説明

皮膚化粧料

【課題】塗布時の刺激がなく、少量でも十分な保湿効果が得られ、その高保湿効果が持続する、耐水性に優れた皮膚化粧料の提供。
【解決手段】(A)ヒアルロン酸プロピレングリコールエステル、並びに(B)炭素数5〜10の1,2−アルカンジオールを含有してなる皮膚化粧料とする。所望により、(C)二塩基酸を含む混合脂肪酸とグリセリンのオリゴエステル、(D)リン脂質誘導体及び/又はリン脂質重合体、(E)メタクリル酸グリセリルアミドエチル/メタクリル酸ステアリル共重合体を含有させることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、皮膚化粧料に関する。詳しくは、皮膚刺激のない保湿持続効果に優れる皮膚化粧料に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、皮膚化粧料においては、優れた保湿効果を有するものが望まれている。従来より、保湿効果を奏する成分として、ヒアルロン酸、アセチル化ヒアルロン酸、ヒドロキシアルキル化ヒアルロン酸、コンドロイチン硫酸、カルボキシメチルキチンなどの酸性ムコ多糖類などが検討・応用され、種々の化粧料に配合されている。
【0003】
具体的には、キトサン誘導体と酸性ムコ多糖類とを含有する化粧料(例えば、特許文献1を参照)、ヒアルロン酸と糖アルコールとを含有する皮膚外用剤(例えば、特許文献2を参照)、ヒアルロン酸とコンドロイチン硫酸とコラーゲンとを含有する保湿用組成物(例えば、特許文献3を参照)、ヒドロキシアルキル化ヒアルロン酸を有効成分とする保湿剤(例えば、特許文献4を参照)、リン脂質とグリコールエーテルとヒアルロン酸とを含有する皮膚外用剤(例えば、特許文献5を参照)などが提案されている。
【0004】
しかしながら、上記した保湿成分は、コスト面から多量に配合できず、少量では十分な保湿効果が得られ難いといった問題がある。更に、十分な保湿効果を奏する量を配合すると、著しくべたつきが生じるといった問題や刺激が生じるといった問題もある。また、従来から用いられている保湿成分は、水への溶解性が高いものが多いことから、特に洗浄などの行為による保湿効果の消失が激しく、高保湿力の保湿成分を皮膚に留めて置く技術開発が望まれていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平6−24934号公報
【特許文献2】特開2001−48769号公報
【特許文献3】特開2002−145753号公報
【特許文献4】特開2006−312725号公報
【特許文献5】特開2007−191396号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、前記従来技術に鑑みてなされたものであって、塗布時の刺激がなく、少量でも十分な保湿効果が得られ、その高保湿効果が持続する、耐水性に優れた皮膚化粧料を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
すなわち、本発明は、
〔1〕(A)ヒアルロン酸プロピレングリコールエステル、並びに(B)炭素数5〜10の1,2−アルカンジオールを含有してなる皮膚化粧料、
〔2〕前記(A)成分の平均分子量が、1000〜100000の範囲であることを特徴とする前記〔1〕に記載の皮膚化粧料、
〔3〕前記(B)成分が、1,2−ペンタンジオール、1,2−ヘキサンジオール、1,2−オクタンジオールの群から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする前記〔1〕又は〔2〕に記載の皮膚化粧料、
〔4〕更に、(C)二塩基酸を含む混合脂肪酸とグリセリンのオリゴエステルを含有してなる前記〔1〕〜〔3〕の何れかに記載の皮膚化粧料、
〔5〕更に、(D)リン脂質誘導体および/又はリン脂質重合体を含有してなる前記〔1〕〜〔4〕の何れかに記載の皮膚化粧料、並びに
〔6〕更に、(E)メタクリル酸グリセリルアミドエチル/メタクリル酸ステアリル共重合体を含有してなる前記〔1〕〜〔5〕の何れかに記載の皮膚化粧料
に関する。
【発明の効果】
【0008】
本発明の皮膚化粧料は、塗布時の刺激がなく、少量でも十分な保湿効果が得られ、その高保湿効果が持続するとともに、耐水性に優れた効果を奏する。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明の皮膚化粧料には、(A)ヒアルロン酸プロピレングリコールエステル、並びに(B)炭素数5〜10の1,2−アルカンジオールを含有する。
