説明

白金・ゲルマニウム・ゼオライト触媒の再生

本発明は、ゼオライト触媒、特に、網状組織においてケイ素がゲルマニウムで置換され、ゼオライト上に白金が堆積したアルミノケイ酸塩ゼオライトの触媒の再生方法に関する。この触媒は、アルカン、特に、C2〜C8アルカンの芳香族化方法に用いられる。本発明の再生方法では、1)酸化によって触媒からコークスと硫黄を除去し、2)塩素ガスによって、触媒の表面上に白金を再分散させ、3)蒸気処理によって、塩素を除去し、Ptをゼオライトの表面に結合させ、4)水素中で触媒を還元させ、5)必要に応じて、触媒を再硫化する。ゼオライトはMFIゼオライトであってよい。触媒は、再生工程中に白金の結合部位として働かない不活性材料、例えば、シリカと結合されていてよい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ゼオライト触媒、特に、フレーム構造においてケイ素がゲルマニウムに置換され、ゼオライト上に白金が堆積したアルミノケイ酸塩ゼオライト触媒の再生方法に関する。この触媒は、アルカン、例えば、C2〜C8の芳香族化プロセスに用いられる。
【背景技術】
【0002】
ゼオライトは、他の金属も含有してもよい結晶質水和アルミノケイ酸塩である。「ゼオライト」という用語は、アルミノケイ酸塩だけでなく、アルミニウムが他の三価の元素により置換された物質およびケイ素が他の四価の元素により置換された物質も含む。特定のプロセスに用いられるゼオライト触媒の性質を向上させるために、ゼオライト上に元素を堆積させることもある。
【0003】
ゼオライトは、異性化、トルエン不均化、トランスアルキル化、水素化およびアルカンのオリゴマー化と芳香族化における、芳香族化合物のための公知の触媒である。一般に、触媒は、工業プロセス条件下で働くと失活するので、反応系に使用し続けるためには再生しなければならない。
【0004】
特許文献1には、従来の方法を用いて、例えば、高温で、不活性ガス、例えば、窒素により希釈された空気を使用して、その上に堆積した失活化炭素を焼き払うことによって、再生されるガリウム添加ZSM−5型アルミノケイ酸塩ゼオライトにより、エタンおよび/またはプロパンおよび/またはブタンから芳香族炭化水素を生成する方法が開示されている。
【0005】
特許文献2には、固定、移動または流動触媒床での高吸熱反応における、C3〜C4パラフィンの豊富な流れ(一般にLPGとして知られている)の芳香族化が開示されている。LPG芳香族化のためのCYCLAR(商標名)プロセスでは、主な吸熱反応に所要の熱を供給するために、連続触媒再生(CCR:continuous catalyst regeneration)と共に、複数の移動床反応区域が用いられる。反応区域と再生区域との間の高温触媒ペレットの輸送を含むこの工業プロセス計画には、多大な資本投資が必要である。「CYCLAR」プロセスは、非特許文献1に記載されている。
【0006】
特許文献3には、コークスの蓄積によって失活した炭化水素リフォーミング触媒の再生プロセスが開示されている。この触媒は、制御された定温炭素燃焼手法により再生される。反応装置の設計において、まだ活性であるが、ある程度コークスが蓄積した触媒は、最後の反応装置段の底部からゆっくりと回収され、再生区域に移送され、その間に、等量の再生済み触媒が再生装置から最初の反応装置の頂部に運ばれて戻される。再生は、高温空気および/または蒸気を用いた堆積コークスの燃焼からなる。
【0007】
特許文献4には、SiO2/Al23比が5より大きいニッケル活性化ゼオライト触媒を用いて、低分子量の非芳香族化合物を高分子量の芳香族化合物に転化するプロセスが開示されている。このニッケルゼオライト触媒には、熱または熱水処理が施され、これにより、堆積した炭素の量が減少し、再生の熱劣化に耐え、数回の再生後でさえも元の活性の大半を維持する触媒が得られる。
【0008】
特許文献5には、ゼオライトと結合剤の混合物であって、最初にか焼され、次いで、錯体形成配位子の存在下で促進剤と組み合わされた混合物の、炭化水素の転化に使用するための触媒組成物が開示されている。この結合剤はシリカまたはアルミナであり、促進剤化合物は亜鉛を含有し、錯体形成配位子はエチレンジアミンテトラ酢酸またはその塩である。再生手法は、好ましくは約300から約1000℃の温度で、堆積したコークスおよびオリゴマーやポリマーなどの他の炭質材料を焼き尽くすための空気中でのか焼を含む。か焼の最適な期間は、一般に、触媒組成物上の失活化堆積物の種類と量、およびか焼温度に依存する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】米国特許第4806699号明細書
【特許文献2】米国特許第5019663号明細書
【特許文献3】米国特許第5155075号明細書
【特許文献4】米国特許第5157183号明細書
【特許文献5】米国特許第6420295号明細書
【非特許文献】
【0010】
【非特許文献1】the AIChE Spring National Meeting, Houston, Tex., で提出された、R. F. Anderson, J. A. Johnson and J. R. Mowryによる論文"CYCLAR: One Step Processing of LPG to Aromatics and Hydrogen," Mar. 24-28, 1985
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0011】
アルカンの芳香族化のプロセスに用いられる、その上に白金が堆積したアルミニウム・ケイ素・ゲルマニウム・ゼオライトは、1)酸化によってコークスおよび硫黄を除去し、2)塩素含有ガス流によって白金を再分散させ、3)蒸気処理して、塩素を除去し、Ptをゼオライトの表面に結合させ、4)水素中で還元することによって、再生される。再生した触媒を、アルカンの芳香族化プロセスに再利用する前に、硫黄で処理(硫化)してもよい。本発明のある実施の形態において、ゼオライト構造はZSM−5 MFIゼオライトである。本発明の別の実施の形態において、触媒は、再生プロセス中に白金の結合部位として働かない不活性材料と結合される。結合材料の一例はシリカである。ある実施の形態において、本発明は、C2〜C8アルカンの芳香族化プロセスに用いられる。別の実施の形態において、本発明は、C2〜C4アルカンの芳香族化プロセスに用いられる。
【0012】
本発明は、その上に白金が堆積したアルミニウム・ケイ素・ゲルマニウム・ゼオライトを含有する触媒を再生する方法であって、
1) 最初に、触媒を、塩素または塩素含有化合物、水および酸素を、それぞれ、絶対圧で、約0.014psiから約0.094psi(約97Paから約650Pa)、約0psiから約0.75psi(約0Paから約5200Pa)、および約0.14psiから約0.94psi(約970Paから約6500Pa)の分圧で含有するガス流と接触させる工程、
2) 二番目に、触媒を、塩素または塩素含有化合物、水および酸素を、それぞれ、絶対圧で、約0.014psiから約0.094psi(約97Paから約650Pa)、約0.015psiから約0.75psi(約100Paから約5200Pa)、および約0.2psiから約2.24psi(約1400Paから約15kPa)の分圧で含有するガス流と接触させる工程であって、工程2)の酸素の分圧が工程1)の酸素の分圧よりも高い工程、
3) 三番目に、触媒を、塩素または塩素含有化合物、水および酸素を、それぞれ、絶対圧で、約0.029psiから約0.37psi(約200Paから約2600Pa)、約0psiから約0.19psi(約0Paから約1300Pa)、および約0.2psiから約2.24psi(約1400Paから約15kPa)の分圧で含有するガス流と接触させる工程であって、工程3)の塩素の分圧が工程2)の塩素の分圧よりも高い工程、
4) 触媒を、酸素および水で、それぞれ、絶対圧で、約0.2psiから約2.24psi(約1400Paから約15kPa)および約0.029psiから約0.75psi(約200Paから約5200Pa)の分圧で蒸気処理する工程、および
5) 触媒を、絶対圧で、約0.7psiから約19.7psi(約4800Paから約140kPa)の分圧で還元する工程、
を有してなる方法にある。本発明は、炭化水素の芳香族化方法であって、
a) 1分子当たり2から8の炭素原子を含有する(C2〜C8)1種類以上のアルカンの供給源を、その上に白金が堆積したアルミニウム・ケイ素・ゲルマニウム・ゼオライトを含有する少なくとも1種類の触媒と接触させる工程、
b) 芳香族生成物を回収する工程、および
c) 触媒を再生する工程、
を有してなる方法に用いられる。この供給源は、1分子当たり2から4の炭素原子を含有する(C2〜C4)1種類以上のアルカンまたは1分子当たり6から8の炭素原子を含有する(C6〜C8)1種類以上のアルカンであってよい。
【図面の簡単な説明】
【0013】
本発明のより完全な理解と、その付随する利点の多くは、添付の図面と共に考えたときに、以下の詳細な説明を参照することによって、容易に理解されよう。
【図1】燃料ガス選択性に対する白金の粒径の影響を示すグラフ
【図2】新たなシリカ結合触媒と再生されたものの転化率、BTX選択性および燃料ガス選択性を比較したグラフ
【図3】アルミナ結合触媒のTEM
【図4】図2において研究した地点での対応するEDSスペクトルを示すチャート
【図5】シリカ結合触媒のTEM
【図6】図4において研究した地点での対応するEDSスペクトルを示すチャート
【図7】再生後のシリカ結合触媒のBTX選択性を示すチャート
【図8】再生後のアルミナ結合触媒のBTX選択性を示すチャート
【図9】全く反応条件下になかった、すなわち、失活されておらずに再生条件で処理されたシリカ結合触媒と比較された、シリカ結合再生触媒に関するBTX選択性および燃料ガス選択性を示すグラフ
【発明を実施するための形態】
【0014】
米国特許第6784333号明細書に開示されているように、その上に白金が堆積したアルミニウム・ケイ素・ゲルマニウム・ゼオライトは、低級アルカンの芳香族への転化、例えば、1分子当たり2から6の炭素原子を有するアルカンのベンゼン、トルエンおよびキシレンへの転化に関して比較的一定の選択性を有する、炭化水素の芳香族化方法に有用であることが分かった。ゼオライトは、結晶化したアルミノケイ酸塩であり、Tが四価のケイ素および三価のアルミニウムを表す、TO4四面体の構造を含むことが知られており、この構造は、酸素原子を共有することによって三次元網状組織を形成している。本発明のSi/Al比は35:1を超え、本発明のある実施の形態は、35から60のSi/Al比を有し、本発明の別の実施の形態は、45から55のSi/Al比を有する。アルミニウムを三価の元素で置換してもよく、ケイ素を四価の元素で置換してもよい。本発明において、ゲルマニウムがゼオライトのアルミノケイ酸塩網状組織中に導入された。MFIゼオライトのケイ素/ゲルマニウムのアルミニウムに対する原子比(Si−Ge:Al)は、好ましくは25:1より大きく、より好ましくは45:1から250:1の範囲にあり、最も好ましくは50:1から100:1の範囲にある。ゼオライト構造は、MFI、FAU、TON、MFL、VPI、MEL、AEL、AFI、MWWまたはMORのものであってよいが、ゼオライトがMFI構造を有することが好ましく、MFIアルミニウム・ケイ素・ゲルマニウム・ゼオライトであることが最も好ましい。
【0015】
ゼオライトを合成するための典型的な技法は、溶解/再結晶化機構を用いた、熱水プロセスにより非晶質ゲルをゼオライト結晶に転化させる工程を有してなる。反応媒質は、結晶化中にゼオライト網状組織の微小孔空間中に含まれ、それゆえ、網状組織の構造を制御し、ゼオライト成分との相互作用によってその構造を安定化させるように働く、構造化剤も含有する。
【0016】
白金は、金属をゼオライト上に堆積させる任意の公知の方法によって、ゼオライト上に堆積する。ゼオライト上に金属を堆積させる典型的な方法は、イオン交換および含浸である。本発明のある実施の形態において、白金は0.05質量%から3質量%の範囲で存在する。本発明の別の実施の形態において、白金は0.2質量%から2質量%の範囲で存在する。本発明の別の実施の形態において、白金は0.2質量%から1.5質量%の範囲で存在する。
【0017】
その上に白金が堆積したアルミニウム・ケイ素・ゲルマニウム・ゼオライトは、異性化、トルエン不均化、トランスアルキル化、水素化およびアルカンのオリゴマー化と芳香族化などの、炭化水素系供給原料、すなわち、全てまたは一部、炭化水素を含有する供給原料を転化するための触媒を使用する幅広い転化プロセスに適用できると考えられている。これらのプロセスおよびプロセス条件の有用な範囲は全て、当該技術分野においてよく知られている。本発明のゼオライト触媒の一使用例は、アルカンの芳香族化合物、例えば、ベンゼン、トルエンおよびキシレン(BTX)への芳香族化である。本発明のある実施の形態において、アルカンは、1種類以上のC2〜C8アルカンから選択される。本発明の別の実施の形態において、アルカンは、1種類以上のC2〜C4アルカンから選択される。本発明の別の実施の形態において、アルカンは、1種類以上のC6〜C8アルカンから選択される。
【0018】
