説明

皮膚外用剤の製造方法

【課題】安定性が良好で、感触の異なる種々の皮膚外用剤を容易に製造する方法の提供。
【解決手段】(A)(A−1)油剤及び(A−2)ノニオン性界面活性剤を含み、(A−1)と(A−2)の重量比が(A−1)/(A−2)=19/1〜1/1である油性組成物4〜30重量%と、(B)水70〜96重量%とを60〜80℃で混合した後、20〜30℃まで冷却する皮膚外用剤の製造方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、皮膚外用剤の製造方法、特に水中油型乳化系の皮膚外用剤を容易に製造する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
皮膚外用剤、特に水中油型のクリームは使用感を良好にする為に多種の油剤を配合する。それらの油剤を乳化する為には乳化剤の選定が重要であり、その選定が不適切であると、安定性が悪く、乳化滴の凝集やクリーミングによる分離が起こり、さらにはクリーム自体の製造が不可能な場合もある。油剤と乳化剤の組合せはHLBなどを参考にもできるが、多くの場合、試行錯誤を繰り返して決定する。このように安定で使用感の良好なクリームを製造する為には、配合物や配合割合の最適化に時間がかかるという課題があった。
また、上記の理由からクリーム中の原料は多種になる為、製造時に予備混合設備や多数のラインが必要になるなど、製造設備が複雑になることが課題であった。
【0003】
例えば、特許文献1には、種々の薬効成分と特定の構造を有するアミド誘導体を含有する皮膚外用剤が、特許文献2には植物抽出物と美白成分を含有する美白化粧料が記載されている。そして、これらの皮膚外用剤は、油相成分を順次80℃で加熱溶解したものに、攪拌しながら60℃又は80℃に加熱した水相成分を順次加えて乳化した後、シリコーンを配合しない場合は、そのまま室温まで冷却し、シリコーンを配合する場合は60℃まで攪拌冷却しシリコーン成分を加えた後、攪拌しながら室温まで冷却する方法により製造されている。
【特許文献1】特開平11−302198号公報
【特許文献2】特開平8−92056号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、これら引用文献1及び2に記載の製法では、油相又は水相に含まれる成分によっては乳化安定性が損なわれる場合があり、油相に配合される成分毎に乳化剤を選定する必要があった。また、乳化安定性の低下は、シリコーン組成物を配合した場合、特に顕著であった。適切な乳化剤選定により、安定な処方ができたとしても、油剤やシリコーンの種類と量を変更し、感触の異なる次の処方を用意するには、乳化剤の選定からやり直す必要があった。
さらに、これらの皮膚外用剤は、油剤、乳化剤といった油相成分を各原料ごとに用意、計量、配合し、さらに水相成分、シリコーン成分も各原料ごとに用意、計量、予備配合を行う必要があり、製造工程、製造設備が複雑であり、実際の製造に時間がかかるという問題点があった。
従って、油相や水相中に含まれる成分の種類に無関係に、感触の異なる種々の安定な皮膚外用剤を簡便に製造する技術が望まれていた。本発明の目的は、安定性が良好で、感触の異なる種々の皮膚外用剤を、容易に製造する方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
そこで本発明者は、乳化時の操作性及び安定性と油剤、乳化剤、水等の添加順序、添加割合等との関係について検討した結果、油剤と乳化剤とを一定の割合で予め混合しておき、これと水とを一定の温度条件下で混合すれば、極めて簡便な操作で、油相成分の種類に影響されずに、安定な乳化型皮膚外用剤を製造できることを見出した。
【0006】
すなわち、本発明は、(A)(A−1)油剤及び(A−2)ノニオン性界面活性剤を含み、(A−1)と(A−2)の重量比が(A−1)/(A−2)=19/1〜1/1である油性組成物4〜30重量%と、(B)水70〜96重量%とを60〜80℃で混合した後、20〜30℃まで冷却する皮膚外用剤の製造方法を提供するものである。
【0007】
また、本発明は、(A)(A−1)油剤及び(A−2)ノニオン性界面活性剤を含み、(A−1)と(A−2)の重量比が(A−1)/(A−2)=19/1〜1/1である油性組成物4〜30重量%と、(B)水40〜96重量%とを60〜80℃で混合した後、40〜60℃まで冷却し、(C)シリコーン組成物 30重量%以下を、40〜60℃で混合した後、20〜30℃まで冷却する皮膚外用剤の製造方法を提供するものである。
【0008】
また、本発明は、(A)(A−1)油剤と(A−2)ノニオン性界面活性剤を含み、(A−1)と(A−2)の重量比が(A−1)/(A−2)=19/1〜1/1である油性組成物4〜30重量%と、(D)水性組成物50重量%以下及び(B)水95重量%以下を混合して得られる(E)希釈水性組成物とを60〜80℃で混合し、40〜60℃まで冷却し、これに(C)シリコーン組成物30重量%以下を、40〜60℃で混合した後、20〜30℃まで冷却する皮膚外用剤の製造方法を提供するものである。