【0010】
本発明で用いられる(A)成分のヒアルロン酸プロピレングリコールエステルとは、ヒアルロン酸のカルボキシル基をプロピレングリコールでエステル化したものである。より具体的には、D−グルクロン酸とN−アセチル−D−グルコサミンのグリコシド結合からなる二糖を繰り返し単位とする多糖であるヒアルロン酸のD−グルクロン酸の6位のカルボキシル基をプロピレングリコールでエステル化したものである。
【0011】
用いられるヒアルロン酸は、鶏冠や微生物などを由来とする天然物から公知の手段により精製したものであっても、合成したものであっても特に限定されず、化粧品に通常使用されているヒアルロン酸を用いることができる。また、ヒアルロン酸を構成するD−グルクロン酸とN−アセチル−D−グルコサミンの水酸基がアシル化されたエステル誘導体やアルキル化されたエーテル誘導体を用いてもよい。
【0012】
(A)成分の製造方法は、種々の既知の方法で得ることができれば特に限定されないが、例えば、特開2001−233901号公報に開示される方法に準じて製造することができる。即ち、ヒアルロン酸とヒアルロン酸ナトリウムの混合物をプロピレンオキサイドと反応させる方法などを例示することができる。また、(A)成分の平均分子量は、所望の効果を発揮すれば特に限定されないが、保湿力が持続する観点から、1000〜100000の範囲のものを用いるのが好ましく、5000〜50000の範囲のものを用いるのがより好ましい。
【0013】
尚、(A)成分は、市販品をそのまま用いることができる。例えば、ヒアルジョン(商品名,紀文フードケミファ社製)などを例示することができる。
【0014】
(A)成分の含有量は、本発明の効果を発揮すれば特に限定はなく、耐水性に優れる保湿効果を付与する観点から、化粧料中、0.01重量%以上が好ましく、より好ましくは0.1重量%以上である。また、使用感が良好なことから、10重量%以下が好ましく、より好ましくは5重量%以下である。これらから、皮膚化粧料中の含有量は、0.01〜10重量%が好ましく、0.1〜5重量%がより好ましい。
【0015】
本発明で用いられる(B)成分の1,2−アルカンジオールとしては、炭素数5〜10の1,2−アルカンジオールが用いられる。具体的には、1,2−ペンタンジオール、1,2−ヘキサンジオール、1,2−ヘプタンジオール、1,2−オクタンジオール、1,2−ノナンジオール、1,2−デカンジオールを例示することができる。本発明においては、これらの1種を単独で、或いは2種以上を適宜組み合わせて用いることもできる。これらのうち、所望の効果を発揮させる観点から、1,2−ペンタンジオール、1,2−ヘキサンジオール、1,2−オクタンジオールを用いるのが好ましく、なかでも、1,2−オクタンジオールを用いるのがより好ましい。
【0016】
(B)成分の含有量は、本発明の効果を発揮すれば特に限定はなく、耐水性に優れる保湿効果を付与する観点から、化粧料中、0.05重量%以上が好ましく、より好ましくは0.1重量%以上である。また、使用感が良好なことから、10重量%以下が好ましく、より好ましくは5重量%以下である。これらから、皮膚化粧料中の含有量は、0.05〜10重量%が好ましく、0.1〜5重量%がより好ましい。
【0017】
また、本発明の皮膚化粧料には、保湿効果をより向上させるために(C)二塩基酸を含む混合脂肪酸とグリセリンのオリゴエステルを含有することができる。
【0018】
(C)成分の二塩基酸を含む混合脂肪酸とグリセリンのオリゴエステルを構成する二塩基酸としては、例えば、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、酒石酸などを例示することができる。また、混合脂肪酸を構成する脂肪酸としては、直鎖又は分岐鎖、若しくは、飽和又は不飽和の何れの脂肪酸であっても特に限定されないが、例えば、カプリル酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、アラキン酸、ベヘン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、2−エチルブタン酸、2−メチルペンタン酸、2−エチルヘキサン酸、イソステアリン酸などを例示することができる。尚、本発明における「オリゴエステル」とは、重合度が2〜20のエステル体のことを言う。
