説明

皮膚の剥離を促進するための組成物における少なくとも1つのアミノスルホン酸誘導体の使用

【課題】皮膚の剥離を促進するための、及び/又は表皮再生を刺激するための、及び/又は内因性及び/又は外因性皮膚老化に対抗するための、アミノスルホン酸タイプの少なくとも1つの誘導体を含有する新規組成物を提供すること。
【解決手段】本発明による組成物は、少なくとも1つの特定のアミノスルホン酸誘導体と、少なくとも1つの他の剥離促進剤との、組み合わせを少なくとも含有する組成物であって、ただし、
- 尿素と、N,N-ビス[2-ヒドロキシエチル]-2-アミノエタンスルホン酸;N-2-ヒドロキシエチルピペラジン-N’-2-エタンスルホン酸;3-[N-モルホリノ]プロパンスルホン酸;ピペラジン-N,N’-ビス[2-エタンスルホン酸];2-[N-モルホリノ]エタンスルホン酸から選択される少なくとも1つのN-置換アミノスルホン酸とを含む組成物;
- N-2-ヒドロキシエチルピペラジン- N’-2-エタンスルホン酸と、α-およびβ-ヒドロキシカルボン酸、乳酸およびその塩、及び尿素から選択された成分とを含む組成物を除く、組成物である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、組成物における、又は組成物の製造用への、少なくとも1つのアミノスルホン酸誘導体の使用に関し、該誘導体または組成物は、皮膚の剥離を促進すること及び/又は表皮再生を刺激すること及び/又は皮膚の老化に対抗することを意図したものである。
本発明はまた、少なくとも1つのアミノスルホン酸誘導体を含む組成物を皮膚に適用することからなる、剥離促進すること及び/又は表皮再生を刺激すること及び/又は皮膚の老化に対抗することを意図した、皮膚の非治療的処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
皮膚の老化は、内因性または外因性ファクタを含む2つの別個で独立した工程の結果である。
内因性または時間生物学的老化は、“通常の”老化又は生理学的年齢関与の老化である。
外因性老化は、一般的には環境により引き起こされた老化、特に太陽、光、または種々の他の照射にさらされることにより引き起こされた、光誘発性老化である(欧州特許出願:EP-A2-0815840、文献:Kligman, A.M. et al., Journal of Cutaneous Aging and Cosmetic Dermatology, Vol. 1, No. 1, pp. 5-12 (1988))。
【0003】
本発明は、皮膚の内因性または生理的老化、並びに外因性老化にも関する。
【0004】
皮膚老化は一般的には、皺及び小皺(fine lines)の出現によって、色素斑の出現を伴うシミの多い外観を呈する皮膚の黄色化によって、弾力性、しなやかさ及び堅さの喪失を引き起こすエラスチン及びコラーゲン繊維の乱れによって、または毛細管拡張症の出現によって認められる。
内因性老化による皮膚の変化は、内因性ファクタが介在する遺伝的にプログラムされた老化の結果である。この内因性老化は特に、表皮細胞の再生の遅延および皺または小皺の出現によって認められる。
【0005】
これに対して、外因性老化は、真皮においてコラーゲン繊維を変質し、その結果、たるんで日焼けした皮膚の形成及び深い皺等の特別な臨床的障害となる。
【0006】
剥離は、皮膚の上層を構成する表皮が一定に再生している事実に関連した自然現象である。
ヒトの表皮は、細胞の数層からなり、ここでは主に、4種の細胞、即ち、大部分を形成するケラチノサイト、メラノサイト、ランゲルハンス細胞、及びメルケル細胞が見出されている。重なった数層におけるこれらの細胞の分布は、表皮の層状性質を説明するものである。
【0007】
表皮は従来、表皮の胚の層を構成するケラチノサイトの基底層、胚細胞上に配された多角体細胞の数層からなる“有棘”層、異なる個々の細胞質の封入体、ケラトヒアリン顆粒を含む平らな細胞からなる“顆粒”層、及び、最後に、角質細胞として知られている、これらの分化の最終段階にあるケラチノサイトからなる、角質層として知られている上層に分けられている。角質細胞はケラチノサイトに由来するミイラ化した無核細胞であり、剥離によって除去される。この表面における損失は、基底層から表皮の表面に、細胞が移動することによって補われる。これが、表皮の永久再生を構成するものである。角質層を強制的に除去すると、再生が促進され、皮膚の老化に対抗可能となる。
【0008】
角質細胞は主に、ホーニイまたはコルニファイドエンベロープとして知られている、15nm厚さの非常に強い構造物によって包囲された、サイトケラチンを含む繊維マトリックスからなる。これらの角質細胞の重なりによって、表皮のバリア機能を担う角質層が構成される。通常の剥離工程中、最上部の角質細胞は表皮の表面から脱離していく。
【0009】
コルネオソーム又はコルネオデスモソームとして知られている、デスモソームに由来する細胞間構造物は、角質層に記載されてきた。最近の研究から、角質層細胞間癒着部において、及び、剥離工程においてもそれらの重要性が判明してきた。
コルネオデスモシンは、そのほかでは、本出願人による欧州特許出願EP-A-0972042において特徴付けられているが、角質細胞間癒着部に関与し、コルネオデスモソームの構成成分である、表皮の角質層のタンパク質である。