【0009】
また、本発明は、(A)(A−1)油剤と(A−2)ノニオン性界面活性剤を含み、(A−1)と(A−2)の重量比が(A−1)/(A−2)=19/1〜1/1である油性組成物4〜30重量%と、(D)水性組成物50重量%以下及び(B)水95重量%以下を混合して得られる(E)希釈水性組成物とを60〜80℃で混合した後、20〜30℃まで冷却する皮膚外用剤の製造方法を提供するものである。
【0010】
また、本発明は、(A)(A−1)油剤及び(A−2)ノニオン性界面活性剤を含み、(A−1)と(A−2)の重量比が(A−1)/(A−2)=19/1〜1/1である油性組成物と、(C)シリコーン組成物とを組み合わせた皮膚外用剤製造用キットを提供するものである。
【0011】
また、本発明は、(A)(A−1)油剤及び(A−2)ノニオン性界面活性剤を含み、(A−1)と(A−2)の重量比が(A−1)/(A−2)=19/1〜1/1である油性組成物と(C)シリコーン組成物と、(D)水性組成物とを組み合わせた皮膚外用剤製造用キットを提供するものである。
【0012】
また、本発明は、(A)(A−1)油剤及び(A−2)ノニオン性界面活性剤を含み、(A−1)と(A−2)の重量比が(A−1)/(A−2)=19/1〜1/1である油性組成物と、(D)水性組成物とを組み合わせた皮膚外用剤製造用キットを提供するものである。
【発明の効果】
【0013】
本発明の皮膚外用剤の製造方法は、油性成分、水性成分、シリコーン成分がそれぞれ予め混合されている為に、通常の製法とは異なり、予備混合が不必要である。それ故、予備溶解にかかる時間がなくなり製造時間が短縮され、かつ、各種原料を投入するラインや予備溶解の為の予備槽も不必要になり、設備が煩雑にならず、安定性が良好な皮膚外用剤を容易に製造できる。また、本発明によれば、感触の異なる種々の皮膚外用剤が容易に得られる。
本発明方法による効果は大量生産時にさらに顕著になる。
すなわち、製造時のスケールが大きくなりそれぞれの配合量が増量することによって、配合の時間や手間が増大する。また原料の溶解も困難になるため、溶解の為の時間や設備の必要性が増してくる。これらの問題は原料の種類が多いとさらに悪化する。これに対し、本発明方法によれば製造操作が簡便化し、製造時間が短縮される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
本発明方法に用いられる(A)油性組成物は、(A−1)油剤及び(A−2)ノニオン性界面活性剤を含み、(A−1)と(A−2)の重量比が(A−1)/(A−2)=19/1〜1/1であることが、乳化系の形成、乳化安定性、皮膚刺激性、使用感の点から必要である。(A−1)/(A−2)が19/1よりも大きい場合には、乳化系が形成できないか又は乳化系が不安定となる。一方、(A−1)/(A−2)が1/1より小さい場合には、油剤が不足し、使用感が悪く、皮膚刺激性が生じることがある。(A−1)/(A−2)は、15/1〜2/1、さらに15/1〜5/1が好ましい。
【0015】
また、(A)油性組成物の使用量は、安定性、乳化系の形成、使用感、皮膚刺激性の点から皮膚外用剤全体に対し、4〜30重量%である。4重量%未満では乳化安定性が悪く、30重量%を超えると、乳化系を形成せず製造が困難である。(A)油性組成物の使用量は4〜20質量%、さらに5〜15質量%が好ましい。
【0016】
(A−1)油剤としては、例えば固体状若しくは液体状パラフィン、クリスタルオイル、セレシン、オゾケライト、モンタンロウ、スクワラン、スクワレン等の炭化水素類;オリーブ油、カルナウバロウ、ラノリン、ホホバ油、グリセリンモノステアリン酸エステル、グリセリンモノオレイン酸エステル、イソプロピルステアリン酸エステル、ジカプリン酸ネオペンチルグリコール等のエステル油;ステアリン酸、パルミチン酸等の高級脂肪酸;セタノール、ステアリルアルコール等の高級アルコールなどを用いることが出来る。これらは、1種又は2種以上を組み合せて用いることができる。
【0017】
(A−2)ノニオン性界面活性剤としては、例えばポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸エステル、アルキルグリセリルエーテル等を挙げることができ、これらは1種又は2種以上を組み合せて用いることができる。
【0018】
本発明においては、前記(A−1)油剤及び(A−2)ノニオン性界面活性剤を、前記の配合比で予め混合しておくことが、操作を容易にし、製品安定性、製造の簡便化の点で必須である。
【0019】
(B)水は70〜96重量%用いる。水の好ましい使用量は80〜95重量%、より好ましくは85〜95重量%である。
【0020】