【0019】
上記した二塩基酸と脂肪酸からなる混合脂肪酸と、グリセリンのオリゴエステルの製造方法については、公知のエステル化法により得られれば特に限定されないが、例えば、酸クロリドからエステル化する方法;エステル基交換法;混合脂肪酸とグリセリンのエステルを合成した後に二塩基酸でエステル化する方法;二塩基酸とグリセリンのエステルを合成した後に混合脂肪酸でエステル化する方法:二塩基酸を含む混合脂肪酸とグリセリンを同時にエステル化する方法などを例示することができる。本発明に用いられる好適な(C)成分の具体例としては、例えば、(アジピン酸・2−エチルヘキサン酸・ステアリン酸)グリセリルオリゴエステルを例示することができる。
【0020】
尚、(C)成分は、市販品をそのまま用いることができる。例えば、ノムコート LAH(商品名,日清オイリオ社製)などを例示することができる。
【0021】
(C)成分の含有量は、本発明の効果を発揮すれば特に限定はなく、保湿効果の持続性をより向上させる観点から、化粧料中、0.1重量%以上が好ましく、より好ましくは0.5重量%以上である。また、使用感が良好なことから、7量%以下が好ましく、より好ましくは5重量%以下である。これらから、皮膚化粧料中の含有量は、0.1〜7重量%が好ましく、0.5〜5重量%がより好ましい。
【0022】
更に、本発明の皮膚化粧料には、保湿効果をより向上させるために(D)リン脂質誘導体又はリン脂質重合体を含有することができる。
【0023】
(D)成分のリン脂質誘導体の具体例としては、例えば、大豆リン脂質、卵黄レシチン、水素添加大豆リン脂質、水素添加卵黄リン脂質などを例示することができる。また、リン脂質重合体の具体例としては、例えば、ポリメタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン、2−メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン・メタクリル酸ブチル共重合体、2−メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン・メタクリル酸ブチル・メタクリル酸ナトリウム共重合体、2−メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン・2−ヒドロキシ−3−メタクリロイルオキシプロピルトリメチルアンモニウムクロリド共重合体、2−メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン・メタクリル酸ステアリル共重合体などを例示することができる。本発明においては、これらの1種を単独で、或いは2種以上を適宜組み合わせて用いることもできる。好適な(D)成分としては、水素添加大豆リン脂質、2−メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン・メタクリル酸ブチル共重合体を用いることが好ましい。
【0024】
尚、(D)成分は、市販品をそのまま用いることができる。水素添加大豆リン脂質の市販品としては、例えば、NIKKOL レシノール SH50(商品名,日光ケミカルズ社製)などを例示することができる。また、2−メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン・メタクリル酸ブチル共重合体の市販品としては、例えば、Lipidure−PMB(商品名,日本油脂社製)などを例示することができる。
【0025】
(D)成分の含有量は、本発明の効果を発揮すれば特に限定はなく、保湿効果を向上する観点から、化粧料中、0.001重量%以上が好ましく、より好ましくは0.005重量%以上である。また、使用感が良好なことから、7量%以下が好ましく、より好ましくは5重量%以下である。これらから、皮膚化粧料中の含有量は、0.001〜7重量%が好ましく、0.005〜5重量%がより好ましい。
【0026】
加えて、本発明の皮膚化粧料には、保湿効果をより向上させるために(E)メタクリル酸グリセリルアミドエチル/メタクリル酸ステアリル共重合体を含有することができる。(E)成分のメタクリル酸グリセリルアミドエチル/メタクリル酸ステアリル共重合体とは、INCI名(International Cosmetic Ingredient Dictionary and Handbook,第12版,第1巻,CTFA,2008年,p.1064):GLYCERYLAMIDOETHYL METHACRYLATE/STEARYL METHACRYLATE COPOLYMERで表記される、グリセリル−N−(2−メタクリロイルオキシエチル)カルバメートとステアリルメタクリレートからなる共重合体である。本発明においては、該コポリマーをグリセリン、ペンチレングリコール、1,3−ブチレングリコールなどの多価アルコールなどの溶剤に溶解した形態のものを用いてもよい。