【0010】
角質層では、細胞解離とある種のコルネオデスモソーム成分、たとえばデスモグレインIおよびコルネオデスモシンとの間に密接した相関関係が存在する。トリプシンまたはチモトリプシンタイプのいくつかのセリンプロテアーゼは、たとえば特にチモトリプシン様またはトリプシン様タイプのプロテアーゼ等の、コルネオデスモソームのタンパク質分解に関与しているようである(文献:Lundstrom A., Egelrud T., The Journal of Investigative Dermatology; 1988, 91:340-343、及び1990,84:216-220)。
【0011】
従来技術は、特に、剥離を促進することによる、すなわち、表皮の角質層表面にある“死んだ”細胞の除去による、種々の皮膚老化対抗剤を開示している。該“剥離”特性はまた、誤って、角質溶解特性と称されている。
たとえば、米国特許第4603146号は、皮膚老化に対抗するための化粧品組成物中へのレチノイン酸およびその誘導体の使用を開示している。
【0012】
さらに、多くの特許および文献(たとえば欧州特許出願EP−A−413528を参照)、並びに多くの市販化粧品組成物は、皮膚老化を処理するための、乳酸、グリコール酸、またはクエン酸などのα−ヒドロキシ酸の使用を教示している。
最後に、β−ヒドロキシ酸、特にサリチル酸ならびにその誘導体は、それらの上皮剥離特性が知られている(国際特許出願:WO−A−93/10756及び米国特許第4767750号参照)。
【0013】
若々しい外観を保持したいという願望が、常に、皮膚の外観を保持する及び/又は改善するための新規化合物及び/又は新規組成物の絶え間ない研究に結びついているという事実がある。
ある種の美容活性剤は、以前から判明しているように、剥離工程に関与するプロテアーゼの活性を促進することより、疑いなく、コルネオデスモソームタンパク質の分解(degradation)、即ち剥離を刺激することができる。
【0014】
この見地において、特許出願EP-A2-0852949(資生堂)は、グリシンタイプのα-アミノ酸誘導体が、デスモグレイン(コルネオデスモソームのタンパク質)の分解を促進することを開示している。
【特許文献1】EP-A2-0815840
【特許文献2】EP-A-0972042
【特許文献3】EP−A−413528
【特許文献4】WO−A−93/10756
【特許文献5】米国特許第4767750号
【特許文献6】EP-A2-0852949
【非特許文献1】Kligman, A.M. et al., Journal of Cutaneous Aging and Cosmetic Dermatology, Vol. 1, No. 1, pp. 5-12 (1988)
【非特許文献2】Lundstrom A., Egelrud T., The Journal of Investigative Dermatology; 1988, 91:340-343
【非特許文献3】Lundstrom A., Egelrud T., The Journal of Investigative Dermatology; 1990,84:216-220
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
コルネオデスモソームの分解のイン・ビトロテストによる分子構造/活性の関係の研究において、本出願人は、驚くべきことに、そして予想しないことに、アミノスルホン酸誘導体が、該工程に関与する(特にチモトリプシン様およびトリプシン様タイプの)プロテアーゼの活性を促進することにより、疑いなく、コルネオデスモシンの分解を刺激可能であることを見出した。
【0016】
これらのアミノスルホン酸誘導体は従って、皮膚の剥離を促進するための、及び/又は表皮再生を刺激するための、及び従って皮膚の老化に対抗するための優れた活性剤を構成することが可能である。
【0017】
したがって、本発明の目的は、皮膚の剥離を促進するための、及び/又は表皮再生を刺激するための、及び/又は内因性及び/又は外因性皮膚老化に対抗するための、アミノスルホン酸タイプの少なくとも1つの誘導体を含有する新規組成物を提供することである。
【0018】
さらに、多くの皮膚症状(skin pathologies)は、異常剥離により、および厚くなった角質層の生産、すなわち角質増殖により特徴付けられる。これは、皮膚のあらゆる解剖学的領域で、および種々の臨床的環境において起こる可能性がある。この生理病学的根本およびその原因は種々である。
たとえば、以下のものが挙げられる。
-乾皮症(または皮膚の乾燥)、
-魚鱗癬、
-乾癬、
-ある種の良性または悪性腫瘍病変、
-反応性過角化症。
【課題を解決するための手段】
【0019】
したがって、本発明によるアミノスルホン酸タイプの誘導体は、コルネオデスモシンの分解を刺激することができ、したがって、皮膚剥離を促進するための、及び/又は表皮再生を刺激し、したがって厚くなった角質層の生産および異常剥離によって特徴付けられる皮膚病理を治療するための優れた活性剤を構成可能である。
【0020】
本発明の第1の主題は、したがって、皮膚剥離促進及び/又は表皮再生刺激及び/又は内因性及び/又は外因性皮膚老化対抗剤としての、生理学的に許容される媒体を含有する化粧品組成物における、以下の式(I):
【0021】
【化1】