芳香族化プロセスの一例は、1回の運転で液化石油ガス(LPG)を液体芳香族化合物の生成物に直接転化する「Cyclar」プロセスである。LPGは、主にプロパンとブタンからなるが、C2、C5およびC6アルカンとC2〜C6オレフィンも含有し得る。ガス田と油田および石油精製操作から主に回収されるLPGは、比較的価格が安く、大量に得られ、その質のために、芳香族化などの石油化学用途にとって良好な供給源となる。「Cyclar」プロセスは、脱ヒドロシクロ二量化(dehydrocyclodimerization)として説明され、これは、C3および/またはC4アルカンのオレフィンへの連続脱水素化、オレフィンのオリゴマー化、ナフテンへの環化およびナフテンの対応する芳香族化合物への脱水素化である。オレフィンおよびオリゴマーの水素化分解副反応により、メタンとエタンが生成される。脱水素化反応により、水素が生成される。
【0019】
工業的なアルカン芳香族化プロセスは一般に連続的である。時間の経過と共に、触媒は失活し、生産性(1時間毎の触媒の質量当たりの芳香族化合物の質量)は減少する。触媒再生は、一回限りの使用の触媒にとって好ましい。アルカン芳香族化反応におけるゼオライト系の触媒について、触媒は、コークスおよび他の炭素系材料の形成によって、失活する。触媒の失活は、活性の損失の主観的判定であり、触媒は、触媒反応の開始後の任意の時点で再生できる。先の従来技術の議論に述べられているように、コークスを除去するための従来の方法は、触媒上に堆積したコークスおよび他の炭素系材料の高温での焼き払いである。コークスは一般に、炭質種が多数のC−H結合を含む不安定形態と、炭素が優先的に他の炭素に結合しているグラファイト形態の2つの形態をとる。不安定コークスは、グラファイトコークスよりも除去し易い。グラファイトコークスは、全コークスの約3〜5質量%を占める。不安定コークス(xおよびyが整数である、Cxy)が除去されるか、または燃焼されるときに、x'が1または2であるCOx'とH2Oが生成される。
【0020】
その上に白金が堆積したゼオライト系触媒について、アルカン芳香族化反応の温度および特に、従来の再生手法の高温のために、白金が「焼結」する、すなわち、白金粒子が凝集して、ゼオライトの表面上の白金粒径が増加する。焼結により、金属表面と触媒性能、特に、選択性が失われる(図1参照)。
【0021】
触媒の失活に寄与するコークスと他の炭素系材料を除去し、ゼオライトの表面上の白金の分散も維持する再生手法が望ましいであろう。本発明の再生手法は、コークスの除去および白金の再分散を含む。本発明の手法は、炭化水素質供給源の転化プロセス、例えば、異性化、トルエンの不均化、トランスアルキル化、水素化およびアルカンのオリゴマー化と芳香族化において失活される、その上に白金が堆積したアルミニウム・ケイ素・ゲルマニウム・ゼオライトの触媒の再生に適用できるべきである。
【0022】
本発明の再生手法は、5つの別個の段階と任意の6番目の段階を含む。第1の段階では、反応生成物である水が随意的に存在する状況下で、反応体として酸素と塩素を使用する。第2の段階でも、酸素と塩素を使用するが、酸素の濃度が比較的高い。水は、反応生成物であるから存在してもよく、水の濃度は、先の段階において生成された反応生成物の水の持越しのために、先の段階におけるより高くてもよい。第3の段階でも、反応体として酸素と塩素を使用するが、先の段階に対して塩素の濃度は比較的高い。水は、先の段階からの持越しのために、存在してもよい。第4の段階は、触媒に、比較的高濃度の酸素と水を施す「蒸気処理」段階である。触媒は、水素含有蒸気中で還元されることによって活性化される。触媒は、別のプロセス反応を開始する前に硫化してもよい。
【0023】
最初の2段階では、白金の凝集を制限しながら、コークスを除去し、第3の段階では、Ptを分散させ、蒸気処理では、塩素を除去し、Ptをゼオライトの表面に結合させると考えられるが、各段階中には他の作用が全く生じないことは示唆していない。Ptは、最初の2段階中に分散され、コークスは第3の段階などの最中に除去されるであろう。さらに、コークスが燃焼されるときに、水が生成されるかもしれないが、水は、再生プロセスの反応、特に、白金の再分散にかかわるかもしれず、存在する水の量は、水の除去または追加によって調節される。
【0024】
各段階での特定の濃度、時間および温度は、触媒の失活の程度および失活に寄与する炭素系材料の種類と量に応じて、調節できる。2グラムの触媒サンプルを再生するための濃度(ゲージ圧で4psi(約28kPa)までの動作圧力での分圧、1000〜8000GHSVの流速)、時間および温度は以下のとおりである:第1の段階において、塩素、水および酸素の分圧は、それぞれ、絶対圧で、約0.014psiから約0.094psi(約97Paから約650Pa)、約0psiから約0.75psi(約0Paから約5200Pa)、および約0.14psiから約0.94psi(約970Paから約6500Pa)である。第1の段階における反応は、約50分から約24時間に亘り、約400℃から約550℃の温度であろう。第2の段階において、塩素、水および酸素の分圧は、それぞれ、絶対圧で、約0.014psiから約0.094psi(約97Paから約650Pa)、約0.015psiから約0.75psi(約100Paから約5200Pa)、および約0.2psiから約2.24psi(約1400Paから約15kPa)である。第2の段階における酸素の分圧は、第1の段階における酸素の分圧よりも高い。第2の段階における反応は、約60分から約24時間に亘り、約400℃から約550℃の温度であろう。第3の段階において、塩素、水および酸素の分圧は、それぞれ、絶対圧で、約0.029psiから約0.37psi(約200Paから約2600Pa)、約0psiから約0.19psi(約0Paから約1300Pa)、および約0.2psiから約2.24psi(約1400Paから約15kPa)である。第3の段階における塩素の分圧は、第2の段階における塩素の分圧よりも高い。第3の段階における反応は、約1時間から約48時間に亘り、約400℃から約550℃の温度であろう。第4の段階において、酸素および水の分圧は、それぞれ、絶対圧で、約0.2psiから約2.24psi(約1400Paから約15kPa)および約0.029psiから約0.75psi(約200Paから約5200Pa)である。第4の段階における反応は、約15分から約12時間に亘り、約200℃から約550℃の温度であろう。第5の段階において、水素の分圧は、絶対圧で、約0.7psiから約19.7psi(約4800Paから約140kPa)である。第5の段階における反応は、約30分から約24時間に亘り、約200℃から約550℃の温度であろう。
【0025】