【0027】
尚、(E)成分は、市販品をそのまま用いることができる。例えば、セラキュート−F、セラキュート−L(商品名,何れも日油社製)などを例示することができる。
【0028】
(E)成分の含有量は、本発明の効果を発揮すれば特に限定はなく、保湿効果を向上する観点から、化粧料中、0.001重量%以上が好ましく、より好ましくは0.005重量%以上である。また、使用感が良好なことから、7量%以下が好ましく、より好ましくは5重量%以下である。これらから、皮膚化粧料中の含有量は、0.001〜7重量%が好ましく、0.005〜5重量%がより好ましい。
【0029】
本発明の皮膚化粧料には、本発明の効果を損なわない範囲内であれば、上記した成分の他、化粧品や医薬部外品に通常用いられる成分を適宜任意に配合することができる。例えば、油脂、ロウ類、炭化水素、シリコーン類、脂肪酸エステル、高級アルコール、高級脂肪酸などの油性成分;非イオン界面活性剤、陰イオン界面活性剤、陽イオン界面活性剤、両性界面活性剤の各種界面活性剤;低級アルコール、多価アルコール、糖類、ステロール類などのアルコール類;粘度鉱物、水溶性多糖類などの増粘性高分子;紫外線吸収剤;保湿剤;酸化防止剤;金属イオン封鎖剤;被膜形成性高分子化合物、無機顔料、粉体、色素、顔料、染料、ビタミン類、アミノ酸類、収斂剤、美白剤、動植物抽出物、酸、アルカリなどの添加成分;水などを例示することができる。
【0030】
具体的には、油性成分としては、例えば、オリーブ油、ツバキ油、マカデミアナッツ油、アボカド油などの油脂;カルナバロウ、キャンデリラロウ、ホホバ油、ミツロウ、ラノリンなどのロウ類;流動パラフィン、パラフィン、ワセリン、セレシン、マイクロクリスタリンワックス、スクワレン、スクワランなどの炭化水素;メチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、メチルシクロポリシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、オクタメチルシクロペンタシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、メチルハイドロジェンポリシロキサンなどのシリコーン類;ミリスチン酸イソプロピル、ミリスチン酸2−オクチルドデシル、2−エチルヘキサン酸セチル、パルミチン酸2−エチルヘキシル、ジ−2−エチルヘキサン酸ネオペンチルグリコール、トリ−2−エチルヘキサン酸グリセロール、オレイン酸2−オクチルドデシル、トリイソステアリン酸グリセロール、トリ−2−エチルヘキサン酸グリセロール、オレイン酸2−オクチルドデシル、リンゴ酸ジイソステアリル、トリイソステアリン酸グリセロール、2−エチルヘキサン酸ジグリセリドなどの脂肪酸エステル;セチルアルコール、ステアリルアルコール、イソステアリルアルコール、2−オクチルドデカノール、オレイルアルコールなどの高級アルコール類;ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、イソステアリン酸、オレイン酸などの高級脂肪酸が挙げられる。
【0031】
界面活性剤としては、ソルビタン脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ヒマシ油、硬化ヒマシ油、およびこれらのアルキレンオキシド付加物、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、ポリオキシアルキレン脂肪酸エステル、ポリオキシアルキレンアルキルフェノール、ポリオキシエチレンソルビット脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルホルムアルデヒド縮合物、ポリオキシエチレンステロールおよびその誘導体、ポリオキシエチレンラノリンおよびその誘導体、ポリオキシエチレンミツロウ誘導体、シュガーエステル類などの非イオン界面活性剤;高級脂肪酸石鹸、アルキル硫酸エステル塩、アルキルリン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸塩、アルキルエーテルリン酸エステル、アルキルエーテルカルボン酸塩、アシルメチルタウリン塩、N−アシル−N−メチル−β−アラニン塩、N−アシルグリシン塩、N−アシルグルタミン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルカルボン酸塩、アルキルフェニルエーテルスルホン酸塩、アルキルスルホコハク酸およびその塩、N−アシルサルコシンおよびその塩、ポリオキシエチレンヤシ油脂肪酸モノエタノールアミド硫酸塩などの陰イオン界面活性剤;アルキルアミン塩、脂肪酸アミドアミン塩、エステル含有3級アミン塩などのアミン塩、モノアルキル型4級アンモニウム塩、ジアルキル型4級アンモニウム塩、トリアルキル型4級アンモニウム塩、ベンザルコニウム型4級アンモニウム塩などのアルキル4級アンモニウム塩、アルキルピリジニウム塩などの環式4級アンモニウム塩、塩化ベンゼエトニウムなどの陽イオン界面活性剤;アルキルグリシン塩、カルボキシメチルグリシン塩、N−アシルアミノエチル−N−2−ヒドロキシエチルグリシン塩などのグリシン型両性界面活性剤、アルキルアミノプロピオン酸塩、アルキルイミノジプロピオン酸塩などのアミノプロピオン酸型両性界面活性剤、アルキルジメチルアミノ酢酸ベタイン、脂肪酸アミドプロピルジメチルアミノ酢酸ベタインなどのアミノ酢酸ベタイン型両性界面活性剤、アルキルヒドロキシスルホベタインなどのスルホベタイン型両性界面活性剤などの両性界面活性剤を例示することができる。
【0032】
アルコール類としては、例えば、エタノール、イソプロパノール、ブタノールなどの低級アルコール;1,3−ブタンジオール,グリセリン、ポリグリセリン、エチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコールなどの多価アルコール類;ソルビトール、マンニトール、グルコース、ショ糖、キシリトール、ラクトース、トレハロースなどの糖類;コレステロール、フィトステロールなどのステロール類を挙げることができる。
【0033】
増粘性高分子としては、例えば、ベントナイト、スメクタイトの他、バイデライト系、ノントロナイト系、サポナイト系、ヘクトライト系、ソーコナイト系、スチーブンサイト系などの粘度鉱物;カラギーナン、グアーガム、キサンタンガム、アラビアガム、カラヤガム、トラガントガム、デキストラン、アミロース、アミロペクチン、アガロース、プルラン、コンドロイチン硫酸、ペクチン酸ナトリウム、アルギン酸、メチルセルロース、エチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロースなどを例示することができる。
【0034】
紫外線吸収剤としては、例えば、パラアミノ安息香酸、パラアミノ安息香酸モノグリセリンエステルなどの安息香酸系紫外線吸収剤;アントラニル酸メチル、ホモメンチル−N−アセチルアントラニレートなどのアントラニル酸系紫外線吸収剤;サリチル酸メチルなどのサリチル酸系紫外線吸収剤;パラメトキシケイ皮酸オクチル、エチル−4−イソプロピルシンナメートなどのケイ皮酸系紫外線吸収剤;2,4−ジヒドロキシベンゾフェノンなどのベンゾフェノン系紫外線吸収剤;アミルサリシレート、メンチルサリシレート、ベンジルサリシレートなどのサリチル酸系紫外線吸収剤;ウロカニン酸、ウロカニン酸エチルなどのウロカニン酸系紫外線吸収剤などが挙げられる。
【0035】
保湿剤としては、例えば、エチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、グリセリン、ポリグリセリンなどの多価アルコール類;グルコース、マルトース、マルチトール、スクロール、マンニトール、ソルビトール、キシリトールなどの糖類;ポリオキシエチレンメチルグルコシド、ポリオキシプロピレンメチルグルコシドなどの糖誘導体;デキストリン、コンドロイチン硫酸などの多糖類;グリシン、アラニン、セリン、アルギニン、グルタミン酸などのアミノ酸類;クエン酸ナトリウム、乳酸ナトリウム、リンゴ酸ナトリウムなどの有機酸塩などが挙げられる。
【0036】
酸化防止剤としては、例えば、α−トコフェロールおよびその誘導体、アスコルビン酸およびその誘導体、エリソルビン酸、ジブチルヒドロキシトルエン、ブチルヒドロキシアニソール、没食子酸エステル類、亜硫酸、重亜硫酸、チオ硫酸、チオ乳酸、チオグリコール酸、L−システイン、N−アセチル−L−システインなどを挙げることができる。