【0022】
(式中、
-Rは水素原子または-OHおよび-NHから選択される基を示し、
-Xは、酸素原子、
【0023】
【化2】

【0024】
を示し、
-nは0、1、2、または3である)
に相当する少なくとも1つのアミノスルホン酸誘導体の使用である。
【0025】
本発明はまた、式(I)の誘導体の光学及び/又は幾何異性体、単独、又は全ての比率での混合物に関し、また、これら誘導体の生理学的に許容される塩にも関する。
“生理学的に許容される媒体”なる表現は、皮膚、粘膜、つめ、頭皮、および髪と適合可能である媒体を意味する。
【0026】
従来技術文献では、式(I)のアミノスルホン酸誘導体は、専ら有機バッファとして知られている。これらのバッファは生物化学テストにおいて使用され、これらが酵素活性を保護可能であることが知られている。さらに、これらバッファのいくつかは、培養細胞の生存を助長する。これら“バイオロジカル”バッファは、“Sigma”、“Aldrich”、又は“Fluka”等の会社から販売されている。
出願人の知る限りでは、皮膚剥離を促進するための、及び/又は表皮再生を刺激するための、したがって内因性及び/又は外因性皮膚老化に対抗するための、式(I)のアミノスルホン酸誘導体の使用は、従来技術には開示されていない。
【0027】
本発明の第2の主題は、生理学的に許容される媒体中に、上記定義した式(I)の少なくとも1つのアミノスルホン酸誘導体を含有する化粧品組成物の使用であって、前記化粧品組成物が、皮膚の剥離を促進する及び/又は表皮再生を刺激する及び/又は内因性及び/又は外因性皮膚老化に対抗することを意図するものである、使用に関する。
【0028】
本発明の他の主題は、生理学的に許容される媒体を含有する薬理学的または皮膚科学的組成物の製造用への、上記定義した式(I)の少なくとも1つのアミノスルホン酸誘導体の使用であって、前記組成物が、皮膚の剥離を促進する及び/又は表皮再生を刺激する及び/又は内因性及び/又は外因性皮膚老化に対抗することを意図するものである、使用に関する。
本発明の他の主題は、生理学的に許容される媒体を含有する薬理学的または皮膚科学的組成物の製造用への、上記定義した式(I)の少なくとも1つのアミノスルホン酸誘導体の使用であって、前記組成物が、異常剥離により、および厚くなった角質層の生産により特徴付けられる皮膚症状、特に、乾皮症又は皮膚の乾燥、魚鱗癬、乾癬、良性または悪性腫瘍病変、および反応性過角化症を治療することを意図するものである、使用に関する。
【0029】
言うまでもなく、本発明によれば、式(I)のアミノスルホン酸誘導体は、単独で、またはあらゆる比率の混合物として使用可能である。
以後の記載において、“式(I)のアミノスルホン酸誘導体”なる用語は、全体的にまたは部分的に精製した、天然または合成由来の上記誘導体、またはこれらを含有するいかなる調製物を示すものとして理解される。
【0030】
“天然由来”なる表現は、それが存在する天然物から抽出した誘導体を意味する。“合成由来”なる表現は、化学合成またはバイオテクノロジーにより調製した誘導体を意味する。
“全体的にまたは部分的に精製した”なる表現は、ここでは、その合成中、又はその天然状態(新鮮または乾燥植物または細胞)と比較して、式(I)のアミノスルホン酸誘導体が、本発明の組成物において、その合成に由来した反応副生成物の少なくともいくつか、または植物の他の構成成分の少なくともいくつかを、それぞれ、濃縮した及び/又は除去したものである。
【0031】
優位には、本発明により使用される式(I)のアミノスルホン酸誘導体は、
-Rは水素原子または-OH基を示し、
-Xは、酸素原子、
【0032】
【化3】

【0033】
を示し、
-nは0または1であるものである。
本発明により選択的に使用される式(I)の誘導体としては、以下のものが挙げられる。
- 4-(2-ヒドロキシエチル)ピペラジン-1-エタンスルホン酸:以下の式に相当する:
【0034】
【化4】