本発明の別の実施の形態において、第1の段階では、塩素、水および酸素の分圧は、それぞれ、絶対圧で、約0.014psiから約0.06psi(約97Paから約400Pa)、約0psiから約0.6psi(約0Paから約4000Pa)、および約0.14psiから約0.6psi(約970Paから約4000Pa)である。第1の段階における反応は、約50分から約20時間に亘り、約425℃から約540℃の温度であろう。第2の段階において、塩素、水および酸素の分圧は、それぞれ、絶対圧で、約0.014psiから約0.06psi(約97Paから約400Pa)、約0.15psiから約0.6psi(約1000Paから約4000Pa)、および約0.2psiから約2.0psi(約1400Paから約14kPa)である。第2の段階における反応は、約1時間から約20時間に亘り、約425℃から約540℃の温度であろう。第3の段階において、塩素、水および酸素の分圧は、それぞれ、絶対圧で、約0.05psiから約0.3psi(約300Paから約2000Pa)、約0.0psiから約0.15psi(約0.0Paから約1000Pa)、および約0.2psiから約2.0psi(約1400Paから約14kPa)である。第3の段階における反応は、約3時間から約24時間に亘り、約425℃から約540℃の範囲の温度であろう。第4の段階において、酸素および水の分圧は、それぞれ、絶対圧で、約0.5psiから約2.0psi(約3000Paから約14kPa)および約0.15psiから約0.6psi(約1000Paから約4000Pa)である。第4の段階における反応は、約30分から約10時間に亘り、約425℃から約540℃の範囲の温度であろう。第5の段階において、水素の分圧は、絶対圧で、約0.7psiから約19.0psi(約4800Paから約130kPa)である。第5の段階における反応は、約30分から約18時間に亘り、約425℃から約540℃の温度であろう。
【0026】
本発明の別の実施の形態において、第1の段階では、塩素、水および酸素の分圧は、それぞれ、絶対圧で、約0.014psiから約0.04psi(約97Paから約280Pa)、約0psiから約0.04psi(約0Paから約280Pa)、および約0.14psiから約0.4psi(約970Paから約2800Pa)である。第1の段階における反応は、約1時間から約16時間に亘り、約450℃から約525℃の温度であろう。第2の段階において、塩素、水および酸素の分圧は、それぞれ、絶対圧で、約0.014psiから約0.04psi(約97Paから約280Pa)、約0.15psiから約0.4psi(約1000Paから約2800Pa)、および約0.4psiから約2.0psi(約2800Paから約14kPa)である。第2の段階における反応は、約1時間から約16時間に亘り、約450℃から約525℃の温度であろう。第3の段階において、塩素、水および酸素の分圧は、それぞれ、絶対圧で、約0.1psiから約0.25psi(約690Paから約1700Pa)、約0.0psiから約0.1psi(約0.0Paから約690Pa)、および約0.4psiから約1.5psi(約2800Paから約10kPa)である。第3の段階における反応は、約3時間から約18時間に亘り、約450℃から約525℃の範囲の温度であろう。第4の段階において、酸素および水の分圧は、それぞれ、絶対圧で、約0.75psiから約1.75psi(約5200Paから約12kPa)および約0.15psiから約0.4psi(約1000Paから約2800Pa)である。第4の段階における反応は、約30分から約8時間に亘り、約450℃から約525℃の範囲の温度であろう。第5の段階において、水素の分圧は、絶対圧で、約0.8psiから約15.0psi(約5500Paから約103kPa)である。第5の段階における反応は、約30分から約12時間に亘り、約450℃から約525℃の温度であろう。
【0027】
分圧、時間および温度の先に示した範囲は、触媒の幅広い量と質量に適用できるはずである。以下の指標を用いて、プロセス条件の変量を変更または最適化することができる。上述した範囲における温度制御設定点は、反応装置における第1の工程の始めに設定してもよい。コークスの酸化反応、すなわち、コークス+O2→COxは、熱を発生し、触媒の温度を設定点よりも高く上昇させる発熱反応である。コークスが燃え尽きるときに、温度が低下し、第1の段階における時間の量が、発熱性の減少により決定され、これは、触媒の温度が制御設定点に近づくときに、COxの生成の減少を反映する。第2の工程において、残りのコークスのほとんどが、コークスの第2の酸化反応によって燃え尽き、ここで、COxの生成およびO2の濃度がモニタされる。COxは、第1の工程について説明されたようにモニタしてもよい。供給物のO2濃度と排出物のO2濃度との間の差がゼロに近づくときに、触媒は、ある期間に亘り、例えば、少なくとも2時間に亘り、前記温度範囲内に維持され、その最中とその後、COxレベルは、ゼロ、ほぼゼロまたはゼロに近づくと仮定される。第3の工程について、上述した時間と温度の範囲は、ここに開示された類似結果を生じるのに、日常的な実験の範囲内の変更により十分であるべきである。流出液のpHにより、第4の工程の完了が決定される。pHが中性、すなわち、約6〜8、または例えば、約7に近づくときに、洗浄を中断してもよい。第5の工程について、上述した時間と温度の範囲は、ここに開示された類似結果を生じるのに、日常的な実験の範囲内の変更により十分であるべきである。
【0028】
再生された触媒は、検出可能な硫黄が現れるまで、この再生された触媒を、約25℃から約550℃の温度範囲、例えば、400℃で、約10/時から約8000/時のガス空間速度[GHSV−毎時(/時)の触媒の体積当たりのガスの体積]で、硫化水素などの硫黄化合物および/または二硫化ジメチルなどの有機硫化物化合物と接触させ、硫化した触媒を、約25℃から約550℃、例えば、100℃の温度で、約10/時から約8000/時のガス空間速度で、水素などのストリッピングガス、または窒素、アルゴンまたはヘリウムなどの不活性ガスのストリッピングガスとの混合物と接触させることによって、炭化水素転化のためのプロセスに使用する前に硫化してもよい。ストリッピングガスの不活性ガスとの混合物は、約1/99から約100/0、例えば、約50/50のモル/モル比であってよい。炭化水素転化プロセスの供給原料の一部として、硫黄化合物を、再生した触媒と接触させてもよい。硫黄が検出可能に現れることは、酢酸鉛指示薬などの、硫化水素に関する任意の公知の分析手段より分析してもよい。2グラムのサンプルに関する濃度と温度の先の範囲は、触媒の幅広い範囲の量と質量に適用できるはずである。プロセス条件は、例えば、10ppmから0.1質量%の範囲の、所望のように触媒上に硫黄の量を生成するために改変または最適化してもよい。
【0029】