本発明方法においては、予め作成しておいた(A−1)油剤及び(A−2)ノニオン性界面活性剤を含む前記の(A)油性組成物と、(B)水とを60〜80℃で混合した後、20〜30℃まで冷却することにより、安定な水中油型乳化系の皮膚外用剤が得られる。(A)油性組成物と(B)水との混合温度が60℃未満では、油性組成物の凝固や、乳化系の形成が不安定で製品安定性が悪くなり、一方80℃を超えると製造時危険であり、設備や製造者に負荷がかかる。好ましい混合温度は65〜75℃、より好ましい混合温度は67〜73℃である。これら2成分の混合には、ホモミキサー、パドルミキサー、プロペラミキサー等が用いられる。(A)油性組成物と(B)水とを60〜80℃で混合するには、両者を60〜80℃に加熱しておき、混合装置中に投入して混合するのが好ましい。この混合は、乳化系が形成される時間行えばよい。
【0021】
また、乳化後は20〜30℃まで冷却する。この冷却速度は特に問わず、20〜30℃の温度におくことにより冷却すればよい。
【0022】
本発明方法において、皮膚外用剤中に(C)シリコーン組成物を配合する場合には、前記(A)油性組成物4〜30重量%と、(B)水40〜96重量%とを60〜80℃で混合し、40〜60℃に冷却した後に、(C)シリコーン組成物30重量%以下を、40〜60℃で混合した後、20〜30℃まで冷却するのが好ましい。
【0023】
(C)シリコーン組成物としては、(C−1)揮発性シリコーン、(C−2)不揮発性シリコーン及び(C−3)グリセロール変性シリコーンからなる群から選ばれる1種以上を含むものが好ましい。本発明の効果を損なわない限り、(C−1)〜(C−3)以外のシリコーン化合物を含有してもよい。(C−1)揮発性シリコーンとしては、下記一般式(1)及び/又は(2)
【0024】
【化1】

【0025】
(xは0〜5を、yは3〜7を示す)
で表わされる直鎖状及び/又は環状のシリコーン油が挙げられる。
【0026】
本発明で用いる一般式(1)で表わされる直鎖状のシリコーン油としては、具体的にはヘキサメチルジシロキサン、オクタメチルトリシロキサン、デカメチルテトラシロキサン、ドデカメチルペンタシロキサン、シリコーンKF−96L(2cs)[信越化学工業(株)製]等が挙げられる。
本発明で用いる一般式(2)で表わされる環状のシリコーン油としては、具体的にはオクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、ドデカメチルシクロヘキサシロキサンが挙げられ、商品名としては、シリコーンSH−344[東レ・ダウコーニング(株)製]、シリコーンSH−245[東レ・ダウコーニング(株)製]等が挙げられる。
【0027】
(C−2)不揮発性シリコーンとしては、(C−1)成分以外の25℃の動粘度が4〜300mm2/sの液体シリコーン油が挙げられる。当該(C−1)成分以外の25℃の動粘度が4〜300mm2/sの液体シリコーン油としては、一般式(1)でxが6以上のジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、アルキル変性シリコーン、ポリエーテル・アルキル変性シリコーン等が挙げられる。このうち、ジメチルポリシロキサンが好ましい。ジメチルポリシロキサンは、xが7〜180、さらに8〜160のものが好ましい。ジメチルポリシロキサンは25℃の動粘度が4〜200mm2/s、さらに5〜150mm2/sのものが好ましい。そのようなジメチルポリシロキサンとしては、シリコーンKF−96A(6cs)[信越化学工業(株)製]、シリコーンSH−200(10cs)[東レ・ダウコーニング(株)製]、シリコーンKF−96A(50cs)[信越化学工業(株)製]、シリコーンSH−200(100cs)[東レ・ダウコーニング(株)製]が挙げられる。
【0028】
(C−3)グリセロール変性シリコーンとしては、下記一般式(3)で表されるシリコーンが挙げられる。
【0029】
【化2】

【0030】
(式中、R1及びR2は、同一又は異なって、分岐ポリグリセロール鎖が結合した連結基、置換基を有していてもよく、フッ素原子で置換されていてもよい、炭素数1〜22の直鎖もしくは分岐鎖のアルキル基、アルケニル基又はアルコキシ基、あるいは炭素数6〜22のアリール基を示し、R1及びR2のうち少なくとも1つは分岐ポリグリセロール鎖が結合した連結基である。tは0〜10,000の数を示す。)
【0031】
