMTA(商標))、ゲムシタビン(Gemzar(商標))、シロリムス(ラパマイシン)、ラパマイシンアナログ、白金化合物、カルボプラチン、シスプラチン、サトラプラチン、パクリタキセル(Taxol(商標))、ドセタキセル(Taxotere(商標))、テムシロリムス(CCI−779)、エベロリムス(RAD001)、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項94に記載の方法。
【請求項99】
前記ホルモン療法剤が、アロマターゼ阻害剤、選択的エストロゲン受容体調節剤、ステロイド剤、フィナステリド、ゴナドトロピン放出性ホルモンアゴニスト、それらの薬学的に許容することのできる塩、それらの立体異性体、それらの誘導体、それらのアナログ、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項94に記載の方法。
【請求項100】
前記放射線療法剤が、47Sc、64Cu、67Cu、89Sr、86Y、87Y、90Y、105Rh、111Ag、111In、117mSn、149Pm、153Sm、166Ho、177Lu、186Re、188Re、211At、212Bi、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項94に記載の方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3A】
image rotate

【図3B】
image rotate

【図3C】
image rotate

【図3D】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8A】
image rotate

【図8B】
image rotate

【図9A】
image rotate

【図9B】
image rotate

【図10A】
image rotate

【図10B】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate

【図17】
image rotate

【図18】
image rotate

【図19】
image rotate

【図20】
image rotate

【図21】
image rotate

【図22】
image rotate

【図23】
image rotate

【図24】
image rotate

【図25】
image rotate

【図26】
image rotate


【公表番号】特表2013−508728(P2013−508728A)
【公表日】平成25年3月7日(2013.3.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−535336(P2012−535336)
【出願日】平成22年10月20日(2010.10.20)
【国際出願番号】PCT/US2010/053386
【国際公開番号】WO2011/050069
【国際公開日】平成23年4月28日(2011.4.28)
【出願人】(599132904)ネステク ソシエテ アノニム (637)
【Fターム(参考)】