触媒は、マグネシウム、アルミニウム、ゲルマニウム、チタン、ジルコニウム、トリウム、ケイ素、ホウ素およびそれらの混合物の酸化物に結合、またはその上に担持されてよい。本発明のある実施の形態において、結合材料すなわち担体は、再生プロセス中に白金に影響を与えない不活性材料である。そのような結合材料すなわち担体の例には、シリカ、硫酸アルミナ、粘土またはゼオライトがある。触媒は、当該技術分野において任意の公知の方法により結合材料に結合される。ゼオライトを結合させるための手法は、よく知られており、ここに引用により含まれる。そのような結合手法としては、油滴法が挙げられる。ゼオライトの結合剤に対する質量比は、20質量%から80質量%までで変動してよい。
【実施例】
【0030】
本発明を一般的に説明してきたが、以下の実施例は、本発明の特別な実施の形態として与えられ、その実施と利点を実証するためものである。実施例は、例証のために与えられたものであり、明細書や以下の特許請求の範囲を決して制限することを意図したものではないとが理解されよう。
【0031】
触媒を、ここに引用する米国特許第6784333号明細書に開示された方法によって、合成し、アルカンの芳香族化プロセスに用いた。触媒は、1LHSV、ゲージ圧で22psi(約150kPa)および500℃でプロパン供給物について運転した。触媒が失活したとき、すなわち、約70から約120時間の操業時間および約10%から約20%の転化率の損失が観察されたときに、触媒を以下のように再生した:
【0032】
触媒を、450〜550℃の間の温度および名目上大気圧に維持された圧力で、フード内の、石英からなる13mmの外径×21インチ(約53cm)の長さの管内に配置した。この管の出口から約6インチ(約15cm)のところに石英フリットを用いて、触媒を反応区域内に保持した。電気炉を用いて、反応装置を加熱した。温度制御装置の熱電対を炉内にある反応装置の外側に配置した。炉の温度制限を600℃に設定した。圧力制御装置により供給物の圧力をゲージ圧で4psi(約28kPa)に減少させた。ロトメータ制御によって調節した塩素含有ガスを除いて、全てのガスの流れは、質量流量制御装置により調節した。触媒は、以下の条件で再生した:

再生した触媒は、1LHSV、ゲージ圧で22psi(約150kPa)および500℃でプロパン供給物によるプロパンの芳香族化プロセスにおいて評価した。
【0033】
図2から分かるように、再生した触媒は、ベンゼン−トルエン−キシレン(BTX)に関して安定な選択性を有する。
【0034】
Pt−Ge/ZSM−5触媒を、ここに引用する米国特許第6784333号明細書に開示された方法によって、合成し、シリカまたはアルミナに結合させた。触媒は、50/50の質量比でシリカに結合させた。結合した触媒は、1LHSV、ゲージ圧で22psi(約150kPa)および500℃でプロパン供給物によるプロパンの芳香族化プロセスにおいて評価し、上述した条件で再生した。触媒は、透過型電子顕微鏡(TEM)およびエネルギー分散型X線検出器(EDS)により分析した。アルミナ結合触媒について研究した地点に関するTEMおよび対応するEDSスペクトルが、図3および4に示されている。シリカ結合触媒について研究した地点に関するTEMおよび対応するEDSスペクトルが、図5および6に示されている。
【0035】
アルミナ結合触媒について、EDSにより調べた場合、ゼオライト上にPtの形跡が見つからなかった。Ptはアルミナ結合剤上のみに見られた。シリカ結合触媒について、Ptの粒子はゼオライト上のみに見られた。
【0036】
これらの結果は、アルミニウムがPtの結合部位として働き、ゼオライトからPtを除去することを示しており、その上に白金が堆積したアルミニウム・ケイ素・ゲルマニウム・ゼオライトのための結合材料としてアルミナよりも優れたシリカの利点を実証する。結合材料としてのシリカにより、白金が、触媒内、すなわち、結合材料上ではなく、主にゼオライト上の位置と場所の結果として、再生された触媒の性能が得られるように再分散することができる。
【0037】
図7および8は、上述した再生条件で処理したシリカ結合触媒とアルミナ結合触媒との間の性能の差を示している。再生されたアルミナ結合触媒は、再生された後に選択性が失われた。触媒性能のこの減少は、ゼオライトから、先に示した周囲のアルミナ結合剤への白金の損失のせいであると考えられる。
【0038】
シリカ結合再生触媒は、反応条件下になかった、すなわち、失活されていないが、上述した再生条件で処理されたシリカ結合触媒と、図9において比較されている。これらの結果は、失活した触媒について、活性および選択性を回復できることを示している。さらに、再生触媒は安定であり、再現可能である。
【0039】
明らかに、本発明の様々な改変および変更は、先の教示に照らして可能である。したがって、添付の特許請求の範囲内で、本発明を、ここに具体的に記載したのとは他の様式で実施してもよいことが理解されよう。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
炭化水素の芳香族化方法において、
a) 1分子当たり2から8の炭素原子を含有する1種類以上のアルカンの供給原料を、その上に白金が堆積したアルミニウム・ケイ素・ゲルマニウム・ゼオライトを含有する触媒1種類以上と接触させる工程、
b) 芳香族生成物を回収する工程、および
c) 前記触媒を、
1) 最初に、前記触媒を、塩素または塩素含有化合物、水および酸素を、それぞれ、絶対圧で、約0.014psiから約0.094psi(約97Paから約650Pa)、約0psiから約0.75psi(約0Paから約5200Pa)、および約0.14psiから約0.94psi(約970Paから約6500Pa)の分圧で含有するガス流と接触させる工程、
2) 二番目に、前記触媒を、塩素または塩素含有化合物、水および酸素を、それぞれ、絶対圧で、約0.014psiから約0.094psi(約97Paから約650Pa)、約0.015psiから約0.75psi(約100Paから約5200Pa)、および約0.2psiから約2.24psi(約1400Paから約15kPa)の分圧で含有するガス流と接触させる工程であって、工程2)の酸素の分圧が工程1)の酸素の分圧よりも高い工程、
3) 三番目に、前記触媒を、塩素または塩素含有化合物、水および酸素を、それぞれ、絶対圧で、約0.029psiから約0.37psi(約200Paから約2600Pa)、約0psiから約0.19psi(約0Paから約1300Pa)、および約0.2psiから約2.24psi(約1400Paから約15kPa)の分圧で含有するガス流と接触させる工程であって、工程3)の塩素の分圧が工程2)の塩素の分圧よりも高い工程、
4) 前記触媒を、酸素および水で、それぞれ、絶対圧で、約0.2psiから約2.24psi(約1400Paから約15kPa)および約0.029psiから約0.75psi(約200Paから約5200Pa)の分圧で蒸気処理する工程、および