一般式(3)において、炭素数1〜22のアルキル基としては、例えばメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、t−ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、トリフルオロプロピル等が挙げられ、炭素数1〜22のアルケニル基としては、ビニル基やアリル基が挙げられ、炭素数1〜22のアルコキシ基としては、例えばメトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシ、ペンチルオキシ、ヘキシルオキシ、ヘプチルオキシ、オクチルオキシ、フェノキシ基等が挙げられる。これらの中では、炭素数1〜12の直鎖若しくは分岐鎖のアルキル基、ビニル基、アリル基、又は炭素数6〜12のアリール基が好ましく、炭素数1〜3のアルキル基又はフェニル基がさらに好ましく、メチル基、プロピル基又はフェニル基が特に好ましく、メチル基、フェニル基が最も好ましい。
【0032】
一般式(3)において、R1及びR2が有していてもよい置換基として、フェニル基、ヒドロキシフェニル基、ヒドロキシ基、カルボキシ基、アミノ基(炭素数0〜14)、イミノ基、(アミノエチル)アミノ基、(ジメチルアミノエチル)アミノ基、ポリオキシアルキレン基、メルカプト基、及びエポキシ基等が挙げられる。これらの置換基を有する場合、R1及びR2としてプロピル基が特に好ましい。
【0033】
一般式(3)中のtは、0〜10,000の数を示し、好ましくは1〜3,000の数を、さらに好ましくは5〜500の数を、特に好ましくは10〜150の数を示す。
【0034】
グリセロール変性シリコーン(3)の数平均分子量は、好ましくは500〜50万、さらに好ましくは750〜20万、特に好ましくは1000〜10万である。この数平均分子量の測定は、GPC法(標準ポリスチレン又はポリエチレングリコール換算)による。
【0035】
グリセロール変性シリコーン中のケイ素原子数(Si)と分岐ポリグリセロール鎖中のグリセロール基の合計数(以下、グリセロール基数という)(G)の比(G/Si)が、0.001〜50が好ましく、0.05〜10がより好ましく、0.1〜3がさらに好ましく、0.15〜1が特に好ましい。
【0036】
グリセロール変性シリコーンにおいて、分岐ポリグリセロール鎖中に、少量のエチレンオキシ基及び/又はプロピレンオキシ基が存在していてもよい。エチレンオキシ基及び/又はプロピレンオキシ基が分岐ポリグリセロール鎖中にランダムに存在していてもよいし、複数のエチレンオキシ基及び/又はプロピレンオキシ基が連鎖をなして分岐ポリグリセロール鎖中にブロック的に存在していてもよい。この際、複数のエチレンオキシ基及び/又はプロピレンオキシ基からなるブロックは、分岐ポリグリセロール鎖の連結基の近傍に存在してもよいし、末端に存在してもよいし、あるいは中程に存在していてもよい。エチレンオキシ基及び/又はプロピレンオキシ基は0.001〜0.5モル当量存在することが好ましく、0.02〜0.2モル当量存在することがさらに好ましい。
【0037】
(C)シリコーン組成物は、使用感、製品安定性の点から皮膚外用剤全量に対して30重量%以下使用される。より好ましくは20重量%、さらに好ましくは1〜10重量%、特に好ましくは3〜8重量%使用される。
本発明においては、(C)シリコーン組成物が2種以上の場合には、(C)シリコーン組成物を予め混合しておくことが、操作を容易にし、製造の簡便化の点で好ましい。
【0038】
(C)シリコーン組成物は、(A)油性組成物と(B)水とを60〜80℃で混合し、40〜60℃まで冷却した後に添加混合される。(C)シリコーン組成物を、60℃を超える温度で混合すると、(C)シリコーン組成物中の揮発性シリコーンが気化してしまい、一方40℃未満で混合すると系の粘度上昇により配合が不完全になる可能性があり、好ましくない。より好ましい混合温度は50〜60℃、特に好ましい混合温度は55〜60℃である。混合操作は、前記と同様にホモミキサー、パドルミキサー、プロペラミキサー等で行うのが好ましい。その後、20〜30℃まで冷却すれば、安定な皮膚外用剤が得られる。
【0039】
本発明方法において、皮膚外用剤の水相中に、種々の水性組成物を配合する場合には、(D)水性組成物50重量%以下及び(B)水95重量%以下を混合して(E)希釈水性組成物を調製しておき、これと前記(A)油性組成物とを60〜80℃で混合した後、20〜30℃に冷却するのが好ましい。また、これに(C)シリコーン組成物を配合する場合には、(A)油性組成物と(E)希釈水性組成物とを60〜80℃で混合し、40〜60℃まで冷却した後に、(D)シリコーン組成物を40〜60℃で混合した後に20〜30℃まで冷却するのが好ましい。このように、(D)水性組成物は、予め水と混合した(E)希釈水性組成物としておいた後に、60〜80℃で(A)油性組成物と混合するのが、乳化安定化、製造の簡便化、製品安定性の点で好ましい。
【0040】