【0035】
- 4-(2-ヒドロキシエチル)ピペラジン-1-(2-ヒドロキシプロパンスルホン酸):以下の式に相当する:
【0036】
【化5】

【0037】
- 4-(2-ヒドロキシエチル)ピペラジン-1-プロパンスルホン酸:以下の式に相当する:
【0038】
【化6】

【0039】
- 3-モルホリノプロパンスルホン酸:以下の式に相当する:
【0040】
【化7】

【0041】
- 2-モルホリノエタンスルホン酸:以下の式に相当する:
【0042】
【化8】

【0043】
- ピペラジン-1,4-ビス(2-エタンスルホン酸):以下の式に相当する:
【0044】
【化9】

【0045】
- ピペラジン-1,4-ビス(2-ヒドロキシプロパンスルホン酸):以下の式に相当する:
【0046】
【化10】

【0047】
これらの誘導体中、最も特に好ましいものは、
- ピペラジン-1,4-ビス(2-ヒドロキシプロパンスルホン酸)、
- ピペラジン-1,4-ビス(2-エタンスルホン酸)、
- 4-(2-ヒドロキシエチル)ピペラジン-1-エタンスルホン酸である。
【0048】
本発明により使用可能な式(I)のアミノスルホン酸誘導体の量は、明らかに所望の効果に依存するが、皮膚の剥離を促進するための及び/又は表皮再生を刺激するための、したがって、内因性皮膚老化に対抗するための有効量であるべきである。
たとえば、本発明により使用可能な式(I)のアミノスルホン酸誘導体の量は、組成物の全重量に対して、たとえば、0.01%から50%の範囲で、好ましくは0.1から10%の範囲であってもよい。
【0049】
本発明により使用可能な皮膚科学的または薬理学的組成物は、経口摂取、注入、または皮膚(身体の皮膚のいかなる領域)、髪、爪、または粘膜(口、頬、歯肉、又は結膜)に適用可能である。
投与形態に依存して、本発明による組成物は、特に化粧品学に通常使用される種々の薬理学的形態であってもよい。
本発明のある好ましい組成物は、局所適用用化粧品組成物である。
【0050】
皮膚への局所適用には、本発明により使用可能な組成物は、特に、水溶液または油性溶液、ローションまたはシーラムタイプの分散物、水相中への油相の分散(O/W)またはその逆(W/O)で得られた液状または半液状粘稠性のミルクタイプのエマルション、または水性または無水クリームまたはゲルタイプの柔軟な粘稠性の懸濁液またはエマルション、あるいは、ミクロカプセルまたは微粒子、またはイオンおよび/または非イオンタイプの小胞体分散物の形態で存在可能である。これらの組成物は、常法にしたがって調製される。
【0051】
本発明により使用可能な組成物はまた、ヘアケア組成物、特にシャンプー、セットローション、トリートメントローション、スタイリングクリームまたはゲル、任意にカラーリングシャンプー形態の染料組成物(特に酸化染色)、ヘアー修復ローション、パーマネントウエーブ組成物(特にパーマネントウエーブ操作の第1段階用組成物)、髪抜け防止用ローション又はゲル、抗寄生物シャンプー等であってもよい。
【0052】
本発明により使用可能な組成物の種々の構成成分の量は、当該分野で従来より使用されている量である。
これらの組成物は特に、顔用、手用、足用、主な解剖学的ひだ部用、または体用のクレンジング、保護、トリートメントまたはケアクリーム(たとえばデイクリーム、ナイトクリーム、メークアップ除去クリーム、ファンデーションクリーム、及び抗太陽光線クリーム)、流動ファンデーション、メークアップ除去ミルク、保護ボディミルク又はボディケアミルク、日焼け後ミルク、スキンケアローション、ゲルまたはムース、たとえばクレンジングローション、抗太陽光線ローション、人工日焼けローション、浴用組成物、抗バクテリア剤を含むデオドラント組成物、アフターシェイブゲルまたはローション、脱毛クリーム、虫除け組成物、痛み止め組成物、ある種の皮膚病、たとえば湿疹、アクネしゅさ、乾癬、苔癬、および重いそう痒の治療用組成物を構成するものであってもよい。
【0053】
本発明により使用可能な組成物はまた、クレンジングソープまたはクレンジングバーを形成する固体調製物であってもよい。
本発明により使用可能な組成物はまた、加圧推進剤も含有するエアロゾルの形態で収容されていてもよい。
【0054】
本発明により使用可能な組成物がエマルションである場合、脂肪相の割合は、組成物の全重量に対して5から80重量%、好ましくは5から50重量%の範囲であってもよい。エマルション形態の該組成物中に使用されるオイル、ワックス、乳化剤及び共乳化剤は、化粧品に従来使用されているものから選択される。該乳化剤及び共乳化剤は、組成物中に、組成物の全重量に対して0.3から30重量%、好ましくは0.5から20重量%の範囲の比率で存在する。該エマルションは、さらに脂質小胞体を含有可能である。
本発明により使用可能な組成物が油性溶液またはゲルである場合、脂肪相は、組成物の全重量の90重量%を越えてもよい。
【0055】
公知の手段で、該化粧品組成物はまた、化粧品に一般的である添加剤、たとえば、親水性または親油性ゲル化剤、親水性または親油性添加剤、防腐剤、酸化防止剤、溶媒、香料、充填剤、遮蔽剤、臭い吸収剤、および着色材料を含有可能である。これら種々の添加剤の量は、化粧品において通常使用されている量であり、たとえば、組成物の全重量に対して、0.01から10重量%の量で使用される。これらの添加剤は、その性質に応じて、脂肪相に、水相に、および/または脂質球体に導入可能である。
【0056】
本発明に使用可能なオイル又はワックスとしては、鉱油(流動鉱油)、植物油(カリテバターの液状フラクション、又はひまわり油)、動物油(ペルヒドロスクアレン)、合成油(プルセリン油)、シリコーンオイルまたはワックス(シクロメチコーン)およびフッ化油(ペルフルオロポリエーテル)、ビーズワックス、カルナウバワックス、またはパラフィンワックスが挙げられる。脂肪アルコール及び脂肪酸(ステアリン酸)は、これらオイルに添加可能である。本発明において使用可能な乳化剤としては、たとえば、ステアリン酸グリセリル、ポリソルバート60、及びGattefosse社から“Tefose(登録商標)”63の商品名で販売されているPEG-6/PEG-32/ステアリン酸グリコールの混合物が挙げられる。
【0057】
本発明に使用可能な溶媒としては、低級アルコール、特にエタノールおよびイソプロパノール、およびプロピレングリコールが挙げられる。