5) 前記触媒を、絶対圧で、約0.7psiから約19.7psi(約4800Paから約140kPa)の分圧で還元する工程、
により再生する工程、
を有してなる方法。
【請求項2】
工程1)が、約50分から約24時間に亘り、約400℃から約550℃の温度であり、工程2)が、約60分から約24時間に亘り、約400℃から約550℃の温度であり、工程3)が、約60分から約48時間に亘り、約400℃から約550℃の温度であり、工程4)が、約15分から約12時間に亘り、約200℃から約550℃の温度であり、工程5)が、約30分から約24時間に亘り、約200℃から約550℃の温度であることを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項3】
工程1)において、塩素、水および酸素の分圧は、それぞれ、絶対圧で、約0.014psiから約0.06psi(約97Paから約400Pa)、約0psiから約0.6psi(約0Paから約4000Pa)、および約0.14psiから約0.6psi(約970Paから約4000Pa)であり、工程2)において、塩素、水および酸素の分圧は、それぞれ、絶対圧で、約0.014psiから約0.06psi(約97Paから約400Pa)、約0.15psiから約0.6psi(約1000Paから約4000Pa)、および約0.2psiから約2.0psi(約1400Paから約14kPa)であり、工程3)において、塩素、水および酸素の分圧は、それぞれ、絶対圧で、約0.05psiから約0.3psi(約300Paから約2000Pa)、約0.0psiから約0.15psi(約0.0Paから約1000Pa)、および約0.2psiから約2.0psi(約1400Paから約14kPa)であり、工程4)において、酸素および水の分圧は、それぞれ、絶対圧で、約0.5psiから約2.0psi(約3000Paから約14kPa)および約0.15psiから約0.6psi(約1000Paから約4000Pa)であり、工程5)において、水素の分圧は、絶対圧で、約0.7psiから約19.0psi(約4800Paから約130kPa)であることを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項4】
工程1)が、約50分から約24時間に亘り、約425℃から約540℃の温度であり、工程2)が、約1時間から約24時間に亘り、約425℃から約540℃の温度であり、工程3)が、約3時間から約24時間に亘り、約425℃から約540℃の温度であり、工程4)が、約30分から約10時間に亘り、約425℃から約540℃の温度であり、工程5)が、約30分から約18時間に亘り、約425℃から約540℃の温度であることを特徴とする請求項3記載の方法。
【請求項5】
工程1)において、塩素、水および酸素の分圧は、それぞれ、絶対圧で、約0.014psiから約0.04psi(約97Paから約280Pa)、約0psiから約0.4psi(約0Paから約2800Pa)、および約0.14psiから約0.4psi(約970Paから約2800Pa)であり、工程2)において、塩素、水および酸素の分圧は、それぞれ、絶対圧で、約0.014psiから約0.04psi(約97Paから約280Pa)、約0.15psiから約0.4psi(約1000Paから約2800Pa)、および約0.4psiから約2.0psi(約2800Paから約14kPa)であり、工程3)において、塩素、水および酸素の分圧は、それぞれ、絶対圧で、約0.1psiから約0.25psi(約690Paから約1700Pa)、約0.0psiから約0.1psi(約0.0Paから約690Pa)、および約0.4psiから約1.5psi(約2800Paから約10kPa)であり、工程4)において、酸素および水の分圧は、それぞれ、絶対圧で、約0.75psiから約1.75psi(約5200Paから約12kPa)および約0.15psiから約0.4psi(約1000Paから約2800Pa)であり、工程5)において、水素の分圧は、絶対圧で、約0.8psiから約15.0psi(約5500Paから約103kPa)であることを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項6】
工程1)が、約1時間から約16時間に亘り、約450℃から約525℃の温度であり、工程2)が、約1時間から約16時間に亘り、約450℃から約525℃の温度であり、工程3)が、約3時間から約18時間に亘り、約450℃から約525℃の温度であり、工程4)が、約30分から約8時間に亘り、約450℃から約525℃の温度であり、工程5)が、約30分から約12時間に亘り、約450℃から約525℃の温度であることを特徴とする請求項5記載の方法。
【請求項7】
不安定コークスの少なくとも50質量%が工程1)において除去され、残りの不安定コークスの実質的に全てが工程2)において除去されることを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項8】
再生された前記触媒が、
6) 前記再生された触媒を、約25℃から約550℃の温度範囲で約10/時から約8000/時のガス空間速度で硫黄化合物と接触させる工程、および
7) 硫化された前記触媒を、約25℃から約550℃の温度範囲で約10/時から約8000/時のガス空間速度でストリッピングガスと接触させる工程、
によりさらに硫化されることを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項9】
前記硫黄化合物が硫化水素または有機硫化物化合物であることを特徴とする請求項8記載の方法。
【請求項10】
前記有機硫化物化合物が二硫化ジエチルであることを特徴とする請求項9記載の方法。
【請求項11】
前記ストリッピングガスが、ストリッピングガスと不活性ガスとの混合物であることを特徴とする請求項8記載の方法。
【請求項12】
前記不活性ガスが、窒素、アルゴンまたはヘリウムであることを特徴とする請求項11記載の方法。
【請求項13】
前記ストリッピングガスと不活性ガスとの混合物が、約1/99から約100/0のモル/モル比にあることを特徴とする請求項11記載の方法。
【請求項14】
前記ストリッピングガスと不活性ガスとの混合物が、約50/50のモル/モル比にあることを特徴とする請求項12記載の方法。
【請求項15】
再生された前記触媒が、該再生された触媒を前記供給原料中の硫黄化合物に接触させることによってさらに硫化されることを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項16】
前記ゼオライトの構造が、MFI、FAU、TON、MFL、VPI、MEL、AEL、AFI、MWWまたはMORであることを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項17】