【0037】
金属イオン封鎖剤としては、例えば、エデト酸塩、リン酸、ポリリン酸ナトリウム、メタリン酸ナトリウム、アラニン、シュウ酸ナトリウム、ニトリロ三酢酸、1,2−ジアミノシクロヘキサン−四酢酸、N−オキシエチルエチレンジアミン−三酢酸、エチレングリコールビス−四酢酸、エチレンジアミン−四プロピオン酸、1−ヒドロキシヘキサン−1,1−ジホスホン酸、ホスホノ酢酸、ジエチレントリアミン五酢酸、1,2−シクロヘキサンジアミン四酢酸、エチレンジアミン二酢酸、トリエチレンテトラミン六酢酸などを挙げることができる。
【0038】
本発明の皮膚化粧料は、化粧品や医薬部外品などの化粧料として使用することができる。具体的には、化粧水、乳液、スキンクリーム、パック、美容液、洗顔剤、クレンジングクリーム、クレンジングフォーム、アフターシェーブローションなどに用いることができる。なかでも、耐水性に優れ、高保湿効果が持続するという効果を奏することから、乳液、スキンクリーム、美容液に好適に用いることができる。
【実施例】
【0039】
以下、本発明を実施例に基づいて更に詳細に説明するが、本発明は、かかる実施例のみに限定されるものではない。尚、含有量は、特記しない限り「重量%」を表す。また、POEは、ポリオキシエチレンの略であり、POEの付加モル数は括弧内に表記する。
【0040】
(試料の調製)
表1および表2に記した組成に従い、実施例1〜8および比較例1〜8の各試料を常法に準じて化粧水の形態にそれぞれ調製し、下記評価に供した。結果をそれぞれ表1および表2に併記する。尚、評価はすべて、23℃、湿度60%の恒温恒湿の一定条件下で実施した。
【0041】
(試験1:刺激感および保湿効果の評価)
官能評価パネル20名により、各実施例および各比較例で得られた各試料を顔に塗布してもらい、塗布直後の「刺激感」および「保湿効果」を下記の評価基準に従って官能評価した。
【0042】
<刺激感の評価基準>
◎;20名中16名以上が刺激はないと回答
○;20名中11〜15名が刺激はないと回答
△;20名中6〜10名が刺激はないと回答
×;20名中5名以下が刺激はないと回答
【0043】
<保湿効果の評価基準>
◎;20名中16名以上が保湿効果に優れると回答
○;20名中11〜15名が保湿効果に優れると回答
△;20名中6〜10名が保湿効果に優れると回答
×;20名中5名以下が保湿効果に優れると回答
【0044】
(試験2:保湿効果の持続性の評価)
同評価パネル20名により、試験1の評価5時間後の「保湿効果の持続性」を下記の評価基準に従って評価した。
【0045】
<保湿効果の持続性の評価基準>
◎;20名中16名以上が保湿効果が持続していると回答
○;20名中11〜15名が保湿効果が持続していると回答
△;20名中6〜10名が保湿効果が持続していると回答
×;20名中5名以下が保湿効果が持続していると回答
【0046】
(試験2:耐水性の評価)
官能評価パネル20名により、各実施例および各比較例で得られた各試料を顔に塗布してもらった。塗布1時間後、実際に顔を水洗いしてもらい、タオルドライ後の「保湿効果」を下記の評価基準に従って官能評価した。
【0047】
<耐水性の評価基準>
◎;20名中16名以上が保湿効果が残っていると回答
○;20名中11〜15名が保湿効果が残っていると回答
△;20名中6〜10名が保湿効果が残っていると回答
×;20名中5名以下が保湿効果が残っていると回答
【0048】
【表1】

【0049】
【表2】

【0050】
表1および表2の結果から、本発明の皮膚化粧料は、塗布時の刺激がなく、少量でも十分な保湿効果が得られ、その高保湿効果が持続するとともに、優れた耐水性を有していることが分かる。
【0051】
以下、本発明に係る皮膚化粧料の処方例を示す。尚、配合量は重量%である。
【0052】
(配合例1;エモリエントローション)
ワセリン 2.0
スクワラン 5.0
セスキオレイン酸ソルビタン 0.8
ポリオキシエチレンオレイルエーテル(20E.O.) 1.5
1,2−オクタンジオール 0.1
コラーゲンペプチド(平均分子量1500) 1.0
ヒアルロン酸プロピレングリコールエーテル 1.0
カルボキシビニルポリマー 0.16
水酸化カリウム 0.1
メチルパラベン 0.3
香料 適 量
紫外線吸収剤 適 量
精製水 残 分
合 計 100.0
【0053】