親水性ゲル化剤としては、カルボキシビニルポリマー(カルボメール)、アクリルコポリマー、たとえばアクリラート/アルキル=アクリラートコポリマー、ポリアクリルアミド、多糖、たとえばヒドロキシプロピルセルロース、天然ガムおよびクレーが挙げられ、親油性ゲル化剤としては、変性クレー、たとえばベントン、脂肪酸の金属塩、たとえばステアリン酸アルミニウム、疎水性シリカ、エチルセルロース、およびポリエチレンが挙げられる。
【0058】
本発明により使用可能な組成物は、他の親水性活性剤、たとえば、蛋白質または蛋白質の加水分解物、アミノ酸、ポリオール、尿素、アラントイン、糖および糖誘導体、水溶性ビタミン、植物抽出物、およびヒドロキシ酸を含有可能である。
使用可能な親油性活性剤としては、レチノール(ビタミンA)およびその誘導体、トコフェロール(ビタミンE)およびその誘導体、必須脂肪酸、セラミド、精油、およびサリチル酸およびその誘導体が挙げられる。
【0059】
本発明により使用可能な組成物は、少なくとも1つの、式(I)の2-オキソチアゾリジン-4-カルボン酸誘導体を他の活性剤と組み合わせ可能である。これらの活性剤としては、たとえば以下のものが挙げられる。
-皮膚の分化及び/または増殖を改良するための薬剤、例えばレチノイン酸およびその異性体、レチノール及びそのエステル、ビタミンD及びその誘導体、エストラジオールなどのエストロゲン、コウジ酸、またはヒドロキノン;
-脱色素剤、例えばコウジ酸またはヒドロキノン;
-抗細菌剤、例えば、クリンダマイシン燐酸塩又はエリスロマイシン、又はテトラサイクリン群の抗生物質;
-抗奇生生物剤、特にメトロニダゾール、クロタミトン、又はピレスロイド;
-抗真菌剤、特に、イミダゾール群に属する化合物、たとえばエコナゾール、ケトコナゾール、又はミコナゾール又はこれらの塩、ポリエン化合物、たとえばアンホテリシンB、アリルアミン群の化合物、たとえばテルビナフィン、又はオクトピロックス;
-抗ウイルス剤、例えばアシクロビル;
-ステロイド系抗炎症剤、例えば、ヒドロコルチゾン、吉草酸ベタメタソン、又はプロピオン酸クロベタゾール、又は非ステロイド系抗炎症剤、例えば、イブプロフェン及びその塩、ジクロフェナック及びその塩、アセチルサリチル酸、アセトタミノフェン又はグリシルリチン酸;
-麻酔剤、例えばリドカイン塩酸塩及びその誘導体;
-抗痒疹剤、例えばテナルジン、トリメプラジン、又はシプロヘプタジン;
-ターンオーバーおよび剥離を促進することにより顔貌の放射輝度に作用する薬剤(角質溶解剤)、例えばα-及びβ-ヒドロキシカルボン酸又はβ-ケトカルボン酸、これらの塩、アミド、又はエステル、特にヒドロキシ酸、例えばグリコール酸、乳酸、サリチル酸、クエン酸、および、一般的に果酸、及び5−n−オクタノイルサリチル酸;
-フリーラジカルスカベンジャー、例えばα-トコフェロール又はそのエステル、スーパーオキシドジムスターゼ、ある種の金属キレート剤、又はアスコルビン酸及びそのエステル;
-抗脂漏症剤、例えばプロゲステロン;
-抗ふけ剤、例えばオクトピロックス又はジンクプリチオン;
-抗アクネ剤、例えばレチノイン酸又は過酸化ベンゾイル。
【0060】
他の化合物もまた、上記リストに追加可能であり、すなわち、たとえば、ジアゾキシド、スピロキサゾン、燐脂質、例えばレシチン、リノール酸、リノレン酸、仏国特許FR2581542に記載のサリチル酸及びその誘導体、例えばベンゼン環の5位に2から12の炭素原子を含有するアルカノイル基を有するサリチル酸誘導体、ヒドロキシカルボン酸又はケトカルボン酸及びこれらのエステル、ラクトンおよびこれらの相当する塩、アントラリン、カロテノイド、エイコサテトラエン酸、及びエイコサトリエン酸またはこれらのエステル及びアミドを添加可能である。
【0061】
従って、ある1つの特別な態様によれば、本発明により使用される組成物はまた、抗細菌剤、抗奇生生物剤、抗真菌剤、抗ウイルス剤、抗炎症剤、抗痒疹剤、麻酔剤、角質溶解剤、フリーラジカルスカベンジャー、抗脂漏症剤、抗ふけ剤、抗アクネ剤、及び/又は皮膚分化及び/または増殖修正剤、植物、海洋物、またはバクテリア由来の抽出物、またはこれらの混合物から選択された少なくとも1つの薬剤を含有する。
【0062】
上記で定義した式(I)の少なくとも1つの誘導体を含む、本発明により使用される組成物は、Anti Cancer社により1994年10月13日に出願された特許出願:WO94/22468に特に記載されているように、リポソーム形態にされてもよい。
【0063】
特許文献:FR2782922は、尿素と、
- N,N-ビス[2-ヒドロキシエチル]-2-アミノエタンスルホン酸;
- N-2-ヒドロキシエチルピペラジン-N’-2-エタンスルホン酸;
- 3-[N-モルホリノ]プロパンスルホン酸;
- ピペラジン-N,N’-ビス[2-エタンスルホン酸];
- 2-[N-モルホリノ]エタンスルホン酸から選択されるN-置換アミノスルホン酸とを含む組成物、並びにヒトの皮膚、粘膜、及び/又はケラチン繊維を処理するための、特に皮膚を湿潤させ、乾燥肌を処理するための、該組成物の使用を記載している。
N-置換アミノスルホン酸は、特許文献:FR2782922では、組成物中の尿素の安定化剤として開示されている。
【0064】
さらに、特許文献:WO96/23490は、α-及びβ-ヒドロキシカルボン酸、乳酸およびその塩から選択された抗刺激剤成分と組み合わせた、及び/又は第2抗刺激剤としての尿素を組み合わせた、抗刺激剤としての、N-2-ヒドロキシエチルピペラジン- N’-2-エタンスルホン酸を特に含有する組成物を開示している。特許文献:WO96/23490は、動物における皮膚刺激を減少させるための、前記組成物の使用を記載している。
【0065】
従って、別の見地によれば、本発明の主題は、式(I)の少なくとも1つのアミノスルホン酸誘導体と、少なくとも1つの剥離促進剤との組み合わせを少なくとも含有する組成物であって、ただし、
- 尿素と、N,N-ビス[2-ヒドロキシエチル]-2-アミノエタンスルホン酸;N-2-ヒドロキシエチルピペラジン-N’-2-エタンスルホン酸;3-[N-モルホリノ]プロパンスルホン酸;ピペラジン-N,N’-ビス[2-エタンスルホン酸];2-[N-モルホリノ]エタンスルホン酸から選択される少なくとも1つのN-置換アミノスルホン酸とを含む組成物;
- N-2-ヒドロキシエチルピペラジン- N’-2-エタンスルホン酸と、α-およびβ-ヒドロキシカルボン酸、乳酸およびその塩、及び尿素から選択された成分とを含む組成物を除く、組成物である。
【0066】
他の剥離促進剤が、ターンオーバーおよび剥離を促進することにより顔貌の放射輝度に作用する(角質溶解剤)及び/又は保湿特性が知られている剥離促進剤である。
保湿特性が知られている他の剥離促進剤は、グリセロール及び尿素及びそれらの誘導体、ピロリドンカルボン酸、及び乳酸のアンモニウム塩から選択される。
【0067】
ターンオーバーおよび剥離を促進することにより顔貌の放射輝度に作用する他の剥離促進剤(角質溶解剤)は、ヒドロキシ酸、特にα-及びβ-ヒドロキシカルボン酸又はβ-ケトカルボン酸、これらの塩、アミド、又はエステル、特にグリコール酸、乳酸、サリチル酸、クエン酸、および、一般的に果酸、及び5−n−オクタノイルサリチル酸から選択される。
【0068】
他の観点によれば、本発明の主題は、皮膚の剥離を促進するための及び/又は表皮再生を刺激するための非治療的処理方法であって、上記で定義した式(I)の少なくとも1つのアミノスルホン酸誘導体を含む化粧品組成物を皮膚に適用することを特徴とする方法である。
本発明の他の主題は、内因性及び/又は外因性皮膚老化に対抗するための非治療的処理方法であって、上記に定義した式(I)の少なくとも1つのアミノスルホン酸誘導体を含む化粧品組成物を皮膚に適用することを特徴とする方法である。
【0069】
本発明の主題はまた、異常に低い皮膚剥離及び/又は異常に低い表皮再生を示す個体における、皮膚の剥離を促進するための及び/又は表皮再生を刺激するための、したがって、皮膚の老化に対抗するための方法であって、上記で定義した式(I)の少なくとも1つのアミノスルホン酸誘導体の有効量を皮膚に局所適用することを含む方法である。
本発明の主題はまた、厚化した角質層の生成及び/又は異常剥離を示す個体における皮膚の剥離を促進するための及び/又は表皮再生を刺激するための方法であって、上記で定義した式(I)の少なくとも1つのアミノスルホン酸誘導体の有効量を皮膚に局所適用することを含む方法である。
【0070】
実施例
本発明を以下の実施例にてより詳細に例解する。これらの実施例は、本発明の範囲を何ら限定するものではない。
【0071】
実施例1:コルネオデスモシンの分解を測定することによる剥離評価方法
本発明による式(I)のアミノスルホン酸誘導体の、コルネオデスモシンの分解による剥離促進能力を、本実施例において検討する。
コルネオデスモシンは、コルネオデスモソームの剥離の主マーカーの1つである。電気泳動による分離及び膜への転移後、免疫ブロット法によりテストした。モノクローナル抗体G36-19を用いて特異的ラベリングを行った後、それは化学発光により明らかになる。
【0072】
マウスモノクローナル抗体G36-19はコルネオデスモシンに特異的である。すなわち、これはヒト足底角質層のホモジネートを用いてマウスを免疫化した後に製造され、特徴づけられた、表皮分化抗原に対する抗体の一連の部分を形成する(文献:Serre G. et al., J. Invest. Dermatol. 1991; 97(6): 1061-72)。
薄膜剥離操作(varnish-stripping operations)を、ボランティアの下脚において行う(文献:Lundstrom A. and Egelrud T., Acta Derm. Venereol. (Stockholm) 71, 471-474, 1991による方法の変法)。コルネオサイトを伴ったナイロンバーニッシュ帯を、コルネオサイトを脱離させるために、1ml/cmのアセトンに浸す。該混合物を濾過し、全ての薄膜を除去すべく、次いで3回、同量のアセトンで濯ぐ。最後に、該混合物を真空乾燥すると、角質層のアセトン粉末が得られる。
【0073】
該角質層のアセトン粉末を、1mgアリコートに分ける。pH8.0に調節した2%活性剤を含む水溶液を100μl添加する。活性剤なしの対照を、同条件下調製する。t=0およびt=17時間の2つのインキュベーション時間でテストする。後者の場合、インキュベーションは撹拌しながら30℃で行う。
インキュベーション後、混合物を、10000×gで10分間遠心分離する。上澄を除去し、100μlの0.0625Mのトリス/HClpH6.8のLaemmliバッファ、2%のSDS、200mMのDTT、10%のグリセロールに置換する。これによってタンパク質が抽出可能となる。該混合物を100℃で10分間沸騰させ、次いでポッターミルで粉砕する。該混合物を10000×gで10分間遠心分離し、上澄を収集する。これは、コルネオデスモソームタンパク質を含む。
【0074】
全タンパク質を“Bradford”法(Biorad kit)に従ってアッセイする。これにより、0.6mg/mlのサンプルに調整し、処理の真の比較ができる。
該サンプルと1/3でのレインボー(Amersham Parmacia Biotech)低分子量標準とを、100Vで30分、次いで200Vで1時間、12%アクリルアミドを含むゲルで電気泳動することにより分離する。電気泳動後、タンパク質を“Immobilon-P”膜(Millipore)に60Vで3時間移動させる。非特異的部位をブロックするために、膜を次いでTBS-TLバッファ:25mMのTris、0.15MのNaCl pH 7.2、0.05%のTween 20、0.5%のスキムミルク粉末中、15分間、2回インキュベートする。1/12500での抗体G36-19を用いたインキュベーションを4℃で一昼夜行う。TBS-TLバッファ中、5分の濯ぎを2回行った後、膜を常温で1時間30分、1/4000で、ヤギ抗マウスIG(H+L)抗体ペルオキシダーゼ共役(Biorad)を用いてインキュベートする。TBS-TLバッファ、次いでTBSバッファ(ミルク又はTweenなし)で5分の数回の濯ぎをした後、膜を10mlのECL試薬(Amersham Pharmacia Biotech)中、1分間、インキュベートする。コルネオデスモシンバンドの化学発光を、“FluorS Multimager”(Biorad)を用いて測定する。33及び46kDバンドが、“Quantity-one”ソフトウエア(Biorad)で定量される。
【0075】
実験結果を以下の表にまとめる。
グリシンを、本実験では参照化合物(ポジティブ対照)として用いる;なお、特許出願:EP-A2-0852949(資生堂)は、グリシンはデスモグレイン(コルネオデスモソームタンパク質)の分解を促進することを示している。
【0076】
【表1】