(D)水性組成物としては、(D−1)保湿剤、(D−2)増粘剤、(D−3)アニオン性界面活性剤、(D−4)中和剤及び(D−5)防腐剤からなる群より選ばれる1種以上を含むものが好ましい。(D−1)〜(D−5)は通常は水等の水溶性溶剤に溶解して用いられ、本発明の効果を損なわない限り、(D)水性組成物は皮膚外用剤に用いられる通常の成分を含有してもよい。(D−1)保湿剤としては、水性保湿剤、例えば水溶性多価アルコールが挙げられ、通常は水を含む水溶液である。水溶性多価アルコールとしては、分子内にヒドロキシル基を2以上含有するものであれば特に制限されず、例えばエチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、1,4−ブチレングリコール、ジプロピレングリコール、グリセリン、ジグリセリン、トリグリセリン、テトラグリセリン等のポリグリセリン、グルコース、マルトース、マルチトース、ショ糖、フラクトース、キシリトール、ソルビトール、マルトトリオース、スレイトール、エリスリトール、デンプン分解糖還元アルコール等を挙げることができ、これらは1種又は2種以上を組み合せて用いることができる。(D−1)保湿剤は皮膚外用剤中に0〜20重量%、更に3〜15重量%、より更に5〜15重量%配合されるのが好ましい。
【0041】
(D−2)増粘剤としては、例えばポリビニルアルコール、カルボキシビニルポリマー、カルボキシメチルセルロース、ゼラチン、トラガントガム、キサンタンガム、ヒアルロン酸、アガロース、アルギン酸ナトリウム等が挙げられる。これらは皮膚外用剤中に0〜0.5重量%、更に0.01〜0.3重量%、より更に0.05〜0.2重量%配合されるのが好ましい。
【0042】
(D−3)アニオン性界面活性剤としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、アルキルリン酸エステル塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル酢酸塩、アルキルスルホコハク酸塩、ポリオキシエチレンアルキルスルホコハク酸塩、N−アシルメチルタウリン塩、N−アシルサルコシン塩、アシル化イセチオン酸塩、ポリオキシエチレン脂肪酸アミドエーテル硫酸塩及びN−アシルアミノ酸系界面活性剤からなる群より選ばれる1種又は2種以上が挙げられる。
【0043】
ここでポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩とポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸塩とポリオキシエチレンアルキルエーテル酢酸塩とポリオキシエチレンアルキルスルホコハク酸塩とポリオキシエチレン脂肪酸アミドエーテル硫酸塩のオキシエチレン基の付加モル数は、1〜10が好ましく、更に2〜5が好ましい。また、これらのアルキル基又はアシル基としては、炭素数8〜18のアルキル基又はアシル基が好ましく、更に10〜14のアルキル基又はアシル基が好ましい。
アルキルリン酸エステル塩とアルキルスルホコハク酸塩のアルキル基としては、炭素数8〜18のアルキル基が好ましく、更に10〜14のアルキル基が好ましい。
また、N−アシルメチルタウリン塩とN−アシルサルコシン塩とアシル化イセチオン酸塩のアシル基としては、炭素数8〜18のアシル基が好ましく、特に10〜14のアシル基が好ましい。
アルキルリン酸エステル塩とポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸塩はモノエステル体、ジエステル体又はそれらの混合物が好ましく、起泡性、溶解性の観点から、モノエステル体を60重量%以上含むものが更に好ましい。
【0044】
N−アシルアミノ酸系界面活性剤におけるアミノ酸部分としてはグルタミン酸、アスパラギン酸、アラニン、グリシン等が挙げられ、酸性アミノ酸であるグルタミン酸、アスパラギン酸が好ましく、より好ましくは、グルタミン酸である。これらのアミノ酸部分はD体、L体あるいはD体とL体の混合物のいずれでも良いが、L体が好ましい。また、アシル基は、炭素数8〜18の飽和または不飽和の直鎖または分岐鎖を有するものであり、例えばカプリノイル基、ラウロイル基、ミルストイル基、ラウロイル基、ステアロイル基、ココイル基(ヤシ脂肪酸アシル基ともいう)が挙げられ、好ましいものとしては、ラウロイル基、ココイル基が挙げられる。N−アシルアミノ酸のアミド基が水素原子を有する場合は、窒素に結合した水素を低級アルキル基で置換したものでも良い。この低級アルキル基としては、炭素数1〜3のものが好ましく、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基が挙げられる。
また、塩としては、ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属塩、アンモニウム塩、アルカノールアミン塩等が挙げられる。
【0045】