前記ゼオライトの構造がMFIであることを特徴とする請求項16記載の方法。
【請求項18】
前記Si/Al比が35:1を超えていることを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項19】
前記Si/Al比が35から60までであることを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項20】
前記Si/Al比が45から55までであることを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項21】
シリコン・ゲルマニウムのアルミニウムに対する原子比(Si−Ge:Al)が25:1より大きいことを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項22】
シリコン・ゲルマニウムのアルミニウムに対する原子比(Si−Ge:Al)が45:1から250:1の範囲にあることを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項23】
シリコン・ゲルマニウムのアルミニウムに対する原子比(Si−Ge:Al)が50:1から100:1の範囲にあることを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項24】
白金が0.05質量%から3質量%の範囲で存在することを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項25】
白金が0.2質量%から2質量%の範囲で存在することを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項26】
白金が0.2質量%から1.5質量%の範囲で存在することを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項27】
前記触媒が、前記再生工程中に白金の結合部位として働かない不活性材料と結合していることを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項28】
前記不活性材料が、シリカ、硫酸アルミナ、粘土またはゼオライトであることを特徴とする請求項27記載の方法。
【請求項29】
前記触媒がシリカに結合していることを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項30】
前記アルカンが、1分子当たり2から4の炭素原子を含有することを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項31】
前記アルカンが、1分子当たり6から8の炭素原子を含有することを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項32】
その上に白金が堆積されるアルミニウム・ケイ素・ゲルマニウム・ゼオライトを含有する触媒を再生する方法であって、
a) 最初に、前記触媒を、塩素または塩素含有化合物、水および酸素を、それぞれ、絶対圧で、約0.014psiから約0.094psi(約97Paから約650Pa)、約0psiから約0.75psi(約0Paから約5200Pa)、および約0.14psiから約0.94psi(約970Paから約6500Pa)の分圧で含有するガス流と接触させる工程、
b) 二番目に、前記触媒を、塩素または塩素含有化合物、水および酸素を、それぞれ、絶対圧で、約0.014psiから約0.094psi(約97Paから約650Pa)、約0.015psiから約0.75psi(約100Paから約5200Pa)、および約0.2psiから約2.24psi(約1400Paから約15kPa)の分圧で含有するガス流と接触させる工程であって、工程b)の酸素の分圧が工程a)の酸素の分圧よりも高い工程、
c) 三番目に、前記触媒を、塩素または塩素含有化合物、水および酸素を、それぞれ、絶対圧で、約0.029psiから約0.37psi(約200Paから約2600Pa)、約0psiから約0.19psi(約0Paから約1300Pa)、および約0.2psiから約2.24psi(約1400Paから約15kPa)の分圧で含有するガス流と接触させる工程であって、工程c)の塩素の分圧が工程b)の塩素の分圧よりも高い工程、
d) 前記触媒を、酸素および水で、それぞれ、絶対圧で、約0.2psiから約2.24psi(約1400Paから約15kPa)および約0.029psiから約0.75psi(約200Paから約5200Pa)の分圧で蒸気処理する工程、および
e) 前記触媒を、絶対圧で、約0.7psiから約19.7psi(約4800Paから約140kPa)の分圧で還元する工程、
を有してなる方法。
【請求項33】
工程a)が、約50分から約24時間に亘り、約400℃から約550℃の温度であり、工程b)が、約60分から約24時間に亘り、約400℃から約550℃の温度であり、工程c)が、約60分から約48時間に亘り、約400℃から約550℃の温度であり、工程d)が、約15分から約12時間に亘り、約200℃から約550℃の温度であり、工程e)が、約30分から約24時間に亘り、約200℃から約550℃の温度であることを特徴とする請求項32記載の方法。
【請求項34】
工程a)において、塩素、水および酸素の分圧は、それぞれ、絶対圧で、約0.014psiから約0.06psi(約97Paから約400Pa)、約0psiから約0.6psi(約0Paから約4000Pa)、および約0.14psiから約0.6psi(約970Paから約4000Pa)であり、工程b)において、塩素、水および酸素の分圧は、それぞれ、絶対圧で、約0.014psiから約0.06psi(約97Paから約400Pa)、約0.15psiから約0.6psi(約1000Paから約4000Pa)、および約0.2psiから約2.0psi(約1400Paから約14kPa)であり、工程c)において、塩素、水および酸素の分圧は、それぞれ、絶対圧で、約0.05psiから約0.3psi(約300Paから約2000Pa)、約0.0psiから約0.15psi(約0.0Paから約1000Pa)、および約0.2psiから約2.0psi(約1400Paから約14kPa)であり、工程d)において、酸素および水の分圧は、それぞれ、絶対圧で、約0.5psiから約2.0psi(約3000Paから約14kPa)および約0.15psiから約0.6psi(約1000Paから約4000Pa)であり、工程e)において、水素の分圧は、絶対圧で、約0.7psiから約19.0psi(約4800Paから約130kPa)であることを特徴とする請求項32記載の方法。