【0077】
対照は、試験の同条件下での活性剤なしの溶解バッファを用いて調製した対照に相当する。該対照は、インキュベーション中に起こるコルネオデスモシンの自然分解を考慮するものである。
試験した式(I)のアミノスルホン酸誘導体は、コルネオデスモシンの分解を促進し、該誘導体のいくつかは、本試験ではポジティブ対照として使用したグリシンよりも良好であることが明らかに判明する。
【0078】
実施例2:組成物
顔用剥離促進クリーム
- ピペラジン-1,4-ビス(2-ヒドロキシプロパンスルホン酸) 2.00%
- ステアリン酸ナトリウム 3.00%
- 液状鉱油 6.00%
- アルキルパラベン 0.05%
- ソルビン酸カリウム 10.0%
- ステアリルアルコール 1.00%
- 香料 1.00%
- 水 合計 100.00%
【0079】
体用剥離促進クリーム
- ピペラジン-1,4-ビス(2-エタンスルホン酸) 5.0%
- ホホバ油 13.0%
- シポール(Sipol)ワックス 6.0%
- パルミチン酸イソプロピル 2.0%
- グリセリン 15.0%
- アルキルパラベン 0.5%
- 香料 1.00%
- 水 合計 100.00%
【0080】
剥離促進ケアクリーム
- ピペラジン-1,4-ビス(2-エタンスルホン酸) 1%
- オキシエチレン化ポリエチレングリコール50 3%
- ステアリン酸モノグリセリル 3%
- 液体鉱油 24%
- セチルアルコール 5%
- 水 合計 100%
【0081】
体用剥離促進ケアクリーム
- 4-(2-ヒドロキシエチル)ピペラジン-1-エタンスルホン酸 0.5%
- シポール(Sipol)ワックス 6.0%
- モノステアリン酸グリセリル 1.5%
- ステアリン酸ナトリウム 0.8%
- 液状鉱油 6.0%
- パルミチン酸イソプロピル 2.0%
- グリセリン 15.0%
- 香料 0.3%
- 水 合計 100.00%
【0082】
体用剥離促進ケアクリーム
- 4-(2-ヒドロキシエチル)ピペラジン-1-エタンスルホン酸 0.50%
- ホホバ油 13.00%
- アルキルパラベン 0.05%
- ソルビン酸カリウム 0.30%
- シクロペンタジメチルシロキサン 10.0%
- ステアリルアルコール 1.00%
- ステアリン酸 4.00%
- ステアリン酸ポリエチレングリコール 3.00%
- ビタミンE 1.00%
- グリセリン 3.00%
- 水 合計 100.00%