アニオン性界面活性剤の具体例としては、ポリオキシエチレン(3モル)ラウリルエーテル硫酸ナトリウム、モノ〔ポリオキシエチレン(3モル)ラウリル〕エーテルリン酸塩、ポリオキシエチレン(4.5モル)ラウリルエーテル酢酸ナトリウム、モノラウリルリン酸ナトリウム、ラウリルスルホコハク酸2ナトリウム、ポリオキシエチレン(3モル)アルキル(炭素数2〜14)スルホコハク酸2ナトリウム、N−ラウロイルメチルタウリンナトリウム、ラウロイルサルコシンナトリウム、ココイルイセチオン酸ナトリウム、ポリオキシエチレン(3モル)ヤシ脂肪酸アミドエーテル硫酸塩等が挙げられる。また、N−アシルアミノ酸系界面活性剤の具体例としては、N−ココイルグリシン、N−ラウロイルグリシン、N−ココイル−N−カルボキシエチルグリシン、N−ラウロイルグルタミン酸、N−ミリストイルグルタミン酸、N−パルミトイルグルタミン酸、N−ステアロイルグルタミン酸、N−ココイルグルタミン酸、N−ラウロイルアスパラギン酸、N−ココイルアスパラギン酸、N−ミリストイルアスパラギン酸、N−パルミトイルアスパラギン酸、N−ステアロイルアスパラギン酸、N−ラウロイル−β−アラニン、N−ラウロイルーN−イソプロピルグリシン、N−ラウロイルサルコシン、N−ミリストイルサルコシン、N−ラウロイル−N−メチル−β−アラニン等が挙げられる。尚、これらの化合物の( )内のモル数はエチレンオキサイドの平均付加モル数を意味する。
【0046】
これらのアニオン性界面活性剤は、皮膚外用剤中に0〜2重量%、更に0.01〜1.5重量%、より更に0.5〜1.0重量%配合されるものが好ましい。
【0047】
(D−4)中和剤としては、特に限定されないが、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム等の金属水酸化物、トリエタノールアミン、イソプロパノールアミン、ジイソプロパノールアミン、尿素、ε−アミノカプロン酸、ピロリドンカルボン酸ナトリウム、リン酸水素ナトリウム、クエン酸ナトリウム、クエン酸、乳酸、こはく酸、酒石酸等の有機酸類、グリシルベタイン、リジンベタイン等のベタイン類等が挙げられる。本発明の皮膚外用剤のpHは3.5〜10の領域とするのが好ましく、特に、pH3.5〜7.0の酸性〜中性領域とするのが好ましい。
【0048】
(D−5)防腐剤としては、メチルパラベン、エチルパラベン、プロピルパラベン、ブチルパラベン等のヒドロキシ安息香酸及びその塩若しくはそのエステル;サリチル酸;安息香酸ナトリウム;フェノキシエタノール;1,2−ペンタンジオール、1,2−ヘキサンジオール等の1,2−ジオール;メチルクロロイソチアゾリノン、メチルイソチアゾリノン等のイソチアゾリンオン誘導体;イミダゾリニウムウレア;デヒドロ酢酸及びその塩;フェノール類;トリクロサン等のハロゲン化ビスフェノール類、酸アミド類、四級アンモニウム塩類;トリクロロカルバニド、ジンクピリチオン、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、ソルビン酸、クロルヘキシジン、グルコン酸クロルヘキシジン、ハロカルバン、ヘキサクロロフェン、ヒノキチオール;フェノール、イソプロピルフェノール、クレゾール、チモール、パラクロロフェノール、フェニルフェノール、フェニルフェノールナトリウム等のその他フェノール類;フェニルエチルアルコール、感光素類、抗菌性ゼオライト、銀イオン等が挙げられる。
【0049】
本発明においては、(D)水性組成物を予め混合しておくことが、操作を容易にし、製品安定性、製造の簡便化の点で好ましい。
【0050】
(E)希釈水性組成物は、(D)水性組成物50重量%以下と(B)水95重量%以下を混合して得られるが、製造簡便性、製品安定性の点から、(D)水性組成物10〜40重量%と(B)水30〜70重量%、更に(D)水性組成物20〜30重量%と(B)水40〜70重量%を混合するのが好ましい。
【0051】
予め調製された(E)希釈水性組成物と(A)油性組成物とを混合する温度は60〜80℃であるが、65〜75℃、更に67〜73℃が好ましい。混合手段は、前記(A)油性組成物及び(B)水の場合と同様である。
【0052】
次に必要に応じて、(C)シリコーン組成物が配合されるが、その配合手段は前記と同様である。前記成分を混合後、20〜30℃に冷却すれば、容易に安定な水中油型乳化系の皮膚外用剤が得られる。
【0053】
その他、本発明の皮膚外用剤には、酸化チタン、酸化珪素、酸化鉄、酸化アルミニウム等の粉体、硫酸マグネシウム、硫酸カリウム、硫酸ナトリウム、塩化マグネシウム、塩化ナトリウム等の無機塩、香料等を配合してもよい。ここで粉体及び無機塩は(B)シリコーン組成物と同時に、又は(B)シリコーン組成物の添加後に配合してもよい。また、(B)シリコーン組成物中に分散して添加してもよい。なお、香料は香気の散逸防止の点から、最後に添加するのが好ましい。
【0054】
本発明方法によれば、簡便な操作で安定な皮膚外用剤が製造できるが、前記各成分を適宜組み合せて皮膚外用剤製造用キットとしておくのが好ましい。そのようなキットの例としては、次のものが挙げられる。
(1)(A)(A−1)油剤及び(A−2)ノニオン性界面活性剤を含み、(A−1)と(A−2)の重量比が(A−1)/(A−2)=19/1〜1/1である油性組成物と、(B)水とを組み合わせた皮膚外用剤製造用キット。