【請求項35】
工程a)が、約50分から約24時間に亘り、約425℃から約540℃の温度であり、工程b)が、約1時間から約24時間に亘り、約425℃から約540℃の温度であり、工程c)が、約3時間から約24時間に亘り、約425℃から約540℃の温度であり、工程d)が、約30分から約10時間に亘り、約425℃から約540℃の温度であり、工程e)が、約30分から約18時間に亘り、約425℃から約540℃の温度であることを特徴とする請求項34記載の方法。
【請求項36】
工程a)において、塩素、水および酸素の分圧は、それぞれ、絶対圧で、約0.014psiから約0.04psi(約97Paから約280Pa)、約0psiから約0.4psi(約0Paから約2800Pa)、および約0.14psiから約0.4psi(約970Paから約2800Pa)であり、工程b)において、塩素、水および酸素の分圧は、それぞれ、絶対圧で、約0.014psiから約0.04psi(約97Paから約280Pa)、約0.15psiから約0.4psi(約1000Paから約2800Pa)、および約0.4psiから約2.0psi(約2800Paから約14kPa)であり、工程c)において、塩素、水および酸素の分圧は、それぞれ、絶対圧で、約0.1psiから約0.25psi(約690Paから約1700Pa)、約0.0psiから約0.1psi(約0.0Paから約690Pa)、および約0.4psiから約1.5psi(約2800Paから約10kPa)であり、工程d)において、酸素および水の分圧は、それぞれ、絶対圧で、約0.75psiから約1.75psi(約5200Paから約12kPa)および約0.15psiから約0.4psi(約1000Paから約2800Pa)であり、工程e)において、水素の分圧は、絶対圧で、約0.8psiから約15.0psi(約5500Paから約103kPa)であることを特徴とする請求項32記載の方法。
【請求項37】
工程a)が、約1時間から約16時間に亘り、約450℃から約525℃の温度であり、工程b)が、約1時間から約16時間に亘り、約450℃から約525℃の温度であり、工程c)が、約3時間から約18時間に亘り、約450℃から約525℃の温度であり、工程d)が、約30分から約8時間に亘り、約450℃から約525℃の温度であり、工程e)が、約30分から約12時間に亘り、約450℃から約525℃の温度であることを特徴とする請求項36記載の方法。
【請求項38】
不安定コークスの少なくとも50質量%が工程a)において除去され、残りの不安定コークスの実質的に全てが工程b)において除去されることを特徴とする請求項32記載の方法。
【請求項39】
再生された前記触媒が、
f) 前記再生された触媒を、約25℃から約550℃の温度範囲で約10/時から約8000/時のガス空間速度で硫黄化合物と接触させる工程、および
g) 硫化された前記触媒を、約25℃から約550℃の温度範囲で約10/時から約8000/時のガス空間速度でストリッピングガスと接触させる工程、
によりさらに硫化されることを特徴とする請求項32記載の方法。
【請求項40】
前記硫黄化合物が硫化水素または有機硫化物化合物であることを特徴とする請求項39記載の方法。
【請求項41】
前記有機硫化物化合物が二硫化ジエチルであることを特徴とする請求項40記載の方法。
【請求項42】
前記ストリッピングガスが、ストリッピングガスと不活性ガスとの混合物であることを特徴とする請求項39記載の方法。
【請求項43】
前記不活性ガスが、窒素、アルゴンまたはヘリウムであることを特徴とする請求項42記載の方法。
【請求項44】
前記ストリッピングガスと不活性ガスとの混合物が、約1/99から約100/0のモル/モル比にあることを特徴とする請求項42記載の方法。
【請求項45】
前記ストリッピングガスと不活性ガスとの混合物が、約50/50のモル/モル比にあることを特徴とする請求項43記載の方法。
【請求項46】
再生された前記触媒が、該再生された触媒を前記供給原料中の硫黄化合物に接触させることによってさらに硫化されることを特徴とする請求項32記載の方法。
【請求項47】
前記ゼオライトの構造が、MFI、FAU、TON、MFL、VPI、MEL、AEL、AFI、MWWまたはMORであることを特徴とする請求項32記載の方法。
【請求項48】
前記ゼオライトの構造がMFIであることを特徴とする請求項47記載の方法。
【請求項49】
前記Si/Al比が35:1を超えていることを特徴とする請求項32記載の方法。
【請求項50】
前記Si/Al比が35から60までであることを特徴とする請求項49記載の方法。
【請求項51】
前記Si/Al比が45から55までであることを特徴とする請求項50記載の方法。
【請求項52】
シリコン・ゲルマニウムのアルミニウムに対する原子比(Si−Ge:Al)が25:1より大きいことを特徴とする請求項32記載の方法。
【請求項53】
シリコン・ゲルマニウムのアルミニウムに対する原子比(Si−Ge:Al)が45:1から250:1の範囲にあることを特徴とする請求項32記載の方法。
【請求項54】
シリコン・ゲルマニウムのアルミニウムに対する原子比(Si−Ge:Al)が50:1から100:1の範囲にあることを特徴とする請求項53記載の方法。
【請求項55】
白金が0.05質量%から3質量%の範囲で存在することを特徴とする請求項32記載の方法。
【請求項56】
白金が0.2質量%から2質量%の範囲で存在することを特徴とする請求項55記載の方法。
【請求項57】
白金が0.2質量%から1.5質量%の範囲で存在することを特徴とする請求項56記載の方法。
【請求項58】
前記触媒が、前記再生工程中に白金の結合部位として働かない不活性材料と結合していることを特徴とする請求項57記載の方法。
【請求項59】
前記不活性材料が、シリカ、硫酸アルミナ、粘土またはゼオライトであることを特徴とする請求項58記載の方法。
【請求項60】
前記触媒がシリカに結合していることを特徴とする請求項32記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公表番号】特表2010−513507(P2010−513507A)
【公表日】平成22年4月30日(2010.4.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−542883(P2009−542883)
【出願日】平成19年12月19日(2007.12.19)
【国際出願番号】PCT/US2007/025875
【国際公開番号】WO2008/082534
【国際公開日】平成20年7月10日(2008.7.10)
【出願人】(502132128)サウディ ベーシック インダストリーズ コーポレイション (109)
【Fターム(参考)】