(配合例2;エモリエントローション)
流動パラフィン 15.0
ミツロウ 2.0
ラノリン 1.5
セスキオレイン酸ソルビタン 2.5
ポリオキシエチレンソルビタンモノオレイン酸エステル 1.0
1,2−ヘキサンジオール 1.0
1,2−オクタンジオール 0.05
コラーゲンペプチド(平均分子量1500) 0.5
ヒアルロン酸プロピレングリコールエーテル 0.3
プロピレングリコール 3.0
香料 適 量
紫外線吸収剤 適 量
精製水 残 分
合 計 100.0
【0054】
(配合例3;エモリエントローション)
ワセリン 2.0
スクワラン 5.0
セスキオレイン酸ソルビタン 0.8
ポリオキシエチレンオレイルエーテル(20E.O.) 1.5
1,2−オクタンジオール 0.1
コラーゲンペプチド(平均分子量1500) 1.0
ヒアルロン酸プロピレングリコールエーテル 1.0
メタクリル酸グリセリルアミドエチル
/メタクリル酸ステアリル共重合体 0.03
カルボキシビニルポリマー 0.16
水酸化カリウム 0.1
メチルパラベン 0.3
香料 適 量
紫外線吸収剤 適 量
精製水 残 分
合 計 100.0
【0055】
(配合例4;エモリエントクリーム)
ステアリルアルコール 5.0
ステアリン酸 2.0
ワセリン 5.0
スクワラン 5.0
トリ−2−エチルヘキサン酸グリセリル 1.0
ホホバ油 1.0
オリーブ油 1.0
ジプロピレングリコール 4.0
1,2−ペンタンジオール 3.0
1,2−オクタンジオール 0.05
コラーゲンペプチド(平均分子量3000) 1.0
ヒアルロン酸プロピレングリコールエーテル 0.1
(アジピン酸・2−エチルヘキサン酸・ステアリン酸)
グリセリルオリゴエステル 1.0
プロピレングリコールモノステアリン酸エステル 2.5
ポリオキシエチレンセチルエーテル 3.0
トリエタノールアミン 1.0
メチルパラベン 0.15
プロピルパラベン 0.1
香料 適 量
酸化防止剤 適 量
精製水 残 分
合 計 100.0
【0056】
(配合例5;マッサージクリーム)
固形パラフィン 5.0
ミツロウ 8.0
ワセリン 8.0
流動パラフィン 30.0
トリ−2−エチルヘキサン酸グリセリル 1.0
ホホバ油 1.0
オリーブ油 1.0
1,2−オクタンジオール 0.15
コラーゲンペプチド(平均分子量3000) 2.0
ヒアルロン酸プロピレングリコールエーテル 0.1
2−メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン
・メタクリル酸ブチル共重合体 0.01
ポリオキシエチレンソルビタンモノラウリン酸エステル 2.0
モノステアリン酸グリセリル 1.6
メチルパラベン 0.15
プロピルパラベン 0.15
香料 適 量
酸化防止剤 適 量
精製水 残 分
合 計 100.0

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(A)ヒアルロン酸プロピレングリコールエステル、並びに(B)炭素数5〜10の1,2−アルカンジオールを含有してなる皮膚化粧料。
【請求項2】
前記(A)成分の平均分子量が、1000〜100000の範囲であることを特徴とする請求項1に記載の皮膚化粧料。
【請求項3】
前記(B)成分が、1,2−ペンタンジオール、1,2−ヘキサンジオール、1,2−オクタンジオールの群から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする請求項1又は2に記載の皮膚化粧料。
【請求項4】
更に、(C)二塩基酸を含む混合脂肪酸とグリセリンのオリゴエステルを含有してなる請求項1〜3の何れかに記載の皮膚化粧料。
【請求項5】
更に、(D)リン脂質誘導体及び/又はリン脂質重合体を含有してなる請求項1〜4の何れかに記載の皮膚化粧料。
【請求項6】
更に、(E)メタクリル酸グリセリルアミドエチル/メタクリル酸ステアリル共重合体を含有してなる請求項1〜5の何れかに記載の皮膚化粧料。

【公開番号】特開2010−30981(P2010−30981A)
【公開日】平成22年2月12日(2010.2.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−6350(P2009−6350)
【出願日】平成21年1月15日(2009.1.15)
【出願人】(390011442)株式会社マンダム (305)
【Fターム(参考)】