(2)(A)(A−1)油剤及び(A−2)ノニオン性界面活性剤を含み、(A−1)と(A−2)の重量比が(A−1)/(A−2)=19/1〜1/1である油性組成物と、(C)シリコーン組成物と、(B)水とを組み合わせた皮膚外用剤製造用キット。
(3)(A)(A−1)油剤及び(A−2)ノニオン性界面活性剤を含み、(A−1)と(A−2)の重量比が(A−1)/(A−2)=19/1〜1/1である油性組成物と、(C)シリコーン組成物とを組み合わせた皮膚外用剤製造用キット。
(4)(A)(A−1)油剤及び(A−2)ノニオン性界面活性剤を含み、(A−1)と(A−2)の重量比が(A−1)/(A−2)=19/1〜1/1である油性組成物と(C)シリコーン組成物と、(D)水性組成物とを組み合わせた皮膚外用剤製造用キット。
(5)(A)(A−1)油剤及び(A−2)ノニオン性界面活性剤を含み、(A−1)と(A−2)の重量比が(A−1)/(A−2)=19/1〜1/1である油性組成物と、(D)水性組成物とを組み合わせた皮膚外用剤製造用キット。
(6)(A)(A−1)油剤及び(A−2)ノニオン性界面活性剤を含み、(A−1)と(A−2)の重量比が(A−1)/(A−2)=19/1〜1/1である油性組成物と(C)シリコーン組成物と、(D)水性組成物と、(B)水とを組み合わせた皮膚外用剤製造用キット。
(7)(A)(A−1)油剤及び(A−2)ノニオン性界面活性剤を含み、(A−1)と(A−2)の重量比が(A−1)/(A−2)=19/1〜1/1である油性組成物と、(D)水性組成物と、(B)水とを組み合わせた皮膚外用剤製造用キット。
【実施例】
【0055】
(1)製造方法
実施例1〜11及び比較例1〜6
油性組成物(表1)(比較例3は省略)を75℃で加熱溶解したものに攪拌しながら(0.5〜1Hr)、事前に混合した水性組成物(表3)(実施例10及び11並びに比較例2は省略)と水(比較例1〜3は省略)を75℃に加熱した後に加えて乳化した(0.5〜1Hr)後、60℃まで攪拌冷却し(0.5〜1Hr)、ついでシリコーン組成物(表2)(実施例10は省略)を加え、更に攪拌しながら25℃まで冷却し(1Hr)、皮膚外用剤(表4)を製造した。(合計のべ1.5〜4Hr)括弧内の時間は2Lスケールで製造(皮膚外用剤として2kg製造)した際の必要時間である。
【0056】
比較例7(表4の実施例2の配合比率で配合成分を個別に配合する場合)
メインの配合槽に表1に示す油剤a,b,c,d,eと界面活性剤f,gを75℃で加熱溶解する(1〜2Hr)。別の配合槽で表3に示す水、保湿剤k,m、界面活性剤p、防腐剤qを加え、75℃で加熱溶解した後(1〜2Hr)、増粘剤nをゆっくり加え、完全に溶解するまで攪拌し、中和剤oを加える(2〜3Hr)。それをメインの配合槽に加えて乳化した後、60℃まで攪拌冷却し(0.5〜1Hr)、さらに別の配合層で表2に示す揮発性シリコーンh、不揮発性シリコーンi,jを混合溶解したものを加え(1〜2Hr)、更に攪拌しながら25℃まで冷却し(1Hr)、皮膚外用剤を製造する。(合計のべ6.5〜11Hr)括弧内の時間は2Lスケールで製造(皮膚外用剤として2kg製造)した際の必要時間である。
【0057】
実施例12(100Lスケール時;実施例1〜11の50倍スケールで行って、皮膚外用剤として100kg製造する場合)
油性組成物(表1)を75℃で加熱溶解したものに攪拌しながら(2Hr)、事前に混合した水性組成物(表3)(実施例10及び11は省略)と水を75℃に加熱した後に加えて乳化した後(1〜2Hr)、60℃まで攪拌冷却し(1Hr)、ついでシリコーン組成物(表2)(実施例10は省略)を加え、更に攪拌しながら25℃まで冷却し(1〜2Hr)、皮膚外用剤を製造した。(合計のべ5〜7Hr)括弧内の時間は100Lスケール時の必要時間である。
【0058】
比較例8(100Lスケール時;比較例7の50倍スケールで行って、皮膚外用剤として100kg製造する場合)
メインの配合槽に表1に示す油剤a,b,c,d,eと界面活性剤f,gを75℃で加熱溶解する(2〜3Hr)。別の配合槽で表3に示す水、保湿剤k,m、界面活性剤p、防腐剤qを加え、75℃で加熱溶解した後(2〜3Hr)、増粘剤nをゆっくり加え、完全に溶解するまで攪拌し、中和剤oを加える(3〜4Hr)。それをメインの配合槽に加えて乳化した後、60℃まで攪拌冷却し(1Hr)、さらに別の配合層で表2に示す揮発性シリコーンh、不揮発性シリコーンi,jを混合溶解したものを加え(2Hr)、更に攪拌しながら25℃まで冷却し(1〜2Hr)、皮膚外用剤を製造する。(合計のべ11〜15Hr)括弧内の時間は100Lスケールで製造した際の必要時間である。
【0059】
(2)評価方法
i)クリームの製造可否(製造不可能だった場合は以降の評価は実施せず)
○:可能(25℃で安定なクリームが製造できる場合)