【特許請求の範囲】
【請求項1】
以下の式(I):
【化1】

(式中、
-Rは水素原子または-OHおよび-NHから選択される基を示し、
-Xは、酸素原子、
【化2】

を示し、
-nは0、1、2、または3である)
に相当する式(I)の少なくとも1つのアミノスルホン酸誘導体と、少なくとも1つの他の剥離促進剤との、組み合わせを少なくとも含有する組成物であって、ただし、
- 尿素と、N,N-ビス[2-ヒドロキシエチル]-2-アミノエタンスルホン酸;N-2-ヒドロキシエチルピペラジン-N’-2-エタンスルホン酸;3-[N-モルホリノ]プロパンスルホン酸;ピペラジン-N,N’-ビス[2-エタンスルホン酸];2-[N-モルホリノ]エタンスルホン酸から選択される少なくとも1つのN-置換アミノスルホン酸とを含む組成物;
- N-2-ヒドロキシエチルピペラジン- N’-2-エタンスルホン酸と、α-およびβ-ヒドロキシカルボン酸、乳酸およびその塩、及び尿素から選択された成分とを含む組成物を除く、組成物。
【請求項2】
式(I)の相当するアミノスルホン酸誘導体が、
-Rは水素原子または-OHから選択される基を示す、
-Xは、酸素原子、
【化3】

を示す、
-nは0または1である
の少なくとも1つの誘導体から選択されることを特徴とする、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
式(I)のアミノスルホン酸誘導体が、以下の誘導体:
- 4-(2-ヒドロキシエチル)ピペラジン-1-エタンスルホン酸、
- 4-(2-ヒドロキシエチル)ピペラジン-1-(2-ヒドロキシプロパンスルホン酸)、
- 4-(2-ヒドロキシエチル)ピペラジン-1-プロパンスルホン酸、
- 3-モルホリノプロパンスルホン酸、
- 2-モルホリノエタンスルホン酸、
- ピペラジン-1,4-ビス(2-エタンスルホン酸)、
- ピペラジン-1,4-ビス(2-ヒドロキシプロパンスルホン酸)
の少なくとも1つから選択されることを特徴とする、請求項1または2に記載の組成物。
【請求項4】
式(I)のアミノスルホン酸誘導体が、以下の誘導体:
- ピペラジン-1,4-ビス(2-ヒドロキシプロパンスルホン酸)、
- ピペラジン-1,4-ビス(2-エタンスルホン酸)、
- 4-(2-ヒドロキシエチル)ピペラジン-1-エタンスルホン酸、
から選択されることを特徴とする、請求項1ないし3のいずれか1項記載の組成物。
【請求項5】
式(I)のアミノスルホン酸誘導体が、組成物の全重量の0.01%から50%の範囲の量で使用されることを特徴とする、請求項1ないし4のいずれか1項記載の組成物。
【請求項6】
式(I)のアミノスルホン酸誘導体が、組成物の全重量の0.1%から10%の範囲の量で使用されることを特徴とする、請求項1ないし5のいずれか1項記載の組成物。
【請求項7】
前記他の剥離促進剤が、ターンオーバーおよび剥離を促進することにより顔貌の放射輝度に作用する及び/又は保湿特性が知られている剥離促進剤から選択されることを特徴とする、請求項1ないし6のいずれか1項記載の組成物。
【請求項8】
保湿特性が知られている前記他の剥離促進剤が、グリセロール及び尿素及びそれらの誘導体、ピロリドンカルボン酸、及び乳酸のアンモニウム塩から選択されることを特徴とする、請求項7記載の組成物。
【請求項9】
ターンオーバーおよび剥離を促進することにより顔貌の放射輝度に作用する前記他の剥離促進剤が、ヒドロキシ酸から選択されることを特徴とする、請求項7記載の組成物。
【請求項10】
ヒドロキシ酸が、α-及びβ-ヒドロキシカルボン酸又はβ-ケトカルボン酸、およびこれらの塩、アミド、またはエステルから選択されることを特徴とする、請求項9記載の組成物。
【請求項11】
ヒドロキシ酸が、グリコール酸、乳酸、サリチル酸、クエン酸、果酸、及び5-n-オクタノイルサリチル酸から選択されることを特徴とする、請求項9または10記載の組成物。
【請求項12】
組成物がまた、抗細菌剤、抗奇生生物剤、抗真菌剤、抗ウイルス剤、抗炎症剤、抗痒疹剤、麻酔剤、ターンオーバーおよび剥離を促進することにより顔貌の放射輝度に作用する薬剤、フリーラジカルスカベンジャー、抗脂漏症剤、抗ふけ剤、抗アクネ剤、及び/又は皮膚分化及び/また増殖修正剤、脱色素剤、植物、海洋物、またはバクテリア由来の抽出物、またはこれらの混合物から選択された少なくとも1つの活性剤を含有することを特徴とする、請求項1ないし6のいずれか1項記載の組成物。

【公開番号】特開2006−232858(P2006−232858A)
【公開日】平成18年9月7日(2006.9.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−158767(P2006−158767)
【出願日】平成18年6月7日(2006.6.7)
【分割の表示】特願2002−542350(P2002−542350)の分割
【原出願日】平成13年11月12日(2001.11.12)
【出願人】(391023932)ロレアル (950)
【Fターム(参考)】