×:不可能(相分離等が生じ、25℃で安定なクリームが製造できない場合)
【0060】
ii)感触評価
専門パネラーがサンプルを使用し、皮膚外用剤の感触を下記の項目から選択した。
イ:濃厚で重い感触
ロ:リッチ感
ハ:油性感、保湿感
ニ:さっぱり感がある
ホ:軽い感じ
【0061】
iii)安定性試験
サンプルを50mLサンプルビンに入れ、40℃/6ヵ月後の配合物の形態を初期と比較して評価した。
○:変化なし
△:やや分離
×:分離
【0062】
得られた皮膚外用剤(水中油型クリーム)の組成と評価結果を表4に示す。
【0063】
【表1】

【0064】
【表2】

【0065】
【表3】

【0066】
【表4】

【0067】
表4から明らかなように、(A−1)/(A−2)が19/1より大きい油性組成物2を用いた場合(比較例4)にはクリームが得られなかった。また、(A)油性組成物が4重量%未満の場合(比較例1)には、感触は軽いが、乳化系が不安定であった。また水性組成物を希釈しないで製造した場合(比較例2、3)はクリームが得られなかった。また、(A)油性組成物が多すぎる場合(比較例5)及び水の含有量が少ない場合(比較例6)もクリームが得られなかった。
これに対し、本発明方法によれば、安定でかつ感触の良好なクリームが簡便に得られた。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(A)(A−1)油剤及び(A−2)ノニオン性界面活性剤を含み、(A−1)と(A−2)の重量比が(A−1)/(A−2)=19/1〜1/1である予め混合された油性組成物4〜30重量%と、(B)水70〜96重量%とを60〜80℃で混合した後、20〜30℃まで冷却する皮膚外用剤の製造方法。
【請求項2】
(A)(A−1)油剤及び(A−2)ノニオン性界面活性剤を含み、(A−1)と(A−2)の重量比が(A−1)/(A−2)=19/1〜1/1である予め混合された油性組成物4〜30重量%と、(B)水40〜96重量%とを60〜80℃で混合した後、40〜60℃まで冷却し、(C)シリコーン組成物 30重量%以下を、40〜60℃で混合した後、20〜30℃まで冷却する皮膚外用剤の製造方法。
【請求項3】
(A)(A−1)油剤と(A−2)ノニオン性界面活性剤を含み、(A−1)と(A−2)の重量比が(A−1)/(A−2)=19/1〜1/1である予め混合された油性組成物4〜30重量%と、(D)水性組成物50重量%以下及び(B)水95重量%以下を混合して得られる(E)希釈水性組成物とを60〜80℃で混合し、40〜60℃まで冷却し、これに(C)シリコーン組成物30重量%以下を、40〜60℃で混合した後、20〜30℃まで冷却する皮膚外用剤の製造方法。
【請求項4】
(A)(A−1)油剤と(A−2)ノニオン性界面活性剤を含み、(A−1)と(A−2)の重量比が(A−1)/(A−2)=19/1〜1/1である予め混合された油性組成物4〜30重量%と、(D)水性組成物50重量%以下及び(B)水95重量%以下を混合して得られる(E)希釈水性組成物とを60〜80℃で混合した後、20〜30℃まで冷却する皮膚外用剤の製造方法。
【請求項5】
(D)水性組成物が、(D−1)保湿剤、(D−2)増粘剤、(D−3)アニオン性界面活性剤、(D−4)中和剤及び(D−5)防腐剤からなる群より選ばれる1種以上を含む請求項3又は4記載の皮膚外用剤の製造方法。
【請求項6】
(C)シリコーン組成物が(C−1)揮発性シリコーン、(C−2)不揮発性シリコーン及び(C−3)グリセロール変性シリコーンからなる群より選ばれる1種以上を含む請求項2又は3記載の皮膚外用剤の製造方法。
【請求項7】
(A)(A−1)油剤及び(A−2)ノニオン性界面活性剤を含み、(A−1)と(A−2)の重量比が(A−1)/(A−2)=19/1〜1/1である油性組成物と、(C)シリコーン組成物とを組み合わせた皮膚外用剤製造用キット。
【請求項8】
(A)(A−1)油剤及び(A−2)ノニオン性界面活性剤を含み、(A−1)と(A−2)の重量比が(A−1)/(A−2)=19/1〜1/1である油性組成物と(C)シリコーン組成物と、(D)水性組成物とを組み合わせた皮膚外用剤製造用キット。
【請求項9】
(A)(A−1)油剤及び(A−2)ノニオン性界面活性剤を含み、(A−1)と(A−2)の重量比が(A−1)/(A−2)=19/1〜1/1である油性組成物と、(D)水性組成物とを組み合わせた皮膚外用剤製造用キット。

【公開番号】特開2008−222631(P2008−222631A)
【公開日】平成20年9月25日(2008.9.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−62662(P2007−62662)
【出願日】平成19年3月12日(2007.3.12)
【出願人】(000000918)花王株式会社 (8,290)
【Fターム(参考)】